JP2004316320A - 既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法 - Google Patents

既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工性が良好で、施工者の施工熟練度に拘わらず高品質の補強効果が得られ、しかも、周辺環境の変化に対しても充分な補強効果を確保することが可能な既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法を提供する。
【解決手段】既設のコンクリート構造物の躯体1に対して、敷設後に形成された穿孔1aの周辺部1bを補強する工法であって、穿孔1aを少なくとも内包する開口10aを有し、少なくとも繊維の交差方向が板厚方向中央断面に対して対称となるように積層された繊維層を有する繊維強化プラスチック成形板10を用い、開口10aを穿孔1aに合わせて、繊維強化プラスチック成形板10を接着剤を介して周辺部1bに貼り付ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設のコンクリート構造物に対して、敷設後に形成された穿孔の周辺部を補強する補強工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既設のコンクリート構造物に対して、使用状況の変更や付属設備の増設等の理由で、構造物の躯体(壁等)に貫通孔を形成する場合がある。壁等の躯体を敷設後に穿孔すると、孔の周辺部にはせん断力等による局部的な応力集中や断面欠損による躯体耐力の低下が起こるので、これがひび割れの発生原因になる。躯体にひび割れが生じると、それが非構造壁であったとしても、躯体が担保している防火機能,防水機能,防音機能等の機能が損なわれることになるので、ひび割れが発生しないように孔の周辺部を補強することが必要になる。
【0003】
このような穿孔周辺部の補強としては、従来より、穿孔周辺部の躯体表面の両側に鋼板を接着させる工法が行われている。しかしながら、このような工法によると、重量の大きい鋼板を躯体表面に接着するので、垂直壁等を対象躯体とする場合には、接着剤が硬化するまでアンカー等による架設を必要とし、施工が大掛かりになると共に、接着剤が硬化するまでの養生期間中は架設が邪魔になって周辺部の作業に支障をきたすという問題がある。また、鋼板による補強では、鋼板の厚みやアンカーボルトにより突起物が大きくなり、対象躯体の周辺状況が極度に変わってしまい、外観及び周辺スペースの確保に問題が生じる。
【0004】
そこで、鋼板よりも軽量の繊維強化プラスチックを用いる工法が提案されている(下記特許文献1参照)。この工法は、コンクリート構造物に開けた、例えば設備配管のための貫通孔の周辺に対して、その表面に下地処理を施した後にエポキシ系の接着剤を塗布し、コンクリート構造物に開けた孔に整合した開口を有するプラスチックシートを貼り付けるというものである。この工法は、一方向に繊維を配列した繊維強化プラスチックシートを、繊維方向が交差するように、施工現場で穿孔周辺部に貼り合わせ、プラスチックシートの貼り付けが完了した後にその表面に硬化剤を塗布して繊維強化プラスチックシートを硬化させるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−125601号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した繊維強化プラスチックシートを用いる工法では、施工現場で繊維の交差角度等を調整しながら貼り付け作業を行うことになるので、現場での作業が煩雑になり施工性が悪く、また施工者によって品質にばらつきが生じやすいという問題がある。
【0007】
この問題に対処するためには、予め成形された繊維強化プラスチック板を用いることが考えられる。一般に繊維強化プラスチック板は、力学的特性が繊維の方向によって異なっているので、板の面外方向への曲げ特性を直交する2つの曲げ方向に対して等しくするために、例えば、繊維方向が0°/90°の2層構造にする等して、最外層の繊維方向が直交するように配列されている。しかしながら、このような曲げ特性に着目して最外層の繊維方向が直交する配列の繊維強化プラスチック板を用いた場合には、一般に繊維の熱膨張係数が軸方向とその直交方向で異なるので、温度変化によって板に反りが生じ易くなる。
【0008】
穿孔周辺部の補強工法において、このように熱的な変形(反り)が生じ易いものを採用した場合は、周囲の温度変化に対して板に反りが生じて接着状態の劣化を招き、充分な補強効果が得られなくなるという問題が生じる。特に、空調施設の吸排気ダクト等を敷設するための孔をコンクリート構造物の躯体に形成する場合には、その周辺にある程度の温度変化が生じることは覚悟せざるを得ないので、板の熱的特性の考慮無しでは充分な補強効果が得られなくなる。また、日中と夜間の気温差が大きい地域や季節的な気温差が大きい地域などで、外壁面に前述の補強を施す場合なども経時的な板の変形によって充分な補強効果が得られなくなる。
【0009】
本発明は、このような問題に対処するために提案されたものであって、施工性が良好で、施工者の施工熟練度に拘わらず高品質の補強効果が得られ、しかも、周辺環境の変化に対しても充分な補強効果を確保することが可能な既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明に係る既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法は、以下の各請求項に係る特徴を具備するものである。
【0011】
請求項1に係る発明は、既設のコンクリート構造物に対して、敷設後に形成された穿孔の周辺部を補強する工法であって、前記穿孔を少なくとも内包する開口を有し、周辺環境変化に対して平坦性を維持する繊維強化プラスチック成形板を用い、前記開口を前記穿孔に合わせて、前記繊維強化プラスチック成形板を接着剤を介して前記周辺部に貼り付けることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、既設のコンクリート構造物に対して、敷設後に形成された穿孔の周辺部を補強する工法であって、前記穿孔を少なくとも内包する開口を有し、少なくとも繊維の交差方向が板厚方向中央断面に対して対称となるように積層された繊維層を有する繊維強化プラスチック成形板を用い、前記開口を前記穿孔に合わせて、前記繊維強化プラスチック成形板を接着剤を介して前記周辺部に貼り付けることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載された既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法において、前記繊維強化プラスチック成形板は偶数の繊維層からなることを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載された既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法において、前記繊維強化プラスチック成形板は3層の繊維層からなり、最外層が同方向に配列された繊維層であり、中央層がそれと異なる方向に配列されると共に繊維量を前記最外層の2倍にした繊維層であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載された既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法において、前記繊維強化プラスチック成形板を前記周辺部の片面のみに貼り付けることを特徴とする。
【0016】
このような特徴を有する各請求項に係る発明によると、以下の作用を得ることができる。
【0017】
既設コンクリート構造物においては、敷設後の穿孔行為によって躯体に孔を設けた場合には、穿孔周辺部にはせん断力等による局部的な応力集中や断面欠損による耐力の低下が起こり、これがひび割れの発生原因となるが、穿孔周辺部に開口を有する繊維強化プラスチック成形板を接着剤を介して貼り付けることにより、穿孔前に対象躯体が有していた耐力に近い耐力を保持する補強効果が得られる。
【0018】
そして本発明によると、第1には、周辺環境変化に対して平坦性を維持する繊維強化プラスチック成形板を用いるので、施工現場での作業を簡略化することができ、施工者の熟練度合いに拘わらず高品質の補強効果を得ることができ、また経時的にも安定した補強効果を維持することができる。そして、軽量の繊維強化プラスチック成形板を穿孔の周辺部に貼り付けるので、特にアンカー等の架設を設ける必要が無く、接着剤が硬化する養生期間中にも補強箇所の周辺は開放されており、他の作業を並行して行うことができる。
【0019】
第2には、少なくとも繊維の交差方向が板厚方向中央断面に対して対称となるように積層された繊維層を有する繊維強化プラスチック成形板を用いるので、熱膨張に対しても成形板の平坦性を維持することができる。これによって前述した作用を得ることができる。
【0020】
第3には、繊維強化プラスチック成形板を偶数の繊維層からなるものにすることで、積層面を板厚方向中央断面にして簡単に対称の繊維層積層構造を得ることができる。これによって前述した作用を得ることができる。
【0021】
第4には、繊維強化プラスチック成形板は3層の繊維層からなり、最外層が同方向に配列された繊維層であり、中央層を最外層と異なる方向に配列すると共に繊維量を2倍にした繊維層にしたので、中央層の真ん中の断面を板厚方向中央断面にして対称の繊維層積層構造を得ることができる。これによって前述した作用を得ることができる。
【0022】
第5には、繊維強化プラスチック成形板を穿孔周辺部の片面のみに貼り付けるので、作業を簡単に行うことができると共に、片面のみでしか作業を行うことができない状況下でも施工が可能であり適用範囲の限定が少なくなる。特に、建物の外壁を対象躯体とする場合には、室外側のみに繊維強化プラスチック成形板を貼り付ければ足りるので、室内に影響なく施工を完了させることができ、また、建物外壁の外側からの作業ができないような場合には、室内側のみに繊維強化プラスチック成形板を貼り付けることで十分な対応が可能になる。そして、対象躯体を穿孔前と同程度の耐力に回復させる補強を目的とした場合には、穿孔周辺部の片面のみに繊維強化プラスチック成形板を貼り付けることで充分達成可能であり、前述した第1乃至第3の特徴と併せることで、有効性の高い補強を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る補強工法の概要を示す説明図である。この実施形態に係る補強工法では、コンクリート構造物の壁等の躯体1に対して、ダイヤモンドコアドリル等を使って穿孔を行い、孔1aを形成した後に、穿孔周辺部1bのひび割れ等を防止するために、躯体1表面片側の穿孔周辺部1bに、孔1bに合わせた開口10aを有する繊維強化プラスチック成形板10を貼り付けるものである。開口10aの大きさは、孔1bと合致した大きさであってもよいし、それより大きく、少なくとも孔1bを内包する大きさであればよい。
【0024】
繊維強化プラスチック成形板10は、予め強化繊維(例えば炭素繊維)に樹脂を含浸させて硬化させた成形板であって、成形後に穿孔予定の孔1aに応じて機械加工により開口10aを形成したものである。このような成形板を用いることで、特に従来の繊維強化プラスチックシートを用いる場合と比較して、施工現場での貼り付け作業が容易になり、施工者による品質のばらつきが少なくなるという利点がある。更には、繊維に含浸させる樹脂量が一定にコントロールされているので、成形後の板厚が一定になっており、成形後に機械加工により予め開口を形成しているので、施工現場で整寸する必要も無い。よって仕上がりの美観が良好であると共に施工性が良好であるという利点もある。
【0025】
そして、本発明の実施形態における繊維強化プラスチック成形板10は、周辺環境変化に対して平坦性を維持する構造を採用している。例えば、複数の積層された繊維層を有しており、各繊維層の繊維方向が図2に示すような交差方向に配列されている。
【0026】
同図(a)に示す実施形態では、繊維層S01,S02,S03,S04の4層(偶数層)構造のものを採用しており、各繊維層の繊維配列方向を0°/90°/90°/0°にしている。これによって、最外層S01,S04は同方向に配列された繊維層であり、中央の積層境界面Oを板厚方向中央断面として、この面に対して繊維配列の交差方向が対称な構造になっている。
【0027】
このような構造の繊維強化プラスチック成形板10を用いると、表裏両面が同様の熱膨張特性を示すので、温度変化に対しても反りが生じることがない。したがって、周辺環境変化に対して平坦性を維持する繊維強化プラスチック成形板を得ることができる。
【0028】
また、このような構造の繊維強化プラスチック成形板10は、紙面に垂直な軸回りの曲げ(図示矢印方向の曲げ)の曲げ剛性がそれと垂直な方向の曲げ剛性より小さい(1/4〜1/7倍)特性を有している。これによると、図示矢印方向に繊維強化プラスチック成形板10を曲げることによって簡単に板を湾曲させることができる。これを利用して、繊維強化プラスチック成形板10を湾曲させた状態で一部を貼り付け、徐々に板を平坦にしながら全体を貼り付けることで、接着剤中の気泡を追い出しながら高品質の貼り付けを行うことが可能になる。
【0029】
同図(b)に示す実施形態では、繊維層S11,S12,S13の3層構造のものを採用しており、各繊維層の繊維配列方向を0°/90°/0°にしていると共に中央の繊維層S12の繊維量αを最外層S11,S13の2倍(2α)に設定している。これによって、最外層S11,S13は同方向に配列された繊維層であり、中央の繊維層S12の中央断面Oを板厚方向中央断面として、この面に対して繊維配列の交差方向及び繊維量が対称な構造になっている。
【0030】
また、同図(c)に示す実施形態では、繊維層S21,S22,S23,S24,S25,S26,S27,S28の8層(偶数層)構造のものを採用しており、各繊維層の繊維配列方向を0°/0°/90°/90°/90°/90°/0°/0°にしている。これによって、最外層S21,S28は同方向に配列された繊維層であり、中央の積層境界面Oを板厚方向中央断面として、この面に対して繊維配列の交差方向が対称な構造になっている。
【0031】
これらの実施形態によっても、前述の実施形態と同様に、表裏両面が同様の熱膨張特性を示すので、温度変化に対しても反りが生じることがなく、また、図示矢印方向に繊維強化プラスチック成形板を曲げることによって簡単に板を湾曲させることができるので、接着剤中の気泡を追い出しながら高品質の貼り付けを行うことが可能になる。
【0032】
図3は、本発明の実施形態に係る補強工法の作業手順を示すフローである。図1の記載と併せて作業手順を説明する。穿孔(コア抜き)工事は、コンクリート構造物内の鉄筋探知を行った後、鉄筋の無い部分を選択し、ダイヤモンドコアドリル等を使用して対象躯体に貫通孔を開ける(P)。そして、穿孔周辺部1bのコンクリート表面(下地)をサンダーケレン等により平滑で脆弱部や汚れのない状態に下地処理する(P)。その後、繊維強化プラスチック成形板10の貼り付け位置を墨だしし、繊維強化プラスチック成形板10の接着面に接着剤(エポキシ樹脂接着剤等)を均一厚さ塗布し、更に、下地の墨だし位置に、接着剤(エポキシ樹脂接着剤等)を均一厚さに塗布する(P)。次に、繊維強化プラスチック成形板10を湾曲させた状態で、端の一部を下地に貼り付け、除去に平坦に戻しながら全体を下地上に貼り付ける(P)。この際、接着剤から気泡を押し出すように貼り付けることで、接着層内に空間ができるのを防ぐことができる。その後は、接着剤が硬化するまで養生を行い(P)、施工周辺部の清掃等を行って作業を完了する(P)。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の更に具体的な実施例を説明する。
【0034】
[繊維強化プラスチック成形板]炭素繊維強化プラスチック板(CFRP板)をオートクレーブ成形法で成形し、繊維層の配列を0°/90°/90°/0°(図2(a)参照)とした。成形板の仕様としては、繊維目付け150g/m、樹脂含有率35wt%、板厚0.6mmとした。外径寸法は400mm×400mmで、開口径は、第1例では穿孔径125φに合わせて125φとし、第2例では穿孔径125φに対してこれを内包する200φとした。
【0035】
[接着剤]接着剤としては、臭気が気にならない、樹脂だれが少ない(グリース状)、硬化時間が短いものが適する。これらを満足する接着剤として、主剤:ビスフェノールA型エポキシ樹脂,硬化剤:変性脂環式ポリアミンからなるエポキシ樹脂接着剤(製品名:トーホーダイトCP471)を採用することができる。
【0036】
[性能試験]コンクリート構造物の試験片(コンクリート調合強度18N/mm,縦:600mm×横:600mm×厚さ:150mm,シングル配筋3本)を用い、穿孔形成する場合には、中央の鉄筋を切断した状態で125φの孔を形成し、表1の各試験体に対して、3本の鉄筋を支持してロードセルによる引張荷重試験を行った。試験結果を表2及び図4に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004316320
【0038】
【表2】
Figure 2004316320
【0039】
図4は、同図(a)に試験体A,試験体B,試験体Cの測定結果を示しており、同図(b)に試験体Dの試験結果を示している。これらの結果から明らかなように、試験体Aと試験体Cとの比較では、穿孔と合致した開口を有する炭素繊維強化プラスチック成形板を貼ることによって、初期ひび割れ発生荷重が45%向上し、また、補強を施さない試験体Cでは、初期ひび割れ発生後95kN付近で鉄筋の降伏点に達した(C2)のに対して、補強を施した試験体Aでは、139kNまで耐力を保持することができる(A2)。また、試験体Bと試験体Cとの比較では、穿孔に対してこれを内包するような若干大きい開口を有する繊維強化プラスチック成形板を貼ることによっても同様の補強効果が得られることがわかる。
【0040】
そして、穿孔に対して補強を施した場合(試験体A,試験体B)には、穿孔を形成しなかった場合(試験体D)と比較しても、初期ひび割れ発生荷重が85〜90%くらいまで回復していることが分かる。この際比較対象の試験体Dでは、鉄筋の切断が為されていないので、両者に差が生じるのは当然であるが、初期ひび割れ発生の防止という観点では充分な補強効果が得られていることが確認できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明はこのように構成されるので、施工性が良好で、施工者の施工熟練度に拘わらず高品質の補強効果が得られ、しかも、周辺環境の変化に対しても充分な補強効果を確保することが可能な既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る補強工法の概要を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る繊維強化プラスチック成形板を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る補強工法の作業手順を示すフローである。
【図4】実施例の試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 躯体
1a 孔
1b 穿孔周辺部
10 繊維強化プラスチック成形板
10a 開口

Claims (5)

  1. 既設のコンクリート構造物に対して、敷設後に形成された穿孔の周辺部を補強する工法であって、
    前記穿孔を少なくとも内包する開口を有し、周辺環境変化に対して平坦性を維持する繊維強化プラスチック成形板を用い、前記開口を前記穿孔に合わせて、前記繊維強化プラスチック成形板を接着剤を介して前記周辺部に貼り付けることを特徴とする既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法。
  2. 既設のコンクリート構造物に対して、敷設後に形成された穿孔の周辺部を補強する工法であって、
    前記穿孔を少なくとも内包する開口を有し、少なくとも繊維の交差方向が板厚方向中央断面に対して対称となるように積層された繊維層を有する繊維強化プラスチック成形板を用い、前記開口を前記穿孔に合わせて、前記繊維強化プラスチック成形板を接着剤を介して前記周辺部に貼り付けることを特徴とする既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法。
  3. 前記繊維強化プラスチック成形板は偶数の繊維層からなることを特徴とする請求項1又は2に記載された既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法。
  4. 前記繊維強化プラスチック成形板は3層の繊維層からなり、最外層が同方向に配列された繊維層であり、中央層がそれと異なる方向に配列されると共に繊維量を前記最外層の2倍にした繊維層であることを特徴とする請求項1又は2に記載された既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法。
  5. 前記繊維強化プラスチック成形板を前記周辺部の片面のみに貼り付けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法。
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