JP2004316998A - ボイラ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラント運転中に主蒸気圧力設定値を自動補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつプラントの運転効率を改善する。
【解決手段】発電機出力設定値に対応した主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力との偏差に基づいてボイラの燃料供給量および給水流量を制御するようにしたボイラ制御装置において、弁開度設定手段により発電機出力設定値から蒸気加減弁の弁開度設定値を求め、前記弁開度設定値と実弁開度とから弁開度偏差を求め、圧力補正設定手段によりこの弁開度偏差に基づいて主蒸気圧力補正値を演算し、前記主蒸気圧力設定値から主蒸気圧力補正値を減算し、この偏差に基づいてボイラの燃料制御弁および給水制御弁を制御するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】発電機出力設定値に対応した主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力との偏差に基づいてボイラの燃料供給量および給水流量を制御するようにしたボイラ制御装置において、弁開度設定手段により発電機出力設定値から蒸気加減弁の弁開度設定値を求め、前記弁開度設定値と実弁開度とから弁開度偏差を求め、圧力補正設定手段によりこの弁開度偏差に基づいて主蒸気圧力補正値を演算し、前記主蒸気圧力設定値から主蒸気圧力補正値を減算し、この偏差に基づいてボイラの燃料制御弁および給水制御弁を制御するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主蒸気圧力をもとに燃料供給量および給水流量を調整するようにしたボイラ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電プラントにおいて、発電機出力は蒸気タービン入口の主蒸気圧力と蒸気加減弁開度によってほぼ決定されるといってよい。ところで、定圧ボイラを備えた火力発電プラントでは主蒸気圧力を一定にし、蒸気タービン加減弁を調整して発電機出力を制御するのに対し、変圧貫流ボイラを備えた火力発電プラントでは蒸気加減弁を全開にし、蒸気タービン入口の主蒸気圧力を発電機出力設定値とともに変えることで発電機出力を制御するようにしている。
【0003】
この結果、変圧貫流ボイラを備えた火力発電プラントでは、主蒸気圧力を発電機出力設定に応じて生成された主蒸気圧力設定値に追従するように制御することにより、発電機出力を要求通りに変えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図7は、従来の変圧貫流ボイラを備えた火力発電プラントにおけるボイラ制御装置のシステム構成図を示す。図7中、全体符号1はボイラ制御装置を表しており、2はボイラ(火炉を含む)である。このボイラ2には燃料および給水制御器3の燃料調節弁3−1、給水調節弁3−2によってそれぞれ制御された燃料および給水が供給されるようになっている。
【0005】
ボイラ2で発生した主蒸気は主蒸気配管4、蒸気加減弁5を介して蒸気タービン6に供給されて膨張仕事をしたのち、復水器7によって復水し、給水配管8を通って再びボイラに戻るように構成されている。なお、復水ポンプ、給水ポンプは図示を省略してある。
【0006】
発電機9は蒸気タービン6によって駆動され、この発電機9の出力は入力変成器10を介して発電機出力検出器11により検出される。ここで、発電機9の出力をd11と表す。12はこの発電機9の出力d11を設定するための設定器(以下、発電機出力設定器という)であり、その設定値e12と発電機出力d11とは減算器13において比較演算され、偏差信号ε13が出力される。この偏差信号ε13によって前記蒸気加減弁5の弁開度が制御されるようになっている。なお、ここで、アルファベットdおよびεはそれぞれ検出値および偏差信号を、またeは設定値等検出値、偏差信号以外の信号を意味し、以降の説明でも同様に用いる。
【0007】
一方、前記発電機出力設定器12の発電機出力設定値e12は、主蒸気圧力設定関数器14に入力され、ここで入力値に対応した主蒸気圧力設定値e14を生成し出力する。15は前記主蒸気配管4に設けられ、蒸気タービンに供給される主蒸気の圧力を検出する主蒸気圧力検出器である。16は前記主蒸気圧力設定値e14と主蒸気圧力検出器15の検出出力(以下、この実主蒸気圧力という)d15との偏差信号ε16を求めて出力する減算部である。この偏差信号ε16に基づいて前記燃料調節弁3−1、給水調節弁3−2の弁開度が制御され、適切な圧力の主蒸気がボイラ2で生成される。
【0008】
しかるに、このように構成された変圧貫流ボイラの制御装置の場合、各負荷帯における主蒸気圧力設定値e14は予め仮設定されているが、最終的には調整試験によって試行錯誤的に決定しているのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−111003号公報(図3、第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、変圧貫流ボイラは主に蒸気タービン入口の主蒸気圧力を発電機出力設定値とともに変えることで発電機出力を制御しているが、発電機出力設定と発電機出力との偏差を迅速に抑制したり、発電機出力が落ち着いた後の残留偏差を補正する制御は蒸気加減弁を動作させることにより行っている。
【0011】
したがって、発電機出力に見合った最適な主蒸気圧力設定値にチューニングをする必要があるが、もしチューニングが適切でない場合、例えば発電機出力に対して主蒸気圧力設定値が高すぎた場合、蒸気加減弁開度を絞りすぎた位置でバランスし発電効率が低くなってしまい、逆に発電機出力に対して主蒸気圧力設定値が高すぎた場合、蒸気加減弁開度を開き過ぎた位置でバランスし、やはり発電効率が低くなってしまう。この結果、主蒸気圧力設定値の調整試験には手間がかかり、かつ計算通りの損失が最も少ない弁開度へ蒸気加減弁を操作するのは困難であった。
【0012】
本発明は、プラント運転中に主蒸気圧力設定値を自動補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつプラントの運転効率を改善することのできるボイラ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係わるボイラ制御装置の発明は、発電機の出力を設定し、発電機出力設定値として出力する発電機出力設定器と、この発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力設定値を出力する主蒸気圧力設定関数器と、前記発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した蒸気加減弁開度信号を出力する弁開度設定手段と、蒸気タービン入口の蒸気加減弁の弁開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器と、前記蒸気加減弁開度信号と実弁開度信号との偏差を求めて弁開度偏差信号として出力する減算部と、この弁開度偏差信号を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力補正値を出力する圧力補正設定手段と、前記主蒸気圧力設定値と主蒸気圧力補正値との偏差を求めて補正後主蒸気圧力設定値として出力する減算部と、蒸気タービンに供給される実主蒸気圧力を検出して出力する実主蒸気圧力検出器と、前記補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値との偏差を求める減算部と、この補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値信号との偏差信号を入力してボイラの燃料、給水を制御する燃料および給水制御器とからなることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に係るボイラ制御装置の発明は、発電機の出力を設定し、発電機出力設定値として出力する発電機出力設定器と、この発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力設定値を出力する主蒸気圧力設定関数器と、前記発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した蒸気加減弁開度信号を出力する弁開度設定手段と、蒸気タービン入口の蒸気加減弁の弁実開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器と、前記蒸気加減弁開度信号と実弁開度信号との偏差を求めて弁開度偏差信号として出力する減算部と、この弁開度偏差信号を不感帯要素に入力し、この不感帯要素の出力信号に対応した主蒸気圧力補正値を生成して出力するとともに、前記不感帯要素の出力信号を取り出すように構成した圧力補正設定手段と、前記主蒸気圧力設定値と主蒸気圧力補正値との偏差を求めて補正後主蒸気圧力設定値を出力する減算部と、蒸気タービンに供給される実主蒸気圧力を検出して出力する実主蒸気圧力検出器と、前記補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値との偏差を求める減算部と、この補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値信号との偏差信号を入力してボイラの燃料、給水を制御する燃料および給水制御器と、からなるボイラ制御装置において、前記圧力補正設定手段から出力された不感帯要素の出力信号を入力し、自動更新要求が存在する状態で当該不感帯要素の出力信号が予め定めた大きさ以下のとき自動更新指令を更新許可信号として出力し、自動更新要求が存在しない状態のとき、手動更新指令を更新許可信号としてを出力する更新許可設定手段と、この更新許可信号を受けて、補正後主蒸気圧力設定値を前記主蒸気圧力設定関数に上書きする上書き手段と、を設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を説明する。なお、各図を通して共通する要素には同一符号をつけて重複した説明は省くことにする。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係わるボイラ制御装置の第1の実施の形態を示す構成図である。図1において、本実施の形態は図7に示す従来のボイラ制御装置に対して、次の制御系を新たに設けるようにしたものである。
【0017】
すなわち、前記蒸気加減弁5の弁開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器20と、前記発電機出力設定値e12を入力してこれに対応した弁開度設定値e21を生成して出力する弁開度設定手段21と、この弁開度設定値e21と前記実弁開度信号d20とを入力して弁開度偏差ε22を出力する減算器22と、この弁開度偏差ε22を入力してこれに対応する主蒸気圧力補正値e23を生成し出力する圧力補正設定手段23と、前記主蒸気圧力設定値e14から主蒸気圧力補正値e23を減算して補正主蒸気圧力設定値ε24を出力する減算器24とからなる制御系を新たに設けるようにしたものである。
【0018】
図2(a)、(b)はそれぞれ前記弁開度設定手段21の詳細構成図および特性図である。まず、図2(a)を参照して構成から説明する。図2(a)において、25は前記発電機出力設定器12の発電機出力設定値e12を入力してこの入力量に対応した自動弁開度信号e25を出力する弁開度設定関数器である。26はオペレータからの操作に基づいて、手動弁開度信号e26を出力する手動弁開度設定器である。また、27はオペレータからの指令を受けて自動開度要求信号e27を出力する自動弁開度要求手段であり、自動弁開度要求がある場合はオン(論理値「1」)を、ない場合はオフ(論理値「0」)を出力する。
【0019】
そして、28はバンプレストランスファ手段であって、前記自動弁開度要求e27がオン状態になると、前記手動弁開度信号e26から前記自動弁開度信号e25に切替えて出力し、逆に自動弁開度要求e27がオフになると、前記自動弁開度信号e25から前記手動弁開度信号e26に切替えて出力する。なお、この切替の過程において、出力信号が急峻に切替わらずに予め定めた変化率すなわちバンプレスに切替わるように動作する。例えば、発電機出力設定値e12に対応した自動弁開度信号e25がこのバンプレストランスファ手段28に入力されている状態で、自動弁開度要求e27をオンにすると、手動弁開度信号e26から任意に定めた変化率で自動弁開度信号e25に漸近し、その後自動弁開度信号e25に一致するような特性の弁開度設定値e21を生じ、逆に、自動弁開度要求e27をオフにすると、自動弁開度信号e25から任意に定めた変化率で手動弁開度信号e26に漸近し、その後手動弁開度信号e26に一致するような特性の弁開度設定値e21を出力する。
【0020】
図2(b)において、各信号につけた符号e27、e25、e26およびe21はそれぞれ図2(a)中の符号に対応させてある。この図からもわかるように、自動弁開度要求e27がオフの場合、バンプレストランスファ手段28は手動弁開度信号e26を出力する。
【0021】
バンプレストランスファ手段28は自動弁開度要求e27がオンに転じると、予め定めた一定の変化率で自動弁開度信号e25に漸近し、その後一致した波形となって出力される。
【0022】
なお、ここでは蒸気加減弁5の開度設定が発電機出力設定に応じて生成されているが、これは基本的な例を示しただけであり、この他にさまざまな弁開度設定方法が考えられることは勿論である。
【0023】
図3(a)は前記圧力補正設定手段23の詳細構成図であり、(b)はその特性図である。
まず図3(a)を参照して構成から説明する。図3(a)において、29は中央操作室(中操)等からの操作に基づいてオンまたはオフする手動補正指令信号e29を出力する手動補正指令手段であり、また30は前記発力検出器11で検出した電力の変化量が任意の時間内で任意の設定値以下であれば出力信号e30(論理値「1」)を出力するように機能する整定状態検知器である。31はアンドゲート回路であり、前記手動補正指令信号e29がオンで、かつ発電機9の出力が安定していて変化していないとき、すなわち整定状態検知器30の出力e30が「1」のとき、補正指令信号e31(論理値「1」)を出力する。
【0024】
一方、前記減算器22から出力された弁開度偏差e22は、予め設定した制限値未満の微小な変化量を不感帯要素32でカットした上で比例定数回路33に入力されてK倍され、更に積分要素34に入力されて積分されて圧力補正信号e34となってバンプレストランスファ手段35に入力される。このバンプレストランスファ手段35は前記バンプレストランスファ手段28と同様の構成、機能を備えており、前記アンドゲート31の出力e31が「1」になると、言い換えると、補正指令信号e31が「1」になると、ゼロ値設定器36のゼロ出力(0)から予め定めた任意の変化率で圧力補正信号e34に漸近し、その後圧力補正信号e34に一致した主蒸気圧力補正値e23を出力し、逆に補正指令信号e31を「0」にすると、圧力補正信号e34から予め定めた任意の変化率でゼロ値設定器36のゼロに漸近しその後ゼロに一致した主蒸気圧力補正値e23を出力する。
このようにオン、オフの補正指令信号をバンプレストランスファ手段35に入力することによって主蒸気圧力補正を実施するか否かを選択することができる。
【0025】
図3(b)において、各信号につけた符号e29、e34、0およびe23は、図3(a)中の符号に対応させてある。バンプレストランスファ手段35は、手動補正指令信号e29がオフのときは、積分器34から圧力補正信号e34が生じていてもゼロ値設定器36の出力0を選択して出力する。手動補正指令信号e29がオンに転じると、予め定められた変化率で圧力補正信号e34に漸近して一致する。手動補正指令信号e29が再びオフに転じると、予め定められた変化率でゼロ値(0)に漸近して一致する。
【0026】
なお、この第1の実施の形態では、整定状態検知器30に発電機出力e12を入力するように構成したが、これは基本的な例を示しただけで、他に主蒸気圧力を使用するなど、さまざまな整定状態検知方法が考えられることは勿論である。
【0027】
次に、この第1の実施の形態の作用について説明する。
発電プラントの調整試験期間中、発電機出力の各負荷帯における主蒸気圧力設定値e14は予め仮設定しておき、この仮設定の主蒸気圧力設定値e14に基づいてボイラの燃料給水制御装置3を運転する。
【0028】
図2(a)において、発電機出力設定値e12に対応した自動弁開度信号e25がバンプレストランスファ手段28に入力されている状態で、自動弁開度要求e27がオンになると、バンプレストランスファ手段28から出力される弁開度設定値e21は、手動弁開度信号e26から任意に定めた変化率で自動弁開度信号e25に漸近した後、自動弁開度信号e25に一致する出力を生じる。
【0029】
そしてこの弁開度設定値e21は図1の減算部22において実弁開度d20により減算され、弁開度偏差ε22となって圧力補正設定手段23に入力される。図3(a)の圧力補正設定手段23において、弁開度偏差ε22は不感帯要素32に設定した制限値を越えた分についてのみ不感帯要素32から出力される。そしてその出力は、比例係数器33でK倍されたのち積分回路34で積分され、圧力補正信号e34となってバンプレストランスファ手段35に入力される。
【0030】
前記整定状態検知器30が「1」を出力している状態で、手動補正指令e29をオンにすることにより、補正指令信号e31がバンプレストランスファ手段35に入力される。これにより、バンプレストランスファ手段35から出力される主蒸気圧力補正値e23は、ゼロ値(0)から予め定めた任意の変化率で圧力補正値e34に漸近した後圧力補正値e34と一致する。この主蒸気圧力補正値e23は減算部24において、主蒸気圧力設定関数器14の出力である主蒸気圧力設定値e14から減算して偏差、つまり補正後主蒸気圧力設定値ε24を出力する。そしてこの補正後主蒸気圧力設定値ε24は、後段に設けられた減算部16で実主蒸気圧力d15によって減算され、その偏差ε16に基づいて燃料および給水制御器3の燃料制御弁3−1および給水制御弁3−2を制御し、ボイラ2から発生する主蒸気量を制御する。
【0031】
以上述べたように、この第1の実施の形態によれば、弁開度設定手段21を導入することで、発電機出力設定値e12に見合ったボイラ制御装置の運転効率に最適な蒸気加減弁開度を設定し、かつ圧力補正設定手段23を導入することで主蒸気圧力設定値e14から主蒸気圧力補正値e23を減算し、弁開度偏差ε22が減少するように主蒸気圧力を自動的に補正することができる。
【0032】
この結果、発電プラントの調整試験期間中において、自動的に主蒸気圧力設定値を補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつ発電プラントの運転効率を改善することが可能である。
【0033】
(第2の実施の形態)
図4は本発明に係わるボイラ制御装置の第2の実施の形態を示す構成図である。本実施の形態と第1の実施の形態との主な相違点は、本実施の形態が第1の実施の形態に対して、新たに更新許可設定手段および主蒸気圧力設定関数上書き手段を追加した点および前述した圧力補正設定手段に若干の機能を追加した点にあり、その他についての構成および機能は第1の実施の形態の場合と同じなので説明を省略する。
【0034】
図4において、23Aは前述の圧力補正設定手段23に若干の機能を追加した圧力補正設定手段であり、この圧力補正設定手段23A中に内蔵されている不感帯要素32の出力段から不感帯要素出力信号e32を取り出し、後述する更新許可設定手段41に入力するように構成されている。そしてこの更新許可設定手段41から更新許可信号e41が出力されると、上書き手段42が主蒸気圧力設定関数に前述した補正後主蒸気圧力設定値ε24を上書きするように機能する。この上書きの機能は周知であるので詳しく述べないが、主蒸気圧力設定関数値と、上書きされる補正後主蒸気圧力設定値と、上書きするタイミング(更新許可信号が生じたタイミング)との3つの要素に基づいて上書きを行うことができる。
【0035】
次に、図5を参照して圧力補正設定手段23Aについて説明する。図5(a)は圧力補正設定手段23Aの詳細構成図であり、(b)はその特性図である。図5(a)において、圧力補正設定手段23Aは前述した図3の不感帯要素32の出力段から出力信号e32を取り出すように構成するとともに、アンドゲート31の出力段に第2のアンドゲート43を設け、この第2のアンドゲート43により前記アンドゲート31の出力と、更新許可信号e41の反転信号e44とのアンド条件が成立したとき、バンプレストランスファ手段35に補正指令信号が入力されるように構成されている。
【0036】
したがって、更新許可信号e41がオンのときは、この圧力補正設定手段23Aから主蒸気圧力補正値e23Aは出力されず、更新許可信号e41がオフのときに主蒸気圧力補正値e23Aが出力されるようになっている。なお、44は更新許可信号e41の極性を反転するノット回路である。
【0037】
次に、図5(b)を参照して特性図を説明する。図5(b)において、各信号につけた符号e41、e31、e43、e34、0およびe23Aはそれぞれ図5(a)中の符号に対応させてある。この図からもわかるように、手動補正指令信号e29および整定状態検知器30の出力e30が共にオンになったとき、更新許可信号e41のオフを条件に、補正指令信号e43がオンになり、それ以前ゼロ値(0)であった主蒸気圧力補正値e23Aは、ゼロ値(0)から圧力補正信号e34に漸近して一致する特性となって出力される。減算器24は主蒸気圧力設定値e14から主蒸気圧力補正値e23Aを減算して補正後主蒸気圧力設定値e24を生成する。補正後主蒸気圧力設定値e24は減算器16で実蒸気圧力d15と突き合わされ、偏差ε16となって燃料および給水制御器3に入力される。
【0038】
その後、更新許可信号e41がオンになると、ノット回路44によって第2アンドゲート回路の一方のゲート入力が「0」となり、補正指令信号e43も「0」となる。この結果、バンプレストランスファ手段35は圧力補正信号e34から所定の変化率でゼロ値(0)に漸近するように変化し、その後ゼロ値(0)になる。その後再び更新許可信号e41がオフになると、再び補正指令信号e43がオンとなり、バンプレストランスファ手段35はゼロ値(0)から所定の変化率で圧力補正信号e34に漸近しその後一致するように変化する。
【0039】
次に、図6を参照して更新許可設定手段41について説明する。図6(a)は更新許可設定手段41の詳細構成図、(b)はその特性図である。
まず図6(a)を参照して更新許可設定手段41の詳細構成を説明する。更新許可設定手段41は、自動更新指令e51と手動更新指令手段54の手動更新指令e54とを自動更新要求手段45の自動更新要求e45に基づいて切替えるように構成したもので、比較器51は不感帯要素32の出力信号e32とゼロ値設定器52のゼロ値(0)と不感帯の出力信号e32とを比較し両者がほぼ等しい場合、言い換えれば不感帯要素の出力信号e32がほぼゼロの場合、自動更新指令e51が信号切替器53に入力される。この信号切替器53は自動更新要求e45がオンの場合、自動更新指令e51を出力し、オフの場合手動更新指令e54を出力するように構成されている。
【0040】
次に、図6(b)を参照して特性図を説明する。図6(b)において、各信号につけた符号e45、e32、e51、e54およびe41はそれぞれ図6(a)中の符号に対応させてある。
【0041】
図6(b)において、自動更新要求e45がオフのとき、信号切替器53は手動更新指令e54を出力するので、手動更新指令e54がオン、オフすれば、その更新指令に応じて更新許可指令e41が出力される。そして、自動更新要求e45がオンに転じた後、不感帯要素出力信号e32がゼロ値(0)になると、その時点から自動更新指令e51が更新許可指令e41として出力される。
【0042】
次に、第2の実施の形態の作用について説明する。
図6(a)において、中操等からボイラ制御装置に対して自動更新要求e45が出力される以前は、切替手段53は手動更新指令e54を選択し、更新許可指令e41として出力する。このとき、図5(a)の圧力補正設定手段23Aにおいて、第2のアンドゲート43は手動更新指令e54に基づく更新許可信号e41によってオン、オフする。更新許可信号e41がオフの場合、手動補正指令信号e29が出され、かつ発電機出力が整定状態(定格値で変化がない状態)の条件が整うと、第2のアンドゲート43がオンとなるので、バンプレストランスファ手段35は積分された圧力補正信号e34を主蒸気圧力補正値23Aとして出力する。
【0043】
その後、中操等からボイラ制御装置に対して自動更新要求e45が出力され、更新許可信号e41が生じたときに、不感帯要素32の出力e32がほぼゼロすなわち弁開度偏差がほぼゼロであれば、比較器51の自動更新指令e51が信号切替器53を通して更新許可指令e41「1」となって出力される。この更新許可指令e41は図5(a)において、ノット回路44で極性を反転されて「0」の信号e44となって第2のアンドゲート43に入力される。
【0044】
したがって、自動更新要求e45が出力されると、第2のアンドゲート43から出力される補正指令信号e43は「0」となり、バンプレストランスファ手段35は予め任意に定めた変化率で圧力補正信号e34からゼロ値設定器36によるゼロ値(0)に漸近し最終的にゼロ値(0)となるような主蒸気圧力補正値23Aを出力する。
【0045】
一方、図4において、自動更新要求e45に基づいて更新許可設定手段41から更新許可指令e41が出力されると、上書き手段42が動作することによって補正後主蒸気圧力設定値e24を前記主蒸気圧力設定関数器14の設定値e14に上書きする。
【0046】
そして、上書きの完了後自動更新要求e45をオフにすると、前記信号切替器53は自動更新指令e51から再び手動更新指令e54側に切換るが、手動更新信号がない(「0」)場合、主蒸気圧力設定値の更新は行なわれず、主蒸気圧力補正値e23による主蒸気圧力の補正のみ行なわれる。
【0047】
図5(a)において、弁開度偏差e22は不感帯要素32に入力され、制限値を越えた分のみ比例定数回路33でK倍された後、積分回路34で積分され圧力補正信号e34となってバンプレストランスファ手段35に入力される。
【0048】
バンプレストランスファ手段35は、手動補正指令信号e29および整定状態検知器信号e30が共に出力されている状態で、更新許可信号e41が出力されなければ、圧力補正信号e34を主蒸気圧力補正値e23Aとして出力して減算部24における主蒸気圧力の補正を行わせるが、更新許可信号e41が出力されている場合、主蒸気圧力補正値e23Aはゼロを出力する。すなわち、更新許可信号e41が出力されて主蒸気圧力設定関数の更新が行なわれているとき、減算部24における主蒸気圧力の補正を中止させる。
【0049】
そして、第1の実施の形態の場合と同様、減算部24から出力される補正後主蒸気圧力設定値e24と実主蒸気圧力d15との偏差ε16に基づいて燃料給水制御器3の燃料制御弁3−1、給水制御弁3−2を制御する。
【0050】
以上述べたように、本実施の形態によれば、圧力補正設定手段23Aから更新許可設定手段41に入力されている不感帯出力e32はゼロであれば自動更新指令が出力されるようにするとともに、自動更新指令が出力されれば、補正後主蒸気圧力設定値を主蒸気圧力設定関数に上書きすることで、自動的に主蒸気圧力設定値を補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつプラントの運転効率を改善することが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば,プラント運転中に自動的に主蒸気圧力設定値を補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつプラントの運転効率を改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるボイラ制御装置を示す構成図。
【図2】(a)は弁開度設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図3】(a)は圧力補正設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わるボイラ制御装置を示す構成図。
【図5】(a)は圧力補正設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図6】(a)は更新許可設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図7】従来のボイラ制御装置の一例を示す構成図。
【符号の説明】
1…ボイラ制御装置、2…ボイラ、3…燃料および給水制御器、4…主蒸気配管、5…蒸気加減弁、6…蒸気タービン、7…復水器、8…給水配管、9…発電機、10…入力変成器、11…発電機出力検出器、12…発電機出力設定器、13…減算器、14…弁開度設定関数器、15…主蒸気圧力検出器、16…減算器、20…弁開度検出器、21…弁開度設定手段、23…圧力補正設定手段、24…減算器、25…弁開度設定関数器、26…手動弁開度設定器27…自動弁開度要求、28…バンプレストランスファ手段、29…手動補正指令信号、30…整定状態検知器、31…アンドゲート、32…不感帯要素、33…比例係数器、34…積分器、35…バンプレストランスファ手段、36…ゼロ値設定器、41…更新許可設定手段、42…上書き手段、43…アンドゲート、44…ノット回路、45…自動更新要求手段、51…比較器、52…ゼロ値設定器、53…信号切替器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、主蒸気圧力をもとに燃料供給量および給水流量を調整するようにしたボイラ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電プラントにおいて、発電機出力は蒸気タービン入口の主蒸気圧力と蒸気加減弁開度によってほぼ決定されるといってよい。ところで、定圧ボイラを備えた火力発電プラントでは主蒸気圧力を一定にし、蒸気タービン加減弁を調整して発電機出力を制御するのに対し、変圧貫流ボイラを備えた火力発電プラントでは蒸気加減弁を全開にし、蒸気タービン入口の主蒸気圧力を発電機出力設定値とともに変えることで発電機出力を制御するようにしている。
【0003】
この結果、変圧貫流ボイラを備えた火力発電プラントでは、主蒸気圧力を発電機出力設定に応じて生成された主蒸気圧力設定値に追従するように制御することにより、発電機出力を要求通りに変えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図7は、従来の変圧貫流ボイラを備えた火力発電プラントにおけるボイラ制御装置のシステム構成図を示す。図7中、全体符号1はボイラ制御装置を表しており、2はボイラ(火炉を含む)である。このボイラ2には燃料および給水制御器3の燃料調節弁3−1、給水調節弁3−2によってそれぞれ制御された燃料および給水が供給されるようになっている。
【0005】
ボイラ2で発生した主蒸気は主蒸気配管4、蒸気加減弁5を介して蒸気タービン6に供給されて膨張仕事をしたのち、復水器7によって復水し、給水配管8を通って再びボイラに戻るように構成されている。なお、復水ポンプ、給水ポンプは図示を省略してある。
【0006】
発電機9は蒸気タービン6によって駆動され、この発電機9の出力は入力変成器10を介して発電機出力検出器11により検出される。ここで、発電機9の出力をd11と表す。12はこの発電機9の出力d11を設定するための設定器(以下、発電機出力設定器という)であり、その設定値e12と発電機出力d11とは減算器13において比較演算され、偏差信号ε13が出力される。この偏差信号ε13によって前記蒸気加減弁5の弁開度が制御されるようになっている。なお、ここで、アルファベットdおよびεはそれぞれ検出値および偏差信号を、またeは設定値等検出値、偏差信号以外の信号を意味し、以降の説明でも同様に用いる。
【0007】
一方、前記発電機出力設定器12の発電機出力設定値e12は、主蒸気圧力設定関数器14に入力され、ここで入力値に対応した主蒸気圧力設定値e14を生成し出力する。15は前記主蒸気配管4に設けられ、蒸気タービンに供給される主蒸気の圧力を検出する主蒸気圧力検出器である。16は前記主蒸気圧力設定値e14と主蒸気圧力検出器15の検出出力(以下、この実主蒸気圧力という)d15との偏差信号ε16を求めて出力する減算部である。この偏差信号ε16に基づいて前記燃料調節弁3−1、給水調節弁3−2の弁開度が制御され、適切な圧力の主蒸気がボイラ2で生成される。
【0008】
しかるに、このように構成された変圧貫流ボイラの制御装置の場合、各負荷帯における主蒸気圧力設定値e14は予め仮設定されているが、最終的には調整試験によって試行錯誤的に決定しているのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−111003号公報(図3、第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、変圧貫流ボイラは主に蒸気タービン入口の主蒸気圧力を発電機出力設定値とともに変えることで発電機出力を制御しているが、発電機出力設定と発電機出力との偏差を迅速に抑制したり、発電機出力が落ち着いた後の残留偏差を補正する制御は蒸気加減弁を動作させることにより行っている。
【0011】
したがって、発電機出力に見合った最適な主蒸気圧力設定値にチューニングをする必要があるが、もしチューニングが適切でない場合、例えば発電機出力に対して主蒸気圧力設定値が高すぎた場合、蒸気加減弁開度を絞りすぎた位置でバランスし発電効率が低くなってしまい、逆に発電機出力に対して主蒸気圧力設定値が高すぎた場合、蒸気加減弁開度を開き過ぎた位置でバランスし、やはり発電効率が低くなってしまう。この結果、主蒸気圧力設定値の調整試験には手間がかかり、かつ計算通りの損失が最も少ない弁開度へ蒸気加減弁を操作するのは困難であった。
【0012】
本発明は、プラント運転中に主蒸気圧力設定値を自動補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつプラントの運転効率を改善することのできるボイラ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係わるボイラ制御装置の発明は、発電機の出力を設定し、発電機出力設定値として出力する発電機出力設定器と、この発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力設定値を出力する主蒸気圧力設定関数器と、前記発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した蒸気加減弁開度信号を出力する弁開度設定手段と、蒸気タービン入口の蒸気加減弁の弁開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器と、前記蒸気加減弁開度信号と実弁開度信号との偏差を求めて弁開度偏差信号として出力する減算部と、この弁開度偏差信号を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力補正値を出力する圧力補正設定手段と、前記主蒸気圧力設定値と主蒸気圧力補正値との偏差を求めて補正後主蒸気圧力設定値として出力する減算部と、蒸気タービンに供給される実主蒸気圧力を検出して出力する実主蒸気圧力検出器と、前記補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値との偏差を求める減算部と、この補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値信号との偏差信号を入力してボイラの燃料、給水を制御する燃料および給水制御器とからなることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に係るボイラ制御装置の発明は、発電機の出力を設定し、発電機出力設定値として出力する発電機出力設定器と、この発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力設定値を出力する主蒸気圧力設定関数器と、前記発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した蒸気加減弁開度信号を出力する弁開度設定手段と、蒸気タービン入口の蒸気加減弁の弁実開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器と、前記蒸気加減弁開度信号と実弁開度信号との偏差を求めて弁開度偏差信号として出力する減算部と、この弁開度偏差信号を不感帯要素に入力し、この不感帯要素の出力信号に対応した主蒸気圧力補正値を生成して出力するとともに、前記不感帯要素の出力信号を取り出すように構成した圧力補正設定手段と、前記主蒸気圧力設定値と主蒸気圧力補正値との偏差を求めて補正後主蒸気圧力設定値を出力する減算部と、蒸気タービンに供給される実主蒸気圧力を検出して出力する実主蒸気圧力検出器と、前記補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値との偏差を求める減算部と、この補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値信号との偏差信号を入力してボイラの燃料、給水を制御する燃料および給水制御器と、からなるボイラ制御装置において、前記圧力補正設定手段から出力された不感帯要素の出力信号を入力し、自動更新要求が存在する状態で当該不感帯要素の出力信号が予め定めた大きさ以下のとき自動更新指令を更新許可信号として出力し、自動更新要求が存在しない状態のとき、手動更新指令を更新許可信号としてを出力する更新許可設定手段と、この更新許可信号を受けて、補正後主蒸気圧力設定値を前記主蒸気圧力設定関数に上書きする上書き手段と、を設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を説明する。なお、各図を通して共通する要素には同一符号をつけて重複した説明は省くことにする。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係わるボイラ制御装置の第1の実施の形態を示す構成図である。図1において、本実施の形態は図7に示す従来のボイラ制御装置に対して、次の制御系を新たに設けるようにしたものである。
【0017】
すなわち、前記蒸気加減弁5の弁開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器20と、前記発電機出力設定値e12を入力してこれに対応した弁開度設定値e21を生成して出力する弁開度設定手段21と、この弁開度設定値e21と前記実弁開度信号d20とを入力して弁開度偏差ε22を出力する減算器22と、この弁開度偏差ε22を入力してこれに対応する主蒸気圧力補正値e23を生成し出力する圧力補正設定手段23と、前記主蒸気圧力設定値e14から主蒸気圧力補正値e23を減算して補正主蒸気圧力設定値ε24を出力する減算器24とからなる制御系を新たに設けるようにしたものである。
【0018】
図2(a)、(b)はそれぞれ前記弁開度設定手段21の詳細構成図および特性図である。まず、図2(a)を参照して構成から説明する。図2(a)において、25は前記発電機出力設定器12の発電機出力設定値e12を入力してこの入力量に対応した自動弁開度信号e25を出力する弁開度設定関数器である。26はオペレータからの操作に基づいて、手動弁開度信号e26を出力する手動弁開度設定器である。また、27はオペレータからの指令を受けて自動開度要求信号e27を出力する自動弁開度要求手段であり、自動弁開度要求がある場合はオン(論理値「1」)を、ない場合はオフ(論理値「0」)を出力する。
【0019】
そして、28はバンプレストランスファ手段であって、前記自動弁開度要求e27がオン状態になると、前記手動弁開度信号e26から前記自動弁開度信号e25に切替えて出力し、逆に自動弁開度要求e27がオフになると、前記自動弁開度信号e25から前記手動弁開度信号e26に切替えて出力する。なお、この切替の過程において、出力信号が急峻に切替わらずに予め定めた変化率すなわちバンプレスに切替わるように動作する。例えば、発電機出力設定値e12に対応した自動弁開度信号e25がこのバンプレストランスファ手段28に入力されている状態で、自動弁開度要求e27をオンにすると、手動弁開度信号e26から任意に定めた変化率で自動弁開度信号e25に漸近し、その後自動弁開度信号e25に一致するような特性の弁開度設定値e21を生じ、逆に、自動弁開度要求e27をオフにすると、自動弁開度信号e25から任意に定めた変化率で手動弁開度信号e26に漸近し、その後手動弁開度信号e26に一致するような特性の弁開度設定値e21を出力する。
【0020】
図2(b)において、各信号につけた符号e27、e25、e26およびe21はそれぞれ図2(a)中の符号に対応させてある。この図からもわかるように、自動弁開度要求e27がオフの場合、バンプレストランスファ手段28は手動弁開度信号e26を出力する。
【0021】
バンプレストランスファ手段28は自動弁開度要求e27がオンに転じると、予め定めた一定の変化率で自動弁開度信号e25に漸近し、その後一致した波形となって出力される。
【0022】
なお、ここでは蒸気加減弁5の開度設定が発電機出力設定に応じて生成されているが、これは基本的な例を示しただけであり、この他にさまざまな弁開度設定方法が考えられることは勿論である。
【0023】
図3(a)は前記圧力補正設定手段23の詳細構成図であり、(b)はその特性図である。
まず図3(a)を参照して構成から説明する。図3(a)において、29は中央操作室(中操)等からの操作に基づいてオンまたはオフする手動補正指令信号e29を出力する手動補正指令手段であり、また30は前記発力検出器11で検出した電力の変化量が任意の時間内で任意の設定値以下であれば出力信号e30(論理値「1」)を出力するように機能する整定状態検知器である。31はアンドゲート回路であり、前記手動補正指令信号e29がオンで、かつ発電機9の出力が安定していて変化していないとき、すなわち整定状態検知器30の出力e30が「1」のとき、補正指令信号e31(論理値「1」)を出力する。
【0024】
一方、前記減算器22から出力された弁開度偏差e22は、予め設定した制限値未満の微小な変化量を不感帯要素32でカットした上で比例定数回路33に入力されてK倍され、更に積分要素34に入力されて積分されて圧力補正信号e34となってバンプレストランスファ手段35に入力される。このバンプレストランスファ手段35は前記バンプレストランスファ手段28と同様の構成、機能を備えており、前記アンドゲート31の出力e31が「1」になると、言い換えると、補正指令信号e31が「1」になると、ゼロ値設定器36のゼロ出力(0)から予め定めた任意の変化率で圧力補正信号e34に漸近し、その後圧力補正信号e34に一致した主蒸気圧力補正値e23を出力し、逆に補正指令信号e31を「0」にすると、圧力補正信号e34から予め定めた任意の変化率でゼロ値設定器36のゼロに漸近しその後ゼロに一致した主蒸気圧力補正値e23を出力する。
このようにオン、オフの補正指令信号をバンプレストランスファ手段35に入力することによって主蒸気圧力補正を実施するか否かを選択することができる。
【0025】
図3(b)において、各信号につけた符号e29、e34、0およびe23は、図3(a)中の符号に対応させてある。バンプレストランスファ手段35は、手動補正指令信号e29がオフのときは、積分器34から圧力補正信号e34が生じていてもゼロ値設定器36の出力0を選択して出力する。手動補正指令信号e29がオンに転じると、予め定められた変化率で圧力補正信号e34に漸近して一致する。手動補正指令信号e29が再びオフに転じると、予め定められた変化率でゼロ値(0)に漸近して一致する。
【0026】
なお、この第1の実施の形態では、整定状態検知器30に発電機出力e12を入力するように構成したが、これは基本的な例を示しただけで、他に主蒸気圧力を使用するなど、さまざまな整定状態検知方法が考えられることは勿論である。
【0027】
次に、この第1の実施の形態の作用について説明する。
発電プラントの調整試験期間中、発電機出力の各負荷帯における主蒸気圧力設定値e14は予め仮設定しておき、この仮設定の主蒸気圧力設定値e14に基づいてボイラの燃料給水制御装置3を運転する。
【0028】
図2(a)において、発電機出力設定値e12に対応した自動弁開度信号e25がバンプレストランスファ手段28に入力されている状態で、自動弁開度要求e27がオンになると、バンプレストランスファ手段28から出力される弁開度設定値e21は、手動弁開度信号e26から任意に定めた変化率で自動弁開度信号e25に漸近した後、自動弁開度信号e25に一致する出力を生じる。
【0029】
そしてこの弁開度設定値e21は図1の減算部22において実弁開度d20により減算され、弁開度偏差ε22となって圧力補正設定手段23に入力される。図3(a)の圧力補正設定手段23において、弁開度偏差ε22は不感帯要素32に設定した制限値を越えた分についてのみ不感帯要素32から出力される。そしてその出力は、比例係数器33でK倍されたのち積分回路34で積分され、圧力補正信号e34となってバンプレストランスファ手段35に入力される。
【0030】
前記整定状態検知器30が「1」を出力している状態で、手動補正指令e29をオンにすることにより、補正指令信号e31がバンプレストランスファ手段35に入力される。これにより、バンプレストランスファ手段35から出力される主蒸気圧力補正値e23は、ゼロ値(0)から予め定めた任意の変化率で圧力補正値e34に漸近した後圧力補正値e34と一致する。この主蒸気圧力補正値e23は減算部24において、主蒸気圧力設定関数器14の出力である主蒸気圧力設定値e14から減算して偏差、つまり補正後主蒸気圧力設定値ε24を出力する。そしてこの補正後主蒸気圧力設定値ε24は、後段に設けられた減算部16で実主蒸気圧力d15によって減算され、その偏差ε16に基づいて燃料および給水制御器3の燃料制御弁3−1および給水制御弁3−2を制御し、ボイラ2から発生する主蒸気量を制御する。
【0031】
以上述べたように、この第1の実施の形態によれば、弁開度設定手段21を導入することで、発電機出力設定値e12に見合ったボイラ制御装置の運転効率に最適な蒸気加減弁開度を設定し、かつ圧力補正設定手段23を導入することで主蒸気圧力設定値e14から主蒸気圧力補正値e23を減算し、弁開度偏差ε22が減少するように主蒸気圧力を自動的に補正することができる。
【0032】
この結果、発電プラントの調整試験期間中において、自動的に主蒸気圧力設定値を補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつ発電プラントの運転効率を改善することが可能である。
【0033】
(第2の実施の形態)
図4は本発明に係わるボイラ制御装置の第2の実施の形態を示す構成図である。本実施の形態と第1の実施の形態との主な相違点は、本実施の形態が第1の実施の形態に対して、新たに更新許可設定手段および主蒸気圧力設定関数上書き手段を追加した点および前述した圧力補正設定手段に若干の機能を追加した点にあり、その他についての構成および機能は第1の実施の形態の場合と同じなので説明を省略する。
【0034】
図4において、23Aは前述の圧力補正設定手段23に若干の機能を追加した圧力補正設定手段であり、この圧力補正設定手段23A中に内蔵されている不感帯要素32の出力段から不感帯要素出力信号e32を取り出し、後述する更新許可設定手段41に入力するように構成されている。そしてこの更新許可設定手段41から更新許可信号e41が出力されると、上書き手段42が主蒸気圧力設定関数に前述した補正後主蒸気圧力設定値ε24を上書きするように機能する。この上書きの機能は周知であるので詳しく述べないが、主蒸気圧力設定関数値と、上書きされる補正後主蒸気圧力設定値と、上書きするタイミング(更新許可信号が生じたタイミング)との3つの要素に基づいて上書きを行うことができる。
【0035】
次に、図5を参照して圧力補正設定手段23Aについて説明する。図5(a)は圧力補正設定手段23Aの詳細構成図であり、(b)はその特性図である。図5(a)において、圧力補正設定手段23Aは前述した図3の不感帯要素32の出力段から出力信号e32を取り出すように構成するとともに、アンドゲート31の出力段に第2のアンドゲート43を設け、この第2のアンドゲート43により前記アンドゲート31の出力と、更新許可信号e41の反転信号e44とのアンド条件が成立したとき、バンプレストランスファ手段35に補正指令信号が入力されるように構成されている。
【0036】
したがって、更新許可信号e41がオンのときは、この圧力補正設定手段23Aから主蒸気圧力補正値e23Aは出力されず、更新許可信号e41がオフのときに主蒸気圧力補正値e23Aが出力されるようになっている。なお、44は更新許可信号e41の極性を反転するノット回路である。
【0037】
次に、図5(b)を参照して特性図を説明する。図5(b)において、各信号につけた符号e41、e31、e43、e34、0およびe23Aはそれぞれ図5(a)中の符号に対応させてある。この図からもわかるように、手動補正指令信号e29および整定状態検知器30の出力e30が共にオンになったとき、更新許可信号e41のオフを条件に、補正指令信号e43がオンになり、それ以前ゼロ値(0)であった主蒸気圧力補正値e23Aは、ゼロ値(0)から圧力補正信号e34に漸近して一致する特性となって出力される。減算器24は主蒸気圧力設定値e14から主蒸気圧力補正値e23Aを減算して補正後主蒸気圧力設定値e24を生成する。補正後主蒸気圧力設定値e24は減算器16で実蒸気圧力d15と突き合わされ、偏差ε16となって燃料および給水制御器3に入力される。
【0038】
その後、更新許可信号e41がオンになると、ノット回路44によって第2アンドゲート回路の一方のゲート入力が「0」となり、補正指令信号e43も「0」となる。この結果、バンプレストランスファ手段35は圧力補正信号e34から所定の変化率でゼロ値(0)に漸近するように変化し、その後ゼロ値(0)になる。その後再び更新許可信号e41がオフになると、再び補正指令信号e43がオンとなり、バンプレストランスファ手段35はゼロ値(0)から所定の変化率で圧力補正信号e34に漸近しその後一致するように変化する。
【0039】
次に、図6を参照して更新許可設定手段41について説明する。図6(a)は更新許可設定手段41の詳細構成図、(b)はその特性図である。
まず図6(a)を参照して更新許可設定手段41の詳細構成を説明する。更新許可設定手段41は、自動更新指令e51と手動更新指令手段54の手動更新指令e54とを自動更新要求手段45の自動更新要求e45に基づいて切替えるように構成したもので、比較器51は不感帯要素32の出力信号e32とゼロ値設定器52のゼロ値(0)と不感帯の出力信号e32とを比較し両者がほぼ等しい場合、言い換えれば不感帯要素の出力信号e32がほぼゼロの場合、自動更新指令e51が信号切替器53に入力される。この信号切替器53は自動更新要求e45がオンの場合、自動更新指令e51を出力し、オフの場合手動更新指令e54を出力するように構成されている。
【0040】
次に、図6(b)を参照して特性図を説明する。図6(b)において、各信号につけた符号e45、e32、e51、e54およびe41はそれぞれ図6(a)中の符号に対応させてある。
【0041】
図6(b)において、自動更新要求e45がオフのとき、信号切替器53は手動更新指令e54を出力するので、手動更新指令e54がオン、オフすれば、その更新指令に応じて更新許可指令e41が出力される。そして、自動更新要求e45がオンに転じた後、不感帯要素出力信号e32がゼロ値(0)になると、その時点から自動更新指令e51が更新許可指令e41として出力される。
【0042】
次に、第2の実施の形態の作用について説明する。
図6(a)において、中操等からボイラ制御装置に対して自動更新要求e45が出力される以前は、切替手段53は手動更新指令e54を選択し、更新許可指令e41として出力する。このとき、図5(a)の圧力補正設定手段23Aにおいて、第2のアンドゲート43は手動更新指令e54に基づく更新許可信号e41によってオン、オフする。更新許可信号e41がオフの場合、手動補正指令信号e29が出され、かつ発電機出力が整定状態(定格値で変化がない状態)の条件が整うと、第2のアンドゲート43がオンとなるので、バンプレストランスファ手段35は積分された圧力補正信号e34を主蒸気圧力補正値23Aとして出力する。
【0043】
その後、中操等からボイラ制御装置に対して自動更新要求e45が出力され、更新許可信号e41が生じたときに、不感帯要素32の出力e32がほぼゼロすなわち弁開度偏差がほぼゼロであれば、比較器51の自動更新指令e51が信号切替器53を通して更新許可指令e41「1」となって出力される。この更新許可指令e41は図5(a)において、ノット回路44で極性を反転されて「0」の信号e44となって第2のアンドゲート43に入力される。
【0044】
したがって、自動更新要求e45が出力されると、第2のアンドゲート43から出力される補正指令信号e43は「0」となり、バンプレストランスファ手段35は予め任意に定めた変化率で圧力補正信号e34からゼロ値設定器36によるゼロ値(0)に漸近し最終的にゼロ値(0)となるような主蒸気圧力補正値23Aを出力する。
【0045】
一方、図4において、自動更新要求e45に基づいて更新許可設定手段41から更新許可指令e41が出力されると、上書き手段42が動作することによって補正後主蒸気圧力設定値e24を前記主蒸気圧力設定関数器14の設定値e14に上書きする。
【0046】
そして、上書きの完了後自動更新要求e45をオフにすると、前記信号切替器53は自動更新指令e51から再び手動更新指令e54側に切換るが、手動更新信号がない(「0」)場合、主蒸気圧力設定値の更新は行なわれず、主蒸気圧力補正値e23による主蒸気圧力の補正のみ行なわれる。
【0047】
図5(a)において、弁開度偏差e22は不感帯要素32に入力され、制限値を越えた分のみ比例定数回路33でK倍された後、積分回路34で積分され圧力補正信号e34となってバンプレストランスファ手段35に入力される。
【0048】
バンプレストランスファ手段35は、手動補正指令信号e29および整定状態検知器信号e30が共に出力されている状態で、更新許可信号e41が出力されなければ、圧力補正信号e34を主蒸気圧力補正値e23Aとして出力して減算部24における主蒸気圧力の補正を行わせるが、更新許可信号e41が出力されている場合、主蒸気圧力補正値e23Aはゼロを出力する。すなわち、更新許可信号e41が出力されて主蒸気圧力設定関数の更新が行なわれているとき、減算部24における主蒸気圧力の補正を中止させる。
【0049】
そして、第1の実施の形態の場合と同様、減算部24から出力される補正後主蒸気圧力設定値e24と実主蒸気圧力d15との偏差ε16に基づいて燃料給水制御器3の燃料制御弁3−1、給水制御弁3−2を制御する。
【0050】
以上述べたように、本実施の形態によれば、圧力補正設定手段23Aから更新許可設定手段41に入力されている不感帯出力e32はゼロであれば自動更新指令が出力されるようにするとともに、自動更新指令が出力されれば、補正後主蒸気圧力設定値を主蒸気圧力設定関数に上書きすることで、自動的に主蒸気圧力設定値を補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつプラントの運転効率を改善することが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば,プラント運転中に自動的に主蒸気圧力設定値を補正し、蒸気加減弁の弁開度を動的に調整することによって調整試験期間を短縮し、かつプラントの運転効率を改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるボイラ制御装置を示す構成図。
【図2】(a)は弁開度設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図3】(a)は圧力補正設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わるボイラ制御装置を示す構成図。
【図5】(a)は圧力補正設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図6】(a)は更新許可設定手段の詳細構成図、(b)はその特性図。
【図7】従来のボイラ制御装置の一例を示す構成図。
【符号の説明】
1…ボイラ制御装置、2…ボイラ、3…燃料および給水制御器、4…主蒸気配管、5…蒸気加減弁、6…蒸気タービン、7…復水器、8…給水配管、9…発電機、10…入力変成器、11…発電機出力検出器、12…発電機出力設定器、13…減算器、14…弁開度設定関数器、15…主蒸気圧力検出器、16…減算器、20…弁開度検出器、21…弁開度設定手段、23…圧力補正設定手段、24…減算器、25…弁開度設定関数器、26…手動弁開度設定器27…自動弁開度要求、28…バンプレストランスファ手段、29…手動補正指令信号、30…整定状態検知器、31…アンドゲート、32…不感帯要素、33…比例係数器、34…積分器、35…バンプレストランスファ手段、36…ゼロ値設定器、41…更新許可設定手段、42…上書き手段、43…アンドゲート、44…ノット回路、45…自動更新要求手段、51…比較器、52…ゼロ値設定器、53…信号切替器。
Claims (7)
- 発電機の出力を設定し、発電機出力設定値として出力する発電機出力設定器と、
この発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力設定値を出力する主蒸気圧力設定関数器と、
前記発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した蒸気加減弁開度信号を出力する弁開度設定手段と、
蒸気タービン入口の蒸気加減弁の弁開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器と、
前記蒸気加減弁開度信号と実弁開度信号との偏差を求めて弁開度偏差信号として出力する減算部と、
この弁開度偏差信号を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力補正値を出力する圧力補正設定手段と、
前記主蒸気圧力設定値と主蒸気圧力補正値との偏差を求めて補正後主蒸気圧力設定値として出力する減算部と、
蒸気タービンに供給される実主蒸気圧力を検出して出力する実主蒸気圧力検出器と、
前記補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値との偏差を求める減算部と、
この補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値信号との偏差信号を入力してボイラの燃料、給水を制御する燃料および給水制御器と、
からなるボイラ制御装置。 - 前記弁開度設定手段には、自動弁開度要求信号のオンまたはオフに応じて弁開度設定値を自動生成または手動生成に切替える手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のボイラ制御装置。
- 前記圧力補正設定手段には、発電機出力が整定状態に達したと判断したとき、主蒸気圧力補正を自動的に始める手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のボイラ制御装置。
- 発電機の出力を設定し、発電機出力設定値として出力する発電機出力設定器と、
この発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した主蒸気圧力設定値を出力する主蒸気圧力設定関数器と、
前記発電機出力設定値を入力し、この入力量に対応した蒸気加減弁開度信号を出力する弁開度設定手段と、
蒸気タービン入口の蒸気加減弁の弁実開度を検出して実弁開度信号として出力する弁開度検出器と、
前記蒸気加減弁開度信号と実弁開度信号との偏差を求めて弁開度偏差信号として出力する減算部と、
この弁開度偏差信号を不感帯要素に入力し、この不感帯要素の出力信号に対応した主蒸気圧力補正値を生成して出力するとともに、前記不感帯要素の出力信号を取り出すように構成した圧力補正設定手段と、
前記主蒸気圧力設定値と主蒸気圧力補正値との偏差を求めて補正後主蒸気圧力設定値を出力する減算部と、
蒸気タービンに供給される実主蒸気圧力を検出して出力する実主蒸気圧力検出器と、
前記補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値との偏差を求める減算部と、
この補正後主蒸気圧力設定値と実主蒸気圧力値信号との偏差信号を入力してボイラの燃料、給水を制御する燃料および給水制御器と、
からなるボイラ制御装置において、
前記圧力補正設定手段から出力された不感帯要素の出力信号を入力し、自動更新要求が存在する状態で当該不感帯要素の出力信号が予め定めた大きさ以下のとき自動更新指令を更新許可信号として出力し、自動更新要求が存在しない状態のとき、手動更新指令を更新許可信号としてを出力する更新許可設定手段41と、
この更新許可信号を受けて、補正後主蒸気圧力設定値を前記主蒸気圧力設定関数に上書きする上書き手段と、
を設けたことを特徴とするボイラ制御装置。 - 前記更新許可設定手段には、弁開度設定値と弁実開度信号との偏差が不感帯内に入ったときに自動更新指令をオンさせる手段を備えたことを特徴とする請求項4記載のボイラ制御装置。
- 前記更新許可設定手段には、自動更新要求をオンまたはオフさせることによって更新許可指令を自動生成または手動生成に切替える手段を備えたことを特徴とする請求項4記載のボイラ制御装置。
- 前記圧力補正設定手段には、主蒸気圧力設定関数の更新が行なわれているとき、主蒸気圧力補正を中止する手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の発電プラント制御装置。
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JP2003109736A JP2004316998A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | ボイラ制御装置 |
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JP2003109736A Withdrawn JP2004316998A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | ボイラ制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009300038A (ja) * | 2008-06-16 | 2009-12-24 | Babcock Hitachi Kk | ボイラ制御装置ならびにボイラ制御方法 |
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CN114922701A (zh) * | 2022-05-25 | 2022-08-19 | 哈尔滨汽轮机厂有限责任公司 | 三炉两机母管制生物质电厂汽轮机压力和功率控制*** |
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2003
- 2003-04-15 JP JP2003109736A patent/JP2004316998A/ja not_active Withdrawn
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