JP2004309533A - トナーカートリッジ寿命管理装置および方法と画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度よく寿命を管理するトナーカートリッジ寿命管理装置と方法。
【解決手段】画像データがコントローラのCPU111に設けられている画像処理部121に入力されると、露光信号(a)を構成してカウンタ120に入力する。カウンタ120は各色、各頁毎の画素数をカウントしてカウント値をCPU101に送信する(d)。エンジンコントローラ10のCPU101は、メモリ107から、各色毎のトナー量の初期値と係数を読み出し(b)、トナー消費量を算出する。メモリ107には各色で異なる値に設定されたトナー残量のニアエンド値を設定したテーブルが記憶されており、トナー残量とニアエンド値とを比較し、トナー残量がニアエンド値に到達している場合には、トナーカートリッジの寿命が近づいていることを報知する信号を出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】画像データがコントローラのCPU111に設けられている画像処理部121に入力されると、露光信号(a)を構成してカウンタ120に入力する。カウンタ120は各色、各頁毎の画素数をカウントしてカウント値をCPU101に送信する(d)。エンジンコントローラ10のCPU101は、メモリ107から、各色毎のトナー量の初期値と係数を読み出し(b)、トナー消費量を算出する。メモリ107には各色で異なる値に設定されたトナー残量のニアエンド値を設定したテーブルが記憶されており、トナー残量とニアエンド値とを比較し、トナー残量がニアエンド値に到達している場合には、トナーカートリッジの寿命が近づいていることを報知する信号を出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トナーカートリッジの寿命を精度良く管理する、トナーカートリッジ寿命管理装置および方法と画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナーを使用して画像を形成する画像形成装置においては、トナー補給などのメンテナンスや画質の維持などの理由で、トナーの消費量または残量を確認し、トナーカートリッジの寿命を管理する必要がある。本件出願人は、簡単な構成で精度よくトナーの消費量を求めることのできるトナー消費量検出方法および装置をすでに開示している(特許文献1参照)。
【0003】
この検出方法および装置においては、印刷ドットの値とトナー消費量の関係が非線形で、しかも当該印刷ドットに隣接する印刷ドットの状態によっても変化することに鑑み、印刷ドット列を孤立ドット、2連続ドット、中間値ドットの3つのパターンに分け、これらのパターン毎にその形成個数を計数し、それらの計数値に基づいてトナーの消費量を求めている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−174929号公報(第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような画像形成装置においては、画像形成が繰り返されることにより、トナーカートリッジに充填されているトナーが消費されて徐々に減少する。トナーカートリッジに充填されているトナー量があるレベルよりも少なくなると、「トナーカートリッジを交換して下さい」などのメッセージが画像形成装置の表示部に表示され、ユーザに注意を促している。
【0006】
ユーザとしては、資源を有効に利用するとの観点からも、トナー残量を正確に把握して適性な時期にトナーカートリッジの交換を行いたいという要請がある。
前記特許文献1に記載の発明においては、印刷ドット列の配列パターンを3種類に分けて、1頁単位あるジョブ期間におけるトナー消費量を、前記印刷ドット列の配列パターンに基づいて求めることが開示されている。
【0007】
しかしながら、トナーカートリッジ内に収納されているトナー残量がどれだけになっていて、トナーカートリッジの交換はどの時点で行うのかを判断する構成については記載されていない。このため、前記特許文献1に記載の発明においては、トナーカートリッジの寿命管理を精度良く適正に行うことができないという問題があった。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、トナーカートリッジの寿命管理を精度よく行うトナーカートリッジ寿命管理装置および方法と画像形成装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のトナーカートリッジ寿命管理装置は、複数色に対応したトナーがそれぞれ充填されたトナーカートリッジを具備するロータリー現像ユニットと、同量の記録媒体に画像形成を行うことで消費される各色のトナーの量を求めるトナーカウンタと、前記トナーカートリッジに充填された各色のトナー残量が所定値に到達したときに、当該トナーカートリッジの交換時期と判定する判定手段とを備えたトナーカートリッジ寿命管理装置において、
各色毎の前記所定値を記憶する記憶手段を設け、当該所定値は前記画像形成に用いる色により異なる値に設定したことを特徴とする。このように、トナーカートリッジの交換時期を判定するためのトナー残量所定値を、各色同一ではなく画像形成に用いる色により異なる値に設定しているので、画像形成の実態に即して精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0010】
また、前記所定値は、トナー残量が多い順に設定される、ニアエンド値、エンド値、エンドエンド値のいずれかとすることを特徴とする。このように、トナーカートリッジの交換時期を判定するためのトナー残量所定値を、トナー残量に応じて3段階に設定している。このため、トナーカートリッジの交換時期をきめ細かに判定し報知することができるので、ユーザに対する利便性が向上する。
【0011】
また、前記所定値は、ブラック(黒)を他色と異なる値に設定することを特徴とする。画像形成においては、各色で同量のシート(記録媒体)に画像形成する際に、印字部領域の大きさ、非画像領域へのトナー付着量(オフセット)などの特性の関係で、黒色が他色よりもトナー消費量が多くなることから、トナー残量は各色で同じにはならない。このような画像形成の実情に合わせて、前記所定値はブラック(黒)を他色と異なる値に設定しているので、ユーザは使い勝手の良いトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0012】
また、前記所定値は、ブラック(黒)のニアエンド値が他色よりも小さな値に設定されていることを特徴とする。このように、ブラック(黒)のニアエンド値を他色のニアエンド値よりも小さな値に設定しているので、同量のシートに画像形成する際に、ニアエンド値に到達するまでにブラック(黒)のトナー消費量を大きくすることができる。
【0013】
また、前記所定値は、記録媒体に形成される画像の割合の画占率により異なる値としたことを特徴とする。トナー消費量は、シートの画像形成領域の大きさ(画占率)により定められる。すなわち、トナー消費量はシートに形成された全体の画像量により異なるが、画占率が異なる種々の画像形成に対応したトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0014】
また、前記トナーカートリッジは、多数の記録媒体に画像を形成する大容量トナーカートリッジと、少数の記録媒体に画像を形成する小容量トナーカートリッジの複数のトナーカートリッジを交換して使用するものであって、前記所定値は、複数のトナーカートリッジで同色に対してそれぞれ異なる値に設定したことを特徴とする。このため、大容量トナーカートリッジまたは小容量トナーカートリッジのいずれを使用する場合でも、適切なトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0015】
また、本発明のトナーカートリッジ寿命管理方法は、複数色に対応したトナーがそれぞれ充填されたトナーカートリッジを具備するロータリー現像ユニットにより、同量の記録媒体に画像形成を行うことで消費される各色のトナーの量を演算し、前記トナーカートリッジに充填された各色のトナー残量が所定値に到達したときに、当該トナーカートリッジの交換時期と判定するトナーカートリッジ寿命管理方法であって、
トナーが消費される画素数をカウントする段階と、前記カウント値を必要に応じて補正してトナー消費量を積算する段階と、トナー消費量が記憶手段に記憶されている前記所定値に到達したかどうかを判定する段階ととからなり、
前記所定値は、前記画像形成に用いる色により異なる値に設定されていることを特徴とする。このように、画素数のカウントとオフセットなどの補正とを併用してトナー消費量を積算しているので、正確に累積のトナー消費量が求められ、精度の良いトナーカートリッジ寿命管理を行うことができる。
【0016】
また、前記所定値はトナー残量のニアエンド値であって、前記トナー消費量が前記所定値に到達した場合に、その旨を報知する段階を含むことを特徴とする。このため、ユーザはトナー残量がニアエンド値に到達したことを的確に把握することができる。
【0017】
また、本発明の画像形成装置は、前記請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーカートリッジ寿命管理装置と、静電潜像を担持可能に構成された像担持体とを備え、前記ロータリー現像ユニットは、前記複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリー現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリー現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。このため、ロータリー現像ユニットを用いて複数色のトナーで同量の記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、画像形成の実態に即して精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置は、前記像担持体に形成されたトナー像を、中間転写部材に転写することを特徴とする。このため、中間転写部材を用いる画像形成装置において、精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図5は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す縦断側面図である。また、図6は図5の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像の形成や、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像の形成を行う。
【0020】
本発明の画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じて、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられる。この際に、メインコントローラ11からエンジンコントローラ10に指令信号が送信される。この指令信号に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御することにより、シートS(記録媒体)に画像信号に対応する画像を形成する。
【0021】
このエンジン部EGでは、「像担持体」として機能する感光体2が図5の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電制御部103から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。
【0022】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、露光制御部102から与えられる制御指令に応じて光ビームLを感光体2上に露光して、画像信号に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット6には、レンズ、ミラーなどの適宜の光学素子が設けられている。
【0023】
ホストコンピュータなどの外部装置より、インターフェース112を介してメインコントローラ11のCPU111に画像信号が与えられると、エンジンコントローラ10のCPU101が露光制御部102に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。この制御信号に応じて露光ユニット6から光ビームLが感光体2上に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。
【0024】
こうして形成された静電潜像はロータリ現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、ロータリー現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、図示を省略する回転駆動部が設けられている。
【0025】
また、支持フレーム40に対して着脱自在に構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵する、イエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている(本明細書においては、前記各色用現像器4Y、4C、4M、4Kをトナーカートリッジということがある)。
【0026】
このロータリー現像ユニット4は、図6に示すように、現像器制御部104により制御されている。そして、この現像器制御部104からの制御指令に基づいて、ロータリー現像ユニット4が回転駆動される。また、これらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体2と対向する所定の現像位置に位置決めされて、選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0027】
この現像位置では、当該位置に位置決めされた現像器(図5の例ではイエロー用現像器4Y)に設けられた現像ローラ44が感光体2と当接して、または所定のギャップを隔てて対向配置されている。この現像ローラ44は、その表面に摩擦帯電されたトナーを担持するトナー担持体として機能している。そして、現像ローラ44が回転することによって順次、その表面に静電潜像が形成されている感光体2との対向位置に、トナーが搬送される。
【0028】
ここで、現像器制御部104から直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスが現像ローラ44に印加される。このような現像バイアスによって、現像ローラ44上に担持されたトナーは、感光体2の表面各部にその表面電位に応じて部分的に付着し、こうして感光体2上の静電潜像が当該トナー色のトナー像として顕像化される。
【0029】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71(中間転写部材)上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。さらに、中間転写ベルト71を挟んでローラ73と対向する位置には、該ベルト71表面に対して図示を省略した電磁クラッチにより、当接・離間移動可能に構成された二次転写ローラ78が設けられている。
【0030】
カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成する。そして、カセット8から取り出されて中間転写ベルト71と二次転写ローラ78との間の二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上に、カラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0031】
なお、中間転写ベルト71へトナー像を一次転写した後の感光体2は、図示を省略した除電手段によりその表面電位がリセットされる。さらに、感光体2の表面に残留したトナーがクリーニング部5により除去された後、帯電ユニット3により次の帯電を受ける。クリーニング部5により除去されたトナーは、図示を省略したトナータンクに回収される。
【0032】
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76、濃度センサ60および垂直同期センサ77が配置されている。これらのうち、クリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナ76のブレードがローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。クリーナ76のブレードで除去されたトナーは、転写廃トナータンクに回収される。
【0033】
垂直同期センサ77は、中間転写ベルト(中間転写部材)71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。さらに、濃度センサ60は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、濃度制御処理において、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。
【0034】
図6に示すように、各現像器(トナーカートリッジ)4Y、4C、4M、4Kには、該現像器の製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶する「記憶素子」であるメモリ91〜94がそれぞれ設けられている。さらに、各現像器4Y、4C、4M、4Kには、コネクタ49Y、49C、49M、49Kがそれぞれ設けられている。
【0035】
そして、必要に応じて、これらのコネクタ49Y、49C、49M、49Kが選択的に本体側に設けられたコネクタ108と接続される。このため、インターフェース105を介して、エンジンコントローラ10のCPU101と各メモリ91〜94との間でデータの送受を行って、該現像器(トナーカートリッジ)に関する消耗品管理等の各種情報の管理を行っている。なお、この実施形態では本体側コネクタ108と各現像器側のコネクタ49K等とが機械的に嵌合することで相互にデータ送受を行っているが、例えば無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受を行うようにしてもよい。
【0036】
また、各現像器4Y、4C、4M、4Kに固有のデータを記憶するメモリ91〜94は、電源オフ状態や該現像器が本体から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましい。このような不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリや強誘電体メモリ(FRAM)、EEPROMなどを用いることができる。
【0037】
また、図5では記載を省略しているが、この画像形成装置では表示部12が設けられている(図6)。そして、必要に応じCPU111から与えられる制御指令に応じて所定のメッセージを表示することで、必要な情報をユーザに対し報知する。例えば、装置の故障や紙詰まり等の異常が発生したときにはその旨をユーザに知らせるメッセージを表示する。また、いずれかの現像器内のトナー残量が所定値以下、例えば後述するニアエンド値まで低下したときには、当該現像器の交換を促すメッセージを表示する。
【0038】
この表示部12としては、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置を用いることができるが、これ以外に、必要に応じて点灯あるいは点滅する警告ランプを用いてもよい。さらに、メッセージを表示することで視覚によりユーザに報知する以外に、予め録音された音声メッセージやブザー等の音声による警報装置を用いたり、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。
【0039】
メインコントローラ11には、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するために、画像メモリ113が設けられている。符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。RAM107は、不揮発性のFRAM(Ferroelectric Ramdom Access Memory:強誘電体メモリ)を用いても良い。
【0040】
次に、上記のように構成された画像形成装置において、各現像器(トナーカートリッジ)4Y、4M、4C、4Kそれぞれについて、トナー残量の求めかたを説明する。この種の画像形成装置においては、同じ装置に、トナー収容量が多い大容量のトナーカートリッジと、トナー収容量が少ない小容量のトナーカートリッジの2種類の異なる容量のトナーカートリッジを交換して装着できる機種が開発されている。このような場合には、大容量または小容量のトナーカートリッジのトナー収容量に応じてその寿命が相違する。
【0041】
図2は、本発明によるトナーカートリッジ寿命管理の基本的構成を示す特性図である。図2において、横軸にはトナーカウンタカウント値を設定する。また、縦軸には、現像ローラ駆動時間(累積値sec)を設定する。横軸のトナーカウンタカウント値は、一例として、A4用紙換算で6000枚の画像形成用大容量トナーカートリッジは、最大値13000万に設定する。また、同一装置に装着されるA4用紙換算で2000枚の画像形成用小容量トナーカートリッジにおいては、トナーカウンタのカウント値は最大値500万に設定する。本発明においては、このような大容量トナーカートリッジまたは小容量トナーカートリッジのいずれを使用する場合でも、適切なトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0042】
縦軸の現像ローラ駆動時間は、前記大容量トナーカートリッジでは、例えば最大値12000secに設定する。また、小容量トナーカートリッジにおいては、現像ローラ駆動時間は例えば最大値4000secに設定する。トナーカートリッジの寿命は、横軸に設定されたトナーカウンタカウント値と、縦軸に設定された現像ローラ駆動時間のいずれかのパラメータが、規定値に達したかどうかで判定される。すなわち、トナーカートリッジの寿命判定は、トナーカウンタカウント値と現像ローラ駆動時間のいずれかが規定値に到達したかの論理和の判定により行われる。
【0043】
本発明においては、このようなトナーカートリッジの寿命判定の際に、トナー残量に応じて大小3段階のレベルを設定する。すなわち、トナー残量が多い順序に(1)ニアエンド値のレベル、(2)エンド値のレベル、(3)エンドエンド値のレベルを設定する。初期値から、トナーの残量が減少して(1)ニアエンド値のレベルに達すると、「トナー残量が少なくなりました」、「トナーカートリッジの交換時期が近づきました」などの警告を表示部に表示する。
【0044】
また、トナーの残量が(1)ニアエンド値のレベルからさらに低下して、(2)エンド値のレベルに達すると「トナーカートリッジを交換して下さい」などのオペレーションコール(オペコール)を表示部に表示する。前記オペコールをシート1枚に画像形成する毎に表示して、連続した画像形成ができなくする機能を付与することもできる。
【0045】
更にトナーの残量が減少して、(3)エンドエンド値のレベルに達した場合には、シートに画像形成が出来なくなるように制御される。このように、本発明の図2の実施形態では、トナーカートリッジの交換時期をトナー残量に応じて3段階のレベルで設定している。このため、ユーザは段階的にトナーカートリッジの交換時期を認識できるので、使い勝手が良くユーザの利便性を向上させることができる。
【0046】
図2において、破線Rはニアエンド値のレベル、一点鎖線Sはエンド値のレベル、実線Tはエンドエンド値のレベルを示している。横軸のトナーカウンタカウント値は、最大値A3、ニアエンド値A2、エンド値A1の数値に設定されている。また、縦軸の現像ローラ駆動時間は、最大値B3、ニアエンド値B2、エンド値B1の数値に設定されている。
【0047】
トナーカウンタカウント値は、画像が形成される記録紙(シート)の枚数と、シートの画像形成領域の大きさ(画占率)により定められる。すなわち、シートに形成された全体の画像量によりトナーカウンタカウント値は変動する。図2において、Uは画占率1%、Vは画占率5%、Wは画占率20%の特性を示している。なお、特性Uは1ジョブあたりA4シート4枚の画像形成を行い、他のV、Wの特性では1ジョブあたりA4シート1枚の画像形成を行うものとする。図2から、画占率が高いほどトナーカウンタカウント値が増大していき、トナー残量が少なくなることがわかる
【0048】
図2の例では、ニアエンド値A2に達するのは、画占率1%の特性Uではシート6400枚(Ua)、画占率5%の特性Vではシート4800枚(Va)、画占率20%の特性Wではシート1200枚(Wa)である。また、エンド値A1に達するのは、画占率1%の特性Uではシート8000枚(Ub)、画占率5%の特性Vではシート6000枚(Vb)、画占率20%の特性Wではシート1500枚(Wb)である。さらに、エンドエンド値に達するのは、特性Uではシート9090枚(Uc)、特性Vではシート6800枚(Vc)、特性Wではシート1700枚(Wc)である。
【0049】
このように、図2の例では画占率1%の特性Uにおいては、ニアエンド値A2とエンド値A1間では6400枚(Ua)と8000枚(Ub)で、20%の差が存在している。また、エンド値A1とエンドエンド値間では、8000枚(Ub)と9090枚(Uc)で1090枚の差が存在している。さらに、画占率5%の特性Vにおいては、ニアエンド値A2とエンド値A1間では4800枚(Va)と6000枚(Vb)で、20%の差が存在している。また、エンド値A1とエンドエンド値間では、6000枚(Vb)と6800枚(Vc)で800枚の差が存在している。
【0050】
また、縦軸の現像ローラ駆動時間は、前記各特性U、V、W毎に最大値(エンドエンド値)B3、B2、B1が設定されている。例えば、特性Uのエンドエンド値B3は12000secである。各特性U、V、W毎にエンドエンド値に対応して適宜のニアエンド値、エンド値が設定されている。この現像ローラ駆動時間によるトナーカートリッジ寿命判定においては、画占率が小さいシートほど寿命が短くなる傾向があることがわかる。すなわち、トナーカウンタカウント値と、現像ローラ駆動時間は、同じ画占率ではトナーカートリッジの寿命は相反する特性を有している。
【0051】
前記のように、トナーカートリッジの寿命判定は、トナーカウンタカウント値、または、現像ローラ駆動時間が所定レベルに達したかどうかにより行うことができる。本発明においては、この中でトナーカウンタカウント値によるトナーカートリッジ寿命管理装置とその方法を対象としている。以下、本発明の構成について説明する。
【0052】
図3は、トナーカウンタカウント値と、トナー残量との関係を示す特性図である。横軸には、トナーカウンタカウント値を設定し、縦軸にはトナー残量(g)を設定している。この場合においても、前記大容量トナーカートリッジの場合と小容量トナーカートリッジの場合では特性が相違する。図3は、例えば大容量トナーカートリッジの特性を示すものであり、A4サイズのシートに5%の画占率で画像形成する場合を対象としている。
【0053】
図3の例では、トナーエンド量として標準値と、この標準値の±12.5%の数値を設定している。特性Yが標準値、特性Xが標準値の+12.5%、特性Zが標準値のー12.5%のトナー残量を示している。図3において、トナー量の初期値C4は例えば225gとする。また、トナー残量の標準エンド値C2は54g、特性Xのエンド値C3は79g、特性Zのエンド値C1は30gに設定している。
【0054】
横軸には、図2と同様の最大値A3、ニアエンド値A2、エンド値A1が設定されている。標準特性Yのニアエンド値Yaは、この例では83gである。本発明におては、トナー残量のニアエンド量を判定する際のトナーカウンタカウント値を各色毎にどのように設定するか、画像形成の実情に即して設定しているところに特徴を有している。
【0055】
図4は、トナー残量のニアエンド値を設定するトナーカウンタカウント値のテーブルの例を示す説明図である。このようなテーブルは、例えば図6のメモリ(FRAM)107に格納される。図4において、「種類」の欄はトナーカートリッジの容量を示すもので、例えばPaは大容量トナーカートリッジ、Pbは小容量トナーカートリッジである。「色」の欄は、前記イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の区別を設定している。「カウント値」の欄は、各色の前記トナー残量のニアエンド値が設定されている。
【0056】
図4の例では、トナーカートリッジPaのY、C、M各色のトナー残量のニアエンド値はそれぞれa1で等しく設定されており、Kのトナー残量のニアエンド値はa2である。また、トナーカートリッジPbのY、C、M各色のトナー残量のニアエンド値はa3でそれぞれ等しく設定されている。a1とa2の大小関係は、a1>a2である。なお、a3はa2よりも小さい数値で設定される。
【0057】
本発明においては、図5に示したようなロータリ現像ユニット4を用いる画像形成装置により、各色で同数のシート(記録媒体)に画像形成する際に、各色毎の特性を考慮して前記トナー残量のニアエンド値を設定している。すなわち、この特性には、印字部領域の大きさ、非画像領域へのトナー付着量(オフセット)などが含まれる。
【0058】
前記のような特性を考慮すると、同数のシートに画像形成する際にブラック(K)のトナー消費量が多くなることから、トナー残量は各色で同じにはならない。このため、図5の例では、ブラック(K)のトナー残量のニアエンド値を他の色よりも少ない数値に設定して、すなわち、寿命カウント値を他色よりも大きく設定して、トナー消費量の実態に合わせている。
【0059】
このように、本発明においては、ブラック(K)のニアエンド値を他色のニアエンド値とは異なる値に設定している。このため、シートに画像形成すことにより、各色のトナー消費量が増大していく際に、その実情に適合した精度の高いトナーカートリッジ寿命管理を行うことが可能となる。
【0060】
図1は、本発明の構成を示すブロック図である。図1は、図6のブロック図を一部拡大して示している。この装置においては、ROM106(図6)に記憶されたプログラムに基づいてエンジンコントローラ10が動作を開始する。また、メインコントローラ11のCPU111が動作する。CPU111には、カウンタ120、画像処理部121が設けられている。このトナーカウンタは、エンジンコントローラ10のCPU101にソフトウエアまたはハードウエアで構成されている。
【0061】
外部装置から与えられた画像データが画像処理部121に入力されると、画像処理部121は、露光信号(a)を構成してカウンタ120に入力する。露光信号(a)により、カウンタ120は各色、各頁毎の画素数をカウントしてカウント値をCPU101に送信する(d)。エンジンコントローラ10のCPU101は、メモリ(FRAM)107から、各色毎のトナーカートリッジに充填されているトナー量の初期値と係数を読み出す(b)。
【0062】
係数は、画像形成の際の重み付け係数などであり、詳細な説明は後述する。また、カウント値に係数を付与した演算結果をカウンタ120に送信する(c)。このように、エンジンコントローラ10のCPU101は、(d)でカウンタ120から送信されてきた各色、各頁毎のカウント値と、メモリ(FRAM)107から読み出した係数に基づいてドットカウント値、すなわち、トナーカウンタカウント値(トナー消費量)を算出する。
【0063】
そして、旧トナー残量からトナー消費量を減算して新トナー残量をメモリ(FRAM)107に記憶させる(e)。メモリ107には、図4で説明したトナー残量のニアエンド値を設定したテーブルが記憶されている。前記のようにして、メモリ107に新しいトナー残量が記憶されると、CPU101は更新されたトナー残量とニアエンド値と比較し、トナー残量がニアエンド値に到達している場合には、トナーカートリッジの寿命が近づいていることを報知する信号を出力する。すなわち、CPU101はトナーカートリッジの交換時期を判定する判定手段として機能している。
【0064】
なお、図示を省略しているが、エンジンコントローラ10のCPU101には、現像ローラが動作しているときにその駆動時間についてのタイマの信号が入力される。前記駆動時間は、ジョブ毎に累積されてメモリ(FRAM)107に記憶されている。そして、当該駆動時間が前記ニアエンド値に到達するとその旨を表示部に表示している。
【0065】
次に、トナーカウンタの構成と動作について説明する。 図7はトナーカウンタの構成を示すブロック図である。この装置においては、図6に示されているROM106に記憶されたプログラムに基づいて、CPU101が所定の演算を行うことによりトナー消費量を求めている。すなわち、トナーカウンタとしての全ての構成をCPU101のソフトウェア上で実現しているが、ハードウェアにより構成することも可能である。
【0066】
前記ハードウェアで場合した場合の回路構成例を示すのが図7である。ここでは、図7に示すハードウェア構成のトナーカウンタ200をモデルとして本発明にかかるトナーカウンタの動作原理を説明する。図7の回路をソフトウェアにより実現する場合にも、ハードウェアの場合と同様の原理に基づきトナー消費量を求めることが可能である。
【0067】
このトナーカウンタ200では、CPU101から露光制御部102に与えられるものと同一の制御信号、すなわち、外部装置から与えられた画像信号に基づいて、各トナー色毎の階調値に展開された信号が入力される。比較回路201はその制御信号に基づき、階調値が所定の閾値以上の印刷ドットに対応する信号のみを通過させ、判別回路202に入力する。判別回路202は、比較回路201の出力信号に基づき印刷ドットの配列状態を判別する「パターン判別手段」としての機能を有している。
【0068】
すなわち、判別回路202は、印刷ドット列を構成するドット数を検知して、閾値以上のドット、4連続ドット、孤立ドット、の3パターンに分類し、そのパターンに応じてカウンタ203〜205のいずれかに「1」を出力する。ここで、孤立ドットは、ある閾値以上の画素の両隣の画素が閾値未満のものである。これらのカウンタ203、204および205は、それぞれ閾値以上のドット、4連続ドット、孤立ドット、の各パターンに対応して設けられたものである。各カウンタ203〜205は、判別回路202から随時出力される信号をカウントすることによって、当該パターンの印刷ドット列の形成回数を計数する「カウント手段」としての機能を有している。
【0069】
例えば、比較回路201に入力された制御信号が、孤立ドットに対応したものであったときには、比較回路201からの出力信号に基づいて判別回路202は当該印刷ドットが孤立ドットであることを判別する。そして、カウンタ205に対して「1」を出力する一方、他のカウンタ203、204に対しては「0」を出力する。このような処理により、孤立ドットの形成回数を示すカウンタ205のカウント値のみを1つ増加させる。
【0070】
しかしながら、この際に他のカウンタ203、204のカウント値は変化しない。同様に、比較回路201に入力された制御信号が4連続ドットに対応したものである場合には、対応したカウンタ204のカウント値が1つずつ増加してゆく。このようにして、各パターン毎の印刷ドットの形成回数が個別にカウントされる。
【0071】
これらのカウント値C1、C2およびC3は、演算回路206に入力される。この演算回路206には、カウント値C1、C2およびC3以外に、CPU101から与えられるオフセット値Noと、係数テーブル207からの出力とが入力される。また、演算回路206からの出力は、CPU101および係数テーブル207に入力されている。この係数テーブル207には、「重み付け係数」Kx、K1、K2、K3(下記(1)式)の候補となる複数組の数値が予め記憶されており、演算回路206の出力値に応じてそのうちの1組が選択される。
【0072】
そして、演算回路206は、各カウンタ203〜205から出力されるそれぞれのカウント値C1、C2、C3と、係数テーブル207から選択されて出力される重み付け係数K1、K2、K3とを乗じるとともにそれらの和を求める。更に、その和と係数Kxとの積に、CPU101から与えられるオフセット値Noを加算する。このような演算によって、(1)式に定義するトナー消費量が求められる。(トナー消費量)=Kx・(K1・C1+K2・C2+K3・C3)+No…(1)ただし、Kxは各色により異なる色依存係数である。
【0073】
なお、この実施形態においては、上記トナーカウンタ200の「カウント手段」、「係数設定手段」等に相当する機能を全てソフトウェアで実現していることは上記したとおりである。このような構成によって、トナー消費量を算出するための特別なハードウェアを追加する必要はなく、装置が簡単な構成となるので装置の低コスト化を図ることができる。
【0074】
図8はこの画像形成装置におけるトナーカウント動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、一定期間毎に図8に示すトナーカウント動作を実行しており、これにより随時トナーの消費量を求めるとともに、その結果に基づいてトナー残量のニアエンド、エンド、エンドエンドの判定や画像濃度の調整を行っている。
【0075】
このトナーカウント動作では、まず印刷ドット列の各パターン毎のカウント値の増分を求める(ステップS1)。これにより、先のトナーカウント動作から現在までの間(以下、「対象期間」という)に形成された印刷ドットの数を各パターン毎に求めることができる。次に、これらの値と予め設定された所定の重み付け係数とを乗じるとともに、それらの和を求める(ステップS2)。そして、その結果に、対象期間内における画像形成枚数に比例するオフセット値を加えると(ステップS3)、当該対象期間におけるトナー消費量が求められる。
【0076】
したがって、各対象期間におけるトナー消費量を積算することにより(ステップS4)、現在までの総トナー消費量を求めることができる。さらに、このようにして求めた総トナー消費量の数値によって以後の動作は異なる。すなわち、総トナー消費量が所定の閾値に達したかどうかを判定し(ステップS5)、その結果がYESの場合には、その時点のトナー消費量に応じた新たな重み付け係数を設定する(ステップS6)。
【0077】
重み付け係数を変更したときには(ステップS6)、引き続いて濃度制御処理を実行し(ステップS7)、画像濃度の変動を抑制している。この濃度制御処理は、パッチ画像としてのトナー像を形成するとともに、その濃度を濃度センサ60により検出し、その検出結果に基づいて、画像濃度に影響を与える因子(例えば、現像バイアス)を調整することにより、所望の画像濃度を得るものである。
このような濃度制御技術については、従来より種々の手法が提案されており、この装置においてもこれらの公知技術を適用することができるので、ここでは説明を省略する。
【0078】
一方、ステップS5において、求めた総トナー消費量が上記した閾値でなかった場合、すなわち、そのレベル変更がなかったときの動作は以下のとおりである。まず、求めた総トナー消費量が、当該現像器における上限値に達しているか否かを判断する(ステップS8)。この上限値とは、当該現像器において使用可能なトナー量の最大値で例えばニアエンド値を設定する。
【0079】
すなわち、総トナー消費量がこの上限値に達している場合には、現像器内のトナーは残り僅かとなっており、このまま画像形成を続けることは好ましくない。そこで、このような場合には、ニアエンドを表すメッセージを表示部12(図2)に表示し(ステップS9)、ユーザに対し現像器交換の注意を促す。また、トナー消費量が上限値に達していなければ、現像器内には画像形成を行うに足るだけのトナーが残っているので、そのまま処理を終了する。
【0080】
なお、前記上限値として図8の例ではニアエンド値を設定しているが、ニアエンド値に代えてエンド値、またはエンドエンド値を設定する構成とすることもできる。図8の例では、画素数のカウントとオフセットなどの補正とを併用してトナー消費量を積算しているので、正確に累積のトナー消費量が求められ、精度の良いトナーカートリッジ寿命管理を行うことができる。
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、ロータリー現像ユニットを用いて複数色のトナーで同量の記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、画像形成の実態に即して精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。また、中間転写部材を用いる画像形成装置においても、精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0082】
上記した実施形態は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成可能に構成された画像形成装置を対象としている。本発明は、使用するトナー色およびその色数はこれに限定されるものでなく任意であり、例えばブラックトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置に対しても本発明を適用することが可能である。また、単一のハードウェア構成により複数の現像器のトナー消費量をそれぞれ個別に求めることができる。
【0083】
さらに、上記実施形態では、装置外部からの画像信号に基づき画像形成動作を実行するプリンタに本発明を適用しているが、ユーザの画像形成要求、例えばコピーボタンの押動に応じて装置内部で画像信号を作成し、その画像信号に基づき画像形成動作を実行する複写機や、通信回線を介して与えられた画像信号に基づき画像形成動作を実行するファクシミリ装置に対しても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】トナーカートリッジの寿命管理を行う例を示す特性図である。
【図3】トナーカートリッジの寿命管理を行う例を示す特性図である。
【図4】カウント値を設定するテーブルの例を示す説明図である。
【図5】画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。
【図6】図5の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】図6を部分的に拡大して示すブロック図である。
【図8】本発明の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…感光体(像担持体)、4C、4K、4M、4Y…現像器(トナーカートリッジ)、44…現像ローラ(トナー担持体)、10…エンジンコントローラ、11…メインコントローラ、101…エンジンコントローラのCPU、107…メモリ(FRAM)、111…メインコントローラのCPU、120…カウンタ、200…トナーカウンタ、202…判別回路(パターン判別手段)、203〜205…カウンタ(カウント手段)、206…演算回路
【発明の属する技術分野】
この発明は、トナーカートリッジの寿命を精度良く管理する、トナーカートリッジ寿命管理装置および方法と画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナーを使用して画像を形成する画像形成装置においては、トナー補給などのメンテナンスや画質の維持などの理由で、トナーの消費量または残量を確認し、トナーカートリッジの寿命を管理する必要がある。本件出願人は、簡単な構成で精度よくトナーの消費量を求めることのできるトナー消費量検出方法および装置をすでに開示している(特許文献1参照)。
【0003】
この検出方法および装置においては、印刷ドットの値とトナー消費量の関係が非線形で、しかも当該印刷ドットに隣接する印刷ドットの状態によっても変化することに鑑み、印刷ドット列を孤立ドット、2連続ドット、中間値ドットの3つのパターンに分け、これらのパターン毎にその形成個数を計数し、それらの計数値に基づいてトナーの消費量を求めている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−174929号公報(第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような画像形成装置においては、画像形成が繰り返されることにより、トナーカートリッジに充填されているトナーが消費されて徐々に減少する。トナーカートリッジに充填されているトナー量があるレベルよりも少なくなると、「トナーカートリッジを交換して下さい」などのメッセージが画像形成装置の表示部に表示され、ユーザに注意を促している。
【0006】
ユーザとしては、資源を有効に利用するとの観点からも、トナー残量を正確に把握して適性な時期にトナーカートリッジの交換を行いたいという要請がある。
前記特許文献1に記載の発明においては、印刷ドット列の配列パターンを3種類に分けて、1頁単位あるジョブ期間におけるトナー消費量を、前記印刷ドット列の配列パターンに基づいて求めることが開示されている。
【0007】
しかしながら、トナーカートリッジ内に収納されているトナー残量がどれだけになっていて、トナーカートリッジの交換はどの時点で行うのかを判断する構成については記載されていない。このため、前記特許文献1に記載の発明においては、トナーカートリッジの寿命管理を精度良く適正に行うことができないという問題があった。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、トナーカートリッジの寿命管理を精度よく行うトナーカートリッジ寿命管理装置および方法と画像形成装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のトナーカートリッジ寿命管理装置は、複数色に対応したトナーがそれぞれ充填されたトナーカートリッジを具備するロータリー現像ユニットと、同量の記録媒体に画像形成を行うことで消費される各色のトナーの量を求めるトナーカウンタと、前記トナーカートリッジに充填された各色のトナー残量が所定値に到達したときに、当該トナーカートリッジの交換時期と判定する判定手段とを備えたトナーカートリッジ寿命管理装置において、
各色毎の前記所定値を記憶する記憶手段を設け、当該所定値は前記画像形成に用いる色により異なる値に設定したことを特徴とする。このように、トナーカートリッジの交換時期を判定するためのトナー残量所定値を、各色同一ではなく画像形成に用いる色により異なる値に設定しているので、画像形成の実態に即して精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0010】
また、前記所定値は、トナー残量が多い順に設定される、ニアエンド値、エンド値、エンドエンド値のいずれかとすることを特徴とする。このように、トナーカートリッジの交換時期を判定するためのトナー残量所定値を、トナー残量に応じて3段階に設定している。このため、トナーカートリッジの交換時期をきめ細かに判定し報知することができるので、ユーザに対する利便性が向上する。
【0011】
また、前記所定値は、ブラック(黒)を他色と異なる値に設定することを特徴とする。画像形成においては、各色で同量のシート(記録媒体)に画像形成する際に、印字部領域の大きさ、非画像領域へのトナー付着量(オフセット)などの特性の関係で、黒色が他色よりもトナー消費量が多くなることから、トナー残量は各色で同じにはならない。このような画像形成の実情に合わせて、前記所定値はブラック(黒)を他色と異なる値に設定しているので、ユーザは使い勝手の良いトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0012】
また、前記所定値は、ブラック(黒)のニアエンド値が他色よりも小さな値に設定されていることを特徴とする。このように、ブラック(黒)のニアエンド値を他色のニアエンド値よりも小さな値に設定しているので、同量のシートに画像形成する際に、ニアエンド値に到達するまでにブラック(黒)のトナー消費量を大きくすることができる。
【0013】
また、前記所定値は、記録媒体に形成される画像の割合の画占率により異なる値としたことを特徴とする。トナー消費量は、シートの画像形成領域の大きさ(画占率)により定められる。すなわち、トナー消費量はシートに形成された全体の画像量により異なるが、画占率が異なる種々の画像形成に対応したトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0014】
また、前記トナーカートリッジは、多数の記録媒体に画像を形成する大容量トナーカートリッジと、少数の記録媒体に画像を形成する小容量トナーカートリッジの複数のトナーカートリッジを交換して使用するものであって、前記所定値は、複数のトナーカートリッジで同色に対してそれぞれ異なる値に設定したことを特徴とする。このため、大容量トナーカートリッジまたは小容量トナーカートリッジのいずれを使用する場合でも、適切なトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0015】
また、本発明のトナーカートリッジ寿命管理方法は、複数色に対応したトナーがそれぞれ充填されたトナーカートリッジを具備するロータリー現像ユニットにより、同量の記録媒体に画像形成を行うことで消費される各色のトナーの量を演算し、前記トナーカートリッジに充填された各色のトナー残量が所定値に到達したときに、当該トナーカートリッジの交換時期と判定するトナーカートリッジ寿命管理方法であって、
トナーが消費される画素数をカウントする段階と、前記カウント値を必要に応じて補正してトナー消費量を積算する段階と、トナー消費量が記憶手段に記憶されている前記所定値に到達したかどうかを判定する段階ととからなり、
前記所定値は、前記画像形成に用いる色により異なる値に設定されていることを特徴とする。このように、画素数のカウントとオフセットなどの補正とを併用してトナー消費量を積算しているので、正確に累積のトナー消費量が求められ、精度の良いトナーカートリッジ寿命管理を行うことができる。
【0016】
また、前記所定値はトナー残量のニアエンド値であって、前記トナー消費量が前記所定値に到達した場合に、その旨を報知する段階を含むことを特徴とする。このため、ユーザはトナー残量がニアエンド値に到達したことを的確に把握することができる。
【0017】
また、本発明の画像形成装置は、前記請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーカートリッジ寿命管理装置と、静電潜像を担持可能に構成された像担持体とを備え、前記ロータリー現像ユニットは、前記複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリー現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリー現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。このため、ロータリー現像ユニットを用いて複数色のトナーで同量の記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、画像形成の実態に即して精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置は、前記像担持体に形成されたトナー像を、中間転写部材に転写することを特徴とする。このため、中間転写部材を用いる画像形成装置において、精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図5は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す縦断側面図である。また、図6は図5の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像の形成や、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像の形成を行う。
【0020】
本発明の画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じて、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられる。この際に、メインコントローラ11からエンジンコントローラ10に指令信号が送信される。この指令信号に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御することにより、シートS(記録媒体)に画像信号に対応する画像を形成する。
【0021】
このエンジン部EGでは、「像担持体」として機能する感光体2が図5の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電制御部103から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。
【0022】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、露光制御部102から与えられる制御指令に応じて光ビームLを感光体2上に露光して、画像信号に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット6には、レンズ、ミラーなどの適宜の光学素子が設けられている。
【0023】
ホストコンピュータなどの外部装置より、インターフェース112を介してメインコントローラ11のCPU111に画像信号が与えられると、エンジンコントローラ10のCPU101が露光制御部102に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。この制御信号に応じて露光ユニット6から光ビームLが感光体2上に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。
【0024】
こうして形成された静電潜像はロータリ現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、ロータリー現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、図示を省略する回転駆動部が設けられている。
【0025】
また、支持フレーム40に対して着脱自在に構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵する、イエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている(本明細書においては、前記各色用現像器4Y、4C、4M、4Kをトナーカートリッジということがある)。
【0026】
このロータリー現像ユニット4は、図6に示すように、現像器制御部104により制御されている。そして、この現像器制御部104からの制御指令に基づいて、ロータリー現像ユニット4が回転駆動される。また、これらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体2と対向する所定の現像位置に位置決めされて、選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0027】
この現像位置では、当該位置に位置決めされた現像器(図5の例ではイエロー用現像器4Y)に設けられた現像ローラ44が感光体2と当接して、または所定のギャップを隔てて対向配置されている。この現像ローラ44は、その表面に摩擦帯電されたトナーを担持するトナー担持体として機能している。そして、現像ローラ44が回転することによって順次、その表面に静電潜像が形成されている感光体2との対向位置に、トナーが搬送される。
【0028】
ここで、現像器制御部104から直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスが現像ローラ44に印加される。このような現像バイアスによって、現像ローラ44上に担持されたトナーは、感光体2の表面各部にその表面電位に応じて部分的に付着し、こうして感光体2上の静電潜像が当該トナー色のトナー像として顕像化される。
【0029】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71(中間転写部材)上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。さらに、中間転写ベルト71を挟んでローラ73と対向する位置には、該ベルト71表面に対して図示を省略した電磁クラッチにより、当接・離間移動可能に構成された二次転写ローラ78が設けられている。
【0030】
カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成する。そして、カセット8から取り出されて中間転写ベルト71と二次転写ローラ78との間の二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上に、カラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0031】
なお、中間転写ベルト71へトナー像を一次転写した後の感光体2は、図示を省略した除電手段によりその表面電位がリセットされる。さらに、感光体2の表面に残留したトナーがクリーニング部5により除去された後、帯電ユニット3により次の帯電を受ける。クリーニング部5により除去されたトナーは、図示を省略したトナータンクに回収される。
【0032】
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76、濃度センサ60および垂直同期センサ77が配置されている。これらのうち、クリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナ76のブレードがローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。クリーナ76のブレードで除去されたトナーは、転写廃トナータンクに回収される。
【0033】
垂直同期センサ77は、中間転写ベルト(中間転写部材)71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。さらに、濃度センサ60は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、濃度制御処理において、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。
【0034】
図6に示すように、各現像器(トナーカートリッジ)4Y、4C、4M、4Kには、該現像器の製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶する「記憶素子」であるメモリ91〜94がそれぞれ設けられている。さらに、各現像器4Y、4C、4M、4Kには、コネクタ49Y、49C、49M、49Kがそれぞれ設けられている。
【0035】
そして、必要に応じて、これらのコネクタ49Y、49C、49M、49Kが選択的に本体側に設けられたコネクタ108と接続される。このため、インターフェース105を介して、エンジンコントローラ10のCPU101と各メモリ91〜94との間でデータの送受を行って、該現像器(トナーカートリッジ)に関する消耗品管理等の各種情報の管理を行っている。なお、この実施形態では本体側コネクタ108と各現像器側のコネクタ49K等とが機械的に嵌合することで相互にデータ送受を行っているが、例えば無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受を行うようにしてもよい。
【0036】
また、各現像器4Y、4C、4M、4Kに固有のデータを記憶するメモリ91〜94は、電源オフ状態や該現像器が本体から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましい。このような不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリや強誘電体メモリ(FRAM)、EEPROMなどを用いることができる。
【0037】
また、図5では記載を省略しているが、この画像形成装置では表示部12が設けられている(図6)。そして、必要に応じCPU111から与えられる制御指令に応じて所定のメッセージを表示することで、必要な情報をユーザに対し報知する。例えば、装置の故障や紙詰まり等の異常が発生したときにはその旨をユーザに知らせるメッセージを表示する。また、いずれかの現像器内のトナー残量が所定値以下、例えば後述するニアエンド値まで低下したときには、当該現像器の交換を促すメッセージを表示する。
【0038】
この表示部12としては、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置を用いることができるが、これ以外に、必要に応じて点灯あるいは点滅する警告ランプを用いてもよい。さらに、メッセージを表示することで視覚によりユーザに報知する以外に、予め録音された音声メッセージやブザー等の音声による警報装置を用いたり、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。
【0039】
メインコントローラ11には、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するために、画像メモリ113が設けられている。符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。RAM107は、不揮発性のFRAM(Ferroelectric Ramdom Access Memory:強誘電体メモリ)を用いても良い。
【0040】
次に、上記のように構成された画像形成装置において、各現像器(トナーカートリッジ)4Y、4M、4C、4Kそれぞれについて、トナー残量の求めかたを説明する。この種の画像形成装置においては、同じ装置に、トナー収容量が多い大容量のトナーカートリッジと、トナー収容量が少ない小容量のトナーカートリッジの2種類の異なる容量のトナーカートリッジを交換して装着できる機種が開発されている。このような場合には、大容量または小容量のトナーカートリッジのトナー収容量に応じてその寿命が相違する。
【0041】
図2は、本発明によるトナーカートリッジ寿命管理の基本的構成を示す特性図である。図2において、横軸にはトナーカウンタカウント値を設定する。また、縦軸には、現像ローラ駆動時間(累積値sec)を設定する。横軸のトナーカウンタカウント値は、一例として、A4用紙換算で6000枚の画像形成用大容量トナーカートリッジは、最大値13000万に設定する。また、同一装置に装着されるA4用紙換算で2000枚の画像形成用小容量トナーカートリッジにおいては、トナーカウンタのカウント値は最大値500万に設定する。本発明においては、このような大容量トナーカートリッジまたは小容量トナーカートリッジのいずれを使用する場合でも、適切なトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0042】
縦軸の現像ローラ駆動時間は、前記大容量トナーカートリッジでは、例えば最大値12000secに設定する。また、小容量トナーカートリッジにおいては、現像ローラ駆動時間は例えば最大値4000secに設定する。トナーカートリッジの寿命は、横軸に設定されたトナーカウンタカウント値と、縦軸に設定された現像ローラ駆動時間のいずれかのパラメータが、規定値に達したかどうかで判定される。すなわち、トナーカートリッジの寿命判定は、トナーカウンタカウント値と現像ローラ駆動時間のいずれかが規定値に到達したかの論理和の判定により行われる。
【0043】
本発明においては、このようなトナーカートリッジの寿命判定の際に、トナー残量に応じて大小3段階のレベルを設定する。すなわち、トナー残量が多い順序に(1)ニアエンド値のレベル、(2)エンド値のレベル、(3)エンドエンド値のレベルを設定する。初期値から、トナーの残量が減少して(1)ニアエンド値のレベルに達すると、「トナー残量が少なくなりました」、「トナーカートリッジの交換時期が近づきました」などの警告を表示部に表示する。
【0044】
また、トナーの残量が(1)ニアエンド値のレベルからさらに低下して、(2)エンド値のレベルに達すると「トナーカートリッジを交換して下さい」などのオペレーションコール(オペコール)を表示部に表示する。前記オペコールをシート1枚に画像形成する毎に表示して、連続した画像形成ができなくする機能を付与することもできる。
【0045】
更にトナーの残量が減少して、(3)エンドエンド値のレベルに達した場合には、シートに画像形成が出来なくなるように制御される。このように、本発明の図2の実施形態では、トナーカートリッジの交換時期をトナー残量に応じて3段階のレベルで設定している。このため、ユーザは段階的にトナーカートリッジの交換時期を認識できるので、使い勝手が良くユーザの利便性を向上させることができる。
【0046】
図2において、破線Rはニアエンド値のレベル、一点鎖線Sはエンド値のレベル、実線Tはエンドエンド値のレベルを示している。横軸のトナーカウンタカウント値は、最大値A3、ニアエンド値A2、エンド値A1の数値に設定されている。また、縦軸の現像ローラ駆動時間は、最大値B3、ニアエンド値B2、エンド値B1の数値に設定されている。
【0047】
トナーカウンタカウント値は、画像が形成される記録紙(シート)の枚数と、シートの画像形成領域の大きさ(画占率)により定められる。すなわち、シートに形成された全体の画像量によりトナーカウンタカウント値は変動する。図2において、Uは画占率1%、Vは画占率5%、Wは画占率20%の特性を示している。なお、特性Uは1ジョブあたりA4シート4枚の画像形成を行い、他のV、Wの特性では1ジョブあたりA4シート1枚の画像形成を行うものとする。図2から、画占率が高いほどトナーカウンタカウント値が増大していき、トナー残量が少なくなることがわかる
【0048】
図2の例では、ニアエンド値A2に達するのは、画占率1%の特性Uではシート6400枚(Ua)、画占率5%の特性Vではシート4800枚(Va)、画占率20%の特性Wではシート1200枚(Wa)である。また、エンド値A1に達するのは、画占率1%の特性Uではシート8000枚(Ub)、画占率5%の特性Vではシート6000枚(Vb)、画占率20%の特性Wではシート1500枚(Wb)である。さらに、エンドエンド値に達するのは、特性Uではシート9090枚(Uc)、特性Vではシート6800枚(Vc)、特性Wではシート1700枚(Wc)である。
【0049】
このように、図2の例では画占率1%の特性Uにおいては、ニアエンド値A2とエンド値A1間では6400枚(Ua)と8000枚(Ub)で、20%の差が存在している。また、エンド値A1とエンドエンド値間では、8000枚(Ub)と9090枚(Uc)で1090枚の差が存在している。さらに、画占率5%の特性Vにおいては、ニアエンド値A2とエンド値A1間では4800枚(Va)と6000枚(Vb)で、20%の差が存在している。また、エンド値A1とエンドエンド値間では、6000枚(Vb)と6800枚(Vc)で800枚の差が存在している。
【0050】
また、縦軸の現像ローラ駆動時間は、前記各特性U、V、W毎に最大値(エンドエンド値)B3、B2、B1が設定されている。例えば、特性Uのエンドエンド値B3は12000secである。各特性U、V、W毎にエンドエンド値に対応して適宜のニアエンド値、エンド値が設定されている。この現像ローラ駆動時間によるトナーカートリッジ寿命判定においては、画占率が小さいシートほど寿命が短くなる傾向があることがわかる。すなわち、トナーカウンタカウント値と、現像ローラ駆動時間は、同じ画占率ではトナーカートリッジの寿命は相反する特性を有している。
【0051】
前記のように、トナーカートリッジの寿命判定は、トナーカウンタカウント値、または、現像ローラ駆動時間が所定レベルに達したかどうかにより行うことができる。本発明においては、この中でトナーカウンタカウント値によるトナーカートリッジ寿命管理装置とその方法を対象としている。以下、本発明の構成について説明する。
【0052】
図3は、トナーカウンタカウント値と、トナー残量との関係を示す特性図である。横軸には、トナーカウンタカウント値を設定し、縦軸にはトナー残量(g)を設定している。この場合においても、前記大容量トナーカートリッジの場合と小容量トナーカートリッジの場合では特性が相違する。図3は、例えば大容量トナーカートリッジの特性を示すものであり、A4サイズのシートに5%の画占率で画像形成する場合を対象としている。
【0053】
図3の例では、トナーエンド量として標準値と、この標準値の±12.5%の数値を設定している。特性Yが標準値、特性Xが標準値の+12.5%、特性Zが標準値のー12.5%のトナー残量を示している。図3において、トナー量の初期値C4は例えば225gとする。また、トナー残量の標準エンド値C2は54g、特性Xのエンド値C3は79g、特性Zのエンド値C1は30gに設定している。
【0054】
横軸には、図2と同様の最大値A3、ニアエンド値A2、エンド値A1が設定されている。標準特性Yのニアエンド値Yaは、この例では83gである。本発明におては、トナー残量のニアエンド量を判定する際のトナーカウンタカウント値を各色毎にどのように設定するか、画像形成の実情に即して設定しているところに特徴を有している。
【0055】
図4は、トナー残量のニアエンド値を設定するトナーカウンタカウント値のテーブルの例を示す説明図である。このようなテーブルは、例えば図6のメモリ(FRAM)107に格納される。図4において、「種類」の欄はトナーカートリッジの容量を示すもので、例えばPaは大容量トナーカートリッジ、Pbは小容量トナーカートリッジである。「色」の欄は、前記イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の区別を設定している。「カウント値」の欄は、各色の前記トナー残量のニアエンド値が設定されている。
【0056】
図4の例では、トナーカートリッジPaのY、C、M各色のトナー残量のニアエンド値はそれぞれa1で等しく設定されており、Kのトナー残量のニアエンド値はa2である。また、トナーカートリッジPbのY、C、M各色のトナー残量のニアエンド値はa3でそれぞれ等しく設定されている。a1とa2の大小関係は、a1>a2である。なお、a3はa2よりも小さい数値で設定される。
【0057】
本発明においては、図5に示したようなロータリ現像ユニット4を用いる画像形成装置により、各色で同数のシート(記録媒体)に画像形成する際に、各色毎の特性を考慮して前記トナー残量のニアエンド値を設定している。すなわち、この特性には、印字部領域の大きさ、非画像領域へのトナー付着量(オフセット)などが含まれる。
【0058】
前記のような特性を考慮すると、同数のシートに画像形成する際にブラック(K)のトナー消費量が多くなることから、トナー残量は各色で同じにはならない。このため、図5の例では、ブラック(K)のトナー残量のニアエンド値を他の色よりも少ない数値に設定して、すなわち、寿命カウント値を他色よりも大きく設定して、トナー消費量の実態に合わせている。
【0059】
このように、本発明においては、ブラック(K)のニアエンド値を他色のニアエンド値とは異なる値に設定している。このため、シートに画像形成すことにより、各色のトナー消費量が増大していく際に、その実情に適合した精度の高いトナーカートリッジ寿命管理を行うことが可能となる。
【0060】
図1は、本発明の構成を示すブロック図である。図1は、図6のブロック図を一部拡大して示している。この装置においては、ROM106(図6)に記憶されたプログラムに基づいてエンジンコントローラ10が動作を開始する。また、メインコントローラ11のCPU111が動作する。CPU111には、カウンタ120、画像処理部121が設けられている。このトナーカウンタは、エンジンコントローラ10のCPU101にソフトウエアまたはハードウエアで構成されている。
【0061】
外部装置から与えられた画像データが画像処理部121に入力されると、画像処理部121は、露光信号(a)を構成してカウンタ120に入力する。露光信号(a)により、カウンタ120は各色、各頁毎の画素数をカウントしてカウント値をCPU101に送信する(d)。エンジンコントローラ10のCPU101は、メモリ(FRAM)107から、各色毎のトナーカートリッジに充填されているトナー量の初期値と係数を読み出す(b)。
【0062】
係数は、画像形成の際の重み付け係数などであり、詳細な説明は後述する。また、カウント値に係数を付与した演算結果をカウンタ120に送信する(c)。このように、エンジンコントローラ10のCPU101は、(d)でカウンタ120から送信されてきた各色、各頁毎のカウント値と、メモリ(FRAM)107から読み出した係数に基づいてドットカウント値、すなわち、トナーカウンタカウント値(トナー消費量)を算出する。
【0063】
そして、旧トナー残量からトナー消費量を減算して新トナー残量をメモリ(FRAM)107に記憶させる(e)。メモリ107には、図4で説明したトナー残量のニアエンド値を設定したテーブルが記憶されている。前記のようにして、メモリ107に新しいトナー残量が記憶されると、CPU101は更新されたトナー残量とニアエンド値と比較し、トナー残量がニアエンド値に到達している場合には、トナーカートリッジの寿命が近づいていることを報知する信号を出力する。すなわち、CPU101はトナーカートリッジの交換時期を判定する判定手段として機能している。
【0064】
なお、図示を省略しているが、エンジンコントローラ10のCPU101には、現像ローラが動作しているときにその駆動時間についてのタイマの信号が入力される。前記駆動時間は、ジョブ毎に累積されてメモリ(FRAM)107に記憶されている。そして、当該駆動時間が前記ニアエンド値に到達するとその旨を表示部に表示している。
【0065】
次に、トナーカウンタの構成と動作について説明する。 図7はトナーカウンタの構成を示すブロック図である。この装置においては、図6に示されているROM106に記憶されたプログラムに基づいて、CPU101が所定の演算を行うことによりトナー消費量を求めている。すなわち、トナーカウンタとしての全ての構成をCPU101のソフトウェア上で実現しているが、ハードウェアにより構成することも可能である。
【0066】
前記ハードウェアで場合した場合の回路構成例を示すのが図7である。ここでは、図7に示すハードウェア構成のトナーカウンタ200をモデルとして本発明にかかるトナーカウンタの動作原理を説明する。図7の回路をソフトウェアにより実現する場合にも、ハードウェアの場合と同様の原理に基づきトナー消費量を求めることが可能である。
【0067】
このトナーカウンタ200では、CPU101から露光制御部102に与えられるものと同一の制御信号、すなわち、外部装置から与えられた画像信号に基づいて、各トナー色毎の階調値に展開された信号が入力される。比較回路201はその制御信号に基づき、階調値が所定の閾値以上の印刷ドットに対応する信号のみを通過させ、判別回路202に入力する。判別回路202は、比較回路201の出力信号に基づき印刷ドットの配列状態を判別する「パターン判別手段」としての機能を有している。
【0068】
すなわち、判別回路202は、印刷ドット列を構成するドット数を検知して、閾値以上のドット、4連続ドット、孤立ドット、の3パターンに分類し、そのパターンに応じてカウンタ203〜205のいずれかに「1」を出力する。ここで、孤立ドットは、ある閾値以上の画素の両隣の画素が閾値未満のものである。これらのカウンタ203、204および205は、それぞれ閾値以上のドット、4連続ドット、孤立ドット、の各パターンに対応して設けられたものである。各カウンタ203〜205は、判別回路202から随時出力される信号をカウントすることによって、当該パターンの印刷ドット列の形成回数を計数する「カウント手段」としての機能を有している。
【0069】
例えば、比較回路201に入力された制御信号が、孤立ドットに対応したものであったときには、比較回路201からの出力信号に基づいて判別回路202は当該印刷ドットが孤立ドットであることを判別する。そして、カウンタ205に対して「1」を出力する一方、他のカウンタ203、204に対しては「0」を出力する。このような処理により、孤立ドットの形成回数を示すカウンタ205のカウント値のみを1つ増加させる。
【0070】
しかしながら、この際に他のカウンタ203、204のカウント値は変化しない。同様に、比較回路201に入力された制御信号が4連続ドットに対応したものである場合には、対応したカウンタ204のカウント値が1つずつ増加してゆく。このようにして、各パターン毎の印刷ドットの形成回数が個別にカウントされる。
【0071】
これらのカウント値C1、C2およびC3は、演算回路206に入力される。この演算回路206には、カウント値C1、C2およびC3以外に、CPU101から与えられるオフセット値Noと、係数テーブル207からの出力とが入力される。また、演算回路206からの出力は、CPU101および係数テーブル207に入力されている。この係数テーブル207には、「重み付け係数」Kx、K1、K2、K3(下記(1)式)の候補となる複数組の数値が予め記憶されており、演算回路206の出力値に応じてそのうちの1組が選択される。
【0072】
そして、演算回路206は、各カウンタ203〜205から出力されるそれぞれのカウント値C1、C2、C3と、係数テーブル207から選択されて出力される重み付け係数K1、K2、K3とを乗じるとともにそれらの和を求める。更に、その和と係数Kxとの積に、CPU101から与えられるオフセット値Noを加算する。このような演算によって、(1)式に定義するトナー消費量が求められる。(トナー消費量)=Kx・(K1・C1+K2・C2+K3・C3)+No…(1)ただし、Kxは各色により異なる色依存係数である。
【0073】
なお、この実施形態においては、上記トナーカウンタ200の「カウント手段」、「係数設定手段」等に相当する機能を全てソフトウェアで実現していることは上記したとおりである。このような構成によって、トナー消費量を算出するための特別なハードウェアを追加する必要はなく、装置が簡単な構成となるので装置の低コスト化を図ることができる。
【0074】
図8はこの画像形成装置におけるトナーカウント動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、一定期間毎に図8に示すトナーカウント動作を実行しており、これにより随時トナーの消費量を求めるとともに、その結果に基づいてトナー残量のニアエンド、エンド、エンドエンドの判定や画像濃度の調整を行っている。
【0075】
このトナーカウント動作では、まず印刷ドット列の各パターン毎のカウント値の増分を求める(ステップS1)。これにより、先のトナーカウント動作から現在までの間(以下、「対象期間」という)に形成された印刷ドットの数を各パターン毎に求めることができる。次に、これらの値と予め設定された所定の重み付け係数とを乗じるとともに、それらの和を求める(ステップS2)。そして、その結果に、対象期間内における画像形成枚数に比例するオフセット値を加えると(ステップS3)、当該対象期間におけるトナー消費量が求められる。
【0076】
したがって、各対象期間におけるトナー消費量を積算することにより(ステップS4)、現在までの総トナー消費量を求めることができる。さらに、このようにして求めた総トナー消費量の数値によって以後の動作は異なる。すなわち、総トナー消費量が所定の閾値に達したかどうかを判定し(ステップS5)、その結果がYESの場合には、その時点のトナー消費量に応じた新たな重み付け係数を設定する(ステップS6)。
【0077】
重み付け係数を変更したときには(ステップS6)、引き続いて濃度制御処理を実行し(ステップS7)、画像濃度の変動を抑制している。この濃度制御処理は、パッチ画像としてのトナー像を形成するとともに、その濃度を濃度センサ60により検出し、その検出結果に基づいて、画像濃度に影響を与える因子(例えば、現像バイアス)を調整することにより、所望の画像濃度を得るものである。
このような濃度制御技術については、従来より種々の手法が提案されており、この装置においてもこれらの公知技術を適用することができるので、ここでは説明を省略する。
【0078】
一方、ステップS5において、求めた総トナー消費量が上記した閾値でなかった場合、すなわち、そのレベル変更がなかったときの動作は以下のとおりである。まず、求めた総トナー消費量が、当該現像器における上限値に達しているか否かを判断する(ステップS8)。この上限値とは、当該現像器において使用可能なトナー量の最大値で例えばニアエンド値を設定する。
【0079】
すなわち、総トナー消費量がこの上限値に達している場合には、現像器内のトナーは残り僅かとなっており、このまま画像形成を続けることは好ましくない。そこで、このような場合には、ニアエンドを表すメッセージを表示部12(図2)に表示し(ステップS9)、ユーザに対し現像器交換の注意を促す。また、トナー消費量が上限値に達していなければ、現像器内には画像形成を行うに足るだけのトナーが残っているので、そのまま処理を終了する。
【0080】
なお、前記上限値として図8の例ではニアエンド値を設定しているが、ニアエンド値に代えてエンド値、またはエンドエンド値を設定する構成とすることもできる。図8の例では、画素数のカウントとオフセットなどの補正とを併用してトナー消費量を積算しているので、正確に累積のトナー消費量が求められ、精度の良いトナーカートリッジ寿命管理を行うことができる。
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、ロータリー現像ユニットを用いて複数色のトナーで同量の記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、画像形成の実態に即して精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。また、中間転写部材を用いる画像形成装置においても、精度良くトナーカートリッジの寿命管理を行うことができる。
【0082】
上記した実施形態は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成可能に構成された画像形成装置を対象としている。本発明は、使用するトナー色およびその色数はこれに限定されるものでなく任意であり、例えばブラックトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置に対しても本発明を適用することが可能である。また、単一のハードウェア構成により複数の現像器のトナー消費量をそれぞれ個別に求めることができる。
【0083】
さらに、上記実施形態では、装置外部からの画像信号に基づき画像形成動作を実行するプリンタに本発明を適用しているが、ユーザの画像形成要求、例えばコピーボタンの押動に応じて装置内部で画像信号を作成し、その画像信号に基づき画像形成動作を実行する複写機や、通信回線を介して与えられた画像信号に基づき画像形成動作を実行するファクシミリ装置に対しても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】トナーカートリッジの寿命管理を行う例を示す特性図である。
【図3】トナーカートリッジの寿命管理を行う例を示す特性図である。
【図4】カウント値を設定するテーブルの例を示す説明図である。
【図5】画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。
【図6】図5の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】図6を部分的に拡大して示すブロック図である。
【図8】本発明の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…感光体(像担持体)、4C、4K、4M、4Y…現像器(トナーカートリッジ)、44…現像ローラ(トナー担持体)、10…エンジンコントローラ、11…メインコントローラ、101…エンジンコントローラのCPU、107…メモリ(FRAM)、111…メインコントローラのCPU、120…カウンタ、200…トナーカウンタ、202…判別回路(パターン判別手段)、203〜205…カウンタ(カウント手段)、206…演算回路
Claims (10)
- 複数色に対応したトナーがそれぞれ充填されたトナーカートリッジを具備するロータリー現像ユニットと、同量の記録媒体に画像形成を行うことで消費される各色のトナーの量を求めるトナーカウンタと、前記トナーカートリッジに充填された各色のトナー残量が所定値に到達したときに、当該トナーカートリッジの交換時期と判定する判定手段とを備えたトナーカートリッジ寿命管理装置において、各色毎の前記所定値を記憶する記憶手段を設け、当該所定値は前記画像形成に用いる色により異なる値に設定したことを特徴とする、トナーカートリッジ寿命管理装置。
- 前記所定値は、トナー残量が多い順に設定される、ニアエンド値、エンド値、エンドエンド値のいずれかとすることを特徴とする、請求項1に記載のトナーカートリッジ寿命管理装置。
- 前記所定値は、ブラック(黒)を他色と異なる値に設定することを特徴とする、請求項1または2に記載のトナーカートリッジ寿命管理装置。
- 前記所定値は、ブラック(黒)のニアエンド値が他色よりも小さな値に設定されていることを特徴とする、請求項3に記載のトナーカートリッジ寿命管理装置。
- 前記所定値は、記録媒体に形成される画像の割合の画占率により異なる値としたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のトナーカートリッジ寿命管理装置。
- 前記トナーカートリッジは、多数の記録媒体に画像を形成する大容量トナーカートリッジと、少数の記録媒体に画像を形成する小容量トナーカートリッジの複数のトナーカートリッジを交換して使用するものであって、前記所定値は、複数のトナーカートリッジで同色に対してそれぞれ異なる値に設定したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のトナーカートリッジ寿命管理装置。
- 複数色に対応したトナーがそれぞれ充填されたトナーカートリッジを具備するロータリー現像ユニットにより、同量の記録媒体に画像形成を行うことで消費される各色のトナーの量を演算し、前記トナーカートリッジに充填された各色のトナー残量が所定値に到達したときに、当該トナーカートリッジの交換時期と判定するトナーカートリッジ寿命管理方法であって、
トナーが消費される画素数をカウントする段階と、前記カウント値を必要に応じて補正してトナー消費量を積算する段階と、トナー消費量が記憶手段に記憶されている前記所定値に到達したかどうかを判定する段階と、トナー消費量が前記所定値に到達した場合にその旨を報知する段階とからなり、
前記所定値は、前記画像形成に用いる色により異なる値に設定されていることを特徴とする、トナーカートリッジ寿命管理方法。 - 前記所定値はトナー残量のニアエンド値であって、前記トナー消費量が前記所定値に到達した場合に、その旨を報知する段階を含むことを特徴とする、請求項7に記載のトナーカートリッジ寿命管理方法。
- 前記請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーカートリッジ寿命管理装置と、静電潜像を担持可能に構成された像担持体とを備え、前記ロータリー現像ユニットは、前記複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、
前記像担持体と前記ロータリー現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリー現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする、画像形成装置。 - 前記像担持体に形成されたトナー像を、中間転写部材に転写することを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
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