JP2004335679A - 光起電力素子の短絡部修復方法 - Google Patents

光起電力素子の短絡部修復方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短絡状態がどのような場合であっても最適な修復を行い、高効率で歩留まりの高い光起電力素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板上に少なくとも第1電極層、半導体層、第2電極層を有する光起電力素子の短絡部修復方法であって、電解液中に該光起電力素子と対向電極とを配置した後、対向電極と、基板もしくは第1電極層との間に電圧を印加するとともに、発生する電流値をモニターし、前記電流値の変化量が許容値以下となった時点で、電圧印加を終了するようにしたことを特徴とする光起電力素子の短絡部修復方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光起電力素子、特に薄膜太陽電池の製造方法に関するものであり、良好な特性及び歩留りの高い光起電力素子を得る為の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を入射させて起電力を発生させる光電変換素子は、様々なところで利用されている。特に、近年は環境問題に対する関心の高まりから、クリーンエネルギーである太陽電池への応用に期待が高まっている。
【0003】
太陽電池の種類としては、結晶系太陽電池、アモルファス系太陽電池、化合物半導体太陽電池等、多種にわたる太陽電池が研究開発されている。中でもアモルファスシリコン太陽電池は、変換効率こそ結晶系の太陽電池に及ばないものの、大面積化が容易で、かつ光吸収係数が大きいので薄膜で動作するなどの結晶系太陽電池にはない優れた特徴を持っており、将来を有望視されている太陽電池の一つである。
【0004】
このような背景から、アモルファスシリコン太陽電池の需要も年々高まりつつあるのが実状であるが、今後さらに普及させていく為にはさらなるコストダウンが非常に求められており、太陽電池の大面積化はコストダウンを実現する上で、必要不可欠な手段の一つである。
【0005】
しかしながら、太陽電池の製造工程上、大面積にわたって欠陥の全く無い太陽電池を作製することは非常に困難であり、大面積化をすることによって、逆に光電変換効率や歩留まりを著しく低下させることが知られている。
【0006】
その原因としては、大面積にした場合に均一な厚みと特性を持つ層を形成することが難しいこと、入射光を有効利用する為に形成された基板表面の凹凸を半導体層がカバーしきれないこと、成膜時のごみやダストの影響があること等により、半導体層の上下に存在する電極が直接接触したり、半導体層が完全に失われないまでも低抵抗な短絡部が形成されてしまうこと等が考えられている。特にアモルファスシリコン太陽電池においては、半導体層が薄膜であるために、上記現象が起こりやすい状況にある。
【0007】
このような短絡部が存在すると、当然シャント抵抗(Rsh)が低くなってフィルファクター(FF)が悪くなってしまうと同時に、光によって発生した電流が短絡部に流れ込んで開放電圧(Voc)が低下してしまう為、変換効率が低下してしまう。
【0008】
以上のことから、比較的大面積のアモルファスシリコン太陽電池の場合には、短絡部を修復する為の手段が必要となってくる。短絡部を修復する方法としては、太陽電池を酸等の電解液中に浸漬して順バイアスをかけることにより、短絡部に相当する位置の透明導電層を選択的に除去する方法が知られており、これらの技術は、米国特許4451970号、米国特許4464823号、特開2000−43970号公報等に開示されている。ここに開示されている方法は、平均的に短絡部を修復するという点では非常に良い方法であるが、短絡部が修復された時点が不明である為に、必ずしも最適な条件で欠陥修復ができているわけではなかった。
【0009】
すなわち、ある一定条件で短絡部の修復を実施しようとした場合に、短絡の非常に多い太陽電池では修復の為のバイアス印加時間が足りなくて処理不足が生じ、変換効率を十分高めることができないという問題が生じていた。また、逆に短絡の非常に少ない太陽電池では、処理時間が少なくていいのにもかかわらず過剰にバイアスを印加してしまい、除去の必要性が無い透明導電層まで除去されてしまうという問題が生じていた。この場合、透明導電層の厚みが過剰に薄くなってしまうのでシート抵抗が向上し、変換効率が逆に低下してしまうという問題が生じていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題を改善して、セルの欠陥や短絡状態のばらつきによらず、どのような場合においても最適な短絡部の修復を行い、良好な変換効率及び高い歩留まりを有する光起電力素子の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究開発を重ねた結果、以下のような光起電力素子の短絡部修復方法が最適であることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明の光起電力素子の短絡部修復方法は、基板上に少なくとも第1電極層、半導体層、第2電極層を有する光起電力素子の短絡部修復方法であって、電解液中に該光起電力素子と対向電極とを配置した後、対向電極と、基板もしくは第1電極層との間に電圧を印加するとともに、発生する電流値をモニターし、前記電流値の変化量が許容値以下となった時点で、電圧印加を終了するようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、前記電圧は、光起電力素子の順方向に印加される電圧であることを特徴とする。
【0014】
また、前記電圧は、直流電圧、交流電圧もしくはパルス電圧のいずれかであることを特徴とする。
【0015】
また、前記電流値の変化量は、10ミリ秒乃至100ミリ秒の間隔で算出することを特徴とする。
【0016】
また、前記電流値の変化量が許容値以下となった事象が複数回生じた時点で、電圧印加を終了するようにしたことを特徴とする。
【0017】
前記半導体層は、少なくとも一層の非晶質シリコン層を含むことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果完成したものである。特に、本発明では短絡部修復時に現れる電流特性に着目し、その電流特性から欠陥修復時点を確実に見極めて最適な短絡修復を実現しようとしたものである。以下にその作用とともに、態様例について詳細に説明する。
【0019】
本発明の光起電力素子は特に何等限定は無く、単結晶、多結晶、非晶質シリコンの太陽電池に適用できる。とりわけ、薄膜系であって比較的大面積である非晶質シリコン太陽電池の短絡部修復方法として、有効な方法である。
【0020】
図1は、本発明を実施する為の電解処理装置の一例を示す図であり、図2は本発明の短絡部修復時に現れる電流特性の一例を示した図である。図1において、101は基板、102は第1電極層、103は半導体層、104は第2電極層(透明導電層)、105は短絡部、106は対向電極、107は電解処理槽、108は電解質溶液、109は電圧印加のための電源、110は電流検出手段、111は制御手段、112はスイッチを表している。
【0021】
まず、基板101上に第1電極層102、半導体層103、第2電極層(透明導電層)104が順次積層された光起電力素子と、対向電極106とを、電解質溶液108中に入れ、基板101側を負極、対向電極106側を正極として電圧を印加する。そうすると電解質溶液を通じて電流が流れ出し、短絡部の修復が開始される。
【0022】
ここで短絡部の修復の過程を図3を用いて簡単に説明する。図3は、短絡部が電圧を印加した時間の経過とともに徐々に修復される様子を(a)(b)(c)(d)の順に模式的に表した概略図であり、301は基板、302は第1電極層、303は半導体層、304は第2電極層としての透明導電層、305は短絡部を示している。
【0023】
対向電極を正極、基板を負極として電圧を印加すると、電解質溶液を介して光起電力素子全体に電流が流れ始めるが、短絡部305部は特に周囲の正常領域(欠陥の無い領域)よりも抵抗が低い為に、より多くの電流が流れるようになる。その結果、短絡部305の近傍においては、電解質溶液と透明導電層304との化学反応がより顕著に起こる為に、透明導電層の溶出が早くなり、図3中(b)、(c)で示すようなホールが徐々に形成される。一方、正常領域においては、透明導電層の溶出が無いわけではないが、短絡部よりも充分抵抗が高い為に流れる電流量も少なく、透明導電層の溶出は必然的に少なくなってしまう。これが所謂、選択性である。
【0024】
さらに電圧を印加していると、図3(d)で示すように、短絡部305の上部では完全に透明導電層が除去されてしまう。このような状態にまでなると、短絡部305の一方の電極が完全に除去された状態になり、かつ、半導体層304の横方向の抵抗値が高いことから、実質的に高抵抗化し、短絡部は修復されたことになる。
【0025】
このような短絡部の修復過程時の電流特性の一例を図2に示しており、これは図1中の電流検出手段110でモニターしたものである。本発明では、この図2で示すような光起電力素子の順方向電圧と同じ方向に電圧を印加して欠陥修復した時に現れる特有の電流特性に着目し、より最適な欠陥修復を目指したものであり、以下図2を詳述する。
【0026】
図2は、一例として直流電圧を印加した際の電流特性を示しており、縦軸に流れた電流値、横軸に時間をとっている。また、TONは電圧印加を開始した時間を示している。TONで電圧を印加した場合、最初は複数の短絡部に電流が流れ込む為大きな電流が流れる。しかしながら時間が経過していくと、複数の短絡部が徐々に修復されて高抵抗化していく部分が増えてくる為、短絡部が実質減少し、最終的には短絡部がほとんど無くなるような状態となると考えられる。この為、全体の電流特性としては、次第に減少していくと同時に、その変化の割合も次第に小さくなっていくような傾向を示す。これが、図2中領域1で示した区間であり、領域1の区間は言い換えれば欠陥の修復が起こっている区間と考えられる。
【0027】
さらに継続して電圧を印加した場合には、正常領域にのみ電流が流れている為、電流値はほぼ一定化してしまう。そして、この時には正常な領域の透明導電層が一様に溶出していき、透明導電層の膜厚が次第に薄くなっていってしまう。これは、図2中領域2で示した区間であり、領域2の区間は言い換えれば欠陥の修復が既に終了しているのに正常部の透明導電層を薄くしてしまっている領域である。
【0028】
以上の考察から、電圧をオフするタイミングとしては、まず領域1内でオフしておく必要がある。何故なら、領域2はすでに欠陥部の修復が終了しているのにもかかわらず透明導電層が薄くなってしまう領域なので、透明導電層のシート抵抗が上昇し、変換効率を悪くしてしまうからである。
【0029】
次に、領域1内であっても、電流特性が大きく変化している初期の段階でオフしたのでは、まだ主要な短絡部がとりきれておらず、シャント抵抗を充分に高めることができない。その結果、変換効率を充分高めることができていない。
【0030】
また、領域1内の後半の段階では、電流の変化量がほとんど0に近くなってきている段階である。すなわち欠陥の修復は一様行われている段階ではあるものの、主要な欠陥は既に取り除かれて充分シャント抵抗は高まっており、変換効率に影響しないレベルの欠陥を修復している状態である。この状態になると、上述のとおり、正常部の透明導電層に流れる電流量が高まってきて、透明導電層をむやみに薄くしてしまうリスクの方が大きくなってしまう。
【0031】
従って、電圧をオフする最適のタイミングとしては、領域1内の初期でも後期でもなく、その中間の段階である。この中間段階は、常に電流の変化量をモニターしておき、その値が予め定めた中間段階に相当する値(許容値)になったことを見つけることで、確実に捕らえることが可能である。
【0032】
そこで、次には電圧をオフする方法について詳述する。
【0033】
図2中に、電圧印加を開始した後に、等間隔な時刻T、T、T、・・・TN−1、T、・・・と、その時刻に対応した電流値I、I、I、・・・IN−1、I、・・・を示している。これは、図1中の電流検出器110で測定した電流値を制御回路111でサンプリングしたものである。また同時に、制御回路111では、ある時点でサンプリングした電流値Iと、1回前にサンプリングした電流値IN−1との差I−IN−1を常に計算し、この値を電流値の変化量として算出する。そして、電流値変化量I−IN−1が予め設定しておいた許容値以下となった時点で、スイッチ112をオフし、電圧がオフとなるようにする。
【0034】
許容値については、変換効率に影響のないレベルのところで適宜決定することができ、予め許容値をパラメータとして光電変換効率等の光起電力素子特性を測定する予備実験を行い、その結果から決定することが好適である。また、許容値は光起電力素子の面積や特性、あるいは使用する電解質溶液の抵抗により変わってくる為、適宜決定することが好適であるが、面積が1000cm程度のアモルファスシリコン太陽電池の場合には、1mA乃至100mA程度が好適である。電流密度で言えば、1μA/cm乃至100μA/cm程度が好適である。
【0035】
図4では、電流特性のパターン例として、(a)比較的欠陥部が少ない光起電力素子の電流特性、(b)比較的欠陥部が多い光起電力素子の電流特性を示している。このような場合には、欠陥部が多い光起電力素子の方が欠陥処理にかかる時間が長くなる為、領域1の時間が長くなる傾向があるが、本発明の方法を用いることによって、どちらのパターンであっても最適な欠陥処理をすることが可能である。
【0036】
図5では、別の電流特性のパターン例として、(a)電流量が比較的少ない場合の電流特性、(b)電流量が比較的多い場合の電流特性を示している。これは、欠陥部が同じであっても、光起電力素子自体の特性ばらつきや、電解質溶液自体の電動度等のばらつきにより電流量が変化した例である。本発明の方法では、電流値の絶対値で電圧をオフするようにしたのではなく、電流値の変化量を見て電圧をオフするようにしたので、図5のような場合であっても最適な欠陥処理をすることが可能である。
【0037】
本発明で使用される電圧としては、特に限定はされないが、直流電圧、交流電圧、パルス電圧等を適宜使用することができ、電解質溶液の電動度や電極間距離にもよるが、直流電圧の場合には、0.5〜20Vが好適に用いられる。
【0038】
また、上記電圧の中でもパルス電圧の場合には、正電圧を5秒以下のパルス幅で1〜複数回印加することが好適である。パルスの形状としては、矩形やランプ状等、特に限定無く使用可能である。
【0039】
図6には、パルス電圧を印加した際の電圧特性及び、電流特性の一例の図を示している。一定の電圧のパルス正電圧を印加した場合、その電流特性も同様にパルス状に出現するが、その電流値の推移は、直流電圧の場合と同様の傾向を示し、初期段階で大きな電流が流れた後、徐々に減少していき、やがて飽和したような形状となる。
【0040】
このようなパルス電圧の場合においても、そのパルス印加時間間隔と同期して電流値をサンプリングすることにより、電流値変化量I−IN−1が予め設定しておいた許容値以下となった時点で、スイッチSWをオフし、電圧がオフとなるようにすることが可能である。
【0041】
電流値をサンプリングする間隔としては、1ミリ秒乃至500ミリ秒の間隔でサンプリングしてその変化量を算出することが好ましく、より好ましくは10ミリ秒乃至100ミリ秒の間隔である。サンプリングの間隔が短い場合には、装置コストが高価なものになってしまい、逆に、長い場合には電圧をオフするタイミング精度が悪くなってしまう。
【0042】
また、ノイズ等の影響による誤判定を避ける為には、電流値の変化量が許容値以下となった事象が複数回生じた時点で、電圧印加を終了するようにすると、誤判定を避けることが可能となる。より、具体的には、電流値の変化量が許容値以下となった場合が、2〜5回連続した場合に電圧印加を終了するようにすることが好適である。
【0043】
(実施例)
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
まず、本実施例で使用する為に、ロール・ツー・ロール型プラズマCVD法を用いてアモルファスシリコン太陽電池スラブを3500枚作製した。以下にその作製手順について説明する。
【0045】
(1)オーカイト及び純水で十分に脱脂、洗浄したステンレス帯状基板(幅355.6mm、長さ1000m)をロール・ツー・ロール型DCマグネトロンスパッタ装置に入れ、裏面反射層としてAlを0.2μmと、ZnOを1.2μm堆積した。
【0046】
(2)基板を取り出し、複数の半導体層をそれぞれ堆積する放電箱を備えた堆積室がガスゲートにより接続されたロール・ツー・ロール型プラズマCVD装置に入れ、ZnO上に、n型a−Si層膜厚15nm/i型μC−Si層膜厚2000nm/p型微結晶μc−Si層膜厚10nm/n型a−Si層膜厚10nm/i層膜厚350nm/p型微結晶μc−Si層膜厚10nmという積層構成の半導体層を形成した。
【0047】
(3)基板を取り出し、ロール・ツー・ロール型DCマグネトロンスパッタ装置に入れ、上記半導体層上にシート抵抗95Ω/□を有するITO膜を750Å堆積し透明電極層を形成した。以上で、ダブル構成のアモルファスシリコン太陽電池がロール状で作成された。
【0048】
(4)ステンレス帯状基板上に作成したダブル型太陽電池を355.6mm×240mm(幅355.6mmはそのままで基板搬送方向に240mm)のサイズに切断した。このようにして、355.6mm×240mmの太陽電池スラブが約3500枚作製された。
【0049】
上記作製された太陽電池スラブは、このままの状態では半導体層内部に欠陥が含まれた状態である為、まず欠陥処理を行う為に、図1で示した装置と同様の装置を準備した。
【0050】
電解質溶液としては、pHが1.2に調整された、硫酸と水酸化カリウムの混合水溶液(硫酸2.0%、水酸化カリウム0.7%、純水97.3%)を25℃の温度に保持したものを準備した。この時、この電解質溶液の電動度は25mS/cmとした。また、対向電極としては、基板の面積と同様の面積を有するSUS430の平板電極を、基板との電極間距離が40mmとなるように設置した。
【0051】
ここで、太陽電池スラブ3500枚のうち、任意の100枚をランダムに選択して欠陥処理を行った。欠陥処理は、基板側を負極、対向電極側を正極として、直流電圧3.5Vを印加することによって行った。この時、電流のモニター値を観察すると、ほとんどのスラブにおいては、最初約1A程度の電流ピークが出た後、徐々に電流が減少していく傾向が現れた。また、本実施例では、電流値の変化量の許容値として5mA、サンプリング周期として50ミリ秒を設定したので、変化量が5mA以下となった時には自動的にスイッチがオフとなり、電圧の印加が終了した。電圧を印加し始めてから、電圧がオフされるまでの時間は、100枚とも1.5〜2.5秒の間であった。
【0052】
欠陥処理が終了した太陽電池スラブは、電解質溶液槽内からすぐに取り出し、純水で表面の電解質溶液を十分に洗い流した後、温風オーブンで150℃の温度で30分乾燥を行った。
【0053】
次に、これらの太陽電池スラブの特性を測定する為に、太陽電池スラブ上に電力取出し用の電極を作製した。電極の概略図を図7に示している。
【0054】
乾燥が終了した太陽電池スラブ701は、端部の透明導電膜の不要部分702を、塩化第2鉄を主成分とするエッチングペーストで除去した。次に、有効面積外であって、対向する2辺の位置に、後述する金属バスバーの絶縁確保の為に絶縁部材703を設けた。絶縁部材703としては、厚み100μmのポリイミド基材両面粘着テープを貼ることによって形成した。
【0055】
次に、集電電極704として、線径100μm銅ワイヤを図7のように複数本載置し、銅ワイヤの外周に被覆されたカーボンペーストにより固定した。また、さらには、厚さ100μmの銀メッキ銅からなる金属バスバー705をワイヤ704の端部に貼り付けて、同様にカーボンペーストでワイヤとの電気的接続を形成した。
【0056】
以上の工程により、太陽電池が100枚作製されたので、以下太陽電池の特性を測定した。
【0057】
AM1.5グローバルの太陽光スペクトルで100mW/cmの光量の擬似太陽光源(以下シミュレータと呼ぶ)を用いて、太陽電池特性を測定したところ、100枚の平均で太陽電池の変換効率は、11.52±0.12%であった。また、欠陥の処理状態の指標でもあるシャント抵抗の分布を調べたところ、表1に示すように、100枚とも全てが10kΩ・cm以上の非常に高いシャント抵抗の値が得られた。これは、欠陥部の処理が不十分な状態で終了することなく確実に高抵抗化していることが反映した結果であると考えられる。
【0058】
また、さらには、100枚の透明導電層のシート抵抗を測定し、その分布を調べたところ、表2に示すように、100枚とも100Ω/□以下のシート抵抗が得られた。シート抵抗は、元来95Ω/□となるように蒸着している為、欠陥処理によって透明導電層が薄くなっていないことを示している結果であると考えられる。以上のことから、良好な特性の太陽電池が作製でき、また、10kΩcm2以上を良品として、歩留まりも100%と非常に良好であった。
【0059】
【表1】
Figure 2004335679
【0060】
【表2】
Figure 2004335679
【0061】
(比較例1)
欠陥処理の方法として、直流電圧3.5Vをどのスラブにも2.0秒間印加した点が実施例1とは異なっており、その他は実施例1と全く同様に太陽電池を作製した。太陽電池スラブとしては、上記作製した太陽電池スラブ3500枚のうち、任意の100枚をランダムに選択して欠陥処理を行った。
【0062】
比較例1を実施した結果を表1、及び表2に示している。比較例1での100枚の平均変換効率は11.42±0.13%となり、実施例1よりも0.1%程低下する結果となった。また、シャント抵抗の分布は、10kΩcm以下が3枚、10〜100kΩcmが21枚、100kΩcm以上が76枚と少し低い側に分布していると同時に、10kΩcm以下は不良品なので、歩留まりは97%と判定された。
【0063】
また、シート抵抗の分布も実施例1と比較すると、100Ω/□以上のものが数多く確認された。
【0064】
これらの結果から考えると、一定の欠陥処理条件で欠陥処理を行った結果、欠陥量が多かった為に欠陥処理が十分行われなかったセルと、欠陥が少ないのに過剰に処理をしてしまいシート抵抗が高くなってしまったセルができてしまったことにより、変換効率が実施例1よりも低下したものと考えられる。
【0065】
(実施例2)
欠陥処理の方法として、印加電圧をパルス幅25ミリ秒のパルス正電圧3.5Vにした点が実施例1とは異なっており、その他は実施例1と全く同様に太陽電池を作製した。太陽電池スラブとしては、上記作製した太陽電池スラブ3500枚のうち、任意の100枚をランダムに選択して欠陥処理を行った。
【0066】
実施例2を実施した結果を表1、及び表2に示している。尚、実施例2での欠陥処理にかかった時間は、100枚とも4.0〜6.0秒の間であった。
【0067】
実施例2での100枚の平均変換効率は11.43±0.12%と、ほぼ実施例1の結果と同様であった。また、シャント抵抗の分布や、シート抵抗の分布に関しても実施例1とほとんど同様の結果を得ることが出来、歩留まりも100%であった。
【0068】
これらの結果から、パルス電圧でも同様の効果が期待でき、良好な特性の太陽電池を歩留り良く作製することが可能である。
【0069】
(比較例2)
欠陥処理の方法として、パルス幅25ミリ秒のパルス正電圧3.5Vをどのスラ ブにも5.0秒間印加した点が実施例2とは異なっており、その他は実施例2と全く同様に太陽電池を作製した。太陽電池スラブとしては、上記作製した太陽電池スラブ3500枚のうち、任意の100枚をランダムに選択して欠陥処理を行った。
【0070】
比較例2を実施した結果を表1、及び表2に示している。
【0071】
比較例2での100枚の平均変換効率は11.43±0.13%と、ほぼ比較例1の結果と同様であった。また、シャント抵抗の分布や、シート抵抗の分布に関しても比較例1とほとんど同様の結果であり、歩留まりも98%であった。
【0072】
これらの結果から、パルス電圧でも、一定時間の欠陥処理をしてしまうと、比較例1と同様の理由で、変換効率が実施例2よりも低下したものと考えられる。
【0073】
(実施例3)
実施例1では、電流値の変化量が許容値の範囲に入った時に電圧をオフするようにしていた。言い換えれば、1回でも許容値の範囲に入った事象が生じた場合に電圧をオフするようにしていたが、本実施例では、許容値の範囲に入る事象が3回生じたときに初めて電圧をオフするようしたことが実施例1とは異なっており、その他は実施例1と全く同様に太陽電池を作製した。太陽電池スラブとしては、上記作製した太陽電池スラブ3500枚のうち、任意の100枚をランダムに選択して欠陥処理を行った。
【0074】
実施例3を実施した結果を表1、及び表2に示している。
【0075】
変換効率に関しては、実施例1や実施例2とほぼ同様の結果が得られ、さらにシャント抵抗に関しては、100枚全てにおいて100kΩcm以上のシャント抵抗が得られた。
【0076】
これは、後に実施例1や2で発生したシャント抵抗が10〜100kΩcmとなった太陽電池の欠陥処理をした時の電流波形を調べたところ、電流ノイズの誤動作により、欠陥が完全に処理しきれないところで終了していた為であることが明らかとなり、本実施例で示すように、許容値以下を複数回確認した時点で電圧印加を終了することで、より欠陥処理の確実性が向上することが明らかとなった。
【0077】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の光起電力素子の製造方法においては、セルの欠陥や短絡状態のばらつきによらず、どのような場合においても最適な短絡部の修復を行い、良好な変換効率及び高い歩留まりを有する光起電力素子を作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様例の電解処理装置の一例を示す概略図である。
【図2】直流電圧を印加した際の電流特性の概略図である。
【図3】短絡部の修復過程を示す概略図である。
【図4】欠陥部の量が違う場合の電流特性を示す概略図である。
【図5】絶対電流量が違う場合の電流特性を示す概略図である。
【図6】パルス電圧を印加した際の電圧電流特性の一例の概略図である。
【図7】太陽電池の電極を示す概略図である。
【符号の説明】
101、301 基板
102、302 第1電極層
103、303 半導体層
104、304 第2電極層(透明導電層)
105、305 短絡部
106 対向電極
107 電解処理槽
108 電解質溶液
109 電源
110 電流検出手段
111 制御手段
112 スイッチ
701 太陽電池スラブ
702 透明導電層の不要部
703 絶縁部材
704 集電電極
705 金属バスバー

Claims (6)

  1. 基板上に少なくとも第1電極層、半導体層、第2電極層を有する光起電力素子の短絡部修復方法であって、
    電解液中に該光起電力素子と対向電極とを配置した後、
    対向電極と、基板もしくは第1電極層との間に電圧を印加するとともに、発生する電流値をモニターし、
    前記電流値の変化量が許容値以下となった時点で、電圧印加を終了するようにしたことを特徴とする光起電力素子の短絡部修復方法。
  2. 前記電圧の印加方向は、光起電力素子の順方向電圧と同じ方向であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子の短絡部修復方法
  3. 前記電圧は、直流電圧、交流電圧、もしくはパルス電圧のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至2いずれか一項に記載の光起電力素子の短絡部修復方法。
  4. 前記電流値の変化量は、10ミリ秒乃至100ミリ秒の間隔で算出することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の光起電力素子の短絡部修復方法。
  5. 前記電流値の変化量が許容値以下となった事象が複数回生じた時点で、電圧印加を終了するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の光起電力素子の短絡部修復方法。
  6. 前記半導体層は、少なくとも一層の非晶質シリコン層を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の光起電力素子の短絡部修復方法。
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