JP2004314478A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】画像記録動作中でもメンテナンスユニットに紫外線が入射することを防止でき更にメンテナンスユニットの様子を確認することができるようなインクジェットプリンタを提供すること。
【解決手段】このインクジェットプリンタ1には往復するキャリッジ3が設けられ、このキャリッジ3にヘッド4と紫外線照射機構10が搭載されている。メンテナンス領域Zにはメンテナンスユニット6が配設されている。メンテナンスユニット6はワイパーブレード63、受け皿62及び吸引キャップ61等から構成されている。このメンテナンスユニット6は箱体81に収納され、箱体81の開口部81aから出没するようになっている。開口部81aは蓋部材82によって開閉される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体にインクをヘッドで吐出することによって該記録媒体に画像を記録するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、簡易かつ安価に画像を記録できる画像記録手段として、インクジェット方式を用いた画像記録装置が数多く用いられている。インクジェット方式を用いたインクジェットプリンタは、ヘッドを記録媒体上で移動させながらヘッドの吐出口からインクを微小な液滴として紙等の記録媒体に向けて吐出し、記録媒体にインクを浸透させ又は定着させることにより記録媒体上に画像記録を行うものである。
【0003】
さらに近年は、樹脂フィルム等のインク吸収性の乏しい記録媒体に対しても画像を形成することのできるインクジェットプリンタとして、紫外線硬化性インクを用いたインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェットプリンタは、記録媒体上に着弾したインクに対して紫外線照射機構で紫外線を照射することによって、インクを硬化させ記録媒体上に定着させるものである。
【0004】
しかし、このようなインクジェットプリンタにおいては、連続して記録作業を行った場合に、ヘッドの吐出口から吐出され霧状になったインクが吐出口付近に付着して堆積し、吐出口の目詰まりを起こすことがある。そして、このような状態で記録作業を続行した場合には、ヘッドが吐出動作を行っても、吐出不良が生じ、結果として画像記録に不具合が生じるおそれがある。
【0005】
そのため、正常な画像記録を行うためには、所定のタイミングでヘッドのメンテナンスを行うことが必要となる。そこで、ヘッドのメンテナンスを行うためのメンテナンスユニットを搭載したインクジェットプリンタが開発されている(例えば、特許文献2)。メンテナンスユニットによるメンテナンス動作としては、強制吸引動作、払拭動作、空吐出動作等がある。強制吸引動作とは、ヘッドの吐出口が形成された面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャップ部材を介して吸引ポンプで吸引することにより吐出口及びその付近に残留している気泡・ゴミ等をインクとともに吸引除去することである。払拭動作とは、吐出口の形成された面に付着したインクをワイパーブレードで拭き取ることである。空吐出動作とは、ヘッドがインクを空吐出させてそのインクを受ける動作である。このようなメンテナンスユニットにもインクが付着するので、メンテナンスユニットに付着したインクを除去する必要があり、メンテナンスユニットの清掃作業は人手で行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−310454号公報
【特許文献2】
特許第2730930号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、メンテナンスユニットに付着したインクが硬化してしまうと、メンテナンスユニットからインクを除去することが困難である。インクジェットプリンタがメンテナンスユニットによるメンテナンス動作を行っている時には、紫外線照射機構を消灯すれば、メンテナンスユニットに付着したインクが硬化することはない。ところが、インクジェットプリンタが画像記録動作を行っている時には、紫外線照射機構を点灯させなければならず、紫外線照射機構から発した紫外線が反射・回折等によってメンテナンスユニットに入射してしまう。そのため、メンテナンスユニットを何らかの方法で遮光することが望ましいが、メンテナンスユニットを遮光してしまうと、メンテナンスユニットにどの程度インクが付着したかを確認することが困難である。
【0008】
そこで、本発明は、画像記録動作中でもメンテナンスユニットに紫外線が入射することを防止でき更にメンテナンスユニットの様子を確認することができるようなインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、吐出口を有するとともに紫外線の被照射により硬化するインクを前記吐出口から記録媒体に向けて吐出するヘッドと、前記記録媒体に向けて紫外線を照射する紫外線照射機構と、を備え、前記吐出口から吐出されて前記記録媒体に着弾したインクを前記紫外線照射機構によって紫外線を照射することでインクを硬化させるインクジェットプリンタにおいて、前記ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、前記メンテナンスユニットの外側を覆い、紫外線遮蔽性及び可視光透過性を有する遮蔽ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明では、遮蔽ユニットが紫外線遮蔽性を有しており、その遮蔽ユニットによってメンテナンスユニットが覆われているため、画像記録動作中に紫外線照射機構から発した紫外線が反射・回折してもメンテナンスユニットに入射することを防止することができる。そのため、メンテナンスユニットに付着したインクが硬化することを防止することができ、メンテナンスユニットの清掃作業が容易となる。
また、遮蔽ユニットが可視光透過性を有しているから、遮蔽ユニットによって覆われたメンテナンスユニットの状態を目視で確認することができる。そのため、メンテナンスユニットにどの程度インクが付着したかを容易に把握することができ、メンテナンスユニットの清掃タイミングを逸しない。更に、メンテナンスユニットの様子を把握するために、遮蔽ユニット内からメンテナンスユニットを取り出したり、遮蔽ユニットを退かしたりせずとも済む。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記遮蔽ユニットが、前記メンテナンスユニットの外側を覆うとともに開口部が形成された箱体と、前記開口部を閉塞した閉塞位置から前記開口部を開放した開放位置までの間で移動自在に設けられた蓋部材と、を備え、前記箱体及び前記蓋部材が紫外線遮光性及び可視光透過性を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記メンテナンスユニットが前記開口部から前記箱体外に突出した位置と前記箱体内に収まった位置との間で移動自在に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項2、3に記載の発明では、蓋部材が箱体の開口部を開閉するため、メンテナンス動作中にはメンテナンスユニットが開口部を通じて箱体から突出すれば、ヘッドに対してメンテナンスを行うことができる。画像記録動作中には、メンテナンスユニットが箱体によって覆われて、蓋部材が開口部を閉塞していれば、紫外線照射機構から発した紫外線が反射・回折してもメンテナンスユニットに入射することを防止することができる。更には、蓋部材及び箱体が可視光透過性を有しているから、メンテナンスユニットの状態を目視で確認することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記蓋部材を前記閉塞位置から前記開放位置までの間で移動させる開閉機構を具備することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明では、開口部が手動ではなく自動で蓋部材によって開閉される。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記蓋部材及び前記箱体のうちの少なくとも一方がアクリル樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明では、アクリル樹脂は紫外線遮蔽性を有するとともに可視光透過性を有する。そのため、画像記録動作中には、メンテナンスユニットが箱体によって覆われて、紫外線照射機構から発した紫外線が反射・回折してもメンテナンスユニットに入射することを防止することができる。更には、メンテナンスユニットの状態を目視で確認することができる。更に、アクリル樹脂は比較的安価であるため、箱体及び蓋部材を設けてもインクジェットプリンタのコスト高にはならない。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記メンテナンスユニットが、前記吐出口からインクを吸引する時に前記吐出口を覆う吸引キャップと、吸引後に前記吐出口と対向した状態で前記吐出口から吐出されたインクを受ける受け部と、吸引後にヘッドを摺擦するブレードと、を具備することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明では、メンテナンスユニットには、吸引キャップとブレードと受け部とが設けられているので、吐出口の吐出状態を効率的に復帰させることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記メンテナンスユニットによるメンテナンス動作は、前記ヘッドからインクを吸引する吸引動作と、前記ヘッドに付着したインクを払拭する払拭動作と、前記ヘッドの吐出口から空吐出されたインクを受ける受け動作と、のうち少なくとも一動作を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明では、吸引動作、払拭工程、受け動作といった各メンテナンス動作を行うことによりヘッドのノズルの目詰まりを防止し、常に良好な画像形成を行うことが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記ヘッドは、30℃における粘度が10〜500mPa・sの液体であるインクを加熱手段により30〜150℃に加熱して、1ドットが2〜20plの小液滴となるように吐出することを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の発明では、30℃における粘度が10〜500mPa・sである高粘度のインクを用いるので、インク吸収性のない記録媒体に対しても記録媒体上でのインクの流動等を生じることなく高画質な画像記録を行うこと可能であるが、このような高粘度のインクを用いる場合にも効率的にヘッドのメンテナンス動作を行うことができる。また、インクを30〜150℃に加熱してヘッドから吐出するからインクが良好な状態で吐出され、そのため画像記録を行うことができ、また、インクを1ドットが2〜20plの小液滴となるようにして吐出するため、高粘度インクであっても高品質の画像記録が可能である。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録媒体が前記インクに対して非吸収性の材料から構成されていることを特徴とする。
【0025】
インクに対して非吸収性の記録媒体に画像記録する場合にはインクが記録媒体上において流動することを防止するため高粘度のインクを用いることが行われるが、請求項9に記載の発明によれば、このような場合でも、適切かつ効率的なヘッドに対するメンテナンス動作を行うことができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インクがカチオン重合性インクであることを特徴とする。
【0027】
請求項10に記載の発明では、カチオン重合性の紫外線硬化インクを用いた場合でも、メンテナンスユニットにインクが固着することを適切に防止し、連続的な画像記録を行う際にも十分なメンテナンス動作を可能とし、高画質な画像を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0029】
図1は、シリアル記録方式により画像を記録媒体Pに記録するインクジェットプリンタ1を示した正面図である。このインクジェットプリンタ1はウェブ状の記録媒体Pを搬送するための搬送機構を具備する。この搬送機構は、モーター、搬送ローラ等を具備し、モーターの動力によって記録媒体Pを間欠的に搬送するように構成されている。搬送機構によって搬送される記録媒体Pよりも下方には、プラテン5が配置されている。このプラテン5は、記録媒体Pを下側から略平坦に支持するものである。
【0030】
プラテン5及び記録媒体Pよりも上方には、キャリッジガイド2が配置されている。このキャリッジガイド2は、記録媒体Pが搬送されていく搬送方向と直交する主走査方向Aに延在している。なお、図1において搬送方向は図の紙面に対して直行する方向である。
【0031】
このキャリッジガイド2にはキャリッジ3が主走査方向Aに往復移動自在となって支持されている。キャリッジ3は、モーター等の動力源によってキャリッジガイド2に沿って移動するようになっている。ここで、キャリッジ3の移動可能範囲内において中央部分の領域を記録領域Yとし、記録領域Yの外側の領域であって一端部側の領域をホーム領域Xとし、記録領域Yを挟んでホーム領域Xと反対側となる領域をメンテナンス領域Zとする。画像記録動作時には、キャリッジ3が記録領域Y内において往復移動し、待機時、電源オフ時等の停止時には、キャリッジ3がホーム領域X内に位置し、メンテナンス時には、キャリッジ3がメンテナンス領域Z内に位置する。なお、プラテン5は、記録領域Yの下側に配置されている。
【0032】
キャリッジ3には、四つのヘッド4,4,…及び二つの紫外線照射機構10,10が搭載されている。これら四つのヘッド4,4,…は、主走査方向Aに沿って一列になって配列されている。それぞれのヘッド4の下面41にはノズルプレート42が設けられており、ノズルプレート42には複数の吐出口が形成されている。ヘッド4には、吐出口ごとにピエゾ素子が設けられている。ヘッド4は、ピエゾ素子でヘッド4自身内の圧力を変化することによってそれぞれの吐出口から個別にインクを吐出するように設けられている。
【0033】
インクの色はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)であり、ヘッド4ごとに吐出される色が異なる。どの色のインクにも、紫外線の被照射によって硬化する紫外線硬化性インクを用いている。
【0034】
ヘッド4,4,…それぞれには、ヒータ、ペルチェ素子等の加熱手段が設けられている。加熱手段でヘッド4内部のインクが30℃〜150℃に加熱されるようになっている。なお、インクを貯留するインクタンクに加熱手段が設けられていても良く、この場合でも加熱手段によって30℃〜150℃に加熱されたインクがインクタンクからヘッド4,4,…に供給され、ヘッド4,4,…から加熱されたインクが吐出されるようになっている。
【0035】
ここで、本発明の実施形態に用いられるインク及び記録媒体について説明する。インクは、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件および硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクである。このインクは、色材、重合性モノマー(又は重合性オリゴマー)、光開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで光開始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有している。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0036】
紫外線硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合性インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合性インクとに大別されるが、どちらのインクも本実施の形態に用いられるインクとして適用可能であり、ラジカル重合性インクとカチオン重合性インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0037】
しかしながら、酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン重合性インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施の形態では特にカチオン重合性インクを用いている。本実施の形態に用いられるカチオン重合性インクは、具体的に、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物であり、上記の通り、紫外線の被照射により硬化する性質を具備するものである。
【0038】
本実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体であるが、高品質の画像を得るためには、このうち40〜500mPa・sであるインクであることが望ましい。10mPa・s未満の低粘度のものとすると記録媒体上で滲みを生じて記録画像が劣化し、また500mPa・sを超える高粘度のものとすると、画質の平滑性が失われるからであり、最も画像品質が安定するのは40〜500mPa・sの粘度を有する場合であるからである。
また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速吐出を行った場合に正確な着弾ができない等の不具合を生じ、また30mPa・s以上では、吐出性が劣化するからである。
【0039】
記録媒体Pは、ヘッド4,4,…から吐出されるインクに対して非吸収性の材料で形成されていても良いし、ヘッド4,4,…から吐出されるインクに対して吸収性の材料で形成されていても良い。高画質の画像を記録媒体Pに記録するという観点から、本実施形態では特に記録媒体Pとしてインク非吸収性の記録媒体を用いている。ここで、非吸収性とは、インクを吸収しないということであるが、本発明においては、ブリストウ法におけるインクの転移量が、0.1ml/mm未満である場合、実質的に0ml/mmであるような記録媒体を非吸収性記録媒体とし、それ以外の記録媒体を吸収性記録媒体とする。
【0040】
非吸収性記録媒体としては、例えば、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができる。各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PEフィルム、TACフィルムが挙げられる。その他のプラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。そして、これら非吸収性記録媒体として好ましいものは、表面エネルギーが35mN/m〜60mN/mの範囲に収まるものであるが、さらに好ましいものは、40mN/m〜60mN/mの範囲に収まるものである。
吸収性記録媒体としては、例えば普通紙(コピー用紙)、上質紙などが挙げられる。
【0041】
ヘッド4,4,…の主走査方向A両側において、紫外線照射機構10,10がキャリッジ3に搭載されている。これら紫外線照射機構10,10は、下方に向けて紫外線を照射するものである。ここで、紫外線とは、可視光(波長380nm〜780nm)よりも短波長でありX線よりも長波長の光をいい、紫外線の波長領域の上端は、380〜400nmであり、波長領域の下端は0.2〜1nmである。紫外線照射機構10,10から発する紫外線は単波長の光であっても良いし、所定波長域の光であっても良いが、ヘッド4,4,…から吐出されたインクを光重合させる波長を含んだ光である。
【0042】
プラテン5の主走査方向A両側それぞれには、ヘッド4,4,…のメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット6とヘッド4,4,…の保湿を行うための保湿ユニット7とが配設されており、メンテナンスユニット6はメンテナンス領域Zの下側に配置されており、保湿ユニット7はホーム領域Xの下側に配置されている。更に、メンテナンス領域Zには、メンテナンスユニット6の外側を覆って、メンテナンスユニット6に紫外線が入射することを遮蔽するための遮蔽ユニット80が設けられている。
【0043】
保湿ユニット7には、ヘッド4と同数の保湿キャップ71,71,…が設けられ、保湿キャップ71,71,…は主走査方向Aに沿って配列されている。各保湿キャップ71は、ヘッド4の下部を覆うことができるようにヘッド4の下部に対応するサイズ及び形状を成しており、ヘッド4に係るインクの保湿を行うものである。なお、保湿ユニット7自体は、図示しない上下動機構によって上下に移動されるようになっている。
【0044】
メンテナンスユニット6は、ヘッド4のノズルプレート42を拭くためのワイパーブレード63と、ヘッド4の吐出口に対向した状態で吐出口から空吐出されたインクを受けて回収するための受け皿62と、ヘッド4の下面41を覆うようにノズルプレート42に着く吸引キャップ61,61,…と、を具備する。ワイパーブレード63、受け皿62及び吸引キャップ61,61,…は主走査方向Aに沿って一列に配列されており、プラテン5から近い順にワイパーブレード63、受け皿62、吸引キャップ61,61,…となっている。
【0045】
ワイパーブレード63は、立設されており、ゴム等の弾性変形する部材又はブラシ材から構成されている。このワイパーブレード63は、ノズプレート42がこのワイパーブレード63に当接した状態でワイパーブレード63上を通過している時にノズルプレート42に付着したインクをノズルプレート42から払拭するものである。
【0046】
吸引キャップ61,61,…はヘッド4,4,…と同数設けられている。一つの吸引キャップ61につき一つの管66が吸引キャップ61の底面に連通している。一つの管66につき一つの吸引ポンプ64が管66の途中に設けられている。吸引ポンプ64は吸引キャップ61から管66を通じて廃タンク65に向かった吸引力を発生するものであり、吸引キャップ61にノズルプレート42が着いた場合にノズルプレート42の吐出口が吸引キャップ61に覆われ、インクが吐出口から吸引されるようになっている。
【0047】
メンテナンスユニット6は図示しない昇降機構によって上下に駆動される。つまり、昇降機構は、モーター等を具備し、吸引キャップ61,61,…、受け皿62、ワイパーブレード63、吸引ポンプ64、廃タンク65及び管66,66,…を一体的にモーター等で上下に移動させるようになっている。
【0048】
メンテナンスユニット6が昇降機構によって最上点に位置された場合、ワイパーブレード63の上端部はノズルプレート42よりも上方に位置するようになっているとともに吸引キャップ61,61,…はノズルプレート42とほぼ同じ高さに位置するようになっている。メンテナンスユニット6が昇降機構によって最下点に位置された場合に、メンテナンスユニット6が遮蔽ユニット80の内側に収納されるようになっている。
【0049】
図2の斜視図を用いて遮蔽ユニット80について詳細に説明する。図2に示すように、遮蔽ユニット80は箱状に形成された箱体81を具備し、この箱体81によってメンテナンスユニット6の外側が覆われている。箱体81の下は開放しており、箱体81の上面には開口部81aが貫通するように形成されている。この箱体81は、上から見て吸引キャップ61,61,…、受け皿62及びワイパーブレード63全てが開口部81aの内側に収まるように配置されている。また、メンテナンスユニット6が昇降機構によって最上点に位置された場合に、吸引キャップ61,61,…、受け皿62及びワイパーブレード63が開口部81aを通じて箱体81の上面よりも上に突出するようになっている。一方、メンテナンスユニット6が昇降機構によって最下点に位置された場合に、吸引キャップ61,61,…、受け皿62及びワイパーブレード63が箱体81の上面よりも下に位置するようになっている。
【0050】
箱体81の上面には蓋部材82が設けられている。この蓋部材82は、上面の開口部81aに重なって開口部81aを閉塞する閉塞位置から、開口部81aから外れて開口部81aを開放した開放位置までの間を箱体81の上面に沿って摺動自在に設けられている。
【0051】
この遮蔽ユニット80には、図示しないモーター等を有した開閉装置が設けられている。この開閉装置は、蓋部材82を開閉するものであり、閉塞位置から開放位置までの間で蓋部材82を移動させるように構成されている。
【0052】
箱体81及び蓋部材82はともに、紫外線を遮蔽するとともに可視光を透過する材料で形成されている。ここで、箱体81及び蓋部材82で遮蔽される紫外線の波長は紫外線の波長域の全てである必要はなく、紫外線照射機構10から発する紫外線の波長であれば良い。また、箱体81及び蓋部材82を透過する可視光の波長は可視光の波長領域の全てである必要はなく、目視して透明であることが確認できれば良い。
【0053】
紫外線遮蔽性及び可視光透過性を有した材料としては、メタクリル樹脂(ポリメタクリル酸エステル:アクリル樹脂と呼ぶこともある。)がある。メタクリ樹脂の他に、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルを箱体81及び蓋部材82に用いても良い。
【0054】
メタクリル樹脂としては、メチルメタアクリレート単独重合体(ポリメチルメタアクリレート:PMMA)が挙げられる。その他に、メチルメタアクリレートを主成分とし、メチルメタアクリレートに各種アクリル酸エステル、スチレン等の共重合可能な単量体成分を50%未満共重合させた共重合体が挙げられ、その例としてはメチルメタアクリレート/スチレン共重合体、メチルメタアクリレート/アクリル酸エステル共重合体がある。メタクリル樹脂に別の樹脂を少量ブレンドしたものでも良く、ブレンドする樹脂としてはアクリル系ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルアクリレート共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、その他のゴムが挙げられる。箱体81と蓋部材82の成分は同じであっても良いし、異なっていても良い。また、箱体81と蓋部材82のうちの何れか一方がメタクリ樹脂で形成されていても良いし、両方ともメタクリル樹脂で形成されていても良い。
【0055】
遮蔽ユニット80及びメンテナンスユニット6は、図示しない移動機構によって主走査方向Aに平行な方向Dに沿って一体的に移動されるようになっている。
【0056】
また、このインクジェットプリンタ1には全体を制御する制御装置が設けられている。つまり、制御装置は、キャリッジ3、ヘッド4,4,…、紫外線照射機構10,10、ポンプ64,64,…、上下動機構、昇降機構、開閉機構及び移動機構を所定のタイミングで作動させたり、停止させたりするようになっている。制御装置によってキャリッジ3、ヘッド4,4,…、紫外線照射機構10,10、ポンプ64,64,…、上下動機構、昇降機構、開閉機構及び移動機構の作動タイミング・停止タイミングが制御されることによって、インクジェットプリンタ1が動作する。
【0057】
次に、インクジェットプリンタ1の動作について説明する。
まず、初期状態では、キャリッジ3が保湿ユニット7の上方に位置しており、保湿ユニット7が上昇した位置にあり、ヘッド4,4,…の下面41がそれぞれ保湿キャップ71に覆われている。これにより、ノズルプレート42が保護され、インクが保湿される。更に、初期状態では、メンテナンスユニット6は最下点に位置しており、蓋部材82が閉塞位置に位置している。これにより、吸引キャップ61,61,…、受け皿62及びワイパーブレード63が箱体81の内側に収納された状態であり、開口部81aが蓋部材82によって塞がれている。
【0058】
インクジェットプリンタ1の電源が投入されると、上下動機構が保湿ユニット7をキャリッジ3から下に離し、これにより保湿キャップ71,71,…がそれぞれのヘッド4から外れる。
【0059】
そして、インクジェットプリンタ1のメンテナンスユニット6によるメンテナンス動作が開始し、キャリッジ3がキャリッジガイド2に沿ってホーム領域Xから記録領域Yを通ってメンテナンス領域Zに向かって移動する。
【0060】
キャリッジ3がメンテナンス領域Zに到達する前に、開閉装置が蓋部材82を閉塞位置から開放位置へ移動させる。そして、キャリッジ3がメンテナンス領域Zに到達して、ヘッド4,4,…がそれぞれ吸引キャップ61に対向した位置に位置すると、キャリッジ3が停止する。次いで、昇降機構がメンテナンスユニット6を最上点まで上昇させると、ノズルプレート42,42,…がそれぞれ吸引キャップ61に覆われる。その後、吸引ポンプ64、64,…が作動することにより、吸引キャップ61,61,…の内部に負圧が作用し、ヘッド4,4,…内のインクが吸引される(吸引動作)。吸引されたインクは、管66を通じて廃タンク65に送られて貯留される。
【0061】
吸引終了後、昇降機構がメンテナンスユニット6を最上点から下降させると、吸引キャップ61,61,…がそれぞれヘッド4の下面41から離れる。この時、昇降機構はメンテナンスユニット6を最下点まで移動させずに、最上点と最下点との間に停止させる。この状態では、ワイパーブレード63の上端は、箱体81の開口部81aから上に突出しており、更にノズルプレート42よりも上に位置していいる。
【0062】
その後、移動機構がメンテナンスユニット6及び遮蔽ユニット80を記録領域Yから離なすように方向Dに移動させる。メンテナンスユニット6が方向Dに移動している時には、ワイパーブレード63が弾性変形しながらヘッド4の下面41やノズルプレート42を擦り動く(払拭動作)。これにより、ヘッド4の下面41やノズルプレート42に付着しているインクやゴミ等が拭き取られる。
【0063】
ホーム領域Xに最も近いヘッド4からホーム領域Xに最も遠いヘッド4までの順に全てのヘッド4,4,…がワイパーブレード63によって摺擦されたら、移動機構がメンテナンスユニット6及び遮蔽ユニット80を記録領域Yに近けるように移動させる。受け皿62がヘッド4の下方を通過している時に、そのヘッド4が吐出口から受け皿62に向かってインクの空吐出を行う(空吐出受け動作)。ホーム領域Xに最も遠いヘッド4からホーム領域Xに最も近いヘッド4までの順に全てのヘッド4,4,…の空吐出が終了したら、キャリッジ3がメンテナンス領域Zから記録領域Y又はホーム領域Xに向かって移動する。そして、昇降機構がメンテナンスユニット6を最下点まで移動させると、吸引キャップ61,61,…、受け皿62及びワイパーブレード63が箱体81の内側に収納される。次いで、開閉機構が蓋部材82を開放位置から閉塞位置に移動させて、開口部81aが蓋部材82によって閉塞される。これにより、メンテナンス動作が終了する。
【0064】
インクジェットプリンタ1のメンテナンス動作が終了してキャリッジ3がホーム領域Xに移動した場合には、上下動機構が保湿ユニット7を上昇させることによってヘッド4,4,…がそれぞれ保湿キャップ71に覆われ、インクジェットプリンタ1が待機状態になる。一方、メンテナンス動作が終了してキャリッジ3が記録領域Y内にまで移動した場合には、インクジェットプリンタ1が画像記録動作を行う。
【0065】
インクジェットプリンタ1の画像記録動作について説明すると、搬送機構が記録媒体Pを搬送方向に間欠的に移動させつつ、キャリッジ3が記録領域Y内において主走査方向Aに往復移動し、キャリッジ3が移動している時にヘッド4,4,…が画像情報に従ったタイミングで吐出動作を行う。画像記録動作中では加熱手段がインクを30℃〜150℃に加熱し、1ドットのインクは2〜20plの小液滴としてヘッド4,4,…から吐出される。更に、画像記録動作中では紫外線照射機構10,10が紫外線を発光した状態であり、ヘッド4から記録媒体Pに着弾したインクの上を紫外線照射機構10が通過している時に紫外線照射機構10から発した紫外線がインクに照射される。これによりインクが硬化する。
【0066】
また、画像記録動作中では、開閉機構は蓋部材82を閉塞位置に位置させた状態に保ち、蓋部材82が常に閉塞位置に位置している。画像記録動作中に紫外線照射機構10,10が紫外線を発していても、蓋部材82及び箱体81が紫外線遮蔽性を有しているため、メンテナンスユニット6には紫外線が入射しない。ところが、メンテナンスユニット6が箱体81内に収納されていても、蓋部材82及び箱体81が可視光透過性を有しているため、メンテナンスユニット6の状態を目視で確認することができる。
【0067】
画像記録動作が終了したら、キャリッジ3がホーム領域X又はメンテナンス領域Zに向かって移動する。キャリッジ3がメンテナンス領域Zに向かって移動したら、インクジェットプリンタ1がメンテナンスユニット6によって上述したようなメンテナンス動作を行う。一方、キャリッジ3がホーム領域Xに移動した場合には、ヘッド4,4,…がそれぞれ保湿キャップ71に覆われ、インクジェットプリンタ1が待機状態になる。ここで、インクジェットプリンタ1が待機状態にある場合には、紫外線照射機構10,10が消灯しており、更にインクジェットプリンタ1がメンテナンス動作を行っている場合にも紫外線照射機構10,10が消灯している。
なお、待機状態にあるインクジェットプリンタ1が画像記録動作に移行しても良いし、メンテナンス動作に移行しても良い。
【0068】
以上のように本実施形態では、遮蔽ユニット80の箱体81及び蓋部材82がメタクリル樹脂で形成され、そのため箱体81及び蓋部材82が可視光透過性及び紫外線遮蔽性を有する。画像記録動作中にはメンテナンスユニット6が箱体81に収納され、蓋部材82によって開口部81aが閉塞されているから、紫外線照射機構10,10から発した紫外線が反射・回折してもメンテナンスユニット6に入射することを防止することができる。そのため、メンテナンスユニット6に付着したインクが硬化することを防止することができ、メンテナンスユニット6の清掃作業が容易となる。
また、箱体81及び蓋部材82が可視光透過性を有しているから、箱体81の内側に収納されたメンテナンスユニット6の状態を目視で確認することができる。そのため、メンテナンスユニット6にどの程度インクが付着したかを容易に把握することができ、メンテナンスユニット6の清掃タイミングを逸しない。更に、メンテナンスユニット6の様子を把握するためだけのために、箱体81内からメンテナンスユニット6を取り出したり、箱体81及び蓋部材82を外したりせずとも済む。
【0069】
[実験例]
本実験例では紫外線に対するアクリル板の紫外線遮蔽性の有無を検証し、上記実施形態において箱体81及び蓋部材82が紫外線遮蔽性を有するか否かを確認した。
図3は本実験例における実験方法の概要を説明するための図面である。
本実験では、図3に示す通り、紫外線光源300と照度計301との距離を100mmに保った状態で紫外線光源300及び照度計301の間にアクリル板302を介在させた場合とアクリル板302を介在させない場合とにおいて紫外線光源から発した光の照度を照度計で測定した。ただし、測定波長領域は200〜800nmである。また、アクリル板302は上記箱体81及び蓋部材82と同じ材料から形成されているものであり、目視でアクリル板302が透明であることが確認できた。
【0070】
また本実験では、アクリル板302として厚さ3.0mmのアクリル板を使用した。紫外線光源300として波長254nmの光を放射する紫外線光源(ニッポ電機社製)、波長310nmの光を放射する紫外線光源(ハイベック社製),波長365nmの光を放射する紫外線光源(ハイベック社製)の三種の紫外線光源をそれぞれ使用した。照度計301としてUSR40(ウシオ電気社製)を使用した。
【0071】
図4は波長254nmの紫外線光源を用いた場合の実験結果を示す図面であり、図5は波長310nmの紫外線光源を用いた場合の実験結果を示す図面であり、図6は波長365nmの紫外線光源を用いた場合の実験結果を示す図面である。
【0072】
図4に示す通り、波長254nmの紫外線光源を用いた場合に、紫外線光源300と照度計301との間にアクリル板302を介在させないとき、波長254nm近傍で約550μWの照度の光が検出された。一方、紫外線光源300と照度計301との間にアクリル板302を介在させたとき、紫外線領域(波長約200〜400nm)及び可視領域(約400〜800nm)でほとんど光が検出されなかった。
【0073】
図5に示す通り、波長310nmの紫外線光源を用いた場合に、紫外線光源300と照度計301との間にアクリル板302を介在させないとき、波長310nm近傍で約19μWの照度の光が検出された。一方、紫外線光源300と照度計301との間にアクリル板302を介在させたとき、紫外線領域ではほとんど光が検出されなかったが、可視領域では各波長405nm,430nm,550nm近傍で微弱な光が検出された。
【0074】
図6に示す通り、波長365nmの紫外線光源を用いた場合に、紫外線光源300と照度計301との間にアクリル板302を介在させないとき、波長365nm近傍で約40μWの照度の光が検出された。一方、紫外線光源300と照度計301との間にアクリル板302を介在させたとき、紫外線領域及び可視領域でほとんど光が検出されなかった。
【0075】
図4〜図6に示す実験結果から、紫外線光源300と照度計301との間にアクリル板302を介在させると照度計301では紫外線領域の光が検出されず、アクリル板302が紫外線に対して遮光性を有することが充分に示唆された。したがって、上記実施形態に示したインクジェットプリンタ1では、遮蔽ユニット80の箱体81及び蓋部材82によって紫外線を十分に遮蔽することができ、メンテナンスユニット6に付着したインクが硬化するのを確実に防止することができる。
【0076】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に発明によれば、紫外線遮蔽性を有した遮蔽ユニットによってメンテナンスユニットが覆われているため、画像記録動作中に紫外線照射機構から発した紫外線がメンテナンスユニットに入射することを防止することができる。そのため、メンテナンスユニットに付着したインクが硬化することを防止することができる。また、遮蔽ユニットが可視光透過性を有しているから、遮蔽ユニットによって覆われたメンテナンスユニットの状態を目視で確認することができる。
【0078】
請求項2に記載の発明によれば、蓋部材が箱体の開口部を開閉するため、メンテナンス動作中にはメンテナンスユニットが開口部を通じてヘッドに対してメンテナンスを行うことができる。画像記録動作中には、蓋部材が開口部を閉塞していれば、紫外線照射機構から発した紫外線がメンテナンスユニットに入射することを防止することができる。更には、蓋部材及び箱体が可視光透過性を有しているから、メンテナンスユニットの状態を目視で確認することができる。
【0079】
請求項3に記載の発明によれば、メンテナンス動作中にはメンテナンスユニットが開口部を通じて箱体から突出すれば、ヘッドに対してメンテナンスを行うことができる。画像記録動作中には、メンテナンスユニットが箱体によって覆われて、蓋部材が開口部を閉塞していれば、紫外線照射機構から発した紫外線が反射・回折してもメンテナンスユニットに入射することを防止することができる。更には、蓋部材及び箱体が可視光透過性を有しているから、メンテナンスユニットの状態を目視で確認することができる。
【0080】
請求項4に記載の発明によれば、箱体の開口部が蓋部材によって自動で開閉される。
【0081】
請求項5に記載の発明によれば、アクリル樹脂は紫外線遮蔽性を有するとともに可視光透過性を有するから、請求項2に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0082】
請求項6に記載の発明によれば、吐出口の吐出状態を効率的に復帰させることができる。
【0083】
請求項7に記載の発明によれば、吸引動作、払拭工程、受け動作といった各メンテナンス動作を行うことによりヘッドのノズルの目詰まりを防止し、常に良好な画像形成を行うことが可能となる。
【0084】
請求項8に記載の発明によれば、インクが良好な状態で吐出されるので、画像記録を行うことができ、高粘度インクであっても高品質の画像記録を行うことができる。
【0085】
請求項9に記載の発明によれば、高粘度のインクを用いた場合でも、適切かつ効率的なヘッドに対するメンテナンス動作を行うことができる。
【0086】
請求項10に記載の発明によれば、カチオン重合性の紫外線硬化インクを用いた場合でも、メンテナンスユニットにインクが固着することを適切に防止し、連続的な画像記録を行う際にも十分なメンテナンス動作を可能とし、高画質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェットプリンタを模式的に示した正面図である。
【図2】上記インクジェットプリンタに設けられた遮蔽ユニット及びメンテナンスユニットを示した斜視図である。
【図3】上記遮蔽ユニットの箱体及び蓋部材の紫外線遮蔽性を確認するための実験方法の概要を説明するための図面である。
【図4】波長254nmの紫外線光源を用いた場合の実験結果を示す図面である。
【図5】波長310nmの紫外線光源を用いた場合の実験結果を示す図面である。
【図6】波長365nmの紫外線光源を用いた場合の実験結果を示す図面である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
4 ヘッド
6 メンテナンスユニット
10 紫外線照射機構
61 吸引キャップ
62 受け皿(受け部)
63 ワイパーブレード(ブレード)
8 遮蔽ユニット
81 箱体
81a 開口部
82 蓋部材

Claims (10)

  1. 吐出口を有するとともに紫外線の被照射により硬化するインクを前記吐出口から記録媒体に向けて吐出するヘッドと、前記記録媒体に向けて紫外線を照射する紫外線照射機構と、を備え、前記吐出口から吐出されて前記記録媒体に着弾したインクを前記紫外線照射機構によって紫外線を照射することでインクを硬化させるインクジェットプリンタにおいて、
    前記ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、
    前記メンテナンスユニットの外側を覆い、紫外線遮蔽性及び可視光透過性を有する遮蔽ユニットと、を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記遮蔽ユニットが、前記メンテナンスユニットの外側を覆うとともに開口部が形成された箱体と、前記開口部を閉塞した閉塞位置から前記開口部を開放した開放位置までの間で移動自在に設けられた蓋部材と、を備え、前記箱体及び前記蓋部材が紫外線遮光性及び可視光透過性を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記メンテナンスユニットが前記開口部から前記箱体外に突出した位置と前記箱体内に収まった位置との間で移動自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記蓋部材を前記閉塞位置から前記開放位置までの間で移動させる開閉機構を具備することを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記蓋部材及び前記箱体のうちの少なくとも一方がアクリル樹脂で形成されていることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記メンテナンスユニットが、
    前記吐出口からインクを吸引する時に前記吐出口を覆う吸引キャップと、
    吸引後に前記吐出口と対向した状態で前記吐出口から吐出されたインクを受ける受け部と、
    吸引後にヘッドを摺擦するブレードと、を具備することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記メンテナンスユニットによるメンテナンス動作は、前記ヘッドからインクを吸引する吸引動作と、前記ヘッドに付着したインクを払拭する払拭動作と、前記ヘッドの吐出口から空吐出されたインクを受ける受け動作と、のうち少なくとも一動作を含むことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記ヘッドは、30℃における粘度が10〜500mPa・sの液体であるインクを加熱手段により30〜150℃に加熱して、1ドットが2〜20plの小液滴となるように吐出することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記記録媒体が前記インクに対して非吸収性の材料から構成されていることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記吐出口から吐出されるインクがカチオン重合性インクであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
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