JP2004336906A - 駆動制御回路及び駆動制御方法 - Google Patents

駆動制御回路及び駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動を急激に停止した後に発生するうなりを検出することにより、複数の共振モードを利用する超音波モータの駆動信号の移相量を決定することができる超音波モータの駆動制御回路及び駆動制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の駆動制御回路2は、少なくとも2つの共振振動を利用する超音波モータ1を駆動制御する。この駆動制御回路2は、所定の駆動周波数を持つ駆動信号に基づいて、超音波モータ1を駆動する駆動手段と、駆動手段による超音波モータ1の駆動を停止した後、2つの共振振動によって発生する減衰振動波形を検出し、この検出された減衰振動波形に基づいて、2つの共振振動によるうなりを検出するうなり検出部70と、うなり検出部70によって検出されたうなりに基づいて、超音波モータ1を駆動する駆動信号を調整するΔf測定制御部80とを備えている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動制御回路及び駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電素子を有する圧電アクチュエータ(超音波モータ)を2つの共振モードで共振振動させる駆動方法が知られている(例えば、特許文献1など)。この特許文献1では、このような複数の共振モードを利用する超音波モータを単相で駆動するとき、2つの共振振動である縦振動と屈曲振動の共振周波数のいずれか一方とほぼ同じ駆動周波数で、かつその駆動周波数に対応する駆動信号と振動ピックアップ(検出信号)の位相差などで圧電素子を駆動している。
しかしながら、超音波モータの個体差や、摩擦などによる経時劣化により、共振モード間の周波数関係が変動した場合には、その状態に見合った最適な駆動周波数により超音波モータの圧電素子を駆動することができず、駆動特性(共振特性)が低下してしまう場合があるという問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−268953号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、駆動を急激に停止した後に発生するうなりを検出することにより、複数の共振モードを利用する超音波モータの駆動信号の移相量を決定することができる超音波モータの駆動制御回路及び駆動制御方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一態様において、本発明の駆動制御回路は、
少なくとも2つの共振振動を利用して超音波モータを駆動制御する駆動制御回路であって、
所定の駆動周波数を持つ駆動信号に基づいて、前記超音波モータを駆動する駆動手段と、
前記駆動手段による前記超音波モータの駆動を停止した後、前記2つの共振振動によって発生する減衰振動波形を検出する波形検出手段と、
前記波形検出手段によって検出された減衰振動波形に基づいて、前記2つの共振振動によるうなりを検出するうなり検出手段と、
前記うなり検出手段によって検出された前記うなりに基づいて、前記超音波モータを駆動する駆動信号を調整する駆動周波数調整手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の駆動制御回路によれば、超音波モータの駆動を停止した際に少なくとも2つの共振振動に基づいて発生するうなりを検出し、その検出されたうなりに応じて、超音波モータを駆動制御する駆動信号を調整する。
したがって、本発明の駆動制御回路によって、超音波モータの個体差(同一製品における個体差)、その経時変化、あるいは温度変化などの環境変化等により、駆動制御回路が実現すべき移相量を最適値に設定することができる(超音波モータが常に最適な共振周波数で駆動できる)ので、典型的には以下のような効果を奏する。すなわち、本発明によって、超音波モータの駆動特性のばらつきが減少するとともに、摩擦による超音波モータの特性劣化が減少する。また、駆動特性が多少悪いとしても、駆動信号を調整可能であるので、超音波モータ及び駆動制御回路を製造する際の歩留まりが向上し、それによって、製品の低コスト化に寄与する。
【0007】
ここで、好ましくは、前記うなり検出手段は、前記うなりの周波数あるいは周期を検出する。この場合において、前記駆動周波数調整手段は、前記うなりの周波数又は周期に基づいて、前記駆動手段から出力される駆動信号波形の位相を遅らせる所定の移相量を決定するよう構成されてもよい。そして、本発明の駆動制御回路は、好ましくは、前記駆動周波数調整手段によって決定された前記所定の移相量に応じて、前記駆動信号の波形の位相を遅らせる移相手段を更に備える。
【0008】
また、本発明の駆動制御回路は、前記うなりの周波数又は周期に対する前記駆動信号波形の移相量をルックアップテーブルとして予め保存しているメモリを備えてもよい。
さらに、本発明の駆動制御回路は、好ましくは、前記所定の駆動周波数を記憶する記憶手段を更に備える。この場合において、前記記憶手段は、前記うなり検出手段によって検出されたうなりに基づいて、前記駆動周波数調整手段が前記駆動信号を調整した際には、既に記憶されている前記所定の駆動周波数を該調整された駆動信号の駆動周波数に更新して記憶するよう構成されてもよい。このように、調整(設定)後の駆動周波数(移相量)を記憶し、次回の駆動時に利用することにより、超音波モータ1の経時変化に容易に対応することができる。
【0009】
本発明の駆動制御回路では、好ましくは、前記超音波モータは、長手方向を有する板状の圧電素子と補強部とが積層され、該圧電素子に交流電圧を印加することにより振動する振動体と、前記振動体の長手方向の一端部が駆動対象に当接するように前記振動体を振動可能に支持する支持部材とを備えている。
この場合、好ましくは、前記振動体は、前記圧電素子の伸縮により、前記長手方向に伸縮する縦振動と、前記長手方向と直交する幅方向に揺動する屈曲振動とを生じるようになされており、
前記超音波モータは、前記縦振動及び屈曲振動が組合わさった振動による前記一端部の変位によって前記駆動対象を駆動するよう構成される。
【0010】
ここで、好ましくは、前記少なくとも2つの共振振動は、前記縦振動と前記屈曲振動とを含む。
また、本発明の別の態様において、本発明の一実施形態における駆動制御方法は、
少なくとも2つの共振振動を利用して超音波モータを駆動制御する駆動制御方法であって、
所定の駆動周波数を持つ駆動信号で、前記超音波モータを一定時間駆動し、その駆動を急激に停止して、前記少なくとも2つの共振振動によって発生する減衰振動波形から前記少なくとも2つの共振振動によるうなりを検出し、このうなりに基づいて、前記超音波モータを駆動する駆動信号を調整することを特徴とする。
【0011】
ここで、好ましくは、前記検出されたうなりは、うなりの周波数あるいは周期であり、
該うなりの周波数又は周期に基づいて、前記駆動信号の波形の位相を遅らせるための所定の移相量を決定し、該駆動信号波形の位相を遅らせることにより、前記超音波モータの駆動信号を調整してもよい。
【0012】
また、好ましくは、本発明の駆動制御方法は、前記所定の駆動周波数をメモリに記憶するステップを更に有する。
さらに、好ましくは、本発明の駆動制御方法は、前記検出されたうなりに基づいて、前記駆動信号を調整した際には、前記メモリに記憶されている前記所定の駆動周波数を該調整された駆動信号の駆動周波数に更新して記憶するステップを更に有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の駆動制御回路及び駆動制御方法の好適実施形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態は例示として挙げるものであり、これにより本発明を限定的に解釈すべきではない。
まず、構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態における超音波モータ及びその駆動制御回路の構成を示すブロック図であり、図2は、図1に示す振動体の斜視図である。以下、超音波モータ1の構成とその駆動制御回路2の構成とをそれぞれ詳細に説明する。
【0014】
図1において、超音波モータ1は、圧電素子11を備えた振動体10と、この振動体10の振動によって回転される駆動体としてのロータ20とを備えて構成されている。
図2に示すように、振動体10は、補強板12と、この補強板12を挟んで両側に配置(接着)された圧電素子11と、これらの圧電素子11上に配置された5つの電極13A〜13Eとを積層して構成されている。補強板12は、略矩形平板状に形成され、振動体10全体を補強する機能を有しており、振動体10が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板12の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金、銅又は銅系合金等の各種金属材料であるのが好ましい。この補強板12は、圧電素子11よりも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。これにより、振動体10を高効率で振動させることができる。
【0015】
また、図1及び図2に示すように、補強板12には、長手方向の一端側に突起部(接触部)17が一体的に形成されている。なお、補強板12は、図示しない支持部を介して筐体などに取り付けられている。それにより、振動体10は、この図示しない支持部(補強板12の一部)を介して支持されている。この支持部は、弾性(可撓性)を有しており、比較的柔軟になっていることから、振動体10の振動の拘束を少なくするとともに、筺体に対し振動を遮断する機能を有している。この支持部は、突起部17がロータ20の外周面に所定の付勢力で当接するように設けられることが好ましい。
【0016】
圧電素子11は、補強板12と略同一形状で、それぞれ長方形状をなし、所定の交流電圧を印加することにより、その長手方向(長辺の方向)に伸張・収縮(伸縮)する。すなわち、圧電素子11は、交流電圧が印加されることで圧電効果により、印加される電界の方向と一致する方向又は直行する方向に変位するものである。
【0017】
これらの圧電素子11の表面は、例えば、蒸着等によりニッケルめっき層及び金めっき層が形成され、電圧を印加するための電極13A〜13Eが設けられている(図2参照)。また、各圧電素子11の表面は、該圧電素子11を幅方向に略三等分するように二本の溝が形成されている。さらに、これらの溝で分割された三つの領域のうち、両側の領域では長手方向を略二等分するように溝が形成されている。
【0018】
このため、振動体10の一方の表面にある電極13A〜13Eは、互いに電気的に絶縁された五つの電極13A、13B、13C、13D、13Eから構成されている。そして、本実施形態では、幅方向中心の電極13Cと、この電極13Cを挟んで対角線状に配置された2つの電極13A、13Eとにより超音波モータ1の駆動電極(駆動手段の一部を構成)が構成されている。一方、残りの2つの電極13B、13Dにより振動検出用電極が構成されている。
【0019】
このように構成された振動体10では、振動体10の圧電素子11に駆動信号を加えることで突起部17は楕円軌道を描く。すなわち、各電極13A、13C、13Eに駆動信号を印加すると、各電極に対応する圧電素子11は、それぞれ長手方向に伸縮運動(縦振動)する。この際、電極13Cの伸縮量に対して電極13A、13Eの部分の伸縮量は小さいため、振動体10には、幅方向に捻るモーメントが発生する。そして、このモーメントにより、振動体10の幅方向に揺動する屈曲運動(屈曲振動)が誘発される。このため、振動体10の突起部17は、前記縦振動及び屈曲運動により楕円軌道を描いて運動する。
なお、超音波モータ1、すなわち、振動体10の共振周波数は、振動体10の形状等によって設定(決定)されるものである。
【0020】
一方、振動体10の縦振動及び屈曲振動に応じて電極13B、13Dに対応する圧電素子11も振動し、その振動によって発電する。従って、振動検出用電極13B、13Dからは振動に対応して信号(交流電流)が出力される。したがって、これらの振動検出用電極13B、13Dにより、超音波モータ1の振動(状態)を検出する振動検出手段が構成されている。
振動体10の突起部17が楕円軌道を描くと、突起部17が接触するロータ20に円周方向の分力が働き、ロータ20が回転する。このロータ20の回転速度は、前記振動体10の振動周波数や振動量(変位量)によって調整することができる。
【0021】
次に、超音波モータ1の駆動制御回路2について詳細に説明する。図1に示すように、本発明の駆動制御回路2は、波形整形・インピーダンス整合部30、フィルタ・移相部(移相手段)40、電力増幅部50、速度調整手段60、記憶部(記憶手段)64、うなり検出部(うなり検出手段)70、Δf測定制御部(駆動周波数調整手段)80、メモリ(メモリ)81を備えている。
【0022】
速度調整手段60は、ロータ20の回転速度を検出するセンサ61と、ロータの目標回転速度を設定する目標値設定部62と、センサ61で検出された回転速度と目標値設定部62により設定された目標値との差に基づく制御信号を出力するCPU63と、駆動信号制御部65とを備えている。
波形整形・インピーダンス整合部30の入力端子は、超音波モータ1に設けられた振動検出用電極13B、13Dに接続されている。波形整形・インピーダンス制御部30は、超音波モータ1の振動検出用電極13B、13Dから得られた検出信号を所定の範囲の電圧値にした後、その信号を増幅する。増幅された信号は、図示しないカップリングコンデンサを介して出力され、フィルタ・移相部40に入力される。
【0023】
フィルタ・移相部40は、波形整形・インピーダンス整合部30からの入力信号を図示しない積分回路によって積分し、検出信号の急激な変動を吸収するとともに、図示しないハイパスフィルタによって、検出信号の不要な低周波成分を除去する。ここで、積分回路はローパス特性を持つので、フィルタ・移相部40全体としてはバンドパス特性となる。
フィルタ・移相部40は、超音波モータ1から波形整形・インピーダンス整合部30によって検出された検出信号の位相を、超音波モータ1の共振周波数付近で所定角度変化(遅延)させる。このフィルタ・移相部40により本発明の移相手段が構成されている。
【0024】
フィルタ・移相部40で変化(遅延)させる位相の所定角度(所定の移相量)は、後述するΔf測定制御部(駆動周波数調整手段)80によって調整される前には、記憶部64(又はメモリ81)に記憶(格納)されていた値をCPU63及びΔf測定制御部80を介してフィルタ・移相部40に入力することにより設定され、調整後には、Δf測定制御部80を介してメモリ81に格納されている値が設定される。なお、この移相量の設定方法については後述する。この移相量の最適値は、超音波モータ1の個体差、経時変化、温度変化等により変動するものである。本発明では、フィルタ・移相部40で設定される移相量は、後述するΔf測定制御部80によって最適値に決定される。
電力増幅部50は、フィルタ・移相部40から出力された信号を電圧増幅した後、電流増幅し、駆動信号として超音波モータ1に出力する。上述のように、この駆動信号は、超音波モータ1の駆動電極13A、13C、13Eに入力される。
【0025】
一方、図1に示すように、速度調整手段60のセンサ61は、ロータ20、すなわち、超音波モータ1の回転状態を検出して所定のパルス信号などを出力するものであり、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等である。
センサ61からの検出信号(回転速度信号)は、CPU63に入力され、ロータ20の回転速度が検出される。また、CPU63には、ロータ20の目標回転速度を設定する目標値設定部62からの目標値も入力される。この目標値設定部62で設定される目標値は、利用者(ユーザ)が手動で設定してもよく、あるいは、ロータ20で駆動される機器の状態に応じて自動的に設定されるものでもよい。
【0026】
CPU63は、目標値設定部62から入力された目標値と、センサ61から入力された現在の回転速度とを比較し、その差を無くすための制御信号PWMin(パルス信号)(指令値)を駆動信号制御部65に出力する。この制御信号PWMinは、図4に示すようなパルス信号であり、このパルス信号のデューティ比を前記目標値及び実際の回転速度の差に応じて可変することで、ブレーキオフ状態(本実施形態では制御信号PWMinがLowレベルの状態)、ブレーキオン状態(本実施形態では制御信号PWMinがHighレベルの状態)の割合を変えて超音波モータ1(ロータ20)の速度を制御する。したがって、この制御信号PWMinはいわゆるパルス幅制御(PWM制御)を行うための信号であり、超音波モータ1は基本的にパルス幅制御によって調速されている。
【0027】
うなり検出部70は、超音波モータ1からの検出信号(検出電圧)を入力され、うなりの極小部と極小部の間の時間(うなりの周期)あるいはその周波数を検出(計測)するものである。うなりの発生状況を図3に基づいて説明する。図3は、図1に示す駆動制御回路2のうなり検出部70において検出されるうなりの概念図である。このうなりは、所定の駆動周波数(圧電素子11の共振周波数付近)で超音波モータ1を駆動し、その後電力増幅部50によりその駆動を急激に停止すると、超音波モータ1の縦振動と屈曲振動の共振周波数の差(2つの周波数の差がうなりの周波数になる)に起因して発生するものである。うなり検出部70は、検出されたうなりの周期又は周波数をΔf測定制御部80に出力する。なお、このうなり検出部70は、縦振動と屈曲振動の2つの共振振動に起因して発生する減衰振動波形を検出する波形検出手段としても機能する。
【0028】
Δf測定制御部80は、うなり検出部70から入力されたうなりの周期又は周波数と、メモリ81に格納されているルックアップテーブル(うなりの周期又は周波数とフィルタ・移相部40によって設定される移相量との関係を表すテーブル)とに基づいて、フィルタ・移相部40によって設定する移相量を決定する。このルックアップテーブルは、超音波モータ1の種類などに応じて、予め実験などによってうなりの周期又は周波数に対する最適な移相量を決定して作成されたものである。
【0029】
また、Δf測定制御部80は、うなり検出部70が超音波モータ1の検出信号からうなりを検出するために、CPU63から出力されるΔf測定スタート信号に基づいて、超音波モータ1の駆動をON/OFFする駆動ON/OFF信号を電力増幅部50に出力する。なお、Δf測定制御部80は、フィルタ・移相部40に移相量を設定した後、移相量設定完了通知をCPU63に出力する。
【0030】
次に、図5に示すフローチャートに基づいて、本発明の超音波モータ1及び駆動制御回路2の動作について説明する。図5は、本発明の駆動制御処理(駆動制御方法)を示すフローチャートである。この駆動制御処理は、超音波モータ1の図示しない電源により超音波モータ1を駆動する際に実行される。
超音波モータ1の停止状態から所定のスイッチを接続する(電源をオンする)などすると、Δf測定制御部80は、超音波モータ1を駆動する駆動信号の位相をずらす(遅延する)ために、フィルタ・移相部40に所定の移相量をセットする(ステップS101)。この所定の移相量は、上述のように、駆動制御回路2の製造時にメモリ81に予め設定されていてもよく、メモリ81に格納された前回の駆動時に決定された最適な移相量でもよい。このようにして、超音波モータ1が駆動される(ステップS102)。なお、フィルタ・移相部40に所定の移相量がセットされ、超音波モータ1を駆動すると、振動体10が振動を開始し、その振動に応じた検出信号(検出電圧)が電極13B、13Dから波形整形・インピーダンス整合部30(及びうなり検出部70)に入力される。
【0031】
ステップS103において、CPU63は、うなり検出部70及びΔf測定制御部80を介して入力される検出電圧が一定値以上になったか否かを判断し、一定値になるまでこの状態で待機する。なお、この一定値(一定の電圧値)とは、例えば、超音波モータ1の振動検出用電極13B、13Dから得られた検出信号が、波形整形・インピーダンス整合部30、フィルタ・移相部40及び電力増幅部50を介して再び超音波モータ1の駆動電極13A、13C、13Eに入力される信号ループで電圧ゲインが1となるときの電圧値をいう。しかしながら、本発明では、上記一定値はこの値に限定されず、駆動電圧と検出電圧が所定の割合になるときの電圧値など、後述するようにうなり検出部70でうなりが検出可能な値であればよい。
【0032】
うなり検出部70によって検出された検出電圧が一定以上に達すると、CPU63は、Δf測定制御部80にΔf測定スタート信号を出力し、その信号を受けたΔf測定制御部80は、電力増幅部50に駆動OFF信号を入力して、電力増幅部50の増幅率を「0」にすることにより、超音波モータ1の駆動を急激に停止する(ステップS104)。超音波モータ1が駆動中に急激に停止すると、超音波モータの縦振動及び屈曲振動がそれぞれ自由に減衰振動を始める。
【0033】
そして、その2つの共振振動モードの共振周波数の差に基づいて、うなり検出部70は、図3に示すようなうなりを含む検出信号(検出電圧)を検出し、その検出信号の最初に極小になる瞬間と次に極小となる瞬間の間の時間を計測する(ステップS105)。図3にも示しているように、この期間がうなりの周期となる。うなり検出部70は、その計測された周期に基づいて、うなりの周波数を検出し(ステップS106)、その検出されたうなりの周波数をΔf測定制御部80に出力する。
【0034】
うなりの周波数(うなりの周期でもよい)を受けたΔf測定制御部80は、メモリ81に格納されているうなり周波数(うなり周期)−移相量ルックアップテーブルを参照して、検出されたうなり周波数に対応する移相量(検出信号を移相させる量)を決定する(ステップS107)。なお、このうなり周波数−移相量ルックアップテーブルは、駆動する超音波モータに応じてうなり周波数と最適な移相量とを予め測定し、その測定結果に基づいて作成され、EEROMなどから構成されるメモリ81に記録(保存)されている。これにより、多くの種類の超音波モータ1で同一の駆動制御回路2を共用することができるので、駆動制御回路2の製造コストを低減することができる。
【0035】
Δf測定制御部80がこのように決定した移相量をフィルタ・移相部40に出力すると、フィルタ・移相部40は、超音波モータ1の駆動時に設定された移相量(所定の移相量)から決定された移相量に設定を変更する(ステップS108)。新しい移相量の設定が完了すると、Δf測定制御部80は、移相量設定完了通知をCPU63に出力し、この駆動制御処理を終了する。
【0036】
そして、このように最適な移相量を決定及び設定すると、超音波モータ1及び駆動制御回路2は、CPU63が目標値設定部62により設定された目標値に基づいて駆動信号制御部65に指令値を与え、通常の駆動制御(目標値に対する回転制御)を実施する。この通常の駆動制御は、本発明の駆動制御回路2及び駆動制御方法においてはあまり重要でないので、その説明を省略する。
【0037】
なお、図4は、図1に示す駆動制御回路の各点において検出される電圧波形である。この図4に示すように、実際には、超音波モータ1からの検出信号(Cin)は、PWM駆動制御信号(PWMin)のOFF状態においても、うなりを検出することができる。そのため、本発明の駆動制御回路及び駆動制御方法では、Δf測定制御部80が超音波モータ1の駆動を完全に停止させることなく、うなり検出部70は、うなりの周波数又は周期を検出することもできる。このPWM駆動制御信号のOFF状態も、超音波モータ1の駆動の停止状態と考えることができる(駆動停止状態に含まれる)。
【0038】
また、本発明の駆動制御方法では、上記駆動制御処理を実行することにより、一度移相量を決定した後、CPU63は、決定した移相量(駆動周波数なども含む)を記憶部64に記憶し、次回の駆動(起動)時にはその移相量をフィルタ・移相部40に設定するよう構成されていてもよい。このように、記憶されている移相量を更新することにより、超音波モータ1の経時変化に対応することができる。
【0039】
以上説明したように、本発明の駆動制御回路2は、少なくとも2つの共振振動を利用する超音波モータ1を駆動制御する駆動制御回路2であって、所定の駆動周波数(記憶手段64に記憶されたもの)を持つ駆動信号に基づいて、超音波モータ1を駆動する駆動手段(速度調整手段60、電力増幅部50など)と、Δf測定制御部80によって超音波モータ1の駆動を停止した後、2つの共振振動によって発生する減衰振動波形を検出し、この検出された減衰振動波形に基づいて、2つの共振振動により発生するうなりを検出するうなり検出部70と、うなり検出部70によって検出されたうなりの周波数又は周期に基づいて、超音波モータ1を駆動する駆動信号を調整する駆動周波数調整手段(Δf測定制御部80)とを備えることとした。
【0040】
また、この駆動周波数調整手段は、うなりの周波数又は周期と移相量との関係を示すルックアップテーブル(メモリ81に格納)に応じて、超音波モータ1の駆動信号を所定の位相だけ移動(遅延)するための移相量を決定し、移相手段(フィルタ・移相部40)がその移相量に対応して駆動信号波形を移相させることにより、超音波モータ1の駆動信号を調整することとした。
【0041】
したがって、本発明の駆動制御回路2及び駆動制御方法によって、超音波モータ1の個体差(同一製品における個体差)、その経時変化、あるいは温度変化などの環境変化等により、駆動制御回路2が実現すべき移相量を最適値に設定することができる(超音波モータ1が常に最適な共振周波数で駆動できる)ので、典型的には以下のような効果を奏する。すなわち、本発明によって、超音波モータ1の駆動特性のばらつきが減少するとともに、摩擦による超音波モータ1の特性劣化が減少する。また、駆動特性が多少悪いとしても、駆動信号を調整可能であるので、超音波モータ1及び駆動制御回路2を製造する際の歩留まりが向上し、それによって、製品の低コスト化に寄与する。
以上、本発明の駆動制御回路の構成を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明の駆動制御回路に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波モータ及び駆動制御回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波モータの振動体の斜視図である。
【図3】図1に示す駆動制御回路のうなり検出部において検出されるうなりの概念図である。
【図4】図1に示す駆動制御回路の各点において検出される電圧波形である。
【図5】本発明の駆動制御処理(駆動制御方法)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……超音波モータ 2……駆動制御回路 10……振動体 11……圧電素子 12……補強板 13A、13C、13E……駆動電極 13B、13D……振動検出用電極 17……突起部(接触部) 20……ロータ(駆動体) 30……波形整形・インピーダンス整合部 40……フィルタ・移相部(移相手段) 50……電力増幅部 60……速度調整手段 61……センサ 62……目標値設定部 63……CPU 64……記憶部(記憶手段) 65……駆動信号制御部 70……うなり検出部 80……Δf測定制御部 81……メモリ S101〜S108……ステップ

Claims (14)

  1. 少なくとも2つの共振振動を利用して超音波モータを駆動制御する駆動制御回路であって、
    所定の駆動周波数を持つ駆動信号に基づいて、前記超音波モータを駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段による前記超音波モータの駆動を停止した後、前記2つの共振振動によって発生する減衰振動波形を検出する波形検出手段と、
    前記波形検出手段によって検出された減衰振動波形に基づいて、前記2つの共振振動によるうなりを検出するうなり検出手段と、
    前記うなり検出手段によって検出された前記うなりに基づいて、前記超音波モータを駆動する駆動信号を調整する駆動周波数調整手段と、
    を備えることを特徴とする駆動制御回路。
  2. 前記うなり検出手段は、前記うなりの周波数あるいは周期を検出する請求項1に記載の駆動制御回路。
  3. 前記駆動周波数調整手段は、前記うなりの周波数又は周期に基づいて、前記駆動手段から出力される駆動信号波形の位相を遅らせる所定の移相量を決定する請求項2に記載の駆動制御回路。
  4. 前記駆動周波数調整手段によって決定された前記所定の移相量に応じて、前記駆動信号の波形の位相を遅らせる移相手段を更に備える請求項3に記載の駆動制御回路。
  5. 前記うなりの周波数又は周期に対する前記駆動信号波形の移相量をルックアップテーブルとして予め保存しているメモリを備える請求項3又は4に記載の駆動制御回路。
  6. 前記所定の駆動周波数を記憶する記憶手段を更に備える請求項1乃至5のいずれかに記載の駆動制御回路。
  7. 前記記憶手段は、前記うなり検出手段によって検出されたうなりに基づいて、前記駆動周波数調整手段が前記駆動信号を調整した際には、既に記憶されている前記所定の駆動周波数を該調整された駆動信号の駆動周波数に更新して記憶する請求項6に記載の駆動制御回路。
  8. 前記超音波モータは、長手方向を有する板状の圧電素子と補強部とが積層され、該圧電素子に交流電圧を印加することにより振動する振動体と、前記振動体の長手方向の一端部が駆動対象に当接するように前記振動体を振動可能に支持する支持部材とを備える請求項1乃至7のいずれかに記載の駆動制御回路。
  9. 前記振動体は、前記圧電素子の伸縮により、前記長手方向に伸縮する縦振動と、前記長手方向と直交する幅方向に揺動する屈曲振動とを生じるようになされており、
    前記超音波モータは、前記縦振動及び屈曲振動が組合わさった振動による前記一端部の変位によって前記駆動対象を駆動する請求項8に記載の駆動制御回路。
  10. 前記少なくとも2つの共振振動は、前記縦振動と前記屈曲振動とを含む請求項9に記載の駆動制御回路。
  11. 少なくとも2つの共振振動を利用して超音波モータを駆動制御する駆動制御方法であって、
    所定の駆動周波数を持つ駆動信号で、前記超音波モータを一定時間駆動し、その駆動を急激に停止して、前記少なくとも2つの共振振動によって発生する減衰振動波形から前記少なくとも2つの共振振動によるうなりを検出し、このうなりに基づいて、前記超音波モータを駆動する駆動信号を調整することを特徴とする駆動制御方法。
  12. 前記検出されたうなりは、うなりの周波数あるいは周期であり、
    該うなりの周波数又は周期に基づいて、前記駆動信号の波形の位相を遅らせるための所定の移相量を決定し、該駆動信号波形の位相を遅らせることにより、前記超音波モータの駆動信号を調整する請求項11に記載の駆動制御方法。
  13. 前記所定の駆動周波数をメモリに記憶するステップを更に有する請求項12に記載の駆動制御方法。
  14. 前記検出されたうなりに基づいて、前記駆動信号を調整した際には、前記メモリに記憶されている前記所定の駆動周波数を該調整された駆動信号の駆動周波数に更新して記憶するステップを更に有する請求項13に記載の駆動制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008306826A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Seiko Epson Corp 圧電アクチュエータ及びその駆動方法
US9065359B2 (en) 2012-03-19 2015-06-23 Canon Kabushiki Kaisha Unnecessary vibration detection apparatus and driving control apparatus of vibration type actuator

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