JP2004327637A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤作動が少なく、また、良好なFFPを有する端面保護膜を有する半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】n型半導体層、活性層、及びp型半導体層からなる窒化物半導体層を備え、窒化物半導体層は、ストライプ状の導波路領域と、導波路領域の端部に共振器面を含む端面を有する半導体レーザ素子であって、端面上に、共振器面から非共振器面に連続する端面保護膜を有し、端面保護膜は、非共振器面上で膜厚が減少する膜厚傾斜領域を有し、膜厚傾斜領域内に、端面の透過率差の最大領域を有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体を用いた半導体層の端面に誘電体保護膜が形成された半導体レーザ素子に関し、特に、高出力の半導体レーザ素子に関するものである。半導体素子の具体的な組成としては、GaN、AlN、若しくはInN、又はこれらの混晶であるAlGaN系、InGaN系、AlInGaN系を含むIII−V族窒化物半導体が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体素子は、比較的短波長の紫外線領域から赤色を含む可視光領域までの広い波長領域の発光を有しており、半導体レーザダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)などを構成する材料として広く用いられている。近年は、小型化、長寿命化、高信頼性、かつ高出力化が進み、主にパーソナルコンピュータ、DVDなどの電子機器、医療機器、加工機器や光ファイバ通信の光源などに利用されている。
【0003】
このような窒化物半導体素子は、主としてサファイア基板上にバッファ層、n型コンタクト層、クラック防止層、n型クラッド層、n型光ガイド層、活性層、p型電子閉じ込め層、p型光ガイド層、p型クラッド層、p型コンタクト層などが順に積層された積層構造体からなっている。また、エッチングによりストライプ状のリッジを形成したり、あるいは、電流狭窄層を形成したりすることによりストライプ状の導波路領域が形成されている。n型コンタクト層とp型コンタクト層にはそれぞれn側電極、p側電極は設けられ、通電により活性層を発光させているものである。さらに所定の共振器長で導波路領域の両端面に共振器面が形成されており、この共振器面からレーザ光が放出される。
【0004】
このような共振器面には、絶縁性の保護膜などが形成されており、これによって出射側とモニター側との反射率差を設けている。モニター側の保護膜は、反射率の高い保護膜を設けることで出力を向上させることができるので、出射側に比して相対的に反射率の高い保護膜が設けられている。
【0005】
また、モニター側と出射側との反射率差の大きい保護膜を有する半導体レーザ素子は、導波路領域から漏れだす光(迷光)がモニター側から放出されにくく、出射側の端面から放出されるようになる。そのため、その迷光によってファーフィールドパターン(FFP)にノイズ(凹凸)が生じ、非ガウス分布になってしまう場合がある。これらの迷光が外部に放出されるのを防ぐために、基板の端面などを被覆するように金属膜などからなる不透明膜を形成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−280663号公報
【0007】
しかしながら、レーザ素子の駆動を制御するためにモニター側にフォトダイオード(検出器)を設けている場合は、端面保護膜の反射率を高くしすぎると外部に出射される光の出力が低すぎて、検出器が検出しにくくなり、そのために駆動制御性が低下して誤作動を生じやすくなるという問題が生じる。さらに、出射側共振面についても、端面の一部に不透明膜を設けようとすると、そのためにマスク形成工程などの工程が増やす必要がある。特に、ウエハをバー状分割し、そのバー状レーザの端面に端面保護膜を形成する場合は、位置精度よくマスクを形成すること自体が困難であるので、そのマスクによって端面保護膜の形成領域を制御するのはさらに困難である。特に不透明膜として金属材料を用いる場合は、位置精度の制御性が低いと短絡の原因となるなどの問題がある。また、不透明膜を広い領域に渡って形成させると、金属材料と半導体層との熱膨張係数差によって、材料によっては不透明膜と半導体層、あるいは他の保護膜等との密着性が低下して剥がれやすくなるなどの問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、工程を増やすことなく端面保護膜を形成し、かつ、モニター側からの光出力の低減を抑制して誤作動を起こしにくい半導体レーザ素子及び、出射側端面から放出される迷光によるFFPの悪化を抑制して、良好なビーム特性が得られ、かつ、素子駆動時においても劣化の少ない半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の半導体レーザ素子は、n型半導体層、活性層、及びp型半導体層からなる窒化物半導体層を備え、窒化物半導体層は、ストライプ状の導波路領域と、導波路領域の端部に共振器面を含む端面を有する半導体レーザ素子であって、端面上に、共振器面から非共振器面に連続する端面保護膜を有し、端面保護膜は、非共振器面上で膜厚が減少する膜厚傾斜領域を有し、該膜厚傾斜領域内に、端面の透過率差の最大領域を有することを特徴とする。
【0010】
端面保護膜は、透過率及び屈折率を制御することで、一方を出射側とし、もう一方をモニター側とすることができる。これらは、発光波長と半導体層の屈折率等に応じて、端面保護膜の材料や膜厚等を選択することで制御することができる。このとき、活性層及び光ガイド層を含む発光層領域の端面であり、導波路領域の端面である共振器面に形成される端面保護膜の反射率を基準として制御することで、効率よく所望の光学特性を得ることができる。本願では、この共振器面の近傍(同一面、非同一面含む)に、膜厚が減少するように傾斜する端面保護膜を有するものである。このような構成とすることで、共振器面では所望の透過率(反射率)に設定されている端面保護膜は、設定された透過率と異なる透過率を有する膜となる。これにより、共振器面とは光学特性の異なる端面保護膜とすることができるので、連続する単一の端面保護膜でありながら、レーザ光の光学特性を制御可能な多機能の端面保護膜とすることができる。尚、膜厚傾斜領域の膜厚については、全体的に傾斜するように形成されていればよいので、例えば部分的に傾斜していない領域を有していてもよく、あるいは、逆方向に傾斜している部分を有していてもよい。
【0011】
端面に透過率差を設けるには、端面保護膜を部分的に形成することでも得ることができるが、そのためにマスクを有するなど工程が増えてしまうだけでなく、マスク形状及びマスク形成位置の制御性が悪いと、共振面上の端面保護膜の反射率が設定からずれやすくなる場合がある。また、マスクの位置精度のずれを考慮して共振器領域からかなり離間する位置にマスクを設けると、共振器面の端面保護膜は精度よく形成できるものの、端面保護膜が形成されない領域が導波路領域からやや離間してしまう。そのために、導波路領域の光学特性を制御し向上させるという効果は低くなる。
【0012】
また、フォトリソを用いて保護膜を部分的に設けると、保護膜の形成領域と非形成領域とが形成され、その膜厚差と透過率差とが、同一の位置で変化することになる。透過率差が設けられるのはよいが、膜厚差があまりに大きすぎると、その段差部によって光学特性が阻害される場合があり、光学特性を制御しにくくなる等の問題が生じやすくなる。さらに、応力差も大きくなりやすいので、保護膜が剥がれやすくなる場合もある。本願のように、端面保護膜を、導波路領域の端部の共振器面では均一な膜厚となるように形成し、非共振器面で徐々に膜厚が減少するように傾斜する膜厚傾斜領域を設けることで、応力による悪影響を低減することができる。しかも、その膜厚傾斜領域内に透過率差を利用してその領域内に透過率差の最大領域を有するように制御することで、導波路に比較的近い領域で光学特性を効率よく制御することができる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の半導体レーザ素子は、端面は共振器面から突出する段差部を有し、膜厚傾斜領域は、段差部と共振器面との間に設けられていることを特徴とする。
【0014】
このような構成とすることで、より導波路領域に近い部分に膜厚傾斜領域を、数ミクロンの範囲で制御性よく形成させることができる。特に、基板の反りや膜厚、あるいは半導体層の膜厚の面内分布等の影響を受けにくくすることができる。また、膜厚傾斜領域を複数形成させることができるなど、端面保護膜の機能をさらに細かく設定することが可能となる。
【0015】
本発明の請求項3に記載の半導体レーザ素子は、端面保護膜の膜厚傾斜領域は、半導体層の積層面と略平行方向に傾斜するよう設けられていることを特徴とする。
【0016】
このような構成とすることで、特に半導体層の積層面に対して垂直な方向に対する光学特性を制御することができる。
【0017】
本発明の請求項4に記載の半導体レーザ素子は、端面保護膜の膜厚傾斜領域は、導波路領域を略中心として傾斜するように設けられていることを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることで、特に導波路領域をはさむ横方向(積層面に対して平行な方向)に対する光学特性を制御することができる。
【0019】
本発明の請求項5に記載の半導体レーザ素子は、端面保護膜の膜厚傾斜領域は、透過率差を有する領域を複数有し、膜厚傾斜領域と膜厚非傾斜領域との境界近傍に透過率差の最大領域を有することを特徴とする。
【0020】
本願においては、端面保護膜は、非共振器面上において膜厚が徐々に減少する膜厚傾斜領域を有するが、その膜厚傾斜と透過率傾斜は一致していない。透過率は膜厚に応じて徐々に変化するのではなく、その膜厚傾斜領域の初期領域において、すなわち、膜厚非傾斜領域と膜厚傾斜領域との境界近傍に、透過率差のそのため、透過率差を有する領域を複数形成することができる。本願のように、透過率差の最大領域を、膜厚傾斜領域と膜厚非傾斜領域との境界近傍に設けることで、比較的導波路に近い領域に透過率差の大きい領域を設けることができるので、多機能の端面保護膜を効率よく利用することができる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の半導体レーザ素子は、端面保護膜は、共振器面上の膜厚非傾斜領域の透過率よりも、膜厚傾斜領域の透過率の方が高いことを特徴とする。
【0022】
モニター側共振器面の端面保護膜は、透過率を低くすることで光の取り出し効率が向上するが、外部に放出される光が少なすぎると、検出器が光を感知しにくく、誤動作の原因となりうる。そのため、共振器面上の膜厚非形成領域においては低透過率である端面保護膜と連続して設けられる膜厚傾斜領域内に、端面の透過率差が最大となる領域、すなわち、高透過率の領域を有することで、共振器部分は高い反射率を保持して優れた反射率を実現しつつ、その近傍に透過率が高く導波路から漏れ出した光等を外部に放出させてモニター側に設けられる検出器に向けて光を放出することができるので、駆動制御し易く、誤作動を低減させることができる。
【0023】
本発明の請求項7に記載の半導体レーザ素子は、共振器面上の膜厚非傾斜領域の透過率よりも、膜厚傾斜領域の透過率の方が低いことを特徴とする。
【0024】
出射側共振器面の端面保護膜は、モニター側に比して高い透過率を有しているので、導波路領域から漏れだした光(迷光)も外部に放出され易くなっている。本願のような構成とすることで、共振器部分は高い透過率を保持しつつ、その近傍に、透過率の低い領域を容易に設けることができるので、迷光が外部に放出されるのを抑制して、主ビームに凹凸のない良好なFFPを得ることができる。
【0025】
本発明の請求項8に記載の半導体レーザ素子は、端面保護膜の膜厚傾斜領域は、n型半導体層側の端面上に設けられていることを特徴とする。
【0026】
このような領域に設けることで、透過率差の最大領域が領域により近くなるので効率よく光学特性を制御することができる。
【0027】
本発明の請求項9に記載の半導体レーザ素子は、端面保護膜の膜厚傾斜領域は、n型半導体層側に設けられる基板の端面上に設けられていることを特徴とする。
【0028】
このような構成とすることで、製造工程上の導波路領域以外から外部に放出される光の制御を効率良く制御することができる。
【0029】
本発明の請求項10に記載の半導体レーザ素子の製造方法は、n型半導体層、活性層、及びp型半導体層からなる窒化物半導体層を備えてなるバー状レーザ素子の露出された共振器面を含む端面に、端面保護膜を形成させる方法であって、
隣接するバー状レーザ素子との間に、端面の一部上にまで延在する突出部を有するスペーサを用いることを特徴とする。
【0030】
このような構成とすることで、別工程でマスクを形成することなく、膜厚均一領域(膜厚非傾斜領域)と、膜厚傾斜領域とを容易に形成させることができる。
【0031】
本発明の請求項11に記載の半導体レーザ素子の製造方法は、前記スペーサの突出部は、半導体層端面の積層面と略平行になるように突出するよう設けられていることを特徴とする。
【0032】
このような構成により、半導体層の積層面と略平行な膜厚傾斜領域を形成することができる。
【0033】
本発明の請求項12に記載の半導体レーザ素子の製造方法は、前記スペーサの突出部は、半導体層端面の導波路領域に挟まれた領域の活性層上に突出するよう設けられていることを特徴とする。
【0034】
このような構成とすることで、導波路領域の端面である共振器面以外の領域に膜厚傾斜領域を形成させることができる。
【0035】
本発明の請求項13に記載の半導体レーザ素子の製造方法は、前記スペーサの突出部は、スペーサの一方向に形成されていることを特徴とする。
【0036】
このような構成とすることで、バー状レーザの端面の、p型半導体層側、あるいはn型半導体層側のみに、膜厚傾斜領域を形成させることができる。
【0037】
本発明の請求項14に記載の半導体レーザ素子の製造方法は、前記スペーサは、半導体層と対向する平面と、その平面よりも突出している突出部との間に、凹部を有することを特徴とする。
【0038】
このような構成とすることで、バー状レーザの載置位置の制御性を向上させることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明するが、本発明の半導体レーザ素子は、実施の形態に示された素子構造に限定されるものではない。
【0040】
本発明の半導体レーザ素子は、ストライプ状の導波路領域を有する半導体層の端面に設けられる端面保護膜を、膜厚の均一な領域(膜厚非傾斜領域)と、膜厚傾斜領域と、とをそれぞれ特定の位置に有するものである。これにより、膜厚傾斜領域に端面の透過率差の最大領域を有するような構成とすることができる。膜厚非傾斜領域と膜厚傾斜領域とは同一工程で形成されているので、マスク形成工程など他の工程を増やすことなく、密着性に優れた端面保護膜を形成できるとともに、光学特性を制御可能な端面を容易に形成することができる。膜厚の設計は、出射側及びモニター側とも、主として活性層を含む発光層領域の端面である共振器面での透過率(反射率)を基準として決定する。
【0041】
出射側、モニター側とも、それぞれ、目的に応じた設計値とすることができる。
モニター側は、主として透過率が低くなるように設定する。共振器面の透過率が低い場合の例を図2に示す。図2は、基板201上にn型半導体層202、活性層204、p型半導体層203が積層された半導体層にp側オーミック電極205と、さらにその上にp側パッド電極206が形成された半導体層の導波路領域の断面図である。導波路領域の端面である共振器面と、導波路領域以外の端面である非共振器面とに連続するように端面保護膜211が形成されている。そして、端面保護膜211は、共振器面を含む領域では透過率が低くなるように設計されているとともに、膜厚傾斜領域には、図中に示すように透過率差の最大領域が形成されている。これにより、光が外部に放出されにくいモニター側端面保護膜であっても、膜厚傾斜領域から放出される光によって、出力不足による検出器の制御性が悪化しにくくすることができる。ここでは、膜厚傾斜領域の透過率は、基板201端面の透過率よりも高くなるように設計されているが、基板を最も高い透過率となるように設定することもできる。
【0042】
また、出射側の共振器面には、主として透過率が高くなるように設定する。共振器面の透過率が高い場合の例を図3に示す。図3は、基板301上に、n型半導体層302、活性層304、p型半導体層303が積層された半導体層にp側オーミック電極305、p側パッド電極306が形成された半導体層の導波路領域の断面図である。導波路領域の端面である共振器面と、導波路領域以外の端面である非共振器面とに連続するように端面保護膜311が形成されている。そして、端面保護膜311は、共振器面を含む領域では透過率が高くなるように設計されているともに、膜厚傾斜領域には、図中に示すように透過率差の最大領域が形成されている。これにより、光を放出しやすい出射側端面保護膜であっても、膜厚傾斜領域の低い透過率によって、導波路領域以外から外部に光が漏れるのを抑制することができるので、導波路領域からの漏れ光(迷光)に起因するノイズによるFFPの悪化を低減して、良好なFFPを得ることができる。
【0043】
透過率差を設ける領域は、導波路領域に比較的近い位置が好ましく、これにより光学特性をより制御しやすくなる。また、透過率差の変化率は、緩やかに変化するものでもよく、或いは、急激に変化するものでもよい。変化率は、端面保護膜を多層膜とする場合は、その積層膜数(ペア数)や、各層の膜厚、及び用いる材料の屈折率よって異なるので、目的に応じてそれらの条件を適宜選択することができる。
【0044】
図4は、共振器面に形成されている端面保護膜は、透過率が低くなるように設計されている図である。図2と同様に、そして、単層、あるいは、積層数の少ない(ペア数の少ない)端面保護膜を形成している。そのため、図2と比して、透過率の変化が、比較的緩やかになっている。
【0045】
また、膜厚傾斜領域の面積も、任意に選択することができる。例えば、図2と図4とを、同じ積層数の端面保護膜にすると、透過率差が最大の領域では、その変化の仕方はほぼ同じである。但し、それに続く透過率曲線の振幅領域(振幅数)が異なることになる。このような差は、端面形成時のスパッタ条件や角度によって調整することができる。
【0046】
本願において端面保護膜の透過率とは、活性層から発光される波長に対する透過率である。そして、同一材料で、かつ、連続するように設けられる端面保護膜が、導波路領域とそれ以外の領域の端面、すなわち、共振器面と非共振器面とにおいて、それぞれ膜厚が均一な領域と、膜厚が徐々に減少する膜厚傾斜領域とすることで、発光波長に対する透過率が異なる光学的多機能膜とすることができる。
【0047】
また、端面保護膜を、上記のような膜厚傾斜領域を有する端面保護膜と、膜厚がほぼ均一な端面保護膜との積層構造とすることもできる。図5は、基板501及びn型半導体層の一部にかけて連続する端面保護膜511(b)が形成されている。ここでは、膜厚非傾斜領域は基板端面のみに設けられており、透過率は低くなるように設定されている。そして、膜厚傾斜領域において透過率差の最大領域を有し、ここで透過率が最大になる領域を有している。そして、このような端面保護膜上と、端面保護膜511(b)に被覆されていないn型半導体層502の一部、活性層504、p型半導体層の端面上に端面保護膜511(a)が形成されている。端面保護膜511(a)は、端面全面を被覆していることになる。このように、複合的な端面保護膜とすることもできる。これら複合端面保護膜は、そのどちらが上になるような積層形態とするかは、目的や用途に応じて適宜選択することができる。また、p型半導体層側に膜厚傾斜領域を有する端面保護膜と、n型半導体層側に膜厚傾斜領域を有する端面保護膜とを積層させることもできる。あるいは、それぞれの膜厚傾斜領域の傾斜方向が同一の端面傾斜領域を有する端面保護膜を、その領域(面積)が異なるようにして積層させることもできる。
【0048】
膜厚傾斜領域は、モニター側端面のみ、あるいは、出射側端面のみに設けることで、それぞれ優れた特性を有する端面保護膜として機能するが、好ましくは、両端面に設けることで、高出力を実現しつつ、誤動作やノイズの少ない極めて良好な素子特性を有する半導体レーザ素子とすることができる。
【0049】
端面保護膜の具体的な材料としては、導体材料としては、Si、Mg、Al、Hf、Nb、Zr、Sc、Ta、Ga、Zn、Y、B、Ti、更にはこれらの酸化物、窒化物、フッ化物などの化合物から選ばれたいずれかから選ばれたものを用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせた化合物或いは多層膜として用いてもよい。好ましい材料としてはSi、Mg、Al、Hf、Zr、Y、Gaを用いた材料である。また、また、半導体材料としてはAlN、AlGaN、BNなどを用いることができる。絶縁体材料としてはSi、Mg、Al、Hf、Nb、Zr、Sc、Ta、Ga、Zn、Y、Bの酸化物、窒化物、フッ化物等などの化合物を用いることができる。
【0050】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体素子の構成を表すものであって、基板101上に、n型窒化物半導体層102、活性層104、p型窒化物半導体層103が積層され、p型窒化物半導体層にストライプ状のリッジが設けられた半導体レーザ素子である。リッジは、p型窒化物半導体層の一部をエッチング等の手段により除去することで形成することができ、これにより実効屈折率型の導波路を形成することができる。また、リッジとして、p型窒化物半導体層からn型窒化物半導体層までの一部をエッチングすることで形成して、完全屈折率型の導波路としてもよく、又は、選択成長によりリッジを形成してもよい。リッジは、底面側の幅が広く上面に近づくに従ってストライプ幅が小さくなる順メサ形状に限らず、逆にリッジ底面に近づくにつれてストライプの幅が小さくなる逆メサ形状でもよく、また、積層面に垂直な側面を有するストライプであってもよく、これらが組み合わされた形状でもよい。また、ストライプ状の導波路は、その幅がほぼ同じである必要はない。また、このようなリッジを形成した後にリッジ表面やリッジ両脇に半導体層を再成長させた埋め込み型のレーザ素子であってもよい。また、リッジを有しない利得導波型の導波路としてもよい。
【0051】
リッジの側面及びそのリッジから連続するp型窒化物半導体層の上面にかけて第1の絶縁膜109が形成されている。リッジ上面及び第1の絶縁膜の上面にはp側オーミック電極105が、また、n型窒化物半導体層の上面にはn側オーミック電極107が設けられている。n側のオーミック電極の上部に開口部を有する第2の絶縁膜110が、第1の絶縁膜の上部にまで連続するよう設けられている。p型窒化物半導体層の上部には、第2の絶縁膜及びp側オーミック電極と接するp側パッド電極106が設けられている。また、n側オーミック電極上にもn側パッド電極108が設けられている。
【0052】
オーミック電極とパッド電極とは、その機能が異なるため、それぞれの大きさ(幅・長さ)や形状は、目的に応じて、あるいは工程等を考慮して好ましい形状とすることができる。また、動作部において接するように形成されていればよいので、ぞれぞれの全面で接続されていなくてもよい。p側電極の場合は、導波路領域に対応するよう、例えばリッジ上部で接合されるようにすることで、界面抵抗による動作電圧上昇を抑制できるので好ましい。また、オーミック電極よりも後工程で形成されるパッド電極は、その底面において、オーミック電極のみと接するように形成することもできるし、あるいはその一部がオーミック電極上に形成され、他の部分が半導体層上若しくは絶縁膜上に接するように設けてもよい。
【0053】
また、オーミック電極は、ストライプ状の導波路領域と略平行になるようストライプ状に形成するのが好ましいが、これに限られるものではない。すなわち、オーミック電極の形状がストライプ状でなくても、半導体層との接触領域がストライプ状となるように形成されていればよい。また、ストライプと平行な方向の導波路領域の全領域に渡るように設けるのが好ましいが、電極形成時のフォトリソ工程は、後工程でのチップ化工程等を考慮して、端面から離間するようにすることもでき、目的に応じて好ましい大きさ及び形状を選択することができる。
【0054】
オーミック電極とパッド電極の接続領域は、導波路領域の全領域に相当する領域で接続させることで動作電圧を安定にすることができ好ましいが、パッド電極をオーミック電極よりも短くして、パッド電極が素子分割時の分割領域上部に形成されてないようにするのが好ましい。
【0055】
p型窒化物半導体層に設けられるp側オーミック電極の電極材料としては、p型窒化物半導体層とオーミック性及び密着性が高い材料を選択することができ、具体的には、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Cu、Au、W、Mo、Ta、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Os及びこれらの酸化物、窒化物等があげられ、これらの単層、合金、或いは多層膜を用いることができる。好ましくは、Ni、Co、Fe、Cu、Au、Alから選択される少なくとも1種、及びこれらの酸化物、窒化物等である。
【0056】
p側オーミック電極は熱処理によって良好なオーミック性を実現できる。熱処理温度としては、350℃〜1200℃の温度範囲とするのが好ましく、更に好ましくは400℃〜750℃で、特に好ましくは450℃〜600℃である。
【0057】
また、p側パッド電極の電極材料としては、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、Au、W、Zr、Mo、Ta、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Os及びこれらの酸化物、窒化物等があげられ、これらの単層、合金、或いは多層膜を用いることができる。最上層はワイヤ等を接続させるのでAuを用いるのが好ましい。そして、このAuが拡散しないようにその下層には拡散防止層として機能する比較的高融点の材料を用いるのが好ましい。例えば、Ti、Pt、W、Ta、Mo、TiN等が挙げられ、特に好ましい材料としてはTiが挙げられる。膜厚としては、総膜厚として3000Å〜20000Åが好ましく、更に好ましくは7000Å〜13000Åの範囲である。
【0058】
n型窒化物半導体層に設けられるn側オーミック電極としては、n型窒化物半導体層とオーミック性及び密着性が高い材料を選択することができ、具体的には、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、Au、W、Zr、Mo、Ta、Al、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Os等があげられ、これらの単層、合金、或いは多層膜を用いることができる。好ましくは、Ti、Alを順に積層した多層構造である。n側オーミック電極形成後は、半導体層とのオーミック性を良くするために、材料によっては熱処理を行うことが好ましい場合がある。また、n側オーミック電極の膜厚としては、総膜厚として100Å〜30000Å程度が好ましく、更に3000Å〜15000Å程度が好ましく、特に好ましくは5000Å〜10000Åである。この範囲内で形成することで、接触抵抗の低い電極とすることができるので好ましい。
【0059】
また、n側パッド電極の電極材料としては、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、Au、W、Zr、Mo、Ta、Al、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Os等があげられ、これらの単層、合金、或いは多層膜を用いることができる。好ましくは多層膜とし、最上層はワイヤ等を接続させるのでAuを用いるのが好ましい。そして、このAuが拡散しないようにその下層には拡散防止層として機能する比較的高融点の材料を用いるのが好ましい。例えば、Ti、Pt、W、Mo、TiN等が挙げられる。膜厚としては、総膜厚として3000Å〜20000Åが好ましく、更に好ましくは7000Å〜13000Åの範囲である。
【0060】
n側電極は、上記のようにオーミック電極とパッド電極とを別工程で設けるのではなく、連続して形成して両方の機能を兼ねる、すなわち、半導体層とオーミック接触するオーミック電極で、且つ、ワイヤを形成させる取り出し電極(パッド電極)とを兼用するn電極とすることもできる。これは、p側電極に比してn型半導体層とのオーミック接触が比較的容易であり、しかも、導波路領域からやや離間する領域であるため、光学特性をあまり考慮する必要がないため材料の自由度が大きいためである。このようなn電極の膜厚としては、総膜厚として3000Å〜20000Åが好ましく、更に好ましくは7000Å〜13000Åの範囲である。
【0061】
第1の絶縁膜は、電流の注入領域をリッジ上面に限定するために設けているものであるが、導波路領域に近接して設けられているため光の閉じ込め効率にも作用するものであるので、用いる絶縁膜材料によって好ましい膜厚を選択することができる。第1の絶縁膜は、窒化物半導体層とほぼ同一幅となるように形成させることもできる。p側オーミック電極よりも前に形成される第1の絶縁膜は、オーミック電極の熱処理時に、共に熱処理される。熱処理されることで、単に堆積された膜に比して膜の強度(膜内の原子レベルでの結合力)が増し、半導体層との界面における接合強度も向上する。そのような第1の絶縁膜を、特に第2の絶縁膜が形成される半導体層上面の端部にまで形成することで、第2の絶縁膜の密着性も向上させることができる。
【0062】
また、p側パッド電極は、図1(b)のような形状に限らす、第2の絶縁膜と接しないように形成することもできる。特に、ジャンクションダウンで用いる場合、p側パッド電極に熱が加わるが、その際に、熱膨張によって体積が大きくなって素子の側面方向(p型半導体層の端方向)に流出し易くなる。また、熱だけでなく、圧力も加わるので、それによっても電極材料が側面方向に流出しやすくなる。そのため第2の絶縁膜と離間させるようにすることで、p側パッド電極の電極材料が側面方向に流出して短絡が生じるのを防ぐことができる。
【0063】
第1の絶縁膜の材料としてはSi、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlN、AlGaNの内の少なくとも一種で形成することが望ましく、その中でもZr、Hf、Siの酸化物、BN、AlN、AlGaNを用いることが特に好ましい。
【0064】
また、第1の絶縁膜の膜厚としては、具体的には、10Å以上10000Å以下の範囲、好ましくは100Å以上5000Å以下の範囲とすることである。なぜなら、10Å以下であると、電極の形成時に、十分な絶縁性を確保することが困難で、10000Å以上であると、かえって保護膜の均一性が失われ、良好な絶縁膜とならないからである。また、前記好ましい範囲にあることで、リッジ側面において、リッジとの間に良好な屈折率差を有する均一な膜が形成される。
【0065】
第2の絶縁膜は、p側オーミック電極の、リッジ上部を除く全面に設けることができ、エッチングによって露出されたp型半導体層及び活性層の側部端面にも連続するように設けるのが好ましい。好ましい材料としては、Si、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlN、AlGaNの内の少なくとも一種で形成することが望ましく、その中でも特に好ましい材料として、SiO、Al、ZrO、TiOなどの単層膜または多層膜を挙げることができる。
【0066】
また、上記リッジのストライプ方向を共振器方向とするために、端面に設けられている一対の共振器面は、劈開又はエッチング等によって形成することができる。劈開で形成させる場合は、基板や半導体層が劈開性を有していることが好ましく、その劈開性を利用すると優れた鏡面を容易に得ることができる。また、劈開性がなくても、エッチングによって共振器面を形成させることができ、この場合はn電極形成面を露出させる際に同時に行うことで、少ない工程で得ることができる。また、リッジ形成と同時に形成することもできる。このように各工程と同時に形成させることで工程を少なくすることができるが、より優れた共振器面を得るためには、別工程を設けるのがよい。
【0067】
本発明は、端面保護膜が、膜厚傾斜領域を有するものであり、実施の形態1では、モニター側共振器面に設けられて、具体的には、図1(c)のように、導波路領域の端部の共振器面と、非共振器面とが、単一の平面となるように形成されている。端面保護膜は、共振器面上ではほぼ均一な膜厚となるように形成されており、非共振器面上において膜厚が減少するように形成された膜厚傾斜領域を有している。
【0068】
膜厚傾斜領域は、共振器面以外の領域のほぼ全面に設けられていてもよく、あるいは一部に設けられていてもよい。本実施の形態1では、基板の一部が露出するように形成されているが、このような形態に限らず、ほぼ全面に端面保護膜を形成することもできる。
【0069】
本実施の形態1では、半導体層と略平行な方向に膜厚が傾斜するように設けられている。このような端面保護膜は、図6(a)及び図6(b)のような突出部を有するスペーサを用いることで容易に形成させることができる。
【0070】
図6(a)は、半導体層が積層され、電極等が形成されたウエハを、共振器面が露出するように分割されたバー状レーザ素子を、スパッタ装置等の装置内に設置していることを示す模式図である。突出部612(a)を有するスペーサ612で、バー状レーザ素子を狭持するように載置しており、本実施の形態1では、バー状レーザ素子の基板601側が、突出部と対向する側に設置している。スペーサ612の突出部612(a)は、その突出部の長さや厚さ、及び突出部先端部の形状や角度、さらには共振器面と突出部との距離によって、膜厚傾斜領域の幅及び傾斜率を変化させることができる。
【0071】
膜厚傾斜領域の幅は、突出部と半導体層の共振器面との距離や、突出部の幅を制御することで任意の幅を選択することができる。モニター側に誘電体多層膜を複数のペア数で形成させる場合、導波路領域の端部の共振器面は均一な膜厚で、低透過率(高反射率)となるように形成させる。そして、突出部が、n型半導体層側(基板側)から突出するようなスペーサを用いることで、n型半導体層端面に膜厚傾斜領域を形成することができる。
【0072】
また、スペーサは、図6に示すように、突出部612(a)が一方向に形成されているものが好ましい。突出部によって膜厚を制御する場合、両方向に突出部を形成してしまうと、膜厚の制御性が低下し易くなる。特に、膜厚の非傾斜領域、すなわち、均一な膜厚領域の制御が困難となるので、端面保護膜の設定が難しく、所望の反射率(透過率)を再現性よく形成しにくくなる。
【0073】
また、スペーサは、半導体層と対向する平面と、その平面よりも突出している突出部612(a)との間に凹部612(b)を有していてもよい。これは、スペーサの加工性によるもので、膜厚傾斜領域を制御するためには、例えば図6(b)のように、基板601の表面と、スペーサ612の表面が隙間のないように載置するのが好ましい。凹部612(b)を形成しない場合は、ここが曲面となりやすく、この曲面が平面部よりも突出することで、基板とスペーサとが、密着性よく載置できなくなる。これにより、突出部が被覆する領域も設計値からずれてしまうので、結果として成膜領域の形成位置精度が低下することになるので好ましくない。
【0074】
図7では、図6と同様に、半導体層の積層面と略平行な直線状の先端部形状を有する突出部712(a)を有するスペーサ712を用いている。突出部712(a)の長さによる端面保護膜の形成状態を図7(a)及び図7(b)に示す。突出部712(a)に覆われていない領域に膜厚傾斜領域711(b)が形成されており、活性層を含む導波路領域には膜厚非傾斜領域が形成されている。この両者の領域は突出部712(a)の大きさによって変えることができる。
【0075】
膜厚傾斜領域を設けるには、このように、突出部を有するスペーサを用いるか、或いは、被成膜面である端面に、共振器面より突出するような段差部を有する半導体層を用いることができる。
【0076】
実施の形態2
実施の形態2では、図8に示すように、膜厚傾斜領域が、半導体層の積層面に平行な方向に傾斜するのではなく、導波路領域を中心として傾斜するように設けられている。このような形態とすることで、活性層を含む発光層の横方向に広がっている光をも制御することができる。このような端面保護膜を形成する場合は、図8(a)のようなスペーサを用いることで容易に形成させることができる。
【0077】
図8では、半導体層の導波路領域を中心として開口するような先端部形状を有する突出部812(a)を有するスペーサ812を用いている。このようなスペーサを用いて形成された端面保護膜の状態を図8(b)及び図8(c)に示す。このように、導波路領域以外の活性層を覆うように膜厚傾斜領域が形成されることで、例えば、リッジを有する導波路を有する半導体レーザ素子のように、リッジによる屈折率差によって横方向の光が実効的に閉じ込められているような形態の半導体レーザ素子の場合などは、導波路領域と導波路以外の領域に渡って活性層が形成されているので、リッジ直下以外からも光が外部に放出されやすい。このような場合に、出射側の端面保護膜を、図8(b)及び図8(c)のように、積層面に対して平行でない形状に膜厚傾斜領域が形成し、共振器面上の膜厚非傾斜領域では透過率を高く設定し、その周りの膜厚傾斜領域にそれよりも透過率の低い領域を形成することで、導波路領域以外から外部に光が放出されるのを低減させるような、遮光膜としての機能を有することができる。
【0078】
実施の形態1及び2で示したようなスペーサは、出射側とモニター側とで同一のものを用いなくてもよく、したがって、出射側には導波路領域を中心として傾斜する膜厚傾斜領域を有する端面保護膜として迷光が外部に放出されるのを抑制して、水平方向及び垂直方向ともに良好なFFPを有するとともに、モニター側には積層面と平行な方向に傾斜する膜厚傾斜領域を有する端面保護膜として、制御性よく駆動させることができる。
【0079】
実施の形態3
実施の形態3では、図9に示すように、半導体層の端面に段差部913を有するバー状レーザ素子を用いる。図9に示すように、活性層を含む発光領域の端面を単一な面(共振器面)とし、n型半導体層の一部や、基板を有する場合はその基板の端面を、共振器面より突出するような形状とする。このような形状は、RIEによって共振器面を形成し、その後、その露出されたn型半導体層または基板の露出面で分割してバー状にすることで得ることができる。ここで、この共振器面から突出する部分の長さを調整することで、端面保護膜の膜厚均一領域と膜厚傾斜領域とを制御性よく形成させることができる。また、図9では、段差部913は、共振器面よりも突出するn型半導体層902からなる段差部913(a)と、そのn型半導体層の段差部からさらに突出する基板からなる段差部913(b)との2つの段差部を有しているが、このような形態に限らず、段差部は1つだけでもよく、或いは、2つ以上設けることもできる。
【0080】
段差部を設けることで、共振器面により近い領域に、位置精度よく膜厚傾斜領域を設けることができる。特に、異種基板を用いて半導体層を形成させている場合などは、バー状レーザが反りを有しているので、スペーサの突出部と端面保護膜の形成領域との位置関係の制御には限界がある。しかも、反りだけではなく、半導体層成長時の面内分布等によって、同一のバー状レーザであっても半導体層の膜厚が若干異なる場合もある。このような場合、半導体層に段差部を有していることで、スペーサでは制御しきれない細かい領域で制御が可能である。また、段差部を複数設けることで、光学特性の異なる端面保護膜を一度の成膜工程で形成させることが可能である。
【0081】
図9(a)は、共振器面には透過率の低い端面保護膜を設け、その同一面内に透過率が高くなる膜厚傾斜領域を設けており、主としてモニター側の端面保護膜として用いることができる形態を示す図である。共振器面の端面保護膜の膜厚非傾斜領域からは外部に放出される光はほとんどなく、共振器面に設けられる膜厚傾斜領域からは、検出器が検出可能な出力の光を放出させることができる。段差部913(a)にも、透過率の低い端面保護膜が設けられるので、光が過剰に放出されるのを抑制することができる。このように、膜厚非傾斜領域と膜厚傾斜領域とは、任意に選択することができる。また、図9(b)は、共振器面の膜厚非傾斜領域の透過率を高くしており、半導体層自体に段差部を設けることで、目的や用途、あるいは、半導体層自体の特性等によっては、膜厚傾斜領域の機能をより効果的に利用することができる。
【0082】
上記のように、突出部を有するスペーサか、或いは半導体層(基板も含む)で共振器,面よりも突出する段差部を有するバー状レーザを用いて端面保護膜を形成することで、被成膜領域と、成膜材料原料のターゲットとの間に、膜厚を部分的に制御可能な膜厚制御手段を用いることで、容易に本発明の端面保護膜を形成させることができる。
【0083】
また、本願のように膜厚制御手段を用いて端面保護膜を形成することで、半導体層の上面あるいは下面すなわち、p型半導体層上面(表面)やn型半導体層下面(裏面)、基板を有するばあいは基板の下面(裏面)に、端面保護膜材料が回りこんで堆積するのを抑制することができる。これにより、例えば、p型半導体層上面やn型半導体層の露出面や下面に形成された電極の上に絶縁性の端面保護膜材料が成膜されて、ボンディング不良となるなどの問題を生じにくくすることができる。また、絶縁性の基板を用いる場合であっても、支持体等に載置する際に、接着不良等の問題を起こしにくくすることができる。
【0084】
【実施例】
以下、実施例として窒化物半導体を用いた半導体レーザ素子について説明するが、本発明において、窒化物半導体層を構成するn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層のデバイス構造としては特に限定されず、種々の層構造を用いることができる。デバイスの構造としては、例えば後述の実施例に記載されているレーザのデバイス構造が挙げられるが、他のレーザ構造についても適用できる。窒化物半導体の具体的な例としては、GaN、AlN、若しくはInNなどの窒化物半導体や、これらの混晶であるIII−V族窒化物半導体、更には、これらにB、P等が含まれるもの等を用いることができる。窒化物半導体の成長は、MOVPE、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線気相成長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての方法を適用できる。
【0085】
[実施例1]
(基板)
基板は、C面を主面とするサファイア基板を用いる。基板としては特にこれに限定されるものではなく、必要に応じてR面、A面を主面とするサファイア基板、SiC基板、Si基板、スピネル基板、GaN基板等種々の基板を用いることができる。
【0086】
(下地層)
温度1050℃でアンドープのGaN層を2.5μmで成長させ、SiOよりなる保護膜を0.27μmの膜厚で形成する。このSiO保護膜は、エッチングによりストライプ状の開口部(非マスク領域)を形成する。この保護膜は、ストライプ幅が1.8μmでオリフラ面と略垂直な方向になるよう形成し、保護膜と開口部との割合は、6:14となるようにする。次いで、アンドープのGaN層を15μmの膜厚で成長させる。このとき、開口部上に成長されたGaN層は、SiO上に横方向成長しており、最終的にはSiO上方向でGaNが合わさるように成長されている。
【0087】
(バッファ層)
次いで、温度を500℃にしてトリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)を用い、SiドープのAl0.02Ga0.98Nよりなるバッファ層を1μmの膜厚で成長させる。
【0088】
(n型コンタクト層)
続いて1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siドープのn−Al0.02Ga0.98Nよりなるn型コンタクト層を3.5μmの膜厚で成長させる。このn型コンタクト層の膜厚は2〜30μmであればよい。
【0089】
(クラック防止層)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてSiドープのn−In0.05Ga0.95Nよりなるクラック防止層を0.15μmの膜厚で成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。
【0090】
(n型クラッド層)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.05Ga0.095NよりなるA層と、SiをドープしたGaNよりなるB層をそれぞれ50Åの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ110回繰り返してA層とB層を交互に積層して総膜厚1.1μmの多層膜(超格子構造)よりなるn型クラッド層を成長させる。この時、アンドープAlGaNのAlの混晶比としては、0.02以上0.3以下の範囲であれば、十分にクラッド層として機能する屈折率差を設けることができる。
【0091】
(n型光ガイド層)
次に、同様の温度で原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型光ガイド層を0.15μmの膜厚で成長させる。この層は、n型不純物をドープさせてもよい。
【0092】
(活性層)
次に、温度を800℃にして、原料にTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、SiドープのIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層を140Åの膜厚で成長させる。続いてシランガスを止め、アンドープのIn0.1Ga0.9Nよりなる井戸層を70Åの膜厚で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後にSiドープのIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層を140Åの膜厚で成長させて総膜厚560Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させる。
【0093】
(p型電子閉じ込め層)
同様の温度で、N雰囲気中で、MgドープのAl0.25Ga0.75Nよりなるp型電子閉じ込め層を30Åの膜厚で成長させる。次いで、H雰囲気中で、MgドープのAl0.25Ga0.75Nよりなるp型電子閉じ込め層を70Åの膜厚で成長させる。
【0094】
(p型光ガイド層)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層を0.15μmの膜厚で成長させる。このp型光ガイド層はアンドープとして成長させるが、Mgをドープさせてもよい。
【0095】
(p型クラッド層)
続いて、アンドープのAl0.08Ga0.92NよりなるA層を80Åの膜厚で成長させ、その上にMgドープのGaNよりなるB層を80Åの膜厚で成長させる。これを28回繰り返してA層とB層とを交互に積層させて、総膜厚0.45μmの多層膜(超格子構造)よりなるp型クラッド層を成長させる。p型クラッド層は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれも一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性がよくなる傾向にあるが、両方に同じようにドープさせてもよい。
【0096】
(p型コンタクト層)
最後に1050℃でp型クラッド層の上にMgドープのGaNよりなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させる。p型コンタクト層はp型のInAlGa1−x−yN(x≦0、y≦0、x+y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすればp電極と最も好ましいオーミック接触が得られる。反応終了後、反応容器内において窒素雰囲気中でウエハを700℃でアニーリングして、p型層を更に低抵抗化する。
【0097】
(n型層露出)
以上のようにして窒化物半導体を成長させて積層構造体を形成した後、ウエハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層の表面にSiOよりなる保護膜を形成してRIE(反応性イオンエッチング)を用いてClガスによりエッチングし、n電極を形成させるn型コンタクト層の表面を露出させる。また、このとき、エッチングにより共振器面を形成させてもよい。n型コンタクト層の露出と同時に行うのが好ましいが、別工程で行うこともできる。
【0098】
(リッジ形成)
次に、ストライプ状の導波路領域を形成するために、最上層のp型コンタクト層のほぼ全面にCVD装置により、Si酸化物(主としてSiO)よりなる保護膜を0.5μmの膜厚で形成した後、フォトリソグラフィ技術により保護膜の上に所定の形状のマスクを形成し、RIE装置によりCHFガスを用いたエッチングによりストライプ状のSi酸化物からなる保護膜を形成する。このSi酸化物の保護膜をマスクとしてSiClガスを用いて半導体層をエッチングして、活性層よりも上にリッジストライプが形成される。このとき、リッジの幅は1.6μmとなるようにする。
【0099】
(第1の絶縁膜)
SiOマスクを形成させた状態で、p型半導体層表面にZrOよりなる第1の絶縁膜を膜厚約550Åで形成する。この第1の絶縁膜は、n側のオーミック電極形成面をマスクして半導体層の全面に設けてもよい。また、後に分割され易いように絶縁膜を形成させない部分を設けることもできる。
【0100】
第1の絶縁膜形成後、ウエハを600℃で熱処理する。このように、SiO以外の材料を第1の絶縁膜として形成する場合、第1の絶縁膜形成後に、300℃以上、好ましくは400℃以上、窒化物半導体の分解温度以下(1200℃)で熱処理することにより、絶縁膜材料を安定化させるコトができる。特に、第1の絶縁膜形成後の工程において、主としてSiOをマスクとして用いてデバイス加工を施すような場合は、そのSiOマスクを後で除去する際に用いるマスク溶解材料に対して溶解しにくくすることができる。この第1の絶縁膜の熱処理工程は、第1の絶縁膜の材料や工程等によっては省略することもできるし、また、オーミック電極の熱処理と同時に行うなど、工程順序等についても適宜選択することができる。熱処理後、バッファード液に浸漬して、リッジストライプの上面に形成したSiOを溶解除去し、リフトオフ法によりSiOと共に、p型コンタクト層上(更にはn型コンタクト層上)にあるZrOを除去する。これにより、リッジの上面は露出され、リッジの側面はZrOで覆われた構造となる。
【0101】
(オーミック電極)
次に、p型コンタクト層上のリッジ最表面及び第1の絶縁膜上にp側オーミック電極をスパッタにより形成させる。このp側オーミック電極は、Ni/Au(100Å/1500Å)を用いる。また、n型コンタクト層上面にもn側オーミック電極を形成させる。n側オーミック電極はTi/Al(200Å/5500Å)からなり、リッジと平行で、かつ、同程度の長さのストライプ状に形成されている。これら電極形成後、酸素と窒素の混合雰囲気中で、600℃で熱処理する。
【0102】
(第2の絶縁膜)
次いで、リッジ上のp側オーミック電極の全面と、n側オーミック電極の上部の一部を覆うレジストを形成する。次いで、SiOからなる第2の絶縁膜を、ほぼ全面に形成し、リフトオフすることで、p側オーミック電極の上面全面とn側オーミック電極の一部が露出された第2の保護膜が形成される。第2の絶縁膜とp側オーミック電極とは離間するように形成してもよく、また、一部が重なるように形成されていてもよい。また、後の分割を考慮して、分割位置を挟んで幅10μm程度のストライプ状の範囲には、第1及び第2の絶縁膜や電極を形成しないようにしておいてもよい。
【0103】
第2の絶縁膜は、p側及びn側のオーミック電極上部を除く全面に渡るように設けるものである。好ましい材料としては、Si、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlN、AlGaNの内の少なくとも一種で形成することが望ましく、その中でも特に好ましい材料として、SiO、Al、ZrO、TiOなどの単層膜または多層膜を挙げることができる。
【0104】
(パッド電極)
次に、上記のオーミック電極を覆うようにパッド電極を形成する。このとき、第2の絶縁膜を覆うように形成させるのが好ましい。p側パッド電極は、Pt/Ti/Pt/Au(1000Å/50Å/1000Å/6000Å)の順に積層される。また、n側パッド電極は、下からNi/Ti/Au(1000Å/1000Å/8000Å)で形成される。これらパッド電極は、第2の絶縁膜を介してp側オーミック電極及びn側オーミック電極にそれぞれストライプ状に接している。
【0105】
(劈開及び共振器面形成)
次いで、基板を研磨して約150μmの膜厚になるよう調整後、基板裏面にスクライブ溝を形成し、窒化物半導体層側からブレーキングして、劈開することでバー状のレーザとする。窒化物半導体層の劈開面は、窒化物半導体のM面(11−00面)となっており、この面を共振器面とする。
【0106】
(端面保護膜形成)
上記のように形成された共振器面には、出射側及びモニター側の共振器面ともに、端面保護膜を設ける。材料としては、SiOとZrOを用い、これらを積層させて誘電体多層膜を形成させる。光反射側(モニター側)の共振器面には、ECRスパッタ装置等のスパッタ装置を用いてZrOからなる保護膜を形成し、次いでSiOとZrOとを交互に6ペア積層して高反射膜を形成する。ここで、保護膜と、高反射膜を構成するSiO膜とZrO膜の膜厚は、それぞれ活性層からの発光波長に応じて好ましい厚さに設定することができる。また、光出射側の共振器面には、何も設けなくてもよいし、スパッタ装置を用いてZrO、Nb、Al、ZrOよりなる第1の低反射膜とSiOよりなる第2の低反射膜とを形成させてもよい。また、多層膜(例えば上記材料を用いて6.5ペアとする等)とすることもできる。
【0107】
成膜時には、図6のように、ストライプ状の突出部を有するスペーサを、各バー状レーザを挟持するように載置する。このとき、突出部は基板側の上部に位置するような配置とする。また、突出部の長さは、平面から約75μmである。そして、この状態でECRスパッタ装置を用いて上記材料の保護膜を積層させる。このようにして形成された端面保護膜は、p型半導体層、活性層、n型活性層及び、基板の一部までが均一な膜厚の端面保護膜であり、基板端面上で、膜厚の均一な領域近傍の膜厚傾斜領域に、透過率差の最大領域を有している。そして、さらに基板裏面方向には複数の透過率差領域を有している。基板裏面近傍の基板端面にはほとんど端面保護膜は形成されておらず、基板が露出されている。基板裏面にも端面保護膜はほとんど堆積されていない。
【0108】
最後に、リッジストライプと略平行になるようにスクライブにより溝を形成し、その溝部でバーを切断して本発明の半導体レーザ素子を得る。スクライブの方法としては、カッター等の刃を用いた機械的又は物理的スクライブや、YAGレーザなどを用いた光学的又は熱的スクライブ等を用いることができる。また、スクライブの方向は、半導体層側からでもあるいは基板側からでもよく、素子の形状や、基板の種類等によって最適な方法を種々選択することができる。上記のようにして得られる窒化物半導体レーザ素子は、室温において閾値電流密度2.5kA/cm、60mWの高出力において発振波長405nmの連続発振可能なものである。検出器によって検出可能な光がモニター側から出力されることで制御よく駆動させることができるとともに、ノイズ(凹凸)が少ない良好なFFPを有している。
【0109】
【発明の効果】
本発明の半導体素子は、連続する端面保護膜でありながら、その特定の領域に膜厚が減少する膜厚傾斜領域を有するような端面保護膜とすることで、高い反射率を有することで光取り出し効率が可能なモニター側の共振器面であっても、導波路領域以外の端面から検出器が検出可能な光を出力可能な、多機能の端面保護膜とすることができる。また、出射側においても、その膜厚傾斜領域によって透過率を低くするようにすることで、取り出し効率が高い透過率を保持しつつ、導波路領域以外から外部に光が放出されることを抑制可能な多機能の端面保護膜とすることができる。このように、連続する膜の膜厚の傾斜率と、透過率の傾斜率が一致していないことを利用することで、優れた特性を有する半導体レーザ素子とすることができる。また、特定のスペーサを用いることで、膜厚傾斜領域の形成領域を制御性よく形成することができるので、マスク形成工程などの別工程を要せずに容易に多機能保護膜を形成することができる。また、端面保護膜が素子の上面や下面にまわり込むことも防止できるので、外部との導通及び使用時の密着性をも低下することなく、信頼性に優れた半導体レーザ素子とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の半導体レーザ素子を説明する模式斜視図
(b)図1(a)のA−A断面図
(c)図1(a)のB−B断面図
【図2】本発明の半導体レーザ素子を説明する部分的模式断面図
【図3】本発明の半導体レーザ素子を説明する部分的模式断面図
【図4】本発明の半導体レーザ素子を説明する部分的模式断面図
【図5】本発明の半導体レーザ素子を説明する部分的模式断面図
【図6】(a)本発明の半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式斜視図
(b)図6(a)の部分拡大断面図
(c)図6(a)の部分拡大上面図
【図7】(a)本発明の半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式斜視図
(b)図7(a)の成膜状態を説明する断面図
(c)図7(a)の成膜状態を説明する断面図
【図8】(a)本発明の半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式斜視図
(b)図8(a)の成膜状態を説明する断面図
(c)図8(a)の成膜状態を説明する断面図
【図9】(a)本発明の半導体レーザ素子を説明する模式断面図
(b)本発明の半導体レーザ素子を説明する模式断面図
【符号の簡単な説明】
101、201、301、401、501、601、701、901・・・基板
102、202、302、402、502、602、702、802、902・・・n型窒化物半導体層
103、203、303、403、503、603,703、803、903・・・p型窒化物半導体層
104、204、304、404、504、604、704、804、904・・・活性層
105、205、305・・・p側オーミック電極
106、206、306・・・p側パッド電極
107・・・n側オーミック電極
108・・・n側パッド電極
109・・・第1の絶縁膜
110・・・第2の絶縁膜
111、211、311、411、511、611・・・端面保護膜
711(a)、811(a)・・・端面保護膜(膜厚非傾斜領域)
711(b)、811(b)・・・端面保護膜(膜厚傾斜領域)
612、712、812、912・・・スペーサ
612(a)、712(a)、812(a)・・・スペーサの突出部
612(b)・・・スペーサの凹部
913・・・段差部

Claims (14)

  1. n型半導体層、活性層、及びp型半導体層からなる窒化物半導体層を備え、該窒化物半導体層は、ストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の端部に共振器面を含む端面を有する半導体レーザ素子であって、
    前記端面上に、共振器面から非共振器面に連続する端面保護膜を有し、
    該端面保護膜は、非共振器面上で膜厚が減少する膜厚傾斜領域を有し、該膜厚傾斜領域内に、端面の透過率差の最大領域を有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記端面は、共振器面から突出する段差部を有し、前記膜厚傾斜領域は、該段差部と前記共振器面との間に設けられている請求項1記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記膜厚傾斜領域は、前記半導体層の積層面と略平行方向に傾斜するよう設けられている請求項1又は請求項2記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記膜厚傾斜領域は、前記導波路領域を中心として傾斜するように設けられている請求項1記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記膜厚傾斜領域は、透過率差を有する領域を複数有し、膜厚領域と膜厚非傾斜領域との境界近傍に透過率差の最大領域を有する請求項1乃至請求項4記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記端面保護膜は、共振器面上の膜厚非傾斜領域の透過率よりも、膜厚傾斜領域の透過率の方が高い請求項1乃至請求項5記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記端面保護膜は、共振器面上の膜厚非傾斜領域の透過率よりも、膜厚傾斜領域の透過率の方が低い請求項1乃至請求項5記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記膜厚傾斜領域は、n型半導体層側の端面上に設けられている請求項1乃至請求項7記載の半導体レーザ素子。
  9. 前記膜厚傾斜領域は、n型半導体層側に設けられる基板の端面上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8記載の半導体レーザ素子。
  10. n型半導体層、活性層、及びp型半導体層からなる窒化物半導体層を備えてなるバー状レーザ素子の露出された共振器面を含む端面に、端面保護膜を形成させる方法であって、隣接するバー状レーザ素子との間に、端面の一部上にまで延在する突出部を有するスペーサを用いることを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  11. 前記スペーサの突出部は、前記半導体層端面の積層面と略平行になるように突出するよう設けられている請求項10記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  12. 前記スペーサの突出部は、前記半導体層端面の導波路領域に挟まれた領域の活性層端面上に突出するよう設けられている請求項10記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  13. 前記スペーサの突出部は、スペーサの一方向に形成されている請求項10乃至請求項12記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 前記スペーサは、前記半導体層と対向する平面と、その平面よりも突出している突出部との間に、凹部を有する請求項9乃至請求項12記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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