JP2004291198A - 切削工具 - Google Patents

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JP2004291198A
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Toshiyoshi Watabe
俊賀 渡部
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Abstract

【課題】工具の回転軸に交差する方向の面を切削加工する切削工具において、複雑な構造の切削工具やこれを回転及び進退駆動させる専用の工作機械を要することなく、汎用のマシニングセンタ等による複数の切削加工工程によって高精度な加工を実現できる切削工具を提供することにある。
【解決手段】軸線O回りに回転される工具本体2に、軸線Oと交差する方向に摺動自在に支持されるとともに、先端部に切刃チップ5を備えたスライド部10が設けられた切削工具1であって、工具本体2内部にはスライド部10に流体圧を供給しこのスライド部10を摺動させるための流路12が設けられ、この流路12には、工具本体2が回転駆動される際に生ずる遠心力により流体の流れを切替え、スライド部10が摺動する方向Aを切替える切替え機構21が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に工具の回転軸に交差する方向の面の切削加工等において最適な切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような切削加工の対象としては、エンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブシート面の加工がある。このバルブシート面においては、燃焼ガスを燃焼させるに際し、バルブヘッドが密接して燃焼室を密封する構成となるため、バルブヘッドの形状に合わせてテーパ面形状に形成されるとともに、この面形状は高精度に形成される必要がある。特に、このテーパ面形状は、バルブヘッドを有するバルブの軸部が上下に摺動する際にガイドされるステムガイドとの同軸度,及びテーパ面の表面粗さを高精度に形成する必要がある。従って、バルブシート面及びステムガイド内周面を加工する切削工具としては、ステムガイド内周面を仕上げ加工するガンリーマ等の穴加工工具とバルブシート面を仕上げ加工する切刃チップとを備え、この切刃チップは、前記テーパ面に沿った方向に摺動するように当該切削工具の回転軸に対して斜交する方向に摺動可能に取付けられた構成のものが望ましい。
【0003】
この種の切削工具としては、例えば特許文献1に記載された構成のようなものが知られている。すなわち、軸線回りに回転される略円錐台状の工具本体の先端部に、前記軸線に沿って進退可能にリーマを取付けるとともに、このリーマの根元部分に前記切刃チップが位置するように、この切刃チップが工具本体の円錐形状の母線方向に沿って摺動可能なスライド部に取付けられた構成のものである。
【0004】
このスライド部を前記母線方向に沿って摺動させるには、円筒状のカップリングを前記軸線方向に向けて工具本体に対して進退可能に、かつ軸線回りには工具本体と一体回転可能に工具本体内に挿入し、このカップリングに形成された孔にスライド部に取付けた連結ピンを挿脱自在に嵌挿して連結させることにより、カップリングの進退に連動してスライド部が摺動するようにしている。
【0005】
また、リーマを前記軸線方向に沿って進退させるには、このリーマ後端のシャンク部を把持するチャックを備えたスライド軸を、前記軸線方向に向けてやはり工具本体や前記カップリングに対して進退可能に、かつ軸線回りには工具本体及びカップリングと一体回転可能に、工具本体内のさらに前記カップリングの内周を通して挿入するようにしている。
【0006】
ところが、このように構成された切削工具では、切削工具自体の構造が極めて複雑となってしまうのは勿論、この切削工具を回転及び進退駆動する工作機械側の駆動軸にも、前記カップリングを進退させる駆動軸と、前記スライド軸を進退させる駆動軸とを、互いに独立して進退可能に、しかしながら一体に回転可能に、しかも同軸的に設けなければならず、自ずと専用の工作機械が必要とされることとなって、例えば汎用のマシニングセンタ等によって前述のような切削加工を行うことは不可能であった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2748846号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、工具の回転軸に交差する方向の面を切削加工する切削工具において、複雑な構造の切削工具やこれを回転及び進退駆動させる専用の工作機械を要することなく、汎用のマシニングセンタ等による複数の切削加工工程によって高精度な加工を実現できる切削工具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、軸線回りに回転される工具本体に、前記軸線と交差する方向に摺動自在に支持されるとともに、先端部に切刃チップを備えたスライド部が設けられた切削工具であって、前記工具本体内部には前記スライド部に流体圧を供給し該スライド部を摺動させるための流路が設けられ、該流路には、前記工具本体が回転駆動される際に生ずる遠心力により流体の流れを切替え前記スライド部が摺動する方向を切替える切替え機構が設けられていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る切削工具によれば、工具本体内部にスライド部に流体圧を供給しこのスライド部を摺動させるための流路が設けられ、この流路には、工具本体が回転駆動される際に生ずる遠心力により流体の流れを切替え、スライド部が摺動する方向を切替える切替え機構が設けられているので、回転軸に交差する方向の面を切削する切削工具を複雑な構造とすることが回避される。すなわち、工具本体に、スライド部を摺動させるためにのみ用いる駆動機構を設けることを回避することができ、従って、この駆動機構を駆動させるための専用の工作機械が必要とされることを回避でき、回転軸に交差する方向の面の切削加工の低コスト化を実現できるようになる。
また、前述した切削工具の構成に加えて、この工具本体に例えば,仕上げリーマがこの回転軸と同軸的に設けられた切削工具を汎用のマシニングセンタに取付け、エンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブシート面の仕上げ加工を行うに際して、次のような加工方法を実現できることになる。すなわち、仕上げリーマによりステムガイド内周面を仕上げ加工した後、この切削工具の回転数を異ならせて、工具本体に発生する遠心力を変化させることによって、前記切替え機構により前記流路を切替えて前記スライド部を摺動駆動するとともに、バルブシート面を仕上げ加工することができるようになる。従って、切削工具全体を単に回転及び進退駆動させることのみにより、ステムガイド内周面及びバルブシート面の各仕上げ加工を行うことができることになり、同一の汎用マシニングセンタにより前記各仕上げ加工を行うことができ、低コスト且つ高精度加工を確実に実現できるようになる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の切削工具において、前記切替え機構は、前記流路を開閉する本体部と、該本体部を前記軸線に向かって付勢する付勢手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る切削工具によれば、切替え機構が流路を開閉する本体部と、この本体部を軸線に向かって付勢する付勢手段とを備えているので、切削工具を比較的高速で回転した場合においては、この切削工具に発生する遠心力が前記本体部に作用する前記付勢手段の付勢力に打ち勝って、この本体部を前記軸線から遠ざかる方向に移動させ、一方、切削工具を低速で回転した場合,または回転を停止した場合においては、前記本体部に作用する前記付勢手段の付勢力がこの本体部に発生する遠心力に打ち勝って、この本体部を前記軸線に近づく方向に移動させる構成を確実に実現することができるようになる。
従って、切削工具の回転速度が変化することによって、前記本体部が工具本体内部に設けられた流路を開閉し、流体の流れを切替え前記スライド部が摺動する方向を切替える構成を容易かつ確実に実現できるようになる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の切削工具において、前記流路は油圧回路であることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る切削工具によれば、前記流路が油圧回路であるので、工具本体の軸線と交差する方向の加工面を切刃チップにより切削するに際し、切削抵抗に打ち勝つ駆動力を切刃チップに容易かつ確実に発生させることができる。従って、切刃チップにビビリ振動等を発生させることなく良好に前記加工面を切削できる切削工具を確実に提供できるようになる。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の切削工具において、前記流路には、前記流体の流量を調整する流量調整機構が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る切削工具によれば、切刃チップにより切削する際の当該切刃チップの送りスピードを容易且つ確実に調整することができ、被加工物の材質等に応じた加工条件の設定を容易に変更することができるようなる。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の切削工具において、前記流路には、該流路内圧力を所定値以下に保持する圧力調整機構を備えていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る切削工具によれば、被加工物の材質が難削材である等の場合には、切削時、切刃チップが滑らかに摺動しないこととなり、前記流路内圧力が過大となる場合があるが、かかる場合においても、過大となった圧力分だけの流体を外部に放出する等して、流路内圧力を所定値以下に保持することができるようになる。従って、被加工物の材質等の加工条件が変化した場合においても、工具自体の破損の発生を確実に抑制することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る切削工具の一実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。
本実施形態における切削工具1は、工具本体2が軸線Oを中心とした外形略多段円柱状をなすものであって、この工具本体2の先端部は軸線Oを中心として先端側に向かうに従い漸次縮径する略円錐台状に形成される一方、外周部後端側には当該工具本体2を工作機械のATC(自動工具交換装置)のアームによって把持するための把持部2Aが形成され、また後端部には該工具本体2をマシニングセンタ等の工作機械の駆動軸に取り付けるためのアーバ部2Bとされており、このアーバ部2Bによって工作機械の駆動軸に取り付けられた切削工具1は、軸線O回りに回転されつつ、該軸線O方向先端側に送りを与えられて進退させられ、シリンダーヘッド31に配設されたステムガイド32の内周面及びバルブシート30の開口周縁部,すなわちバルブシート面30aの加工に供されるようになっている。
【0020】
そして、さらにこれらの工具本体2内には軸線Oに沿って取付孔2Cが形成されており、この取付孔2Cにはブッシュ3を介して、仕上げ加工リーマ4が軸線Oと同軸に、先端側をブッシュ3から突出させて図示しないクランプネジによって取り付けられている。ここで、工具本体2の後端側にはクーラントパイプ8が設けられ、このパイプ8は、リーマ4内に形成され軸線Oに沿って貫通する図示しないクーラント孔と連通した構成となっている。このクーラント孔の先端側は、リーマ4の先端面への開口部が図示しない埋め栓によって封止されるとともに、先端外周側に分岐させられてリーマ4の切刃の溝底部に開口させられている。ただし、このクーラント孔の前記溝底部への開口位置は、周方向に隣接する溝同士で軸線O方向の位置が互いに異なるように設定されている。なお、クーラントパイプ8は、後述する油圧回路12とも連通した構成となっている。
【0021】
さらに、リーマ4が取り付けられた工具本体2の前記円錐台状の先端部には、バルブシート面30aを荒加工する図示しない切削チップと、軸線Oと交差する方向,すなわち前記円錐台状の母線方向に摺動自在に支持されるとともに、バルブシート面30aを仕上げ切削する切刃チップ5を備えたスライド部10とが設けられている。すなわち、工具本体2の先端部には、互いに平行な一対の対向する壁面と、これらの壁面に直行する底面11aとにより画成される凹溝11が、前記略円錐台状をなす母線方向に沿って形成され、この凹溝11内に前記母線方向,すなわち軸線O方向に交差する方向に摺動自在にスライド部10設けられている。
【0022】
このスライド部10は、先端に切刃チップ5が取付けられた断面略L字状のスライド部本体10aと、後述する油圧回路12のシリンダ部9に設けられこの回路12からの油圧により進退駆動されるピストン部10bと、これらスライド部本体10a及びピストン部10bを連結する連結ピン10cとを備えている。この構成において、ピストン部10bが軸線O方向に油圧回路12から供給された油圧により進退駆動されることにより、連結ピン10cを介してスライド部本体10aが、前記母線方向(図1に示す矢印A方向)に摺動駆動され、これに伴い切刃チップ5も摺動駆動される構成となっている。
【0023】
ここで、油圧回路12は、図2に示すように、切刃チップ5を軸線Oに向かって摺動させるようにシリンダ部9に配設されたピストン部10bに油圧を供給するラインBと、切刃チップ5を軸線Oから離間する方向に摺動するようにピストン部10bに油圧を供給するラインCとを備えている。これらラインB,Cは各々、工具本体2の後端側に設けられたクーラントパイプ8と、スライド部10のピストン部10bが配設されたシリンダ部9とに連通した構成となっている。
【0024】
これらクーラントパイプ8とシリンダ部9との間に、工具本体2が回転駆動される際に生ずる遠心力により流体としての切削油の流れを切替え,スライド部10及び切刃チップ5が摺動する方向Aを切替える切替え機構21と、油圧回路12内の圧力を所定値以下に保持する圧力調整機構22とが設けられ、ラインBにおいては切替え機構21と圧力調整機構22との間に、切削油の流量を調整する流量調整機構23が設けられている。
【0025】
切替え機構21は、ラインB,Cを開閉する本体部24と、この本体部24を中心軸O側へ付勢するコイルバネ等の第1の付勢手段25と、第1の付勢手段25の付勢力を調整する調整ネジ26と、調整ネジ26と螺合するブロック部27とを備えている。ここで、工具本体2の外周面には、第1の孔2aが穿設され、この第1の孔2aより小径の第2の孔2bが第1の孔2aの底面に同軸的に穿設されており、第1の孔2aにブロック部27が嵌装され、第2の孔2bに本体部24が進退可能に配設された構成となっている。
【0026】
この構成において、ブロック部27は、工具本体2の外周面側の表面に雌ネジが形成され、この表面と反対側の面に前記雌ネジと連通するように大径の孔が穿設されている。また、本体部24の工具本体2外周面側の表面には、ブロック部27の前記大径の孔と略同径の孔が穿設されており、この孔の底面と,ブロック部27の雌ネジに螺合された調整ネジ26との間に第1の付勢手段25が配設された構成となっている。すなわち、調整ネジ26をねじ込んだり,緩めたりすることにより、第1の付勢手段25が本体部24に付与する付勢力を調整できるようになっている。また、本体部24の工具本体2外周面側の外表面には全周に渡って溝部24aが設けられている。ここで、第1の孔2bの側壁にはラインB,Cが開口しており、本体部24が進退することにより、ラインBが溝部24aを介して、ラインCが本体部24の底面を介して各々連通するようになっている。
【0027】
また、ラインBにおいて切替え機構21と圧力調整機構22との間に設けられた流量調整機構23は、大径のネジ部23aと,先端部において先端に向かうに従い漸次縮径したテーパ部23bを備えたピン部23cとを備え、このピン部23cのテーパ部23bがラインBに至るように工具本体2の外周面に設けられた雌ネジに大径のネジ部23aが螺合された構成となっている。そして、この大径のネジ部23aをねじ込んだり,緩めたりして、ラインBに至ったテーパ部23bによりラインBの流路面積の大きさを調整できる,すなわちラインBからシリンダ部9へ供給する切削油の流量を調整できるようになっている。
【0028】
圧力調整機構22は、工具本体2の外周面に設けられた雌ネジ2cに螺合されたネジ付きフランジ部22aと、円柱状に形成されラインB,Cを開閉する栓部22bと、ネジ付きフランジ部22aと栓部22bとの間に各部22a,22bに付勢力を付与するように配設されたコイルバネ等の第2の付勢手段22cとを備えている。この構成において、ラインB,C内の圧力が所定値以上になったとき、この圧力により栓部22bを介して第2の付勢手段22cが収縮され、同時に放出ラインDとラインB,Cとが連通し、切削油が外部へ放出されるようになっている。これにより、ラインB,C内の圧力が常に所定値以下にできるようになっている。なお、放出ラインDは、切刃チップ5が摺動する方向Aが切替わった際、シリンダ部9に供給されていた切削油を排出するためのものでもある。
【0029】
以上のように構成された切削工具によりバルブシート面30aを仕上げ切削する方法について説明する。
まず、ステムガイド32内周面を仕上げ切削するに際して、切削工具1を軸線O回りに例えば,3000rpmで回転する。この際、切替え機構21の本体部24は、工具本体2に発生した遠心力により第1の付勢手段25の付勢力に打ち勝って、図2の2点鎖線に示すように、工具本体2の外周面側へ本体部24の上面とブロック部27とが当接するまで移動する。この際、クーラントパイプ8と切替え機構21との間の流路は、本体部24の下面を介してラインCと連通し、このラインCからシリンダ部9に供給された油圧により、ピストン部10bは切削工具1の後方側(図1,図2の矢印X方向)へ所定距離Mだけ移動する。これに伴い、ピストン部10bと連結ピン10cを介して連結されたスライド部本体10aは、工具本体2の前記母線方向Aにおいて軸線Oから離間する側へ所定距離だけ移動するとともに、このスライド部本体10a先端に設けられた切刃チップ5も同様に移動する。そして、切刃チップ5及びスライド部10をこの位置に保持した状態(切刃チップ5については、図3に示す二点鎖線)とした後に、切削工具1をリーマ4ごと軸線O方向に前進駆動して、リーマ4によりステムガイド32の内周面を仕上げ切削する。なお、リーマ4による仕上げ切削の際、同時に、前記切削チップにより、バルブシート面30aを荒加工する。
【0030】
そして、これらステムガイド32内周面の仕上げ切削及びバルブシート面30aの荒加工が終了した後、切削工具1全体を例えば約0.2mm後退させて前記切削チップをバルブシート面30aから離間させ、この状態で、切削工具1の回転速度を3000rpmから例えば,1000rpmに減速する。この際、図2において、切替え手段21の本体部24は、切削工具1の回転数が低下して、工具本体2に発生する遠心力が減少したことに伴い、第1の付勢手段25の付勢力により軸線Oへ向かって移動することになる。これにより、本体部24の溝部24aがラインBと連通し、このラインBからシリンダ部9に供給された油圧により、ピストン部10bは切削工具1の前方側(図1,図2の矢印Y方向)へ所定距離Mだけ移動する。これに伴い、スライド部本体10aは、工具本体2の前記母線方向Aにおいて軸線O側へ向かって所定距離だけ移動するとともに、このスライド部本体10a先端に設けられた切刃チップ5も同様に移動する。ここで、切刃チップ5は、前述した切削工具1の回転速度の減速開始時にバルブシート面30aの近傍に位置しているので、切刃チップ5が軸線O側へ向かって移動するのと略同時に、切刃チップ5によるバルブシート面30aの仕上げ切削が行われる。
【0031】
そして、バルブシート面30aの仕上げ切削が終了した後、切削工具1を後退させるとともに回転を停止する。この際、切替え機構21の本体部24は、工具本体2の径方向へは移動せず、切削工具1を1000rpmで回転したときと同様の位置に留まることになる。
【0032】
なお、前記各切削を行うに際し予め、被加工物の材質や必要加工精度等に応じて、ラインBに設けられた流量調整機構23のネジ部23aをねじ込んだり,緩めたりすることにより、ラインBの流路面積の大きさを調整しておき、バルブシート面30aを仕上げ切削する際に切刃チップ5を軸線O側へ移動させる送り速度を設定しておいてもよい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態による切削工具1によれば、工具本体2内部にスライド部10に流体圧としての油圧を供給しこのスライド部10を摺動させるための油圧回路12が設けられ、この回路12には、工具本体2が軸線O回りに回転駆動される際に生ずる遠心力により切削油の流れを切替え、スライド部10が摺動する方向Aを切替える切替え機構21が設けられているので、バルブシート面30aを切削する切削工具1を複雑な構造とすることを回避することができる。すなわち、切削工具1にスライド部10を摺動させるためにのみ用いる駆動機構を設けることを回避することができ、従って、この駆動機構を駆動させるための専用の工作機械が必要とされることを回避できるので、バルブシート面30aの切削加工の低コスト化を実現することができる。
【0034】
また、切替え機構12がラインB,Cを開閉する本体部24と、この本体部24を軸線Oに向かって付勢する第1の付勢手段25とを備えているので、リーマ4によりステムガイド32の内周面を仕上げ切削する際に、切削工具1を高速で回転した場合においては、この切削工具1に発生する遠心力が本体部24に作用する第1の付勢手段25の付勢力に打ち勝って、この本体部24を軸線Oから遠ざかる方向に移動させ、一方、切削工具1を低速で回転した場合,または回転を停止した場合においては、本体部24に作用する第1の付勢手段25の付勢力がこの本体部24に発生する遠心力に打ち勝って、この本体部24を軸線Oに近づく方向に移動させる構成を確実に実現することができる。
従って、切削工具1の回転速度が変化することによって、切替え機構21の本体部24がラインB,Cを開閉し、切削油の流れを切替えてスライド部10が摺動する方向Aを切替える構成を容易かつ確実に実現することができる。
【0035】
さらに、工具本体2内には油圧回路12が設けられ、スライド部10はこの油圧回路12から供給された油圧により進退駆動されるので、バルブシート面30aを切刃チップ5により切削するに際し、切削抵抗に打ち勝つ駆動力を切刃チップ5に容易かつ確実に発生させることができる。従って、切刃チップ5にビビリ振動等を発生させることなくバルブシート面30aの良好な切削を確実に実現することができる。
【0036】
また、油圧回路12には流量調整機構23が設けられているので、バルブシート面30aを仕上げ切削する際の切刃チップ5の送り速度の調整を容易かつ確実に行うことができ、被加工物の材質等の加工条件に適合するように前記送り速度を容易に変更調整することができる。また、切刃チップ5の前記送り速度を下げる調整をした場合においても、前記切削後における切刃チップ5の戻りスピードは不変とすることができるので、高効率生産を確実に実現することができる。
【0037】
さらに、油圧回路12に圧力調整手段22と、ラインB,Cとそれぞれ連通した放出ラインDとが設けられているので、例えば,被加工物の材質が難削材であるため、切刃チップ5によりバルブシート面30aを切削する際に、切刃チップ5が滑らかに摺動せず油圧回路12内の圧力が過大となった場合においても、この過大となった圧力分だけの切削油を放出ラインDを介して外部に放出することができ、油圧回路12内の圧力を常に所定値以下に保持することができる。従って、被加工物の材質等の加工条件が変化した場合においても、工具自体の破損の発生を確実に抑制することができる。
【0038】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、前記実施形態においては、工具本体2の軸線Oと斜交するバルブシート面30aを仕上げ切削する構成を示したが、軸線Oと直交する面を仕上げ切削するようにしてもよい。また、仕上げ切削に限らず、軸線Oと交差する方向の面に各種切削加工を施すことに適用することもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、切削工具にスライド部を摺動させるためにのみ用いる駆動機構を設けることを回避することができ、従って、この駆動機構を駆動させるための専用の工作機械が必要とされることを回避できるので、回転軸に交差する方向の面の切削加工の低コスト化を実現することができる。また、穴自体及びこの穴の軸線に斜交した面の各仕上げ加工を同一の汎用マシニングセンタにより行うことができ、低コスト且つ高精度加工を確実に実現することができる。
【0040】
請求項2に係る発明によれば、切削工具を回転する際に発生する遠心力により前記本体部を前記軸線から遠ざかる方向に移動させる構成を確実に実現することができる。従って、工具本体内部に設けられた流路を開閉し、流体の流れを切替え前記スライド部が摺動する方向を切替える切替え機構を容易かつ確実に実現することができる。
【0041】
請求項3に係る発明によれば、前記流路が油圧回路であるので、工具本体の軸線と交差する方向の面を切刃チップにより切削するに際し、切削抵抗に打ち勝つ駆動力を切刃チップに容易かつ確実に発生させることができる。従って、切刃チップにビビリ振動等を発生させることなく良好に前記面を切削できる切削工具を確実に提供することができる。
【0042】
請求項4に係る発明によれば、切刃チップの摺動方向の送り速度を容易かつ確実に調整することができ、被加工物の材質等の加工条件に適合するように前記送り速度を容易に変更調整することができる。
【0043】
請求項5に係る発明によれば、流路内圧力を所定値以下に維持することができ、被加工物の材質等の加工条件が変化した場合においても、工具自体の破損の発生を確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示した切削工具の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態として示した切削工具の油圧回路を示す図である。
【図3】図1に示す切刃チップの動作を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
1 切削工具
2 工具本体
5 切刃チップ
10 スライド部
12 油圧回路(流路)
21 切替え機構
22 圧力調整機構
23 流量調整機構
24 本体部
25 付勢手段
A スライド部が摺動する方向
O 軸線

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転される工具本体に、前記軸線と交差する方向に摺動自在に支持されるとともに、先端部に切刃チップを備えたスライド部が設けられた切削工具であって、
    前記工具本体内部には前記スライド部に流体圧を供給し該スライド部を摺動させるための流路が設けられ、
    該流路には、前記工具本体が回転駆動される際に生ずる遠心力により流体の流れを切替え前記スライド部が摺動する方向を切替える切替え機構が設けられていることを特徴とする切削工具。
  2. 請求項1記載の切削工具において、
    前記切替え機構は、前記流路を開閉する本体部と、該本体部を前記軸線に向かって付勢する付勢手段とを備えていることを特徴とする切削工具。
  3. 請求項1または2に記載の切削工具において、
    前記流路は油圧回路であることを特徴とする切削工具。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の切削工具において、
    前記流路には、前記流体の流量を調整する流量調整機構が設けられていることを特徴とする切削工具。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の切削工具において、
    前記流路には、該流路内圧力を所定値以下に保持する圧力調整機構を備えていることを特徴とする切削工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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