JP2004304130A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004304130A JP2004304130A JP2003098263A JP2003098263A JP2004304130A JP 2004304130 A JP2004304130 A JP 2004304130A JP 2003098263 A JP2003098263 A JP 2003098263A JP 2003098263 A JP2003098263 A JP 2003098263A JP 2004304130 A JP2004304130 A JP 2004304130A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- sio
- insulating film
- etching
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Electrodes Of Semiconductors (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
Abstract
【課題】半導体層上又は半導体基板上の絶縁膜に開口部を形成する際に、当該半導体層又は半導体基板に対するオーバーエッチングを抑制できるようにした半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】SOI基板10のシリコン層5上に層間絶縁膜用のSiO2膜13を形成した後に、このSiO2膜13の原子間の結合を断ち切るような条件で、電子ビームまたはレーザをコンタクトホール形成領域のSiO2膜13に照射して、当該領域のSiO2膜13を改質し、その後、改質されたSiO2膜13をドライエッチングして除去しコンタクトホールを形成する。SiO2膜13のエッチングに対する耐性を弱めることができるので、このSiO2膜13のエッチングレートを高めることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】SOI基板10のシリコン層5上に層間絶縁膜用のSiO2膜13を形成した後に、このSiO2膜13の原子間の結合を断ち切るような条件で、電子ビームまたはレーザをコンタクトホール形成領域のSiO2膜13に照射して、当該領域のSiO2膜13を改質し、その後、改質されたSiO2膜13をドライエッチングして除去しコンタクトホールを形成する。SiO2膜13のエッチングに対する耐性を弱めることができるので、このSiO2膜13のエッチングレートを高めることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に、SOI構造のトランジスタにおけるコンタクトホールの形成工程に適用して好適な半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デバイスの低消費電力化や高速化を目的に、バルクシリコンウエーハに代わってSOI(silicon on insulator)ウエーハが用いられるようになってきた。SOIウエーハとは、半導体ウエーハ上に絶縁層が設けられ、この絶縁層上に半導体層が設けられた3層構造を有するウエーハである。この半導体層、例えば単結晶のシリコン層にMOSトランジスタ等の素子を形成すると、素子間を完全に分離することができる。また、MOSトランジスタにおけるソース/ドレイン拡散層の容量を低減することができるので、その動作速度を向上させることができる。
【0003】
MOSトランジスタの形成工程では、半導体層上に形成された層間絶縁膜の下にあるソース/ドレイン拡散層を層間絶縁膜上に引き出すために、ソース/ドレイン拡散層上の層問絶縁膜をエッチングして除去しコンタクトホールを形成する。コンタクトホール形成用のエッチング(以下で、コンタクトホールエッチングという)は、全てドライエッチングで行う方法と、または、始めにウェットエッチングを行いその後にドライエッチングを行う方法とがあるが、どちらの方法でも、コンタクトホールエッチングの最終段階はドライエッチングで行う。
【0004】
通常、コンタクトホールが形成される層間絶縁膜の膜厚はウエーハ面内でばらつきがあり、また、ドライエッチングのエッチングレート(単位時間当たりのエッチング量)もウエーハ面内でばらつきがある。このため、ウエーハ面内にコンタクトホールを再現性良く形成するためには、層間絶縁膜の膜厚に対してコンタクトホールエッチングを過剰に行う(以下で、オーバーエッチングという)必要がある。このオーバーエッチングによって、SOIウエーハ上層のシリコン層は多少エッチングされる。また、シリコン層の厚みが特に薄い場合には、このオーバーエッチングによって、シリコン層は完全にエッチングされ突き抜けてしまうおそれがある。
【0005】
このシリコン層の突き抜けを回避するために、SOIウエーハのシリコン層と層間絶縁膜との間に、エッチングストッパー用のシリコン層や、シリコンナイトライド層を積層する手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、その他の手法として、SOIウエーハのシリコン層に窒素イオンを注入し、その後このSOIウエーハ上に層間絶縁膜を積層して、このシリコン層と層間絶縁膜との間や、シリコン層とSOIウエーハの絶縁層との間にエッチングストッパー用のシリコンナイトライドを形成する手法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−74126号公報
【特許文献2】
特開2000−133709号公報
【非特許文献1】
M. Matsumoto, Y. Maeda, M. Kuwahara and M. Takayama, Proceed ing of Radtech’97 Asia, (1997)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来例に係る半導体装置の製造方法によれば、SOIウエーハにおけるシリコン層の突き抜けを防止するために、このシリコン層と層間絶縁膜との間にエッチングストッパー用のシリコンナイトライド層を積層していた。或いは、このシリコン層に窒素イオンを注入しその後層間絶縁膜を積層して、このシリコン層と層間絶縁膜層との間にエッチングストッパー用のシリコンナイトライド層を形成していた。
【0008】
しかしながら、SOIウエーハのシリコン層と層間絶縁膜との間にシリコンナイトライド層を積層する方法では、シリコンナイトライド層とシリコン層との膨張率が異なるために、当該間で応力が発生してしまう。このため、MOSトランジスタの電気的特性に悪影響を与える恐れがあった。また、このシリコン層に窒素イオンを注入してエッチングストッパー用のシリコンナイトライド層を形成する方法では、シリコン層が膜減りしてしまうので、ソース/ドレイン拡散層の寄生抵抗が増大してしまう恐れがあった。
【0009】
そこで、この発明はこのような問題を解決したものであって、半導体層上又は半導体基板上の絶縁膜に開口部を形成する際に、当該半導体層又は半導体基板に対するオーバーエッチングを抑制できるようにした半導体装置の製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体層又は半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、この絶縁膜の原子間の結合を断ち切るような条件で電子ビームまたはレーザを所定領域の絶縁膜に照射して、当該所定領域の絶縁膜を改質する工程と、改質された絶縁膜をエッチングして除去し所定の開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、半導体層は例えばシリコン層であり、半導体基板は例えばバルクのシリコン基板である。また、絶縁膜は例えば層間絶縁膜用のシリコン酸化膜である。このシリコン酸化膜に、シリコン原子と酸素原子の結合エネルギー以上のエネルギーを与えると、シリコン原子と酸素原子の結合に係る電子が励起され、シリコン原子と酸素原子の結合状態が解消される。
【0012】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法によれば、電子ビームまたはレーザの照射によって、絶縁膜を構成する原子の原子間の結合を断ち切ることができるので、この絶縁膜のエッチングに対する耐性を弱めることができる。従って、絶縁膜のエッチングレートを高めることができ、絶縁膜と、当該絶縁膜下の半導体層又は半導体基板とのエッチングの選択比を高めることができる。
【0013】
これにより、半導体層又は半導体基板上の絶縁膜に開口部を形成する際に、当該半導体層又は半導体基板に対するオーバーエッチングを抑制することができる。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、半導体層又は半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、所定領域の絶縁膜をエッチングし薄膜化する工程と、この絶縁膜の原子間の結合を断ち切るような条件で電子ビームまたはレーザを薄膜化された絶縁膜に照射して、当該薄膜化された絶縁膜を改質する工程と、改質された絶縁膜をエッチングして除去し所定の開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法によれば、上述した第1の半導体装置の製造方法と比べて、電子ビームまたはレーザが照射される絶縁膜の膜厚を薄膜化しているので、電子ビームまたはレーザの照射時間を短縮することができる。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、上述した第1、第2の半導体装置の製造方法において、半導体層は、SOI基板のシリコン層であることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法によれば、SOI基板を構成するシリコン層上の絶縁膜に開口部を形成する際に、このシリコン層に対するオーバーエッチングを抑制することができ、シリコン層の突き抜けを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
(1)第1実施形態
図1(A)〜図2(B)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。この工程図は、SOIウエーハ10に対してコンタクトホール17を形成する方法を手順に沿って示したものである。
【0017】
図1(A)に示すように、まず始めに、SOIウエーハ10を用意する。このSOIウエーハ10は、その下方から、例えばシリコンウエーハ1と、シリコン酸化層3と、単結晶のシリコン層5とからなる3層構造を有している。これらの中で、シリコン層5はMOSトランジスタ等の素子が形成される素子形成層であり、その厚さは例えば50nm程度である。このような3層構造を有するSOI基板10は、例えば周知技術のSIMOX(silicon implanted oxide)法又は、貼り合わせ法によって形成される。
【0018】
次に、図1(B)に示すように、シリコン層5上にシリコン酸化膜(以下で、SiO2膜という)13を形成する。このSiO2膜13は層間絶縁膜であり、その膜厚は600nm程度である。このSiO2膜13の成膜は、CVD(chemical vapor deposition)等で行う。
次に、コンタクトホールを形成する領域(以下で、コンタクトホール形成領域という)を開口するようなレジストパターン15をSiO2膜13上に形成する。このコンタクトホール形成領域は、例えばMOSトランジスタのソース/ドレイン拡散層上の領域である。また、レジストパターン15の形成は、例えばリソグラフィで行う。
【0019】
即ち、まず始めに、電子ビームリソグラフィ用のレジストをSiO2膜13上に塗布する。次に、コンタクトホール形成用の露光用マスクをステッパ等の露光装置にセットし、この露光装置を用いてレジストを感光処理する。そして、露光処理したレジストを現像処理する。これにより、コンタクトホール形成領域にあるSiO2膜13の表面だけを露出し、他の領域を覆うようなレジストパターン15を形成する。
【0020】
次に、このレジストパターン15をマスクにして、SiO2膜13に電子ビームを数〜数十keVの加速電圧で照射し、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13を原子間の結合が切断された状態に改質する。ここで、SiO2膜13のSi−Si間の結合エネルギーは約7.6eV、Si−O間の結合エネルギーは約10.8eVなので、基本的な考えでは、約10.8eV以上の電子ビームをSiO2膜13に照射すれば良い。
【0021】
しかし、実際には、電子ビームの電子エネルギーの全てが原子間の結合の切断に使われるわけではないので、電子ビームの加速電圧はこれらの結合エネルギーよりも高い値に設定する。例えば、SiO2膜13の膜厚が600nm程度の場合には、電子ビームの加速電圧は5〜10keV、電子密度は1〜2C/cm2程度とする。SiO2膜13の膜厚に合わせて、電子ビームの加速電圧を設定する。この加速電圧によって、電子ビーム照射の深さがコントロールされる。
【0022】
ここで、加速電圧(エネルギー)V[kV]と、電子ビーム照射の深さS[μm](電子飛程、阻止能)との関係としては、▲1▼式が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
S=0.0667V5/3/ρ…▲1▼
▲1▼式において、ρ[g/cm3]は電子ビームが照射される物質(以下で、被照射物質という)の密度である。被照射物質がSiO2(石英ガラス)の場合、ρ=2.2[g/cm3]なので、▲1▼式より、エネルギーV[kV]と深さS[μm]の関係として、図4が得られる。これをもとに、SiO2膜13の膜厚を考慮して、電子ビームの加速電圧を設定すれば良い。
【0023】
この電子ビームの照射によって、従来方式と比べて、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13のエッチングレートを、他の領域のSiO2膜13よりも高めることができる。つまり、コンタクトホール形成領域において、SiO2膜13と、このSiO2膜13下のシリコン層5とのエッチングの選択比を高めることができる。
【0024】
次に、レジストパターン15を残したまま、SiO2膜13をドライエッチングして除去しコンタクトホール17を形成する。このドライエッチング(コンタクトホールエッチング)は、例えばRIE(reactive ion etching)で行う。RIEの条件は、例えば、ガス種とその流量比がCHF3/O2=75sccm/8sccm、チャンバ内圧力が50mTorr(6.6Pa)、高周波電力が800W(J/s)である。コンタクトホール形成領域のSiO2膜13を改質しそのエッチングレートを高めているので、従来方式と比べて、コンタクトホールエッチングの条件をよりマイルドな条件(高周波電力を低減し、エッチング時間を短縮する等)に設定することができる。その後は、このコンタクトホール17にアルミ合金等の金属膜を埋め込み、配線または電極形状にパターニングして、半導体装置を完成させる。
【0025】
このように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、コンタクト形成領域のSiO2膜13に電子ビームを照射することによって、このSiO2膜13と、このSiO2膜13下のシリコン層5とのエッチングの選択比を高めることができる。従って、シリコン層5に対するオーバーエッチングを抑制することができ、シリコン層5の突き抜けを防止することができる。これにより、電気的特性の安定した半導体装置を製造することができる。
(2)第2実施形態
上述の第1実施形態では、SiO2膜13上にレジストパターン15を形成した後、このレジストパターン15をマスクにしてSiO2膜13に電子ビームを照射し、SiO2膜13を原子間の結合が切断された状態に改質する方法について説明した。
【0026】
しかしながら、この方法では、SiO2膜13の膜厚が大きいほど、電子ビームの照射エネルギーを高くする必要があり、入射電子の深さをコントロールすることが困難である。そのため、SiO2膜13だけでなく、その下のシリコン層5も改質してしまう可能性がある。そこで、この第2実施形態では、上述の第1実施形態と比べて、電子ビームの照射によってシリコン層5に悪影響を与える可能性を低減することができるような、半導体装置の製造方法について説明する。
【0027】
図3(A)〜(C)は本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。この工程図は、SOIウエーハに対してコンタクトホールを形成する方法を手順に沿って示したものである。図3(A)に示すレジストパターン15を形成する工程までは、第1実施形態で説明したコンタクトホールの形成工程と同様である。従って、図3(A)〜(C)において、図1(A)〜図2(B)と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
【0028】
図3(A)において、レジストパターン15を形成した後、このレジストパターン15をマスクにしてSiO2膜13をドライエッチングし、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13を例えば100nm程度の厚みに薄膜化する。
この第1のドライエッチングは、例えばRIEで行う。RIEの条件は、例えば、ガス種とその流量比がCHF3/O2=75sccm/8sccm、チャンバ内圧力が50mTorr(6.6Pa)、高周波電力が1200W(J/s)である。この第1のドライエッチングでは、SiO2膜を100nm程度残すので、シリコン層5に対するオーバーエッチングを考慮する必要がない。そのため、第1実施形態で説明したコンタクトホールエッチングと比べて、高周波電力を高く設定することができる。
【0029】
次に、このレジストパターン15をマスクにして、SiO2膜13に電子ビームを照射し、薄膜化されたSiO2膜13を原子間の結合が切断された状態に改質する。改質の対象となるSiO2膜13は、第1実施形態形態と比べて薄膜化されているので、電子ビームの照射エネルギーを低く設定することができる。
例えば、電子ビームの加速電圧は2〜4keV、電子密度は1〜2C/cm2程度である。これにより、第1実施形態と比べて、電子ビームによる電子のシリコン層5への入射を抑えることができ、シリコン層5に悪影響を与える可能性を低減することができる。
【0030】
次に、このレジストパターン15をマスクにしてSiO2膜13をドライエッチングし、コンタクトホール17を形成する。この第2のドライエッチングは、例えばRIEで行う。RIEの条件は、例えば、ガス種とその流量比がCHF3/O2=75sccm/8sccm、チャンバ内圧力が50mTorr(6.6Pa)、電力が1200W(J/s)である。この第2のドライエッチングでは、電子ビームの照射によって、SiO2膜13のエッチングレートが高められているので、第1のドライエッチングよりも第2のドライエッチングをよりマイルドな条件(高周波電力を低減し、エッチング時間を短縮する等)に設定することができる。その後は、第1の実施形態と同様に、このコンタクトホール17にアルミ合金等の金属膜を埋め込み、配線または電極形状にパターニングして、半導体装置を完成させる。
【0031】
このように、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、上述の第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、電子ビームが照射されるSiO2膜13の膜厚を100nm程度にまで薄膜化しているので、電子ビームの照射時間を短縮することができる。これにより、電子ビームの照射によってシリコン層5に悪影響を与える可能性を低減することができる。
(3)第3実施形態
上述の第1、第2実施形態では、図2(A)及び図3(B)で示したように、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13に電子ビームを照射して、このSiO2膜13のSi‐Si結合、Si−O結合を切断する場合について説明した。
【0032】
しかしながら、第1、第2実施形態で説明した原子間結合の切断は電子ビームに限られることはなく、レーザで行っても良い。例えば、KrF(発振波長248nm)5.0eVやArF(発振波長193nm)6.4eV等のエキシマレーザを使用する。この場合には、レジストパターン15に、レーザ光を吸収することができるものを使用することが好ましい。
【0033】
この種のエキシマレーザのエネルギーは、Si−Si間及びSi−O間の結合エネルギーよりも小さいが、通常、層間絶縁膜用のSiO2膜13はCVDで形成されることが多く、その構造はアモルファスである。
このため、SiO2膜13中にSi‐Si間及びSi−O間の結合エネルギーが弱い部分が有り、この部分によってKrFやArF等のエキシマレーザのエネルギーが吸収される。また、SiO2膜13下のシリコン層5に悪影響を及ぼさないためには、このSiO2膜13にSi−O間の結合を切断するのに十分なエネルギ−を与える必要がある。
【0034】
ここで、エキシマレーザ2光子吸収モードとは、1個の分子が一度に2個の光子を吸収して励起される現象である。エキシマレーザのようにエネルギーの強力なレーザでは2光子吸収が起こり、入射先エネルギーの2倍のエネルギーが吸収される。これはSi−O間の結合エネルギーに匹敵するため、Si−Oが選択的に励起される。
【0035】
なお、エキシマレーザの発振出力は、SiO2膜13をガス化または微粒子化しない程度に低く抑える必要がある。これは、SiO2膜13をガス化または微粒子化してしまうと、このSiO2膜13下のシリコン層5もガス化、または微粒子化してしまう可能性が高いためである。このため、エキシマレーザの発振出力は、例えば100W(J/s)よりも低く設定する。
【0036】
上述の第1〜第3実施形態では、シリコン層5が本発明の半導体層に対応し、SiO2膜13が本発明の絶縁膜に対応している。また、コンタクトホール形成領域が本発明の所定領域に対応し、コンタクトホール17が本発明の開口部に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法(1)を示す工程図。
【図2】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法(2)を示す工程図。
【図3】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図。
【図4】エネルギーV[kV]と深さS[μm]の関係を示す表図。
【符号の説明】
1 シリコン基板、3 シリコン酸化層、5 シリコン層、10 SOIウエーハ、13 SiO2膜(層間絶縁膜)、15 レジストパターン、17 コンタクトホール
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に、SOI構造のトランジスタにおけるコンタクトホールの形成工程に適用して好適な半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デバイスの低消費電力化や高速化を目的に、バルクシリコンウエーハに代わってSOI(silicon on insulator)ウエーハが用いられるようになってきた。SOIウエーハとは、半導体ウエーハ上に絶縁層が設けられ、この絶縁層上に半導体層が設けられた3層構造を有するウエーハである。この半導体層、例えば単結晶のシリコン層にMOSトランジスタ等の素子を形成すると、素子間を完全に分離することができる。また、MOSトランジスタにおけるソース/ドレイン拡散層の容量を低減することができるので、その動作速度を向上させることができる。
【0003】
MOSトランジスタの形成工程では、半導体層上に形成された層間絶縁膜の下にあるソース/ドレイン拡散層を層間絶縁膜上に引き出すために、ソース/ドレイン拡散層上の層問絶縁膜をエッチングして除去しコンタクトホールを形成する。コンタクトホール形成用のエッチング(以下で、コンタクトホールエッチングという)は、全てドライエッチングで行う方法と、または、始めにウェットエッチングを行いその後にドライエッチングを行う方法とがあるが、どちらの方法でも、コンタクトホールエッチングの最終段階はドライエッチングで行う。
【0004】
通常、コンタクトホールが形成される層間絶縁膜の膜厚はウエーハ面内でばらつきがあり、また、ドライエッチングのエッチングレート(単位時間当たりのエッチング量)もウエーハ面内でばらつきがある。このため、ウエーハ面内にコンタクトホールを再現性良く形成するためには、層間絶縁膜の膜厚に対してコンタクトホールエッチングを過剰に行う(以下で、オーバーエッチングという)必要がある。このオーバーエッチングによって、SOIウエーハ上層のシリコン層は多少エッチングされる。また、シリコン層の厚みが特に薄い場合には、このオーバーエッチングによって、シリコン層は完全にエッチングされ突き抜けてしまうおそれがある。
【0005】
このシリコン層の突き抜けを回避するために、SOIウエーハのシリコン層と層間絶縁膜との間に、エッチングストッパー用のシリコン層や、シリコンナイトライド層を積層する手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、その他の手法として、SOIウエーハのシリコン層に窒素イオンを注入し、その後このSOIウエーハ上に層間絶縁膜を積層して、このシリコン層と層間絶縁膜との間や、シリコン層とSOIウエーハの絶縁層との間にエッチングストッパー用のシリコンナイトライドを形成する手法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−74126号公報
【特許文献2】
特開2000−133709号公報
【非特許文献1】
M. Matsumoto, Y. Maeda, M. Kuwahara and M. Takayama, Proceed ing of Radtech’97 Asia, (1997)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来例に係る半導体装置の製造方法によれば、SOIウエーハにおけるシリコン層の突き抜けを防止するために、このシリコン層と層間絶縁膜との間にエッチングストッパー用のシリコンナイトライド層を積層していた。或いは、このシリコン層に窒素イオンを注入しその後層間絶縁膜を積層して、このシリコン層と層間絶縁膜層との間にエッチングストッパー用のシリコンナイトライド層を形成していた。
【0008】
しかしながら、SOIウエーハのシリコン層と層間絶縁膜との間にシリコンナイトライド層を積層する方法では、シリコンナイトライド層とシリコン層との膨張率が異なるために、当該間で応力が発生してしまう。このため、MOSトランジスタの電気的特性に悪影響を与える恐れがあった。また、このシリコン層に窒素イオンを注入してエッチングストッパー用のシリコンナイトライド層を形成する方法では、シリコン層が膜減りしてしまうので、ソース/ドレイン拡散層の寄生抵抗が増大してしまう恐れがあった。
【0009】
そこで、この発明はこのような問題を解決したものであって、半導体層上又は半導体基板上の絶縁膜に開口部を形成する際に、当該半導体層又は半導体基板に対するオーバーエッチングを抑制できるようにした半導体装置の製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体層又は半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、この絶縁膜の原子間の結合を断ち切るような条件で電子ビームまたはレーザを所定領域の絶縁膜に照射して、当該所定領域の絶縁膜を改質する工程と、改質された絶縁膜をエッチングして除去し所定の開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、半導体層は例えばシリコン層であり、半導体基板は例えばバルクのシリコン基板である。また、絶縁膜は例えば層間絶縁膜用のシリコン酸化膜である。このシリコン酸化膜に、シリコン原子と酸素原子の結合エネルギー以上のエネルギーを与えると、シリコン原子と酸素原子の結合に係る電子が励起され、シリコン原子と酸素原子の結合状態が解消される。
【0012】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法によれば、電子ビームまたはレーザの照射によって、絶縁膜を構成する原子の原子間の結合を断ち切ることができるので、この絶縁膜のエッチングに対する耐性を弱めることができる。従って、絶縁膜のエッチングレートを高めることができ、絶縁膜と、当該絶縁膜下の半導体層又は半導体基板とのエッチングの選択比を高めることができる。
【0013】
これにより、半導体層又は半導体基板上の絶縁膜に開口部を形成する際に、当該半導体層又は半導体基板に対するオーバーエッチングを抑制することができる。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、半導体層又は半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、所定領域の絶縁膜をエッチングし薄膜化する工程と、この絶縁膜の原子間の結合を断ち切るような条件で電子ビームまたはレーザを薄膜化された絶縁膜に照射して、当該薄膜化された絶縁膜を改質する工程と、改質された絶縁膜をエッチングして除去し所定の開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法によれば、上述した第1の半導体装置の製造方法と比べて、電子ビームまたはレーザが照射される絶縁膜の膜厚を薄膜化しているので、電子ビームまたはレーザの照射時間を短縮することができる。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、上述した第1、第2の半導体装置の製造方法において、半導体層は、SOI基板のシリコン層であることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法によれば、SOI基板を構成するシリコン層上の絶縁膜に開口部を形成する際に、このシリコン層に対するオーバーエッチングを抑制することができ、シリコン層の突き抜けを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
(1)第1実施形態
図1(A)〜図2(B)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。この工程図は、SOIウエーハ10に対してコンタクトホール17を形成する方法を手順に沿って示したものである。
【0017】
図1(A)に示すように、まず始めに、SOIウエーハ10を用意する。このSOIウエーハ10は、その下方から、例えばシリコンウエーハ1と、シリコン酸化層3と、単結晶のシリコン層5とからなる3層構造を有している。これらの中で、シリコン層5はMOSトランジスタ等の素子が形成される素子形成層であり、その厚さは例えば50nm程度である。このような3層構造を有するSOI基板10は、例えば周知技術のSIMOX(silicon implanted oxide)法又は、貼り合わせ法によって形成される。
【0018】
次に、図1(B)に示すように、シリコン層5上にシリコン酸化膜(以下で、SiO2膜という)13を形成する。このSiO2膜13は層間絶縁膜であり、その膜厚は600nm程度である。このSiO2膜13の成膜は、CVD(chemical vapor deposition)等で行う。
次に、コンタクトホールを形成する領域(以下で、コンタクトホール形成領域という)を開口するようなレジストパターン15をSiO2膜13上に形成する。このコンタクトホール形成領域は、例えばMOSトランジスタのソース/ドレイン拡散層上の領域である。また、レジストパターン15の形成は、例えばリソグラフィで行う。
【0019】
即ち、まず始めに、電子ビームリソグラフィ用のレジストをSiO2膜13上に塗布する。次に、コンタクトホール形成用の露光用マスクをステッパ等の露光装置にセットし、この露光装置を用いてレジストを感光処理する。そして、露光処理したレジストを現像処理する。これにより、コンタクトホール形成領域にあるSiO2膜13の表面だけを露出し、他の領域を覆うようなレジストパターン15を形成する。
【0020】
次に、このレジストパターン15をマスクにして、SiO2膜13に電子ビームを数〜数十keVの加速電圧で照射し、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13を原子間の結合が切断された状態に改質する。ここで、SiO2膜13のSi−Si間の結合エネルギーは約7.6eV、Si−O間の結合エネルギーは約10.8eVなので、基本的な考えでは、約10.8eV以上の電子ビームをSiO2膜13に照射すれば良い。
【0021】
しかし、実際には、電子ビームの電子エネルギーの全てが原子間の結合の切断に使われるわけではないので、電子ビームの加速電圧はこれらの結合エネルギーよりも高い値に設定する。例えば、SiO2膜13の膜厚が600nm程度の場合には、電子ビームの加速電圧は5〜10keV、電子密度は1〜2C/cm2程度とする。SiO2膜13の膜厚に合わせて、電子ビームの加速電圧を設定する。この加速電圧によって、電子ビーム照射の深さがコントロールされる。
【0022】
ここで、加速電圧(エネルギー)V[kV]と、電子ビーム照射の深さS[μm](電子飛程、阻止能)との関係としては、▲1▼式が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
S=0.0667V5/3/ρ…▲1▼
▲1▼式において、ρ[g/cm3]は電子ビームが照射される物質(以下で、被照射物質という)の密度である。被照射物質がSiO2(石英ガラス)の場合、ρ=2.2[g/cm3]なので、▲1▼式より、エネルギーV[kV]と深さS[μm]の関係として、図4が得られる。これをもとに、SiO2膜13の膜厚を考慮して、電子ビームの加速電圧を設定すれば良い。
【0023】
この電子ビームの照射によって、従来方式と比べて、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13のエッチングレートを、他の領域のSiO2膜13よりも高めることができる。つまり、コンタクトホール形成領域において、SiO2膜13と、このSiO2膜13下のシリコン層5とのエッチングの選択比を高めることができる。
【0024】
次に、レジストパターン15を残したまま、SiO2膜13をドライエッチングして除去しコンタクトホール17を形成する。このドライエッチング(コンタクトホールエッチング)は、例えばRIE(reactive ion etching)で行う。RIEの条件は、例えば、ガス種とその流量比がCHF3/O2=75sccm/8sccm、チャンバ内圧力が50mTorr(6.6Pa)、高周波電力が800W(J/s)である。コンタクトホール形成領域のSiO2膜13を改質しそのエッチングレートを高めているので、従来方式と比べて、コンタクトホールエッチングの条件をよりマイルドな条件(高周波電力を低減し、エッチング時間を短縮する等)に設定することができる。その後は、このコンタクトホール17にアルミ合金等の金属膜を埋め込み、配線または電極形状にパターニングして、半導体装置を完成させる。
【0025】
このように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、コンタクト形成領域のSiO2膜13に電子ビームを照射することによって、このSiO2膜13と、このSiO2膜13下のシリコン層5とのエッチングの選択比を高めることができる。従って、シリコン層5に対するオーバーエッチングを抑制することができ、シリコン層5の突き抜けを防止することができる。これにより、電気的特性の安定した半導体装置を製造することができる。
(2)第2実施形態
上述の第1実施形態では、SiO2膜13上にレジストパターン15を形成した後、このレジストパターン15をマスクにしてSiO2膜13に電子ビームを照射し、SiO2膜13を原子間の結合が切断された状態に改質する方法について説明した。
【0026】
しかしながら、この方法では、SiO2膜13の膜厚が大きいほど、電子ビームの照射エネルギーを高くする必要があり、入射電子の深さをコントロールすることが困難である。そのため、SiO2膜13だけでなく、その下のシリコン層5も改質してしまう可能性がある。そこで、この第2実施形態では、上述の第1実施形態と比べて、電子ビームの照射によってシリコン層5に悪影響を与える可能性を低減することができるような、半導体装置の製造方法について説明する。
【0027】
図3(A)〜(C)は本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。この工程図は、SOIウエーハに対してコンタクトホールを形成する方法を手順に沿って示したものである。図3(A)に示すレジストパターン15を形成する工程までは、第1実施形態で説明したコンタクトホールの形成工程と同様である。従って、図3(A)〜(C)において、図1(A)〜図2(B)と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
【0028】
図3(A)において、レジストパターン15を形成した後、このレジストパターン15をマスクにしてSiO2膜13をドライエッチングし、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13を例えば100nm程度の厚みに薄膜化する。
この第1のドライエッチングは、例えばRIEで行う。RIEの条件は、例えば、ガス種とその流量比がCHF3/O2=75sccm/8sccm、チャンバ内圧力が50mTorr(6.6Pa)、高周波電力が1200W(J/s)である。この第1のドライエッチングでは、SiO2膜を100nm程度残すので、シリコン層5に対するオーバーエッチングを考慮する必要がない。そのため、第1実施形態で説明したコンタクトホールエッチングと比べて、高周波電力を高く設定することができる。
【0029】
次に、このレジストパターン15をマスクにして、SiO2膜13に電子ビームを照射し、薄膜化されたSiO2膜13を原子間の結合が切断された状態に改質する。改質の対象となるSiO2膜13は、第1実施形態形態と比べて薄膜化されているので、電子ビームの照射エネルギーを低く設定することができる。
例えば、電子ビームの加速電圧は2〜4keV、電子密度は1〜2C/cm2程度である。これにより、第1実施形態と比べて、電子ビームによる電子のシリコン層5への入射を抑えることができ、シリコン層5に悪影響を与える可能性を低減することができる。
【0030】
次に、このレジストパターン15をマスクにしてSiO2膜13をドライエッチングし、コンタクトホール17を形成する。この第2のドライエッチングは、例えばRIEで行う。RIEの条件は、例えば、ガス種とその流量比がCHF3/O2=75sccm/8sccm、チャンバ内圧力が50mTorr(6.6Pa)、電力が1200W(J/s)である。この第2のドライエッチングでは、電子ビームの照射によって、SiO2膜13のエッチングレートが高められているので、第1のドライエッチングよりも第2のドライエッチングをよりマイルドな条件(高周波電力を低減し、エッチング時間を短縮する等)に設定することができる。その後は、第1の実施形態と同様に、このコンタクトホール17にアルミ合金等の金属膜を埋め込み、配線または電極形状にパターニングして、半導体装置を完成させる。
【0031】
このように、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、上述の第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、電子ビームが照射されるSiO2膜13の膜厚を100nm程度にまで薄膜化しているので、電子ビームの照射時間を短縮することができる。これにより、電子ビームの照射によってシリコン層5に悪影響を与える可能性を低減することができる。
(3)第3実施形態
上述の第1、第2実施形態では、図2(A)及び図3(B)で示したように、コンタクトホール形成領域のSiO2膜13に電子ビームを照射して、このSiO2膜13のSi‐Si結合、Si−O結合を切断する場合について説明した。
【0032】
しかしながら、第1、第2実施形態で説明した原子間結合の切断は電子ビームに限られることはなく、レーザで行っても良い。例えば、KrF(発振波長248nm)5.0eVやArF(発振波長193nm)6.4eV等のエキシマレーザを使用する。この場合には、レジストパターン15に、レーザ光を吸収することができるものを使用することが好ましい。
【0033】
この種のエキシマレーザのエネルギーは、Si−Si間及びSi−O間の結合エネルギーよりも小さいが、通常、層間絶縁膜用のSiO2膜13はCVDで形成されることが多く、その構造はアモルファスである。
このため、SiO2膜13中にSi‐Si間及びSi−O間の結合エネルギーが弱い部分が有り、この部分によってKrFやArF等のエキシマレーザのエネルギーが吸収される。また、SiO2膜13下のシリコン層5に悪影響を及ぼさないためには、このSiO2膜13にSi−O間の結合を切断するのに十分なエネルギ−を与える必要がある。
【0034】
ここで、エキシマレーザ2光子吸収モードとは、1個の分子が一度に2個の光子を吸収して励起される現象である。エキシマレーザのようにエネルギーの強力なレーザでは2光子吸収が起こり、入射先エネルギーの2倍のエネルギーが吸収される。これはSi−O間の結合エネルギーに匹敵するため、Si−Oが選択的に励起される。
【0035】
なお、エキシマレーザの発振出力は、SiO2膜13をガス化または微粒子化しない程度に低く抑える必要がある。これは、SiO2膜13をガス化または微粒子化してしまうと、このSiO2膜13下のシリコン層5もガス化、または微粒子化してしまう可能性が高いためである。このため、エキシマレーザの発振出力は、例えば100W(J/s)よりも低く設定する。
【0036】
上述の第1〜第3実施形態では、シリコン層5が本発明の半導体層に対応し、SiO2膜13が本発明の絶縁膜に対応している。また、コンタクトホール形成領域が本発明の所定領域に対応し、コンタクトホール17が本発明の開口部に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法(1)を示す工程図。
【図2】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法(2)を示す工程図。
【図3】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図。
【図4】エネルギーV[kV]と深さS[μm]の関係を示す表図。
【符号の説明】
1 シリコン基板、3 シリコン酸化層、5 シリコン層、10 SOIウエーハ、13 SiO2膜(層間絶縁膜)、15 レジストパターン、17 コンタクトホール
Claims (3)
- 半導体層又は半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の原子間の結合を断ち切るような条件で電子ビームまたはレーザを所定領域の前記絶縁膜に照射して、当該所定領域の絶縁膜を改質する工程と、
改質された前記絶縁膜をエッチングして除去し所定の開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体層又は半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
所定領域の前記絶縁膜をエッチングし薄膜化する工程と、
前記絶縁膜の原子間の結合を断ち切るような条件で電子ビームまたはレーザを薄膜化された前記絶縁膜に照射して、当該薄膜化された絶縁膜を改質する工程と、
改質された前記絶縁膜をエッチングして除去し所定の開口部を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記半導体層は、SOI基板のシリコン層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003098263A JP2004304130A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003098263A JP2004304130A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004304130A true JP2004304130A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33409840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003098263A Withdrawn JP2004304130A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004304130A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007187608A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Denso Corp | 半導体力学量センサの製造方法 |
WO2010016351A1 (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-11 | 株式会社フジクラ | 半導体装置の製造方法 |
JP2010164394A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Denso Corp | 半導体装置の製造方法 |
US8541319B2 (en) | 2010-07-26 | 2013-09-24 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8591753B2 (en) | 2010-07-26 | 2013-11-26 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8673167B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-03-18 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8685269B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-04-01 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8741777B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-06-03 | Hamamatsu Photonics K.K. | Substrate processing method |
US8802544B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-08-12 | Hamamatsu Photonics K.K. | Method for manufacturing chip including a functional device formed on a substrate |
US8828873B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-09-09 | Hamamatsu Photonics K.K. | Method for manufacturing semiconductor device |
US8828260B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-09-09 | Hamamatsu Photonics K.K. | Substrate processing method |
US8841213B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-09-23 | Hamamatsu Photonics K.K. | Method for manufacturing interposer |
US8945416B2 (en) | 2010-07-26 | 2015-02-03 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8961806B2 (en) | 2010-07-26 | 2015-02-24 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US9108269B2 (en) | 2010-07-26 | 2015-08-18 | Hamamatsu Photonics K. K. | Method for manufacturing light-absorbing substrate and method for manufacturing mold for making same |
CN113496942A (zh) * | 2020-04-02 | 2021-10-12 | 中芯国际集成电路制造(深圳)有限公司 | 半导体器件的形成方法 |
-
2003
- 2003-04-01 JP JP2003098263A patent/JP2004304130A/ja not_active Withdrawn
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007187608A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Denso Corp | 半導体力学量センサの製造方法 |
JP4692292B2 (ja) * | 2006-01-16 | 2011-06-01 | 株式会社デンソー | 半導体力学量センサの製造方法 |
WO2010016351A1 (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-11 | 株式会社フジクラ | 半導体装置の製造方法 |
EP2312619A1 (en) * | 2008-08-07 | 2011-04-20 | Fujikura, Ltd. | Method for manufacturing semiconductor device |
JPWO2010016351A1 (ja) * | 2008-08-07 | 2012-01-19 | 株式会社フジクラ | 半導体装置の製造方法 |
EP2312619A4 (en) * | 2008-08-07 | 2012-12-12 | Fujikura Ltd | MANUFACTURING METHOD FOR SEMICONDUCTOR COMPONENT |
JP2010164394A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Denso Corp | 半導体装置の製造方法 |
US8685269B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-04-01 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8591753B2 (en) | 2010-07-26 | 2013-11-26 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8673167B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-03-18 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8541319B2 (en) | 2010-07-26 | 2013-09-24 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8741777B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-06-03 | Hamamatsu Photonics K.K. | Substrate processing method |
US8802544B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-08-12 | Hamamatsu Photonics K.K. | Method for manufacturing chip including a functional device formed on a substrate |
US8828873B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-09-09 | Hamamatsu Photonics K.K. | Method for manufacturing semiconductor device |
US8828260B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-09-09 | Hamamatsu Photonics K.K. | Substrate processing method |
US8841213B2 (en) | 2010-07-26 | 2014-09-23 | Hamamatsu Photonics K.K. | Method for manufacturing interposer |
US8945416B2 (en) | 2010-07-26 | 2015-02-03 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US8961806B2 (en) | 2010-07-26 | 2015-02-24 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method |
US9108269B2 (en) | 2010-07-26 | 2015-08-18 | Hamamatsu Photonics K. K. | Method for manufacturing light-absorbing substrate and method for manufacturing mold for making same |
CN113496942A (zh) * | 2020-04-02 | 2021-10-12 | 中芯国际集成电路制造(深圳)有限公司 | 半导体器件的形成方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004304130A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
US7482280B2 (en) | Method for forming a lithography pattern | |
US7465641B2 (en) | Method for manufacturing a semiconductor device | |
JPH11330245A (ja) | 半導体装置のコンタクト形成方法 | |
WO2005112129A1 (ja) | 半導体装置およびその製造方法、半導体基板の製造方法 | |
TW200807690A (en) | Semiconductor device having a compressed device isolation structure | |
KR20050088339A (ko) | 완전 공핍구조 SOI(Silicon onInsulator) 장치를 위한 LOCOS 분리 | |
JPS61502922A (ja) | 絶縁体上の半導体(soi)デバイス及びsoi ic製作法 | |
EP0113522B1 (en) | The manufacture of semiconductor devices | |
JP3204316B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
US6593205B1 (en) | Patterned SOI by formation and annihilation of buried oxide regions during processing | |
TWI283923B (en) | Semiconductor device capable of threshold voltage adjustment by applying an external voltage | |
JP4789421B2 (ja) | フォトン吸収膜を有する半導体素子及びその製造方法 | |
JP2003179064A (ja) | 配線パターンの形成方法 | |
JP2000106333A (ja) | Soi構造を有する半導体基板の製造方法及び半導体装置の製造方法 | |
JP3431653B2 (ja) | Mis型半導体装置の作製方法 | |
JPH09230600A (ja) | パターン形成方法 | |
JP2004119636A (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
JP2006203063A (ja) | 半導体基板及び半導体基板の製造方法 | |
JP3431857B2 (ja) | 半導体装置の作製方法 | |
JP2776838B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP3104388B2 (ja) | ドライエッチング方法 | |
JP2766177B2 (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
JPH08293481A (ja) | パターン形成方法および素子形成方法 | |
JPH08124873A (ja) | コンタクトホールの形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |