JP2004327593A - 二ホウ化マグネシウム超電導線材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二ホウ化マグネシウム超電導線材に関する。
【0002】
【従来の技術】
各磁気共鳴装置を利用した有機物の分析技術は近年急速な進歩を遂げつつある。特に、強力な超電導マグネット技術と組み合わせることにより、複雑な分子構造を持つたんぱく質などの有機化合物を原子レベルで効率よく構造解析することが可能になってきた。各磁気共鳴装置は、静磁場を発生する超電導磁石,試料に高周波パルス磁場を照射し原子核の磁化ベクトルに歳差運動を発生させ、試料から発せられる自由誘導減衰信号(FID信号)を受信できるプローブ,プローブに高周波電流を供給する高周波電源,自由誘導減衰信号を増幅する増幅器,信号を検波する検波器,検波器によって検出した信号を解析する解析装置等を有して構成させるのが一般的である。なおプローブはプローブコイルを有し、プローブコイルは高周波パルス磁場を試料に照射する機能と試料から発せられる自由誘導減衰信号を受信する機能を併せ持っている。
【0003】
また、S/N比を向上させるための手段として、低温プローブ(クライオプローブ)を用いることがある。一般に低温プローブとは、プローブに関する回路を超電導化し、20K程度の低温のヘリウムガスによってプリアンプを含めてプローブ内部を冷却する方のプローブをいう。
【0004】
低温プローブの利点は二つある。一つは回路の電気抵抗が低くなるため、コイルのQ値を高めることができることである。コイルのQ値は下記(式2)で表すことができる。
【0005】
【数2】
【0006】
ここでLは回路のインダクタンス、Cはキャパシタンス、Rは電気抵抗である。上記(式2)によると、電気抵抗Rが小さくなると、Q値であるQが高くなることがわかる。
【0007】
もう一つは低温にすることにより回路全体の熱雑音を減少させ、S/N比の向上ができることである。ノイズ電圧Vnは下記(式3)で表すことができる。
【0008】
【数3】
【0009】
ここでkはボルツマン定数、Tは温度、Δfは周波数幅、Rは電気抵抗である。上記(式3)によると、温度Tが低くなるとノイズ電圧Vnは小さくなることがわかる。また、一般的な金属では温度Tが低くなると、電気抵抗Rも小さくなる。従って、プローブを冷却し、超電導化することによりノイズ電圧VnはRの2分の1乗以上小さくすることができる。
【0010】
しかしながら、各磁気共鳴装置に適用するプローブコイルが従来は銅線を巻くことにより形成され、この導線の材料として銅などの電気良導体の金属から構成されていたため、分析感度には限界があった。
【0011】
以上の事項に関係する技術として、受信時の熱ノイズを低減するために低温に冷却された超電導体を用いたバードケージ型プローブコイルを採用し、S/N比を向上させた技術が下記特許文献に記載されている。なおこの場合、超電導体にはYBCO系(YBa2Cu3O7−x 、イットリウム系超電導体)等の高温超電導体が用いられており、バードケージ型コイルの直線部分にのみ超電導体が形成されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−133127号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に、プローブコイルを超電導課することにより、分析あkん度を高めることが可能となる。しかしながら、例えばYBCO系等の銅系酸化物はいわゆるセラミックスで構成されていることから、加工が困難で線状に伸ばしにくいという欠点があった。
【0014】
また、薄膜状の線材においては、基板と超電導層との結晶の方位をそろえた場合にのみ高い性能が得られる。言い換えれば、基板と超電導層との結晶の方位をそろえなければ高性能の超電導線材が作成できないということである。つまり、超電導膜と結晶方位のミスマッチが小さい材料を選択し、かつ結晶方位の3軸が配向した単結晶基板のようなものの上に超電導膜を形成する必要があるため、その制御が極めて困難であった。
【0015】
さらに、銅系酸化物は、曲げ歪みが0.3% 以内でなければ、臨界電流密度が大きく劣化する問題がある。これは、YBCO系に限らず、金属系超電導材料であるNb3Sn 系や高温超電導材料であるBi系も同様に0.2〜0.3%以内の曲げ歪みの条件でなければ使用できない。ちなみに、この曲げ歪みεは、線材全体厚みと直径で表され、線材全体厚みをt、直径を2Rとしたとき、(式1)で求められる。
【0016】
【数1】
【0017】
以上の様に、結晶方位をそろえる必要があること、並びに曲げに対する劣化が大きいという問題があり、プローブコイルをはじめとするコイル化には従来とは異なるプロセスの導入が必要と考えられていた。
【0018】
以上、本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、分析感度に優れる各磁気共鳴装置が実現できる信号受信用の二ホウ化マグネシウム超電導線材とそれを用いたプローブコイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
21世紀にはいってまもなく、Nature410,63−64(2001)で報告された様に、二ホウ化マグネシウム(MgB2 )がおよそ40Kで超電導を示すことが見出された。この材料は、磁場異方性が極めて小さいことから銅系酸化物の様に、結晶方位を基板とそろえなくても実用的な臨界電流密度がえられる。また、曲げ特性にも極めて優れており、超電導線に1.5%の歪みがかかっても歪み無しの潜在に対して90%以上の臨界電流密度が維持できることを発明者らは実験により明らかにしている。
【0020】
また、別の特徴としては、金属系超電導材料よりも臨界温度が20K以上も高い。また、cond−0108265に記載されている様に、上部臨海磁場が通常のテープ線で約20T、薄膜では約40Tとの報告がある。この性質を利用すれば強磁場中での応用も実現的なものになると考えられる。
【0021】
更に、この材料は機械加工のみで実用的な臨界電流密度が得られることがわかってきた。熱処理をしないと超電導現象を発現しない従来の超電導背印材とは全く異なる性質であり、この性質を利用することにより、▲1▼製造工程が短縮可能、▲2▼金属被覆材の選択幅を拡大可能、▲3▼コイル巻き線及び設計自由度の向上が実現できるため、大幅にコストを低減することができると考えられている。
【0022】
発明者らはこれまで二ホウ化マグネシウムの良好な性質を鑑み、核磁気共鳴装置用低温プローブコイルにて適用できないか検討を続けてきた。
【0023】
検討の結果、二ホウ化マグネシウム線材をテープ状に圧延加工すること、或いは薄膜状にすることにより高いと湯電動電流を流すことが可能であり、直線以外の超電導導体を作成することが可能であること、この様に作成した超電導導体では輸送電流の磁場方位依存性が認められないこと等が判明した。また、超電導体を金属で奉仕無くてもプローブコイルを実現できることを確認できた。
【0024】
そこで,発明者らは、従来のプローブコイルに比べて、Q値やS/N比の大幅な向上が可能な新規のプローブコイル及びその製造方法を見出したのでここにまとめた。
【0025】
すなわち、上記目的は、二ホウ化マグネシウム超電導線又は薄膜を巻きまわしてなるプローブコイルであり、該プローブコイルは核磁気共鳴装置の信号を受信できる機能を備えていることにより達成できる。分析感度の高いプローブコイルを製造するには、薄膜状の超電導線がもっとも効果的であるが、特に限定されるものではなく、断面形状が丸状や平角状,板状,リボン状でも構わない。
【0026】
そこで、上記目的を達成するための第一の手段としては、核磁気共鳴装置用プローブコイルであって、二ホウ化マグネシウム又は薄膜を巻きまわして構成されることとする。
【0027】
また、第二の手段として、上記第一の手段に加え、上記二ホウ化マグネシウム又は上記薄膜の線材全体厚みをt、巻き直径を2Rとしたとき、下記(式1)で求められる曲げ歪み率が0.2% 以上であることとする。
【0028】
【数1】
【0029】
また、第三の手段として、上記第一の手段に加え、比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンを有することとする。
【0030】
また、第四の手段として、上記第二の手段に加え、比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンを有することとする。
【0031】
また、第五の手段として、核磁気共鳴装置用プローブコイルの製造方法において、金属被覆材の内部に二ホウ化マグネシウムを充填して超電導線を製造する工程と、上記超電導線を巻き線する工程と、を有することとする。
【0032】
また、第六の手段として、核磁気共鳴装置用プローブコイルの製造方法において、金属又はガラス基材の片面或いは両面に二ホウ化マグネシウムを設けて超電導薄膜を製造する工程と、上記超電導薄膜を巻き線する工程と、を有することとする。
【0033】
また第七の手段として、第五の手段に加え、上記超電導線を巻き線する工程は、上記超電導線の線材全体厚みをt、巻き直径を2Rとし、下記(式1)で求められる曲げ歪み率が0.2%以上となるように巻き線する工程であることとする。
【0034】
【数1】
【0035】
また第八の手段として、上記第六の手段に加え、上記超電導薄膜を巻き線する工程は、上記超電導薄膜の線材全体厚みをt、巻き直径を2Rとし、下記(式1)で求められる曲げ歪み率が0.2%以上となるように巻き線する工程であることとする。
【0036】
【数1】
【0037】
また、第九の手段として、上記第五の手段に加え、上記超電導線を巻き線する工程は、比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンに巻きまわす工程であることとする。
【0038】
また、第十の手段として、上記第六の手段に加え、上記超電導薄膜を巻き線する工程は、比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンに巻きまわす工程であることとする。
【0039】
また、第十一の手段として、上記第一又は第二の手段に加え、上記二ホウ化マグネシウム超電導線又は薄膜において、上記超電導線又は薄膜における超電導体中に、超電導体よりも低融点で、かつ粒径が10μm以下の金属粉末が添加されていることとする。
【0040】
また、第十二の手段として、上記第一又は第二の手段に加え、上記超電導線材又は薄膜は、被覆材に覆われ或いは基材の上に形成され、これらとの熱的な反応層の厚みが3μm以下であることとする。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明における二ホウ化マグネシウム超電導体を合成するための粉末、燒結体、塊の製造方法としては、それぞれの化合物を粉砕、混合し、その混合物を招請する方法が挙げられる。この方法には、原料化合物の全てを一度に混合する方法や原料化合物の一部を予め混合した後、残りの原料粉末を混合する方法がある。また、超電導粉末として、フッ化物を原料とすることにより、超電導体の合成時にフッ素の拡散が超電導体の単層化を促進させることを発明者らは実験により確認している。
【0042】
本発明における超電導粉末の合成の熱処理温度は、主に600〜1200℃の範囲内が用いられる。また、必要に応じて酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガス等を単独或いは混合して熱処理を行う。さらに、必要に応じて、大気圧以上の圧力で加圧しながら熱処理を行う。
【0043】
超電導線材或いは薄膜の作成方法は、これまでに多くの方法が提案されているが、ここではその1つの例としてパウダー・イン・チューブ方について詳しく述べる。
【0044】
上述したような方法で超電導体、或いは前駆体を合成した後、適当なサイズに粉砕,燒結したものをパイプ状の金属被覆材に充填する。金属被覆材には、金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン,コバルト等から選ばれた単独或いは複数からなるものを用いる。金属被覆材は、超電導体と熱的に反応しないことはもちろん、量産化を考えると加工性が良好である必要がある。但し、コイル巻き用ボビンと同様に、比透磁率が0.8〜1.2の材料を用いることが可能であれば、それを用いることが最も効果的である。
【0045】
また、線材の多芯化を行う場合には、複数の金属被覆材が配置されることになるが、それらの種類や材質等がことなっていてもよい。その場合、被覆材が二重構造の場合、内側及び外側の金属被覆材は超電導と熱的な反応をしないものが適するが、外側の金属被覆材は反応だけでなく、高強度のものとするのが好適である。これには、被覆材兼補強剤とすることができるメリットがある。また、この金属の表面二酸化皮膜等の絶縁膜を形成すれば、更に絶縁材の役割を果たすことが可能になる。
【0046】
線材の縮径加工は、ドローベンチ,スエージャー,カセットローラーダイス,或いは溝ロールを用いて1パス当たりの断面減少率が1〜20%程度の新鮮加工を繰り返し行う。ここでの工程は、線材を所望の形状にすると同時に、金属被覆材内に充填された超伝導粉末を高密度化する作用がある。さらに緻密化を図るため、冷間或いは熱間圧延機で加工し、平角状あるいはテープ状の断面とし、適切な温度や雰囲気で熱処理をすることによって高い臨界電流密度を持った線材が得られる。
【0047】
本発明における超電導線又は薄膜においては、最終形状に加工された場合の超電導体の密度が理論密度に対して80%を超えた場合に、高い臨海電流密度を持った線材が得られる。
【0048】
本発明における超電導線材又は薄膜の最終的な熱処理温度としては、200〜1000℃の範囲内が用いられるが、熱処理を行わなくても高い臨界電流密度が得られる。これは、線材の縮径加工工程や変形加工工程で結晶粒度牛の接合性が良好な状態になるためであることを発明者らは実験により確認している。但し、超電導相の単相化や結晶粒間の結合状態を良好にするには、熱処理は有効であり、熱処理により場合によっては臨界電流密度が10倍近く向上することがある。
【0049】
作成した線又は薄膜は、目的に応じて1本以上複合させてコイル上に巻いて利用する。熱処理を行う場合は、超電導体の特性を高めるため、熱処理雰囲気が材料によって選択される。例えば、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガスを単独或いは混合したガスを適当な流量だけ気流、又は封入して、熱処理される。また、蒸気圧の高いマグネシウムが熱処理中に飛散して組成ずれを起こし、超電導特性を劣化することがあるため、例えばマグネシウム燒結体を同時に熱処理する等して擬マグネシウム雰囲気を作った状態で熱処理すると効果的である。さらに、金属被覆材にマグネシウムを含有することも同様の効果を有する。
【0050】
本発明における超電導体よりも融点が低い金属粉末を添加することにより、金属粒間の接合性が向上し、高い臨界電流密度が得られる。また、添加した金属が超電導体の結晶粒界及び粒内に分散することで、ピンニング力を高めることも可能となる。金属粉末の元素としては、低融点材料のインジウム,鉛が望ましいが、金,銀,マグネシウム,アルミニウム,すずを含んでもよい。そして、平均結晶粒径が10μm以下であることが望ましい。これは、点か金属が非超電導層であるため、10μmよりも大きな場合には、電流パスを遮断するためである。
【0051】
また、本発明の線材の作成工程において、超電導線材の最終形状が断面積の減少率として少なくとも10%以上になる加工を施す必要がある。断面減少を行う伸線或いは圧延加工は、上述の様に金属被覆材内に充填された超電導体を高密度化する作用がある。さらに、超電導線材に1ton/cm2以上の圧力を加えて変形させることも同様の効果を有する。これらのプロセスは、結晶粒同士の接合性を向上させることから、臨界電流密度が向上する。また、縮径加工や変形加工の歳に、超電導体若しくは添加した金属粉末の一方或いは両方の一部分が溶融することで、結晶粒の接合性がさらに向上することも発明者らは実験により明らかにした。
【0052】
上述した方法以外にも、例えば容赦法,ドクターブレード法,ディップコート法,スプレーパイロリシス法、或いはジェリーロール法で作成した線材を用いても同等の超電導特性を得ることは可能である。
【0053】
この様に作成した超電導線又は薄膜は、核磁気共鳴装置用のプローブコイルのほか、送電ケーブル,電流リード,MRI装置,SMES装置,超電導発電機,超電導モータ,超電導電磁推進船,超電導変圧器,超電導原流器などに用いることができる。また、超電導線材を所望の形状に加工した導体は、コイル,電流リード,ケーブル等の導体用に変形加工された後、組み込まれる。また、その使用温度が液体水素温度、或いは液体ネオン温度異常であれば、一層効果的である。
【0054】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
本実施例では二ホウ化マグネシウム超電導線材の丸線、テープ線及び薄膜を作成した。出発原料として、マグネシウム粉末(Mg:純度99%)とアモルファス状ホウ素粉末(B:純度99%)を用いて、マグネシウムとホウ素が原子モル比で1:2になる様に秤量し、10〜60分間にわたって混合する。次に、この混合体を700〜1000℃の温度で2〜20時間にわたって熱処理し、二ホウ化マグネシウム超電導体を作成する。このとき、100MPa以上の圧力を加えて熱処理することもある。得られた粉末のX線回折を行ったところ、強度比換算で二ホウ化マグネシウム超電導体が95%以上含まれていたことがわかった。二ホウ化マグネシウム以外には若干のMgO,MgB4 も含まれていた。
【0056】
ついで、得られた粉末を外形6mm,内径4.5mm ,長さ300mmの円形の断面形状を有するニッケルパイプに充填する。この線材を、断面積の減少率3乃至10%で伸線加工し、所定形状まで縮径する。必要に応じて、線材の横断面形状を楕円形,六角形,平角形又は丸形状の横断面形状に減免加工する。図1及び図2に示すような超電導線を得た。図1は丸線、図2はテープ線の断面模式図を示す。超電導線は、金属被覆材1の中に二ホウ化マグネシウム超電導体2が充填又は内包されている。なお、ここでは、単芯線を作成したが、必要に応じて線材の多芯化も行う。このあと300℃〜800℃で1〜5時間の加熱処理をアルゴン雰囲気中で行った。
【0057】
次に薄膜の作成方法について説明する。基板3には厚さおよそ2μmのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)バッファー層を設けたハステロイテープを用いた。この基板3は非常に弱い面内配向を有している。基板3に関してはアルミニウムやケイ素を主成分とするものを用いても構わない。この基板3を白金ペーストで加熱基板ホルダーにとりつけ、レーザーアブレーション(PLD)により二ホウ化マグネシウムを成膜した。ターゲットは二ホウ化マグネシウムをプレスしたペレットを用いた。成膜は回転ターゲットに1〜5J/cm2 のレーザを照射しアルゴン雰囲気で行った。なお、照射は室温で行った。成膜後、アルゴンガスをおよそ1気圧導入し、300〜800℃でおよそ30分アニールし室温まで急冷した。得られた膜のX線回折を行ったところ、明瞭ではないが二ホウ化マグネシウムのピークが認められた。図3に薄膜の断面模式図を示す。
【0058】
以上の様にして作成した二ホウ化マグネシウム超伝導線及び薄膜を用いてプローブ用コイルを作成した。コイルはボビンに巻かれていてもよいが、高均一磁場を乱さない様、コイルボビンは比透磁率が1に近いこと、即ち、真空の透磁率に近い材質である必要がある。しかしながら、実施例3でのべるように、発明者らは比透磁率が0.8〜1.2の範囲内であれば実用的な感度を有するプローブコイルが作成できることを実験により明らかにした。
【0059】
また、コイルには高周波パルス電流を通電し、測定サンプルに高周波パルス磁場を印加するのでコイルボビンは高周波磁場を遮蔽しない絶縁体である必要がある。さらに、被測定核種が含まれるコイルボビンとした場合、コイルボビン自体が信号を発信してしまい、測定サンプルが発信する信号と区別できなくなるので、材質の選定には注意が必要である。従って、コイルボビンは透磁率調整用の成分を含んだ特殊ガラスが望ましい。また、コイルボビンのみならず、サンプル管やサンプル管の外側に設置した真空遮断層の構成品等も上記特殊ガラスが望ましい。
【0060】
ここで本実施例に係る核磁気共鳴装置の動作について説明する。コイルに高周波パルス磁場が印加される。測定サンプルに核磁気共鳴を発生する核種が含まれていると、それらが核磁気共鳴を起こし高周波パルスが電流が切れた後、自由誘導減衰(FID)信号を発する。自由誘導減衰信号はコイルにより受信される。これをフーリエ展開しデータ解析され、スペクトルを得ることができる。
【0061】
発明者らは上記のような核磁気共鳴装置用プローブの製作を実施した。一般に用いられる鞍型コイルであるコイルの円弧部直径は2cm、直径部長さは5cmであり、それぞれの鞍型コイルの巻き数は1ターンである。コイルは気体ヘリウムを用いたガス冷却方式により約10Kに冷却した。なおこのとき、線材に係る曲げ歪み率は0.4〜0.8%である。上記のような核磁気共鳴装置用プローブを2.35Tの高均一性磁場中に配置し、プロトンの共鳴周波数である100MHzの高周波電源等を用いて、エタノール中のプロトンのスペクトルを測定した。また、比較例としてコイルを銅で製作したプローブも製作し、プロトンのスペクトルを測定した。
【0062】
一連の試験の結果、S/N比に関しては、コイルに二ホウ化マグネシウム超電導線を用いたプローブが銅を用いたプローブに比べて丸線及びテープ線では4〜5倍、薄膜では7倍優れていることが判明した。また、Q値では丸線及びテープ線では6〜8倍、薄膜では10倍優れていることが判明した。
【0063】
以上の様に、プローブコイルには二ホウ化マグネシウム超電導体から構成される超電導線又は薄膜を用いることにより、Q値及びS/N比を向上した核磁気共鳴装置用プローブコイルを実現できた。
【0064】
(実施例2)
実施例1と同様にして、図3のような二ホウ化マグネシウム超電導薄膜を作成した。また、比較のためにYBCO薄膜のみYBCO超電導体が3軸は移行するような工程で作成し、実際に3軸配向した膜が得られていることを確認した。次に、各超電導線における許容曲げ歪み率を検討するために、曲げ歪み率をイプシロン、線材全体厚みをt、巻き直径を2Rとしたとき、以下の(式3)で表される曲げ歪み率を0.01〜2.8%まで加え、温度10K,磁場0.2T 中で臨界電流密度の耐曲げ歪み率特性を評価した。その結果、図4に示す様に、曲げ歪み率が0.2% 未満ではYBCO系薄膜の方が臨界電流密度が高くなった。
【0065】
また、二ホウ化マグネシウム薄膜は、1.5% の曲げ歪みを加えても臨界電流密度の劣化率が10%以内であり、劣化率が10%以内の曲げが許容範囲とすると、二ホウ化マグネシウム薄膜は約1.75%、YBCO系薄膜は0.17%であることがわかった。また、これは線材形状が丸やテープ状の場合であっても、同様の結果が得られることがその後の検討結果で明らかとなった。
【0066】
次に、実施例1に記載のような各磁気共鳴装置用プローブの作成を実施した。プローブコイルは、上記二ホウ化マグネシウム薄膜及びYBCO系薄膜を用いて作成した。プローブコイルの円弧部直径は2cm、直線部長さは5cmであり、それぞれの鞍型コイルの巻き数は1ターンである。なおこのとき、線材に係る曲げ歪み率は0.3%である。この際、コイルは気体ヘリウムを用いたガス冷却方式により約10Kに冷却した。上記のような各磁気共鳴装置用プローブを2.35Tの高均一磁場中に配置し、プロトンの共鳴周波数である100MHzの高周波電源等を用いて、エタノール中のプロトンNMRのスペクトルを測定した。また、比較例としてコイルを銅で製作したプローブも製作し、プロトンのスペクトルを測定した。一連の試験の結果、S/N比に関しては、プローブが銅を用いたプローブに比べて二ホウ化マグネシウム薄膜では約7倍、YBCO系薄膜ではほぼ同等であることが判明した。また、Q値は二ホウ化マグネシウム薄膜では約10倍、YBCO系薄膜では1.8倍優れていることが判明した。
【0067】
以上の結果から判断すると、プローブコイルの直径と線材全体厚みから計算される曲げ歪み率が0.2%未満の場合にはYBCO系薄膜、それを超える場合には二ホウ化マグネシウム薄膜を用いることが最適であることがわかった。
【0068】
(実施例3)
図3のような二ホウ化マグネシウム薄膜を用いて、実施例1で作成したプローブコイルのコイルボビンに比透磁率が0.6〜1.3である材料を用い、高均一性磁場の乱れを計測した。ここでは、種々の材料を用いたコイルボビンに二ホウ化マグネシウム薄膜を1ターン巻きつけ、核磁気共鳴装置用プローブコイルとし、2.35T の高均一性磁場中に配置した。そしてコイル中心部における静磁場の状態を、実際に発生しているコイル中心磁場の最大値,最小値の差から検討した。測定時間は24時間である。その結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
比透磁率が1の材料を用いたボビンにおいて、磁場の最大値と最小値の差を1として規格化し、その許容範囲が1%とすると、比透磁率が0.8〜1.2のコイル巻き養母ビンを使用したときに静磁場を確保できることがわかった。以上より、核磁気共鳴用プローブコイルを巻き線するボビンには、比透磁率が0.8以上1.2以下の材料を用いることが効果的であることを明らかにした。
【0071】
(実施例4)
図2のようなテープ状の二ホウ化マグネシウム線を用いて、実施例1で作成したプローブコイルを作成する際、図5に示す様に、金属被覆材1の片側を機械的に除去し、表面に二ホウ化マグネシウム超電導体2が露出する様にした。二ホウ化マグネシウム超電導体2は粉末を圧粉整形したもの、熱処理により固形化したもの、気相拡散などにより被覆材表面で成長させた結晶体としたもの等を用いることができる。また、金属被覆材1と二ホウ化マグネシウム超電導体2との間に線材全体を補強する目的で、ニッケル,ステンレス鋼,銅,銀,タングステン,チタン,マグネシウム,アルミ等の単独或いは複数層からなる合金、或いはアルミナやシリカ等のセラミックスを用いる場合もある。
【0072】
本実施例のように、核磁気共鳴装置用プローブコイルに二ホウ化マグネシウム超電導体2が表面に露出した構造の超電導線を用いることにより、外周部での高周波磁場の減衰が少なく、効率よく高周波磁場の照射とFID信号の受信が可能となる効果がある。また図6に示す様に、金属被覆材1の両面に二ホウ化マグネシウム超電導体2が露出した構造でもよい。さらに、図7のように、それらを複数枚組み合わせた積層体であってもよい。
【0073】
次に発明者らは、金属被覆材1の片側を除去して二ホウ化マグネシウムを露出させた線材を用い、核磁気共鳴装置用プローブコイルの政策を実施した。ソレノイド型であるコイルの直径は2cm、長手方向長さは5cmであり、コイルの巻き数は10ターンである。コイルは気体ヘリウムを用いたガス冷却方式により約10Kに冷却を行った。上記のような核磁気共鳴装置用プローブを2.35T の高均一性磁場中に配置し、プロトンの共鳴周波数である100MHzの高周波電源等を用いて、エタノール中のプロトンのスペクトルを測定した。また、比較例として、コイルを銅で製作したプローブも作成し、コイルを冷却せず室温に保ったまま、プロトンのスペクトルを測定した。
【0074】
一連の試験の結果、S/N比に関しては、二ホウ化マグネシウム超電導体2を表面に露出させた二ホウ化マグネシウム超電導線を用いたプローブが銅を用いたプローブより5倍優れていることが判明した。また、Q値では15倍優れていることが判明した。
【0075】
以上の様に、核磁気共鳴装置用プローブコイルには表面に二ホウ化マグネシウム超電導体2を露出させた超電導線を用いることにより、Q値及びS/N比を向上したプローブコイルを実現できることが明らかになった。
【0076】
(実施例5)
図3のような二ホウ化マグネシウム薄膜を用いて、実施例1で示すプローブコイルの製造する工程において、コイルを超電導化するための熱処理を行う際に、マグネシウムとホウ素のモル比がホウ素1に対してマグネシウムが0〜4の混合粉末を圧粉成形したペレットを共焼きした。その結果、図8に示す様に、モル比がホウ素1に対してマグネシウムを1.5〜3にすることにより、共焼きしない場合に比べて、温度10K,磁場1T中での臨界電流密度が2倍以上に向上することがわかった。X線回折を行った結果、マグネシウムのモル比を1.5 〜3にすることで、二ホウ化マグネシウム薄膜の超電導体部分のマグネシウム:ホウ素の比がほぼ2:1になっているのに対し、共焼きしないかマグネシウムが1.5以下の場合はマグネシウム:ホウ素の比が0.6〜1.4:1であることがわかった。このことから、熱処理時に蒸気圧の高いマグネシウムが飛散したとえいる。また、マグネシウムが3を超えた場合、薄膜へのマグネシウム供給が多すぎてしまい、マグネシウム:ホウ素の組成比が2.2:2.4:1となり、逆に超電導特性が低下した。さらに、この後の実験により、予め共焼きする粉末を熱処理して合成した合成粉末の場合でも同様であることを確認した。
【0077】
以上の結果から、核磁気共鳴装置用プローブコイルを超電導化するための熱処理を行う際に、マグネシウムとホウ素のモル比がホウ素1に対してマグネシウムが1.5 〜3の混合粉末或いは合成粉末を共焼きすることにより、高い臨界電流密度を持つプローブコイル用二ホウ化マグネシウム線又は薄膜が実現できることがわかった。
【0078】
(実施例6)
二ホウ化マグネシウム超電導体に0.2〜50重量%の低融点金属を添加した以外は、実施例1と同様の製造工程で図2のようなテープ状の二ホウ化マグネシウム線を作成した。ここでの低融点金属は、二ホウ化マグネシウム超電導体よりも融点が低い金属と定義する。本実施例では、粒径が5μm以下のインジウム、鉛を0.2〜50重量%添加し、温度10K,磁場1T中で臨界電流密度を測定した。その結果、7.1〜8.2×104A/cm2が得られることがわかった。金属を何も添加しない二ホウ化マグネシウム線では5×104A/cm2の臨界電流密度であったため、低融点金属の点かは効果的であることが明らかとなった。その後、走査型電子顕微鏡により、線材の断面観察を行った結果、添加した金属元素を見つけることができなかった。次に、透過型電子顕微鏡により、断面の観察を行った結果、金属元素は超電導体の結晶粒界に存在していることが確認できた。このことから、臨界電流密度が向上した要因として、添加した金属粉が結晶粒同士の接合性を向上させていたことが考えられる。
【0079】
次に、添加する金属粉末の最適な粒径を検討するために、0.5〜30μmの粒径を有するインジウム粉末を二ホウ化マグネシウム超電導体に添加し、図1のような二ホウ化マグネシウム超電導線を作成した。表2に金属粉末の粒径と臨界電流密度の関係を示す。
【0080】
【表2】
【0081】
表2より、添加する金属粉末の粒径は10μm以下にすることが効果的であって、高い臨界電流密度を持つ二ホウ化マグネシウム超電導線が得られるようになった。また、その後の実験により、インジウムのほかにも、粒径が10μm以下の鉛,金,銀,マグネシウム,アルミニウムから選ばれる単独もしくはそれらの複数からなる金属粉末を添加することにより、高い臨界電流密度を持つ超電導線材が得られることを確認した。
【0082】
以上より、二ホウ化マグネシウム超電導体よりも低融点で、かつ、粒径が10μm以下の金属粉末を添加することにより、結晶粒間の接合性が改善され、核磁気共鳴装置用プロ−ブコイルよりもQ値及びS/N比が約2〜10倍に向上することも確認できた。
【0083】
(実施例7)
実施例1と同様の工程で図2のようなテープ状の二ホウ化マグネシウム線を作成した。金属被覆材としては、ニッケル及びステンレス鋼を用いた。それぞれの線材につき、温度100〜900℃、時間30分の熱処理を施した結果、ニッケルの場合は600℃以上の温度、ステンレス鋼の場合は700℃以上の温度を超えると臨界電流密度が1/2以下に低下することが明らかとなった。その後、走査型電子顕微鏡により、線材の断面観察を行った結果、臨界電流密度が低下する温度よりも高い温度で熱処理すると二ホウ化マグネシウム超電導体2と金属被覆材1とが熱的な化学反応を起こしており、その反応層が5μmも生じていることがわかった。
【0084】
次に、熱的な反応層がどの程度の厚みなら臨界電流密度が低下しないかを明らかにするために、種々の条件で熱処理し、反応層が約0〜10μmとなる二ホウ化マグネシウム線を作成した。そして、温度10K,磁場1T中で臨界電流密度を測定した。その結果を表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】
反応層の厚みが3μm以下の場合は臨界電流密度の低下は認められなかったのに対し、3μmを超えると急激に臨界電流密度が低下することがわかった。
【0087】
以上より、高性能の二ホウ化マグネシウム線を得るには、二ホウ化マグネシウム超電導体と金属被覆材とが熱的な反応層が3μmを超えない範囲で熱処理することが効果的であって、高い臨界電流密度を有する線材が作成可能になる。
【0088】
二ホウ化マグネシウムの両面或いは片面に配置される被覆材或いは基材との熱的な反応層が3μm未満である線材を核磁気共鳴装置用プローブコイルとして使用した場合、銅線によるプローブコイルと比較してQ値及びS/N比が約8倍に向上することが確認できた。
【0089】
以上本発明の酸化物超電導コイルは広く超電導機器に適用することが可能であって、例えば、大型マグネット,核磁気共鳴分析装置,医療用磁気共鳴診断装置,超電導電力貯蔵装置,磁気分離装置,磁場中単結晶引上装置,冷凍機冷却超電導マグネット装置などに利用することにより、機器の高効率化を達成できる効果がある。
【0090】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな様に、高周波電波の送受信が可能で、かつQ値やS/N比が大幅に向上できる核磁気共鳴装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の丸形状超電導線の断面模式図。
【図2】本発明のテープ形状超電導線の断面模式図。
【図3】本発明の超電導薄膜の断面模式図。
【図4】超電導線又は薄膜の曲げ歪み率と臨界電流密度の関係を示す図。
【図5】本発明において製造した超電導線の断面模式図。
【図6】本発明において製造した超電導線の断面模式図。
【図7】図6で示す線を複合した超電導線の断面模式図。
【図8】マグネシウムとホウ素のモル比と臨界電流密度の関係を示す図。
【符号の説明】
1…金属被覆材、2…二ホウ化マグネシウム超電導体、3…基板。
Claims (10)
- 二ホウ化マグネシウム超電導線又は薄膜を巻きまわしてなる核磁気共鳴装置用プローブコイル。
- 比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンを有する請求項1記載の核磁気共鳴装置用プローブコイル。
- 比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンを有する請求項2記載の核磁気共鳴装置用プローブコイル。
- 金属被覆材の内部に二ホウ化マグネシウムを充填して超電導線を製造する工程と、
前記超電導線を巻き線する工程と、を有することを特徴とする核磁気共鳴装置用プローブコイルの製造方法。 - 金属又はガラス基材の片面或いは両面に二ホウ化マグネシウムを設けて超電導薄膜を製造する工程と、
前記超電導薄膜を巻き線する工程と、を有することを特徴とする核磁気共鳴装置用プローブコイルの製造方法。 - 前記超電導線を巻き線する工程は、比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンに巻きまわす工程であることを特徴とする請求項5記載の核磁気共鳴装置用プローブコイルの製造方法。
- 前記超電導薄膜を巻き線する工程は、比透磁率が0.8以上1.2以下の材料からなるコイル巻き用ボビンに巻きまわす工程であることを特徴とする請求項6記載の核磁気共鳴装置用プローブコイルの製造方法。
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118372A patent/JP2004327593A/ja active Pending
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