JP2004311775A - 半導体処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体処理装置に於いて、急速加熱、急速冷却を行った場合に、断熱体の破損、損傷を防止しようとするものである。
【解決手段】基板を処理する反応室4と、該反応室に収納された基板5を加熱する加熱装置2とを具備する半導体処理装置に於いて、前記加熱装置は発熱体32と該発熱体の外周側に断熱層を有し、該断熱層は発熱体側から外周に向って少なくとも3層構造を有し、中間の断熱層のかさ密度が他の層のかさ密度より小さい。
【選択図】 図1
【解決手段】基板を処理する反応室4と、該反応室に収納された基板5を加熱する加熱装置2とを具備する半導体処理装置に於いて、前記加熱装置は発熱体32と該発熱体の外周側に断熱層を有し、該断熱層は発熱体側から外周に向って少なくとも3層構造を有し、中間の断熱層のかさ密度が他の層のかさ密度より小さい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハ等の半導体基板を加熱して半導体装置を製造する半導体処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程には、熱化学反応により基板表面に薄膜を生成する成膜工程、或はアニール処理工程、不純物の拡散工程等、基板を加熱して処理する工程があり、半導体処理装置は基板を収納し、処理する為の反応室、反応室内の基板を加熱する加熱装置を具備している。
【0003】
従来の半導体処理装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。
【0004】
以下、図6を参照して従来の半導体処理装置について概略を説明する。
【0005】
ヒータベース1に円筒状の加熱装置2が立設され、該加熱装置2の内部に同心に均熱管3、更に反応管4が設けられ、該反応管4内にはウェーハ5を水平多段に保持するボート6が収納され、該ボート6は図示しないボートエレベータにより、装入、引出し可能である。
【0006】
前記加熱装置2は、筒状の断熱体7及び該断熱体7の内円筒面に配設された発熱線8を有している。前記断熱体7は固形状のセラミックで形成され、該断熱体7の内面に断面が円形の前記発熱線8が均等に引回され、前記加熱装置2の軸心方向に所要のゾーンに分割され、均熱加熱を行う為に、ゾーン制御が行われている。
【0007】
該加熱装置2は、前記断熱体7に対して円筒空間9を形成する様に設けられたヒータケース11、該ヒータケース11と前記断熱体7の上端に設けられる天井部12から構成され、該天井部12には下面と側面に開口するエルボ状の排気導路13が形成されている。
【0008】
前記断熱体7の所要箇所には該断熱体7の内部と前記円筒空間9とを連通するガス吹出し口14が設けられ、前記均熱管3の上端には前記排気導路13に向って突出するノズル状の開口部15が形成されている。
【0009】
前記円筒空間9の下端に冷却ガス供給ライン17が連通され、前記反応管4と前記均熱管3間の空間16の下端には冷却ガス供給ライン18が連通され、前記冷却ガス供給ライン17,18にはそれぞれエアバルブ19,20が設けられている。
【0010】
前記ウェーハ5の処理は、該ウェーハ5が装填された前記ボート6が前記反応管4に装入され、前記加熱装置2の加熱により所定温度迄加熱昇温される。該加熱装置2により加熱した状態で図示しない反応ガス導入口より反応ガスが導入され、所要の熱処理が為される。
【0011】
処理が完了すると、前記ボート6の引出し時に於ける前記ウェーハ5の自然酸化を防止する為、該ウェーハ5を前記反応管4内に収納した状態で前記加熱装置2、前記反応管4等の急冷が行われ、所定温度迄降温される。
【0012】
急冷は、前記エアバルブ19,20が開かれ、前記円筒空間9、前記空間16に冷却ガスが供給され、冷却ガスは前記円筒空間9、前記空間16を上昇する過程で前記加熱装置2、前記均熱管3、前記反応管4を冷却し、該反応管4内部のウェーハ5を冷却する。
【0013】
前記加熱装置2、前記均熱管3、前記反応管4、前記ウェーハ5が所定温度迄冷却された後、前記ボート6が引出され、該ボート6より前記ウェーハ5が払出される。
【0014】
上記したウェーハの処理に於いて、前記加熱装置2は前記反応管4内のウェーハ5を均一に加熱する必要があり、又処理前、処理後の昇温工程、降温工程に要される時間を短くすることが基板に対する熱負荷の低減とスループットの向上の為に要求される。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−164298号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記した様に、スループットの向上、ウェーハに対する熱負荷の低減の為、加熱装置2、均熱管3、反応管4等は急速加熱、急速冷却が行われるが、断熱体7は高温下での使用、昇温速度・降温速度の高速化に伴う熱応力によるひび、破損が発生する虞れがあり、断熱体7にひび、破損が生じた場合は、発熱線8への過度の応力が加わり断線の原因となる虞れがあり、更に破損して生じた隙間からの放熱で炉内温度が不均一になる要因ともなり、安定した加熱ができなくなる虞れがあった。
【0017】
又、従来の発熱線8では断面が円形であり、炉内に面する表面積が少なく、均一に加熱できる様に発熱線8を隙間なく引回すには発熱線8を複雑な形状とする外なく、又囲うのが容易な様に線形も小さくする必要があった。
【0018】
更に、発熱線8は複数のゾーンに分割されているが、ゾーン間にデッドゾーンが生じない様にしなければならず、隣接するゾーンの端部を重合させる構成もあるが、ゾーン制御を行う場合、ゾーン相互の熱干渉が顕著化し、制御誤差を生じる要因となっていた。
【0019】
本発明は斯かる実情に鑑み、急速加熱、急速冷却を行った場合に、断熱体の破損、損傷を防止しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板を処理する反応室と、該反応室に収納された基板を加熱する加熱装置とを具備する半導体処理装置に於いて、前記加熱装置は発熱体と該発熱体の外周側に断熱層を有し、該断熱層は発熱体側から外周に向って少なくとも3層構造を有し、中間の断熱層のかさ密度が他の層のかさ密度より小さい半導体処理装置に係るものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1、図2に於いて、本発明に係る半導体処理装置の要部を説明する。尚、図1中、図6中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0023】
円筒状の加熱装置2の内部に均熱管3、更に反応管4が同心に設けられ、該反応管4内にはウェーハ5を水平多段に保持するボート6が収納され、該ボート6は図示しないボートエレベータにより、装入、引出し可能である。前記反応管4内には反応ガス導入管35及び排気管36が連通され、前記反応ガス導入管35には流量制御器37が設けられ、前記排気管36には圧力制御器38が設けられ、反応ガスが所定流量で導入されると共に前記反応管4が所定圧力に維持される様に、排ガスが排出される様になっている。尚、前記ボート6、ボートエレベータ等は上記した従来の半導体処理装置と同様であり説明を省略する。
【0024】
前記加熱装置2は、円筒壁部22と天井部12とから構成されている。
【0025】
前記円筒壁部22は外側から、外壁23、該外壁23に所要の間隙24を形成して同心に設けられた内壁25を有し、該内壁25と前記均熱管3との間には空間39が形成される。
【0026】
前記内壁25の下端には冷却ガス導入ダクト33が設けられ、該冷却ガス導入ダクト33は前記間隙24に連通している。冷却ガス供給ライン17が前記冷却ガス導入ダクト33に連通され、冷却ガス供給ライン18が空間16に連通され、前記冷却ガス供給ライン17,18にはそれぞれエアバルブ19,20が設けられている。
【0027】
前記外壁23は、金属製のヒータケース26及びソリッド状の断熱体27から構成されている。
【0028】
又、前記内壁25は外層断熱体28、中間層断熱体29、内層断熱体30の多層構造となっており、該内層断熱体30の内面全体に亘り発熱線32が設けられている。前記内壁25には、前記外層断熱体28、前記中間層断熱体29、前記内層断熱体30を貫通するガス吹出し口31が所要の分布で多数穿設され、前記間隙24と前記空間39とを連通している。
【0029】
前記外層断熱体28、前記中間層断熱体29、前記内層断熱体30はそれぞれかさ密度が異なっており、少なくとも前記中間層断熱体29は他の外層断熱体28、内層断熱体30よりはかさ密度が小さくなっている。例えば外層断熱体28、中間層断熱体29、内層断熱体30とも材質は同じでアルミナ(酸化アルミニウム:Al2 O3 )とシリカ(SiO2 )を主成分とする材質である。
【0030】
又、例えば、前記外層断熱体28のかさ密度は0.35g/cm3 、前記中間層断熱体29のかさ密度は0.1g/cm3 、前記内層断熱体30のかさ密度は0.35g/cm3 である。
【0031】
次に、前記発熱線32には急速加熱が可能であるセラミック発熱線、例えば珪化モリブデン(MoSi2 )が用いられ、発熱表面積が大きくなる様に、断面は楕円形状、或は平板形状等の形状が採用される。
【0032】
図3、図4は、発熱線32が前記内層断熱体30に設けられる場合の、前記発熱線32の態様を示しており、図3は帯板材から蛇行形状に成形された発熱線32を示している。
【0033】
又、図4では部分的に発熱量が異なる様に、発熱線32を蛇行させて成形させた場合の間隔を異ならせている。部分的に発熱量を異ならせる手段として、発熱線32の断面積を部分的に減少又は増大させ、該発熱線32の電気抵抗を部分的に異ならせ発熱量の調整を行ってもよい。
【0034】
前記発熱線32は、前記加熱装置2の軸心方向に所要のゾーンに区分けされ、ゾーン制御が可能となっており、各ゾーンには各ゾーンの加熱温度を検出するヒータ温度検出器34が設けられている。又、前記発熱線32は各ゾーンの成形パターンを同じにすることにより、発熱量を各ゾーンとも均一にする様にしてもよい。
【0035】
前記反応管4内で処理される前記ウェーハ5の処理状態は主制御部41によって制御される。該主制御部41は、炉内の温度を制御する温度制御部42、処理ガスの流量、冷却ガスの流量を制御するガス流量制御部43、前記反応管4内の圧力を制御する圧力制御部44、前記ボートエレベータ等の機構部を制御する駆動制御部45を備えている。
【0036】
前記反応管4の内面に沿って炉内温度検出器46が立設され、該炉内温度検出器46で検出された炉内検出温度、前記ヒータ温度検出器34が検出したヒータ温度は、前記温度制御部42に入力される。前記エアバルブ19,20の開閉が前記ガス流量制御部43により制御されると共に該ガス流量制御部43は前記流量制御器37によりガス導入量を制御し、前記圧力制御部44は前記圧力制御器38を介して排気圧力を制御し、前記反応管4内の圧力を制御している。
【0037】
以下、作用について説明する。
【0038】
前記ウェーハ5の処理は、該ウェーハ5が装填された前記ボート6が前記反応管4に装入され、前記加熱装置2の加熱により所定温度迄急速加熱される。該加熱装置2により前記ウェーハ5を所定温度に加熱した状態で前記反応ガス導入管35より反応ガスが導入され、前記排気管36を介して排気ガスが排出され、前記ウェーハ5に所要の熱処理が為される。
【0039】
該ウェーハ5処理後の冷却は、前記エアバルブ19,20が開かれ、前記間隙24、前記空間16に冷却ガス、例えば窒素ガス等の不活性ガスが供給される。前記間隙24に流入した冷却ガスは、該間隙24を上昇し、更に前記ガス吹出し口31を経て前記空間39に流出する。前記空間16に供給された冷却ガス、例えば窒素ガス等の不活性ガスは、前記空間16を上昇して排気導路13より排気される。前記内壁25、前記発熱線32は前記間隙24、前記空間39を上昇する冷却ガスにより冷却され、前記均熱管3、前記反応管4は前記空間39、前記空間16を上昇する冷却ガスにより冷却される。
【0040】
而して、前記反応管4内の前記ウェーハ5は急速冷却される。
【0041】
前記発熱線32にセラミック発熱線を採用したことで、急速加熱、高温加熱が可能となり、更に冷却ガスによる前記加熱装置2の冷却により急速冷却が可能となっている。
【0042】
前記内壁25は断熱体であり、熱伝導率は小さい。更に所定の断熱効果を得る為には、所定の厚みも必要である。この為、前記加熱装置2の急速加熱、急速冷却により、前記内壁25の内面と外面との間で大きな温度差が生じる。
【0043】
上記した様に、前記内壁25では3層構造となっており、前記中間層断熱体29のかさ密度が小さくなっており、該中間層断熱体29が緩衝帯としての機能を有している。即ち、前記外層断熱体28と前記内層断熱体30間で温度差が生じ、熱膨張差が生じたとしても、熱膨張差は前記中間層断熱体29が変形することで吸収される。又該中間層断熱体29は断熱材としてかさ密度が小さいので、変形することによって発生する応力も小さく、該中間層断熱体29自体、及び前記外層断熱体28、前記内層断熱体30に発生する応力は小さく、損傷することはない。
【0044】
尚、上記実施の形態では内壁25の外周に外壁23が設けられたが、内壁25のみとしてもよい。この場合、前記外層断熱体28に前記ヒータケース26が設けられる。又、前記内壁25は3層構造としたが、4層以上の構造であってもよい。
【0045】
又、前記発熱線32の形状についても、種々変更が可能であり、例えば図5(A)で示される様に直線帯形状、図5(B)で示される様に波帯形状、或は図5(C)で示される様にピッチを任意に変えた矩形波形状等が挙げられる。
【0046】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、基板を処理する反応室と、該反応室に収納された基板を加熱する加熱装置とを具備する半導体処理装置に於いて、前記加熱装置は発熱体と該発熱体の外周側に断熱層を有し、該断熱層は発熱体側から外周に向って少なくとも3層構造を有し、中間の断熱層のかさ密度が他の層のかさ密度より小さいので、加熱装置の急速加熱、急速冷却を行った場合に、中間の断熱層が熱応力の緩衝帯となるので、断熱体の破損、損傷が防止できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の要部を示す概略断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態で使用される発熱線の形状の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態で使用される発熱線の形状の一例を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)、(C)は本発明の実施の形態で使用される発熱線の形状の一例を示す説明図である。
【図6】従来例の概略断面図である。
【符号の説明】
2 加熱装置
4 反応管
22 円筒壁部
23 外壁
24 間隙
25 内壁
28 外層断熱体
29 中間層断熱体
30 内層断熱体
32 発熱線
33 冷却ガス導入ダクト
39 空間
41 主制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハ等の半導体基板を加熱して半導体装置を製造する半導体処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程には、熱化学反応により基板表面に薄膜を生成する成膜工程、或はアニール処理工程、不純物の拡散工程等、基板を加熱して処理する工程があり、半導体処理装置は基板を収納し、処理する為の反応室、反応室内の基板を加熱する加熱装置を具備している。
【0003】
従来の半導体処理装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。
【0004】
以下、図6を参照して従来の半導体処理装置について概略を説明する。
【0005】
ヒータベース1に円筒状の加熱装置2が立設され、該加熱装置2の内部に同心に均熱管3、更に反応管4が設けられ、該反応管4内にはウェーハ5を水平多段に保持するボート6が収納され、該ボート6は図示しないボートエレベータにより、装入、引出し可能である。
【0006】
前記加熱装置2は、筒状の断熱体7及び該断熱体7の内円筒面に配設された発熱線8を有している。前記断熱体7は固形状のセラミックで形成され、該断熱体7の内面に断面が円形の前記発熱線8が均等に引回され、前記加熱装置2の軸心方向に所要のゾーンに分割され、均熱加熱を行う為に、ゾーン制御が行われている。
【0007】
該加熱装置2は、前記断熱体7に対して円筒空間9を形成する様に設けられたヒータケース11、該ヒータケース11と前記断熱体7の上端に設けられる天井部12から構成され、該天井部12には下面と側面に開口するエルボ状の排気導路13が形成されている。
【0008】
前記断熱体7の所要箇所には該断熱体7の内部と前記円筒空間9とを連通するガス吹出し口14が設けられ、前記均熱管3の上端には前記排気導路13に向って突出するノズル状の開口部15が形成されている。
【0009】
前記円筒空間9の下端に冷却ガス供給ライン17が連通され、前記反応管4と前記均熱管3間の空間16の下端には冷却ガス供給ライン18が連通され、前記冷却ガス供給ライン17,18にはそれぞれエアバルブ19,20が設けられている。
【0010】
前記ウェーハ5の処理は、該ウェーハ5が装填された前記ボート6が前記反応管4に装入され、前記加熱装置2の加熱により所定温度迄加熱昇温される。該加熱装置2により加熱した状態で図示しない反応ガス導入口より反応ガスが導入され、所要の熱処理が為される。
【0011】
処理が完了すると、前記ボート6の引出し時に於ける前記ウェーハ5の自然酸化を防止する為、該ウェーハ5を前記反応管4内に収納した状態で前記加熱装置2、前記反応管4等の急冷が行われ、所定温度迄降温される。
【0012】
急冷は、前記エアバルブ19,20が開かれ、前記円筒空間9、前記空間16に冷却ガスが供給され、冷却ガスは前記円筒空間9、前記空間16を上昇する過程で前記加熱装置2、前記均熱管3、前記反応管4を冷却し、該反応管4内部のウェーハ5を冷却する。
【0013】
前記加熱装置2、前記均熱管3、前記反応管4、前記ウェーハ5が所定温度迄冷却された後、前記ボート6が引出され、該ボート6より前記ウェーハ5が払出される。
【0014】
上記したウェーハの処理に於いて、前記加熱装置2は前記反応管4内のウェーハ5を均一に加熱する必要があり、又処理前、処理後の昇温工程、降温工程に要される時間を短くすることが基板に対する熱負荷の低減とスループットの向上の為に要求される。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−164298号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記した様に、スループットの向上、ウェーハに対する熱負荷の低減の為、加熱装置2、均熱管3、反応管4等は急速加熱、急速冷却が行われるが、断熱体7は高温下での使用、昇温速度・降温速度の高速化に伴う熱応力によるひび、破損が発生する虞れがあり、断熱体7にひび、破損が生じた場合は、発熱線8への過度の応力が加わり断線の原因となる虞れがあり、更に破損して生じた隙間からの放熱で炉内温度が不均一になる要因ともなり、安定した加熱ができなくなる虞れがあった。
【0017】
又、従来の発熱線8では断面が円形であり、炉内に面する表面積が少なく、均一に加熱できる様に発熱線8を隙間なく引回すには発熱線8を複雑な形状とする外なく、又囲うのが容易な様に線形も小さくする必要があった。
【0018】
更に、発熱線8は複数のゾーンに分割されているが、ゾーン間にデッドゾーンが生じない様にしなければならず、隣接するゾーンの端部を重合させる構成もあるが、ゾーン制御を行う場合、ゾーン相互の熱干渉が顕著化し、制御誤差を生じる要因となっていた。
【0019】
本発明は斯かる実情に鑑み、急速加熱、急速冷却を行った場合に、断熱体の破損、損傷を防止しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板を処理する反応室と、該反応室に収納された基板を加熱する加熱装置とを具備する半導体処理装置に於いて、前記加熱装置は発熱体と該発熱体の外周側に断熱層を有し、該断熱層は発熱体側から外周に向って少なくとも3層構造を有し、中間の断熱層のかさ密度が他の層のかさ密度より小さい半導体処理装置に係るものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1、図2に於いて、本発明に係る半導体処理装置の要部を説明する。尚、図1中、図6中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0023】
円筒状の加熱装置2の内部に均熱管3、更に反応管4が同心に設けられ、該反応管4内にはウェーハ5を水平多段に保持するボート6が収納され、該ボート6は図示しないボートエレベータにより、装入、引出し可能である。前記反応管4内には反応ガス導入管35及び排気管36が連通され、前記反応ガス導入管35には流量制御器37が設けられ、前記排気管36には圧力制御器38が設けられ、反応ガスが所定流量で導入されると共に前記反応管4が所定圧力に維持される様に、排ガスが排出される様になっている。尚、前記ボート6、ボートエレベータ等は上記した従来の半導体処理装置と同様であり説明を省略する。
【0024】
前記加熱装置2は、円筒壁部22と天井部12とから構成されている。
【0025】
前記円筒壁部22は外側から、外壁23、該外壁23に所要の間隙24を形成して同心に設けられた内壁25を有し、該内壁25と前記均熱管3との間には空間39が形成される。
【0026】
前記内壁25の下端には冷却ガス導入ダクト33が設けられ、該冷却ガス導入ダクト33は前記間隙24に連通している。冷却ガス供給ライン17が前記冷却ガス導入ダクト33に連通され、冷却ガス供給ライン18が空間16に連通され、前記冷却ガス供給ライン17,18にはそれぞれエアバルブ19,20が設けられている。
【0027】
前記外壁23は、金属製のヒータケース26及びソリッド状の断熱体27から構成されている。
【0028】
又、前記内壁25は外層断熱体28、中間層断熱体29、内層断熱体30の多層構造となっており、該内層断熱体30の内面全体に亘り発熱線32が設けられている。前記内壁25には、前記外層断熱体28、前記中間層断熱体29、前記内層断熱体30を貫通するガス吹出し口31が所要の分布で多数穿設され、前記間隙24と前記空間39とを連通している。
【0029】
前記外層断熱体28、前記中間層断熱体29、前記内層断熱体30はそれぞれかさ密度が異なっており、少なくとも前記中間層断熱体29は他の外層断熱体28、内層断熱体30よりはかさ密度が小さくなっている。例えば外層断熱体28、中間層断熱体29、内層断熱体30とも材質は同じでアルミナ(酸化アルミニウム:Al2 O3 )とシリカ(SiO2 )を主成分とする材質である。
【0030】
又、例えば、前記外層断熱体28のかさ密度は0.35g/cm3 、前記中間層断熱体29のかさ密度は0.1g/cm3 、前記内層断熱体30のかさ密度は0.35g/cm3 である。
【0031】
次に、前記発熱線32には急速加熱が可能であるセラミック発熱線、例えば珪化モリブデン(MoSi2 )が用いられ、発熱表面積が大きくなる様に、断面は楕円形状、或は平板形状等の形状が採用される。
【0032】
図3、図4は、発熱線32が前記内層断熱体30に設けられる場合の、前記発熱線32の態様を示しており、図3は帯板材から蛇行形状に成形された発熱線32を示している。
【0033】
又、図4では部分的に発熱量が異なる様に、発熱線32を蛇行させて成形させた場合の間隔を異ならせている。部分的に発熱量を異ならせる手段として、発熱線32の断面積を部分的に減少又は増大させ、該発熱線32の電気抵抗を部分的に異ならせ発熱量の調整を行ってもよい。
【0034】
前記発熱線32は、前記加熱装置2の軸心方向に所要のゾーンに区分けされ、ゾーン制御が可能となっており、各ゾーンには各ゾーンの加熱温度を検出するヒータ温度検出器34が設けられている。又、前記発熱線32は各ゾーンの成形パターンを同じにすることにより、発熱量を各ゾーンとも均一にする様にしてもよい。
【0035】
前記反応管4内で処理される前記ウェーハ5の処理状態は主制御部41によって制御される。該主制御部41は、炉内の温度を制御する温度制御部42、処理ガスの流量、冷却ガスの流量を制御するガス流量制御部43、前記反応管4内の圧力を制御する圧力制御部44、前記ボートエレベータ等の機構部を制御する駆動制御部45を備えている。
【0036】
前記反応管4の内面に沿って炉内温度検出器46が立設され、該炉内温度検出器46で検出された炉内検出温度、前記ヒータ温度検出器34が検出したヒータ温度は、前記温度制御部42に入力される。前記エアバルブ19,20の開閉が前記ガス流量制御部43により制御されると共に該ガス流量制御部43は前記流量制御器37によりガス導入量を制御し、前記圧力制御部44は前記圧力制御器38を介して排気圧力を制御し、前記反応管4内の圧力を制御している。
【0037】
以下、作用について説明する。
【0038】
前記ウェーハ5の処理は、該ウェーハ5が装填された前記ボート6が前記反応管4に装入され、前記加熱装置2の加熱により所定温度迄急速加熱される。該加熱装置2により前記ウェーハ5を所定温度に加熱した状態で前記反応ガス導入管35より反応ガスが導入され、前記排気管36を介して排気ガスが排出され、前記ウェーハ5に所要の熱処理が為される。
【0039】
該ウェーハ5処理後の冷却は、前記エアバルブ19,20が開かれ、前記間隙24、前記空間16に冷却ガス、例えば窒素ガス等の不活性ガスが供給される。前記間隙24に流入した冷却ガスは、該間隙24を上昇し、更に前記ガス吹出し口31を経て前記空間39に流出する。前記空間16に供給された冷却ガス、例えば窒素ガス等の不活性ガスは、前記空間16を上昇して排気導路13より排気される。前記内壁25、前記発熱線32は前記間隙24、前記空間39を上昇する冷却ガスにより冷却され、前記均熱管3、前記反応管4は前記空間39、前記空間16を上昇する冷却ガスにより冷却される。
【0040】
而して、前記反応管4内の前記ウェーハ5は急速冷却される。
【0041】
前記発熱線32にセラミック発熱線を採用したことで、急速加熱、高温加熱が可能となり、更に冷却ガスによる前記加熱装置2の冷却により急速冷却が可能となっている。
【0042】
前記内壁25は断熱体であり、熱伝導率は小さい。更に所定の断熱効果を得る為には、所定の厚みも必要である。この為、前記加熱装置2の急速加熱、急速冷却により、前記内壁25の内面と外面との間で大きな温度差が生じる。
【0043】
上記した様に、前記内壁25では3層構造となっており、前記中間層断熱体29のかさ密度が小さくなっており、該中間層断熱体29が緩衝帯としての機能を有している。即ち、前記外層断熱体28と前記内層断熱体30間で温度差が生じ、熱膨張差が生じたとしても、熱膨張差は前記中間層断熱体29が変形することで吸収される。又該中間層断熱体29は断熱材としてかさ密度が小さいので、変形することによって発生する応力も小さく、該中間層断熱体29自体、及び前記外層断熱体28、前記内層断熱体30に発生する応力は小さく、損傷することはない。
【0044】
尚、上記実施の形態では内壁25の外周に外壁23が設けられたが、内壁25のみとしてもよい。この場合、前記外層断熱体28に前記ヒータケース26が設けられる。又、前記内壁25は3層構造としたが、4層以上の構造であってもよい。
【0045】
又、前記発熱線32の形状についても、種々変更が可能であり、例えば図5(A)で示される様に直線帯形状、図5(B)で示される様に波帯形状、或は図5(C)で示される様にピッチを任意に変えた矩形波形状等が挙げられる。
【0046】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、基板を処理する反応室と、該反応室に収納された基板を加熱する加熱装置とを具備する半導体処理装置に於いて、前記加熱装置は発熱体と該発熱体の外周側に断熱層を有し、該断熱層は発熱体側から外周に向って少なくとも3層構造を有し、中間の断熱層のかさ密度が他の層のかさ密度より小さいので、加熱装置の急速加熱、急速冷却を行った場合に、中間の断熱層が熱応力の緩衝帯となるので、断熱体の破損、損傷が防止できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の要部を示す概略断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態で使用される発熱線の形状の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態で使用される発熱線の形状の一例を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)、(C)は本発明の実施の形態で使用される発熱線の形状の一例を示す説明図である。
【図6】従来例の概略断面図である。
【符号の説明】
2 加熱装置
4 反応管
22 円筒壁部
23 外壁
24 間隙
25 内壁
28 外層断熱体
29 中間層断熱体
30 内層断熱体
32 発熱線
33 冷却ガス導入ダクト
39 空間
41 主制御部
Claims (1)
- 基板を処理する反応室と、該反応室に収納された基板を加熱する加熱装置とを具備する半導体処理装置に於いて、前記加熱装置は発熱体と該発熱体の外周側に断熱層を有し、該断熱層は発熱体側から外周に向って少なくとも3層構造を有し、中間の断熱層のかさ密度が他の層のかさ密度より小さいことを特徴とする半導体処理装置。
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2003
- 2003-04-08 JP JP2003104204A patent/JP2004311775A/ja active Pending
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