JP2004311177A - エレクトロルミネッセンス素子用部材およびこの部材を内蔵したエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子用部材およびこの部材を内蔵したエレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Shinji Suzuki
伸治 鈴木
Hiroaki Masuko
浩明 益子
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Abstract

【課題】接着機能を維持しながら、有害な気体成分を除去するエレクトロルミネッセンス(EL)素子用部材を薄型化する。微量ではあるが長期間にわたって発生または侵入する気体成分を処理できるように、この部材の気体成分除去機能を長期化する。
【解決手段】所定の気体成分を除去する除去剤粒子3と接着性マトリックス2とを含み、除去剤粒子3が接着性マトリックス2に分散した接着層1を含むEL素子用部材とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」という)素子内において所定の気体成分を除去するEL素子用部材およびこの部材を内蔵したEL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モバイル機器のディスプレー等には、発光体としてEL素子(電界発光素子)が用いられている。しかし、EL素子には、高温条件下や一定期間経過後に、発光輝度、発光均一性等の発光特性が初期に比べて著しく劣化するという欠点がある。この劣化は、EL素子の構成部品や構成材料の表面に吸着している水分や、外部から浸入した水、酸素、有機系ガス等の気体成分が原因となって、発光しない部分(ダークスポット)が発生するために生じる。そこで、所定の気体成分を除去する除去剤と、この除去剤に固定された接着部材とを備えるEL素子用部材が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−345173号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されたEL素子用部材を用いれば、EL素子内に除去剤を簡便に配置できる。しかし、EL素子の薄型化が進行するにつれ、接着機能および気体成分除去機能を維持しながらEL素子用部材を薄型化していくことが困難になりつつある。
【0005】
EL素子の内部では、処理の対象となる気体成分は、微量ではあるが長期間にわたって発生または侵入する。しかし、EL素子の薄型化に伴い、除去剤の増量による処理能力の長期化は限界に達している。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明のEL素子用部材は、所定の気体成分を除去する除去剤粒子と接着性マトリックスとを含み、上記除去剤粒子が上記接着性マトリックスに分散した接着層を含むことを特徴とする。なお、本明細書において、「接着性」「接着剤」なる用語は、それぞれ「粘着性」「粘着剤」と呼ばれることがある特性または材料を包含する。
【0007】
本発明は、その別の側面から、上記EL素子用部材を内蔵したEL素子を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のEL素子用部材は、接着層自体が気体成分除去機能を有する。このため、従来よりも、接着機能および気体成分除去機能を維持しながら薄型化することが容易となる。また、本発明の部材は、除去剤粒子が接着マトリックスに分散しているため、除去剤粒子への気体成分の供給が制限される。従って、従来よりも、除去剤粒子の除去機能を長期間維持しやすい。このように、本発明によれば、薄型化および気体成分除去機能の長期化というEL素子特有の要請に応えうる気体成分除去機能付き部材を提供できる。
【0009】
本発明のEL素子用部材における除去剤粒子の量は、EL素子の形態に適合するように適宜定めればよい。通常、接着層では、接着機能と気体成分除去機能との両立のために、接着性マトリックス100重量部に対して除去剤粒子が20〜200重量部、特に50〜120重量部含まれていることが好ましい。
【0010】
本発明のEL素子用部材は、接着層以外の層を含んでいてもよく、例えば、接着層の一方の面を被覆する通気層をさらに含んでいてもよい。通気層により被覆することにより、気体成分除去速度を調整することもできる。この観点からは、通気層の平均孔径を0.01〜30μm、特に0.01〜3μmとすることが好ましい。
【0011】
通気層は、特に限定されないが、フッ素樹脂多孔質膜、特にポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)多孔質膜が好適である。PTFEは、耐熱性、耐薬品性に優れており、接着層の保護材として適している。
【0012】
EL素子用部材により除去される気体成分は、例えば、水蒸気、酸素および有機物蒸気から選ばれる少なくとも1種である。これら成分の除去は、本発明の部材により長期間継続できる。例えば、相対湿度60%、温度25℃に保持した空気中に放置したときに、放置開始から1日経過後までの質量増に対する30日経過後から31日経過後までの質量増の比が0.03以上、より具体的には0.05以上1以下、となる程度に、気体成分除去機能を維持できる。
【0013】
本発明のEL素子用部材は、接着層の一方の表面の近傍に除去剤粒子を偏在させてもよい。偏在の程度に制限はないが、一方の表面に除去剤粒子が接し、他方の表面には除去剤粒子が接しない程度に除去剤粒子を偏って分散させてもよい。この場合は、上記一方の表面に離型シートが積層された形態とすると便利である。上記一方の表面がEL素子の内壁に接するように部材をEL素子に固定し、離型シートを除去すれば、除去剤粒子の含有率が相対的に高い表面をEL素子の内部空間に露出させることができる。こうして部材を固定したEL素子では、少量の除去剤粒子で効果的な気体成分の除去が可能となる。また、離型シートを用いれば、使用開始時まで除去剤粒子の気体処理能力の低下を抑制できる。
【0014】
このEL素子用部材は、例えば、除去剤粒子と接着性マトリックスの原材料とを含む原料液を離型シート上に塗布する工程と、上記除去剤粒子を上記離型シート側に沈降させた後に上記原料液を硬化させて上記接着性マトリックスを形成する工程と、を含む製造方法により得ることができる。ここで、「沈降」には、部材を静置することによる自然沈降とともに、遠心力等を利用した強制沈降も含む。この製造方法は、本発明のまた別の一側面を構成する。
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のEL素子用部材の一例の使用状態を示す断面図である。このEL素子用部材(接着部材)10は、気体成分除去剤粒子3が接着性マトリックス2に分散してなる接着層1のみから構成された単層の部材である。EL素子用部材10は、接着性マトリックス2に由来する接着力によりEL素子基板4上に固定されている。
【0016】
接着性マトリックス2は、部材をEL素子に固定するための接着機能を担い、少なくとも接着剤を含む。接着剤としては、感圧性接着剤(粘着剤)、ホットメルト接着剤、紫外線、放射線、熱、湿度等によって硬化する接着剤、2液混合型の接着剤、常温硬化型接着剤等を適宜用いればよい。ハンドリング性に優れているのは感圧性接着剤である。感圧性接着剤としては、シリコーン系、アクリル系、ゴム系の各種材料を使用できるが、アクリル系粘着剤が接着力(粘着力)を調整しやすく好適である。
【0017】
アクリル系粘着剤のベースポリマーとしては、アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有モノマーとのコポリマーが好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート等のアルキル基の炭素数が3〜10の材料が好適である。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等、特にアクリル酸、メタクリル酸、なかでもアクリル酸が好適である。アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有モノマーとは、前者が78〜99.5重量%、後者が0.5〜22重量%となるように混合するとよい。ベースポリマーであるコポリマーには、水酸基含有モノマー、窒素含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等、各種官能基を有するモノマー、さらには酢酸ビニル、スチレン等のモノマーを添加してもよい。
【0018】
コポリマーの調整は、例えば、攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素導入管を備えたフラスコを用いて行えばよい。このフラスコにモノマーおよび有機溶剤(例えばトルエン)を投入し、フラスコ内を窒素置換し、さらに、重合開始剤(例えばベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル)を添加して所定温度に加熱して重合を行う。重合の温度および時間は、特に制限されないが、通常は、それぞれ50〜70℃程度、5〜7時間程度とすればよい。ただし、コポリマーの調整は、上記に限らず、例えばモノマーに光重合開始剤を添加し、紫外線等の放射線を照射して行ってもよい。
【0019】
アクリル系コポリマーには、粘着付与剤を配合してもよい。粘着付与剤としては、従来から用いられている樹脂を使用すればよく、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、クロマン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂またはこれらの水添物等を用いればよい。粘着付与剤は、1種類としてもよいが、軟化点が異なる複数の樹脂を用いてもよい。コポリマーには、架橋剤を配合してもよい。架橋剤の配合量は、コポリマー100重量部に対し、0.05〜5重量部程度が好適である。架橋剤は、特に制限はないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤、ビスアミン等のアミン系架橋剤、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリレート等を適宜用いればよい。さらに、その他各種添加剤を配合しても構わない。
【0020】
気体成分除去剤粒子3は、所定の気体成分、好ましくは水蒸気、酸素および有機物蒸気から選ばれる少なくとも1種、を除去できればよい。除去剤粒子3としては、具体的には、吸着剤、吸湿剤(乾燥剤)、脱酸素剤(酸素吸収剤)等として使用されている材料を用いれば足りる。
【0021】
吸湿剤には、物理的に水分を吸着する材料、化学的に水分と反応する材料があるが、いずれを使用してもよい。このような化合物としては、例えば、合成シリカ(シリカゲル、「マイクロイド」等のゲルタイプシリカ、沈降性シリカ等)、モレキュラーシーブ(分子ふるい:ゼオライト等)、活性アルミナ、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、有機物、炭酸塩、五酸化リン、水素化カルシウム、水素化アルミニウムリチウム、活性金属が挙げられる。脱酸素剤として使用できる材料には、例えば、活性炭、合成シリカ、モレキュラーシーブ、酸化マグネシウム、酸化鉄がある。有機ガスの吸着剤として使用できる材料には、例えば、活性炭、合成シリカ、モレキュラーシーブがある。除去剤粒子3として、上記に例示した化合物を複数混合して用いても構わない。
【0022】
接着剤を含む接着性マトリックスの原材料と除去剤粒子とは、上記の比率で配合するとよい。除去剤粒子が少なすぎると気体成分除去機能が不足することがあり、逆に過多となると接着機能が阻害される。配合した混合物は、除去剤粒子がマトリックス内でよく分散するように、ディスパー、アジター、錨型ミキサー、プラネタリー式ミキサー等の攪拌機でよく攪拌するとよい。錨型ミキサー、プラネタリー式ミキサーは攪拌効率に優れ、除去剤粒子の分散状態を良好にもできる。
【0023】
図2は、本発明のEL素子用部材の別の例の使用状態を示す断面図である。このEL素子用部材20は、除去剤粒子3を接着性マトリックス2に分散した接着層1と、この接着層1を担持する基材5と、この基材5の反対側の面に配置された別の接着層7と、を含んでいる。この部材20は、除去剤粒子を含まない接着層7により、EL素子基板4に接合されている。
【0024】
基材5を用いると、打ち抜き加工が容易になるので所望形状のEL素子用部材を得るのに適する。
【0025】
基材5は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂フィルム、熱硬化性樹脂フィルム、金属箔、ネット、不織布、紙等を使用できる。基材5の厚さは、5〜200μm、特に8〜100μmが好適である。
【0026】
図3は、本発明のEL素子用部材のまた別の例の使用状態を示す断面図である。この部材30では、除去剤粒子3を接着性マトリックス2に分散した接着層1を覆うように通気層6が配置されている。
【0027】
通気層6は、通気性を有すれば特に限定されないが、各種フッ素樹脂、特にPTFEの多孔体(多孔質膜)が好適である。通気層6は、例えば熱可塑性樹脂の多孔体等であってもよい。通気度が小さくてもよい場合には、非多孔体を通気層6として用いてもよい。通気層6は、2種以上の材料から構成されていてもよいし、複数の層を含む多層膜であっても構わない。
【0028】
通気層6に用いうる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ブテン等のポリオレフィン系樹脂やポリフッ化ビニリデンが好適に用いられる。これらの樹脂は、単体で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。通気層6には、結晶性を有する高分子膜を用いてもよい。通気層6の厚みおよび気孔率は、特に限定されないが、それぞれ1〜500μm、特に5〜100μm、2〜98%、特に40〜98%、が好適である。通気層の平均孔径は、0.01〜300μm、特に0.01〜3μmが好ましい。
【0029】
通気層6がEL素子の部材、例えば陰極、に接触する場合、または接触する可能性がある場合には、通気層6は、ある程度のクッション性を有することが好ましい。例えば、通気層6がPTFE多孔質膜である場合、その厚みは3μm以上が好ましい。
【0030】
接着層は、例えば、除去剤粒子が分散した溶液を、基材上または離型シートの離型処理面上に塗布し、さらに乾燥させることによって製造するとよい。基材上に塗布する場合は、巻取り時に離型シートとラミネートして巻き取ってもよい。乾燥温度および時間は、特に制限されないが、通常、100〜180℃程度、2〜10分間程度が好適である。接着層の作製には、紫外線等の放射線照射を用いてもよい。放射線照射を用いる場合には、無溶剤で接着層を形成できる。これによれば、溶剤の蒸発に伴う発泡を防止できるため、厚い接着層を形成しやすい。
【0031】
上記溶液の塗布後に、所定の静置時間を経過させてもよい。塗布してから乾燥させるまでに除去剤粒子を沈降させれば、接着層の厚み方向に除去剤粒子の濃度分布を付与できる。この場合、溶液は、離型シート上に塗布し、離型シート側に除去剤粒子を沈降させることが好ましい。離型シートの反対側の接着層の面をEL素子基板に貼り付け、離型シートを除去すれば、沈降により除去剤粒子が集中した面をEL素子内部空間側に配置できるからである。
【0032】
こうして作製したEL素子用部材の一例を図4に示す。この部材40では、除去剤粒子3の濃度が相対的に高い面が露出し、同濃度が相対的に低い反対側の面がEL素子基板4に接している。こうして除去剤粒子3を偏在させれば、少量で効率よく気体成分を除去できる。
【0033】
EL素子用部材は、長尺物、例えば巻回体として、運送、保管し、適宜、所定寸法に切断、例えば打ち抜いて、EL素子基板4に貼り付けてもよい。この貼り付けは、ラミネーター、ハンドゴムローラー等を用いれば、簡便に行うことができる。
【0034】
EL素子用部材の厚みは、取り扱い上の観点から、5mm以下が好ましく、例えば5μm〜5mmが好適であるが、薄型化の要求に応えるには、5μm〜500μm、さらには5μm〜110μmが好ましい。
【0035】
図5に、本発明のEL素子の一例を示す。このEL素子は、透明基板11上に、有機発光層12を陽極13と陰極14とで挟持した積層体(EL)15が形成されている。この積層体15を覆うように背面板16が配置され、背面板16の周縁部と基板とが封止剤17により封止されている。気体成分除去機能を有するEL素子用部材10は、背面板16の内壁に自らの接着力により固定される。こうして、EL素子内で発生または素子内に侵入した有害な気体成分が部材10により除去される。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより制限されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素導入管を備えたフラスコ(容量1リットル)に2−エチルヘキシルアクリレート85g、アクリル酸15gおよび酢酸エチル150gを配合し、攪拌しながら1時間窒素置換した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル0.1gを加え、温度60℃で6時間重合を行なって2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とのコポリマー溶液を得た。このコポリマーの分子量をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により測定したところ、84万であった。
【0037】
上記コポリマー100重量部に対し、粘着付与剤としてフェノール樹脂(住友デュレズ社製、スミライトレジンPR−51732;軟化点130℃)12重量部、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YSレジンPX800;軟化点80℃)8重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートL)3重量部、除去剤粒子として活性アルミナ(和光純薬社製、300メッシュ)100重量部を配合し、攪拌した後、トルエンで固形分ベース14%となるように希釈して、液状の粘着剤を得た。攪拌は、プラネタリー式ミキサーを用い、30rpmで20分間攪拌した。
【0038】
この粘着剤を、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材の離型シートの離型処理面に固形分厚さが70μmとなるように塗布し、5分間室温で静置した。その後、130℃、5分の条件で、熱風式乾燥機で乾燥キュアーし、粘着シートを得た。粘着剤硬化前の静置により、除去剤粒子は、離型シートの側に偏った状態で存在していた。これをトムソン金型で50mmの正方形に打抜いて接着部材(EL素子用部材)を得た。
【0039】
(実施例2)
攪拌機および温度計を設置した反応容器に、モノマーとしてイソノニルアクリレート85重量部、アクリル酸15重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製、イルガキュアー184)0.6重量部を投入し、容器内を十分に窒素ガスで置換した後、高圧水銀ランプにより、約100mJ/cmの照射量で紫外線を照射した。この照射により得られた粘着物に対し、内部架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート1重量部、除去剤粒子として合成シリカ(東洋化学工業社製、マイクロイド、グレード362、平均粒径10.0μm、表面積300m/g)80重量部を配合して、液状の粘着剤を得た。
【0040】
この粘着剤を、アプリケータにより、PET基材の離型シートの離型処理面に、固形分厚さが100μmとなるように塗布し、10分間室温で静置した。その後、高圧水銀ランプにより、約1400mJ/cmの照射量で紫外線を照射し、粘着シートを得た。これをトムソン金型で50mmの正方形に打抜いて接着部材(EL素子用部材)を得た。
【0041】
(実施例3)
PTFEファインパウダー(旭・ICIフ口口ポリマーズ社製、フルオンCD−123)100重量部に対して液状潤滑剤(流動パラフィン)25重量部を均一に混合した。この混合物を20kg/cmの条件で予備成形し、次いでこれをロッド状に押出成形し、このロッド状の成形体を一対の金属製圧延ロール間に通して、厚さ0.2mmの長尺のシート状成形体を得た。さらに、このシート状成形体からトリクレン(トリクロロエチレン)を用いた抽出法により上記液状潤滑剤を除去した後、管状芯体にロール状に巻回した。
【0042】
得られたシート状成形体をロール延伸法により370℃で長手方向に15倍延伸し、さらにテンターを用いて100℃で幅方向に3倍に延伸し、厚さ50μm、気孔率88%、平均孔径0.3μmのPTFE多孔質フィルムを得た。このPTFE多孔質フィルムと、実施例1と同様にして得た粘着シートとをラミネーターにより貼り合わせ、これをトムソン金型で50mmの正方形に打抜いて接着部材(EL素子用部材)を得た。
【0043】
(比較例1)
除去剤を添加しない以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。この粘着剤をポリエチレンテレフタレート(PET)基材の離型シートの離型処理面に固形分厚さが40μmとなるように塗布し、130℃、5分の条件で、熱風式乾燥機で乾燥キュアーして粘着シートを得た。これをトムソン金型で50mmの正方形に打抜いて接着部材を得た。他方、実施例3と同様にして得たPTFE多孔質フィルムをトムソン金型で50mmの正方形に打抜いてシート材を得た。
得られた接着部材とシート材との間に、除去剤として実施例2で用いた合成シリカ(マイクロイド)0.1gを封入し、接着部材とシート材との周囲を貼り合せた。
【0044】
実施例1〜3および比較例1のEL素子用部材を、相対湿度60%、温度25℃の恒温室に放置し、放置前、および1、7、8、30、31日経過後に取り出し、部材の質量増分から、部材の1日当たりの気体成分(水分)吸着量を求めた。各部材の総厚みとともに、測定結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004311177
【0046】
比較例1の部材では、短期間では水分吸着量が大きくなったが、時間の経過とともに水分の吸着能が大きく低下する。これに対し、実施例1〜3の各部材では、当初の吸着量は少ないものの、長期間にわたって吸着能力が維持されている。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、所定の気体成分の除去機能を有し、かつ従来よりも薄型化が容易なEL素子用部材を得ることができる。このEL素子用部材を用いれば、長期間にわたって気体成分の除去機能を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子用部材の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のEL素子用部材の別の一例を示す断面図である。
【図3】本発明のEL素子用部材のまた別の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のEL素子用部材のさらに別の一例を示す断面図である。
【図5】本発明のEL素子の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 接着層
2 接着性マトリックス
3 気体成分除去粒子
4 EL素子基板
5 基体
6 通気層
10,20,30,40 EL素子用部材
11 透明基板
12 有機発光層
13 陽極
14 陰極
15 積層体(EL)
16 背面板
17 封止剤

Claims (10)

  1. 所定の気体成分を除去する除去剤粒子と接着性マトリックスとを含み、前記除去剤粒子が前記接着性マトリックスに分散した接着層を含むエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  2. 前記接着層が、前記接着性マトリックス100重量部に対して前記除去剤粒子20〜200重量部を含む請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  3. 前記接着層の一方の面を被覆する通気層をさらに含む請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  4. 前記通気層がフッ素樹脂多孔質膜である請求項3に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  5. 前記フッ素樹脂多孔質膜が、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜である請求項4に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  6. 前記所定の気体成分が、水蒸気、酸素および有機物蒸気から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  7. 相対湿度60%、温度25℃に保持した空気中に放置したときに、放置開始から1日経過時点までの質量増に対する30日経過時点から31日経過時点までの質量増の比が0.03以上であり、かつ厚みが5000μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  8. 前記接着層の一方の表面の近傍に前記除去剤粒子が偏在した請求項1〜7のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  9. 前記一方の表面に離型シートが積層された請求項8に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材を内蔵したエレクトロルミネッセンス素子。
JP2003102007A 2003-04-04 2003-04-04 エレクトロルミネッセンス素子用部材およびこの部材を内蔵したエレクトロルミネッセンス素子 Pending JP2004311177A (ja)

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