JP2004308613A - 内燃機関の排気温制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の排気通路中に配設される触媒での圧損を低減し燃費を向上すること。
【解決手段】内燃機関1の排気通路12中に配設された三元触媒13の触媒温度センサ26で検出された触媒温度THCに応じて、流量制御バルブ35を介して三元触媒13の上流側の排気通路12に設置された排気冷却機構30に冷却水が注入される。この際、触媒温度THCに応じた流量制御バルブ35による冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出と排気冷却機構30への冷却水注入量がきめ細かく制御され、三元触媒13の上流側における排気通路12中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御されることで、排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化され三元触媒13での圧損が低減されることによって燃費の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関1の排気通路12中に配設された三元触媒13の触媒温度センサ26で検出された触媒温度THCに応じて、流量制御バルブ35を介して三元触媒13の上流側の排気通路12に設置された排気冷却機構30に冷却水が注入される。この際、触媒温度THCに応じた流量制御バルブ35による冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出と排気冷却機構30への冷却水注入量がきめ細かく制御され、三元触媒13の上流側における排気通路12中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御されることで、排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化され三元触媒13での圧損が低減されることによって燃費の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関からの排気ガスを冷却し、排気通路内の圧損を低減可能な内燃機関の排気温制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の排気温制御装置に関連する先行技術文献としては、特開平5−156949号公報、特開平5−10116号公報にて開示されたものが知られている。
【0003】
このうち、前者の特開平5−156949号公報では、排気通路(排気管)内の圧力脈動を利用して出力向上を図る内燃機関(エンジン)において、所定の運転条件のとき排気ガスを冷却することにより、内燃機関の出力低下を改善する技術が示されている。
【0004】
また、後者の特開平5−10116号公報では、内燃機関本体に接続された吸気通路に噴射供給される水の補給が自動的に行われ、耐ノッキング性の向上を図る技術が示されている。
【特許文献1】特開平5−156949号公報(第2頁)
【特許文献2】特開平5−10116号公報(第2頁〜第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の特開平5−156949号公報では、内燃機関からの排気ガスを冷却することで、圧力脈動を状態を整合状態へ戻すことができ、内燃機関の出力低下を改善するとしているが、排気通路中に配設される触媒での圧損を考慮するものではないため燃費の向上を図れないという不具合があった。
【0006】
また、特開平5−10116号公報では、高出力化に伴うノッキングの発生を抑制するため、内燃機関からの排気ガスを冷却して、吸気通路に噴射供給する水を得るものであり、排気通路中に配設される触媒での圧損を考慮するものではないため燃費の向上を図れないという不具合があった。
【0007】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、内燃機関の排気通路中に配設される触媒での圧損を低減することによって燃費を向上可能な内燃機関の排気温制御装置の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の内燃機関の排気温制御装置によれば、内燃機関の排気通路中に配設された触媒の上流側にて排気通路の外周囲を取巻く液密構造の冷却管、または排気通路に内挿される液密構造の冷却管からなり、冷却管の冷却水入口から冷却水が注入され、冷却水出口から冷却水が排出される排気冷却機構に対して、触媒の温度を検出する触媒温度センサからの触媒温度に応じて、排気温制御手段によって流量制御バルブを介して冷却水が注入され、排気通路中を通過する排気ガスの温度が制御される。これにより、触媒の上流側における排気通路中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御され、排気温の必要以上の上昇が抑えられ触媒での圧損が低減されることによって燃費の向上が図られる。
【0009】
請求項2の内燃機関の排気温制御装置によれば、内燃機関の排気通路中に配設された触媒の上流側にて排気通路の外周囲を取巻く液密構造の冷却管、または排気通路に内挿される液密構造の冷却管からなり、冷却管の冷却水入口から冷却水が注入され、冷却水出口から冷却水が排出される排気冷却機構に対して、内燃機関の運転パラメータに基づき推定算出された触媒温度に応じて、排気温制御手段によって流量制御バルブを介して冷却水が注入され、排気通路中を通過する排気ガスの温度が制御される。これにより、触媒の上流側における排気通路中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御され、排気温の必要以上の上昇が抑えられ触媒での圧損が低減されることによって燃費の向上が図られる。
【0010】
請求項3の内燃機関の排気温制御装置における排気温制御手段では、触媒温度に応じた流量制御バルブによる冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構からの冷却水排出と排気冷却機構への冷却水注入量がきめ細かく制御されることで、排気ガスの排気温が最適化され触媒での圧損が良好に低減されることによって燃費の向上が図られる。
【0011】
請求項4の内燃機関の排気温制御装置における排気温制御手段では、排気冷却機構に注入される冷却水注入量に応じて変化する触媒温度が適切に補正されることとなり、触媒温度センサをなくしたシステムにあっても、排気温制御の精度向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0013】
〈実施例1〉
図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0014】
図1において、内燃機関1は4気筒4サイクルの火花点火式として構成され、その吸入空気は上流側からエアクリーナ2、吸気通路3、スロットルバルブ4、サージタンク5及びインテークマニホルド6を通過し、インテークマニホルド6内でインジェクタ(燃料噴射弁)7から噴射された燃料と混合され、所定空燃比の混合気として各気筒に分配供給される。また、内燃機関1の各気筒に設けられた点火プラグ8に直接、接続されたイグナイタ9には、後述のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)40からの点火信号が入力され、各気筒の混合気が点火プラグ8の火花点火によって所定タイミングにて燃焼される。そして、燃焼後の排気ガスはエキゾーストマニホルド11及び排気通路12を通過し、排気通路12中に設けられ、白金やロジウム等の触媒成分とセリウムやランタン等の添加物を担持した三元触媒13にて有害成分であるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx 等が浄化され大気中に排出される。
【0015】
また、エアクリーナ2の下流側の吸気通路3にはエアフローメータ21が設けられ、このエアフローメータ21にてエアクリーナ2を通過する単位時間当たりの吸入空気量GAが検出される。また、スロットルバルブ4にはスロットル開度センサ22が設けられ、このスロットル開度センサ22にてスロットル開度TAに応じたアナログ信号が検出されると共に、スロットルバルブ4がほぼ全閉であることが図示しないアイドルスイッチからのオン/オフ信号によって検出される。そして、サージタンク5には吸気圧センサ23が設けられ、この吸気圧センサ23にて吸気圧PMが検出される。また、内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ24が設けられ、この水温センサ24にて内燃機関1の冷却水温THWが検出される。そして、内燃機関1にはクランク角センサ25が設けられ、このクランク角センサ25にて内燃機関1の機関回転数NEが検出される。更に、排気通路12中の三元触媒13には触媒温度センサ26が設けられ、この触媒温度センサ26にて三元触媒13内を通過する排気ガスの排気温に応じて変動される触媒温度THCが検出される。
【0016】
更に、三元触媒13の上流側の排気通路12の外周囲には、内燃機関1を冷却するラジエータ14からの冷却水を分岐して通すことで、排気通路12内を通過する排気ガスを冷却する排気冷却機構30が配設されている。この排気冷却機構30の冷却管31は、排気通路12の外周囲を取巻く断面ドーナツ状(2重管)構造で、排気通路12の上流側に対応して冷却管31の冷却水入口である注入部32、排気通路12の下流側に対応して冷却管31の冷却水出口である排出部33を有して液密に形成されている。なお、内燃機関1とラジエータ14との間を接続する配管等は省略されている。
【0017】
そして、排気冷却機構30の冷却管31の注入部32はラジエータ14の冷却水出口側、排気冷却機構30の冷却管31の排出部33はラジエータ14の冷却水入口側にそれぞれ配管接続されている。また、排気冷却機構30の冷却管31の注入部32とラジエータ14の冷却水出口側との配管途中には流量制御バルブ35が設けられている。この流量制御バルブ35が開閉作動されることによって、ラジエータ14から排気冷却機構30の冷却管31への冷却水注入量が大量・中量・小量・なし(排出)に適宜、調節される。
【0018】
ECU40は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM、各種データを格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM等を中心に論理演算回路として構成され、各種センサからの検出信号を入力する入力ポート及び各種アクチュエータ等に制御信号を出力する出力ポートに対しバスを介して接続されている。
【0019】
このECU40には、入力ポートを介してエアフローメータ21からの吸入空気量GA、スロットル開度センサ22からのスロットル開度TA、吸気圧センサ23からの吸気圧PM、水温センサ24からの冷却水温THW、クランク角センサ25からの機関回転数NE等の各種センサ信号が入力され、それらに基づいて燃料噴射量TAU、点火時期Ig等が算出され、出力ポートを介してインジェクタ7及びイグナイタ9等にそれぞれ制御信号が出力される。また、ECU40には、触媒温度センサ26からの触媒温度THC信号が入力され、ラジエータ14から排気冷却機構30への冷却水注入量が算出され、出力ポートを介して流量制御バルブ35に制御信号が出力される。
【0020】
次に、本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECU40における冷却水注入による排気温制御の処理手順を示す図2のフローチャートに基づき、図3を参照して説明する。ここで、図3は図2の処理に対応する触媒温度THCに応じた冷却水注入量の遷移状態を示すタイムチャートであり、本実施例の排気温制御では、触媒温度センサ26によって触媒温度THCが直接検出されているため、機関回転速度NE及び吸入空気量GAを用いる必要はない。なお、この排気温制御ルーチンは所定時間毎にECU40にて繰返し実行される。
【0021】
図2において、ステップS101では、触媒温度センサ26からの触媒温度THCが読込まれる。次にステップS102に移行して、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度Aを越えているかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCが触媒温度Aを越え高いとき(図3に示す時刻t03〜時刻t04)にはステップS103に移行し、冷却水注入量が大量とされ、本ルーチンを終了する。
【0022】
一方、ステップS102の判定条件が成立せず、即ち、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度A以下と低いときにはステップS104に移行し、触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度Bを越えているかが判定される。ステップS104の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCが触媒温度Bを越え触媒温度Aまでの温度範囲にあるとき(図3に示す時刻t02〜時刻t03、時刻t04〜時刻t05)にはステップS105に移行し、冷却水注入量が中量とされ、本ルーチンを終了する。
【0023】
ここで、ステップS104の判定条件が成立せず、即ち、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度B以下と低いときにはステップS106に移行し、触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度Cを越えているかが判定される。ステップS106の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCが触媒温度Cを越え触媒温度Bまでの温度範囲にあるとき(図3に示す時刻t01〜時刻t02、時刻t05〜時刻t06)にはステップS107に移行し、冷却水注入量が小量とされ、本ルーチンを終了する。
【0024】
一方、ステップS106の判定条件が成立せず、即ち、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度C以下と低いとき(図3に示す時刻t00〜時刻t01、時刻t06〜時刻t07)にはステップS108に移行し、触媒温度THCが低いため排気通路12内を通過する排気ガスの排気温を下げないようにするため、冷却水注入量がなしで冷却水排出とされ、本ルーチンを終了する。
【0025】
このように、本実施例の内燃機関の排気温制御装置は、内燃機関1の排気通路12中に配設され、内燃機関1からの排気ガスを浄化する三元触媒13と、三元触媒13の触媒温度THCを検出する触媒温度センサ26と、三元触媒13の上流側にて排気通路12の外周囲を取巻く液密構造の冷却管31からなり、この冷却管31に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33を形成した排気冷却機構30と、排気冷却機構30に注入する冷却水注入量を可変自在な流量制御バルブ35と、触媒温度センサ26で検出された触媒温度THCに応じて流量制御バルブ35を介して排気冷却機構30に冷却水を注入し、排気通路12中を通過する排気ガスの温度を制御するECU40にて達成される排気温制御手段とを具備するものである。
【0026】
また、本実施例の内燃機関の排気温制御装置のECU40にて達成される排気温制御手段は、流量制御バルブ35による冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出を制御するものである。
【0027】
つまり、内燃機関1の排気通路12中に配設された三元触媒13の触媒温度THCを検出する触媒温度センサ26からの触媒温度THCに応じて、流量制御バルブ35を介して三元触媒13の上流側の排気通路12に設置された排気冷却機構30の冷却管31の注入部32から冷却水が注入され、排出部33から冷却水が排出される。この際、触媒温度THCに応じて流量制御バルブ35が開閉作動されることによって排気冷却機構30への冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出と排気冷却機構30への冷却水注入量がきめ細かく制御される。これにより、三元触媒13の上流側における排気通路12中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御されることとなり、排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化され三元触媒13での圧損が低減されることによって燃費の向上を図ることができる。
【0028】
なお、上記実施例では、触媒温度に応じた排気冷却機構への冷却水注入量によって排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化されることについて述べたが、触媒温度が低いときには、排気冷却機構から冷却水が排出されることで排気通路12の周囲に空気による断熱作用が働くこととなり、触媒早期暖機の効果も期待できる。
【0029】
ところで、上記実施例では、三元触媒13の上流側にて排気温制御のため、排気通路12の外周囲を取巻く液密構造の冷却管31からなり、この冷却管31に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33を形成した排気冷却機構30が用いられているが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、図4に示すように、三元触媒13の上流側にて排気通路12に内挿する液密構造の冷却管31′からなり、この冷却管31′に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32′及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33′を形成した排気冷却機構30′を用いることもできる。このようなシステムにおいても、上述の実施例と同様の作用・効果が期待できる。
【0030】
〈実施例2〉
図5は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECU40における冷却水注入による排気温制御の処理手順を示すフローチャートであり、この処理に対応する内燃機関1の運転パラメータに基づき推定算出される触媒温度THCE に応じた冷却水注入量の遷移状態を示す図6のタイムチャートを参照して説明する。なお、この排気温制御ルーチンは所定時間毎にECU40にて繰返し実行される。ここで、本実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器の構成については、上述の第1実施例における図1の概略構成図から触媒温度センサ26を取外したものと同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0031】
本実施例の排気温制御では、三元触媒13の触媒温度を検出する触媒温度センサが省略されているため、図6のタイムチャートに示すように、内燃機関1の運転状態に応じて変動する運転パラメータであるクランク角センサ25による機関回転速度NE及び内燃機関1の負荷としてエアフローメータ21による吸入空気量GAに基づき、三元触媒13の触媒温度THCE を推定算出する処理部分が上述の実施例と異なっている。
【0032】
図5において、ステップS201では、機関回転速度NEが読込まれる。次にステップS202に移行して、吸入空気量GAが読込まれる。次にステップS203に移行して、ステップS201で読込まれた機関回転速度NEとステップS202で読込まれた吸入空気量GAとをパラメータとして予め設定されたマップに基づき三元触媒13の触媒温度THCE が推定算出される。次にステップS204に移行して、ステップS203で推定算出された触媒温度THCE が、例えば、前回の冷却水注入量等に基づき補正され、補正後の触媒温度THCERが求められる。
【0033】
次にステップS205に移行して、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度Aを越えているかが判定される。ステップS205の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCERが触媒温度Aを越え高いとき(図6に示す時刻t13〜時刻t14)にはステップS206に移行し、冷却水注入量が大量とされ、本ルーチンを終了する。
【0034】
一方、ステップS205の判定条件が成立せず、即ち、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度A以下と低いときにはステップS207に移行し、触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度Bを越えているかが判定される。ステップS207の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCERが触媒温度Bを越え触媒温度Aまでの温度範囲にあるとき(図6に示す時刻t12〜時刻t13、時刻t14〜時刻t15)にはステップS208に移行し、冷却水注入量が中量とされ、本ルーチンを終了する。
【0035】
ここで、ステップS207の判定条件が成立せず、即ち、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度B以下と低いときにはステップS209に移行し、触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度Cを越えているかが判定される。ステップS209の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCERが触媒温度Cを越え触媒温度Bまでの温度範囲にあるとき(図6に示す時刻t11〜時刻t12、時刻t15〜時刻t16)にはステップS210に移行し、冷却水注入量が小量とされ、本ルーチンを終了する。
【0036】
一方、ステップS209の判定条件が成立せず、即ち、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度C以下と低いとき(図6に示す時刻t10〜時刻t11、時刻t16〜時刻t17)にはステップS211に移行し、触媒温度THCERが低いため排気通路12内を通過する排気ガスの排気温を下げないようにするため、冷却水注入量がなしで冷却水排出とされ、本ルーチンを終了する。
【0037】
このように、本実施例の内燃機関の排気温制御装置は、内燃機関1の排気通路12中に配設され、内燃機関1からの排気ガスを浄化する三元触媒13と、内燃機関1の運転パラメータである機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づき三元触媒13の触媒温度THCE を推定算出するECU40にて達成する触媒温度演算手段と、三元触媒13の上流側にて排気通路12の外周囲を取巻く液密構造の冷却管31からなり、この冷却管31に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33を形成した排気冷却機構30と、排気冷却機構30に注入する冷却水注入量を可変自在な流量制御バルブ35と、前記触媒温度演算手段で推定算出された触媒温度THCE に応じて流量制御バルブ35を介して排気冷却機構30に冷却水を注入し、排気通路12中を通過する排気ガスの温度を制御するECU40にて達成される排気温制御手段とを具備するものである。
【0038】
また、本実施例の内燃機関の排気温制御装置のECU40にて達成される排気温制御手段は、流量制御バルブ35による冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出を制御するものである。
【0039】
つまり、内燃機関1の排気通路12中に配設された三元触媒13の触媒温度を検出する触媒温度センサを省略されたものにおいては、内燃機関1の運転パラメータである機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づき推定算出された触媒温度THCE に応じて、流量制御バルブ35を介して三元触媒13の上流側の排気通路12に設置された排気冷却機構30の冷却管31の注入部32から冷却水が注入され、排出部33から冷却水が排出される。この際、触媒温度THCE に応じて流量制御バルブ35が開閉作動されることによって排気冷却機構30への冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出と排気冷却機構30への冷却水注入量がきめ細かく制御される。これにより、三元触媒13の上流側における排気通路12中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御されることとなり、排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化され三元触媒13での圧損が低減されることによって燃費の向上を図ることができる。
【0040】
そして、本実施例の内燃機関の排気温制御装置のECU40にて達成される排気温制御手段は、推定算出された触媒温度THCE に対して排気冷却機構30に注入される冷却水注入量に応じて補正を加え、補正後の触媒温度THCERとするものである。これにより、排気冷却機構30の冷却管31に注入される冷却水注入量に応じて変化する触媒温度が適切に補正されることとなり、触媒温度センサをなくしたシステムにおける排気温制御の精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECUにおける排気温制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は図2の処理に対応する触媒温度に応じた冷却水注入量の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図4】図4は図1の排気冷却機構の変形例を示す概略構成図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECUにおける排気温制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は図5の処理に対応する内燃機関の運転パラメータに基づき推定算出される触媒温度に応じた冷却水注入量の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
12 排気通路
13 三元触媒
26 触媒温度センサ
30 排気冷却機構
35 流量制御バルブ
40 ECU(電子制御ユニット)
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関からの排気ガスを冷却し、排気通路内の圧損を低減可能な内燃機関の排気温制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の排気温制御装置に関連する先行技術文献としては、特開平5−156949号公報、特開平5−10116号公報にて開示されたものが知られている。
【0003】
このうち、前者の特開平5−156949号公報では、排気通路(排気管)内の圧力脈動を利用して出力向上を図る内燃機関(エンジン)において、所定の運転条件のとき排気ガスを冷却することにより、内燃機関の出力低下を改善する技術が示されている。
【0004】
また、後者の特開平5−10116号公報では、内燃機関本体に接続された吸気通路に噴射供給される水の補給が自動的に行われ、耐ノッキング性の向上を図る技術が示されている。
【特許文献1】特開平5−156949号公報(第2頁)
【特許文献2】特開平5−10116号公報(第2頁〜第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の特開平5−156949号公報では、内燃機関からの排気ガスを冷却することで、圧力脈動を状態を整合状態へ戻すことができ、内燃機関の出力低下を改善するとしているが、排気通路中に配設される触媒での圧損を考慮するものではないため燃費の向上を図れないという不具合があった。
【0006】
また、特開平5−10116号公報では、高出力化に伴うノッキングの発生を抑制するため、内燃機関からの排気ガスを冷却して、吸気通路に噴射供給する水を得るものであり、排気通路中に配設される触媒での圧損を考慮するものではないため燃費の向上を図れないという不具合があった。
【0007】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、内燃機関の排気通路中に配設される触媒での圧損を低減することによって燃費を向上可能な内燃機関の排気温制御装置の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の内燃機関の排気温制御装置によれば、内燃機関の排気通路中に配設された触媒の上流側にて排気通路の外周囲を取巻く液密構造の冷却管、または排気通路に内挿される液密構造の冷却管からなり、冷却管の冷却水入口から冷却水が注入され、冷却水出口から冷却水が排出される排気冷却機構に対して、触媒の温度を検出する触媒温度センサからの触媒温度に応じて、排気温制御手段によって流量制御バルブを介して冷却水が注入され、排気通路中を通過する排気ガスの温度が制御される。これにより、触媒の上流側における排気通路中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御され、排気温の必要以上の上昇が抑えられ触媒での圧損が低減されることによって燃費の向上が図られる。
【0009】
請求項2の内燃機関の排気温制御装置によれば、内燃機関の排気通路中に配設された触媒の上流側にて排気通路の外周囲を取巻く液密構造の冷却管、または排気通路に内挿される液密構造の冷却管からなり、冷却管の冷却水入口から冷却水が注入され、冷却水出口から冷却水が排出される排気冷却機構に対して、内燃機関の運転パラメータに基づき推定算出された触媒温度に応じて、排気温制御手段によって流量制御バルブを介して冷却水が注入され、排気通路中を通過する排気ガスの温度が制御される。これにより、触媒の上流側における排気通路中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御され、排気温の必要以上の上昇が抑えられ触媒での圧損が低減されることによって燃費の向上が図られる。
【0010】
請求項3の内燃機関の排気温制御装置における排気温制御手段では、触媒温度に応じた流量制御バルブによる冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構からの冷却水排出と排気冷却機構への冷却水注入量がきめ細かく制御されることで、排気ガスの排気温が最適化され触媒での圧損が良好に低減されることによって燃費の向上が図られる。
【0011】
請求項4の内燃機関の排気温制御装置における排気温制御手段では、排気冷却機構に注入される冷却水注入量に応じて変化する触媒温度が適切に補正されることとなり、触媒温度センサをなくしたシステムにあっても、排気温制御の精度向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0013】
〈実施例1〉
図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0014】
図1において、内燃機関1は4気筒4サイクルの火花点火式として構成され、その吸入空気は上流側からエアクリーナ2、吸気通路3、スロットルバルブ4、サージタンク5及びインテークマニホルド6を通過し、インテークマニホルド6内でインジェクタ(燃料噴射弁)7から噴射された燃料と混合され、所定空燃比の混合気として各気筒に分配供給される。また、内燃機関1の各気筒に設けられた点火プラグ8に直接、接続されたイグナイタ9には、後述のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)40からの点火信号が入力され、各気筒の混合気が点火プラグ8の火花点火によって所定タイミングにて燃焼される。そして、燃焼後の排気ガスはエキゾーストマニホルド11及び排気通路12を通過し、排気通路12中に設けられ、白金やロジウム等の触媒成分とセリウムやランタン等の添加物を担持した三元触媒13にて有害成分であるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx 等が浄化され大気中に排出される。
【0015】
また、エアクリーナ2の下流側の吸気通路3にはエアフローメータ21が設けられ、このエアフローメータ21にてエアクリーナ2を通過する単位時間当たりの吸入空気量GAが検出される。また、スロットルバルブ4にはスロットル開度センサ22が設けられ、このスロットル開度センサ22にてスロットル開度TAに応じたアナログ信号が検出されると共に、スロットルバルブ4がほぼ全閉であることが図示しないアイドルスイッチからのオン/オフ信号によって検出される。そして、サージタンク5には吸気圧センサ23が設けられ、この吸気圧センサ23にて吸気圧PMが検出される。また、内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ24が設けられ、この水温センサ24にて内燃機関1の冷却水温THWが検出される。そして、内燃機関1にはクランク角センサ25が設けられ、このクランク角センサ25にて内燃機関1の機関回転数NEが検出される。更に、排気通路12中の三元触媒13には触媒温度センサ26が設けられ、この触媒温度センサ26にて三元触媒13内を通過する排気ガスの排気温に応じて変動される触媒温度THCが検出される。
【0016】
更に、三元触媒13の上流側の排気通路12の外周囲には、内燃機関1を冷却するラジエータ14からの冷却水を分岐して通すことで、排気通路12内を通過する排気ガスを冷却する排気冷却機構30が配設されている。この排気冷却機構30の冷却管31は、排気通路12の外周囲を取巻く断面ドーナツ状(2重管)構造で、排気通路12の上流側に対応して冷却管31の冷却水入口である注入部32、排気通路12の下流側に対応して冷却管31の冷却水出口である排出部33を有して液密に形成されている。なお、内燃機関1とラジエータ14との間を接続する配管等は省略されている。
【0017】
そして、排気冷却機構30の冷却管31の注入部32はラジエータ14の冷却水出口側、排気冷却機構30の冷却管31の排出部33はラジエータ14の冷却水入口側にそれぞれ配管接続されている。また、排気冷却機構30の冷却管31の注入部32とラジエータ14の冷却水出口側との配管途中には流量制御バルブ35が設けられている。この流量制御バルブ35が開閉作動されることによって、ラジエータ14から排気冷却機構30の冷却管31への冷却水注入量が大量・中量・小量・なし(排出)に適宜、調節される。
【0018】
ECU40は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM、各種データを格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM等を中心に論理演算回路として構成され、各種センサからの検出信号を入力する入力ポート及び各種アクチュエータ等に制御信号を出力する出力ポートに対しバスを介して接続されている。
【0019】
このECU40には、入力ポートを介してエアフローメータ21からの吸入空気量GA、スロットル開度センサ22からのスロットル開度TA、吸気圧センサ23からの吸気圧PM、水温センサ24からの冷却水温THW、クランク角センサ25からの機関回転数NE等の各種センサ信号が入力され、それらに基づいて燃料噴射量TAU、点火時期Ig等が算出され、出力ポートを介してインジェクタ7及びイグナイタ9等にそれぞれ制御信号が出力される。また、ECU40には、触媒温度センサ26からの触媒温度THC信号が入力され、ラジエータ14から排気冷却機構30への冷却水注入量が算出され、出力ポートを介して流量制御バルブ35に制御信号が出力される。
【0020】
次に、本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECU40における冷却水注入による排気温制御の処理手順を示す図2のフローチャートに基づき、図3を参照して説明する。ここで、図3は図2の処理に対応する触媒温度THCに応じた冷却水注入量の遷移状態を示すタイムチャートであり、本実施例の排気温制御では、触媒温度センサ26によって触媒温度THCが直接検出されているため、機関回転速度NE及び吸入空気量GAを用いる必要はない。なお、この排気温制御ルーチンは所定時間毎にECU40にて繰返し実行される。
【0021】
図2において、ステップS101では、触媒温度センサ26からの触媒温度THCが読込まれる。次にステップS102に移行して、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度Aを越えているかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCが触媒温度Aを越え高いとき(図3に示す時刻t03〜時刻t04)にはステップS103に移行し、冷却水注入量が大量とされ、本ルーチンを終了する。
【0022】
一方、ステップS102の判定条件が成立せず、即ち、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度A以下と低いときにはステップS104に移行し、触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度Bを越えているかが判定される。ステップS104の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCが触媒温度Bを越え触媒温度Aまでの温度範囲にあるとき(図3に示す時刻t02〜時刻t03、時刻t04〜時刻t05)にはステップS105に移行し、冷却水注入量が中量とされ、本ルーチンを終了する。
【0023】
ここで、ステップS104の判定条件が成立せず、即ち、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度B以下と低いときにはステップS106に移行し、触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度Cを越えているかが判定される。ステップS106の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCが触媒温度Cを越え触媒温度Bまでの温度範囲にあるとき(図3に示す時刻t01〜時刻t02、時刻t05〜時刻t06)にはステップS107に移行し、冷却水注入量が小量とされ、本ルーチンを終了する。
【0024】
一方、ステップS106の判定条件が成立せず、即ち、ステップS101で読込まれた触媒温度THCが予め設定された所定の触媒温度C以下と低いとき(図3に示す時刻t00〜時刻t01、時刻t06〜時刻t07)にはステップS108に移行し、触媒温度THCが低いため排気通路12内を通過する排気ガスの排気温を下げないようにするため、冷却水注入量がなしで冷却水排出とされ、本ルーチンを終了する。
【0025】
このように、本実施例の内燃機関の排気温制御装置は、内燃機関1の排気通路12中に配設され、内燃機関1からの排気ガスを浄化する三元触媒13と、三元触媒13の触媒温度THCを検出する触媒温度センサ26と、三元触媒13の上流側にて排気通路12の外周囲を取巻く液密構造の冷却管31からなり、この冷却管31に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33を形成した排気冷却機構30と、排気冷却機構30に注入する冷却水注入量を可変自在な流量制御バルブ35と、触媒温度センサ26で検出された触媒温度THCに応じて流量制御バルブ35を介して排気冷却機構30に冷却水を注入し、排気通路12中を通過する排気ガスの温度を制御するECU40にて達成される排気温制御手段とを具備するものである。
【0026】
また、本実施例の内燃機関の排気温制御装置のECU40にて達成される排気温制御手段は、流量制御バルブ35による冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出を制御するものである。
【0027】
つまり、内燃機関1の排気通路12中に配設された三元触媒13の触媒温度THCを検出する触媒温度センサ26からの触媒温度THCに応じて、流量制御バルブ35を介して三元触媒13の上流側の排気通路12に設置された排気冷却機構30の冷却管31の注入部32から冷却水が注入され、排出部33から冷却水が排出される。この際、触媒温度THCに応じて流量制御バルブ35が開閉作動されることによって排気冷却機構30への冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出と排気冷却機構30への冷却水注入量がきめ細かく制御される。これにより、三元触媒13の上流側における排気通路12中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御されることとなり、排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化され三元触媒13での圧損が低減されることによって燃費の向上を図ることができる。
【0028】
なお、上記実施例では、触媒温度に応じた排気冷却機構への冷却水注入量によって排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化されることについて述べたが、触媒温度が低いときには、排気冷却機構から冷却水が排出されることで排気通路12の周囲に空気による断熱作用が働くこととなり、触媒早期暖機の効果も期待できる。
【0029】
ところで、上記実施例では、三元触媒13の上流側にて排気温制御のため、排気通路12の外周囲を取巻く液密構造の冷却管31からなり、この冷却管31に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33を形成した排気冷却機構30が用いられているが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、図4に示すように、三元触媒13の上流側にて排気通路12に内挿する液密構造の冷却管31′からなり、この冷却管31′に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32′及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33′を形成した排気冷却機構30′を用いることもできる。このようなシステムにおいても、上述の実施例と同様の作用・効果が期待できる。
【0030】
〈実施例2〉
図5は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECU40における冷却水注入による排気温制御の処理手順を示すフローチャートであり、この処理に対応する内燃機関1の運転パラメータに基づき推定算出される触媒温度THCE に応じた冷却水注入量の遷移状態を示す図6のタイムチャートを参照して説明する。なお、この排気温制御ルーチンは所定時間毎にECU40にて繰返し実行される。ここで、本実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器の構成については、上述の第1実施例における図1の概略構成図から触媒温度センサ26を取外したものと同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0031】
本実施例の排気温制御では、三元触媒13の触媒温度を検出する触媒温度センサが省略されているため、図6のタイムチャートに示すように、内燃機関1の運転状態に応じて変動する運転パラメータであるクランク角センサ25による機関回転速度NE及び内燃機関1の負荷としてエアフローメータ21による吸入空気量GAに基づき、三元触媒13の触媒温度THCE を推定算出する処理部分が上述の実施例と異なっている。
【0032】
図5において、ステップS201では、機関回転速度NEが読込まれる。次にステップS202に移行して、吸入空気量GAが読込まれる。次にステップS203に移行して、ステップS201で読込まれた機関回転速度NEとステップS202で読込まれた吸入空気量GAとをパラメータとして予め設定されたマップに基づき三元触媒13の触媒温度THCE が推定算出される。次にステップS204に移行して、ステップS203で推定算出された触媒温度THCE が、例えば、前回の冷却水注入量等に基づき補正され、補正後の触媒温度THCERが求められる。
【0033】
次にステップS205に移行して、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度Aを越えているかが判定される。ステップS205の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCERが触媒温度Aを越え高いとき(図6に示す時刻t13〜時刻t14)にはステップS206に移行し、冷却水注入量が大量とされ、本ルーチンを終了する。
【0034】
一方、ステップS205の判定条件が成立せず、即ち、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度A以下と低いときにはステップS207に移行し、触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度Bを越えているかが判定される。ステップS207の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCERが触媒温度Bを越え触媒温度Aまでの温度範囲にあるとき(図6に示す時刻t12〜時刻t13、時刻t14〜時刻t15)にはステップS208に移行し、冷却水注入量が中量とされ、本ルーチンを終了する。
【0035】
ここで、ステップS207の判定条件が成立せず、即ち、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度B以下と低いときにはステップS209に移行し、触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度Cを越えているかが判定される。ステップS209の判定条件が成立、即ち、触媒温度THCERが触媒温度Cを越え触媒温度Bまでの温度範囲にあるとき(図6に示す時刻t11〜時刻t12、時刻t15〜時刻t16)にはステップS210に移行し、冷却水注入量が小量とされ、本ルーチンを終了する。
【0036】
一方、ステップS209の判定条件が成立せず、即ち、ステップS204による補正後の触媒温度THCERが予め設定された所定の触媒温度C以下と低いとき(図6に示す時刻t10〜時刻t11、時刻t16〜時刻t17)にはステップS211に移行し、触媒温度THCERが低いため排気通路12内を通過する排気ガスの排気温を下げないようにするため、冷却水注入量がなしで冷却水排出とされ、本ルーチンを終了する。
【0037】
このように、本実施例の内燃機関の排気温制御装置は、内燃機関1の排気通路12中に配設され、内燃機関1からの排気ガスを浄化する三元触媒13と、内燃機関1の運転パラメータである機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づき三元触媒13の触媒温度THCE を推定算出するECU40にて達成する触媒温度演算手段と、三元触媒13の上流側にて排気通路12の外周囲を取巻く液密構造の冷却管31からなり、この冷却管31に冷却水を注入する冷却水入口である注入部32及び冷却水を排出する冷却水出口である排出部33を形成した排気冷却機構30と、排気冷却機構30に注入する冷却水注入量を可変自在な流量制御バルブ35と、前記触媒温度演算手段で推定算出された触媒温度THCE に応じて流量制御バルブ35を介して排気冷却機構30に冷却水を注入し、排気通路12中を通過する排気ガスの温度を制御するECU40にて達成される排気温制御手段とを具備するものである。
【0038】
また、本実施例の内燃機関の排気温制御装置のECU40にて達成される排気温制御手段は、流量制御バルブ35による冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出を制御するものである。
【0039】
つまり、内燃機関1の排気通路12中に配設された三元触媒13の触媒温度を検出する触媒温度センサを省略されたものにおいては、内燃機関1の運転パラメータである機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づき推定算出された触媒温度THCE に応じて、流量制御バルブ35を介して三元触媒13の上流側の排気通路12に設置された排気冷却機構30の冷却管31の注入部32から冷却水が注入され、排出部33から冷却水が排出される。この際、触媒温度THCE に応じて流量制御バルブ35が開閉作動されることによって排気冷却機構30への冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または排気冷却機構30からの冷却水排出と排気冷却機構30への冷却水注入量がきめ細かく制御される。これにより、三元触媒13の上流側における排気通路12中の排気ガスの排気温上昇/下降が好適に制御されることとなり、排気温の必要以上の上昇が抑えられ排気温が最適化され三元触媒13での圧損が低減されることによって燃費の向上を図ることができる。
【0040】
そして、本実施例の内燃機関の排気温制御装置のECU40にて達成される排気温制御手段は、推定算出された触媒温度THCE に対して排気冷却機構30に注入される冷却水注入量に応じて補正を加え、補正後の触媒温度THCERとするものである。これにより、排気冷却機構30の冷却管31に注入される冷却水注入量に応じて変化する触媒温度が適切に補正されることとなり、触媒温度センサをなくしたシステムにおける排気温制御の精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECUにおける排気温制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は図2の処理に対応する触媒温度に応じた冷却水注入量の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図4】図4は図1の排気冷却機構の変形例を示す概略構成図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関の排気温制御装置で使用されているECUにおける排気温制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は図5の処理に対応する内燃機関の運転パラメータに基づき推定算出される触媒温度に応じた冷却水注入量の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
12 排気通路
13 三元触媒
26 触媒温度センサ
30 排気冷却機構
35 流量制御バルブ
40 ECU(電子制御ユニット)
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路中に配設され、前記内燃機関からの排気ガスを浄化する触媒と、
前記触媒の温度を検出する触媒温度センサと、
前記触媒の上流側にて前記排気通路の外周囲を取巻く液密構造の冷却管、または前記排気通路に内挿する液密構造の冷却管からなり、前記冷却管に冷却水を注入する冷却水入口及び冷却水を排出する冷却水出口を形成した排気冷却機構と、
前記排気冷却機構に注入する冷却水注入量を可変自在な流量制御バルブと、
前記触媒温度センサで検出された触媒温度に応じて前記流量制御バルブを介して前記排気冷却機構に冷却水を注入し、前記排気通路中を通過する排気ガスの温度を制御する排気温制御手段と
を具備することを特徴とする内燃機関の排気温制御装置。 - 内燃機関の排気通路中に配設され、前記内燃機関からの排気ガスを浄化する触媒と、
前記内燃機関の運転パラメータに基づき前記触媒の温度を推定算出する触媒温度演算手段と、
前記触媒の上流側にて前記排気通路の外周囲を取巻く液密構造の冷却管、または前記排気通路に内挿する液密構造の冷却管からなり、前記冷却管に冷却水を注入する冷却水入口及び冷却水を排出する冷却水出口を形成した排気冷却機構と、
前記排気冷却機構に注入する冷却水注入量を可変自在な流量制御バルブと、
前記触媒温度演算手段で推定算出された触媒温度に応じて前記流量制御バルブを介して前記排気冷却機構に冷却水を注入し、前記排気通路中を通過する排気ガスの温度を制御する排気温制御手段と
を具備することを特徴とする内燃機関の排気温制御装置。 - 前記排気温制御手段は、前記流量制御バルブによる冷却水注入の可否、冷却水注入量の設定、または前記排気冷却機構からの冷却水排出を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気温制御装置。
- 前記排気温制御手段は、前記触媒温度に対して前記排気冷却機構に注入される冷却水注入量に応じて補正を加えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気温制御装置。
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