JP2004305155A - トコフェロール及びトコトリエノールの製造方法 - Google Patents
トコフェロール及びトコトリエノールの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】大量の脂肪酸中に少量のトコフェロール及びトコトリエノール類含む原料から、トコフェロール及びトコトリエノール類を有効に濃縮回収する方法の開発を課題とする。
【解決手段】パーム油脂肪酸留出物(PFAD)中の遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドをリパーゼを用い低級アルコールでエステル化・エステル交換し脂肪酸低級アルコールエステルを生成させ、その後、蒸留または陰イオン交換樹脂によりトコフェロール及びトコトリエノールの濃縮物を得る。
【選択図】 なし
【解決手段】パーム油脂肪酸留出物(PFAD)中の遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドをリパーゼを用い低級アルコールでエステル化・エステル交換し脂肪酸低級アルコールエステルを生成させ、その後、蒸留または陰イオン交換樹脂によりトコフェロール及びトコトリエノールの濃縮物を得る。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーム油副産物であるパーム油脂肪酸留出物(PFAD)から、トコフェロール及びトコトリエノールを精製濃縮する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーム油脂肪酸留出物(PFAD)からトコフェロールとトコトリエノールを濃縮する他の方法は、逆相液体クロマトグラフ法による分割(特開2001−122869号公報(特許文献1))、溶媒抽出、溶媒分別を行った後、イオン交換樹脂処理や蒸留等が検討されている。しかし、これらの工程は大量の溶剤を使用し、経済的なものではなかった。
【0003】
また、実際の生産レベルでの精製方法としては、特開平2−9875号公報(特許文献2)に示されるように、遊離脂肪酸や混在するグリセライドをアルキルエステル化し、そのアルキルエステルを蒸留により除去し、その後イオン交換及び蒸留等の精製を行う方法が知られているが、それらは、大量の溶剤を使用し、しかも遊離脂肪酸をエステル化するときに使用する酸触媒の影響により、トコトリエノールの変性がある程度避けられないという欠点がある。トコトリエノールの変性は、回収率の低下を招くだけでなく、精製物の品質にも大きな影響を与える。さらに、使用するアルコール量も必要量の5倍モル以上必要であり経済的には大掛かりな装置が必要になる。また、前処理としてあらかじめパーム油脂肪酸留出物(PFAD)中の遊離脂肪酸を蒸留により除去する方法も示されているが、トコフェロール及びトコトリエノールの含有量が低濃度段階で脱脂肪酸蒸留を行うにもかかわらず、薄膜流下型や遠心式などの高性能な蒸留装置を必要とし、しかもトコフェロール及びトコトリエノールと脂肪酸の沸点が類似しているため分離も完全には出来ない。
【0004】
さらに、大量の溶剤や酸触媒を使用しない従来の技術として、米国特許第5,660,691号明細書(特許文献3)に示されるように、トコフェロール及びトコトリエノールを含む精製原料中の、ステロールのようなトコフェロール及びトコトリエノールと同じような沸点を持つアルコール類をあらかじめ加熱することにより、脂肪酸とのエステルを形成させ高沸点化合物とし、蒸留操作を用いてトコフェロール及びトコトリエノールを留分として回収する方法も提示されている。しかしながらこの方法では、ステロールや高級アルコールと脂肪酸をエステル化する際に、トコフェロール及びトコトリエノールもエステル化反応を起こし、回収率が低下する。特にパーム油脂肪酸留出物(PFAD)のような大量の遊離脂肪酸中に、低濃度のトコフェロール及びトコトリエノールを含む原料ではその傾向が顕著である。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−122869号公報
【特許文献2】
特開平2−9875号公報
【特許文献3】
米国特許第5,660,691号明細書
【特許文献4】
特開平11−49767号公報
【特許文献5】
特開2001−342133号公報
【非特許文献1】
J.Biol.Chem.,261,p10544,1986年
【非特許文献2】
Chem.Pharm.Bull.,37,p1369,1989年
【非特許文献3】
化学工業資料vol.17,No.6 p225
【非特許文献4】
JAOCS,Vol.62,no.2,p237,1985
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
大量の脂肪酸中に少量のトコフェロール及びトコトリエノール類を含む原料から、トコフェロール及びトコトリエノール類を有効に濃縮回収する方法の開発を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、酵素法を主体として蒸留法、イオン交換樹脂法を組み合わせることにより効率良く且つ変性のないトコフェロール及びトコトリエノール類を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は
(1)パーム油脂肪酸留出物(PFAD)に含まれる、遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドと低級アルコールを微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換反応をさせ、蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルを除去し、陰イオン交換樹脂によりトコフェロール及びトコトリエノールを精製することを特徴とするトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法、
(2)パーム油脂肪酸留出物(PFAD)に含まれる遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドと低級アルコールを微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換反応をさせ、蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルを除去し残渣のトコフェロール及びトコトリエノールの含量が0.5〜70重量%になるまで蒸留を行う、(1)に記載のトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法、
(3)微生物由来のリパーゼが、キャンディダ属、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属に属する微生物由来であるもの(1)または(2)に記載のトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法
に関する。
【0009】
トコフェロールは
【化1】及び
【表1】に示される構造を有し、天然には4種
の同族体が存在する。また、トコトリエノールは
【化2】及び
【表2】に示される構造を有し、天然には4種の同族体が存在する。
【0010】
【化1】
【0011】
【表1】
【0012】
【化2】
【0013】
【表2】
【0014】
大量の脂肪酸中から少量のトコフェロール及びトコトリエノール類を濃縮回収する場合、脂肪酸との分離が最も重要であるが、従来の技術では、脂肪酸のアルキルエステル化を行う場合は酸触媒の影響でトコトリエノールの変性が起こる。また、蒸留を用いて脂肪酸を分離、留分にトコフェロール及びトコトリエノール類を濃縮回収しようとすると、脂肪酸とトコフェロール及びトコトリエノール類のエステル化反応が起こり、回収率が低下する。特にトコフェロール及びトコトリエノール類が150〜8500ppmと低濃度で、脂肪酸を85〜90%と多量に含む、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)を原料とした場合、反応の進行が早い。
【0015】
各トコフェロール及びトコトリエノール異性体の脂肪酸とのエステル化反応速度は、δ−>β−,γ−>α−トコフェロール/トコトリエノールである。パーム油中にはγ−トコトリエノールが最も多く、δ−トコトリエノールも含まれている。このことからも特にパーム油脂肪酸留出物(PFAD)を原料とした場合、回収率の低下をもたらす。さらにトコフェロール及びトコトリエノール類と脂肪酸との沸点が近いため、高性能な蒸留装置を用いても、完全に分離することは難しい。
【0016】
本発明はリパーゼを用い温和な条件下でトコフェロール及びトコトリエノール類を含むパーム油脂肪酸留出物(PFAD)中の脂肪酸、脂肪酸グリセリドを低級アルコールとエステル化・エステル交換し、トコフェロール及びトコトリエノール類を蒸留、陰イオン交換樹脂で濃縮・精製することを特徴とするトコフェロール及びトコトリエノール類の製造方法を提供する。
また、必要に応じエステル交換、再エステル化、水蒸気蒸留や脱酸などの工程を行って脂肪酸グリセリド、遊離脂肪酸を除去してもよい。
【0017】
トコフェロール類はその優れた生理活性や抗酸化力により、医薬品や健康食品あるいは化粧品などで、幅広く用いられている。主な生理活性は抗不妊活性・抗筋萎縮活性・抗溶血活性・老化防止などであり、特に生体内での抗酸化力によって、活性酸素が引き起こす疾病類の予防が主用途である。トコフェロール類の抗酸化力は生体内だけに止まらず、易酸化性の食品類などの酸化防止剤としても幅広く用いられている。
【0018】
また、トコトリエノールは血清中のコレステロール低下作用(J.Biol.Chem.,261,p10544,1986年(非特許文献1))による心臓疾病の予防効果や、発癌抑制作用(Chem.Pharm.Bull.,37,p1369,1989年(非特許文献2))、免疫腑活作用(特開平11−49767号公報(特許文献4))の他に利尿剤、ナトリウムイオン***剤、高血圧予防治療剤、虚血性心疾患予防剤としての利用(特開2001−342133(特許文献5))が期待されている。
【0019】
トコフェロールは大豆や菜種など、多くの植物油脂中に含まれており、これらの精製工程から排出される脱臭留出油からトコフェロール精製物が製造されている。一方、パーム油及びコメ油は、トコフェロールとトコトリエノールの両者を含んでいる。粗パーム油では600〜1000ppmを含んでおり、その構成比率はトコトリエノールが70〜80%を占める(化学工業資料vol.17,No.6 p225(非特許文献3))。粗コメ油では約800ppmを含んでいて、トコトリエノールはその内の約50%である。
【0020】
パーム油脂肪酸留出物(PFAD)は、パーム油の脱酸、脱臭工程より排出されるパーム油副産物で主成分は脂肪酸で85〜90%の遊離脂肪酸を含有し、トコフェロール及びトコトリエノール類は合計で150〜8500ppm含有している(JAOCS,Vol.62,no.2,p237,1985(非特許文献4))。
【0021】
一方、コメ油製造工程より排出されるコメ油脱臭留出物は、トコフェロール及びトコトリエノール類の合計でおよそ3.9%(化学工業資料vol.17,No.6 p225(非特許文献3))を含有している。
【0022】
なお、トコフェロールは医薬、食品添加物、健康食品等、またトコトリエノールは食品添加物、健康食品等に利用されている。
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例を示す。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明において原料となるトコフェロール及びトコトリエノール類を含むパーム油脂肪酸留出物(PFAD)はパーム油を脱臭精製する時に発生するものであり、トコフェロール及びトコトリエノール類が150〜8500ppmと低濃度で、脂肪酸を85〜90%を含んでいる。
【0024】
まずこのパーム油脂肪酸留出物の脂肪酸のエステル化を微生物由来のリパーゼで行う。このエステル化は次の工程の蒸留による分割を効率的に行われるようにするものである。
【0025】
前記留出物を微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換する低級アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。このエステル化・エステル交換反応は静置でも進行するが、撹拌下で反応させると効率的であり、リパーゼをイオン交換樹脂、活性炭、珪藻土、多孔性樹脂に吸着させ、これを充填したカラムを用いて連続的に行うこともできる。低級アルコールの添加量は脂肪酸、脂肪酸グリセリド量から計算される必要量の1〜5倍モルが好ましく、1.1〜2.0倍モルがより好ましい。低級アルコールの添加方法は反応初期から全量添加してもよいが、段階的に添加してもよい。反応温度は25〜70℃が好ましいが30〜45℃がより好ましい。
【0026】
リパーゼとしては、市販のもの(例えば、商品名リパーゼQLM(名糖産業社製)、ノボザイム435(ノボノルディスク社製))を用いることができ、例えばキャンディダ属、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属に属する微生物由来のリパーゼが挙げられる。特にキャンディダ属、アルカリゲネス属に属する微生物由来のリパーゼが効率良く使用できる点で好ましい。ノボザイム435(ノボノルディスク社)は、キャンディダ属に属するものであり、リパーゼQLM(名糖産業社製)はアルカリゲネス属に属するものである。
【0027】
リパーゼの添加量は前記留出物あたり0.01%〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。また、ノボザイム435については、カラム法で使用したほうがより効率的である。
【0028】
エステル化終了後、酵素とエステル化・エステル交換終了油を遠心分離もしくは濾過で分別し回収された酵素は次回の反応に用いる。分離されたエステル化・エステル交換終了油は脂肪酸含量が1〜7%になっておりここで常法により脱酸を行っても良い。
【0029】
上記エステル化・エステル交換終了油は真空蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルは除かれる。真空蒸留における圧力は4Torr以下、好ましくは1Torr以下である。また、真空蒸留における温度は140〜190℃の範囲で行うことが好ましい。この蒸留により大部分の脂肪酸低級アルコールエステル及び低沸点化合物を除去することによって、トコフェロール及びトコトリエノール類のほとんどを残渣に残すことができる。蒸留された脂肪酸低級アルコールエステルは、バイオディーゼル燃料、石鹸原料として使用できる。残渣として得られたトコフェロール及びトコトリエノール類濃縮物は、トコフェロール及びトコトリエノール類の含量を5〜150倍まで濃縮することができ、トコフェロール及びトコトリエノール類のロスはほとんどない。
【0030】
残渣として得られた濃縮物はトコフェロール及びトコトリエノール類以外に脂肪酸グリセリド、炭化水素、ステロール脂肪酸エステルが主成分となり、必要に応じて脂肪酸グリセリドをアルカリ触媒のエステル交換で脂肪酸低級アルコールエステルとした後、従来の方法であるイオン交換樹脂処理、分子蒸留、等に代表される、種々の精製工程を行うことで、高純度な精製物を経済的に生産することができる。
【0031】
従来の技術では、特に、大量の遊離脂肪酸中に低濃度のトコフェロール及びトコトリエノールを含む、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)のような原料からは、トコトリエノールの変性を起こさずに工業的に濃縮回収することは困難であったが、本発明によれば、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)から、目的物の変性を伴わず、安価に濃縮精製することができる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
200mlナス型フラスコに、パーム油脂肪酸留出物(PFAD、トコフェロール濃度0.09%、トコトリエノール濃度0.26% 酸価 184)67.5g、メタノール5.4g、リパーゼQLM 0.5gを仕込み、40℃で16時間撹拌しエステル化・エステル交換反応を行った。さらにメタノール4.1gを添加し7時間撹拌反応を行った。反応終了後濾過で酵素を分離し蒸留によりメタノールを除去し、68.0gの濃縮物を得た。この濃縮物の酸価は12.5であり、これを165℃、圧力0.05Torrで蒸留を行い、4.5gの残渣(トコフェロール濃度1.4%、トコトリエノール濃度3.5% 酸価 13)を回収した。
【0033】
次にこの残渣中の脂肪酸を常法で脱酸後、イオン交換樹脂処理、分子蒸留を行い0.19gのトコフェロール及びトコトリエノール類画分(トコフェロール濃度24.9%、トコトリエノール濃度66.1%)を回収した。また、このトコフェロール及びトコトリエノール類画分にはトコフェロール及びトコトリエノール変性物は見られなかった。
【0034】
(実施例2)
300ml三角フラスコに、パーム油脂肪酸留出物(PFAD、トコフェロール濃度0.09%、トコトリエノール濃度0.26% 酸価 184)67.5g、メタノール9.5g、ノボザイム435 0.5gを仕込み、40℃で24時間往復振とうしエステル化・エステル交換反応を行った。反応終了後濾過で酵素を分離し蒸留によりメタノールを除去し、68.7gの濃縮物を得た。この濃縮物の酸価は8.7であり、これを160℃、圧力0.05Torrで蒸留を行い、6.1gの残渣(トコフェロール濃度1.0%、トコトリエノール濃度2.6% 酸価 15)を回収した。次にこの残渣中の脂肪酸を常法で脱酸後、イオン交換樹脂処理、分子蒸留を行い0.20gのトコフェロール及びトコトリエノール類画分(トコフェロール濃度25.6%、トコトリエノール濃度65.6%)を回収した。また、このトコフェロール及びトコトリエノール類画分にはトコフェロール及びトコトリエノール変性物は見られなかった。
【0035】
(比較例)
500mlナス型フラスコに、パーム油脂肪酸留出物(PFAD、トコフェロール濃度0.09%、トコトリエノール濃度0.26% 酸価 184)100.2g メタノール60g 硫酸10gを仕込み75℃で3時間還留し脂肪酸をエステル化させた。エステル化終了後、水洗を行い濃縮し103.2gの濃縮物を得た。この濃縮物の酸価は2.5であり、これを160℃、圧力0.05Torrで蒸留を行い、12.5gの残渣(トコフェロール濃度0.64%、トコトリエノール濃度1.5% 酸価 15)を回収した。次にこの残渣中の脂肪酸を定法で脱酸後、イオン交換樹脂処理、分子蒸留を行い0.33gのトコフェロール及びトコトリエノール類画分(トコフェロール濃度20.9%、トコトリエノール濃度51.5%)を回収した。また、このトコフェロール及びトコトリエノール類画分にはトコフェロール及びトコトリエノール変性物が約20%ほど確認された。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)から、トコフェロール及びトコトリエノールを効率良く経済的に精製することができ、しかも変性物の発生がない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーム油副産物であるパーム油脂肪酸留出物(PFAD)から、トコフェロール及びトコトリエノールを精製濃縮する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーム油脂肪酸留出物(PFAD)からトコフェロールとトコトリエノールを濃縮する他の方法は、逆相液体クロマトグラフ法による分割(特開2001−122869号公報(特許文献1))、溶媒抽出、溶媒分別を行った後、イオン交換樹脂処理や蒸留等が検討されている。しかし、これらの工程は大量の溶剤を使用し、経済的なものではなかった。
【0003】
また、実際の生産レベルでの精製方法としては、特開平2−9875号公報(特許文献2)に示されるように、遊離脂肪酸や混在するグリセライドをアルキルエステル化し、そのアルキルエステルを蒸留により除去し、その後イオン交換及び蒸留等の精製を行う方法が知られているが、それらは、大量の溶剤を使用し、しかも遊離脂肪酸をエステル化するときに使用する酸触媒の影響により、トコトリエノールの変性がある程度避けられないという欠点がある。トコトリエノールの変性は、回収率の低下を招くだけでなく、精製物の品質にも大きな影響を与える。さらに、使用するアルコール量も必要量の5倍モル以上必要であり経済的には大掛かりな装置が必要になる。また、前処理としてあらかじめパーム油脂肪酸留出物(PFAD)中の遊離脂肪酸を蒸留により除去する方法も示されているが、トコフェロール及びトコトリエノールの含有量が低濃度段階で脱脂肪酸蒸留を行うにもかかわらず、薄膜流下型や遠心式などの高性能な蒸留装置を必要とし、しかもトコフェロール及びトコトリエノールと脂肪酸の沸点が類似しているため分離も完全には出来ない。
【0004】
さらに、大量の溶剤や酸触媒を使用しない従来の技術として、米国特許第5,660,691号明細書(特許文献3)に示されるように、トコフェロール及びトコトリエノールを含む精製原料中の、ステロールのようなトコフェロール及びトコトリエノールと同じような沸点を持つアルコール類をあらかじめ加熱することにより、脂肪酸とのエステルを形成させ高沸点化合物とし、蒸留操作を用いてトコフェロール及びトコトリエノールを留分として回収する方法も提示されている。しかしながらこの方法では、ステロールや高級アルコールと脂肪酸をエステル化する際に、トコフェロール及びトコトリエノールもエステル化反応を起こし、回収率が低下する。特にパーム油脂肪酸留出物(PFAD)のような大量の遊離脂肪酸中に、低濃度のトコフェロール及びトコトリエノールを含む原料ではその傾向が顕著である。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−122869号公報
【特許文献2】
特開平2−9875号公報
【特許文献3】
米国特許第5,660,691号明細書
【特許文献4】
特開平11−49767号公報
【特許文献5】
特開2001−342133号公報
【非特許文献1】
J.Biol.Chem.,261,p10544,1986年
【非特許文献2】
Chem.Pharm.Bull.,37,p1369,1989年
【非特許文献3】
化学工業資料vol.17,No.6 p225
【非特許文献4】
JAOCS,Vol.62,no.2,p237,1985
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
大量の脂肪酸中に少量のトコフェロール及びトコトリエノール類を含む原料から、トコフェロール及びトコトリエノール類を有効に濃縮回収する方法の開発を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、酵素法を主体として蒸留法、イオン交換樹脂法を組み合わせることにより効率良く且つ変性のないトコフェロール及びトコトリエノール類を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は
(1)パーム油脂肪酸留出物(PFAD)に含まれる、遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドと低級アルコールを微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換反応をさせ、蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルを除去し、陰イオン交換樹脂によりトコフェロール及びトコトリエノールを精製することを特徴とするトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法、
(2)パーム油脂肪酸留出物(PFAD)に含まれる遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドと低級アルコールを微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換反応をさせ、蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルを除去し残渣のトコフェロール及びトコトリエノールの含量が0.5〜70重量%になるまで蒸留を行う、(1)に記載のトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法、
(3)微生物由来のリパーゼが、キャンディダ属、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属に属する微生物由来であるもの(1)または(2)に記載のトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法
に関する。
【0009】
トコフェロールは
【化1】及び
【表1】に示される構造を有し、天然には4種
の同族体が存在する。また、トコトリエノールは
【化2】及び
【表2】に示される構造を有し、天然には4種の同族体が存在する。
【0010】
【化1】
【0011】
【表1】
【0012】
【化2】
【0013】
【表2】
【0014】
大量の脂肪酸中から少量のトコフェロール及びトコトリエノール類を濃縮回収する場合、脂肪酸との分離が最も重要であるが、従来の技術では、脂肪酸のアルキルエステル化を行う場合は酸触媒の影響でトコトリエノールの変性が起こる。また、蒸留を用いて脂肪酸を分離、留分にトコフェロール及びトコトリエノール類を濃縮回収しようとすると、脂肪酸とトコフェロール及びトコトリエノール類のエステル化反応が起こり、回収率が低下する。特にトコフェロール及びトコトリエノール類が150〜8500ppmと低濃度で、脂肪酸を85〜90%と多量に含む、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)を原料とした場合、反応の進行が早い。
【0015】
各トコフェロール及びトコトリエノール異性体の脂肪酸とのエステル化反応速度は、δ−>β−,γ−>α−トコフェロール/トコトリエノールである。パーム油中にはγ−トコトリエノールが最も多く、δ−トコトリエノールも含まれている。このことからも特にパーム油脂肪酸留出物(PFAD)を原料とした場合、回収率の低下をもたらす。さらにトコフェロール及びトコトリエノール類と脂肪酸との沸点が近いため、高性能な蒸留装置を用いても、完全に分離することは難しい。
【0016】
本発明はリパーゼを用い温和な条件下でトコフェロール及びトコトリエノール類を含むパーム油脂肪酸留出物(PFAD)中の脂肪酸、脂肪酸グリセリドを低級アルコールとエステル化・エステル交換し、トコフェロール及びトコトリエノール類を蒸留、陰イオン交換樹脂で濃縮・精製することを特徴とするトコフェロール及びトコトリエノール類の製造方法を提供する。
また、必要に応じエステル交換、再エステル化、水蒸気蒸留や脱酸などの工程を行って脂肪酸グリセリド、遊離脂肪酸を除去してもよい。
【0017】
トコフェロール類はその優れた生理活性や抗酸化力により、医薬品や健康食品あるいは化粧品などで、幅広く用いられている。主な生理活性は抗不妊活性・抗筋萎縮活性・抗溶血活性・老化防止などであり、特に生体内での抗酸化力によって、活性酸素が引き起こす疾病類の予防が主用途である。トコフェロール類の抗酸化力は生体内だけに止まらず、易酸化性の食品類などの酸化防止剤としても幅広く用いられている。
【0018】
また、トコトリエノールは血清中のコレステロール低下作用(J.Biol.Chem.,261,p10544,1986年(非特許文献1))による心臓疾病の予防効果や、発癌抑制作用(Chem.Pharm.Bull.,37,p1369,1989年(非特許文献2))、免疫腑活作用(特開平11−49767号公報(特許文献4))の他に利尿剤、ナトリウムイオン***剤、高血圧予防治療剤、虚血性心疾患予防剤としての利用(特開2001−342133(特許文献5))が期待されている。
【0019】
トコフェロールは大豆や菜種など、多くの植物油脂中に含まれており、これらの精製工程から排出される脱臭留出油からトコフェロール精製物が製造されている。一方、パーム油及びコメ油は、トコフェロールとトコトリエノールの両者を含んでいる。粗パーム油では600〜1000ppmを含んでおり、その構成比率はトコトリエノールが70〜80%を占める(化学工業資料vol.17,No.6 p225(非特許文献3))。粗コメ油では約800ppmを含んでいて、トコトリエノールはその内の約50%である。
【0020】
パーム油脂肪酸留出物(PFAD)は、パーム油の脱酸、脱臭工程より排出されるパーム油副産物で主成分は脂肪酸で85〜90%の遊離脂肪酸を含有し、トコフェロール及びトコトリエノール類は合計で150〜8500ppm含有している(JAOCS,Vol.62,no.2,p237,1985(非特許文献4))。
【0021】
一方、コメ油製造工程より排出されるコメ油脱臭留出物は、トコフェロール及びトコトリエノール類の合計でおよそ3.9%(化学工業資料vol.17,No.6 p225(非特許文献3))を含有している。
【0022】
なお、トコフェロールは医薬、食品添加物、健康食品等、またトコトリエノールは食品添加物、健康食品等に利用されている。
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例を示す。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明において原料となるトコフェロール及びトコトリエノール類を含むパーム油脂肪酸留出物(PFAD)はパーム油を脱臭精製する時に発生するものであり、トコフェロール及びトコトリエノール類が150〜8500ppmと低濃度で、脂肪酸を85〜90%を含んでいる。
【0024】
まずこのパーム油脂肪酸留出物の脂肪酸のエステル化を微生物由来のリパーゼで行う。このエステル化は次の工程の蒸留による分割を効率的に行われるようにするものである。
【0025】
前記留出物を微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換する低級アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。このエステル化・エステル交換反応は静置でも進行するが、撹拌下で反応させると効率的であり、リパーゼをイオン交換樹脂、活性炭、珪藻土、多孔性樹脂に吸着させ、これを充填したカラムを用いて連続的に行うこともできる。低級アルコールの添加量は脂肪酸、脂肪酸グリセリド量から計算される必要量の1〜5倍モルが好ましく、1.1〜2.0倍モルがより好ましい。低級アルコールの添加方法は反応初期から全量添加してもよいが、段階的に添加してもよい。反応温度は25〜70℃が好ましいが30〜45℃がより好ましい。
【0026】
リパーゼとしては、市販のもの(例えば、商品名リパーゼQLM(名糖産業社製)、ノボザイム435(ノボノルディスク社製))を用いることができ、例えばキャンディダ属、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属に属する微生物由来のリパーゼが挙げられる。特にキャンディダ属、アルカリゲネス属に属する微生物由来のリパーゼが効率良く使用できる点で好ましい。ノボザイム435(ノボノルディスク社)は、キャンディダ属に属するものであり、リパーゼQLM(名糖産業社製)はアルカリゲネス属に属するものである。
【0027】
リパーゼの添加量は前記留出物あたり0.01%〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。また、ノボザイム435については、カラム法で使用したほうがより効率的である。
【0028】
エステル化終了後、酵素とエステル化・エステル交換終了油を遠心分離もしくは濾過で分別し回収された酵素は次回の反応に用いる。分離されたエステル化・エステル交換終了油は脂肪酸含量が1〜7%になっておりここで常法により脱酸を行っても良い。
【0029】
上記エステル化・エステル交換終了油は真空蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルは除かれる。真空蒸留における圧力は4Torr以下、好ましくは1Torr以下である。また、真空蒸留における温度は140〜190℃の範囲で行うことが好ましい。この蒸留により大部分の脂肪酸低級アルコールエステル及び低沸点化合物を除去することによって、トコフェロール及びトコトリエノール類のほとんどを残渣に残すことができる。蒸留された脂肪酸低級アルコールエステルは、バイオディーゼル燃料、石鹸原料として使用できる。残渣として得られたトコフェロール及びトコトリエノール類濃縮物は、トコフェロール及びトコトリエノール類の含量を5〜150倍まで濃縮することができ、トコフェロール及びトコトリエノール類のロスはほとんどない。
【0030】
残渣として得られた濃縮物はトコフェロール及びトコトリエノール類以外に脂肪酸グリセリド、炭化水素、ステロール脂肪酸エステルが主成分となり、必要に応じて脂肪酸グリセリドをアルカリ触媒のエステル交換で脂肪酸低級アルコールエステルとした後、従来の方法であるイオン交換樹脂処理、分子蒸留、等に代表される、種々の精製工程を行うことで、高純度な精製物を経済的に生産することができる。
【0031】
従来の技術では、特に、大量の遊離脂肪酸中に低濃度のトコフェロール及びトコトリエノールを含む、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)のような原料からは、トコトリエノールの変性を起こさずに工業的に濃縮回収することは困難であったが、本発明によれば、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)から、目的物の変性を伴わず、安価に濃縮精製することができる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
200mlナス型フラスコに、パーム油脂肪酸留出物(PFAD、トコフェロール濃度0.09%、トコトリエノール濃度0.26% 酸価 184)67.5g、メタノール5.4g、リパーゼQLM 0.5gを仕込み、40℃で16時間撹拌しエステル化・エステル交換反応を行った。さらにメタノール4.1gを添加し7時間撹拌反応を行った。反応終了後濾過で酵素を分離し蒸留によりメタノールを除去し、68.0gの濃縮物を得た。この濃縮物の酸価は12.5であり、これを165℃、圧力0.05Torrで蒸留を行い、4.5gの残渣(トコフェロール濃度1.4%、トコトリエノール濃度3.5% 酸価 13)を回収した。
【0033】
次にこの残渣中の脂肪酸を常法で脱酸後、イオン交換樹脂処理、分子蒸留を行い0.19gのトコフェロール及びトコトリエノール類画分(トコフェロール濃度24.9%、トコトリエノール濃度66.1%)を回収した。また、このトコフェロール及びトコトリエノール類画分にはトコフェロール及びトコトリエノール変性物は見られなかった。
【0034】
(実施例2)
300ml三角フラスコに、パーム油脂肪酸留出物(PFAD、トコフェロール濃度0.09%、トコトリエノール濃度0.26% 酸価 184)67.5g、メタノール9.5g、ノボザイム435 0.5gを仕込み、40℃で24時間往復振とうしエステル化・エステル交換反応を行った。反応終了後濾過で酵素を分離し蒸留によりメタノールを除去し、68.7gの濃縮物を得た。この濃縮物の酸価は8.7であり、これを160℃、圧力0.05Torrで蒸留を行い、6.1gの残渣(トコフェロール濃度1.0%、トコトリエノール濃度2.6% 酸価 15)を回収した。次にこの残渣中の脂肪酸を常法で脱酸後、イオン交換樹脂処理、分子蒸留を行い0.20gのトコフェロール及びトコトリエノール類画分(トコフェロール濃度25.6%、トコトリエノール濃度65.6%)を回収した。また、このトコフェロール及びトコトリエノール類画分にはトコフェロール及びトコトリエノール変性物は見られなかった。
【0035】
(比較例)
500mlナス型フラスコに、パーム油脂肪酸留出物(PFAD、トコフェロール濃度0.09%、トコトリエノール濃度0.26% 酸価 184)100.2g メタノール60g 硫酸10gを仕込み75℃で3時間還留し脂肪酸をエステル化させた。エステル化終了後、水洗を行い濃縮し103.2gの濃縮物を得た。この濃縮物の酸価は2.5であり、これを160℃、圧力0.05Torrで蒸留を行い、12.5gの残渣(トコフェロール濃度0.64%、トコトリエノール濃度1.5% 酸価 15)を回収した。次にこの残渣中の脂肪酸を定法で脱酸後、イオン交換樹脂処理、分子蒸留を行い0.33gのトコフェロール及びトコトリエノール類画分(トコフェロール濃度20.9%、トコトリエノール濃度51.5%)を回収した。また、このトコフェロール及びトコトリエノール類画分にはトコフェロール及びトコトリエノール変性物が約20%ほど確認された。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、パーム油脂肪酸留出物(PFAD)から、トコフェロール及びトコトリエノールを効率良く経済的に精製することができ、しかも変性物の発生がない。
Claims (3)
- パーム油脂肪酸留出物(PFAD)に含まれる、遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドと低級アルコールを微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換反応をさせ、蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルを除去し、陰イオン交換樹脂によりトコフェロール及びトコトリエノールを精製することを特徴とするトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法。
- パーム油脂肪酸留出物(PFAD)に含まれる遊離脂肪酸、脂肪酸グリセリドと低級アルコールを微生物由来のリパーゼによりエステル化・エステル交換反応をさせ、蒸留により脂肪酸低級アルコールエステルを除去し残渣のトコフェロール及びトコトリエノールの含量が0.5〜70重量%になるまで蒸留を行う、請求項1に記載のトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法。
- 微生物由来のリパーゼが、キャンディダ属、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属に属する微生物由来であるもの請求項1または2に記載のトコフェロール及びトコトリエノールの製造方法。
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