JP2004338056A - ロボット装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】搭載されたアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るロボット装置及びその制御方法を提案する。
【解決手段】可動部を駆動するアクチュエータを制御して可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を監視し、可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにした。
【選択図】 図7
【解決手段】可動部を駆動するアクチュエータを制御して可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を監視し、可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにした。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボット装置及びその制御方法に関し、例えばペットロボットに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、本願特許出願人により4足歩行型のペットロボットが開発及び販売されている。かかるペットボットは、一般家庭において飼育される犬又は猫や、他のライオン等の動物に似た形状を有し、「叩く」又は「撫でる」といったユーザからの働きかけや、周囲の環境に応じて自律的に行動し得るようになされたものである(例えば非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】
特願2001−268117
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかるペットロボットにおいては、動作を発現する場合のみならず、静止している状態にあっても、そのときの姿勢を維持するために、重力に逆らって可動部を所定位置に位置させるためのトルクを対応するアクチュエータに発生させる必要がある。
【0005】
このため従来のペットロボットにおいては、動作を発現しているか否かに拘わりなく、稼働中は全てのアクチュエータに常に駆動電流が印加されている状態となっており、その分アクチュエータの寿命が短くなる問題があった。
【0006】
かかる問題を解決するための1つの手法として、例えばペットロボットが動作を発現しない待機モード時にあるときなどに、姿勢維持に不要なアクチュエータに対する駆動電流の印加を停止(以下、これをアクチュエータの制御を停止するという)する方法が考えられる。
【0007】
しかしながらこの方法によると、かかるアクチュエータが発生するトルクによって所定位置に位置していたペットロボットの可動部が、当該アクチュエータの制御を停止した途端に自重により重力方向に動きだし、この結果ペットロボットの姿勢が崩れて不自然な姿勢となる問題があった。
【0008】
従って、かかるペットロボットにおいて、搭載するアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持するというトレードオフの関係にある両課題を共に解決することができれば、ペットロボットとしてのエンターテインメント性を損なうことなく、ペットロボットの耐久性を向上させ得るものと考えられる。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、搭載されたアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るロボット装置及びその制御方法を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、ロボット装置において、制御部が、可動部を駆動するアクチュエータを制御して当該可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を検出する位置検出手段の検出結果を監視し、当該検出結果に基づいて可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにした。
【0011】
この結果このロボット装置においては、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができる。
【0012】
また本発明においては、ロボット装置の制御方法において、可動部を駆動するアクチュエータを制御して可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を監視し、可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにした。
【0013】
この結果このロボット装置の制御方法によれば、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0015】
(1)本実施の形態によるペットロボット1の構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるペットロボットを示し、胴体部ユニット2の前後左右にそれぞれ脚部ユニット3A〜3Dが連結されると共に、胴体部ユニット2の前端部及び後端部にそれぞれ頭部ユニット4及び尻尾部ユニット5が連結されることにより構成されている。
【0016】
この場合胴体部ユニット2には、図2に示すように、このペットロボット1全体の動作を制御するコントローラ10と、このペットロボット1の動力源としてのバッテリ11と、バッテリセンサ12及び温度センサ13などからなる内部センサ部14と、各種制御プログラムや制御パラメータが格納された外部メモリ26となどが収納されている。
【0017】
また頭部ユニット4には、このペットロボット1の実質的な「目」として機能するCCD(Charge Coupled Device)カメラ15、「耳」として機能するマイクロホン16及びタッチセンサ17などからなる外部センサ部18と、外見上の「目」として機能するLED(Light Emitting Diode)19と、「口」として機能するスピーカ20となどがそれぞれ所定位置に配設されている。
【0018】
さらに各脚部ユニット3A〜3Dの大腿部ブロック3A1〜3D1及び脛部ブロック3A2〜3D2を連結する膝関節機構部21A〜21Dや、胴体部ユニット2と各脚部ユニット3A〜3Dとをそれぞれ連結する各肩関節機構部22A〜22D、胴体部ユニット2及び頭部ユニット4を連結する首関節機構部23(図6)、並びに尻尾部ユニット5における尻尾5A(図1)の付根部分などには、それぞれ対応する自由度数分のアクチュエータ241〜24n及び対応するポテンショメータ251〜25nが配設されている。
【0019】
そして頭部ユニット4のCCDカメラ15は、周囲の状況を撮像し、得られた画像信号S1Aをコントローラ10に送出する。またマイクロホン16は、ユーザから発話された「歩け」、「伏せ」又は「ボールを追いかけろ」等の音声を集音し、得られた音声信号S1Bをコントローラ10に送出する。
【0020】
さらにタッチセンサ17は、図1において明らかなように頭部ユニット4の上部に設けられており、ユーザからの「撫でる」や「叩く」といった物理的な働きかけにより受けた圧力を検出し、検出結果を圧力検出信号S1Cとしてコントローラ10に送出する。
【0021】
一方、バッテリセンサ12は、バッテリ11の残量を検出して、検出結果をバッテリ残量検出信号S2Aとしてコントローラ10に送出し、温度センサ13は、ペットロボット1内部の温度を検出して検出結果を温度検出信号S2Bとしてコントローラ10に送出する。また各ポテンショメータ251〜25nは、バッテリセンサ12及び熱センサ13などと共に内部センサ部14を構成し、それぞれ対応するアクチュエータ241〜24nの出力軸の回転角度を検出し、検出結果を角度検出信号S2C1〜S2Cnとしてコントローラ10に送出する。
【0022】
コントローラ10は、外部センサ部18のCCDカメラ15、マイクロホン16及びタッチセンサ17などの各外部センサからそれぞれ与えられる画像信号S1A、音声信号S1B及び圧力検出信号S1Cなどの外部センサ信号S1と、内部センサ部14のバッテリセンサ12、熱センサ13及び各ポテンショメータ251〜25nなどの各内部センサからそれぞれ与えられるバッテリ残量検出信号S2A、温度検出信号S2B及び各角度検出信号S2C1〜S2Cnなどの内部センサ信号S2となどに基づいて、ペットロボット1の周囲及び内部の状況や、ユーザからの指令、ユーザからの物理的な働きかけの有無などを判断する。
【0023】
そしてコントローラ10は、この判断結果と、予めメモリ10Aや外部メモリ26に格納されている各種制御プログラム及び制御パラメータとに基づいて続く行動を決定し、決定結果に基づいて必要なアクチュエータ241〜24nに駆動信号S31〜S3nを送出して当該駆動信号S31〜S3nに基づきそのアクチュエータ241〜24nを所望状態に駆動させることにより、頭部ユニット4を上下左右に振らせたり、尻尾部ユニット5の尻尾を動かせたり、各脚部ユニット3A〜3Dを駆動して歩行させるなどの行動を行わせる。
【0024】
またこの際コントローラ10は、必要に応じて所定の音声信号S4をスピーカ20に与えることにより当該音声信号S4に基づく音声を外部に出力させたり、LED19にLED駆動信号S5を出力することによりこれを点滅させる。
【0025】
このようにしてこのペットロボット1においては、周囲及び内部の状況や、ユーザからの指令及び働きかけの有無などに基づいて自律的に行動することができるようになされている。
【0026】
(2)コントローラ10の処理
ここでこのようなペットロボット1の行動生成に関するコントローラ10の処理内容を機能的に分類すると、外部及び内部の状態を認識する状態認識部30と、状態認識部30の認識結果に基づいて感情及び本能の状態を決定する感情・本能モデル31と、状態認識部30の認識結果及び感情・本能モデル31において決定された感情・本能の状態に基づいて次の行動を決定する行動決定部32と、行動決定部32により決定された行動や動作を行うためのペットロボット1の一連の動作計画を立てる姿勢遷移制御部33と、姿勢遷移制御部33により立てられた動作計画に基づいてLED16、20やアクチュエータ241〜24n等のデバイスを制御するデバイス制御部34とに分けることができる。
【0027】
この場合状態認識部30は、各外部センサ部18から与えられる外部センサ信号S1と、各内部センサ部14から与えられる内部センサ信号S2とに基づいて外部及び内部の状態を認識し、認識結果を状態認識情報D1として感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0028】
具体的に状態認識部30は、外部センサ部18のCCDカメラ15(図2)から与えられる画像信号S1A(図2)を常時監視し、当該画像信号S1Aに基づく画像内に例えば「赤い丸いもの」や「進行方向に位置する物体」を検出したときには「ボールがある」、「障害物がある」と認識して、当該認識結果を感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0029】
また状態認識部30は、マイクロホン16(図2)から与えられる音声信号S1B(図2)を常時監視し、HMM(Hidden Markov Model)法などの音声認識手法により「歩け」、「伏せ」、「ボールを追いかけろ」等の各種音声を認識したときには、これを感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0030】
さらに状態認識部30は、タッチセンサ17(図2)から与えられる圧力検出信号S1Cを常時監視し、当該圧力検出信号S1Cに基づいて所定の閾値以上のかつ短時間(例えば2秒未満)の圧力を検出したときには「叩かれた(叱られた)」と認識し、所定の閾値未満のかつ長時間(例えば2秒以上)の圧力を検出したときには「撫でられた(誉められた)」と認識し、認識結果を感情・本能モデル部31及び行動決定部32に通知する。
【0031】
さらに状態認識部30は、バッテリセンサ12及び温度センサ13からそれぞれ与えられるバッテリ残量検出信号S2A及び温度検出信号S2Bに基づいてバッテリ11の残量及び内部温度を認識し、認識結果を感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0032】
さらに状態認識部は、各ポテンショメータ251〜25nから与えられる角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて、対応するアクチュエータ241〜24nの回転状態を認識し、認識結果を感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0033】
感情・本能モデル部31は、「喜び」、「悲しみ」、「驚き」、「恐怖」、「嫌悪」及び「怒り」等の複数の情動について、これら情動ごとにその情動の強さを表すパラメータを保持している。そして感情・本能モデル部31は、これら各情動のパラメータ値を、それぞれ状態認識部30から状態認識情報D1として与えられる「誉められた」、「叱られた」などの特定の認識結果等に基づいて順次変更する。
【0034】
また感情・本能モデル部31は、これと同様にして、「愛情欲」、「探索欲」、「運動欲」、「充電欲」及び「睡眠欲」等の複数の互いに独立した欲求について、これら欲求ごとにその欲求の強さを表すパラメータを保持している。そして感情・本能モデル部31は、これら各欲求のパラメータ値を、それぞれ状態認識部30からの認識結果や経過時間等に基づいて順次変更する。
【0035】
一方、行動決定部32は、状態認識部30から状態認識情報D1が与えられたときや、現在の行動に移ってから一定時間経過したとき、感情・本能モデル部31におけるいずれかの情動又は本能のパラメータ値が閾値を超えたときなどに、内部メモリ10A及び外部メモリ26に格納されている制御プログラム及び制御パラメータに基づいて次の行動を決定する。
【0036】
具体的に行動決定部32は、次の行動を決定する手法として、図4に示すように、状態をノードNDA0〜NDAnとして表現し、1つのノードNDA0から次にどのノードNDA0〜NDAnに遷移するかを、自ノードNDA0〜NDAnにおいて完結し又は各ノードNDA0〜NDAn間を接続するアークARA0〜ARAnに対してそれぞれ設定された遷移確率P0〜Pnに基づいて確率的に決定する確率オートマトンと呼ばれるアルゴリズムを用いる。
【0037】
この場合この確率オートマトンにおける各ノードNDA0〜NDAn間の接続関係や、各アークARA0〜ARAnに対する遷移確率P1〜Pn及び、各アークARA0〜ARAnにそれぞれ対応付けられた行動が制御パラメータ(行動モデル)として外部メモリ26に格納されている。
【0038】
そして行動決定部32は、例えば状態認識部30から外部又は内部における特定状態の認識結果である状態認識情報D1が与えられたときや、現在のノード(NDA0)に移ってから一定時間が経過したとき、感情・本能モデル部31におけるいずれかの情動又は本能のパラメータ値が閾値を超えたときなどに、かかる確率オートマトンにおける次の遷移先のノードNDA0〜NDAnを各アークARA0〜ARAnに対する遷移確率P0〜Pnに基づいて確率的に決定し、このとき決定したノードNDA0〜NDAnと元のノードNDA0とを接続するアークARA0〜ARAnに対応付けられた行動を次に発現すべき行動として、行動決定情報D2として姿勢遷移制御部33に通知する。
【0039】
姿勢遷移制御部33においては、行動決定部32から行動決定情報D2が与えられると、当該行動決定情報D2に基づく行動を行うためのペットロボット1の一連の動作計画を立て、当該動作計画に基づく動作指令情報D3をデバイス制御部34に出力する。
【0040】
この場合姿勢遷移制御部33は、かかる動作計画を立てる手法として、例えば図5に示すようなペットロボット1がとり得る姿勢をそれぞれノードNDB0〜NDB2とし、遷移可能なノードNDB0〜NDB2間を動作を表す有向アークARB0〜ARB5で結び、かつ1つのノードNDB0〜NDB2で完結する動作を自己動作アークARC0〜ARC3として表現する有向グラフを用いる。
【0041】
具体的には、このペットロボット1の場合、各ノードNDB0〜NDB2にはそれぞれ「立つ」、「座る」、「伏せる」等の姿勢が対応付けられ、これらノードNDB0〜NDB2間をそれぞれ結ぶ各有向アークARB0〜ARB5には姿勢を遷移させるための動作が対応付けられている。また各自己動作アークARC0〜ARC3には、それぞれ「歩く」、「ダンスする」、「頭を揺する」、「お手をする」等の対応するその姿勢において発現できる各種動作が対応付けられている。
【0042】
そして姿勢遷移制御部33は、行動決定部32から「立て」、「歩け」、「ダンスしろ」等の行動指令が行動決定情報D2として与えられると、有向アークARB0〜ARB2の向きに従いながら、現在のノードNDB0〜NDB2から指定された姿勢又は動作が対応付けられたノードNDB0〜NDB2又は有向アークARB0〜ARB5若しくは自己動作アークARC0〜ARC3に至る最短経路を探索し、当該探索した経路上の各有向アークARB0〜ARB5や自己動作アークARC0〜ARC3にそれぞれ対応付けられた動作を順次行わせるための動作指令を動作指令情報D3としてデバイス制御部34に次々と出力する。
【0043】
例えば、姿勢遷移制御部33は、ペットロボット1が「伏せる」の姿勢にある場合において、行動決定部32から「座ってバンザイ」という行動指令が与えられた場合には、「伏せる」の姿勢に対応するノードNDB2及び「座る」の姿勢に対応するノードNDB1間を結ぶ有向アークARB1に対応付けられた「座る」という動作(以下、これを「座り動作」と呼ぶ)の動作指令と、自己動作アークARC1に対応付けられた「バンザイ」という動作(以下、これを「バンザイ動作」と呼ぶ)の動作指令とをデバイス制御部34に順次送出することとなる。
【0044】
デバイス制御部34においては、姿勢遷移制御部33が保持する有向グラフの各有向アークARB0〜ARB5や各自己動作アークARC0〜ARC3にそれぞれ対応付けられた各動作にそれぞれ対応させて、その動作をペットロボット1に発現させるためにどのアクチュエータ241〜24n(図2)をどのタイミングでどのくらい駆動させるかといった、動作ごとの各アクチュエータ241〜24nの時系列的な制御内容を規定したファイル(以下、これを動作ファイルと呼ぶ)を外部メモリ26内に有している。
【0045】
そしてデバイス制御部34は、姿勢遷移制御部33から動作指令情報D3が与えられるごとに、対応する動作ファイルを順次再生して当該動作ファイルに格納された制御パラメータに基づく駆動信号S31〜S3nを生成し、当該駆動信号S31〜S3nに基づいて対応するアクチュエータ241〜24nを駆動制御することにより、ペットロボット1に対応する動作を発現させる。
【0046】
従ってデバイス制御部34は、例えばペットロボット1が「伏せる」の姿勢にある場合において、姿勢遷移制御部33から上述の「座り動作」及び「バンザイ動作」の動作指令が順次与えられた場合には、まず「座り動作」に対応する動作ファイルに基づき対応する各アクチュエータ241〜24nを時系列的に順次制御することによりペットロボット1に「座り動作」を発現させ、この後これに続けて「バンザイ動作」に対応する動作ファイルに基づき対応する各アクチュエータ241〜24nを時系列的に順次制御することによりペットロボット1に「バンザイ動作」を発現させる。これによりペットロボット1全体として、姿勢を「伏せる」から「座る」に遷移し、その後「バンザイ」するという一連の動作が発現されることとなる。
【0047】
またデバイス制御部34は、各種音のWAVEファイルである複数の音声ファイルと、LED19(図2)の駆動データが格納された複数のLED駆動ファイルを外部メモリ26内に有しており、かかる動作ファイルの再生時等にその動作ファイルと対応付けられた音声ファイル及び又はLED駆動ファイルを同時に再生することにより、ペットロボット1に動作と合わせてスピーカ20(図2)から音声を出力させたり、LED19を点滅駆動させる。
【0048】
このようにしてコントローラ10においては、外部及び内部の状況や、ユーザからの指令及び働きかけの有無等に応じてペットロボット1を自律的に行動させ得るようになされている。
【0049】
(3)ペットロボット1におけるアクチュエータ制御
(3−1)ペットロボット1におけるアクチュエータ制御
次に、このペットロボット1における待機モード時におけるアクチュエータ241〜24nの制御処理内容について説明する。
【0050】
このペットロボット1では、当該ペットロボット1がほぼ一日、24時間電源がオンされた状態で稼動(常時稼動)することを前提として制御ソフトウェアが構築されている。ただし、常時稼動といっても、ペットロボット1が常に動いているわけでなく、バッテリ12(図2)を充電するための図6に示すような充電ステーション40に載せられて充電されている間の多くの時間はペットロボット1の動作モードが動作を発現しない待機モードとなる。
【0051】
そこで、このペットロボット1においては、かかる待機モード時には、そのときのペットロボット1の姿勢を維持するために最低限必要なアクチュエータ以外のアクチュエータ241〜24nに対する駆動電流の印加を一時的に停止(すなわち制御を一時的に停止)するようになされ、これにより駆動電流を常時印加することに起因するアクチュエータ241〜24nの短命化を有効に防止し得るようになされている。
【0052】
具体的には、例えば図6(A)に示すように、ペットロボット1が充電ステーション40に載せられている状態では、ペットロボット1が「伏せ」の姿勢に似た所定の姿勢(以下、これを「ステーション」の姿勢と呼ぶ)で充電ステーション40にその腹部を支えられるようにして保持されるため、このときペットロボット1の首関節機構部23や各肩関節機構部22A〜22D及び各膝関節機構部21A〜21D内の各アクチュエータ241〜24nは、この「ステーション」の姿勢を維持するためにトルクを発生させていなければならない最低限必要なアクチュエータとは言い得ない。
【0053】
そこで、このときペットロボット1においては、待機モード時には、首関節機構部23における各自由度の方向(ピッチ方向及びヨー方向)用のアクチュエータ241〜24nと、各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22Dにおける各自由度の方向(ピッチ方向及びロール方向)用のアクチュエータ241〜24nと、各脚部ユニット3A〜3Dの膝関節機構部21A〜21Dにおける自由度の方向(ピッチ方向)用のアクチュエータ241〜24nとに対する制御を一時停止(すなわち、これらアクチュエータ241〜24nに対する駆動電流の印加を停止)するようになされている。
【0054】
ただし、このようなアクチュエータ制御を行った場合、首関節機構部23のピッチ方向のアクチュエータ241〜24nの制御を停止した途端に頭部ユニット4がその自重により図6(B)のように前方向又は後方向に倒れてペットロボット1が『うなだれている』ような姿勢となったり、脚部ユニット3A〜3Dが自重により動いて左右の脚部ユニット3A〜3Dの姿勢がアンバランスになるおそれがあり、このような場合には見た目も悪く、また無気力な印象をユーザに与えることとなる。
【0055】
そこでこのペットロボット1では、かかるアクチュエータ241〜24nに対する制御を一時的に停止するに際して、頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを、当該アクチュエータ241〜24nの制御を停止した場合においても自重によって変位し難い最も安定な位置(以下、これを安定位置と呼ぶ)にまで移動させたうえで、このアクチュエータ241〜24nの制御を停止させるようになされている。
【0056】
実際上、ペットロボット1は、例えば充電ステーション40に載せられた状態において待機モードに遷移するに際して、図6(C)に示すように、頭部ユニット4を、その重心GPが首部関節機構部23におけるピッチ方向の回転中心CEの鉛直上方に位置するように移動させる。
【0057】
またペットロボット1は、これと併せて各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21Dの全てのアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止するが、この際には各脚部ユニット3A〜3Dを、それぞれ膝関節機構部21A〜21Dを所定角度に曲げてその先端部を充電ステーション40における脚置き用段部40Aの所定位置に接触させるように姿勢を遷移させる。
【0058】
これによりこのペットロボット1においては、待機モードに遷移してこれらアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止した状態においても、頭部ユニット4については、首部関節機構部23及び胴体部ユニット2間の静止摩擦力と、アクチュエータ241〜24nの出力段に配設された減速ギア列による負荷とによって、自重により頭部ユニット4がピッチ方向に動きだすのを防止でき、また各脚部ユニット3A〜3Dについては、その脚部ユニット3A〜3Dの先端部及び充電ステーション40の脚置き用段部40A間の静止摩擦力と、肩関節機構部22A〜22D及び胴体部ユニット2間の静止摩擦力と、肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21D内の各アクチュエータ241〜24nの出力段に配設された減速ギア列による負荷とによって、自重により各脚部ユニット3A〜3Dの待機モード時における姿勢が崩れるのを防止できるようになされている。
【0059】
一方、上述のようにペットロボット1が動作モードを待機モードに遷移させるに際して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを予め安定位置に移動させた場合においても、その後の待機モード時において、振動等により頭部ユニット4が動いてその重心GP(図6(A))が首関節機構部23におけるピッチ方向の回転中心CEの鉛直上方位置から外れ、頭部ユニット4が図6(C)のように前方向又は後方向に倒れたり、また振動等により脚部ユニット3A〜3Dの姿勢が崩れて左右の脚部ユニット3A〜3Dの姿勢がアンバランスになるおそれがある。
【0060】
また首関節機構部23のヨー方向のアクチュエータ241〜24nの制御を停止した状態では、頭部ユニット4に外力が与えられて頭部ユニット4がヨー方向に回転した場合でも、頭部ユニット4が元の安定位置に戻らないため、見た目も悪く、また生命感がない印象をユーザに与える。
【0061】
そこでこのペットロボット1においては、充電ステーション40に載せられた状態で待機モードに遷移した場合において、頭部ユニット4がその安定位置から首関節機構部23のいずれかの自由度の方向(ピッチ方向及びヨー方向)に当該自由度の方向について予め設定された所定の角度(以下、これを制御開始角度と呼ぶ)以上に回転変位し、又はいずれかの脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D若しくは膝関節機構部21A〜21Dのいずれかの自由度の方向の屈曲角がその自由度の方向について予め設定された所定の制御開始角度以上に大きく若しくは小さくなったとき(すなわち脚部ユニット3A〜3D又は脛部ブロック3A2〜3D2がその自由度方向に対応する制御開始角度以上に回転変位したとき)に、首関節機構部23又はその脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D若しくは膝関節機構部21A〜21Dの対応するアクチュエータ241〜24nを駆動することによりその頭部ユニット4又は脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に戻し(以下、これを復帰制御と呼ぶ)、その後再びこのアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止するようになされている。
【0062】
これによりこのペットロボット1では、自重や外力等によりペットロボット1の姿勢が崩れた場合においてもこれを直ちに元の姿勢に戻すことができ、かくして待機モード時においても常に一定の姿勢を維持し得るようになされている。
【0063】
なおこのペットロボット1の場合、上述のいずれの制御開始角度の値も10〜30度程度の範囲で選定されており、これにより制御の偏差やメカ的機構の誤差等に起因する上述のような復帰制御が頻繁に行われるのを未然にかつ有効に防止し得るようになされている。
【0064】
(3−2)アクチュエータ制御処理手順
ここで実際上、上述のような待機モード前及び待機モード中のアクチュエータ241〜24nの制御は、図3について上述した行動決定部32の制御のもとに、図7に示すアクチュエータ制御処理手順RT1に従って行われる。
【0065】
実際上、行動決定部32は、ペットロボット1が充電ステーション40に載せられた状態において、1つの動作が終了し、次に発現すべき動作が決定していないときなど、動作モードを待機モードに遷移すべき状況であることを認識すると、このアクチュエータ制御処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、頭部ユニット4を安定位置に移動させる行動をペットロボット1の次の行動として決定し、当該決定結果を行動決定情報D2として姿勢遷移制御部33(図3)に通知する。この結果この行動決定情報D3に基づいて、デバイス制御部34により首関節機構部23のピッチ方向及びロール方向のアクチュエータ241〜24nが駆動され、頭部ユニット4が安定位置に移動させられる。
【0066】
次いで行動決定部32は、ステップSP2に進んで、姿勢遷移制御部33を介してデバイス制御部34を制御することにより、かかる首関節機構部23のピッチ方向及ヨー方向のアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止させる。
【0067】
さらに行動決定部32は、この後ステップSP3に進んで、状態認識部30(図3)から外部又は内部における特定状態の認識結果である状態認識情報D1が与えられ、現在のノード(NDA0)に移ってから一定時間が経過し、又は感情・本能モデル部31(図3)におけるいずれかの情動又は本能のパラメータ値が閾値を超えた否か(すなわちペットロボット1が次の行動の行動を発現すべき状態であるか否か)を判断する。
【0068】
そして行動決定部32は、ステップSP3において否定結果を得るとステップSP4に進んで、首関節機構部23内の各アクチュエータ241〜24nとそれぞれ対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnと、各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21D内の各アクチュエータ241〜24nとそれぞれ対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnとに基づく状態認識部30の認識結果として、頭部ユニット4のピッチ方向又はヨー方向の角度が安定位置から制御開始角度以上ずれ、又はいずれかの脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21Dの角度が当該脚部ユニット3A〜3Dが安定位置にある場合の角度から制御開始角度以上ずれたとの通知が状態認識部30から与えられたか否かを判断する。
【0069】
そして行動決定部32は、このステップSP4において否定結果を得ると、ステップSP3に戻って、この後ステップSP3又はステップSP4のいずれかにおいて肯定結果を得るまで、各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視しながらステップSP3−SP4−SP3のループを繰り返す。
【0070】
そして行動決定部32は、やがてステップSP3において肯定結果を得るとステップSP6に進んで、ステップSP3において得られた状態認識部30からの状態検出情報D1に基づいてペットロボット1の次の行動を決定し、決定結果を行動決定情報D2として姿勢遷移制御部33に通知し、この後ステップSP7に進んでこのアクチュエータ制御処理手順RT1を終了する。
【0071】
この結果、このとき行動決定情報D2に基づく動作指令情報D3が姿勢遷移制御部33からデバイス制御部34に与えられ、当該動作指令情報D3の入力に応動してデバイス制御部33よる首関節機構部23のピッチ方向及びヨー方法のアクチュエータ241〜24nに対する制御が再開される。またこの動作指令情報D3に基づきデバイス制御部34により対応するアクチュエータ241〜24n等の制御が行われ、これにより行動決定部32により決定された行動がペットロボット1により発現される。
【0072】
一方、行動決定部32は、ステップSP4において肯定結果を得るとステップSP5に進んで、姿勢遷移制御部32を介してデバイス制御部34を制御することにより、首関節機構部23のピッチ方向及びヨー方法のアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開させた後ステップSP1に戻り、この後ステップSP1〜ステップSP7について同様の処理を繰り返す。
【0073】
このようにして行動決定部32は、待機モード前及び待機モード時における首関節機構部23並びに各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21Dのアクチュエータ241〜24nを制御するようになされている。
【0074】
(4)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、このペットロボット1のコントローラ10は、アクチュエータ241〜24nを制御して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータ241〜24nに対する制御を停止すると共に対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視し、当該角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dが予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、対応するアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に移動させた後、アクチュエータ241〜24nに対する制御を再度停止する。
【0075】
従って、このペットロボット1では、アクチュエータ241〜24nを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができる。
【0076】
以上の構成によれば、アクチュエータ241〜24nを制御して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータ241〜24nに対する制御を停止すると共に対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視し、当該角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dが予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、対応するアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に移動させた後、アクチュエータ241〜24nに対する制御を再度停止するようにしたことにより、アクチュエータ241〜24nを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができ、かくしてアクチュエータ241〜24nの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るペットロボットを実現できる。
【0077】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を図1及び図2のように構成されたペットロボット1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の形態のロボット装置に広く適用することができる。
【0078】
また上述の実施の形態においては、本発明によるアクチュエータ制御処理を、ペットロボット1が充電ステーション40上に載せられた状態での待機モード時に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、充電ステーション40に載せられていない状態で待機モードに遷移する場合にもかかるアクチュエータ制御を適用することができる。この場合にあっては、そのときのペットロボット1の姿勢を維持するために最低限必要なアクチュエータ以外のアクチュエータ241〜24nに対してかかるアクチュエータ制御処理を適用するようにすれば良い。
【0079】
さらに上述の実施の形態においては、待機モード時における頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dの位置を検出するための位置検出手段として、対応するアクチュエータ241〜24nの出力軸の回転角を検出するポテンショメータ251〜25nを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のセンサ等を位置検出手段として広く適用することができる。
【0080】
さらに上述の実施の形態においては、ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて対応するアクチュエータ241〜24nを制御する制御手段としてのコントローラ10が図3について上述したような機能を有し、このため図4について上述したようにして待機モード時におけるアクチュエータ241〜24nの制御を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、コントローラ10が、アクチュエータ241〜24nを制御して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータ241〜24nに対する制御を停止すると共に対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視し、当該角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dが予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、対応するアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に移動させた後、アクチュエータ241〜24nに対する制御を再度停止するようにするのであれば、その具体的な処理内容として、そのロボット装置のコントローラの機能に合わせた具体的処理内容を適用するようにすれば良い。
【0081】
さらに上述の実施の形態においては、待機モード時において、変位した頭部ユニット4等を元の安定位置に戻すための復帰処理を開始する制御開始角度を10〜30度の範囲で選定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これ以外の範囲で選定するようにしても良い。
【0082】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、ロボット装置において、制御部が、可動部を駆動するアクチュエータを制御して当該可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を検出する位置検出手段の検出結果を監視し、当該検出結果に基づいて可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにしたことにより、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができ、かくして搭載されたアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るロボット装置を実現できる。
【0083】
また本発明によれば、ロボット装置の制御方法において、可動部を駆動するアクチュエータを制御して可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を監視し、可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにしたことにより、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができ、かくして搭載されたアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るロボット装置の制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるペットロボットの外観構成を示す斜視図である。
【図2】ペットロボットの内部構成を示すブロック図である。
【図3】行動生成に関するコントローラの処理内容の説明に供するブロック図である。
【図4】確率オートマトンの説明に供する概念図である。
【図5】有向グラフの説明に供する概念図である。
【図6】ペットロボットに適用された待機状態前及び待機情報時におけるアクチュエータの制御処理内容の説明に供する略線的な側面図である。
【図7】アクチュエータ処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……ペットロボット、3A〜3D……脚部ユニット、10……コントローラ、211〜21n……膝関節機構部、23……首関節機構部、241〜24n……アクチュエータ、251〜25n……ポテンショメータ、32……行動決定部、34……デバイス制御部、40……充電ステーション、CE……回転中心、GP……重心、RT1……アクチュエータ制御処理手順。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボット装置及びその制御方法に関し、例えばペットロボットに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、本願特許出願人により4足歩行型のペットロボットが開発及び販売されている。かかるペットボットは、一般家庭において飼育される犬又は猫や、他のライオン等の動物に似た形状を有し、「叩く」又は「撫でる」といったユーザからの働きかけや、周囲の環境に応じて自律的に行動し得るようになされたものである(例えば非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】
特願2001−268117
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかるペットロボットにおいては、動作を発現する場合のみならず、静止している状態にあっても、そのときの姿勢を維持するために、重力に逆らって可動部を所定位置に位置させるためのトルクを対応するアクチュエータに発生させる必要がある。
【0005】
このため従来のペットロボットにおいては、動作を発現しているか否かに拘わりなく、稼働中は全てのアクチュエータに常に駆動電流が印加されている状態となっており、その分アクチュエータの寿命が短くなる問題があった。
【0006】
かかる問題を解決するための1つの手法として、例えばペットロボットが動作を発現しない待機モード時にあるときなどに、姿勢維持に不要なアクチュエータに対する駆動電流の印加を停止(以下、これをアクチュエータの制御を停止するという)する方法が考えられる。
【0007】
しかしながらこの方法によると、かかるアクチュエータが発生するトルクによって所定位置に位置していたペットロボットの可動部が、当該アクチュエータの制御を停止した途端に自重により重力方向に動きだし、この結果ペットロボットの姿勢が崩れて不自然な姿勢となる問題があった。
【0008】
従って、かかるペットロボットにおいて、搭載するアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持するというトレードオフの関係にある両課題を共に解決することができれば、ペットロボットとしてのエンターテインメント性を損なうことなく、ペットロボットの耐久性を向上させ得るものと考えられる。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、搭載されたアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るロボット装置及びその制御方法を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、ロボット装置において、制御部が、可動部を駆動するアクチュエータを制御して当該可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を検出する位置検出手段の検出結果を監視し、当該検出結果に基づいて可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにした。
【0011】
この結果このロボット装置においては、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができる。
【0012】
また本発明においては、ロボット装置の制御方法において、可動部を駆動するアクチュエータを制御して可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を監視し、可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにした。
【0013】
この結果このロボット装置の制御方法によれば、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0015】
(1)本実施の形態によるペットロボット1の構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるペットロボットを示し、胴体部ユニット2の前後左右にそれぞれ脚部ユニット3A〜3Dが連結されると共に、胴体部ユニット2の前端部及び後端部にそれぞれ頭部ユニット4及び尻尾部ユニット5が連結されることにより構成されている。
【0016】
この場合胴体部ユニット2には、図2に示すように、このペットロボット1全体の動作を制御するコントローラ10と、このペットロボット1の動力源としてのバッテリ11と、バッテリセンサ12及び温度センサ13などからなる内部センサ部14と、各種制御プログラムや制御パラメータが格納された外部メモリ26となどが収納されている。
【0017】
また頭部ユニット4には、このペットロボット1の実質的な「目」として機能するCCD(Charge Coupled Device)カメラ15、「耳」として機能するマイクロホン16及びタッチセンサ17などからなる外部センサ部18と、外見上の「目」として機能するLED(Light Emitting Diode)19と、「口」として機能するスピーカ20となどがそれぞれ所定位置に配設されている。
【0018】
さらに各脚部ユニット3A〜3Dの大腿部ブロック3A1〜3D1及び脛部ブロック3A2〜3D2を連結する膝関節機構部21A〜21Dや、胴体部ユニット2と各脚部ユニット3A〜3Dとをそれぞれ連結する各肩関節機構部22A〜22D、胴体部ユニット2及び頭部ユニット4を連結する首関節機構部23(図6)、並びに尻尾部ユニット5における尻尾5A(図1)の付根部分などには、それぞれ対応する自由度数分のアクチュエータ241〜24n及び対応するポテンショメータ251〜25nが配設されている。
【0019】
そして頭部ユニット4のCCDカメラ15は、周囲の状況を撮像し、得られた画像信号S1Aをコントローラ10に送出する。またマイクロホン16は、ユーザから発話された「歩け」、「伏せ」又は「ボールを追いかけろ」等の音声を集音し、得られた音声信号S1Bをコントローラ10に送出する。
【0020】
さらにタッチセンサ17は、図1において明らかなように頭部ユニット4の上部に設けられており、ユーザからの「撫でる」や「叩く」といった物理的な働きかけにより受けた圧力を検出し、検出結果を圧力検出信号S1Cとしてコントローラ10に送出する。
【0021】
一方、バッテリセンサ12は、バッテリ11の残量を検出して、検出結果をバッテリ残量検出信号S2Aとしてコントローラ10に送出し、温度センサ13は、ペットロボット1内部の温度を検出して検出結果を温度検出信号S2Bとしてコントローラ10に送出する。また各ポテンショメータ251〜25nは、バッテリセンサ12及び熱センサ13などと共に内部センサ部14を構成し、それぞれ対応するアクチュエータ241〜24nの出力軸の回転角度を検出し、検出結果を角度検出信号S2C1〜S2Cnとしてコントローラ10に送出する。
【0022】
コントローラ10は、外部センサ部18のCCDカメラ15、マイクロホン16及びタッチセンサ17などの各外部センサからそれぞれ与えられる画像信号S1A、音声信号S1B及び圧力検出信号S1Cなどの外部センサ信号S1と、内部センサ部14のバッテリセンサ12、熱センサ13及び各ポテンショメータ251〜25nなどの各内部センサからそれぞれ与えられるバッテリ残量検出信号S2A、温度検出信号S2B及び各角度検出信号S2C1〜S2Cnなどの内部センサ信号S2となどに基づいて、ペットロボット1の周囲及び内部の状況や、ユーザからの指令、ユーザからの物理的な働きかけの有無などを判断する。
【0023】
そしてコントローラ10は、この判断結果と、予めメモリ10Aや外部メモリ26に格納されている各種制御プログラム及び制御パラメータとに基づいて続く行動を決定し、決定結果に基づいて必要なアクチュエータ241〜24nに駆動信号S31〜S3nを送出して当該駆動信号S31〜S3nに基づきそのアクチュエータ241〜24nを所望状態に駆動させることにより、頭部ユニット4を上下左右に振らせたり、尻尾部ユニット5の尻尾を動かせたり、各脚部ユニット3A〜3Dを駆動して歩行させるなどの行動を行わせる。
【0024】
またこの際コントローラ10は、必要に応じて所定の音声信号S4をスピーカ20に与えることにより当該音声信号S4に基づく音声を外部に出力させたり、LED19にLED駆動信号S5を出力することによりこれを点滅させる。
【0025】
このようにしてこのペットロボット1においては、周囲及び内部の状況や、ユーザからの指令及び働きかけの有無などに基づいて自律的に行動することができるようになされている。
【0026】
(2)コントローラ10の処理
ここでこのようなペットロボット1の行動生成に関するコントローラ10の処理内容を機能的に分類すると、外部及び内部の状態を認識する状態認識部30と、状態認識部30の認識結果に基づいて感情及び本能の状態を決定する感情・本能モデル31と、状態認識部30の認識結果及び感情・本能モデル31において決定された感情・本能の状態に基づいて次の行動を決定する行動決定部32と、行動決定部32により決定された行動や動作を行うためのペットロボット1の一連の動作計画を立てる姿勢遷移制御部33と、姿勢遷移制御部33により立てられた動作計画に基づいてLED16、20やアクチュエータ241〜24n等のデバイスを制御するデバイス制御部34とに分けることができる。
【0027】
この場合状態認識部30は、各外部センサ部18から与えられる外部センサ信号S1と、各内部センサ部14から与えられる内部センサ信号S2とに基づいて外部及び内部の状態を認識し、認識結果を状態認識情報D1として感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0028】
具体的に状態認識部30は、外部センサ部18のCCDカメラ15(図2)から与えられる画像信号S1A(図2)を常時監視し、当該画像信号S1Aに基づく画像内に例えば「赤い丸いもの」や「進行方向に位置する物体」を検出したときには「ボールがある」、「障害物がある」と認識して、当該認識結果を感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0029】
また状態認識部30は、マイクロホン16(図2)から与えられる音声信号S1B(図2)を常時監視し、HMM(Hidden Markov Model)法などの音声認識手法により「歩け」、「伏せ」、「ボールを追いかけろ」等の各種音声を認識したときには、これを感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0030】
さらに状態認識部30は、タッチセンサ17(図2)から与えられる圧力検出信号S1Cを常時監視し、当該圧力検出信号S1Cに基づいて所定の閾値以上のかつ短時間(例えば2秒未満)の圧力を検出したときには「叩かれた(叱られた)」と認識し、所定の閾値未満のかつ長時間(例えば2秒以上)の圧力を検出したときには「撫でられた(誉められた)」と認識し、認識結果を感情・本能モデル部31及び行動決定部32に通知する。
【0031】
さらに状態認識部30は、バッテリセンサ12及び温度センサ13からそれぞれ与えられるバッテリ残量検出信号S2A及び温度検出信号S2Bに基づいてバッテリ11の残量及び内部温度を認識し、認識結果を感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0032】
さらに状態認識部は、各ポテンショメータ251〜25nから与えられる角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて、対応するアクチュエータ241〜24nの回転状態を認識し、認識結果を感情・本能モデル31及び行動決定部32に通知する。
【0033】
感情・本能モデル部31は、「喜び」、「悲しみ」、「驚き」、「恐怖」、「嫌悪」及び「怒り」等の複数の情動について、これら情動ごとにその情動の強さを表すパラメータを保持している。そして感情・本能モデル部31は、これら各情動のパラメータ値を、それぞれ状態認識部30から状態認識情報D1として与えられる「誉められた」、「叱られた」などの特定の認識結果等に基づいて順次変更する。
【0034】
また感情・本能モデル部31は、これと同様にして、「愛情欲」、「探索欲」、「運動欲」、「充電欲」及び「睡眠欲」等の複数の互いに独立した欲求について、これら欲求ごとにその欲求の強さを表すパラメータを保持している。そして感情・本能モデル部31は、これら各欲求のパラメータ値を、それぞれ状態認識部30からの認識結果や経過時間等に基づいて順次変更する。
【0035】
一方、行動決定部32は、状態認識部30から状態認識情報D1が与えられたときや、現在の行動に移ってから一定時間経過したとき、感情・本能モデル部31におけるいずれかの情動又は本能のパラメータ値が閾値を超えたときなどに、内部メモリ10A及び外部メモリ26に格納されている制御プログラム及び制御パラメータに基づいて次の行動を決定する。
【0036】
具体的に行動決定部32は、次の行動を決定する手法として、図4に示すように、状態をノードNDA0〜NDAnとして表現し、1つのノードNDA0から次にどのノードNDA0〜NDAnに遷移するかを、自ノードNDA0〜NDAnにおいて完結し又は各ノードNDA0〜NDAn間を接続するアークARA0〜ARAnに対してそれぞれ設定された遷移確率P0〜Pnに基づいて確率的に決定する確率オートマトンと呼ばれるアルゴリズムを用いる。
【0037】
この場合この確率オートマトンにおける各ノードNDA0〜NDAn間の接続関係や、各アークARA0〜ARAnに対する遷移確率P1〜Pn及び、各アークARA0〜ARAnにそれぞれ対応付けられた行動が制御パラメータ(行動モデル)として外部メモリ26に格納されている。
【0038】
そして行動決定部32は、例えば状態認識部30から外部又は内部における特定状態の認識結果である状態認識情報D1が与えられたときや、現在のノード(NDA0)に移ってから一定時間が経過したとき、感情・本能モデル部31におけるいずれかの情動又は本能のパラメータ値が閾値を超えたときなどに、かかる確率オートマトンにおける次の遷移先のノードNDA0〜NDAnを各アークARA0〜ARAnに対する遷移確率P0〜Pnに基づいて確率的に決定し、このとき決定したノードNDA0〜NDAnと元のノードNDA0とを接続するアークARA0〜ARAnに対応付けられた行動を次に発現すべき行動として、行動決定情報D2として姿勢遷移制御部33に通知する。
【0039】
姿勢遷移制御部33においては、行動決定部32から行動決定情報D2が与えられると、当該行動決定情報D2に基づく行動を行うためのペットロボット1の一連の動作計画を立て、当該動作計画に基づく動作指令情報D3をデバイス制御部34に出力する。
【0040】
この場合姿勢遷移制御部33は、かかる動作計画を立てる手法として、例えば図5に示すようなペットロボット1がとり得る姿勢をそれぞれノードNDB0〜NDB2とし、遷移可能なノードNDB0〜NDB2間を動作を表す有向アークARB0〜ARB5で結び、かつ1つのノードNDB0〜NDB2で完結する動作を自己動作アークARC0〜ARC3として表現する有向グラフを用いる。
【0041】
具体的には、このペットロボット1の場合、各ノードNDB0〜NDB2にはそれぞれ「立つ」、「座る」、「伏せる」等の姿勢が対応付けられ、これらノードNDB0〜NDB2間をそれぞれ結ぶ各有向アークARB0〜ARB5には姿勢を遷移させるための動作が対応付けられている。また各自己動作アークARC0〜ARC3には、それぞれ「歩く」、「ダンスする」、「頭を揺する」、「お手をする」等の対応するその姿勢において発現できる各種動作が対応付けられている。
【0042】
そして姿勢遷移制御部33は、行動決定部32から「立て」、「歩け」、「ダンスしろ」等の行動指令が行動決定情報D2として与えられると、有向アークARB0〜ARB2の向きに従いながら、現在のノードNDB0〜NDB2から指定された姿勢又は動作が対応付けられたノードNDB0〜NDB2又は有向アークARB0〜ARB5若しくは自己動作アークARC0〜ARC3に至る最短経路を探索し、当該探索した経路上の各有向アークARB0〜ARB5や自己動作アークARC0〜ARC3にそれぞれ対応付けられた動作を順次行わせるための動作指令を動作指令情報D3としてデバイス制御部34に次々と出力する。
【0043】
例えば、姿勢遷移制御部33は、ペットロボット1が「伏せる」の姿勢にある場合において、行動決定部32から「座ってバンザイ」という行動指令が与えられた場合には、「伏せる」の姿勢に対応するノードNDB2及び「座る」の姿勢に対応するノードNDB1間を結ぶ有向アークARB1に対応付けられた「座る」という動作(以下、これを「座り動作」と呼ぶ)の動作指令と、自己動作アークARC1に対応付けられた「バンザイ」という動作(以下、これを「バンザイ動作」と呼ぶ)の動作指令とをデバイス制御部34に順次送出することとなる。
【0044】
デバイス制御部34においては、姿勢遷移制御部33が保持する有向グラフの各有向アークARB0〜ARB5や各自己動作アークARC0〜ARC3にそれぞれ対応付けられた各動作にそれぞれ対応させて、その動作をペットロボット1に発現させるためにどのアクチュエータ241〜24n(図2)をどのタイミングでどのくらい駆動させるかといった、動作ごとの各アクチュエータ241〜24nの時系列的な制御内容を規定したファイル(以下、これを動作ファイルと呼ぶ)を外部メモリ26内に有している。
【0045】
そしてデバイス制御部34は、姿勢遷移制御部33から動作指令情報D3が与えられるごとに、対応する動作ファイルを順次再生して当該動作ファイルに格納された制御パラメータに基づく駆動信号S31〜S3nを生成し、当該駆動信号S31〜S3nに基づいて対応するアクチュエータ241〜24nを駆動制御することにより、ペットロボット1に対応する動作を発現させる。
【0046】
従ってデバイス制御部34は、例えばペットロボット1が「伏せる」の姿勢にある場合において、姿勢遷移制御部33から上述の「座り動作」及び「バンザイ動作」の動作指令が順次与えられた場合には、まず「座り動作」に対応する動作ファイルに基づき対応する各アクチュエータ241〜24nを時系列的に順次制御することによりペットロボット1に「座り動作」を発現させ、この後これに続けて「バンザイ動作」に対応する動作ファイルに基づき対応する各アクチュエータ241〜24nを時系列的に順次制御することによりペットロボット1に「バンザイ動作」を発現させる。これによりペットロボット1全体として、姿勢を「伏せる」から「座る」に遷移し、その後「バンザイ」するという一連の動作が発現されることとなる。
【0047】
またデバイス制御部34は、各種音のWAVEファイルである複数の音声ファイルと、LED19(図2)の駆動データが格納された複数のLED駆動ファイルを外部メモリ26内に有しており、かかる動作ファイルの再生時等にその動作ファイルと対応付けられた音声ファイル及び又はLED駆動ファイルを同時に再生することにより、ペットロボット1に動作と合わせてスピーカ20(図2)から音声を出力させたり、LED19を点滅駆動させる。
【0048】
このようにしてコントローラ10においては、外部及び内部の状況や、ユーザからの指令及び働きかけの有無等に応じてペットロボット1を自律的に行動させ得るようになされている。
【0049】
(3)ペットロボット1におけるアクチュエータ制御
(3−1)ペットロボット1におけるアクチュエータ制御
次に、このペットロボット1における待機モード時におけるアクチュエータ241〜24nの制御処理内容について説明する。
【0050】
このペットロボット1では、当該ペットロボット1がほぼ一日、24時間電源がオンされた状態で稼動(常時稼動)することを前提として制御ソフトウェアが構築されている。ただし、常時稼動といっても、ペットロボット1が常に動いているわけでなく、バッテリ12(図2)を充電するための図6に示すような充電ステーション40に載せられて充電されている間の多くの時間はペットロボット1の動作モードが動作を発現しない待機モードとなる。
【0051】
そこで、このペットロボット1においては、かかる待機モード時には、そのときのペットロボット1の姿勢を維持するために最低限必要なアクチュエータ以外のアクチュエータ241〜24nに対する駆動電流の印加を一時的に停止(すなわち制御を一時的に停止)するようになされ、これにより駆動電流を常時印加することに起因するアクチュエータ241〜24nの短命化を有効に防止し得るようになされている。
【0052】
具体的には、例えば図6(A)に示すように、ペットロボット1が充電ステーション40に載せられている状態では、ペットロボット1が「伏せ」の姿勢に似た所定の姿勢(以下、これを「ステーション」の姿勢と呼ぶ)で充電ステーション40にその腹部を支えられるようにして保持されるため、このときペットロボット1の首関節機構部23や各肩関節機構部22A〜22D及び各膝関節機構部21A〜21D内の各アクチュエータ241〜24nは、この「ステーション」の姿勢を維持するためにトルクを発生させていなければならない最低限必要なアクチュエータとは言い得ない。
【0053】
そこで、このときペットロボット1においては、待機モード時には、首関節機構部23における各自由度の方向(ピッチ方向及びヨー方向)用のアクチュエータ241〜24nと、各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22Dにおける各自由度の方向(ピッチ方向及びロール方向)用のアクチュエータ241〜24nと、各脚部ユニット3A〜3Dの膝関節機構部21A〜21Dにおける自由度の方向(ピッチ方向)用のアクチュエータ241〜24nとに対する制御を一時停止(すなわち、これらアクチュエータ241〜24nに対する駆動電流の印加を停止)するようになされている。
【0054】
ただし、このようなアクチュエータ制御を行った場合、首関節機構部23のピッチ方向のアクチュエータ241〜24nの制御を停止した途端に頭部ユニット4がその自重により図6(B)のように前方向又は後方向に倒れてペットロボット1が『うなだれている』ような姿勢となったり、脚部ユニット3A〜3Dが自重により動いて左右の脚部ユニット3A〜3Dの姿勢がアンバランスになるおそれがあり、このような場合には見た目も悪く、また無気力な印象をユーザに与えることとなる。
【0055】
そこでこのペットロボット1では、かかるアクチュエータ241〜24nに対する制御を一時的に停止するに際して、頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを、当該アクチュエータ241〜24nの制御を停止した場合においても自重によって変位し難い最も安定な位置(以下、これを安定位置と呼ぶ)にまで移動させたうえで、このアクチュエータ241〜24nの制御を停止させるようになされている。
【0056】
実際上、ペットロボット1は、例えば充電ステーション40に載せられた状態において待機モードに遷移するに際して、図6(C)に示すように、頭部ユニット4を、その重心GPが首部関節機構部23におけるピッチ方向の回転中心CEの鉛直上方に位置するように移動させる。
【0057】
またペットロボット1は、これと併せて各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21Dの全てのアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止するが、この際には各脚部ユニット3A〜3Dを、それぞれ膝関節機構部21A〜21Dを所定角度に曲げてその先端部を充電ステーション40における脚置き用段部40Aの所定位置に接触させるように姿勢を遷移させる。
【0058】
これによりこのペットロボット1においては、待機モードに遷移してこれらアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止した状態においても、頭部ユニット4については、首部関節機構部23及び胴体部ユニット2間の静止摩擦力と、アクチュエータ241〜24nの出力段に配設された減速ギア列による負荷とによって、自重により頭部ユニット4がピッチ方向に動きだすのを防止でき、また各脚部ユニット3A〜3Dについては、その脚部ユニット3A〜3Dの先端部及び充電ステーション40の脚置き用段部40A間の静止摩擦力と、肩関節機構部22A〜22D及び胴体部ユニット2間の静止摩擦力と、肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21D内の各アクチュエータ241〜24nの出力段に配設された減速ギア列による負荷とによって、自重により各脚部ユニット3A〜3Dの待機モード時における姿勢が崩れるのを防止できるようになされている。
【0059】
一方、上述のようにペットロボット1が動作モードを待機モードに遷移させるに際して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを予め安定位置に移動させた場合においても、その後の待機モード時において、振動等により頭部ユニット4が動いてその重心GP(図6(A))が首関節機構部23におけるピッチ方向の回転中心CEの鉛直上方位置から外れ、頭部ユニット4が図6(C)のように前方向又は後方向に倒れたり、また振動等により脚部ユニット3A〜3Dの姿勢が崩れて左右の脚部ユニット3A〜3Dの姿勢がアンバランスになるおそれがある。
【0060】
また首関節機構部23のヨー方向のアクチュエータ241〜24nの制御を停止した状態では、頭部ユニット4に外力が与えられて頭部ユニット4がヨー方向に回転した場合でも、頭部ユニット4が元の安定位置に戻らないため、見た目も悪く、また生命感がない印象をユーザに与える。
【0061】
そこでこのペットロボット1においては、充電ステーション40に載せられた状態で待機モードに遷移した場合において、頭部ユニット4がその安定位置から首関節機構部23のいずれかの自由度の方向(ピッチ方向及びヨー方向)に当該自由度の方向について予め設定された所定の角度(以下、これを制御開始角度と呼ぶ)以上に回転変位し、又はいずれかの脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D若しくは膝関節機構部21A〜21Dのいずれかの自由度の方向の屈曲角がその自由度の方向について予め設定された所定の制御開始角度以上に大きく若しくは小さくなったとき(すなわち脚部ユニット3A〜3D又は脛部ブロック3A2〜3D2がその自由度方向に対応する制御開始角度以上に回転変位したとき)に、首関節機構部23又はその脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D若しくは膝関節機構部21A〜21Dの対応するアクチュエータ241〜24nを駆動することによりその頭部ユニット4又は脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に戻し(以下、これを復帰制御と呼ぶ)、その後再びこのアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止するようになされている。
【0062】
これによりこのペットロボット1では、自重や外力等によりペットロボット1の姿勢が崩れた場合においてもこれを直ちに元の姿勢に戻すことができ、かくして待機モード時においても常に一定の姿勢を維持し得るようになされている。
【0063】
なおこのペットロボット1の場合、上述のいずれの制御開始角度の値も10〜30度程度の範囲で選定されており、これにより制御の偏差やメカ的機構の誤差等に起因する上述のような復帰制御が頻繁に行われるのを未然にかつ有効に防止し得るようになされている。
【0064】
(3−2)アクチュエータ制御処理手順
ここで実際上、上述のような待機モード前及び待機モード中のアクチュエータ241〜24nの制御は、図3について上述した行動決定部32の制御のもとに、図7に示すアクチュエータ制御処理手順RT1に従って行われる。
【0065】
実際上、行動決定部32は、ペットロボット1が充電ステーション40に載せられた状態において、1つの動作が終了し、次に発現すべき動作が決定していないときなど、動作モードを待機モードに遷移すべき状況であることを認識すると、このアクチュエータ制御処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、頭部ユニット4を安定位置に移動させる行動をペットロボット1の次の行動として決定し、当該決定結果を行動決定情報D2として姿勢遷移制御部33(図3)に通知する。この結果この行動決定情報D3に基づいて、デバイス制御部34により首関節機構部23のピッチ方向及びロール方向のアクチュエータ241〜24nが駆動され、頭部ユニット4が安定位置に移動させられる。
【0066】
次いで行動決定部32は、ステップSP2に進んで、姿勢遷移制御部33を介してデバイス制御部34を制御することにより、かかる首関節機構部23のピッチ方向及ヨー方向のアクチュエータ241〜24nに対する制御を停止させる。
【0067】
さらに行動決定部32は、この後ステップSP3に進んで、状態認識部30(図3)から外部又は内部における特定状態の認識結果である状態認識情報D1が与えられ、現在のノード(NDA0)に移ってから一定時間が経過し、又は感情・本能モデル部31(図3)におけるいずれかの情動又は本能のパラメータ値が閾値を超えた否か(すなわちペットロボット1が次の行動の行動を発現すべき状態であるか否か)を判断する。
【0068】
そして行動決定部32は、ステップSP3において否定結果を得るとステップSP4に進んで、首関節機構部23内の各アクチュエータ241〜24nとそれぞれ対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnと、各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21D内の各アクチュエータ241〜24nとそれぞれ対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnとに基づく状態認識部30の認識結果として、頭部ユニット4のピッチ方向又はヨー方向の角度が安定位置から制御開始角度以上ずれ、又はいずれかの脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21Dの角度が当該脚部ユニット3A〜3Dが安定位置にある場合の角度から制御開始角度以上ずれたとの通知が状態認識部30から与えられたか否かを判断する。
【0069】
そして行動決定部32は、このステップSP4において否定結果を得ると、ステップSP3に戻って、この後ステップSP3又はステップSP4のいずれかにおいて肯定結果を得るまで、各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視しながらステップSP3−SP4−SP3のループを繰り返す。
【0070】
そして行動決定部32は、やがてステップSP3において肯定結果を得るとステップSP6に進んで、ステップSP3において得られた状態認識部30からの状態検出情報D1に基づいてペットロボット1の次の行動を決定し、決定結果を行動決定情報D2として姿勢遷移制御部33に通知し、この後ステップSP7に進んでこのアクチュエータ制御処理手順RT1を終了する。
【0071】
この結果、このとき行動決定情報D2に基づく動作指令情報D3が姿勢遷移制御部33からデバイス制御部34に与えられ、当該動作指令情報D3の入力に応動してデバイス制御部33よる首関節機構部23のピッチ方向及びヨー方法のアクチュエータ241〜24nに対する制御が再開される。またこの動作指令情報D3に基づきデバイス制御部34により対応するアクチュエータ241〜24n等の制御が行われ、これにより行動決定部32により決定された行動がペットロボット1により発現される。
【0072】
一方、行動決定部32は、ステップSP4において肯定結果を得るとステップSP5に進んで、姿勢遷移制御部32を介してデバイス制御部34を制御することにより、首関節機構部23のピッチ方向及びヨー方法のアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開させた後ステップSP1に戻り、この後ステップSP1〜ステップSP7について同様の処理を繰り返す。
【0073】
このようにして行動決定部32は、待機モード前及び待機モード時における首関節機構部23並びに各脚部ユニット3A〜3Dの肩関節機構部22A〜22D及び膝関節機構部21A〜21Dのアクチュエータ241〜24nを制御するようになされている。
【0074】
(4)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、このペットロボット1のコントローラ10は、アクチュエータ241〜24nを制御して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータ241〜24nに対する制御を停止すると共に対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視し、当該角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dが予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、対応するアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に移動させた後、アクチュエータ241〜24nに対する制御を再度停止する。
【0075】
従って、このペットロボット1では、アクチュエータ241〜24nを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができる。
【0076】
以上の構成によれば、アクチュエータ241〜24nを制御して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータ241〜24nに対する制御を停止すると共に対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視し、当該角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dが予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、対応するアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に移動させた後、アクチュエータ241〜24nに対する制御を再度停止するようにしたことにより、アクチュエータ241〜24nを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができ、かくしてアクチュエータ241〜24nの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るペットロボットを実現できる。
【0077】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を図1及び図2のように構成されたペットロボット1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の形態のロボット装置に広く適用することができる。
【0078】
また上述の実施の形態においては、本発明によるアクチュエータ制御処理を、ペットロボット1が充電ステーション40上に載せられた状態での待機モード時に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、充電ステーション40に載せられていない状態で待機モードに遷移する場合にもかかるアクチュエータ制御を適用することができる。この場合にあっては、そのときのペットロボット1の姿勢を維持するために最低限必要なアクチュエータ以外のアクチュエータ241〜24nに対してかかるアクチュエータ制御処理を適用するようにすれば良い。
【0079】
さらに上述の実施の形態においては、待機モード時における頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dの位置を検出するための位置検出手段として、対応するアクチュエータ241〜24nの出力軸の回転角を検出するポテンショメータ251〜25nを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のセンサ等を位置検出手段として広く適用することができる。
【0080】
さらに上述の実施の形態においては、ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて対応するアクチュエータ241〜24nを制御する制御手段としてのコントローラ10が図3について上述したような機能を有し、このため図4について上述したようにして待機モード時におけるアクチュエータ241〜24nの制御を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、コントローラ10が、アクチュエータ241〜24nを制御して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータ241〜24nに対する制御を停止すると共に対応する各ポテンショメータ251〜25nからの角度検出信号S2C1〜S2Cnを監視し、当該角度検出信号S2C1〜S2Cnに基づいて頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dが予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、対応するアクチュエータ241〜24nに対する制御を再開して頭部ユニット4及び各脚部ユニット3A〜3Dを元の安定位置に移動させた後、アクチュエータ241〜24nに対する制御を再度停止するようにするのであれば、その具体的な処理内容として、そのロボット装置のコントローラの機能に合わせた具体的処理内容を適用するようにすれば良い。
【0081】
さらに上述の実施の形態においては、待機モード時において、変位した頭部ユニット4等を元の安定位置に戻すための復帰処理を開始する制御開始角度を10〜30度の範囲で選定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これ以外の範囲で選定するようにしても良い。
【0082】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、ロボット装置において、制御部が、可動部を駆動するアクチュエータを制御して当該可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を検出する位置検出手段の検出結果を監視し、当該検出結果に基づいて可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにしたことにより、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができ、かくして搭載されたアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るロボット装置を実現できる。
【0083】
また本発明によれば、ロボット装置の制御方法において、可動部を駆動するアクチュエータを制御して可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に可動部の位置を監視し、可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、アクチュエータに対する制御を再開して可動部を元の安定位置に移動させた後、アクチュエータに対する制御を再度停止するようにしたことにより、アクチュエータを常時駆動させることなく、待機モード時の姿勢が自重等により崩れるのを有効に防止することができ、かくして搭載されたアクチュエータの耐久性を向上させながら常に姿勢を維持し得るロボット装置の制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるペットロボットの外観構成を示す斜視図である。
【図2】ペットロボットの内部構成を示すブロック図である。
【図3】行動生成に関するコントローラの処理内容の説明に供するブロック図である。
【図4】確率オートマトンの説明に供する概念図である。
【図5】有向グラフの説明に供する概念図である。
【図6】ペットロボットに適用された待機状態前及び待機情報時におけるアクチュエータの制御処理内容の説明に供する略線的な側面図である。
【図7】アクチュエータ処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……ペットロボット、3A〜3D……脚部ユニット、10……コントローラ、211〜21n……膝関節機構部、23……首関節機構部、241〜24n……アクチュエータ、251〜25n……ポテンショメータ、32……行動決定部、34……デバイス制御部、40……充電ステーション、CE……回転中心、GP……重心、RT1……アクチュエータ制御処理手順。
Claims (6)
- 可動部を有するロボット装置において、
上記可動部を駆動するアクチュエータと、
上記可動部の位置を検出する位置検出手段と、
上記位置検出手段の検出結果に基づいて上記アクチュエータを制御する制御手段と
を具え、
上記制御手段は、
上記アクチュエータを制御して上記可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、上記待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に上記位置検出手段の検出結果を監視し、当該検出結果に基づいて上記可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、上記アクチュエータに対する上記制御を再開して上記可動部を元の上記安定位置に移動させた後、上記アクチュエータに対する制御を再度停止する
ことを特徴とするロボット装置。 - 上記可動部は、上記自重により回転変位し、
上記閾値は、当該回転変位の角度が10〜30度の範囲で選定された
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。 - 上記制御手段は、
充電時に上記待機モードに遷移する
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。 - 可動部を有するロボット装置の制御方法において、
上記可動部を駆動するアクチュエータを制御して上記可動部を自重により変位し難い所定の安定位置に位置させた後に待機モードに遷移し、
上記待機モード中は、当該アクチュエータに対する制御を停止すると共に上記可動部の位置を監視し、上記可動部が予め設定された所定の閾値以上に変位したことを認識したときには、上記アクチュエータに対する上記制御を再開して上記可動部を元の上記安定位置に移動させた後、上記アクチュエータに対する制御を再度停止する
ことを特徴とするロボット装置の制御方法。 - 上記可動部は、上記自重により回転変位し、
上記閾値は、当該回転変位の角度が10〜30度の範囲で選定された
ことを特徴とする請求項4に記載のロボット装置の制御方法。 - 上記ロボット装置の充電時に上記待機モードに遷移する
ことを特徴とする請求項4に記載のロボット装置の制御方法。
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Cited By (3)
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JP2011067943A (ja) * | 2009-09-22 | 2011-04-07 | Gm Global Technology Operations Inc | インターアクティブロボット制御システム及び使用方法 |
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JP2017196716A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | シャープ株式会社 | アクチュエータ制御装置、自動機械、アクチュエータ制御方法、アクチュエータ制御プログラム、及び、コンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
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2003
- 2003-05-16 JP JP2003139461A patent/JP2004338056A/ja active Pending
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