JP2004319571A - 平面コイルとその製造方法 - Google Patents

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Toshio Sugawa
俊夫 須川
喜久 ▲高▼瀬
Yoshihisa Takase
Takashi Ida
隆 伊田
Hiroshi Wada
弘志 和田
昌博 ▲高▼木
Masahiro Takagi
Akihiro Akiyama
昭博 秋山
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Abstract

【課題】本発明は、単位面積当りのコイルの占める面積の割合すなわち占積率の向上を図り、かつファインパターンを形成しても占積率を維持できる平面コイルを提供する。
【解決手段】絶縁性基材の少なくとも一方の面の比較的厚い銅箔をエッチングしてパターン形成することによって側壁の実質的なテーパー角度60°以上の急峻な側壁と微細で且つ深いパターン間のギャップを有する第1導体層102aを形成し、このフォトエッチで形成した第1導体層102aの側壁へのめっき液の供給を悪くすることで成長を抑え、めっき液の供給の多い表面より電流集中させてめっき成長をさせることにより第2導体層104aを形成し、微細で且つ占積率の高い平面コイルを得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ等の電音変換装置のボイスコイルや電気回路のインダクタンスおよびトランスなどに用いる絶縁基材上に螺旋状に設けた線状の導体による平面コイルとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化、薄型化に伴い、電子部品に対する小型化、薄型化への要望が強くなっている。しかし、導体線を巻いて成るコイルにおいては平面コイルによって小型化、薄型化されつつある。
【0003】
ところで、平面コイルとしては従来のプリント配線板製造の技術、すなわち絶縁基板上の導体箔をフォトエッチングしたり、さらに電気めっきによって導体を補強することによって、幅が細くかつ厚い、いわゆる高アスペクトに狭い間隔で設置される方法や、特に小型化のために絶縁基材上に下地導体層を形成し、レジストパターン形成して電気めっきで中心導体パターン形成し、レジスト除去の後に露出した下地導体をエッチング除去し、さらに電気めっきによって中心導体にめっきを行ってコイルパターンを形成するものが提案されている。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−142254号公報
【特許文献2】
特開2001−267166号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、微細パターンを形成するにはサイドエッチングによるパターンの細りを小さくするために銅箔を薄くしており、このため、下地導体の間隔が狭くても下地導体の厚さが薄いため、その比(アスペクト)が小さくなる。従って、下地導体に電気めっきを行っても下地導体の間隔部の底部までめっき液は容易に入り込み(間隔部でのめっき液の循環による新液の供給)、下地導体の上面と側壁面とに同じ厚さでめっきが形成される。
【0007】
このことは、下地導体の厚さが薄いため、めっき液が入り込みにくくなる狭い間隔が形成されるまでめっき成長させると、その前に繋がってショートしてしまうものである。すなわち、コイルの導体断面積を実質的に大きくするには及ばず、単位面積当りのコイルの占める面積の割合すなわち占積率を向上できなくなる。
【0008】
また、サイドエッチングによる導体パターンの細りを少なくするためにエッチング時間を短くすれば、下地導体の側壁のテーパー角度が小さくなるばかりでなく、エッチングの断面が矩形でなく楕円形に進行し、下地導体の側壁底部で隣接する下地導体に向かって細く伸びた断面形状となっている。このような形状になれば、前記で説明した下地導体の間隔部の底部までめっき液はさらに容易に入り込み、下地導体には上面と側壁面とが同じ厚さでめっき形成されるのみならず、隣接する下地導体に向かって細く伸びた下地導体間の底部で電界集中によりめっき成長が促進され、ショートが早く起こることとなる。
【0009】
また、絶縁基材上に下地導体層を形成し、レジストパターン形成して電気めっきで中心導体パターン形成し、レジスト除去の後に露出した下地導体をエッチング除去し、さらに電気めっきによって中心導体にめっきを行ってコイルパターンを形成する方法では、下地導体のエッチングの工程が必要で工程が複雑となる。
【0010】
また、中心導体を電気めっきで形成した場合、電気めっきで成長した銅パターンのエッチング速度は下地導体の薄膜と比較して速いため、下地導体のエッチングによって中心導体も大きくエッチングされる。すなわち、中心導体の側壁もエッチングされて中心導体のパターン寸法が細くなり、下地導体のパターン寸法も細く形成されるので、下地導体と絶縁基材との接着面積が小さくなり、剥離強度が低下する。このことは、電音変換装置のボイスコイルとして応用する場合、振動により剥離を生じ信頼性低下の原因となる。
【0011】
さらに、中心導体へのめっきでフォトレジストにめっき厚さに従って横方向に圧力がかかり、パターンが微細でめっきが厚い程にフォトレジストが除去されにくくなり、下地導体をエッチングできなかったりすると言う問題点があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するものであり、以下の構成を有する。
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁性基材の少なくとも一方の面にエッチングにより形成され、実質的なテーパー角度60度以上の側壁を有する第1導体と、この第1導体の少なくとも絶縁基材と接する面以外の表面に設けた第2導体から構成されるコイル導体線条を有する平面コイルであり、エッチングにより形成された第1導体が実質的なテーパー角度60度以上の急峻な角度の側壁を持つことで、めっきによる第2導体で導体全体としてのコイル導体線条の形状制御を容易に可能とするものである。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、第1導体の上面方向の厚さが第1導体の側面方向の厚さより大きい第2導体とした平面コイルであり、導体全体としてのアスペクトを1以上とすることで、占積率の高い平面コイルを得るものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、互いに隣接する第1導体間の距離が、第1導体の厚さの3倍以下とした平面コイルであり、第2導体の形成量を第1導体の側壁より上面の方を大きくするものであり、占積率の高い平面コイルを得るものである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、コイル導体線条を複数層積層した平面コイルであり、立体的にコイルを形成することでより小型化を可能とするものである。
【0017】
請求項5に記載の発明は、絶縁性基材の少なくとも一方の面に形成された導体層を実質的なテーパー角度60度以上の側壁を有するようにエッチングし第1導体を形成する工程と、この第1導体の少なくとも絶縁基材と接する面以外の表面に第2導体を被着形成する工程とを含む平面コイルの製造方法であって、特に絶縁性基材に形成された導体層のエッチングによるエッチング液の選択によってサイドエッチング量や側壁のテーパー角度を制御し、第2導体層による形状の制御をより容易にするものである。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明において、エッチングを化学エッチングとした平面コイルの製造方法であって、安価に且つ容易な装置によってパターン形成を可能とするものである。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の発明において、エッチング時間がジャストエッチング時間の1.1倍以上で、かつジャストエッチング時間の2倍以下である平面コイルの製造方法であって、第1導体の側壁のテーパー角度を所定のものとすることができる。
【0020】
請求項8記載の発明は、絶縁性基材の少なくとも一方の面に形成された導体層表面にドライエッチングのマスクとなる層のパターンを形成する工程と、前記ドライエッチングのマスクとなる層のパターンをマスクとして前記導体層をドライエッチングし第1導体を形成する工程と、前記ドライエッチングのマスクとなる層のパターンを除去する工程と、前記第1導体の少なくとも絶縁基材と接する面以外の表面に第2導体を被着形成する工程とを含む平面コイルの製造方法であり、化学エッチング以外のエッチング方法でも第1導体の形成を可能とするのである。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、エッチングをスパッタリングで行う平面コイルの製造方法であって、絶縁性基材の少なくとも一方の面に形成された導体層のサイドエッチングを小さくすることができるため、高精度に微細なパターン形成を可能とするものである。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項5または請求項8記載の発明において、第2導体がめっき法によって形成される平面コイルの製造方法であって、第2導体層による形状の制御をより容易にするものである。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、めっき法が電気めっきである平面コイルの製造方法であって、めっきをより制御性の良好な電気めっきとし第2導体による形状の制御をより容易にするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について配線基板における平面コイルの具体例を参照しながら図面を用いて説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1(A)に示す如く、絶縁性基材101としてポリイミドやPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂フィルムの表面に導体層102として例えば銅箔を接着や溶着などによって貼り付ける。この導体層102は例えば10μm以上の比較的厚いもので、例えば35μmの銅箔を用いることで後述する表面と側壁のめっき成長差を容易にする。
【0026】
次に、導体層102のエッチングの為のマスクとなる所望パターンの感光性樹脂、例えば露光によって感光部が現像されて溶解されるポジタイプのレジストパターン103を形成する。このポジタイプのレジストは特に解像度が高く、一般的に1μmあるいはそれ以下の解像度を有するものも市販されており、微細パターンの形成が容易に可能である。しかる後、図1(B)に示す如く、導体層102をエッチングすることによって第1導体102aを形成する。
【0027】
この時、ウェットエッチングでは特にエッチング液による深さ方向のエッチングに対して横方向のエッチングすなわちサイドエッチングが生じ、第1導体のパターン寸法や形状がレジストパターン103と異なるため、重要な工程の1つである。
【0028】
このエッチング液が塩化鉄や塩化銅の場合、比重が1.3程度と大きく液の粘性(ボーメ係数で表現する場合もある)が高いため、片側のサイドエッチングが深さ方向に対して0.4倍程度である。さらにレジストパターン103のギャップ寸法によってエッチング速度が大きく異なり、20μmでは70μmの1/2程度とギャップ寸法が小さい場合に特に遅くなる。このことはコイルを螺旋形状とした場合に最外周の外側ではエッチングが速い為、導体層102のエッチングが終了しているのに、内周では半分程度しかエッチングが進行してなく、パターン形成が出来ていない。逆に内周部のパターンが形成できるようにエッチングした場合には、外周部ではサイドエッチングが大きくパターン寸法が小さくなり、設計通りの寸法が得られにくい。
【0029】
一方、硫酸過酸化水素系やアンモニア塩類、過硫酸アンモニウム系、特にアンモニア塩類や過硫酸アンモニウム系では比重も1.2程度と小さく粘性が低いため、塩化鉄や塩化銅に比較してレジストパターン103のギャップ寸法によるエッチング速度の変化が小さく、20μmでは70μmの0.8倍程度であり、しかもサイドエッチングが深さ方向の0.26倍程度と小さい。このため塩化鉄や塩化銅に比較して高精度なエッチングが可能である。
【0030】
ここで、エッチングにおいては、図2に示される模式断面図の様に進行する。すなわち、初期においては図2(A)の如く、絶縁性基材201表面の導体層202はレジストパターン203によるマスク端面部から横方向にエッチングされ、深さ方向に曲線状に側壁205が形成される。
【0031】
絶縁性基材201表面がレジスト開口の垂線部が露出した時点すなわちジャストエッチングでは、図2(A)に示される如く絶縁性基材201表面(ロ)と側壁底部の表面部とを結ぶ仮想線(イ)との角度(テーパー角度)θ1が小さく、導体層202底部は薄く長く伸びたような形状で後の電気めっきにおいて電界集中などが起き易くショートの原因となる。
【0032】
さらにエッチングすることによって導体層202表面の横方向のエッチング速度より、導体層202底部は薄くなっているため横方向と深さ方向の両方からエッチングが進行し、図2(B)に示す如く導体層202底部が大きく後退し、テーパー角度θ1は急速に大きくなり、ジャストエッチングのエッチング時間の1.1倍で絶縁性基材201表面(ロ)と側壁底部の表面部とを結ぶ仮想線(ハ)との角度(テーパー角度)θ2は60度程度となる。
【0033】
このテーパー角θは、60度以上で出来るだけ側壁が垂直に近いほど好ましい。逆にエッチングが長く、ジャストエッチングの2倍以上では図2(C)に示される如く導体層202底部の薄く延びた部分がなくなるために側壁全体が一様にエッチングされ、パターン痩せが大きくなり、設計寸法と異なるばかりでなくギャップ寸法が大きくなりすぎる。
【0034】
このことにより、後の電気めっきにおいてギャップへのめっき液の入り込みが容易になって横方向のめっきが容易となり、厚さ方向と同じ速度のめっきとなってパターン太りが大きくなる。
【0035】
従って、レジストパターン203と大きく異なり、設計寸法から外れてしまい制御性を悪くする。すなわち、エッチングを化学エッチングとすることにより、エッチング液の選択やエッチング時間を制御することで所望のエッチングによる形状を得る事ができるものである。
【0036】
また、第1導体に比較的厚い35μmの銅箔を用いているため比重が1.3より小さく粘度の低いことによりサイドエッチングを抑えることが出来る過硫酸アンモニウム系によってエッチング液でエッチオフの1.2倍エッチングしてもサイドエッチは両側で22μm程度で、レジストパターン203のギャップ寸法が20μmとしても第1導体102のギャップ寸法は42μmで第1導体の厚さ35μmに対して1.2倍で後述する電気めっきでの表面と側壁でのめっき成長差を容易に得られる。すなわち、レジストパターン203でそれほど微細なパターン形成をしなくても導体厚さに対するギャップ寸法の比を小さくできる。このことは第1導体102と絶縁性基材201との接着面積を小さくすることがなく剥離強度の低下を最小限にとどめることができることを意味する。
【0037】
次に図1(C)に示す如くレジストを除去することによって導体層102をエッチングして成る第1導体102aを形成する。しかる後、図1(D)に示す如く、第1導体102aの一部から給電して硫酸銅溶液で電気めっきを行い、第2導体層104aを形成し、コイル導体線条を形成する。
【0038】
このとき、図3に示される第1導体302の間隔(ホ)が厚さ(ヘ)に対して小さい場合、すなわちギャップ部(ホ)が狭い場合にはめっき液の硫酸銅溶液の循環が悪くなることで第1導体302の側壁に成長しためっき304の厚さ(ト)が表面に成長しためっき304の厚さ(ニ)に比較して薄く形成する。
【0039】
これは第1導体302の間隔(ホ)が厚さ(ヘ)の3倍より大きくなれば側壁に成長しためっき304の厚さ(ト)は表面に成長しためっき304の厚さ(ニ)と均等に成長するが、3倍以下ではめっき成長の差は顕著になり、この倍率が小さい程側壁に成長しためっき304の厚さ(ト)は表面に成長しためっき304の厚さ(ニ)に対して小さくなる。これは、前述の如くギャップ部(ホ)が狭く、第1導体302の間隔(ホ)が厚さ(ヘ)の3倍以下にすると、ギャップ部(ホ)にはめっき液の硫酸銅溶液の循環が極端に悪くめっき液がギャップ部(ホ)底部にまで入り込みにくくなるためである。
【0040】
また、めっきの成長差は第1導体の側壁のテーパー角度θが90°に近い程、再現性や制御性が向上し、第1導体の側壁のテーパー角度θが60°より小さくなるとめっき成長の差は再現性が得られず、従って制御できなくなる。
【0041】
特に、第1導体302の間隔(ホ)が厚さ(ヘ)の1倍以下では側壁に成長しためっき304の厚さ(ト)と表面に成長しためっき304の厚さ(ニ)との比ト/ニは0.5以下にすることが出来る。
【0042】
これにより、コイル導体は出来るだけ厚い第1導体層302であり導体抵抗も小さいため、コイルのめっき厚さばらつきが小さく、レジスト解像限界のギャップ寸法設定が可能となり、ファインパターン化が出来るもので占積率の向上が可能となるばかりでなく、ギャップを小さくすることにより電気めっきで第1導体302の側壁には薄く表面に厚いめっき成長が容易に出来るようになり、ファインパターン化を有利とし、大きな電流を流し得ることが出来る高占積率のコイルを得ることが出来る。
【0043】
(実施の形態2)
図4(A)に示す如く、絶縁性基材401としてポリイミドやPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂フィルムの表面に導体層402として例えば銅箔を接着や溶着などによって貼り付ける。この導体層402は例えば10μm以上の比較的厚いもので、例えば35μmの銅箔を用いることで後述する表面と側壁のめっき成長差を容易にする。
【0044】
次に、導体層402表面に後の導体層402のエッチングに対してマスク効果を有する材料としてアルミニウム405を蒸着やスパッタ蒸着によって10μm程度付着して形成する。
【0045】
次に図4(B)に示す如く、アルミニウム405表面に感光性樹脂として解像度の高いポジタイプの液状レジストによるパターン403を露光現像によって形成する。そして図4(C)に示す如く、アルミニウム405をエッチングしてパターン形成する。このアルミウム405のエッチングには燐酸や塩酸系のウェットエッチングでも良いが、ドライエッチングであれば容易にかつサイドエッチングが少なくレジストパターン403とほぼ同じ寸法で形成できる。そして、ポジタイプの液状レジストによるパターン403を除去する。
【0046】
しかる後、図4(D)に示す如く、アルミニウム405のパターンをマスクとして導体層402をアルゴンイオン406や電子などの荷電粒子によるスパッタエッチングや腐食性ガスのプラズマによるプラズマエッチングなどのドライエッチングによってエッチングを行い、第1導体層402aを形成する。ドライエッチングであれば、ほとんどサイドエッチングが無くしかも側壁は垂直に近く形成できるばかりでなく、ギャップ寸法によるエッチングレイトの差もないため、厚い銅箔による第1導体層402aを狭いギャップが特に微細なレジストパターン形成を必要としないで形成できる。
【0047】
なお、ドライエッチングにおいて、プラズマエッチング等の化学反応を伴う方法では、ウェットエッチングと比較すれば格段に小さいが若干のサイドエッチングを生じるのに対して、イオンや電子の荷電粒子によるスパッタリング現象によるスパッタエッチング(物理エッチング)ではほとんどサイドエッチングがなくエッチングできる。
【0048】
ここで、例えばアルゴンガスによるスパッタエッチングであれば銅はアルミニウムの3〜5倍の速度で、アルミナ(Al)の10倍、酸化シリコン(SiO)の20倍の速度でエッチングでき、マスク効果はこれらの選択によって充分得られる。また、アルゴンのイオンビームエッチングであれば、銅はアルミナ(Al)の10倍の速度でエッチングできる。従って、比較的容易にマスク通りのしかも高さの高いほぼ矩形の断面形状を有する銅箔によるパターン402aが隣接するパターンとの間隔がマスクやレジストの解像限界に近い微細な寸法で形成できる。このためエッチング液によるウェットエッチよりさらに銅パターンと基材との密着強度を大きくできる。
【0049】
このことはボイスコイルなどの常に振動し、剥離に対するストレスがかかり、その信頼性に重要な剥離強度を可能な限り大きくしなければならない商品に対しては効果が大きい。
【0050】
次に図4(E)に示す如く、アルミニウム405のパターンを除去する。この時、パターンが酸化シリコンであればフッ酸混合液やフッ素化合物ガスによるプラズマエッチなどのドライエッチによって容易に除去できる。しかる後、図4(F)に示す如く、硫酸銅溶液によって電気めっきを行い、第2の導体層404aを形成する。このとき、前記した図3を用いて説明したように、銅パターン402側壁には隣接する銅パターン同士の間隔が狭くめっき液の交換が悪い為、銅濃度がすぐに低下しめっき成長が極端に遅くほとんど成長することなく、表面は常に高濃度の銅が供給されるため、めっき層404の成長が定常的に成され、厚く成長できる。この結果、隣接する銅パターン402は繋がることなく微細かつ高い銅パターンを形成できる。
【0051】
(実施の形態3)
図5に示す如く、実施の形態1および2によって形成した絶縁性基材501表面にパターン形成した第1導体層502aに電気めっきによる第2導体層504aを形成した平面コイルを接着剤などを用いて接着して積層し、各層のコイルの少なくとも一端を電気的に接続する。この電気的接続を直列に接続することによって、限られた面積においてより巻数の大きいコイルを形成することができ、並列に接続すればより電流容量の大きなコイルと成すことができる。
【0052】
以上説明した本発明の各実施の形態においては導電性の層の材料は銅に限定するものでなく、電気めっきも材料を限定するものではないことは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明した本発明では、単なるフォトエッチでは困難な微細でかつ導体層厚さの厚い平面コイルとその製造方法を提供するもので、比較的厚い銅箔をフォトエッチングしてパターン形成することによって微細で且つ深いパターン間のギャップを形成することによって電気めっきをフォトエッチで形成した銅パターンの側壁へのめっき液の供給を悪くすることで成長を抑え、めっき液の供給の多い表面により電流集中しめっき成長を表面に大きくすることで、微細で且つ高いコイルパターンを形成するものである。従って占積率の高い高効率の平面コイルを得ることが出来るものである。さらに銅箔エッチングの際のサイドエッチングを小さくすることによる基材との密着強度の低下を最小限に抑え、信頼性の向上を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における平面コイルの作成プロセスを説明するための断面図
【図2】同平面コイルの第1導体のエッチングプロセスを説明するための模式断面図
【図3】同平面コイルの第2導体のめっきプロセスを説明するための模式断面図
【図4】本発明の実施の形態2における平面コイルの作成プロセスを説明するための断面図
【図5】本発明の実施の形態3における平面コイルの作成プロセスを説明するための断面図
【符号の説明】
101,201,301,401,501 絶縁性基材
102a,402a,502a 第1導体層
103,203,403 感光性樹脂のパターン
104a,404a,504a 第2導体層
405 アルミニウム
406 アルゴンイオン

Claims (11)

  1. 絶縁性基材の少なくとも一方の面にエッチングにより形成され、実質的なテーパー角度60度以上の側壁を有する第1導体と、この第1導体の少なくとも絶縁基材と接する面以外の表面に設けた第2導体から構成されるコイル導体線条を有することを特徴とする平面コイル。
  2. 第2導体は、第1導体の高さ方向の厚さが第1導体の側面方向の厚さより大きいことを特徴とする請求項1記載の平面コイル。
  3. 互いに隣接する第1導体間の距離が、第1導体の厚さの3倍以下であることを特徴とする請求項1または2記載の平面コイル。
  4. コイル導体線条を複数層積層したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の平面コイル。
  5. 絶縁性基材の少なくとも一方の面に形成された導体層を実質的なテーパー角度60度以上の側壁を持つ様にエッチングし第1導体を形成する工程と、この第1導体の少なくとも絶縁基材と接する面以外の表面に第2導体を被着形成する工程とを含むことを特徴とする平面コイルの製造方法。
  6. エッチングが化学エッチングであることを特徴とする請求項5記載の平面コイルの製造方法。
  7. エッチング時間がジャストエッチング時間の1.1倍以上で、かつジャストエッチング時間の2倍以下であることを特徴とする請求項5または6記載の平面コイルの製造方法。
  8. 絶縁性基材の少なくとも一方の面に形成された導体層表面にドライエッチングマスクとなる層のパターンを形成する工程と、前記ドライエッチングのマスクとなる層のパターンをマスクとして前記導体層をドライエッチングし第1導体を形成する工程と、前記ドライエッチングのマスクとなる層のパターンを除去する工程と、前記第1導体の少なくとも絶縁基材と接する面以外の表面に第2導体を被着形成する工程とを含むことを特徴とする平面コイルの製造方法。
  9. エッチングがスパッタエッチングであることを特徴とする請求項8記載の平面コイルの製造方法。
  10. 第2導体はめっき法によって形成されることを特徴とする請求項5または8記載の平面コイルの製造方法。
  11. めっき法は、電気めっきであることを特徴とする請求項10記載の平面コイルの製造方法。
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