JP2004311580A - 半導体評価装置及び半導体評価方法 - Google Patents

半導体評価装置及び半導体評価方法 Download PDF

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晴子 圷
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勝実 力丸
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Abstract

【課題】高い測定精度及び測定再現性を成し得る半導体評価装置及び半導体評価方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を出力するポンプレーザと、プローブ光を半導体ウェハへ照射するプローブレーザと、半導体ウェハにより反射されたプローブ光を検出する検出器とを有する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体評価装置及び半導体評価方法に係り、特に、イオン注入処理を含む半導体基板の処理により生じる半導体基板内の結晶欠陥を介して半導体基板の処理を評価する半導体評価装置及び半導体評価方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハ上に集積回路を形成する一連の製造工程には、通常、電荷をおびた原子或いは分子を半導体ウェハ中に打ち込むイオン注入工程が含まれる。イオン注入に伴い、注入イオンと半導体ウェハ中の結晶格子とが衝突し、半導体ウェハ内に格子間原子や原子空孔などの点欠陥が発生する。イオン注入前後の結晶状態の変化から、半導体ウェハの様々な特性を評価する従来技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
この従来技術では、半導体のバンドギャップエネルギ幅と同等或いはこれよりも大きなエネルギを持つポンプ光を半導体ウェハに照射する。半導体ウェハに吸収されるポンプ光の光子は、一対の正孔及び電子からなる光キャリアを生成する。光キャリアが再結合するまでの過程を半導体ウェハにおいて反射したプローブ光を介して読み取る。光キャリアを含む過剰キャリアの再結合までの過程は、半導体ウェハの結晶状態に依存するため、半導体ウェハ中に注入された不純物のドーズ量、プリアモルファス領域の深さ、アニール処理後の接合深さを読み出すことができる。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6049220号明細書
【0005】
【特許文献2】
米国特許第6323951B1号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ポンプ光を照射した後、過剰キャリアは一定の時定数をもって再結合する。しかし、ポンプ光の照射によって半導体ウェハ中の点欠陥は動いたり消滅したりする。よって、この点欠陥の空間分布や密度分布が測定中に変化してしまい、過剰キャリアの再結合過程に影響を与える。その結果、測定時間に応じて反射プローブ光の強度が変化して、半導体特性を正確に測定することが困難となる。特に、半導体ウェハ中に光キャリアを励起するポンプ光の変調周波数が、kHzオーダである場合は、この問題が顕著である。
【0007】
また、半導体ウェハ表面にケミカルオキサイド等の固定電荷の多い膜が介在する場合、反射ポンプ光の強度や位相には、固定電荷の多い膜によって数10%のばらつきが生じてしまう。
【0008】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、高い測定精度及び測定再現性を成し得る半導体評価装置及び半導体評価方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を出力するポンプレーザと、プローブ光を半導体ウェハへ照射するプローブレーザと、半導体ウェハにより反射されたプローブ光を検出する検出器とを有する半導体評価装置であることを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、半導体ウェハの表面に介在する固定電荷を少なくする段階と、半導体ウェハにイオンを注入する段階と、プローブ光及び半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を半導体ウェハへ照射しながら、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定する段階とを有する半導体評価方法であることを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、機械走査型のイオン注入装置が有するホイールの回転軸に対して実質的に平行な方向から、ホイール上に載置された半導体ウェハにイオンを注入する段階と、プローブ光及び半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を半導体ウェハへ照射しながら、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定する段階とを有する半導体評価方法であることを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を半導体ウェハへ照射する段階と、プローブ光を半導体ウェハへ照射する段階と、ポンプ光を3秒間以上半導体ウェハへ照射した後に、ポンプ光及びプローブ光を半導体ウェハへ照射しながら、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定する段階とを有する半導体評価方法であることを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を半導体ウェハへ照射する段階と、プローブ光を半導体ウェハへ照射する段階と、ポンプ光及びプローブ光を半導体ウェハへ照射しながら、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定する段階と、プローブ光を半導体ウェハへ照射していない時に、半導体ウェハにより反射されたプローブ光と同じ光路上に、半導体ウェハにより反射されたプローブ光と同等な光を発生させる段階とを有する半導体評価方法であることを要旨とする。
【0014】
本発明の第6の特徴は、半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を半導体ウェハへ照射する段階と、プローブ光を半導体ウェハへ照射する段階と、ポンプ光及びプローブ光を半導体ウェハへ照射しながら、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定する段階と、半導体ウェハにイオンを注入した後から半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定するまでの第1の経過時間に対する半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度の変化を示す第1の関数形を求める段階と、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度、第1の経過時間、及び第1の関数形を用いて、半導体ウェハにイオンを注入した直後の半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を求める段階とを有する半導体評価方法であることを要旨とする。
【0015】
本発明の第7の特徴は、半導体ウェハにイオンを注入する段階と、プローブ光及び半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を半導体ウェハへ照射しながら、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定する段階と、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度のうち、ポンプ光の変調周波数の2倍の周波数の成分を選択的に取り出す段階と、ポンプ光の変調周波数の2倍の周波数の成分と基準変調との位相ずれを測定する段階と、位相ずれに基づいて、半導体ウェハの最表面がアモルファス化しているか否かを判断する段階とを有する半導体評価方法であることを要旨とする。
【0016】
本発明の第8の特徴は、半導体ウェハにイオンを注入する段階と、プローブ光及び半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を半導体ウェハへ照射しながら、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度を測定する段階と、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度のウェハ面内での分布を測定する段階と、半導体ウェハにより反射されたプローブ光の強度のウェハ面内での分布に基づいて、半導体ウェハの最表面がアモルファス化しているか否かを判断する段階とを有する半導体評価方法であることを要旨とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
【0018】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るイオン注入装置は、複数枚の半導体ウェハ(以後、「ウェハ」と略す)1が載置されるホイール4と、ウェハ1に注入するイオンを生成するイオン源3とを有する。ホイール4は、回転軸5に沿って回転する底が平坦な鍋状の形状をなしている。鍋の側壁となるホイール4の外周部分は、図1の断面図上では、回転軸5に垂直な面に対して一定の角度αをもって傾斜している。ウェハ1は、ホイール4の傾斜した外周部分に沿って複数枚載置されている。イオン源3から射出されたイオンは、均一な速度及び方向性を有するイオンビーム2としてウェハ1に打ち込まれる。図1に示すイオン注入装置は、ウェハ1が載置されたホイール4を回転させることで多数のウェハ1全体に均一にイオンを注入する機械走査(メカニカルスキャン)型の装置である。
【0019】
イオンビーム2とホイール4の回転軸5は実質的に平行である。ここで、「実質的に平行」には、イオンビーム2とホイール4の回転軸5とが平行である場合と、イオンビーム2とホイール4の回転軸5とがなす角度が2.5度以下である場合とが含まれる。なお、角度αは、イオンビーム2の加速エネルギ、ウェハ1の結晶面、イオン種、チャネリング条件などに基づいて定められる。
【0020】
図1に示したイオン注入装置によりイオン注入処理が施されたウェハ1は、図2に示す半導体評価装置により、ドーズ量、イオン注入深さ、プレアモルファス層の厚さ、接合深さ、結晶欠陥密度等のウェハ1の様々特性が評価される。半導体評価装置は、図1に示した複数枚のウェハ1のうちの1枚のウェハ1が載置されるステージ10と、ウェハ1に照射されるポンプ光25を生成するポンプレーザ11と、ウェハ1に照射されるプローブ光26を生成するプローブレーザ12と、ウェハ1の表面及びその内部で反射されるポンプ光(以後、「反射ポンプ光」という)27を吸収し、ウェハ1の表面及びその内部で反射されるプローブ光(以後、「反射プローブ光」という)28を透過させるフィルタ16と、フィルタ16を透過した反射プローブ光28を検出する検出器13と、ポンプ光25及びプローブ光26を同軸上に配置させる為にプローブ光26を反射させる第1のハーフミラー14と、反射プローブ光28を検出器13へ導く為に反射プローブ光28を反射させる第2のハーフミラー15と、ポンプ光25及びプローブ光26をウェハ1表面にて結像させる対物レンズ17と、ステージ10、ポンプレーザ11、プローブレーザ12、フィルタ16、検出器13、第1及び第2のハーフミラー14、15、及び対物レンズ17を収納したチャンバ18と、チャンバ18の一部に取り付けられたロードポート19と、ポンプレーザ11に接続されたポンプレーザ用電源20と、ポンプレーザ用電源20及び検出器13に接続されたロックインアンプ21と、ロックインアンプ21に接続された計算機(PC)22とを有する。
【0021】
ポンプレーザ11から射出されたポンプ光25は、第1及び第2のハーフミラー14、15及び対物レンズ17を通過してウェハ1上に照射される。ポンプレーザ11は、ポンプ光25の強度に一定周期で変調をかける。プローブレーザ12から射出されたプローブ光26の一部は、第1のハーフミラー14により反射され、対物レンズ17を通過してウェハ1上に照射される。プローブレーザ12は、一定の強度を有するプローブ光26を生成し、プローブ光26の強度に変調をかけない。反射ポンプ光27の一部は、第2のハーフミラー15により反射され、フィルタ16に吸収される。反射プローブ光28の一部は、第2のハーフミラー15により反射され、フィルタ16を通過し、検出器13で検出される。検出器13は、反射プローブ光28を電気信号(シグナル)に変換してロックインアンプ21に送信する。検出器13の出力となるシグナルの強度は、反射プローブ光28の強度に対応する。
【0022】
ポンプレーザ用電源20は、ポンプレーザ11の動作に必要な電力及びポンプ光25の強度の変調周期を示す変調周波数をポンプレーザ11へ供給する。ロックインアンプ21は、検出器13から供給されるシグナルをポンプレーザ用電源20から供給されるポンプ光25の強度の変調周波数で同期増幅(ロックイン増幅)して、その出力を計算機22に送信する。計算機22は、ロックイン増幅されたシグナルの強度を補正してイオン注入直後のシグナルの強度を求める。チャンバ18は、光学測定に不要な光ノイズを遮断する。ロードポート19は、測定対象のウェハ1をチャンバ18に搬入及び搬出する際に使用される。
【0023】
図3に示すように、ポンプ光25及びプローブ光26は、ステージ10上に載置されたウェハ1の照射領域30に照射される。ポンプレーザ11、プローブレーザ12、フィルタ16、検出器13、第1及び第2のハーフミラー14、15、及び対物レンズ17は、チャンバ18に対して固定されている。ステージ10は、ポンプ光25及びプローブ光26の光軸に垂直な面内において互いに直行するx−y方向にそれぞれ移動可能である。ステージ10を移動させることで、ステージ10の任意の領域を照射領域30とすることが出来る。
【0024】
次に、図4乃至図6を参照して、図2及び図3に示した半導体評価装置の測定原理について説明する。図4に示すように、例えば、ポンプ光25として、変調周波数が2kHzであって波長λが830nmのレーザ光をウェハ1の表面41に照射する。また、プローブ光26として、強度変調がなく波長λが980nmのレーザ光をウェハ1の表面41に照射する。ポンプ光25は、約1.5eVの光子エネルギを持ち、プローブ光26は、約1.26eVの光子エネルギを持ち、いずれも単結晶シリコン(Si)のバンドギャップエネルギ幅(1.12eV)よりも大きい。ポンプ光25は、単結晶シリコン(Si)からなるウェハ1中を14μm通過すると、その強度が1/e倍(約0.37倍)になる。一方、ポンプ光25より光子エネルギの小さいプローブ光26は、ウェハ1の中を65μm通過すると、その強度が1/e倍になる。通常、プローブ光26は、ウェハ1の表面41からイオン注入領域40を1μmの深さまで進んでも、その強度は1.5%しか減衰しない。一方、ポンプ光25は、ウェハ1の表面41からイオン注入領域40を1μmの深さまで進むと、その強度は7%減衰し、減衰したポンプ光25はウェハ1に吸収される。上述したように、ポンプ光25の光子エネルギは、シリコンのバンドギャップエネルギより大きいため、ウェハ1に吸収されるポンプ光25は、ウェハ1中に1対の電子・正孔から成る過剰キャリアを励起する。以後、ポンプ光25によりウェハ1内に励起される過剰キャリアを「光キャリア」と呼ぶ。このように、ウェハ1を構成する半導体材料のバンドギャップ幅と同等或いはバンドギャップ幅よりも大きな光子エネルギを持つポンプ光25をウェハ1に照射する。ウェハ1が吸収するポンプ光25は、ウェハ1中に光キャリアを励起する。
【0025】
イオン注入によって結晶構造が損傷を受けたり改質しているイオン注入領域40では、結晶性が悪い。よって、光キャリアを含むウェハ1中の過剰キャリアが消滅するまでの時間(ライフタイム)は比較的短く、過剰キャリアは直ぐに再結合してしまう。一方、イオン注入領域40よりも深い注入イオンが届かない領域では、結晶性が良い。よって、過剰キャリアのライフタイムは比較的長く、過剰キャリアの密度は高い。したがって、ポンプ光25の照射により、過剰キャリアの分布がイオン注入領域40と非注入領域43との境界面42を境に急激に変化する。光学的には境界面42を境に光の屈折率が急激に変化することになり、屈折率の変化率が極大になる領域で、プローブ光26の反射率が局所的に増大する。したがって、ウェハ1に照射されるプローブ光26は、ウェハ1の表面41及び境界面42においてそれぞれ反射される。即ち、反射プローブ光28には、ウェハ1の表面41における「第1の反射光」、イオン注入領域40との境界面42における「第2の反射光」が含まれる。
【0026】
第1の反射光と第2の反射光とは互いに干渉し合う。よって、反射プローブ光28は、ポンプ光25の位相に対してずれた位相を持つ。反射プローブ光28は、第2のハーフミラー15により検出器13へその向きを変えられ、検出器13によりシグナルに変換される。
【0027】
シグナルの強度は、イオン注入によって生じる結晶欠陥の密度分布、注入イオンの密度分布によって異なる。この現象を利用して、例えばイオン注入のドーズ量とシグナルとの関係を求め、シグナルをイオン注入のドーズ量に焼き直す。このようにして、注入イオンのドーズ量、イオン注入の深さ、プレアモルファス層の厚さ、熱処理後のpn接合の深さ、結晶欠陥密度等のウェハ1の特性が評価することが出来る。このように、ポンプ光25により誘起される光キャリアの再結合までの過程を、反射プローブ光28を介して読み出す。光キャリアの再結合までの過程は、ウェハ1中の結晶状態に依存したものであるため、ウェハ1中に導入された不純物、アモルファス領域の深さ、接合深さなどの情報を読み出すことができる。
【0028】
ウェハ1の内部にある境界面42で反射する第2の反射光の強度は、ウェハ1の表面41で反射する第1の反射光の強度に比べて小さい。ポンプ光25を一定の強度で照射し続けた場合、ウェハ1の表面41で反射する第1の反射光及び境界面42で反射する第2の反射光も一定の強度を保つが、ウェハ1の境界面42で反射する第2の反射光の変化を測定することはほとんど不可能である。
【0029】
そこで、図5に示すようにウェハ1に照射されるポンプ光25の強度に、時間的に一定な直流成分の他に時間的に変化する変調成分を加える。すると、過剰キャリアの生成も時間を追って変化する。反射プローブ光28の強度は、ポンプ光25の変調周期と同じ周期をもって変化し、過剰キャリアの発生状況に応じた位相を有する。ポンプ光25の変調周期に同期した反射プローブ光28の変化をロックイン増幅して読み取ることによって、光キャリアの発生状況に起因するシグナルを、その他の反射プローブ光28の成分から区別して抽出することが可能になる。
【0030】
図6を参照して、断面積Aを有するp型単結晶シリコンから成る半導体電流路50において発生した過剰キャリア51a、51b、52a、52bの挙動を説明する。半導体電流路50の両端に電圧Vを印加した場合の電子による電流密度J(x)は、(1)式により表される。(1)式において、qは電子の電荷量、μは電子のホール係数、Nは半導体電流路50の伝導帯中の電子密度、Eは電場(E=∂V/∂x)、Dは電子の拡散係数をそれぞれ示す。
【0031】
(x)=qμE+qD (∂N/∂x) ・・・(1)
単位体積(Adx)当りの電子密度の時間変化は(2)式により表される。(2)式において、Gは正孔51a、51b及び電子52a、52bの生成率、Rは正孔51a、51b及び電子52a、52bの再結合率をそれぞれ示す。
【0032】
【数1】
Figure 2004311580
今、電場が存在しない場合(E=0)、(1)式の右辺の第1項が無視できる。(1)式の右辺を(2)式の右辺の第1項に代入することにより、(3)式が得られる。(3)式において、Np0はポンプ光25が照射されていないときの電子密度、τはp型単結晶シリコンにおける電子52a、52bのライフタイムをそれぞれ示す。
【0033】
【数2】
Figure 2004311580
ここで、電子密度が角周波数ωで変化している場合、(3)式は、(4)式に変形することが出来る。
【0034】
【数3】
Figure 2004311580
電子52a、52bのライフタイムτは約1.0μsであり、ライフタイムτの逆数は、1/τ =1MHzとなる。ポンプ光25の変調周波数ω/2πが2kHzである場合、ライフタイムτの逆数は、ポンプ光25の変調周波数に比べて充分大きくなる。したがって、(4)式において右辺の第3項目の寄与はほとんどなく、過剰キャリアの空間分布は時間的に変化しない定常状態の分布になる。一方、ポンプ光25の変調周波数が、1MHz程度である場合、(4)式の右辺の3項目及び4項目は、過剰キャリアの空間分布を決めるのに同等の寄与をすることになり、過剰キャリアの空間分布は時間的に変化することになる。
【0035】
以後、ポンプ光25の変調周波数ω/2πを、電子52a、52bのライフタイムτに対して無視できる程に小さく設定する方法を第1の半導体評価方法といい、ポンプ光25の変調周波数ω/2πを、電子52a、52bのライフタイムτに対して同程度に設定する方法を第2の半導体評価方法という。本発明の実施の形態は、主として第1の半導体測定評価方法について適用することが望ましい。しかし、第1の半導体評価方法に限定されるものではなく、第2の半導体評価方法についても適用することが出来る場合がある。
【0036】
図7を参照して、図2に示した計算機22について説明する。計算機22は、図2のロックインアンプ21から供給されるシグナルを補正する機能を備えた演算部60と、演算部60に接続された第1の関数形データベース61、検出信号記憶部62及びプログラム記憶部63とを少なくとも有する。
【0037】
演算部60は、通常のコンピュータシステムの中央処理装置(CPU)の一部を構成する。なお、図示は省略するが、演算部60には、シグナルを補正する為のコンピュータ読み取り可能なプログラム、及び演算部60が処理するデータを一時的に記憶する主記憶装置が接続されている。第1の関数形データベース61、検出信号記憶部62及びプログラム記憶部63は、それぞれ、半導体ROM、半導体RAM等の半導体メモリ装置、磁気ディスク装置、磁気ドラム装置、磁気テープ装置などの補助記憶装置で構成してもよく、CPUの内部の主記憶装置の一部で構成しても構わない。演算部60は、入出力制御部64を介して操作者からのデータや命令などの入力を受け付ける入力装置65、及び補正後のシグナルを出力する出力装置66に接続されている。入力装置65は、バーコード入力装置、キーボード、マウス、ライトペン又はフレキシブルディスク装置から構成されている。出力装置66は、ディスプレイ装置やプリンタ装置から構成されている。
【0038】
第1の関数形データベース61は、イオン注入後の経過時間に対するシグナルの強度の変化を示す第1の関数形を記憶する。第1の関数形については図8を参照して後述する。検出信号記憶部62は、図2のロックインアンプ21から送信されたシグナル、ポンプ光25の照射開始から反射プローブ光28の強度を測定するまでの経過時間、及びイオン注入後から反射プローブ光28の強度を測定するまでの経過時間に関する情報を記憶する。プログラム記憶部63は、演算部60で実行される各処理のプログラム命令を記憶する。演算部60は、検出信号記憶部62に記憶された情報を下に第1の関数形データベース61に記憶された第1の関数形を用いて、イオン注入直後のシグナルの強度を求める。
【0039】
第1の関数形データベース61に記憶されている第1の関数形f1は、一般的に図8に示すようなプロファイルを有する。横軸はイオン注入後からの経過時間を示し、縦軸はシグナルの強度を示す。シグナルの強度は、イオン注入後から時間の経過と共に減少する。具体的には、シグナルの強度は、イオン注入直後、比較的急激に減少するが、イオン注入後の経過時間が長くなると安定する。図8に示した第1の関数形f1は、第1の関数形データベース61に記憶されている第1の関数形の一例を示したものであり、第1の関数形のプロファイルは、イオン注入条件或いはポンプ光25及びプローブ光26の照射時間によって変化する。シグナルSgaは、時刻tにおいて測定された実測値である。シグナルSgaは、演算部60が補正したイオン注入直後のシグナルの予測値である。
【0040】
第1の関数形f1は、イオン注入後からの経過時間の対数を含む複数の項を足し合わせることで(5)式のように表わされる。(5)式において、f0、C、C、C、τ、τ、τは、それぞれ補正係数を示す。図2に示す半導体評価装置を用いて、イオン注入後からの複数の経過時間においてシグナルを測定することで、各補正係数が求められる。イオン注入条件或いはポンプ光25及びプローブ光26の照射時間などによって、第1の関数形f1の各補正係数は変化する。なお、関数形f1は、通常、(5)式右辺の第1項乃至第3項だけを用いて十分に表わすことができ、第4項は必要に応じて追加すればよい。
【0041】
Figure 2004311580
次に、本発明の実施の形態に係る半導体ウェハの処理及び評価の手順を図9乃至図11を参照して説明する。
【0042】
(イ)先ず、図9のS10段階において、ウェハ1に対してイオン注入処理を施す前に前処理工程を実施する。前処理工程については、図10を参照して後述する。
【0043】
(ロ)次に、S20段階において、図1に示した機械走査型のイオン注入装置を用いて、ウェハ1に対してイオンを注入する。被検査工程の一例としてイオン注入工程を実施する際、イオン注入の条件に応じてイオン注入角度を適切に選択して、ホイール4の回転軸5に対して実質的に平行な方向のイオンビーム2を注入する。
【0044】
(ハ)最後に、S30段階において、被検査工程(S20)に関するウェハ1の特性を評価する検査工程を実施する。検査工程には、図2に示した半導体評価装置の光学系を用いて、シグナルを測定する過程(S30a)と、測定したシグナルを計算機22を用いて補正する過程(S30b)とが含まれる。シグナルを測定する過程(S30a)については、図11を参照して後述する。シグナルを計算機22を用いて補正する過程(S30b)については、図12を参照して後述する。
【0045】
図10に示すように、図9の前処理工程(S10)には、ウェハ1の最表面に介在する固定電荷を少なくする処理(S100)が含まれる。固定電荷には、ケミカルオキサイドが含まれる。固定電荷を少なくする処理(S100)は、例えば、ウェハ1の表面に対する希フッ酸溶液によるウェット処理、またはウェハ1内の結晶欠陥を水素(H)原子で終端させる処理である。具体的には、ウェハ1の表面を希フッ酸溶液にさらすことで、ウェハ1の最表層に介在する固定電荷が多い膜を除去する。また、ウェハ1内の結晶欠陥を水素原子で終端させるには、水素雰囲気中でウェハ1を高温に放置すれば、ウェハ1の表面を含むイオンが注入されるべき領域に存在する結晶欠陥を、水素原子でターミネートすることが出来る。
【0046】
(シグナルを測定する過程)
ここで、図9のS30aで示したシグナルを測定する過程について、図11のS300〜S303段階により説明する。
【0047】
(A)先ずS300段階において、ウェハ1を図2のロードポート19からチャンバ18内に搬入する。
【0048】
(B)次にS301段階において、ステージ10上にウェハ1を載置する。
【0049】
(C)次にS302段階において、ポンプレーザ11及びプローブレーザ12を駆動して、ウェハ1表面の所望の領域にポンプ光25及びプローブ光26を照射する。
【0050】
(D)最後にS303段階において、ポンプ光25を3秒間以上照射した後、ウェハ1表面にポンプ光25及びプローブ光26を照射しながら、検出器13及びロックインアンプ21を用いて反射プローブ光の強度を測定する。
【0051】
(シグナルを補正する過程)
次に、図9のS30bに示すシグナルを補正する過程について、S380段階及びS381段階を用いて説明する。
【0052】
(a)S380段階において、予め、図8に示した第1の関数形f1を求める。具体的には、イオン注入後から複数の経過時間において図2に示す半導体評価装置を用いてシグナルを測定する。複数のシグナルの測定値に対して(5)式に示す第1の関数形f1をフィッティングすることで、(5)式の各補正係数を求める。そして、求めた第1の関数形f1を、第1の関数形データベース61内に記憶する。
【0053】
(b)S381段階において、図8のシグナルSgaの強度、イオン注入後からの時刻tまでの経過時間及び第1の関数形f1を用いて、イオン注入直後のシグナルSgaの強度を求める。
【0054】
上述した図10の前処理工程(S100)を実施することにより、ウェハ1の表面を固定電荷の少ない状態にして図9の検査工程(S30)を実施することが出来る。したがって、関連する技術においてはウェハ1の最表面に固定電荷が介在することで数10%の測定誤差が生じていたが、この固定電荷を少なくすることで、反射プローブ光28の強度や位相を正確に測定することが出来、ウェハ1の結晶状態を精度良く読み出すことが出来る。また、イオン注入工程(S20)の後、検査工程(S30)の前にウェハ1の最表面層を剥離する必要がなくなる。特に、半導体装置に使用されるpn接合の深さが比較的浅い場合には、半導体装置の特性を損なうことがなくなる。このように、固定電荷を少なくする処理(S100)を施すことで、固定電荷が反射プローブ光28の測定に及ぼす影響、ウェハ1の表面に誘起された光キャリアの再結合過程への影響を抑えることができる。例えば、固定電荷がウェハ1中のポンプ光25、プローブ光26或いは反射プローブ光28を吸収することが抑制される。また、イオン注入工程(S20)の前に固定電荷を少なくする処理(S100)を施すことにより、イオン注入工程(S20)の後に固定電荷を少なくする処理(S100)を行った場合に失ってしまうイオン注入の情報をも読み出すことが出来る。したがって、ウェハ1の極最表層の情報を失うことなく、また、固定電荷によって変化させられることなく、半導体特性を高精度に評価することが可能になる。
【0055】
図2に示した半導体評価装置は、注入イオンのドーズ量やプロファイルだけではなく、ウェハ1中の微小欠陥に対しても同等な感度を有する。ウェハ1中の微少欠陥の分布は室温でも変化することが知られている。したがって、注入イオンのドーズ量のウェハ1面内での均一性が1%で管理されていても、微少欠陥のウェハ1面内でのばらつきが大きい場合、シグナルの強度が数%に大きくなってしまう。
【0056】
上述したイオン注入工程(S20)において、イオン注入の条件に応じてイオン注入角度を適切に選択することによって、図1のホイール4を回転させながらウェハ1にイオン注入する際に、ウェハ1面内で均一な密度の微少欠陥が生成される。よって、ウェハ1面内でのシグナルのばらつきを低減することが出来る。即ち、ウェハ1中の微少欠陥等に起因するウェハ面内でのシグナルのバラツキを低減することが可能になり、高精度な半導体特性評価が可能となる。また、イオン注入におけるチャネリング等の影響の少ない注入角度を選択することにより、ウェハ1面内でのシグナルのバラツキを低減することが出来る。例えば、リン(P)イオンを、加速エネルギ500keVで注入する場合、ホイール4の回転軸5とイオンビーム2との角度が平行になる前後2.5度以内であれば、シグナルのウェハ1の面内均一性がドーズ量換算で1%以内に収まる。
【0057】
イオン注入の加速エネルギが比較的大きい場合、注入イオンのチャネリング現象及び注入イオンと格子原子との相互作用の影響が大きく、シグナルの面内均一性は低い。一方、イオン注入の加速エネルギが比較的小さい場合、シグナルの面内均一性は高い。本発明の実施の形態に係るイオン注入方法を用いることにより、イオン注入の加速エネルギが比較的大きい場合であっても、シグナルの面内均一性を高めることが出来る。
【0058】
上述したシグナル測定(S30a)において、シグナルを測定する前にポンプ光25を3秒間以上照射することで、イオン注入によって発生した点欠陥の動き、すなわち、原子空孔や格子間原子が消滅、生成する反応を熱力学的な準定常状態にすることが出来る。この熱平衡状態においてシグナルを測定することで、過剰キャリアが再結合するまでの時間(ライフタイムτ)のばらつきが低減し、シグナルのばらつきが低減する。例えば、ポンプレーザ11のレーザパワーが80mW、ポンプ光25の変調周波数が2kHzである場合、シグナルの測定までの待ち時間を0.3秒から3秒にすることで、シグナルの測定値の再現性を示す標準偏差を最大1/5にまで低減することが出来る。
【0059】
上述したシグナル補正(S30b)によれば、シグナルを測定した時のイオン注入後からの経過時間に依らず、イオン注入直後の反射プローブ光28のシグナル強度を計算することが出来る。
【0060】
(シグナル測定過程の第1の変形例)
図13及び図14(a)乃至(d)を参照して、図9のシグナル測定過程(S30a)の第1の変形例を示す。また、N個のウェハを連続的に測定する場合について説明する。第1の変形例において、シグナル測定過程(S30a)は、S330〜S339段階を具備する。
【0061】
(a)先ずS330段階において、第nのウェハとしてn=1(第1のウェハ)を選択する。nは、1〜Nの自然数である。
【0062】
(b)S331段階において、第1のウェハについて測定準備を行う。測定準備には、第1のウェハのチャンバ18内への搬入作業、ポンプ光25及びプローブ光26の入射光学系及び反射ポンプ光27及び反射プローブ光28の反射光学系の調整作業が含まれる。
【0063】
(c)S331段階に並行して、図2の反射プローブ光28と同じ光路上に、反射プローブ光28と同等な光を発生させる(S332段階)。具体的には、第1のウェハの表面と同等な反射率を有する反射体を、プローブ光26の光路上に配置して、反射体にプローブ光26を照射する。例えば、図14(a)に示すように、ステージ10上に反射体の一例としてダミーサンプル32を載置し、x−y方向にステージ10を移動することで、ダミーサンプル32上に照射領域30を配置する。なお、ダミーサンプル32を配置するステージ10上の位置は、第1のウェハが載置されるウェハ位置31とは異なる。
【0064】
(d)S331段階の後に、S333段階において、図14(b)に示すように、ステージ10上のウェハ位置31に第1のウェハ1を載置する。このとき、照射領域30は、ダミーサンプル32及び第1のウェハ1の何れからも外れてしまっても構わない。
【0065】
(e)S334段階において、図14(c)に示すように、第1のウェハ1表面の所望の領域にポンプ光25及びプローブ光26を照射する。
【0066】
(f)S335段階において、第1のウェハ1表面にポンプ光25及びプローブ光26を照射しながら、検出器13及びロックインアンプ21を用いて反射プローブ光28の強度を測定する。
【0067】
(g)S336段階において、図14(d)に示すように、ステージ10上から第1のウェハ1を外す。その後、第1のウェハ1は、ロードポート19を介してチャンバ18の外へ搬出される(S337)。
【0068】
(h)S338段階において、nがNであるか否かを判断する。1回目のサイクルでは、S330段階においてn=1を設定している為(S338においてNo)、S339段階において、nに1加え、新たにn=2を定義する(S339)。S331及びS332段階に戻り、第2のウェハについて、上述したS331〜S337段階を実施する。このように、第1乃至第NのウェハについてS331〜S339段階のループを繰り返し実施する。
【0069】
上記の方法によれば、第nのウェハ1にプローブ光26を照射していない非測定時にも、反射光学系に測定時と同様な光を入射させておくことが出来る。したがって、反射光学系が熱膨張したり、検出器13の検出感度が受光時と非受光時に変化する場合でも、反射光学系がずれることなく、時間的に安定したシグナル測定が可能になり、測定値の再現性が向上する。例えば、1時間以上前から非測定状態であった後に連続して複数のシグナル測定を実施した場合、最初の測定値とその後の測定値との間の測定誤差を解消することが出来る。半導体評価装置が直前まで測定状態だったか、非測定状態だったかによらず、安定したシグナル測定が可能になる。反射光学系には、第nのウェハ1から検出器13までの間の反射プローブ光28の光路上に配置された対物レンズ17、第2のハーフミラー15及びフィルタ16が含まれる。また、ダミーサンプル32は、測定対象となる第nのウェハ1と同様な結晶構造を有し、同様な表面処理が施されている。
【0070】
なお、ステージ10上にダミーサンプル32を載置することが容易でない場合、入射した光を鏡面反射する面を有するミラーを図2の半導体評価装置の光学系の途中に挿入しても構わない。或いは、ミラー及び光学波面再生素子を利用して、反射光学系に光を入射させても構わない。また、S332段階は、第nのウェハ1についての反射プローブ光の測定(S335)の後3分以内に開始し、第n+1のウェハへのプローブ光26の照射(S334)前3分以内まで実施することが望ましい。更に、S332段階において、ダミーサンプル32にプローブ光26のみならずポンプ光25を照射しても構わない。測定準備段階(S331)において、反射光学系にシグナル測定時と同様な光を入射させておくことが出来る。また更に、第1の変形例に係るシグナル測定方法は、前述した第1の半導体評価方法のみならず、第2の半導体評価方法についても適用可能である。
【0071】
(シグナル測定過程の第2の変形例)
図15及び図16を参照して、図9のシグナル測定過程(S30a)の第2の変形例を示す。
【0072】
この第2の変形例においては、図15に示すような、ポンプ光25を第1のウェハ23へ照射するポンプレーザ11と、プローブ光26を第1のウェハ23へ照射するプローブレーザ12と、反射プローブ光28を検出する検出器13と、第1のウェハ23とは異なる他の半導体ウェハ(第2のウェハ24)中に光キャリアを励起する光子エネルギを有する予備ポンプ光29を第2のウェハ24へ照射する予備レーザ6と、第1及び第2のハーフミラー14、15と、フィルタ16と、対物レンズ17と、チャンバ18と、ロードポート19と、ポンプレーザ用電源20と、ロックインアンプ21と、計算機22とを有する半導体評価装置を用いる。
【0073】
第1及び第2のウェハ23、24は、同じステージ10上に載置されている。第1のウェハ23に対してシグナル測定を行っている間に、予備レーザ6を用いて第2のウェハ24に予備ポンプ光29を照射することが出来る。ステージ10を移動することにより、第1のウェハ23に対するシグナル測定が終了した直後に、第2のウェハ24に対してシグナル測定を実施することが出来る。即ち、第2のウェハ24に対してシグナルを測定する直前まで予備ポンプ光29を3秒間以上照射することができる。したがって、イオン注入によって発生した点欠陥の動き、すなわち、原子空孔や格子間原子が消滅、生成する反応を熱力学的な準定常状態にすることが出来る。この熱平衡状態においてシグナルを測定することで、過剰キャリアが再結合するまでの時間(ライフタイムτ)のばらつきが低減し、シグナルのばらつきが低減する。第1のウェハ23に対するシグナル測定が終了した直後に、第2のウェハ24に対するシグナル測定を開始できる為、複数のウェハを連続して処理する場合に、ウェハの処理効率が向上する。
【0074】
次に、図16を参照して、図15に示した半導体評価装置を用いたシグナル測定(S30a)の方法について説明する。また、N個のウェハを連続的に測定する場合について説明する。第2の変形例において、図9のシグナル測定(S30a)は、S360〜S371段階を有する。
【0075】
(A)先ずS360段階において、第nのウェハとしてn=1(第1のウェハ)を選択する。nは、1〜Nの自然数である。
【0076】
(B)S361段階において、第1のウェハ23をロードポート19を介してチャンバ18内に搬入する。S362段階において、第1のウェハ23をステージ10上に載置する。
【0077】
(C)S363段階において、第1のウェハ23表面の所望の領域にポンプ光25及びプローブ光26を照射する。S364段階において、第1のウェハ23表面にポンプ光25及びプローブ光26を照射しながら、検出器13及びロックインアンプ21を用いて反射プローブ光28の強度を測定する。
【0078】
(D)S363及びS364段階と並行して、S365〜S367段階を実施する。S365段階において、ロードポート19を介して第2のウェハ24をチャンバ18内に搬入する。S366段階において、第2のウェハ24をステージ10上に載置する。S367段階において、第2のウェハ24表面の所望の領域に予備ポンプ光29を照射する。
【0079】
(E)S364段階が終了した後、S370段階において、nがNであるか否かを判断する。1回目のサイクルでは、S360段階においてn=1を設定している為(S370においてNo)、S371段階において、nに1加え、新たにn=2を定義する。S363段階に戻り、第2のウェハ24について、上述したS363及びS364段階を実施する。また同時にS365段階に戻り、第2のウェハ24に並行して、第3のウェハについて、上述したS365〜S367段階を実施する。このように、第1乃至第NのウェハについてS363〜S367段階のループを繰り返し実施する。
【0080】
(F)なお、S364段階が終了した後、第nのウェハは、ステージ10上から外される(S368)。その後、第nのウェハは、ロードポート19を介してチャンバ18の外へ搬出される(S369)。
【0081】
以上説明したように、第nのウェハに対してシグナル測定を行っている間に、予備レーザ6を用いて第n+1のウェハに予備ポンプ光29を照射することにより、第nのウェハに対するシグナル測定が終了した直後に、第n+1のウェハに対してシグナル測定を実施することが出来る。したがって、複数のウェハを連続して処理する場合に、ウェハの処理効率が向上する。また、第n+1のウェハに対してシグナルを測定する直前まで予備ポンプ光29を3秒間以上照射することができる。したがって、シグナルを測定する時に、イオン注入によって発生した点欠陥の動き、すなわち、原子空孔や格子間原子が消滅、生成する反応を熱力学的な準定常状態にすることが出来る。
【0082】
(前処理工程の変形例)
図17を参照して、図9の前処理工程(S10)の変形例について説明する。前処理工程の変形例において、前処理工程(S10)は、S100及びS110段階を具備する。
【0083】
(a)S100段階において、ウェハ1の最表面に介在する固定電荷を少なくする処理を実施する。固定電荷には、ケミカルオキサイドが含まれる。固定電荷を少なくする処理(S100)は、例えば、ウェハ1の表面に対する希フッ酸溶液によるウェット処理、またはウェハ1内の結晶欠陥を水素(H)原子でターミネートする処理である。具体的には、ウェハ1の表面を希フッ酸溶液にさらすことで、ウェハ1の最表層に介在する固定電荷が多い膜を除去する。また、ウェハ1内の結晶欠陥を水素原子でターミネートするには、水素雰囲気中でウェハ1を高温に放置すればよい。ウェハ1の表面を含むイオンが注入されるべき領域に存在する結晶欠陥を、水素原子でターミネートすることが出来る。このように、S100段階は、図10に示したそれと同一である。
【0084】
(b)S110段階において、ウェハ1に対してその表面を覆う処理を施す。具体的には、ウェハ1の表面に絶縁膜を形成する。絶縁膜には、熱処理によりウェハ1表面を含む上部に形成される熱酸化膜、及び化学的気相成長(CVD)法などを用いてウェハ1表面に堆積される酸化膜、窒化膜或いは酸窒化膜が含まれる。
【0085】
以上説明したように、第3の変形例に係るイオン注入用前処理方法によれば、図10に示した前処理工程(S10)を実施した場合と同様な作用効果を奏する。また、S110段階を実施することにより、絶縁膜によりウェハ1表面を保護することが出来、ウェハ1の表面を固定電荷の少ない状態に長時間保持することが可能である。
【0086】
(シグナル補正過程の変形例)
図18乃至図20を参照して、図9のシグナル補正過程(S30b)の変形例を示す。
【0087】
この変形例においては、図18に示すように、図2のロックインアンプ21から供給されるシグナルの強度を補正する機能を備えた演算部60と、演算部60に接続された第1の関数形データベース61、検出信号記憶部62及びプログラム記憶部63と、入出力制御部64と、入力装置65と、出力装置66とを有する計算機22を用いる。演算部60は、第2の関数形フィッティング部67と、QC値計算部68とを有する。
【0088】
第2の関数形フィッティング部67は、検出信号記憶部62に記憶されている、反射プローブ光28の強度及びプローブ光26の照射開始から反射プローブ光28の強度を測定するまでの経過時間から、第2の関数形f2を求める。第2の関数形f2は、プローブ光26を照射し始めてからの経過時間に対する反射プローブ光28の強度の変化を示す。第2の関数形f2については図19を参照して後述する。
【0089】
QC値計算部68は、プローブ光26を照射し始めた直後の反射プローブ光28の強度、イオン注入後から反射プローブ光28の強度を測定するまでの経過時間、及び第1の関数形f1を用いて、イオン注入直後の反射プローブ光28の強度を求める。
【0090】
第2の関数形フィッティング部67により求められた第2の関数形f2は、一般的に図19に示すようなプロファイルを有する。横軸はイオン注入後からの経過時間を示し、縦軸はシグナルの強度を示す。第2の関数形f2は、シグナルSgaを含む丸印で示した複数の点を繋げたプロファイルを有する。丸印で示した複数の点は、プローブ光26を照射し始めた時刻tから複数の時刻t0.5、t、・・・において測定したシグナルの実測値である。このように、シグナルの強度は、第1の関数形f1に示すようにイオン注入後からの経過時間によって減少するだけでなく、更に、第2の関数形f2に示すようにプローブ光26の照射により第1の関数形f1よりも急激に減少する。
【0091】
シグナルSgaは、時刻tから時刻tまでの一定期間、プローブ光26を照射した後に測定したものである。すなわち、第1の関数形f1は、一定期間のプローブ光26照射後のシグナル強度とイオン注入後の経過時間との関係を示している。したがって、図19に示すように、プローブ光26を照射した直後のシグナル強度とイオン注入後の経過時間との関係を示す、新たな第1の関数形f1’が存在する。新たな第1の関数形f1’と第1の関数形f1とでは、イオン注入直後のシグナル強度が異なる。したがって、イオン注入直後であり、且つプローブ光26照射開始直後におけるシグナルSgbの強度を求める必要がある。なぜなら、第2の関数形f2が示すように、シグナル強度は、プローブ光26の照射時間に応じて第1の関数形f1よりも急激に減少するからである。なお、第1の関数形f1及び新たな第1の関数形f1’は、第1の関数形データベース61に記憶されている。
【0092】
第2の関数形f2は、プローブ光26照射開始後からの経過時間の対数を含む複数の項を足し合わせて、(6)式のように表わすことができる。(6)式において、A0、D、D、D、τv、τv、τvは、それぞれ補正係数を示し、tは、プローブ光26を照射し始めた時刻を示す。図2に示す半導体評価装置を用いて、プローブ光26照射開始後から複数の経過時間においてシグナルを測定することで、各補正係数が求められる。イオン注入条件或いはプローブ光26の照射時間などによって、第2の関数形f2の各補正係数は変化する。なお、第2の関数形f2は、通常、(6)式右辺の第1項乃至第3項だけを用いて十分に表わすことができ、第4項は必要に応じて追加される。
【0093】
Figure 2004311580
図20に示すように、図18の計算機を用いて行うシグナル補正過程(図9のS30b)は、S390〜S393段階を備える。
【0094】
(a)S390段階において、予め、図19に示した新たな第1の関数形f1’を求める。具体的には、イオン注入後から複数の経過時間において図2に示す半導体評価装置を用いてシグナルを測定する。複数のシグナルの測定値に対して(5)式に示す第1の関数形f1をフィッティングすることで、(5)式の各補正係数を求める。求められた第1の関数形f1の各補正係数は、第1の関数形データベース61に記憶される。そして、第1の関数形データベース61に記憶されている第1の関数形f1の中からシグナルの測定値に対して最適なものを選択する。
【0095】
(b)S391段階において、第2の関数形フィッティング部67は、反射プローブ光28の強度及びプローブ光26の照射開始から反射プローブ光28の強度を測定するまでの経過時間から、第2の関数形f2を求める。具体的には、プローブ光26を照射し始めた時刻tから複数の時刻t0.5、t、・・・においてシグナルを測定する。複数のシグナルの測定値に対して(6)式に示した第2の関数形f2をフィッティングして、(6)式の各補正係数を求める。例えば、図19においてシグナルSgaを含む複数の丸印の測定点に対して、第2の関数形f2をフィッティングする。
【0096】
(c)S392段階において、QC値計算部68は、第2の関数形f2から、プローブ光26の照射開始直後の反射プローブ光28の強度を求める。例えば、図19において、第2の関数形f2を用いて、時刻tにおけるシグナルSgbの強度を計算する。
【0097】
(d)S393段階において、QC値計算部68は、プローブ光26の照射開始直後の反射プローブ光28の強度、イオン注入後から反射プローブ光28の強度を測定するまでの経過時間、及び新たな第1の関数形f1’を用いて、イオン注入直後の反射プローブ光28の強度を求める。例えば、図19において、時刻tにおけるシグナルSgbの強度及び新たな第1の関数形f1’を用いて、イオン注入直後であり、且つプローブ光26照射開始直後におけるシグナルSgbの強度を求める。
【0098】
上述したように、シグナル強度の経時変化には、イオン注入終了後からの経過時間に依存する成分と、シグナル測定を行っている時間、即ちプローブ光26を照射している時間に依存する成分とがある。上述したシグナル補正(S30b)によれば、イオン注入後からシグナルを測定するまでの経過時間に依らず、イオン注入直後の反射プローブ光28のシグナル強度を計算することが出来る。また、プローブ光を一定時間照射した後にシグナルを測定した場合でも、イオン注入直後であり、且つプローブ光26照射開始直後におけるシグナルSgbの強度を求めることが出来る。したがって、例えば、図11のS303段階でポンプ光25を3秒以上照射した後にシグナルを測定した場合でも、図12に示したシグナル補正(S380、S381)に比して高い精度でシグナルの初期値を計算することが出来る。したがって、プローブ光26を照射し始めた時刻での半導体の様々な特性を、迅速、且つ正確に求めることが出来る。また、例えばプローブレーザ12の特性劣化などによるシグナル強度の変化を補正することができ、信頼性の高い測定値を得ることができる。
【0099】
特に、シグナル測定値が、ウェハ1内の原子空孔の密度の変化、原子空孔のクラスタリング密度によって経時変化している場合に、精度良く半導体の特性を評価することが出来る。
【0100】
(イオン注入工程の第1の実施例)
図1に示したイオンビーム2の加速エネルギの高低に応じた、図9に示したイオン注入工程(S20)の実施例を以下に示す。まず、イオン注入工程の第1の実施例においては、イオンビーム2の加速エネルギが比較的高い場合について説明する。
【0101】
図1に示したイオン注入装置は、イオンビーム2のビーム軸及びホイール4の回転軸5の2つの軸によってウェハ1の表面に対するイオン注入の角度を決め、また、ホイール4を回転させることで、ホイール4上に配置された複数のウェハ1に均一にイオンを注入するバッチ式イオン注入機である。
【0102】
図1に示したイオン注入装置を用いて、リン(P)イオンを500keVの加速エネルギにてイオン注入する(S20)。イオン注入処理後のウェハ1に対して、図2に示した半導体評価装置を用いて反射プローブ光28を測定する(S30a)。この場合、イオンビーム2がホイール4の回転軸5に対して実質的に平行であれば、シグナル測定過程(S30a)においてシグナル強度のウェハ1面内でのバラツキが軽減される。このため、ウェハ1面内での測定バラツキが軽減される。ウェハ1面内バラツキが抑えられることで、ウェハ1の測定位置によるバラツキがなくなり、測定再現性が向上する。
【0103】
図21に示すように、イオンビーム2のホイール4の回転軸5に対する角度が、+2度、平行(0度)及び−2度である場合、シグナル強度のウェハ1面内での標準偏差(ドーズ換算)が小さくなり、面内バラツキが抑えられる。しかし、イオンビーム2のホイール4の回転軸5に対する角度が−5度である場合、標準偏差が大きくなり、面内バラツキを抑えることができない。このように、イオンビーム2とホイール4の回転軸5とが平行である場合、或いはイオンビーム2とホイール4の回転軸5とがなす角度が2.5度以下である場合において、シグナル強度のウェハ1面内でのバラツキが軽減される。なお、イオン注入時に8nm程度の酸化膜がウェハ1の表面に形成されている。
【0104】
なお、高加速でイオン注入する時の加速エネルギはイオン種により異なる。ここでは、リン(P)イオンについて説明したが、これに限定されるものではなく、その他のイオン種についても適用可能である。また、イオン注入時に10nm程度の酸化膜がウェハ1の表面に形成されているか否かに係らず、イオンビーム2と回転軸5が実質的に平行であれば、優れた面内均一性が得られる。
【0105】
また、イオン注入工程(S20)において、イオンビーム2とウェハ1のなす角度を、その角度の偏差が一番少なくなるように選択しても構わない。このことにより、上記と同様にして、反射プローブ光28の強度のウェハ1面内でのバラツキを抑え、再現性の良い測定が可能になる。
【0106】
(イオン注入工程の第2の実施例)
次に、イオン注入工程の第2の実施例においては、イオンビーム2の加速エネルギが比較的低い場合について説明する。
【0107】
図1に示したイオン注入装置を用いて、ホウ素(B)イオンを3keVの加速エネルギにてイオン注入する(S20)。なお、イオン注入前に、ウェハ1の表面に形成されている自然酸化膜を希フッ酸で剥離しておく。イオン注入処理後のウェハ1に対して、図2に示した半導体評価装置を用いて反射プローブ光28を測定する(S30a)。この場合、イオンビーム2がホイール4の回転軸5に対して実質的に平行であれば、シグナル測定過程(S30a)においてシグナル強度のウェハ1面内でのバラツキが軽減される。
【0108】
イオンの加速エネルギが低い場合、イオンビーム2の中のイオンの方向性がばらつく。したがって、ホイール4上のウェハ1を機械的に走査するときに、ウェハ1面内でホイール4の内周に近い側と外周に近い側で、照射されるイオンビーム2の形状がばらつく。また、イオン注入の加速エネルギが低加速になると、イオンのチャネリングの臨界角が広くなる。よって、イオンビーム2とホイール4の回転軸5が平行である時のイオンビーム2とウェハ1表面の成す角度がチャネリングの臨界角度に近くなる。そのため、ウェハ1表面とイオンビーム2との成す角度のウェハ1面内での偏差が一番小さいところで、チャネリングの違いが顕著になり最小値をとらない。そこで、ウェハ1表面とイオンビームとの成す角度の偏差の増加が少ない方向に沿って、チルト角が2度大きくなる方向にずらす。このように、イオンビーム2とホイール4の回転軸5が平行(0度)であることが望ましいが、平行から若干ずれた角度でより高い面内均一性で測定が可能になる。面内均一性が上がることで、再現性の良い測定が可能になる。
【0109】
図22に示すように、イオンビーム2とホイール4の回転軸5との角度が平行である場合或いは−2度である場合に比して、イオンビーム2とホイール4の回転軸5との角度が+2度である場合の方が、シグナル強度のウェハ1面内での標準偏差(ドーズ換算)が小さくなり、面内バラツキが抑えられる。
【0110】
なお、図1に示したイオン注入装置を用いて低加速の加速エネルギにてイオン注入する場合、イオンビーム2とウェハ1表面のなす角度の偏差が小さくなるイオン注入角度を選ぶことが望ましい。しかし、チャネリングの臨界角度近傍にこの偏差が来る場合は、チルト角を数度大きくすることで、シグナル強度のウェハ1面内バラツキを抑え、再現性の良い測定が可能になる。
【0111】
(イオン注入工程の第3の実施例)
次に、イオン注入工程の第3の実施例においては、イオンビーム2の加速エネルギが中程度である場合について説明する。
【0112】
図1に示したイオン注入装置を用いて、ホウ素(B)イオンを30keVの加速エネルギにてイオン注入する(S20)。なお、イオン注入前に、ウェハ1の表面に形成されている自然酸化膜を希フッ酸で剥離しておく。イオン注入処理後のウェハ1に対して、図2に示した半導体評価装置を用いて反射プローブ光28を測定する(S30a)。この場合、イオンビーム2がホイール4の回転軸5に対して実質的に平行であれば、シグナル強度のウェハ1面内でのバラツキが軽減される。しかし同時に、イオン注入時にイオンビーム2がウェハ1の表面にあたる位置が少しずれることによって、ウェハ1面内でのシグナル強度の不均一性が起こる。したがって、イオンビーム2がホイール4の回転軸5に対して実質的に平行であってもシグナル強度のウェハ1面内でのバラツキが軽減されない。
【0113】
そこで、加速エネルギが中加速の場合、ホイール4の回転軸5とイオンビーム2を平行にしていても起こってくる、円周方向の角度のバラツキを低減する、例えば、チルト角が5度、ツイスト角が15度となるイオン注入角度を選択する。このことにより、ウェハ1面内の均一性を向上することが可能になり、シグナル強度の面内バラツキを抑え、再現性の良い測定が可能になる。
【0114】
ホイール4の回転軸5とウェハ1とのなす角度が5度の場合、チルト角及びツイスト角は、図23に示すような条件を満たすことが望ましい。即ち、円周方向の角度のバラツキを低減するイオン注入条件は、チルト角が5度であり、ツイスト角が255乃至270度である。なお、チルト角が5度、ツイスト角が180度において、イオンビーム2とホイール4の回転軸5とが平行になる。
【0115】
次に、膜厚8nmの自然酸化膜が形成されているウェハ1に対してホウ素(B)イオンを30keVの加速エネルギにてイオン注入する場合について説明する。この場合、イオンビーム2とウェハ1表面とのなす角度のバラツキは、酸化膜があることでウェハ1の特性に大きな影響を及ぼさない。しかし、イオンビーム2がウェハ1表面にあたる位置が少しずれることによって起こってくるウェハ1面内での不均一性は起こる。
【0116】
そこで、イオンビーム2のバラツキが少なくなるように、イオンビーム2のベクトルと空間分布を考慮して、イオン注入角度を選択することで、ウェハ1面内の均一性を向上することが可能になる。例えば、図24に示すように、イオンビーム2とウェハ1表面とのなす角度を+4度に設定する。このことにより、ウェハ1面内の均一性を向上することが可能になり、シグナル強度の面内バラツキを抑え、再現性の良い測定が可能になる。
【0117】
(アモルファス化の判断方法の第1の実施例)
従来、イオン注入後のウェハの最表面がアモルファス化したか否かは、ラザフォード後方散乱(Rutherford Backscattering Spectrometry:RBS)等の測定を行うか、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてウェハを観察することで、判断してきた。現在、RBS及びTEMを用いてインラインにて特性評価(QC)を行うことは難しく、アモルファス化の観察技術に習熟したオペレータが、自己の経験及び知識に基づいて判断していた。また、TEM観察用のサンプルを作成するには、長い時間がかかってしまう。したがって、アモルファス層の形成状況を測定するには数日の期間を要していた。
【0118】
図1に示したイオン注入装置を用いて、ウェハ1表面に砒素(As)イオンを30keVの加速エネルギにてイオン注入する(S20)。イオン注入処理後のウェハ1に対して、図2に示した半導体評価装置を用いて、プローブ光26及び2kHzで変調したポンプ光25をそれぞれ照射し、反射プローブ光28を測定する(S30a)。ここでは特に、図25に示すように、反射プローブ光28のうち、ポンプ光25の変調周波数の2倍の周波数の成分(以下、「2倍周波数成分θ2」と呼ぶ)を選択的に取り出す。
【0119】
2倍周波数成分θ2と基準変調Fsとの位相ずれDfをモニターし、位相ずれDfに基づいてウェハ1最表面がアモルファス化しているか否かを客観的に判断する。実際には、アモルファス化と2倍周波数成分θ2の検量線を予め作成する。この検量線を用いて、ドーズに対するアモルファス化の度合いを測ることが可能になる。
【0120】
例えば、図26(a)に示すように、注入イオンのドーズ量が比較的少ない場合、位相ずれDfは小さく、アモルファス層は形成されていない。これに対して、注入イオンのドーズ量が比較的多い場合、位相ずれDfは大きく、アモルファス層が形成されている。したがって、位相ずれDfが小さい第1の領域71と位相ずれDfが大きい第2の領域72との間に検量線を作成することで、アモルファス層の形成の有無を判断することが可能となる。なお、図26(b)に示すように、反射プローブ光28のうち、ホンプ光25の変調周波数と同期している成分の位相ずれは、注入イオンのドーズ量に係らず生じない。
【0121】
以上説明したように、注入イオンのドーズ量をインラインに配置された図2に示すQC装置を用いて測定することにより、イオン注入(S20)時にウェハ1最表面にアモルファス層が形成されているか否かを判断することができる。このことによって、製品開発の現場で、アモルファス層が形成される時の注入イオンのドーズ量を迅速に知ることが出来、早期の製品開発に寄与する。また、イオン注入装置のドーズ量や電流量の揺らぎによって、アモルファス層の形成が不十分になるなどの不良が起こった際にも、アモルファス化しているかどうかを迅速に測定することができ、製品不良の管理を迅速化することに役立つ。
【0122】
なお、図27に示すように、ウェハ1面内を、高濃度にイオンを注入した領域73a、・・・と低濃度にイオンを注入した領域74a、・・・とに段階的に区分けする。このウェハ1面内の各領域73a、・・・、74a、・・・について2倍周波数成分θ2を測定する。2倍周波数成分θ2の値とアモルファスになるときのシグナル強度の相関をあらかじめ取っておくことで、2倍周波数成分θ2の値からアモルファス化するドーズ量を検出することができる。このように、一枚のウェハ1を用いて、アモルファス化するドーズ量を検出することが可能になる。なお、ウェハ1面内のドーズ量の分布は、一義的である必要はない。段階的に区分けする場合に限らず、連続的にドーズをウェハ1面内で変化させても構わない。
【0123】
(アモルファス化の判断方法の第2の実施例)
注入イオンのドーズ量を変えながら、図1に示したバッチ式イオン注入装置を用いてBFイオン、Asイオン及びGeイオンを注入する。そして、図2に示した半導体評価装置を用いてシグナル強度のウェハ1面内分布を測定する。ウェハ1面内分布のトレンドがかわるところで、アモルファス化が起こることを検出することができる。このことにより、アモルファス化の有無を、反射プローブ光28の強度の面内分布の変化の様子から判断することが出来、事前に検量線等を作成する必要がなくなる。
【0124】
シグナル強度のウェハ1の面内分布には、2次元の分布及び1次元の分布が含まれる。例えば、図28に示すように、ウェハ1中心を通る幾つかの方向75a〜75dに沿ってシグナル強度を測定、つまり、ラインスキャンする。ウェハ1中心を通る幾つかの方向75a〜75dに沿った、シグナル強度分布の傾向を観察する。シグナル強度分布の傾向をイオン注入のドーズ量を変えて観察し、シグナル強度分布の傾向が変化したところを境にして、ウェハ1内でアモルファス化が生じていることが検出できる。したがって、事前に検量線を引く必要がなくなる。
【0125】
なお、アモルファス化する時のドーズ量は、イオン注入時のウェハ1の温度に依存する。したがって、アモルファス化の判断方法の第1及び第2の実施例において、アモルファス化する時のドーズ量をウェハ1の温度ごとに予め測定しておくことで、イオン注入時のウェハ1の温度を間接的に測ることが可能になる。イオン注入機の冷却機構などに不具合が生じた場合の特性評価(QC)等に活用できる。
【0126】
また、アモルファス化する時のドーズ量は、イオン注入時のイオンビーム2の電流量に依存する。したがって、アモルファス化の判断方法の第1及び第2の実施例において、アモルファス化する時のドーズ量をイオンビーム2の電流量ごとに予め測定しておくことで、イオン注入時のイオンビーム2のビーム電流の違いを検出することが可能になる。
【0127】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、実施の形態及びその一部の変形例及び実施例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0128】
図1に示したイオン注入装置を用いたイオン注入方法において、ホイール4の回転軸5を基底状態からホイール4の回転面に対して水平方向には動かさずにイオン注入を実施する。ホイール4の機械的なぶれを低減することが出来、微小欠陥のウェハ面内均一性が向上する。シグナル強度のウェハ1面内均一性が向上する。
【0129】
図2又は図15に示す半導体評価装置は、半導体デバイスの製造ライン上に配置することで、イオン注入工程を含む被検査工程のインラインモニターとして使用することが出来る。
【0130】
また、図9において、イオン注入工程(S20)の後、検査工程(S30)の前に、アニール工程を実施しても構わない。この場合、図2又は図15に示す半導体評価装置は、アニール処理後のpn接合深さを評価することが出来る。
【0131】
図9に示すイオン注入工程(S20)は、検査工程(S30)に対する被検査工程の一例である。本発明の実施の形態における被検査工程は、イオン注入工程(S20)に限定されず、半導体膜或いは金属膜の成膜工程であっても構わない。この場合、図2又は図15に示す半導体評価装置は、半導体膜或いは金属膜の膜厚を評価することが出来る。
【0132】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い測定精度及び測定再現性を成し得る半導体評価装置及び半導体評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るイオン注入装置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体評価装置を示す断面図である。
【図3】図2に示したステージ10とポンプ光25及びプローブ光26の照射領域30との関係を示す斜視図である。
【図4】図2に示した半導体評価装置における、ポンプ光25及びプローブ光26のウェハ1への照射部分を拡大した断面図である。
【図5】ポンプ光25及び反射プローブ光28の強度変調の様子を示すグラフである。
【図6】p型単結晶シリコンから成る半導体電流路50における過剰キャリアの挙動を説明する為の模式図である。
【図7】図2に示した計算機22を示すブロック図である。
【図8】図7の第1の関数形データベース61に記憶されている第1の関数形f1の一例を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態に係る半導体ウェハの処理手順の全体の流れを示すフローチャートである。
【図10】図9に示した前処理工程(S10)の構成を示すフローチャートである。
【図11】図9に示したシグナル測定過程(S30a)の構成を示すフローチャートである。
【図12】図9に示したシグナル補正過程(S30b)の構成を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態のシグナル測定過程(S30a)の第1の変形例を示すフローチャートである。
【図14】図14(a)乃至図14(d)は、図13に示したシグナル測定過程におけるステージ10とポンプ光25及びプローブ光26の照射領域30との関係を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態のシグナル測定過程(S30a)の第2の変形例に用いる半導体評価装置を示す断面図である。
【図16】図15に示した半導体評価装置を用いた半導体評価方法を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態の前処理工程(S10)の変形例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態のシグナル補正過程の変形例に用いる計算機22を示すブロック図である。
【図19】図18に示した第1の関数形データベース61に記憶されている第1の関数形f1及び新たな第1の関数形f1’の一例及び第2の関数形フィッティング部67によって求められた第2の関数形f2の一例を示すグラフである。
【図20】図18に示した計算機22を用いて行うシグナル補正過程(S30b)を示すフローチャートである。
【図21】イオン注入工程の第1の実施例におけるイオンビーム2のホイール4の回転軸5に対する角度条件とシグナルの面内均一性との関係を示す表である。
【図22】イオン注入工程の第2の実施例におけるイオンビーム2のホイール4の回転軸5に対する角度条件とシグナルの面内均一性との関係を示す表である。
【図23】イオン注入工程の第3の実施例におけるチルト角及びツイスト角とシグナルの面内均一性との関係を示す表である。
【図24】イオン注入工程の第3の実施例におけるイオンビーム2のホイール4の回転軸5に対する角度条件とシグナルの面内均一性との関係を示す表である。
【図25】アモルファス化の判断方法の第1の実施例におけるポンプ光25、ポンプ光25の変調周波数の2倍の周波数の成分θ2及び基準変調Fsの相互関係を示すグラフである。
【図26】図26(a)は、図25の位相ずれDfと注入イオンのドーズ量との関係を示すグラフである。図26(b)は、反射プローブ光28のうちホンプ光25の変調周波数と同期している成分の位相ずれと注入イオンのドーズ量との関係を示すグラフである。
【図27】ウェハ1面内を、高濃度にイオンを注入した領域73a、・・・と低濃度にイオンを注入した領域74a、・・・とに段階的に区分けする様子を説明する為の平面図である。
【図28】アモルファス化の判断方法の第2の実施例における、ウェハ1中心を通る幾つかの方向75a〜75dに沿ってシグナル強度を測定する方法を説明する為の平面図である。
【符号の説明】
1 ウェハ
2 イオンビーム
3 イオン源
4 ホイール
5 回転軸
6 予備レーザ
10 ステージ
11 ポンプレーザ
12 プローブレーザ
13 検出器
14 第1のハーフミラー
15 第2のハーフミラー
16 フィルタ
17 対物レンズ
18 チャンバ
19 ロードポート
20 ポンプレーザ用電源
21 ロックインアンプ
22 計算機(PC)
23 第1のウェハ
24 第2のウェハ
25 ポンプ光
26 プローブ光
27 反射ポンプ光
28 反射プローブ光
29 予備反射ポンプ光
30 照射領域
31 ウェハ位置
32 ダミーサンプル
40 イオン注入領域
43 非注入領域
50 半導体電流路
60 演算部
61 第1の関数形データベース
62 検出信号記憶部
63 プログラム記憶部
64 入出力制御部
65 入力装置
66 出力装置
67 第2の関数形フィッティング部
68 QC値計算部
θ2 2倍周波数成分
Fs 基準変調
Df 位相ずれ

Claims (19)

  1. 半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を出力するポンプレーザと、
    プローブ光を前記半導体ウェハへ照射するプローブレーザと、
    前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光を検出する検出器
    とを有することを特徴とする半導体評価装置。
  2. 前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光を、前記ポンプ光の変調周波数で同期増幅するロックインアンプを更に有することを特徴とする請求項1記載の半導体評価装置。
  3. 前記半導体ウェハとは異なる他の半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための予備ポンプ光を前記他の半導体ウェハへ照射する予備レーザを更に有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体評価装置。
  4. 前記プローブ光の光路上に配置された、前記半導体ウェハの表面と同等な反射率を有する反射体を更に有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体評価装置。
  5. 半導体ウェハの表面に介在する固定電荷を少なくする段階と、
    前記半導体ウェハにイオンを注入する段階と、
    プローブ光及び前記半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を前記半導体ウェハへ照射しながら、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定する段階
    とを有することを特徴とする半導体評価方法。
  6. 前記半導体ウェハの表面に介在する固定電荷を少なくする段階は、前記半導体ウェハ内の結晶欠陥を水素原子で終端させる処理であることを特徴とする請求項5記載の半導体評価方法。
  7. 前記半導体ウェハの表面に介在する固定電荷を少なくする段階は、前記半導体ウェハの表面を希フッ酸溶液にさらす処理であることを特徴とする請求項5記載の半導体評価方法。
  8. 前記固定電荷を少なくする段階の後、前記半導体ウェハにイオンを注入する段階の前に、前記半導体ウェハの表面に絶縁膜を形成する段階を更に有することを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項記載の半導体評価方法。
  9. 機械走査型のイオン注入装置が有するホイールの回転軸に対して実質的に平行な方向から、前記ホイール上に載置された半導体ウェハにイオンを注入する段階と、
    プローブ光及び前記半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を前記半導体ウェハへ照射しながら、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定する段階
    とを有することを特徴とする半導体評価方法。
  10. 前記イオン注入装置の構造上、前記回転軸に対して実質的に平行な方向からイオンを注入することができない場合、前記構造が許す限り前記回転軸とイオンを注入する方向との成す角を小さくすることを特徴とする請求項9記載の半導体評価方法。
  11. 半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を前記半導体ウェハへ照射する段階と、
    プローブ光を前記半導体ウェハへ照射する段階と、
    前記ポンプ光を3秒間以上前記半導体ウェハへ照射した後に、前記ポンプ光及びプローブ光を前記半導体ウェハへ照射しながら、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定する段階
    とを有することを特徴とする半導体評価方法。
  12. 半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を前記半導体ウェハへ照射する段階と、
    プローブ光を前記半導体ウェハへ照射する段階と、
    前記ポンプ光及びプローブ光を前記半導体ウェハへ照射しながら、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定する段階と、
    前記プローブ光を前記半導体ウェハへ照射していない時に、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光と同じ光路上に、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光と同等な光を発生させる段階
    とを有することを特徴とする半導体評価方法。
  13. 前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光と同じ光路上に、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光と同等な光を発生させる段階は、前記半導体ウェハの表面と同等な反射率を有する反射体に前記プローブ光を照射する段階であることを特徴とする請求項12記載の半導体評価方法。
  14. 半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を前記半導体ウェハへ照射する段階と、
    プローブ光を前記半導体ウェハへ照射する段階と、
    前記ポンプ光及びプローブ光を前記半導体ウェハへ照射しながら、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定する段階と、
    前記半導体ウェハにイオンを注入した後から前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定するまでの第1の経過時間に対する前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度の変化を示す第1の関数形を求める段階と、
    前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度、前記第1の経過時間、及び前記第1の関数形を用いて、前記半導体ウェハにイオンを注入した直後の前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を求める段階
    とを有することを特徴とする半導体評価方法。
  15. 前記プローブ光を前記半導体ウェハへ照射し始めてから前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定するまでの第2の経過時間に対する前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度の変化を示す第2の関数形を求める段階と、
    前記第2の関数形から、前記プローブ光を前記半導体ウェハへ照射し始めた直後の前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を求める段階とを更に有し、
    前記半導体ウェハにイオンを注入した直後の前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を求める段階は、前記プローブ光を前記半導体ウェハへ照射し始めた直後の前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度、前記第1の経過時間、及び前記第1の関数形を用いて、実施することを特徴とする請求項14記載の半導体評価方法。
  16. 前記第1の関数形は、前記第1の経過時間の対数を含む複数の項を足し合わせることにより表されることを特徴とする請求項14記載の半導体評価方法。
  17. 前記第2の関数形は、前記第2の経過時間の対数を含む複数の項を足し合わせることにより表されることを特徴とする請求項15記載の半導体評価方法。
  18. 半導体ウェハにイオンを注入する段階と、
    プローブ光及び前記半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を前記半導体ウェハへ照射しながら、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定する段階と、
    前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度のうち、前記ポンプ光の変調周波数の2倍の周波数の成分を選択的に取り出す段階と、
    前記ポンプ光の変調周波数の2倍の周波数の成分と基準変調との位相ずれを測定する段階と、
    前記位相ずれに基づいて、前記半導体ウェハの最表面がアモルファス化しているか否かを判断する段階
    とを有することを特徴とする半導体評価方法。
  19. 半導体ウェハにイオンを注入する段階と、
    プローブ光及び前記半導体ウェハ中に光キャリアを励起するための変調されたポンプ光を前記半導体ウェハへ照射しながら、前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度を測定する段階と、
    前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度の前記ウェハ面内での分布を測定する段階と、
    前記半導体ウェハにより反射された前記プローブ光の強度の前記ウェハ面内での分布に基づいて、前記半導体ウェハの最表面がアモルファス化しているか否かを判断する段階
    とを有することを特徴とする半導体評価方法。
JP2003100442A 2003-04-03 2003-04-03 半導体評価装置及び半導体評価方法 Abandoned JP2004311580A (ja)

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