JP2004299368A - 液滴吐出ヘッドおよびその製造方法、液体カートリッジ、液滴吐出式記録装置およびその製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッドおよびその製造方法、液体カートリッジ、液滴吐出式記録装置およびその製造方法 Download PDF

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Shigeru Kanehara
滋 金原
Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
Makoto Tanaka
田中  誠
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Abstract

【課題】加圧液室形成部材が小さく、かつ、インク滴吐出特性が良い高性能の液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】液滴吐出ヘッドの加圧液室部302を形成する加圧液室形成部材103がシリコンからなっており、加圧液室形成部材103の厚さ方向に、加圧液室部302とノズルとを連通する貫通穴303と、各チャンネル共通の液溜め部301と加圧液室部302とを連通する貫通穴304とを備え、貫通穴304が貫通穴303よりも断面積が小さい。また、ノズル板接合面に垂直な方向から透視して、液溜め部301と加圧液室部302とが少なくとも一部重なっているか、逆に、全く重なっていない。また、液溜め部301への液体供給を加圧液室部302の並び方向と直交する辺側より行っても良く、液溜め部301から加圧液室部302を経由せずにノズルへ液体を供給する流路を形成しても良い。また、ノズルを形成するノズル板に樹脂を使用しても良い。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出ヘッドおよびその製造方法、液体カートリッジ、液滴吐出式記録装置およびその製造方法に関し、結晶方位を有するシリコン単結晶基板に微細な形状を形成するための加工形状および加工技術、特に、液滴吐出式記録ヘッドに使用する加圧液室部を構成するシリコン単結晶基板の加工形状および加工技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下に、本発明に関連した従来技術を示す。
特許文献1:特開2000−6402号公報(セイコーエプソン株式会社)
ノズル開口に連通する複数の圧力発生室と該圧力発生室に対応する領域に少なくとも下電極、圧電体層、上電極を含む圧電素子を形成したインクジェット式記録ヘッドにおいて、外部からインクが供給されるインク供給口に連通される連通部と前記圧力発生室とが当該圧力発生室の幅よりも狭い幅を有する部分を介して連通され、前記圧力発生室の前記幅の狭い部分の端部近傍にその幅が徐々に狭くなる部分を設け圧電体層の破壊等を防止することを特徴とする技術である。
【0003】
特許文献2:特開平2001−270103号公報(セイコーエプソン株式会社)
ノズル列方向に細長い共通インク室をインク種類に対応させて複数形成したリザーバープレートと、共通インク室と圧力室との間を連通する枝流路をノズル開口に対応させて複数形成した枝流路プレートとを少なくとも備え、枝流路プレートには、圧力室に連通される共通インク室が相違する複数種類の枝流路を形成し、この枝流路によって隣り合うノズル開口を異なる共通インク室に連通させることを特徴とする技術である。前記圧力室と枝流路との間、および、前記圧力室と共通インク室との間の少なくとも一方に加圧液室厚さ方向の流体抵抗が形成されていることも可能とされている。
【0004】
特許文献3:特開平7−125198号公報(セイコーエプソン株式会社)
ノズル開口の各々と連通する圧力発生室と、圧力発生室にインクを供給するための共通のインク室と、圧力発生室と共通のインク室と接続するインク供給口とを形成する流路形成基板のインク供給口にインク滴吐出性能を支配する最狭部を有し、ここから複数の段差部を経由して圧力発生室に向けて拡開するよう構成して、流体抵抗を変化させることなく長さをかせいで、インク供給口近傍の接着面積を拡大することを特徴とする技術である。
【0005】
特許文献4:特開2000−85121号公報(株式会社リコー)
吐出室および共通インク室を結晶面方位(110)のシリコン基板で形成し、このシリコン基板上に(−100)方向の流体抵抗部となる溝を異方性エッチングで形成したことを特徴とした技術である。ここで、加圧液室形成部材にシリコンを使用しているが、流体抵抗部は加圧液室形成部材の厚さ方向ではなく、加圧液室と同じ面内に形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−6402号公報
【特許文献2】
特開平2001−270103号公報
【特許文献3】
特開平7−125198号公報
【特許文献4】
特開2000−85121号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド等がある。この中で、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いられるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、該ノズルが連通する加圧液室(インク流路、吐出室、圧力室、流路とも称される。)と、該加圧液室内のインクを加圧するための駆動手段(圧力発生手段)とを備えたインクジェットヘッドを液滴吐出ヘッドとして搭載したものである。以下では、かくのごときインクジェットヘッドを中心に説明をする。
【0008】
インクジェットヘッドとしては、駆動手段が圧電素子であるもの(例えば、特公平2−51734号公報)や、インクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを吐出させる方法(例えば、特公昭61−59911号公報)、駆動手段に静電気力を利用したもの(例えば、特開平5−50601号公報)などがある。
インクジェットヘッドは、記録媒体上のドットをインク滴により形成する関係上、インク滴のサイズを小さくすることにより、極めて高い解像度での記録、印刷が可能である。しかしながら、効率よく記録するためには、インク開口の数を多くする必要があり、また、圧力発生手段(圧電素子、熱、静電気)のエネルギーを効率よく使用するためには、圧力室(加圧液室)を大きくする必要がある。かくのごとき要求は、インクジェットヘッドの小型化要請とは相反することである。このような相反する問題を解消するために、通常、隣り合う圧力室を区画している壁(隔壁)を薄くすると共に、圧力室の形状を長手方向に大きくして容積を稼ぐことが行われている。
【0009】
このような加圧液室や該加圧液室へインクを供給するための各チャンネル共通の液溜め部は、振動板とノズルプレートの間隔を所定の値に保持する部材である加圧液室形成部材により形成されているが、前述したように極めて小さく、しかも、複雑な形状を備えた加圧液室を形成する必要上、通常、エッチング技術が使用されている。このような加圧液室形成部材を形成する材料としては、例えば、特開2000−318167号公報、特開平06−047917号公報、特開平07−068762号公報に示されているように、感光性樹脂膜が使用されることが多い。加圧液室形成部材として感光性樹脂膜を使用することにより、高密度の液滴吐出ヘッドを形成することが可能となり、高速高画質の画像を得ることができる。しかしながら、感光性樹脂の場合は、剛性が低く、高密度にした場合には、隣接した加圧液室との干渉(クロストーク)が生じてしまうという不具合がある。
【0010】
かくのごとき問題から、例えば、特開2000−244031号公報、特開平11−298062号公報、特開平11−307832号公報に示されているように、加圧液室の形成にNi電鋳やSUS(Special Use Stainless steel)のプレス加工といった金属を使用することも行われている。剛性の高い金属を使用することにより、感光性樹脂膜を使用した場合に生じた加圧液室形成部材の剛性不足によるクロストークの問題は解決することが可能となる。
【0011】
しかしながら、金属を使用する場合、例えば、SUSのプレス加工においては、高密度に加工ができないといった問題がある。また、Ni電鋳の場合は、剛性を高めるために厚い電鋳層を形成しなければいけないが、厚い電鋳層形成のためには、高アスペクトで、レジストをパターニングする必要があり、これもまた高密度化には不利である。また、電鋳層形成時においてパターンが形成される箇所とされない箇所との電流密度が異なるために、電鋳厚さのばらつきが生じるが、膜厚を厚く形成することにより、この膜厚のばらつきが大きくなり、加圧液室形成部材とノズル、あるいは、他の部材との接合時に接合不良を起こしてしまうという問題が生じる。
【0012】
そこで、比較的簡単な手法で微細な形状を高い精度で加工が可能なシリコン単結晶基板の異方性エッチングを用いた部品製作技術、いわゆるマイクロマシニング技術を適用してインクジェット式記録ヘッドを構成するための部材を加工することが検討され、種々の技術や手法が提案されている。特に、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を加圧液室形成部材に用いて、異方性エッチングを行い、加圧液室や各チャンネル共通の液溜め部を形成することが提案されている。単結晶シリコン基板を使用した加圧液室形成部材は機械的剛性が高いため、圧力発生時に懸念されるインクジェット式記録ヘッド全体のたわみを小さくできるとともに、エッチングを受けた壁面が表面に対してほぼ垂直であるため、各チャンネルの加圧液室を均一に構成することが可能であるという大きな利点を備えている。
【0013】
前述のような単結晶シリコン基板を用いる方法によって形成された加圧液室形成部材には、効率的かつ安定なインク吐出を行うために、加圧液室あるいは加圧液室とノズルとを連通する貫通穴よりも断面積の小さなインク流路が形成されている。該加圧液室あるいは加圧液室とノズルとを連通する貫通穴よりも断面積の小さなインク流路のインク流動時の流体抵抗値はインク吐出特性に大きく影響するため、前記インク流路のインク流動時の流体抵抗値のばらつきを小さく抑える必要がある。そこで、各チャンネル間のインク流動時の流体抵抗値のばらつきを小さくするために、前記インク流路の長さをある程度長く設計して相対的に流体抵抗値のばらつきを抑える必要がある。ところが、該インク流路の長さを長くした場合には、加圧液室形成部材の加圧液室の並び方向と直交する辺の長さが長くなり、加圧液室形成部材の大きさが大きくなってしまい、シリコンウェーハからの取れ数減少によるコストアップが懸念される。
【0014】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、加圧液室形成部材には結晶面方位(110)の単結晶シリコンを使用しており、効率的かつ安定なインク吐出を行うために、加圧液室あるいは加圧液室とノズルとを連通する貫通穴よりも断面積の小さなインク流路を加圧液室形成部材の厚さ方向に形成し、かつ、該インク流路を加圧液室形成部材の厚さ方向に形成することにより、加圧液室形成部材の大きさを小さくすることを可能とし、もって、加圧液室形成部材更には液滴吐出ヘッドのコストダウンを行うことを目的としている。また、シリコン基板の厚さ方向へ該インク流路を形成することにより、該インク流路の壁面を(111)面にて規定することが可能となり、寸法制御性も優れた加圧液室形成部材を形成し、インク滴吐出特性のばらつきが少ない高性能の液滴吐出ヘッドおよびその製造方法、該液滴吐出ヘッドを搭載した液体カートリッジ、該液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出式記録装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、液滴を吐出するノズルが連通する加圧液室と該加圧液室の液体を加圧する圧力発生手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記加圧液室を形成する加圧液室形成部材がシリコンにて形成されており、該加圧液室形成部材の厚さ方向に、前記加圧液室と前記ノズルとを連通する貫通穴と該貫通穴よりも断面積の小さい貫通穴とが形成されている液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0016】
第2の発明は、前記第1の発明に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記加圧液室形成部材には、各チャンネル共通の液溜め部が形成されている液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0017】
第3の発明は、前記第1あるいは第2の発明に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、ノズル板接合面から該ノズル板接合面に垂直な方向に透視した際に、各チャンネル共通の液溜め部と前記加圧液室とが少なくとも一部重なっている液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0018】
第4の発明は、前記第1あるいは第2の発明に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、ノズル板接合面から該ノズル板接合面に垂直な方向に透視した際に、各チャンネル共通の液溜め部と前記加圧液室とが重なっていない液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0019】
第5の発明は、前記第1乃至第4の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて各チャンネル共通の液溜め部への液体供給を前記加圧液室の並び方向と直交する前記加圧液室形成部材の辺側より行う液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0020】
第6の発明は、前記第1乃至第5の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、各チャンネル共通の液溜め部から前記加圧液室を経由せずに前記ノズルへ液体を供給する液体流路を形成する液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0021】
第7の発明は、前記第1乃至第6の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、ノズル板に樹脂を使用する液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0022】
第8の発明は、前記第1乃至第7の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、少なくとも前記加圧液室の壁面には酸化膜または窒化チタン膜が成膜されており、前記加圧液室形成部材の振動板接合面とノズル板接合面との両面またはいずれかの片面に不純物導入を行う液滴吐出ヘッドとすることを特徴としたものである。
【0023】
第9の発明は、前記第1乃至第8の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する液滴吐出ヘッドの製造方法とすることを特徴としたものである。
【0024】
第10の発明は、前記第1乃至第8の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際、前記異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層膜を使用する液滴吐出ヘッドの製造方法とすることを特徴としたものである。
【0025】
第11の発明は、前記第1乃至第8の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際、前記異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン酸化膜を使用する液滴吐出ヘッドの製造方法とすることを特徴としたものである。
【0026】
第12の発明は、前記第1乃至第8の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際、前記異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン窒化膜を使用する液滴吐出ヘッドの製造方法とすることを特徴としたものである。
【0027】
第13の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクとを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが前記第1乃至第8の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドである液体カートリッジとすることを特徴としたものである。
【0028】
第14の発明は、前記第1乃至第8の発明のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド又は前記第13の発明に記載の液体カートリッジを使用する液滴吐出式記録装置とすることを特徴としたものである。
【0029】
第15の発明は、前記第14の発明に記載の液滴吐出式記録装置の製造を行う際に、該液滴吐出式記録装置に使用される液滴吐出ヘッドが、請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を用いて製造される液滴吐出式記録装置の製造方法とすることを特徴としたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る液滴吐出ヘッドおよびその製造方法、液体カートリッジ、液滴吐出式記録装置およびその製造方法の実施の形態について、本発明に係る液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドを例にとって図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドの構成を分解して示した分解構成図である。
図1では、ノズル板101、加圧液室形成部材103、振動板108、および、アクチュエータ部112の各部品にそれぞれ分解して示している。ここで、図1に示す本構成では、圧力発生手段であるアクチュエータ部112として圧電素子から構成される例を示しているが、静電力を圧力発生手段としたもの、熱エネルギーを圧力発生手段としたものを使用してもかまわない。
【0031】
ノズル板101には、インク滴を飛翔させるための微細孔である多数のノズル102を各加圧液室の先端部分に対応して形成されており、このノズル102の径は20−35μmである。このノズル板101は例えば樹脂フィルムを用いている。樹脂フィルムの表面には撥水性のフッ素系膜を形成し、ノズル板101表面に付着したインクを除去するためのワイピング時に、前記フッ素系膜が剥離しないように、SiO粒子を表面に付着させて耐久性を向上している。ノズル102はレーザにてノズル板101の開口を行っている。ノズル板101として樹脂フィルムを使用することにより、各チャンネル共通の液溜め部上のノズル板101がダンパーとしての役目を果たす。このため、クロストークのないインクジェットヘッド即ち液滴吐出ヘッドの形成が可能となる。
ノズル板101としては、前述の樹脂フィルムの他に、シリコンや電鋳工法によって製造したNiの金属プレート、その他の金属材料を用いることもできる。
【0032】
加圧液室形成部材103は、単結晶シリコン基板で形成されており、該単結晶シリコン基板の面方位は(110)を使用している。面方位(110)のシリコン基板を使用して、アルカリによるウェットエッチングを行う場合には、ノズル102のピッチ方向に対して垂直に加圧液室を形成することができるため、微細化、狭ピッチ化に有利となる。該加圧液室形成部材103により加圧液室104が形成されている。また、ノズル面側には、各チャンネル共通の液溜め部107が形成されている。また、加圧液室104とノズル102とを連通する貫通穴105、各チャンネル共通の液溜め部107から加圧液室104へ連通する貫通穴106が形成されている。
【0033】
各ノズル102へ連通する貫通穴105、各チャンネル共通の液溜め部107から加圧液室104へ連通する貫通穴106は、例えばドライエッチングによる深堀と異方性エッチングとにより形成されている。異方性エッチングを行うエッチング液としてはKOH水溶液、TMAH液等が使用できる。加圧液室104、各チャンネル共通の液溜め部107の加工方法としては、ICPドライエッチングを利用した異方性エッチングを使用しても良い。
【0034】
ドライエッチングにて形成する場合は、面方位(110)シリコン基板を使用する必要はなく、面方位(100)シリコン基板を使用しても構わない。コスト面では、面方位(100)シリコン基板を使用する方がメリットは高い。
また、該加圧液室形成部材103の表面には酸化膜が形成されている。酸化膜が形成されていることで、インクに対して溶出しにくく、また、濡れ性も向上するため、気泡の滞留が生じにくい構造となる。なお、加圧液室形成部材103の表面に形成される膜は、酸化膜に限らず、窒化チタン(TiN)膜、または、ポリイミド膜でもかまわない。
【0035】
振動板108は、例えばNi電鋳工法で形成した金属プレートからなり、この振動板108の振動機能部は、アクチュエータ部112を形成する圧電素子内の非駆動部に接合する梁部109と、該圧電素子内の駆動部と接合する島状凸部110と、この島状凸部110の周囲に形成した厚み2−10μm程度の最薄膜部分のダイヤフラム領域111とからなる。
【0036】
アクチュエータ部112は、セラミックス基板例えばチタン酸バリウム、アルミナ、フォルステライトなどの絶縁性の基板上に電気機械変換素子である複数の積層型圧電素子を列状に2列配列して接合し、これら2列の各圧電素子をダイシングにより切断を行っている。なお、各列の複数の圧電素子はチャンネル方向で駆動波形を印加する駆動部113と駆動波形を印加しない非駆動部114とを交互に構成している。
【0037】
ここで、圧電素子は厚さ10−50μm/層のチタン酸ジルコン酸(PZT)と厚さ数μm/層の銀パラジューム(AgPd)からなる内部電極とを交互に積層したものである。圧電素子を厚さ10−50μm/層の積層型とすることによって低電圧駆動を可能としている。なお、電気機械変換素子としてはPZTに限られるものではない。そして、この圧電素子の内部電極を交互に端面に取り出して端面電極とし、一方、基板上に形成した共通電極パターンおよび個別電極パターンを駆動部113となる圧電素子の端面電極に導電性接着剤等を介して電気的に接続し、共通電極パターンおよび共通電極パターンに接続したFPCケーブルを介してPCB基板と接続して駆動部113に駆動波形を印加することによって、圧電素子の積層方向に伸びの変位を発生させる。
【0038】
図2には、図1に示すアクチュエータ部112の代わりに、圧力発生手段として静電気力を使用している場合のインクジェットヘッドの構成を分解して示している。図2において、ノズル板101、加圧液室形成部材103は、図1の分解構成図と同じである。静電気力を圧力発生手段として使用したアクチュエータ部201はシリコン基板上に形成されており、振動板202、下部電極(図示していない)、電極取り出し口203が形成されている。電極取り出し口203は、加圧液室104の並び方向に平行に形成されている。一般に、加圧液室形成部材103の加圧液室104の並び方向に垂直な方向の長さが長くなった場合には、それに併せて、アクチュエータ部201の面積も大きくする必要が出てくる。図2に示すような構成とすることにより、加圧液室104の並び方向に垂直な方向の長さを短くすることができ、インクジェットヘッド全体の面積を小さくすることが可能となる。
【0039】
図3は、図1又は図2に示すインクジェットヘッドの加圧液室形成部材の構成例を示す構成図であり、図3(A),(B)に加圧液室形成部材103の上面図を、また、図3(C)に加圧液室形成部材103の断面図を示している。ここで、図3(A)は図1に示すノズル板101接合面、図3(B)は振動板108接合面を示している。図中、301は、各チャンネル共通の液溜め部、302は、加圧液室部を示している。また、加圧液室形成部材103には、加圧液室形成部材103の厚さ方向に貫通穴が各チャンネルに2箇所形成されている。一つは加圧液室部302(図1、図2に示す加圧液室104)から図1に示すノズル102へ連通する貫通穴303(図1、図2に示す貫通穴105)であり、もう一つは各チャンネル共通の液溜め部301(図1、図2に示す液溜め部107)から加圧液室部302へ連通する貫通穴304(図1、図2に示す貫通穴106)である。
【0040】
各チャンネル共通の液溜め部301から加圧液室部302へ連通する貫通穴304は、加圧液室部302からノズル102へ連通する貫通穴303よりも断面積が小さく形成されており、この貫通穴304を形成することにより液滴を効率的にまた安定して吐出することが可能となっている。
従来、この貫通穴304の役割となる部位は、加圧液室形成部材をシリコンで形成する場合には、加圧液室部と同一面に形成されていたが、図3に示す本発明のように、貫通穴304とすることにより、加圧液室形成部材103の面積を小さくすることが可能となる。
【0041】
また、各チャンネル共通の液溜め部301へのインク流入は、インク流入口305より行われる。各チャンネル共通の液溜め部301へのインク流入を加圧液室部302の並び方向と垂直な辺側から行うことにより、加圧液室部302の並び方向と垂直な辺の長さを短くすることが可能となる。特に、図2に示すような静電力を圧力発生手段として使用するアクチュエータ部201を使用して、加圧液室部302(図2に示す加圧液室104)の並び方向と平行な辺側に下部電極と電極取り出し口203とを形成することにより、インクジェットヘッド全体の大きさを小さくすることが可能となる。
【0042】
また、図4は、図1又は図2に示すインクジェットヘッドの加圧液室形成部材の別の構成例を示す構成図であり、図4(A),(B)に加圧液室形成部材103の上面図を、また、図4(C)に加圧液室形成部材103の断面図を示している。ここで、図4(A)は図1に示すノズル板101接合面、図4(B)は振動板108接合面を示している。図中、401は、各チャンネル共通の液溜め部、402は、加圧液室部を示している。また、加圧液室形成部材103には、加圧液室形成部材103の厚さ方向に貫通穴が各チャンネルに2箇所形成されている。一つは加圧液室部402(図1、図2に示す加圧液室104)から図1に示すノズル102へ連通する貫通穴403(図1、図2に示す貫通穴105)であり、もう一つは各チャンネル共通の液溜め部401(図1、図2に示す液溜め部107)から加圧液室部402へ連通する貫通穴404(図1、図2に示す貫通穴106)である。
【0043】
各チャンネル共通の液溜め部401から加圧液室部402へ連通する貫通穴404は、加圧液室部402からノズル102へ連通する貫通穴403よりも断面積が小さく形成されており、この貫通穴404を形成することにより液滴を効率的にまた安定して吐出することが可能となっている。
また、各チャンネル共通の液溜め部401は、加圧液室部402を経由せずに、直接ノズル102へ液体を供給できるような構造となっている。かかる構造とすることにより、チャンネルの高密度化、吐出周波数の高速化に伴って発生するノズル102へのインク供給不足の問題を解決することが可能となる。
【0044】
また、図5は、図1又は図2に示すインクジェットヘッドの加圧液室形成部材の更に異なる構成例を示す構成図であり、図5(A),(B)に加圧液室形成部材103の上面図を、また、図5(C)に加圧液室形成部材103の断面図を示している。ここで、図5(A)は図1に示すノズル板101接合面、図5(B)は振動板108接合面を示している。図中、501は、各チャンネル共通の液溜め部、502は、加圧液室部を示している。また、加圧液室形成部材103には、加圧液室形成部材103の厚さ方向に貫通穴が各チャンネルに2箇所形成されている。一つは加圧液室部502(図1、図2に示す加圧液室104)から図1に示すノズル102へ連通する貫通穴503(図1、図2に示す貫通穴105)であり、もう一つは各チャンネル共通の液溜め部501(図1、図2に示す液溜め部107)から加圧液室部502へ連通する貫通穴504(図1、図2に示す貫通穴106)である。
【0045】
各チャンネル共通の液溜め部501から加圧液室部502へ連通する貫通穴504は、加圧液室部502からノズル102へ連通する貫通穴503よりも断面積が小さく形成されており、この貫通穴504を形成することにより液滴を効率的にまた安定して吐出することが可能となっている。
また、ノズル板101接合面からの平面図(透視図)即ちノズル板101接合面に垂直な方向に透視した際においては、各チャンネル共通の液溜め部501と加圧液室部502とが重なっていない構成となっている。このような構成にすることにより、加圧液室形成部材103の強度を強く保つことが可能となる。なお、各チャンネル共通の液溜め部501へのインク供給は加圧液室部502(図1、図2に示す加圧液室104)の並び方向と垂直な辺側より行っても良いし、加圧液室部502の並び方向と平行な辺側より行っても構わない。
【0046】
以下に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造工程の実施例について示す。なお、以下の実施例では、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法についても詳細に説明を行う。
図6は、本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の製造工程を示したものである。
まず、図6(A)に示すように、厚さ400μmの面方位(110)のシリコン基板601を用意し、厚さ1.0μmのシリコン酸化膜602、厚さ0.15μmのシリコン窒化膜603を形成した。使用するシリコンウェーハの種類は両面研磨ウェーハ、両面未研磨ウェーハ、片面未研磨ウェーハのどのウェーハを使用しても構わない。また、比抵抗も揃っている必要は無く、例えば、本実施例では、比抵抗0.1−100Ωcmの範囲にあるウェーハを使用している。
【0047】
次に、図6(B)に示すように、ノズル板接合面側に加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン604と、各チャンネル共通の液溜め部パターン605と、ノズル板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン606との形状にレジストのパターニングを行い、その後、シリコン窒化膜603に対してドライエッチングにてパターニングを行った。
次に、図6(C)に示すように、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン607と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン608との形状に、シリコン酸化膜602のパターニングを行った。
【0048】
次に、図6(D)に示すように、振動板接合面側の加圧液室パターン609と振動板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン610との形状にレジストのパターニングおよびシリコン窒化膜603のみのパターニングを行った。
次に、図6(E)に示すように、振動板接合面側に加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン611と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン612との形状に、シリコン酸化膜602のパターニングを行った。
【0049】
次に、図6(F)に示すように、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングのためのレジスト613のマスク形成を行った。この際のレジスト613の膜厚は8μmにて行った。本実施例では、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングをノズル板接合面側より行っている。その後、ICPドライエッチャーを使用して加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン614と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン615との形状に、シリコン基板601のパターニングを行った。
【0050】
その後、図6(G)に示すように、レジスト613を除去して、水酸化カリウム水溶液により、シリコン基板601の異方性エッチングを行い、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン616、及び、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン617の貫通を行った。
次に、図6(H)に示すように、加圧液室部618、各チャンネル共通の液溜め部619、および、ノズル板接合時/振動板接合時の肉抜き部620の形状に、ウェットエッチングにてシリコン酸化膜602の除去を行った。
【0051】
その後、図6(I)に示すように、加圧液室部621、各チャンネル共通の液溜め部622、余剰接着剤吸収用の肉抜き部623を形成した。なお、加圧液室部621等の形成時におけるシリコン基板601の異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液濃度30%、処理温度85℃で行った。
【0052】
最後に、図6(J)に示すように、シリコン窒化膜603/シリコン酸化膜602の除去を行い、その後、耐インク接液膜として、シリコン酸化膜を1μmの厚さで形成し、更に、PHを60KeV,1E16atoms/cmの条件にて不純物として注入した。このように不純物注入を実施することにより、加圧液室形成部材の酸化膜形成時の酸化膜応力起因による反りを低減することが可能となる。
【0053】
図6に示す製造方法においては、図6(G)に示すように、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン616と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン617とを加圧液室形成部材の厚さ方向に形成している。ここで、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン617は、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン616よりも断面積が小さく、液体流動時の流体抵抗が大きくなっている。かくのごとき流体抵抗部を設けることにより、液滴吐出を、効率的に、かつ、安定して行うことが可能となる。更に、前記流体抵抗部を加圧液室形成部材の厚さ方向に形成しているため、加圧液室形成部材の面積を小さくすることができ、コストダウンが可能となる。
【0054】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの異なる製造方法について説明する。
図7は、本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の図6とは異なる製造工程を示したものである。
まず、図7(A)に示すように、厚さ400μmの面方位(110)のシリコン基板701を用意し、厚さ1.0μmのシリコン酸化膜702を形成した。使用するシリコンウェーハの種類は両面研磨ウェーハ、両面未研磨ウェーハ、片面未研磨ウェーハのどのウェーハを使用しても構わない。また、比抵抗も揃っている必要は無く、例えば、本実施例では、比抵抗0.1−100Ωcmの範囲にあるウェーハを使用している。
【0055】
次に、図7(B)に示すように、ノズル板接合面側に加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン703と、各チャンネル共通の液溜め部パターン704と、ノズル板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン705との形状にレジストのパターニングを行い、その後、シリコン酸化膜702に対してドライエッチングにてパターニングを行った。
【0056】
次に、図7(C)に示すように、加圧液室パターン706および振動板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン707の形状に、レジストのパターニングおよびシリコン酸化膜702のパターニングを行った。
次に、図7(D)に示すように、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングのためのレジスト708のマスク形成を行った。この際のレジスト708の膜厚は8μmにて行った。本実施例では、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングをノズル板接合面側より行っている。
【0057】
次に、図7(E)に示すように、ICPドライエッチャーを使用して加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン709と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン710との形状に、シリコン基板701のパターニングを行った。
【0058】
その後、図7(F)に示すように、レジスト708を除去して、水酸化カリウム水溶液により、シリコン基板701の異方性エッチングを行い、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン711、および、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン712の貫通を行った。
更に、各チャンネル共通の液溜め部713、加圧液室部714、および、ノズル板接合時/振動板接合時の肉抜き部715の形状に、シリコン基板701のパターニングを行った。なお、加圧液室部714等の形成時におけるシリコン基板701の異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液濃度30%、処理温度85℃で行った。
【0059】
最後に、図7(G)に示すように、シリコン酸化膜702の除去を行い、その後、耐インク接液膜として、シリコン酸化膜を1μmの厚さで形成し、更に、PHを60KeV,1E16atoms/cmの条件にて不純物として注入した。このように不純物注入を実施することにより、加圧液室形成部材の酸化膜形成時の酸化膜応力起因による反りを低減することが可能となる。
【0060】
図7に示す製造方法においては、図7(F)に示すように、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン711と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン712とを加圧液室形成部材の厚さ方向に形成している。ここで、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン712は、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン711よりも断面積が小さく、液体流動時の流体抵抗が大きくなっている。かくのごとき流体抵抗部を設けることにより、液滴吐出を、効率的に、かつ、安定して行うことが可能となる。更に、前記流体抵抗部を加圧液室形成部材の厚さ方向に形成しているため、加圧液室形成部材の面積を小さくすることができ、コストダウンが可能となる。更には、製造工程が短工程のプロセスであり、低コストの加圧液室形成部材を製造することが可能である。
【0061】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの更に異なる製造方法について説明する。
図8は、本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の図6、図7と更に異なる製造工程を示したものである。
まず、図8(A)に示すように、厚さ400μmの面方位(110)のシリコン基板801を用意し、厚さ0.15μmのLP−CVDシリコン窒化膜802を形成した。使用するシリコンウェーハの種類は両面研磨ウェーハ、両面未研磨ウェーハ、片面未研磨ウェーハのどのウェーハを使用しても構わない。また、比抵抗も揃っている必要は無く、例えば、本実施例では、比抵抗0.1−100Ωcmの範囲にあるウェーハを使用している。
【0062】
次に、図8(B)に示すように、ノズル板接合面側に加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン803と、各チャンネル共通の液溜め部パターン804と、ノズル板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン805との形状にレジストのパターニングを行い、その後、LP−CVDシリコン窒化膜802に対してドライエッチングにてパターニングを行った。
【0063】
次に、図8(C)に示すように、加圧液室パターン806および振動板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン807の形状に、レジストのパターニングおよびシリコン酸化膜702のパターニングを行った。
次に、図8(D)に示すように、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングのためのレジスト808のマスク形成を行った。この際のレジスト808の膜厚は8μmにて行った。本実施例では、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングをノズル板接合面側より行っている。
【0064】
次に、図8(E)に示すように、ICPドライエッチャーを使用して加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン809と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン810との形状に、シリコン基板801のパターニングを行った。
【0065】
その後、図8(F)に示すように、レジスト808を除去して、水酸化カリウム水溶液により、シリコン基板801の異方性エッチングを行い、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン811、および、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン812の貫通を行った。
更に、各チャンネル共通の液溜め部813、加圧液室部814、および、ノズル板接合時/振動板接合時の肉抜き部815の形状に、シリコン基板801のパターニングを行った。なお、加圧液室部814等の形成時におけるシリコン基板801の異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液濃度30%、処理温度85℃で行った。
【0066】
最後に、図8(G)に示すように、LP−CVDシリコン窒化膜802の除去を行い、その後、耐インク接液膜として、シリコン酸化膜を1μmの厚さで形成し、更に、PHを60KeV,1E16atoms/cmの条件にて不純物として注入した。このように不純物注入を実施することにより、加圧液室形成部材の酸化膜形成時の酸化膜応力起因による反りを低減することが可能となる。
【0067】
図8に示す製造方法においては、図8(F)に示すように、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン811と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン812とを加圧液室形成部材の厚さ方向に形成している。ここで、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン812は、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン811よりも断面積が小さく、液体流動時の流体抵抗が大きくなっている。かくのごとき流体抵抗部を設けることにより、液滴吐出を、効率的に、かつ、安定して行うことが可能となる。更に、前記流体抵抗部を加圧液室形成部材の厚さ方向に形成しているため、加圧液室形成部材の面積を小さくすることができ、コストダウンが可能となる。更には、製造工程が短工程のプロセスであり、低コストの加圧液室形成部材を製造することが可能である。また、エッチングマスクを窒化膜とすることにより、マスク膜厚を薄くすることが可能となり、寸法制御性を向上することが可能である。
【0068】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの更に異なる製造方法について説明する。
図9は、本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の図6乃至図8と更に異なる製造工程を示したものである。
まず、図9(A)に示すように、厚さ400μmの面方位(110)のシリコン基板901を用意し、厚さ1.0μmのシリコン酸化膜902と厚さ0.15μmのシリコン窒化膜903とを形成した。使用するシリコンウェーハの種類は両面研磨ウェーハ、両面未研磨ウェーハ、片面未研磨ウェーハのどのウェーハを使用しても構わない。また、比抵抗も揃っている必要は無く、例えば、本実施例では、比抵抗0.1−100Ωcmの範囲にあるウェーハを使用している。
【0069】
次に、図9(B)に示すように、ノズル板接合面側に加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン904と、各チャンネル共通の液溜め部パターン905と、ノズル板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン906と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室を経由せずにノズルへインクを供給する流路907との形状にレジストのパターニングを行い、その後、シリコン窒化膜903に対してドライエッチングにてパターニングを行った。
次に、図9(C)に示すように、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン908と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン909との形状に、シリコン酸化膜902のパターニングを行った。
【0070】
次に、図9(D)に示すように、振動板接合面側の加圧液室パターン910と振動板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜きパターン911との形状にレジストのパターニングおよびシリコン窒化膜903のみのパターニングを行った。
次に、図9(E)に示すように、振動板接合面側に加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン912と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン913との形状に、シリコン酸化膜902のパターニングを行った。
【0071】
次に、図9(F)に示すように、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングのためのレジスト914のマスク形成を行った。この際のレジスト914の膜厚は8μmにて行った。本実施例では、ICPドライエッチャーによるシリコンエッチングをノズル板接合面側より行っている。その後、ICPドライエッチャーを使用して加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン915と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン916との形状に、シリコン基板901のパターニングを行った。
【0072】
その後、図9(G)に示すように、レジスト914を除去して、水酸化カリウム水溶液により、シリコン基板901の異方性エッチングを行い、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴パターン917、及び、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴パターン918の貫通を行った。
次に、図9(H)に示すように、加圧液室部919、各チャンネル共通の液溜め部920、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室を経由せずにノズルへインクを供給する流路921、および、ノズル板接合時/振動板接合時の肉抜き部922の形状に、ウェットエッチングにてシリコン酸化膜902の除去を行った。
【0073】
その後、図9(I)に示すように、加圧液室部923、各チャンネル共通の液溜め部924、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室を経由せずにノズルへインクを供給する流路925、余剰接着剤吸収用の肉抜き部926を形成した。なお、加圧液室部923等の形成時におけるシリコン基板901の異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液濃度30%、処理温度85℃で行った。
【0074】
最後に、図9(J)に示すように、シリコン窒化膜903/シリコン酸化膜902の除去を行い、その後、耐インク接液膜として、シリコン酸化膜を1μmの厚さで形成し、更に、PHを60KeV,1E16atoms/cmの条件にて不純物として注入した。このように不純物注入を実施することにより、加圧液室形成部材の酸化膜形成時の酸化膜応力起因による反りを低減することが可能となる。
【0075】
図9に示す製造方法においては、図9(G)に示すように、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン917と、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン918とを加圧液室形成部材の厚さ方向に形成している。ここで、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室へ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン918は、加圧液室からノズルへ連通する貫通穴即ち貫通穴パターン917よりも断面積が小さく、液体流動時の流体抵抗が大きくなっている。かくのごとき流体抵抗部を設けることにより、液滴吐出を、効率的に、かつ、安定して行うことが可能となる。更に、前記流体抵抗部を加圧液室形成部材の厚さ方向に形成しているため、加圧液室形成部材の面積を小さくすることができ、コストダウンが可能となる。
【0076】
また、図9(I)に示すように、流路925を形成することにより、ノズル板接合面と振動板接合面との両面にノズルへの液体供給路が形成されているため、ノズル、加圧液室の配設密度が高くなった際に高粘度液体を吐出する場合においても、加圧液室の高さを高くする必要が無く、クロストークに強い構造の液体吐出ヘッドを実現可能としている。
【0077】
次に、本発明に係る液体カートリッジの一例であるインクカートリッジについて図10を参照して説明する。ここに、図10は、本発明に係る液体カートリッジの外観の一例を示す外観図である。
図10に示すインクカートリッジ80は、ノズル102等を有する前述した各実施形態のいずれかのインクジェットヘッド81と、インクジェットヘッド81に対してインクを供給するインクタンク82とを一体化して構成されているものである。
【0078】
このように、インクタンク82を一体比したインクジェットヘッド81の場合、インクジェットヘッド81の歩留まり不良は、直ちにインクカートリッジ80全体の不良につながるので、前述したように、例えば図1に示す加圧液室形成部材103の反りによるノズル板101あるいは振動板108との接合不良、加熱接合時の気体の膨張によるノズル板101あるいは振動板108との接合不良、などによる製造不良を低減することにより、インクカートリッジ80の歩留まりが向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図ることができる。
【0079】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出式記録装置の一例について、インクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の構成例を、図11及び図12を参照しながら説明する。なお、図11は、本発明に係る液滴吐出式記録装置の一例であるインクジェット記録装置の斜視説明図であり、図12は、同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0080】
図11及び図12に示すインクジェット記録装置は、インクジェット記録装置本体90の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ93、キャリッジ93に搭載した前述のごときインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、該記録ヘッドへインクを供給するインクタンク等で構成される印字機構部87等を収納し、装置本体90の下方部には前方側から多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着することができる。また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができ、給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部87によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
【0081】
印字機構部87は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とによりキャリッジ93を主走査方向(図12で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ93には、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインクタンク95からのインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドからなるインクジェットヘッド94として複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ93には、インクジェットヘッド94に各色のインクを供給するための各インクタンク95を交換可能に装着している。
【0082】
インクタンク95は上方に大気と連通する大気口を、下方にはインクジェットヘッド94へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド94へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、インクジェットヘッド94として、ここでは、各色毎のノズルを有するインクジェットヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0083】
ここで、キャリッジ93は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト96を張装し、このタイミングベルト96をキャリッジ93に固定しており、主走査モータ97の正逆回転により、キャリッジ93が往復駆動される。
【0084】
一方、給紙カセット84にセットした用紙83をインクジェットヘッド94の下方側に搬送するために、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ71及びフリクションパッド72と、用紙83を案内するガイド部材73と、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ74と、この搬送ローラ74の周面に押し付けられる搬送コロ75及び搬送ローラ74からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ76とを設けている。搬送ローラ74は副走査モータ77によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0085】
そして、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ74から送り出された用紙83をインクジェットヘッド94の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材78を設けている。この印写受け部材78の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために、回転駆動される搬送コロ61及び拍車62を設け、更に用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ63及び拍車64と、排紙経路を形成するガイド部材65,66とを配設している。
【0086】
記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じてインクジェットヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号、又は、用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ、用紙83を排紙する。
【0087】
また、キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、インクジェットヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置67を配置している。回復装置67は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段とを有している。キャリッジ93は、印字待機中は、この回復装置67側に移動されて、キャップ手段でインクジェットヘッド94がキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0088】
吐出不良が発生した場合等には、キャップ手段によりインクジェットヘッド94の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して、吸引手段により吐出口からインクと共に、気泡等を吸い出し、更に、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、インクジェット記録装置本体90下部に設置された廃インク溜(図示していない)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0089】
このように、本発明に係る液滴吐出式記録装置の一例であるインクジェット記録装置においては、本発明に係る液滴吐出ヘッドとして前述したような製造方法により製造されたインクジェットヘッド94を搭載しているので、気泡溜まりによるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。また、製作コストの低減により低価格で製品を供給することができる。
【0090】
【発明の効果】
本発明に係る液滴吐出ヘッドおよびその製造方法、液体カートリッジ、液滴吐出式記録装置およびその製造方法によれば、以下のごとき作用効果を得ることができる。
ノズルへの液体を加圧するための加圧液室を形成する加圧液室形成部材は、シリコンにて形成されており、加圧液室形成部材の厚さ方向に加圧液室とノズルとを連通する貫通穴と該貫通穴よりも断面積の小さい貫通穴が形成されている液滴吐出ヘッドであるので、加圧液室形成部材の厚さ方向に液滴の吐出効率向上、吐出安定性向上に必要な流体抵抗部を設けることになり、貫通穴ではない流体抵抗部を使用する場合に比べて、加圧液室形成部材の面積を小さくすることが可能となり、液滴吐出ヘッドのコストダウンが可能となる。また、加圧液室形成部材を面方位(110)の単結晶シリコンにて形成しているので、面方位(111)で囲まれた貫通穴を形成することが可能となり、シリコンの貫通穴を流体抵抗部として使用することにより、液滴吐出特性に大きく影響する流体抵抗寸法を精度良く形成することが可能となる。
【0091】
また、加圧液室形成部材には各チャンネル共通の液溜め部が形成されている液滴吐出ヘッドも提供できるので、該液溜め部からノズルへの液体供給経路の長さが等しく、チャンネル間での液体供給速度にばらつきがなく、安定した液滴吐出が可能となる。
【0092】
また、ノズル接合面から垂直な方向に透視した際に、各チャンネル共通の液溜め部と加圧液室とが少なくとも一部重なっている液滴吐出ヘッドも提供できるので、該液溜め部からノズルへの液体供給経路の長さが等しく、チャンネル間での液体供給速度にばらつきがなく、安定した液滴吐出が可能となると共に、該液溜め部と加圧液室とが少なくとも一部重なっていることにより、加圧液室形成部材の大きさを小さく形成することが可能となり、コストダウンが可能となる。
【0093】
逆に、ノズル接合面から垂直な方向に透視した際に、各チャンネル共通の液溜め部と加圧液室とが重なっていない液滴吐出ヘッドも提供できるので、該液溜め部からノズルへの液体供給経路の長さが等しく、チャンネル間での液体供給速度にばらつきがなく、安定した液滴吐出が可能となると共に、該液溜め部と加圧液室とが重なっていないことから、高剛性の加圧液室形成部材の形成が可能となる。
【0094】
更に、各チャンネル共通の液溜め部への液体供給を加圧液室の並び方向と直交する加圧液室形成部材の辺側より行う液滴吐出ヘッドも提供できるので、特に圧力発生手段として静電型アクチュエータを使用して加圧液室の並び方向と平行な方向より各チャンネルへ電圧を印加するための電極を取り出す場合に、加圧液室形成部材の大きさを小さくすることが可能となり、コストダウンが可能となる。
【0095】
また、各チャンネル共通の液溜め部から加圧液室を経由せずにノズルへ液体を供給する液体流路を形成する液滴吐出ヘッドも提供できるので、加圧液室と該液溜め部との両方からノズルへ液体供給が可能となり、特に、普通紙にて高画質画像を形成するために必要な高粘度インクを使用する場合においても、液滴の高周波吐出時におけるノズルへの液体供給不足を無くすことができ、高速で高画質画像を形成することが可能となる。
【0096】
また、ノズル板に樹脂を使用する液滴吐出ヘッドも提供できるので、各チャンネル共通の液溜め部上のノズル板がダンパーとしての役目を果たすことにより、クロストークのない液滴吐出ヘッドの形成が可能となる。
【0097】
また、少なくとも加圧液室の壁面には酸化膜または窒化チタン膜が成膜されており、加圧液室形成部材の振動板接合面とノズル板接合面との両面またはいずれかの片面に不純物導入を行う液滴吐出ヘッドも提供できるので、加圧液室形成部材のノズル板接合面と振動板接合面間の酸化膜または窒化チタン膜の応力差によって生じる加圧液室形成部材の反りを減少させることが可能となり、ノズル板あるいは振動板との接合信頼性が向上する。
【0098】
また、加圧液室形成部材をドライエッチングによる深堀あるいはドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、精度良く加圧液室を形成することが可能であり、ばらつきのない液滴吐出ヘッドを形成することができる。
【0099】
また、加圧液室形成部材をドライエッチングによる深堀あるいはドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際に、異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層膜を使用する液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を各々エッチングのマスクとして使用することが可能であるため、寸法制御に優れた液滴吐出ヘッドを形成することができる。
【0100】
また、加圧液室形成部材をドライエッチングによる深堀あるいはドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際に、異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン酸化膜を使用する液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、マスク作成工程が非常に簡単かつ短工期であり、低価格の液滴吐出ヘッドを形成することができる。
【0101】
また、加圧液室形成部材をドライエッチングによる深堀あるいはドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際に、異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン窒化膜を使用する液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、マスク作成工程が非常に簡単かつ短工期であり、低価格の液滴吐出ヘッドを形成することができると共に、更に、シリコン窒化膜がシリコン酸化膜に比して薄膜のマスクで可能であるため、エッチング時に生じるCDロスを抑えることができ、寸法制御に優れた液滴吐出ヘッドを形成することができる。
【0102】
更に、前述のいずれかの液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクとを一体化した液体カートリッジによれば、前述のごとく液滴吐出ヘッドの製造不良即ち液体カートリッジの製造不良が減少し、低コスト化を図ることができる。
【0103】
更には、前述のいずれかの液滴吐出ヘッド又は液体カートリッジを使用した液滴吐出式記録装置、あるいは、搭載する液滴吐出ヘッド又は液体カートリッジとして前述のいずれかの液滴吐出ヘッドの製造方法により製造する液滴吐出式記録装置の製造方法によれば、搭載する液滴吐出ヘッドにおいて、加圧液室形成部材の厚さ方向に加圧液室とノズルとを連通する貫通穴と該貫通穴よりも断面積の小さい貫通穴が形成されていることにより、前述のごとく、加圧液室形成部材の大きさを小さくすることが可能となり、コストダウンの効果がある。また、加圧液室形成部材としてシリコンを用いて、シリコンの貫通穴を流体抵抗部として使用することにより、前述のごとく、寸法ばらつきの少ない流体抵抗部を形成することが可能となる。而して、かくのごとき液滴吐出ヘッドを使用した液滴吐出式記録装置は、高速で高精度な液滴吐出が可能な記録装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドの構成を分解して示した分解構成図である。
【図2】図1に示すアクチュエータ部の代わりに、圧力発生手段として静電気力を使用している場合のインクジェットヘッドの構成を分解して示した分解構成図である。
【図3】図1又は図2に示すインクジェットヘッドの加圧液室形成部材の構成例を示す構成図である。
【図4】図1又は図2に示すインクジェットヘッドの加圧液室形成部材の別の構成例を示す構成図である。
【図5】図1又は図2に示すインクジェットヘッドの加圧液室形成部材の更に異なる構成例を示す構成図である。
【図6】本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の製造工程を示す工程図である。
【図7】本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の異なる製造工程を示す工程図である。
【図8】本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の更に異なる製造工程を示す工程図である。
【図9】本発明に係る液滴吐出ヘッドの加圧液室形成部材の更に異なる製造工程を示したものである。
【図10】本発明に係る液体カートリッジの外観の一例を示す外観図である。
【図11】本発明に係る液滴吐出式記録装置の一例であるインクジェット記録装置の斜視説明図である。
【図12】本発明に係る液滴吐出式記録装置の一例であるインクジェット記録装置の機構部の側面説明図である。
【符号の説明】
61…搬送コロ、62…拍車、63…排紙ローラ、64…拍車、65,66…ガイド部材、67…回復装置、71…給紙ローラ、72…フリクションパッド、73…ガイド部材、74…搬送ローラ、75…搬送コロ、76…先端コロ、77…副走査モータ、78…印写受け部材、80…インクカートリッジ、81…インクジェットヘッド、82…インクタンク、83…用紙、84…給紙カセット、85…手差しトレイ、86…排紙トレイ、87…印字機構部、90…インクジェット記録装置本体、91…主ガイドロッド、92…従ガイドロッド、93…キャリッジ、94…インクジェットヘッド、95…インクタンク、96…タイミングベルト、97…主走査モータ、98…駆動プーリ、99…従動プーリ、101…ノズル板、102…ノズル、103…加圧液室形成部材、104…加圧液室、105,106…貫通穴、107…液溜め部、108…振動板、109…梁部、110…島状凸部、111…ダイヤフラム領域、112…アクチュエータ部、113…駆動部、114…非駆動部、201…アクチュエータ部、202…振動板、203…電極取り出し口、301…液溜め部、302…加圧液室部、303,304…貫通穴、305…インク流入口、401…液溜め部、402…加圧液室部、403,404…貫通穴、501…液溜め部、502…加圧液室部、503,504…貫通穴、601…シリコン基板、602…シリコン酸化膜、603…シリコン窒化膜、604…貫通穴パターン、605…液溜め部パターン、606…肉抜きパターン、607,608…貫通穴パターン、609…加圧液室パターン、610…肉抜きパターン、611,612…貫通穴パターン、613…レジスト、614,615,616,617…貫通穴パターン、618…加圧液室部、619…液溜め部、620…肉抜き部、621…加圧液室部、622…液溜め部、623…肉抜き部、701…シリコン基板、702…シリコン酸化膜、703…貫通穴パターン、704…液溜め部パターン、705…肉抜きパターン、706…加圧液室パターン、707…肉抜きパターン、708…レジスト、709,710,711,712…貫通穴パターン、713…液溜め部、714…加圧液室部、715…肉抜き部、801…シリコン基板、802…LP−CVDシリコン窒化膜、803…貫通穴パターン、804…液溜め部パターン、805…肉抜きパターン、806…加圧液室パターン、807…肉抜きパターン、808…レジスト、809,810,811,812…貫通穴パターン、813…液溜め部、814…加圧液室部、815…肉抜き部、901…シリコン基板、902…シリコン酸化膜、903…シリコン窒化膜、904…貫通穴パターン、905…液溜め部パターン、906…肉抜きパターン、907…流路、908,909…貫通穴パターン、910…加圧液室パターン、911…肉抜きパターン、912,913…貫通穴パターン、914…レジスト、915,916,917,918…貫通穴パターン、919…加圧液室部、920…液溜め部、921…流路、922…肉抜き部、923…加圧液室部、924…液溜め部、925…流路、926…肉抜き部。

Claims (15)

  1. 液滴を吐出するノズルが連通する加圧液室と該加圧液室の液体を加圧する圧力発生手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記加圧液室を形成する加圧液室形成部材がシリコンにて形成されており、該加圧液室形成部材の厚さ方向に、前記加圧液室と前記ノズルとを連通する貫通穴と該貫通穴よりも断面積の小さい貫通穴とが形成されていることを特徴とした液滴吐出ヘッド。
  2. 前記加圧液室形成部材には、各チャンネル共通の液溜め部が形成されていることを特徴とした請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. ノズル板接合面から該ノズル板接合面に垂直な方向に透視した際に、各チャンネル共通の液溜め部と前記加圧液室とが少なくとも一部重なっていることを特徴とした請求項1あるいは請求項2記載の液滴吐出ヘッド。
  4. ノズル板接合面から該ノズル板接合面に垂直な方向に透視した際に、各チャンネル共通の液溜め部と前記加圧液室とが重なっていないことを特徴とした請求項1あるいは請求項2記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 各チャンネル共通の液溜め部への液体供給を前記加圧液室の並び方向と直交する前記加圧液室形成部材の辺側より行うことを特徴とした請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 各チャンネル共通の液溜め部から前記加圧液室を経由せずに前記ノズルへ液体を供給する液体流路を形成することを特徴とした請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  7. ノズル板に樹脂を使用することを特徴とした請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 少なくとも前記加圧液室の壁面には酸化膜または窒化チタン膜が成膜されており、前記加圧液室形成部材の振動板接合面とノズル板接合面との両面またはいずれかの片面に不純物導入を行うことを特徴とした請求項1乃至7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成することを特徴とした液滴吐出ヘッドの製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際、前記異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層膜を使用することを特徴とした液滴吐出ヘッドの製造方法。
  11. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際、前記異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン酸化膜を使用することを特徴とした液滴吐出ヘッドの製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記加圧液室形成部材を深堀(貫通含む)ドライエッチングのみで形成する、あるいは、該深堀(貫通含む)ドライエッチングと異方性ウェットエッチングとを併用することにより形成する際、前記異方性ウェットエッチングのマスクとしてシリコン窒化膜を使用することを特徴とした液滴吐出ヘッドの製造方法。
  13. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクとを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とした液体カートリッジ。
  14. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド又は請求項13記載の液体カートリッジを使用することを特徴とした液滴吐出式記録装置。
  15. 請求項14に記載の液滴吐出式記録装置の製造を行う際に、該液滴吐出式記録装置に使用される液滴吐出ヘッドが、請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を用いて製造されることを特徴とした液滴吐出式記録装置の製造方法。
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JP2013043437A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Dainippon Printing Co Ltd 液体吐出装置の流路板の製造方法

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