JP2004315670A - インク組成物、インクセット、画像形成方法および記録画像ならびにインクヘッド - Google Patents

インク組成物、インクセット、画像形成方法および記録画像ならびにインクヘッド Download PDF

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貴則 加本
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Abstract

【課題】インクジェット方式によって、フェザリング(ひげ状のインクにじみ)、異色インクの混色などの発生を防止しながら、輪郭が明瞭で、画像濃度および鮮明性が高い、高画質品位の記録画像を形成する。
【解決手段】シリコン含有ポリビニルピロリドンをその表面および/または内部に保持した記録媒体に、顔料、好ましくは顔料とともに水溶性有機溶剤、非イオン性界面活性剤および定着剤を含み、残部が水であるインク組成物を用いて印字を行うことによって、所望の高画質品位の記録画像を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク組成物、インクセット、画像形成方法および記録画像ならびにインクヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、複写機、ファクシミリ装置などの出力機器に採用されているインクジェット方式は、インク組成物の微小液滴を吐出ノズルから記録媒体上に吐出し、記録媒体に画像を記録する印刷方式であり、静粛性に優れ、高密度化およびカラー化が容易であり、高速印刷を実施でき、比較的高品位の記録画像を安価に印刷できるといった数々の好ましい特徴を有し、非常に有用な印刷方式である。微小液滴の吐出方法としては、圧電素子を用いる方法、膜沸騰現象によって発生する気泡を利用する方法などがよく知られている。
【0003】
インクジェット方式において、印刷むらのない記録画像を得るには、インク組成物からなるほぼ一定量の微小液滴を連続してかつ安定的に吐出することが必要である。そのためには、吐出ノズル内で泡立ち、乾燥、目詰まりなどを比較的起こし難く、吐出安定性に優れる低粘度のインク組成物、具体的には染料または顔料を含みかつ水を主媒体とする水性インクが使用される。一方、記録媒体には、水性インクによる画像記録が容易な紙類、特に普通紙(PPC紙)が使用される。しかしながら、水性インクは紙類に対する浸透性が高いにも拘らず、乾燥性が低いので、これを紙類に付着させると、にじみが起こり易い。また、普通紙には、表面形状、表面粗度などの表面特性、その中に含まれるサイズ剤などの違いによって、インク吸収特性が異なる多種多様なものが存在する。にじみの発生を防止するには、個々の普通紙について、適切なインクを選択する必要があるけれども、そのような選択を行うことは現実的には不可能である。したがって、インクジェット方式では、水性インクに含まれる染料または顔料が、インク中の水などの液状成分と共に普通紙の内部または表面の余白部分にまで拡散してにじみを起こし、記録画像の輪郭部分におけるひげ状のにじみ(フェザリング)、異なる色のインクが混じりあう混色などが発生しやすい。その結果、ベタ部分が不均一になり、記録画像の輪郭部分が不明瞭になり、画像濃度、鮮明性および画像品位が低下する。このような問題に鑑み、記録媒体およびインク組成物の両面から、様々な検討がなされている。
【0004】
まず、記録媒体の改良について述べると、たとえば、普通紙の表面に珪藻土などの無機粒子からなるコート層を設けたコート紙が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、このようなコート紙においても、フェザリングを充分に防止することはできない。また、染料がアニオン性基を有することから、表面および/または内部にカチオン性基を有する化合物を存在させた記録媒体が提案されている。カチオン性基を有する化合物としては、ポリビニル・ピリジニウム・ハライド、ポリエチレンイミン、ポリアミンなどのポリカチオン高分子電解質(たとえば、特許文献2参照)、ビニルピロリドンとアミン基、4級アンモニウム基などのカチオン性基を有するビニル化合物との共重合体(たとえば、特許文献3参照)などが挙げられる。これらの記録媒体を用いても、フェザリングの発生を防ぐことはできず、記録画像の画像濃度も充分ではない。さらにインク組成物の色材が顔料である場合には、その効果はさらに低くなる。
【0005】
一方、インク組成物の面からにじみを防止し、記録画像の画像品位を向上させるには、インク組成物に水溶性有機溶剤、界面活性剤などを適宜選択して添加することが行われている。たとえば、水溶性染料、ジエチレングリコールなどの水溶性有機溶剤、アセチレングリコール・エチレンオキシド付加物などの非イオン性界面活性剤および水を含むインク組成物が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、このインク組成物は、特に高速印刷時の吐出安定性、記録媒体に対する乾燥性、記録画像におけるフェザリングの発生防止、記録画像の鮮明度などの点で充分満足できる性能を有していない。
【0006】
また、加熱下にある記録媒体に、染料または顔料、グリセリン、チオジグリコール、尿素などの水溶性有機溶剤、アセチレングリコール・エチレンオキシド付加物などの非イオン性界面活性剤および水を含有するインク組成物を吐出するインクジェット記録方法が提案されている(たとえば、特許文献5参照)。しかしながら、インクジェット方式では、一日あたり数百枚、時には数千枚におよぶ印刷を行うこともあり、その場合には記録媒体を加熱するための消費電力が大きくなり過ぎるので、この記録方法は現実的ではない。さらに、高速印刷を行う場合には、熱の伝わり方にむらが生じ、ひいては記録画像にもむらが発生し、画質品位が低下する。
【0007】
また、水溶性染料、エチレングリコールなどの多価アルコールおよび水中におけるミセル濃度での表面張力が20〜50dyne/cmを示す界面活性剤を含有し、残部が水であるインク組成物が提案されている(たとえば、特許文献6参照)。特許文献6によれば、特定の性質を有する界面活性剤を添加することによって、インク組成物の表面張力を下げ、記録媒体へのインク浸透性を高めている。しかしながら、このインク組成物は記録媒体へ浸透しすぎるので、フェザリングが生じ、画像濃度および鮮明度が低下し、記録画像の画質品位が不充分になることを避けることができない。
【0008】
以上に述べたように、インクジェット方式において、高画質品位の記録画像を得るためには、記録媒体のインク吸収特性、インク組成物の記録媒体上での浸透性、乾燥性などを適切に組み合わせることが大きな課題になっている。
【0009】
【特許文献1】
特開平1−216881号公報
【特許文献2】
特開昭56−84992号公報
【特許文献3】
特開平4−288283号公報
【特許文献4】
特開昭56−5871号公報
【特許文献5】
特開平11−129460号公報
【特許文献6】
特開昭55−29546号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、にじみ(特にフェザリング)、異色インクの混合(混色)、ベタ部分の濃淡などを発生させることなく、輪郭が明瞭で、画像濃度および鮮明性が高く、高画質品位の記録画像を形成でき、高速印刷を行っても記録画像の高画質品位を維持できるインク組成物および画像形成方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、高画質品位の記録画像を提供することである。
本発明の他の目的は、前述のインク組成物を連続的にかつ安定的に吐出することができ、ひいては高画質品位の記録画像を形成できるインクヘッドを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シリコンを含有するポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持した記録媒体に記録画像を形成するための水性インクであって、色材として顔料を含み、かつ残部が水であることを特徴とするインク組成物である。
【0013】
本発明に従えば、インクジェット方式によって、シリコンを含有するポリビニルピロリドン(以後「シリコン含有ポリビニルピロリドン」と称する)を表面および/または内部に保持した記録媒体に、顔料を含む水性インクによる画像を形成することによって、顔料がシリコン含有ポリビニルピロリドンと反応して固定化され、顔料がインク中の水などの液状成分とともに記録媒体の表面を必要以上に拡散することが防止されるので、にじみ(特にフェザリング)、混色、ベタ部分の濃淡などを発生させることなく、輪郭が明瞭で、画像濃度および鮮明性が高く、高画質品位の記録画像を形成でき、しかも高速印刷を行っても、前記と同様の高画質品位の記録画像を形成できるインク組成物が提供される。
【0014】
また本発明のインク組成物は、前述の顔料が顔料の表面に親水基を導入した自己分散顔料であることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、顔料として自己分散顔料を用いることによって、得られる記録画像の画質品位がさらに向上するとともに、インク組成物自体の保存安定性が向上し、インクを保存する間に、ノズルの目詰まりの原因になる顔料の凝集・沈降がさらに少なくなる。また、インク組成物の記録媒体に対する浸透性および乾燥性も向上する。
【0016】
また本発明のインク組成物は、さらに水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする。
【0017】
また本発明のインク組成物は、前述の水溶性有機溶媒がグリコールエーテル類および/または多価アルコール類であることを特徴とする。
【0018】
また本発明のインク組成物は、前述の水溶性有機溶剤が20℃における飽和蒸気圧6.6665Pa(0.05mmHg、20℃)以下の水溶性有機溶剤であることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、水溶性有機溶剤、その中でも特定のものをインク組成物に添加することによって、吐出ノズル内でのインク組成物の泡立ちおよび乾燥が防止され、吐出安定性がさらに向上するので、高速印刷を容易に行うことができる。また、インク組成物に、記録媒体に対する適度な浸透性を付与することができる。
【0020】
また本発明のインク組成物は、さらに非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0021】
また本発明のインク組成物は、前述の非イオン性界面活性剤がアセチレン基を有する化合物であることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、非イオン性界面活性剤、その中でも特定のものをインク組成物に添加することによって、吐出ノズル内での泡立ちおよび乾燥が一層起こり難く、安定的にインクジェット記録を行うことができるインク組成物が得られる。
【0023】
また本発明のインク組成物は、前述の顔料がピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4およびピグメントブルー15:6から選ばれる1種または2種以上のシアン顔料を含むシアン系インク組成物であることを特徴とする。
【0024】
また本発明のインク組成物は、前述の顔料がピグメントレッド122、ピグメントレッド209およびピグメントヴァイオレット19から選ばれる1種または2種以上のマゼンタ顔料を含むマゼンタ系インク組成物であることを特徴とする。
【0025】
また本発明のインク組成物は、前述の顔料がピグメントイエロー74、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150およびピグメントイエロー180から選ばれる1種または2種以上のイエロー顔料を含むイエロー系インク組成物であることを特徴とする。
【0026】
また本発明のインク組成物は、前述の顔料がカーボンブラックを含む黒色系インク組成物であることを特徴とする。
【0027】
本発明は、前述のシアン系インク組成物、前述のマゼンタ系インク組成物、前述のイエロー系インク組成物および前述の黒色系インク組成物から選ばれる2種以上からなることを特徴とするインクセットである。
【0028】
本発明に従えば、特定のシアン顔料を含むシアン系インク組成物、特定のマゼンタ顔料を含むマゼンタ系インク組成物、特定のイエロー顔料を含むイエロー系インク組成物および特定のブラック顔料を含むブラック系インク組成物、ならびに前記4種の各色系インク組成物から選ばれる2種以上からなるインクセットが得られる。前記4種の各色系インク組成物を用い、シリコン含有ポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持させた記録媒体に画像を形成すると、鮮明で濃度の高いシアン色、マゼンタ色、イエロー色または黒色の記録画像が得られる。また前記インクセットを用いると、各色画像がそれぞれ鮮明でかつ画像濃度が高く、しかもカラーバランスが極めて良好な記録画像が得られる。
【0029】
本発明は、インクジェット方式により、インク組成物の液滴を、シリコンを含有するポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持した記録媒体上に吐出し、該記録媒体に画像を形成する方法であって、該インク組成物が前述のうちのいずれかのインク組成物または前述のインクセットであることを特徴とする画像形成方法である。
【0030】
本発明は、前述の画像形成方法によって、記録媒体上に形成されてなることを特徴とする記録画像である。
【0031】
本発明に従えば、インクジェット方式によって、シリコン含有ポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持した記録媒体に、前述のいずれかのインク組成物を用いて画像を形成することによって、前述したような非常に高画質品位の記録画像を得ることができる。
【0032】
本発明は、前述のうちのいずれかのインク組成物または前述のインクセットを貯留するインクタンクと、
前記インク組成物またはインクセットの液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物またはインクセットが供給されるインク室と、
印加される電圧に応答してひずみを生じる圧電素子であって、
前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物またはインクセットに対して圧力をかける圧電素子と、
前記圧電素子に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッドである。
【0033】
本発明は、前述のうちのいずれかのインク組成物または前述のインクセットを貯留するインクタンクと、
前記インク組成物またはインクセットの液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物またはインクセットが供給されるインク室と、前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物またはインクセットを加熱して気泡を発生させることによって前記インク組成物またはインクセットに対して圧力をかける発熱体と、
前記発熱体に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッドである。
【0034】
本発明に従えば、本発明のインク組成物を連続してかつ安定的に吐出することができ、高速印刷を容易に行うことができる、ピエゾ式またはバブル式のインクジェット方式用インクヘッドが提供される。
【0035】
【発明の実施の形態】
〔インク組成物〕
本発明のインク組成物は、インクジェット方式によって、シリコン含有ポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持する記録媒体に画像を形成するためのインクである。
【0036】
本発明のインク組成物は、色材として顔料を含みかつ残部が水である水性インクである。
【0037】
顔料としては、公知の無機顔料および有機顔料を使用できる。無機顔料としては、たとえば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されるカーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。有機顔料の具体例をカラーインデックスナンバー(CI)で示すと、たとえば、ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、22、21、22、60、64などのシアン顔料、ピグメントレッド1、2、3、5、10、16、23、30、31、48:1、48:2、49:1、52、53:1、57:1、58:4、63、122、209、ピグメントバイオレッド19などのマゼンタ顔料、ピグメントイエロー3、12、13、14、15、23、55、74、83、93、95、97、128、138、150、154、167、180、193などのイエロー顔料などが挙げられる。これらの中でも、人体に対する安全性の高いものが好ましく、ピグメントブルー15:3、15:4、15:6などのシアン顔料、ピグメントレッド122、209、ピグメントヴァイオレット19などのマゼンタ顔料、ピグメントイエロー74、128、138、150、180などのイエロー顔料などが特に好ましい。顔料は1種を単独で使用できまたは同色系もしくは異色系のものを2種以上併用できる。
【0038】
本発明においては、顔料の表面にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水基を導入してなる自己分散顔料を用いるのが好ましい。自己分散顔料は、水中での分散性を有しているので、その使用によって、インク組成物の吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性などをさらに向上させることができる。顔料表面にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水基を導入するには公知の方法を採用することができ、たとえば、酸、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理、カプセル化処理などを挙げることができる。
【0039】
顔料の含有量は制限されるものではないけれども、本発明のインク組成物全量の0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%の範囲から選択される。0.1重量%未満では、画像濃度が著しく低くなるので、色を表現することが困難である。一方10重量%を超えると、粘度上昇が起こり、インクとしての適正粘度範囲を有するインク組成物を得ることができない。
【0040】
本発明のインク組成物は、その吐出安定性、記録媒体への浸透性などをさらに向上させるために、水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。水溶性有機溶剤としては公知のものを使用でき、たとえば、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどのアミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールなどのグリコール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオールなどの3価以上の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノフェニルエーテルなどの多価アルコールエーテル類、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの硫黄含有化合物、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタムなどの窒素含有ヘテロ環化合物、γ−ブチロラクトンなどの酸素含有ヘテロ環化合物、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、モルホリンなどの多官能化合物などが挙げられる。
【0041】
これらの水溶性有機溶剤の中でも、吐出安定性、記録媒体への浸透性などを向上させる度合いを考慮すると、グリコールエーテル類、多価アルコール類などが好ましく、さらにその中でも、20℃における蒸気圧が6.6665Pa(0.05mmHg)以下であるもの、たとえば、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオールなどの多価アルコール類が特に好ましい。
【0042】
水溶性有機溶剤は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
水溶性有機溶剤の含有量は、特に制限されることはないけれども、にじみの発生を一層防止し、記録媒体に対する乾燥性をさらに向上させるということを考慮すると、通常本発明のインク組成物全量の10〜70重量%、好ましくは10〜50重量%である。ただし、水溶性有機溶剤よりも水媒体を多く含む本発明のインク組成物を得ようとする場合は、水溶性有機溶剤の含有量は、にじみの発生防止、記録媒体に対する乾燥性などを考慮すると、本発明のインク組成物全量の10〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0043】
本発明のインク組成物は、さらに非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。非イオン性界面活性剤としては公知のものを使用でき、その中でも、たとえば、一般式
【0044】
【化1】
Figure 2004315670
【0045】
〔式中、eおよびfはそれぞれ、0≦e+f≦30の関係を満たす0〜30の整数を示す。〕
で表されるアセチレングリコール・エチレンオキシド付加物、一般式
【0046】
【化2】
Figure 2004315670
【0047】
〔式中、kは11〜13の整数を示す。lは3〜30の整数を示す。〕
で表される化合物、一般式
【0048】
【化3】
Figure 2004315670
【0049】
〔式中、hおよびiはそれぞれ0〜11の整数を示す。jは3〜50の整数を示す。〕
で表される化合物、一般式
【0050】
【化4】
Figure 2004315670
【0051】
〔式中、aは5〜9の整数を示す。bは2.5〜5の正数を示す。zおよびwはそれぞれ、9≦z+w≦11の関係を満たす0〜11の整数を示す。〕
で表される化合物、一般式
HO(CHCHO)(CHCHCHO)(CHCHO)H (5)
〔式中、pは0〜18の整数を示す。qは2〜15の整数を示す。rは0〜18の整数を示す。〕
で表される化合物などのエチレンオキシド含有非イオン性界面活性剤が好ましい。本発明では、市販のエチレンオキシド含有非イオン性界面活性剤を使用することもでき、たとえば、サーフィノール(商品名、エアプロダクツ社製)、ソフタノール(商品名、(株)日本触媒製)などが挙げられる。非イオン性界面活性剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0052】
非イオン性界面活性剤の含有量は特に制限されることはないけれども、通常本発明インク組成物全量の0.001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%の範囲から選択される。
【0053】
本発明のインク組成物は、その好ましい特性を損なわない範囲で、記録媒体への定着性を向上させるために、定着剤を含んでいてもよい。定着剤としては公知のものを使用でき、たとえば、アラビアゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子化合物、アクリル酸樹脂およびその塩、メタクリル酸樹脂およびその塩、スチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩およびリン酸塩などの陰イオン性高分子化合物、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非イオン性高分子化合物、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの重合性不飽和二重結合を有するモノマー化合物の2種またはそれ以上からなる共重合体などが挙げられる。本発明では、市販の樹脂エマルジョンを定着剤として使用することもできる。市販の樹脂エマルジョンとしては、たとえば、バイロナール(商品名、東洋紡績(株)製、ポリエステル樹脂エマルジョン)などが挙げられる。定着剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0054】
本発明のインク組成物は、その好ましい特性を損なわない範囲で、防カビ剤、pH調整剤、キレート化剤、防錆剤、紫外線吸収剤などの、インクジェット用インク組成物の一般的な添加剤を含んでいてもよい。防カビ剤としては、たとえば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビタン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。pH調整剤としては、たとえば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどのアルカリ金属硝酸塩などが挙げられる。キレート化剤としては、たとえば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。防錆剤としては、たとえば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート化合物などが挙げられる。添加剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0055】
さらに本発明のインク組成物は、必要に応じて、溶解助剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、目詰まり防止剤などを含んでいてもよい。
【0056】
本発明のインク組成物は、たとえば、顔料および必要に応じて、水溶性有機溶剤、非イオン性界面活性剤、定着剤、その他の添加剤のそれぞれ適量を用い、さらに水を用いて全量を100重量%に調整し、各成分を水に分散または溶解させることによって製造できる。
【0057】
ここで使用される水としては特に制限されず、水道水、純水、イオン交換水、活性炭処理水などを使用できる。これらの中でも、インク組成物の吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性、保存安定性などを考慮すると、電気伝導率(25℃)が250μS/cm以下の水が好ましく、1μS/cm以下のものが特に好ましい。電気伝導率は、水の純度を示す指標、換言すれば、水に含まれる不純物の量を示す指標である。不純物とは、水に一般的に含まれる微量成分であり、たとえば、無機塩その他のミネラル分などが挙げられる。
【0058】
分散は、一般的な分散機を用いて行われる。該分散機としては、たとえば、ディスパ、サンドミル、ホモジナイザ、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカ、超音波分散機などが挙げられる。混合は、攪拌用の羽根を備えている攪拌機、高速の分散機、乳化機などによって行われる。
【0059】
分散および/または混合ののち、固液分離手段を施してもよい。固液分離手段としては、ろ過、遠心分離などが挙げられる。たとえば、ろ過は、各成分を水媒体に混合または分散させた後に、ろ過を行ってもよい。ろ過は、たとえば、孔径0.8μm以下のフィルター、孔径0.45μm以下のフィルターなどを用い、常圧下または減圧下に行われる。
【0060】
このようにして得られる本発明インク組成物の好ましい形態としては、
(a)顔料が、ピグメントブルー15:3およびピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6から選ばれる1種または2種以上のシアン顔料を含むシアン色系インク組成物、
(b)顔料が、ピグメントレッド122、ピグメントレッド209およびピグメントヴァイオレット19から選ばれる1種または2種以上のマゼンタ顔料を含むマゼンタ色系インク組成物、
(c)顔料が、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150およびピグメントイエロー180から選ばれる1種または2種以上のイエロー顔料を含むイエロー色系インク組成物、
(d)顔料が、カーボンブラックであるブラック顔料を含むインク組成物、
(e)前記(a)、(b)、(c)および(d)のインク組成物から選ばれる2種以上からなるインクセット、
などを挙げることができる。これらの中でも、(a)、(b)および(c)のインク組成物からなるインクセットは、色のバランスなどから、特に好ましい。
【0061】
本発明のインク組成物は、インクジェット方式に用いる場合は、その表面および/または内部にシリコン含有ポリビニルピロリドンが保持された記録媒体に適用されるけれども、インクジェット方式以外の水性インクとして使用することもできる。インクジェット方式以外の水性インクの用途としては、たとえば、グラビアインクなどの印刷インク、水性塗料、化粧品、筆記具用インク、トナー、液体現像剤、電子写真用材料などが挙げられる。
【0062】
本発明のインク組成物を適用する記録媒体は、その表面および/または内部に、シリコン含有ポリビルピロリドンが保持されている。
【0063】
このような記録媒体は、たとえば、基材の表面および/または内部にシリコン含有ポリビニルピロリドンを含みかつ残部が水である処理液を塗布および/または含浸させることによって、製造することができる。
【0064】
ここで基材としては、インクジェット方式に利用されている各種の記録媒体を使用でき、たとえば、普通紙、コート紙、光沢紙、はがき、プラスチックシート、プラスチックフィルムなどが挙げられる。その中でも、たとえば、普通紙、コート紙、光沢紙などのパルプ原料を含む一般的な紙系記録媒体が好ましく、そのステキヒトサイズ度が20度以下である紙系記録媒体が特に好ましい。
【0065】
処理液に含まれるシリコン含有ポリビニルピロリドンは、ポリビニルピロリドンとシリコンとの混合物であり、通常は、ポリビニルピロリドンからなるマトリックス中にシリコンが分散した混合物である。
【0066】
シリコンとしては公知のオルガノポリシロキサンが使用でき、その中でもポリメチルシロキサンなどのポリアルキルシロキサンが好ましい。
【0067】
シリコン含有ポリビニルピロリドンにおける、シリコンとポリビニルピロリドンとの割合は特に制限されないけれども、通常はポリビニルピロリドン100重量部に対して、シリコンを5〜30重量部、好ましくは5〜15重量部使用すればよい。
【0068】
シリコン含有ポリビニルピロリドンは、たとえば、米国特許第5073296号明細書、米国特許第5084208号明細書などの公知文献に記載の方法に従って製造できる。
【0069】
本発明では、市販のシリコン含有ポリビニルピロリドンを使用することもできる。その具体例としては、たとえば、PVP/Si−10(商品名、ISP社製)などが挙げられる。PVP/Si−10は、ポリメチルシロキサンからなるコアおよびポリビニルピロリドンからなるシェルを有するコアシェル構造を呈するシリコン含有ポリビニルピロリドンである。
【0070】
シリコン含有ポリビニルピロリドンは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0071】
シリコン含有ポリビニルピロリドンの含有量は特に制限されず、塗布または含浸する基材の材質、表面物性およびインク吸収特性、他成分の有無、他成分を含む場合の種類と含有量、得られる記録媒体に適用するインク組成物の特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は処理液全量の0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。0.1重量%未満では、シリコン含有ポリビニルピロリドンの効果が充分に発揮されない可能性がある。一方10重量%を大幅に超えると、粘度の上昇が大きくなるおそれがある。
【0072】
処理液は、シリコン含有ポリビニルピロリドンのほかに、多価アルコールを含んでいてもよい。多価アルコールを含むことによって、たとえば、処理液の基材に対する浸透性および処理液を基材に塗布または含浸する際の作業性(塗工安定性)を向上させ、シリコン含有ポリビニルピロリドンを基材表面および内部に均一に分散させることができる。多価アルコールとしては、たとえば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0073】
さらに処理液は、非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。非イオン性界面活性剤を含むことによって、たとえば、処理液の基材に対する浸透性および作業性をさらに向上させることができる。非イオン性界面活性剤としては、前述の非イオン性界面活性剤を使用できる。非イオン性界面活性剤は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0074】
処理液は、たとえば、シリコン含有ポリビニルピロリドンおよび必要に応じて多価アルコール、非イオン性界面活性剤のそれぞれ適量を用い、さらに水を用いて全量を100重量%に調整し、これらの成分を公知の方法に従って混合することによって製造できる。混合には、たとえば、前述の分散機および混合機を使用できる。
【0075】
処理液を基材表面に塗布するに際しては、液状成分を固形物の表面に塗布するための公知の方法を採用できる。該方法の具体例としては、たとえば、ハケ塗り、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテンコーター法などが挙げられる。基材表面に塗布される処理液の成分は、基材表面に拡がって保持され、および/または、基材内部に浸透して保持される。基材に対する処理液の塗布量は特に制限されず、有効成分であるシリコン含有ポリビニルピロリドンの含有量、基材の材質および特性(表面物性、インク吸収特性など)、得られる記録媒体に適用されるインク組成物の特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は0.1〜30g/m、好ましくは0.5〜20g/mである。
【0076】
または、処理液に基材を浸漬してもよい。浸漬量は、前記の塗布量と同様でよい。
【0077】
処理液を塗布または含浸された基材の乾燥は、通常は、5〜40℃の温度下に行われ、3分以下程度で終了する。
【0078】
このようにして得られる記録媒体に、本発明のインク組成物を用いて記録画像を形成する。
【0079】
〔画像形成方法および記録画像〕
本発明の画像形成方法は、インクジェット方式によって、インク組成物の液滴を記録媒体上に吐出して記録画像を形成する方法であり、記録媒体には、その表面および/または内部にシリコン含有ポリビニルピロリドンを保持する記録媒体を使用し、インク組成物には、本発明のインク組成物またはインクセットを使用する。
【0080】
インクジェット方式としては特に制限されず、公知の方法を採用できる。たとえば、圧電素子を用いる方式、インクに圧力をかけてインクの液滴を吐出する方式、膜沸騰現象を利用して気泡を発生させ、インクを吐出する方式などが挙げられる。これらの中でも、圧電素子を用いる方式、膜沸騰現象を利用する方式などが好ましい。
【0081】
この画像形成方法によって、高画質品位を有する記録画像を得ることができる。
【0082】
〔インクヘッド〕
図1は、本発明インクヘッド1の構成を簡略化して示す分解斜視図であり、図2は、図1に示すインクヘッド1を構成するヘッドプレート10の構成の一部を拡大して示す図である。なお、図1では、図2に示す駆動電極13は図示せず省略する。
【0083】
インクヘッド1は、圧電材料からなる平板状の底壁部11および底壁部11から予め定める間隔をあけて垂直に立ち上がるように形成される複数の隔壁部12とを有するヘッドプレート10と、隔壁部12の上面に接して設けられる天板20と、複数の吐出口31を備え底壁部11の一方の端部11aに設けられるノズルプレート30と、底壁部11の他方の端部11bに設けられる図示しない背面板と、天板20の上面に接して設けられる開口部51を有するインクタンク50とを含んで構成される。複数の隔壁部12は、底壁部11上で一端部から他端部に向かって垂直に延びて互いに平行に配置されており、複数の隔壁部12と底壁部11と天板20とノズルプレート30と図示しない背面板とによって複数のインク室40が形成されている。天板20には、各インク室40に連通するインク供給路21と、インク供給路21とインクタンク50の開口部51とを連結するインク供給管22とが形成される。インクタンク50には本発明のインク組成物60が貯留されており、このインク組成物60はインク供給路21内を流過して各インク室40に供給される。
【0084】
また図2に示すように、ヘッドプレート10の底壁部11および複数の隔壁部12のインク室40に臨む表面には、複数の隔壁部12に電圧を印加する駆動電極13が設けられる。また複数の隔壁部12をなす圧電材料は、矢符70の方向に分極しており、複数の隔壁部12は圧電素子として機能する。
【0085】
インクヘッド1は、圧電素子である複数の隔壁部12に印加される電圧に応じて、吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることのできるピエゾ方式のインクヘッドである。
【0086】
インクヘッド1において、インク室40からインク組成物60を吐出させる動作を、図3を参照しながら説明する。図3は、図1に示すインクヘッド1をインク室40の延長方向から見た断面図である。ここでは、インク室40bからインク組成物60を吐出させる動作について説明する。
【0087】
インク室40bを構成する隔壁部12a,12bに電圧が印加されていないとき、すなわちインク室40bの駆動電極13bとインク室40bに隣接するインク室40aの駆動電極13aとの間、およびインク室40bの駆動電極13bとインク室40bに隣接するインク室40cの駆動電極13cとの間に電位差が生じていないとき、インク室40bには、毛管作用によってインクタンク50から供給されるインク組成物60が充填されている。同様に、インク室40aおよび40cもインク組成物60で充填されている。
【0088】
駆動電極13a,13cに電圧が印加されると、駆動電極13bと駆動電極13aとの間、および駆動電極13bと駆動電極13cとの間に電位差が生じ、インク室40bを構成する隔壁部12a,12bに電圧が印加される。この電圧印加は、隔壁部12a,12bにそれぞれ矢符71,72の方向の電界を発生させ、この電界の作用によって、インク室40bの隔壁部12a,12bにひずみが生じ、インク室40b側に凸になるように変形する。これによって、圧力波が発生し、インク室40b内のインク組成物60に大きな圧力がかかり、インク組成物60の液滴が吐出口31から吐出する。
【0089】
駆動電極13a,13cへの電圧の印加を止めると、隔壁部12a,12bの形状が元に戻ってインク室40bの体積が元に戻り、復元された体積分のインク組成物60がインク供給路21を介してインクタンク50から供給され、インク室40bは、インク組成物60が充填された初期の状態に戻る。
【0090】
インクヘッド1では、インクタンク50は本発明のインク組成物60を貯留し、このインク組成物60がインク室40に供給されて吐出口31から液滴として吐出するので、安定して吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることができる。
【0091】
インクヘッド1を備えるピエゾ方式のインクジェット記録装置において、本発明のインク組成物を用いて記録を行うと、インクヘッド内のインク供給系への濡れ性が向上し、インクの供給がスムーズに行われるため、信頼性の高いピエゾ方式のインクジェット記録装置が実現できる。
【0092】
本実施の形態では、インク室40を構成する隔壁部12を圧電材料で形成し、圧電素子として機能させるけれども、これに限定されることなく、インク室を構成する隔壁を圧電材料以外の材料で形成し、隔壁の内方または外方に圧電素子を設けてもよい。
【0093】
図4は、本発明の実施形態であるインクヘッド2の構成を簡略化して示す分解斜視図であり、図5は、図4に示すインクヘッド2の構成の一部を示す平面図である。なお、図5では、図4に示す天板20およびインクタンク50は図示せず省略する。インクヘッド2は、インクヘッド1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0094】
インクヘッド2は、ヘッドプレート100が、基板101と、基板101上で予め定める間隔をあけ、一端部から他端部へ向かって垂直に延びて互いに平行に配置される複数の隔壁102と、基板101のインク室40に臨む表面上に設けられる発熱体であるヒータ103と、ヒータ103に電圧を印加する駆動電極104および105とを含んで構成されることを特徴とする。
【0095】
インクヘッド2は、発熱体であるヒータ103に印加される電圧に応じて、吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることのできるサーマルインクジェット方式のインクヘッドである。
【0096】
インクヘッド2において、インク室40からインク組成物60を吐出させる際の動作について説明する。図6は、インク室40からインク組成物60の液滴61が吐出する状態を示す図である。図6では、図5に示すインクヘッド2の切断面線I−Iにおける断面構成を示す。
【0097】
ヒータ103に電圧が印加されていないとき、前述のインクヘッド1において隔壁部12に電圧が印加されていないときと同様に、インク室40はインク組成物60が充填されている。
【0098】
駆動電極104,105によってヒータ103に電圧が印加されると、ヒータ103が発熱し、インク室40内に充填されているインク組成物60が加熱されて、気泡62が発生する。これによって、圧力波が発生し、インク室40内に充填されているインク組成物60に大きな圧力がかかり、インク組成物60の液滴61が吐出口31から吐出される。
【0099】
ヒータ103への電圧の印加を止めると、インク室40内のインク組成物60が冷却されて気泡62が消滅し、消滅した気泡の体積分のインク組成物60がインク供給路21を介してインクタンク50から供給され、インク室40は、インク組成物60が充填された初期の状態に戻る。
【0100】
インクヘッド2では、前述のインクヘッド1と同様に、インクタンク50は本発明インク組成物60を貯留し、このインク組成物60がインク室40に供給されて吐出口31から液滴61として吐出するので、安定して吐出口31からインク組成物60の液滴61を吐出させることができる。
【0101】
本実施の形態によるインクヘッドを備えるサーマルインクジェット方式のインクジェット記録装置において、本発明のインク組成物を用いて記録を行うと、ヘッド内のインク供給系への濡れ性が向上し、インクの供給がスムーズに行われるため、信頼性の高いサーマル方式のインクジェット記録装置が実現できる。
【0102】
[実施例]
以下に参考例、実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。なお、以下において「%」とあるのは、特に断らないかぎり「重量%」を意味する。
【0103】
参考例1(記録媒体の製造)
表1に示す割合(%)で各成分を混合し、これに水を加えて全量を100%とした。この混合物を25℃で1時間攪拌し、処理液を調製した。得られた処理液を、転写方式のゴムローラを用いて、PPC用紙(商品名:SF4AM3、シャープ(株)製)に塗布し、シリコン含有ポリビニルピロリドンを保持した記録媒体No.1〜5を製造した。塗布量は8g/mであった。
【0104】
なお、表1における樹脂成分および界面活性剤は、具体的には、次のとおりである。
【0105】
〔樹脂成分〕
PVP/Si−10:商品名、ISP社製、ポリメチルシロキサンを内包するポリビニルピロリドンの20%水溶液
【0106】
〔界面活性剤〕
エチレンオキシド含有化合物1A:一般式(1)において、e+f=10である化合物、商品名サーフィノール465、日信化学(株)製
エチレンオキシド含有化合物1B:一般式(1)において、e+f=3.5である化合物、商品名サーフィノール440、日信化学(株)製
エチレンオキシド含有化合物4A:一般式(1)において、w+z=11、a=9、b=5である化合物、商品名ソフタノールEP9050、(株)日本触媒製
【0107】
【表1】
Figure 2004315670
【0108】
実施例1〜5および比較例1〜3(インク組成物の調製)
表2に示す割合(%)で各成分を混合し、これに水を加えて全量を100%とした。この混合物を25℃で1時間攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルタを用いて加圧濾過し、次いで脱気処理し、本発明および比較例のインク組成物を調製した。
【0109】
なお、表2において、商品名で記載されている界面活性剤および定着剤は、具体的には次のとおりである。
【0110】
[定着剤]
バイロナールMD1400:ポリエステルエマルジョン、東洋紡績(株)製
【0111】
[界面活性剤]
サーフィノール2502、サーフィノール465:いずれもエチレンオキシドを含有するアセチレン系非イオン性界面活性剤、エアプロダクツ社製
【0112】
試験例1
実施例1〜6および比較例1〜5で得られたインク組成物について、次の評価試験を行った。結果を表2に示す。
【0113】
[高速印刷性]
インクジェットプリンタ(商品名:AJ2000、シャープ(株)製)のインクヘッドを本発明のインクヘッドに交換したプリンタを用い、印刷濃度5%、10PPM(10枚/分)で連続的に印刷を行い、良好な画質品位を有する記録画像を印字できる枚数を調べた。印刷枚数が200枚を超えるものを「○」、150〜200枚であるものを「△」、150枚未満のものを「×」と評価した。
【0114】
[乾燥性]
印刷終了直後、印刷面に印刷紙と同じ紙を15秒間押し当て、印刷が転写しないものを「○」、転写するものを「×」と評価した。
【0115】
[にじみ性]
PPC用紙(商品名:SF4AM3、シャープ(株)製)に特定のパターンを印刷して1日間放置後、該パターンのライン幅を測定し、にじみがない場合のライン幅を100とし、それに対する相対値として評価を行った。150未満のものを「○」、150〜250のものを「△」および250を超えるものを「×」と評価した。
【0116】
[起泡性]
インク組成物を20秒間振とうして5分間静置した後、泡高さを測定し、10mm以下のものを「○」および10mmを超えるものを「×」と評価した。泡高さが大きいほど、起泡性が高い。起泡性の高いインク組成物は、吐出ノズル内で泡を発生し、該ノズルが泡をかみ込むので、吐出される液滴量が変化しやすい。起泡性の高いインク組成物は、吐出安定性が低く、高速印刷には使用できない。
【0117】
【表2】
Figure 2004315670
【0118】
表2から、本発明のインク組成物が、インクジェット方式のプリンタによって充分に印字可能なインクであることがわかる。
【0119】
試験例2
実施例1、3、4、6および比較例4のインク組成物を用い、試験例1と同じインクジェットプリンタにて、参考例1の記録媒体No.1〜5に記録画像(ベタ画像または試験用パターン)を印刷した。得られた記録画像について、次の評価試験を行った。結果を表3に示す。
【0120】
[印字濃度]
ベタ画像の印字濃度(画像濃度)を、測色計(商品名:X−Rite938、マクベス社製)によって測定した。処理液を塗布していないPPC用紙(SF4AM3)の印字濃度に比べ、濃度が上昇しているものを「○」、変化しないものを「△」および下がったものを「×」と評価した。
【0121】
[フェザリング]
試験用パターンのライン幅を測定し、処理液を塗布していないPPC用紙(SF4AM3)に形成された試験用パターンのライン幅を100とし、それに対する相対値として評価を行った。100未満のものを「○」、100〜120のものを「△」および120以上ものを「×」と評価した。
【0122】
【表3】
Figure 2004315670
【0123】
表3から、インクジェット方式によって、シリコン含有ポリビニルピロリドンを保持した記録媒体に、特定の顔料、水溶性有機溶剤、界面活性剤および定着剤を含み、残部が水である本発明のインク組成物からなる記録画像を形成すると、フェザリングが著しく防止され、印字濃度の高い記録画像が得られることが明らかである。
【0124】
試験例3
実施例1〜5のインク組成物および比較例1〜3のインク組成物から、表4に示す組み合わせでシアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクを選択し、試験例1と同じインクジェットプリンタにて、参考例1の記録媒体No.1に印字率1:1:1でスリーカラーブラックを印刷した。
【0125】
一方、実施例6のインク組成物を用い、上記と同様にして、ブラック単色を記録媒体No.1に印刷した。
【0126】
スリーカラーブラックおよびブラック単色の印字を測色計(X−Rite938)にかけ、aおよびbを測定した。スリーカラーブラックのaをA2、bをB2、ブラック単色のaをA1、bをB1としたとき、下記式で表される値(Δa)が20以下のものを「○」および20より大きいものを「×」と評価した。結果を表2に示す。
Δa={(A1−A2)+(B1−B2)1/2
【0127】
【表4】
Figure 2004315670
【0128】
表4から、実施例1〜5から選ばれる3種のインク組成物を重ね合わせて得られるNo.イ〜ニの黒色画像は、比較例1〜3の3種類のインク組成物を重ね合わせて得られるNo.ホの黒色画像に比べ、高い画像濃度を有する黒色画像であることが判る。すなわち、本発明の4種のインクセットは、比較例のインクセットに比べ、黒色再現性が良好であり、カラーバランスに優れることが判る。
【0129】
以上のように、C.I.ピグメントブルー15:3および15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含有するシアンのインク組成物と、C.I.ピグメントレッド122、209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有するマゼンタのインク組成物と、C.I.ピグメントイエロー74、138、150および180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有するイエローのインク組成物とを組合せることによって、カラーバランスに優れるインクセットを得られることが判る。
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェット方式によって、シリコン含有ポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持した記録媒体に、顔料、好ましくは自己分散顔料を含む水性インクによる画像を形成することによって、顔料がシリコン含有ポリビニルピロリドンと反応して固定化され、顔料がインク中の水などの液状成分とともに記録媒体の表面を必要以上に拡散することが防止されるので、にじみ(特にフェザリング)、混色、ベタ部分の濃淡などを発生させることなく、輪郭が明瞭で、画像濃度および鮮明性が高く、高画質品位の記録画像を形成でき、しかも高速印刷を行っても、前記と同様の高画質品位の記録画像を形成できるインク組成物が提供される。
【0131】
本発明によれば、水溶性有機溶剤、その中でも特定のものをインク組成物に添加することによって、吐出ノズル内でのインク組成物の泡立ちおよび乾燥が防止され、吐出安定性がさらに向上するので、高速印刷を容易に行うことができる。また、インク組成物に、記録媒体に対する適度な浸透性を付与することができる。
【0132】
本発明に従えば、非イオン性界面活性剤、その中でも特定のものをインク組成物に添加することによって、吐出ノズル内での泡立ちおよび乾燥が一層起こり難く、安定的にインクジェット記録を行うことができるインク組成物が得られる。
【0133】
本発明によれば、特定のシアン顔料を含むシアン系インク組成物、特定のマゼンタ顔料を含むマゼンタ系インク組成物、特定のイエロー顔料を含むイエロー系インク組成物および特定のブラック顔料を含むブラック系インク組成物、ならびに前記4種の各色系インク組成物から選ばれる2種以上からなるインクセットが得られる。前記4種の各色系インク組成物を用い、シリコン含有ポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持させた記録媒体に画像を形成すると、鮮明で濃度の高いシアン色、マゼンタ色、イエロー色または黒色の記録画像が得られる。また前記インクセットを用いると、各色画像がそれぞれ鮮明でかつ画像濃度が高く、しかもカラーバランスが極めて良好な記録画像が得られる。
【0134】
本発明によれば、インクジェット方式によって、シリコン含有ポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持した記録媒体に、前述のいずれかのインク組成物を用いて画像を形成することによって、前述したような非常に高画質品位の記録画像を得ることができる。
【0135】
本発明によれば、本発明のインク組成物を連続してかつ安定的に吐出することができ、高速印刷を容易に行うことができる、ピエゾ式またはバブル式のインクジェット方式用インクヘッドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクヘッドの構成を簡略化して示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すインクヘッドを構成するヘッドプレートの構成の一部を拡大して示す図である。
【図3】図1に示すインクヘッドをインク室の延長方向から見た断面図である。
【図4】本発明のインクヘッドの構成を簡略化して示す分解斜視図である。
【図5】図4に示すインクヘッドの構成の一部を示す平面図である。
【図6】インク室からインク組成物の液滴が吐出する様子を示す図であり、図5に示すインクヘッドの切断面線I−Iにおける断面構成を示す。
【符号の説明】
1,2 インクヘッド
10,100 ヘッドプレート
11 底壁部
11a 一方の端部
11b 他方の端部
12,12a,12b 隔壁部
13,13a,13b,13c,104,105 駆動電極
20 天板
21 インク供給路
30 ノズルプレート
31 吐出口
40,40a,40b,40c インク室
50 インクタンク
51 開口部
60 インク組成物
61 液滴
62 気泡
70,71,72 矢符
101 基板
102 隔壁
103 ヒータ

Claims (16)

  1. シリコンを含有するポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持した記録媒体に記録画像を形成するための水性インクであって、色材として顔料を含み、かつ残部が水であることを特徴とするインク組成物。
  2. 顔料が顔料表面に親水基を導入した自己分散顔料であることを特徴とする請求項1記載のインク組成物。
  3. さらに水溶性有機溶剤から選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2記載のインク組成物。
  4. 水溶性有機溶剤がグリコールエーテル類および/または多価アルコール類であることを特徴とする請求項3記載のインク組成物。
  5. 水溶性有機溶剤が20℃における飽和蒸気圧6.6665Pa以下の水溶性有機溶剤であることを特徴とする請求項3または4記載のインク組成物。
  6. さらに非イオン性界面活性剤から選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  7. 非イオン性界面活性剤がアセチレン基を有する化合物であることを特徴とする請求項6記載のインク組成物。
  8. 顔料がピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4およびピグメントブルー15:6から選ばれる1種または2種以上のシアン顔料を含むことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  9. 顔料がピグメントレッド122、ピグメントレッド209およびピグメントヴァイオレット19から選ばれる1種または2種以上のマゼンタ顔料を含むことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  10. 顔料がピグメントイエロー74、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150およびピグメントイエロー180から選ばれる1種または2種以上のイエロー顔料を含むことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  11. 顔料がカーボンブラックを含むことを特徴とするインク請求項1〜7のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  12. 請求項8のインク組成物、請求項9のインク組成物、請求項10のインク組成物および請求項11のインク組成物から選ばれる2種以上からなることを特徴とするインクセット。
  13. インクジェット方式によりインク組成物の液滴を、シリコンを含有するポリビニルピロリドンを表面および/または内部に保持した記録媒体上に吐出し、該記録媒体に画像を形成する方法であって、該インク組成物が請求項1〜11のうちのいずれかのインク組成物または請求項12のインクセットであることを特徴とする画像形成方法。
  14. 請求項13の画像形成方法によって、記録媒体上に形成されてなることを特徴とする記録画像。
  15. 請求項1〜11のうちのいずれかのインク組成物または請求項12のインクセットを貯留するインクタンクと、
    前記インク組成物またはインクセットの液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物またはインクセットが供給されるインク室と、
    印加される電圧に応答してひずみを生じる圧電素子であって、
    前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物またはインクセットに対して圧力をかける圧電素子と、
    前記圧電素子に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッド。
  16. 請求項1〜11のうちのいずれかのインク組成物または請求項12のインクセットを貯留するインクタンクと、
    前記インク組成物またはインクセットの液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物またはインクセットが供給されるインク室と、前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物またはインクセットを加熱して気泡を発生させることによって前記インク組成物またはインクセットに対して圧力をかける発熱体と、
    前記発熱体に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッド。
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