JP2004307839A - 共沸様洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハロゲン系溶剤を使用することなく、鉛フリーハンダフラックスを高温でリフローすることにより一部変質もしくは炭化状態になった汚れに対し優れた洗浄力を有し、リンスが不要で且つ繰り返し蒸留回収される条件下においても使用可能な鉛フリーハンダフラックス洗浄に好適な共沸様洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 メチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種の飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとからなる共沸様洗浄剤組成物を用いる。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、メチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種の飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとからなる共沸様洗浄剤組成物に関する。
更に詳しくは、自動車、電機、電子、機械、精密機器等のハンダ付け作業の際に残存するフラックス類に対する洗浄力に優れ、特に高温でのリフローが必要となる鉛フリーハンダフラックスの洗浄に適しており、リンスが不要で且つ繰り返し蒸留回収される条件下においても使用可能な共沸様組成物に関する。
自動車、電機、電子、機械、精密機器等のハンダ付けの際には、Sn−Pb共晶ハンダが長年に渡って使用されてきた。しかしながら、近年、電子機器等の廃棄基板から酸性雨による鉛の溶出が水質汚染とともに人体にも悪影響を与えることから、社会問題として大きく注目されている。そこで、その様な環境問題から世界的な鉛規制とともに鉛を使用しない鉛フリーハンダの開発が盛んに行われおり、すでに実用化されている。
鉛フリーハンダは一部の合金系を除いて、鉛入りハンダに比べて融点が30℃以上高くなる。そのため、鉛フリーハンダを使用する際は、鉛入りハンダでのリフロー温度(通常230℃以下)よりも高い温度(250℃以上)でリフローしなければいけない。この様な高温でリフローした場合、フラックスは一部変質もしくは炭化したものとなり、これまで提案されてきた1,1,1−トリクロロエタンやCFC−113の代替洗浄剤ではいずれにおいても満足する洗浄力、安全性、経済性等の要求項目を満たすことはできていない。
すなわち、水系洗浄剤は、引火性がないという利点はあるが、洗浄力が弱く、且つ金属部品に対してシミや腐食問題を起こしやすく、すすぎ、乾燥、廃水処理等の付帯設備やそのためのスペースが必要等、多くの問題点がある。
HCFC−225、HCFC−141b等のハイドロクロロフルオロカーボン類は、非水系の不燃性溶剤として扱えるが、オゾン層破壊物質としても追加指定され全廃時期が決まっており、また、HFC−43−10mee等のハイドロフルオロカーボン類もオゾン破壊係数はゼロだが地球温暖化係数がHCFC、ハロゲン系溶剤と比較して高いことより、地球温暖化という面で今後規制される可能性が高く、将来的な代替洗浄剤にはなり得ない。
アルコール系溶剤やグリコールエーテル系溶剤は、上記に示す地球環境問題や設備等の大きな問題は無いが、アルコール系溶剤は、あまり良好な洗浄力を有していない上、引火点が低いため常温で引火する危険性があり、また、グリコールエーテル系溶剤も同様、洗浄力に劣り、さらに、熱安定性に至ってはどちらも加熱により著しく劣化し洗浄性能等に悪影響を及ぼす危険性がある。
炭化水素系溶剤においては、加工油、鉱物油等の汚れには優れた洗浄力を示すものの、ハンダフラックスまたはロジン系フラックス等の極性物質に対する洗浄力は非常に乏しい
ため、アルコール、エーテル、ケトン、グリコールエーテル等の極性化合物を配合した非水系洗浄剤が提案(例えば、特許文献1〜4)されている。
しかしながら、これらの特許に開示している技術では、通常の温度でリフローを行ったハンダフラックスまたはロジン系フラックス等は洗浄可能だが、鉛フリーハンダ用フラックスを高温でリフローを行うことにより一部変質もしくは炭化したような汚れに対しての洗浄力は不十分なものである。
また、本発明者らにより先に提案した技術(例えば、特許文献5)には、高温でリフローした汚れに対して十分な洗浄力を示すことを開示してはいるが、主成分が芳香族炭化水素であることより健康面への影響が懸念されており、安全性といった面では十分に要求を満たした洗浄剤とは言えない。
したがって、このような汚れに対しては未だ、厳しい規制のあるジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系溶剤を使用しているのが現状である。
特開平7−268391号公報
特開平7−331291号公報 特開平9−59680号公報 特開2002−12895号公報 特開2001−220598号公報
本発明の目的は、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン系溶剤を使用することなく、鉛フリーハンダフラックスを高温でリフローすることにより一部変質もしくは炭化状態になった汚れに対し優れた洗浄力を有し、リンスが不要で且つ繰り返し蒸留回収される条件下においても使用可能な共沸様洗浄剤組成物を提供することである。
かかる事情をふまえ、本発明者らは前述の問題点を解決すべく種々の検討を重ねた結果、目的の共沸様組成物を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明はメチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種以上の飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとからなる共沸様洗浄剤組成物を提供するものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の共沸様洗浄剤組成物は、鉛フリーハンダ用フラックスを250℃以上の高温でリフローすることにより一部変質もしくは炭化状態になった汚れに対し優れた洗浄力を示す共沸様洗浄剤組成物であって、メチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種以上の飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとからなる組成物であり、洗浄作業や蒸留操作を繰り返し行っても、組成や特性がほとんど変化しない組成物である。
本発明における鉛フリーハンダフラックス洗浄用の共沸様組成物の組成としては、メチルデカリン、ペンチルシクロヘキサン及びヘキシルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種以上の飽和脂環式炭化水素の含有量が35〜50重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が50〜65重量%であることが好ましい。
プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種以上の飽和脂環式炭化水素の場合、その含有量は60〜80重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が20〜40重量%であることが好ましい。
トリメチルシクロヘキサンの場合、その含有量が75〜80重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が20〜25重量%である共沸様組成物が好ましい。
エチルジメチルシクロヘキサンの場合、その含有量が65〜70重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が30〜35重量%である共沸様組成物が好ましい。
ジエチルシクロヘキサンの場合、その含有量が60〜65重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が35〜40重量%である共沸様組成物が好ましい。
テトラハイドロジシクロペンタジエンの場合、その含有量が55〜60重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が40〜45重量%である共沸様組成物が好ましい。
表1にこれらの共沸様組成の代表例を例示する。
Figure 2004307839
本発明で用いるメチルデカリンとしては、例えば、1−メチルデカリン、2−メチルデカリン等、プロピルシクロヘキサンとしては、例えば、n−プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン等、エチルメチルシクロヘキサンとしては、例えば、1−エチル−2−メチルシクロヘキサン、1−エチル−3−メチルシクロヘキサン、1−エチル−4−メチルシクロヘキサン、1−エチル−1−メチルシクロヘキサン等、トリメチルシクロヘキサンとしては、例えば、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、1,2,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1,2−トリメチルシクロヘキサン、1,1,3−トリメチルシクロヘキサン、1,1,4−トリメチルシクロヘキサン等、ブチルシクロヘキサンとしては、例えば、n−ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、sec−ブチルシクロヘキサン、tert−ブチルシクロヘキサン等、メチルプロピルシクロヘキサンとしては、例えば、1−メチル−2−プロピルシクロヘキサン、1−メチル−3−プロピルシクロヘキサン、1−メチル−4−プロピルシクロヘキサン、1−メチル−2−イソプロピルシクロヘキサン、1−メチル−3−イソプロピルシクロヘキサン、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン、1−メチル−1−イソプロピルシクロヘキサン等、エチルジメチルシクロヘキサンとしては、例えば、1−エチル−2,6−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−2,3−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−2,4−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−2,5−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−4,4−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−1,3−ジメチルシクロヘキサン、1−エチル−1,4−ジメチルシクロヘキサン等、ジエチルシクロヘキサンとしては、例えば、1、2−ジエチルシクロヘキサン、1、3−ジエチルシクロヘキサン、1、4−ジエチルシクロヘキサン等、ペンチルシクロヘキサンとしては、例えば、n−ペンチルシクロヘキサン、(3−メチルブチル)シクロヘキサン、(2−メチルブチル)シクロヘキサン、(1−メチルブチル)シクロヘキサン、(2,2−ジメチルプロピル)シクロヘキサン、(1,2−ジメチルプロピル)シクロヘキサン等及びヘキシルシクロヘキサンとしては、例えば、n−ヘキシルシクロヘキサン、(4−メチルペンチル)シクロヘキサン、(3−メチルペンチル)シクロヘキサン、(2−メチルペンチル)シクロヘキサン、(1−メチルペンチル)シクロヘキサン、(3,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン、(2,2−ジメチルブチル)シクロヘキサン、(1,1−ジメチルブチル)シクロヘキサン、(1,2−ジメチルブチル)シクロヘキサン、(1,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン、(2,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン、(1,2,2−トリメチルプロピル)シクロヘキサン、(1,1,2−トリメチルプロピル)シクロヘキサン、(1−エチル−2−メチルプロピル)シクロヘキサン等が挙げられる。
なお、本発明はメチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種の飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとの共沸様洗浄剤組成物において優れた効果を発揮するものであり、飽和脂環式炭化水素、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール各々単独では、本発明の効果を得ることはできない。
本発明で使用されるメチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる飽和脂環式炭化水素に替えて、飽和脂肪族炭化水素、例えば、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等を使用しても良好な洗浄効果を得ることはできない。
従来の技術で示したように、炭化水素系溶剤を基剤としたフラックス洗浄用組成物において、フラックス中の極性物質を溶解させるため各種のグリコールエーテル系化合物が使用されているが、本発明で使用されるグリコールエーテル系化合物としては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールのみが本発明において有効であって、それ以外のグリコールエーテル系化合物、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等を本発明に使用した場合は目的とする効果は達成することが出来ない。
すなわち、本発明は、メチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種の飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを組み合わせて使用することにより、初めて顕著な効果が現われ、特に鉛フリーハンダフラックス洗浄用に好適な共沸様組成物が得られる。
本発明の共沸様洗浄剤組成物には、メチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの共沸様組成を妨げない範囲であるならば、デカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、3−メトキシ−1−ブタノール、1−アセトキシ−3−メトキシ−3−メチルブタン等のグリコールエーテル類、n−ヘプタノール、n−オクタノール等の脂肪族アルコール類、シクロヘキサノン等のケトン類、乳酸エチル等のエステル類を含んでも構わない。
本発明の共沸様洗浄剤組成物には、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、チモール、ピロカテキン等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール類、ベンゾチアゾール類等の銅、亜鉛の腐食防止剤を含んでも構わない。
本発明の共沸様洗浄剤組成物は、鉛フリーハンダ用フラックスを250℃以上の高温でのリフローを行うことで一部変質もしくは炭化状態になった汚れ等の洗浄において汚染された液を、洗浄性能等の劣化を起こすことなくバッチ式あるいは、連続式の蒸留機で再生、回収をすることが可能である。なお、使用される蒸留機は、特に限定されるものではないが、通常、真空(減圧)蒸留機が使用され、その方式としてはケトル式、プロペラ式、薄膜流下式、噴射攪拌式等の真空(減圧)蒸留機が適宜使用できる。
本発明の共沸様洗浄剤組成物を用いて、金属、電子、精密部品等の洗浄を行なう方法は、特に限定されないが、例えば、浸漬洗浄、超音波洗浄、加温洗浄、シャワー洗浄、真空洗浄方式等が有効であり、乾燥は、温風、吸引もしくは真空乾燥(減圧乾燥)等を行なうことが可能である。また、リンスと乾燥を兼ねた減圧下における蒸気乾燥方式も可能である。
本発明の共沸様洗浄剤組成物は、鉛フリーハンダ用フラックスが高温でのリフローを行うことで一部変質もしく炭化状態になった汚れの他に、一般的な汚れ、例えば、通常の温度でリフローを行ったハンダフラックスまたはロジン系フラックス、あるいはワックス、ピッチ、機械油、グリース等の汚れに対して適用することも可能である。
本発明の共沸様洗浄剤組成物は、機械油、グリース、フラックス、ワックス、ピッチ等の油類に対する洗浄力に優れ、特にこれまで洗浄が困難とされていた鉛フリーハンダ用フラックスの洗浄にも適しており、リンスが不要で且つ繰り返し蒸留回収される条件下においても使用可能な実用的な洗浄剤である。本発明の共沸様組成物を用いることにより、洗浄能力不足のために困難であった分野の塩素系溶剤等の代替が可能となった。
以下の各実施例において、各共沸様組成の決定及び確認は、以下の手段により行った。
<共沸様組成の決定>
還流器を備えた500mlのフラスコに、予め調製した飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとの混合液を300g入れ、オイルバスで沸騰させながら、30分後に温度が一定になったところで、フラスコ内の液相及び気相の組成をガスクロマトグラフィーにより分析し、また、その時の気相と液相の温度を測定した。
その測定結果より混合組成物の気液平衡曲線を作成し、気相と液相の組成がほぼ同一となる組成比を確認することで共沸様組成比を決定した。
<共沸様組成の確認>
上記の決定した共沸様組成比をもとに調製した飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとの混合液300gを500mlの蒸留フラスコに入れ、理論段数20段の蒸留装置で蒸留した。蒸気温度を測定しながら留出液を採取し、上記の決定した共沸様組成比に変化があるかどうかをガスクロマトグラフィーにより分析確認した。
以下、本発明の代表的な実施例を示すが、これらに限定されるものではない。
実施例1
上記の手段をもとに、2−メチルデカリンが40重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールが60重量%になるように共沸様洗浄剤組成物を調整し、以下の洗浄法1及び洗浄法2により鉛フリーハンダフラックスの洗浄を行った。その結果を表2に示す。
<洗浄法1>
75×50×1mmのガラスエポキシ材の両面に銅をコーティングしたガラスエポキシ基板(サンハヤト株式会社製)を、鉛フリーハンダフラックス(商品名:EC−19S−8,タムラ製作所)に室温で浸漬し、室温下で30分間液切りした後、250℃のオーブン内で2.5分間リフローを行ない、さらに室温下で30分間冷却したものを被洗浄物とした。
図1に示したように、300mlの洗浄剤組成物7を加えた500mlの洗浄用容器5及びリンス用容器6を、超音波発振器(39kHz/200W)2及びヒーター3を具備する水を張り込んだ洗浄槽1内の網目状設置台4の上に設置し、両容器とも各々40℃に保持した。
まず、被洗浄物を洗浄用容器5に入れ、0.5分間超音波洗浄を行った。洗浄後の被洗浄物を、リンス用容器6に上記の洗浄法と同様の操作によりリンス洗浄を行った。リンス洗浄後、被洗浄物を取り出して熱風乾燥後、被洗浄物の外観を目視により観察を行った。
[目視観察の判定基準]
○:フラックス残渣または白色残渣が、全く観察されない。
△:フラックス残渣または白色残渣が、わずかに観察される。
×:フラックス残渣または白色残渣が、顕著に観察される。
<洗浄法2>
75×50×1mmのガラスエポキシ材の両面に銅をコーティングしたガラスエポキシ基板(サンハヤト株式会社製)に、鉛フリーハンダフラックス(商品名:アロイ305 OL213 88.5−3−M20,日本アファメタル社製)を、約2mmΦの大きさに6ヶ所塗布した後に、280℃のオーブン内で2.5分間リフローを行ない、さらに室温下で30分間冷却したものを被洗浄物とした。
500mlの洗浄用容器とリンス用容器を用意し、各容器に洗浄剤組成物300mlを夫々に加え、各々40℃に保持した。まず、被洗浄物を洗浄用容器に入れ20分間マグネティックスターラーで攪拌して洗浄を行った。洗浄後の被洗浄物をリンス用容器に入れ上記の洗浄法と同様の操作によりリンス洗浄を行った。リンス洗浄後、被洗浄物を取り出して熱風乾燥後、被洗浄物の外観を目視により観察を行った。
[目視観察の判定基準]
○:フラックス残渣または白色残渣が、全く観察されない。
△:フラックス残渣または白色残渣が、わずかに観察される。
×:フラックス残渣または白色残渣が、顕著に観察される。
実施例2〜14及び比較例1〜30
実施例1の2−メチルデカリンと3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとの共沸様組成物を、表1に示す実施例2〜14及び比較例1〜30の洗浄剤組成物に代えた以外は全て実施例1と同様の操作、条件にて洗浄を行った。それらの洗浄試験結果を表2に示す。
Figure 2004307839
実施例1の<洗浄法1>に用いた洗浄システムを表わす概略図である。
符号の説明
1:洗浄槽
2:超音波発振器
3:ヒーター
4:網目状設置台
5:洗浄用容器
6:リンス用容器
7:洗浄剤組成物

Claims (8)

  1. メチルデカリン、プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、ペンチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン及びテトラハイドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種の飽和脂環式炭化水素と3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとからなる共沸様洗浄剤組成物。
  2. メチルデカリン、ペンチルシクロヘキサン及びヘキシルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種以上の飽和脂環式炭化水素の含有量が35〜50重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が50〜65重量%である請求項1に記載の共沸様洗浄剤組成物。
  3. プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン及びメチルプロピルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種以上の飽和脂環式炭化水素の含有量が60〜80重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が20〜40重量%である請求項1に記載の共沸様洗浄剤組成物。
  4. トリメチルシクロヘキサンの含有量が75〜80重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が20〜25重量%である請求項1に記載の共沸様洗浄剤組成物。
  5. エチルジメチルシクロヘキサンの含有量が65〜70重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が30〜35重量%である請求項1に記載の共沸様洗浄剤組成物。
  6. ジエチルシクロヘキサンの含有量が60〜65重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が35〜40重量%である請求項1に記載の共沸様洗浄剤組成物。
  7. テトラハイドロジシクロペンタジエンの含有量が55〜60重量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの含有量が40〜45重量%である請求項1に記載の共沸様洗浄剤組成物。
  8. 鉛フリーハンダフラックス洗浄用である請求項1〜請求項7のいずれかに記載の共沸様洗浄剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006249114A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Japan Energy Corp 洗浄剤組成物及び洗浄方法
JP2008303313A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Asahi Kasei Chemicals Corp ケーブルクリーナー
JP2013062522A (ja) * 2012-11-02 2013-04-04 Daikin Ind Ltd 半導体ドライプロセス後の残渣除去液及びそれを用いた残渣除去方法

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