JP2004301317A - 摺動部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 潤滑剤を介して互いに摺動し合う摺動部材の間の摩擦を大幅に低減し、製造工程の簡略化を図る。
【解決手段】 微小凹部2が分布した表面1を有し、この表面が相手材と潤滑剤を介して互いに摺動し合う、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材であって、摺動表面に分散している微小凹部の開口部のサイズが15〜150μmの範囲であり、微小凹部を除いた部位が平滑である。この摺動部材を製造するに際しては、摺動部材の表面に、サイズが0.1mm〜0.5mmの範囲である粒子32を、投射圧が0.1〜0.5MPaの範囲で投射して、上記表面に微小凹部を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 微小凹部2が分布した表面1を有し、この表面が相手材と潤滑剤を介して互いに摺動し合う、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材であって、摺動表面に分散している微小凹部の開口部のサイズが15〜150μmの範囲であり、微小凹部を除いた部位が平滑である。この摺動部材を製造するに際しては、摺動部材の表面に、サイズが0.1mm〜0.5mmの範囲である粒子32を、投射圧が0.1〜0.5MPaの範囲で投射して、上記表面に微小凹部を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、潤滑剤を介して互いに摺動し合う摺動部材に係わり、特に、オイル溜りとして作用する微小凹部を摺動表面に分布させた摺動部材およびその製造方法に関する。
上記したような摺動部材としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1によれば、バルブリフタ用シムのカムと摺動する平面には、開口が10〜100平方μm、深さが0.1〜1μmの微小凹部が、合計面積率が5〜30%で均等に分布しており、平面の表面粗さはRa0.1μm以下としている。また、その摺動部材を製造するに際して、レーザ光の照射によって微小凹部を形成している。
一方、別の微小凹部形成方法として、特許文献2に記載されたものがある。この特許文献2の凹部形成方法では、感光性樹脂フィルムによるフォトレジスト層を形成し、次いで、このフォトレジスト層にフォトマスクを介して平行光による露光を行ったうえ、現像してマスキングパターンを形成し、このマスキングパターンを通じて微細砥粒をエアーとともに吹き付けることによって微小凹部を形成している。
なお、本明細書においては、「合計面積率」とは、微小凹部が形成されるべき面における任意領域の面積に対して、当該任意領域内に多数形成された微小凹部の開口部面積の合計の比率を言う。摺動表面の全面積に対する比率を言う場合には、「摺動表面に対する微小凹部の合計面積率」と称する。
特開2001−254808号公報
特開2001−96462号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたバルブリフタ用シムにあっては、カムシャフトのカムとバルブリフタとの接触部分の大きさと比較して、微小凹部のサイズが極端に小さくなるようにして選ばれているため、オイル溜りとして機能する微小凹部に保持される潤滑剤がきわめて微量となる。特に摩擦し合う摺動面同士が直接接触するようなきわめて厳しい潤滑状態にある環境下では、潤滑性能を向上させる作用は少なく、摩擦の低減効果は必ずしも十分でない。
また、上記バルブリフタ用シムを製造するに際しては、レーザ光を照射することによって微小凹部を形成するようにしているため、製造コストが比較的高いという問題がある。
さらに、特許文献2に記載されたマスクブラスト加工法による微小凹部形成にあっては、フォトレジスト層を形成する工程、フォトレジスト層にマスキングパターンを形成する工程、マスキングパターンを通じて微細砥粒を吹き付ける工程、マスキングパターンを除去する工程を順次行わなくてはならないことから、製造効率が良いとは言えないという問題がある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、相手材と潤滑剤を介して摺動し合う、焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材の摺動表面に分布させた微小凹部の直径を所定の範囲に設定することで、相手材との間の摩擦を大幅に低減し得ることを見出すに至った。また、その製造に際して、粒子径が略均一な球状粒子を投射することで微小凹部を形成し、製造工程を大幅に簡略化し得ることを見出すに至った。
そこで、本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、潤滑剤を介して互いに摺動し合う摺動部材の間の摩擦を大幅に低減でき、かつ、製造工程の簡略化をも実現し得る摺動部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
本発明は、微小凹部が分布した摺動表面を有し、この摺動表面が相手材と潤滑剤を介して互いに摺動し合う、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材において、摺動表面に分散している微小凹部の開口部のサイズが15〜150μmの範囲であり、微小凹部を除いた部位が平滑であることを特徴とする摺動部材である。
また、本発明は、その摺動部材を製造するに際して、摺動部材とすべきワークの被処理面に、サイズが0.1mm〜0.5mmの範囲である粒子を、投射圧が0.1〜0.5MPaの範囲で投射して、前記被処理面に微小凹部を形成する微小凹部形成処理を施し、微小凹部が分布した摺動表面を形成することを特徴とする摺動部材の製造方法である。
本発明の摺動部材によれば、相手材と潤滑剤を介して摺動する摺動表面に分散させた微小凹部がオイル溜りとして機能し、摩擦し合う相手材の表面との接触部分に潤滑剤を十分に行き渡らすことができ、すなわち、潤滑性能を向上させることができ、その結果、相手材との間における摩擦の大幅な低減を実現し得るという効果を奏する。
また、本発明の摺動部材の製造方法によれば、製造工程を簡略化することができ、その結果、摺動部材の製造コストを大幅に低減し得るという効果を奏する。
以下、本発明に係る摺動部材およびその製造方法について、詳細に説明する。
本発明に係る摺動部材は、微小凹部が分布した表面を有し、この表面が相手材と潤滑剤を介して互いに摺動し合う摺動表面となり、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る。摺動表面に分散している微小凹部がオイル溜りとして機能し、摩擦係数が大幅に低減することになる。ここに、微小凹部のサイズとしては、開口部のサイズが15〜150μmの範囲であることが望ましい。
この理由は、微小凹部の開口部のサイズが15μmよりも小さいときには、摺動面同士の直接接触を低減するような潤滑機能が発揮されず、摩擦の低減効果が少ないからである。一方、微小凹部の開口部のサイズが150μmを超えたときには、摺動時に発生するヘルツ接触面圧に十分に耐えることができずに、微小凹部を起点とした微細なクラックの形成によるピッチングおよびこれに伴うスカッフィングが生じてしまい、その結果、摺動面の粗さが悪化して摩擦の低減効果が減少する可能性があるからである。
微小凹部の開口部が略円形状の場合にも、上記の理由により、当該開口部の直径が15〜150μmの範囲であることが望ましい。
微小凹部の深さについては、0.5〜10μmの範囲であることが望ましい。
つまり、微小凹部の深さが0.5μmに満たないときには、オイル溜りとして実質的に機能しないので、摩擦の低減効果が十分に得られないからである。一方、微小凹部の深さが10μmを超えたときには、摺動時に発生するヘルツ接触面圧に十分に耐えることができずに、微小凹部を起点とした微細クラックの形成によるピッチングおよびこれに伴うスカッフィング生じてしまい、その結果、摺動面の粗さが悪化して摩擦の低減効果が減少する可能性があるからである。
微小凹部の分布については、相手材の表面と潤滑剤を介して互いに摺動し合う摺動表面に対する微小凹部の合計面積率を5〜40%の範囲とすることが望ましい。
つまり、上記合計面積率が5%に満たないときには、オイル溜りとして実質的に機能しないので、摩擦の低減効果が十分に得られないからである。一方、上記合計面積率が40%を超えたときには、摺動時に発生するヘルツ接触面圧に十分に耐えることができずに、微小凹部を起点とした微細クラックの形成によるピッチングおよびこれに伴うスカッフィング生じてしまい、その結果、摺動面の粗さが悪化して摩擦の低減効果が減少する可能性があるからである。
さらに、摺動表面における微小凹部を除いた部位については、その表面粗さRaが0.1μmを超えると、摺動時に発生するヘルツ接触面圧に十分に耐えきれなくなってスカッフィングが生じてしまい、摺動面の粗さが悪化することによって、上記と同様に摩擦が急増してしまう傾向がある。したがって、摺動表面における、微小凹部を除いた部位の表面粗さを中心線平均粗さRaで0.1μm以下とすることが望ましい。
前記の摺動部材は各種自動車用部品に適用可能である。摺動表面としては、バルブリフタ用シムのような平面状部材の表面、シリンダブロックのボアのような円筒部材の内周面、カムシャフトやクランクシャフトのような円筒部材の外周面やカムロブ面(カム部材の外周面に相当する)、さらには、ギア部品の歯面などが例示され、これら以外にもあらゆる摺動表面を対象とすることができる。さらに、各種軸受部品の摺動面も対象となる。
さらにまた、本発明の摺動部材を製造するに際しては、摺動部材とすべきワークの被処理面である表面に粒子を投射して、被処理面に微小凹部を形成する微小凹部形成処理すなわちブラスト処理を施し、微小凹部が分布した摺動表面を形成することができる。
特に、上述した円筒部材、カムロブあるいはギア部品のような摺動部材を形成するに際しては、摺動部材とすべきワークと粒子の投射手段とを相対的に回転させながら微小凹部形成処理を施すことにより、微小凹部が分布した摺動表面を形成することができる。
微小凹部形成処理を施す場合、粒子径が略均一な球状粒子を用いると、摺動部材の表面に、開口部が略円形状でその直径が略均一な微小凹部を形成することが可能である。
また、粒子は、セラミックあるいはセラミック硬質膜がコーティングされた粒子から成ることが望ましい。
つまり、粒子がセラミックよりも軟らかい材質であるときには、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材に塑性変形を生じさせることができず、有効な微小凹部が形成されない可能性があるからである。
粒子のサイズについては、0.1mm〜0.5mmの範囲であることが望ましい。
この理由は、粒子のサイズが0.1mmに満たないときには、形成される微小凹部の開口部のサイズが15μmよりも小さくなり、オイル溜りとして機能する微小凹部が実質的に形成できなくなり、一方、粒子のサイズが0.5mmを超えるときには、形成される微小凹部の開口部のサイズが150μmよりも大きくなってしまうからである。
投射する粒子が球状粒子である場合にも、上記の理由により、直径が0.1mm〜0.5mmの範囲であることが望ましい。
さらに、球状粒子の直径のばらつきについては、±10%以内とすることが望ましい。
これにより、摺動部材の表面に、開口部が略円形状でその直径が略均一な微小凹部を形成することが可能である。
また、粒子を投射するときの投射圧については、0.1〜0.5MPaの範囲とすることが望ましい。
つまり、上記投射圧が0.1MPaに満たないときには、オイル溜りとして機能する微小凹部を実質的に形成できなくなり、0.5MPaを超えるときには、形成される微小凹部の開口部の直径が150μmよりも大きくなってしまうからである。
また、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率が5〜40%の範囲となるようにするために、被処理面に投射される粒子の投射量を制御手段により制御することが望ましい。
つまり、粒子の投射量が不安定であると、摺動部材の摺動表面における部位ごとの微小凹部の合計面積率にばらつきが生じてしまうからである。さらには、粒子の投射量が多すぎるときには、短時間の微小凹部形成処理であっても、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率が瞬時に40%を超えてしまい、前述した問題が生じるからである。
また、円筒部材のような回転体である摺動部材を形成するに際しては、ワークと粒子の投射手段とを一定の回転速度で相対的に1回転する間に微小凹部形成処理により形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率が所期の合計面積率の半分以下となるように、被処理面に投射される粒子の投射量を制御手段により制御しておき、ワークと投射手段とを前記一定の回転速度で相対的に2回転以上回転させている間、粒子の投射による微小凹部形成処理を連続して行うことが望ましい。
つまり、加工終了時に投射手段の作動を停止した直後に惰性で粒子の投射が続いたとしても、被処理面における加工開始位置と加工終了位置との継ぎ目の領域における微小凹部の合計面積率が他の領域と比較して大きく異なることがなく、すなわち、摺動表面のすべての領域にわたって安定した合計面積率の微小凹部の分布を得ることができる。
粒子の投射量の制御は、粒子を運搬する媒体である気体に混合される粒子の供給量を調整したり、粒子を投射するノズルの先端からワークの被処理面に至る経路の一部を閉じる遮蔽手段(例えば、スリット状の板やメッシュ)を設けたりすることによって行われる。
つまり、被処理面に最終的に到達して微小凹部の形成に実質的に関与する粒子の量がコントロールされ、微小凹部の合計面積率の制御が可能になる。
遮蔽手段をノズルと摺動部材との間に進退移動可能に配置し、加工部への粒子の投射を開始する瞬間に、ノズルから加工部に至る経路を開くために遮蔽手段を例えば後退移動する一方、ブラスト処理が終了した瞬間(例えば、摺動部材が1回転し終わった瞬間)に、ブラストノズルから加工部に至る経路を閉じるために遮蔽手段を例えば前進移動してもよい。かかる構成の遮蔽手段にあっては、被処理面における加工開始位置と加工終了位置との継ぎ目の領域において、非加工部あるいは二重加工部が形成されることを抑制し、もって、摺動表面のすべての領域にわたって安定した合計面積率の微小凹部分布を得るのに効果的である。
さらに、粒子の投射による微小凹部の形成に際して微小凹部の周辺に生じる凸部を、凹部形成後に除去するようにすることで、摩擦を悪化させる原因となる微小な突起が取り除かれる。
微小凹部の周辺に生じる凸部の除去は、例えば、ラッピング、超仕上げ、ポリッシング、ホーニングのいずれかによって容易に行うことができる。
本発明に係る摺動部材の製造方法を具現化した加工装置の実施形態およびその作用について、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る、円筒部材Wの被処理面に対して微小凹部形成処理を施す加工装置10を示す概略構成図である。
図1は、第1の実施形態に係る、円筒部材Wの被処理面に対して微小凹部形成処理を施す加工装置10を示す概略構成図である。
加工装置10は、概説すれば、摺動部材とすべきワークとしての円筒部材Wを回転駆動する駆動手段20と、円筒部材Wの外周面に向けて硬質の球状粒子32を投射するショットブラスト装置30(投射手段に相当する)と、を有している。円筒部材Wは、例えば、カムシャフトやクランクシャフトの円筒部材であり、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る。この円筒部材Wの外周表面が、微小凹部を形成すべき被処理面となる。
そして、円筒部材Wの外周面に対して、ショットブラスト装置30から球状粒子32を投射することにより、円筒部材Wの外周面に微小凹部を形成する微小凹部形成処理すなわちショットブラスト処理を施す。円筒部材Wに微小凹部形成処理を施すことにより、微小凹部が分布した摺動表面を有する摺動部材が製造される。図示例では、円筒部材Wの上部部分がショトブラスト処理により微小凹部が形成される加工部となる。加工部は、円筒部材Wの回転に伴って順次移動することになる。
以下、加工装置10を詳述する。
前記駆動手段20は、円筒部材Wの回転軸Waを着脱自在に把持する図示しないチャック、当該チャックに連結され円筒部材Wを回転駆動するモータMなどから構成されている。円筒部材Wは、図中矢印で示される回転方向に回転する。円筒部材Wの回転速度は、モータMの回転速度を調整することにより、可変自在となっている。円筒部材Wは、例えば、30rpmで回転する。
前記ショットブラスト装置30は、円筒部材Wの上方に配置されている。粒子タンク33に貯蔵された球状粒子32は、粒子供給装置35を経て、配管ホース36に供給される。配管ホース36の一端には、球状粒子32を運搬する媒体である気体(例えば、エアー)を供給する供給源34が接続され、配管ホース36の他端には、ブラストノズル31(ノズルに相当する)が接続されている。配管ホース36に供給された球状粒子32は、球状粒子運搬媒体に混合される。
ブラストノズル31の先端は、加工部から所定距離離間した位置に配置されている。前記離間する距離は、例えば、100mmである。投射する球状粒子32の直径は0.1mm〜0.5mmの範囲、投射圧は0.1〜0.5MPaの範囲で適宜選択される。一例を挙げれば、直径0.3mmのジルコニアセラミックからなる球状粒子32が、噴射圧力0.5MPaで投射される。
球状粒子32は、セラミックあるいはセラミック硬質膜がコーティングされた粒子から成り、球状粒子32の直径のばらつきは、±10%以内である。
図中符号21は、加工装置10全体の制御を司るコントローラを示し、当該コントローラ21は、駆動手段20、供給源34および粒子供給装置35の作動を制御する。
ところで、油溜まりとして作用する微小凹部を摺動表面に形成する場合には、前述したように、微小凹部を起点とした微細クラックの形成によるピッチングなどの発生を抑制するために、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率が40%を超えないようにしなければならない。
また、良好な摺動性能を得るためには、摺動表面の全領域にわたって微小凹部を均一に分散させ、微小凹部の合計面積率の局所的なばらつきを可及的に小さくする必要がある。しかしながら、ショットブラスト装置では、一般的に、作動停止を指令してから球状粒子32の投射が完全に停止するまでにはある程度の時間遅れがあり、作動停止を指示した直後には、惰性によって球状粒子32の投射が続いている。このため、図示例のように円筒部材Wに対して微小凹部形成処理を施すに際して、外周面上の任意の位置から微小凹部形成処理を開始し、円筒部材を1回転(360°回転)させて同じ位置で微小凹部形成処理を終了しようとした場合には、次の問題が生じ得る。つまり、惰性によって球状粒子32の投射が続いているため、加工開始位置つまり加工終了位置の周辺に二重加工部が形成されてしまい、微小凹部の合計面積率がその付近だけ増大してしまうという問題がある。これとは逆に、時間遅れを見込んで、加工開始位置よりも手前側の位置で微小凹部形成処理を終了しようとした場合には、非加工部が形成される虞もある。
したがって、微小凹部の形成においては、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率が40%を超えることなく適度にばらついた微小凹部の分布状態を得ることができること、および、加工開始位置と加工終了位置との継ぎ目の領域において非加工部あるいは二重加工部が形成されることを抑制し摺動表面のすべての領域にわたって安定した微小凹部の合計面積率を得ることができること、が必要である。
本発明者らが鋭意検討した結果、球状粒子32の投射量を制御することによって、微小凹部の合計面積率を摺動表面のすべての領域にわたって安定させることができることを見出すに至った。
そこで、本実施形態では、次のように構成されている。
前記粒子供給装置35は、被処理面に投射される球状粒子32の投射量を制御する制御手段に相当し、球状粒子運搬媒体である気体に混合される球状粒子32の供給量を調整する。粒子供給装置35により球状粒子32の供給量を調整することにより、球状粒子32の投射量を制御し、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率を、所期の合計面積率としている。ここで、所期の合計面積率とは、5〜40%の範囲で適宜選択されるが、本実施形態では、所期の合計面積率を例えば10%としている。
特に、円筒部材Wのような回転体である摺動部材を形成するに際しては、円筒部材Wを一定の回転速度で1回転する間に微小凹部形成処理により形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率が所期の合計面積率の半分以下となるように、粒子供給装置35により球状粒子32の投射量を予め制御する。そして、球状粒子32の投射による微小凹部形成処理は、円筒部材Wを前記一定の回転速度で2回転以上回転させている間中、連続して行われる。粒子供給装置35は、球状粒子32の投射量が例えば0.2g/sとなるように、エアーに混合される球状粒子32の供給量を調整する。この条件の場合には、円筒部材Wが回転速度30rpmで回転している状態で円筒部材Wを1回転させて微小凹部形成処理を施すと、円筒部材Wの外周面には合計面積率が約1%で分布した微小凹部が形成される。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
まず、コントローラ21は、駆動手段20の作動を制御し、円筒部材Wを一定の回転速度(例えば、30rpm)で回転させる。
円筒部材Wが一定の回転速度で回転している状態の下で、円筒部材Wの外周表面に対して、ショットブラスト装置30から硬質の球状粒子32をエアーとともに吹き付ける。微小凹部形成処理を施すとき、コントローラ21は、粒子供給装置35の作動を制御し、球状粒子32の投射量が例えば0.2g/sとなるように、エアーに混合される球状粒子32の供給量を調整する。円筒部材Wが1回転した後には、円筒部材Wの外周面には合計面積率が約1%で分布した微小凹部が形成される。第1の実施形態では、円筒部材Wが1回転する間に形成される微小凹部の合計面積率は、所期の合計面積率(10%)の1/10となる。
球状粒子32の投射による微小凹部形成処理は、円筒部材Wを前記一定の回転速度(例えば、30rpm)で2回転以上の所定回転(例えば、10回転)回転させている間中、連続して継続される。
円筒部材Wが所定回転(例えば、10回転)回転すると、微小凹部形成処理を終了し、球状粒子32の投射を停止する。
その後、加工済みの円筒部材Wはチャックから簡単に取り出すことができる。球状粒子32の投射による微小凹部の形成に際して微小凹部の周辺に生じる凸部を凹部形成後に除去することが好ましい。微小な突起が取り除かれるので、摩擦を悪化させる原因を排除できる。微小凹部の周辺に生じる凸部の除去は、例えば、ラッピング、超仕上げ、ポリッシング、ホーニングのいずれかによって容易に行うことができる。これにより、微小凹部が分布した摺動表面を有する摺動部材の製造が完了する。
以上の操作により、円筒部材Wの外周面には、球状粒子32の衝突によって押し込まれた微小な微小凹部が形成される。円筒部材Wが1回転する間に形成される微小凹部の合計面積率が1%となるように球状粒子32の投射量を制御していることから、円筒部材Wを10回転させて微小凹部形成処理を施すと、最終的に形成される微小凹部の合計面積率は、所期の合計面積率である10%にほぼ等しくなる。
上述したように、第1の実施形態に係る加工装置10は、摺動部材を製造するに際して、摺動部材とすべきワークの被処理面に、直径が0.1mm〜0.5mmの範囲である球状粒子32を、投射圧が0.1〜0.5MPaの範囲で投射して、被処理面に微小凹部を形成する微小凹部形成処理を施し、微小凹部が分布した摺動表面を形成する摺動部材の製造方法を具現化したものであり、相手材と潤滑剤を介して摺動し合う、焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材の摺動表面に分布させた微小凹部の直径を所定の範囲に設定することができ、相手材との間の摩擦を大幅に低減した摺動部材を得ることができる。また、その製造に際して、粒子径が略均一な球状粒子32を投射することで微小凹部を形成しているので、製造工程の大幅な簡略化をも実現することができる。
また、この加工装置10は、特に、回転体である摺動部材を製造するに際して、摺動部材とすべきワークWと、当該ワークWの被処理面に直径が0.1mm〜0.5mmの範囲である球状粒子32を投射圧が0.1〜0.5MPaの範囲で投射するショットブラスト装置30とを相対的に回転させて、被処理面に微小凹部を形成する微小凹部形成処理を施し、微小凹部が分布した摺動表面を形成する摺動部材の製造方法を具現化したものであり、微小凹部を摺動表面に均一に分散させることができ、回転体である摺動部材の製造工程のさらなる簡略化を図ることができる。
また、球状粒子32は、セラミックあるいはセラミック硬質膜がコーティングされた粒子から成るので、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材に塑性変形を生じさせて、有効な微小凹部を確実に形成することができる。
また、球状粒子32の直径のばらつきが±10%以内であるので、摺動部材の表面には、開口部が略円形状でその直径が略均一な微小凹部を形成することができる。
また、被処理面に投射される球状粒子32の投射量を粒子供給装置35により制御することによって、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率を、所期の合計面積率とすることができる。
特に、ワークとショットブラスト装置30とを一定の回転速度で相対的に1回転する間に微小凹部形成処理により形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率が所期の合計面積率の半分以下となるように、被処理面に投射される球状粒子32の投射量を粒子供給装置35により制御し、ワークWとショットブラスト装置30とを前記一定の回転速度で相対的に2回転以上回転させている間、微小凹部形成処理を連続して行うことから、ショットブラスト装置30の作動を停止した直後に惰性で球状粒子32の投射が続いたとしても、加工開始位置の周辺における微小凹部の合計面積率が他の部分と比較して大幅に増大する虞がなく、摺動部材の外周面の全周にわたって安定した合計面積率の微小凹部の分布を得ることができる。
また、粒子供給装置35は、球状粒子運搬媒体である気体に混合される球状粒子32の供給量を調節するので、球状粒子32の投射量を簡便かつ正確に制御することができ、所期の合計面積率で微小凹部を分布させることが確実に実現される。
また、球状粒子32の投射による微小凹部の形成に際して微小凹部の周辺に生じる凸部を微小凹部形成処理後に除去するので、摩擦を悪化させる原因を排除できる。
また、微小凹部の周辺に生じる凸部の除去は、例えば、ラッピング、超仕上げ、ポリッシング、ホーニングのいずれかによって容易に行うことができる。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係る、円筒部材Wの被処理面に対して微小凹部形成処理を施す加工装置10aを示す概略構成図である。なお、図1に示した加工装置10と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図2は、第2の実施形態に係る、円筒部材Wの被処理面に対して微小凹部形成処理を施す加工装置10aを示す概略構成図である。なお、図1に示した加工装置10と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2の実施形態に係る加工装置10aにあっては、被処理面に投射される球状粒子32の投射量を制御する制御手段として、粒子供給装置35のほかに、ブラストノズル31から円筒部材Wの被処理面である外周面に至る経路の一部を閉じる遮蔽手段41をさらに有している点で、第1の実施形態の加工装置10と相違している。
前記遮蔽手段41は、円筒部材Wの表面から例えば50mm離れた位置に配置され、間隙2mmの窓部42が形成された遮蔽板43から構成されている。遮蔽板43は、球状粒子32が衝突する側の表面(図示例では上面)がゴムなどの弾性材料で覆われている。これにより、遮蔽板43は、ブラストノズル31から投射された球状粒子32が繰り返し衝突したとしても、摩耗によって損傷を受けることがなく、長期間の使用に耐えうる。なお、遮蔽板43をワーク表面から離間させる距離および窓部42の間隙は自由に選択できる。
第2の実施形態においても、円筒部材Wを一定の回転速度で1回転する間に微小凹部形成処理により形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率が所期の合計面積率の半分以下となるように、粒子供給装置35および遮蔽板43により球状粒子32の投射量を予め制御する。そして、球状粒子32の投射による微小凹部形成処理は、円筒部材Wを前記一定の回転速度で2回転以上回転させている間中、連続して行われる。粒子供給装置35は、第1の実施形態と同様に、球状粒子32の投射量が例えば0.2g/sとなるように、エアーに混合される球状粒子32の供給量を調整する。ブラストノズル31から投射された球状粒子32は、その一部が遮蔽板43によって遮られる。円筒部材Wが回転速度30rpmで回転している状態で円筒部材Wを1回転させて微小凹部形成処理を施すと、円筒部材Wの外周面には合計面積率が約0.4%で分布した微小凹部が形成される。
第2の実施形態の作用を説明する。
第1の実施形態と同様に、円筒部材Wが一定の回転速度(例えば、30rpm)で回転している状態の下で、微小凹部形成処理を施す。ブラストノズル31から投射された球状粒子32は、その一部が遮蔽板43によって遮られ、窓部42を通過した球状粒子32のみが円筒部材Wの表面に衝突する。円筒部材Wが1回転した後には、円筒部材Wの外周面には合計面積率が約0.4%で分布した微小凹部が形成される。第2の実施形態では、円筒部材Wが1回転する間に形成される微小凹部の合計面積率は、所期の合計面積率(10%)の1/25となる。
球状粒子32の投射による微小凹部形成処理は、円筒部材Wを所定回転(例えば、25回転)回転させている間中、連続して継続される。
円筒部材Wが所定回転(例えば、25回転)回転すると、微小凹部形成処理を終了し、球状粒子32の投射を停止する。
その後、加工済みの円筒部材Wをチャックから取り出し、微小凹部の周辺に生じた凸部を除去すると、微小凹部が分布した摺動表面を有する摺動部材の製造が完了する。
以上の操作により、円筒部材Wの外周面には、球状粒子32の衝突によって押し込まれた微小な微小凹部が形成される。円筒部材Wが1回転する間に形成される微小凹部の合計面積率が0.4%となるように球状粒子32の投射量を制御していることから、円筒部材Wを25回転させて微小凹部形成処理を施すと、最終的に形成される微小凹部の合計面積率は、所期の合計面積率である10%にほぼ等しくなる。
上述したように、第2の実施形態に係る加工装置10aにあっては、被処理面に投射される球状粒子32の投射量を制御する制御手段は、球状粒子32を投射するブラストノズル31の先端からワークWの被処理面に至る経路の一部を閉じる遮蔽手段41としての遮蔽板43を含んでいるので、当該遮蔽板43によって円筒部材Wの表面に衝突する球状粒子32の数を絞り込むことができる。このため、円筒部材Wが1回転する間に形成される微小凹部の合計面積率を、第1の実施形態に比べて小さく抑えることが可能になる。したがって、円筒部材Wを複数回連続して回転させて微小凹部形成処理を施す場合に、加工開始位置の周辺における微小凹部の合計面積率が増大することを一層抑制でき、摺動部材の外周面の全周にわたって一層安定した合計面積率の微小凹部の分布を得ることができる。
(改変例)
第1、第2の実施形態では、ワークWを回転しているが、ショットブラスト装置30をワークWの軸心を中心に回転させて、微小凹部が分布した摺動表面を形成することもできる。
第1、第2の実施形態では、ワークWを回転しているが、ショットブラスト装置30をワークWの軸心を中心に回転させて、微小凹部が分布した摺動表面を形成することもできる。
第2の実施形態では、粒子供給装置35のほかに、遮蔽手段41をさらに有する加工装置10aについて説明したが、遮蔽手段41のみによっても、球状粒子32の投射量を制御することができる。したがって、球状粒子32の投射量を制御することが困難なタイプのショットブラスト装置を使用する場合であっても、簡易な遮蔽手段41を追加するだけで、球状粒子32の投射量を制御できるようになり、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率が40%を超えることなく適度にばらついた微小凹部の分布状態を容易に得ることができる。
また、遮蔽手段41を進退移動可能に配置し、球状粒子32の投射を開始する瞬間に、ブラストノズル31から加工部に至る経路を開くために例えば後退移動する一方、微小凹部形成処理が終了した瞬間に、前記経路を閉じるために例えば前進移動してもよい。かかる構成の遮蔽手段41にあっては、被処理面における加工開始位置と加工終了位置との継ぎ目の領域において、非加工部あるいは二重加工部が形成されることを確実に抑制でき、摺動表面のすべての領域にわたって安定した合計面積率の微小凹部分布を得るのに効果的なものとなる。
また、遮蔽手段41は、遮蔽板43に限られるものではなく、網目状のメッシュのような部材を用いることも可能である。
摺動部材の摺動表面が円筒部材の外周面である場合を示したが、摺動表面はこの場合に限定されるものではない。例えば、摺動表面は、シリンダブロックのボアのように円筒部材の内周面、カムロブ面のようにカム部材の外周面、ギア部品の歯面、各種軸受部品の摺動面でもよい。さらには、バルブリフタ用シムのような平面状部材の表面を摺動表面とする場合にも本発明を適用できる。
平面状部材の場合にあっては、ワークWとショットブラスト装置30とを相対的に平行移動させながら、微小凹部形成処理を施せばよい。さらに、ワークWとショットブラスト装置30とを一定の移動速度で相対的に平行に往動する間に微小凹部形成処理により形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率が所期の合計面積率の半分以下となるように、球状粒子32の投射量を制御手段により制御し、ワークWとショットブラスト装置30とを前記一定の移動速度で相対的に平行に1往復以上移動させている間、微小凹部形成処理を連続して行うようにすれば、球状粒子32の投射を終了した直後に惰性で球状粒子32の投射が続いたとしても、加工開始位置の周辺の合計面積率が大幅に増大する虞がなく、摺動部材の表面の全域にわたって安定した合計面積率の微小凹部を形成することができる。
第1、第2の実施形態では、球状粒子32を例示したが、投射する粒子は球形に限られず、適宜の形状を有する粒子を採用できる。但し、粒子のサイズは、球状粒子32と同様に、0.1mm〜0.5mmの範囲であることが望ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明する。
(実施例1〜8)
まず、円筒形状の表面硬度がHRC60の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。その後、加工装置10(図1参照)を使用し、直径が0.10〜0.12mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.2〜0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成して本実施例の摺動部材を製作した。
まず、円筒形状の表面硬度がHRC60の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。その後、加工装置10(図1参照)を使用し、直径が0.10〜0.12mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.2〜0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成して本実施例の摺動部材を製作した。
球状粒子32を投射するに際しては、円筒形状の摺動部材を回転数30rpmで回転させ、2秒間で摺動部材が1周する間に、投射量約1g/sの割合で球状粒子32を投射した。
すなわち、下記の表1に示すように、投射圧0.2MPaで投射した摺動部材(実施例1)、投射圧0.3MPaで投射した摺動部材(実施例2)、投射圧0.4MPaで投射した摺動部材(実施例3)および投射圧0.5MPaで投射した摺動部材(実施例4)を用意した。
同様にして、直径が0.31〜0.36mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を投射圧0.2〜0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成して本実施例の摺動部材を製作した。
すなわち、下記の表1に示すように、投射圧0.2MPaで投射した摺動部材(実施例5)、投射圧0.3MPaで投射した摺動部材(実施例6)、投射圧0.4MPaで投射した摺動部材(実施例7)および投射圧0.5MPaで投射した摺動部材(実施例8)を用意した。
実施例1〜8では、図3に示すように、表面1に対する微小凹部2の合計面積率が5〜40%の範囲に収まるような摺動部材を製造することができた。
(実施例9、10)
同様にして、表面硬度がHRC30および45の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。
同様にして、表面硬度がHRC30および45の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。
その後、直径が0.31〜0.36mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成して本実施例の摺動部材を製作した。
すなわち、下記の表1に示すように、表面硬度がHRC30の焼入れ鋼の外周表面に微小凹部を形成した摺動部材(実施例9)および表面硬度がHRC45の焼入れ鋼の外周表面に微小凹部を形成した摺動部材(実施例10)を用意した。
(比較例1)
上記した各実施例の摺動部材に用いた円筒形状の焼入れ鋼に対して超仕上研磨加工を施した後、スチールから成る直径0.3mmの球状粒子32を投射圧0.5MPaで投射したものを比較例1とした。
上記した各実施例の摺動部材に用いた円筒形状の焼入れ鋼に対して超仕上研磨加工を施した後、スチールから成る直径0.3mmの球状粒子32を投射圧0.5MPaで投射したものを比較例1とした。
上記実施例1〜10の摺動部材および比較例1の摺動部材の表面状態を、分析調査した。この測定の結果を下記の表2に示す。
表2からわかるように、実施例1〜10の摺動部材では、いずれの摺動部材においても、微小凹部の開口部の直径および深さが所定の範囲に分布していた。すなわち、微小凹部の開口部の直径が15〜150μmの範囲に分布し、微小凹部の深さが0.5〜10μmの範囲に分布していた。一方、比較例1の摺動部材では、微小凹部の深さが0.5μmに満たなかった。
上記したように、実施例1〜10の摺動部材では、いずれの摺動部材においても、球状粒子32を所定の条件で投射することによって微小凹部を形成するようにしているので、製造工程を簡略化することが可能であり、摺動部材の製造コストを大幅に低減することができる。
(実施例11)
まず、円筒形状の表面硬度がHRC60の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。その後、加工装置10(図1参照)を使用し、直径が0.3mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。ブラストノズル31の先端を、加工部から100mm離間した位置に配置した。
まず、円筒形状の表面硬度がHRC60の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。その後、加工装置10(図1参照)を使用し、直径が0.3mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。ブラストノズル31の先端を、加工部から100mm離間した位置に配置した。
球状粒子32を投射するに際しては、円筒形状の摺動部材を回転数30rpmで回転させ、粒子供給装置35での球状粒子32の供給流量を0.2g/sに調整し、投射量約0.2g/sの割合で球状粒子32を投射した。この条件の場合、円筒形状の摺動部材が1回転する間に形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率は、1%であった。摺動部材を10回転させている間中、球状粒子32の投射を連続して継続した。そして、摺動部材が10回転した時点で、球状粒子32の投射を停止して微小凹部の形成を終了し、実施例11の摺動部材を製作した。
(実施例12)
実施例11と同様の条件で円筒形状の焼入れ鋼に対して超仕上研磨加工を施した後、加工装置10a(図2参照)を使用し、直径が0.3mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。ブラストノズル31の先端を、加工部から100mm離間した位置に配置し、間隙2mmの窓部42が形成された遮蔽板43を、加工部から50mm離間した位置に配置した。
実施例11と同様の条件で円筒形状の焼入れ鋼に対して超仕上研磨加工を施した後、加工装置10a(図2参照)を使用し、直径が0.3mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。ブラストノズル31の先端を、加工部から100mm離間した位置に配置し、間隙2mmの窓部42が形成された遮蔽板43を、加工部から50mm離間した位置に配置した。
球状粒子32を投射するに際しては、実施例11と同様に、ブラストノズル31からの投射量は約0.2g/sであるが、投射された球状粒子32の一部を遮蔽板43によって遮り、表面に投射されないようにした。この条件の場合、円筒形状の摺動部材が1回転する間に形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率は、0.4%であった。摺動部材を25回転させている間中、球状粒子32の投射を連続して継続した。そして、摺動部材が25回転した時点で、球状粒子32の投射を停止して微小凹部の形成を終了し、実施例12の摺動部材を製作した。
(実施例13)
円筒形状の表面硬度がHRC60の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。その後、加工装置10(図1参照)を使用し、サイズが0.3mmのアルミナセラミックから成る粒子(メッシュサイズ#46のアルミナ砥粒)32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。
円筒形状の表面硬度がHRC60の焼入れ鋼の外周表面を研削加工によって仕上げた後、超仕上研磨加工を施すことによって、表面粗さRaが0.04μm前後という極めて平滑な表面を得た。その後、加工装置10(図1参照)を使用し、サイズが0.3mmのアルミナセラミックから成る粒子(メッシュサイズ#46のアルミナ砥粒)32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。
粒子32を投射するに際しては、円筒形状の摺動部材を回転数30rpmで回転させ、2秒間で摺動部材が1周する間に、投射量約1g/sの割合で粒子32を投射した。この結果、図4に示すように、表面1に対する微小凹部2の合計面積率が5〜40%の範囲に収まるような摺動部材を製造することができた。
(比較例2)
実施例11と同様の条件で円筒形状の焼入れ鋼に対して超仕上研磨加工を施した後、加工装置10(図1参照)を使用し、直径が0.3mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。
実施例11と同様の条件で円筒形状の焼入れ鋼に対して超仕上研磨加工を施した後、加工装置10(図1参照)を使用し、直径が0.3mmのジルコニアセラミックから成る球状粒子32を、投射圧0.5MPaで投射することにより、表面に微小凹部を形成した。
球状粒子32を投射するに際しては、円筒形状の摺動部材を回転数30rpmで回転させ、粒子供給装置35での球状粒子32の供給流量を5g/sに調整し、投射量約5g/sの割合で球状粒子32を投射した。摺動部材を1回転させている間中、球状粒子32の投射を連続して継続した。そして、摺動部材が1回転した時点で、球状粒子32の投射を停止して微小凹部の形成を終了し、比較例2とした。
(比較例3)
粒子供給装置での球状粒子32の供給流量を2g/sとした点を除いて、比較例2と同じとし、摺動部材が1回転した時点で、球状粒子32の投射を停止して微小凹部の形成を終了し、比較例3とした。
粒子供給装置での球状粒子32の供給流量を2g/sとした点を除いて、比較例2と同じとし、摺動部材が1回転した時点で、球状粒子32の投射を停止して微小凹部の形成を終了し、比較例3とした。
(微小凹部の合計面積率の調査)
上記実施例11、12の摺動部材および比較例2、3の摺動部材について、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率を調査した。
上記実施例11、12の摺動部材および比較例2、3の摺動部材について、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率を調査した。
実施例11、12の摺動部材では、いずれの摺動部材においても、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率はほぼ10%であり、加工開始位置の周辺の合計面積率が他の部位に比べて増大しておらず、微小凹部が摺動部材の外周面の全周にわたって均一に分散して形成されていた。一方、比較例2の摺動部材では、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率が約80%であり、適正範囲の上限とされている40%をはるかに超えてしまった。また、比較例3の摺動部材では、加工開始位置の周辺を除いた部位では、合計面積率がほぼ10%で微小凹部が分布していたが、加工開始位置の周辺では、二重処理部が生じ、微小凹部の合計面積率が15%を超えており、合計面積率が局所的に異なった。
上記したように、実施例11、12の摺動部材では、いずれの摺動部材においても、場所によって微小凹部の合計面積率が異なることがなく、摺動部材の外周面の全周にわたって安定した合計面積率の微小凹部を形成することが可能であり、製品の品質安定化を実現することができた。
以上説明したように、本発明は、摩擦し合う摺動面同士が直接接触するようなきわめて厳しい潤滑状態にある環境下で摺動する摺動部材およびその製造方法において、技術的な取り組みを鋭意行ってきた結果、摺動部材の摩擦低減、製造簡略化、製造コスト低減、および、製品の品質安定化に直結する大きな効果が得られる技術を見出したものであって、工業的に有益なものである。
本発明は、摩擦し合う摺動面同士が直接接触するようなきわめて厳しい潤滑状態にある環境下で摺動する摺動部材およびその製造方法に適用できる。
1 相手材の表面と潤滑剤を介して互いに摺動し合う表面、
2 微小凹部、
10、10a 加工装置、
20 駆動手段、
21 コントローラ、
30 ショットブラスト装置(投射手段)、
31 ブラストノズル(ノズル)、
32 粒子、
35 粒子供給装置(制御手段)、
41 遮蔽手段(制御手段)、
42 窓部、
43 遮蔽板、
W 円筒部材(ワーク)。
2 微小凹部、
10、10a 加工装置、
20 駆動手段、
21 コントローラ、
30 ショットブラスト装置(投射手段)、
31 ブラストノズル(ノズル)、
32 粒子、
35 粒子供給装置(制御手段)、
41 遮蔽手段(制御手段)、
42 窓部、
43 遮蔽板、
W 円筒部材(ワーク)。
Claims (20)
- 微小凹部が分布した摺動表面を有し、この摺動表面が相手材と潤滑剤を介して互いに摺動し合う、表面硬度がHRC25〜65の焼入れ鋼または鋳鉄から成る摺動部材において、
摺動表面に分散している微小凹部の開口部のサイズが15〜150μmの範囲であり、微小凹部を除いた部位が平滑であることを特徴とする摺動部材。 - 微小凹部の開口部が略円形状であり、当該開口部の直径が15〜150μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
- 微小凹部の深さが0.5〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の摺動部材。
- 摺動表面に対する微小凹部の合計面積率が5〜40%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の摺動部材。
- 摺動表面における、微小凹部を除いた部位の表面粗さがRa0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の摺動部材。
- 平面状部材の表面が摺動表面である請求項1〜5のいずれか一つに記載の摺動部材。
- 円筒部材の内周面が摺動表面である請求項1〜5のいずれか一つに記載の摺動部材。
- 円筒部材の外周面またはカム部材の外周面が摺動表面である請求項1〜5のいずれか一つに記載の摺動部材。
- ギア部品の歯面が摺動表面である請求項1〜5のいずれか一つに記載の摺動部材。
- 請求項1〜9に記載の摺動部材を製造するに際して、
摺動部材とすべきワークの被処理面に、サイズが0.1mm〜0.5mmの範囲である粒子を、投射圧が0.1〜0.5MPaの範囲で投射して、前記被処理面に微小凹部を形成する微小凹部形成処理を施し、微小凹部が分布した摺動表面を形成することを特徴とする摺動部材の製造方法。 - 請求項1〜9に記載の摺動部材を製造するに際して、
投射する粒子が、直径が0.1mm〜0.5mmの範囲である球状粒子であることを特徴とする請求項10に記載の摺動部材の製造方法。 - 請求項7〜9に記載の摺動部材を製造するに際して、
摺動部材とすべきワークと、当該ワークの被処理面にサイズが0.1mm〜0.5mmの範囲である粒子を投射圧が0.1〜0.5MPaの範囲で投射する投射手段とを相対的に回転させて、前記被処理面に微小凹部を形成する微小凹部形成処理を施し、微小凹部が分布した摺動表面を形成することを特徴とする摺動部材の製造方法。 - 粒子が、セラミックあるいはセラミック硬質膜がコーティングされた粒子から成ることを特徴とする請求項10〜12に記載の摺動部材の製造方法。
- 球状粒子の直径のばらつきが±10%以内であることを特徴とする請求項11に記載の摺動部材の製造方法。
- 被処理面に投射される粒子の投射量を制御手段により制御することによって、摺動表面に対する微小凹部の合計面積率を、所期の合計面積率とすることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載の摺動部材の製造方法。
- ワークと投射手段とを一定の回転速度で相対的に1回転する間に微小凹部形成処理により形成される微小凹部の摺動表面に対する合計面積率が所期の合計面積率の半分以下となるように、被処理面に投射される粒子の投射量を制御手段により制御し、
ワークと投射手段とを前記一定の回転速度で相対的に2回転以上回転させている間、微小凹部形成処理を連続して行うことを特徴とする請求項12に記載の摺動部材の製造方法。 - 制御手段は、粒子を運搬する媒体である気体に混合される粒子の供給量を調節することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の摺動部材の製造方法。
- 制御手段は、粒子を投射するノズルの先端からワークの被処理面に至る経路の一部を閉じる遮蔽手段を含んでいることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の摺動部材の製造方法。
- 粒子の投射による微小凹部の形成に際して微小凹部の周辺に生じる凸部を微小凹部形成処理後に除去することを特徴とする請求項10〜18のいずれか一つに記載の摺動部材の製造方法。
- 微小凹部の周辺に生じる凸部が、ラッピング、超仕上げ、ポリッシング、ホーニングのいずれかによって除去されることを特徴とする請求項19に記載の摺動部材の製造方法。
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2003
- 2003-09-18 JP JP2003326212A patent/JP2004301317A/ja not_active Withdrawn
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