JP2004338225A - 印刷装置、印刷方法、および印刷用プログラム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、および印刷用プログラム Download PDF

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寿夫 唐沢
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Abstract

【課題】印刷ヘッドが傾いている場合でもバンディングが発生しないようにすること。
【解決手段】副走査方向に沿って一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列された少なくとも1つの印刷ヘッド12を用いて印刷媒体Pの表面に記録を行う印刷装置において、第1の主走査において、印刷ヘッドを駆動して主走査方向に各ドットが不規則な間隔を有するように印刷媒体上にドットを印刷する第1の駆動手段(制御回路40)と、第2〜第M(Mは2以上の整数)の主走査において、第1の主走査によって印刷されなかった残りのドットを印刷媒体上に印刷する第2の駆動手段(制御回路40)と、第1〜第Mの主走査を繰り返すことにより所望の情報を印刷媒体上に印刷する繰り返し手段(制御回路40)と、を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置、印刷方法、および印刷用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷ヘッドが主走査方向と副走査方向に走査しながら印刷を行う印刷装置としては、シリアルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ等がある。この種のプリンタ、特に、インクジェットプリンタにおける画質向上のための技術の一つとして、特許文献1または特許文献2に開示されている「インターレース方式」と呼ばれる技術がある。
【0003】
図18は、インターレース方式の一例を説明するための図である。なお、本明細書では、印刷方式を規定するパラメータとして、以下のものを用いている。
【0004】
N:ノズル個数[個],k:ノズルピッチ[個],s:スキャン繰り返し数,D:ノズル密度[個/インチ],L:副走査ピッチ[インチ],w:ドットピッチ[インチ]。
【0005】
ノズル個数N[個]は、ドットの形成に使用されるノズルの個数で、1回の主走査方向の走査の際に使用される最大ノズル数である。図18の例ではN=3である。ノズルピッチk[個]は、印刷ヘッドにおけるノズルの中心点間隔が、印刷画像のピッチ(ドットピッチw)の何個分であるかを示している。図18の例では、k=2である。スキャン繰り返し回数s[回]は、何回の主走査で各主走査ラインをドットで埋めつくすか、を示す回数である。図18の例では、1回の主走査で各主走査ラインが埋めつくされているので、s=1である。後述するように、sが2以上の時には、主走査方向に沿って間欠的にドットが形成される。ノズル密度D[個/インチ]は、印刷ヘッドのノズルアレイにおいて、1インチ当たり何個のノズルが配列されているかを示している。副走査ピッチL[インチ]は、1回の副走査で移動する距離を示している。ドットピッチw[インチ]は、印刷画像におけるドットのピッチである。なお、一般に、w=1/(D・k)、k=1/(D・w)が成立する。
【0006】
図18において、2桁の数字を含む丸は、それぞれドットの印刷位置を示している。図18の凡例に示すように、丸の中の2桁の数字の中で、左側の数字はノズル番号を示しており、右側の数字は印刷順序(何回目の主走査で印刷されたか)を示している。
【0007】
図18に示すインターレース方式は、印刷ヘッドのノズルアレイの構成と、副走査の方法とに特徴がある。すなわち、インターレース方式では、隣り合うノズルの中心点間隔を示すノズルピッチkは2以上の整数に設定され、かつ、ノズル個数Nとノズルピッチkとが互いに素の関係にある整数に選ばれる。また、副走査ピッチLは、N/(D・k)(=N・w)に設定される。
【0008】
このインターレース方式には、ノズルのピッチやインク吐出特性等のばらつきを、印刷画像上で分散させることができるという利点がある。したがって、ノズルのピッチや吐出特性にばらつきがあっても、これらの影響を緩和して画質を向上させることができるという効果を奏する。
【0009】
カラーインクジェットプリンタにおける画質改善を目指した別の技術として、特許文献3および特許文献4に開示された「シングリング方式」または「マルチスキャン方式」と呼ばれる技術がある。
【0010】
図19は、シングリング方式の一例を説明する図である。このシングリング方式では、8個のノズルを2組のノズル群に分類している。1組目のノズル群は、ノズル番号(丸の中の左側の数字)が偶数である4個のノズルで構成されており、2組目のノズル群は、ノズル番号が奇数である4個のノズルで構成されている。1回の主走査では、各組のノズル群をそれぞれ間欠的タイミングで駆動することにより、主走査方向に(s−1)ドットおきにドットを形成する。図19の例では、s=2なので、1ドットおきにドットが形成される。また、各組のノズル群は、主走査方向にそれぞれ異なる位置にドット形成するように、それぞれの駆動タイミングが制御されている。すなわち、図19に示すように、第1のノズル群のノズル(ノズル番号8,6,4,2)と、第2のノズル群のノズル(ノズル番号7,5,3,1)とは、印刷位置が主走査方向に1ドットピッチ分だけずれている。そして、このような主走査を複数回行い、その都度各ノズル群の駆動タイミングをずらすことにより、主走査ライン上の全ドットの形成を完成させる。
【0011】
このシングリング方式では、各主走査ライン上のドットが同一のノズルで印刷されず、複数のノズルを用いて印刷される。したがって、ノズルの特性(ピッチや吐出特性等)にばらつきがある場合にも、特定のノズルの特性の影響が1つの主走査ラインの全体に及ぶことを防止でき、この結果、画質を向上させることができる。
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,198,642号
【0013】
【特許文献2】特開昭53−2040号公報(要約書、請求項)
【0014】
【特許文献3】特開平3−207665号公報(要約書、請求項)
【0015】
【特許文献4】特公平4−19030号公報(要約書、請求項)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷ヘッドを主走査方向および副走査方向に駆動して印刷を行うプリンタでは、印刷ヘッドの取り付け角度のズレに起因して、バンディング(スジ状の印刷ムラ)が発生する場合がある。
【0017】
図20は、バンディングの発生の様子を示す図である。この例は、印刷ヘッド200が有する各値は、次の通りである。すなわち、ノズル個数N=4であり、また、k=2、s=2、D=360([dpi])であり、副走査ピッチがLがノズルピッチkの3/2倍および1/2倍の2通りが混在した形態となっている。なお、この図に示す格子状の枠210は、ドットの形成位置を分かりやすくするためのものである。
【0018】
この図20の例では、1回目の走査において、枠210の左端を開始位置として、副走査方向に1つ置きに4つのドットが形成され、主走査方向には1つ置きにドットが形成される。そして、ノズルピッチの3/2倍に該当する距離だけ副走査が行われた後、1回目の場合と同様に枠210の左端を開始位置として、前述の場合と同様にドットが形成される。つづいて、ノズルピッチの1/2倍に該当する距離だけ副走査が行われた後、枠210の左端からドット1つ分だけ右側にずれた位置を開始位置として、前述の場合と同様にドットが形成される。つぎに、ノズルピッチの3/2倍に該当する距離だけ副走査が行われた後、枠210の左端からドット1つ分だけ右側にずれた位置を開始位置として、前述の場合と同様にドットが形成される。
【0019】
以上のような動作を繰り返すことにより、格子状の枠210内が埋められていくことになる。
【0020】
図21は、図20と同様の印刷方法において、印刷ヘッド200が角度θだけ傾いている場合におけるドットの形成状態を示す図である。この図に示すように、印刷ヘッド200が角度θだけ傾いている場合には、印刷ヘッド200の上端では形成されるドットが左方向に移動し、下端では右方向に移動する。その結果、図22に示すように、ドットの位置によっては、ドット同士が密な部分220と、ドット同士が粗な部分230が生じ、これらの部分は、周辺部分に比較して濃度の高い部分と、濃度の低い部分として認識されることになるため、画質が劣化するという問題点がある。
【0021】
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、印刷ヘッドが傾いている場合でもバンディングが発生することを防止することが可能な印刷装置、印刷方法、および印刷用プログラムを提供しよう、とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、副走査方向に沿って一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列された少なくとも1つの印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行う印刷装置において、第1の主走査において、印刷ヘッドを駆動して主走査方向に各ドットが不規則な間隔を有するように印刷媒体上にドットを印刷する第1の駆動手段と、第2〜第M(Mは2以上の整数)の主走査において、第1の主走査によって印刷されなかった残りのドットを印刷媒体上に印刷する第2の駆動手段と、第1〜第Mの主走査を繰り返すことにより所望の情報を印刷媒体上に印刷する繰り返し手段と、を有している。
【0023】
このため、印刷ヘッドが傾いている場合でもバンディングが発生することを防止することが可能となる。
【0024】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、印刷媒体上に形成される主走査方向に並んだ各ドット列は、第1〜第Mの主走査において、少なくとも2以上の異なるドット形成要素によって印刷されるようにしている。このため、印刷ヘッドの傾きによる影響を分散することにより、バンディングの発生を確実に防止することが可能になる。
【0025】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、第1〜第Mの主走査においては、少なくとも1回以上、ドット形成要素が配置されているピッチの半分の距離の整数倍に対応する距離だけ副走査を行うことにより、インターレース方式の印刷を行うようにしている。このため、ドットの形成位置の副走査方向へのズレに起因するバンディングの発生を効果的に防止することができる。
【0026】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、第1〜第Mの主走査においては、N個のドット形成要素を所定の間隔おきに使用して印刷を行い、その余のドット形成要素を他の走査において使用して印刷を行うことにより、インターレース方式の印刷を行うようにしている。このため、ドットの形成位置の副走査方向へのズレに起因するバンディングの発生を効果的に防止することができる。
【0027】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、第1〜第Mの主走査によって形成される各ドットの主走査方向の印刷パターンは、各ノズルで異なっている。このため、ドットの形成位置を確実に分散することにより、印刷ヘッドが傾いている場合であってもバンディングの発生を有効に防止することができる。
【0028】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、第1〜第Mの主走査によって形成される各ドットの主走査方向の印刷パターンは、各色で異なっている。このため、ドットの形成位置を色毎に確実に分散することにより、印刷ヘッドが傾いている場合であってもバンディングの発生を有効に防止することができる。
【0029】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、第1〜第Mの主走査は、複数の印刷ヘッドに分担されて実行されるようにしている。このため、バンディングの発生を確実に防止することができるとともに、印刷速度を向上させることが可能になる。
【0030】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、もとの画像データから各ドット形成要素に対して供給する印刷データを生成する際に用いる分散データを格納した分散テーブルを有するようにしている。このため、印刷データを高速に生成することが可能になる。
【0031】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、分散データは、ドットを形成する場合に対応する“1”の値と、ドットを形成しない場合に対応する“0”の値とがマトリクス状に配置されて構成されており、分散データともとの画像データとを乗算することにより、印刷データを生成するようにしている。このため、ビット演算により印刷データを生成することができるので、処理速度を向上させることが可能になる。
【0032】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、分散データのサイズよりも、もとの画像データのサイズの方が大きい場合には、もとの画像データを、分散データに対応した複数の領域に分割し、それぞれの領域に対して、分散データを乗算するようにしている。このため、分散データを格納するために必要な記憶容量を削減することが可能になる。
【0033】
また、本発明は、副走査方向に沿って一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列された少なくとも1つの印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行う印刷方法において、第1の主走査において、印刷ヘッドを駆動して主走査方向に各ドットが不規則な間隔を有するように印刷媒体上にドットを印刷する第1の駆動ステップと、第2〜第M(Mは2以上の整数)の主走査において、第1の主走査によって印刷されなかった残りのドットを印刷媒体上に印刷する第2の駆動ステップと、第1〜第Mの主走査を繰り返すことにより所望の情報を印刷媒体上に印刷する繰り返しステップと、を有している。
【0034】
このため、印刷ヘッドが傾いている場合でもバンディングが発生することを防止することが可能となる。
【0035】
また、本発明は、副走査方向に沿って一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列された少なくとも1つの印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行う印刷装置をコンピュータにより制御して印刷を行うコンピュータ読み取り可能な印刷用プログラムにおいて、コンピュータを、第1の主走査において、印刷ヘッドを駆動して主走査方向に各ドットが不規則な間隔を有するように印刷媒体上にドットを印刷する第1の駆動手段、第2〜第M(Mは2以上の整数)の主走査において、第1の主走査によって印刷されなかった残りのドットを印刷媒体上に印刷する第2の駆動手段、第1〜第Mの主走査を繰り返すことにより所望の情報を印刷媒体上に印刷する繰り返し手段、として機能させるようにしている。
【0036】
このため、印刷ヘッドが傾いている場合でもバンディングが発生することを防止することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0038】
まず、印刷装置の概要について、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、以下では、プリンタ22とコンピュータ90の組み合わせを「印刷装置」と称する。
【0039】
図1は、印刷装置を構成するプリンタ22の概略構成図であり、図2は、制御回路40を中心としたプリンタ22の主要部の構成例を示すブロック図である。
【0040】
図1に示すように、プリンタ22は、紙送りモータ23によって印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31を紙送りローラ26の軸方向に往復動させる主走査送り機構とを有している。ここで、副走査送り機構による印刷用紙Pの送り方向を副走査方向といい、主走査送り機構によるキャリッジ31の移動方向を主走査方向という。
【0041】
また、プリンタ22は、キャリッジ31に搭載され、印刷ヘッド12を備えた印刷ヘッドユニット60と、この印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ23、キャリッジモータ24、印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。
【0042】
つぎに、印刷ヘッド12の構成について、図1を参照しつつ説明する。
【0043】
キャリッジ31には、図1に示すように、ブラック(K)のインクを収納したカートリッジ71、シアン(C)のインクを収納したカートリッジ72、マゼンタ(M)のインクを収納したカートリッジ73、イエロー(Y)のインクを収納したカートリッジ74の4つのインクカートリッジ71〜74が着脱可能に搭載される。
【0044】
キャリッジ31の下部には印刷ヘッド12が設けられている。印刷ヘッド12には、インク吐出箇所としてのノズルが印刷用紙Pの搬送方向に列状に配置され、それぞれの色のインクに対応したノズル列を形成している。このノズルは、ドット形成要素となる。
【0045】
また、キャリッジ31の下部に設けられ、各インクに対応づけられたノズル列には、ノズル毎に、電歪素子の1つであって応答性に優れたピエゾ素子が配置されている。ピエゾ素子は、ノズルまでインクを導くインク通路を形成する部材に接する位置に設置されている。ピエゾ素子は、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う。
【0046】
本実施の形態では、ピエゾ素子の両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、ピエゾ素子が電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路の一側壁を変形させる。この結果、インク通路の体積はピエゾ素子の伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって、ノズルの先端から高速に吐出される。このインク滴が紙送りローラ26に沿わされた印刷用紙Pに染み込むことにより、ドットが形成されて印刷が行われる。インク滴の大きさは、ピエゾ素子への電圧の印加方法によって変更することができる。これにより、例えば、大、中、小の3種類の異なる大きさのドットを形成することができる。
【0047】
第1の駆動手段の一部であり、第2の駆動手段の一部であり、また、繰り返し手段の一部である制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。コンピュータ90は、後述するようにプリンタ22用のドライバプログラムを搭載し、入力装置であるキーボードや、マウス等の操作によるユーザの指令を受け付け、また、プリンタ22における種々の情報を表示装置の画面表示によりユーザに提示するユーザインターフェイスを構成している。
【0048】
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ23の回転を紙送りローラ26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレイン(図示せず)を備える。
【0049】
また、キャリッジ31を往復動させる主走査送り機構は、紙送りローラ26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出するとともに、後述する印刷補正用パターンを検出するための光学センサ39とを備えている。なお、光学センサ39は、光を印刷用紙Pに対して投射する光源と、印刷用紙Pからの反射光を対応する画像信号に変換するラインセンサ(または、CCD素子)とによって構成されている。
【0050】
図2に示すように、制御回路40は、CPU(Central Processing Unit)41、プログラマブルROM(P−ROM(Read Only Memory))43、RAM(Random Access Memory)44、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG(Character Generator))45、およびEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)46を備えた算術論理演算回路として構成されている。
【0051】
この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェース(I/F(Interface))であるI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ23およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54とを備えている。
【0052】
I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷信号PSを受け取ることができる。
【0053】
つぎに、コンピュータ90の構成について、図3を参照しつつ説明する。
【0054】
図3に示すように、コンピュータ90は、CPU91、ROM92、RAM93、HDD(Hard Disk Drive)94、ビデオ回路95、I/F96、バス97、表示装置98、入力装置99および外部記憶装置100によって構成されている。
【0055】
ここで、CPU91は、ROM92やHDD94に格納されているプログラムに従って各種演算処理を実行するとともに、装置の各部を制御する制御部である。
【0056】
ROM92は、CPU91が実行する基本的なプログラムやデータを格納しているメモリである。RAM93は、CPU91が実行途中のプログラムや、演算途中のデータ等を一時的に格納するメモリである。
【0057】
HDD94は、CPU91からの要求に応じて、記録媒体であるハードディスクに記録されているデータやプログラムを読み出すとともに、CPU91の演算処理の結果として発生したデータを前述したハードディスクに記録する記録装置である。
【0058】
ビデオ回路95は、CPU91から供給された描画命令に応じて描画処理を実行し、得られた画像データを映像信号に変換して表示装置98に出力する回路である。
【0059】
I/F96は、入力装置99および外部記憶装置100から出力された信号の表現形式を適宜変換するとともに、プリンタ22に対して印刷信号PSを出力する回路である。
【0060】
バス97は、CPU91、ROM92、RAM93、HDD94、ビデオ回路95およびI/F96を相互に接続し、これらの間でデータの授受を可能とする信号線である。
【0061】
表示装置98は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタによって構成され、ビデオ回路95から出力された映像信号に応じた画像を表示する装置である。
【0062】
入力装置99は、例えば、キーボードやマウスによって構成されており、ユーザの操作に応じた信号を生成して、I/F96に供給する装置である。
【0063】
外部記憶装置100は、例えば、CD−ROM(Compact Disk−ROM)ドライブユニット、MO(Magneto Optic)ドライブユニット、FDD(Flexible Disk Drive)ユニットによって構成され、CD−ROMディスク、MOディスク、FDに記録されているデータやプログラムを読み出してCPU91に供給する装置である。また、MOドライブユニットおよびFDDユニットの場合には、CPU91から供給されたデータを、MOディスクまたはFDに記録する装置である。
【0064】
図4は、コンピュータ90に実装されているプログラムおよびドライバの機能について説明する図である。なお、これらの機能は、コンピュータ90のハードウエアと、HDD94に記録されているソフトウエアとが協働することにより実現される。この図に示すように、コンピュータ90には、アプリケーションプログラム121、ビデオドライバプログラム122、およびプリンタドライバプログラム130が実装されており、これらが所定のオペレーティングシステム(OS)の下で動作している。
【0065】
ここで、アプリケーションプログラム121は、例えば、画像処理プログラムであり、ディジタルカメラ等から取り込まれた画像を加工処理したり、ユーザによって描画された画像を加工処理したりした後、プリンタドライバプログラム130およびビデオドライバプログラム122に出力する。
【0066】
ビデオドライバプログラム122は、ビデオ回路95を駆動するためのプログラムであり、例えば、アプリケーションプログラム121から供給された画像データに対してガンマ処理やホワイトバランスの調整等を行った後、映像信号を生成して表示装置98に供給して表示させる。
【0067】
プリンタドライバプログラム130は、解像度変換モジュール131、色変換モジュール132、色変換テーブル133、ハーフトーンモジュール134、記録率テーブル135、印刷データ生成モジュール136、および分散テーブル137によって構成されており、アプリケーションプログラム121によって生成された画像データに対して後述する種々の処理を施して印刷データを生成し、プリンタ22に供給する。
【0068】
ここで、解像度変換モジュール131は、アプリケーションプログラム121から供給された画像データの解像度を、印刷ヘッド12の解像度に応じて変換する処理を行う。
【0069】
色変換モジュール132は、RGB(Red, Green, Blue)表色系によって表現されている画像データを、色変換テーブル133を参照して、CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Black)表色系の画像データに変換する処理を行う。
【0070】
ハーフトーンモジュール134は、後述するようにディザ処理により、CMYK表色系によって表された画像データを、記録率テーブル135を参照して、例えば、大、中、小の3種類のドットの組み合わせからなるビットマップデータに変換する。
【0071】
第1の駆動手段の一部であり、第2の駆動手段の一部であり、また、繰り返し手段の一部である印刷データ生成モジュール136は、ハーフトーンモジュール134から出力されたビットマップデータから、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含む印刷データを生成して、プリンタ22に供給する。
【0072】
分散テーブル137は、ハーフトーンモジュール134から出力されたビットマップデータから、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータを生成する際に参照されるテーブルであり、ドットを分散して印刷するための分散データが格納されている。
【0073】
印刷データモジュール136において生成された印刷データは、プリンタ22に供給され、印刷用紙P上に印刷データに応じたドットが形成される。
【0074】
つぎに、図5を参照して、ドットを形成する際の処理の流れについて説明する。この処理は、コンピュータ90において実行される処理である。このフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0075】
ステップS10:プリンタドライバプログラム130はRGB表色系によって表されている画像データをアプリケーションプログラム121から受け取る。なお、この画像データは、各画素毎にR,G,Bそれぞれの色について、値0〜255の256段階の階調値を有するデータである。なお、この画像データは、各画素毎にR,G,Bそれぞれの色について、値0〜255の256段階の階調値を有するデータである。この画像データとしては、64段階(0〜63)の階調値中32段階(0〜31)の階調値を有するデータ等の場合もあるが、説明例として上述のように256段階の階調値のものを示して説明することとする。
【0076】
ステップS11:解像度変換モジュール131は、入力された画像データの解像度をプリンタ22の解像度(以下、「印刷解像度」と称する)に変換する。画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合には、線形補間等により隣接する原画像データの間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。逆に画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合で画像データを間引く等の処理を行うことにより解像度変換を行う。
【0077】
ステップS12:色変換モジュール132は、色変換処理を行う。色変換処理とはR,G,Bの階調値からなる画像データをプリンタ22で使用するC,M,Y,Kの各色の階調値を表す多階調データに変換する処理である。この処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせからなる色をプリンタ22で表現するためのC,M,Y,Kの組み合わせに対応させて記憶した色変換テーブル133を用いて行われる。
【0078】
ステップS13:ハーフトーンモジュール134は、ステップS12において色変換された画像データに対してハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理とは、原画像データの階調値(本実施の形態では256階調)をプリンタ22が画素毎に表現可能な階調値に減色する処理をいう。ここで「減色」とは、色を表現する階調の数を減らすことをいう。なお、具体的には、例えば、「ドットの形成なし」、「小ドットの形成」、「中ドットの形成」、「大ドットの形成」の4階調への減色を行う。
【0079】
ステップS14:印刷データ生成モジュール136は、ハーフトーン処理によって生成されたビットマップデータから印刷データを生成する処理を実行する。ここで、印刷データとは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含むデータである。なお、印刷データを生成する際には、ドットの分散処理が実行されるが、この処理の詳細については、図6を参照して後述する。
【0080】
ステップS15:印刷データ生成モジュール136は、ステップS14の印刷データ生成処理により生成された印刷データを、プリンタ22に対して出力する。そして、処理を終了する。
【0081】
つぎに、図5に示すフローチャート中のステップS14である印刷データ生成処理の詳細について説明する。図6は、印刷データ生成処理の詳細を説明するためのフローチャートである。このフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0082】
ステップS30:印刷データ生成モジュール136は、ドットを分散するための分散データを生成し、分散テーブル137に格納する。
【0083】
図7は、分散データの一例を示す図である。この例では、分散データは、印刷ヘッド12に形成されたドット形成要素であるノズルN1〜N4に対応する、縦・横それぞれ4×10ビットのデータから構成されている。そして、各ビットは、印刷されるドットパターンが不規則となるように、例えば、乱数等を用いて生成されている。ここで、ノズルN1に対応する行データ137aは、“1011001001”であり、これは、ノズルN3に対応する行データ137cである“0100110110”の補数(各ビットを反転したもの)となっている。また、ノズルN2に対応する行データ137bは、“0110011100”であり、これは、ノズルN4に対応する行データ137dである“1001100011”の補数(各ビットを反転したもの)となっている。
【0084】
なお、「不規則」とは、例えば、一定の間隔毎(例えば、1つ置きに)に“1”となる場合以外をいう。
【0085】
このような分散データを生成する方法としては、例えば、行データ137aを生成する際には、原データとして“0000000000”を用意する。そして、1〜10の範囲の乱数を発生し、得られた乱数に対応するビットを“1”とし、“1”とされたビットが5つになるまで同様の処理を繰り返す。そして、得られたデータを行データ137aとするとともに、行データ137aを反転したものを行データ137cとする。また、同様の処理を行うことにより行データ137bと行データ137dを得ることができる。
【0086】
なお、図7に示す例では、各行データは、5つのビットが“1”の状態となるように設定されているが、このような制約を外して、各ビット単位で乱数を用いて分散データを生成することも可能である。例えば、0〜1の範囲の乱数を発生させ、0.5以上である場合には当該ビットを“1”とし、0.5未満である場合には当該ビットを“0”とし、このような処理を全てのビットに対して行うことにより分散データを得ることができる。また、ある行のデータを他の行のデータの反転処理により生成するのではなく、全ての行のデータをそれぞれ乱数を発生させることにより生成するようにしてもよい。
【0087】
ステップS31:印刷データ生成モジュール136は、印刷しようとする範囲に対応する各色毎のビットマップデータを取得する。すなわち、つぎに印刷される範囲であって、1回の走査において印刷される範囲に対応する各色のビットマップデータをハーフトーンモジュール134から取得する。
【0088】
ステップS32:印刷データ生成モジュール136は、取得した各色のビットマップデータの各ビットに対して、分散テーブル137に格納されている分散データの対応するビットを乗算する処理を実行し、ラスタデータを得る。なお、分散データよりもビットマップデータのサイズが大きい場合には、ビットマップデータを分散データのサイズに応じた複数の領域に分割し、それぞれの領域に対して分散データを乗算すればよい。
【0089】
ステップS33:ハーフトーンモジュール134は、紙送りデータを生成する。例えば、後述するように奇数回目の副走査の場合にはノズルピッチkの3/2倍となるように紙送りデータ(副走査ピッチL)を設定する。また、偶数回目の副走査の場合にはノズルピッチkの1/2倍となるように紙送りデータを設定する。
【0090】
ステップS34:ハーフトーンモジュール134は、ステップS32において生成したラスタデータと、ステップS33において生成した紙送りデータからなる印刷データを、プリンタ22に対して供給する。
【0091】
ステップS35:ハーフトーンモジュール134は、印刷が完了したか否かを判定し、完了していないと判定した場合にはステップS31に戻って同様の処理を繰り返し、それ以外の場合には処理を終了する。
【0092】
つぎに、図8〜図12を参照して、以上の処理により生成された印刷データを受信したプリンタ22が行う動作について説明する。
【0093】
図8は、1回目の走査によって印刷されるドットの状態を示す図である。この図に示すように、1回目の走査では、印刷ヘッド12が格子状の枠140の上端部分を走査し、各枠内の上部に対して、図7に示す分散データのビットが“1”である部分に対応する位置にはドットが形成され、“0”である部分に対応する位置にはドットが形成されていない状態となる。
【0094】
図9は、2回目の走査によって印刷されるドットの状態を示す図である。この図に示すように、2回目の走査では、ノズルピッチkの3/2倍に対応する距離だけ副走査が行われた後、各枠内の下部に対して、図7に示す分散データのビットが“1”である部分に対応する位置にはドットが形成され、“0”に対応する位置にはドットが形成されていない状態となる。
【0095】
図10は、3回目の走査によって印刷されるドットの状態を示す図である。この図に示すように、3回目の走査では、ノズルピッチkの1/2倍に対応する距離だけ副走査が行われた後、各枠内の上部に、図7に示す分散データのビットが“1”である部分に対応する位置にはドットが形成され、“0”に対応する位置にはドットが形成されていない状態となる。
【0096】
図11は、4回目の走査によって印刷されるドットの状態を示す図である。この図に示すように、4回目の走査では、ノズルピッチkの3/2倍に対応する距離だけ副走査が行われた後、各枠内の下部に、図7に示す分散データのビットが“1”である部分に対応する位置にはドットが形成され、“0”である部分に対応する位置にはドットが形成されていない状態となる。
【0097】
同様の処理が各色毎に繰り返されるとともに、画像全体について繰り返されることにより、目的の画像が印刷媒体P上に印刷されることになる。
【0098】
図12は、印刷ヘッド12が傾きθを有している場合において形成されるドットの状態を示す図である。この図に示すように、印刷ヘッド12が傾きθを有している場合、本実施の形態では、ドット同士が粗になる部分150と、密になる部分151とがランダムに分散されることから、図22に示す従来の場合のように、同一の走査ライン上にドット同士が密の部分または粗の部分が集中することにより、バンディングが発生することを防止できる。
【0099】
また、以上の実施の形態では、ドット同士が粗の部分150と、密の部分151とがランダムに分散されることから、画像のシャープさを緩和し、ソフトな感じの画像を得ることが可能になる。すなわち、銀塩写真と同様に、画素(ドット)が適度に分散されて、自然な感じのする画像を得ることができる。
【0100】
なお、以上の実施の形態は、印刷ヘッド12のノズルピッチkが“2”である場合を例に挙げて説明したが、これ以外の場合に対しても本発明を適用することができる。
【0101】
図13〜図16は、ノズルピッチkが“1”である印刷ヘッド12Aを用いた場合における実施の形態を示す図である。
【0102】
図13は、ノズルピッチkが“1”であるノズル12Aによる1回目の走査を説明するための図である。この図の例では、1番目〜8番目のノズルは、密に配置されており、各ノズルの中心点間隔は、印刷画像のピッチ(ドットピッチw)の1個分となるように設定されている。
【0103】
図13に示すように、1回目の走査では、偶数番目のノズル(2,4,6,8番目のノズル)により、各枠内の上部に、図7に示す分散データの“1”である部分に対応する位置にはドットを形成し、“0”である部分に対応する位置には、ドットを形成しないように印刷動作を行う。
【0104】
つぎに、図14に示すように、ノズルピッチkの2倍に該当する距離だけ副走査を行った後、奇数番目のノズル(1,3,5,7番目のノズル)により、各枠内の下部に、図7に示す分散データの“1”に対応する部分にはドットを形成し、“0”に対応する部分には、ドットを形成しないように印刷動作を行う。
【0105】
つづいて、図15に示すように、ノズルピッチkの2倍に該当する距離だけ副走査を行った後、偶数番目のノズルにより、各枠の上部に、図7に示す分散データの“1”に対応する部分はドットを形成し、“0”に対応する部分には、ドットを形成しないように印刷動作を行う。
【0106】
つづいて、図16に示すように、ノズルピッチkの2倍に該当する距離だけ副走査を行った後、奇数番目のノズルにより、格子状の枠内の下部に、図7に示す分散データの“1”に対応する部分にはドットを形成し、“0”に対応する部分には、ドットを形成しないように印刷動作を行う。
【0107】
図17は、1回目〜8回目の走査により印刷されたドットを合成した状態を示す図である。この図18に示すように、各走査線上に配置されるドットは、同一のノズルにより生成されたドットが同一の順序で出現するという規則性が失われ、適度にドットの分散がなされているため、ドットが粗の部分と、密の部分とが分散されて印刷されている。
【0108】
以上に示したように、本発明の他の実施の形態では、印刷データ生成モジュール136において、分散テーブル137を用いて、ドットをランダムに分散させるようにしたので、同一の走査線上にドットの粗の部分150または密の部分151が集中し、バンディングが発生することを防止できる。
【0109】
また、以上の実施の形態では、前述の実施の形態の場合と同様に、ドット同士が粗の部分150と、密の部分151とがランダムに分散されることから、画像のシャープさを緩和し、ソフトな感じの画像を得ることが可能になる。すなわち、銀塩写真と同様に、画素(ドット)が適度に分散されて、自然な感じのする画像を得ることができる。
【0110】
以上、本発明の一実施の形態についてそれぞれ説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。例えば、図8〜図12に示す実施の形態では、ノズル数N=4、ノズル間ピッチk=2、スキャン繰り返し数s=2の場合を例に挙げ、図13〜図17に示す実施の形態では、ノズル数N=8、ノズル間ピッチk=1、スキャン繰り返し数s=2の場合を例にあげて説明したが、これ以外の場合であっても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【0111】
また、以上の各実施の形態では、印刷ヘッド12が1個の場合を例に挙げて説明したが、副走査方向に2つ以上の印刷ヘッドを相互に干渉しないように並置し、各印刷ヘッドにより、異なる走査線を印刷させるようにしてもよい。例えば、図8〜図12または図13〜図17にそれぞれ示す例において、偶数番目のノズルに対応するドットについては、第1の印刷ヘッドにより印刷し、奇数番目のノズルに対応するドットついては、第2の印刷ヘッドに印刷する、といった具合である。このような実施の形態によれば、印刷速度を向上させることが可能になる。
【0112】
また、以上の実施の形態では、図6に示すステップS30において、分散データを印刷処理が実行される度に生成するようにしているが、予め分散データを生成してHDD94に格納しておき、これを利用するようにすることも可能である。このような処理によれば、印刷の度に分散データを生成する必要がなくなるので、処理速度を向上させることが可能になる。
【0113】
また、以上の実施の形態では、全ての色に対して同一の分散テーブルを用いるようにしたが、例えば、各色毎に異なるパターンの分散テーブルを用いたり、色を複数のグループに分け、各グループで同一の分散テーブルを共用するようにすることも可能である。各色毎に異なるパターンの分散テーブルを用いた場合には、色毎にドットの分散パターンが異なることになるので、ドットの密な部分と粗の部分を色毎に分散させることにより、バンディングの発生を一層確実に防止することが可能になる。
【0114】
また、以上の実施の形態では、インクとしては、CMYKの4色を用いるようにしたが、この4色に加えて、または、この4色の加えて、淡色系のインク(ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、ダークイエロー(DY))のインクを用いるようにしてもよい。
【0115】
また、以上の実施の形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタ22を用いているが、吐出駆動素子としては、ピエゾ素子以外の種々のものを利用することが可能である。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する気泡(バブル)によりインクを吐出するタイプの吐出駆動素子を備えたプリンタに適用することも可能である。
【0116】
また、以上の実施の形態では、HDD94(または、外部記憶装置100)に格納されたプリンタドライバプログラム130により、前述した処理を実行するようにしている。しかし、プリンタ22のP−ROM43に同等の機能を有するプログラムを格納しておき、このプログラムにより前述の処理を実行するようにしたり、コンピュータ90とプリンタ22によりこれらを分担して処理するようにしたりすることも可能である。具体的には、プリンタドライバプログラム130の全部をプリンタ22のP−ROM43に格納したり、その一部のみ(例えば、印刷データ生成モジュール136および分散テーブル137)をプリンタ22のP−ROM43に格納するようにしてもよい。
【0117】
なお、以上の処理機能を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MOなどがある。
【0118】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0119】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷ヘッドが傾いている場合でもバンディングが発生することを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷装置の主要部分の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す印刷装置中の制御回路を中心としたプリンタの主要部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す印刷装置中のコンピュータの詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す印刷装置中のコンピュータに実装されている各種プログラムの詳細を示す図である。
【図5】図1に示す印刷装置中のコンピュータに実装されているプリンタドライバプログラムが実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】図5のフローチャート中に示される印刷データ生成処理の詳細な処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】図4に示される分散テーブルの内容を示す図で、印刷ヘッドの各ノズルに対応する分散データの詳細を示す図である。
【図8】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=4であり、また、k=2、s=2である場合の動作を説明するための図で、1回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図9】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=4であり、また、k=2、s=2である場合の動作を説明するための図で、2回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図10】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=4であり、また、k=2、s=2である場合の動作を説明するための図で、3回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図11】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=4であり、また、k=2、s=2である場合の動作を説明するための図で、4回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図12】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=4であり、また、k=2、s=2である場合の動作を説明するための図で、1回目〜8回目の走査によって印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図13】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=8であり、また、k=1、s=2である場合の動作を説明するための図で、1回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図14】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=8であり、また、k=1、s=2である場合の動作を説明するための図で、2回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図15】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=8であり、また、k=1、s=2である場合の動作を説明するための図で、3回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図16】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=8であり、また、k=1、s=2である場合の動作を説明するための図で、4回目の走査において印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図17】図1に示す印刷ヘッドがノズル数N=8であり、また、k=1、s=2である場合の動作を説明するための図で、1回目〜8回目の走査によって印刷されるドットの配置状態を示す図である。
【図18】インターレース方式の印刷方法について説明するための図である。
【図19】シングリング方式の印刷方法について説明するための図である。
【図20】バンディングの発生を説明するための図であり、印刷ヘッドが傾いていない場合のドットの形成状態を示す図である。
【図21】バンディングの発生を説明するための図であり、印刷ヘッドが角度θだけ傾いている場合のドットの形成状態を示す図である。
【図22】バンディングの発生の様子を示す図であり、印刷ヘッドが角度θだけ傾いている場合のバンディングの発生状況を示す図である。
【符号の説明】
12 印刷ヘッド
40 制御回路(第1の駆動手段の一部、第2の駆動手段の一部、繰り返し手段の一部)
136 印刷データ生成モジュール(第1の駆動手段の一部、第2の駆動手段の一部、繰り返し手段の一部)
137 分散テーブル
N1〜N4 ノズル(ドット形成要素)

Claims (12)

  1. 副走査方向に沿って一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列された少なくとも1つの印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行う印刷装置において、第1の主走査において、上記印刷ヘッドを駆動して主走査方向に各ドットが不規則な間隔を有するように上記印刷媒体上にドットを印刷する第1の駆動手段と、
    第2〜第M(Mは2以上の整数)の主走査において、上記第1の主走査によって印刷されなかった残りのドットを上記印刷媒体上に印刷する第2の駆動手段と、
    上記第1〜第Mの主走査を繰り返すことにより所望の情報を上記印刷媒体上に印刷する繰り返し手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記印刷媒体上に形成される主走査方向に並んだ各ドット列は、前記第1〜第Mの主走査において、少なくとも2以上の異なるドット形成要素によって印刷されることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記第1〜第Mの主走査においては、少なくとも1回以上、前記ドット形成要素が配置されている前記ピッチの半分の距離の整数倍に対応する距離だけ副走査を行うことにより、インターレース方式の印刷を行うことを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
  4. 前記第1〜第Mの主走査においては、前記N個のドット形成要素を所定の間隔おきに使用して印刷を行い、その余のドット形成要素を他の走査において使用して印刷を行うことにより、インターレース方式の印刷を行うことを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
  5. 前記第1〜第Mの主走査によって形成される各ドットの主走査方向の印刷パターンは、各ノズルで異なっていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  6. 前記第1〜第Mの主走査によって形成される各ドットの主走査方向の印刷パターンは、各色で異なっていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  7. 前記第1〜第Mの主走査は、複数の印刷ヘッドに分担されて実行されることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  8. もとの画像データから各ドット形成要素に対して供給する印刷データを生成する際に用いる分散データを格納した分散テーブルを有することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  9. 前記分散データは、ドットを形成する場合に対応する“1”の値と、ドットを形成しない場合に対応する“0”の値とがマトリクス状に配置されて構成されており、前記分散データと前記もとの画像データとを乗算することにより、前記印刷データを生成することを特徴とする請求項8記載の印刷装置。
  10. 前記分散データのサイズよりも、前記もとの画像データのサイズの方が大きい場合には、前記もとの画像データを、前記分散データに対応した複数の領域に分割し、それぞれの領域に対して、前記分散データを乗算する、ことを特徴とする請求項9記載の印刷装置。
  11. 副走査方向に沿って一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列された少なくとも1つの印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行う印刷方法において、
    第1の主走査において、上記印刷ヘッドを駆動して主走査方向に各ドットが不規則な間隔を有するように上記印刷媒体上にドットを印刷する第1の駆動ステップと、
    第2〜第M(Mは2以上の整数)の主走査において、上記第1の主走査によって印刷されなかった残りのドットを上記印刷媒体上に印刷する第2の駆動ステップと、
    上記第1〜第Mの主走査を繰り返すことにより所望の情報を上記印刷媒体上に印刷する繰り返しステップと、
    を有することを特徴とする印刷方法。
  12. 副走査方向に沿って一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列された少なくとも1つの印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行う印刷装置をコンピュータにより制御して印刷を行うコンピュータ読み取り可能な印刷用プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    第1の主走査において、上記印刷ヘッドを駆動して主走査方向に各ドットが不規則な間隔を有するように上記印刷媒体上にドットを印刷する第1の駆動手段、
    第2〜第M(Mは2以上の整数)の主走査において、上記第1の主走査によって印刷されなかった残りのドットを上記印刷媒体上に印刷する第2の駆動手段、
    上記第1〜第Mの主走査を繰り返すことにより所望の情報を上記印刷媒体上に印刷する繰り返し手段、
    として機能させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な印刷用プログラム。
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