JP2004305947A - アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル及びその製法 - Google Patents

アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル及びその製法 Download PDF

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章弘 鈴木
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Abstract

【課題】アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル及びその製法、並びにその成形体、シート、及び水性塗料組成物を提供する。
【解決手段】X線結晶粒子径が2nm〜10nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子を含むアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルであって、アナターゼ形酸化チタン超微粒子がシリカゲルの内部に担持されていること、少なくとも1000℃で焼成してもアナターゼの結晶形が維持されること、を特徴とするアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル、その成形体、シート、水性塗料組成物、及び粉末状及び/又は粒状のシリカゲルとチタン含有溶液を混合することにより、当該チタン含有溶液を当該シリカゲルに含ませた後、水又はお湯に投入して加水分解してから加熱焼成することを特徴とするアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルに関するものであり、更に詳しくは、アナターゼ形酸化チタン超微粒子がシリカゲルの内部に担持されており、少なくとも1000℃で焼成してもアナターゼの結晶が維持されることを特徴とするアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル及びその製法、並びにその応用製品に関するものである。本発明は、例えば、自動車、居室、畜産などにおける脱臭あるいは有害汚染物質の無害化、環境におけるNOxの除去、染色排水の脱色、水槽の防藻、水や空気の殺菌などの幅広い分野に利用できる新しいアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル及びその応用製品を提供するものとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
水溶液に半導体の粉末を分散し、その物質のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光(アナターゼの場合は、380nm以下の波長の光)を照射すると、光励起により生成した電子と正孔が半導体粒子表面に移動し、水溶液中のイオン種や分子種に作用して、水の分解など様々な反応を引き起こすことは、半導体光触媒反応としてよく知られている。アナターゼ形酸化チタンが、代表的な光触媒として挙げられる。
これらの光触媒に、太陽光、蛍光灯、白熱灯、ブラックライト、紫外線ランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、冷陰極蛍光ランプなどの光を照射することにより、空気中の悪臭や有害物質の分解除去、廃水処理、浄水処理あるいは水中の微生物の殺菌など環境汚染物質の分解除去を行うことができる。
【0003】
高い光触媒活性を有する酸化チタン光触媒は、ナノオーダーの微粒子であり、取り扱いが困難であるため、先行技術文献には、例えば、チタンのアルコキシドから酸化チタンのゾルを作り、ディップコーティング法によってガラス基板上にコーティングした後、乾燥、焼成し、透明で耐水性、耐熱性、耐久性に優れた酸化チタン膜光触媒及び更に光電着法などによりその上に金属をコートした酸化チタン膜光触媒が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この種の方法は、ガラス、セラミックスなどの形状的に制約がある無機物質にしか利用できない上に、分解反応は光触媒の表面でしか生じないため、例えば、環境汚染物質の分解除去を連続的に行うには非常に大きな面積を必要とするなど実用上大きな問題点があった。
高い光触媒活性を有する酸化チタン光触媒は、有機繊維やプラスチックなどの媒体に練り込んで光照射すると媒体の劣化を生じることから、先行技術文献には、酸化チタン光触媒微粒子の表面の少なくとも一部に多孔質リン酸カルシウムの被覆層が形成されてなる粉体が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この種の方法は、酸化チタン光触媒微粒子の表面の光触媒活性は確かに抑制されているが、微粒子であることには変わりなく、空気中では飛散してしまうし、水中では濾過すらも困難で、塗料化しても微粒子のため塗膜に埋没して顕著な光触媒効果が得られず、抄造しても紙などの繊維に邪魔されて光触媒効果が得られ難いという大きな問題を有していた。
【0004】
また、先行技術文献には、光がシリカゲルの細孔内に十分に入るようにシリカゲル表面の酸化チタン薄膜を薄く形成し、かつ特定量の酸化チタンをシリカゲル細孔内に含ませて成る光触媒シリカゲルが提案されている(特許文献3参照)。しかし、この種のものは、シリカゲル表面の酸化チタン薄膜の作用によって有機繊維やプラスチックなどに接触させて使用すると劣化を招くという欠点があった。
更に、先行技術文献には、シリカゲルの表面近傍の細孔内に含ませる酸化チタン量を7〜70重量%とし、かつ当該酸化チタン量を当該シリカゲル中心部付近の細孔内に含ませる酸化チタン量の1.5倍以上となるように濃度勾配を持たせた酸化チタン光触媒高担持シリカゲルが提案されている(特許文献4参照)。しかし、この種のものは、シリカゲルに有機チタン等を含浸させてから加熱焼成しているため、焼成工程で有機チタンに含まれる溶剤が気化して炉内で爆発事故を引き起こす危険性があり、また、シリカゲルの細孔に含まれた有機チタン等が加熱焼成によって一部噴出す現象が見られ、高価な有機チタン等のロスのためコストアップの大きな要因となるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−65012号公報
【特許文献2】
特開平11−267519号公報
【特許文献3】
特許第3292872号明細書
【特許文献4】
特開2000−218160号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の酸化チタン光触媒は、形体が超微粉末又は薄膜状に限られていたり、有機繊維やプラスチックなどに接触させて使用すると劣化を招いたり、あるいは製造工程で爆発事故などの危険性があることから、当該技術分野ではこれらの問題の解決が求められていた。
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術における諸問題を抜本的に解決することができる新しい材料を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、X線結晶粒子径が所定の範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子をシリカゲルの内部に担持させたアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シルカゲルを用いることにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、X線結晶粒子径が2nm〜10nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子を含むアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル、及びその製造方法、並びにその成形体、シート及び水性塗料組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)X線結晶粒子径が2nm〜10nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子を含むアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルであって、アナターゼ形酸化チタン超微粒子がシリカゲルの内部に担持されていること、少なくとも1000℃で焼成してもアナターゼの結晶形が維持されること、を特徴とするアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル。
(2)前記(1)に記載の粉末状及び/又は粒状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの成形体より成ることを特徴とする光触媒機能を有する成形体。
(3)前記(1)に記載の粉末状アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの内、平均粒子径が0.1μm〜100μmの範囲にある粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを固形分に対して0.1重量%〜90重量%含むことを特徴とする光触媒機能を有するシート。
(4)前記(1)に記載の粉末状アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの内、平均粒子径が0.1μm〜100μmの範囲にある粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを塗料分に対して0.1重量%〜90重量%含むことを特徴とする水性塗料組成物。
(5)前記(1)に記載のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを製造する方法であって、粉末状及び/又は粒状のシリカゲルとチタン含有溶液を混合することにより、当該チタン含有溶液を当該シリカゲルに含ませた後、水又はお湯に投入して加水分解してから加熱焼成することによりX線結晶粒子径が2nm〜10nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子がシリカゲルの内部に担持されているアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを作製することを特徴とするアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明に用いられるシリカゲルは、非晶質の二酸化ケイ素であり、一般的に包装用乾燥剤、クロマトグラフィー用や触媒担持用などに用いられているものであって、超微粉末不定形品から粒状品まで各種のものがあり、これらを制限なく利用することができる。
本発明に係るシリカゲルの細孔内に含ませる酸化チタンは、X線結晶粒子径が2nm〜10nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子が望ましいが、3nm〜6nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタンとすると、高活性なアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを得ることができるのでより望ましい。なお、X線結晶粒子径が3nm未満であるとブルーシフトが起こり、より短波長の短い紫外線しか利用できないので通常の用途には適さない。本発明において、X線結晶粒子径とは、酸化チタン光触媒担持シリカゲルの粉末X線回折を行うとアナターゼに帰属される回折線のみが認められ、このようにして同定されたアナターゼをステップスキャンで測定し、バックグランドを除去した回折線(200)の広がりからSchellerの式で計算によって求めたものを言う。
【0009】
また、一般的に、アナターゼは、約650℃以上で安定な結晶形であるルチルに変化するが、本発明に係る製法によって酸化チタンをシリカゲル細孔内に担持すると、1000℃で焼成してもアナターゼ相(X線回折像で確認できる)のままである。これは、シリカゲルに担持されるアナターゼ形酸化チタンが超微粒子であるため、相互作用によって安定相が形成されることによるものと考えられる。図1に、本発明のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを600℃から1000℃で焼成した場合のX線回折像を示す。1000℃で焼成してもアナターゼ相を示すピークが認められる。
【0010】
本発明に用いられるチタン含有溶液としては、好適には、例えば、四塩化チタンや金属チタンとアルコールとの反応などによって得られるテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラキス(2−エチルへキシルオキシ) チタン、テトラステアリルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、チタニウムラクテートなどのチタンのアルコキシド、及びイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネートなどのチタネート系カップリング剤、などの有機チタン含有溶液、並びに硫酸チタン、塩化チタン、臭化チタンなどの無機チタン含有溶液、などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0011】
上述のチタン含有溶液は、単独でもそれらの混合物でも制限なく利用できるが、これらに限定されるものではなく、濃度調整のために相溶性のある溶剤で稀釈して用いてもよい。希釈液としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、N−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリクレン、プロピレンジクロライド、硫酸、塩酸、水などチタン含有溶液と相溶性のあるものであれば何でもよく、単独でもそれらの混合物でも制限なく利用できる。
また、前述のチタン含有溶液を安定化する目的で、ジエタノールアミン、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、酢酸などを制限なく利用できる。
【0012】
本発明に係るアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルは、シリカゲルと当該シリカゲルが有する全細孔容積とほぼ同容積のチタン含有溶液とを、例えば蓋付の円筒状の容器に入れて容器を回転、振動あるいは振とうなどすることにより当該チタン含有溶液をシリカゲルに含ませた後、水又はお湯に投入して加水分解し、シリカゲル細孔内に水酸化チタンを生成せしめてから加熱焼成することによって得られる。チタン含有溶液をシリカゲルに含ませた後、水又はお湯に投入して加水分解するのは、水又はお湯がシリカゲルの細孔に入ると、入り口で直ぐにチタン含有溶液が加水分解されて、白色の水酸化チタンの凝集物が生じてシリカゲルの入り口に栓をするように作用することにより、中のチタン含有溶液が水中に漏れ出ることがない。このことは、酸化チタンの担持量が理論計算値にほぼ一致することや、水が白濁しないことで証明される。
また、チタン含有溶液をシリカゲルに含ませた後、水又はお湯に投入する操作によって、シリカゲル表面に付着した水酸化チタンを洗い流す効果があり、これを焼成して製造したアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルは、その表面の光触媒活性は、極めて低く、紙や塗料などをほとんど分解せず、従来の表面活性がある光触媒のように光を照射すると紙や塗料などをボロボロにするというような欠点もないので、幅広い用途に利用することができる。
【0013】
加水分解するために投入する水の温度は、常温であれば問題ないが、常温では加水分解のスピードが遅いため、これを速くするためには、50℃〜100℃のお湯を使うか、投げ込みヒーターなどで加熱してもよい。
また、焼成温度は300℃〜1000℃であるが、400℃〜900℃とすることがより望ましく、500℃〜700℃とすることが最も望ましい。また、これらの操作は、必要に応じて複数回行ってもよいし、あらかじめ酸化チタンを担持しておいたシリカゲルを使っても差し支えない。なお、チタン含有溶液として有機チタンを用いた場合でも水又はお湯で処理することにより、加水分解で生じるアルコール類は大部分が水に移ることから炉内で爆発する危険性はほとんどない。本発明の方法により、アナターゼ形酸化チタン超微粒子がシリカゲルの内部に担持されており、少なくとも1000℃で焼成してもアナターゼの結晶形が維持される、粉末及び/又は粒状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルが得られる。
【0014】
本発明に係る光触媒機能を有する成形体は、本発明の方法により得られた粉末状及び/又は粒状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルに、バインダー、水などを加えて混練して、公知の方法でハニカム形状、柱状、棒状、円筒状、平板状、波板状、ループ状などに成形することによって得られる。なお、必要に応じて乾燥又は焼成してもよい。バインダーとしては、MC、CMC、でん粉、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、ポリビニルアルコール、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の有機系バインダー、低融点ガラス、水ガラス、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルチタン、ベントナイト、モンモリロナイト、リン酸アルミニウムなどの無機系バインダーを、単独又は2種類以上併用して用いてもよい。なお、成形体の光触媒活性、強度、多孔質化、吸着能などの向上を目的として蓄光材料、酸化チタン、界面活性剤、ガラス繊維、活性炭、木粉、包装用乾燥剤に使われるシリカゲル、ゼオライトなどを制限なく用いてもよい。
【0015】
本発明に係る光触媒機能を有するシートは、少なくとも本発明による上記粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル、繊維状物質及び支持体形成成分からなる。繊維状物質としては、公知の天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維、炭素繊維、金属繊維などから選ばれた少なくとも1種以上を必要に応じて、例えば、セルロース繊維の場合は均質化装置でフィブリル化し、ポリエステルの場合はアルカリ減量叩解法によってポリエステルパルプにしたものを制限なく利用できる。支持体形成成分としては、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ケフナなどの植物繊維などを少なくとも1種以上用いることができ、必要に応じてレーヨンなど再生繊維、金属繊維、フッ素系繊維などを少量混合することは差し支えない。
本発明に係る光触媒機能を有するシートの製法は、少なくとも本発明による上記粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル、及び繊維状物質を水中で水酸化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどの無機系、メタクリル酸含有共重合物など有機系の凝集剤の少なくとも1種以上を用いて凝集させて凝集体分散液とした後、支持体形成成分を混合してから湿式抄造法でシート化することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る光触媒機能を有するシートは、本発明の方法により得られた粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの内、平均粒子径が0.1μm〜100μmの範囲にあるものを用いるが、湿式抄造法でシート化する場合は平均粒子径が大きすぎるとシートができないので平均粒子径が1μm〜75μmの範囲にあるものを用いることがより望ましく、また、シートに0.1重量%〜90重量%含ませるが、0.5重量%〜30重量%含ませることが費用対効果の観点からより望ましい。
【0017】
本発明に係る水性塗料組成物は、本発明の方法により得られた粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルと水性塗料を、必要に応じて分散剤を添加してからビーズミル、3本ローラー、ボールミルなどの分散機にかけることにより得られる。水性塗料としては、フッ素塗料、アクリルシリコン塗料、シリコン塗料、ウレタン塗料、アクリル塗料、ウレタンアクリル塗料、エポキシエステル塗料、アクリルスチレン塗料などの水性塗料を制限なく利用できるが、これらに限定するものではない。分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系、ポリカルボン酸共重合体系、リグニンスルホン酸系、アルキルアミン塩系、ポリオキシエチレンアルキルアネミン系、フッ素系の界面活性剤、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、トリエタノ−ネアミンなどのポリアミンなどの少なくとも1種類以上を使用することができる。
【0018】
本発明に係る水性塗料組成物を得るには、本発明の方法により得られた粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの内、平均粒子径が0.1μm〜100μmの範囲にあるものを用いるが、平均粒子径が大きすぎると塗膜表面が荒れるので70μm以下とすることがより望ましい。塗料固形分に対する粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの添加量は0.1重量%〜90重量%とするが、0.5重量%〜30重量%含ませることが費用対効果の観点からより望ましい。
従来のアナターゼ担持光触媒は、超微粉末又は薄膜状に限られているため応用範囲が狭く実用的なものではなく、塗料など有機物に練り込んだ場合には強力な光触媒作用により塗料などを分解してしまうという致命的な欠点があったが、本発明のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルは、アナターゼ形酸化チタン光触媒でありながら表面が不活性であり、広範囲な用途に利用することができる。
【0019】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
比較例1
(市販の粉末状アナターゼ形酸化チタンの例)
200℃で6時間乾燥した市販のアナターゼ形酸化チタン(石原産業製ST−01:X線結晶径7nm、比表面積320m /g)を1000℃で3時間焼成した。これを測定試料として、粉末X線回折(理学電機製RAD−RB)を行ったところ、酸化チタンの結晶形は、ルチルであることが確認された。
【0020】
実施例1
(粒状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの作製例)
200℃で3時間乾燥した平均粒径が3mmのシリカゲル(富士シリシア化学製CARIACT Q−15:平均細孔径15nm、細孔容積1.0ml、比表面積200m /g)100gとチタンテトライソプロポキシド(三菱ガス化学製TPTをエタノールで希釈して、酸化チタン換算含有量16.5重量%に調整)100mlをポリエチレン容器に入れて、速やかに蓋をしてから、これをポットミル架台に乗せ、20rpmで1時間転動したところ、当該シリカゲルの表面がチタン溶液で湿った状態であった。そこで、過剰のチタン溶液を取り除くために、微粒状シリカゲル(30〜200メッシュ)5gを容器に入れて更に5分間転動したところ、該シリカゲルの表面が乾いた状態となったので転動を止めた。当該内容物すべてを25℃のイオン交換水中に少しずつ投入したが、水にほとんど白濁が認められなかった。
【0021】
引き続き30分間攪拌してから篩(10メッシュ)を用いて、後から入れた微粒状シリカゲルを取り除いた後、投げ込みヒーターを入れて6時間加熱してから水切りを行い、湿った状態の当該シリカゲルを、電気炉を用いて室温から1時間に200℃の昇温速度で700℃まで昇温し、焼成した。次いで、室温まで自然放冷して、本発明によるアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを得た。
得られたアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを、200℃で3時間乾燥した後、デシケーターに入れて室温(約25℃)まで冷却して試験試料(以下、試験試料A1と言う)とした。これをメノウ乳鉢を用いて粉末化して粉末にしたもの、及びそれを1000℃で焼成したものを測定試料として、X線回折(理学電機製RAD−RB)により調べた結果ところ、両方の試料とも酸化チタンの結晶形はアナターゼ形であった。次に、同定されたアナターゼをステップスキャンで測定し、バックグランドを除去した回折線(200)の広がりから求めたアナターゼのX線結晶粒径を求めたところ、4.7nmであった。
また、化学分析により酸化チタン濃度を測定したところ、13.8重量%(200℃乾燥重量基準)であった。
【0022】
比較例2
(従来の製法による粒状の酸化チタン光触媒担持シリカゲルの作製例)
200℃で3時間乾燥した平均粒径が3mmのシリカゲル(富士シリシア化学製CARIACT Q−15:平均細孔径15nm、細孔容積1.0ml、比表面積200m /g)100gとジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン(三菱ガス化学製TAA:酸化チタン換算含有量16.5重量%)98mlをポリエチレン容器に入れて、速やかに蓋をしてポットミル架台にこれを乗せ、20rpmで1時間転動した後、電気炉を用い室温から1時間に200℃の昇温速度で600℃まで加熱昇温して600℃で1時間保持した後、室温まで自然放冷し、従来の製法による粒状の酸化チタン光触媒担持シリカゲル(色は純白色)を得た。当該シリカゲルは、乾燥段階でチタン含有溶液が細孔内を表面近くに移動し、そこで液体が蒸発してチタン化合物がデポジットすることにより細孔を塞ぎ、内圧が上がってシリカゲルが割れるため、はなはだ利用価値の少ないものであった。
また、得られた従来の酸化チタン光触媒担持シリカゲルを200℃で3時間乾燥した後、デシケーターに入れて室温(約25℃)まで冷却して試験試料(以下、試験試料R1と言う)とした。これを粉末にして、X線回折(理学電機製RAD−RB)により調べた結果、酸化チタンの結晶形は、アナターゼであった。化学分析により酸化チタン濃度を測定したところ、12.8重量%(200℃乾燥重量基準)であったことから、使用した有機チタンに含まれる酸化チタン換算含有量の約8重量%がロスとなった。
【0023】
実施例2
(粒状のアナターゼ担持光触媒担持シリカゲルの作製例)
200℃で乾燥した平均粒径が3mmのシリカゲル(富士シリシア化学製CARiACT Q−50:平均細孔径50nm、細孔容積1.0ml、比表面積80m /g)100gとジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン(三菱ガス化学製TAA:酸化チタン換算含有量16.5重量%)100mlをポリエチレン容器に入れて、速やかに蓋をしてこれをポットミル架台に乗せ、20rpmで1時間転動したところ、当該シリカゲルの表面がチタン溶液で湿った状態であった。そこで、過剰のチタン溶液を取り除くために、粉末状シリカゲル(80メッシュ下)5gを容器に入れて更に5分間転動したところ、該シリカゲルの表面が乾いた状態となったので転動を止めた。当該内容物すべてを25℃のイオン交換水中に少しずつ投入したが、水はほとんど白濁が認められなかった。
その後、30分間穏やかに攪拌した後、篩(10メッシュ)を用いて、後から入れた粉末状シリカゲルを取り除いた後、投げ込みヒーターを入れて6時間加熱してから水切りを行い、湿った状態の当該シリカゲルを電気炉を用い室温から1時間に200℃の昇温速度で700℃まで焼成した。次いで、室温まで自然放冷して、本発明によるアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを得た。
【0024】
得られたアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを200℃で3時間乾燥した後、デシケーターに入れて室温(約25℃)まで冷却して試験試料(以下、試験試料A2と言う)とした。これをメノウ乳鉢を用いて粉末化して粉末にしたもの、及びそれを1000℃で焼成したものを測定試料として、X線回折(理学電機製RAD−RB)により調べた結果、両方の試料とも酸化チタンの結晶形は、アナターゼ形であった。次に、同定されたアナターゼをステップスキャンで測定し、バックグランドを除去した回折線(200)の広がりから求めたアナターゼのX線結晶粒径を求めたところ、5.7nmであった。
また、化学分析により酸化チタン濃度を測定したところ、13.9重量%(200℃乾燥重量基準)であった。
【0025】
試験試料R1、試験試料A1及び試験試料A2を用いて、光触媒製品技術協議会が定めた光触媒性能評価試験法IIb(2000年度版:ガスバッグB法)を参考にして試験を行った。シリカゲルなどの強い吸着効果を有し、かつ光触媒能を有する物質については、吸着効果と光触媒効果を分離することができないため、まず、試験試料を飽和吸着させておいてから光照射して光触媒効果だけを見る必要がある。
テドラーバッグ(材質PVF、呼称容量5L、ミニコック1個付)4個(暗条件用1個と明条件用3個)の片面にそれぞれ切り込みを入れ、そこから該試験試料10粒(約0.12g)の入った透明石英蒸発皿を入れた後、バッグ内の空気を排出して粘着テープを用いて密閉した。次いで、280ppmに濃度調整(ガス濃度測定には、ガスクロマトグラフを用いた)したアセトアルデヒドガスを3Lずつそれぞれのバッグにコックから注入した後、コックを閉じ、速やかに遮光して室温で5時間静置(予備試験で5時間で飽和吸着することを確認)したところ、5時間後には、どのバッグもほぼ100ppmになっていることが確認された。
【0026】
次に、試験試料R1、試験試料A1及び試験試料A2の明条件のバッグを取り出し、それぞれブラックライトで20時間照射したところ、本発明による粒状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル(試験試料A1と試験試料A2)は、従来の酸化チタン光触媒担持シリカゲルよりも顕著な光触媒活性が認められた(表1)。
【0027】
【表1】
Figure 2004305947
【0028】
比較例3
(従来の製法による粉末状の酸化チタン光触媒担持シリカゲルの作製例)
200℃で乾燥した平均粒径が10μmのシリカゲル(富士シリシア化学製CARIACT G−6:平均細孔径6nm、細孔容積0.7ml、比表面積500m /g)100gとチタンテトライソプロポキシド(三菱ガス化学製TPT:酸化チタン換算含有量28.2重量%)69ml及びアルミナ製の直径6mm粉砕ボール(新東ブイセラックス製)をポリエチレン容器に入れて、速やかに蓋をしてこれをポットミル架台に乗せ、20rpmで1時間転動した後、粉砕ボールを取り除き、室温で24時間乾燥してから電気炉を用いて室温から1時間に200℃の昇温速度で600℃まで加熱昇温し、600℃で1時間保持した後、室温まで自然放冷して、従来の製法による粉末状の酸化チタン光触媒担持シリカゲルを得た。
【0029】
また、得られた従来の酸化チタン光触媒担持シリカゲルを200℃で3時間乾燥した後、デシケーターに入れて室温(約25℃)まで冷却して試験試料(以下、試験試料R2と言う)とした。これを粉末化して粉末にしてX線回折(理学電機製RAD−RB、12kW)により調べた結果、酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ100%であった。化学分析により酸化チタン濃度を測定したところ、13.2重量%(200℃乾燥重量基準)であった。
【0030】
実施例3
(粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの作製例)
200℃で3時間乾燥した平均粒径が10μmのシリカゲル(富士シリシア化学製CARIACT G−10:平均細孔径10nm、細孔容積0.7ml、比表面積500m /g)100gとチタンテトライソプロポキシド(三菱ガス化学製TPT:酸化チタン換算含有量28.2重量%)69ml及びアルミナ製の直径6mm粉砕ボール(新東ブイセラックス製)をポリエチレン容器に入れて、速やかに蓋をしてこれをポットミル架台に乗せ、20rpmで1時間転動した後、当該内容物すべてを25℃のイオン交換水中に少しずつ投入して30分間穏やかに攪拌した後、粉砕ボールを取り除くと共に水切りを行い、湿った状態のシリカゲルを電気炉を用いて室温から1時間に200℃の昇温速度で450℃まで加熱昇温し、450℃で1時間保持した後、室温まで自然放冷して、本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを得た。
【0031】
得られたアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを200℃で3時間乾燥した後、デシケーターに入れて室温(約25℃)まで冷却して試験試料(以下、試験試料A3と言う)とした。これを粉末化して粉末にしてX線回折(理学電機製RAD−RB、12kW)により調べた結果、酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ100%であった。化学分析により酸化チタン濃度を測定したところ、16.1重量%(200℃乾燥重量基準)であった。
また、試験試料R2及び試験試料A3を用いて、光触媒製品技術協議会が定めた光触媒性能評価試験法IIb(2000年度版:ガスバッグB法)を参考にして試験を行った。
シリカゲルなどの強い吸着効果を有し、かつ光触媒能を有する物質については、吸着効果と光触媒効果を分離することができないため、まず、試験試料を飽和吸着させておいてから光照射して光触媒効果だけを見る必要がある。
テドラーバッグ(材質PVF、呼称容量5L、ミニコック1個付)3個(暗条件用1個と明条件用2個)の片面にそれぞれ切り込みを入れ、そこから該試験試料0.12gの入った透明石英蒸発皿を入れた後、バッグ内の空気を排出して粘着テープを用いて密閉した。次いで、280ppmに濃度調整(ガス濃度測定には、ガスクロマトグラフを用いた)したアセトアルデヒドガスを3Lずつそれぞれのバッグにコックから注入した後、コックを閉じ、すみやかに遮光して室温で5時間静置(予備試験で5時間で飽和吸着することを確認)したところ、5時間後にはどのバッグもほぼ130ppmになっていることが確認された。
【0032】
次に、試験試料R2及び試験試料A3の明条件のバッグを取り出し、それぞれブラックライトで20時間照射したところ、本発明による粒状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル(試験試料A1と試験試料A2)は、従来の酸化チタン光触媒担持シリカゲルよりも顕著な光触媒活性が認められた(表2)。
【0033】
【表2】
Figure 2004305947
【0034】
実施例4
(アナターゼ担持光触媒担持シリカゲルをバインダーにより成形体とする製法例)
実施例3と同様にして得た本発明によるアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル100重量部と粉末状のメチルセルロース(100メッシュ下)10重量部とをミキサーで混合した後、イオン交換水60重量部を添加し、三本ロールで混練(ロール温度は10〜15℃に制御)した後、得られた混練物を押出し成形機に投入し、平板形状の口金から押出してタイル形状にカットし、60℃で24時間予備乾燥した後、更に400℃で3時間乾燥して、当該アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルをバインダーによりシリカゲル成形体を得た。
得られたアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル成形体を25mm角で厚さ5mmの試験片を作製し、200℃で3時間乾燥した後、デシケーターに入れて室温(約25℃)まで冷却して試験試料(以下、試験試料B1と言う)とした。これを粉末にしてX線回折(理学電機製RAD−RB、12kW)により調べた結果、酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ100%であった。化学分析により酸化チタン濃度を測定したところ、20.2重量%(200℃乾燥重量基準)であった。
【0035】
実施例5
(アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルをバインダーにより成形体とする製法例)
200℃で乾燥した平均粒径が10μmのシリカゲル(富士シリシア化学製CARIACT G−6:平均細孔径6nm、細孔容積0.7ml、比表面積500m /g)100gとチタンテトライソプロポキシド(三菱ガス化学製TPT:酸化チタン換算含有量28.2重量%)69ml及びアルミナ製の直径6mm粉砕ボール(新東ブイセラックス製)をポリエチレン容器に入れて、速やかに蓋をしてこれをポットミル架台に乗せ、20rpmで1時間転動した後、当該内容物すべてを25℃の0.1Nアンモニア水中に少しずつ投入して30分間穏やかに攪拌した後、粉砕ボールを取り除くと共に水切りを行い、湿った状態のシリカゲルを電気炉を用いて室温から1時間に200℃の昇温速度で600℃まで加熱昇温し、600℃で6時間保持した後、室温まで自然放冷して、本発明によるアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを得た。これを100重量部と粉末状のメチルセルロース(100メッシュ下)10重量部とをミキサーで混合した後、イオン交換水60重量部を添加し、三本ロールで混練(ロール温度は10〜15℃に制御)した後、得られた混練物を押出し成形機に投入し、平板形状の口金から押出してタイル形状にカットした後、80℃で24時間乾燥して、本発明によるアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルをバインダーによりシリカゲル成形体を得た。
得られたアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル成形体を25mm角で厚さ5mmの試験片を作製し、80℃で3時間乾燥した後、デシケーターに入れて室温(約25℃)まで冷却して試験試料(以下、試験試料B2と言う)とした。これを粉末にしてX線回折(理学電機製RAD−RB、12kW)により調べた結果、酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ100%であった。化学分析により酸化チタン濃度を測定したところ、20.2重量%(200℃乾燥重量基準)であった。
【0036】
試験試料B1及び試験試料B2を用いて、光触媒製品技術協議会が定めた光触媒性能評価試験法IIb(2000年度版:ガスバッグB法)を参考にして試験を行った。シリカゲルなど強い吸着効果を有し、かつ光触媒能を有する物質については、吸着効果と光触媒効果を分離することができないため、まず、試験試料を飽和吸着させておいてから光照射して光触媒効果だけを見る必要がある。
テドラーバッグ(材質PVF、呼称容量5L、ミニコック1個付)3個(暗条件用1個と明条件用2個)の片面にそれぞれ切り込みを入れ、そこから該試験試料(約3g)の入った透明石英蒸発皿を入れた後、バッグ内の空気を排出して粘着テープを用いて密閉した。次いで、600ppmに濃度調整(ガス濃度測定には、ガスクロマトグラフを用いた)したアセトアルデヒドガスを3Lずつそれぞれのバッグにコックから注入した後、コックを閉じ、速やかに遮光して室温で5時間静置(予備試験で5時間で飽和吸着することを確認)したところ、5時間後にはどのバッグもほぼ100ppmになっていることが確認された。一方、明条件用バッグについてはブラックライトで光照射(紫外線強度1mW/cm )を20時間行った後、ガス濃度測定を行ったところ、0ppmであった(表3)。
【0037】
【表3】
Figure 2004305947
【0038】
比較例3
(市販の粉末状のアナターゼ形酸化チタンを含むシートの例)
200℃で6時間乾燥した市販のアナターゼ形酸化チタン(石原産業製ST−31:X線結晶径7nm、比表面積260m /g)20重量部及び繊維状物質(ダイセル化学製セリッシュKY−100S)3重量部を水に投入してミキサーで十分に分散した。そこに水酸化アルミニウム0.3重量部を添加し、アナターゼ形酸化チタンと繊維状物質を含む分散液を得た。
更に、支持体形成成分として、ポリエステル繊維(テイジン製テピルス)と低融点熱融着繊維(ユニチカ製メルティ−#4800)とを1:1の割合で水に徐々に加えて攪拌して支持体形成成分を含む分散液を得た。
【0039】
次に、アナターゼ形酸化チタンと支持体形成成分(固形分重量基準)とを2:8となるように各分散液を混合して、水を加えて全固形分を0.3重量%となるように調整した上でアニオン変性ポリアクリルアミドの0.1重量%を加えて増粘させ、丸網多筒式抄紙機で抄紙して坪量100g/m のアナターゼ形酸化チタン含有シートを得た。
得られた当該アナターゼ形酸化チタン含有シートを5cm×10cmの大きさに裁断して試験試料(以下、試験試料R3と言う)とした。
【0040】
実施例6
(粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを含む光触媒機能を有するシートの例)
実施例3で得られた本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを200℃で6時間乾燥したもの15重量部と繊維状物質(ダイセル化学製セリッシュKY−100S)3重量部を水に投入してミキサーで十分に分散した。そこに水酸化アルミニウム0.3重量部を添加し、本発明による粉末状アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルと繊維状物質を含む分散液を得た。
次に、支持体形成成分として、ポリエステル繊維(テイジン製テピルス)と低融点熱融着繊維(ユニチカ製メルティ−#4800)とを1:1の割合で水に徐々に加えて攪拌して支持体形成成分を含む分散液を得た。
本発明による粉末状アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルと支持体形成成分(固形分重量基準)とを15:85となるように各分散液を混合して、水を加えて全固形分を0.2重量%となるように調整した上でアニオン変性ポリアクリルアミドの0.1重量%を加えて増粘させ、丸網多筒式抄紙機で抄紙して坪量100g/m の本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン含有シートを得た。
得られた当該アナターゼ形酸化チタン含有シートを5cm×10cmの大きさに裁断して試験試料(以下、試験試料C1と言う)とした。
【0041】
試験試料R3及び試験試料C1を用いて、「光触媒材料−大気浄化性能試験方法」(JISZ0081)を参考にして光触媒性能評価試験を行った。この試験方法は、試験試料を入れた反応容器に一定濃度(1ppm)のNOガスを流し、出口ガスをNOx計で連続的に測定するというものであり、シリカゲルなどの強い吸着効果を有するものでも、一定時間NOガスを流して吸着平衡に達してから測定すれば吸着剤の影響をキャンセルできるという優れた特長がある。
試験試料の上面における紫外線強度を1.0mW/cm とし、NOガス流量を0.7リットル/分、入口NOガス濃度を1.0ppm、試験試料の上面と光照射するガラス製窓下面のギャップを5mmで試験を行った。吸着平衡に達してから2時間後の出口ガスのNO濃度をNOx計で測定した結果、表4に示すように、市販の粉末状アナターゼ形酸化チタンを入れたシートでは、ほとんど光触媒効果が見られなかったが、本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを入れた光触媒機能を有するシートでは、顕著な光触媒効果が見られた(表4)。
市販の粉末状のアナターゼ形酸化チタンを入れたシートには、ほとんど光触媒効果がなく、本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを入れたシートには、顕著な光触媒効果が認められる理由は、粒子の相対的な大きさによるものと考えられる。
市販の光触媒の粒子径は数十nmと極めて小さく、光触媒が支持体形成成分の影に隠れてしまうため光触媒効果が出にくいこと、一方、本発明によるものは平均粒子径が10μmと市販の光触媒の粒子径と比べると約1000倍の大きさであり、支持体形成成分と同じような大きさであるので、その間から光触媒が頭を出すことができるようになり、光を十分受けることができるので顕著な光触媒効果が得られることになると考えられる。
【0042】
【表4】
Figure 2004305947
【0043】
また、試験試料B3を2枚以上重ねて同様な試験を行ったが、本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを入れたシートでも光触媒効果が全く改善されなかった。このことは、光触媒効果を犠牲にすることなくシートの厚さを強度上問題がない限界まで薄くできるということを意味しており、表面に頭出しできれば、少ない光触媒の使用量(従って、低価格)で顕著な光触媒効果が得られることになる。
【0044】
比較例4
(市販の粉末状のアナターゼ形酸化チタンを入れた光触媒塗料の例)
200℃で6時間乾燥した市販のアナターゼ形酸化チタン(石原産業製ST−01:X線結晶径7nm、比表面積320m /g)をヘンシェルミキサーに入れて混合しながらその重量の1%の分散剤(サンナプコ製:SNディスパーサント5468)を少しずつ添加して光触媒の表面を分散剤でコーティングした。
次に、ウレタンアクリルエマルジョン(不揮発分45重量%)500gと市販のアナターゼ形酸化チタン33.75gをサンドミルを用いて分散して光触媒塗料を得た。
得られた塗料を乾燥したときの塗膜厚さが約10μmとなるように、表面をサンドペーパーで荒らしたアクリル樹脂版に塗布して室温で1日乾燥した後、5cm×10cmの大きさに切断して試験試料(以下、試験試料R4)を得た。
【0045】
実施例7
(水性塗料組成物の例)
実施例3で得られた本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを200℃で6時間乾燥したものをヘンシェルミキサーに入れて混合しながらその重量の1%の分散剤(サンナプコ製:SNディスパーサント5468)を少しずつ添加して光触媒の表面を分散剤でコーティングした。
次に、ウレタンアクリルエマルジョン(不揮発分45重量%)500gと本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル33.75gをサンドミルを用いて分散して光触媒塗料を得た。
得られた塗料を乾燥したときの塗膜厚さが約10μmとなるように、表面をサンドペーパーで荒らしたアクリル樹脂版に塗布して室温で1日乾燥した後、5cm×10cmの大きさに切断して試験試料(以下、試験試料D1)を得た。
【0046】
試験試料R4及び試験試料D1を用いて、「光触媒材料−大気浄化性能試験方法」(JISZ0081)を参考にして光触媒性能評価試験を行った。この試験方法は、試験試料を入れた反応容器に一定濃度(1ppm)のNOガスを流し、出口ガスをNOx計で連続的に測定するというものであり、シリカゲルなどの強い吸着効果を有するものでも、一定時間NOガスを流して吸着平衡に達してから測定すれば吸着剤の影響をキャンセルできるという優れた特長がある。
試験試料の上面における紫外線強度を1.0mW/cmとし、NOガス流量を0.7リットル/分、入口NOガス濃度を1.0ppm、試験試料の上面と光照射するガラス製窓下面のギャップを5mmで試験を行った。吸着平衡に達してから2時間後の出口ガスのNO濃度をNOx計で測定した結果、表5に示すように、市販の粉末状アナターゼ形酸化チタンを入れた塗膜では、ほとんど光触媒効果が見られなかったが、本発明による粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを入れた水性塗料組成物では、顕著な光触媒効果が見られた(表5)。
【0047】
【表5】
Figure 2004305947
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明は、アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル及びその製法に係るものであり、本発明により、(1)本発明によるアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルは、安全性が高く、用途に応じて粒状から粉末状まで各種の粒度の中から選択が可能である、(2)アナターゼ形酸化チタン光触媒は、シリカゲルの内部に担持されており、その表面にはほとんど存在しないため、本来なら光触媒作用によって分解されるはずのプラスチック、塗料、紙などにも制約なく練り込むことができる、(3)アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを練り込んだ材料を、壁、床、天井材などに用いれば、ホルマリン、アセトアルデヒド、NOxなどの室内環境汚染物質の分解無害化や悪臭物質を分解することができるなど広範囲な用途に利用することができる、という効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シルカゲルを焼成した場合のX線回折像を示す。

Claims (5)

  1. X線結晶粒子径が2nm〜10nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子を含むアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルであって、アナターゼ形酸化チタン超微粒子がシリカゲルの内部に担持されていること、少なくとも1000℃で焼成してもアナターゼの結晶形が維持されること、を特徴とするアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲル。
  2. 請求項1に記載の粉末状及び/又は粒状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの成形体より成ることを特徴とする光触媒機能を有する成形体。
  3. 請求項1に記載の粉末状アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの内、平均粒子径が0.1μm〜100μmの範囲にある粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを固形分に対して0.1重量%〜90重量%含むことを特徴とする光触媒機能を有するシート。
  4. 請求項1に記載の粉末状アナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの内、平均粒子径が0.1μm〜100μmの範囲にある粉末状のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを塗料分に対して0.1重量%〜90重量%含むことを特徴とする水性塗料組成物。
  5. 請求項1に記載のアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを製造する方法であって、粉末状及び/又は粒状のシリカゲルとチタン含有溶液を混合することにより、当該チタン含有溶液を当該シリカゲルに含ませた後、水又はお湯に投入して加水分解してから加熱焼成することによりX線結晶粒子径が2nm〜10nmの範囲にあるアナターゼ形酸化チタン超微粒子がシリカゲルの内部に担持されているアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルを作製することを特徴とするアナターゼ形酸化チタン光触媒担持シリカゲルの製造方法。
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