JP2004324902A - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents

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義人 木村
Tetsuya Saito
哲哉 斎藤
Makoto Oyamada
真 小山田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
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Abstract

【課題】冷凍室冷却時の冷却サイクルの効率を向上させ、省エネ冷凍冷蔵庫を提供することを目的としている。特に低温の冷凍室における冷却サイクルの効率を向上させ、省エネ冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。
【解決手段】冷蔵室2庫内に第一の蒸発器7と冷凍室3庫内に第二の蒸発器9と、第一の凝縮器16と第二の凝縮器17と冷蔵室2庫内の第一の蒸発器7とを備えた冷蔵室冷却サイクル14と、第一の凝縮器16と第三の凝縮器20と冷凍室3庫内の第二の蒸発器9とを備えた冷凍室冷却サイクル15と、各冷却サイクルを切り替える切替手段10とを設け、第三の凝縮器20を冷蔵室2に配設したことを特徴とする。これにより冷凍室冷却サイクル15の凝縮温度を低減し低圧縮比運転を可能とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の貯蔵室と複数の蒸発器を備えた冷凍冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷蔵庫の省エネ化については、冷蔵室と冷凍室を別々の蒸発器で独立して冷却することで高効率化を図ったものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来の冷凍冷蔵庫について説明をする。
【0004】
図8に従来の冷却サイクル並びに冷蔵庫の概略断面図を示す。
【0005】
断熱箱体1は冷蔵室2と冷凍室3とから構成され、各室に設けられた図示しない扉部の開閉により食品等の被冷却物を出し入れする。
【0006】
冷却サイクルは圧縮機4と凝縮器5と第一のキャピラリ(第一の減圧手段)6と冷蔵室2内に配設された第一の蒸発器7とを環状に接続し、第二のキャピラリ(第二の減圧手段)8と冷凍室3内に配設された第二の蒸発器9を冷却回路の切り替え可能に電動三方弁(切替手段)10を介して並列に接続し構成する。また低温の第二の蒸発器9の出口配管部には逆止弁11が設けてある。
【0007】
冷蔵室2庫内には第一の蒸発器7と熱交換した冷気を循環させるための第一の電動ファン(第一の送風手段)12を設け、冷凍室3庫内には第二の蒸発器9と熱交換した冷気を循環させるための第二の電動ファン(第二の送風手段)13を設けてある。
【0008】
以上のように構成された従来例の冷蔵庫について、以下その動作を説明する。
【0009】
冷却サイクルの運転は以下のように行われる。まず圧縮機4により圧縮された冷媒が凝縮器5で凝縮液化される。凝縮された冷媒は第一のキャピラリ6もしくは第二のキャピラリ8で減圧されて、それぞれ第一の蒸発器7、第二の蒸発器9へ流入、蒸発気化された後、再び圧縮機4へと吸入される。
【0010】
第一のファン12、第二のファン13により、冷媒が蒸発気化して比較的低温となった第一の蒸発器7、第二の蒸発器9と冷蔵室2、冷凍室3の空気が各々熱交換して冷気が循環することで各室が冷却される。
【0011】
冷凍冷蔵庫の冷却運転は図示しない各室の温度検知手段と制御手段により以下のように行われる。
【0012】
冷蔵室2、冷凍室3の各温度検知手段が所定値以上の温度上昇を検知すると圧縮機4が起動し、所定値以下となるまで冷却サイクルの運転が行われる。
【0013】
冷蔵室2の温度検知手段が所定値以上となった場合、切替弁10により冷媒は第二の蒸発器9には流入することなく、第一の蒸発器7へのみ流れる。このときの蒸発温度は冷蔵室2の温度設定が5℃程度に対して0〜−15℃であり、通常の−25〜−30℃の蒸発温度に対して2〜2.5倍の成績係数で圧縮機の運転が行われる。
【0014】
冷凍室3の温度検知手段が所定値以上となった場合、切替弁10により冷媒は第二の蒸発器9へと流入し、冷凍室3の冷却が行われる。このときの蒸発温度は冷凍室の温度設定が−20℃程度に対し通常の蒸発温度−25℃から−30℃で冷却される。
【0015】
以上のように冷蔵室2と冷凍室3とを交互に繰り返し冷却するので、冷蔵室2冷却時は独立的に冷媒を第一の蒸発器7へと循環させることで高蒸発温度(0〜−20℃)が可能であり、圧縮機4の圧縮比を小さくでき、高い成績係数で運転を行い効率化を図ると共に、冷蔵室2の室温と蒸発温度との差を小さくすることで温度変動を低減させて冷蔵室2の均温化を狙っている。
【0016】
【特許文献1】
特開平11−148761号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、冷却サイクルの高効率化を図ってきたものの更なる効率向上にむけて限界が生じる。特に冷凍室3冷却時の冷却サイクルは比較的低い蒸発温度で運転するため圧縮比が大きく成績係数が冷蔵室2冷却運転に比べて劣っている。冷凍室3は庫内温度を約−20℃に冷却するために第二の蒸発器9の温度を−25〜−30℃に設定している。蒸発器と庫内空気との温度差が少ないために蒸発温度を上昇させて低圧縮比の成績係数の良い冷却サイクルを構成するにも熱交換器の性能上限界がある。
【0018】
省エネを追求するために断熱箱体1の断熱性能を向上させた場合においても、冷凍室3は庫内温度設定が低いために周囲温度との温度差が大きく熱通過量を低減することが比較的困難である。断熱壁厚を厚くすれば内容積の減少や、断熱箱体1の外郭寸法が大きくなり設置スペースの確保が困難となる問題が生じる。
【0019】
さらに、冷凍室3の温度設定が低いほど、冷凍室3の第二の蒸発器9の温度を低く設定しなければならないので、圧縮比が大きくなる。
【0020】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、冷凍室冷却時の冷却サイクルの効率を向上させ、省エネ冷凍冷蔵庫を提供することを目的としている。
【0021】
特に低温の冷凍室における冷却サイクルの効率を向上させ、省エネ冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0022】
また、従来の冷蔵庫は冷蔵室2に第一の蒸発器7を設けたので、その除霜に加熱手段を用いて、消費電力量を増加させている欠点があった。
【0023】
本発明の他の目的は冷蔵室に備えた第一の蒸発器の除霜のための消費電力量を削減することである。
【0024】
また、従来の冷蔵庫は冷蔵室2の一部の凍結防止や結露防止のために温度補償ヒーターを用いて加熱を行い消費電力量を増加させている欠点があった。
【0025】
本発明の他の目的は冷蔵室の温度補償のための消費電力量を削減することである。
【0026】
また、従来の冷蔵庫は冷蔵室2の保鮮性向上のために、冷蔵室2の第一の電動ファン12を非冷却中に運転し、着霜した第一の蒸発器7を利用して庫内に加湿を行っているが、着霜量が少ない状態では十分な加湿が行えない欠点があった。
【0027】
本発明の他の目的は安定した冷蔵室の高湿化で高品位保鮮が可能となる冷凍冷蔵庫を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、冷蔵室と冷凍室を構成する断熱箱体と、前記冷蔵室庫内に第一の蒸発器と前記冷凍室庫内に第二の蒸発器と、第一の凝縮器と第二の凝縮器と前記第一の蒸発器とを備えた冷蔵室冷却サイクルと、前記第一の凝縮器と第三の凝縮器と前記第二の蒸発器とを備えた冷凍室冷却サイクルと、各冷却サイクルを切り替える切替手段とを設け、前記第三の凝縮器を前記冷蔵室に配設したことを特徴とする。
【0029】
これにより、冷凍室冷却サイクル運転時において、従来は凝縮器が周囲温度により熱交換されて放熱するけれども、約0℃〜5℃の庫内温度設定である冷蔵室で第三の凝縮器が放熱するので凝縮温度の一層の低減が可能である。よって低い圧縮比での冷凍室冷却サイクルの運転が可能となる。
【0030】
また、冷蔵室の負荷量は凝縮器からの放熱負荷により増加するが、冷蔵室の冷却効率は、比較的高い蒸発温度設定により低圧縮比化が可能であり、冷凍室に比べて成績係数が良いので、消費電力の増加は比較的少なく、総合して冷却サイクルの成績係数が向上するという作用を有する。
【0031】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加え、前記冷凍室庫内温度を通常冷凍温度である−20℃より低温の温度設定を可能としたことを特徴とするものであり、蒸発温度をより低く設定した場合に、従来の冷凍室冷却サイクルでは圧縮比が非常に大きくなり、圧縮機の効率低下が伴って、成績係数が大きく低下するものに比べ、冷凍室冷却サイクルの圧縮比の低減による成績係数の向上が大きくなるという作用を有する。
【0032】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明に加えて、前記冷蔵室冷却サイクルは圧縮機と前記第一の凝縮器と前記第二の凝縮器と第一の減圧手段と前記第一の蒸発器と第一のサクションパイプを環状に接続してあり、前記冷凍室冷却サイクルは前記圧縮機と前記第一の凝縮器と前記第三の凝縮器と第二の減圧手段と前記第二の蒸発器と第二のサクションパイプを環状に接続してあり、前記第二のサクションパイプと前記第一の凝縮器とを熱交換可能に配設したことを特徴とする。
【0033】
以上の構成により、キャピラリ通過冷媒の冷却を行い冷凍効果を増加せしめることと、圧縮機の吸い込みガス温度を周囲温度程度に上昇させ、圧縮機の吸い込みガスの受熱損失を軽減するとともに、断熱箱体の外部に配設されたサクションパイプの温度低下による結露、さび付きを防止することを両立するものである。
【0034】
特に冷凍室冷却サイクルの凝縮温度を大きく低減する場合は熱交換温度差が減少し熱交換量が減少するので、温度の高い第一の凝縮器で熱交換を行えば冷凍効果を増加させて成績係数の向上が可能である。
【0035】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器から前記第二の蒸発器までのサイクル構成部品及び接続配管を前記断熱箱体内に埋設し断熱することを特徴とするので、断熱箱体外部には配置しないので、冷蔵室で低温に熱交換後は再加熱を防止でき冷却サイクルの成績係数を低下させることがないという作用を有する。
【0036】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第二の凝縮器のすくなくとも一部が前記断熱箱体の開口シール部近傍に配設した結露防止手段であることを特徴とするので、冷凍室冷却サイクルの配管を配設した場合にくらべて、凝縮温度の低下により結露促進させてしまうことなく防滴が可能であるとともに、冷蔵室冷却運転時だけに放熱パイプの断熱箱体庫内への熱侵入を抑制できるので冷蔵庫負荷量が低減でき消費電力量を低減できる。
【0037】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記冷蔵室周囲断熱壁に真空断熱材を用い冷蔵室負荷量を冷蔵室負荷量を冷凍室負荷量より小さくしたことを特徴とするので、内容積を減少させたり、外形を大きくすることなく冷蔵室負荷量を低減することができる。そして冷蔵室負荷量と冷凍室負荷量と比べると冷蔵室負荷量が小さくなるので冷凍室冷却サイクルの成績係数改善による消費電力量削減の効果が大きくなるという作用を有する。
【0038】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器の少なくとも一部が前記冷蔵室庫内にある前記第一の蒸発器と熱交換可能に配設したことを特徴とするので、冷蔵室冷却サイクルの運転により第一の蒸発器に付着した霜の顕熱及び潜熱を利用して、第三の凝縮器と熱交換を行うので、除霜用の加熱手段が不要でありその加熱に必要な電力消費を抑制することが可能であるという作用を有する。
【0039】
さらに霜の蒸発潜熱は熱量が顕熱に比べてはるかに大きいため、第三の凝縮器の熱交換量も大きくなり、さらに大きな成績係数の向上が可能であるという作用を有する。
【0040】
また、さらに冷蔵室の庫内においても比較的低温である第一の蒸発器と熱交換することは熱交換量が向上するという作用を有する
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明に加えて、前記第一の蒸発器と前記第三の凝縮器とがフィンコイルタイプであり、各々フィンを共用して配管パスを構成することを特徴とするので、冷蔵室の庫内を冷却するために熱交換面積を増加させるフィンを兼用して凝縮器の熱交換に用いるためにスペース効率が向上するとともに、凝縮器の熱交換面積を増加させるために、さらに大きな成績係数の向上が可能となるという作用を有する。
【0041】
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第一の蒸発器と前記第三の凝縮器の熱交換部に蓄冷材を備えたことを特徴とするので、冷蔵室冷却時に蓄冷材に蓄えた冷却能力により凝縮器の放熱を行うので大きな能力が得られるとともに、冷蔵室庫内への温度変動影響を低減するという作用を有する。
【0042】
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器は蒸発器を構成する配管の径よりも小さい配管を用いて構成することを特徴としたものであり、第三の凝縮器の配管下流部には冷媒が液化して存在するので、管内の容積を減少させることで冷却サイクルに必要な冷媒の使用量を低減することが可能であるという作用を有する。特にR600aなどの可燃性冷媒を用いる場合は安全設計が比較的容易となる。
【0043】
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器の少なくとも一部の配管が冷蔵室庫内の温度補償用の加熱手段であり、加熱を必要とする部位に熱交換可能に配設することを特徴とするので、庫内電気ヒーターを用いずに凝縮器の放熱により凍結防止や庫内結露防止が可能であるという作用を有する。
【0044】
請求項12に記載の発明は、請求項11記載の発明に加えて、前記冷凍室に自動製氷機と前記冷蔵室に給水装置とを備え、前記給水装置水タンクの凍結防止のために、前記加熱手段を前記水タンク近傍に設けたことを特徴とするので、庫内電気ヒーターを用いずに凝縮器の放熱により凍結防止や庫内結露防止が可能であるという作用を有する。
【0045】
請求項13に記載の発明は、請求項11記載の発明に加えて、前記冷蔵室庫内に冷蔵室ダクトを設けたもので、前記冷蔵室ダクトを構成するダクトパネル背面に前記第三の凝縮器を当接することを特徴とするので、庫内電気ヒーターを用いずに凝縮器の放熱により凍結防止や庫内結露防止が可能であるという作用を有する。
【0046】
請求項14に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明に加えて、前記冷蔵室庫内に前記第一の蒸発器からの除霜水を受けるドレンパンと除霜水を外部排出するドレンチューブとを備え、前記第三の凝縮器の少なくとも一部の配管が前記ドレンパンを加熱するよう近傍に配設された蒸発手段であることを特徴とするので、第一の蒸発器からドレンパンに落下した霜や除霜水を蒸発促進させて、霜残りやドレン凍結を防止するためのヒーター電力を削減することが可能となるという作用を有する。
【0047】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明に加えて、前記ドレンパンは前記ドレンチューブの開口部より下方に除霜水を一旦保水する受け構造であり、前記蒸発手段により庫内加湿することを特徴とするので、庫内に食品が少ない状態であっても、ドレンパンに除霜水を保留し、これを凝縮器で加熱するので、凝縮器の能力向上とともに冷蔵室庫内加湿が可能であり、冷蔵室の高湿度化を維持できるという作用を有する。
【0048】
請求項16に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明に加えて、前記ドレンパンと前記蒸発手段により前記冷蔵室庫内で除霜水を保持して蒸発させ、ドレンチューブや、蒸発皿を設けない構成とすることを特徴とするので、部品点数の削減が可能であるという作用を有する。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による冷凍冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成の部分については重複を避けるため同一符号をつけて詳細な説明を省略する。
【0050】
(実施の形態1)
図1は本発明による実施の形態1における冷凍冷蔵庫の概略断面図であり、図2、図3は図1における冷凍冷蔵庫の冷却サイクルのモリエル線図である。
【0051】
ウレタン等で断熱構造をとる断熱箱体1は冷蔵室2と冷凍室3とから構成され、各室に設けられた図示しない扉部の開閉により食品等の被冷却物を出し入れする。冷蔵室2はさらに冷蔵室、野菜室、ボトル室、新温度帯室(パーシャル室やチルド室等)に細分化されている場合もある。また、冷凍室3は自動製氷機を備えたもので製氷室や、温度帯をユーザーが設定可能な切替室に細分化されている場合がある。
【0052】
図示しない断熱材で構成された扉は回転開閉式のものや、引出し開閉式のものがあり、回転式の扉の場合、庫内に棚が設けられて食品などが区分収納できるものと、回転式扉の内部にさらに引出し収納式のバスケットが多段に区分収納可能に配置されているものがある。引出し式の場合は通常、食品収納用のバスケットが扉に保持され、扉の引出し動作によりバスケットも手前に引き出される構造となっている。
【0053】
また、断熱扉と断熱箱体の当接部は図示しない扉の外周に沿って設けられたパッキンでシールされており冷気漏れを防止する。
【0054】
冷却サイクルは冷蔵室冷却サイクル14と冷凍室冷却サイクル15を並列に構成してあり、切替手段である電動三方弁10により各サイクルを切替可能としてある。
【0055】
また、冷蔵室冷却サイクル14は圧縮機4と第一の凝縮器16と切替手段である電動三方弁10と第二の凝縮器17と第一のドライヤ18と第一の減圧手段であるキャピラリ6と第一の蒸発器7と第一のサクションパイプ19とを環状に接続構成してある。
【0056】
また、冷凍室冷却サイクル15は圧縮機4と第一の凝縮器16と電動三方弁10と第三の凝縮器20と第二のドライヤ21と第二の減圧手段であるキャピラリ8と第二の蒸発器9と第二のサクションパイプ22を環状に接続構成してある。途中第二のサクションパイプ22には第一のサクションパイプ19との合流部手前に逆止弁11が設けてある。
【0057】
冷蔵室2庫内には第一の蒸発器7と熱交換した冷気を循環させるための第一の電動ファン(第一の送風手段)12とを風路を構成する冷蔵室ダクト23内に庫内食品収納スペースと区分して設け、冷凍室3庫内には第二の蒸発器9と熱交換した冷気を循環させるための第二の電動ファン(第二の送風手段)13と同様に冷凍室ダクト24内に設けてある。電動ファン12,13は軸流ファンや、シロッコファン、クロスフローファンなどが用いられる。
【0058】
第二の凝縮器17は冷蔵室冷却サイクル14の主要な放熱手段であり、断熱箱体1外部に設けられた図示しない電動ファンによる強制空冷式のものや、断熱箱体外周壁面パネルに熱交換可能に配管を配設した自然空冷式のものや、これらを組み合わせたものが使用されている。
【0059】
第三の凝縮器20は冷凍室冷却サイクル15の主要な放熱手段であり、冷蔵室2庫内に熱交換可能に配置される。庫内温度への放熱影響を考慮すると、冷蔵室ダクト21内に設けることが望ましい。
【0060】
また一般的に冷却サイクルにはR134aやR600aなどの冷媒が用いられる。
【0061】
また、図示しない制御手段と温度検知手段によって、圧縮機4や電動三方弁10や電動ファン12、13等が動作される。
【0062】
以上のように構成された冷凍冷蔵庫について、以下その動作を説明する。
【0063】
図2は冷蔵室冷却サイクルのモリエル線図を、図4は圧縮機の圧縮効率と機械効率の一例を示す線図を示してある。
【0064】
各室の冷却は図示しない制御手段と各室に設けられた庫内温度検知手段によって冷蔵室2冷却と冷凍室3冷却が交互に切り替えて行われる。冷蔵室2及び冷凍室3の庫内冷却は、冷却サイクルの運転によって比較的低温となった第一の蒸発器7、第二の蒸発器9と冷蔵室2、冷凍室3の空気が第一の電動ファン12と第二の電動ファン13により各々熱交換して冷気が循環することで行われる。
【0065】
冷却サイクルの運転は冷蔵室冷却サイクル14の運転と冷凍室運転サイクル15の運転からなり、以下のように行われる。なお、()内はモリエル線図上のポイントを示している。冷蔵室冷却サイクル14の運転は圧縮機4により圧縮された(h11)冷媒が第一の凝縮器16で放熱される。放熱された冷媒は電動三方弁10で冷却回路が選択され、第二の凝縮器17で凝縮液化される。液化した冷媒は第一のドライヤ18で、残留水分やごみなどの不純物を除去された後に第一のキャピラリ6へと供給される(h12)。第一のキャピラリ6で減圧された冷媒は第一の蒸発器7へと流入し(h13)、冷蔵室2庫内の空気と熱交換することで蒸発気化する。蒸発気化した冷媒は第一のサクションパイプ19を通過して圧縮機4へ戻り(h14)、再度吐出される(h11)。
【0066】
圧縮機4の圧縮仕事は理論的に等エントロピー変化として仮定すると、吐出のポイントは(h16)となる。しかし、圧縮機4における、吐出弁、吸入弁の圧力降下やピストン、シリンダ間のガス漏れや受熱による損失により効率が低下する。一般的にこれらの損失による効率低下を圧縮効率で表している。さらに圧縮機4の各摺動部の摩擦など機械的損失により、さらに効率は低下する。一般的にこれら損失による効率低下を機械効率で表している。一例を図4に示すように、一般的に圧縮比が高くなるとこれらの効率は低下する。
【0067】
実際の圧縮仕事は上記効率低下を加味して、理論圧縮仕事に圧縮効率と機械効率を積算して算出する。モリエル線図上では理論上の圧縮機吐出ポイント(h16)から比エンタルピーが増加する方向となる(h11)。
【0068】
この時、例えば断熱箱体1の周囲温度が25度であったとすると近年の省エネ冷蔵庫では凝縮温度(T11)は温度差5K程度の約30度にまで凝縮温度を低減している。蒸発温度(T12)は例えば冷蔵室2の庫内温度5度にたいして温度差5K程度の0度とすると、この時サイクル圧縮比は冷媒をR134aとすれば各々の飽和温度相当圧力から凝縮圧力0.7702MPa、蒸発圧力0.2928MPaとなりその圧縮比は約2.6と算出される。実際は配管での流路抵抗等により圧力損失を受けるので、圧縮比はこれよりも若干高くなる。
【0069】
成績係数は冷凍効果と圧縮仕事の比で示されるので冷凍効果が大きいほど、また圧縮仕事が小さいほど成績係数は向上する。モリエル線図上では冷凍効果は蒸発器の入口から出口までの比エンタルピー差を表し、圧縮仕事は圧縮機の吸入から吐出までの比エンタルピー差で表すので、圧縮比が小さいほど圧縮仕事は小さくなり成績係数が向上するのである。さらに、圧縮比が小さいほど圧縮機4の圧縮効率や機械効率が向上し、圧縮仕事がより小さくなるので成績係数が向上するのである。
【0070】
一方、図3は冷凍室冷却サイクル15のモリエル線図を示しており、比較のため図中破線は従来の冷凍室冷却サイクルのモリエル線図を示した。
【0071】
冷凍室冷却サイクル15の運転は、圧縮機4により圧縮された(h31)冷媒が第一の凝縮器16で放熱される(h32)までは冷蔵室冷却サイクル14と同じであるが、電動三方弁10で冷却回路が冷凍に選択されて、第三の凝縮器20へと冷媒が供給される。第三の凝縮器20は冷蔵室2庫内温度に熱交換可能に配設されており、冷媒は凝縮液化されて、第二のドライヤ21を通り第二のキャピラリ8へと供給される(h33)。
【0072】
第二のキャピラリ8で減圧された冷媒は第二の蒸発器9へと流入し(h34)、冷凍室3庫内の空気と熱交換することで蒸発気化する。蒸発気化した冷媒は第二のサクションパイプ22を通過したのち、第一のサクションパイプ19との合流点を経て圧縮機4へ戻り(h35)、再度吐出される(h31)。途中第二のサクションパイプ22には逆止弁11が設けてあり、冷蔵室冷却運転時における冷蔵室冷却サイクル14からの逆流を防止する。
【0073】
第一、第二のサクションパイプ19、22は低圧圧力損失の低減のため比較的内径の大きい配管で構成している。
【0074】
この時、例えば断熱箱体1の周囲温度が25度であったとすると近年の省エネ冷蔵庫では凝縮温度(T21)は温度差5K程度の約30度にまで凝縮温度を低減している。蒸発温度(T23)は例えば冷棟室3の庫内温度約―20度にたいして−25度とすると、この時サイクル圧縮比は冷媒をR134aとすれば各々の飽和温度相当圧力から凝縮圧力0.7702MPa、蒸発圧力0.1064MPaとなりその圧縮比は約7.2と算出される。
【0075】
しかしながら、本実施の形態1によれば第一の凝縮器16で周囲温度である約25度まで放熱を行い(h32)、その後、第三の凝縮器20で冷蔵室2と熱交換されて、凝縮温度(T22)は庫内温度との温度差5K程度の10度で冷媒を凝縮液化させる。
【0076】
この時、冷凍室冷却サイクル15の圧縮比は凝縮圧力0.4146MPa、蒸発圧力0.1064MPaから約3.9と算出される。
【0077】
但し、一方で冷凍室3の放熱負荷が冷蔵室2の負荷として加算されるので、成績係数の向上はこれを考慮しなければならない。
【0078】
以下、図2、図3のモリエル線図を参照しながら、本冷却システムの成績係数の算出について述べる。
【0079】
まず、従来の冷却サイクルの算出を行う。従来の冷蔵室冷却サイクルのより詳細な条件を示す。図2における冷蔵室冷却サイクル14のキャピラリ減圧前(h12)は過冷却を1Kとったポイントを示してある。また圧縮機吸入ポイント(h14)は蒸発圧力0.2928MPa、温度30度のポイントを示してある。第一の蒸発器7の出口を飽和蒸気線上のポイント(h15)とし、圧縮比2.6における圧縮機4での圧縮効率を85%、機械効率を95%とする。
【0080】
また、冷媒の圧力損失を無視すると、この時の冷凍効果は158.3kJ/kgであり圧縮仕事は28.6kJ/kgとなるので、成績係数は5.53であることがわかる。ここで冷蔵室2の負荷量をQ1(W)、とし圧縮機4の従来冷蔵室冷却サイクルにおける所要動力をW1(W)とすると、(数1)で表される。
【0081】
【数1】
Figure 2004324902
【0082】
また、従来の冷凍室冷却サイクルのより詳細な条件を示す。図3の破線で示した従来の冷凍室冷却サイクルにおいてキャピラリ減圧前(h22)は過冷却を1Kとったポイントを示してある。凝縮温度(T21)は冷蔵室2と同様に30度であり、凝縮圧力は0.7702MPaとなる。蒸発温度(T23)は−25度であり、蒸発圧力は0.1064MPaを示す。圧縮機吸入ポイント(h24)は蒸発圧力0.1064MPa、温度30度のポイントを示してある。第二の蒸発器9の出口を飽和蒸気線上のポイント(h25)とし、圧縮比7.2における圧縮機4での圧縮効率を77%、機械効率を90%とする。
【0083】
また、冷媒の圧力損失を無視すると、この時の冷凍効果は143.1kJ/kgであり圧縮仕事は74.6kJ/kgとなるので、成績係数は1.92であることがわかる。ここで冷凍室3の負荷量をQ2(W)、とし圧縮機4の冷凍室冷却における所要動力をW2(W)とすると、(数2)で表せられる。
【0084】
【数2】
Figure 2004324902
【0085】
冷蔵室2の所要動力W1(W)と冷凍室3の所要動力W2(W)の合計が冷却サイクルの所要動力W0(W)となるので、(数1)と(数2)とから、(数3)で表すことができる。
【0086】
【数3】
Figure 2004324902
【0087】
よって、断熱箱体の合計負荷量Q0(W)として冷蔵室負荷量Q1と冷凍室負荷量Q2の比を1:1とすると、従来の冷却サイクルの成績係数は(数4)で求められるように、2.86となる。
【0088】
【数4】
Figure 2004324902
【0089】
同様に本冷却サイクルにおける冷凍室冷却サイクル15のより詳細な条件を示す。図3の実線で示した冷凍室冷却サイクル15においてキャピラリ減圧前(h33)は過冷却を1Kとったポイントを示してある。圧縮機吸入ポイント(h24)は従来と同様に蒸発圧力0.1064MPa、温度30度のポイントを示してある。これは第二の蒸発器9の出口を飽和蒸気線上のポイント(h25)とし、また圧縮比3.9における圧縮機4での圧縮効率を84%、機械効率を94%としている。
【0090】
また、冷媒の圧力損失を無視すると、この時の冷凍効果は171.2kJ/kgであり圧縮仕事は43.6kJ/kgとなるので、成績係数は3.93であることがわかる。
【0091】
ここで従来と同一負荷量として冷蔵室2の負荷量Q1(W)、冷凍室3の負荷量をQ2(W)とする。圧縮機4の冷凍室冷却サイクル15における所要動力をW2´(W)とすると、(数5)で表せられる。
【0092】
【数5】
Figure 2004324902
【0093】
この時、図3中の(h32)から(h33)に至る第二の凝縮器19の放熱負荷は冷蔵室2の庫内負荷Q3(W)となる。今、(h32)を温度25度のポイントとすると第三の凝縮器20における放熱の比エンタルピ差は206.1kJ/kgとなる。
【0094】
また、第一の凝縮器16の放熱比エンタルピ差(h31)〜(h32)は34.4であり、第三の凝縮器19は第一の凝縮器16の約6倍以上の放熱能力を必要とすればよい。
【0095】
ここで冷蔵室2への放熱負荷量Q3(W)は、冷凍室冷却サイクル15の冷凍効果と冷凍室負荷量Q2と冷媒循環量G(kg/h)から(数6)となり、冷凍室負荷量Q2の1.2倍の負荷量が冷蔵室2に加えられる。これを考慮して圧縮機4の冷蔵室冷却サイクル14における所要動力W1´(W)は、(数7)と表せられる。
【0096】
【数6】
Figure 2004324902
【0097】
【数7】
Figure 2004324902
【0098】
冷蔵室2の所要動力W1´(W)と冷凍室3の所要動力W2´(W)の合計が冷却サイクルの所要動力W0´(W)となるので、(数6)と(数7)とから、(数8)となる。
【0099】
【数8】
Figure 2004324902
【0100】
ここで従来と同じく、断熱箱体1の合計負荷量Q0(W)として冷蔵室負荷量Q1と冷凍室負荷量Q2の比を1:1とすると、本冷却サイクルの成績係数は(数9)で求められるように、3.08となる。
【0101】
【数9】
Figure 2004324902
【0102】
以上のように、本実施の形態1の冷凍冷蔵庫は冷蔵室2と冷凍室3を構成する断熱箱体1と、冷蔵室冷却サイクル14と冷凍室冷却サイクル15を並列に構成し、切替手段である電動三方弁10により各サイクルを切替可能としてある。
【0103】
また、冷蔵室冷却サイクル14は圧縮機4と第一の凝縮器16と切替手段である電動三方弁10と第二の凝縮器17と第一のドライヤ18と第一の減圧手段であるキャピラリ6と第一の蒸発器7と第一のサクションパイプ19とを環状に接続構成してある。
【0104】
さらにまた、冷凍室冷却サイクル15は圧縮機4と第一の凝縮器16と電動三方弁10と第三の凝縮器20と第二のドライヤ21と第二の減圧手段であるキャピラリ8と第二の蒸発器9と第二のサクションパイプ22を環状に接続構成してある。
【0105】
また、第二の凝縮器17は冷蔵室冷却サイクル14の主要な放熱手段であり、第三の凝縮器20は冷凍室冷却サイクル15の主要な放熱手段であり、冷蔵室2庫内に熱交換可能に配置される。
【0106】
また一般的に冷却サイクルにはR134aやR600aなどの冷媒が用いられる。さらに、図示しない制御手段と温度検知手段によって、圧縮機4や電動三方弁10や電動ファン12、13等が動作される。
【0107】
以上のように構成されるので上記の計算結果が示すように、成績係数を8%向上させることができ、冷蔵庫の消費電力量を削減することができる。
【0108】
また、冷凍室冷却サイクル15の圧縮比が非常に低減されるので、圧縮機4の吐出ガス温度が低減でき、圧縮機4の信頼性向上に効果がある。
【0109】
さらに、冷蔵室冷却サイクル14を高蒸発温度化した場合に圧縮機4の冷凍能力は冷凍室のそれに比べて増加し冷蔵室2の負荷量とのバランスが崩れ、冷却運転時間が非常に短くなり効率の悪い過渡状態で冷却時間が終了するなど効率を低下させてしまう可能性があるが、冷凍室3の放熱負荷を冷蔵室2に転換することで高蒸発温度化に見合った負荷バランスをとることが容易である。
【0110】
また、逆止弁11を設けることにより冷却運転停止中電動三方弁10を閉止することでサイクルの高低圧を維持しガスカットすることが可能であり、冷媒流入による冷凍室3庫内への熱侵入を低減することができる。
【0111】
さらに、本実施の形態1において、冷凍室3の温度設定を一般的な冷凍温度としたが、冷凍保鮮性の向上や急凍のために、冷凍室3温度を通常冷凍温度である−20℃より低温の、例えば−30度以下の温度や、特に業務用などで一般的に存在する−40度の設定を行うなどする場合、従来の冷凍サイクルでは圧縮比は非常に大きくなるが、これを低減することが可能である。この圧縮比の低減により、成績係数の向上ができ消費電力の低減ができる。
【0112】
特に圧縮比が10を超えて大きくなると、圧縮効率や機械効率が大幅に低下してくるので低圧縮比化による効率向上効果は大きい。そして圧縮機4の信頼性が、吐出ガス温度の低減や摺動部の磨耗軽減などの面で向上する。
【0113】
また、本実施の形態1において、第一、第二のサクションパイプ19、20は各々第一、第二のキャピラリ6,8と、たとえば半田付けや溝つきサクションパイプの溝部にキャピラリを圧接し埋め込むなど熱交換可能に構成することで、キャピラリ通過冷媒の冷却を行い冷凍効果を増加せしめることと、圧縮機4の吸い込みガス温度を周囲温度程度に上昇させ、圧縮機4の吸い込みガスの受熱損失を軽減するとともに、断熱箱体1の外部に配設されたサクションパイプの温度低下による結露、さび付きを防止することを両立するものである。
【0114】
特に冷凍室冷却サイクル15の凝縮温度を大きく低減する場合は熱交換温度差が減少し熱交換量が減少するので、第二のキャピラリ8の代わりに圧縮機4や吐出配管部を含む第一の凝縮器16などで熱交換を行えば冷凍効果を増加させて成績係数の向上が可能である。
【0115】
また、本実施の形態1において、冷蔵室2庫内の第三の凝縮器20から冷凍室3庫内の第二の蒸発器9までのサイクル構成部品及び接続配管を断熱箱体1のウレタン内に埋設し断熱することにより、冷媒が凝縮後の再加熱による受熱損失を受けて成績係数の低下が生じることを防止する。また、凝縮器出口以降の配管で再加熱によるフラッシュガスの発生を防止することができる。
【0116】
また、本実施の形態1において、第二の凝縮器17は図示しない扉外周部のシール部近傍に配設された結露防止手段、いわゆるドライパイプとして配設するものを含むことにより、冷凍室冷却サイクル15の配管を配設した場合にくらべて、凝縮温度の低下により結露促進させてしまうことなく防滴が可能であるとともに、冷蔵室冷却運転時だけに放熱パイプの断熱箱体1庫内への熱侵入を抑制できるので消費電力量を低減できる。
【0117】
また、本実施の形態1において、断熱箱体1はウレタンを断熱材に使用し、冷蔵室2の負荷量と冷凍室3の負荷量を1:1としているが、(数3)と(数8)から所要動力の計算式においてQ1の係数は0.18と等しく、Q2の係数差が所要動力の低減に寄与しているので、冷蔵室2の負荷量Q1が小さいか、もしくは冷凍室3の負荷量Q2が大きければより所要動力の低減が大きくなる。特に冷蔵室外周部に真空断熱材を用いることで、内容積や外容積を犠牲にすることなく負荷量を低減すると、さらに成績係数の向上が見こめる。
【0118】
また、本実施の形態1において、冷却サイクルは並列の回路構成により冷蔵室2と冷凍室3とを独立に構成することで各々の部屋の温度影響を受けにくく、冷凍室3庫内にある第二の蒸発器9の低温化や、冷蔵室2庫内にある第一の蒸発器7の高蒸発温度化などに有利であるが、第一の蒸発器7と第二の蒸発器9との直列回路と第二の蒸発器9の単独回路とで構成されたバイパス回路(第一の蒸発器7への冷媒の流れを必要に応じてバイパスさせる)タイプの冷却サイクルにおいても、第二の蒸発器9単独回路における成績係数の向上が可能である。また、上記バイパス回路タイプにおいて、直列接続する第一の蒸発器7と第二の蒸発器9との間に流量制御弁を設けてもよい。この場合、流量制御弁により第一の蒸発器7の蒸発温度を可変でき、第一の蒸発器7と第二の蒸発器9の両方を冷却する状態でも冷蔵室2に適した高蒸発温度設定が可能になり冷蔵室2の湿度を高く保つことができる。
【0119】
また、本実施の形態1において、圧縮機4にインバーター能力可変タイプを用いて、冷蔵室冷却運転時の冷凍能力低減を行い、高蒸発温度化における冷凍能力の増加を相殺し抑えることで熱交換器を大幅に能力向上させることなく、大型蒸発器によるスペース効率の低下などを防止できる。
【0120】
なお、本実施の形態1において、切替手段は電動三方弁10としたが、二方弁の組み合わせとしてもよいし、一つの二方弁とキャピラリなどの流路抵抗差によって切り替えてもよい。かつ、電動三方弁10等の切替手段は、もちろん省エネのためにパルスモーター式の自己保持型であり、バルブ開閉維持のために電力消費をしない。
【0121】
また、本実施の形態1においてドライヤ18,21は各キャピラリ6,8の前に2個設けたが、いずれか一方でもかまわない。また、電動三方弁10手前に一つ設けても良く低コスト化が可能であるが、冷媒はガス状態でドライヤを通過するために、圧力損失が大きくなるなどの問題が生じる。さらに、ドライヤ18,21をキャピラリ6,8手前に設けない場合はストレーナを設けて、ごみなどを除去するとなお良い。
【0122】
また、本実施の形態1において、第三の凝縮器20の配管径を蒸発器を構成する配管の径よりも小さい配管を用いて構成することで、凝縮器の容量が減少するので冷媒量が低減できる。特にR600aなどの可燃性冷媒を用いる場合に安全設計にたいして有利となる。細径管には例えば外径4mm〜3mmの配管で内径3.3mm〜2.0mmの標準的な配管を選択する。
【0123】
(実施の形態2)
図5は本発明による実施の形態2における冷凍冷蔵庫の概略断面図である。
【0124】
本実施の形態2は実施の形態1による冷凍冷蔵庫にさらに、第三の凝縮器20の少なくとも一部が冷蔵室2庫内の冷蔵室ダクト23内に設けられた第一の蒸発器7と熱交換可能に配設されて構成してある。
【0125】
以上ように構成された冷凍冷蔵庫について以下その動作を説明する。
【0126】
冷蔵室2は扉開閉や食品の収納などによって生じる水分を冷蔵室冷却サイクル14の運転時に第一の蒸発器7で冷却する際に除湿する。そのため第一の蒸発器7には着霜が進行する。着霜が進行すると、第一の蒸発器7を通過する空気の風路抵抗が増加し、風量が低下することで冷却能力が低下する。これを防止するために、従来は定期的にヒーターなどで除霜を行っているが、冷凍室冷却サイクル15運転時に第三の凝縮器20を第一の蒸発器7と熱交換可能に配設してあるので、ヒーターの代わりに第一の蒸発器7を加熱して除霜を行う。冷却運転は冷蔵室冷却サイクル14と冷凍室冷却サイクル15とを並列に構成し交互に切り替えて行うので、第一の蒸発器7の冷却運転(着霜運転)と、第三の凝縮器20の放熱運転(除霜運転)が同時ではなく、交互に運転を行う。
【0127】
以上のように、本実施の形態2の冷凍冷蔵庫は実施の形態1による冷凍冷蔵庫にさらに、第三の凝縮器20の少なくとも一部分が冷蔵室2庫内の冷蔵室ダクト23内に設けられた第一の蒸発器7と熱交換可能に設けて構成されてあるので、冷蔵室除霜におけるヒーター入力を削減できる。
【0128】
また、第三の凝縮器20の冷却に潜熱の大きい霜や氷、水の融解・蒸発現象を利用するので、比較的大きな能力を得ることができ、冷凍室冷却サイクル15の効率をより向上させることが可能である。
【0129】
さらにまた、第三の凝縮器20の放熱による庫内への熱影響を緩和することができる。
【0130】
さらに、冷蔵室2庫内の高湿度化をヒーター入力消費せずに行う方法として従来第一の電動ファン12によってオフサイクル運転(冷蔵室冷却サイクル14運転停止中のファン運転)を行い庫内空気を循環させて着霜した水分を庫内還元していたが、食品に風速を与えることなく高湿化ができるので一層保鮮性を向上させることが低消費電力でできる。
【0131】
なお、本実施の形態2においてはフィンコイルタイプである第一の蒸発器7と第三の凝縮器20とが各々フィンを共用して配管パスを構成すると、第一の蒸発器7と第三の凝縮器20の熱伝導がよくなり、除霜及び凝縮器の放熱能力が向上する。また一つの熱交換器を兼用して用いるので低コストに構成でき、工場での部品管理も簡素化できる。
【0132】
また、本実施の形態2において、第一の蒸発器7と第三の凝縮器20の熱交換部に蓄冷材を備えたので冷蔵室冷却サイクル14の運転中に蓄冷し、冷凍室冷却サイクル15の運転中に放熱を行うことで、第三の凝縮器20の放熱能力を向上させるとともに、冷蔵室2庫内への熱影響を低減することができる。
【0133】
また、本実施の形態2において第三の凝縮器20の配管径を比較的細径管とすることで、凝縮器の容量が減少するので冷媒量が低減できる。特にR600aなどの可燃性冷媒を用いる場合に安全設計にたいして有利となる。細径管には例えば外径4mm〜3mmの配管で内径3.3mm〜2.0mmの標準的な配管を選択する。
【0134】
(実施の形態3)
図6は本発明による実施の形態3における冷凍冷蔵庫の概略断面図である。
【0135】
本実施の形態3は実施の形態1または実施の形態2いずれかによる冷凍冷蔵庫にさらに、第三の凝縮器20のすくなくとも一部の配管を冷蔵室2庫内の温度補償用の加熱手段25として、加熱を必要とする部位に熱交換可能に配設する構成としてある。
【0136】
なお、加熱手段25を配設する部位としては、冷凍室3に設けられた図示しない自動製氷装置と冷蔵室2に設けられた給水装置を備え、給水装置水タンクの設置場所の下面もしくは側面に設ける。側面が側壁パネルの場合は側壁パネル断熱材側に加熱手段25を貼りつけ構成する。これにより給水タンクの凍結防止が容易に行える。
【0137】
また、別の加熱手段25を配設する部位としては冷蔵室2庫内の冷蔵室ダクト23を構成するダクトパネル26の背面に当接する。これにより冷蔵室冷却サイクル14運転時に蒸発器7が低温となって熱伝導によりダクトパネル26が冷やされ表面結露するのを防止する。
【0138】
(実施の形態4)
図7は本発明による実施の形態4における冷凍冷蔵庫の概略断面図である。
本実施の形態4は実施の形態1から実施の形態3のいずれかによる冷凍冷蔵庫にさらに、第三の凝縮器20のすくなくとも一部の配管を冷蔵室2庫内の蒸発手段27として、第一の蒸発器7の下方に除霜水を受けるように配設されたドレンパン28を加熱するようドレンパン28近傍に配設する。ドレンパン28から除霜水を断熱箱体1の外部へと放出する経路であるドレンチューブ29を設け、ドレンチューブ29の下方で圧縮機4の上方近傍に蒸発皿30を配置する構成としてある。
【0139】
以上のように構成された冷凍冷蔵庫の動作を説明する。
【0140】
冷蔵室2は扉開閉や食品の収納などによって生じる水分を冷蔵室冷却サイクル14の運転時に第一の蒸発器7は着霜する。定期的に除霜することで蒸発器の能力を確保する。除霜時には除霜水が発生し、ドレンパン28へと流れ込み、ドレンチューブ29を通り断熱箱体1の外部へと排出される。排出された水は蒸発皿30に保留される。圧縮機4の運転により蒸発皿30は暖められるので除霜水は徐々に蒸発していく。一方、ドレンパン28に霜が落下するなどしてドレンパン28が凍結することを防止するために従来ヒーターを設けていたが、本実施の形態では、ヒーターの代わりに設けた蒸発手段27により冷凍室冷却サイクル15運転時に加熱されるので、従来のように特別なヒーターを必要とせず、低コスト化が図れる。
【0141】
以上のように本実施の形態4の冷凍冷蔵庫は、実施の形態1から実施の形態3のいずれかによる冷凍冷蔵庫にさらに、第三の凝縮器20のすくなくとも一部の配管を冷蔵室2庫内の蒸発手段27として、第一の蒸発器7の下方に除霜水を受けるように配設されたドレンパン28を加熱するようドレンパン28近傍に配設する。ドレンパン28から除霜水を断熱箱体1の外部へと放出する経路であるドレンチューブ29を設け、ドレンチューブ29の下方で圧縮機4の上方近傍に蒸発皿30を配置する構成としてあるので、ヒーター入力を消費することなくドレンパン28の温度補償が可能である。
【0142】
なお、本実施の形態4においては通常ドレンパン28を傾斜させてドレンチューブ29へと排水を促進する構造をとるが、ドレンチューブ29の開口部より下方に水受けを構成することで除霜水を一旦庫内に保水する。これを蒸発手段27によって徐々に蒸発させることで恒常的に冷蔵室2の高湿度化が可能である。
【0143】
なお、本実施の形態4において、蒸発手段27はドレンパン28の上方に除霜水に着水する構成としたが、ドレンパン28下部に当接して配設することでも同様であり、かつ蒸発手段27の防錆処理を行わずにすむのでコスト的に有利である。
【0144】
また、本実施の形態4において蒸発皿30は圧縮機4の上方に配置するとしたが、第一の凝縮器16のすくなくとも一部で構成される配管部を蒸発皿30に熱交換可能に設けることで、自由度が高くスペース効率のよい蒸発皿の配置が可能となる。
【0145】
また、本実施の形態4においてはドレンチューブ29により断熱箱体1の外部へ除霜水を放出する構成としたが、ドレンパン28と蒸発手段27により冷蔵室2庫内で除霜水を保持して蒸発させ、ドレンチューブ29や、蒸発皿30を設けない構成とすることで、コスト的に有利であり、また圧縮機4の収納部のスペースを、内容積を大きくしたり、断熱壁を厚くするなど有効に使用することが可能である。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明は、冷蔵室と冷凍室を構成する断熱箱体と、前記冷蔵室庫内に第一の蒸発器と前記冷凍室庫内に第二の蒸発器と、第一の凝縮器と第二の凝縮器と前記第一の蒸発器とを備えた冷蔵室冷却サイクルと、前記第一の凝縮器と第三の凝縮器と前記第二の蒸発器とを備えた冷凍室冷却サイクルと、各冷却サイクルを切り替える切替手段とを設け、前記第三の凝縮器を前記冷蔵室に配設したことを特徴とするものであり、冷凍室冷却サイクル運転時において、従来は凝縮器が周囲温度により熱交換されて放熱するけれども、約0℃〜5℃の庫内温度設定である冷蔵室で第三の凝縮器が放熱するので凝縮温度の一層の低減が可能である。よって低い圧縮比での冷凍室冷却サイクルの運転が可能となり、成績係数の向上が図られる。
【0147】
また、冷蔵室の負荷量は凝縮器からの放熱負荷により増加するが、冷蔵室の冷却効率は、比較的高い蒸発温度設定により低圧縮比化が可能であり、冷凍室に比べて成績係数が良いので、消費電力の増加は比較的少なく、総合して冷却サイクルの成績係数が向上し、冷蔵庫の負荷量に対する消費電力量が低減できる。
【0148】
また、圧縮比の低減により圧縮機の吐出ガス温度が下がるなど信頼性の向上が可能である冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0149】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加え、前記冷凍室庫内温度を通常冷凍温度である−20℃より低温の温度設定を可能としたことを特徴とするものであり、蒸発温度はより低く設定した場合においても、冷凍室冷却サイクルの圧縮比を大きくすることなく運転可能であり、成績係数を向上することができ、低温冷凍における消費電力量の低減が可能である。また、低蒸発温度における圧縮機の信頼性を向上することが可能である冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0150】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明に加えて、前記冷蔵室冷却サイクルは圧縮機と前記第一の凝縮器と前記第二の凝縮器と第一の減圧手段と前記第一の蒸発器と第一のサクションパイプを環状に接続してあり、前記冷凍室冷却サイクルは前記圧縮機と前記第一の凝縮器と前記第三の凝縮器と第二の減圧手段と前記第二の蒸発器と第二のサクションパイプを環状に接続してあり、前記第二のサクションパイプと前記第一の凝縮器とを熱交換可能に配設したことにより、キャピラリ通過冷媒の冷却を行い冷凍効果を増加せしめることと、圧縮機の吸い込みガス温度を周囲温度程度に上昇させ、圧縮機の吸い込みガスの受熱損失を軽減するとともに、断熱箱体の外部に配設されたサクションパイプの温度低下による結露、さび付きを防止することを両立するものである。
【0151】
特に冷凍室冷却サイクルの凝縮温度を大きく低減する場合は熱交換温度差が減少し熱交換量が減少するので、温度の高い第一の凝縮器で熱交換を行えば冷凍効果を増加させて成績係数の向上が可能であり、消費電力量の低減が可能である冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0152】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器から前記第二の蒸発器までのサイクル構成部品及び接続配管を前記断熱箱体内に埋設し断熱することにより、断熱箱体外部には配置しないので、冷蔵室で低温に熱交換後は再加熱を防止でき冷却サイクルの成績係数を低下させることがなく、またフラッシュガスの発生を防止することができ信頼性の高い消費電力量を低減した冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0153】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第二の凝縮器のすくなくとも一部が前記断熱箱体の開口シール部近傍に配設した結露防止手段としたものであり、冷凍室冷却サイクルの配管を配設した場合にくらべて、凝縮温度の低下により結露促進させてしまうことなく防滴が可能であるとともに、冷蔵室冷却運転時だけに放熱パイプの断熱箱体庫内への熱侵入を抑制できるので冷蔵庫負荷量が低減でき消費電力量を低減可能な冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0154】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記冷蔵室周囲断熱壁に真空断熱材を用い冷蔵室負荷量を冷凍室負荷量より小さくしたものであり、内容積を減少させたり、外形を大きくすることなく冷蔵室負荷量を低減することができる。そして冷蔵室負荷量と冷凍室負荷量と比べると冷蔵室負荷量が小さくなるので冷凍室冷却サイクルの成績係数改善による消費電力量削減の効果が大きくなり、一層の低消費電力の冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0155】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器の少なくとも一部が前記冷蔵室庫内にある前記第一の蒸発器と熱交換可能に配設したものであり、冷蔵室冷却サイクルの運転により第一の蒸発器に付着した霜の顕熱及び潜熱を利用して、第三の凝縮器と熱交換を行うので、除霜用の加熱手段が不要であり、その加熱に必要な電力を低減可能である。さらに霜の蒸発潜熱は熱量が顕熱に比べてはるかに大きいため、第三の凝縮器の熱交換量も大きくなり、さらに大きな成績係数の向上が可能であり消費電力量を一層低減可能な冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0156】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明に加えて、前記第一の蒸発器と前記第三の凝縮器とがフィンコイルタイプであり、各々フィンを共用して配管パスを構成するものであり、冷蔵室の庫内を冷却するために熱交換面積を増加させるフィンを兼用して凝縮器の熱交換に用いるためにスペース効率が向上するとともに、凝縮器の熱交換面積を増加させるために、さらに大きな成績係数の向上が可能でありかつ兼用により低コストで消費電力量を低減できる冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0157】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第一の蒸発器と前記第三の凝縮器の熱交換部に蓄冷材を備えたものであり、冷蔵室冷却時に蓄冷材に蓄えた冷却能力により凝縮器の放熱を行うので大きな能力が得られるとともに、冷蔵室庫内への温度変動影響を低減することができる。
【0158】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器は、蒸発器を構成する配管の径よりも小さい配管を用いて構成するものであり、第三の凝縮器の配管下流部には冷媒が液化して存在するので、管内の容積を減少させることで冷却サイクルに必要な冷媒の使用量を低減することが可能となる。特にR600aなどの可燃性冷媒を用いる場合は安全設計が比較的容易となる。
【0159】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記第三の凝縮器の少なくとも一部の配管が冷蔵室庫内の温度補償用の加熱手段であり、加熱を必要とする部位に熱交換可能に配設するものであり、庫内電気ヒーターを用いずに凝縮器の放熱により凍結防止や庫内結露防止が可能でありヒーター入力の低減が可能な省エネ冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0160】
また、請求項12に記載の発明は、請求項11記載の発明に加えて、前記冷凍室に自動製氷機と前記冷蔵室に給水装置とを備え、前記給水装置水タンクの凍結防止のために、前記加熱手段を前記水タンク近傍に設けたものであり、庫内電気ヒーターを用いずに凝縮器の放熱により凍結防止や庫内結露防止が可能であり信頼性の高い冷凍冷蔵庫をヒーター入力低減しつつ提供できる。
【0161】
また、請求項13に記載の発明は、請求項11記載の発明に加えて、前記冷蔵室庫内に冷蔵室ダクトを設けたもので、前記冷蔵室ダクトを構成するダクトパネル背面に前記第三の凝縮器を当接するものであり、庫内電気ヒーターを用いずに凝縮器の放熱により凍結防止や庫内結露防止が可能であり信頼性の高い冷凍冷蔵庫をヒーター入力低減しつつ提供できる。
【0162】
また、請求項14に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明に加えて、前記冷蔵室庫内に前記第一の蒸発器からの除霜水を受けるドレンパンと除霜水を外部排出するドレンチューブとを備え、前記第三の凝縮器の少なくとも一部の配管が前記ドレンパンを加熱するよう近傍に配設された蒸発手段としたものであり、第一の蒸発器からドレンパンに落下した霜や除霜水を蒸発促進させて、霜残りやドレン凍結を防止するためのヒーター電力を削減することが可能な省エネ冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0163】
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明に加えて、前記ドレンパンは前記ドレンチューブの開口部より下方に除霜水を一旦保水する受け構造であり、前記蒸発手段により庫内加湿することを特徴とするので、庫内に食品が少ない状態であっても、ドレンパンに除霜水を保留し、これを凝縮器で加熱するので、凝縮器の能力向上とともに冷蔵室庫内加湿が可能であり、冷蔵室の高湿度化を維持でき、冷蔵室庫内食品の保鮮性を向上する冷凍冷蔵庫を提供できる。
【0164】
また、請求項16に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明に加えて、前記ドレンパンと前記蒸発手段により前記冷蔵室庫内で除霜水を保持して蒸発させ、ドレンチューブや、蒸発皿を設けない構成としたものであり、部品点数の削減が可能であり低コストな冷凍冷蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の冷凍冷蔵庫の概略断面図
【図2】同実施の形態の冷凍冷蔵庫の冷蔵室冷却サイクルのモリエル線図
【図3】同実施の形態の冷凍冷蔵庫の冷凍室冷却サイクルのモリエル線図
【図4】同実施の形態の圧縮機効率の特性図
【図5】本発明の実施の形態2の冷凍冷蔵庫の概略断面図
【図6】本発明の実施の形態3の冷凍冷蔵庫の概略断面図
【図7】本発明の実施の形態4の冷凍冷蔵庫の概略断面図
【図8】従来の冷凍冷蔵庫の概略断面図
【符号の説明】
1 断熱箱体
2 冷蔵室
3 冷凍室
4 圧縮機
6 第一のキャピラリ
7 第一の蒸発器
8 第二のキャピラリ
9 第二の蒸発器
10 電動三方弁
11 逆止弁
12 第一の電動ファン
13 第二の電動ファン
14 冷蔵室冷却サイクル
15 冷凍室冷却サイクル
16 第一の凝縮器
17 第二の凝縮器
19 第一のサクションパイプ
20 第三の凝縮器
22 第二のサクションパイプ
23 冷蔵室ダクト
24 冷凍室ダクト
25 加熱手段
26 ダクトパネル
27 蒸発手段
28 ドレンパン
29 ドレンチューブ
30 蒸発皿

Claims (16)

  1. 冷蔵室と冷凍室を構成する断熱箱体と、前記冷蔵室庫内に第一の蒸発器と前記冷凍室庫内に第二の蒸発器と、第一の凝縮器と第二の凝縮器と前記第一の蒸発器とを備えた冷蔵室冷却サイクルと、前記第一の凝縮器と第三の凝縮器と前記第二の蒸発器とを備えた冷凍室冷却サイクルと、各冷却サイクルを切り替える切替手段とを設け、前記第三の凝縮器を前記冷蔵室に配設したことを特徴とする冷凍冷蔵庫。
  2. 前記冷凍室庫内温度を通常冷凍温度である−20℃より低温の温度設定を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
  3. 前記冷蔵室冷却サイクルは圧縮機と前記第一の凝縮器と前記第二の凝縮器と第一の減圧手段と前記第一の蒸発器と第一のサクションパイプを環状に接続してあり、前記冷凍室冷却サイクルは前記圧縮機と前記第一の凝縮器と前記第三の凝縮器と第二の減圧手段と前記第二の蒸発器と第二のサクションパイプを環状に接続してあり、前記第二のサクションパイプと前記第一の凝縮器とを熱交換可能に配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍冷蔵庫。
  4. 前記第三の凝縮器から前記第二の蒸発器までのサイクル構成部品及び接続配管を前記断熱箱体内に埋設し断熱することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  5. 前記第二の凝縮器のすくなくとも一部が前記断熱箱体の開口シール部近傍に配設した結露防止手段であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  6. 前記冷蔵室周囲断熱壁に真空断熱材を用い冷蔵室負荷量を冷凍室負荷量より小さくしたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  7. 前記第三の凝縮器の少なくとも一部が前記冷蔵室庫内にある前記第一の蒸発器と熱交換可能に配設したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  8. 前記第一の蒸発器と前記第三の凝縮器とがフィンコイルタイプであり、各々フィンを共用して配管パスを構成することを特徴とする請求項7に記載の冷凍冷蔵庫。
  9. 前記第一の蒸発器と前記第三の凝縮器の熱交換部に蓄冷材を備えたことを特徴とする請求項7または請求項8のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  10. 前記第三の凝縮器は、蒸発器を構成する配管の径よりも小さい配管を用いて構成することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  11. 前記第三の凝縮器の少なくとも一部の配管が冷蔵室庫内の温度補償用の加熱手段であり、加熱を必要とする部位に熱交換可能に配設することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  12. 前記冷凍室に自動製氷機と前記冷蔵室に給水装置とを備え、前記給水装置水タンクの凍結防止のために、前記加熱手段を前記水タンク近傍に設けたことを特徴とする請求項11記載の冷凍冷蔵庫。
  13. 前記冷蔵室庫内に冷蔵室ダクトを設けたもので、前記冷蔵室ダクトを構成するダクトパネル背面に前記第三の凝縮器を当接することを特徴とする請求項11記載の冷凍冷蔵庫。
  14. 前記冷蔵室庫内に前記第一の蒸発器からの除霜水を受けるドレンパンと除霜水を外部排出するドレンチューブとを備え、前記第三の凝縮器の少なくとも一部の配管が前記ドレンパンを加熱するよう近傍に配設された蒸発手段であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
  15. 前記ドレンパンは前記ドレンチューブの開口部より下方に除霜水を一旦保水する受け構造であり、前記蒸発手段により庫内加湿することを特徴とする請求項14に記載の冷凍冷蔵庫。
  16. 前記ドレンパンと前記蒸発手段により前記冷蔵室庫内で除霜水を保持して蒸発させ、ドレンチューブや、蒸発皿を設けない構成とすることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の冷凍冷蔵庫。
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