JP2004318535A - 遊技口座管理システム、遊技口座管理方法およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ファンの立場からはホールで獲得した財的価値を魅力的な形で受け取ることができ、業界の健全な発展にも寄与する遊技口座管理システムを提供する。
【解決手段】遊技口座管理システム1は、ファンが獲得した勝ち玉を、特定のホールに限定されない共通の価値の取引ポイントの形で、そのファン用の遊技口座に積み立てておき、ファンからの取引要求に応じて、遊技口座に積み立てられている取引ポイントを引き落とせるようにする。引き落とした取引ポイントは、現金として受け取ることができ、あるいは、銀行口座等への振込、提携店舗での商品への交換にも使用できるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】遊技口座管理システム1は、ファンが獲得した勝ち玉を、特定のホールに限定されない共通の価値の取引ポイントの形で、そのファン用の遊技口座に積み立てておき、ファンからの取引要求に応じて、遊技口座に積み立てられている取引ポイントを引き落とせるようにする。引き落とした取引ポイントは、現金として受け取ることができ、あるいは、銀行口座等への振込、提携店舗での商品への交換にも使用できるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパチンコ遊技、パチスロ遊技等の遊技環境を遊技者(以下、「ファン」)に提供する遊技場においてファンが遊技によって得た勝ち玉やメダルなどの数で定まる財的価値をファン毎に遊技口座にて一元管理する遊技口座管理システムに関する。
【0002】
【発明の背景】
従来、パチンコ遊技機やパチスロ遊技機等を設置した遊技場では、ファンが遊技によって獲得した財的価値、例えば勝ち玉や勝ちメダルと等価の景品の中から希望する景品を選択して交換できるようになっている。このような景品の中には、カタログなどを用いて選択できるものもある。また、このような景品とは別の特殊景品も用意されており、この特殊景品を遊技場外で現金に交換することもしばしば行われている。
【0003】
最近は、財的価値を景品との交換を行わずに貯えておくサービスも運用されている。貯えた財的価値がパチンコ玉の場合は「貯玉」、そのサービスは「貯玉サービス」と呼ばれる。メダルについても同様の運用が行われている。
貯玉ができることにより、ファンは、複数回の遊技を行って貯玉を相当数貯めておいてからより高価値の景品と交換したり、貯玉を用いて遊技を行う、いわゆる貯玉再プレイを行うことが可能になる。
【0004】
しかしながら、ファンが獲得した財的価値を景品に交換しようとする際に、必ずしも嗜好に合ったものと交換できるとは限らないし、特殊景品の価値も、必ずしも市場価値と一致するとは限らない。特殊景品については、ホール側にとっても法律上の規制があってその管理が複雑になるなどの問題があった。
【0005】
一方、パチンコ遊技を提供する遊技場が地域社会との共生を深め、業としての社会的イメージを向上させるための一方策として、景品の交換を地域の商店で行うことが検討されている。しかし、現実的には、法律上の制限(風適法)があるためにその実現が困難な状況になっている。例えば、景品の最高限度額が定まっているという問題、提携店による商品の買取ができないという問題、有価証券を景品として扱うことができないという問題等がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決し、業界の健全な発展に寄与し得る新たな遊技の形態、特に、遊技の結果、ファンが獲得した財的価値の管理の仕組みを提供することを主たる課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技口座管理システム、遊技口座管理方法およびコンピュータプログラムを提供する。
【0008】
本発明の遊技口座管理システムは、遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続される遊技口座管理システムであって、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置と、登録手段と、口座管理手段と、取引処理手段とを備えてなるものである。
登録手段は、ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録するとともに、通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するものである。
口座管理手段は、登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定するとともに、登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てるものである。
取引処理手段は、登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にするものである。
このように構成される遊技口座管理システムでは、ファンが獲得した財的価値が、遊技場の運営者が独自に定めた価値基準ではなく、他の遊技場においても適用可能な共通の価値基準として、遊技口座に一元管理される。ファンは、自分の遊技口座に積み立てられている財的価値を任意の時点で引き落とし、売買取引に利用できるので、必ずしも嗜好に合ったものと交換できるとは限らなかった従来のスタイルとは異なった景品交換が可能になる。
【0009】
コンピュータネットワークは、更に、前記財的価値と等価の現金の引き渡し又は指定先への振込を可能にする機構を備えた第2外部システム、商品又は役務の提供を行う店舗において前記財的価値と等価の商品又は役務の提供に関する情報処理を行う第3外部システム、前記財的価値又は商品を対象としたネットオークションの場を提供する第4外部システム、ファンが操作するファン端末も接続可能なものである。
ある実施の態様では、前記登録手段が、このコンピュータネットワークを通じて通信可能ないずれかの第2乃至第3外部システム又はファン端末を、それぞれ通信先の一つとしてその固有情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するように構成されており、前記口座管理手段は、前記第1外部システムから受け取った財的価値のほか、登録された前記第2乃至第3外部システムのいずれか又は前記ファン端末を通じて受け取った財的価値をも前記遊技口座に積立可能に構成されており、前記取引処理手段は、登録された前記第2乃至第3外部システムのうち前記指示情報により特定されたものに対して前記引き落とした財的価値又はその財的価値と等価の価値情報を送信することにより、当該財的価値と等価の現金、財物又は権利の売買取引を可能にするように構成されている。
【0010】
また、他の実施の態様では、前記登録手段は、このコンピュータネットワークを通じて通信可能な前記第4外部システムを、通信先の一つとしてその固有情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するように構成されており、前記取引処理手段は、前記指示情報により特定された前記登録された第4外部システムに対して、前記引き落とした財的価値又はその財的価値と等価の景品受け取りの権利に関する情報を送信することにより、当該財的価値それ自体又は景品受け取りの権利の売買取引を可能にするように構成されている。
【0011】
前記取引処理手段としては、例えば、以下のような構成を採用し得る。
・あるファン用の遊技口座から引き落とした財的価値を、前記口座管理手段を通じて、当該ファンによって指定された他のファン用の遊技口座に移動させることにより当該財的価値それ自体の売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、当該財的価値を発行した第1外部システムに返却して当該財的価値と等価の現金又は遊技媒体に変換させることにより、当該財的価値それ自体の売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、当該財的価値を発行した第1外部システムとは異なる他の登録された第1外部システムに送出して当該財的価値と等価の現金又は遊技媒体に変換させるとともに、当該財的価値を発行した第1外部システムの運営者と前記他の登録された第1外部システムの運営者との間の前記財的価値の送出に伴う支出調整を行うことにより、当該財的価値それ自体の売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、前記指示情報により特定される第2外部システムに送出して当該財的価値と等価の現金の引き渡し又は指定先への振込を行わせることにより、当該財的価値と等価の価値情報に基づく売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、前記指示情報により特定される第3外部システムに送出して当該財的価値と等価の商品又は役務の提供を行わせることにより、当該財的価値と等価の財物の売買取引を可能にする。
【0012】
登録後の前記通信先登録領域には、当該通信先の運営者ないし所有者が契約している金融機関口座が前記固有情報の一つとして記録されるようにする。そして、前記取引処理手段は、上述したいずれかの売買取引に伴って決済処理が発生するときは、その決済処理を前記通信先登録領域に記録されている金融機関口座を通じて行うようにする。
【0013】
本発明の遊技口座管理方法は、遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続され、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置を有する遊技口座管理システムが実行する方法であって、以下の段階を有する。
・ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録する段階、
・通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録する段階、
・登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定する段階、
・登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てる段階、
・登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする段階。
【0014】
本発明のコンピュータプログラムは、遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続され、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置を有するコンピュータに、以下の処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
・ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録する処理、
・通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録する処理、
・登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定する処理、
・登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てる処理、
・登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする処理。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
<運用時の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技口座管理システムの運用時の全体構成例を表す図である。この実施形態では、広域ネットワークの一つであるインターネットNに接続して運用する遊技口座管理システム1の例を挙げる。
この遊技口座管理システム1は、1又は複数のプロセッサ、RAM、ROM、メモリ制御機構等を搭載してなるプロセッサボードと、複数の情報記録領域を有する情報記録装置とを含んで構成され、この情報記録装置に記録されているコンピュータプログラムによって動作するサーバシステムである。
【0016】
この遊技口座管理システム1が接続されるインターネットNには、通信先となる様々な外部システム、例えば、金融機関口座を管理する金融機関口座管理システム2、遊技場(以下、この実施形態において遊技場を「ホール」と称する)に設置されるホール管理システム3、それぞれ店舗(商品・役務提供店舗)に設置される複数の店舗管理システム5、市街地の任意の場所に設置される遠隔端末6、及び、ファンが操作するファン端末7等が接続可能になっている。
【0017】
金融機関口座管理システム2は、例えば「全銀システム」のような既存の金融関係の情報処理システムであり、金融機関口座情報(銀行口座情報、クレジット口座情報等)及び現金の額を指定することにより、その金融機関口座への振込処理、その金融機関口座からの現金の引き落とし等を行うものである。金融機関店頭システム4は金融機関口座管理システム2と連動する店頭システム、例えばATMのような既存のシステムであり、例えばファンが自分の金融機関口座情報を入力することにより現金の入出金を行うことができるようにするものである。
店舗管理システム5は、それが設置されている店舗での商品購入ないし役務提供の代金として、クレジットカードあるいは遊技口座管理システム1から出力された情報を用いることができるようにするものである。遠隔端末6は、遊技口座管理システム1又はホール管理システム3と連携動作するATM類似の専用端末であり、現金入金又は振込入金による後述する取引ポイントの積立、現金の受け取り、指定先への振込処理等が可能なものである。ファン端末7は、通信及びブラウザ機能を有するパーソナルコンピュータである。
【0018】
この実施形態では、遊技口座管理システム1を利用するファンは、必ず会員登録を行って遊技口座を開設するものとする。また、ホール管理システム3が設置されるホール(又はその運営者)及び店舗管理システム5が設置される店舗(又はその運営者)もこの遊技口座管理システム1を利用する会員として予め登録しておく必要がある。
以後の説明では、遊技口座を開設したファンを「口座会員」、登録したホールを「会員ホール」、登録した店舗を「提携店舗」と称する。口座会員は、必ずしも各ホールで会員登録した「ホール会員」でなくてもよいが、貯玉サービス又は貯玉再プレイサービスを行っているホールでは、予め「ホール会員」として登録されている必要がある。
【0019】
遊技口座には、ホールで獲得した勝ち玉やメダルなどの数で定まる財的価値の一例となる取引ポイントが積み立てられ、その取引ポイントを、景品交換、ネットショップでの商品購入又はネットオークションへの提示、プリペイドカードへの現金チャージ、現金交換、振込等のために、随時引き落とすことができるようになっている。
ここにいう取引ポイントは、パチンコ遊技で使用する玉の個数ないしパチスロ遊技で使用するメダルの枚数ではなく、現金そのものでもないが、それによって、ホール内での玉ないしメダルの貸出、景品、現金への交換、振込、他のファン等への提供を可能にするものである。例えば、100ポイントで500円相当の景品に交換したり、500円分の現金に相当する価値を持つものとしてプリペイドカードにチャージしたり、125個の貸し玉ないし貯玉に交換することができる。
なお、取引ポイントを財的価値として挙げるのは、単なる運用の一例であって、取引ポイントに代えて、玉の個数ないしメダルの枚数、あるいは現金の額とする運用を妨げるものではない。
【0020】
ホール会員又は口座会員には、会員カード(以下、「Kカード」と称する)がホール又は遊技口座管理システムの運営者から発行される。このKカードは、遊技口座管理システム1へのアクセス(登録内容変更、残高照会、取引履歴照会、遊技口座への取引ポイントの積み立て又は引き落とし)の際に使用される。Kカードは、例えば改竄が困難なICチップ搭載カードにより構成される一種のセキュリティカードである。ICチップには、暗号アルゴリズムによって動作する制御機構と、この制御機構によってその記録及び読み出しが規制される第1記録領域及び第2記録領域を有している。第1記録領域には、ホール会員のみの登録であればホール会員情報、口座会員のみの登録であれば口座会員情報、ホール会員であって口座会員としても登録されていればホール会員情報及び口座会員情報が記録される。第2記録領域にはKカードをプリペイドカードとして使用するときのプリペイド情報が記録される。
【0021】
Kカードに記録されるホール会員情報及び口座会員情報としては、運用形態に応じて種々のものを選定することができる。例えば、登録したホールにおいて貯玉口座が開設されている場合、ホール会員情報としては、ホール会員の個人情報、暗証番号、ホールの識別情報、ホール会員番号及び貯玉口座の識別情報を選定する。口座会員情報としては、遊技口座の識別情報(遊技口座番号)、取引パスワードのような権限情報を選定する。
【0022】
なお、Kカードにすべての情報を集中させるのではなく、ホール会員用の第1カード、口座会員用の第2カードのように分離した運用も可能である。
また、Kカード(あるいは第1カード/第2カード)には、それぞれホール会員及び口座会員であることを識別するための情報のみを記録しておき、その記録情報を読み取る側で、ホール会員情報及び口座会員情報を管理するような運用も可能である。
【0023】
<ホール管理システム>
次に、遊技口座管理システム1を運用する上で、特に関連性が高いホール管理システム3の構成例を詳細に説明する。ホール管理システム3の構成は、ホールの運営形態、運営方針によって様々であるが、遊技口座管理システム1との連携動作を可能にする観点からは、概ね図2に示されるような構成要素を含むものとする。すなわち、ホール内サーバ31、景品管理端末32、会員管理端末33、貯玉管理端末34、通信端末35、POS(Point of sale)端末36、計数機37、再プレイ用玉返却機38、及び登録機39をホール内ネットワークL1に接続してホール管理システム3が構成される。
【0024】
POS端末36にはカスタマ表示機361、上述したKカードからのデータ読み出し(Read)及びKカードへのデータ書き込み(Write)を行うKカードR/W362、チケットからの勝ち玉計数結果の読み出し(Read)及びチケットへのデータ書き込み(Write)を行うチケットリーダ・ライタ(以下、リーダ・ライタを「R/W」と称する)363が接続されている。計数機37には、勝ち玉計数結果を記録したチケットを発券するチケット発券機371及びKカードR/W372が接続されている。ここでのKカードは、ホール会員であることの認証又はチケットに代えて計数結果を記録するための記録媒体となる。再プレイ用玉返却機38にもKカードR/W381が接続されている。Kカードは、ホール会員であることの証明媒体又はプリペイドカードとして機能する。登録機39には、操作者(ファン又はホールの担当者)に操作内容を提示するための登録用表示機391、Kカード発券機の機能を併有するKカードR/W392が接続されている。
【0025】
ホール内サーバ31は、それぞれ制御ユニットが搭載されたホール内の各種遊技機の動作監視及びその制御を行うとともに、遊技口座への取引ポイントの積立及び引き落とし並びに景品の受け渡しに関する情報処理を、景品管理端末32、会員管理端末33、貯玉管理端末34及びPOS端末36との協働で行うサーバであり、当該サーバに搭載されたプロセッサが所定の記録領域に記録されているサーバ用プログラムを読み込んで実行することにより、遊技状況監視制御部、外部システム管理部等の機能をサーバ上に構築する。
【0026】
遊技状況監視制御部は、ホール内の遊技機の配置や稼働状況等を記録するためのホール内DB(「DB」は図示しない情報記録装置上に構築されるデータベースの略、以下同じ)に記録されているデータに基づいて遊技状況の監視及び個々の遊技機の制御等を行う。外部システム管理部は、サーバの外部に存するシステム(遊技口座管理システム1、ファン端末7、その他関係機関に設置される情報処理システム等)の識別情報、通信設定情報等を外部システムDBに記録するとともに、この外部システムDBに記録されている情報のうち、通信端末35に対してこれらの外部システムとの通信を可能にするための情報を出力する。
【0027】
景品管理端末32は、ホール内サーバ31の指示によって動作する端末であり、当該端末に搭載されたプロセッサが所定の記録領域に記録されている景品管理用プログラムを読み込んで実行することにより、ホールに用意される景品の仕入れ、景品のホール会員への引き渡し、景品の卸、仲買、仲売等の履歴管理、日計管理等の実行を可能にする。
【0028】
会員管理端末33は、ホール内サーバ31の指示によって動作する端末であり、当該端末に搭載されたプロセッサが所定の記録領域に記録されている会員管理用プログラムを読み込んで実行することにより、当該ホールで会員登録したホール会員の会員情報の管理に関する所要の機能を実現する。
【0029】
貯玉管理端末34は、ホール会員として登録されているファンの貯玉数を累積的に記録するための貯玉口座をファン毎に設定し、あるファンについての貯玉が発生するたびに、そのファン用の貯玉口座への貯玉数の積立を行うとともに、例えばホール内サーバ31を通じて払出要求及び払出先を表すデータが入力されたときには、そのときの貯玉数を限度として払出要求があった分の玉数を貯玉口座から引き落とし、その玉数を表す情報を払出先へ送信する。新たな貯玉は、計数機37からの出力情報あるいはPOS端末36のチケットR/W363で読み取ったチケット記録情報より特定したそのファンの勝ち玉、通信端末35を通じて入力された遊技口座管理システム1からの取引ポイントにより特定した再プレイ用玉によって発生する。
貯玉口座に記録されている貯玉数は、ホール内であれば、POS端末36、景品管理端末32、計数機37及び再プレイ用玉返却機38側で随時参照することができる。ホール外では、ファン端末7、遊技口座管理システム1が、ホール管理システム3と連携動作する所定のプログラムに従い、通信端末35を通じて参照することができる。
貯玉情報の管理をホールの運営主体とは異なる第三者管理機関と協働で行う場合には、通信端末35を通じて、すべてのファンの貯玉情報(ホール会員情報、貯玉口座、貯玉数等)を当該第三者管理機関に設置されている管理用コンピュータへ送信するとともに、必要に応じて貯玉情報を当該管理用コンピュータより受信することができるようにしておく。
【0030】
通信端末35は、インターネットNに接続されたシステム(遊技口座管理システム1、ファン端末7を含む)とホール管理システム3全体との双方向通信を可能にする端末である。なお、ホール内サーバ31及び各端末32〜34に、インターネットNを介して外部端末ないしシステムとデータ通信を行う機能を内蔵している場合、通信端末35は不要となる。
【0031】
POS端末36は、勝ち玉あるいはファンが指定した貯玉をもとにそのファンに景品を引き渡すための処理を行う公知のPOS機能のほかに、後述するポイント積立に関する情報処理をホール内サーバ31と協働で行う機能を有するものである。より具体的には、ファンが獲得した勝ち玉、あるいは貯玉の一部又は全部を、予め両者の対応数値が記録された換算テーブルを用いて取引ポイントに換算する価値換算機能、口座会員でもあるファンからのポイント積立依頼を受け付ける積立受付機能、ポイント積立依頼の受付を契機に、換算された取引ポイントを伴う積立要求データを生成するとともに、この積立要求データを口座会員情報及び当該ホールの識別情報と共に遊技口座管理システム1に送信してそのファンの遊技口座へのポイント積立を行わせる積立管理機能とを有する。
【0032】
計数機37は、ファンが獲得した玉を計数し、その結果をチケット発券機371を通じてチケット発券したり、上述したようにそのファンがホール会員である場合にKカードをKカードR/W372に挿入させ、そのKカードに記録されたホール会員情報をもとに、ホール内ネットワークL1を通じて貯玉管理端末34に貯玉することを許容するための機器である。
【0033】
再プレイ用玉返却機38は、ホール会員毎に、貯玉管理端末34の貯玉口座で管理されている貯玉数の範囲内で、再プレイ用の玉の返却要求を貯玉管理端末34に対して行うとともに返却した分の玉数を貯玉貯蓄領域から差し引かせるように動作する機器である。
【0034】
登録機39は、ホール会員の登録を受け付けるとともに、遊技口座の新規開設、口座会員情報の変更等の機会をホール会員に与える。遊技口座の新規開設、口座会員情報の変更等のための情報は、登録機39から通信端末35を通じて遊技口座管理システム1に送信される。この登録機39においてファンがホール会員としての登録を行うことにより、ホール会員情報を会員管理端末33に登録させる。この登録データは、ホール内ネットワークL1を通じて計数機37、再プレイ用玉返却機38等で随時参照できるようになっている。
【0035】
<遊技口座管理システム>
次に、上記のような各種通信先との間で通信を行うとともに、遊技口座管理に関する情報処理を行う遊技口座管理システム1の構成例を説明する。
図3は、プロセッサボード上のプロセッサが所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより構築される機能ブロック図である。すなわち、この遊技口座管理システム1は、入出力制御部10、会員登録部11、口座管理部12、取引処理部13の機能と、情報記録装置内に構築される口座会員DB141、遊技口座DB142、会員別取引履歴DB143、会員ホールDB144、提携店舗DB145、流通機関DB146、流通履歴DB147を有している。
【0036】
[各種DB]
口座会員DB141は、口座会員として扱うファン及び必要に応じてファン端末7を記録するための複数のファン登録領域を有するDBである。遊技口座DB142は、それぞれ口座会員DB141の個々のファン登録領域と1対1にリンクされた複数の口座登録領域を有するDBである。個々の口座登録領域に設定されるのが遊技口座である。
会員別取引履歴DB143は、口座会員の取引履歴を口座会員毎に蓄積するためのDBである。会員ホールDB144は、この遊技口座管理システム1を利用可能なホール管理システム3の固有情報を記録するための登録領域を有するDBである。提携店舗DB145は、この遊技口座管理システム1との連携が可能な店舗管理システム5の固有情報を記録するための登録領域を有するDBである。流通機関DB146は、遊技口座に基づく取引ポイント又は商品の流通に関わる処理を行うシステム(商品仲買又は仲売システム、商品配送システム、ネットショップ、ネットオークションシステム等)の固有情報を記録するための登録領域を有するDBである。なお、ネットショップ、ネットオークションシステムについては、それらを流通に関わる処理を行うシステムとしてではなく、店舗管理システム5として提携店舗DB145にその固有情報を記録するようにしてもよい。また、遊技口座管理システム1自体にネットオークションシステムを構築する場合は、その固有情報の登録は必ずしも必要ではない。
流通履歴DB147は、遊技口座管理システム1が関わるすべての取引の履歴を蓄積するDBである。この流通履歴DB147に蓄積された履歴のうち、口座会員(ファン)に関するものが、会員別取引履歴DB143に口座会員毎に蓄積される。
【0037】
口座会員DB141、遊技口座DB142及び会員別取引履歴DB143の記録情報は相互に関連している。図4は、これらのDBにおける記録内容と、DB間の相互関係を示した図である。符号141aで示される記録領域が個人情報を記録するための個人領域記録領域、符号141bで示される領域が振込先及び連絡先等の固有情報を記録するための固有情報記録領域である。個人情報は、会員番号、氏名、住所等である。固有情報は、そのファンが操作するファン端末7の通信設定情報(URL、IPアドレス、メールアドレス等)、そのファンの金融機関口座情報(銀行口座、クレジット口座等)、セキュリティコード(暗証番号、証明情報等)等である。各DB141,142,143は個人情報(図示の場合は会員番号)によってリンクされている。また、会員別取引履歴DB143に記録されている最新の残ポイント数が遊技口座DB142の「残ポイント数」の領域に記録される。
【0038】
図5は会員ホールDB144の内容例を示した図である。図5に例示されるように、会員ホールDB144の登録領域には、ホール管理システム3を通信先の一つとして登録したときに発行されたホールID毎に、そのホール管理システム3の固有情報が記録される。ホール管理システム3の固有情報は、それが設置されるホールの名称、運営者の名称、連絡先、通信設定情報の一例となるURL、提携ホール(そのホール管理システム)があるときにはその名称、ポイント合算の可否、決済処理に用いるホール運営者の金融機関口座情報等である。ポイント合算が「可」の場合は、その提携ホール用の取引ポイント数の合算値を残ポイント数として扱う。
【0039】
図6は提携店舗DB145の内容例を示した図である。図6に例示されるように、提携店舗DB145の登録領域には、店舗管理システム5を通信先の一つとして登録したときに発行された店舗ID毎に、その店舗管理システム5の固有情報が記録される。店舗管理システム5の固有情報は、それが設置される店舗の名称、運営者の名称、連絡先、金融機関口座情報、通信設定情報の一例となるURL、取扱商品の情報(カタログ有の場合はその電子情報が存在するサーバのURL)等である。
流通機関DB146については省略したが、概ね、図5又は図6のものと同様のDB構造を有しており、流通機関ID毎に、機関名称、住所又は居所、運営者の名称、金融機関口座情報、通信設定情報等の固有情報がその登録領域に記録される。流通履歴DB147は、取引ポイントの売買取引の時刻、場所、当時者を識別するための当事者ID(会員番号、ホールID、店舗ID等)、取引内容等を、売買取引が成立するたびに蓄積するためのフィールドを有している。なお、流通履歴DB147と会員別取引履歴DB143とは当事者IDによってリンクしている。
【0040】
[遊技口座の管理に関する諸機能]
入出力制御部10は、通信先となる各種外部システム2〜7との間の通信を確立し、アクセスしてきた通信先に、図示しないメモリ領域に予め用意された画像データに基づいて所定の操作用画面を表示させるとともに、通信先への情報送信、通信先から受け取った情報の他の通信先への転送、通信先から受け取った情報の遊技口座管理システム1の各種機能ブロック(会員登録部11、口座管理部12、取引処理部13)への振り分け、各種機能ブロック間の情報の受け渡しその他のシステム内統括制御を行う。
【0041】
会員登録部11は、ファンを口座会員として登録するとともに、必要に応じて、遊技口座管理システム1の通信先となり得るホール管理システム3、店舗管理システム5、遠隔端末6、ファン端末7を登録する処理を行う。
口座会員の登録は、口座会員DB141のその口座会員(ファン)用の個人情報登録領域141aに個人情報を記録することにより行う。ファン端末7の登録は、口座会員DB141の固有情報記録領域に固有情報を記録することにより行う。ホール管理システム3(会員ホール)の登録は、上述したホール管理システム3の固有情報を会員ホールDB144の登録領域に記録することにより行う。店舗管理システム5(提携店舗)の登録は、その固有情報を提携店舗DB145の登録領域に記録することにより行う。遠隔端末6の登録は、その固有情報を流通機関DB146の登録領域に記録することにより行う。
なお、会員登録部11の登録機能を利用して、会員(口座会員、会員ホール、提携店舗)以外の外部システム、例えば取引ポイントや景品の流通に関わる機関に設置されるシステムを流通機関DB146に登録する。金融機関口座管理システム2については、通常は、遊技口座管理システム1の運営者の方で、そのシステム利用の登録を行い、会員になることになるが、会員登録部11の方で、その登録内容を管理するようにしてもよい。
【0042】
口座管理部12は、遊技口座DB142に遊技口座を設定するとともに、その遊技口座に取引ポイントを積み立てるための処理を口座会員毎に行う。ポイント積立に際しては、積立時の時刻情報のほかに、その取引ポイントの発生元、例えばホール管理システム3を識別するためのホールID、遠隔端末6を識別するための遠隔端末ID等も併せて記録する。このようにすれば、どこで何時発生した取引ポイントかを事後的に集計することが容易になる。
【0043】
取引処理部13は、口座会員からの所定の指示情報の入力を契機に当該口座会員用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする。例えば口座会員からの所定のポイント引き落とし指示の入力を契機に、遊技口座に積み立てられている取引ポイントを引き落とすともに、引き落とした取引ポイントを用いた取引処理(売/買)を行う。取引処理には、例えば、以下のような形態のものがある。いずれの場合も、売買取引に際して、現金受渡し等のための決済処理を伴う場合(買注文に対する売の決済処理、あるいは売注文に対する買の決済処理)は、会員ホールDB144、提携店舗DB145、流通機関DB146に記録されている金融機関口座情報を通じてそれを行う。
(1)景品交換、再プレイ、プリペイド処理(Kカード又は専用のプリペイドカードへの現金チャージ)のために取引ポイントを会員ホールDB144の記録情報をもとに、その取引ポイントを発行したホール管理システム3へ返却する処理、あるいは、他のホールのホール管理システム3へ送出する処理。後者の場合は、事前又は事後的に、取引ポイントの送出に伴うホールの運営者間の決済処理を行う。そのホール管理システム3が貯玉サービス、貯玉再プレイサービスを行っている場合は、取引処理部13において、あるいは当該ホール管理システム3において、取引ポイントを玉に換算して追加貯玉にすることができる。
(2)取引ポイントを口座管理部12を通じて他の口座会員の遊技口座へ移動させる処理(口座間移動)。
(3)取引ポイントが示す価値と等価の現金の額を金融機関口座管理システム2を通じて当該口座会員の金融機関口座又は当該口座会員が指定した者の金融機関口座へ振り込む処理、
(4)取引ポイントが示す価値と等価の現金の額を提携店舗DB145の記録情報をもとに店舗管理システム5へ直接又はその店舗の運営者の金融機関口座へ振り込む処理、
(5)取引ポイントが示す価値と等価の現金の額を遠隔端末6へ通知してその額の現金引き出しを可能にする処理、
(6)遊技口座管理システム1又は店舗管理システム5が、ネットオークションを自ら開催し又は開催中のネットオークションに参加できるものである場合に、取引ポイントにより交換した景品又はホール毎の取引ポイントそれ自体をそのネットオークションに提示する処理。このネットオークションにより、口座会員は、市場価格よりは安いが、ホールから受け取るよりも高い金額でその代金を受け取ることができる可能性があり、取引の興趣を高めることができる。なお、ネットオークションの場合、口座会員は、競り落とした者から取引ポイント又は景品の代金を受け取ることになる。
以上のような取引処理を行った場合、取引処理部13は、取引履歴を流通履歴DB147及び会員別取引履歴DB143へ取引先の情報、取引時刻の情報と共に時系列に蓄積させる。
【0044】
取引処理部13は、また、口座会員毎の遊技口座に積み立てられている取引ポイントのうち、会員ホールDB144に記録されている複数のホール用の取引ポイントを口座会員毎に統合し、統合された取引ポイントをその口座会員のための取引に使用させることができる。例えば、口座会員がAホールで獲得したポイントとBホールないしCホールで獲得した取引ポイントとを統合してその口座会員に提示することができる。この場合は、統合した側と統合された側との間で受け渡すべき取引ポイントを決定し、決定した取引ポイントと等価の現金の額を、各ホールの金融機関口座間で決済するための処理を行う。
【0045】
取引処理部13は、また、例えばAホールで獲得し、遊技口座に積み立てられている取引ポイントからC店舗で提供した商品又は役務の額に相当する分の取引ポイントを引き出したときに、Aホール及びC店舗の運営者間で受け渡すべき取引ポイントを決定し、決定した取引ポイントに対応する現金の額を、当該A及びC店舗の金融機関口座間で決済するための処理を行う。
【0046】
なお、遊技口座管理システム1において、口座管理部12と取引処理部13とを分けたのは、負荷の軽減のほかに、取引処理の際のセキュリティをより強くする必要があるためである。
【0047】
<運用形態>
次に、遊技口座管理システム1の運用形態の例を説明する。
[口座会員等の登録]
口座会員の登録、すなわち、遊技口座の新規口座開設は、ファンが、ホール管理システム3の登録機39、遠隔端末6又はファン端末7を操作することによって行うことができる。すなわち、上述した個人情報及び固有情報を登録機39、遠隔端末6又はファン端末7を通じて遊技口座管理システム1宛に送信することにより、遊技口座管理システム1の会員登録部11が、そのファンを口座会員DB141に口座会員として登録し、遊技口座DB142に遊技口座を開設する。
通信先のうちホール会員システム3及び店舗管理システム5の登録は、各々の運営者からの各システム3,5の固有情報が通知されることにより、会員登録部11が行う。すなわち、ホール管理システム3の固有情報を会員ホールDB144に記録することによって会員ホールとして登録するとともに、店舗管理システム5の固有情報を提携店舗DB145に記録することによって提携店舗として登録する。遠隔端末6については、遊技口座管理システム1の運営者が各々の固有情報を遊技口座管理システム1を通じて直接的又は間接的に入手し、それを流通機関DB146に記録することによって登録する。
【0048】
[運用概要]
口座会員、会員ホール、提携店舗として遊技口座管理システム1に登録された後の運用は、概ね、図7に例示したようなものとなる。
まず、この図7に従って、運用の概要を説明する。一例として、ホール会員でもある口座会員(ファン)がAホールで遊技したことにより勝ち玉を得たとする。Aホールのホール管理システム3は、その勝ち玉を一旦そのホール会員(口座会員:ファン)の貯玉口座に積み立てる。その口座会員は、自己の貯玉口座に積み立てられている貯玉の一部又は全部を取引ポイントとして遊技口座に積み立てることができる。この場合、口座会員は、ホール管理システム3のPOS端末36を通じてポイント積立依頼を行う。POS端末36は、その口座会員から依頼された貯玉を取引ポイントに変換した後、遊技口座管理システム1に、ホールID、その口座会員の口座会員情報及び取引ポイントを伴う積立を依頼する。遊技口座管理システム1は、口座会員情報によって特定されるその口座会員の遊技口座に取引ポイントを積み立てる。
その口座会員は、任意の時期、場所から自分の遊技口座にアクセスして、自己の遊技口座に積み立てられている取引ポイントに基づく売買取引を申し込むことができる。例えば自己が操作するファン端末7を通じて遊技口座管理システム1に取引依頼を行い、再プレイ用のホールへの取引ポイントの返却、現金受取、振込、口座間移動、景品交換等を申し込むことができる。また、提携店舗に商品申込を行い、そこで所望の商品を受領することができる。さらに、取引ポイントにより交換した商品又はホール毎の取引ポイントそれ自体のネットオークションへの提示を依頼することができる。
【0049】
現金受取、振込が指定された場合、遊技口座管理システム1は、口座会員DB141に記録されている金融機関口座情報及び提携店舗DB145に記録されている金融機関口座情報を特定し、その口座会員の金融機関口座への振込、又は、提携店舗の運営者の金融機関口座への振込を金融機関口座管理システム2を通じて行う。振込によらない代金支払いの場合、遊技口座管理システム1は、他の手続によって提携店舗への代金支払いを行う。
口座会員は、最寄りの金融機関店頭システム4を通じて現金を受け取ることができる。提携店舗を通じてネットオークションに商品を発送してもらい、その商品を購入した者から代金の支払いを受けるという形態も可能である。
【0050】
[遊技口座管理システム1の動作]
次に、運用時の遊技口座管理システム1の動作を詳細に説明する。
遊技口座管理システム1は、口座会員(ファン)からのアクセスを受け付けると、入出力制御部10が、アクセス元に、アクセス元の種類に応じた内容のメニュー画面及びその下位層に存する各種操作画面を表示させる。これらの画面の内容は、ホール会員システム3及び遠隔端末6とファン端末7とでは、その内容が多少異なる。つまり、現金投入口やカード挿入口(KカードR/W、クレジットカードリーダ等)があることを前提とするホール会員システム3、遠隔端末6と、それらがないファン端末7では、そのメニュー画面が異なっている。但し、相違点はその前提部分についてだけであり、概ね内容は一緒となる。メニュー画面の一例を図8に示す。
図8のメニュー例では、「口座会員登録」、「口座残高照会」、「景品交換」、「再プレイ用取引申込」、「口座取引(売)申込」、「口座取引(買)申込」、「取引履歴照会」が表示されている。ここでは、遊技口座からの取引ポイントの引き落としを伴う取引注文を「口座取引(売)申込」と表現し、遊技口座への取引ポイントの積み立てを伴う取引注文を「口座取引(買)申込」と表現している。
【0051】
図8のメニュー画面において「口座会員登録」が選択された場合、入出力制御部10は、口座会員登録及びファン端末7の登録のための情報入力画面を表示させ、ファンから個人情報及び固有情報が入力された場合は、会員登録部11に、上述した手順で口座会員登録及びファン端末登録を行わせる。「口座残高照会」が選択された場合は、入出力制御部10は、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面を表示させる。KカードR/Wが設けられている場合は、口座会員にKカードを挿入させ、その記録情報を読み取ることになる。口座会員情報が入力された(読み取られた)場合は、会員登録部11に会員認証を行わせた後、入力された口座会員情報をもとにその口座会員の遊技口座を特定し、遊技口座DB142に記録されている残ポイント数をアクセス元に表示させる。
「取引履歴照会」が選択された場合も同様に、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面表示させ、口座会員情報が入力された場合は、会員登録部11に会員認証を行わせた後、入力された口座会員情報をもとに会員別取引履歴DB143からその口座会員の取引履歴を特定してリストアップし、それをアクセス元に表示させる。
【0052】
「景品交換」が選択された場合は、図14の手順で、景品交換処理を行う。
すなわち、入出力制御部10は、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面を表示させ、口座会員情報が入力された場合は、会員登録部11に会員認証を行わせた後(K101)、口座会員DB141から読み込んだ個人情報と、この個人情報によって特定される遊技口座から読み込んだ取引ポイントのホール毎の残高を表示させる(K102)。図9上段は、このようにして表示された内容を示している。
【0053】
図9の「商品選択画面」は、その下位層に、それぞれ、景品である商品の詳細情報(カタログがある場合は、その内容)と、それを選択するかどうかの確認を促す画面が用意されている。詳細情報は、提携店舗DB145に記録された取扱商品のURLとリンクされている。口座会員が、ある景品を選択したとき、つまり、「商品選択画面」の下位層画面で確認がなされたときは、その「商品選択画面」の選択がなされた表示形態に変わる。
「消費ポイント」は、遊技口座に積み立てられている取引ポイントのうち、景品交換に使用する取引ポイント数であり、景品が選択されて増加するたびに、その合計値が自動的に増加するようになっている。「送り先住所」及び「送り先氏名」は、その景品の配送先であり、通常は口座会員であるファンの住所、氏名が入力される。「預かり」をクリックすることにより、口座会員による景品交換のための情報入力が終了する。
【0054】
上述のようにして景品及び消費ポイント数が指定されたときは、景品交換の確認画面を表示させる(K103:Yes、K104)。確認入力があった場合は、景品管理処理を行う(K105:Yes、K106)。景品管理処理は、本例の場合は、指定された景品確保のための処理及び口座会員が指定した「送り先住所」及び「送り先氏名」への景品の配送手配のための処理等である。配送手配のための処理は、流通機関DB146に商品配送システムの通信設定情報が登録されている場合は、その商品配送システムを通じた景品配送依頼処理である。
【0055】
景品管理処理後は、景品交換に用いた取引ポイントによる決済処理を行う。
すなわち、消費ポイントとして使用した取引ポイントが単一ホールのポイント処理範囲かどうかを判別し、単一ホールのポイント処理範囲内の場合、取引処理部13は、そのホールについて引き落とすべき取引ポイント数を決定する(K107:Yes、K108)。一方、単一ホールのポイント処理範囲でない場合、つまり、運営主体が異なる複数のホールについての取引ポイントを統合した場合は、ホール運営者間調整処理を行う(K107:No、K109)。ホール運営者間調整処理とは、ごく単純には、統合前の取引ポイントの発行元となった複数のホールの各々の取引ポイント数を決定する処理であり、景品によっては(例えばある特定のホールで提供する景品)、その交換に伴うホール運営者間の取引ポイント数の調整を伴う。
その後、その口座会員の遊技口座から、各ホールの取引ポイントを引き落とし、引き落とした取引ポイント数に応じた金額を各ホールの運営者から受け取るための処理、例えば一括請求のための集計等を行う(K110)。
上記の一連の処理を終えると、取引処理部13を通じて、取引履歴を流通履歴DB147に記録させるとともに会員別取引履歴DB143の当該口座会員用の記録領域にも記録させる(K111)。
【0056】
図8のメニュー画面において、「再プレイ用取引申込」が選択された場合、入出力制御部10は、図14のK101及びK102の処理と同じ手順で、口座会員の認証と、その口座会員のホール毎の取引ポイントの残高を特定する。そして、図10のような画面をアクセス元に表示させる。
図10の例では、取引ポイントを使用するホール名、遊技口座の現在の口座残高、そのホールのホール管理システム3で管理している貯玉、返還する取引ポイント及び取引方法(貯玉追加/プリペイド)が表示される。なお、「貯玉」については、使用するホール名が指定されたことを契機にそのホールのホール管理システム3から取得することになるが、その口座会員がホール会員であることがホール管理システム3側で把握していることが前提となっている。
【0057】
口座会員により、返却する取引ポイント数が入力され、取引方法が選択された場合、入出力制御部10は、取引処理部13を通じて再プレイ用の取引ポイントの返却の処理を行わせる。取引処理部13は、そのファンの遊技口座から指定された数の取引ポイントを引き落とし、その取引ポイントを、指定されたホールにおける貯玉あるいはプリペイドカードに記録される現金情報に変換して入出力制御部10に送る。
【0058】
入出力制御部10は、その取引ポイントを返却するホール管理システム3との間で当該現金情報に相当する額の決済処理を行った後、口座会員情報及びホール会員情報、選択された「取引方法」の情報及び現金情報をそのホール管理システム3に送信する。決済処理を行い且つ現金情報を受け取ったホール管理システム3では、「貯玉追加」の場合はその口座会員(ホール会員)の遊技口座に現金情報に相当する貯玉を追加し、「プリペイド」の場合は、その口座会員が保有するKカードへの所定の現金チャージ機からの現金チャージ、あるいは、当該現金情報分のプリペイドカードの発行を許容する。これにより、口座会員は、そのホールにおいて、自己の取引ポイントによる再プレイが可能になる。
なお、例えばAホールで使用する再プレイ用の取引ポイントとして、Bホールの取引ポイントを統合することもできる。この場合は、Bホールの運営者との間で決済処理を行い、それにより得られた金額をAホールの運営者の金融機関口座に振り込む等の処理を行うことになる。
【0059】
図8のメニュー画面において、「口座取引(売)申込」が選択された場合は、図15の手順で、口座取引(売)処理を行う。
すなわち、入出力制御部10は、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面表示させ、口座会員情報が入力された場合は、会員登録部11に会員認証を行わせる(B101)。認証後は、口座会員情報に基づいてそのファンの遊技口座を特定し、図11に例示される申込画面をアクセス元に表示させる(B102)。
図11の申込画面において、「口座残高」には、ホールIDによって特定されるホール毎に集計された結果が表示される。図11の例では、Dホールの残高(取引ポイント)が10,000ポイントであることが示されている。口座会員が売取引ポイント、すなわち遊技口座から引き落としたい取引ポイントとして「Dホールから8,000ポイント」を入力すると、「口座残高」には、その後の残高(上記例の場合、10,000ー8,000=2,000)が切替表示される(B103:Yes、B104)。
【0060】
取引ポイントの支払方法としては、「現金受取」、「口座間移動」、「プリペイド」、「振込」が用意されている。
口座会員によって「現金受取」が選択された場合、入出力制御部10は、取引処理部13にその取引ポイントを現金の額に換算させる。取引処理部13は、取引ポイントが示す価値に相当する現金の額を、予め定めた換算テーブルの参照によって演算する。そして、演算した現金の額をアクセス元に表示させる。図11の例では、「30,000円」が表示される。この表示内容を見た口座会員により取引内容が確認され、さらに取引ポイントの支払方法が選択されたときは(B105:Yes、B106)、選択された支払方法によるポイント引き落とし処理を行う(B107)。
【0061】
ポイント引き落とし処理は、以下のようにして行う。例えば、「現金受取」が選択された場合は、現金受取先の入力用画面をアクセス元に表示させ、口座会員に受け取り先を指定させる。現金受取先は、通常は、口座会員が希望する場所に設置された遠隔端末6となる。現金受取先が入力された場合、取引処理部13は、その現金受取先に上記額の現金引き渡しの指示を与える。「口座間移動」が選択された場合は、他の口座会員の入力用画面をアクセス元に表示させ、口座会員に自分の取引ポイントを移動させたい口座会員の口座会員情報を入力させる。そして、取引処理部13に、入力された口座会員情報によって特定される遊技口座へのポイント移動のための処理を行う。「振込」が選択された場合は振込処理、すなわち、振込先の入力用画面をアクセス元に表示させ、口座会員への振込先の入力を促すとともに入力された先への振込の処理を行う。「プリペイド」が選択された場合は、上述した再プレイ用取引申込の処理で行ったプリペイド処理と同様の処理を行う。
その後、引き落とした取引ポイントの発行元との間で決済処理を行う。具体的には、図14のK107〜K111と同様の手順で処理を行う。口座間移動の場合は、必要に応じて、口座会員同士の決済処理の代行を行う。
【0062】
図8のメニュー画面において、「口座取引(買)申込」が選択された場合、入出力制御部10は、アクセス元がホール管理システム3か、ホール外のシステム、例えば遠隔端末6かによって、アクセス元に表示させる下位層画面を変える。アクセス元がホール管理システム3であった場合は、図12のような申込画面を表示させ、遠隔端末6であった場合は、図13のような申込画面を表示させる。これは、ホール管理システム3からの口座取引(買)申込は、口座会員がそのホールで獲得した勝ち玉等を一旦すべて貯玉に積み立て、その貯玉から取引ポイントに変換することを前提としているのに対し、ホール外の遠隔端末6の場合には、そのようなことを行わないためである。
【0063】
アクセス元がホール管理システム3であった場合、入出力制御部10は、図16の手順で、口座取引(買)処理を行う。すなわち、上述した手順によって口座会員を認証するとともに(H101)、その口座会員(ホール会員)についてホール管理システム3で管理している貯玉の情報を受け取る。また、入力された口座会員情報により特定されるその口座会員の遊技口座の残高を読み出し、これらの残高を口座会員情報と共にホール管理システム3(POS端末36のカスタマ表示機361)に表示させる(H102)。ホール管理システム3からのアクセスなので、遊技口座管理システム1側では、そのホールの固有情報については容易に把握できる。そのため、口座会員は、買取引ポイント、すなわち、自分の遊技口座に積み立てたい取引ポイント数だけ入力すればよい。
口座会員からの買取引ポイント入力があると(H103;Yes)、入出力制御部10は、口座管理部12を通じてその口座会員の遊技口座にホールIDと共に買取引ポイントを積み立てるとともに(H104)、当該ホールIDにより特定されるホールの運営者との間で、買取引に伴う決済処理を行う。その後、流通履歴DB147及び会員別取引履歴DB143に取引履歴を記録させる(H105)。
【0064】
アクセス元がホール外、例えば遠隔端末6であった場合、入出力制御部10は、図13のような画面を遠隔端末6の表示機に表示させ、図17の手順で、口座取引申込(買)処理を行う。すなわち、上述した手順によって口座会員を認証するとともに(D101)、入力された口座会員情報により特定されるその口座会員の遊技口座の残高を読み出し、この残高を口座会員情報、取引ポイント相当の入金方法と共に遠隔端末6に表示させる(D102)。
口座会員からのホール名と買取引ポイントの入力があると(D103;Yes)、入出力制御部10は、取引ポイント相当の入金方法の選択を促す(D104)。入出力制御部10は、「振込」が選択された場合は振込入金処理を行い(D105a、D106a)、「現金入金」が選択された場合は現金入金処理を行い(D105b、D106b)、「クレジットカード」が選択された場合はクレジットカード処理を行う(D105c、D106c)。
その後、口座管理部12を通じてその口座会員の遊技口座にそのホールの買取引ポイントを積み立てるとともに(D107)、そのホールの運営者との間で、買取引に伴う決済処理を行う。その後、流通履歴DB147及び会員別取引履歴DB143に取引履歴を記録させる(D108)。
【0065】
なお、上述した運用では、取引(売)では取引ポイントが遊技口座から引き落とされ、それが売買取引に使用されたときにその取引ポイントの発生元のホールとの間で、引き落とした取引ポイント数に相当する額の決済処理を行うものとして説明しているが、遊技口座に積み立てた時点で、その取引ポイントの発生元のホールとの間で決済処理を済ませることも可能である。また、その都度、決済処理を行うのではなく、週又は月単位で決済処理を行うようにしてもよい。
【0066】
以上のような実施形態及び運用形態の効用として、以下のものが挙げられる。
(1)口座会員が獲得した勝ち玉が取引ポイントという財的価値に変換されて口座会員毎に一元管理され、口座会員が、任意の時期及び場所において、それを現金という形で受け取ったり、振込によって自分の金融機関口座に振り込ませたり、所望の商品を提携店舗で受け取ったりすることができるので、必ずしも嗜好に合ったものと交換できるとは限らなかった従来のスタイルとは異なった景品交換が可能になる。また、口座会員が獲得した勝ち玉に対して共通の財的価値基準を適用できるため、ホール間の公平な競争、優良店の明確化が可能になる。
【0067】
(2)遊技口座に積み立られた取引ポイントに基づく売買取引、例えば、口座会員同士の売買取引、口座会員とホールとの間の売買取引、口座会員と提携店舗との間の売買取引を行わせるので、各ホールは取引ポイントの売買に関与しなくなり、法的規制の問題がクリアされる。
【0068】
(3)別経営のホール間の貯玉を通算して景品提供を受けられる可能性がある。この場合は、ホールと遊技口座間の決済が必要であるが、提携店以外での景品提供であれば、遊技口座からさらに提携店に支払うことで済む。また、ネットオークションに出した場合は、景品であれば、以降は、口座会員とネットオークションの主催者または買った人との決済となる。また、ネットオークションに遊技用の玉を出した場合も、遊技口座の付け替えであり、代金の決済は口座会員とネットオークション主催者または買った人との決済となる。いずれも遊技口座の管理とは無関係となり、この点からも法的規制の問題は生じない。
【0069】
(4)取引ポイントを1箇所の遊技口座に集中させることで、口座会員が複数のホールで遊技しても、取引ポイント(又は玉)の売買を1回(1枚のKカード)で行うことができ、個々のホール(複数のカードが必要)で行う必要がなくなる。また、取引ポイントの取引市場が一つなので、その売買が集中して活発化することも期待できる。
【0070】
(5)ホール運営者にとっても、この遊技口座管理システム1は、多大なメリットがある。例えば、チェーン店の場合、あるホールの貯玉を別のホールの貯玉として、間接的に移行させて遊技できる可能性がある。同一営業主体なので、ホール間の決済は原則的には不要である。また、一般景品及び特殊景品を扱う必要がなくなるので、景品の在庫リスクがなくなり、景品管理が簡略化される。さらに、従前のようなチケット発行が不要となり、チケットの偽造問題を解決することができる。
【0071】
(6)Kカードに取引履歴を記録しておき、取引処理時に遊技口座管理システム1で管理している遊技口座の残高と照合するようにする運用も可能である。このようにすれば、Kカードの記録情報が改竄されているかどうかを容易に検出することができる。これにより、Kカードに対する改竄の動機付けをなくすことができ、健全な景品管理が可能になる。
【0072】
なお、この実施形態では、取引ポイントに対応する遊技媒体がパチンコ用の玉であることを前提として説明したが、パチスロ等で使用されるメダルその他の遊技媒体の場合にも同様の説明が成り立つものである。
また、遊技は、必ずしも実在するホールでのパチンコ遊技やパチスロ遊技に限定されず、ネットワーク上で仮想遊技を実現するネットパーラにおける遊技であってもよい。
さらに、遊技口座管理システム1をホール管理システム3と共に1つのホールに設置し、そのホールだけで本発明を実施することも可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ファンの立場からは遊技により得た財的価値を魅力的な手法で受け取ることができ、ホール経営者の立場からは景品の扱いが簡略化され、遊技業界全体からすれば、いわゆるアウトの部分が健全化され、業界の発展に寄与することができる、新規な情報処理の仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技口座管理システムの適用場面を示した全体図。
【図2】ホール管理システムの構成例を示す図。
【図3】遊技口座管理システムに構築される機能の一例を示す図。
【図4】口座会員DB、遊技口座DB及び会員別取引履歴DBの関係を示した図。
【図5】会員ホールDBの内容例を示した図。
【図6】提携店舗DBの内容例を示した図。
【図7】遊技口座管理システムの運用形態の概要を示した説明図。
【図8】遊技口座管理システムによるメニュー画面例を示した図。
【図9】ポイントによる景品交換用の画面例を示した図。
【図10】再プレイ用取引申込用の画面例を示した図。
【図11】口座取引(売)申込用の画面例を示した図。
【図12】口座取引(買)申込用(ホール貯玉)の画面例を示した図。
【図13】口座取引(買)申込用(ホール外)の画面例を示した図。
【図14】景品交換処理の手順説明図。
【図15】口座取引(売)処理の手順説明図。
【図16】口座取引(買)処理(ホール貯玉の場合)の手順説明図。
【図17】口座取引(買)処理(ホール外の場合)の手順説明図。
【符号の説明】
1 遊技口座管理システム
10 入出力制御部
11 会員登録部
12 口座管理部
13 取引処理部
141 口座会員DB
142 遊技口座DB
143 会員別取引履歴DB
144 会員ホールDB
145 提携店舗DB
146 流通機関DB
147 流通履歴DB
2 金融機関口座管理システム
3 ホール管理システム
31 ホール内サーバ
32 景品管理端末
33 会員管理端末
34 貯玉管理端末
35 通信端末
36 POS端末
361 カスタマ表示機
362 POS用KカードR/W
363 チケットR/W
37 計数機
371 チケット発券機
372 計数機用KカードR/W
38 再プレイ用玉返却機
381 返却機用KカードR/W
39 登録機
391 登録機用表示機
392 登録機用KカードR/W
4 金融機関店頭システム
5 店舗管理システム
6 遠隔端末
7 ファン端末
N インターネット
L1 ホール内ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパチンコ遊技、パチスロ遊技等の遊技環境を遊技者(以下、「ファン」)に提供する遊技場においてファンが遊技によって得た勝ち玉やメダルなどの数で定まる財的価値をファン毎に遊技口座にて一元管理する遊技口座管理システムに関する。
【0002】
【発明の背景】
従来、パチンコ遊技機やパチスロ遊技機等を設置した遊技場では、ファンが遊技によって獲得した財的価値、例えば勝ち玉や勝ちメダルと等価の景品の中から希望する景品を選択して交換できるようになっている。このような景品の中には、カタログなどを用いて選択できるものもある。また、このような景品とは別の特殊景品も用意されており、この特殊景品を遊技場外で現金に交換することもしばしば行われている。
【0003】
最近は、財的価値を景品との交換を行わずに貯えておくサービスも運用されている。貯えた財的価値がパチンコ玉の場合は「貯玉」、そのサービスは「貯玉サービス」と呼ばれる。メダルについても同様の運用が行われている。
貯玉ができることにより、ファンは、複数回の遊技を行って貯玉を相当数貯めておいてからより高価値の景品と交換したり、貯玉を用いて遊技を行う、いわゆる貯玉再プレイを行うことが可能になる。
【0004】
しかしながら、ファンが獲得した財的価値を景品に交換しようとする際に、必ずしも嗜好に合ったものと交換できるとは限らないし、特殊景品の価値も、必ずしも市場価値と一致するとは限らない。特殊景品については、ホール側にとっても法律上の規制があってその管理が複雑になるなどの問題があった。
【0005】
一方、パチンコ遊技を提供する遊技場が地域社会との共生を深め、業としての社会的イメージを向上させるための一方策として、景品の交換を地域の商店で行うことが検討されている。しかし、現実的には、法律上の制限(風適法)があるためにその実現が困難な状況になっている。例えば、景品の最高限度額が定まっているという問題、提携店による商品の買取ができないという問題、有価証券を景品として扱うことができないという問題等がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決し、業界の健全な発展に寄与し得る新たな遊技の形態、特に、遊技の結果、ファンが獲得した財的価値の管理の仕組みを提供することを主たる課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技口座管理システム、遊技口座管理方法およびコンピュータプログラムを提供する。
【0008】
本発明の遊技口座管理システムは、遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続される遊技口座管理システムであって、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置と、登録手段と、口座管理手段と、取引処理手段とを備えてなるものである。
登録手段は、ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録するとともに、通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するものである。
口座管理手段は、登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定するとともに、登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てるものである。
取引処理手段は、登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にするものである。
このように構成される遊技口座管理システムでは、ファンが獲得した財的価値が、遊技場の運営者が独自に定めた価値基準ではなく、他の遊技場においても適用可能な共通の価値基準として、遊技口座に一元管理される。ファンは、自分の遊技口座に積み立てられている財的価値を任意の時点で引き落とし、売買取引に利用できるので、必ずしも嗜好に合ったものと交換できるとは限らなかった従来のスタイルとは異なった景品交換が可能になる。
【0009】
コンピュータネットワークは、更に、前記財的価値と等価の現金の引き渡し又は指定先への振込を可能にする機構を備えた第2外部システム、商品又は役務の提供を行う店舗において前記財的価値と等価の商品又は役務の提供に関する情報処理を行う第3外部システム、前記財的価値又は商品を対象としたネットオークションの場を提供する第4外部システム、ファンが操作するファン端末も接続可能なものである。
ある実施の態様では、前記登録手段が、このコンピュータネットワークを通じて通信可能ないずれかの第2乃至第3外部システム又はファン端末を、それぞれ通信先の一つとしてその固有情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するように構成されており、前記口座管理手段は、前記第1外部システムから受け取った財的価値のほか、登録された前記第2乃至第3外部システムのいずれか又は前記ファン端末を通じて受け取った財的価値をも前記遊技口座に積立可能に構成されており、前記取引処理手段は、登録された前記第2乃至第3外部システムのうち前記指示情報により特定されたものに対して前記引き落とした財的価値又はその財的価値と等価の価値情報を送信することにより、当該財的価値と等価の現金、財物又は権利の売買取引を可能にするように構成されている。
【0010】
また、他の実施の態様では、前記登録手段は、このコンピュータネットワークを通じて通信可能な前記第4外部システムを、通信先の一つとしてその固有情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するように構成されており、前記取引処理手段は、前記指示情報により特定された前記登録された第4外部システムに対して、前記引き落とした財的価値又はその財的価値と等価の景品受け取りの権利に関する情報を送信することにより、当該財的価値それ自体又は景品受け取りの権利の売買取引を可能にするように構成されている。
【0011】
前記取引処理手段としては、例えば、以下のような構成を採用し得る。
・あるファン用の遊技口座から引き落とした財的価値を、前記口座管理手段を通じて、当該ファンによって指定された他のファン用の遊技口座に移動させることにより当該財的価値それ自体の売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、当該財的価値を発行した第1外部システムに返却して当該財的価値と等価の現金又は遊技媒体に変換させることにより、当該財的価値それ自体の売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、当該財的価値を発行した第1外部システムとは異なる他の登録された第1外部システムに送出して当該財的価値と等価の現金又は遊技媒体に変換させるとともに、当該財的価値を発行した第1外部システムの運営者と前記他の登録された第1外部システムの運営者との間の前記財的価値の送出に伴う支出調整を行うことにより、当該財的価値それ自体の売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、前記指示情報により特定される第2外部システムに送出して当該財的価値と等価の現金の引き渡し又は指定先への振込を行わせることにより、当該財的価値と等価の価値情報に基づく売買取引を可能にする。
・前記引き落とした財的価値を、前記指示情報により特定される第3外部システムに送出して当該財的価値と等価の商品又は役務の提供を行わせることにより、当該財的価値と等価の財物の売買取引を可能にする。
【0012】
登録後の前記通信先登録領域には、当該通信先の運営者ないし所有者が契約している金融機関口座が前記固有情報の一つとして記録されるようにする。そして、前記取引処理手段は、上述したいずれかの売買取引に伴って決済処理が発生するときは、その決済処理を前記通信先登録領域に記録されている金融機関口座を通じて行うようにする。
【0013】
本発明の遊技口座管理方法は、遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続され、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置を有する遊技口座管理システムが実行する方法であって、以下の段階を有する。
・ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録する段階、
・通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録する段階、
・登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定する段階、
・登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てる段階、
・登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする段階。
【0014】
本発明のコンピュータプログラムは、遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続され、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置を有するコンピュータに、以下の処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
・ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録する処理、
・通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録する処理、
・登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定する処理、
・登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てる処理、
・登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする処理。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
<運用時の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技口座管理システムの運用時の全体構成例を表す図である。この実施形態では、広域ネットワークの一つであるインターネットNに接続して運用する遊技口座管理システム1の例を挙げる。
この遊技口座管理システム1は、1又は複数のプロセッサ、RAM、ROM、メモリ制御機構等を搭載してなるプロセッサボードと、複数の情報記録領域を有する情報記録装置とを含んで構成され、この情報記録装置に記録されているコンピュータプログラムによって動作するサーバシステムである。
【0016】
この遊技口座管理システム1が接続されるインターネットNには、通信先となる様々な外部システム、例えば、金融機関口座を管理する金融機関口座管理システム2、遊技場(以下、この実施形態において遊技場を「ホール」と称する)に設置されるホール管理システム3、それぞれ店舗(商品・役務提供店舗)に設置される複数の店舗管理システム5、市街地の任意の場所に設置される遠隔端末6、及び、ファンが操作するファン端末7等が接続可能になっている。
【0017】
金融機関口座管理システム2は、例えば「全銀システム」のような既存の金融関係の情報処理システムであり、金融機関口座情報(銀行口座情報、クレジット口座情報等)及び現金の額を指定することにより、その金融機関口座への振込処理、その金融機関口座からの現金の引き落とし等を行うものである。金融機関店頭システム4は金融機関口座管理システム2と連動する店頭システム、例えばATMのような既存のシステムであり、例えばファンが自分の金融機関口座情報を入力することにより現金の入出金を行うことができるようにするものである。
店舗管理システム5は、それが設置されている店舗での商品購入ないし役務提供の代金として、クレジットカードあるいは遊技口座管理システム1から出力された情報を用いることができるようにするものである。遠隔端末6は、遊技口座管理システム1又はホール管理システム3と連携動作するATM類似の専用端末であり、現金入金又は振込入金による後述する取引ポイントの積立、現金の受け取り、指定先への振込処理等が可能なものである。ファン端末7は、通信及びブラウザ機能を有するパーソナルコンピュータである。
【0018】
この実施形態では、遊技口座管理システム1を利用するファンは、必ず会員登録を行って遊技口座を開設するものとする。また、ホール管理システム3が設置されるホール(又はその運営者)及び店舗管理システム5が設置される店舗(又はその運営者)もこの遊技口座管理システム1を利用する会員として予め登録しておく必要がある。
以後の説明では、遊技口座を開設したファンを「口座会員」、登録したホールを「会員ホール」、登録した店舗を「提携店舗」と称する。口座会員は、必ずしも各ホールで会員登録した「ホール会員」でなくてもよいが、貯玉サービス又は貯玉再プレイサービスを行っているホールでは、予め「ホール会員」として登録されている必要がある。
【0019】
遊技口座には、ホールで獲得した勝ち玉やメダルなどの数で定まる財的価値の一例となる取引ポイントが積み立てられ、その取引ポイントを、景品交換、ネットショップでの商品購入又はネットオークションへの提示、プリペイドカードへの現金チャージ、現金交換、振込等のために、随時引き落とすことができるようになっている。
ここにいう取引ポイントは、パチンコ遊技で使用する玉の個数ないしパチスロ遊技で使用するメダルの枚数ではなく、現金そのものでもないが、それによって、ホール内での玉ないしメダルの貸出、景品、現金への交換、振込、他のファン等への提供を可能にするものである。例えば、100ポイントで500円相当の景品に交換したり、500円分の現金に相当する価値を持つものとしてプリペイドカードにチャージしたり、125個の貸し玉ないし貯玉に交換することができる。
なお、取引ポイントを財的価値として挙げるのは、単なる運用の一例であって、取引ポイントに代えて、玉の個数ないしメダルの枚数、あるいは現金の額とする運用を妨げるものではない。
【0020】
ホール会員又は口座会員には、会員カード(以下、「Kカード」と称する)がホール又は遊技口座管理システムの運営者から発行される。このKカードは、遊技口座管理システム1へのアクセス(登録内容変更、残高照会、取引履歴照会、遊技口座への取引ポイントの積み立て又は引き落とし)の際に使用される。Kカードは、例えば改竄が困難なICチップ搭載カードにより構成される一種のセキュリティカードである。ICチップには、暗号アルゴリズムによって動作する制御機構と、この制御機構によってその記録及び読み出しが規制される第1記録領域及び第2記録領域を有している。第1記録領域には、ホール会員のみの登録であればホール会員情報、口座会員のみの登録であれば口座会員情報、ホール会員であって口座会員としても登録されていればホール会員情報及び口座会員情報が記録される。第2記録領域にはKカードをプリペイドカードとして使用するときのプリペイド情報が記録される。
【0021】
Kカードに記録されるホール会員情報及び口座会員情報としては、運用形態に応じて種々のものを選定することができる。例えば、登録したホールにおいて貯玉口座が開設されている場合、ホール会員情報としては、ホール会員の個人情報、暗証番号、ホールの識別情報、ホール会員番号及び貯玉口座の識別情報を選定する。口座会員情報としては、遊技口座の識別情報(遊技口座番号)、取引パスワードのような権限情報を選定する。
【0022】
なお、Kカードにすべての情報を集中させるのではなく、ホール会員用の第1カード、口座会員用の第2カードのように分離した運用も可能である。
また、Kカード(あるいは第1カード/第2カード)には、それぞれホール会員及び口座会員であることを識別するための情報のみを記録しておき、その記録情報を読み取る側で、ホール会員情報及び口座会員情報を管理するような運用も可能である。
【0023】
<ホール管理システム>
次に、遊技口座管理システム1を運用する上で、特に関連性が高いホール管理システム3の構成例を詳細に説明する。ホール管理システム3の構成は、ホールの運営形態、運営方針によって様々であるが、遊技口座管理システム1との連携動作を可能にする観点からは、概ね図2に示されるような構成要素を含むものとする。すなわち、ホール内サーバ31、景品管理端末32、会員管理端末33、貯玉管理端末34、通信端末35、POS(Point of sale)端末36、計数機37、再プレイ用玉返却機38、及び登録機39をホール内ネットワークL1に接続してホール管理システム3が構成される。
【0024】
POS端末36にはカスタマ表示機361、上述したKカードからのデータ読み出し(Read)及びKカードへのデータ書き込み(Write)を行うKカードR/W362、チケットからの勝ち玉計数結果の読み出し(Read)及びチケットへのデータ書き込み(Write)を行うチケットリーダ・ライタ(以下、リーダ・ライタを「R/W」と称する)363が接続されている。計数機37には、勝ち玉計数結果を記録したチケットを発券するチケット発券機371及びKカードR/W372が接続されている。ここでのKカードは、ホール会員であることの認証又はチケットに代えて計数結果を記録するための記録媒体となる。再プレイ用玉返却機38にもKカードR/W381が接続されている。Kカードは、ホール会員であることの証明媒体又はプリペイドカードとして機能する。登録機39には、操作者(ファン又はホールの担当者)に操作内容を提示するための登録用表示機391、Kカード発券機の機能を併有するKカードR/W392が接続されている。
【0025】
ホール内サーバ31は、それぞれ制御ユニットが搭載されたホール内の各種遊技機の動作監視及びその制御を行うとともに、遊技口座への取引ポイントの積立及び引き落とし並びに景品の受け渡しに関する情報処理を、景品管理端末32、会員管理端末33、貯玉管理端末34及びPOS端末36との協働で行うサーバであり、当該サーバに搭載されたプロセッサが所定の記録領域に記録されているサーバ用プログラムを読み込んで実行することにより、遊技状況監視制御部、外部システム管理部等の機能をサーバ上に構築する。
【0026】
遊技状況監視制御部は、ホール内の遊技機の配置や稼働状況等を記録するためのホール内DB(「DB」は図示しない情報記録装置上に構築されるデータベースの略、以下同じ)に記録されているデータに基づいて遊技状況の監視及び個々の遊技機の制御等を行う。外部システム管理部は、サーバの外部に存するシステム(遊技口座管理システム1、ファン端末7、その他関係機関に設置される情報処理システム等)の識別情報、通信設定情報等を外部システムDBに記録するとともに、この外部システムDBに記録されている情報のうち、通信端末35に対してこれらの外部システムとの通信を可能にするための情報を出力する。
【0027】
景品管理端末32は、ホール内サーバ31の指示によって動作する端末であり、当該端末に搭載されたプロセッサが所定の記録領域に記録されている景品管理用プログラムを読み込んで実行することにより、ホールに用意される景品の仕入れ、景品のホール会員への引き渡し、景品の卸、仲買、仲売等の履歴管理、日計管理等の実行を可能にする。
【0028】
会員管理端末33は、ホール内サーバ31の指示によって動作する端末であり、当該端末に搭載されたプロセッサが所定の記録領域に記録されている会員管理用プログラムを読み込んで実行することにより、当該ホールで会員登録したホール会員の会員情報の管理に関する所要の機能を実現する。
【0029】
貯玉管理端末34は、ホール会員として登録されているファンの貯玉数を累積的に記録するための貯玉口座をファン毎に設定し、あるファンについての貯玉が発生するたびに、そのファン用の貯玉口座への貯玉数の積立を行うとともに、例えばホール内サーバ31を通じて払出要求及び払出先を表すデータが入力されたときには、そのときの貯玉数を限度として払出要求があった分の玉数を貯玉口座から引き落とし、その玉数を表す情報を払出先へ送信する。新たな貯玉は、計数機37からの出力情報あるいはPOS端末36のチケットR/W363で読み取ったチケット記録情報より特定したそのファンの勝ち玉、通信端末35を通じて入力された遊技口座管理システム1からの取引ポイントにより特定した再プレイ用玉によって発生する。
貯玉口座に記録されている貯玉数は、ホール内であれば、POS端末36、景品管理端末32、計数機37及び再プレイ用玉返却機38側で随時参照することができる。ホール外では、ファン端末7、遊技口座管理システム1が、ホール管理システム3と連携動作する所定のプログラムに従い、通信端末35を通じて参照することができる。
貯玉情報の管理をホールの運営主体とは異なる第三者管理機関と協働で行う場合には、通信端末35を通じて、すべてのファンの貯玉情報(ホール会員情報、貯玉口座、貯玉数等)を当該第三者管理機関に設置されている管理用コンピュータへ送信するとともに、必要に応じて貯玉情報を当該管理用コンピュータより受信することができるようにしておく。
【0030】
通信端末35は、インターネットNに接続されたシステム(遊技口座管理システム1、ファン端末7を含む)とホール管理システム3全体との双方向通信を可能にする端末である。なお、ホール内サーバ31及び各端末32〜34に、インターネットNを介して外部端末ないしシステムとデータ通信を行う機能を内蔵している場合、通信端末35は不要となる。
【0031】
POS端末36は、勝ち玉あるいはファンが指定した貯玉をもとにそのファンに景品を引き渡すための処理を行う公知のPOS機能のほかに、後述するポイント積立に関する情報処理をホール内サーバ31と協働で行う機能を有するものである。より具体的には、ファンが獲得した勝ち玉、あるいは貯玉の一部又は全部を、予め両者の対応数値が記録された換算テーブルを用いて取引ポイントに換算する価値換算機能、口座会員でもあるファンからのポイント積立依頼を受け付ける積立受付機能、ポイント積立依頼の受付を契機に、換算された取引ポイントを伴う積立要求データを生成するとともに、この積立要求データを口座会員情報及び当該ホールの識別情報と共に遊技口座管理システム1に送信してそのファンの遊技口座へのポイント積立を行わせる積立管理機能とを有する。
【0032】
計数機37は、ファンが獲得した玉を計数し、その結果をチケット発券機371を通じてチケット発券したり、上述したようにそのファンがホール会員である場合にKカードをKカードR/W372に挿入させ、そのKカードに記録されたホール会員情報をもとに、ホール内ネットワークL1を通じて貯玉管理端末34に貯玉することを許容するための機器である。
【0033】
再プレイ用玉返却機38は、ホール会員毎に、貯玉管理端末34の貯玉口座で管理されている貯玉数の範囲内で、再プレイ用の玉の返却要求を貯玉管理端末34に対して行うとともに返却した分の玉数を貯玉貯蓄領域から差し引かせるように動作する機器である。
【0034】
登録機39は、ホール会員の登録を受け付けるとともに、遊技口座の新規開設、口座会員情報の変更等の機会をホール会員に与える。遊技口座の新規開設、口座会員情報の変更等のための情報は、登録機39から通信端末35を通じて遊技口座管理システム1に送信される。この登録機39においてファンがホール会員としての登録を行うことにより、ホール会員情報を会員管理端末33に登録させる。この登録データは、ホール内ネットワークL1を通じて計数機37、再プレイ用玉返却機38等で随時参照できるようになっている。
【0035】
<遊技口座管理システム>
次に、上記のような各種通信先との間で通信を行うとともに、遊技口座管理に関する情報処理を行う遊技口座管理システム1の構成例を説明する。
図3は、プロセッサボード上のプロセッサが所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより構築される機能ブロック図である。すなわち、この遊技口座管理システム1は、入出力制御部10、会員登録部11、口座管理部12、取引処理部13の機能と、情報記録装置内に構築される口座会員DB141、遊技口座DB142、会員別取引履歴DB143、会員ホールDB144、提携店舗DB145、流通機関DB146、流通履歴DB147を有している。
【0036】
[各種DB]
口座会員DB141は、口座会員として扱うファン及び必要に応じてファン端末7を記録するための複数のファン登録領域を有するDBである。遊技口座DB142は、それぞれ口座会員DB141の個々のファン登録領域と1対1にリンクされた複数の口座登録領域を有するDBである。個々の口座登録領域に設定されるのが遊技口座である。
会員別取引履歴DB143は、口座会員の取引履歴を口座会員毎に蓄積するためのDBである。会員ホールDB144は、この遊技口座管理システム1を利用可能なホール管理システム3の固有情報を記録するための登録領域を有するDBである。提携店舗DB145は、この遊技口座管理システム1との連携が可能な店舗管理システム5の固有情報を記録するための登録領域を有するDBである。流通機関DB146は、遊技口座に基づく取引ポイント又は商品の流通に関わる処理を行うシステム(商品仲買又は仲売システム、商品配送システム、ネットショップ、ネットオークションシステム等)の固有情報を記録するための登録領域を有するDBである。なお、ネットショップ、ネットオークションシステムについては、それらを流通に関わる処理を行うシステムとしてではなく、店舗管理システム5として提携店舗DB145にその固有情報を記録するようにしてもよい。また、遊技口座管理システム1自体にネットオークションシステムを構築する場合は、その固有情報の登録は必ずしも必要ではない。
流通履歴DB147は、遊技口座管理システム1が関わるすべての取引の履歴を蓄積するDBである。この流通履歴DB147に蓄積された履歴のうち、口座会員(ファン)に関するものが、会員別取引履歴DB143に口座会員毎に蓄積される。
【0037】
口座会員DB141、遊技口座DB142及び会員別取引履歴DB143の記録情報は相互に関連している。図4は、これらのDBにおける記録内容と、DB間の相互関係を示した図である。符号141aで示される記録領域が個人情報を記録するための個人領域記録領域、符号141bで示される領域が振込先及び連絡先等の固有情報を記録するための固有情報記録領域である。個人情報は、会員番号、氏名、住所等である。固有情報は、そのファンが操作するファン端末7の通信設定情報(URL、IPアドレス、メールアドレス等)、そのファンの金融機関口座情報(銀行口座、クレジット口座等)、セキュリティコード(暗証番号、証明情報等)等である。各DB141,142,143は個人情報(図示の場合は会員番号)によってリンクされている。また、会員別取引履歴DB143に記録されている最新の残ポイント数が遊技口座DB142の「残ポイント数」の領域に記録される。
【0038】
図5は会員ホールDB144の内容例を示した図である。図5に例示されるように、会員ホールDB144の登録領域には、ホール管理システム3を通信先の一つとして登録したときに発行されたホールID毎に、そのホール管理システム3の固有情報が記録される。ホール管理システム3の固有情報は、それが設置されるホールの名称、運営者の名称、連絡先、通信設定情報の一例となるURL、提携ホール(そのホール管理システム)があるときにはその名称、ポイント合算の可否、決済処理に用いるホール運営者の金融機関口座情報等である。ポイント合算が「可」の場合は、その提携ホール用の取引ポイント数の合算値を残ポイント数として扱う。
【0039】
図6は提携店舗DB145の内容例を示した図である。図6に例示されるように、提携店舗DB145の登録領域には、店舗管理システム5を通信先の一つとして登録したときに発行された店舗ID毎に、その店舗管理システム5の固有情報が記録される。店舗管理システム5の固有情報は、それが設置される店舗の名称、運営者の名称、連絡先、金融機関口座情報、通信設定情報の一例となるURL、取扱商品の情報(カタログ有の場合はその電子情報が存在するサーバのURL)等である。
流通機関DB146については省略したが、概ね、図5又は図6のものと同様のDB構造を有しており、流通機関ID毎に、機関名称、住所又は居所、運営者の名称、金融機関口座情報、通信設定情報等の固有情報がその登録領域に記録される。流通履歴DB147は、取引ポイントの売買取引の時刻、場所、当時者を識別するための当事者ID(会員番号、ホールID、店舗ID等)、取引内容等を、売買取引が成立するたびに蓄積するためのフィールドを有している。なお、流通履歴DB147と会員別取引履歴DB143とは当事者IDによってリンクしている。
【0040】
[遊技口座の管理に関する諸機能]
入出力制御部10は、通信先となる各種外部システム2〜7との間の通信を確立し、アクセスしてきた通信先に、図示しないメモリ領域に予め用意された画像データに基づいて所定の操作用画面を表示させるとともに、通信先への情報送信、通信先から受け取った情報の他の通信先への転送、通信先から受け取った情報の遊技口座管理システム1の各種機能ブロック(会員登録部11、口座管理部12、取引処理部13)への振り分け、各種機能ブロック間の情報の受け渡しその他のシステム内統括制御を行う。
【0041】
会員登録部11は、ファンを口座会員として登録するとともに、必要に応じて、遊技口座管理システム1の通信先となり得るホール管理システム3、店舗管理システム5、遠隔端末6、ファン端末7を登録する処理を行う。
口座会員の登録は、口座会員DB141のその口座会員(ファン)用の個人情報登録領域141aに個人情報を記録することにより行う。ファン端末7の登録は、口座会員DB141の固有情報記録領域に固有情報を記録することにより行う。ホール管理システム3(会員ホール)の登録は、上述したホール管理システム3の固有情報を会員ホールDB144の登録領域に記録することにより行う。店舗管理システム5(提携店舗)の登録は、その固有情報を提携店舗DB145の登録領域に記録することにより行う。遠隔端末6の登録は、その固有情報を流通機関DB146の登録領域に記録することにより行う。
なお、会員登録部11の登録機能を利用して、会員(口座会員、会員ホール、提携店舗)以外の外部システム、例えば取引ポイントや景品の流通に関わる機関に設置されるシステムを流通機関DB146に登録する。金融機関口座管理システム2については、通常は、遊技口座管理システム1の運営者の方で、そのシステム利用の登録を行い、会員になることになるが、会員登録部11の方で、その登録内容を管理するようにしてもよい。
【0042】
口座管理部12は、遊技口座DB142に遊技口座を設定するとともに、その遊技口座に取引ポイントを積み立てるための処理を口座会員毎に行う。ポイント積立に際しては、積立時の時刻情報のほかに、その取引ポイントの発生元、例えばホール管理システム3を識別するためのホールID、遠隔端末6を識別するための遠隔端末ID等も併せて記録する。このようにすれば、どこで何時発生した取引ポイントかを事後的に集計することが容易になる。
【0043】
取引処理部13は、口座会員からの所定の指示情報の入力を契機に当該口座会員用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする。例えば口座会員からの所定のポイント引き落とし指示の入力を契機に、遊技口座に積み立てられている取引ポイントを引き落とすともに、引き落とした取引ポイントを用いた取引処理(売/買)を行う。取引処理には、例えば、以下のような形態のものがある。いずれの場合も、売買取引に際して、現金受渡し等のための決済処理を伴う場合(買注文に対する売の決済処理、あるいは売注文に対する買の決済処理)は、会員ホールDB144、提携店舗DB145、流通機関DB146に記録されている金融機関口座情報を通じてそれを行う。
(1)景品交換、再プレイ、プリペイド処理(Kカード又は専用のプリペイドカードへの現金チャージ)のために取引ポイントを会員ホールDB144の記録情報をもとに、その取引ポイントを発行したホール管理システム3へ返却する処理、あるいは、他のホールのホール管理システム3へ送出する処理。後者の場合は、事前又は事後的に、取引ポイントの送出に伴うホールの運営者間の決済処理を行う。そのホール管理システム3が貯玉サービス、貯玉再プレイサービスを行っている場合は、取引処理部13において、あるいは当該ホール管理システム3において、取引ポイントを玉に換算して追加貯玉にすることができる。
(2)取引ポイントを口座管理部12を通じて他の口座会員の遊技口座へ移動させる処理(口座間移動)。
(3)取引ポイントが示す価値と等価の現金の額を金融機関口座管理システム2を通じて当該口座会員の金融機関口座又は当該口座会員が指定した者の金融機関口座へ振り込む処理、
(4)取引ポイントが示す価値と等価の現金の額を提携店舗DB145の記録情報をもとに店舗管理システム5へ直接又はその店舗の運営者の金融機関口座へ振り込む処理、
(5)取引ポイントが示す価値と等価の現金の額を遠隔端末6へ通知してその額の現金引き出しを可能にする処理、
(6)遊技口座管理システム1又は店舗管理システム5が、ネットオークションを自ら開催し又は開催中のネットオークションに参加できるものである場合に、取引ポイントにより交換した景品又はホール毎の取引ポイントそれ自体をそのネットオークションに提示する処理。このネットオークションにより、口座会員は、市場価格よりは安いが、ホールから受け取るよりも高い金額でその代金を受け取ることができる可能性があり、取引の興趣を高めることができる。なお、ネットオークションの場合、口座会員は、競り落とした者から取引ポイント又は景品の代金を受け取ることになる。
以上のような取引処理を行った場合、取引処理部13は、取引履歴を流通履歴DB147及び会員別取引履歴DB143へ取引先の情報、取引時刻の情報と共に時系列に蓄積させる。
【0044】
取引処理部13は、また、口座会員毎の遊技口座に積み立てられている取引ポイントのうち、会員ホールDB144に記録されている複数のホール用の取引ポイントを口座会員毎に統合し、統合された取引ポイントをその口座会員のための取引に使用させることができる。例えば、口座会員がAホールで獲得したポイントとBホールないしCホールで獲得した取引ポイントとを統合してその口座会員に提示することができる。この場合は、統合した側と統合された側との間で受け渡すべき取引ポイントを決定し、決定した取引ポイントと等価の現金の額を、各ホールの金融機関口座間で決済するための処理を行う。
【0045】
取引処理部13は、また、例えばAホールで獲得し、遊技口座に積み立てられている取引ポイントからC店舗で提供した商品又は役務の額に相当する分の取引ポイントを引き出したときに、Aホール及びC店舗の運営者間で受け渡すべき取引ポイントを決定し、決定した取引ポイントに対応する現金の額を、当該A及びC店舗の金融機関口座間で決済するための処理を行う。
【0046】
なお、遊技口座管理システム1において、口座管理部12と取引処理部13とを分けたのは、負荷の軽減のほかに、取引処理の際のセキュリティをより強くする必要があるためである。
【0047】
<運用形態>
次に、遊技口座管理システム1の運用形態の例を説明する。
[口座会員等の登録]
口座会員の登録、すなわち、遊技口座の新規口座開設は、ファンが、ホール管理システム3の登録機39、遠隔端末6又はファン端末7を操作することによって行うことができる。すなわち、上述した個人情報及び固有情報を登録機39、遠隔端末6又はファン端末7を通じて遊技口座管理システム1宛に送信することにより、遊技口座管理システム1の会員登録部11が、そのファンを口座会員DB141に口座会員として登録し、遊技口座DB142に遊技口座を開設する。
通信先のうちホール会員システム3及び店舗管理システム5の登録は、各々の運営者からの各システム3,5の固有情報が通知されることにより、会員登録部11が行う。すなわち、ホール管理システム3の固有情報を会員ホールDB144に記録することによって会員ホールとして登録するとともに、店舗管理システム5の固有情報を提携店舗DB145に記録することによって提携店舗として登録する。遠隔端末6については、遊技口座管理システム1の運営者が各々の固有情報を遊技口座管理システム1を通じて直接的又は間接的に入手し、それを流通機関DB146に記録することによって登録する。
【0048】
[運用概要]
口座会員、会員ホール、提携店舗として遊技口座管理システム1に登録された後の運用は、概ね、図7に例示したようなものとなる。
まず、この図7に従って、運用の概要を説明する。一例として、ホール会員でもある口座会員(ファン)がAホールで遊技したことにより勝ち玉を得たとする。Aホールのホール管理システム3は、その勝ち玉を一旦そのホール会員(口座会員:ファン)の貯玉口座に積み立てる。その口座会員は、自己の貯玉口座に積み立てられている貯玉の一部又は全部を取引ポイントとして遊技口座に積み立てることができる。この場合、口座会員は、ホール管理システム3のPOS端末36を通じてポイント積立依頼を行う。POS端末36は、その口座会員から依頼された貯玉を取引ポイントに変換した後、遊技口座管理システム1に、ホールID、その口座会員の口座会員情報及び取引ポイントを伴う積立を依頼する。遊技口座管理システム1は、口座会員情報によって特定されるその口座会員の遊技口座に取引ポイントを積み立てる。
その口座会員は、任意の時期、場所から自分の遊技口座にアクセスして、自己の遊技口座に積み立てられている取引ポイントに基づく売買取引を申し込むことができる。例えば自己が操作するファン端末7を通じて遊技口座管理システム1に取引依頼を行い、再プレイ用のホールへの取引ポイントの返却、現金受取、振込、口座間移動、景品交換等を申し込むことができる。また、提携店舗に商品申込を行い、そこで所望の商品を受領することができる。さらに、取引ポイントにより交換した商品又はホール毎の取引ポイントそれ自体のネットオークションへの提示を依頼することができる。
【0049】
現金受取、振込が指定された場合、遊技口座管理システム1は、口座会員DB141に記録されている金融機関口座情報及び提携店舗DB145に記録されている金融機関口座情報を特定し、その口座会員の金融機関口座への振込、又は、提携店舗の運営者の金融機関口座への振込を金融機関口座管理システム2を通じて行う。振込によらない代金支払いの場合、遊技口座管理システム1は、他の手続によって提携店舗への代金支払いを行う。
口座会員は、最寄りの金融機関店頭システム4を通じて現金を受け取ることができる。提携店舗を通じてネットオークションに商品を発送してもらい、その商品を購入した者から代金の支払いを受けるという形態も可能である。
【0050】
[遊技口座管理システム1の動作]
次に、運用時の遊技口座管理システム1の動作を詳細に説明する。
遊技口座管理システム1は、口座会員(ファン)からのアクセスを受け付けると、入出力制御部10が、アクセス元に、アクセス元の種類に応じた内容のメニュー画面及びその下位層に存する各種操作画面を表示させる。これらの画面の内容は、ホール会員システム3及び遠隔端末6とファン端末7とでは、その内容が多少異なる。つまり、現金投入口やカード挿入口(KカードR/W、クレジットカードリーダ等)があることを前提とするホール会員システム3、遠隔端末6と、それらがないファン端末7では、そのメニュー画面が異なっている。但し、相違点はその前提部分についてだけであり、概ね内容は一緒となる。メニュー画面の一例を図8に示す。
図8のメニュー例では、「口座会員登録」、「口座残高照会」、「景品交換」、「再プレイ用取引申込」、「口座取引(売)申込」、「口座取引(買)申込」、「取引履歴照会」が表示されている。ここでは、遊技口座からの取引ポイントの引き落としを伴う取引注文を「口座取引(売)申込」と表現し、遊技口座への取引ポイントの積み立てを伴う取引注文を「口座取引(買)申込」と表現している。
【0051】
図8のメニュー画面において「口座会員登録」が選択された場合、入出力制御部10は、口座会員登録及びファン端末7の登録のための情報入力画面を表示させ、ファンから個人情報及び固有情報が入力された場合は、会員登録部11に、上述した手順で口座会員登録及びファン端末登録を行わせる。「口座残高照会」が選択された場合は、入出力制御部10は、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面を表示させる。KカードR/Wが設けられている場合は、口座会員にKカードを挿入させ、その記録情報を読み取ることになる。口座会員情報が入力された(読み取られた)場合は、会員登録部11に会員認証を行わせた後、入力された口座会員情報をもとにその口座会員の遊技口座を特定し、遊技口座DB142に記録されている残ポイント数をアクセス元に表示させる。
「取引履歴照会」が選択された場合も同様に、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面表示させ、口座会員情報が入力された場合は、会員登録部11に会員認証を行わせた後、入力された口座会員情報をもとに会員別取引履歴DB143からその口座会員の取引履歴を特定してリストアップし、それをアクセス元に表示させる。
【0052】
「景品交換」が選択された場合は、図14の手順で、景品交換処理を行う。
すなわち、入出力制御部10は、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面を表示させ、口座会員情報が入力された場合は、会員登録部11に会員認証を行わせた後(K101)、口座会員DB141から読み込んだ個人情報と、この個人情報によって特定される遊技口座から読み込んだ取引ポイントのホール毎の残高を表示させる(K102)。図9上段は、このようにして表示された内容を示している。
【0053】
図9の「商品選択画面」は、その下位層に、それぞれ、景品である商品の詳細情報(カタログがある場合は、その内容)と、それを選択するかどうかの確認を促す画面が用意されている。詳細情報は、提携店舗DB145に記録された取扱商品のURLとリンクされている。口座会員が、ある景品を選択したとき、つまり、「商品選択画面」の下位層画面で確認がなされたときは、その「商品選択画面」の選択がなされた表示形態に変わる。
「消費ポイント」は、遊技口座に積み立てられている取引ポイントのうち、景品交換に使用する取引ポイント数であり、景品が選択されて増加するたびに、その合計値が自動的に増加するようになっている。「送り先住所」及び「送り先氏名」は、その景品の配送先であり、通常は口座会員であるファンの住所、氏名が入力される。「預かり」をクリックすることにより、口座会員による景品交換のための情報入力が終了する。
【0054】
上述のようにして景品及び消費ポイント数が指定されたときは、景品交換の確認画面を表示させる(K103:Yes、K104)。確認入力があった場合は、景品管理処理を行う(K105:Yes、K106)。景品管理処理は、本例の場合は、指定された景品確保のための処理及び口座会員が指定した「送り先住所」及び「送り先氏名」への景品の配送手配のための処理等である。配送手配のための処理は、流通機関DB146に商品配送システムの通信設定情報が登録されている場合は、その商品配送システムを通じた景品配送依頼処理である。
【0055】
景品管理処理後は、景品交換に用いた取引ポイントによる決済処理を行う。
すなわち、消費ポイントとして使用した取引ポイントが単一ホールのポイント処理範囲かどうかを判別し、単一ホールのポイント処理範囲内の場合、取引処理部13は、そのホールについて引き落とすべき取引ポイント数を決定する(K107:Yes、K108)。一方、単一ホールのポイント処理範囲でない場合、つまり、運営主体が異なる複数のホールについての取引ポイントを統合した場合は、ホール運営者間調整処理を行う(K107:No、K109)。ホール運営者間調整処理とは、ごく単純には、統合前の取引ポイントの発行元となった複数のホールの各々の取引ポイント数を決定する処理であり、景品によっては(例えばある特定のホールで提供する景品)、その交換に伴うホール運営者間の取引ポイント数の調整を伴う。
その後、その口座会員の遊技口座から、各ホールの取引ポイントを引き落とし、引き落とした取引ポイント数に応じた金額を各ホールの運営者から受け取るための処理、例えば一括請求のための集計等を行う(K110)。
上記の一連の処理を終えると、取引処理部13を通じて、取引履歴を流通履歴DB147に記録させるとともに会員別取引履歴DB143の当該口座会員用の記録領域にも記録させる(K111)。
【0056】
図8のメニュー画面において、「再プレイ用取引申込」が選択された場合、入出力制御部10は、図14のK101及びK102の処理と同じ手順で、口座会員の認証と、その口座会員のホール毎の取引ポイントの残高を特定する。そして、図10のような画面をアクセス元に表示させる。
図10の例では、取引ポイントを使用するホール名、遊技口座の現在の口座残高、そのホールのホール管理システム3で管理している貯玉、返還する取引ポイント及び取引方法(貯玉追加/プリペイド)が表示される。なお、「貯玉」については、使用するホール名が指定されたことを契機にそのホールのホール管理システム3から取得することになるが、その口座会員がホール会員であることがホール管理システム3側で把握していることが前提となっている。
【0057】
口座会員により、返却する取引ポイント数が入力され、取引方法が選択された場合、入出力制御部10は、取引処理部13を通じて再プレイ用の取引ポイントの返却の処理を行わせる。取引処理部13は、そのファンの遊技口座から指定された数の取引ポイントを引き落とし、その取引ポイントを、指定されたホールにおける貯玉あるいはプリペイドカードに記録される現金情報に変換して入出力制御部10に送る。
【0058】
入出力制御部10は、その取引ポイントを返却するホール管理システム3との間で当該現金情報に相当する額の決済処理を行った後、口座会員情報及びホール会員情報、選択された「取引方法」の情報及び現金情報をそのホール管理システム3に送信する。決済処理を行い且つ現金情報を受け取ったホール管理システム3では、「貯玉追加」の場合はその口座会員(ホール会員)の遊技口座に現金情報に相当する貯玉を追加し、「プリペイド」の場合は、その口座会員が保有するKカードへの所定の現金チャージ機からの現金チャージ、あるいは、当該現金情報分のプリペイドカードの発行を許容する。これにより、口座会員は、そのホールにおいて、自己の取引ポイントによる再プレイが可能になる。
なお、例えばAホールで使用する再プレイ用の取引ポイントとして、Bホールの取引ポイントを統合することもできる。この場合は、Bホールの運営者との間で決済処理を行い、それにより得られた金額をAホールの運営者の金融機関口座に振り込む等の処理を行うことになる。
【0059】
図8のメニュー画面において、「口座取引(売)申込」が選択された場合は、図15の手順で、口座取引(売)処理を行う。
すなわち、入出力制御部10は、アクセス元に認証用の口座会員情報入力画面表示させ、口座会員情報が入力された場合は、会員登録部11に会員認証を行わせる(B101)。認証後は、口座会員情報に基づいてそのファンの遊技口座を特定し、図11に例示される申込画面をアクセス元に表示させる(B102)。
図11の申込画面において、「口座残高」には、ホールIDによって特定されるホール毎に集計された結果が表示される。図11の例では、Dホールの残高(取引ポイント)が10,000ポイントであることが示されている。口座会員が売取引ポイント、すなわち遊技口座から引き落としたい取引ポイントとして「Dホールから8,000ポイント」を入力すると、「口座残高」には、その後の残高(上記例の場合、10,000ー8,000=2,000)が切替表示される(B103:Yes、B104)。
【0060】
取引ポイントの支払方法としては、「現金受取」、「口座間移動」、「プリペイド」、「振込」が用意されている。
口座会員によって「現金受取」が選択された場合、入出力制御部10は、取引処理部13にその取引ポイントを現金の額に換算させる。取引処理部13は、取引ポイントが示す価値に相当する現金の額を、予め定めた換算テーブルの参照によって演算する。そして、演算した現金の額をアクセス元に表示させる。図11の例では、「30,000円」が表示される。この表示内容を見た口座会員により取引内容が確認され、さらに取引ポイントの支払方法が選択されたときは(B105:Yes、B106)、選択された支払方法によるポイント引き落とし処理を行う(B107)。
【0061】
ポイント引き落とし処理は、以下のようにして行う。例えば、「現金受取」が選択された場合は、現金受取先の入力用画面をアクセス元に表示させ、口座会員に受け取り先を指定させる。現金受取先は、通常は、口座会員が希望する場所に設置された遠隔端末6となる。現金受取先が入力された場合、取引処理部13は、その現金受取先に上記額の現金引き渡しの指示を与える。「口座間移動」が選択された場合は、他の口座会員の入力用画面をアクセス元に表示させ、口座会員に自分の取引ポイントを移動させたい口座会員の口座会員情報を入力させる。そして、取引処理部13に、入力された口座会員情報によって特定される遊技口座へのポイント移動のための処理を行う。「振込」が選択された場合は振込処理、すなわち、振込先の入力用画面をアクセス元に表示させ、口座会員への振込先の入力を促すとともに入力された先への振込の処理を行う。「プリペイド」が選択された場合は、上述した再プレイ用取引申込の処理で行ったプリペイド処理と同様の処理を行う。
その後、引き落とした取引ポイントの発行元との間で決済処理を行う。具体的には、図14のK107〜K111と同様の手順で処理を行う。口座間移動の場合は、必要に応じて、口座会員同士の決済処理の代行を行う。
【0062】
図8のメニュー画面において、「口座取引(買)申込」が選択された場合、入出力制御部10は、アクセス元がホール管理システム3か、ホール外のシステム、例えば遠隔端末6かによって、アクセス元に表示させる下位層画面を変える。アクセス元がホール管理システム3であった場合は、図12のような申込画面を表示させ、遠隔端末6であった場合は、図13のような申込画面を表示させる。これは、ホール管理システム3からの口座取引(買)申込は、口座会員がそのホールで獲得した勝ち玉等を一旦すべて貯玉に積み立て、その貯玉から取引ポイントに変換することを前提としているのに対し、ホール外の遠隔端末6の場合には、そのようなことを行わないためである。
【0063】
アクセス元がホール管理システム3であった場合、入出力制御部10は、図16の手順で、口座取引(買)処理を行う。すなわち、上述した手順によって口座会員を認証するとともに(H101)、その口座会員(ホール会員)についてホール管理システム3で管理している貯玉の情報を受け取る。また、入力された口座会員情報により特定されるその口座会員の遊技口座の残高を読み出し、これらの残高を口座会員情報と共にホール管理システム3(POS端末36のカスタマ表示機361)に表示させる(H102)。ホール管理システム3からのアクセスなので、遊技口座管理システム1側では、そのホールの固有情報については容易に把握できる。そのため、口座会員は、買取引ポイント、すなわち、自分の遊技口座に積み立てたい取引ポイント数だけ入力すればよい。
口座会員からの買取引ポイント入力があると(H103;Yes)、入出力制御部10は、口座管理部12を通じてその口座会員の遊技口座にホールIDと共に買取引ポイントを積み立てるとともに(H104)、当該ホールIDにより特定されるホールの運営者との間で、買取引に伴う決済処理を行う。その後、流通履歴DB147及び会員別取引履歴DB143に取引履歴を記録させる(H105)。
【0064】
アクセス元がホール外、例えば遠隔端末6であった場合、入出力制御部10は、図13のような画面を遠隔端末6の表示機に表示させ、図17の手順で、口座取引申込(買)処理を行う。すなわち、上述した手順によって口座会員を認証するとともに(D101)、入力された口座会員情報により特定されるその口座会員の遊技口座の残高を読み出し、この残高を口座会員情報、取引ポイント相当の入金方法と共に遠隔端末6に表示させる(D102)。
口座会員からのホール名と買取引ポイントの入力があると(D103;Yes)、入出力制御部10は、取引ポイント相当の入金方法の選択を促す(D104)。入出力制御部10は、「振込」が選択された場合は振込入金処理を行い(D105a、D106a)、「現金入金」が選択された場合は現金入金処理を行い(D105b、D106b)、「クレジットカード」が選択された場合はクレジットカード処理を行う(D105c、D106c)。
その後、口座管理部12を通じてその口座会員の遊技口座にそのホールの買取引ポイントを積み立てるとともに(D107)、そのホールの運営者との間で、買取引に伴う決済処理を行う。その後、流通履歴DB147及び会員別取引履歴DB143に取引履歴を記録させる(D108)。
【0065】
なお、上述した運用では、取引(売)では取引ポイントが遊技口座から引き落とされ、それが売買取引に使用されたときにその取引ポイントの発生元のホールとの間で、引き落とした取引ポイント数に相当する額の決済処理を行うものとして説明しているが、遊技口座に積み立てた時点で、その取引ポイントの発生元のホールとの間で決済処理を済ませることも可能である。また、その都度、決済処理を行うのではなく、週又は月単位で決済処理を行うようにしてもよい。
【0066】
以上のような実施形態及び運用形態の効用として、以下のものが挙げられる。
(1)口座会員が獲得した勝ち玉が取引ポイントという財的価値に変換されて口座会員毎に一元管理され、口座会員が、任意の時期及び場所において、それを現金という形で受け取ったり、振込によって自分の金融機関口座に振り込ませたり、所望の商品を提携店舗で受け取ったりすることができるので、必ずしも嗜好に合ったものと交換できるとは限らなかった従来のスタイルとは異なった景品交換が可能になる。また、口座会員が獲得した勝ち玉に対して共通の財的価値基準を適用できるため、ホール間の公平な競争、優良店の明確化が可能になる。
【0067】
(2)遊技口座に積み立られた取引ポイントに基づく売買取引、例えば、口座会員同士の売買取引、口座会員とホールとの間の売買取引、口座会員と提携店舗との間の売買取引を行わせるので、各ホールは取引ポイントの売買に関与しなくなり、法的規制の問題がクリアされる。
【0068】
(3)別経営のホール間の貯玉を通算して景品提供を受けられる可能性がある。この場合は、ホールと遊技口座間の決済が必要であるが、提携店以外での景品提供であれば、遊技口座からさらに提携店に支払うことで済む。また、ネットオークションに出した場合は、景品であれば、以降は、口座会員とネットオークションの主催者または買った人との決済となる。また、ネットオークションに遊技用の玉を出した場合も、遊技口座の付け替えであり、代金の決済は口座会員とネットオークション主催者または買った人との決済となる。いずれも遊技口座の管理とは無関係となり、この点からも法的規制の問題は生じない。
【0069】
(4)取引ポイントを1箇所の遊技口座に集中させることで、口座会員が複数のホールで遊技しても、取引ポイント(又は玉)の売買を1回(1枚のKカード)で行うことができ、個々のホール(複数のカードが必要)で行う必要がなくなる。また、取引ポイントの取引市場が一つなので、その売買が集中して活発化することも期待できる。
【0070】
(5)ホール運営者にとっても、この遊技口座管理システム1は、多大なメリットがある。例えば、チェーン店の場合、あるホールの貯玉を別のホールの貯玉として、間接的に移行させて遊技できる可能性がある。同一営業主体なので、ホール間の決済は原則的には不要である。また、一般景品及び特殊景品を扱う必要がなくなるので、景品の在庫リスクがなくなり、景品管理が簡略化される。さらに、従前のようなチケット発行が不要となり、チケットの偽造問題を解決することができる。
【0071】
(6)Kカードに取引履歴を記録しておき、取引処理時に遊技口座管理システム1で管理している遊技口座の残高と照合するようにする運用も可能である。このようにすれば、Kカードの記録情報が改竄されているかどうかを容易に検出することができる。これにより、Kカードに対する改竄の動機付けをなくすことができ、健全な景品管理が可能になる。
【0072】
なお、この実施形態では、取引ポイントに対応する遊技媒体がパチンコ用の玉であることを前提として説明したが、パチスロ等で使用されるメダルその他の遊技媒体の場合にも同様の説明が成り立つものである。
また、遊技は、必ずしも実在するホールでのパチンコ遊技やパチスロ遊技に限定されず、ネットワーク上で仮想遊技を実現するネットパーラにおける遊技であってもよい。
さらに、遊技口座管理システム1をホール管理システム3と共に1つのホールに設置し、そのホールだけで本発明を実施することも可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ファンの立場からは遊技により得た財的価値を魅力的な手法で受け取ることができ、ホール経営者の立場からは景品の扱いが簡略化され、遊技業界全体からすれば、いわゆるアウトの部分が健全化され、業界の発展に寄与することができる、新規な情報処理の仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技口座管理システムの適用場面を示した全体図。
【図2】ホール管理システムの構成例を示す図。
【図3】遊技口座管理システムに構築される機能の一例を示す図。
【図4】口座会員DB、遊技口座DB及び会員別取引履歴DBの関係を示した図。
【図5】会員ホールDBの内容例を示した図。
【図6】提携店舗DBの内容例を示した図。
【図7】遊技口座管理システムの運用形態の概要を示した説明図。
【図8】遊技口座管理システムによるメニュー画面例を示した図。
【図9】ポイントによる景品交換用の画面例を示した図。
【図10】再プレイ用取引申込用の画面例を示した図。
【図11】口座取引(売)申込用の画面例を示した図。
【図12】口座取引(買)申込用(ホール貯玉)の画面例を示した図。
【図13】口座取引(買)申込用(ホール外)の画面例を示した図。
【図14】景品交換処理の手順説明図。
【図15】口座取引(売)処理の手順説明図。
【図16】口座取引(買)処理(ホール貯玉の場合)の手順説明図。
【図17】口座取引(買)処理(ホール外の場合)の手順説明図。
【符号の説明】
1 遊技口座管理システム
10 入出力制御部
11 会員登録部
12 口座管理部
13 取引処理部
141 口座会員DB
142 遊技口座DB
143 会員別取引履歴DB
144 会員ホールDB
145 提携店舗DB
146 流通機関DB
147 流通履歴DB
2 金融機関口座管理システム
3 ホール管理システム
31 ホール内サーバ
32 景品管理端末
33 会員管理端末
34 貯玉管理端末
35 通信端末
36 POS端末
361 カスタマ表示機
362 POS用KカードR/W
363 チケットR/W
37 計数機
371 チケット発券機
372 計数機用KカードR/W
38 再プレイ用玉返却機
381 返却機用KカードR/W
39 登録機
391 登録機用表示機
392 登録機用KカードR/W
4 金融機関店頭システム
5 店舗管理システム
6 遠隔端末
7 ファン端末
N インターネット
L1 ホール内ネットワーク
Claims (11)
- 遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続される遊技口座管理システムであって、
ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置と、
ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録するとともに、通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録する登録手段と、
登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定するとともに、登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てる口座管理手段と、
登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする取引処理手段と、
を備えたことを特徴とする、遊技口座管理システム。 - 前記広域のコンピュータネットワークには、更に、前記財的価値と等価の現金の引き渡し又は指定先への振込を可能にする機構を備えた第2外部システム、商品又は役務の提供を行う店舗において前記財的価値と等価の商品又は役務の提供に関する情報処理を行う第3外部システム及び、ファンが操作するファン端末が接続可能であり、
前記登録手段は、このコンピュータネットワークを通じて通信可能ないずれかの第2乃至第3外部システム又はファン端末を、それぞれ通信先の一つとしてその固有情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するように構成されており、
前記口座管理手段は、前記第1外部システムから受け取った財的価値のほか、登録された前記第2乃至第3外部システムのいずれか又は前記ファン端末を通じて受け取った財的価値をも前記遊技口座に積立可能に構成されており、
前記取引処理手段は、登録された前記第2乃至第3外部システムのうち前記指示情報により特定されたものに対して前記引き落とした財的価値又はその財的価値と等価の価値情報を送信することにより、当該財的価値と等価の現金、財物又は権利の売買取引を可能にするように構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の遊技口座管理システム。 - 前記広域のコンピュータネットワークには、更に、前記財的価値又は商品を対象としたネットオークションの場を提供する第4外部システムが接続可能であり、
前記登録手段は、このコンピュータネットワークを通じて通信可能な前記第4外部システムを、通信先の一つとしてその固有情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録するように構成されており、
前記取引処理手段は、前記指示情報により特定された前記登録された第4外部システムに対して、前記引き落とした財的価値又はその財的価値と等価の景品受け取りの権利に関する情報を送信することにより、当該財的価値それ自体又は景品受け取りの権利の売買取引を可能にするように構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の遊技口座管理システム。 - 前記取引処理手段は、あるファン用の遊技口座から引き落とした財的価値を、前記口座管理手段を通じて、当該ファンによって指定された他のファン用の遊技口座に移動させることにより当該財的価値それ自体の売買取引を可能にするように構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の遊技口座管理システム。 - 前記取引処理手段は、前記引き落とした財的価値を、当該財的価値を発行した第1外部システムに返却して当該財的価値と等価の現金又は遊技媒体に変換させることにより、
当該財的価値それ自体の売買取引を可能にするように構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の遊技口座管理システム。 - 前記取引処理手段は、前記引き落とした財的価値を、当該財的価値を発行した第1外部システムとは異なる他の登録された第1外部システムに送出して当該財的価値と等価の現金又は遊技媒体に変換させるとともに、当該財的価値を発行した第1外部システムの運営者と前記他の登録された第1外部システムの運営者との間の前記財的価値の送出に伴う支出調整を行うことにより、当該財的価値それ自体の売買取引を可能にするように構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の遊技口座管理システム。 - 前記取引処理手段は、前記引き落とした財的価値を、前記指示情報により特定される第2外部システムに送出して当該財的価値と等価の現金の引き渡し又は指定先への振込を行わせることにより、当該財的価値と等価の価値情報に基づく売買取引を可能にするように構成されていることを特徴とする、
請求項2記載の遊技口座管理システム。 - 前記取引処理手段は、前記引き落とした財的価値を、前記指示情報により特定される第3外部システムに送出して当該財的価値と等価の商品又は役務の提供を行わせることにより、当該財的価値と等価の財物の売買取引を可能にするように構成されていることを特徴とする、
請求項2記載の遊技口座管理システム。 - 登録後の前記通信先登録領域には、当該通信先の運営者ないし所有者が契約している金融機関口座が前記固有情報の一つとして記録されており、
前記取引処理手段は、前記売買取引に伴って決済処理が発生するときにその決済処理を前記通信先登録領域に記録されている金融機関口座を通じて行うように構成されていることを特徴とする、
請求項1ないし8のいずれかの項記載の遊技口座管理システム。 - 遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続され、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置を有する遊技口座管理システムが実行する方法であって、
ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録する段階と、
通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録する段階と、
登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定する段階と、
登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てる段階と、
登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする段階とを有することを特徴とする、
遊技口座管理方法。 - 遊技場において運営され遊技によりファンが得た財的価値を発行する1又は複数の第1外部システムが接続可能な広域のコンピュータネットワークに接続され、ファン登録領域、当該ファン登録領域とリンクされた口座登録領域、並びに、通信先登録領域が形成される記録装置を有するコンピュータに、
ファンを、その個人情報を前記ファン登録領域に記録することにより登録する処理と、
通信先となり得る前記1又は複数の第1外部システムを、それぞれ当該第1外部システムの固有情報及びその通信設定情報を前記通信先登録領域に記録することにより登録する処理と、
登録されたファンのファン登録領域とリンクする前記口座登録領域に当該ファン用の遊技口座を設定する処理と、
登録されたいずれかの前記第1外部システムから前記コンピュータネットワークを通じてファンの個人情報を伴う財的価値を受信したときに、その個人情報によって特定される当該ファン用の遊技口座に、受信した財的価値を積み立てる処理と、
登録されたファンからの所定の指示情報の入力を契機に当該ファン用の遊技口座に積み立てられている財的価値を引き落とすとともに、引き落とした財的価値に基づく売買取引を可能にする処理とを実行させるための、コンピュータプログラム。
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- 2003-04-16 JP JP2003112194A patent/JP2004318535A/ja active Pending
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