JP2004339537A - 高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れ、さらには歪取り焼鈍後の磁気特性にも優れた無方向性電磁鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、Si:0.1 〜1.2 %、Mn:0.005 〜0.30%およびB:0.0001〜0.0030%を含み、かつC:0.0050%以下、S:0.0050%以下、O:0.0100%以下、N:0.0030%以下、sol.Al:0.0004%以下およびTi,VおよびNbを合計で 0.010%以下に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成にすると共に、降伏点と引張強さの比YP/TSを0.80以上とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主として電気機器の鉄心材料に用いられる無方向性電磁鋼板、特に高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力をはじめとするエネルギーの節減という世界的な動向の中、電気機器についても、その高効率化が強く望まれている。また、電気機器の小型化という観点から、特に鉄心の小型化に対する要望も高まっている。さらには、環境への配慮から、電気機器における鉄心材料のリサイクル化への対応も急務となっている。
【0003】
電気機器の高効率化や鉄心の小型化には、鉄心の素材となる電磁鋼板の磁気特性を改善することが有効である。ここに、従来の無方向性電磁鋼板の分野では、磁気特性のうち特に鉄損を低減する手段として、電気抵抗を増加させることによって渦電流損の低減を図るべく、Si,AlおよびMn等の含有量を高める手法が一般に用いられてきた。
しかしながら、この手法は、磁束密度の低下が免れないという、本質的な問題を抱えていた。
【0004】
また、単にSiやAl等の含有量を高めるだけではなく、併せてCやSを低減する方法、さらにはNiを添加するなど、合金元素を増加させる方法(例えば、特許文献1参照)も、一般に知られている方法である。
しかしながら、上記したような合金元素を添加する方法では、鉄損は改善されるものの、磁束密度の改善効果は小さく、満足できるものではなかった。しかも、合金添加に伴って鋼板の硬さが上昇して加工性が劣化するため、かような無方向性電磁鋼板は加工をして電気機器に適用する場合の汎用性に乏しく、その用途は極めて限定されたものとなっていた。
【0005】
一方、製造プロセスを変更して、製品板の結晶方位の集積度すなわち集合組織を改善して磁気特性を向上させる方法が、いくつか提案されている。例えば、Si:2.8 〜4.0 mass%およびAl:0.3 〜2.0 mass%を含有する鋼を 200〜500 ℃の温度範囲で温間圧延することにより、{100}<UVW>組織を発達させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このような方法による磁気特性の改善効果も、満足できるものとは言い難かった。
【0006】
また、需要家において歪取り焼鈍を行うことが多いこともあって、この焼鈍後に磁気特性が劣化しないことも、無方向性電磁鋼板に要求される性能として大切なものであるが、この点にも問題があった。
【0007】
さらに、加工性およびリサイクル性にも問題を残していた。
すなわち、鋼中にある程度以上の量のAlが含まれていると、まず鋼板の硬さが上昇して加工性が阻害され、また鉄心材料をリサイクルしたり、需要家でスクラップ処理する場合に、電気炉の電極を傷めるといった問題に発展していた。
また、鉄心のリサイクル材を用いてモーターのシャフトなどを鋳造する場合、Alが含まれていると、鋳込み時に溶鋼の表面酸化が進行して粘性が増大し、溶鋼の鋳型内充填性が悪化するために、健全な鋳込みが阻害されることも問題になっていた。
【0008】
従って、加工性、リサイクル性および磁束密度を改善するためには、Alの含有量を低減させることが有用である。しかしながら、一方でAlの低減は、磁気特性とくに鉄損の増加を招くことになる。また、歪取り焼鈍後の鉄損も劣化するという不利がある。
この原因は、Alが強力な脱酸元素であることが挙げられる。すなわち、Alを添加すると溶鋼時にAlが酸素と結びつき、鋼中の酸化物が低減する。このため結晶粒の粒成長性が向上し、鉄損が効果的に低減される。また、Nとも結合して粗大なAlNを形成し、粒成長性を向上させる。しかしながら、Alが微量しか存在しない場合には、酸化物の形成量が少なく、また微細なAlNを形成して、結晶粒の粒成長性を妨げてしまう。従って、無方向性電磁鋼板の製造に際し、Alを低減することは難しいとされていた。
【0009】
このため、特許文献3や特許文献4では、sol.Alとして0.0050〜0.1 mass%の低濃度のAlを含有させて脱酸を確保しつつ、Bを添加することによってAlNの析出を防止している。
しかしながら、やはり少量でもAlが残存することは好ましくなく、さらなる改善が求められていた。
【0010】
さらに、近年、モーターの高回転化に伴いローターの強度が必要とされるようになってきた。強度を高めるためには、合金元素を添加するか、粒径を細かくする必要があるが、これらの手段では、磁束密度が下がったり鉄損が劣化するという弊害が生じるため、その改善が望まれていた。
【0011】
【特許文献1】
特開平3−281758号公報
【特許文献2】
特開昭58−181822号公報
【特許文献3】
特公昭62−56225 号公報
【特許文献4】
特公平4−19297 号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れ、さらには歪取り焼鈍後の磁気特性にも優れた無方向性電磁鋼板を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で
Si:0.1 〜1.2 %、
Mn:0.005 〜0.30%および
B:0.0001〜0.0030%
を含み、かつ
C:0.0050%以下、
S:0.0050%以下、
O:0.0100%以下、
N:0.0030%以下、
sol.Al:0.0004%以下および
Ti,VおよびNbを合計で 0.010%以下
に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、降伏点と引張強さの比YP/TSが0.80以上であることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板。
【0014】
2.上記1において、鋼板が、さらに質量%で
Sn:0.005 〜0.2 %および
Sb:0.005 〜0.10%
のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板。
【0015】
3.上記1または2において、鋼板が、さらに質量%で
P:0.001 〜0.2 %および
Ni:0.001 〜0.2 %
のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板。
【0016】
4.質量%で
Si:0.1 〜1.2 %、
Mn:0.005 〜0.30%および
B:0.0001〜0.0030%
を含み、かつ
C:0.0050%以下、
S:0.0050%以下、
O:0.0100%以下、
N:0.0030%以下、
sol.Al:0.0004%以下および
Ti,VおよびNbを合計で 0.010%以下
に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、スラブ加熱後、熱間圧延し、ついで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施したのち、仕上焼鈍を施すことからなる無方向性電磁鋼板の製造方法において、熱間圧延に先立ち、下記(1) 式を満足する温度範囲でスラブ加熱を行ったのち、仕上圧延出側温度:800 ℃以上の条件で熱間仕上圧延を行うことを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法。

Figure 2004339537
【0017】
5.上記4において、鋼板が、さらに質量%で
Sn:0.005 〜0.2 %および
Sb:0.005 〜0.10%
のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0018】
6.上記4または5において、鋼板が、さらに質量%で
P:0.001 〜0.2 %および
Ni:0.001 〜0.2 %
のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の解明経緯について説明する。
さて、電気機器のモーターやトランスの効率を高めるためには、これらの銅損や鉄損を低減することが重要であり、銅損および鉄損を共に低減するためには、素材の磁束密度を高めかつ鉄損を低減する必要がある。ところが、一般に鉄損を低減するために添加する、Siなどの比抵抗増加成分は、磁束密度を低下させることから、低鉄損および高磁束密度を両立させるのは非常に困難であった。
【0020】
この点、集合組織の改善による手法は、低鉄損と高磁束密度を両立させ得る優れた手段であるが、この手段にも自ずから限界があった。
すなわち、飽和磁束密度は鉄の量によって決まるものであるから、たとえ製造プロセスの変更により集合組織を改善したとしても、鉄以外の元素が添加されると、その分だけ飽和磁束密度が低下することは避けられない。
そこで、この発明では、Si量をできるだけ低減した成分系、すなわちSi含有量が 1.2mass%以下の素材について検討を行った。
【0021】
また、モーターは、ステーターと呼ばれる部品とローターと等ばれる部品に対して電磁鋼板が使用される。ここで、ローターは、回転する部品であるので、それなりの強度が要求される。近年、モーターの効率を上げるために、希土類磁石をローターに埋め込み、これを高速回転させる例が多くなってきた。このため、飽和磁束密度と強度に対する要求は、従来よりも格段に高くなってきている。なお、この時の強度は、YPで表される上降伏点が重要である。
一方、ステーターに関しては、鉄損が最も重要であり、また回転しないために強度は特に必要とはされない。このように、同じモーターに使用される電磁鋼板であっても、ローターとステーターとでは、それらに要求される性能は大きく異なっている。
すなわち、ローターに求められるのは、高磁束密度と高強度で、ステーターに求められるのは、低鉄損である。
しかしながら、ローターやステーターは、同一の鋼板からプレスによって打ち抜かれるのが通常で、これを行わないと鋼板の歩留りが著しく低下する。
【0022】
そこで、発明者らは、要求特性が異なる両部品に適合する無方向性電磁鋼板を開発すべく鋭意検討を行った結果、次の結論に至った。
すなわち、製品を出荷する際の結晶粒径はできるだけ小さくし、鋼板の強度(YP)を高くする。そして、鋼板をプレス加工機で打ち抜いたのち、需要家でステーターのみを歪取り焼鈍することによって、ステーターに使用される無方向性電磁鋼板の粒径のみを大きくする。なお、需要家での歪取り焼鈍条件は、 750℃, 2時間程度で焼純雰囲気はArガス中が最も多いことから、この条件をこの発明における歪取り焼鈍条件と定めた。
【0023】
さらに、プレス加工時の打ち抜き性を高めるためには、YPとTS(引張強さ)のバランスが非常に重要であることが明らかになってきた。
すなわち、TSが高くなりすぎると、プレス加工後のバリやカエリが大きくなる傾向が認められた。電磁鋼板は積層して使用されるため、バリやカエリが大きくなるとうまく積層することができなくなってしまう。
この問題を解消するためには、YPとTSの比を0.80以上にする必要があることが判明した。
【0024】
次に、上記の知見を踏まえて、加工性およびリサイクル性に優れ、しかも高い強度および磁束密度、さらには歪取り焼鈍後の鉄損にも優れる、無方向性電磁鋼板の成分組成について、さらに検討を重ねた。
まず、Alは、従来、磁気特性の向上のために不可欠であるとして添加されてきたが、加工性およびリサイクル性を阻害することから、この発明では、基本的にAlを含有しないこととした。
【0025】
すなわち、Alは、鋼板の製造工程において、鋼板表面の酸化を促進するために、圧延工程で圧延ロールの摩耗を早めて圧延性を阻害したり、鋼板の硬さを高めるために、需要家が打ち抜き加工する隙に金型の劣化を早めて作業時間やコストを増大させる等、加工性に関して不利な成分である。また、鉄心材料をリサイクルしたり需要家でスクラップ処理する場合に電気炉の電極を傷めるといった問題を引き起こす。さらに、鉄心のリサイクル材を用いてモーターのシャフトなどを鋳造する場合、0.1 mass%以上のAlが含まれていると、鋳込み時に溶鋼の表面酸化が進行して粘性が増大し、溶鋼の鋳型内充填性が悪化するために、健全な鋳物が得られないことがあり、Alを含むスクラップはリサイクル性に乏しいものであった。
従って、加工性、リサイクル性および磁束密度の向上を図るには、Alの含有量を低減させることが有用である。
【0026】
しかしながら、一方でAlの低減は、磁気特性とくに鉄損の増加を招くことになる。また、歪取り焼鈍後の鉄損も劣化する。この原因は、Alが強力な脱酸元素であることであることが挙げられる。すなわち、Alを添加すると溶鋼時にAlが酸素と結びつき、鋼中の酸化物が低減する。このため結晶粒の粒成長性が向上し、鉄損が非常に低減される。またNとも結びつき粗大なAlN を形成し粒成長性を向上させる。しかしながら、Alが微量しか存在しない場合は、酸化物の形成量も少なく、かつ微細なAlNを形成して、結晶粒の粒成長性を妨げてしまう。従って、従来は、無方向性電磁鋼板の製造に際し、Alを低減することは困難な技術とされていたのは前述したとおりである。
また、特許第3013961 号公報に述べられているように、工業的な製鋼技術では従来、5ppm 以下のAlを達成することは極めて難しいとされていた。このため、このような低Al領域での最適成分系については明らかにされていなかった。
【0027】
ところが、ごく最近、急速な製鋼技術の進歩に伴い、極めて低いAl濃度を達成することが可能となってきた。これに伴い、全く新しい知見が、発明者らによって明らかになってきた。
すなわち、発明者らは、数多くの実験結果を解析した結果、Alを極力低減すると共に、S,N,O,Ti,VおよびNbの含有量を下げ、かつBを添加し、さらに熱延前のスラブ加熱をBとN量に応じた温度で行い、かつ熱間仕上圧延出側温度を 800℃以上にすることによって、極めて良好な磁気特性とリサイクル性および加工性を併せ持つ無方向性電磁鋼板が得られることが究明されたのである。
【0028】
以下、この発明を得るに至った実験について述べる。
(実験1)
Si:0.8 mass%,Mn:0.4 mass%,C:0.0015mass%,S:0.0025mass%,O:0.0080mass%およびN:0.0025mass%を基本成分とし、Alを0〜15 ppmの範囲で、またTi,NbおよびVをそれぞれ、Ti:0.0002〜0.0050mass%、Nb:0.0002〜0.0080mass%、V:0.0001〜0.0080mass%の範囲で種々変更した鋼塊を製造した。ついで、これらの鋼塊を、1080℃で加熱した後、熱間圧延にて 2.3mm厚とし、ついで酸洗後、冷間圧延にて最終板厚:0.35mmに仕上げたのち、 850℃、15秒間の再結晶焼鈍を施して製品板とした。
これらの製品板の圧延方向断面を光学顕微鏡で観察し、その粒径を測定した。なお、粒径は、0.5mmの面積中に存存する結晶粒の数を測定し、円相当径として求めた。
ついで、製品板に対し、Ar雰囲気中にて 750℃, 2時間の歪取り焼純を施したのち、これについても同様にして結晶粒径の測定を行った。
これにより、歪取り焼鈍前後における粒径比を求めた結果を、図1に示す。
【0029】
図1から明らかなように、Al量が0.0004mass%以下と低い場合であっても、(Ti+Nb+V)合計量を 0.010mass%以下に抑制することによって、歪取り焼鈍後に結晶粒径が2倍以上に成長する電磁鋼板を得ることができた。
【0030】
この結果、溶銑やSi原料に含まれることから、溶鋼中に不可避に混入するTi,NbおよびVの量を低減することによって、Alを極めて低減した成分系でも、粒成長性が極めて良好な電磁鋼板が得られることが新たに判明した。
【0031】
ここで、製品板におけるTi,NbおよびV量を低減することによって粒成長性が非常に良好に安定化する理由は、必ずしも明らかではないが、TiおよびNb、そしてVはともに窒化物形成元素であり、結晶粒成長性に悪影響を及ぼす微細析出するAlNと同様の害を与えるため、これらを低減することによって、この種の害が防止できる結果、良好な粒成長性が得られたものと考えられる。なお、これらの析出は、冷延後の再結晶焼鈍で起こると考えられる。
【0032】
(実験2)
しかしながら、sol.Al, Ti,NbおよびV量を所定の範囲に制限し、粒成長性が非常に良好な場合であっても、磁気特性の絶対値レベルが低い場合が散見された。
そこで、次に、この原因を明らかにするために、溶鋼中のB量と熱延条件について検討を行った。
まず、Si:0.9 mass%、Al:0.0002mass%およびMn:0.15mass%を含み、さらに微量不純物元素であるTi,NbおよびVの含有量を合計で 0.010mass%以下、さらにB:0.5 〜50 ppmおよびN:10〜50 ppmに成分調整したスラブ鋼塊を製造して、実験に供した。ついで、これらのスラブを、ガス加熱炉で加熱し、熱間圧延にて 2.5mm厚の熱延板としたのち、酸洗し、ついで冷間圧延にて最終板厚:0.5mmに仕上げたのち、840 ℃, 10秒間の再結晶焼鈍を行って製品とした。その後、Ar雰囲気中で 750℃, 2hの歪取り焼鈍を施した。
かくして得られた歪取り焼鈍後の製品板から、圧延方向と平行および圧延方向と直角にそれぞれサンプルを切り出し、JIS C 2550に準拠して磁束密度および鉄損を測定し、それらの平均値を求めた。
【0033】
図2に、歪取り焼鈍後の鉄損W15/50 (W/kg)について調べた結果を、B×N量とスラブ加熱温度との関係で示す。
同図に示したように、B×N量をある範囲に限定した上で、スラブ加熱温度がある特定の範囲にある場合に、極めて低い鉄損が得られることが判明した。
【0034】
この原因は、BとNの化合物であるBN析出物の固溶・析出にあると考え、溶解度積について考察を行った。
この発明のように、Al,Nb,V等の窒化物形成元素を極端に減少させると、Nは固溶状態となる。ここで、Bが存在すると、BNを形成することになるが、その固溶析出は下記の溶解度積で決定される。
log[Bppm] [Nppm]=−19560/T(K) +15.75
この関係を考慮して、スラブ加熱温度と成分のB量とN量との関係を見直して、図2にプロットした結果、次式(1) の範囲で非常に良好な特性が得られることが明らかとなった。
Figure 2004339537
【0035】
スラブ加熱温度は、BNが固溶する温度以下でなければならないことが明らかである。
さらに、電子顕微鏡等で観察を進めた結果、BNはMnSと複合析出していることが明らかになった。Sは通常、Mnと結合し、MnSとして析出している。しかしながら、BNが鋼中に存在すると、MnSはBNと地鉄の界面に析出する。この理由は、界面エネルギーがより低くなるためと考えられる。このため、MnSとBNは複合析出物として、熱的に安定して存在することが可能となる。
【0036】
通常、この発明のようにS量が低くなると、スラブ加熱時にMnSは一旦固溶し、引き続く熱間圧延で再析出する。このようにして析出したMnSは非常に微細で、熱延板粒径を細かくし、ひいては圧延後の再結晶焼鈍後の集合組織を劣化させるだけでなく、製品粒径を必要以上に細かくしてしまう。このため製品磁性が劣化してしまったと考えられる。
これに対し、BとNが存在すると、BNとMnSが複合析出するため、界面エネルギーが低下し、安定的な析出物となる。このため、MnSが固溶する温度に達しても複合析出物となった(MnS+BN)は固溶しない。従って、スラブ加熱時に一旦固溶し、熱間圧延で再析出するような現象が起こらないため、熱延板粒径は大きく、その後に再結晶焼鈍後の集合組織と粒径を適正化することで製品磁気特性を向上させることができたと考えられる。
【0037】
なお、スラブ加熱温度が低すぎても磁気特性が低下する。この原因は、スラブ加熱温度の低下に伴い仕上熱延温度が低下することにより、熱延板粒径が微細化することに起因すると考えられる。熱延後の冷間圧延で導入される歪みは、主に粒界近傍に蓄積され、引き続く仕上焼鈍でその歪み蓄積部から再結晶する。このため、熱延板粒経が細かいほど、仕上焼鈍後の粒径が細かくなり、磁気特性が劣化する。
【0038】
(実験3)
さらに、SbやSnを添加した際の影響を調査するために、表1に示す成分を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる各鋼種について、実験2と同様の方法で製品板を製造し、歪取り焼鈍を行った。
【0039】
【表1】
Figure 2004339537
【0040】
歪取り焼鈍前後の製品板の鉄損について調査した結果を、図3に示す。
同図に示したとおり、SbおよびSnの一種または二種を添加することにより、歪取り焼鈍後の磁気特性が大幅に向上することが明らかとなった。
この理由についても、明確に解明されたわけではないが、SbやSnの偏析がTi,Nb, V等の析出挙動に影響を与え、析出を抑制すると共に、析出物の粗大化を促進したものと考えられる。
【0041】
また、この発明の無方向性電磁鋼板では、需要家での加工性を損なうことのないように、鋼板のビッカース硬さを100 Hv以上とすることが好ましい。すなわち、この発明の無方向性電磁鋼板は、Alを低減しているだけでなく、磁束密度を高めるために合金元素を減らしているため、硬度が通常の電磁鋼板よりも大幅に低下している。このため、打ち抜きにより、ダレやつぶれが発生して、金型からの離脱が阻害されたり、打ち抜き後のカエリ高さが大きくなって、鋼板の占積率などに悪影響を及ばす。しかしながら、鋼板の硬さが170 Hv以上になると、逆に加工性が劣化するだけでなく、金型の早期摩耗が発生し易くなる不利が生じる。
【0042】
さらに、プレス加工時の打ち抜き性を高めるためには、降伏点(YP)と引張強さ(TS)のバランスが非常に重要であることが明らかになった。
すなわち、TSが高くなりすぎると、プレス加工後のバリやカエリが大きくなる傾向が認められた。電磁鋼板は積層して使用されるため、バリやカエリが大きくなるとうまく積層することができなくなってしまう。
そこで、このYPとTSバランスについて調査したところ、これらの比YP/TSを0.80以上とする必要があることが解明された。
【0043】
上記した鋼板硬さやYP/TS比の調整は、主に熱間圧延条件と最終焼鈍温度による結晶粒径の適正化やPやNiを添加することによって達成されるものであるが、不純物元素が多量に存在したり、最終焼鈍において酸化や窒化が生じた場合などには、所望の硬さを安定して得るのが困難となる。
従って、この発明に従って不純物を低減することは勿論、製造工程において、過度に酸化や窒化が生じない雰囲気で焼鈍することが有効である。
なお、この発明では、酸化や窒化の核となる鋼中Al量を低減しているため、他の鋼種に比べると酸化や窒化は生じにくい利点がある。
【0044】
ここに、酸化や窒化に対する抑制効果があるSbやSnを添加することも、鋼板の硬さを調整するのに有用である。また,Sb、Snの添加は、窒化物の微細析出を抑制し、かつこれらの粒成長阻害効果を抑制することにより、磁気特性上より有利な集合組織の形成を促進させる上でも有効である。
これらの効果を得るには、Sb:0.005 〜0.10mass%、Sn:0.005 〜0.2 mass%の範囲で添加することが好ましい。
【0045】
以下、この発明の各構成要件の限定理由について説明する。
まず、本発明において鋼の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
Si:0.1 〜1.2 %
Siは、電気抵抗を増大させて鉄損を低減する効果があり、この鉄損改善のためには0.1 %以上の含有が必要であるが、Si量が 1.2%超になると磁束密度が低下するだけでなく、硬度が上昇し加工性が劣化することから、Si量は 0.1〜1.2 %の範囲に限定した。
【0046】
Mn:0.005 〜0.30%
Mnは、良好な熱間加工性を得るために有用な成分であり、そのためには 0.005%以上の含有が必要であるが、 0.3%を超えると飽和磁束密度が低下するため、Mn量は 0.005〜0.30%の範囲に限定した。
【0047】
B:0.0001〜0.0030%
この発明では、BNをMnSと複合析出させ、MnSの熱間圧延工程での再析出を阻止することによって、再結晶焼鈍後の集合組織と結晶粒径の適正化を図っている。このためには、少なくとも0.0001%のBが必要であるが、0.0030%を超えて多量に含有されるとBNの過剰な析出により、歪取り焼鈍後の粒成長性低下の弊害を招く。従って、B量は0.0001〜0.0030%の範囲に限定した。
【0048】
C:0.0050%以下
Cは、磁気時効劣化を抑制し、かつ極低Al化による集合組織の改善効果を十分に発揮させるために、0.0050%以下に低減させる必要がある。なお、Cの低減は、溶鋼の段階で0.0050%以下としてもよいし、溶鋼段階で0.0050%を超えていても、途中工程での脱炭処理等により0.0050%以下としてもよい。
【0049】
S:0.0050%以下
Sは、MnやトランプエレメントのCuなどと結合してMnSや CuSとなり、結晶粒成長を妨げるので少ない方が好ましく、0.0050%以下に制限した。
【0050】
O:0.0100%以下
T.O量が0.0100%を超えると酸化物が増え、結晶粒の成長を妨げるので、T.Oは0.0100%以下とした。
【0051】
sol.Al:0.0004%以下、N:0.0030%以下、
優れた粒成長性と磁気特性を得るためには、鋼板中のAl量を0.0004%以下、N量を0.0030%以下に低減することが肝要である。すなわち、Al量が0.0004%を超えると、製品板においてAlNが析出し、歪取り焼鈍後の粒成長性が劣化すると共に集合組織が劣化して、製品板の磁束密度が低下するため、Al量はsol.Alで0.0004%以下に限定する。
また、N量が0.0030%を超えると、種々の窒化物が形成されて、再結晶焼純時の集合組織の発達と結晶粒の成長が抑制され、鉄損が大きく劣化するため、N量は0.0030%以下に低減する。
【0052】
Ti,VおよびNbを合計で 0.010%以下
Ti,NbおよびVはいずれも、微細な窒化物を形成し、集合組織の形成および結晶粒の成長を阻害する成分であるが、これらの総量を規制することにより、製品の磁気特性と歪取り焼鈍後の磁気特性とを高度に両立することができる。すなわち、Ti,VおよびNbの総量を合計で 0.010%以下に低減することにより、Ti,NbおよびVの窒化物または炭化物の製品板での析出挙動と歪取り焼鈍時の析出が制御され、磁壁移動に影響を及ぼす析出物の影響が小さくなり、歪取り焼鈍前後における製品板の磁気特性が向上する。
【0053】
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Sn:0.005 〜0.2 %およびSb:0.005 〜0.10%のうちから選んだ一種または二種 Sb,Snはいずれも、窒化物の析出形態および粒界移動時の良好な集合組織形成のために、有用な成分である。すなわち、SbおよびSnは、窒化物の微細析出を抑制し、かつこれらの粒成長阻害効果を抑制することにより、磁気特性上より有利な集合組織形成を促進させる上で有効である。これらの効果を得るためには、いずれも 0.005%以上含有させる必要があるが、Sbでは0.10%を超えると、またSnでは0.2 %を超えるとその添加効果は飽和に達し、むしろ粒成長性を阻害するおそれがあるため、それぞれ上記の範囲で含有させることが好ましい。
【0054】
P:0.001 〜0.2 %およびNi:0.001 〜0.2 %のうちから選んだ一種または二種PおよびNiは、微量の添加で硬度を向上させる有用元素である。需要家によって最適な硬度が異なるため、必要に応じてPやNiをそれぞれ 0.001〜0.2 %の範囲で含有させることは有利である。
【0055】
さらに、硫化物を粗大化して鉄損を向上するために、REM やCaを製鋼段階で添加することも有効である。このREM やCaは、ミッシュメタルやCaSi, CaAl, CaOフラックス等にて添加することができる。すなわち、REM やCaを添加することによって、粗大な硫化物(酸素を含む場合もある)が形成され、鉄損を向上することができる。
【0056】
次に、この発明に従う製造方法について説明する。
上記の好適成分組成に調整した鋼を、転炉などで溶製し、通常の造塊法や連続鋳造法でスラブを製造してもよいし、100mm 以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造してもよい。
熱間圧延に先立つスラブ加熱は、次式(1) を満足する温度範囲で行う。
Figure 2004339537
スラブ加熱温度を、上記の範囲に限定したのは、前掲図2に示したとおり、上記の温度範囲でスラブ加熱を行うことにより、適正量のBNを確保し、効果的にBNとMnSを複合析出させて、MnSの熱間圧延工程での再析出による弊害を解消することができるからである。
【0057】
ついで、熱間圧延を行うが、この熱間圧延に際し、仕上圧延出側温度は 800℃以上とする必要がある。というのは、仕上圧延出側温度を 800℃以上とすることにより、熱延板の粒径を大きくすることができ、ひいては冷延後の再結晶焼鈍後の粒径および集合組織を適正に制御することができるからである。
【0058】
ついで、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、さらに必要に応じて中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施したのち、仕上焼鈍を施す。さらに、必要に応じて積層した鋼板の鉄損を改善するために、絶縁コーティングを施すが、この目的のためには、2種類以上の被膜からなる多層膜としてもよいし、樹脂等を混合させたコーティングを施しても良い。
【0059】
【実施例】
表2に示す成分組成からなる鋼スラブを、連続鋳造にて製造した。このスラブを種々の温度で30分間加熱後、熱間圧延にて 2.8mmの熱延板とした。この時の熱延条件を表2に併記する。ついで、熱延板を酸洗後、スケールを除去してから、冷間圧延を行って、0.50mmの最終板厚に仕上げた。ついで、50%水素と50%窒素からなる雰囲気中にて 790℃、15秒の再結晶焼鈍を施したのち、重クロム酸塩と樹脂からなる半有機コーティング液を塗布し、300 ℃で焼き付けて、製品板とした。
かくして得られた製品板から、圧延方向と平行および圧延方向と直角にそれぞれサンプルを切り出し、JIS C 2550に準拠して磁束密度および鉄損を測定した。
また、製品板の圧延方向断面における結晶粒径を、0.5mmの面積中に存存する結晶粒数から円相当径として求めた。さらに、引張り試験を行って、YPおよびTSを測定した。
【0060】
ついで、製品板に対し 750℃、2hの歪取り焼鈍をAr雰囲気中で行ったのち、圧延方向と平行および圧延方向と直角に、それぞれサンプルを切り出し、JIS C2650に準拠して磁束密度および鉄損を測定した。また、歪取り焼純板の圧延方向断面の結晶粒径を0.5mmの面積中に存在する結晶粒の個数から円相当径として求めた。
これらの測定結果を表3に示す。
【0061】
【表2】
Figure 2004339537
【0062】
【表3】
Figure 2004339537
【0063】
表3に示したとおり、この発明に従う適正な成分組成範囲に成分調整し、BとN量に応じた適正温度でスラブ加熱し、ついで仕上圧延出側温度が 800℃以上の条件で熱間圧延を行うことにより、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れ、さらには歪取り焼鈍後の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板を得ることができた。
【0064】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、高強度で、加工性およびリサイクル性に優れ、かつ磁束密度が高い無方向性電磁鋼板を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒成長性に及ばす(Ti+Nb+V)量およびsol.Al量の影響を示した図である。
【図2】歪取り焼鈍後の磁気特性に及ぼすスラブ加熱温度および[Bppm][Nppm]量の影響を示した図である。
【図3】歪取り焼鈍前後の磁気特性に及ばすSbおよびSnの影響を示した図である。

Claims (6)

  1. 質量%で
    Si:0.1 〜1.2 %、
    Mn:0.005 〜0.30%および
    B:0.0001〜0.0030%
    を含み、かつ
    C:0.0050%以下、
    S:0.0050%以下、
    O:0.0100%以下、
    N:0.0030%以下、
    sol.Al:0.0004%以下および
    Ti,VおよびNbを合計で 0.010%以下
    に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、降伏点と引張強さの比YP/TSが0.80以上であることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板。
  2. 請求項1において、鋼板が、さらに質量%で
    Sn:0.005 〜0.2 %および
    Sb:0.005 〜0.10%
    のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板。
  3. 請求項1または2において、鋼板が、さらに質量%で
    P:0.001 〜0.2 %および
    Ni:0.001 〜0.2 %
    のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板。
  4. 質量%で
    Si:0.1 〜1.2 %、
    Mn:0.005 〜0.30%および
    B:0.0001〜0.0030%
    を含み、かつ
    C:0.0050%以下、
    S:0.0050%以下、
    O:0.0100%以下、
    N:0.0030%以下、
    sol.Al:0.0004%以下および
    Ti,VおよびNbを合計で 0.010%以下
    に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、スラブ加熱後、熱間圧延し、ついで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施したのち、仕上焼鈍を施すことからなる無方向性電磁鋼板の製造方法において、熱間圧延に先立ち、下記(1) 式を満足する温度範囲でスラブ加熱を行ったのち、仕上圧延出側温度:800 ℃以上の条件で熱間仕上圧延を行うことを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法。

    Figure 2004339537
  5. 請求項4において、鋼板が、さらに質量%で
    Sn:0.005 〜0.2 %および
    Sb:0.005 〜0.10%
    のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 請求項4または5において、鋼板が、さらに質量%で
    P:0.001 〜0.2 %および
    Ni:0.001 〜0.2 %
    のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、高強度で、かつ加工性およびリサイクル性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法。
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