JP2004333411A - 給水設備の漏水検知装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震発生時に漏水発生の有無をリアルタイムで検知でき、漏水に対して迅速に対処できる給水設備の漏水検知装置および方法を得る。
【解決手段】給水配管3に設置した流量計4および緊急遮断弁5と、建物内に設置した感震センサ6と、流量計4および感震センサ6からの出力を受けて漏水を検知する検知装置8と、検知装置8からの出力により緊急遮断弁5の制御を行なう遮断制御装置7とで構成し、検知装置8で漏水と判定された場合に、遮断制御装置7から緊急遮断弁5に弁閉信号を出力して給水配管を遮断する。
【選択図】 図1
【解決手段】給水配管3に設置した流量計4および緊急遮断弁5と、建物内に設置した感震センサ6と、流量計4および感震センサ6からの出力を受けて漏水を検知する検知装置8と、検知装置8からの出力により緊急遮断弁5の制御を行なう遮断制御装置7とで構成し、検知装置8で漏水と判定された場合に、遮断制御装置7から緊急遮断弁5に弁閉信号を出力して給水配管を遮断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物内の給水設備の漏水を検知する装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物内の洗面所、調理場などに設置の給水設備の漏水を検知する方法には、従来、例えば、水道の使用量を管理する流量計を利用する方法があり、その第1の方法としては、建物内のすべての水道蛇口を閉じた状態で流量計に付設のパイロットランプと呼ばれる最小単位の指針の動きを検出する。そして、パイロットランプが回転していれば建物内の給水設備のどこかで漏水が発生していることになる。これは、一般に使用されている流量計の有する機能であり、微量な漏水も検知が可能である。
【0003】
第2の方法は、水道局員による使用量の目視による検針が一定期間(例えば、2ヶ月)毎に実施されるが、この検針された水道使用量が前回の使用量と比較して急激に増加した場合は、使用者または水道局員などにより漏水発生と人為的に判断する。
【0004】
第3の方法は、例えば洗面所の水洗故障、給水配管破損などの給水設備の異常で漏水が発生した場合は、一定量の水が継続して流れ出るため、流量計の計測値に流量変化の生じない定流量状態となることが予想される。よって、この定流量状態が一定期間継続した場合は、漏水を判断することができる。この場合、漏水と判定するための継続時間は、一定流量値の区分に応じて予め設定する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
第4の方法は、前記した第3の方法の同様の漏水に対して、流量計で計測された流量値が予め設定された通常時最大流量値を上回った場合、漏水と判定する(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
一方、特に、地震によって給水設備が破損し、その影響によって漏水が発生した場合の対処方法としては、第5の方法として、感震器を設けた遮断弁を水道管に設置し、個々の感震器で地震を感知し、地震が感知されれば漏水発生の有無にかかわらずその遮断弁を閉じるようにする(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
第6の方法として、流量計、振動センサ、遮断弁を設け、振動センサによって地震の震度を計測し、例えば震度6以上で水道管を遮断、震度5強以上6強未満で異常レベルと判定し、計測された流量が所定流量以上のときに水道管を遮断する(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−93635号公報
【特許文献2】
特開平10−299037号公報
【特許文献3】
特開平9−242918号公報
【特許文献4】
特開2002−372442号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
地震の揺れに起因して建物内部の給水設備が破損すると、漏水が発生する可能性があり、漏水によって建物あるいは建物内設備は冠水などの被害を受けることがある。そして、さらに大きな地震の場合は、給水配管の破断、給水タンクの倒壊などにより、建物あるいは建物内設備に甚大な被害が生じる可能性がある。また、その発見が遅れることによって、被害がさらに拡大するおそれもあり、特に地震発生の場合は、迅速な漏水検知と給水配管の遮断が要求される。
【0010】
すなわち、漏水検知はリアルタイムで行われることが望まれ、地震後いかに迅速に漏水検知が行えるかが課題となる。しかしながら、従来の流量計を使用する検知方法は、いずれも判定時間を要するものであるため、地震による漏水発生を検知するに際して必要とされるリアルタイム性を満足させるものではなかった。
【0011】
また、第5、第6の方法である感震器や震度センサを使用する方法は、地震発生に対してほぼリアルタイムで給水配管を遮断できるが、遮断弁を閉じる地震レベルの設定に根拠がなく保守的かつ不確実な方法であり、遮断弁を閉じるための条件に漏水発生の検知が含まれておらず、漏水に対処することができないこともある。
【0012】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、地震発生時に漏水発生の有無をリアルタイムで検知でき、漏水に対して迅速に対処できる給水設備の漏水検知方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、装置として、第1に、給水配管に設置した流量計および遮断弁と、建物内に設置した感震センサと、流量計および感震センサからの出力を受けて漏水を検知する検知装置と、検知装置からの出力により遮断弁の制御を行なう遮断制御装置とから構成されることを要旨とするものである。
【0014】
方法として、第2に、流量計により一定の単位時間間隔で積算流量値を計測し、この積算流量値と感震センサからの地震などによる揺れ検知信号とをもって検知装置で漏水を判定し、漏水と判定された場合に遮断制御装置から遮断弁に弁閉信号を出力して給水配管を遮断すること、第3に、流量計により一定の単位時間間隔で計測される積算流量値の変化量に基づく判定値が所定値以上の場合に検知装置で漏水と判定すること、第4に、一定の単位時間は、通常想定される地震の継続時間であることを要旨とするものである。
【0015】
請求項1、請求項2記載の本発明によれば、流量計は一定の単位時間間隔で積算流量値を常時計測しており、積算流量値に変化が生じれば、これを直ちに検出できるから、漏水発生をリアルタイムで検出でき、漏水に対して迅速な対処が可能となる。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、前記作用に加えて、積算流量値の変化量に基づく判定値が所定値以上の場合に検知装置で漏水と判定するから、判定は確実である。
【0017】
請求項4記載の本発明によれば、前記作用に加えて、積算流量値が計測される一定時間は、通常想定される地震の継続時間とすることで、地震発生時にこれが原因の漏水発生を確実に検知できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の給水設備の漏水検知装置の実施形態を示す検知制御ブロック図、図2は同上検知方法の制御の説明図で、本発明は、水道管本管1と建物2内の配管との間に配設される給水配管3に流量計4と緊急遮断弁5とを配設し、建物2の適宜箇所に地震の際の揺れを検知する感震センサ6を設置する。
【0019】
また、建物2内に前記流量計4および感震センサ6からの出力を受けて漏水を検知する検知装置8と、この検知装置8からの出力により緊急遮断弁5の制御を行なう遮断制御装置7を設置し、前記検知装置8に、前記流量計4からの一定の単位時間間隔で計測される積算流量値を内容とする流量信号と、感震センサ6からの地震などにより検知された揺れを内容とする揺れ検知信号とを入力し、検知装置8で漏水発生と判定された場合に、遮断制御装置7から弁閉信号を緊急遮断弁5に出力するように構成した。
【0020】
ここで、積算流量値が計測される一定時間とは、通常想定される地震の継続時間であり、例えば、30秒、60秒である。なお、検知装置8および遮断制御装置7は、漏水判定のために別途格別に設置することもできるが、図3に示すように、制震装置10の制御用に建物2に既に設置されている場合は、この制御装置9とこれに接続されている感震センサ6を利用することができる。
【0021】
次に地震発生時に、給水配管3を遮断する方法を図2について説明する。流量計4は、時刻tnにおける給水配管3内を流れる水道水の積算流量値Qnを計測し、さらに時間間隔Δtで積算流量値を計測する。これらの計測値および計測時間は検知装置8に記憶され、時間間隔Δt毎にこの間の流量の積算流量値Qnが継続して計測され記憶される。
【0022】
ちなみに時刻tn−1〜tn間およびtn〜tn+1間における流量値ΔQnおよびΔQn+1は、次式によって求められる。ΔQn=Qn−Qn−1、ΔQn+1=Qn+1−Qn
【0023】
そして、例えば時刻tn〜tn+1間において、地震が発生した場合、感震センサ6からの揺れ検知信号が検知装置8に入力されると、検知装置8では時間間隔Δt毎に記憶されている積算流量値Qnを基にして漏水判定を行う。この判定作業は、地震発生前の流量値ΔQnと地震発生後の流量値ΔQn+1とよりQjudge=ΔQn+1−ΔQnを求める。地震によって建物2内の給水設備が破損し漏水が発生していると、地震前に比較して地震後の流量値が増加するため、ΔQn+1はΔQnよりも大きくなることが予測される。よって、Qjudge>0の場合は、地震発生後に直ちに漏水発生と判定し、検知装置8から遮断制御装置7に出力し、この遮断制御装置7から緊急遮断弁5に弁閉信号を出力してこれを閉じ、給水配管3を遮断する。
【0024】
ところで地震の発生時刻がtn+Δt/2を過ぎている場合は、流量の増加がΔQn+1に反映されず、誤った判定が下される可能性がある。かかる場合は、時刻tn+1〜tn+2間における流量値ΔQn+2を求め、Qjudgeを次式Qjudge=ΔQn+2−ΔQnにより求める。そして、Qjudge>0であれば、漏水発生と判定する。
【0025】
データの保存は、時刻がtn〜tn+1間の場合は、その前の時刻tn−1およびtnの積算流量値を保存しておけばよい。
【0026】
なお、本発明は、水を使用する可能性のほとんどない深夜や早朝などの時間帯の漏水検知にも実施可能である。この場合は、感震センサ6からの出力は不要で、時間間隔も、例えば30分、60分などの長いものに設定し、この時間間隔毎に前記と同様にして流量計4で積算流量値を計測することにより、日常の漏水判定に利用し、実用性を高めることができる。
【0027】
そして、漏水と判定されれば、緊急遮断弁5に出力してこれを閉じ、給水配管3を遮断する。さらに、給水配管3の緊急遮断の情報は建物内のネットワークを通じて居住者や建物管理者にも送信される。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の給水設備の漏水検知装置および方法は、一定時間間隔で給水配管内の流量を常時計測し、検知装置に記憶しているので、地震が発生して揺れが検知された時には直ちにリアルタイムで漏水発生の有無が判定される。よって、冠水による財産喪失、設備機能喪失などの2次災害を防止でき、復旧作業や救助活動を円滑に進めることができる。
【0029】
また、給水タンクが設置されている建物では、該給水タンク内の水を損なうことなく備蓄できるため、地震後に水道の供給が停止した場合でも非常用飲料水などとして有効に使用できる。
【0030】
さらに、地震時以外の平常時にも実施することで、漏水の早期発見ができ、漏れによる被害と水道料金の無駄を無くせるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給水設備の漏水検知装置の実施形態を示す検知制御ブロック図である。
【図2】本発明の給水設備の漏水検知方法の実施形態を示す検知制御の説明図である。
【図3】本発明の給水設備の漏水検知装置および方法の実施形態を示す他の例のブロック図である。
【符号の説明】
1…水道管本管 2…建物
3…給水配管 4…流量計
5…緊急遮断弁 6…感震センサ
7…遮断制御装置 8…検知装置
9…制御装置 10…制震装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物内の給水設備の漏水を検知する装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物内の洗面所、調理場などに設置の給水設備の漏水を検知する方法には、従来、例えば、水道の使用量を管理する流量計を利用する方法があり、その第1の方法としては、建物内のすべての水道蛇口を閉じた状態で流量計に付設のパイロットランプと呼ばれる最小単位の指針の動きを検出する。そして、パイロットランプが回転していれば建物内の給水設備のどこかで漏水が発生していることになる。これは、一般に使用されている流量計の有する機能であり、微量な漏水も検知が可能である。
【0003】
第2の方法は、水道局員による使用量の目視による検針が一定期間(例えば、2ヶ月)毎に実施されるが、この検針された水道使用量が前回の使用量と比較して急激に増加した場合は、使用者または水道局員などにより漏水発生と人為的に判断する。
【0004】
第3の方法は、例えば洗面所の水洗故障、給水配管破損などの給水設備の異常で漏水が発生した場合は、一定量の水が継続して流れ出るため、流量計の計測値に流量変化の生じない定流量状態となることが予想される。よって、この定流量状態が一定期間継続した場合は、漏水を判断することができる。この場合、漏水と判定するための継続時間は、一定流量値の区分に応じて予め設定する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
第4の方法は、前記した第3の方法の同様の漏水に対して、流量計で計測された流量値が予め設定された通常時最大流量値を上回った場合、漏水と判定する(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
一方、特に、地震によって給水設備が破損し、その影響によって漏水が発生した場合の対処方法としては、第5の方法として、感震器を設けた遮断弁を水道管に設置し、個々の感震器で地震を感知し、地震が感知されれば漏水発生の有無にかかわらずその遮断弁を閉じるようにする(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
第6の方法として、流量計、振動センサ、遮断弁を設け、振動センサによって地震の震度を計測し、例えば震度6以上で水道管を遮断、震度5強以上6強未満で異常レベルと判定し、計測された流量が所定流量以上のときに水道管を遮断する(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−93635号公報
【特許文献2】
特開平10−299037号公報
【特許文献3】
特開平9−242918号公報
【特許文献4】
特開2002−372442号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
地震の揺れに起因して建物内部の給水設備が破損すると、漏水が発生する可能性があり、漏水によって建物あるいは建物内設備は冠水などの被害を受けることがある。そして、さらに大きな地震の場合は、給水配管の破断、給水タンクの倒壊などにより、建物あるいは建物内設備に甚大な被害が生じる可能性がある。また、その発見が遅れることによって、被害がさらに拡大するおそれもあり、特に地震発生の場合は、迅速な漏水検知と給水配管の遮断が要求される。
【0010】
すなわち、漏水検知はリアルタイムで行われることが望まれ、地震後いかに迅速に漏水検知が行えるかが課題となる。しかしながら、従来の流量計を使用する検知方法は、いずれも判定時間を要するものであるため、地震による漏水発生を検知するに際して必要とされるリアルタイム性を満足させるものではなかった。
【0011】
また、第5、第6の方法である感震器や震度センサを使用する方法は、地震発生に対してほぼリアルタイムで給水配管を遮断できるが、遮断弁を閉じる地震レベルの設定に根拠がなく保守的かつ不確実な方法であり、遮断弁を閉じるための条件に漏水発生の検知が含まれておらず、漏水に対処することができないこともある。
【0012】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、地震発生時に漏水発生の有無をリアルタイムで検知でき、漏水に対して迅速に対処できる給水設備の漏水検知方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、装置として、第1に、給水配管に設置した流量計および遮断弁と、建物内に設置した感震センサと、流量計および感震センサからの出力を受けて漏水を検知する検知装置と、検知装置からの出力により遮断弁の制御を行なう遮断制御装置とから構成されることを要旨とするものである。
【0014】
方法として、第2に、流量計により一定の単位時間間隔で積算流量値を計測し、この積算流量値と感震センサからの地震などによる揺れ検知信号とをもって検知装置で漏水を判定し、漏水と判定された場合に遮断制御装置から遮断弁に弁閉信号を出力して給水配管を遮断すること、第3に、流量計により一定の単位時間間隔で計測される積算流量値の変化量に基づく判定値が所定値以上の場合に検知装置で漏水と判定すること、第4に、一定の単位時間は、通常想定される地震の継続時間であることを要旨とするものである。
【0015】
請求項1、請求項2記載の本発明によれば、流量計は一定の単位時間間隔で積算流量値を常時計測しており、積算流量値に変化が生じれば、これを直ちに検出できるから、漏水発生をリアルタイムで検出でき、漏水に対して迅速な対処が可能となる。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、前記作用に加えて、積算流量値の変化量に基づく判定値が所定値以上の場合に検知装置で漏水と判定するから、判定は確実である。
【0017】
請求項4記載の本発明によれば、前記作用に加えて、積算流量値が計測される一定時間は、通常想定される地震の継続時間とすることで、地震発生時にこれが原因の漏水発生を確実に検知できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の給水設備の漏水検知装置の実施形態を示す検知制御ブロック図、図2は同上検知方法の制御の説明図で、本発明は、水道管本管1と建物2内の配管との間に配設される給水配管3に流量計4と緊急遮断弁5とを配設し、建物2の適宜箇所に地震の際の揺れを検知する感震センサ6を設置する。
【0019】
また、建物2内に前記流量計4および感震センサ6からの出力を受けて漏水を検知する検知装置8と、この検知装置8からの出力により緊急遮断弁5の制御を行なう遮断制御装置7を設置し、前記検知装置8に、前記流量計4からの一定の単位時間間隔で計測される積算流量値を内容とする流量信号と、感震センサ6からの地震などにより検知された揺れを内容とする揺れ検知信号とを入力し、検知装置8で漏水発生と判定された場合に、遮断制御装置7から弁閉信号を緊急遮断弁5に出力するように構成した。
【0020】
ここで、積算流量値が計測される一定時間とは、通常想定される地震の継続時間であり、例えば、30秒、60秒である。なお、検知装置8および遮断制御装置7は、漏水判定のために別途格別に設置することもできるが、図3に示すように、制震装置10の制御用に建物2に既に設置されている場合は、この制御装置9とこれに接続されている感震センサ6を利用することができる。
【0021】
次に地震発生時に、給水配管3を遮断する方法を図2について説明する。流量計4は、時刻tnにおける給水配管3内を流れる水道水の積算流量値Qnを計測し、さらに時間間隔Δtで積算流量値を計測する。これらの計測値および計測時間は検知装置8に記憶され、時間間隔Δt毎にこの間の流量の積算流量値Qnが継続して計測され記憶される。
【0022】
ちなみに時刻tn−1〜tn間およびtn〜tn+1間における流量値ΔQnおよびΔQn+1は、次式によって求められる。ΔQn=Qn−Qn−1、ΔQn+1=Qn+1−Qn
【0023】
そして、例えば時刻tn〜tn+1間において、地震が発生した場合、感震センサ6からの揺れ検知信号が検知装置8に入力されると、検知装置8では時間間隔Δt毎に記憶されている積算流量値Qnを基にして漏水判定を行う。この判定作業は、地震発生前の流量値ΔQnと地震発生後の流量値ΔQn+1とよりQjudge=ΔQn+1−ΔQnを求める。地震によって建物2内の給水設備が破損し漏水が発生していると、地震前に比較して地震後の流量値が増加するため、ΔQn+1はΔQnよりも大きくなることが予測される。よって、Qjudge>0の場合は、地震発生後に直ちに漏水発生と判定し、検知装置8から遮断制御装置7に出力し、この遮断制御装置7から緊急遮断弁5に弁閉信号を出力してこれを閉じ、給水配管3を遮断する。
【0024】
ところで地震の発生時刻がtn+Δt/2を過ぎている場合は、流量の増加がΔQn+1に反映されず、誤った判定が下される可能性がある。かかる場合は、時刻tn+1〜tn+2間における流量値ΔQn+2を求め、Qjudgeを次式Qjudge=ΔQn+2−ΔQnにより求める。そして、Qjudge>0であれば、漏水発生と判定する。
【0025】
データの保存は、時刻がtn〜tn+1間の場合は、その前の時刻tn−1およびtnの積算流量値を保存しておけばよい。
【0026】
なお、本発明は、水を使用する可能性のほとんどない深夜や早朝などの時間帯の漏水検知にも実施可能である。この場合は、感震センサ6からの出力は不要で、時間間隔も、例えば30分、60分などの長いものに設定し、この時間間隔毎に前記と同様にして流量計4で積算流量値を計測することにより、日常の漏水判定に利用し、実用性を高めることができる。
【0027】
そして、漏水と判定されれば、緊急遮断弁5に出力してこれを閉じ、給水配管3を遮断する。さらに、給水配管3の緊急遮断の情報は建物内のネットワークを通じて居住者や建物管理者にも送信される。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の給水設備の漏水検知装置および方法は、一定時間間隔で給水配管内の流量を常時計測し、検知装置に記憶しているので、地震が発生して揺れが検知された時には直ちにリアルタイムで漏水発生の有無が判定される。よって、冠水による財産喪失、設備機能喪失などの2次災害を防止でき、復旧作業や救助活動を円滑に進めることができる。
【0029】
また、給水タンクが設置されている建物では、該給水タンク内の水を損なうことなく備蓄できるため、地震後に水道の供給が停止した場合でも非常用飲料水などとして有効に使用できる。
【0030】
さらに、地震時以外の平常時にも実施することで、漏水の早期発見ができ、漏れによる被害と水道料金の無駄を無くせるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給水設備の漏水検知装置の実施形態を示す検知制御ブロック図である。
【図2】本発明の給水設備の漏水検知方法の実施形態を示す検知制御の説明図である。
【図3】本発明の給水設備の漏水検知装置および方法の実施形態を示す他の例のブロック図である。
【符号の説明】
1…水道管本管 2…建物
3…給水配管 4…流量計
5…緊急遮断弁 6…感震センサ
7…遮断制御装置 8…検知装置
9…制御装置 10…制震装置
Claims (4)
- 給水配管に設置した流量計および遮断弁と、建物内に設置した感震センサと、流量計および感震センサからの出力を受けて漏水を検知する検知装置と、検知装置からの出力により遮断弁の制御を行なう遮断制御装置とから構成されることを特徴とする漏水検知装置。
- 流量計により一定の単位時間間隔で積算流量値を計測し、この積算流量値と感震センサからの地震などによる揺れ検知信号とをもって検知装置で漏水を判定し、漏水と判定された場合に遮断制御装置から遮断弁に弁閉信号を出力して給水配管を遮断することを特徴とした給水設備の漏水検知方法。
- 流量計により一定の単位時間間隔で計測される積算流量値の変化量に基づく判定値が所定値以上の場合に検知装置で漏水と判定する請求項2記載の給水設備の漏水検知方法。
- 一定の単位時間は、通常想定される地震の継続時間である請求項2または請求項3に記載の給水設備の漏水検知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003132694A JP2004333411A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 給水設備の漏水検知装置および方法 |
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---|---|---|---|
JP2003132694A JP2004333411A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 給水設備の漏水検知装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004333411A true JP2004333411A (ja) | 2004-11-25 |
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ID=33507464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003132694A Pending JP2004333411A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 給水設備の漏水検知装置および方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004333411A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2009193340A (ja) * | 2008-02-14 | 2009-08-27 | Tabuchi Corp | ビルの給水配管の監視、管理システム |
RU2554413C1 (ru) * | 2014-02-11 | 2015-06-27 | Юрий Фёдорович Кирюшкин | Механическая передача движения на вал штатной трубопроводной арматуры |
JP2016030981A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | 株式会社タブチ | 給水構造 |
EA023121B1 (ru) * | 2012-04-19 | 2016-04-29 | Ооо "Пмт И К" | Система для отключения подачи жидкости и способ отключения подачи жидкости при обнаружении протечки |
-
2003
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