JP2004325889A - 電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電の不均一を防ぎ、刷毛筋状のむらを抑えることができる電子写真装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラムAと、回転できる導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材1を有し、感光体ドラムAを帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、ブラシ部材1は、ブラシ密度が4.65万本/cm2以上である。ブラシ部材1は、直流電圧とpeak to peakで放電開始電圧の2倍以上の交流電圧を重畳した電圧が印加される。
【選択図】 図2
【解決手段】感光体ドラムAと、回転できる導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材1を有し、感光体ドラムAを帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、ブラシ部材1は、ブラシ密度が4.65万本/cm2以上である。ブラシ部材1は、直流電圧とpeak to peakで放電開始電圧の2倍以上の交流電圧を重畳した電圧が印加される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置であり、特に画像形成装置である電子写真装置の感光体ドラムを帯電させる帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシ帯電装置としては、導電性のブラシに電圧を印加し、ブラシからの微小放電や電荷注入により被帯電部材を一定電圧に帯電させてきた。
【0003】
従来、特許文献1、特許文献2に示すようにブラシ繊維を起毛させた材料を平板に貼り付ける方法があるが、ごみ等がブラシに引っかかって帯電が出来なくなり黒筋が発生する問題が発生する。そのため、現在では、ブラシは、一般に図8に示すように円筒上の導電性の基材に、ブラシ繊維を起毛させた材料をらせん状に巻いて回転させるものが主流になっている。
【0004】
一方、らせん状に巻いて回転させるものは、つなぎ目の部分の毛密度が低く、つなぎ目に沿って帯電の低い部分が存在し、HT画像に濃淡の斜め線が発生する。そのため、特許文献3に有るように、ブラシを継ぎ目のない円筒状に形成する方法が提案されているが、図9に示すように複数本の繊維で作成されているため、原糸の抵抗のむらが有った場合、相対的に抵抗の低い糸では放電を起こしやすく、その糸で形成されている部分(筋状に形成される)が、帯電が高くなり薄くなる。そのため、HT画像に濃淡の線が発生する問題がのこる。
【0005】
一方、静電植毛にてブラシを作成した場合、原糸抵抗がばらついてもランダムに配置されるため、HT画像に濃淡の線が発生することがなくなりまた、つなぎ目も発生しないため、斜めの濃淡もなくなる。
【0006】
又静電植毛を使う方法は、特許文献4に提案されている。しかし、静電植毛にて、ブラシを作成した場合、接着剤で、短い糸を導電性の基材に固定しているため、毛が抜けやすい欠点がある。
【0007】
また、図10に示すように、静電植毛ブラシ帯電では、ミクロに見ると、いろいろな方向に毛先が向くため被帯電部材に対してブラシのあたる部分と当たらない部分が発生し、両者の帯電が同じにならないためHTに掃け筋が発生する。
【0008】
【特許文献1】
特許第3000682号公報
【特許文献2】
特許第2947091号公報
【特許文献3】
特開平5−188734号公報
【特許文献4】
特開平10−309760号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の問題を解決するものであり、帯電の不均一を防ぎ、刷毛筋状のむらを抑えることができる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、感光体ドラムと、回転できる導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材を有し、前記感光体ドラムを帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、前記ブラシ部材は、ブラシ密度が4.65万本/cm2以上である電子写真装置である。
【0011】
ブラシ密度を30万本/inch2(4.65万本/cm2)以上にすることにより、毛の方向が不揃いのため発生する、帯電の不均一を防ぐことができ、HT部の刷毛筋状のむらを抑えることができる。
【0012】
また、本発明は、上記ブラシ部材は、直流電圧とpeak to peakで放電開始電圧の2倍以上の交流電圧を重畳した電圧が印加される電子写真装置である。
【0013】
これにより、環境が変動しても感光体の表面電位を安定させることができる。
【0014】
そして、本発明は、上記ブラシ部材は、毛がナイロンからなる電子写真装置である。
【0015】
これにより、感光体との摩擦帯電性が向上し、印加電圧DC成分を下げることが可能となる。
【0016】
更に、本発明は、被帯電部材と、導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材を有し、前記被帯電部材を帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、前記ブラシ部材は、毛の長さが3.0mm以上であり、そして、被帯電部材との食い込み量が0.5mm以下である電子写真装置である。
【0017】
静電植毛を行うことにより、ブラシ繊維をらせん状に巻きつけたものに対して巻方向に沿った形の濃淡の斜め筋が発生しない。また特許文献3にあるような継ぎ目のないものでも、織物であるため、ロット違い等により発生する糸の抵抗のむらによる帯電不均一による濃淡が発生するが、静電植毛の場合、糸の抵抗がばらついてもランダムに並ぶため糸の抵抗のむらによる帯電不均一による濃淡しないメリットがあるが糸の基材との接着力が弱いため抜け毛が発生する。そこで、毛の長さを3.0mm以上にし、また、被帯電部材とのニップを0.5mm以下にする事により、被帯電部材との摩擦力が下がり、抜け毛が防止できる。
【0018】
また、本発明は、上記ブラシ部材は、回転して感光体に接触する電子写真装置である。
【0019】
これにより、トナーによる汚れを均一にする事が可能となり、またブラシにごみが挟まっても回転により圧力が解除されごみが取れるためライフをつうじた安定した帯電が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明の電子写真装置の実施形態について、図1〜図7を用いて説明する。
【0021】
実施形態1を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置であるデジタルカラー複写機1の正面断面説明図である。複写機本体1の上面には、原稿台111及び後述する操作パネルが設けられ、複写機本体1の内部に画像読み取り部110および画像形成部210が設けられた構成である。
【0022】
原稿台111の上面には該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111面に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)112が装着されている。
【0023】
さらに、両面自動原稿送り装置112は、まず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになっている。そして、両面自動原稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、複写機全体の動作に関連して制御されるものである。
【0024】
画像読み取り部110は、両面自動原稿送り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。画像読み取り部110は該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113、114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0025】
この原稿走査体113、114は、第1の走査ユニット113と第2の走査ユニット114とから構成されている。第1の走査ユニット114は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。第2の走査ユニット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0026】
光学レンズ115は、第2の走査ユニットの第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0027】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報は、さらに、後述する画像処理部(図4に示す)に転送されて所定の」画像データ処理が施される。
【0028】
次に、画像形成部210の構成、および画像形成部210に係わる各部の構成について説明する。画像形成部210の下方には、用紙トレイ内に積載収容されている用紙(記録媒体)Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。そして1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。さらに、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210の画像形成にタイミングを合わせて画像形成部210に再供給搬送される。
【0029】
画像形成部210の下方には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。そして、転写搬送ベルト216の下側に近接して、パターン画像検出ユニットが設けられている。
【0030】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側には、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217が配置されている。この定着装置217の一対の定着ローラ間のニップを通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0031】
切り換えゲート218は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体1へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。切り換えゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0032】
また、画像形成部210における転写搬送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に並設されている。
【0033】
転写搬送ベルト216は駆動ローラ214によって、図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Pを担持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
【0034】
各画像ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有している。各画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、図1に示す矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a、222b、222c、および222dをそれぞれ含んでいる。
【0035】
各感光体ドラム222a〜222dの周辺には、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電する帯電器1と、感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像をそれぞれ現像する現像装置224a、224b、224c、224dと、現像された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器225a、225b、225c、225dと、感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a、226b、226c、226dとが感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿って順次配置されている。
【0036】
また、各感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザービームスキャナユニット227a、227b、227c、227dがそれぞれ設けられている。レーザービームスキャナユニット227a〜227dは、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)、半導体レーザ素子からのレーザービームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240と、ポリゴンミラー240により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241やミラー242、243などから構成されている。
【0037】
レーザービームスキャナ227aにはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227bにはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227cにはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、レーザービームスキャナ227dにはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0038】
これにより色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして、現像装置227aには黒色のトナーが、現像装置227bにはシアン色のトナーが、現像装置227cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置227dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されており、感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像形成部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0039】
また、第1の画像形成ステーションPaと給紙機構211との間には用紙吸着用帯電器228が設けられており、この吸着用帯電器228は転写搬送ベルト216の表面を帯電させ、給紙機構211から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送させる。
【0040】
一方、第4の画像ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には除電器229が設けられている。この除電器229には搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流が印加されている。
【0041】
上記構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がセンサー(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
【0042】
そして、用紙Pは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216には前述したように吸着用帯電器228により所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0043】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が、それぞれ形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、除電用放電器により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。
【0044】
なお、上述の説明ではレーザービームスキャナユニット227a〜227dによって、レーザービームを走査して露光することにより、感光体への光書き込みを行なう。しかし、レーザービームスキャナユニットの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いても良い。LEDヘッドはレーザービームスキャナーユニットに比べ、サイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0045】
次に、図2〜図5を用いて本実施形態の画像形成装置におけるブラシ帯電装置詳細について説明する。図2が、本実施形態の画像形成装置におけるプロセス部の拡大図の一例、図3はブラシ帯電装置詳細の斜視図である。図4は、静電植毛の作成方法を示す説明図である。図5は、ブラシ帯電装置のブラシ毛の全長と食い込み長さの説明図である。
【0046】
ブラシ帯電部材1は、図2に示した感光体の長手方向に沿って配置されておりブラシ帯電装置は、このブラシ帯電部材1に帯電用に電圧を印加する電源2とで構成されている。
【0047】
この実施形態に係るブラシ接触型のブラシ帯電部材1は、ロール形態からなるブラシ帯電ロールであって、導電性支持ロール芯3と、この支持ロール芯3の周囲に林立するような状態で取り付けられて多数本の導電性ブラシ毛4と、この導電性ブラシ毛4を固定する接着剤とで構成されている。
【0048】
導電性支持ロール芯3は、アルミニウム、ステンレス等の金属材料や導電性樹脂から形成されており、その両端部に形成された軸部5が図示されていない軸受に回転可能に支持されている。
【0049】
導電性ブラシ毛4は、高分子樹脂繊維材料、例えばナイロン樹脂やポリエステル樹脂、又、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などにカーボンや金属粉などの導電性粒子を分散し繊維としたものや極細線のステンレスや銅などの金属加工糸である。
【0050】
ナイロンは、摩擦により相手を負に帯電させる性質が強く、ナイロンを使用することにより、摩擦帯電で感光体を負に帯電させるため直流電圧のみの場合、電圧を30v下げることが可能となる。
【0051】
導電性ブラシ毛4は、所定の長さ、太さ、ブラシ密度(単位面積あたりの本数)等の条件に設定されており、導電性支持ロール芯3に静電植毛されて林立した状態で使用される。
【0052】
植毛の方法は、まず、図4に示すように、前記芯体3表面に接着剤を塗布して接着剤層9を形成する。こののち、前記接着剤層9にブラシ4を構成する前述の導電繊維を所望の長さにカットしたブラシ繊維5を植毛するために、図4に示すように、高電圧を印加することによりブラシ繊維7が静電誘導で帯電し、クーロン力により飛翔し、目的物の接着剤層9表面に投錨されることにより植毛される。高電圧は、前記芯体3と電極10との間に、高電圧発生装置12からの高電圧が間欠的に印加されるようになっている。また、電極10の下面から振動を付与する超音波振動装置を設けて構成してもよい。
【0053】
前記接着剤層9を構成する接着剤の種類としては、酢酸ビニール系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系等の接着剤が利用できる。前記接着剤自体を弾性を有したもので構成することによって、接着剤層9に弾性機能を有するように構成して、毛が動き易く柔らかなブラシ4になるし、感光体Aとの接触幅が広くなる等の利点もある。又、前記接着剤にカーボン等の導電付与材を混練し、導電性又は半導電性を有することも有り得る。前記接着剤の粘度を3000CPS〜10000CPSの範囲に設定することが好ましい。図5に示すように、ブラシ毛の全長L、その食い込み長さhとする。
【0054】
このような構成からなるブラシ帯電部材は、図5に示すように、ブラシ帯電部材1における導電性ブラシ毛4の先端部が被帯電部材としての感光体ドラム1の表面に接触するような状態となるようにブラシ帯電部材1の導電性支持ロール芯3の端部に設けた軸部5で回転可能に支持されて使用される。また、電源2からは、導電性支持ロール芯3の軸部5に勘合する導電性プラスチックからなる軸受けを電極端子として帯電用の電圧が印加されるようになっている。
【0055】
この際、上記帯電装置による感光体ドラムAの帯電は、図5に示すように、ブラシ帯電部材1の導電性ブラシ毛4の先端部と感光体ドラムAの表面が近づき、パッシェンの放電特性による放電開始電圧を超えた帯電用の電圧が導電性ブラシ毛4の先端部と感光体ドラムAの表面との空隙に印加されることにより、放電が開始されて感光体ドラムAの表面に電荷が与えられることにより開始される。
【0056】
次に、上記帯電装置のブラシ帯電部材1の抜け毛試験を行った結果を示す。この帯電試験装置は、図2矢印方向に回転する感光体ドラムAの周囲に、この帯電試験の対象となる帯電装置のブラシ帯電部材1は、直径6mmのロール芯に、導電性カーボン粒子をナイロン繊維中に分散させた原糸抵抗値が1×106Ωcm導電性繊維(1デニール)を50万本/平方インチ(7.75万本/平方センチメートル)の密度で植毛して基本的に構成した。
【0057】
ブラシ帯電部材1は、感光体ドラムAと同方向に回転しており周速比1.2倍と1.6倍(ブラシの方が回転数が速い)で行った。印加電圧は、DC−600vでAC 900v (PP)1.2kHZを重畳している。図6は、上記条件での抜け毛発生のテスト結果である。図6において、○は抜け毛が発生せず、×は抜け毛発生を示す。図6(a)は、周速比1.2の場合であり、図6(b)は、周速比1.6の場合である。毛の長さを3.0mm以上にし、また、被帯電部材との食い込み量を0.5mm以下にする事により、抜け毛が発生しないことがわかる。
【0058】
次に、上記帯電装置のブラシ帯電部材1の画出し試験を行った結果を示す。この帯電試験装置は、図2の矢印方向に回転する感光体ドラムAの周囲にブラシ帯電部材1を取付ける。この帯電試験の対象となる帯電装置のブラシ帯電部材1は、直径6mmのロール芯に、導電性カーボン粒子をナイロン繊維中に分散させた原糸抵抗値が1×106Ωcmの導電性繊維(1デニール)を静電植毛した。ブラシ帯電部材1は、感光体と同方向に回転しており、周速比1.6倍(ブラシの方が回転数が速い)で行った。印加電圧は、DC−600vでAC 900v (Peak to Peak 最高最低振幅)1.2kHZを重畳している。この時のACは、この時の放電開始電圧400vを超えた値(2倍以上)にしており、環境変化での表面電位の影響変化を最小限に抑えられる。
【0059】
実験結果を説明する。ACを重畳しない場合、25℃、50%から10℃、20%にて感光体表面電位が200v低下するのに対して、上記ACを重畳した場合、感光体表面電位はほとんど変化しない。また、上記条件での刷毛筋の評価結果を図7に示す。図7に示すように、植毛密度が、30万本/平方inch2(4.65万本/平方cm2)以上とすると掃け筋がなくなる事がわかる。これは、密度を上げることにより毛の方向がそろっていなくても、他の毛により、帯電が補われるためである。
【0060】
なお、図7は、図1に示す画像形成装置を用いてハーフトーン画像の形成を1枚分行った後に得られる画像(プリント物)の様子について調べた試験結果を示すものである。
【0061】
また、図7の最後の列には食い込み量0.5mmでのエージング1Kページでのトルク変動を記入した。植毛密度が、60万本/inch2(9.3万本/平方cm2)を超えるとブラシの間にトナーが入り込みトルクが上昇し実用にないレベルにあった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電の不均一を防ぎ、刷毛筋状のむらを抑えることができる電子写真装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のデジタルカラー複写機の正面断面説明図。
【図2】実施形態の画像形成装置におけるプロセス部の拡大説明図。
【図3】実施形態におけるブラシ帯電装置の詳細説明図。
【図4】実施形態におけるブラシ帯電装置の静電植毛の作成方法を示す説明図。
【図5】実施形態におけるブラシ帯電装置のブラシ毛の全長と食い込み長さの説明図。
【図6】実施形態におけるブラシ帯電装置の抜け毛テスト結果を説明する図表。
【図7】実施形態におけるブラシ帯電装置の刷毛筋テスト結果を説明する図表。
【図8】従来例1のブラシ帯電装置の説明図。
【図9】従来例2のブラシ帯電装置の説明図。
【図10】従来例のブラシ帯電装置におけるブラシと感光体の説明図。
【符号の説明】
1 ブラシ帯電部材
2 電源
3 支持ロール芯
4 導電性ブラシ毛
5 ブラシ帯電部材の軸部
9 接着剤層
10 電極
12 高電圧発生装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置であり、特に画像形成装置である電子写真装置の感光体ドラムを帯電させる帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシ帯電装置としては、導電性のブラシに電圧を印加し、ブラシからの微小放電や電荷注入により被帯電部材を一定電圧に帯電させてきた。
【0003】
従来、特許文献1、特許文献2に示すようにブラシ繊維を起毛させた材料を平板に貼り付ける方法があるが、ごみ等がブラシに引っかかって帯電が出来なくなり黒筋が発生する問題が発生する。そのため、現在では、ブラシは、一般に図8に示すように円筒上の導電性の基材に、ブラシ繊維を起毛させた材料をらせん状に巻いて回転させるものが主流になっている。
【0004】
一方、らせん状に巻いて回転させるものは、つなぎ目の部分の毛密度が低く、つなぎ目に沿って帯電の低い部分が存在し、HT画像に濃淡の斜め線が発生する。そのため、特許文献3に有るように、ブラシを継ぎ目のない円筒状に形成する方法が提案されているが、図9に示すように複数本の繊維で作成されているため、原糸の抵抗のむらが有った場合、相対的に抵抗の低い糸では放電を起こしやすく、その糸で形成されている部分(筋状に形成される)が、帯電が高くなり薄くなる。そのため、HT画像に濃淡の線が発生する問題がのこる。
【0005】
一方、静電植毛にてブラシを作成した場合、原糸抵抗がばらついてもランダムに配置されるため、HT画像に濃淡の線が発生することがなくなりまた、つなぎ目も発生しないため、斜めの濃淡もなくなる。
【0006】
又静電植毛を使う方法は、特許文献4に提案されている。しかし、静電植毛にて、ブラシを作成した場合、接着剤で、短い糸を導電性の基材に固定しているため、毛が抜けやすい欠点がある。
【0007】
また、図10に示すように、静電植毛ブラシ帯電では、ミクロに見ると、いろいろな方向に毛先が向くため被帯電部材に対してブラシのあたる部分と当たらない部分が発生し、両者の帯電が同じにならないためHTに掃け筋が発生する。
【0008】
【特許文献1】
特許第3000682号公報
【特許文献2】
特許第2947091号公報
【特許文献3】
特開平5−188734号公報
【特許文献4】
特開平10−309760号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の問題を解決するものであり、帯電の不均一を防ぎ、刷毛筋状のむらを抑えることができる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、感光体ドラムと、回転できる導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材を有し、前記感光体ドラムを帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、前記ブラシ部材は、ブラシ密度が4.65万本/cm2以上である電子写真装置である。
【0011】
ブラシ密度を30万本/inch2(4.65万本/cm2)以上にすることにより、毛の方向が不揃いのため発生する、帯電の不均一を防ぐことができ、HT部の刷毛筋状のむらを抑えることができる。
【0012】
また、本発明は、上記ブラシ部材は、直流電圧とpeak to peakで放電開始電圧の2倍以上の交流電圧を重畳した電圧が印加される電子写真装置である。
【0013】
これにより、環境が変動しても感光体の表面電位を安定させることができる。
【0014】
そして、本発明は、上記ブラシ部材は、毛がナイロンからなる電子写真装置である。
【0015】
これにより、感光体との摩擦帯電性が向上し、印加電圧DC成分を下げることが可能となる。
【0016】
更に、本発明は、被帯電部材と、導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材を有し、前記被帯電部材を帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、前記ブラシ部材は、毛の長さが3.0mm以上であり、そして、被帯電部材との食い込み量が0.5mm以下である電子写真装置である。
【0017】
静電植毛を行うことにより、ブラシ繊維をらせん状に巻きつけたものに対して巻方向に沿った形の濃淡の斜め筋が発生しない。また特許文献3にあるような継ぎ目のないものでも、織物であるため、ロット違い等により発生する糸の抵抗のむらによる帯電不均一による濃淡が発生するが、静電植毛の場合、糸の抵抗がばらついてもランダムに並ぶため糸の抵抗のむらによる帯電不均一による濃淡しないメリットがあるが糸の基材との接着力が弱いため抜け毛が発生する。そこで、毛の長さを3.0mm以上にし、また、被帯電部材とのニップを0.5mm以下にする事により、被帯電部材との摩擦力が下がり、抜け毛が防止できる。
【0018】
また、本発明は、上記ブラシ部材は、回転して感光体に接触する電子写真装置である。
【0019】
これにより、トナーによる汚れを均一にする事が可能となり、またブラシにごみが挟まっても回転により圧力が解除されごみが取れるためライフをつうじた安定した帯電が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明の電子写真装置の実施形態について、図1〜図7を用いて説明する。
【0021】
実施形態1を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置であるデジタルカラー複写機1の正面断面説明図である。複写機本体1の上面には、原稿台111及び後述する操作パネルが設けられ、複写機本体1の内部に画像読み取り部110および画像形成部210が設けられた構成である。
【0022】
原稿台111の上面には該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111面に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)112が装着されている。
【0023】
さらに、両面自動原稿送り装置112は、まず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになっている。そして、両面自動原稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、複写機全体の動作に関連して制御されるものである。
【0024】
画像読み取り部110は、両面自動原稿送り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。画像読み取り部110は該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113、114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0025】
この原稿走査体113、114は、第1の走査ユニット113と第2の走査ユニット114とから構成されている。第1の走査ユニット114は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。第2の走査ユニット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0026】
光学レンズ115は、第2の走査ユニットの第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0027】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報は、さらに、後述する画像処理部(図4に示す)に転送されて所定の」画像データ処理が施される。
【0028】
次に、画像形成部210の構成、および画像形成部210に係わる各部の構成について説明する。画像形成部210の下方には、用紙トレイ内に積載収容されている用紙(記録媒体)Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。そして1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。さらに、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210の画像形成にタイミングを合わせて画像形成部210に再供給搬送される。
【0029】
画像形成部210の下方には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。そして、転写搬送ベルト216の下側に近接して、パターン画像検出ユニットが設けられている。
【0030】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側には、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217が配置されている。この定着装置217の一対の定着ローラ間のニップを通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0031】
切り換えゲート218は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体1へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。切り換えゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0032】
また、画像形成部210における転写搬送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に並設されている。
【0033】
転写搬送ベルト216は駆動ローラ214によって、図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Pを担持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
【0034】
各画像ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有している。各画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、図1に示す矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a、222b、222c、および222dをそれぞれ含んでいる。
【0035】
各感光体ドラム222a〜222dの周辺には、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電する帯電器1と、感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像をそれぞれ現像する現像装置224a、224b、224c、224dと、現像された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器225a、225b、225c、225dと、感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a、226b、226c、226dとが感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿って順次配置されている。
【0036】
また、各感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザービームスキャナユニット227a、227b、227c、227dがそれぞれ設けられている。レーザービームスキャナユニット227a〜227dは、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)、半導体レーザ素子からのレーザービームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240と、ポリゴンミラー240により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241やミラー242、243などから構成されている。
【0037】
レーザービームスキャナ227aにはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227bにはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227cにはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、レーザービームスキャナ227dにはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0038】
これにより色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして、現像装置227aには黒色のトナーが、現像装置227bにはシアン色のトナーが、現像装置227cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置227dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されており、感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像形成部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0039】
また、第1の画像形成ステーションPaと給紙機構211との間には用紙吸着用帯電器228が設けられており、この吸着用帯電器228は転写搬送ベルト216の表面を帯電させ、給紙機構211から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送させる。
【0040】
一方、第4の画像ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には除電器229が設けられている。この除電器229には搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流が印加されている。
【0041】
上記構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がセンサー(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
【0042】
そして、用紙Pは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216には前述したように吸着用帯電器228により所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0043】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が、それぞれ形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、除電用放電器により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。
【0044】
なお、上述の説明ではレーザービームスキャナユニット227a〜227dによって、レーザービームを走査して露光することにより、感光体への光書き込みを行なう。しかし、レーザービームスキャナユニットの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いても良い。LEDヘッドはレーザービームスキャナーユニットに比べ、サイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0045】
次に、図2〜図5を用いて本実施形態の画像形成装置におけるブラシ帯電装置詳細について説明する。図2が、本実施形態の画像形成装置におけるプロセス部の拡大図の一例、図3はブラシ帯電装置詳細の斜視図である。図4は、静電植毛の作成方法を示す説明図である。図5は、ブラシ帯電装置のブラシ毛の全長と食い込み長さの説明図である。
【0046】
ブラシ帯電部材1は、図2に示した感光体の長手方向に沿って配置されておりブラシ帯電装置は、このブラシ帯電部材1に帯電用に電圧を印加する電源2とで構成されている。
【0047】
この実施形態に係るブラシ接触型のブラシ帯電部材1は、ロール形態からなるブラシ帯電ロールであって、導電性支持ロール芯3と、この支持ロール芯3の周囲に林立するような状態で取り付けられて多数本の導電性ブラシ毛4と、この導電性ブラシ毛4を固定する接着剤とで構成されている。
【0048】
導電性支持ロール芯3は、アルミニウム、ステンレス等の金属材料や導電性樹脂から形成されており、その両端部に形成された軸部5が図示されていない軸受に回転可能に支持されている。
【0049】
導電性ブラシ毛4は、高分子樹脂繊維材料、例えばナイロン樹脂やポリエステル樹脂、又、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などにカーボンや金属粉などの導電性粒子を分散し繊維としたものや極細線のステンレスや銅などの金属加工糸である。
【0050】
ナイロンは、摩擦により相手を負に帯電させる性質が強く、ナイロンを使用することにより、摩擦帯電で感光体を負に帯電させるため直流電圧のみの場合、電圧を30v下げることが可能となる。
【0051】
導電性ブラシ毛4は、所定の長さ、太さ、ブラシ密度(単位面積あたりの本数)等の条件に設定されており、導電性支持ロール芯3に静電植毛されて林立した状態で使用される。
【0052】
植毛の方法は、まず、図4に示すように、前記芯体3表面に接着剤を塗布して接着剤層9を形成する。こののち、前記接着剤層9にブラシ4を構成する前述の導電繊維を所望の長さにカットしたブラシ繊維5を植毛するために、図4に示すように、高電圧を印加することによりブラシ繊維7が静電誘導で帯電し、クーロン力により飛翔し、目的物の接着剤層9表面に投錨されることにより植毛される。高電圧は、前記芯体3と電極10との間に、高電圧発生装置12からの高電圧が間欠的に印加されるようになっている。また、電極10の下面から振動を付与する超音波振動装置を設けて構成してもよい。
【0053】
前記接着剤層9を構成する接着剤の種類としては、酢酸ビニール系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系等の接着剤が利用できる。前記接着剤自体を弾性を有したもので構成することによって、接着剤層9に弾性機能を有するように構成して、毛が動き易く柔らかなブラシ4になるし、感光体Aとの接触幅が広くなる等の利点もある。又、前記接着剤にカーボン等の導電付与材を混練し、導電性又は半導電性を有することも有り得る。前記接着剤の粘度を3000CPS〜10000CPSの範囲に設定することが好ましい。図5に示すように、ブラシ毛の全長L、その食い込み長さhとする。
【0054】
このような構成からなるブラシ帯電部材は、図5に示すように、ブラシ帯電部材1における導電性ブラシ毛4の先端部が被帯電部材としての感光体ドラム1の表面に接触するような状態となるようにブラシ帯電部材1の導電性支持ロール芯3の端部に設けた軸部5で回転可能に支持されて使用される。また、電源2からは、導電性支持ロール芯3の軸部5に勘合する導電性プラスチックからなる軸受けを電極端子として帯電用の電圧が印加されるようになっている。
【0055】
この際、上記帯電装置による感光体ドラムAの帯電は、図5に示すように、ブラシ帯電部材1の導電性ブラシ毛4の先端部と感光体ドラムAの表面が近づき、パッシェンの放電特性による放電開始電圧を超えた帯電用の電圧が導電性ブラシ毛4の先端部と感光体ドラムAの表面との空隙に印加されることにより、放電が開始されて感光体ドラムAの表面に電荷が与えられることにより開始される。
【0056】
次に、上記帯電装置のブラシ帯電部材1の抜け毛試験を行った結果を示す。この帯電試験装置は、図2矢印方向に回転する感光体ドラムAの周囲に、この帯電試験の対象となる帯電装置のブラシ帯電部材1は、直径6mmのロール芯に、導電性カーボン粒子をナイロン繊維中に分散させた原糸抵抗値が1×106Ωcm導電性繊維(1デニール)を50万本/平方インチ(7.75万本/平方センチメートル)の密度で植毛して基本的に構成した。
【0057】
ブラシ帯電部材1は、感光体ドラムAと同方向に回転しており周速比1.2倍と1.6倍(ブラシの方が回転数が速い)で行った。印加電圧は、DC−600vでAC 900v (PP)1.2kHZを重畳している。図6は、上記条件での抜け毛発生のテスト結果である。図6において、○は抜け毛が発生せず、×は抜け毛発生を示す。図6(a)は、周速比1.2の場合であり、図6(b)は、周速比1.6の場合である。毛の長さを3.0mm以上にし、また、被帯電部材との食い込み量を0.5mm以下にする事により、抜け毛が発生しないことがわかる。
【0058】
次に、上記帯電装置のブラシ帯電部材1の画出し試験を行った結果を示す。この帯電試験装置は、図2の矢印方向に回転する感光体ドラムAの周囲にブラシ帯電部材1を取付ける。この帯電試験の対象となる帯電装置のブラシ帯電部材1は、直径6mmのロール芯に、導電性カーボン粒子をナイロン繊維中に分散させた原糸抵抗値が1×106Ωcmの導電性繊維(1デニール)を静電植毛した。ブラシ帯電部材1は、感光体と同方向に回転しており、周速比1.6倍(ブラシの方が回転数が速い)で行った。印加電圧は、DC−600vでAC 900v (Peak to Peak 最高最低振幅)1.2kHZを重畳している。この時のACは、この時の放電開始電圧400vを超えた値(2倍以上)にしており、環境変化での表面電位の影響変化を最小限に抑えられる。
【0059】
実験結果を説明する。ACを重畳しない場合、25℃、50%から10℃、20%にて感光体表面電位が200v低下するのに対して、上記ACを重畳した場合、感光体表面電位はほとんど変化しない。また、上記条件での刷毛筋の評価結果を図7に示す。図7に示すように、植毛密度が、30万本/平方inch2(4.65万本/平方cm2)以上とすると掃け筋がなくなる事がわかる。これは、密度を上げることにより毛の方向がそろっていなくても、他の毛により、帯電が補われるためである。
【0060】
なお、図7は、図1に示す画像形成装置を用いてハーフトーン画像の形成を1枚分行った後に得られる画像(プリント物)の様子について調べた試験結果を示すものである。
【0061】
また、図7の最後の列には食い込み量0.5mmでのエージング1Kページでのトルク変動を記入した。植毛密度が、60万本/inch2(9.3万本/平方cm2)を超えるとブラシの間にトナーが入り込みトルクが上昇し実用にないレベルにあった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電の不均一を防ぎ、刷毛筋状のむらを抑えることができる電子写真装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のデジタルカラー複写機の正面断面説明図。
【図2】実施形態の画像形成装置におけるプロセス部の拡大説明図。
【図3】実施形態におけるブラシ帯電装置の詳細説明図。
【図4】実施形態におけるブラシ帯電装置の静電植毛の作成方法を示す説明図。
【図5】実施形態におけるブラシ帯電装置のブラシ毛の全長と食い込み長さの説明図。
【図6】実施形態におけるブラシ帯電装置の抜け毛テスト結果を説明する図表。
【図7】実施形態におけるブラシ帯電装置の刷毛筋テスト結果を説明する図表。
【図8】従来例1のブラシ帯電装置の説明図。
【図9】従来例2のブラシ帯電装置の説明図。
【図10】従来例のブラシ帯電装置におけるブラシと感光体の説明図。
【符号の説明】
1 ブラシ帯電部材
2 電源
3 支持ロール芯
4 導電性ブラシ毛
5 ブラシ帯電部材の軸部
9 接着剤層
10 電極
12 高電圧発生装置
Claims (5)
- 感光体ドラムと、回転できる導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材を有し、前記感光体ドラムを帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、
前記ブラシ部材は、ブラシ密度が4.65万本/cm2以上であることを特徴とする電子写真装置。 - 請求項1記載の電子写真装置において、
上記ブラシ部材は、直流電圧とpeak to peakで放電開始電圧の2倍以上の交流電圧を重畳した電圧が印加されることを特徴とする電子写真装置。 - 請求項1記載の電子写真装置において、
上記ブラシ部材は、毛がナイロンからなることを特徴とする電子写真装置。 - 被帯電部材と、導電性の材料に接着剤を塗布し、その上に導電性繊維を静電植毛したブラシ部材を有し、前記被帯電部材を帯電させる帯電装置とを備える電子写真装置において、
前記ブラシ部材は、毛の長さが3.0mm以上であり、そして、被帯電部材との食い込み量が0.5mm以下であることを特徴とする電子写真装置。 - 請求項4記載の電子写真装置において、
上記ブラシ部材は、回転して感光体に接触することを特徴とする電子写真装置。
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