JP2004307600A - インクジェット記録液 - Google Patents

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Kazumichi Haraguchi
一道 原口
Yasuharu Iida
保春 飯田
Jun Satake
順 佐武
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Abstract

【課題】紫外線にて赤色に発光する耐水性の良好な記録物が得られ、非ポーラスな対象物に対しても、優れた乾燥性、密着性および透明性を有し、低臭気な記録液を提供する。
【解決手段】蛍光材料と、アセトン、メチルエチルケトンまたはシクロヘキサノンから選ばれるケトンとホルムアルデヒドとの重縮合化物である水酸基価100〜300のポリケトン樹脂と、分子量6000〜40000のポリビニルピロリドン樹脂とを含むことを特徴とするインクジェット用記録液。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の技術分野】
本発明は、紙および非ポーラスメデイアに対しても良好な印字乾燥性および密着性を有するインクジェット用記録液に関する。また、着色剤ないしは非可視である非着色材料を用いる記録液であり、着色剤の色特性の変化、非可視材料の非可視特性を阻害しない樹脂を用いる記録液に関する。また、非ポーラスメディアでの良好な乾燥性、とくに乾燥面の白化を起こさないインクジェット記録液に関する。さらに詳しくは、紫外線にて発光するインクジェット用の記録液(インキ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の特殊用途において、可視光では確認がしにくいが特殊な光によって可視化したり、センサーでの読み取りを可能にする記録液の開発が行われている。このような用途には、蛍光増白剤のように紫色に発光するものが用いられていたが、蛍光増白剤は水性の染料であるため耐水性に劣る欠点があった。又、蛍光増白剤は、発光が一般に紫色であり、紙、繊維等に広く用いられているため、それらの発光との区別がつけにくいという欠点もあった。
【0003】
特許文献1には、紫外線照射により赤橙色に発光する記録液が記載されている。
この記録液は、水および親水性のグリコールエーテル類を主体とする記録液であり高速で印刷処理する用途においては水の量が多く、またグルコールエーテル類の乾燥も遅いことから、十分な乾燥が得られなかった。特に被記録媒体が紙以外の非ポーラスなフィルム等においては、特に十分な乾燥速度は得られなかった。
【0004】
特許文献2には、蛍光錯体ユーロピウムを含むインクジェット記録液が記載されているが、この記録液は25℃以上の保存温度において半年程度で発光体の経時劣化により発光強度が低下する。樹脂が透明であることによりインキ液内で光散乱が発生しないため、発光効率が悪く、紙上に印字した時での発光強度低下が認められた。
【0005】
【特許文献1】
特公昭54−22336号公報
【特許文献2】
特開2002−121546号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非ポーラスな被記録媒体に対しても、十分な密着性を有し、臭気が少なく、乾燥性に優れ、白化を起こさないで紙上での発光強度低下を抑制する記録液を提供するものである。また本発明は、紫外線にて赤色に発光する耐水性の良好な記録物が得られるインクジェット用記録液(インキ)を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、着色材料または非着色材料、ポリケトン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂及び有機溶剤からなることを特徴とするインクジェット記録液に関する。
【0007】
更に本発明は、非着色材料が蛍光材料である上記インクジェット記録液に関する。
【0008】
更に本発明は、蛍光材料が下記式(1)にて示される上記インクジェット記録液に関する。
式(1)
【0009】
【化3】
Figure 2004307600
【0010】
(式中、Xは、置換基を有してもよいメチル基、置換基を有してもよいフリル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、又は置換基を有してもよいチオニル基を表し、Yは、(n−C N又は(H O)nを表す。)
【0011】
更に本発明は、ポリケトン樹脂が、水酸基価100〜300のポリケトン樹脂である上記インクジェット記録液に関する。
【0012】
更に本発明は、ポリケトン樹脂が、アセトン、メチルエチルケトンまたはシクロヘキサノンから選ばれるケトンとホルムアルデヒドとの重縮合化物である上記インクジェット記録液に関する。
【0013】
更に本発明は、ポリビニルピロリドン樹脂が、重量平均分子量6000〜80000の1−エチル−2−ピロリドンホモポリマーである上記インクジェット記録液に関する。
【0014】
更に本発明は、蛍光材料0.2 〜3重量%、ポリケトン樹脂2〜30重量%、ポリビニルピロリドン樹脂0.5〜2重量%及び有機溶剤65〜95重量%からなる上記インクジェット記録液に関する。
【0015】
更に本発明は、更に、有機溶剤が低級アルコール系溶剤50〜95重量%及びケトン系溶剤5〜50重量%からなる上記インクジェット記録液に関する。
【0016】
更に本発明は、更に、電導度調整剤を0.2〜5重量%を含む上記インクジェット記録液に関する。
【0017】
更に本発明は、更に、下記式(2)で示されるシリコン化合物を0.01〜0.5重量%含有する上記インクジェット記録液に関する。
式(2)
【0018】
【化4】
Figure 2004307600
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明にて用いる着色剤としては、溶剤に可溶な染料、蛍光材料等、また溶剤に不溶な染料、顔料、発光材料等が用いられる。
【0020】
染料としては、油性染料が一般的に用いられるが、反応性染料、分散染料、塩基性染料等が選択できる。顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、アゾ系赤顔料、キノフタロンエロー、縮合アゾエロー、イソインドリノンエロー等の顔料、また、染料あるいは顔料と樹脂とのマトリクスを形成した着色粒子等を使用できる。
【0021】
本発明において、着色剤が白色あるいは淡い着色を呈する場合、さらには可視光下において視認できないような透明な発光材料等を用いる記録液においてその効果が倍増する。このような非着色材料としては、紫外線にて発光する蛍光染料、発光材料、蛍光増白剤等が挙げられる。
【0022】
本発明に用いる蛍光材料は、240nm〜380nmの紫外線にて600〜650nm、特に615nm付近(±5nm)に最大発光を有し、紫外線を照射しないときは着色していないため被記録媒体上で識別が容易にはできないものである。
【0023】
本発明の蛍光材料は、式(1)に示されるように、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩あるいは水を対イオンに有するユーロピウムの錯体であり、置換基としては低級アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、水酸基等がある。
【0024】
本発明の蛍光材料の具体例としては、テトラ〔4,4,4−トリフルオロ−1−(2−フラニル)−1,3−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体、テトラ〔4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体、テトラ〔4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チオニル)−1,3−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体、テトラ〔4,4,4−トリフルオロ−1−ナフチル−1,3−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体、テトラ〔4,4,4−トリフルオロ−1−メチル−1,3−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体等があり、これらの化合物は、可視光で無色ないし淡黄色であり紫外光のもとでは赤色に発色する特性を有しており、発光強度が大きく、耐久性にも優れる。
また溶剤に対する溶解性も有している。
【0025】
本発明の蛍光材料は、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−フラニル)−1,3−ブタンジオン化合物、4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン化合物、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チオニル)−1,3−ブタンジオン化合物、4,4,4−トリフルオロ−1−ナフチル−1,3−ブタンジオン化合物、4,4,4−トリフルオロ−1−メチル−1,3−ブタンジオン化合物等のブタンジオン化合物と、過塩素酸ユーロピウムとを水酸化ナトリウムとともにアセトン中にて反応させることにより製造できる。
【0026】
本発明の蛍光材料は、発光強度が強いので記録液中に0.2〜3重量%用いることにより印字物としての所望の検知が可能である。これよりも少ないと発光の読み取りが十分でなく、また、これよりも多いと記録の跡が判別しやすくなってくる。記録液は、蛍光材料と溶剤とによりプリンターに適した記録液に調整できるが、被記録媒体に応じて溶剤の種類、バインダー樹脂の使用の有無、種類、量等の調整が可能である。
【0027】
また本発明の記録液の特性は、プリンターの種類に応じて粘度、表面張力、電導度、乾燥性等の調節もできるが、一般に粘度0.8〜15mPas、表面張力20〜45mN/mである。またコンティニュアス方式のインクジェットプリンターに用いるときには0.1〜20ミリジーメンス(mS/cm)の電導度に調整する。
【0028】
本発明の記録液に用いる樹脂は、紙への定着ばかりでなく、非ポーラスなフィルム等の被記録媒体に対しても良好な定着性を得るために用いられる。このような樹脂としては、溶液としたときに着色の無ことが必須であり、溶剤の離脱性にも優れたものが好ましい。このような樹脂としては、ケトン、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンから選ばれる1種以上のケトンとホルムアルデヒドとの重縮合化物である水酸基価100〜300のポリケトン樹脂が適している。
【0029】
本発明に用いられるポリケトン樹脂は、水を吸収しやすいアルコール類を溶媒としたインキの乾燥において、乾燥時の白化という現象もおこりにくいという良好な特性を有している。これは、特に被記録媒体表面でのステルス性(非可視性)を要求される用途においてきわめて重要な特性であり、本発明に関する樹脂はこの特性を発揮する。またポリケトン樹脂は、非ポーラスな被記録媒体上においても、体積収縮による内部応力も少なく、定着性に優れるという特徴を有する。このような樹脂としては、軟化点として60〜130℃のものが好ましく、90〜105℃のものがさらに好ましい。
【0030】
本発明に用いられるポリケトン樹脂は、アルコール系溶剤に対して高い溶解性を有し、乾燥後は良好な耐水性を示しす。また溶解性に優れるがゆえに樹脂溶液粘度が比較的低く、インクジェット用記録液に要求される低粘度記録液の調整が可能となり、着色のないインキを作製できる。また溶剤による再溶解性に優れるため、プリンターでの連続吐出性において高い信頼性が確保される。以上のように、本発明はポリケトン樹脂を使用することによって、プリンターでの吐出安定性、被記録媒体上での定着性、透明性、耐水性のバランスに優れた記録液を形成することができる。
【0031】
更に上記特性のバランスを良好とするためには、水酸基価が100〜300、好ましくは130〜280であり、軟化点が60〜130℃、好ましくは90〜105℃であるポリケトン樹脂を使用することが好ましい。また分子量としては、重量平均分子量300〜5000であることが好ましく、500〜3000であることがさらに好ましい。
【0032】
本発明に用いられるポリビニルピロリドン樹脂は、アルコール系溶剤に対して高い溶解性を有し、乾燥後紙上に速やかに凝集し、光の透過率を下げ、インキ中に散乱を起こすことによって、紙及びフィルム上での発光効率を上げ、インキの発光強度が経時劣化した時でも、紙上での発光強度の低下を抑制できる。なお、ポリビニルピロリドン樹脂は非ポーラスなフィルム等の被記録媒体への定着性が弱く、べたつきが発生し、吐出性にも悪影響を及ぼすため、記録液中に0.5〜3重量%使用することが望ましい。
【0033】
本発明の記録液に使用するポリケトンとポリビニルピロリドン樹脂は、記録液中に合計3〜35重量%、好ましくは5〜30重量%用いる。この量よりも少ないと非浸透性の被記録媒体に対して十分な蛍光材料の定着ができない。また、この量よりも多くなると、記録液の粘度が高くなり、吐出安定性を低下させることがある。また、蛍光材料の周囲を樹脂層が厚く覆うことになり、化合物の発光の低下を招く恐れがあるばかりか、樹脂に起因する蛍光の発生も障害になる可能性がある。
【0034】
本発明に用いられるポリケトン樹脂及びポリビニルピロリドン樹脂は定着性、記録液の粘度、溶解性等の調整のために他の樹脂を混合して用いてもよい。これらの樹脂としては、例えば、セルロース系、フェノール系、エポキシ系、エポキシフェノール系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ブチラール系、シリコン系、ロジン、ロジン変性樹脂(フェノール変性、マレイン酸変性,フマル酸変性等)、アクリルアミド、アルキッド系、シェラック、アクリル系、スチレンーアクリル系等の樹脂が例示でき、本発明の実質的に水を含まない溶剤に対する溶解性が良好で、記録液の粘度を適度に調整できるものを選択する。これらの樹脂は記録液中に0〜3重量%が必要に応じて用いられる。
【0035】
本発明の記録液に使用する溶剤としては、蛍光材料の溶解性に優れ、臭気および衛生性の観点から低級アルコール系、特にエタノールを用いることが好ましい。
被記録媒体上での乾燥性を特に重要視する場合は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチルのようなエステル系溶剤も、単独または低級アルコールと混合して用いることもできる。しかしながら、これらの溶剤は低級アルコールに比べて臭気や危険有害性が問題とされることがあり、記録液中に5重量%以下で用いられることが好ましい。
【0036】
尚、これらの溶剤に、樹脂および蛍光材料の溶解安定性を増加させるため、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチルラクトン等のような溶剤を0〜5重量%の範囲で併用することができる。しかしながら、これらの併用は、乾燥性の低下を招くこともあり、高速乾燥性を重要視する場合は、使用量を最小限に留めることが好ましい。
【0037】
また本発明の記録液には、記録液の循環、あるいは移動、また、記録液の製造時の泡の発生を防止するため消泡剤を添加することもできる。さらに記録液の吐出安定性、記録画像の向上のため、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤を用いることができる。
【0038】
アニオン性活性剤の具体例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等を例示できる。
【0039】
非イオン性活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等の非イオン性活性剤が例示できる。
【0040】
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩,第4級アンモニウム塩,アルキルピリジニウム塩,アルキルイミダゾリウム塩等を例示できる。
【0041】
両イオン性活性剤の具体例としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が例示できる。
【0042】
本発明の記録液は、フィルム等の非ポーラスな被記録媒体上での記録液の適度なひろがり、はじきの防止を目的として、式(2)で示されるシリコン化合物を用いることができる。このシリコン化合物を用いることにより、ドット形成性が向上し、高精度な光学読み取りが可能となる画像形成が実現できる。
【0043】
本発明の記録液は、溶剤に可溶な着色材料ないしは蛍光材料、溶剤、樹脂、必要に応じて添加剤等を混合し、撹拌溶解し、溶剤に不要な顔料等においては、分散剤を加えて分散し、必要に応じて希釈、他の添加剤を混合することによって得られる。撹拌溶解ないし分散は、通常の撹拌羽を用いた撹拌機のほか、高速の分散機、乳化機等を用いることができる。このようにして得られた溶解液ないし分散液は、希釈の前あるいは後で孔径3μm以下、好ましくは1μm以下のフィルターにて十分濾過して、記録液となる。フィルターの濾過に先立って、遠心分離による濾過を用いることもでき、これはフィルターによる濾過における目詰まりを少なくし、フィルター交換回数が減るなど生産効率上の効果が得られる。
【0044】
本発明の記録液は、記録装置の方式にもよるが粘度0.8〜15mPas(25℃)の液体として調整する。表面張力は20〜45mN/mであることが好ましい。
【0045】
本発明による記録液をコンティニュアス方式のプリンターにおいて使用する場合は、電導度を0.1〜20ミリジーメンス(mS/cm)、さらには0.5〜10ミリジーメンス(mS/cm)に調整することが好ましい。電導度調整剤としては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム、硝酸リチウム、テトラブチルアンモニウムブロミド等が使用できるが、経時での安定性の観点からテトラブチルアンモニウムブロミドが特に好ましい。このような電導度の調整剤は、インキ中に5重量%以下で用いることが好ましい。
【0046】
本発明の記録液をコンティニュアス方式のプリンターにおいて使用する場合は、記録液の吐出および回収による連続使用により記録液中の溶剤が揮発し、記録液の固形分が時間と共に濃縮され、粘度が上昇する。このため本発明の記録液においては、記録液中の揮発成分を補充して樹脂および蛍光材料の溶解性と粘度を調整するための希釈剤を必要とする。希釈剤としては、記録液中の溶剤成分と同様であり、且つ揮発性の高い溶剤成分を記録液よりも多く含む組成であることが好ましい。
【0047】
本発明の記録液は、インクジェット用記録液として好適に用いられ、光学読み取りを目的としたバリアブル情報やバーコードの高速印字、オフィスにおける書類の隠し文字や記号の記録、ダンボールのマーキングやナンバリング、バーコード情報等の認識しにくい記録、セキュリティー機能を有する記録など広範な分野に利用することができる。また、本発明の記録液による記録物は、蛍光増白剤等の染料を蛍光材料として含有する記録液から得られた記録物に較べて耐水性も良好であるため、記録物の保存性を要求される特殊な画像形成用途にも用いることができる。
【0048】
また、本発明のインクジェット用記録液は、非浸透性のフィルム等への印字におけるインキの適度なひろがり、はじきの防止を目的として表面調整剤を用いることができる。このような表面調整剤としては、シリコン変性系、アクリル共重合物計及びこれらの混合物を挙げることができる。中でも式(2)で示されるポリエーテル変性シリコン化合物を用いることが特に好ましい。具体例としてはビッグケミー社製BYK−331、BYK−333、BYK−341、日本ユニカー株式会社製FZ2123などを挙げることができる。
【0049】
これらのリコン化合物は、フィルムでのインキの適度な広がりの調整を行うものであり、インクジェットのきれいなドットを構成できるようになり、光学読み取りが許容できる画像形成ができるため優位である。
【0050】
また、本発明のインクジェット用記録液にはインキの循環、あるいは移動、また、製造時の泡の発生を防止するため消泡剤を添加することもできる。このような消泡剤としては、シリコン変性系、アセチレンジオール系、有機物系及びこれらの混合系を用いることができる。シリコン変性消泡剤としては、ビックケミー社製BYK−065、BYK−088などが挙げられる。アセチレン系消泡剤としては、日信化学工業社製サーフィノールDF−110D、サーフィノールDF−37などが挙げられる。また有機物系をしては日信化学工業社製サーフィノールDF−75、DF−210などが挙げられる。
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。実施例中、部および%は、重量部および重量%をそれぞれ表す。
【0051】
〔実施例1〕
下記の原料を混合し記録液を作製した。
蛍光材料(1) 1.5部
ポリケトン樹脂(酸価270 軟化点100℃) 15.0部
ポリビニルピロリドン樹脂(重量平均分子量6000〜15000) 2.0部
エタノール 80.45部
チオシアン酸ナトリウム 1.0部
シリコン添加剤 0.02部
消泡剤
0.03部
原料は撹拌機にて十分溶解した後、孔径0.80μmのメンブランフィルターにて濾過し、粘度3.1mPasの記録液を得た。この記録液を日立製作所社製「日立IJプリンター」に入れてポリスチレンの透明フィルムに記録を行った。
【0052】
記録物は可視光下では識別できないが、紫外線を照射したところ赤色の発光(615nm付近)が確認できた。記録面に水を垂らして記録液のにじみを調べたが、記録液のにじみ、流れ出しはなく充分な耐水性を有していた。
【0053】
記録液の連続印字をしたところ、記録液の粘度上昇がみられたため、記録液の消費量に応じた希釈液(エタノール)の添加をおこなった。この希釈液(エタノール)の添加は、記録液の消費量の約0.6倍量を追加することで対応した。これにより、記録液の粘度を印刷初期と同様に維持できた。
【0054】
〔実施例2〕
下記の原料を混合し記録液を作製した。
【0055】
蛍光材料(2) 1.5部
ポリケトン樹脂(酸価270 軟化点100℃) 15.0部
ポリビニルピロリドン樹脂(重量平均分子量40000〜80000) 2.0部
エタノール 79.4部
メチルイソブチルケトン 2.55部
チオシアン酸カリウム 1.5部
シリコン添加剤 0.02部
消泡剤 0.03部
原料は撹拌機にて十分溶解したのち、孔径0.8μmのメンブランフィルターにて濾過し、粘度3.0mPasの記録液を得た。
【0056】
この記録液をVideojet社製「Excelプリンター170i」に入れてポリスチレンフィルムに記録を行った。記録液の連続印字により記録液の粘度上昇がみられたため、記録液の消費量に応じた希釈液(エタノール)の添加をおこなった。希釈液(エタノール)の添加は、記録液の消費量の約0.5〜3倍量を追加することで対応した。これにより、インキの粘度を印刷初期と同様に維持できた。記録物に紫外線を照射したところ、オレンジかかった赤色の発光が確認できた。記録面に水を垂らしてインキのにじみを調べたが、インキのにじみ、流れ出しはなく充分な耐水性を有していた。ポリエステルフィルム、処理ポリプロピレンフィルム、処理ポリオレフィンフィルム等にこの記録液を#1のバーコーターでドローダウンして乾燥を確認したが、乾燥面での白化の現象はなかった。
【0057】
〔実施例3〜9〕
表1に記載する配合組成の記録液を実施例1と同様の方法にて作成した。
【0058】
【表1】
Figure 2004307600
【0059】
〔比較例1〜6〕
表2に記載する配合組成の記録液を実施例1と同様の方法にて作成した。
【0060】
【表2】
Figure 2004307600
【0061】
〔記録液の原料名の説明〕
Figure 2004307600
ケトン樹脂(1) : ポリケトン樹脂LAWTER社製K−1717 (水酸基価270、軟化点100℃)
ケトン樹脂(2) : ポリケトン樹脂LAWTER社製K−1717B(水酸基価135、軟化点 95℃)
PVP樹脂(1) : PVP樹脂ISP社製K―30 (重量平均分子量40000〜80000)
PVP樹脂(2) : PVP樹脂ISP社製K−15 (重量平均分子量6000〜15000)
TBAB : テトラブチルアンモニウムブロミド
【0062】
実施例および比較例で得られた記録液を下記の評価を行った。結果を表3、4に示す。
【0063】
【表3】
Figure 2004307600
【0064】
【表4】
Figure 2004307600
【0065】
〔評価方法〕
粘 度 :東機産業社製 E型粘度計にて測定
表面張力:協和界面科学社製 自動表面張力計CRVP−Z型にて測定
電導度 :メトラートレドン社製 pH/Conductivity Materにて測定
濾過性 :直径45mmφ、孔径0.80μmのメンブランフィルターで減圧濾過を行った時の濾過量を評価した。
良 :1リットル以上濾過できる。
不良:目詰まりの発生により、1リットル以下しか濾過できない
耐水性 :水に3分浸漬したときのインキの滲み、流れ出し、べたつき。
良 :滲み、流れ出し、べたつきが全くない。
不良:滲み、流れ出し、べたつきがある。
密着性 :メンデングテープ(スリーエム社製)による剥離テスト。
良 :剥離されない。
不良:剥離される。
ドット形状:ポリスチレンフィルム上でのドットの形状を顕微鏡にて確認した。
良 :円状のドットが形成される。
不良:ドットが滲んでいる。
半年経時インキの紙上発光強度低下:作製して25℃の保存温度で放置して1年半経ったインキをPPC上に1滴垂らし、ジャスコサポート社製蛍光分光光度計FP−750にてインキの垂れた部分の発光強度を測定。
なし :発光強度が作製直後と同等。
あり:発光強度が作製直後の半分以下。
白 化 :ポリエステルフィルム表面に記録液をドローダウンし、自然乾燥させ
たときの塗膜の状態を目視観察した。
良 :乾燥後も、塗膜は透明であった。
不良:乾燥後、塗膜が白くにごる現象が観察された。
【0066】
比較例1の記録液は、メチルエチルケトンの臭いが強烈であり、引火点が低い。比較例2の記録液は、耐水性評価でべたつきを生じた。
比較例3の記録液は、ドットの形状が不十分で、耐水性評価でべたつきを生じた。
比較例4の記録液は、ドットの形成も不十分である。
比較例5の記録液は、フィルム面での乾燥が著しく遅い。
比較例6、7の記録液は、フィルム面での定着性は良好なものの、インキ原液の半年経時で紙上での発光強度低下が見られる。
【0067】
【発明の効果】
本発明により、蛍光材料等の非視認性を要求されるような印字の用途において、吐出安定性の良い記録液を得ることができ、透明性、耐水性、定着性、インキ原液の紙上での発光強度安定性に優れる記録物を得ることができた。この記録物は、紙等の被記録媒体と識別しにくい記録を行うことが可能であり、また、紫外光により赤色の発光を生じるので特殊な記録物としてセンサーでの光学読み取り、隠し文字、セキュリティーに関する印刷等に利用できる。

Claims (10)

  1. 着色材料または非着色材料、ポリケトン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂及び有機溶剤からなることを特徴とするインクジェット記録液。
  2. 非着色材料が蛍光材料である請求項1記載のインクジェット記録液。
  3. 蛍光材料が下記式(1)にて示される請求項2記載のインクジェット記録液。
    式(1)
    Figure 2004307600
    (式中、Xは、置換基を有してもよいメチル基、置換基を有してもよいフリル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、又は置換基を有してもよいチオニル基を表し、Yは、(n−C N又は(H O)nを表す。)
  4. ポリケトン樹脂が、水酸基価100〜300のポリケトン樹脂である請求項1ないし3いずれか記載のインクジェット記録液。
  5. ポリケトン樹脂が、アセトン、メチルエチルケトンまたはシクロヘキサノンから選ばれるケトンとホルムアルデヒドとの重縮合化物である請求項4記載のインクジェット記録液。
  6. ポリビニルピロリドン樹脂が、重量平均分子量6000〜80000の1−エチル−2−ピロリドンホモポリマーである請求項1ないし5いずれか記載のインクジェット記録液。
  7. 蛍光材料0.2 〜3重量%、ポリケトン樹脂2〜30重量%、ポリビニルピロリドン樹脂0.5〜2重量%及び有機溶剤65〜95重量%からなる請求項2ないし6いずれか記載のインクジェット記録液。
  8. 有機溶剤が低級アルコール系溶剤50〜95重量%及びケトン系溶剤5〜50重量%からなる請求項7記載のインクジェット記録液。
  9. 更に、電導度調整剤を0.2〜5重量%を含む請求項1ないし8いずれか記載のインクジェット記録液。
  10. 更に、下記式(2)で示されるシリコン化合物を0.01〜0.5重量%含有する請求項1ないし9いずれか記載のインクジェット記録液。
    式(2)
    Figure 2004307600
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