JP2004328501A - 無線データ通信方法および無線データ通信システム - Google Patents
無線データ通信方法および無線データ通信システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】親機と通信可能な状態の子機における電力消費を抑制する。
【解決手段】子機がビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に親機から送信されたデータ信号を受信し、その後にビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコン信号を受信する処理を繰り返し、各パワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあれば他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に各パワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】子機がビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に親機から送信されたデータ信号を受信し、その後にビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコン信号を受信する処理を繰り返し、各パワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあれば他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に各パワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池電源で動作する携帯情報端末等の子機と、LANなどの有線ネットワークに接続された無線LAN基地局等の親機との間で無線データ通信を行う構成において、親機と接続状態にある子機の消費電力の低減を図る無線データ通信方法および無線データ通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電池電源で動作する携帯情報端末等の子機は電池の消耗を抑える必要があり、利用しないときに通電状態のままにしておくことは好ましくない。しかし、無線LAN基地局等の親機との間で無線通信することを想定している子機の場合には、電源を完全にオフにすると、利用時の起動処理に長時間を要することになる。そこで、このような子機では、起動時間を短縮するために電力消費の少ないサスペンド状態と、通常動作状態との間で遷移できるように構成したものが多い。
【0003】
ここで、サスペンド状態は、CPUを待機状態にするとともに無線通信用LSI回路への通電を遮断する場合と、通電を継続する場合とがある。前者の場合は、子機が通常動作に復帰するときに、無線通信用LSI回路の起動、初期化、親機との再接続が必要になるので、通信可能になるまでに所要の時間がかかる。一方、後者の場合は電力消費量が増大する。
【0004】
ところで、サスペンド状態の子機が移動し、新たな親機との間で接続が必要になった場合には、子機のCPUは待機状態にあるので、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信できてもCPUで受信処理できない。すなわち、子機が通常動作状態に戻るまで、新たな親機と接続(ローミング)することができない。したがって、サスペンド状態の子機が移動すると、新たな親機との間で通信可能になるまで長時間を要することになる。
【0005】
また、サスペンド状態の子機において、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信したときに、割り込み等によりCPUを一時的に動作状態に戻して受信処理するように制御すると、親機が定期的に送信するビーコン信号を受信する度に子機のCPUが動作状態になり、電力消費量が増大する。
【0006】
特許文献1では、子機(無線LAN端末)が別の親機(無線LANブリッジ)に接続しなおすローミング処理を行うシステムにおいて、子機のパワーマネジメントを行う方法について提案している。例えば、ローミング処理のために、親機から定期的に送信されるビーコン信号の受信時間に合わせて子機の所要部へ電源供給を行う方法などが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3338818号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、親機と通信可能な状態にある子機では、親機から子機への送信が任意のタイミングで生じるために、受信回路に電力を継続して供給し、待機しておく必要があった。すなわち、親機と通信可能な状態の子機は、親機からの送信の有無に拘らず、常に受信回路において電力を消費し、電池を消耗する問題があった。
【0009】
本発明は、親機と通信可能な状態の子機における電力消費を抑制することができる無線データ通信方法および無線データ通信システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返し、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【0011】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。また、子機から親機へのデータ送信は、子機のパワーダウン中に他の無線通信が行われていないことを確認して行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、親機と未接続の子機は、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信し、接続要求信号を受信した親機は、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信し、接続要求応答信号を受信した子機は、接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信し、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返し、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【0013】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。さらに、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。また、子機から親機へのデータ送信は、子機のパワーダウン中に他の無線通信が行われていないことを確認して行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号に子機の子機受信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、子機受信時間帯で親機から子機へのデータ送信が終了したときに親機から子機へ送信停止を通知し、子機は子機受信時間帯の終了を待たずにビーコンパワーダウン状態に遷移することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、子機送信状態では、子機から親機へのデータ送信後に、ランダムなパワーダウン時間だけ子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態を経て、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報から得られる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、子機受信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項6,7に記載の発明では、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および子機受信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信システムにおいて、子機は、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段と、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻る手段とを備える。
【0021】
請求項9に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信システムにおいて、子機は、親機と未接続のときに、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する手段と、親機から送信された接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する手段と、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段と、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻る手段とを備え、親機は、接続要求信号を受信したときに、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信する手段を備える。
【0022】
また、子機は、受信したビーコン信号に子機の子機受信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する手段を含むようにしてもよい(請求項10)。
【0023】
また、親機は、子機受信時間帯で親機から子機へのデータ送信が終了したときに子機へ送信停止を通知する手段を備え、子機は、親機から送信停止を通知されたときに、子機受信時間帯の終了を待たずにビーコンパワーダウン状態に遷移する手段を含むようにしてもよい(請求項11)。
【0024】
また、子機は、子機送信状態で子機から親機へのデータ送信後に、ランダムなパワーダウン時間だけ子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態を経て、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻る手段を含むようにしてもよい(請求項12)。
【0025】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する手段を備え、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報から得られる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、子機受信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項13)。
【0026】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項14)。
【0027】
また、親機は、子機との接続により対応する子機別バッファ領域を確保し、子機との接続断により対応する子機別バッファ領域を開放する無線送信バッファと、子機への送信データ信号をそれぞれ対応する子機別バッファ領域に保持し、子機の子機受信時間帯に対応する子機別バッファ領域に保持された送信データ信号を読み出して送信する手段とを備えるようにしてもよい(請求項15)。
【0028】
【発明の実施の形態】
(親機−子機間の無線データ通信シーケンス)
図1は、本発明の無線データ通信方法における親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。
【0029】
図において、親機は、子機1〜Mに割り当てた受信時間帯を示す子機受信時間帯情報t1 〜tM を含むビーコン信号を周期Tb でブロードキャスト送信し、それぞれの子機受信時間帯になると親機から各子機への無線データ送信が行われる。
【0030】
親機と未接続の子機m(m=1,2,…,M)は、子機情報を含み親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する。この接続要求信号を受信した親機は、子機情報によって子機mからの接続要求であることを確認し、子機mとの接続可否を判断して接続可であれば、接続許可情報とビーコン信号の送信時間を示すビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を生成し、接続不可であれば、接続不許可情報を含む接続要求応答信号を生成し、子機mに送信する。接続許可情報およびビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を受信した子機mは、ビーコン受信開始時刻Tbsまで子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0031】
子機mは、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻Tbsになるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。このビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれる場合には、子機mは子機受信時間帯情報tm から子機受信開始時刻Tst.mと子機受信時間Tr.m を検出し、子機受信開始時刻Tst.mまで子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に遷移する。一方、ビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれない場合は、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間Tb だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0032】
子機mは、子機受信時間帯パワーダウン状態に遷移して子機受信開始時刻Tst.mになるとウェイクアップし、子機受信時間帯状態に遷移して親機から送信された無線データ信号を受信する(詳しくは、図2〜図4を参照して説明する)。そして子機受信時間Tr.m の終了後、あるいはその前に親機から送信停止信号を受信した場合にはその後に、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する(詳しくは、図5〜図7を参照して説明する)。
【0033】
子機mは、ビーコン信号の周期Tb 内で、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻になるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。その後の子機mと親機の動作は、前回のビーコン信号受信時以降と同様である。
【0034】
一方、子機mから親機への無線データ信号の送信は、子機mのビーコンパワーダウン状態または子機受信時間帯パワーダウン状態において、他の無線通信がないことを確認して行われる(詳しくは、図8〜図11を参照して説明する)。
【0035】
(子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンス)
図2〜図4は、子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。ここでは、親機から子機mにデータ送信し、子機mがそのデータ応答を返す無線データ通信シーケンスの3パターンを示す。
【0036】
図2は、親機からデータ送信後に子機mからすぐに応答があった場合のシーケンスである。親機は子機mへデータを送信し、子機mはデータ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信する。親機は、データ送信から応答待ち時間Tdw以内にデータ応答があったので、データ応答から子機の最小送信間隔Timin以内に次のデータを送信する。
【0037】
図3は、親機からデータ送信後に子機mから応答がなく、データ再送信後に子機mからすぐに応答があった場合のシーケンスである。親機は子機mへデータを送信するが応答がなく、応答待ち時間Tdwの経過後に子機mへデータを再送信する。子機mはデータ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信する。親機は、データ再送信から応答待ち時間Tdw以内にデータ応答があったので、データ応答から子機の最小送信間隔Timin以内に次のデータを送信する。
【0038】
図4は、親機からデータ再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合のシーケンスである。親機は子機mへデータを送信するが応答がなく、応答待ち時間Tdwの経過後に子機mへデータを再送信する。この再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合には、親機は次のデータを送信する。子機mはデータ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信する。親機は、応答待ち時間Tdw以内にデータ応答があったので、データ応答から子機の最小送信間隔Timin以内に次のデータを送信する。
【0039】
(子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンス)図5〜図7は、子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスの概要を示す。ここでは、親機から子機mへのデータ送信を終了した後に送信停止を通知し、子機mが子機受信時間帯状態の終了を待たずに、子機受信状態からビーコンパワーダウン状態に遷移する無線データ通信シーケンスの3パターンを示す。
【0040】
図5は、親機から送信停止送信後に子機mからすぐに送信停止応答があった場合のシーケンスである。子機受信時間帯状態において、親機が子機mへのデータ送信を終了すると送信停止信号を送信し、子機mは送信停止受信から所定の応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答を送信する。親機は、応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答があったので、送信停止となる。一方、子機は、子機受信時間帯状態の終了を待たずに、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。ここで、親機から子機mへのデータ送信および送信停止処理の期間を子機受信状態としている。なお、子機受信時間帯状態の状態遷移を図16に示す。
【0041】
図6は、親機から送信停止送信後に子機mから送信停止応答がなく、送信停止再送信後に子機mからすぐに送信停止応答があった場合のシーケンスである。子機受信時間帯状態において、親機が子機mへのデータ送信を終了すると送信停止信号を送信するが応答がなく、応答待ち時間Tswの経過後に子機mへ送信停止信号を再送信する。子機mは、送信停止信号の受信から所定の応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答を送信する。親機は、再送信から応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答があったので、送信停止となる。一方、子機は、子機受信時間帯状態の終了を待たずに、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0042】
図7は、親機から送信停止再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合のシーケンスである。子機受信時間帯状態において、親機が子機mへのデータ送信を終了すると送信停止信号を送信するが応答がなく、応答待ち時間Tswの経過後に子機mへ送信停止信号を再送信する。この再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合には、親機は送信強制停止とする。一方、子機は子機受信時間帯状態の終了後に、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。ここでは、子機受信時間帯状態がすべて子機受信状態となる。
【0043】
(子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンス)図8〜図11は、子機mのビーコンパワーダウン状態または子機受信時間帯パワーダウン状態(以下、まとめて子機パワーダウン状態という)において、子機mから親機へのデータ送信にかかわる親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。ここでは、子機パワーダウン状態のときに子機mから親機への送信データがある場合にキャリアセンスを行い、他の無線通信がないことを確認して子機mから親機へのデータ送信を行う子機送信状態における無線データ通信シーケンスの4パターンを示す。なお、子機送信状態の状態遷移を図15に示す。
【0044】
図8は、キャリアセンス後の子機mのデータ送信後に親機からすぐに応答があった場合のシーケンスである。子機mは、子機パワーダウン状態において、親機への送信データがある場合に子機送信状態に遷移する。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを送信し、親機はデータ受信から所定の応答待ち時間Tcw以内にデータ応答を送信する。子機mは、データ送信から応答待ち時間Tcw以内にデータ応答があったので、子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態に一旦戻り、親機への送信データがある場合に子機送信状態に遷移して同様の処理を繰り返す。
【0045】
図9は、キャリアセンス中に無線通信を検知した場合のシーケンスである。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス中に無線通信を検知すると、未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態を経て、再度キャリアセンス状態になる。以下同様に、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、子機mは親機へデータを送信し、親機はデータ受信から所定の応答待ち時間Tcw以内にデータ応答を送信する。
【0046】
図10は、キャリアセンス後の子機mのデータ送信後に親機から応答がない場合のシーケンスである。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを送信するが応答がなく、データ送信から応答待ち時間Tcwの経過後に未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態を経て、再度キャリアセンス状態になる。以下同様に、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、子機mは親機へデータを再送信し、親機はデータ受信から所定の応答待ち時間Tcw以内にデータ応答を送信する。
【0047】
図11は、子機mからデータ再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合のシーケンスである。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを送信するが応答がなく、応答待ち時間Tcwの経過後に未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態を経て、再度キャリアセンス状態になる。所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを再送信する。この再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合には、未接続パワーダウン状態および子機パワーダウン状態を経て、親機への次の送信データがある場合にそのデータを送信するためのキャリアセンス状態に入る。以下同様である。
【0048】
(親機の構成例)
図12は、本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示す。図において、親機は、無線部11、無線信号処理部12、無線送信バッファ部13、およびネットワークインタフェース部14から構成され、ネットワークインタフェース部14にネットワーク15が接続される。
【0049】
無線部11は、各子機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部12に出力する。また、無線信号処理部12から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。
【0050】
無線信号処理部12は、無線部11から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求信号や接続停止応答信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により生成された無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号や接続停止信号)を、送信無線信号として無線部11に出力する。また、無線部11から入力された受信無線信号のうち接続中の子機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号としてネットワークインタフェース部14に出力する。ネットワークインタフェース部14から入力された接続中の子機への送信データ信号は一旦無線送信バッファ部13に保持され、各子機の子機受信時間帯にそれぞれの送信データ信号を読み出し、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部11に出力する。
【0051】
ここで、無線送信バッファ部13では、子機mとの接続により子機別バッファ領域mが確保され、子機mとの接続断により子機別バッファ領域mが開放される。子機別バッファ領域mには、ネットワークインタフェース部14から入力される子機mへの送信データ信号が保持される。また、子機mの子機受信時間帯に、子機別バッファ領域mに保持された送信データ信号が読み出され、子機mからのデータ応答により削除される。
【0052】
ネットワークインタフェース部14は、無線信号処理部12から入力される受信データ信号をネットワーク15に送信する。また、ネットワーク15から接続中の子機mへのデータ信号を受信し、送信データ信号として無線信号処理部12に出力する。
【0053】
(子機の構成例)
図13は、本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示す。図において、子機は、無線部21、無線信号処理部22、無線送信バッファ部23、中央処理部24、表示部25、操作部26、および記憶部27から構成される。
【0054】
無線部21は、親機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部22に出力する。また、無線信号処理部22から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。さらに、無線部21は、無線信号処理部22からパワーダウン信号が入力されると、無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。
【0055】
無線信号処理部22は、無線部21から入力された受信無線信号のうち親機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号として中央処理部24に出力する。中央処理部24から入力された親機への送信データ信号は、一旦無線送信バッファ部23に保持され、子機送信時間に送信データ信号を読み出し、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部21に出力する。また、無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求信号や送信停止応答信号)を送信無線信号として無線部21に出力し、無線部21から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号や送信停止信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により、ビーコンパワーダウン状態または子機受信時間帯パワーダウン状態に遷移する場合に、パワーダウン信号を生成して無線部21に出力する。
【0056】
中央処理部24は、マイクロプロセッサなどの回路を内蔵しており、無線信号処理部22の無線制御信号処理や、表示部25、操作部26および記憶部27との間で子機のための各種機能をプログラム制御する。
【0057】
(子機の無線制御信号処理の状態遷移)
図14は、本発明の無線データ通信方法における子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す。
【0058】
子機は、親機に接続していない「未接続状態」と、親機に接続している「接続状態」のうち、いずれか一方の状態をとる。まず、未接続状態における子機の状態遷移について説明する。
【0059】
子機は、動作を開始したとき、または親機との接続断を検出したときに休止状態ST1に遷移し、所定の休止時間Td の終了後に接続要求送信状態ST2に遷移する。接続要求送信状態ST2では、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答待ち状態ST3に遷移する。接続要求応答待ち状態ST3では、応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からの接続要求応答信号が受信されなかった場合に休止状態ST1に遷移する。一方、応答待ち時間Tawが終了するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には接続要求応答受信状態ST4に遷移する。接続要求応答受信状態ST4では、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態ST1に遷移し、接続許可の場合には「接続状態」に遷移する。
【0060】
以下、「接続状態」における子機mの状態遷移について説明する。ここで、親機は周期Tb で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する周期Tb のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する。親機は、接続許可情報を含む接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbaを付加し、ビーコン信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbbを付加する。
【0061】
子機も周期Tb で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答受信状態ST4で接続許可情報を含む接続要求応答信号を受信したときに、「接続状態」の子機通信タイマ補正状態ST5に遷移する。子機通信タイマ補正状態ST5では、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0062】
ビーコンパワーダウン状態ST6では、図13の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。ここで、子機mから親機への送信データがあれば子機送信状態ST21に遷移する。なお、子機送信状態ST21の詳細な状態遷移については図15を参照して説明する。ビーコンパワーダウン状態ST6では、子機通信タイマ値が周期Tb の経過より少し前のビーコン受信開始時刻Tbsになると、ビーコン待ち状態ST7に遷移する。ビーコン待ち状態ST7では、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からのビーコン信号が受信されなかった場合に通信中断状態ST8に遷移する。一方、受信待ち時間Tbwが終了するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合にはビーコン受信状態ST9に遷移する。
【0063】
通信中断状態ST8では、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)し、その値が所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態ST6に遷移し、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態ST1に遷移する。
【0064】
ビーコン受信状態ST9では、ビーコン信号を受信したときに親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、子機mの子機受信時間帯情報tm を確認する。ここで、受信したビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれていない場合には、次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。一方、受信したビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれている場合には、子機受信時間帯パワーダウン状態ST10に遷移する。
【0065】
子機受信時間帯パワーダウン状態ST10では、図13の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。ここで、子機mから親機への送信データがあれば子機送信状態ST22に遷移する。なお、子機送信状態ST22の詳細な状態遷移については図15を参照して説明する。子機受信時間帯パワーダウン状態ST10では、子機受信時間帯情報tm から子機受信開始時刻Tst.mと子機受信時間Tr.m を検出し、通信中断回数Nnbをリセットし、子機受信開始時刻Tst.mになると子機受信時間帯状態ST11に遷移する。子機受信時間帯状態ST11では、子機受信時間Tr.m の間に親機の送信データを受信し、子機受信時間Tr.m が終了するか親機から送信停止信号を受信した場合に、次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。子機受信時間帯状態ST11の詳細な状態遷移については図16を参照して説明する。
【0066】
なお、以上の説明では、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含み、これを用いて子機通信タイマの補正を行っているが、子機がビーコン信号を受信したときに子機通信タイマをリセットするようにしてもよい。この場合には、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含む必要はない。また、ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報tm で通知する子機受信時間Tr.m は、親機通信タイマ値で示される通信終了時刻でもよい。
【0067】
(子機送信状態ST21,22の状態遷移)
図15は、子機送信状態ST21,22の状態遷移を示す。子機パワーダウン状態(ビーコンパワーダウン状態ST6、子機受信時間帯パワーダウン状態ST10)において、親機への送信データがある場合に子機送信状態ST21,22のキャリアセンス状態ST23に遷移する。キャリアセンス状態ST23では、キャリアセンス時間Tcsを計測するタイマをスタートさせ、その間に他の無線通信を検知しない場合にデータ送信状態ST24に遷移する。一方、キャリアセンス時間Tcsが終了するまでの間に他の無線通信を検知した場合には未接続パワーダウン状態ST26に遷移する。
【0068】
データ送信状態ST24では、親機へデータを送信してデータ応答待ち状態ST25に遷移する。データ応答待ち状態ST25では、データ送信から応答待ち時間Tcwを計測するタイマをスタートさせ、その間にデータ応答が受信されない場合に未接続パワーダウン状態ST26に遷移する。一方、応答待ち時間Tcwが終了するまでの間にデータ応答が受信された場合には、データ応答確認後に未接続パワーダウン状態ST26に遷移する。
【0069】
未接続パワーダウン状態ST26では、パワーダウン時間Tpdが終了するまで図13の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。パワーダウン時間Tpdの終了後には、子機パワーダウン状態ST6,ST10に一旦戻り、親機への送信データがある場合に子機送信状態ST21,22に遷移して同様の処理を繰り返す。なお、パワーダウン時間Tpdは、所定の最小時間Tpdmin から所定の最大時間Tpdmax の範囲で、遷移するごとにランダムに設定される。
【0070】
(子機受信時間帯状態ST11の状態遷移)
図16は、子機受信時間帯状態ST11の状態遷移を示す。子機受信時間帯パワーダウン状態ST10から子機受信時間帯状態ST11に遷移すると、まず子機受信時間Tr.m を計測するタイマをスタートさせ(ST30)、親機から送信されたデータまたは送信停止信号の受信待ち状態ST31に遷移する。受信待ち状態ST31では、データを受信するとデータ応答送信状態ST32に遷移し、送信停止信号を受信すると送信停止応答送信状態ST33に遷移し、送信停止信号を受信する前に子機受信時間Tr.m が終了すると、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0071】
データ応答送信状態ST32では、データ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信し、受信待ち状態ST31に遷移する。送信停止応答送信状態ST33では、送信停止受信から所定の応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答を送信し、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0072】
(子機受信時間帯状態ST11における親機の状態遷移)
図17は、子機受信時間帯状態ST11における親機の状態遷移を示す。親機は、ビーコン信号を送信してから子機mに割り当てた受信時間帯になると、まず子機mへの送信期間開始により、子機受信時間Tr.m を計測するタイマをスタートさせ、送信停止再送回数Nsnをリセットする(ST40)。その後、データ送信状態ST41に遷移し、子機mへデータを送信してデータ応答待ち状態ST42に遷移する。データ応答待ち状態ST42では、応答待ち時間Tdwを計測するタイマをスタートさせ、その間にデータ応答が受信されない場合にデータ送信状態ST41に遷移して再送を行う。一方、応答待ち時間Tdwが終了するまでの間にデータ応答が受信された場合には、データ有無確認状態ST43に遷移する。データ有無確認状態ST43では、子機受信時間Tr.m が終了すると子機mへの送信期間終了ST46となるが、子機受信時間Tr.m が終了する前にさらに送信するデータがあればデータ送信状態ST41に遷移し、送信するデータがなければ送信停止信号送信状態ST44に遷移する。
【0073】
送信停止信号送信状態ST44では、送信停止信号を送信して送信停止応答待ち状態ST45に遷移する。送信停止応答待ち状態ST45では、応答待ち時間Tswを計測するタイマをスタートさせ、その間に送信停止応答が受信されない場合に送信停止信号送信状態ST44に遷移して再送を行う。一方、応答待ち時間Tswが終了するまでの間に送信停止応答が受信された場合には、子機mへの送信期間終了とする。また、送信停止応答待ち状態ST45では、送信停止信号の再送回数Nnsを計数しており、Nnsが所定値Nnsmax を超えた場合や子機受信時間Tr.m が終了すると子機mへの送信期間終了ST46とする。
【0074】
(子機の無線信号処理部22の処理手順)
図18,19は、子機の無線信号処理部22の処理手順を示す。なお、本処理手順は、図14の無線制御信号処理における状態遷移に対応するものであり、図18は「未接続状態」、図19は「接続状態」に対応する処理手順を示す。接続状態値が1のときに接続状態、0のときに未接続状態とし、パワーダウン信号値が1のときに無線部21にパワーダウン信号を出力するものとする。
【0075】
図18において、子機は休止状態(接続状態値=0、パワーダウン信号値=0)で、休止時間Td を計測するタイマをスタートさせる(S1,S2)。休止時間Td が終了すると、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答信号の応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせる(S3,S4,S5)。ここで、接続要求応答信号が受信されずに応答待ち時間Tawがタイムアウトすると休止状態に戻る(S6,S7,S1)。一方、応答待ち時間Tawが経過するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態に戻り、接続許可の場合には接続状態(接続状態値=1)になる(S6,S8,S9)。
【0076】
図19において、「接続状態」になると、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマ値Tn を補正し、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)とする(S11,S12)。さらに、子機通信タイマ値Tn がビーコン受信開始時刻Tbsになるまでビーコンパワーダウン状態を継続し、その間に親機への送信データがあれば子機送信状態(図21参照)になる(S13,S14,S15)。
【0077】
また、子機通信タイマ値Tn がTn =Tbsになると、ビーコンパワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせる(S13,S16)。ここで、ビーコン信号が受信されずに受信待ち時間Tbwがタイムアウトすると、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)する(S17,S18,S19)。そして、通信中断回数Nnbが所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S20,S12)、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態に戻る(S20,S21,図18のS1)。これにより、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0078】
一方、受信待ち時間Tbwが経過するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合には、親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正し、子機mの子機受信時間帯情報tm を確認する(S17,S18,S22,S23)。ここで、受信したビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれていない場合には、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S23,S12)、子機受信時間帯情報tm が含まれている場合には、子機受信時間帯パワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)になる(S23,S24)。さらに、子機通信タイマ値Tn が子機受信開始時刻Tst.mになるまで、子機受信時間帯パワーダウン状態を継続し、その間に親機への送信データがあれば子機送信状態(図21参照)になる(S25,S26,S27)。
【0079】
また、子機通信タイマ値Tn が子機受信開始時刻Tst.mになると、子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、子機受信時間帯状態(図20参照)に入る(S28,S29)。そして、子機受信時間帯状態または子機受信状態の終了後にビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻る(S29,S12)。これにより、ビーコン信号を受信してから子機mに割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0080】
(子機受信時間帯状態S29における処理手順)
図20は、子機受信時間帯状態S29における処理手順を示す。子機受信時間帯状態になると、子機受信時間Tr.m を計測するタイマをスタートさせ、子機受信時間Tr.m がタイムアウトすると終了する(S31,S32)。一方、子機受信時間Tr.m が終了するまでの間に親機からの無線信号が受信された場合には、その無線信号がデータ信号か送信停止信号かを判断する(S33,S34)。そして、データ信号の場合には親機へデータ応答を送信し、子機受信時間Tr.m が終了するまで次のデータ信号の受信を繰り返す(S34,S35)。一方、送信停止信号の場合には親機へ送信停止応答を送信し、子機受信時間帯状態を終了する(S34,S36)。
【0081】
(子機送信状態S15,S27における処理手順)
図21は、子機送信状態S15,S27における処理手順を示す。子機パワーダウン状態(ビーコンパワーダウン状態、子機受信時間帯パワーダウン状態)において、親機への送信データがある場合にはパワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、キャリアセンス時間Tcsを計測するタイマをスタートさせる(S41,S42)。このキャリアセンス時間Tcsの間に他の無線通信を検知しない場合には、子機mから親機へのデータ送信を行うデータ送信状態になり、応答待ち時間Tcwを計測するタイマをスタートさせ、データ再送信回数Nncをリセットする(S43,S44,S45)。一方、キャリアセンス時間Tcsが終了するまでの間に他の無線通信を検知した場合には、未接続パワーダウン状態に遷移する(S44,S53)。
【0082】
データ送信から応答待ち時間Tcwが終了するまでの間にデータ応答が受信された場合には、データ再送信回数Nncをリセットし、無線データを無線送信バッファ23から削除し、未接続パワーダウン状態に遷移する(S46,S47,S48,S49,S53)。一方、応答待ち時間Tcwの間にデータ応答が受信されない場合には、データ再送信回数Nncをインクリメント(+1)し、その値が所定値Nncmax を越えなければ、無線データを無線送信バッファ23に保持して未接続パワーダウン状態に遷移する(S46,S50,S51,S52,S53)。一方、所定値Nncmax を越えればデータ再送信回数Nncをリセットし、無線データを無線送信バッファ23から削除し、未接続パワーダウン状態に遷移する(S51,S48,S49,S53)。
【0083】
未接続パワーダウン状態では、パワーダウン時間Tpdを計測するタイマをスタートさせ、パワーダウン時間Tpdが終了するまで子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。パワーダウン時間Tpdの終了後には、親機へのデータ送信を終了する(S54,S55)。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0085】
また、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0086】
また、子機受信時間帯で親機から子機へのデータ送信が終了したときに、子機は子機受信時間帯の終了を待たずにビーコンパワーダウン状態に設定することができるので、子機の消費電力をさらに低減することができる。
【0087】
また、本発明は、親機から子機へのデータ送信は、親機から子機へビーコン信号によりあらかじめ通知された子機受信時間帯に行われるが、子機から親機へのデータ送信は、子機のパワーダウン中に他の無線通信が行われていないことを確認して行うことができる。これにより、親機から子機への大容量のデータ送信(ダウンロード)を確実に行うことができるとともに、子機から親機への比較的小容量のデータ送信を空き時間を利用して行うことができ、効率的な無線データ通信が可能となる。
【0088】
また、本発明は、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および子機受信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができるので、子機の消費電力の低減効果を最大限に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図2】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図3】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図4】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図5】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスを示すタイムチャート。
【図6】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスを示すタイムチャート。
【図7】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスを示すタイムチャート。
【図8】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図9】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図10】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図11】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図12】本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示すブロック図。
【図13】本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示すブロック図。
【図14】子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す状態遷移図。
【図15】子機送信状態ST21,ST22の状態遷移を示す状態遷移図。
【図16】子機受信時間帯状態ST11の状態遷移を示す状態遷移図。
【図17】子機受信時間帯状態ST11における親機の状態遷移を示す状態遷移図。
【図18】子機の無線信号処理部22の処理手順(未接続状態)を示すフローチャート。
【図19】子機の無線信号処理部22の処理手順(接続状態)を示すフローチャート。
【図20】子機受信時間帯状態S29の処理手順を示すフローチャート。
【図21】子機送信状態S15,S27の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11 無線部
12 無線信号処理部
13 無線送信バッファ
14 ネットワークインタフェース部
15 ネットワーク
21 無線部
22 無線信号処理部
23 無線送信バッファ
24 中央処理部
25 表示部
26 操作部
27 記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池電源で動作する携帯情報端末等の子機と、LANなどの有線ネットワークに接続された無線LAN基地局等の親機との間で無線データ通信を行う構成において、親機と接続状態にある子機の消費電力の低減を図る無線データ通信方法および無線データ通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電池電源で動作する携帯情報端末等の子機は電池の消耗を抑える必要があり、利用しないときに通電状態のままにしておくことは好ましくない。しかし、無線LAN基地局等の親機との間で無線通信することを想定している子機の場合には、電源を完全にオフにすると、利用時の起動処理に長時間を要することになる。そこで、このような子機では、起動時間を短縮するために電力消費の少ないサスペンド状態と、通常動作状態との間で遷移できるように構成したものが多い。
【0003】
ここで、サスペンド状態は、CPUを待機状態にするとともに無線通信用LSI回路への通電を遮断する場合と、通電を継続する場合とがある。前者の場合は、子機が通常動作に復帰するときに、無線通信用LSI回路の起動、初期化、親機との再接続が必要になるので、通信可能になるまでに所要の時間がかかる。一方、後者の場合は電力消費量が増大する。
【0004】
ところで、サスペンド状態の子機が移動し、新たな親機との間で接続が必要になった場合には、子機のCPUは待機状態にあるので、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信できてもCPUで受信処理できない。すなわち、子機が通常動作状態に戻るまで、新たな親機と接続(ローミング)することができない。したがって、サスペンド状態の子機が移動すると、新たな親機との間で通信可能になるまで長時間を要することになる。
【0005】
また、サスペンド状態の子機において、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信したときに、割り込み等によりCPUを一時的に動作状態に戻して受信処理するように制御すると、親機が定期的に送信するビーコン信号を受信する度に子機のCPUが動作状態になり、電力消費量が増大する。
【0006】
特許文献1では、子機(無線LAN端末)が別の親機(無線LANブリッジ)に接続しなおすローミング処理を行うシステムにおいて、子機のパワーマネジメントを行う方法について提案している。例えば、ローミング処理のために、親機から定期的に送信されるビーコン信号の受信時間に合わせて子機の所要部へ電源供給を行う方法などが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3338818号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、親機と通信可能な状態にある子機では、親機から子機への送信が任意のタイミングで生じるために、受信回路に電力を継続して供給し、待機しておく必要があった。すなわち、親機と通信可能な状態の子機は、親機からの送信の有無に拘らず、常に受信回路において電力を消費し、電池を消耗する問題があった。
【0009】
本発明は、親機と通信可能な状態の子機における電力消費を抑制することができる無線データ通信方法および無線データ通信システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返し、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【0011】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。また、子機から親機へのデータ送信は、子機のパワーダウン中に他の無線通信が行われていないことを確認して行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、親機と未接続の子機は、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信し、接続要求信号を受信した親機は、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信し、接続要求応答信号を受信した子機は、接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信し、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返し、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【0013】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。さらに、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。また、子機から親機へのデータ送信は、子機のパワーダウン中に他の無線通信が行われていないことを確認して行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号に子機の子機受信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、子機受信時間帯で親機から子機へのデータ送信が終了したときに親機から子機へ送信停止を通知し、子機は子機受信時間帯の終了を待たずにビーコンパワーダウン状態に遷移することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、子機送信状態では、子機から親機へのデータ送信後に、ランダムなパワーダウン時間だけ子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態を経て、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻ることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報から得られる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、子機受信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項6,7に記載の発明では、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および子機受信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信システムにおいて、子機は、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段と、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻る手段とを備える。
【0021】
請求項9に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信システムにおいて、子機は、親機と未接続のときに、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する手段と、親機から送信された接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する手段と、ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段と、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態にあるときに、親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻る手段とを備え、親機は、接続要求信号を受信したときに、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信する手段を備える。
【0022】
また、子機は、受信したビーコン信号に子機の子機受信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する手段を含むようにしてもよい(請求項10)。
【0023】
また、親機は、子機受信時間帯で親機から子機へのデータ送信が終了したときに子機へ送信停止を通知する手段を備え、子機は、親機から送信停止を通知されたときに、子機受信時間帯の終了を待たずにビーコンパワーダウン状態に遷移する手段を含むようにしてもよい(請求項11)。
【0024】
また、子機は、子機送信状態で子機から親機へのデータ送信後に、ランダムなパワーダウン時間だけ子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態を経て、子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に戻る手段を含むようにしてもよい(請求項12)。
【0025】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する手段を備え、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報から得られる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、子機受信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項13)。
【0026】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項14)。
【0027】
また、親機は、子機との接続により対応する子機別バッファ領域を確保し、子機との接続断により対応する子機別バッファ領域を開放する無線送信バッファと、子機への送信データ信号をそれぞれ対応する子機別バッファ領域に保持し、子機の子機受信時間帯に対応する子機別バッファ領域に保持された送信データ信号を読み出して送信する手段とを備えるようにしてもよい(請求項15)。
【0028】
【発明の実施の形態】
(親機−子機間の無線データ通信シーケンス)
図1は、本発明の無線データ通信方法における親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。
【0029】
図において、親機は、子機1〜Mに割り当てた受信時間帯を示す子機受信時間帯情報t1 〜tM を含むビーコン信号を周期Tb でブロードキャスト送信し、それぞれの子機受信時間帯になると親機から各子機への無線データ送信が行われる。
【0030】
親機と未接続の子機m(m=1,2,…,M)は、子機情報を含み親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する。この接続要求信号を受信した親機は、子機情報によって子機mからの接続要求であることを確認し、子機mとの接続可否を判断して接続可であれば、接続許可情報とビーコン信号の送信時間を示すビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を生成し、接続不可であれば、接続不許可情報を含む接続要求応答信号を生成し、子機mに送信する。接続許可情報およびビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を受信した子機mは、ビーコン受信開始時刻Tbsまで子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0031】
子機mは、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻Tbsになるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。このビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれる場合には、子機mは子機受信時間帯情報tm から子機受信開始時刻Tst.mと子機受信時間Tr.m を検出し、子機受信開始時刻Tst.mまで子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に遷移する。一方、ビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれない場合は、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間Tb だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0032】
子機mは、子機受信時間帯パワーダウン状態に遷移して子機受信開始時刻Tst.mになるとウェイクアップし、子機受信時間帯状態に遷移して親機から送信された無線データ信号を受信する(詳しくは、図2〜図4を参照して説明する)。そして子機受信時間Tr.m の終了後、あるいはその前に親機から送信停止信号を受信した場合にはその後に、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する(詳しくは、図5〜図7を参照して説明する)。
【0033】
子機mは、ビーコン信号の周期Tb 内で、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻になるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。その後の子機mと親機の動作は、前回のビーコン信号受信時以降と同様である。
【0034】
一方、子機mから親機への無線データ信号の送信は、子機mのビーコンパワーダウン状態または子機受信時間帯パワーダウン状態において、他の無線通信がないことを確認して行われる(詳しくは、図8〜図11を参照して説明する)。
【0035】
(子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンス)
図2〜図4は、子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。ここでは、親機から子機mにデータ送信し、子機mがそのデータ応答を返す無線データ通信シーケンスの3パターンを示す。
【0036】
図2は、親機からデータ送信後に子機mからすぐに応答があった場合のシーケンスである。親機は子機mへデータを送信し、子機mはデータ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信する。親機は、データ送信から応答待ち時間Tdw以内にデータ応答があったので、データ応答から子機の最小送信間隔Timin以内に次のデータを送信する。
【0037】
図3は、親機からデータ送信後に子機mから応答がなく、データ再送信後に子機mからすぐに応答があった場合のシーケンスである。親機は子機mへデータを送信するが応答がなく、応答待ち時間Tdwの経過後に子機mへデータを再送信する。子機mはデータ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信する。親機は、データ再送信から応答待ち時間Tdw以内にデータ応答があったので、データ応答から子機の最小送信間隔Timin以内に次のデータを送信する。
【0038】
図4は、親機からデータ再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合のシーケンスである。親機は子機mへデータを送信するが応答がなく、応答待ち時間Tdwの経過後に子機mへデータを再送信する。この再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合には、親機は次のデータを送信する。子機mはデータ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信する。親機は、応答待ち時間Tdw以内にデータ応答があったので、データ応答から子機の最小送信間隔Timin以内に次のデータを送信する。
【0039】
(子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンス)図5〜図7は、子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスの概要を示す。ここでは、親機から子機mへのデータ送信を終了した後に送信停止を通知し、子機mが子機受信時間帯状態の終了を待たずに、子機受信状態からビーコンパワーダウン状態に遷移する無線データ通信シーケンスの3パターンを示す。
【0040】
図5は、親機から送信停止送信後に子機mからすぐに送信停止応答があった場合のシーケンスである。子機受信時間帯状態において、親機が子機mへのデータ送信を終了すると送信停止信号を送信し、子機mは送信停止受信から所定の応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答を送信する。親機は、応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答があったので、送信停止となる。一方、子機は、子機受信時間帯状態の終了を待たずに、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。ここで、親機から子機mへのデータ送信および送信停止処理の期間を子機受信状態としている。なお、子機受信時間帯状態の状態遷移を図16に示す。
【0041】
図6は、親機から送信停止送信後に子機mから送信停止応答がなく、送信停止再送信後に子機mからすぐに送信停止応答があった場合のシーケンスである。子機受信時間帯状態において、親機が子機mへのデータ送信を終了すると送信停止信号を送信するが応答がなく、応答待ち時間Tswの経過後に子機mへ送信停止信号を再送信する。子機mは、送信停止信号の受信から所定の応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答を送信する。親機は、再送信から応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答があったので、送信停止となる。一方、子機は、子機受信時間帯状態の終了を待たずに、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0042】
図7は、親機から送信停止再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合のシーケンスである。子機受信時間帯状態において、親機が子機mへのデータ送信を終了すると送信停止信号を送信するが応答がなく、応答待ち時間Tswの経過後に子機mへ送信停止信号を再送信する。この再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合には、親機は送信強制停止とする。一方、子機は子機受信時間帯状態の終了後に、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。ここでは、子機受信時間帯状態がすべて子機受信状態となる。
【0043】
(子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンス)図8〜図11は、子機mのビーコンパワーダウン状態または子機受信時間帯パワーダウン状態(以下、まとめて子機パワーダウン状態という)において、子機mから親機へのデータ送信にかかわる親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。ここでは、子機パワーダウン状態のときに子機mから親機への送信データがある場合にキャリアセンスを行い、他の無線通信がないことを確認して子機mから親機へのデータ送信を行う子機送信状態における無線データ通信シーケンスの4パターンを示す。なお、子機送信状態の状態遷移を図15に示す。
【0044】
図8は、キャリアセンス後の子機mのデータ送信後に親機からすぐに応答があった場合のシーケンスである。子機mは、子機パワーダウン状態において、親機への送信データがある場合に子機送信状態に遷移する。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを送信し、親機はデータ受信から所定の応答待ち時間Tcw以内にデータ応答を送信する。子機mは、データ送信から応答待ち時間Tcw以内にデータ応答があったので、子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態に一旦戻り、親機への送信データがある場合に子機送信状態に遷移して同様の処理を繰り返す。
【0045】
図9は、キャリアセンス中に無線通信を検知した場合のシーケンスである。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス中に無線通信を検知すると、未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態を経て、再度キャリアセンス状態になる。以下同様に、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、子機mは親機へデータを送信し、親機はデータ受信から所定の応答待ち時間Tcw以内にデータ応答を送信する。
【0046】
図10は、キャリアセンス後の子機mのデータ送信後に親機から応答がない場合のシーケンスである。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを送信するが応答がなく、データ送信から応答待ち時間Tcwの経過後に未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態を経て、再度キャリアセンス状態になる。以下同様に、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、子機mは親機へデータを再送信し、親機はデータ受信から所定の応答待ち時間Tcw以内にデータ応答を送信する。
【0047】
図11は、子機mからデータ再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合のシーケンスである。子機送信状態では、所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを送信するが応答がなく、応答待ち時間Tcwの経過後に未接続パワーダウン状態に遷移する。未接続パワーダウン状態では、ランダムなパワーダウン時間Tpdの終了後に子機パワーダウン状態を経て、再度キャリアセンス状態になる。所定の時間Tcsのキャリアセンス後に、他の無線通信がなければ子機mは親機へデータを再送信する。この再送信を所定回数繰り返しても応答がない場合には、未接続パワーダウン状態および子機パワーダウン状態を経て、親機への次の送信データがある場合にそのデータを送信するためのキャリアセンス状態に入る。以下同様である。
【0048】
(親機の構成例)
図12は、本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示す。図において、親機は、無線部11、無線信号処理部12、無線送信バッファ部13、およびネットワークインタフェース部14から構成され、ネットワークインタフェース部14にネットワーク15が接続される。
【0049】
無線部11は、各子機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部12に出力する。また、無線信号処理部12から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。
【0050】
無線信号処理部12は、無線部11から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求信号や接続停止応答信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により生成された無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号や接続停止信号)を、送信無線信号として無線部11に出力する。また、無線部11から入力された受信無線信号のうち接続中の子機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号としてネットワークインタフェース部14に出力する。ネットワークインタフェース部14から入力された接続中の子機への送信データ信号は一旦無線送信バッファ部13に保持され、各子機の子機受信時間帯にそれぞれの送信データ信号を読み出し、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部11に出力する。
【0051】
ここで、無線送信バッファ部13では、子機mとの接続により子機別バッファ領域mが確保され、子機mとの接続断により子機別バッファ領域mが開放される。子機別バッファ領域mには、ネットワークインタフェース部14から入力される子機mへの送信データ信号が保持される。また、子機mの子機受信時間帯に、子機別バッファ領域mに保持された送信データ信号が読み出され、子機mからのデータ応答により削除される。
【0052】
ネットワークインタフェース部14は、無線信号処理部12から入力される受信データ信号をネットワーク15に送信する。また、ネットワーク15から接続中の子機mへのデータ信号を受信し、送信データ信号として無線信号処理部12に出力する。
【0053】
(子機の構成例)
図13は、本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示す。図において、子機は、無線部21、無線信号処理部22、無線送信バッファ部23、中央処理部24、表示部25、操作部26、および記憶部27から構成される。
【0054】
無線部21は、親機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部22に出力する。また、無線信号処理部22から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。さらに、無線部21は、無線信号処理部22からパワーダウン信号が入力されると、無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。
【0055】
無線信号処理部22は、無線部21から入力された受信無線信号のうち親機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号として中央処理部24に出力する。中央処理部24から入力された親機への送信データ信号は、一旦無線送信バッファ部23に保持され、子機送信時間に送信データ信号を読み出し、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部21に出力する。また、無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求信号や送信停止応答信号)を送信無線信号として無線部21に出力し、無線部21から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号や送信停止信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により、ビーコンパワーダウン状態または子機受信時間帯パワーダウン状態に遷移する場合に、パワーダウン信号を生成して無線部21に出力する。
【0056】
中央処理部24は、マイクロプロセッサなどの回路を内蔵しており、無線信号処理部22の無線制御信号処理や、表示部25、操作部26および記憶部27との間で子機のための各種機能をプログラム制御する。
【0057】
(子機の無線制御信号処理の状態遷移)
図14は、本発明の無線データ通信方法における子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す。
【0058】
子機は、親機に接続していない「未接続状態」と、親機に接続している「接続状態」のうち、いずれか一方の状態をとる。まず、未接続状態における子機の状態遷移について説明する。
【0059】
子機は、動作を開始したとき、または親機との接続断を検出したときに休止状態ST1に遷移し、所定の休止時間Td の終了後に接続要求送信状態ST2に遷移する。接続要求送信状態ST2では、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答待ち状態ST3に遷移する。接続要求応答待ち状態ST3では、応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からの接続要求応答信号が受信されなかった場合に休止状態ST1に遷移する。一方、応答待ち時間Tawが終了するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には接続要求応答受信状態ST4に遷移する。接続要求応答受信状態ST4では、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態ST1に遷移し、接続許可の場合には「接続状態」に遷移する。
【0060】
以下、「接続状態」における子機mの状態遷移について説明する。ここで、親機は周期Tb で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する周期Tb のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する。親機は、接続許可情報を含む接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbaを付加し、ビーコン信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbbを付加する。
【0061】
子機も周期Tb で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答受信状態ST4で接続許可情報を含む接続要求応答信号を受信したときに、「接続状態」の子機通信タイマ補正状態ST5に遷移する。子機通信タイマ補正状態ST5では、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0062】
ビーコンパワーダウン状態ST6では、図13の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。ここで、子機mから親機への送信データがあれば子機送信状態ST21に遷移する。なお、子機送信状態ST21の詳細な状態遷移については図15を参照して説明する。ビーコンパワーダウン状態ST6では、子機通信タイマ値が周期Tb の経過より少し前のビーコン受信開始時刻Tbsになると、ビーコン待ち状態ST7に遷移する。ビーコン待ち状態ST7では、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からのビーコン信号が受信されなかった場合に通信中断状態ST8に遷移する。一方、受信待ち時間Tbwが終了するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合にはビーコン受信状態ST9に遷移する。
【0063】
通信中断状態ST8では、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)し、その値が所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態ST6に遷移し、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態ST1に遷移する。
【0064】
ビーコン受信状態ST9では、ビーコン信号を受信したときに親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、子機mの子機受信時間帯情報tm を確認する。ここで、受信したビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれていない場合には、次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。一方、受信したビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれている場合には、子機受信時間帯パワーダウン状態ST10に遷移する。
【0065】
子機受信時間帯パワーダウン状態ST10では、図13の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。ここで、子機mから親機への送信データがあれば子機送信状態ST22に遷移する。なお、子機送信状態ST22の詳細な状態遷移については図15を参照して説明する。子機受信時間帯パワーダウン状態ST10では、子機受信時間帯情報tm から子機受信開始時刻Tst.mと子機受信時間Tr.m を検出し、通信中断回数Nnbをリセットし、子機受信開始時刻Tst.mになると子機受信時間帯状態ST11に遷移する。子機受信時間帯状態ST11では、子機受信時間Tr.m の間に親機の送信データを受信し、子機受信時間Tr.m が終了するか親機から送信停止信号を受信した場合に、次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。子機受信時間帯状態ST11の詳細な状態遷移については図16を参照して説明する。
【0066】
なお、以上の説明では、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含み、これを用いて子機通信タイマの補正を行っているが、子機がビーコン信号を受信したときに子機通信タイマをリセットするようにしてもよい。この場合には、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含む必要はない。また、ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報tm で通知する子機受信時間Tr.m は、親機通信タイマ値で示される通信終了時刻でもよい。
【0067】
(子機送信状態ST21,22の状態遷移)
図15は、子機送信状態ST21,22の状態遷移を示す。子機パワーダウン状態(ビーコンパワーダウン状態ST6、子機受信時間帯パワーダウン状態ST10)において、親機への送信データがある場合に子機送信状態ST21,22のキャリアセンス状態ST23に遷移する。キャリアセンス状態ST23では、キャリアセンス時間Tcsを計測するタイマをスタートさせ、その間に他の無線通信を検知しない場合にデータ送信状態ST24に遷移する。一方、キャリアセンス時間Tcsが終了するまでの間に他の無線通信を検知した場合には未接続パワーダウン状態ST26に遷移する。
【0068】
データ送信状態ST24では、親機へデータを送信してデータ応答待ち状態ST25に遷移する。データ応答待ち状態ST25では、データ送信から応答待ち時間Tcwを計測するタイマをスタートさせ、その間にデータ応答が受信されない場合に未接続パワーダウン状態ST26に遷移する。一方、応答待ち時間Tcwが終了するまでの間にデータ応答が受信された場合には、データ応答確認後に未接続パワーダウン状態ST26に遷移する。
【0069】
未接続パワーダウン状態ST26では、パワーダウン時間Tpdが終了するまで図13の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。パワーダウン時間Tpdの終了後には、子機パワーダウン状態ST6,ST10に一旦戻り、親機への送信データがある場合に子機送信状態ST21,22に遷移して同様の処理を繰り返す。なお、パワーダウン時間Tpdは、所定の最小時間Tpdmin から所定の最大時間Tpdmax の範囲で、遷移するごとにランダムに設定される。
【0070】
(子機受信時間帯状態ST11の状態遷移)
図16は、子機受信時間帯状態ST11の状態遷移を示す。子機受信時間帯パワーダウン状態ST10から子機受信時間帯状態ST11に遷移すると、まず子機受信時間Tr.m を計測するタイマをスタートさせ(ST30)、親機から送信されたデータまたは送信停止信号の受信待ち状態ST31に遷移する。受信待ち状態ST31では、データを受信するとデータ応答送信状態ST32に遷移し、送信停止信号を受信すると送信停止応答送信状態ST33に遷移し、送信停止信号を受信する前に子機受信時間Tr.m が終了すると、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0071】
データ応答送信状態ST32では、データ受信から所定の応答待ち時間Tdw以内にデータ応答を送信し、受信待ち状態ST31に遷移する。送信停止応答送信状態ST33では、送信停止受信から所定の応答待ち時間Tsw以内に送信停止応答を送信し、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0072】
(子機受信時間帯状態ST11における親機の状態遷移)
図17は、子機受信時間帯状態ST11における親機の状態遷移を示す。親機は、ビーコン信号を送信してから子機mに割り当てた受信時間帯になると、まず子機mへの送信期間開始により、子機受信時間Tr.m を計測するタイマをスタートさせ、送信停止再送回数Nsnをリセットする(ST40)。その後、データ送信状態ST41に遷移し、子機mへデータを送信してデータ応答待ち状態ST42に遷移する。データ応答待ち状態ST42では、応答待ち時間Tdwを計測するタイマをスタートさせ、その間にデータ応答が受信されない場合にデータ送信状態ST41に遷移して再送を行う。一方、応答待ち時間Tdwが終了するまでの間にデータ応答が受信された場合には、データ有無確認状態ST43に遷移する。データ有無確認状態ST43では、子機受信時間Tr.m が終了すると子機mへの送信期間終了ST46となるが、子機受信時間Tr.m が終了する前にさらに送信するデータがあればデータ送信状態ST41に遷移し、送信するデータがなければ送信停止信号送信状態ST44に遷移する。
【0073】
送信停止信号送信状態ST44では、送信停止信号を送信して送信停止応答待ち状態ST45に遷移する。送信停止応答待ち状態ST45では、応答待ち時間Tswを計測するタイマをスタートさせ、その間に送信停止応答が受信されない場合に送信停止信号送信状態ST44に遷移して再送を行う。一方、応答待ち時間Tswが終了するまでの間に送信停止応答が受信された場合には、子機mへの送信期間終了とする。また、送信停止応答待ち状態ST45では、送信停止信号の再送回数Nnsを計数しており、Nnsが所定値Nnsmax を超えた場合や子機受信時間Tr.m が終了すると子機mへの送信期間終了ST46とする。
【0074】
(子機の無線信号処理部22の処理手順)
図18,19は、子機の無線信号処理部22の処理手順を示す。なお、本処理手順は、図14の無線制御信号処理における状態遷移に対応するものであり、図18は「未接続状態」、図19は「接続状態」に対応する処理手順を示す。接続状態値が1のときに接続状態、0のときに未接続状態とし、パワーダウン信号値が1のときに無線部21にパワーダウン信号を出力するものとする。
【0075】
図18において、子機は休止状態(接続状態値=0、パワーダウン信号値=0)で、休止時間Td を計測するタイマをスタートさせる(S1,S2)。休止時間Td が終了すると、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答信号の応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせる(S3,S4,S5)。ここで、接続要求応答信号が受信されずに応答待ち時間Tawがタイムアウトすると休止状態に戻る(S6,S7,S1)。一方、応答待ち時間Tawが経過するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態に戻り、接続許可の場合には接続状態(接続状態値=1)になる(S6,S8,S9)。
【0076】
図19において、「接続状態」になると、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマ値Tn を補正し、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)とする(S11,S12)。さらに、子機通信タイマ値Tn がビーコン受信開始時刻Tbsになるまでビーコンパワーダウン状態を継続し、その間に親機への送信データがあれば子機送信状態(図21参照)になる(S13,S14,S15)。
【0077】
また、子機通信タイマ値Tn がTn =Tbsになると、ビーコンパワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせる(S13,S16)。ここで、ビーコン信号が受信されずに受信待ち時間Tbwがタイムアウトすると、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)する(S17,S18,S19)。そして、通信中断回数Nnbが所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S20,S12)、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態に戻る(S20,S21,図18のS1)。これにより、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0078】
一方、受信待ち時間Tbwが経過するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合には、親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正し、子機mの子機受信時間帯情報tm を確認する(S17,S18,S22,S23)。ここで、受信したビーコン信号に子機mの子機受信時間帯情報tm が含まれていない場合には、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S23,S12)、子機受信時間帯情報tm が含まれている場合には、子機受信時間帯パワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)になる(S23,S24)。さらに、子機通信タイマ値Tn が子機受信開始時刻Tst.mになるまで、子機受信時間帯パワーダウン状態を継続し、その間に親機への送信データがあれば子機送信状態(図21参照)になる(S25,S26,S27)。
【0079】
また、子機通信タイマ値Tn が子機受信開始時刻Tst.mになると、子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、子機受信時間帯状態(図20参照)に入る(S28,S29)。そして、子機受信時間帯状態または子機受信状態の終了後にビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻る(S29,S12)。これにより、ビーコン信号を受信してから子機mに割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0080】
(子機受信時間帯状態S29における処理手順)
図20は、子機受信時間帯状態S29における処理手順を示す。子機受信時間帯状態になると、子機受信時間Tr.m を計測するタイマをスタートさせ、子機受信時間Tr.m がタイムアウトすると終了する(S31,S32)。一方、子機受信時間Tr.m が終了するまでの間に親機からの無線信号が受信された場合には、その無線信号がデータ信号か送信停止信号かを判断する(S33,S34)。そして、データ信号の場合には親機へデータ応答を送信し、子機受信時間Tr.m が終了するまで次のデータ信号の受信を繰り返す(S34,S35)。一方、送信停止信号の場合には親機へ送信停止応答を送信し、子機受信時間帯状態を終了する(S34,S36)。
【0081】
(子機送信状態S15,S27における処理手順)
図21は、子機送信状態S15,S27における処理手順を示す。子機パワーダウン状態(ビーコンパワーダウン状態、子機受信時間帯パワーダウン状態)において、親機への送信データがある場合にはパワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、キャリアセンス時間Tcsを計測するタイマをスタートさせる(S41,S42)。このキャリアセンス時間Tcsの間に他の無線通信を検知しない場合には、子機mから親機へのデータ送信を行うデータ送信状態になり、応答待ち時間Tcwを計測するタイマをスタートさせ、データ再送信回数Nncをリセットする(S43,S44,S45)。一方、キャリアセンス時間Tcsが終了するまでの間に他の無線通信を検知した場合には、未接続パワーダウン状態に遷移する(S44,S53)。
【0082】
データ送信から応答待ち時間Tcwが終了するまでの間にデータ応答が受信された場合には、データ再送信回数Nncをリセットし、無線データを無線送信バッファ23から削除し、未接続パワーダウン状態に遷移する(S46,S47,S48,S49,S53)。一方、応答待ち時間Tcwの間にデータ応答が受信されない場合には、データ再送信回数Nncをインクリメント(+1)し、その値が所定値Nncmax を越えなければ、無線データを無線送信バッファ23に保持して未接続パワーダウン状態に遷移する(S46,S50,S51,S52,S53)。一方、所定値Nncmax を越えればデータ再送信回数Nncをリセットし、無線データを無線送信バッファ23から削除し、未接続パワーダウン状態に遷移する(S51,S48,S49,S53)。
【0083】
未接続パワーダウン状態では、パワーダウン時間Tpdを計測するタイマをスタートさせ、パワーダウン時間Tpdが終了するまで子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。パワーダウン時間Tpdの終了後には、親機へのデータ送信を終了する(S54,S55)。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0085】
また、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた子機受信時間帯になるまで、さらに子機受信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0086】
また、子機受信時間帯で親機から子機へのデータ送信が終了したときに、子機は子機受信時間帯の終了を待たずにビーコンパワーダウン状態に設定することができるので、子機の消費電力をさらに低減することができる。
【0087】
また、本発明は、親機から子機へのデータ送信は、親機から子機へビーコン信号によりあらかじめ通知された子機受信時間帯に行われるが、子機から親機へのデータ送信は、子機のパワーダウン中に他の無線通信が行われていないことを確認して行うことができる。これにより、親機から子機への大容量のデータ送信(ダウンロード)を確実に行うことができるとともに、子機から親機への比較的小容量のデータ送信を空き時間を利用して行うことができ、効率的な無線データ通信が可能となる。
【0088】
また、本発明は、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および子機受信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができるので、子機の消費電力の低減効果を最大限に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図2】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図3】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図4】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図5】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスを示すタイムチャート。
【図6】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスを示すタイムチャート。
【図7】子機受信時間帯状態における親機−子機間の無線データ通信停止シーケンスを示すタイムチャート。
【図8】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図9】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図10】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図11】子機パワーダウン状態における親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図12】本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示すブロック図。
【図13】本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示すブロック図。
【図14】子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す状態遷移図。
【図15】子機送信状態ST21,ST22の状態遷移を示す状態遷移図。
【図16】子機受信時間帯状態ST11の状態遷移を示す状態遷移図。
【図17】子機受信時間帯状態ST11における親機の状態遷移を示す状態遷移図。
【図18】子機の無線信号処理部22の処理手順(未接続状態)を示すフローチャート。
【図19】子機の無線信号処理部22の処理手順(接続状態)を示すフローチャート。
【図20】子機受信時間帯状態S29の処理手順を示すフローチャート。
【図21】子機送信状態S15,S27の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11 無線部
12 無線信号処理部
13 無線送信バッファ
14 ネットワークインタフェース部
15 ネットワーク
21 無線部
22 無線信号処理部
23 無線送信バッファ
24 中央処理部
25 表示部
26 操作部
27 記憶部
Claims (15)
- 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、
前記ビーコン信号を受信した子機は、前記ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返し、
前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態にあるときに、前記親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態に戻る
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信方法において、
前記親機と未接続の子機は、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信し、
前記接続要求信号を受信した親機は、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信し、
前記接続要求応答信号を受信した子機は、前記接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、前記ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信し、
前記ビーコン信号を受信した子機は、前記ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返し、
前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態にあるときに、前記親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態に戻る
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記ビーコン信号を受信した子機は、前記ビーコン信号に子機の子機受信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記子機受信時間帯で前記親機から前記子機へのデータ送信が終了したときに前記親機から前記子機へ送信停止を通知し、前記子機は前記子機受信時間帯の終了を待たずに前記ビーコンパワーダウン状態に遷移する
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記子機送信状態では、子機から親機へのデータ送信後に、ランダムなパワーダウン時間だけ子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態を経て、前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態に戻る
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信し、
前記子機は、前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記ビーコン信号の受信により前記親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、前記ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報から得られる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、子機受信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、
前記子機は、前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、前記接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信システムにおいて、
前記子機は、
前記ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段と、
前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態にあるときに、前記親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態に戻る手段とを備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた子機受信時間帯を示す子機受信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された子機受信時間帯に親機から送信されたデータ信号を受信する無線データ通信システムにおいて、
前記子機は、
前記親機と未接続のときに、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する手段と、
前記親機から送信された接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、前記ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する手段と、
前記ビーコン信号で通知される子機受信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた子機受信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に子機受信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機から送信されたデータ信号を受信し、子機受信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段と、
前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態にあるときに、前記親機へ送信するデータがあればパワーダウン状態から復帰して子機送信状態に設定し、他の無線通信が行われていないことを確認して子機から親機へデータ送信を行い、その後に前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態に戻る手段とを備え、
前記親機は、
前記接続要求信号を受信したときに、前記子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信する手段を備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項8または請求項9に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記子機は、受信した前記ビーコン信号に子機の子機受信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する手段を含む
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項8または請求項9に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記親機は、前記子機受信時間帯で前記親機から前記子機へのデータ送信が終了したときに前記子機へ送信停止を通知する手段を備え、
前記子機は、前記親機から送信停止を通知されたときに、前記子機受信時間帯の終了を待たずに前記ビーコンパワーダウン状態に遷移する手段を含む
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項8または請求項9に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記子機は、前記子機送信状態で子機から親機へのデータ送信後に、ランダムなパワーダウン時間だけ子機の電力消費レベルを低下させる未接続パワーダウン状態を経て、前記子機受信時間帯パワーダウン状態および前記ビーコンパワーダウン状態に戻る手段を含む
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項8または請求項9に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記親機は、
前記所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する手段を備え、
前記子機は、
前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記ビーコン信号の受信により前記親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、前記ビーコン信号に含まれる子機受信時間帯情報から得られる子機受信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、子機受信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項9に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記親機は、
所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、
前記子機は、
前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、前記接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項8または請求項9に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記親機は、
子機との接続により対応する子機別バッファ領域を確保し、子機との接続断により対応する子機別バッファ領域を開放する無線送信バッファと、
前記子機への送信データ信号をそれぞれ対応する子機別バッファ領域に保持し、子機の子機受信時間帯に対応する子機別バッファ領域に保持された送信データ信号を読み出して送信する手段とを備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。
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- 2003-04-25 JP JP2003122370A patent/JP2004328501A/ja active Pending
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