JP2004317967A - ズームレンズおよび電子撮像装置 - Google Patents

ズームレンズおよび電子撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ズーム比が3倍程度で、広角端では開放F値がF2程度、画角が70°を超え、高解像度のズームレンズを提供する。
【解決手段】物体側から順に、正パワーの第1レンズ群G1と、正パワーの第2レンズ群G2と、負パワーの第3レンズ群G3と、正パワーの第4レンズ群G4と、正パワーの第5レンズ群G5と、第4レンズ群G4の物体側に固定された可変絞りA1と、第3レンズ群G3と可変絞りとの間に配置される開口径と位置とが固定の固定絞りA2とを備える。広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は像側に凸の軌跡を描き、第3レンズ群G3は像側に単調に移動し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5とは物体側に単調に移動する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子スチルカメラに好適な高解像度のズームレンズ、およびそのズームレンズを用いた電子スチルカメラやビデオカメラなどの電子撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータの進歩、普及と相まって、画像入力装置として電子スチルカメラが急速に普及している。
【0003】
最近の電子スチルカメラは、約200万画素あるいは約300万画素の固体撮像素子と、ズーム比が2倍〜3倍で、広角端において開放F値がF2.8程度、画角が約63°のズームレンズとを搭載したものが主流となっている。この種のズームレンズは、物体側から順に、負パワーの第1レンズ群、正パワーの第2レンズ群、正パワーの第3レンズ群で構成され、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群が像側に凸の軌跡を描き、第2レンズ群が物体側に移動し、第3レンズ群も移動し、フォーカス調整は第3レンズ群の移動により行う。また、非使用時の光学全長(最も物体側のレンズの物体側頂点から撮像面までの距離)を短縮するために、全レンズ群を固体撮像素子側に寄せる沈銅構成が採用されている。
【0004】
また、物体側から順に正、負、正、正のパワーを有する4つのレンズ群で構成し、ズーム比が3倍程度で、広角端において開放F値がF2程度、画角が約63°のズームレンズが特許文献1で提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−42215号公報
【0006】
電子スチルカメラ用の固体撮像素子は、画素数増大のために画素ピッチの微細化、受光感度の向上などの技術開発が進められ、記録画面対角長が約11mmで500万画素のものが既に商品化されている。電子スチルカメラ用のズームレンズには、現在、高解像度化、高変倍比化、大口径化、広角化が要望されている。これらの要望をすべて満足するズームレンズを実現するのは容易ではないが、以下に説明するように、要望のいくつかを満足するズームレンズが多数提案されている。
【0007】
変倍比が2.4倍〜3倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が70°を超えるズームレンズが特許文献2、特許文献3および特許文献4で提案されている。
【0008】
【特許文献2】
特開平9−203861号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2001−174704号公報
【0010】
【特許文献4】
特開2001−343588号公報
【0011】
特許文献2のズームレンズは、物体側から順に負、正、負、正、正のパワーを有する5つのレンズ群で構成され、広角端から望遠端への変倍に際して、第3レンズ群と第5レンズ群とは位置固定であり、第1レンズ群が像側に単調に移動し、第2レンズ群と第4レンズ群とが像側に単調に移動する。
【0012】
特許文献3に示されているズームレンズは、物体側から順に負、正、負、正、正のパワーを有する5つのレンズ群で構成され、広角端から望遠端への変倍に際して、第3レンズ群は位置固定であり、第1レンズ群が像側に単調に移動し、第2レンズ群、第4レンズ群および第5レンズ群が物体側に単調に移動する。
【0013】
特許文献4に開示されているズームレンズは、物体側から順に負、負、正、正のパワーを有する4つのレンズ群で構成され、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は位置固定であり、第2レンズ群が像側に凸の軌跡を描き、第3レンズ群が物体側に単調に移動し、第4レンズ群は位置固定または像側に単調に移動する。
【0014】
変倍比が6.85倍〜11.5倍で、広角端において開放F値がF2〜F2.8、画角が70°を超えるズームレンズが特許文献5、特許文献6で提案されている。
【0015】
【特許文献5】
特開2001−350093号公報
【0016】
【特許文献6】
特開2002−62478号公報
【0017】
特許文献5に示されているズームレンズは、物体側から順に正、負、正、負、正のパワーを有する5つのレンズ群で構成され、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は物体側に移動し、第2レンズ群は最初像側に移動し、途中から物体側に移動し、第3レンズ群と第4レンズ群は物体側に移動する。
【0018】
特許文献6には、25の実施例が示されているが、実施例19では物体側から順に正、負、正、正のパワーを有する4つのレンズ群で構成されたものが、実施例20では物体側から順に正、負、正、負、正のパワーを有する5つのレンズ群で構成されたものが、実施例21では物体側から順に正、負、負、正、負、正のパワーを有する6つのレンズ群で構成されたものが示されている。25の実施例のすべてにおいて、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は最初像側に移動し、途中から物体側に移動し、第2レンズ群は像側に移動する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
35mmフィルムを用いる一眼レフカメラ用のズームレンズでは、焦点距離が28mm〜70mm(画角は約75°〜約29°)、開放F値が全変倍範囲でF2.8という「大口径標準ズームレンズ」が商品化されている。電子スチルカメラでも「大口径標準ズームレンズ」を装着した一眼レフカメラに近い撮影画像が得られ、しかもコンパクトなモデルの実現が要望されている。
【0020】
本発明では、「大口径標準ズームレンズ」に迫る600万画素の固体撮像素子に対応する解像度を有し、ズーム比が約3倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が70°を超え、35mmフィルムを用いた一眼レフカメラ用ズームレンズよりはコンパクト且つ軽量なズームレンズを実現することを狙っている。固体撮像素子としては、例えば、記録画面の対角長が約11mmで、記録画素数が水平2880×垂直2160(約600万画素)、画素ピッチが水平3.0μm×垂直3.0μmのものを用いることを想定している。
【0021】
このように画素ピッチが小さい場合、ズームレンズのF値が暗くなると回折の影響により撮影画像の解像度が低下する。絞り範囲は広くしたいので、ズームレンズの開放F値は全変倍範囲で明るくしたい。そこで、本発明では開放F値は広角端でF2、望遠端でF2.5を狙う。
【0022】
特許文献1の実施例1に示されたズームレンズは、開放F値が広角端でF2.06、望遠端でF2.7と明るく、光学全長も短い。しかし、広角端における画角が65.1°と狭い。
【0023】
特許文献5と特許文献6に示されたものは、変倍比が3倍よりかなり大きいが、光学全長比(固体撮像素子の記録画面の対角長に対する光学全長の比)がかなり大きい。変倍比は3倍程度でよく、その代わり光学全長を短くしたい。
【0024】
特許文献1〜特許文献3、特許文献5および特許文献6に示されたズームレンズは、変倍時に大きく重い第1レンズ群を安定に移動させるため、鏡筒は複雑で堅牢な構成とする必要があり、鏡筒の最大径が大きくなってしまうという問題がある。
【0025】
特許文献4に示されたズームレンズは、変倍比と広角端の画角は本発明の狙いと合致し、また、変倍時に第1レンズ群が位置固定であるため、鏡筒の構成が簡単になり、鏡筒の最大径が小さくなり、光学全長も短い。しかし、開放F値が不足し、また、有効像円直径が小さいことを考慮すると、非点隔差がかなり大きく、撮像面全体でバランス良く高解像度の像を得ることができないという問題がある。
【0026】
本発明は、総画素数が約600万画素の固体撮像素子に対応できる高解像度で、ズーム比が約3倍、広角端において開放F値がF2程度と明るく、画角が70°を超え、コンパクトなズームレンズを提供すること、及びそのズームレンズを用いた電子スチルカメラやビデオカメラなどの電子撮像装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のズームレンズおよび電子撮像装置は以下のように構成している。
【0028】
本発明の第1のズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、少なくとも1つの正パワーのレンズ群を備え全体として正パワーの後部レンズ群とを備え、変倍時に、前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群とは光軸に沿って可動であることを特徴とする。
【0029】
本発明の第2のズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、開口径固定の固定絞りと、少なくとも1つの正パワーのレンズ群を備える後部レンズ群とを備え、変倍時に、前記第1レンズ群と前記固定絞りとは位置固定であり、前記第3レンズ群は光軸に沿って移動することを特徴とする。
【0030】
本発明の第3のズームレンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズとを備える第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、正パワーの第4レンズ群と、正パワーの第5レンズ群とを備え、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群は像側に凸の軌跡を描き、前記第3レンズ群は像側に単調に移動するか、途中までは像側に単調に移動し、その後は物体側に単調に移動し、前記第4レンズ群は物体側に単調に移動することを特徴とする。
【0031】
更に、本発明の第4のズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、1枚の正レンズで構成される第2レンズ群と、複数のレンズ群で構成される後部レンズ群とを備え、前記第2レンズ群を構成する前記正レンズは周辺部が一部切除され、変倍時に前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群は回転することなく光軸に沿って移動することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の電子撮像装置は、ズームレンズと、固体撮像素子とを備え、前記ズームレンズとして上記の本発明の第1〜第4のいずれかに記載のズームレンズを用いる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の上記の第1〜第4のズームレンズによれば、ズーム比が2.5倍〜3.2倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が70°を超え、高解像度のズームレンズを提供することができる。
【0034】
また、本発明の上記の電子撮像装置によれば、本発明のズームレンズを用いることにより、広角で明るく、高解像度の電子撮像装置を提供することができる。
【0035】
本発明の第1のズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、少なくとも1つの正パワーのレンズ群を備え全体として正パワーの後部レンズ群とを備える。そして、変倍時に、前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群とは光軸に沿って可動である。
【0036】
また、本発明の第2のズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、開口径固定の固定絞りと、少なくとも1つの正パワーのレンズ群を備える後部レンズ群とを備える。そして、変倍時に、前記第1レンズ群と前記固定絞りとは位置固定であり、前記第3レンズ群は光軸に沿って移動する。
【0037】
本発明の上記の第1及び第2のズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は負レンズと正レンズとで構成されることが好ましい。
【0038】
また、本発明の上記の第1及び第2のズームレンズにおいて、前記後部レンズ群のうちの最も物体側のレンズ群は、その物体側に開口径可変の可変絞りが一体化されていても良い。
【0039】
また、本発明の上記の第1及び第2のズームレンズにおいて、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との合成レンズ群は全変倍範囲で正パワーを有することが好ましい。
【0040】
また、本発明の上記の第1及び第2のズームレンズにおいて、前記第2レンズ群は1枚の正レンズで構成されることが好ましい。
【0041】
また、本発明の上記の第1及び第2のズームレンズにおいて、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をf、望遠端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとし、焦点距離がf 3/4 1/4となる変倍位置を広角中間位置と呼ぶとき、広角端から広角中間位置への変倍に際して、前記第2レンズ群は像側に単調に移動することが好ましい。
【0042】
本発明の第3のズームレンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズとを備える第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、正パワーの第4レンズ群と、正パワーの第5レンズ群とを備える。そして、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群は像側に凸の軌跡を描き、前記第3レンズ群は像側に単調に移動するか、途中までは像側に単調に移動し、その後は物体側に単調に移動し、前記第4レンズ群は物体側に単調に移動する。
【0043】
本発明の上記の第3のズームレンズは、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間に、開口径が固定で変倍時に位置固定の固定絞りを備えていても良い。
【0044】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、前記第4レンズ群は、その物体側に開口径可変の可変絞りが一体化されていても良い。
【0045】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、フォーカス調整は前記第5レンズ群の光軸上移動により行われることが好ましい。
【0046】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、前記第1レンズ群の焦点距離をfG1、前記第2レンズ群の焦点距離をfG2、広角端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との合成焦点距離をfFW、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0047】
−0.02<fG2/fG1<0.15 ‥‥‥(1)
0.05<f/fFW<0.2 ‥‥‥(2)
【0048】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、広角端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAW、焦点距離が広角端の焦点距離と望遠端の焦点距離との幾何平均となる変倍位置における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAN、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0049】
0.1<(dAN−dAW)/f<0.5 ‥‥‥(3)
【0050】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、広角端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAW、望遠端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAT、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0051】
|dAW−dAT|/f<0.2 ‥‥‥(4)
【0052】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、前記第3レンズ群の焦点距離をfG3、前記第4レンズ群の焦点距離をfG4、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0053】
0.4<f/|fG3|<0.7 ‥‥‥(5)
0.25<f/fG4<0.5 ‥‥‥(6)
【0054】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、前記第3レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズとを備えることが好ましい。
【0055】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、前記第4レンズ群は、最も物体側に両凸レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとからなる接合レンズを備え、最も像側に物体側に凸面を向けた正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとからなる接合レンズを備えることが好ましい。
【0056】
あるいは、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、前記第4レンズ群は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとからなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凸レンズと両凹レンズとからなる接合レンズとを備えることが好ましい。
【0057】
また、本発明の上記の第3のズームレンズにおいて、前記第5レンズ群の焦点距離をfG5、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0058】
0.3<f/fG5<0.5 ‥‥‥(7)
【0059】
本発明の第4のズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、1枚の正レンズで構成される第2レンズ群と、複数のレンズ群で構成される後部レンズ群とを備える。そして、前記第2レンズ群を構成する前記正レンズは周辺部が一部切除され、変倍時に前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群は回転することなく光軸に沿って移動する。
【0060】
本発明の上記の第4のズームレンズにおいて、第1レンズ群は負レンズと正レンズとを備えることが好ましい。
【0061】
以下、本発明の実施の形態について、図面および表を用いて具体的に説明する。
【0062】
本発明において、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をf、望遠端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとし、焦点距離が
=(f1/2
となるズーム位置を中間位置、また、焦点距離が
WN=(f1/2
となるズーム位置を広角中間位置と呼ぶことにする。
【0063】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1におけるズームレンズの構成を示したものである。図1(a)は広角端におけるレンズ配置を示している。図1(b)は、変倍時の各レンズ群の移動軌跡を示している。縦軸の上端が広角端、下端が望遠端であり、縦軸のスケールはレンズ系全体の焦点距離に比例した量としている。
【0064】
図1に示された本実施の形態のズームレンズは13枚のレンズで構成され、物体側から順に、正パワーを有する第1レンズ群G1、正パワーを有する第2レンズ群G2、負パワーを有する第3レンズ群G3、正パワーを有する第4レンズ群G4、および正パワーを有する第5レンズ群G5で構成されている。第4レンズ群G4の物体側には開口径が可変の可変絞りA1が一体化されている。第3レンズ群G3と可変絞りA1の間には、開口径と位置がともに固定の固定絞りA2が配置されている。固定絞りA2より像側の第4レンズ群G4および第5レンズ群G5は、後部レンズ群を構成する。
【0065】
図1(b)に示すように、撮影距離が無限遠(∞)の場合の広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と固定絞りA2とは位置固定であり、第2レンズ群G2は像側に凸の軌跡を描き、第3レンズ群G3は像側に単調に移動し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5とは物体側に単調に移動する。ここで注目すべきは、広角端では、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3が相互に最接近し、ズーム位置が広角端から広角中間位置に向かって変化する際に第2レンズ群G2が第1レンズ群G1から離れ、第3レンズ群G3が第2レンズ群G2から離れる点である。
【0066】
フォーカス調整は、第5レンズ群G5だけを光軸方向に移動させることにより行う。撮影距離が短くなるにつれて、第5レンズ群G5が物体側に移動する。
【0067】
第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4の相互の位置関係は撮影距離とは無関係であるので、所定のカム溝を設けた円筒カムを設け、変倍時の円筒カムの回転により3つのレンズ群G2,G3,G4を移動させるとよい。また、第5レンズ群G5の位置は変倍位置と撮影距離とに依存するので、第5レンズ群G5は円筒カムとは独立して移動可能にするとよい。
【0068】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズL1、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの第2レンズL2で構成され、第1レンズL1と第2レンズL2とは接合されている。
【0069】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3で構成されている。
【0070】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズL4、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第5レンズL5、両凹レンズL6、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの第7レンズL7で構成されている。
【0071】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズの第8レンズL8、物体側に凹面を向けた平凹レンズの第9レンズL9、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第10レンズL10、両凸レンズの第11レンズL11、および両凹レンズの第12レンズL12で構成され、第8レンズL8と第9レンズL9とは接合され、第11レンズL11と第12レンズL12とは接合されている。第10レンズL10は両面が非球面となっている。
【0072】
第5レンズ群G5は、両凸レンズの第13レンズL13で構成されている。第13レンズL13は両面が非球面となっている。
【0073】
ズームレンズの像側には、赤外カットフィルタと3枚の水晶板で構成される光学ローパスフィルタが配置され、その像側には固体撮像素子が配置される。固体撮像素子には保護のためのカバーガラスが取り付けられている。図1(a)では、光学ローパスフィルタおよびカバーガラスを1つの等価な平行平板素子Pで表している。ズームレンズにより被写体の像が固体撮像素子の撮像面S上に形成される。
【0074】
本発明のズームレンズの基本構成に関する基本的な考え方について説明する。
【0075】
約600万画素の固体撮像素子に対応できる高解像度で、広角端の開放F値がF2程度で、ズーム比が約3倍のズームレンズを実現しようとすると、まず、物体側から順に正、負、正、正の4群ズームレンズが候補となる。このような4群ズームレンズとして、変倍時に最も物体側にある第1レンズ群が固定の方式と、変倍時に第1レンズ群が移動する方式がある。
【0076】
第1レンズ群が移動する方式は、変倍時に光学全長が不変という制約がないため、全変倍範囲において諸収差を良好に補正しやすく、結像特性に有利である。しかし、第1レンズ群が移動する方式は、大きく重い第1レンズ群を安定に保持する機構が必要であるため、鏡筒の外径が大きくなるという問題がある。一方、変倍時に第1レンズ群が固定の方式では、第1レンズ群を鏡筒に固定するだけでよいために鏡筒の構成が簡単になる。しかし、変倍時に光学全長が不変という制約があるため、全変倍範囲において諸収差を良好に補正しにくく、結像特性に不利である。つまり、上述の2種類のズームレンズは一長一短である。
【0077】
この問題を解決するために、図1に示した本発明のズームレンズは、物体側から順に正、正、負、正、正の5つのレンズ群で構成し、変倍時に第1レンズ群G1を固定したまま、第2レンズ群G2から第5レンズ群G5の4つのレンズ群を移動させるようにしている。また、第1レンズ群G1は負レンズと正レンズの2枚で構成し、第2レンズ群G2は1枚の正レンズで構成し、第1レンズ群G1のパワーの絶対値は第2レンズ群G2のパワーよりも十分に小さくし、全変倍範囲における第2レンズ群G2の移動量を小さくしている。これにより、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2で構成される合成レンズ群のパワーを正とし、その正パワーがほとんど第2レンズ群G2のパワーで決まるようにするとともに、全変倍範囲で、第3レンズ群G3で発生する軸上色収差と倍率色収差を第1レンズ群G1で補正するようにしている。
【0078】
こうすると、第1レンズ群G1が変倍時に位置固定であるため、第1レンズ群G1の安定保持が容易となり、良好な結像性能を発揮できる。また、大きく重い第1レンズ群G1を安定に移動させる機構が不要であるため、鏡筒の最大径を小さくすることができる。また、変倍時に第2レンズ群G2から第5レンズ群G5の4つのレンズ群が光軸上を移動し、変倍時に第2レンズ群の位置の制約が少ないため、全変倍範囲で良好な収差補正を行える。
【0079】
レンズ系全体の光学全長を短くするための条件の1つは、各レンズ群の全長を短くすることである。そこで、図1に示した構成では、第1レンズ群G1を色収差補正が可能となる最小の2枚で構成し、第2レンズ群G2も正パワーを実現できる最小の1枚で構成している。
【0080】
上述の2種類の4群ズームレンズでは、一般に、絞りが第2レンズ群と第3レンズ群とのほぼ中間位置と第3レンズ群との間に配置されるため、広角端における入射瞳は前玉面(第1レンズ群の最も物体側の面)から像側にかなり離れた位置に形成される。広角端の画角を大きくすると、最大像高における主光線の前玉面上の入射点は光軸から離れていく。そのため、前玉有効径(前玉面の有効径)を大きくする必要がある。これに伴って、第1レンズ群に含まれる正レンズは、コバ厚を必要量だけ確保するために、中心厚を厚くする必要がある。正レンズの中心厚を厚くすると、前玉面から入射瞳までの距離が長くなるために、前玉有効径をさらに大きくする必要がある。このため、一般に、広角端の画角が大きくなるにつれて前玉有効径が大きくなるという問題がある。
【0081】
この問題に対して、図1に示した本発明の5群ズームレンズでは、前述の4群ズームレンズに比べて前玉有効径を小さくすることができるので、この点について説明する。
【0082】
図1に示した本発明の構成、つまり、広角端から広角中間位置への変倍に際して、第1レンズ群G1は位置固定で、第2レンズ群G2は像側に単調に移動する構成と、広角端での第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の位置を図1に示した構成と同じとし、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間の空気間隔を全変倍範囲で一定とした構成について比較してみる。
【0083】
いずれの構成でも、3枚のレンズL1,L2,L3の各物体側面において最大像高の下光線の入射点が最も光軸から離れるのは、いずれも広角中間位置の付近である。2つの構成を比較すると、図1に示した構成の方が第2レンズL2の物体側面における入射点が光軸に近い。従って、図1に示した構成では、第3レンズL3の物体側面の有効径が小さくなる。この有効径が小さくなれば、第3レンズL3の中心厚を薄くすることができ、さらに、第2レンズL2の物体側面の有効径を小さくすることができ、第1レンズL1の物体側面の有効径も小さくすることができる。こうして、第1レンズL1の外径が小さくなるため、鏡筒の外径を小さくすることができる。
【0084】
一般に、ズームレンズは広角端で負の歪曲収差を発生しやすく、この傾向は広角端の画角が大きくなるほど顕著となる。
【0085】
そこで、本発明では第3レンズ群G3を図1に示したように、物体側から順に、負、負、負、正の4枚構成とし、物体側の2枚の負レンズはともに負メニスカスレンズとし、広角端の最大像高における主光線が2枚の負メニスカスレンズの両面で少しずつ折り曲げられるようにして、第3レンズ群G3で発生する負の歪曲収差の発生を抑制している。また、正パワーの第2レンズ群G2で正の歪曲収差を発生させて、最大像高付近において歪曲収差の像高に対する変化率が小さくなるようにして、最大像高における負の歪曲収差の低減を図っている。さらに、第4レンズ群G4の像側に位置する第12レンズL12で正の歪曲収差を発生させ、負の歪曲収差を発生しやすい第13レンズL13の両面を非球面とすることにより最大像高の主光線が過大に曲げられないようにして、レンズ系全体の広角端の最大像高における負の歪曲収差の低減を図っている。
【0086】
ズームレンズの光学全長を短くするには、第4レンズ群G4の物像間距離を短くするとよく、このためには、第4レンズ群G4の焦点距離を短くするとよい。この場合、第4レンズ群で発生する諸収差が大きくなりやすい。また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とが最接近する望遠端において第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間に可変絞りと固定絞りとを配置できる空間を確保する必要がある。
【0087】
そこで、図1に示した本発明のズームレンズでは、第4レンズ群G4を物体側から順に正、負、負、正、負の5枚構成とし、最も物体側に強い正パワーの正レンズを配置し、最も像側に強い負パワーの負レンズを配置し、中央の第10レンズL10は物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとしている。こうすると、第4レンズ群G4の物体側主点は物体側に偏るため、望遠端において第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間に可変絞りと固定絞りとを配置できる空間を確保した上で、第3レンズ群G3の像側主点から第4レンズ群G4の物体側主点までの距離を短くすることができ、第4レンズ群G4の焦点距離を短くすることができるため、光学全長が短くなる。また、正レンズには、屈折率の高い硝材を用い、それにより諸収差の発生を抑制している。さらに、第10レンズL10の両面を非球面とし、特に非点収差を良好に補正している。
【0088】
図1に示したズームレンズは、第4レンズ群G4を構成する第8レンズL8から第12レンズL12までの5枚のレンズはいずれも偏心敏感度が高い。そこで、第8レンズL8と第9レンズL9とを接合し、第11レンズL11と第12レンズL12とを接合している。また、第9レンズL9は像側面を平面として、必要であれば組み立て時に第8レンズL8と第9レンズL9による接合レンズL8/L9を後述する方法で調心しやすいようにしている。
【0089】
固定絞りA2は、最大像高の下光線の進み方を決定する。この固定絞りA2は、広角端から広角中間位置付近までの範囲において、像面照度の画面周辺部での急激な低下を抑制することができる。
【0090】
第5レンズ群G5は1枚のレンズで構成され、フォーカス調整で移動する他の機構部品も含めた移動部分が軽いので、パワーの小さい小型のモータでも高速で移動させることが可能となり、オートフォーカスを高速で行うことが可能になる。なお、フォーカス調整のために、第5レンズ群G5が移動する際に倍率色収差が変化するが、実用上問題ない程度に抑制している。
【0091】
また、第5レンズ群G5は、テレセントリック性を良好にする作用を有するので、固体撮像素子にマイクロレンズが搭載される場合には都合がよい。
【0092】
実施の形態1において望ましいズームレンズを実現するには、次の条件を満足するように構成するとよい。
【0093】
第1レンズ群の焦点距離をfG1、第2レンズ群の焦点距離をfG2、広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との合成焦点距離をfFW、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足するように構成するとよい。
【0094】
−0.02<fG2/fG1<0.15 ‥‥‥(1)
0.05<f/fFW<0.2 ‥‥‥(2)
【0095】
さらに望ましくは、条件式(1)および条件式(2)の上限と下限を次のようにするとよい。
【0096】
−0.01<fG2/fG1<0.1 ‥‥‥(1a)
0.08<f/fFW<0.16 ‥‥‥(2a)
【0097】
広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との間の空気間隔をdAW、焦点距離が広角端の焦点距離と望遠端の焦点距離との幾何平均となる変倍位置における第1レンズ群と第2レンズ群との間の空気間隔をdAN、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足するように構成するとよい。
【0098】
0.1<(dAN−dAW)/f<0.5 ‥‥‥(3)
【0099】
さらに望ましくは、条件式(3)の上限と下限を次のようにするとよい。
【0100】
0.15<(dAN−dAW)/f<0.4 ‥‥‥(3a)
【0101】
広角端における第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔をdAW、望遠端における第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔をdAT、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足するのがよい。
【0102】
|dAW−dAT|/f<0.2 ‥‥‥(4)
【0103】
さらに望ましくは、条件式(4)の上限を次のようにするとよい。
【0104】
|dAW−dAT|/f<0.1 ‥‥‥(4a)
【0105】
第3レンズ群G3の焦点距離をfG3、第4レンズ群G4の焦点距離をfG4、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足するのがよい。
【0106】
0.4<f/|fG3|<0.7 ‥‥‥(5)
0.25<f/fG4<0.5 ‥‥‥(6)
【0107】
さらに望ましくは、条件式(5)および条件式(6)の上限と下限を次のようにするとよい。
【0108】
0.45<f/|fG3|<0.65 ‥‥‥(5a)
0.3<f/fG4<0.45 ‥‥‥(6a)
【0109】
第5レンズ群G5の焦点距離をfG5、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足するのがよい。
【0110】
0.3<f/fG5<0.5 ‥‥‥(7)
【0111】
さらに望ましくは、条件式(7)の上限と下限を次のようにするとよい。
【0112】
0.35<f/fG5<0.45 ‥‥‥(7a)
【0113】
上述の条件式について、説明する。
【0114】
条件式(1)は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の望ましいパワー比を規定するものである。条件式(1)の上限を超えると、第1レンズ群G1の正のパワーが強すぎるために、第1レンズ群G1で発生する軸外諸収差が過大となり、この諸収差を後続のレンズ群で補正することが困難となる。一方、条件式(1)の下限を超えると、第1レンズ群G1で発生する軸外諸収差は小さいものの、第2レンズ群G2のパワーが過大となるために、第2レンズ群G2を構成する正レンズの中心厚を厚くせざるを得なくなる。これは、広角中間位置の付近で第1レンズ群G1の各レンズ面の有効径を大きくすることになり、前玉有効径が極端に大きくなってしまう。
【0115】
条件式(2)は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とで構成される合成レンズ群のパワーに関するものである。条件式(2)の上限を超えると、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とで構成される合成レンズ群の焦点距離が短くなりすぎるため、第3レンズ群G3の焦点距離を短くせざるを得なくなり、第3レンズ群G3で発生する軸外収差が過大となる。その結果、後続の第4レンズ群G4と第5レンズ群G5で軸外収差を良好に補正することが困難となる。一方、条件式(2)の下限を超えると、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とで構成される合成レンズ群の焦点距離が長くなりすぎるために、光学全長が長くなってしまう。
【0116】
条件式(3)は、変倍時の第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間の可変空気間隔の範囲に関するものである。条件式(3)の上限を超えると、第2レンズ群G2の移動量が大きすぎるため、変倍比を約3倍とし、さらに変倍時に像面が移動しないようにすると、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4のそれぞれの移動範囲の制約が大きくなり、全変倍範囲で諸収差をバランス良く補正することが困難となる。一方、条件式(3)の下限を超えると、第2レンズ群G2の移動量が小さすぎるため、全変倍範囲において諸収差を良好に補正することが困難となる。
【0117】
条件式(4)は、広角端と望遠端における第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間の可変空気間隔に関する望ましい条件を規定するものである。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間の空気間隔は、製造上の誤差も考慮して、広角端または望遠端で最小となるようにするとよい。条件式(4)の上限を超えて、広角端における空気間隔が望遠端における空気間隔より長くなると、前玉有効径が大きくなってしまう。また、条件式(4)の上限を超えて、望遠端における空気間隔が広角端における空気間隔より長くなると、第3レンズ群G3から第5レンズ群G5の各倍率での位置変化範囲が制約されるために、望遠端付近で諸収差を良好に補正することが困難となる。
【0118】
条件式(5)は、第3レンズ群G3のパワーを規制するものである。条件式(5)の上限を超えると、広角端において第3レンズ群G3で発生する負の歪曲収差が過大となり、この負の歪曲収差を他のレンズ群で補正することが困難となる。条件式(5)の下限を越えると、光学全長が長くなるとともに、前玉有効径が大きくなってしまう。
【0119】
条件式(6)は、第4レンズ群G4のパワーを規制することにより、光学全長を極力短くすると同時に諸収差をバランス良く補正するための条件である。条件式(6)の上限を超えると、光学全長は短くなるものの、望遠端において第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間に固定絞りと可変絞りを配置できるだけの空気間隔を確保できなくなる。また、第4レンズ群G4で発生する諸収差が過大となるため、この諸収差を他のレンズ群でバランス良く補正することが困難となる。一方、条件式(6)の下限を超えると、第4レンズ群G4の物像間距離が長くなるために、光学全長が長くなってしまう。この場合、第5レンズ群G5の倍率を小さくすれば光学全長が短くなるが、第5レンズ群G5のパワーが過大となるために第5レンズ群G5で発生する像面湾曲がアンダーになり、この像面湾曲を第1レンズ群G1から第3レンズ群G3までのレンズ群で補正することが困難となる。
【0120】
条件式(7)は、固体撮像素子に入射する最大像高における主光線の傾斜角を小さく、つまりテレセントリック性を良好にするとともに、像面湾曲と非点収差を低減するための条件である。条件式(7)の上限を超えると、テレセントリック性は良好となるものの、像面湾曲または非点収差が過大となり、画面周辺部の解像度を良好にすることが困難となる。一方、条件式(7)の下限を超えると、像面湾曲と非点収差は良好に補正できるもののテレセントリック性が不十分となる。マイクロレンズを搭載した固体撮像素子を用いる場合には、マイクロレンズによるシェーディングにより、固体撮像素子から出力される画像信号は画面周辺部に近づくほど弱くなるので、画面中心に対して画面周辺部が極端に暗くなってしまう。なお、マイクロレンズのレンズピッチを画素ピッチよりわずかに小さくして、射出瞳距離を短くした固体撮像素子を用いる場合には、必ずしも条件式(7)を満足する必要はない。
【0121】
図1に示したズームレンズのレンズデータを以下の表1に示す。表中の長さの単位はすべてmmである。rは第i面の曲率半径、dは第i面から次の面までの面間隔、n,νはそれぞれ第jレンズのd線における屈折率、アッベ数である。*印を付した面は非球面であり、非球面形状は次式で定義している。
【0122】
【数1】
Figure 2004317967
【0123】
ここで、kは第i面の円錐定数、D,E,F,Gはそれぞれ第i面の4次、6次、8次、10次の非球面係数、hは光軸からの高さ、zは光軸からの高さがhの点における非球面上のサグ量である。
【0124】
また、fは焦点距離、FNOは開放F値、2ωは画角、Lは光学全長である。
【0125】
【表1】
Figure 2004317967
Figure 2004317967
【0126】
図1に示したズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放時の収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を図2に示す。図2(a)は広角端の場合、図2(b)は中間位置の場合、図2(c)は望遠端の場合である。球面収差図において、実線はd線、短破線はF線、長破線はC線、一点鎖線はg線の特性である。非点収差図において、実線はサジタル平面上、破線はメリディオナル平面上の特性である。図2より、3種類のズーム位置において諸収差が良好に補正されていることが分かる。
【0127】
図1に示したズームレンズは、固体撮像素子として、記録画素数が水平2880×垂直2160(約600万画素)、画素ピッチが水平3.0μm×垂直3.0μm、記録画面サイズが水平8.64mm×垂直6.48mmのものを用いることができる。また、固体撮像素子として、実効開口率の向上のために画素ごとにマイクロレンズを設けたものを用いることができる。
【0128】
第4レンズ群G4の調心を行う場合、次のようにするとよい。
【0129】
第10レンズL10と、第11レンズL11と第12レンズL12とによる接合レンズL11/L12とをレンズ群枠に組み込んだ後に、第8レンズL8と第9レンズL9とによる接合レンズL8/L9を所定の位置に取り付け、偏心測定装置を利用して第4レンズ群G4全体の偏心が小さくなるように、接合レンズL8/L9の位置を調整し、最後に接着剤によりこの接合レンズL8/L9をレンズ群枠に固定する。このとき、第9レンズL9の像側面が凸面の場合には、第9レンズL9を移動させようとすると、平行偏心と傾斜偏心との両方を生じるため、調心がやりにくい。これに対して、図1に示したズームレンズでは、第9レンズL9の像側面を平面としているので、接合レンズL8/L9を傾斜させることなく平行移動させることができ、調心がやりやすい。なお、第9レンズL9の像側面を凹面としても、同一の効果が得られる。
【0130】
図1に示した構成では、第2レンズ群G2は1枚の正レンズ(第3レンズL3)で構成されているが、第3レンズL3は両面が球面のガラスレンズの少なくとも一方の面に薄い樹脂層を設け、樹脂層の表面を非球面としてもよい。本発明では、このようなレンズ素子も1枚と考えることにする。
【0131】
図1に示した構成では、可変絞りA1を第4レンズ群G4の物体側に一体化している。これは、前述のように第4レンズ群G4の偏心敏感度が高く、他のレンズ群の偏心敏感度も比較的高いことから、鏡筒には高精度が要求され、そのためには鏡筒の構成を少しでも簡単な構成にした方が量産性が有利となるためである。
【0132】
以上に説明したように、図1に示したズームレンズは、ズーム比が約3倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が約76°で、高解像度となっている。
【0133】
(実施の形態2)
図3(a)は本発明の実施の形態2におけるズームレンズの構成を示したものである。図3(a)は広角端におけるレンズ配置を示している。図3(b)は、変倍時の各レンズ群の移動軌跡を示している。縦軸の上端が広角端、下端が望遠端であり、縦軸のスケールはレンズ系全体の焦点距離に比例した量としている。
【0134】
図3に示したズームレンズは、実施の形態1に示したズームレンズと同様に、物体側から順に正、正、負、正、正の5つのレンズ群で構成されているが、第4レンズ群G4は4枚構成であり、第10レンズL10の物体側面と第12レンズL12の物体側面が非球面となっている。
【0135】
図3に示したズームレンズのレンズデータを以下の表2に示す。各パラメータの定義は実施の形態1の場合と同一である。
【0136】
【表2】
Figure 2004317967
Figure 2004317967
【0137】
図3に示したズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放時の収差図を図4に示す。図4(a)は広角端の場合、図4(b)は中間位置の場合、図4(c)は望遠端の場合である。図4よりズーム位置が変化した場合でも諸収差が良好に補正されていることが分かる。
【0138】
固体撮像素子としては、実施の形態1で説明したものを用いることができる。
【0139】
実施の形態2におけるズームレンズで、より望ましい結像特性を得るには、実施の形態1で説明した条件式(1)〜(7)を満足するように、さらに望ましくは、条件式(1a)〜(7a)を満足するように構成するとよい。
【0140】
第9レンズL9の像側面を平面としているので、必要であれば、実施の形態1で説明したのと同様に、第4レンズ群G4の先頭の接合レンズL8/L9の調心を容易に行うことができる。
【0141】
また、第10レンズL10の物体側面を非球面として、特に非点収差を良好に補正するようにしている。
【0142】
以上に説明したように、図5に示したズームレンズは、ズーム比が約3倍、広角端において開放F値がF2程度、画角が約76°で、高解像度となっている。
【0143】
(実施の形態3)
図5(a)は本発明の実施の形態3におけるズームレンズの構成を示したものである。図5(a)は広角端におけるレンズ配置を示している。図5(b)は、変倍時の各レンズ群の移動軌跡を示している。縦軸の上端が広角端、下端が望遠端であり、縦軸のスケールはレンズ系全体の焦点距離に比例した量としている。
【0144】
図5に示したズームレンズは、実施の形態2に示したズームレンズと同様に、物体側から順に正、正、負、正、正の5つのレンズ群で構成され、第4レンズ群が4枚構成であるが、第10レンズL10の物体側面と第12レンズL12の両面が非球面となっている。
【0145】
図5に示したズームレンズのレンズデータを以下の表3に示す。各パラメータの定義は実施の形態1の場合と同一である。
【0146】
【表3】
Figure 2004317967
Figure 2004317967
【0147】
図5に示したズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放時の収差図を6に示す。図6(a)は広角端の場合、図6(b)は中間位置の場合、図6(c)は望遠端の場合であり、いずれも球面収差、非点収差、歪曲収差を示している。図6より諸収差が良好に補正されていることが分かる。
【0148】
固体撮像素子としては、実施の形態1で説明したものを用いることができる。
【0149】
実施の形態3におけるズームレンズで、より望ましい結像特性を得るには、実施の形態1で説明した条件式(1)〜(7)を満足するように、さらに望ましくは、条件式(1a)〜(7a)を満足するように構成するとよい。
【0150】
以上に説明したように、図5に示したズームレンズは、ズーム比が約3倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が約76°で、高解像度となっている。
【0151】
(実施の形態4)
図7(a)は本発明の実施の形態4におけるズームレンズの構成を示したものである。図7(a)は広角端におけるレンズ配置を示している。図7(b)は、変倍時の各レンズ群の移動軌跡を示している。縦軸の上端が広角端、下端が望遠端であり、縦軸のスケールはレンズ系全体の焦点距離に比例した量としている。
【0152】
図7に示したズームレンズは、実施の形態1に示したズームレンズと同様に5つのレンズ群で構成されているが、第1レンズ群G1が負パワーであり、第10レンズL10の両面と第13レンズL13の両面がいずれも非球面となっている。
【0153】
図7に示したズームレンズのレンズデータを以下の表4に示す。各パラメータの定義は実施の形態1の場合と同一である。
【0154】
【表4】
Figure 2004317967
Figure 2004317967
【0155】
図7に示したズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放時の収差図を図8に示す。図8(a)は広角端の場合、図8(b)は中間位置の場合、図8(c)は望遠端の場合であり、いずれも球面収差、非点収差、歪曲収差を示している。図8より、諸収差が良好に補正されていることが分かる。
【0156】
固体撮像素子としては、実施の形態1で説明したものを用いることができる。
【0157】
実施の形態4におけるズームレンズで、より望ましい結像特性を得るには、実施の形態1で説明した条件式(1)〜(7)を満足するように、さらに望ましくは、条件式(1a)〜(7a)を満足するように構成するとよい。
【0158】
以上に説明したように、図7に示したズームレンズは、ズーム比が約3倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が約76°で、高解像度となっている。
【0159】
(実施の形態5)
図9(a)は本発明の実施の形態5におけるズームレンズの構成を示したものである。図9(a)は広角端におけるレンズ配置を示している。図9(b)は、変倍時の各レンズ群の移動軌跡を示している。縦軸の上端が広角端、下端が望遠端であり、縦軸のスケールはレンズ系全体の焦点距離に比例した量としている。
【0160】
図9に示したズームレンズは、実施の形態4に示したズームレンズと同様に、負、正、負、正、正の5つのレンズ群で構成され、第1レンズ群G1のパワーが負であり、第5レンズL5の像側面、第10レンズL10の両面および第13レンズL13の両面がいずれも非球面となっている。
【0161】
図9に示したズームレンズのレンズデータを以下の表5に示す。各パラメータの定義は実施の形態1の場合と同一である。
【0162】
【表5】
Figure 2004317967
Figure 2004317967
【0163】
図9に示したズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放時の収差図を図10に示す。図10(a)は広角端の場合、図10(b)は中間位置の場合、図10(c)は望遠端の場合であり、いずれも球面収差、非点収差、歪曲収差を示している。図10より、諸収差が良好に補正されていることが分かる。
【0164】
固体撮像素子としては、実施の形態1で説明したものを用いることができる。
【0165】
図9に示したズームレンズは、第5レンズL5の像側面を非球面として、広角端における負の歪曲収差の低減を図っている。撮影距離が∞で広角端の最大像高における歪曲収差について他の実施の形態と比較すると、実施の形態1から実施の形態4ではいずれも−3.5%であるのに対して、本実施の形態では−3.2%と少し小さくなっている。
【0166】
実施の形態5におけるズームレンズで、より望ましい結像特性を得るには、実施の形態1で説明した条件式(1)〜(7)を満足するように、さらに望ましくは、条件式(1a)〜(7a)を満足するように構成するとよい。
【0167】
以上に説明したように、図9に示したズームレンズは、ズーム比が約3倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が約76°で、高解像度となっている。
【0168】
以上に説明した実施の形態1〜5におけるズームレンズでは、いずれも、広角端から望遠端への変倍に際して、第3レンズ群は像側に単調に移動しているが、同一の焦点距離の変化に対する第3レンズ群G3の移動量は、広角端付近では大きく移動し、広角端から離れるにつれて移動量が低下していく。
【0169】
広角端から望遠端への変倍に際して、広角端から望遠端の少し手前までは第3レンズ群が像側に単調に移動し、そこから望遠端の間では第3レンズ群が物体側に単調に移動する構成であっても良い。ただし、望遠端における第3レンズ群の位置は広角端における第3レンズ群の位置より像側にあるようにするとよい。
【0170】
以上に説明した5つの数値実施例に関して、前述の条件式の数値を以下の表6に示す。
【0171】
【表6】
Figure 2004317967
【0172】
(実施の形態6)
図11は本発明の実施の形態6における電子スチルカメラの概略構成を示した断面図である。図11において、12はズームレンズ、14は固体撮像素子、15は電子ビューファインダ、16は液晶モニタ、21は第1レンズ群、22は第2レンズ群、23は第3レンズ群、24は第4レンズ群、25は第5レンズ群、26は可変絞り、27は固定絞りである。
【0173】
筐体11の前側にズームレンズ12が配置され、ズームレンズ12の後側には、物体側から順に、光学ローパスフィルタ13、固体撮像素子14が配置されている(固体撮像素子14の物体側にはカバーガラスが取り付けられているが、図を見やすくするためカバーガラスは省略している)。筐体11の上部には電子ビューファインダ15が配置され、筐体11の後側には液晶モニタ16が配置されている。
【0174】
光学ローパスフィルタ13は、物体側から順に、第1水晶板、赤外吸収ガラス板、第2水晶板、第3水晶板を透明接着剤により互いに接合したものである。光学ローパスフィルタ13は、固体撮像素子14の画素構造に起因するモアレなどの誤信号の発生を防ぐとともに、不要な赤外光が固体撮像素子に入射して誤信号を発生するのを防いでいる。光学ローパスフィルタ13の物体側面と像側面には反射防止膜が蒸着されている。
【0175】
固体撮像素子14は、有効画素数が水平2880×垂直2160(約600万画素)、画素ピッチが水平3.0μm×垂直3.0μm、有効画面サイズが水平8.64mm×垂直6.48mmであり、各画素に微小正レンズが設けられている。ズームレンズ12による被写体の像が固体撮像素子14の撮像面18に形成される。
【0176】
ズームレンズ12として、図1に示したズームレンズが用いられている。ズームレンズ12は、物体側から順に、第1レンズ群21、第2レンズ群22、第3レンズ群23、第4レンズ群24、第5レンズ群25で構成され、第3レンズ群23と第4レンズ群の間には、可変絞り26、固定絞り27が設けられている。
【0177】
第2レンズ群22を構成する第3レンズ28は、図12に示すように、周辺部の一部が切除され、切除後の端面29は光軸と平行な平面となっている。他のレンズはすべて外周が円形となっている。詳細は後述する。
【0178】
第4レンズ群24の物体側には開口径が可変の可変絞り26が取り付けられ、第3レンズ群と可変絞り26との間には開口径と位置とが固定の固定絞り27が配置されている。
【0179】
鏡筒は、主鏡筒31、裏板32、円筒カム33、5つのレンズ群枠、4本のガイドポール34,35,36,37、ズームリング39で構成されている。
【0180】
光学ローパスフィルタ13と固体撮像素子14は裏板32に取り付けられ、裏板32は主鏡筒31の像側端に取り付けられている。2本のガイドポール34,35は、光軸38と平行に、固体撮像素子14の記録画面の上側中央部、下側中央部に配置されている。また、2本のガイドポール36,37は、光軸38と平行に、固体撮像素子14から離れた位置に配置されている。
【0181】
5つのレンズ群21〜25はそれぞれ対応するレンズ群枠に取り付けられている(図の見やすくするためにレンズ群枠は図示を省略)。
【0182】
第1レンズ群枠は主鏡筒31の物体側端に取り付けられている。第4レンズ群枠の物体側には可変絞り26が取付けられている。固定絞り27は、第3レンズ群23と第4レンズ群24との間の所定の位置に配置されるように、2本のガイドポール36,37に固定されている。
【0183】
円筒カム33には所定のカム溝が設けられている。第2レンズ群枠、第3レンズ群枠、第4レンズ群枠には、ガイドポール34,35が貫通する穴と、円筒カム33のカム溝にはまる突起が設けられている。主鏡筒31の外側にはズームリング39が取り付けられ、ズームリング39は円筒カム33と結合されており、ズームリング39を回転させると円筒カム33が回転するようになっている。ズームリング39を回転させると、第2レンズ群枠、第3レンズ群枠および第4レンズ群枠が光軸38に沿って移動し、第2レンズ群22、第3レンズ群23および第4レンズ群24が固体撮像素子14を基準にした所定の位置に移動するので、広角端から望遠端までの変倍を行うことができる。また、可動レンズ群22,23,24を2本のガイドポール34,35により保持するため、変倍時の可動レンズ群22,23,24の偏心を非常に小さくすることができる。
【0184】
第5レンズ群枠にはガイドポール36,37が貫通する穴が設けられている。第5レンズ群枠はステッピングモータにより光軸38に沿って移動可能である。モータにより第5レンズ群25を光軸方向に移動させながら撮影画像の高周波成分がピークとなる位置を検出して、その位置に第5レンズ群25を移動させれば、オートフォーカスを行うことができる。
【0185】
第1レンズ群枠の物体側にはフィルタ装着用のめねじを設けるとよい。図11に示した構成では、変倍時に第1レンズ群枠が移動しないので、重いフィルタを装着しても第1レンズ群21が偏心することはなく、結像特性の劣化はない。
【0186】
第3レンズ28を図12に示すような形状とすることについて説明する。
【0187】
第3レンズ28の物体側面の有効領域41を図13に示す。図13は第3レンズ28を光軸38に沿って見たものである。ここで、有効領域とは有効光束が通過する領域で、その面積が最大となる場合の領域である。有効光束が通過する領域の面積はズーム位置により変化するが、その面積は広角中間位置の付近で最大となる。有効領域41の境界42を光軸38と垂直な平面に射影した形状は、固体撮像素子14の記録画面と相似で四隅が円弧状の長方形状となる。この長方形状の形状の対称軸は2つ存在し、2つの対称軸43,44はそれぞれ固体撮像素子の画面水平方向、画面垂直方向と平行となる。
【0188】
図13から分かるように、第3レンズ28の外周47が円形の場合、外周47の内側にあって、長方形状の有効領域41の上側と下側に有効光束が通過しない領域が存在する。この有効光束が通過しない領域は除去してもかまわない。従って、図11に示したズームレンズの第3レンズ28を、物体側面の有効領域41が削られない範囲で周辺部の一部を切除して図12に示した形状にすることができる。この場合、変倍時に第3レンズ28が回転しないように光軸に沿って移動させる必要があるが、第3レンズ28はガイドポール34,35に沿って移動させるので全く問題はない。
【0189】
図12に示したように第3レンズ28の有効領域の上側と下側を切除すると、図11から分かるように、2本のガイドポール34、35の間隔を狭くすることができ、その結果、鏡筒の中間部の外径を小さくすることができる。第3レンズ28の垂直方向の寸法は第4レンズ48の外径とほぼ同じにするとよい。第3レンズ28の周辺部の一部を切除して鏡筒の中間部の外径を小さくする場合、広角端の画角が小さい場合にはそれほどの効果が得られないが、広角端の画角が70°を超えるような広角の場合には非常に有効である。
【0190】
第3レンズ28の周辺部を切除する他の例を図14に示す。図14(a)は第3レンズ28の周辺部の2箇所を端面51,52が円筒面の一部になるように切除した例であり、図14(b)は第3レンズ28の周辺部の2箇所に貫通穴53,54を設けた例である。いずれも、光軸に沿って見たものであり、2つの切除部は物体側面の有効領域が削られないように設定されている。
【0191】
以上の説明では、実施の形態1におけるズームレンズを例にしたが、実施の形態2〜5におけるズームレンズの場合も同じように構成することができ、鏡筒の中間部の外径を小さくすることができる。
【0192】
また、図12、図14では、第3レンズ28の切除部が有効領域の上側中央部と下側の中央部に配置されているが、物体側面の有効領域が削られなければ、切除部の位置を上側中央部あるいは下側中央部からずらしてもよい。
【0193】
以上に説明したように、第3レンズ28の周辺部の一部を切除すると、鏡筒の中間部の外径を小さくすることができる。鏡筒の中間部の外径が多少大きくてもよければ、第3レンズ28の周辺部の一部を切除する必要はない。
【0194】
こうして、ズーム比が約3倍、広角端において開放F値がF2程度、画角が70°を超え、高解像度の電子スチルカメラを提供することができる。
【0195】
なお、図11に示した電子スチルカメラには、実施の形態1のズームレンズの代わりに実施の形態2〜実施の形態5のいずれかのズームレンズを用いてもよい。また、図11に示した電子スチルカメラの光学系は、動画を対象とするビデオカメラに用いることもできる。この場合、動画だけでなく、解像度の高い静止画を撮影することができる。
【0196】
以上の説明では、600万画素の固体撮像素子を用いる場合について説明したが、記録画面サイズがほぼ同じで画素数の少ない固体撮像素子を用いることもできる。例えば、記録画面の対角長が約11mmで、記録画素数が水平2560×垂直1920(約500万画素)、画素ピッチが水平3.4μm×垂直3.4μmの固体撮像素子を用いることができる。この場合、光学ローパスフィルタ13の分離幅は画素ピッチとほぼ等しくなるように決める必要がある。
【0197】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ズーム比が2.5倍〜3.2倍で、広角端において開放F値がF2程度、画角が70°を超え、高解像度のズームレンズを提供することができる。このズームレンズを用いることにより、広角で明るく、高解像度の電子スチルカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a):本発明の実施の形態1におけるズームレンズの広角端での構成を示した側面図
図1(b):本発明の実施の形態1におけるズームレンズを構成する各レンズ群の変倍時の移動軌跡を示した図
【図2】本発明の実施の形態1におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合の収差図
【図3】図3(a):本発明の実施の形態2におけるズームレンズの広角端での構成を示した側面図
図3(b):本発明の実施の形態2におけるズームレンズを構成する各レンズ群の変倍時の移動軌跡を示した図
【図4】本発明の実施の形態2におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合の収差図
【図5】図5(a):本発明の実施の形態3におけるズームレンズの広角端での構成を示した側面図
図5(b):本発明の実施の形態3におけるズームレンズを構成する各レンズ群の変倍時の移動軌跡を示した図
【図6】本発明の実施の形態3におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合の収差図
【図7】図7(a):本発明の実施の形態4におけるズームレンズの広角端での構成を示した側面図
図7(b):本発明の実施の形態4におけるズームレンズを構成する各レンズ群の変倍時の移動軌跡を示した図
【図8】本発明の実施の形態4におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合の収差図
【図9】図9(a):本発明の実施の形態5におけるズームレンズの広角端での構成を示した側面図
図9(b):本発明の実施の形態5におけるズームレンズを構成する各レンズ群の変倍時の移動軌跡を示した図
【図10】本発明の実施の形態5におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合の収差図
【図11】本発明の実施の形態6における電子スチルカメラの概略構成を示す側断面図
【図12】図11に示したズームレンズの第3レンズの形状を示す斜視図
【図13】図12に示した第3レンズの物体側面の有効領域を示す正面図
【図14】図11に示したズームレンズの第3レンズの形状に関する他の例を示す正面図
【符号の説明】
G1,21 第1レンズ群
G2,22 第2レンズ群
G3,23 第3レンズ群
G4,24 第4レンズ群
G5,25 第5レンズ群
A1,26 可変絞り
A2,27 固定絞り
P 平行平面素子
S 像面
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
L8 第8レンズ
L9 第9レンズ
L10 第10レンズ
L11 第11レンズ
L12 第12レンズ
L13 第13レンズ
12 ズームレンズ
14 固体撮像素子
15 電子ビューファインダ
16 液晶モニタ
28 第3レンズ

Claims (21)

  1. 物体側から順に、第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、少なくとも1つの正パワーのレンズ群を備え全体として正パワーの後部レンズ群とを備え、変倍時に、前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群とは光軸に沿って可動であるズームレンズ。
  2. 物体側から順に、第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、開口径固定の固定絞りと、少なくとも1つの正パワーのレンズ群を備える後部レンズ群とを備え、変倍時に、前記第1レンズ群と前記固定絞りとは位置固定であり、前記第3レンズ群は光軸に沿って移動するズームレンズ。
  3. 前記第1レンズ群は負レンズと正レンズとで構成される請求項1又は2に記載のズームレンズ。
  4. 前記後部レンズ群のうちの最も物体側のレンズ群は、その物体側に開口径可変の可変絞りが一体化されている請求項1〜3のいずれかに記載のズームレンズ。
  5. 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との合成レンズ群は全変倍範囲で正パワーを有する請求項1〜4のいずれかに記載のズームレンズ。
  6. 前記第2レンズ群は1枚の正レンズで構成される請求項1〜5のいずれかに記載のズームレンズ。
  7. 広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をf、望遠端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとし、焦点距離がf 3/4 1/4となる変倍位置を広角中間位置と呼ぶとき、広角端から広角中間位置への変倍に際して、前記第2レンズ群は像側に単調に移動する請求項1〜6のいずれかに記載のズームレンズ。
  8. 物体側から順に、負レンズと正レンズとを備える第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、負パワーの第3レンズ群と、正パワーの第4レンズ群と、正パワーの第5レンズ群とを備え、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群は像側に凸の軌跡を描き、前記第3レンズ群は像側に単調に移動するか、途中までは像側に単調に移動し、その後は物体側に単調に移動し、前記第4レンズ群は物体側に単調に移動するズームレンズ。
  9. 前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間に、開口径が固定で変倍時に位置固定の固定絞りを備える請求項8に記載のズームレンズ。
  10. 前記第4レンズ群は、その物体側に開口径可変の可変絞りが一体化されている請求項8又は9に記載のズームレンズ。
  11. フォーカス調整は前記第5レンズ群の光軸上移動により行われる請求項8〜10のいずれかに記載のズームレンズ。
  12. 前記第1レンズ群の焦点距離をfG1、前記第2レンズ群の焦点距離をfG2、広角端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との合成焦点距離をfFW、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足する請求項8〜11のいずれかに記載のズームレンズ。
    −0.02<fG2/fG1<0.15 ‥‥‥(1)
    0.05<f/fFW<0.2 ‥‥‥(2)
  13. 広角端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAW、焦点距離が広角端の焦点距離と望遠端の焦点距離との幾何平均となる変倍位置における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAN、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足する請求項8〜12のいずれかに記載のズームレンズ。
    0.1<(dAN−dAW)/f<0.5 ‥‥‥(3)
  14. 広角端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAW、望遠端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔をdAT、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足する請求項8〜13のいずれかに記載のズームレンズ。
    |dAW−dAT|/f<0.2 ‥‥‥(4)
  15. 前記第3レンズ群の焦点距離をfG3、前記第4レンズ群の焦点距離をfG4、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足する請求項8〜14のいずれかに記載のズームレンズ。
    0.4<f/|fG3|<0.7 ‥‥‥(5)
    0.25<f/fG4<0.5 ‥‥‥(6)
  16. 前記第3レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズとを備える請求項8〜15のいずれかに記載のズームレンズ。
  17. 前記第4レンズ群は、最も物体側に両凸レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとからなる接合レンズを備え、最も像側に物体側に凸面を向けた正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとからなる接合レンズを備える請求項8〜16のいずれかに記載のズームレンズ。
  18. 前記第4レンズ群は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとからなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凸レンズと両凹レンズとからなる接合レンズとを備える請求項8〜16のいずれかに記載のズームレンズ。
  19. 前記第5レンズ群の焦点距離をfG5、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfとしたとき、次の条件を満足する請求項8〜18のいずれかに記載のズームレンズ。
    0.3<f/fG5<0.5 ‥‥‥(7)
  20. 物体側から順に、第1レンズ群と、1枚の正レンズで構成される第2レンズ群と、複数のレンズ群で構成される後部レンズ群とを備え、前記第2レンズ群を構成する前記正レンズは周辺部が一部切除され、変倍時に前記第1レンズ群は位置固定であり、前記第2レンズ群は回転することなく光軸に沿って移動するズームレンズ。
  21. ズームレンズと、固体撮像素子とを備え、前記ズームレンズとして請求項1〜20のいずれかに記載のズームレンズを用いる電子撮像装置。
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