JP2004292513A - 液体冷媒及びこれを用いた冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車用ラジエータをはじめ、ビル用空調機、クリーンルーム空調機、ジーゼル機関車等の各種機械や、ノート型パソコン等の電子機器に設けられる冷却システムで用いられ、この冷却システムを構成する熱交換器等に対し防食性能に優れた液体冷媒を提供する。また、この液体冷媒を用いた冷却システムを提供する。
【解決手段】pHが9.5〜10.5であって腐食抑制剤を0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲で含有する液体冷媒である。また、熱交換器と、液体冷媒を貯蔵する液体冷媒貯蔵槽と、熱交換器と液体冷媒貯蔵槽との間を接続して液体冷媒循環系を形成する配管と、この液体冷媒循環系内で液体冷媒を循環させる循環ポンプと、液体冷媒循環系において液体冷媒のpHを検出するpH検出手段と、このpH検出手段によって検出されたpHに基づき液体冷媒循環系内にpH調整剤を添加するpH調整手段とを有して上記液体冷媒を用いる冷却システムである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用ラジエータをはじめとした、各種機械に備えられて熱を吸収し、これらの機械を冷却するために用いられる冷却システム、特にアルミニウム合金製の熱交換器を含んだ冷却システムにおいて、液体流路内で循環させる液体冷媒及びこの液体冷媒を用いた冷却システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−350,174号公報
【0003】
自動車に用いられる自動車用ラジエータをはじめ、ビル用空調機、クリーンルーム空調機、ジーゼル機関車等の各種機械には、機械から発せられる大量の熱を吸収するための冷却システムが備えられている。これらの冷却システムでは一般に液体や気体を冷媒として用いるが、なかでも液体冷媒を使用するタイプでは、冷却システムにおける冷媒流路内を液体冷媒が循環する。発熱量の大きい機械等では、大量の液体冷媒が必要となり、また、冷却システムを構成する熱交換器のなかには半開放形のものが存在するため、冷却システムの冷媒流路を循環する液体冷媒中には多量の溶存酸素が含まれる。そのため、冷却システムを構成する熱交換器、冷媒貯蔵槽、循環ポンプ、配管等では、このような溶存酸素を含んだ液体冷媒が常に循環しているため、何らかの防食処理を行わなければ簡単に腐食が起きてしまう。熱交換器を構成するチューブ材等においては腐食によって短期間に貫通孔が発生し、これにより熱交換器としての機能が損なわれてしまう。
【0004】
そのため、液体冷媒を用いる冷却システムでは、循環させる液体冷媒として腐食抑制剤を含んだ冷却水等を用いたり、液体冷媒が循環する熱交換器のチューブ材等を犠牲陽極層が備えられた電縫管によって形成する等といった防食処理を行い、また、これらの手段を複数用いて防食効果を高めている。
【0005】
近時、上記各種機械の小型化・軽量化への動きや、ノート型パソコン等の電子機器において液体冷媒を用いる冷却システムを採用する動き等から、冷却システムの構成、特に、熱交換器の小型化・軽量化が要求されている。
そこで、軽量化について、機械的強度に優れると共にその加工性等にも優れることから、アルミニウム合金材が注目され、これまで熱交換器で多用されてきた鋼管チューブや銅パイプ/アルミフィンといった部材を含めた全てをアルミニウム合金により形成したアルミニウム合金製の熱交換器を採用する動きが高まっている。
【0006】
このようなアルミニウム合金からなる熱交換器では、例えば、熱交換用チューブ材等を押出偏平管によって形成することができるため、その形状に自由度があって、大小様々なチューブ材等を用いることができる。そのため、上段には空気、下段には冷媒(水や気体等)といった構造のチューブ材も可能となり、最適熱交換率の熱交換器の設計ができるといった点でも有利である。
【0007】
そして、アルミニウム合金製の熱交換器について、耐孔食性に優れた熱交換器に係る発明も報告されている(特許文献1参照。)。この発明では、アルミニウム合金の腐食を引き起こすClイオンやFイオンの濃度を高く設定し、かつ、pHを所定の領域とした冷却水からなる液体冷媒をアルミニウム合金製熱交換器に充填することで、アルミニウム合金材の表面での腐食をその全面で引き起こさせるようにして、局部的な腐食の進行を防ぎ、貫通孔の発生を防止する。
【0008】
ところで、上述したように、各種機械の小型化や、電子機器への搭載等の動きを受けて冷却システムの小型化を図ると、例えば、熱交換器を構成するチューブ材等の管路径を小さくして管路径を狭くすると、防食処理として設けた犠牲陽極層から生成する腐食生成物が管路を塞いで管路抵抗が増大してしまう問題や、熱交換器の熱交換効率が低下する等の問題が発生する。また、冷却水中に添加された腐食抑制剤についても、長期間の使用によって液体冷媒として用いる冷却水等に含まれた成分と腐食抑制剤の成分とが結合して塩として析出しまうことから、管路径が狭くなると、管路を塞いで管路抵抗が増大する問題や、熱交換率が低下する等の問題が発生する。
【0009】
これらの問題を回避するために、犠牲陽極層や腐食抑制剤の添加を制限すれば、防食効果を犠牲にしなければならない。上述した耐孔食性に優れたアルミニウム合金製熱交換器に係る発明では、腐食抑制剤の添加量や犠牲陽極層を制限すれば、含有するClイオンやFイオンによってたちまち腐食が発生するおそれがある。また、押出偏平管によって熱交換器のチューブ材を形成する際には、その内面にクラッド層として犠牲陽極層を設けることが工業的に困難であるため、このようなチューブ材を用いた熱交換器では、防食効果を高めるために腐食抑制剤の添加量を増大させなければならない。しかしながら、このような場合、管路径を小さくすると上述したような析出物の発生により管路抵抗が増大するため、熱交換器等の小型化は困難となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、液体冷媒を使用する冷却システムにおいて、狭い管路径を有する熱交換器等に用いても析出物等によって管路を塞ぐことなく防食効果を発揮し、また、犠牲陽極層を設けることができないような管路等の場合であっても、充分な防食効果を実現することができる液体冷媒について鋭意検討した結果、pHが9.5〜10.5であって腐食抑制剤を0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲で含有する液体冷媒を用いることで、狭い管路径のチューブ材等を有した熱交換器等においても管路抵抗の増大や熱交換率の低下といった問題を生じることなく、冷却システムを防食することができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
したがって、本発明の目的は、自動車に用いられる自動車用ラジエータをはじめ、ビル用空調機、クリーンルーム空調機、ジーゼル機関車等の各種機械や、ノート型パソコン等の電子機器に備えられる冷却システムで用いられ、この冷却システムを構成するアルミニウム合金製、銅製等の熱交換器、冷媒貯蔵槽、循環ポンプ、配管、ゴム製部品等に対する防食性能に優れた液体冷媒を提供することにある。
また、本発明は、このような液体冷媒を用いた冷却システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、pHが9.5〜10.5であって腐食抑制剤を0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲で含有することを特徴とする冷却システムに用いる液体冷媒である。
また、本発明は、このような液体冷媒を用いて構成された冷却システムである。
【0013】
本発明において、液体冷媒のpHは9.5以上10.5以下の範囲であり、好ましくは、pH9.7以上10.3以下の範囲である。このpHが9.5より小さいと冷却システムにおいて液体冷媒を循環させた場合に、冷媒流路に対する防食作用が低下し、液体冷媒に含まれる水に存在する塩素イオン等の腐食性イオンが冷媒流路の内側表面を攻撃して孔食等を発生させてしまう。反対に、pHが10.5より大きくなると、使用する冷却システムを形成する冷媒流路の材質にもよるが、特にアルミニウム合金製である場合には、アルミニウムと反応してアルミン酸を形成するため、冷媒流路の肉厚が減少し、水素発生等の不都合を生じる。
【0014】
本発明において、液体冷媒のpHを調整するpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができ、その1種のみを単独で使用してもよいほか2種を混合して使用してもよい。液体冷媒のpH調整剤として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いれば、例えば、冷媒流路を形成する部材が銅やその合金等を含む場合にアンモニア水を使用すると液体冷媒の耐食性に影響を及ぼすといった問題を生じることがなく、また、例えば、水酸化カルシウムを使用した場合のように冷媒流路内にカルシウムを堆積させてしまう等の問題を生じることがない。また、このようなpH調整剤については、粉末や水溶液を用いることができるが、好ましくは水溶液である。
【0015】
また、本発明において、液体冷媒中に含まれる腐食抑制剤は0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲であり、好ましくは0.1重量%以上1.5重量%以下の範囲である。液体冷媒中に含まれる腐食抑制剤の量が0.1重量%より少ないと、冷却システムに対する腐食抑制効果が不足する。反対に2.0重量%より多くなると、冷却システムに対する腐食抑制効果は長期間持続するが、液体冷媒として含まれる水に存在するカルシウム等と反応して析出物として沈殿皮膜等を形成し、この沈殿皮膜が冷媒流路を狭めて液体冷媒の流れを阻害する要因となる。
【0016】
本発明における腐食抑制剤としては、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、硼酸塩、珪酸塩、トリアゾール類の1種または2種以上であるのがよい。具体的には、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素一ナトリウム(NaHPO)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、硼酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、珪酸ナトリウム(1〜4号水ガラス)、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール等を例示することができる。
【0017】
また、本発明における液体冷媒には、例えば、水道水、工業用用水、湖水、河川水、井水、イオン交換水、蒸留水等のような水を用いることができ、その2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【0018】
また、本発明における液体冷媒には、エチレングリコール、プロピレングリコールの1種又は2種を総量で5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜40重量%の範囲で添加してもよい。
【0019】
本発明の液体冷媒が用いられる冷却システムとしては、通常用いられるシステムを用いることができるが、具体的には、熱交換器と、液体冷媒を貯蔵する液体冷媒貯蔵槽と、熱交換器と液体冷媒貯蔵槽との間を接続して液体冷媒循環系を形成する配管と、この液体冷媒循環系内で液体冷媒を循環させる循環ポンプと、液体冷媒循環系において液体冷媒のpHを検出するpH検出手段と、このpH検出手段によって検出されたpHに基づき液体冷媒循環系内にpH調整剤を添加するpH調整手段とを有するのがよい。尚、これらの構成は自由に選択して組み合わせてもよい。
【0020】
冷却システムを構成する部材の材質については、特に制限はなく、例えば、アルミニウム合金製、銅製等の熱交換器を使用してもよく、ゴム製等の可撓性配管を使用してもよいが、本発明における液体冷媒は、特に軽量で熱伝導性に優れたアルミニウム合金製の熱交換器を備えた冷却システムの冷媒流路に好適に適用することができる。また、熱交換器を構成するチューブ材については、特に制限はないが、例えば、丸パイプ、偏平パイプ、及びこれらの多穴管等の押出チューブ管や、板を加工して電縫した偏平チューブ管等を使用することができる。また、2枚の板を圧接し、非圧接部に高圧をかけて管路を形成するロールボンドを使用することもできる。
【0021】
また、上記冷却システムを構成するpH検出手段については、液体冷媒循環系内を循環する液体冷媒のpHをいずれかの個所で検出するものであればよいが、好ましくは、液体冷媒貯蔵槽内の液体冷媒のpHを検出するのがよい。
また、上記冷却システムを構成するpH調整手段については、pH検出手段によって検出されたpHに基づいて、上記pH調整剤を添加することができるものであればよく、好ましくは、あらかじめpH調整剤を貯蔵しておくpH調整剤貯蔵槽と、pH検出手段によって検出されたpHに基づき添加するpH調整剤の量を決定することができるpH制御装置と、pH制御装置によって決められた量のpH調整剤を液体冷媒循環系内に注入することができるpH調整剤注入ポンプとを有したpH調整手段であるのがよい。そして、このpH調整手段によって注入されるpH調整剤は、液体冷媒循環系内のいずれかで液体冷媒に注入されればよいが、好ましくは、上記pH検出手段がpHを検出する位置とできるだけ近い位置であるのがよく、具体的には、pH検出手段が液体冷媒貯蔵槽内の液体冷媒のpHを検出する場合には、この液体冷媒貯蔵槽内に注入するのがよい。
【0022】
本発明における液体冷媒を上記のような冷却システムで使用することで、冷却システム内を循環する液体冷媒のpHが常に上記範囲内となるように制御することができ、冷却システムにおける冷媒流路の内側表面が液体冷媒中に存在する塩素イオン等の腐食性イオンによって攻撃されるのを防止することができる。また、冷媒流路を構成する材質がアルミニウム合金製の場合であっても上記の効果を発揮するため、熱伝導性に優れ、軽量で加工性に富むアルミニウム合金を用いた冷却システムを構成することが可能となる。そして、可及的に少ない腐食抑制剤の添加量によって、冷却システムに対する防食効果を充分発揮せしめることができるため、液体冷媒に用いる冷却水等に含まれる成分と腐食抑制剤成分とが結合して塩として析出する量を可及的に低減でき、液体冷媒の流路となる管路等の小型化が可能となる。また、犠牲陽極層を有さないチューブ材等に対しても充分な防食効果を発揮することができるため、押出管を用いて熱交換率を設計した押出チューブ材等を形成することができ、最適の熱交換器を実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0024】
〔試験用冷却システムの構成〕
図1に示すように、試験用冷却システムXは、熱交換器1と、液体冷媒を貯蔵する液体冷媒貯蔵槽2と、これらの間を接続して液体冷媒循環系を形成する配管3と、この液体冷媒循環系内の液体冷媒を循環させる循環ポンプ4と、液体冷媒循環系において液体冷媒のpHを検出するpH検出端子5と、pH調整剤を貯蔵したpH調整剤貯蔵槽6と、上記pH検出端子5によって検出した液体冷媒のpHから必要なpH調整剤の添加量を決めるpH制御装置7と、このpH制御装置7によって決められた量のpH調整剤を液体冷媒貯蔵槽2に注入するpH調整剤注入ポンプ8とから構成されている。
上記熱交換器1は、アルミニウム合金(A1050)を用いた押出偏平管1aをチューブ材として備えており、図2のA−A’断面図に示したようなハモニカ型の形状を有する。この熱交換器1は、シリコン粉末とフッ化物系フラックスをアクリル系からなるバインダーに懸濁させた液を押出偏平管1a上に塗布した後、アルミニウム合金(A3003)製フィン材1b及びヘッダーパイプ1cとを組み合わせて600℃で3分間の加熱処理を行って製造した。また、液体冷媒貯蔵槽2には、図示外の温度調節装置及び加熱ヒータが備えられており、循環させる液体冷媒の温度を所定の温度に保つことができる。また、pH調整剤貯蔵槽6には、予め10重量%の水酸化ナトリウム水溶液が貯蔵されている。
【0025】
〔実施例1〜8及び比較例1〜5〕
腐食抑制剤として亜硝酸ナトリウム(NaNO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、リン酸三ナトリム(NaPO)、硼酸ナトリウム(Na)、珪酸ナトリウム(NaSiO)、トリルトリアゾール(TTA)を用い、表1に示す濃度となるように腐食抑制剤を水道水に添加してそれぞれの液体冷媒を用意した。これらの液体冷媒を上記冷却システム内に充填し、循環ポンプ4を作動させて、熱交換器1の押出偏平管1a内の流速が1m/秒の線速度となるように図1に矢印で記した方向に液体冷媒を循環させ、この際、循環する液体冷媒のpHがそれぞれ表1に示した値となるようにpH制御装置7を設定した。そして、液体冷媒貯蔵槽2の温度調節装置及び加熱ヒータを用いて循環する液体冷媒の温度が60℃となるように調整し、「60℃8時間液体冷媒を循環、その後16時間室温放置」を1サイクルとして180サイクルの腐食試験を行った(実施例1〜8及び比較例1〜5)。
【0026】
この腐食試験終了後、冷却システムを分解し、熱交換器1は切断して押出偏平管1aの液体冷媒の流路となる管路内表面を露出させ、これらの管路内表面の腐食状況(全面腐食・孔食等)、管路内における腐食生成物の有無、管路内における堆積物付着状況等について観察した。
管路内の腐蝕状況については、○:変化なく良好、△:孔食は発生していないが一部に溶解痕発生、×:孔食発生の3段階で評価した。また、腐食生成物や堆積物の付着等による管路内の目詰まり状況については、○:変化なく良好、×:目詰まり発生の2段階で評価した。
結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 2004292513
【0028】
表1に示す結果から、各実施例のように液体冷媒のpHが9.5〜10.5であって腐食抑制剤の合計濃度が0.1重量%以上2.0重量%以下の場合には、いずれも管路内における腐食や目詰まりが認められず、極めて良好に防食が達成されている。
【0029】
【発明の効果】
本発明の液体冷媒は、自動車に用いられる自動車用ラジエータをはじめ、ビル空調機、クリーンルーム空調機、ジーゼル機関車等の各種機械や、ノート型パソコン等の電子機器に備えられる冷却システムにおいて用いられ、この冷却システムを構成するアルミニウム合金製、銅製等の熱交換器、冷媒貯蔵槽、循環ポンプ、配管、ゴム製部品等に対して優れた防食性能を有する。そして、これらの防食効果は、可及的に少ない腐食抑制剤の添加量によって実現できるため、液体冷媒に用いる冷却水等に含まれた成分と腐食抑制剤成分とが結合して塩としての析出を可及的に低減でき、液体冷媒の流路となる管路等の小型化が可能となる。また、犠牲陽極層を有さない場合でも充分防食効果を発揮するため、熱交換率を考慮した押出チューブ材の形成により、最適の熱交換器の設計も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液体冷媒が適用される試験用冷却システムの一部を省略して示す説明図である。
【図2】図2は、試験用冷却システムを構成する熱交換器のA−A’断面図である。
【符号の説明】
X・・・試験用冷却システム、1・・・熱交換器、1a・・・押出偏平管、1b・・・フィン材、1c・・・ヘッダーパイプ、2・・・液体冷媒貯蔵槽、3・・・配管、4・・・循環ポンプ、5・・・pH検出端子、6・・・pH調整剤貯蔵槽、7・・・pH制御装置、8・・・pH調整剤注入ポンプ。

Claims (6)

  1. pHが9.5〜10.5であって腐食抑制剤を0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲で含有することを特徴とする冷却システムに用いる液体冷媒。
  2. 腐食抑制剤が、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、硼酸塩、珪酸塩、トリアゾール類の1種または2種以上からなる請求項1に記載の冷却システムに用いる液体冷媒。
  3. pHが水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムからなるpH調整剤を用いて調整された請求項1又は2に記載の冷却システムに用いる液体冷媒。
  4. エチレングリコール、プロピレングリコールの1種又は2種を総量で5〜50重量%の範囲で含有する請求項1〜3のいずれかに記載の冷却システムに用いる液体冷媒。
  5. 冷却システムがアルミニウム合金製の熱交換器を含む請求項1〜4のいずれかに記載の冷却システムに用いる液体冷媒。
  6. 請求項1〜5に記載の液体冷媒を用いた冷却システムであって、熱交換器と、液体冷媒を貯蔵する液体冷媒貯蔵槽と、熱交換器と液体冷媒貯蔵槽との間を接続して液体冷媒循環系を形成する配管と、この液体冷媒循環系内で液体冷媒を循環させる循環ポンプと、液体冷媒循環系において液体冷媒のpHを検出するpH検出手段と、このpH検出手段によって検出されたpHに基づき液体冷媒循環系内にpH調整剤を添加するpH調整手段とを有する冷却システム。
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