JP2004313964A - 浄化カートリッジ及び膜モジュール - Google Patents
浄化カートリッジ及び膜モジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004313964A JP2004313964A JP2003112490A JP2003112490A JP2004313964A JP 2004313964 A JP2004313964 A JP 2004313964A JP 2003112490 A JP2003112490 A JP 2003112490A JP 2003112490 A JP2003112490 A JP 2003112490A JP 2004313964 A JP2004313964 A JP 2004313964A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow fiber
- activated carbon
- fiber membrane
- mesh
- membrane bundle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Water Treatment By Sorption (AREA)
Abstract
【課題】デッドスペースの削減、部品点数の削減及び中空糸膜束利用の効率化を図る浄化カートリッジを提供する。
【解決手段】U字状に折り曲げた中空糸膜束8と中空糸膜束8を覆う網目状ケース9と中空糸膜束8の両端部が揃えられた網目状ケース9の開口部をポッティングしたポッティング部6とを有する膜モジュール2と、膜モジュール2を中心に膜モジュール2の周りに形成される活性炭層3と、活性炭層3の外側から浄化対象液体を流し込む流入口5と、を備え、流入口5から流し込まれた浄化対象液体が活性炭層3及び中空糸膜を透過して浄化された後に膜モジュール2のポッティング部6側から排出される。
【選択図】 図1
【解決手段】U字状に折り曲げた中空糸膜束8と中空糸膜束8を覆う網目状ケース9と中空糸膜束8の両端部が揃えられた網目状ケース9の開口部をポッティングしたポッティング部6とを有する膜モジュール2と、膜モジュール2を中心に膜モジュール2の周りに形成される活性炭層3と、活性炭層3の外側から浄化対象液体を流し込む流入口5と、を備え、流入口5から流し込まれた浄化対象液体が活性炭層3及び中空糸膜を透過して浄化された後に膜モジュール2のポッティング部6側から排出される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用の浄水等の液体(水)の浄化を行う浄水器に組み込まれる浄化カートリッジ及びそれに用いられる膜モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図3に示すような浄化カートリッジが知られている。このような浄化カートリッジ101は、一般の家庭用浄水器に組み込まれるものである。
【0003】
図3に示す浄化カートリッジ101は、U字状に折り曲げた中空糸膜束102を収めてその中空糸膜束102の両端部を揃えてポッティング部103としてポッティングした膜モジュール104と、活性炭105を充填した活性炭ユニット106と、を有する。
【0004】
この浄化カートリッジ101では、膜モジュール104のポッティング部103を一端とし、活性炭ユニット106の浄化対象液体(水)の流入口を他端として、膜モジュール104と活性炭ユニット106とが長手方向に直列に繋がった構成をしている。
【0005】
そして、浄化カートリッジ101の他端から活性炭ユニット106へ液体(水)が流入し、活性炭ユニット106を透過して膜モジュール104へ流入し、中空糸膜を透過して排出される。
【0006】
ここで用いられる膜モジュール104及び活性炭ユニット106は、それぞれ個別に作製され、その後に浄化カートリッジ101として一体化されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の浄化カートリッジ101では、膜モジュール104及び活性炭ユニット106がそれぞれ個別に作製されるため、膜モジュール104内には中空糸膜束102をU字状に折り曲げた折り曲げ部側に中空糸膜束102が充填されない空間、いわゆるデットスペース(図3のD部)が生じており、無駄に浄化カートリッジ101が大きくなってしまうことがあった。
【0008】
また、活性炭ユニット106の活性炭に粒状活性炭を用いた場合には、中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することを防止するために、粒状活性炭と中空糸膜との間にフィルタ(図3では膜モジュール104と活性炭ユニット106との間のフィルタ107)を配置する必要があった。
【0009】
さらに、浄化カートリッジ101は膜モジュール104と活性炭ユニット106とが長手方向に直列に繋がった構成であり、膜モジュール104も中空糸膜束102を収めるだけの大きさにしか形成されていないため、活性炭ユニット106を透過した水は中空糸膜束102の外周には回り込み難く、主として膜モジュールの中空糸膜束102をU字状に折り曲げた折り曲げ部側で中空糸膜を透過しようとしてしまい、中空糸膜束102の利用が非効率となっていた。
【0010】
本発明は上記従来技術に鑑みてなされ、その目的は、デッドスペースの削減、部品点数の削減及び中空糸膜束利用の効率化を図ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、浄化カートリッジに用いる中空糸膜束部分と活性炭部分とが個別に作製されるために部品点数が増加し、デットスペースが生じてしまうことに着目した。そして、中空糸膜束部分と活性炭部分とを初めから一体化して作製することを想起し、中空糸膜束部分を中心としてその周りに活性炭部分を形成する着想を得た。特に、中空糸膜束部分と活性炭部分との境界には網目状部材でケースを設けることにより、ケースに従来のフィルタの役目を兼ねさせる着想を得た。
【0012】
上記の着想を具体化する本発明の浄化カートリッジの構成は、U字状に折り曲げた中空糸膜束と該中空糸膜束を覆う網目状ケースと前記中空糸膜束の両端部が揃えられた前記網目状ケースの開口部をポッティングしたポッティング部とを有する膜モジュールと、該膜モジュールを中心に前記膜モジュールの周りに形成される活性炭層と、前記活性炭層の外側から浄化対象液体を流し込む流入口と、
を備え、前記流入口から流し込まれた浄化対象液体が活性炭層及び中空糸膜を透過して浄化された後に前記膜モジュールのポッティング部側から排出されることを特徴とする。
【0013】
また、浄化カートリッジに用いる本発明の膜モジュールにあっては、U字状に折り曲げた中空糸膜束と、該中空糸膜束を覆うと共に外側から浄化対象液体が疎通可能な網目状ケースと、前記中空糸膜束の両端部が揃えられた前記網目状ケースの開口部をポッティングしたポッティング部と、を有することを特徴とする。
【0014】
この構成では、中空糸膜束の外側に網目状ケースを介して活性炭が直接配置されており、デットスペースが生じることがない。また、活性炭に粒状活性炭を用いた場合でも、網目状ケースによって中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することが防止できるので、従来のように中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することを防止する部品を配置する必要がなくなり、部品点数を削減することができる。さらに、活性炭を透過した浄化対象液体は活性炭層が中空糸膜束の周りに形成されていることから、中空糸膜束の外側全体から入り込み、中空糸膜を透過するので、中空糸膜束の浄化対象液体に接触する表面が増加し、中空糸膜束の利用が効率化される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の最適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0016】
図1〜図2を参照して、本発明の実施の形態に係る浄化カートリッジについて説明する。図1は実施の形態に係る浄化カートリッジの断面図である、図2は実施の形態に係る膜モジュールの図である。
【0017】
浄化カートリッジ1は、図1に示すように、膜モジュール2と、活性炭層3と、が組み合わされて、外側ケース4に収納された構成である。この浄化カートリッジ1は、家庭用浄水器等に組み込まれ、図示矢印のように浄化カートリッジ1の外側ケース4の外周側に存在する流入口5から供給される浄化対象液体(水等)を活性炭、中空糸膜の順に透過し、浄化して、浄化カートリッジ1の中心側に存在する膜モジュール2のポッティング部6側の排出口7から排出する。
【0018】
膜モジュール2は、図2に示すように、U字状に折り曲げられた複数の中空糸膜からなる中空糸膜束8と、中空糸膜束8を囲う網目状ケース9と、中空糸膜束8の両端部を揃えて中空糸膜の中空内部のみが端面外部に開放するように中空糸膜束8の両端部を網目状ケース9の開口部で封止固定したポッティング部6と、を備える。
【0019】
中空糸膜束8は、複数の中空糸膜を束ねたもので、U字状に折り曲げられ、両端部を揃えた構成である。
【0020】
網目状ケース9は、中空糸膜束8のU字状に折り曲げられた形状に合わせて半球形状のようなドーム形状に形成される。この網目状ケース9の一部開放された開口部が中空糸膜束8の両端部が揃えられてポッティングされたポッティング部6となっている。
【0021】
網目状ケース9の材質は、金属や樹脂等を用いることができる。網目状ケース9が金属製の場合には、通常の金属網をドーム形状に加工して形成することができるが、ポッティング部6の外周部分と接合する手間が必要となる。網目状ケース9が樹脂製の場合には、網目の成形金型で網目を成形し、さらにポッティング部6の外周部分と一体的に成形することができる。樹脂製で成形するときの樹脂材質としては、AS樹脂やABS樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
【0022】
網目状ケース9の網目の目は、網目の一単位当たり開口率を80%〜95%の範囲に設定する。この範囲よりも開口率が小さいと網目の透過抵抗が大きくなり過ぎてしまい、この範囲よりも開口率が大きいと網目状ケース9の強度が使用に耐えられなくなる。
【0023】
また、網目状ケース9の網目の目開きは、活性炭層3に粒状活性炭を用いる場合には、通常使用される粒状活性炭の平均粒径が40〜100メッシュ(メッシュは1インチ当たりの網糸の本数を指す)であるので、目開きの大きさは150μm以下に設定される。なお、活性炭層3に成形品である繊維状活性炭を用いる場合には、目開きの大きさは特に限定されない。
【0024】
一方、活性炭層3は、膜モジュール2を中心に膜モジュール2の周りに形成される。具体的には、網目状ケース9の外周側に筒状に形成され、U字状に折り曲げた中空糸膜束8の折り曲げ部付近では膜モジュール2の先端がすぼむことに対応して中心孔の径を小さくしている。
【0025】
なお、本実施の形態では、膜モジュール2の先端が外側ケース4のポッティング部6とは反対の他端内壁41に当接してしまうような容器となっている。しかし、外側ケース4のポッティング部6とは反対の他端内壁41を膜モジュール2の先端から離して、その間にも活性炭層3を形成する構成でもよい。このように外側ケース4の他端内壁41を膜モジュール2の先端から離すと、さらに液体(水)を透過可能な中空糸膜束8の表面積が増加して中空糸膜束8の利用が効率的となる。このように、本発明の範疇としては、膜モジュール2を中心としてその外側に活性炭層3が形成されていればよい。
【0026】
また、活性炭層3は、膜モジュール2のポッティング部6を外部に露出させている。これは、ポッティング部6から最終的に浄化された液体(水)が排出され、またポッティング部6では透過は行うことができないので、活性炭層3でポッティング部6を覆っても活性炭の無駄が出るだけで全てを覆わせる必要は無いからである。
【0027】
なお、浄化カートリッジ1の形状によっては、膜モジュール2のポッティング部6側をも活性炭で覆う形状としてしまうことでもよい。この場合には、排出口7に通じる排出通路を膜モジュール2のポッティング部6から活性炭層3の外側へ通じさせるように設ける必要がある。
【0028】
活性炭層3の活性炭としては、粒状活性炭や繊維状活性炭を用いることができる。繊維状活性炭は、成型加工されるものであるが、好ましくはドーム形状の網目状ケース9が収まるように中心孔の内周がドーム形状に加工されたものを用いる。
【0029】
外側ケース4は、略円柱形状の浄化カートリッジ1の外形を構成するものである。外側ケース4の内部には、膜モジュール2及び活性炭層3が収納される。外側ケース4の内部において、外側ケース4の内周壁面と活性炭層3の外周面との間には、液体(水)を活性炭層3の外周面全体に行き渡らせることを許容するために、環状隙間10が形成されている。
【0030】
また、外側ケース4は、膜モジュール2のポッティング部6の取り付けられた中心に排出口7を有し、その排出口7の外径側に液体(水)を外側ケース4内へ取り込む流入口5を有する。
【0031】
以上の構成の浄化カートリッジ1では、流入口5から液体(水)を取り込み、環状隙間10を流れて活性炭層3の外周全面から活性炭層3を中心に向けて透過し、さらに網目状ケース9を介し、中空糸膜を透過し、最終的に中空糸膜を透過した液体(水)がポッティング部6の外側にある排出口7から排出される。
【0032】
このように、本実施の形態では、中空糸膜束8の外側に網目状ケース9を介して活性炭が直接配置されており、従来のように中空糸膜束8のモジュールを活性炭部分とは個別に作製することにより、中空糸膜束8のモジュール内の中空糸膜束8が充填されない空間、いわゆるデットスペースが生じることがない。よって、各構成部品の充填率を密にして浄化カートリッジ1の小型化を図ることもできる。
【0033】
また、活性炭に粒状活性炭を用いた場合でも、中空糸膜束8を囲う網目状ケース9によって中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することが防止できるので、従来のように粒状活性炭と中空糸膜との間にフィルタを配置する必要がなくなり、フィルタを削減することができる。よって、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0034】
さらに、活性炭を透過した液体(水)は中空糸膜束8の外周全体から中心に向かい、中空糸膜を透過するので、中空糸膜束8の液体(水)に接触する表面が増加し、中空糸膜束8の利用が効率化される。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、デッドスペースの削減、部品点数の削減及び中空糸膜束利用の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る浄化カートリッジの断面図である。
【図2】実施の形態に係る膜モジュールの図である。
【図3】従来技術の浄化カートリッジの図である。
【符号の説明】
1 浄化カートリッジ
2 膜モジュール
3 活性炭層
4 外側ケース
5 流入口
6 ポッティング部
7 排出口
8 中空糸膜束
9 網目状ケース
10 環状隙間
41 他端内壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用の浄水等の液体(水)の浄化を行う浄水器に組み込まれる浄化カートリッジ及びそれに用いられる膜モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図3に示すような浄化カートリッジが知られている。このような浄化カートリッジ101は、一般の家庭用浄水器に組み込まれるものである。
【0003】
図3に示す浄化カートリッジ101は、U字状に折り曲げた中空糸膜束102を収めてその中空糸膜束102の両端部を揃えてポッティング部103としてポッティングした膜モジュール104と、活性炭105を充填した活性炭ユニット106と、を有する。
【0004】
この浄化カートリッジ101では、膜モジュール104のポッティング部103を一端とし、活性炭ユニット106の浄化対象液体(水)の流入口を他端として、膜モジュール104と活性炭ユニット106とが長手方向に直列に繋がった構成をしている。
【0005】
そして、浄化カートリッジ101の他端から活性炭ユニット106へ液体(水)が流入し、活性炭ユニット106を透過して膜モジュール104へ流入し、中空糸膜を透過して排出される。
【0006】
ここで用いられる膜モジュール104及び活性炭ユニット106は、それぞれ個別に作製され、その後に浄化カートリッジ101として一体化されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の浄化カートリッジ101では、膜モジュール104及び活性炭ユニット106がそれぞれ個別に作製されるため、膜モジュール104内には中空糸膜束102をU字状に折り曲げた折り曲げ部側に中空糸膜束102が充填されない空間、いわゆるデットスペース(図3のD部)が生じており、無駄に浄化カートリッジ101が大きくなってしまうことがあった。
【0008】
また、活性炭ユニット106の活性炭に粒状活性炭を用いた場合には、中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することを防止するために、粒状活性炭と中空糸膜との間にフィルタ(図3では膜モジュール104と活性炭ユニット106との間のフィルタ107)を配置する必要があった。
【0009】
さらに、浄化カートリッジ101は膜モジュール104と活性炭ユニット106とが長手方向に直列に繋がった構成であり、膜モジュール104も中空糸膜束102を収めるだけの大きさにしか形成されていないため、活性炭ユニット106を透過した水は中空糸膜束102の外周には回り込み難く、主として膜モジュールの中空糸膜束102をU字状に折り曲げた折り曲げ部側で中空糸膜を透過しようとしてしまい、中空糸膜束102の利用が非効率となっていた。
【0010】
本発明は上記従来技術に鑑みてなされ、その目的は、デッドスペースの削減、部品点数の削減及び中空糸膜束利用の効率化を図ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、浄化カートリッジに用いる中空糸膜束部分と活性炭部分とが個別に作製されるために部品点数が増加し、デットスペースが生じてしまうことに着目した。そして、中空糸膜束部分と活性炭部分とを初めから一体化して作製することを想起し、中空糸膜束部分を中心としてその周りに活性炭部分を形成する着想を得た。特に、中空糸膜束部分と活性炭部分との境界には網目状部材でケースを設けることにより、ケースに従来のフィルタの役目を兼ねさせる着想を得た。
【0012】
上記の着想を具体化する本発明の浄化カートリッジの構成は、U字状に折り曲げた中空糸膜束と該中空糸膜束を覆う網目状ケースと前記中空糸膜束の両端部が揃えられた前記網目状ケースの開口部をポッティングしたポッティング部とを有する膜モジュールと、該膜モジュールを中心に前記膜モジュールの周りに形成される活性炭層と、前記活性炭層の外側から浄化対象液体を流し込む流入口と、
を備え、前記流入口から流し込まれた浄化対象液体が活性炭層及び中空糸膜を透過して浄化された後に前記膜モジュールのポッティング部側から排出されることを特徴とする。
【0013】
また、浄化カートリッジに用いる本発明の膜モジュールにあっては、U字状に折り曲げた中空糸膜束と、該中空糸膜束を覆うと共に外側から浄化対象液体が疎通可能な網目状ケースと、前記中空糸膜束の両端部が揃えられた前記網目状ケースの開口部をポッティングしたポッティング部と、を有することを特徴とする。
【0014】
この構成では、中空糸膜束の外側に網目状ケースを介して活性炭が直接配置されており、デットスペースが生じることがない。また、活性炭に粒状活性炭を用いた場合でも、網目状ケースによって中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することが防止できるので、従来のように中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することを防止する部品を配置する必要がなくなり、部品点数を削減することができる。さらに、活性炭を透過した浄化対象液体は活性炭層が中空糸膜束の周りに形成されていることから、中空糸膜束の外側全体から入り込み、中空糸膜を透過するので、中空糸膜束の浄化対象液体に接触する表面が増加し、中空糸膜束の利用が効率化される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の最適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0016】
図1〜図2を参照して、本発明の実施の形態に係る浄化カートリッジについて説明する。図1は実施の形態に係る浄化カートリッジの断面図である、図2は実施の形態に係る膜モジュールの図である。
【0017】
浄化カートリッジ1は、図1に示すように、膜モジュール2と、活性炭層3と、が組み合わされて、外側ケース4に収納された構成である。この浄化カートリッジ1は、家庭用浄水器等に組み込まれ、図示矢印のように浄化カートリッジ1の外側ケース4の外周側に存在する流入口5から供給される浄化対象液体(水等)を活性炭、中空糸膜の順に透過し、浄化して、浄化カートリッジ1の中心側に存在する膜モジュール2のポッティング部6側の排出口7から排出する。
【0018】
膜モジュール2は、図2に示すように、U字状に折り曲げられた複数の中空糸膜からなる中空糸膜束8と、中空糸膜束8を囲う網目状ケース9と、中空糸膜束8の両端部を揃えて中空糸膜の中空内部のみが端面外部に開放するように中空糸膜束8の両端部を網目状ケース9の開口部で封止固定したポッティング部6と、を備える。
【0019】
中空糸膜束8は、複数の中空糸膜を束ねたもので、U字状に折り曲げられ、両端部を揃えた構成である。
【0020】
網目状ケース9は、中空糸膜束8のU字状に折り曲げられた形状に合わせて半球形状のようなドーム形状に形成される。この網目状ケース9の一部開放された開口部が中空糸膜束8の両端部が揃えられてポッティングされたポッティング部6となっている。
【0021】
網目状ケース9の材質は、金属や樹脂等を用いることができる。網目状ケース9が金属製の場合には、通常の金属網をドーム形状に加工して形成することができるが、ポッティング部6の外周部分と接合する手間が必要となる。網目状ケース9が樹脂製の場合には、網目の成形金型で網目を成形し、さらにポッティング部6の外周部分と一体的に成形することができる。樹脂製で成形するときの樹脂材質としては、AS樹脂やABS樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
【0022】
網目状ケース9の網目の目は、網目の一単位当たり開口率を80%〜95%の範囲に設定する。この範囲よりも開口率が小さいと網目の透過抵抗が大きくなり過ぎてしまい、この範囲よりも開口率が大きいと網目状ケース9の強度が使用に耐えられなくなる。
【0023】
また、網目状ケース9の網目の目開きは、活性炭層3に粒状活性炭を用いる場合には、通常使用される粒状活性炭の平均粒径が40〜100メッシュ(メッシュは1インチ当たりの網糸の本数を指す)であるので、目開きの大きさは150μm以下に設定される。なお、活性炭層3に成形品である繊維状活性炭を用いる場合には、目開きの大きさは特に限定されない。
【0024】
一方、活性炭層3は、膜モジュール2を中心に膜モジュール2の周りに形成される。具体的には、網目状ケース9の外周側に筒状に形成され、U字状に折り曲げた中空糸膜束8の折り曲げ部付近では膜モジュール2の先端がすぼむことに対応して中心孔の径を小さくしている。
【0025】
なお、本実施の形態では、膜モジュール2の先端が外側ケース4のポッティング部6とは反対の他端内壁41に当接してしまうような容器となっている。しかし、外側ケース4のポッティング部6とは反対の他端内壁41を膜モジュール2の先端から離して、その間にも活性炭層3を形成する構成でもよい。このように外側ケース4の他端内壁41を膜モジュール2の先端から離すと、さらに液体(水)を透過可能な中空糸膜束8の表面積が増加して中空糸膜束8の利用が効率的となる。このように、本発明の範疇としては、膜モジュール2を中心としてその外側に活性炭層3が形成されていればよい。
【0026】
また、活性炭層3は、膜モジュール2のポッティング部6を外部に露出させている。これは、ポッティング部6から最終的に浄化された液体(水)が排出され、またポッティング部6では透過は行うことができないので、活性炭層3でポッティング部6を覆っても活性炭の無駄が出るだけで全てを覆わせる必要は無いからである。
【0027】
なお、浄化カートリッジ1の形状によっては、膜モジュール2のポッティング部6側をも活性炭で覆う形状としてしまうことでもよい。この場合には、排出口7に通じる排出通路を膜モジュール2のポッティング部6から活性炭層3の外側へ通じさせるように設ける必要がある。
【0028】
活性炭層3の活性炭としては、粒状活性炭や繊維状活性炭を用いることができる。繊維状活性炭は、成型加工されるものであるが、好ましくはドーム形状の網目状ケース9が収まるように中心孔の内周がドーム形状に加工されたものを用いる。
【0029】
外側ケース4は、略円柱形状の浄化カートリッジ1の外形を構成するものである。外側ケース4の内部には、膜モジュール2及び活性炭層3が収納される。外側ケース4の内部において、外側ケース4の内周壁面と活性炭層3の外周面との間には、液体(水)を活性炭層3の外周面全体に行き渡らせることを許容するために、環状隙間10が形成されている。
【0030】
また、外側ケース4は、膜モジュール2のポッティング部6の取り付けられた中心に排出口7を有し、その排出口7の外径側に液体(水)を外側ケース4内へ取り込む流入口5を有する。
【0031】
以上の構成の浄化カートリッジ1では、流入口5から液体(水)を取り込み、環状隙間10を流れて活性炭層3の外周全面から活性炭層3を中心に向けて透過し、さらに網目状ケース9を介し、中空糸膜を透過し、最終的に中空糸膜を透過した液体(水)がポッティング部6の外側にある排出口7から排出される。
【0032】
このように、本実施の形態では、中空糸膜束8の外側に網目状ケース9を介して活性炭が直接配置されており、従来のように中空糸膜束8のモジュールを活性炭部分とは個別に作製することにより、中空糸膜束8のモジュール内の中空糸膜束8が充填されない空間、いわゆるデットスペースが生じることがない。よって、各構成部品の充填率を密にして浄化カートリッジ1の小型化を図ることもできる。
【0033】
また、活性炭に粒状活性炭を用いた場合でも、中空糸膜束8を囲う網目状ケース9によって中空糸膜内に粒状活性炭が侵入することが防止できるので、従来のように粒状活性炭と中空糸膜との間にフィルタを配置する必要がなくなり、フィルタを削減することができる。よって、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0034】
さらに、活性炭を透過した液体(水)は中空糸膜束8の外周全体から中心に向かい、中空糸膜を透過するので、中空糸膜束8の液体(水)に接触する表面が増加し、中空糸膜束8の利用が効率化される。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、デッドスペースの削減、部品点数の削減及び中空糸膜束利用の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る浄化カートリッジの断面図である。
【図2】実施の形態に係る膜モジュールの図である。
【図3】従来技術の浄化カートリッジの図である。
【符号の説明】
1 浄化カートリッジ
2 膜モジュール
3 活性炭層
4 外側ケース
5 流入口
6 ポッティング部
7 排出口
8 中空糸膜束
9 網目状ケース
10 環状隙間
41 他端内壁
Claims (2)
- U字状に折り曲げた中空糸膜束と該中空糸膜束を覆う網目状ケースと前記中空糸膜束の両端部が揃えられた前記網目状ケースの開口部をポッティングしたポッティング部とを有する膜モジュールと、
該膜モジュールを中心に前記膜モジュールの周りに形成される活性炭層と、
前記活性炭層の外側から浄化対象液体を流し込む流入口と、
を備え、
前記流入口から流し込まれた浄化対象液体が活性炭層及び中空糸膜を透過して浄化された後に前記膜モジュールのポッティング部側から排出されることを特徴とする浄化カートリッジ。 - U字状に折り曲げた中空糸膜束と、
該中空糸膜束を覆うと共に外側から浄化対象液体が疎通可能な網目状ケースと、
前記中空糸膜束の両端部が揃えられた前記網目状ケースの開口部をポッティングしたポッティング部と、
を有することを特徴とする膜モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003112490A JP2004313964A (ja) | 2003-04-17 | 2003-04-17 | 浄化カートリッジ及び膜モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003112490A JP2004313964A (ja) | 2003-04-17 | 2003-04-17 | 浄化カートリッジ及び膜モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004313964A true JP2004313964A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33472674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003112490A Pending JP2004313964A (ja) | 2003-04-17 | 2003-04-17 | 浄化カートリッジ及び膜モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004313964A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012030204A (ja) * | 2010-08-03 | 2012-02-16 | Toray Ind Inc | 浄水器用カートリッジおよび浄水器 |
US10273164B2 (en) * | 2016-01-22 | 2019-04-30 | Carico International, Inc. | Cartridge-based water filter |
-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003112490A patent/JP2004313964A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012030204A (ja) * | 2010-08-03 | 2012-02-16 | Toray Ind Inc | 浄水器用カートリッジおよび浄水器 |
US10273164B2 (en) * | 2016-01-22 | 2019-04-30 | Carico International, Inc. | Cartridge-based water filter |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102249458B (zh) | 一种高效多功能净水过滤器 | |
JP5765676B2 (ja) | 浄化システム及びフィルタ | |
EP2583731A1 (en) | Filter module and device for purifying a liquid | |
JP2004313964A (ja) | 浄化カートリッジ及び膜モジュール | |
CN209872549U (zh) | 一种四合一复合滤芯及其*** | |
TWI408106B (zh) | 淨水濾心以及淨水器 | |
CN104144885B (zh) | 内窥镜清洗装置用过滤装置 | |
CN109279707A (zh) | 一种ro膜与后置炭组合的复合滤芯 | |
CN209322577U (zh) | 一种ro膜与后置炭组合的复合滤芯 | |
JP4075711B2 (ja) | 浄水カートリッジ | |
JP2009006239A5 (ja) | ||
CN207445991U (zh) | 一种可冲洗超滤膜卡接式滤芯 | |
JPH04322783A (ja) | 浄水カートリッジ | |
JP2004000956A (ja) | 水栓内蔵型浄水カートリッジ | |
JP5081749B2 (ja) | 浄水器用カートリッジ | |
JP2004089800A (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JPH04322782A (ja) | 浄水カートリッジ | |
CN209307065U (zh) | 复合滤芯和*** | |
CN215559412U (zh) | 滤芯装置及*** | |
CN209652001U (zh) | 一种复合滤芯和*** | |
CN218909973U (zh) | 一种复合滤芯 | |
CN217312780U (zh) | 一种洁净型医用过滤膜组件 | |
JPH04367779A (ja) | 浄水カートリッジ | |
CN209872550U (zh) | 一种复合滤芯的水路结构及其*** | |
JP2008279450A (ja) | 浄水器用カートリッジ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051025 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20071121 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071127 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080325 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |