JP2004290995A - カシメ機及びカシメ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有底の筒体からなる被カシメ部材の開口端部をかしめて、内部に収納される内容部材を固定するにあたり、被カシメ部材をかしめる際に使用するカシメ機及びカシメ方法であって、内容部材に歪みを発生させることなく良好にかしめ加工を行うカシメ機及びカシメ方法を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の第1カシメローラ10が同時に転動しながら被カシメ部材12の開口端部74全周を押圧し、端縁部75からカシメ部23に必要な距離で曲折部79を設けて開口端部74全周を内側に折る予備工程と、予備工程後の被カシメ部材12の開口端部74全周を、複数の第2カシメローラ30が同時に転動しながら押圧し、端縁部75を内容部材25に当接させると共に、曲折部79から端縁部75の間でカールさせる仕上げ工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の第1カシメローラ10が同時に転動しながら被カシメ部材12の開口端部74全周を押圧し、端縁部75からカシメ部23に必要な距離で曲折部79を設けて開口端部74全周を内側に折る予備工程と、予備工程後の被カシメ部材12の開口端部74全周を、複数の第2カシメローラ30が同時に転動しながら押圧し、端縁部75を内容部材25に当接させると共に、曲折部79から端縁部75の間でカールさせる仕上げ工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カシメ機及びカシメ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、エレクトレットコンデンサマイクロホン(以下 ECMと称す。)の構造を示す断面図である。
ECM11は、金属ケース12内に振動膜、プリント基板等の内容部材25が所定の順に収納されて形成されている。金属ケース12はアルミニウム等からなる有底の筒体で、底部12bの中心には音孔12aが形成されている。そして、内容部材25は、金属ケース12の開口端部74が内側にカールして形成されたカシメ部23によって金属ケース12内に固定されている。つまり、カシメ部23は、図6に示されるように、曲折部79から開口端部74の先端である端縁部75の間でカールして形成され、その端縁部75が内容部材25に当接することで、内容部材25を金属ケース12内に固定する。
【0003】
次に上記構成からなるECM11のカシメ方法について説明する。
ECM用カシメ機では、回転駆動される平面円形状のターンテーブルの周縁部分に、3つのコレットチャックが等間隔に回転可能に支持されており、ターンテーブルの周囲には、金属ケース供給装置、カシメ装置、排出装置が配置されている。そして、ターンテーブルの回転によってコレットチャックが一周旋回運動をする間に、金属ケース12のカシメ加工が成される。
まず、金属ケース供給装置によって、内容部材25が収納された金属ケース12がコレットチャックに供給され、次にカシメ装置によって金属ケースの開口端部がかしめられてECMが組み立てられる。組立られたECMは、さらに排出装置によってコレットチャックから取り外されて次工程へと備えられる。
【0004】
次に、ECM用カシメ機に組み込まれて使用されるカシメ装置について説明する。図7は、カシメ装置におけるカシメローラ110と金属ケース12の位置関係を示す断面図である。図8は、カシメ装置のカシメ動作を説明する説明図である。
図7に示されるように金属ケース12は、カシメ工程において底部12bを下方に向けた状態でコレットチャック32によって把持されており、その内部には内容部材25が収納されている。また、コレットチャック32は回転可能に設けられており、その回転軸は固定されている金属ケース12の軸線33と一致している。
また、カシメ装置には、コレットチャック32に固定された金属ケース12の開口端部74を押圧してかしめを行うカシメローラ110が設けられている。
【0005】
カシメローラ110は、コレットチャック32の上方にその軸線110aを金属ケース12の軸線33に対して直角にして配設されている。
また、カシメローラ110は、上下方向(矢印E)に移動可能に設けられると共に、軸線110aを中心に回動自在に設けられている。
【0006】
カシメローラ110は、図8に示されるように本体110cより先端側が縮径されて、略同一径に形成された縮径部76が配設されている。また、本体110cの先端側は、アール状に面取りがされている。
さらに縮径部76の外周面76aと、本体110cの外周面110dとの境界部分には段差面77が形成されている。段差面77は、カシメローラ110の軸線110aに対して直角に形成される平坦面77aと、平坦面77aから縮径部76の外周面側にテーパ状に形成されるテーパ面77bとを有している。さらに、縮径部76の外周面には、テーパ面77bから連続して断面アール状に凹部110bが配設されている。
【0007】
カシメ工程では、図7に示されるように軸線33を中心に回転する金属ケース12に対してカシメローラ110が下降し接近する。そして、カシメローラ110が金属ケース12の開口端部74に当接しながら転動し、さらに下降して開口端部74を押圧することで、開口端部74が全周にわたってカシメ加工される。
このとき、開口端部74は、まずその先端である端縁部75が平坦面77aに当接する(図8(a)参照)。そして開口端部74は、さらに下降するカシメローラ110の平坦面77aに押されながら凹部110b内の面に沿って金属ケース12の内側に延び、カールしていく(図8(b)参照)。
最終的に開口端部74は、図8(c)に示されるようにその端縁部75が内容部材25に当接するよう凹部110bの形状に倣って内側にカールするようにかしめられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成によるカシメ装置は、端縁部75が内容部材25側に向くよう平坦面77aで開口端部74を押しながら、開口端部74を段差面77及び凹部110bの面に沿わせていく構成である。このとき、端縁部75は、凹部110bの最も縮径された底部78までは円滑に到達する。しかし、さらに、開口端部74は、凹部110bの面に沿って内容部材25側に向かう方向に押出されて曲げられるので、無理な力が加わることとなり、金属ケースはその側面側で歪みが生じやすかった。この歪みのため、金属ケースの側面側が内容部材25に干渉して内容部材25にゆがみが生じていた。
【0009】
さらに、金属ケースの側面側に歪みが生じると、開口端部74が凹部110bの形状に沿って良好にカールせず、端縁部75が良好に内容部材25に当接して内容部材を固定することができなかった。つまり、端縁部75が内容部材に確実に当接されず、内容部材25の固定が不充分になったり、反対に端縁部75が内容部材25を強く押圧して内容部材25にゆがみを生じさせてしまうことがあった。このように、内容部材25を良好に固定するための端縁部75の内容部材25に対する当接力の調整が困難となっていた。
【0010】
また、1本のカシメローラ110が金属ケースを部分的に押圧する構成なので、図8(c)に示されるような状態となって端縁部75の一部分が内容部材25に当接した場合、内容部材25が端縁部75によって押されて、移動したり傾いたりしやすかった。移動したり傾いたりしている内容部材25は、金属ケースと干渉しやすくなり、歪みを生じ易くなっていた。
内容部材25、特に振動膜に歪みが生じるとマイク特性の悪いECMとなってしまう。
【0011】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、有底の筒体からなる被カシメ部材の開口端部をかしめて、内部に収納される内容部材を固定するにあたり、被カシメ部材をかしめる際に使用するカシメ機及びカシメ方法であって、内容部材に歪みを発生させることなく良好なカシメ部を形成することのできるカシメ機及びカシメ方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、本発明は、有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ機において、前記カシメローラは同一形状で複数設けられ、該複数のカシメローラが被カシメ部材の開口端部を、該開口端部の周方向に所定間隔をあけて同時に押圧することを特徴とする。
これによると、複数のカシメローラが同時に開口端部を押圧するので、内容部材の移動や傾きを防ぎ、被カシメ部材と内容部材の干渉による内容部材の歪みを防止することができる。
【0013】
また、本発明は、有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ機において、前記カシメローラとして、前記被カシメ部材の開口端部全周を転動しながら押圧し、端縁部からカシメ部に必要な距離で曲折部を設けて該開口端部全周を内側に折る第1カシメローラと、該第1カシメローラによって全周にわたって内側に折られた前記開口端部を転動しながら押圧し、前記端縁部を前記内容部材に当接させると共に、前記曲折部から前記端縁部の間でカールさせる第2カシメローラとを備えることを特徴とする。
これにより、開口端部に無理な力が加わることを防いで、被カシメ部材の歪みの発生を防止することができる。そして被カシメ部材と内容部材との干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。
【0014】
また、前記第1カシメローラは複数設けられ、同時に被カシメ部材の開口端部を押圧することを特徴とする。
また、前記第2カシメローラは複数設けられ、同時に被カシメ部材の開口端部を押圧することを特徴とする。
カシメローラを複数設け、同時に開口端部に押圧させることにより、被カシメ部材内での内容部材の移動や傾きを防ぎ、被カシメ部材と内容部材との干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。
【0015】
また、本発明のカシメ方法は、有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ方法において、複数の第1カシメローラが同時に転動しながら前記被カシメ部材の開口端部全周を押圧し、端縁部からカシメ部に必要な距離で曲折部を設けて該開口端部全周を内側に折る予備工程と、該予備工程後の被カシメ部材の前記開口端部全周を、複数の第2カシメローラが同時に転動しながら押圧し、前記端縁部を前記内容部材に当接させると共に、前記曲折部から前記端縁部の間でカールさせる仕上げ工程とを有することを特徴とする。
これにより、内容部材の移動や傾き、被カシメ部材の歪みを防ぐことができ、内容部材と被カシメ部材の干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図6に示したECMの製造に好適に使用されるカシメ機及びカシメ方法を挙げて添付図面と共に詳細に説明する。
尚、ここでは、金属ケース(被カシメ部材)を固定するコレットチャック(固定装置)と、カシメローラを有してカシメ加工をするカシメ装置とを有する装置をカシメ機と称している。
【0017】
図1は、カシメ機によるカシメ工程を示した断面図であり、図3は、カシメ装置の構成を示す概略図である。図4はカシメ機の概略を説明する模式図である。
【0018】
図4に示されるようにECM用カシメ機55では、平面円形状のターンテーブル56が、その円の中心を軸にして所定の回転角度で間欠的に回転駆動(矢印T方向)される。また、ターンテーブル56の周縁部分には、固定装置であるコレットチャック32が4つ等間隔に配設されている。
ターンテーブル56の周囲には、金属ケース供給装置42、第1カシメ装置44、第2カシメ装置45及び排出装置47が順に配設されている。
【0019】
金属ケース供給装置42は、内容部材25が収納された金属ケース12をコレットチャック32に供給する装置であり、金属ケース12は、その底部12bを下方に向けた水平状態でコレットチャック32に把持されて固定される。
【0020】
第1カシメ装置44と第2カシメ装置45とからなるカシメ装置46は、金属ケース12の開口端部を、その全周にわたってカシメ加工する装置である。
排出装置47は、内部に内容部材25が収納されて固定された金属ケース12を、コレットチャック32から取り外して次工程へと排出する装置である。
【0021】
上記構成からなる装置を備えたECM用カシメ機55は、コレットチャック32に供給され固定された金属ケース12が、ターンテーブル56の回転に伴って一周旋回する。その間に、第1カシメ装置44及び第2カシメ装置45によって金属ケース12にカシメ加工が行なわれてECM11が組み立てられ、次工程へと排出される構成となっている。
【0022】
カシメ装置について説明するにあたって、まず図3を用いて金属ケース12を固定するコレットチャック32について説明する。コレットチャックとしては公知のものが使用できる。
円筒状のカバー部36は、ボルト37によって支持アーム35の一端側に固定されている。支持アーム35は回動支点38において固定されており、カバー部36は上下移動可能に設けられている。
【0023】
カバー部36の内部には、先端に把持部39aを有したコレット39が配設されている。コレット39は、テーパ形状の外周面を有すると共に、軸線方向に複数の切割りが配設されている。そして、カバー部36の内周面には、コレット39のテーパと嵌合するテーパが形成されており、カバー部36が下降すると把持部39aが拡径し、カバー部36が上昇すると把持部39aが縮径して締め付け力が発揮される。また、バネ40は、把持部39aを縮径する方向にカバー部36を付勢している。
そして、金属ケース供給装置42によってコレットチャック32に供給された金属ケース12は、把持部39aの締め付け力によって固定される。このとき、金属ケース12は、上方を向いて開口する水平状態で固定される。
【0024】
カシメ装置46は、図4に示されるように第1カシメ装置44と第2カシメ装置45とを備えており、まず金属ケース12に対して第1カシメ装置44によってカシメ加工の予備工程が行なわれ、その後、第2カシメ装置45によって仕上げ工程が成される。図1において(a)、(b)は予備工程を、(c)、(d)は仕上げ工程を示す。
【0025】
第1カシメ装置44と第2カシメ装置45とは、コレットチャック32に固定された金属ケース12の開口端部を、その全周にわたってカシメローラが転動しながら押圧するという全体的な構成は同じであるが、両者に配設されるカシメローラの形状、特に先端側の形状が異なることにより、異なる作用をなしている。
従って、後述する第1カシメ装置の説明は、第1カシメローラ(第1カシメ装置に配設されるカシメローラ)の記述の部分を、括弧内に記載したように第2カシメローラ(第2カシメ装置に配設されるカシメローラ)に置き換えて第2カシメ装置の説明とすることができる。
そこでまず、第1カシメ装置の全体的な構成について説明し、その後第1カシメローラ及び第2カシメローラの形状について述べる。
【0026】
図3に示されるように支持ロッド50は、その軸線49を中心に回動可能(矢印A)に設けられると共に、昇降可能(矢印B方向)に設けられている。また、支持ロッド50の軸線49は、コレットチャック32に固定された金属ケース12の軸線33に一致している。
さらに、支持ロッド50の下端部では、側面が軸線49に対して左右対称に張り出して一対の固定部64が形成されている。
【0027】
また、固定部64には、ローラ装着部61が固定される。ローラ装着部61は、ローラ支持部52、取付部68及び調整板67が一体化されて形成されたものに、カシメローラが挿入されてローラ固定部60において抜け止めされているものである。
ブロック状のローラ支持部52は貫通穴52aを有し、その内部に第1カシメローラ10(第2カシメ装置では、第2カシメローラ30)が回転可能に挿入されるベアリング65が配設されている。
リング状のローラ固定部60は、ローラ支持部52の側面側に配設されている。
【0028】
一方、第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)は、軸状に形成されており、その先端10a(第2カシメローラ30では先端30a)側に拡径された係止部10c(係止部30c)が形成されている。そして、ローラ支持部52内に挿入された第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)は、係止部10c(30c)で抜け止めされて、先端10a(30a)をローラ支持部52から突出させて保持されている。このとき、第1カシメローラ10の後端部は、ローラ固定部60の貫通穴に挿入されて外方へと露出している。また、第1カシメローラ10の先端方向への抜け止めは、ローラ固定部60の上面と下面の一方或いは両方からローラ固定部60を貫通し、第1カシメローラ10に当接してこれを固定するネジ(図示せず)が複数設けられることによってなされている。従って、後述するように第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)が転動する際には、ローラ固定部60は第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)と一体的に回転する。
【0029】
板状の取付部68は、ローラ支持部52の上面に沿って配設されている。さらに調整板67は、取付部68の側面に固設されると共に、カシメローラの後端側であるローラ支持部52の上面から立設するように配設されている。
【0030】
このような構成のローラ装着部61は一対設けられ、左右一対の固定部64の下端部にそれぞれ左右対称に固定される。具体的には、ローラ装着部61は、ネジ53が固定部64の上端面から固定部64を貫通し、さらに取付部68に挿通されることにより固定される。このとき、2つのローラ装着部61にそれぞれ挿入され固定される第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)は、互いにその先端10a(第2カシメローラでは先端30a)を対向させ、その軸線10b(軸線30b)を支持ロッド50の軸線49に対して直角にして配設される。
また、支持ロッド50が下降した際には、一対の第1カシメローラ(第2カシメローラ30)は、その先端側の外周面がそれぞれ、固定された金属ケース12の開口端部の、径方向の両側で、同時に同一状態で当接するよう、支持ロッド50の軸線49、つまり固定された金属ケースの軸線33に対して左右対称に配設される。
【0031】
また、調整板67と固定部64との間には若干の空間が設けられており、調整ネジ66がナット66aを介して調整板67を貫通し、固定部64の側面に当接している。これによると、調整ネジ66のネジ込み量の違いによってローラ装着部61が微動するので、第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)の先端10a(第2カシメローラでは先端30a)の位置を軸線10b(第2カシメローラでは軸線30b)方向に微調整することができる。そして、小型の金属ケース12に対してカシメローラを良好に位置合わせし、カシメ加工することができる。具体的には、ネジ53を緩め調整ネジ66のネジ込み量を調整し、ネジ53を固定し直して行なわれる。
このように、支持ロッド50の下端部は、一対の第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)が配設されたカシメヘッド80となっている。
【0032】
次に第1カシメローラ10、第2カシメローラ30の先端側形状について図1を用いて説明する。図1において(a)、(b)は予備工程を、(c)、(d)は仕上げ工程を示し、それぞれ第1、第2カシメローラの先端側が金属ケースの開口端部74を押圧する状態を示している。
図1(a)、(b)に示されるように第1カシメローラ10は、係止部10cより先端側が再び縮径されて、略同一径に形成された縮径部26が配設されている。係止部10cの先端側はアール状に面取りがされている。そして、縮径部26の外周面26aと、係止部10cの外周面29との境界部分に段差面27が形成されている。段差面27は、第1カシメローラ10の軸線10bに対して直角に形成される平坦面27aと、平坦面27aから縮径部の外周面26aに連続してテーパ状に形成されるテーパ面27bを有している。これにより、段差面27は、縮径部26の付根側で徐々に広がるように形成されている。
【0033】
第2カシメローラ30は、図1(c)、(d)に示されるように係止部30cより先端側が再び縮径されて、略同一径に形成された縮径部69が配設されている。また、係止部の先端側は、アール状に面取りがされている。
そして、縮径部69の外周面69aと、係止部30cの外周面70との境界部分に段差面71が形成されている。段差面71は、第2カシメローラ30の軸線30bに対して直角に形成される平坦面71aと、平坦面71aから縮径部の外周面側にテーパ状に形成されるテーパ面71bとを有している。さらに、縮径部69の外周面69aには、テーパ面71bから連続して断面アール状に凹部72が配設されている。
【0034】
図2において、第2カシメローラ30に対する第1カシメローラ10の形状の違いを点線で示した。
これから解るように、第1カシメローラ10は、第2カシメローラ30の凹部72における最も縮径された底部73から拡径することなく縮径部26が形成されているものである。
【0035】
上記構成からなるカシメ装置を用いたカシメ工程について説明する。
内容部材25が収納された金属ケース12は、ターンテーブル56が所定角度回動することにより第1カシメ装置44の前に移動し停止する(図4参照)。
そして、第1カシメ装置44においては図3に示されるように、支持ロッド50が軸線49を回転軸として回動すると共に下降して、コレットチャック32によって固定されている金属ケース12に対して、一対の第1カシメローラ10が接近する。
【0036】
さらに支持ロッド50が下降することにより、金属ケース12の軸線33に対して左右対称に配設される一対の第1カシメローラ10は、同時に同一状態で開口端部74に当接し、さらに下降して開口端部74を押圧する。
この際、固定されている金属ケース12に対して支持ロッド50が軸線49を回転軸に回転しているので、ベアリング65に挿入されている第1カシメローラ10は、金属ケース12の開口端部74に当接して転動する。こうして、金属ケース12の開口端部74全周にわたってカシメ加工の予備工程がなされる。
【0037】
予備工程について図1を用いて詳しく説明すると、まず第1カシメローラ10の平坦面27aが金属ケース12の開口端部74の外側面に当接する(図1(a)参照)。さらに、第1カシメローラ10が下降し、開口端部74を押圧すると(図1(b)参照)、開口端部74が平坦面27aによって内側へと押出される。こうして、開口端部74は第1カシメローラの段差面27と縮径部26の外周面26aに倣うように、金属ケースの内側へ向けて曲げられながら内側へと押出される。つまり、上方を向いていた開口端部74の先端である端縁部75が、開口径を小さくする方向の内側に向けられる。
【0038】
最終的には、第1カシメローラ10は、開口端部74が内容部材25に当接しない範囲で開口端部74を押圧し、端縁部75からカシメ部23を形成するのに必要な距離を採って開口端部74に曲折部79を形成する。このとき、端縁部75から曲折部79までは、外周面26aに倣って、軸線10bに略平行に延びている。
曲折部79を形成した第1カシメローラ10は、再び上昇して後続の金属ケースに備える。
【0039】
このように第1カシメ装置44において予備工程が行なわれた金属ケース12は、再びターンテーブル56が所定角度回動することにより、次工程である第2カシメ装置45の前に移動し停止する。
第2カシメ装置45においては第1カシメ装置44と同様に、支持ロッド50が軸線49を回転軸として回動すると共に下降して、一対の第2カシメローラ30が、予備工程において内側に曲げられた状態の金属ケースの開口端部74に当接し、さらに押圧しながら転動する。こうして、カシメ加工の仕上げ工程が行なわれる。
【0040】
仕上げ工程について図1を用いて詳しく説明すると、まず曲折部79付近の金属ケースの外側面と、端縁部75側に、下降した第2カシメローラが当接する(図1(c)参照)。外側面に対しては、第2カシメローラの平坦面71aが、端縁部75側に対しては凹部72付近の縮径部69の外周面69aがそれぞれ当接する。
この状態からさらに第2カシメローラ30が下降すると、端縁部75が下方に向けて押されて内容部材25に当接し、金属ケースの曲折部79付近の外側面は、平坦面71aによってその姿勢を保持される。これに伴って開口端部74は、曲折部79から端縁部75の間で、段差面71と凹部72に倣うようにカールし、カシメ部23が形成される(図1(d)参照)。
カシメ部23は、金属ケースの開口端部74全周にわたって形成され、金属ケース12内に内容部材25を固定する。
【0041】
従来は、1本のカシメローラによって一度にカシメ加工をしていたので金属ケースに無理な力が加わって歪みとなり、良好に内容部材をカシメ部によって固定することができなかった。しかし上記実施形態では、予備工程と仕上げ工程の2工程に分けたので、カシメローラによる金属ケースの歪みの発生を防ぐことができる。つまりカシメ加工を、端縁部75からカシメ部23の形成に必要な距離を採って開口端部74を内側に曲げて曲折部79を形成する予備工程と、端縁部75を内容部材25に当接させると共に、曲折部79から端縁部75の間でカールさせる仕上げ工程の2つの工程に分けたので、開口端部に無理な力が加わることがない。これにより、金属ケースの歪みの発生が防止され、カシメローラの形状に倣った良好なカシメ部を形成して適度な当接力によって内容部材を良好に固定することができる。
【0042】
また、上記構成によると、一対のカシメローラが同時に金属ケースの開口端部を押圧して加工を行うので、従来技術のように端縁部が内容部材に部分的に当接して、内容部材を傾かせたり位置を移動させたりすることがない。これにより、金属ケースと内容部材の干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。また、複数のカシメローラによって効率良くカシメ部を形成することができる。
【0043】
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0044】
上記実施形態では、第1カシメローラの縮径部の外周面69aが、軸線10bに対して平行に形成されている場合について述べたが、これに限定されない。例えば、図2の101の1点破線で示されるように、縮径部69が底部73から先端側に向かって徐々に縮径していくものであってもよい。これによると、金属ケースの開口端部74は、端縁部75が外周面69aの形状に倣って内側上方へ向くように折り曲げられる。この状態であっても、その後の仕上げ工程を良好に行うことができる。
【0045】
また、第1、第2カシメローラがそれぞれ2本ずつ配設されたカシメ機について説明したが、これに限定されずそれぞれが3本以上配設されても良い。例えば図5に示したように3本設けてもよい。図5は、カシメヘッド80における、第1カシメローラ10或いは第2カシメローラ30と、ローラ支持部52の位置を示す上視図である。3本のカシメローラ10(30)は、金属ケース12の開口端部74を、その周方向に等間隔あけて同時に押圧するよう配置されている。
これによると、内容部材25の傾きや位置の移動をより良好に防ぐことができ、さらに効率良くカシメ加工することができる。
また、第1、第2カシメローラのうち、両方が1本ずつでも、どちらかが1本で他方を複数本にしても良い。例えば、開口端部を内容部材に当接させる第2カシメローラを複数本設け、第1カシメローラを1本にしてもよい。内容部材の傾きや位置の移動に対して影響の大きい第2カシメローラを複数設けると、効果的である。
【0046】
さらに、ターンテーブルによって移動する固定装置と、第1、第2カシメローラがそれぞれ配設される第1、第2カシメ装置を有するカシメ機について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、平行に並べて配設された第1、第2カシメ装置と、これに対して直線的に往復移動する固定装置とを有するカシメ機であっても好適である。
さらにカシメ装置においては、第1カシメローラと第2カシメローラの両方を具備し、両者が交互に下降してカシメ加工を行うものであっても良い。
【0047】
また、第1、第2の2種類のカシメローラを用いたカシメ機について説明したが、第2カシメローラのみを複数本配設する構成であってもよい。つまり、従来技術で述べたような一種類のカシメローラを複数設け、この複数のカシメローラが同時に被カシメ部材の開口端部を押圧する構成であっても良い。これによると、内容部材を傾かせたり、その位置を片側に偏らせることがなくなる。従って、被カシメ部材と内容部材との干渉による内容部材の歪みの発生を防止して、確実に内容部材を固定することができる。このようなカシメ機は簡単な装置であり、高い精度を要しない被カシメ部材やカシメ加工しやすい被カシメ部材を、素早くカシメ加工する際に好適である。
【0048】
また、カシメヘッド80と固定装置によって固定された金属ケース12は、両者のうち一方を他方に対して相対動させると共に、相対回転可能にさせれば良い。従って、前述の実施形態では、カシメヘッド80が固定装置に固定された金属ケースの軸線と回転軸を一致させて回転するものを挙げたが、カシメヘッド80を固定し、固定装置側を回転可能に設けても良い。さらに、前述の実施形態ではカシメヘッド80を、固定された金属ケースに対して接離移動可能に設けたが、固定装置側が移動するものであってもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によると、有底の筒状被カシメ部材に収納される内容部材に歪みを発生させることなく良好なカシメ部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカシメ機のカシメ工程を示した断面図である。
【図2】第1カシメローラと第2カシメローラの形状の違いを示す断面図である。
【図3】カシメ装置の構成を示す概略図である。
【図4】ECM用カシメ機の概略を説明する模式図である。
【図5】カシメローラの他の配置方法を示す上視図である。
【図6】ECMの構造を示す断面図である。
【図7】従来のカシメ装置の構造を示す概略図である。
【図8】従来のカシメ装置のカシメ動作を示す説明図である。
【符号の説明】
10 第1カシメローラ
12 金属ケース
23 カシメ部
25 内容部材
30 第2カシメローラ
32 コレットチャック
44 第1カシメ装置
45 第2カシメ装置
46 カシメ装置
74 開口端部
75 端縁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、カシメ機及びカシメ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、エレクトレットコンデンサマイクロホン(以下 ECMと称す。)の構造を示す断面図である。
ECM11は、金属ケース12内に振動膜、プリント基板等の内容部材25が所定の順に収納されて形成されている。金属ケース12はアルミニウム等からなる有底の筒体で、底部12bの中心には音孔12aが形成されている。そして、内容部材25は、金属ケース12の開口端部74が内側にカールして形成されたカシメ部23によって金属ケース12内に固定されている。つまり、カシメ部23は、図6に示されるように、曲折部79から開口端部74の先端である端縁部75の間でカールして形成され、その端縁部75が内容部材25に当接することで、内容部材25を金属ケース12内に固定する。
【0003】
次に上記構成からなるECM11のカシメ方法について説明する。
ECM用カシメ機では、回転駆動される平面円形状のターンテーブルの周縁部分に、3つのコレットチャックが等間隔に回転可能に支持されており、ターンテーブルの周囲には、金属ケース供給装置、カシメ装置、排出装置が配置されている。そして、ターンテーブルの回転によってコレットチャックが一周旋回運動をする間に、金属ケース12のカシメ加工が成される。
まず、金属ケース供給装置によって、内容部材25が収納された金属ケース12がコレットチャックに供給され、次にカシメ装置によって金属ケースの開口端部がかしめられてECMが組み立てられる。組立られたECMは、さらに排出装置によってコレットチャックから取り外されて次工程へと備えられる。
【0004】
次に、ECM用カシメ機に組み込まれて使用されるカシメ装置について説明する。図7は、カシメ装置におけるカシメローラ110と金属ケース12の位置関係を示す断面図である。図8は、カシメ装置のカシメ動作を説明する説明図である。
図7に示されるように金属ケース12は、カシメ工程において底部12bを下方に向けた状態でコレットチャック32によって把持されており、その内部には内容部材25が収納されている。また、コレットチャック32は回転可能に設けられており、その回転軸は固定されている金属ケース12の軸線33と一致している。
また、カシメ装置には、コレットチャック32に固定された金属ケース12の開口端部74を押圧してかしめを行うカシメローラ110が設けられている。
【0005】
カシメローラ110は、コレットチャック32の上方にその軸線110aを金属ケース12の軸線33に対して直角にして配設されている。
また、カシメローラ110は、上下方向(矢印E)に移動可能に設けられると共に、軸線110aを中心に回動自在に設けられている。
【0006】
カシメローラ110は、図8に示されるように本体110cより先端側が縮径されて、略同一径に形成された縮径部76が配設されている。また、本体110cの先端側は、アール状に面取りがされている。
さらに縮径部76の外周面76aと、本体110cの外周面110dとの境界部分には段差面77が形成されている。段差面77は、カシメローラ110の軸線110aに対して直角に形成される平坦面77aと、平坦面77aから縮径部76の外周面側にテーパ状に形成されるテーパ面77bとを有している。さらに、縮径部76の外周面には、テーパ面77bから連続して断面アール状に凹部110bが配設されている。
【0007】
カシメ工程では、図7に示されるように軸線33を中心に回転する金属ケース12に対してカシメローラ110が下降し接近する。そして、カシメローラ110が金属ケース12の開口端部74に当接しながら転動し、さらに下降して開口端部74を押圧することで、開口端部74が全周にわたってカシメ加工される。
このとき、開口端部74は、まずその先端である端縁部75が平坦面77aに当接する(図8(a)参照)。そして開口端部74は、さらに下降するカシメローラ110の平坦面77aに押されながら凹部110b内の面に沿って金属ケース12の内側に延び、カールしていく(図8(b)参照)。
最終的に開口端部74は、図8(c)に示されるようにその端縁部75が内容部材25に当接するよう凹部110bの形状に倣って内側にカールするようにかしめられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成によるカシメ装置は、端縁部75が内容部材25側に向くよう平坦面77aで開口端部74を押しながら、開口端部74を段差面77及び凹部110bの面に沿わせていく構成である。このとき、端縁部75は、凹部110bの最も縮径された底部78までは円滑に到達する。しかし、さらに、開口端部74は、凹部110bの面に沿って内容部材25側に向かう方向に押出されて曲げられるので、無理な力が加わることとなり、金属ケースはその側面側で歪みが生じやすかった。この歪みのため、金属ケースの側面側が内容部材25に干渉して内容部材25にゆがみが生じていた。
【0009】
さらに、金属ケースの側面側に歪みが生じると、開口端部74が凹部110bの形状に沿って良好にカールせず、端縁部75が良好に内容部材25に当接して内容部材を固定することができなかった。つまり、端縁部75が内容部材に確実に当接されず、内容部材25の固定が不充分になったり、反対に端縁部75が内容部材25を強く押圧して内容部材25にゆがみを生じさせてしまうことがあった。このように、内容部材25を良好に固定するための端縁部75の内容部材25に対する当接力の調整が困難となっていた。
【0010】
また、1本のカシメローラ110が金属ケースを部分的に押圧する構成なので、図8(c)に示されるような状態となって端縁部75の一部分が内容部材25に当接した場合、内容部材25が端縁部75によって押されて、移動したり傾いたりしやすかった。移動したり傾いたりしている内容部材25は、金属ケースと干渉しやすくなり、歪みを生じ易くなっていた。
内容部材25、特に振動膜に歪みが生じるとマイク特性の悪いECMとなってしまう。
【0011】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、有底の筒体からなる被カシメ部材の開口端部をかしめて、内部に収納される内容部材を固定するにあたり、被カシメ部材をかしめる際に使用するカシメ機及びカシメ方法であって、内容部材に歪みを発生させることなく良好なカシメ部を形成することのできるカシメ機及びカシメ方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、本発明は、有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ機において、前記カシメローラは同一形状で複数設けられ、該複数のカシメローラが被カシメ部材の開口端部を、該開口端部の周方向に所定間隔をあけて同時に押圧することを特徴とする。
これによると、複数のカシメローラが同時に開口端部を押圧するので、内容部材の移動や傾きを防ぎ、被カシメ部材と内容部材の干渉による内容部材の歪みを防止することができる。
【0013】
また、本発明は、有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ機において、前記カシメローラとして、前記被カシメ部材の開口端部全周を転動しながら押圧し、端縁部からカシメ部に必要な距離で曲折部を設けて該開口端部全周を内側に折る第1カシメローラと、該第1カシメローラによって全周にわたって内側に折られた前記開口端部を転動しながら押圧し、前記端縁部を前記内容部材に当接させると共に、前記曲折部から前記端縁部の間でカールさせる第2カシメローラとを備えることを特徴とする。
これにより、開口端部に無理な力が加わることを防いで、被カシメ部材の歪みの発生を防止することができる。そして被カシメ部材と内容部材との干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。
【0014】
また、前記第1カシメローラは複数設けられ、同時に被カシメ部材の開口端部を押圧することを特徴とする。
また、前記第2カシメローラは複数設けられ、同時に被カシメ部材の開口端部を押圧することを特徴とする。
カシメローラを複数設け、同時に開口端部に押圧させることにより、被カシメ部材内での内容部材の移動や傾きを防ぎ、被カシメ部材と内容部材との干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。
【0015】
また、本発明のカシメ方法は、有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ方法において、複数の第1カシメローラが同時に転動しながら前記被カシメ部材の開口端部全周を押圧し、端縁部からカシメ部に必要な距離で曲折部を設けて該開口端部全周を内側に折る予備工程と、該予備工程後の被カシメ部材の前記開口端部全周を、複数の第2カシメローラが同時に転動しながら押圧し、前記端縁部を前記内容部材に当接させると共に、前記曲折部から前記端縁部の間でカールさせる仕上げ工程とを有することを特徴とする。
これにより、内容部材の移動や傾き、被カシメ部材の歪みを防ぐことができ、内容部材と被カシメ部材の干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図6に示したECMの製造に好適に使用されるカシメ機及びカシメ方法を挙げて添付図面と共に詳細に説明する。
尚、ここでは、金属ケース(被カシメ部材)を固定するコレットチャック(固定装置)と、カシメローラを有してカシメ加工をするカシメ装置とを有する装置をカシメ機と称している。
【0017】
図1は、カシメ機によるカシメ工程を示した断面図であり、図3は、カシメ装置の構成を示す概略図である。図4はカシメ機の概略を説明する模式図である。
【0018】
図4に示されるようにECM用カシメ機55では、平面円形状のターンテーブル56が、その円の中心を軸にして所定の回転角度で間欠的に回転駆動(矢印T方向)される。また、ターンテーブル56の周縁部分には、固定装置であるコレットチャック32が4つ等間隔に配設されている。
ターンテーブル56の周囲には、金属ケース供給装置42、第1カシメ装置44、第2カシメ装置45及び排出装置47が順に配設されている。
【0019】
金属ケース供給装置42は、内容部材25が収納された金属ケース12をコレットチャック32に供給する装置であり、金属ケース12は、その底部12bを下方に向けた水平状態でコレットチャック32に把持されて固定される。
【0020】
第1カシメ装置44と第2カシメ装置45とからなるカシメ装置46は、金属ケース12の開口端部を、その全周にわたってカシメ加工する装置である。
排出装置47は、内部に内容部材25が収納されて固定された金属ケース12を、コレットチャック32から取り外して次工程へと排出する装置である。
【0021】
上記構成からなる装置を備えたECM用カシメ機55は、コレットチャック32に供給され固定された金属ケース12が、ターンテーブル56の回転に伴って一周旋回する。その間に、第1カシメ装置44及び第2カシメ装置45によって金属ケース12にカシメ加工が行なわれてECM11が組み立てられ、次工程へと排出される構成となっている。
【0022】
カシメ装置について説明するにあたって、まず図3を用いて金属ケース12を固定するコレットチャック32について説明する。コレットチャックとしては公知のものが使用できる。
円筒状のカバー部36は、ボルト37によって支持アーム35の一端側に固定されている。支持アーム35は回動支点38において固定されており、カバー部36は上下移動可能に設けられている。
【0023】
カバー部36の内部には、先端に把持部39aを有したコレット39が配設されている。コレット39は、テーパ形状の外周面を有すると共に、軸線方向に複数の切割りが配設されている。そして、カバー部36の内周面には、コレット39のテーパと嵌合するテーパが形成されており、カバー部36が下降すると把持部39aが拡径し、カバー部36が上昇すると把持部39aが縮径して締め付け力が発揮される。また、バネ40は、把持部39aを縮径する方向にカバー部36を付勢している。
そして、金属ケース供給装置42によってコレットチャック32に供給された金属ケース12は、把持部39aの締め付け力によって固定される。このとき、金属ケース12は、上方を向いて開口する水平状態で固定される。
【0024】
カシメ装置46は、図4に示されるように第1カシメ装置44と第2カシメ装置45とを備えており、まず金属ケース12に対して第1カシメ装置44によってカシメ加工の予備工程が行なわれ、その後、第2カシメ装置45によって仕上げ工程が成される。図1において(a)、(b)は予備工程を、(c)、(d)は仕上げ工程を示す。
【0025】
第1カシメ装置44と第2カシメ装置45とは、コレットチャック32に固定された金属ケース12の開口端部を、その全周にわたってカシメローラが転動しながら押圧するという全体的な構成は同じであるが、両者に配設されるカシメローラの形状、特に先端側の形状が異なることにより、異なる作用をなしている。
従って、後述する第1カシメ装置の説明は、第1カシメローラ(第1カシメ装置に配設されるカシメローラ)の記述の部分を、括弧内に記載したように第2カシメローラ(第2カシメ装置に配設されるカシメローラ)に置き換えて第2カシメ装置の説明とすることができる。
そこでまず、第1カシメ装置の全体的な構成について説明し、その後第1カシメローラ及び第2カシメローラの形状について述べる。
【0026】
図3に示されるように支持ロッド50は、その軸線49を中心に回動可能(矢印A)に設けられると共に、昇降可能(矢印B方向)に設けられている。また、支持ロッド50の軸線49は、コレットチャック32に固定された金属ケース12の軸線33に一致している。
さらに、支持ロッド50の下端部では、側面が軸線49に対して左右対称に張り出して一対の固定部64が形成されている。
【0027】
また、固定部64には、ローラ装着部61が固定される。ローラ装着部61は、ローラ支持部52、取付部68及び調整板67が一体化されて形成されたものに、カシメローラが挿入されてローラ固定部60において抜け止めされているものである。
ブロック状のローラ支持部52は貫通穴52aを有し、その内部に第1カシメローラ10(第2カシメ装置では、第2カシメローラ30)が回転可能に挿入されるベアリング65が配設されている。
リング状のローラ固定部60は、ローラ支持部52の側面側に配設されている。
【0028】
一方、第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)は、軸状に形成されており、その先端10a(第2カシメローラ30では先端30a)側に拡径された係止部10c(係止部30c)が形成されている。そして、ローラ支持部52内に挿入された第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)は、係止部10c(30c)で抜け止めされて、先端10a(30a)をローラ支持部52から突出させて保持されている。このとき、第1カシメローラ10の後端部は、ローラ固定部60の貫通穴に挿入されて外方へと露出している。また、第1カシメローラ10の先端方向への抜け止めは、ローラ固定部60の上面と下面の一方或いは両方からローラ固定部60を貫通し、第1カシメローラ10に当接してこれを固定するネジ(図示せず)が複数設けられることによってなされている。従って、後述するように第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)が転動する際には、ローラ固定部60は第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)と一体的に回転する。
【0029】
板状の取付部68は、ローラ支持部52の上面に沿って配設されている。さらに調整板67は、取付部68の側面に固設されると共に、カシメローラの後端側であるローラ支持部52の上面から立設するように配設されている。
【0030】
このような構成のローラ装着部61は一対設けられ、左右一対の固定部64の下端部にそれぞれ左右対称に固定される。具体的には、ローラ装着部61は、ネジ53が固定部64の上端面から固定部64を貫通し、さらに取付部68に挿通されることにより固定される。このとき、2つのローラ装着部61にそれぞれ挿入され固定される第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)は、互いにその先端10a(第2カシメローラでは先端30a)を対向させ、その軸線10b(軸線30b)を支持ロッド50の軸線49に対して直角にして配設される。
また、支持ロッド50が下降した際には、一対の第1カシメローラ(第2カシメローラ30)は、その先端側の外周面がそれぞれ、固定された金属ケース12の開口端部の、径方向の両側で、同時に同一状態で当接するよう、支持ロッド50の軸線49、つまり固定された金属ケースの軸線33に対して左右対称に配設される。
【0031】
また、調整板67と固定部64との間には若干の空間が設けられており、調整ネジ66がナット66aを介して調整板67を貫通し、固定部64の側面に当接している。これによると、調整ネジ66のネジ込み量の違いによってローラ装着部61が微動するので、第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)の先端10a(第2カシメローラでは先端30a)の位置を軸線10b(第2カシメローラでは軸線30b)方向に微調整することができる。そして、小型の金属ケース12に対してカシメローラを良好に位置合わせし、カシメ加工することができる。具体的には、ネジ53を緩め調整ネジ66のネジ込み量を調整し、ネジ53を固定し直して行なわれる。
このように、支持ロッド50の下端部は、一対の第1カシメローラ10(第2カシメローラ30)が配設されたカシメヘッド80となっている。
【0032】
次に第1カシメローラ10、第2カシメローラ30の先端側形状について図1を用いて説明する。図1において(a)、(b)は予備工程を、(c)、(d)は仕上げ工程を示し、それぞれ第1、第2カシメローラの先端側が金属ケースの開口端部74を押圧する状態を示している。
図1(a)、(b)に示されるように第1カシメローラ10は、係止部10cより先端側が再び縮径されて、略同一径に形成された縮径部26が配設されている。係止部10cの先端側はアール状に面取りがされている。そして、縮径部26の外周面26aと、係止部10cの外周面29との境界部分に段差面27が形成されている。段差面27は、第1カシメローラ10の軸線10bに対して直角に形成される平坦面27aと、平坦面27aから縮径部の外周面26aに連続してテーパ状に形成されるテーパ面27bを有している。これにより、段差面27は、縮径部26の付根側で徐々に広がるように形成されている。
【0033】
第2カシメローラ30は、図1(c)、(d)に示されるように係止部30cより先端側が再び縮径されて、略同一径に形成された縮径部69が配設されている。また、係止部の先端側は、アール状に面取りがされている。
そして、縮径部69の外周面69aと、係止部30cの外周面70との境界部分に段差面71が形成されている。段差面71は、第2カシメローラ30の軸線30bに対して直角に形成される平坦面71aと、平坦面71aから縮径部の外周面側にテーパ状に形成されるテーパ面71bとを有している。さらに、縮径部69の外周面69aには、テーパ面71bから連続して断面アール状に凹部72が配設されている。
【0034】
図2において、第2カシメローラ30に対する第1カシメローラ10の形状の違いを点線で示した。
これから解るように、第1カシメローラ10は、第2カシメローラ30の凹部72における最も縮径された底部73から拡径することなく縮径部26が形成されているものである。
【0035】
上記構成からなるカシメ装置を用いたカシメ工程について説明する。
内容部材25が収納された金属ケース12は、ターンテーブル56が所定角度回動することにより第1カシメ装置44の前に移動し停止する(図4参照)。
そして、第1カシメ装置44においては図3に示されるように、支持ロッド50が軸線49を回転軸として回動すると共に下降して、コレットチャック32によって固定されている金属ケース12に対して、一対の第1カシメローラ10が接近する。
【0036】
さらに支持ロッド50が下降することにより、金属ケース12の軸線33に対して左右対称に配設される一対の第1カシメローラ10は、同時に同一状態で開口端部74に当接し、さらに下降して開口端部74を押圧する。
この際、固定されている金属ケース12に対して支持ロッド50が軸線49を回転軸に回転しているので、ベアリング65に挿入されている第1カシメローラ10は、金属ケース12の開口端部74に当接して転動する。こうして、金属ケース12の開口端部74全周にわたってカシメ加工の予備工程がなされる。
【0037】
予備工程について図1を用いて詳しく説明すると、まず第1カシメローラ10の平坦面27aが金属ケース12の開口端部74の外側面に当接する(図1(a)参照)。さらに、第1カシメローラ10が下降し、開口端部74を押圧すると(図1(b)参照)、開口端部74が平坦面27aによって内側へと押出される。こうして、開口端部74は第1カシメローラの段差面27と縮径部26の外周面26aに倣うように、金属ケースの内側へ向けて曲げられながら内側へと押出される。つまり、上方を向いていた開口端部74の先端である端縁部75が、開口径を小さくする方向の内側に向けられる。
【0038】
最終的には、第1カシメローラ10は、開口端部74が内容部材25に当接しない範囲で開口端部74を押圧し、端縁部75からカシメ部23を形成するのに必要な距離を採って開口端部74に曲折部79を形成する。このとき、端縁部75から曲折部79までは、外周面26aに倣って、軸線10bに略平行に延びている。
曲折部79を形成した第1カシメローラ10は、再び上昇して後続の金属ケースに備える。
【0039】
このように第1カシメ装置44において予備工程が行なわれた金属ケース12は、再びターンテーブル56が所定角度回動することにより、次工程である第2カシメ装置45の前に移動し停止する。
第2カシメ装置45においては第1カシメ装置44と同様に、支持ロッド50が軸線49を回転軸として回動すると共に下降して、一対の第2カシメローラ30が、予備工程において内側に曲げられた状態の金属ケースの開口端部74に当接し、さらに押圧しながら転動する。こうして、カシメ加工の仕上げ工程が行なわれる。
【0040】
仕上げ工程について図1を用いて詳しく説明すると、まず曲折部79付近の金属ケースの外側面と、端縁部75側に、下降した第2カシメローラが当接する(図1(c)参照)。外側面に対しては、第2カシメローラの平坦面71aが、端縁部75側に対しては凹部72付近の縮径部69の外周面69aがそれぞれ当接する。
この状態からさらに第2カシメローラ30が下降すると、端縁部75が下方に向けて押されて内容部材25に当接し、金属ケースの曲折部79付近の外側面は、平坦面71aによってその姿勢を保持される。これに伴って開口端部74は、曲折部79から端縁部75の間で、段差面71と凹部72に倣うようにカールし、カシメ部23が形成される(図1(d)参照)。
カシメ部23は、金属ケースの開口端部74全周にわたって形成され、金属ケース12内に内容部材25を固定する。
【0041】
従来は、1本のカシメローラによって一度にカシメ加工をしていたので金属ケースに無理な力が加わって歪みとなり、良好に内容部材をカシメ部によって固定することができなかった。しかし上記実施形態では、予備工程と仕上げ工程の2工程に分けたので、カシメローラによる金属ケースの歪みの発生を防ぐことができる。つまりカシメ加工を、端縁部75からカシメ部23の形成に必要な距離を採って開口端部74を内側に曲げて曲折部79を形成する予備工程と、端縁部75を内容部材25に当接させると共に、曲折部79から端縁部75の間でカールさせる仕上げ工程の2つの工程に分けたので、開口端部に無理な力が加わることがない。これにより、金属ケースの歪みの発生が防止され、カシメローラの形状に倣った良好なカシメ部を形成して適度な当接力によって内容部材を良好に固定することができる。
【0042】
また、上記構成によると、一対のカシメローラが同時に金属ケースの開口端部を押圧して加工を行うので、従来技術のように端縁部が内容部材に部分的に当接して、内容部材を傾かせたり位置を移動させたりすることがない。これにより、金属ケースと内容部材の干渉による内容部材の歪みの発生を防止することができる。また、複数のカシメローラによって効率良くカシメ部を形成することができる。
【0043】
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0044】
上記実施形態では、第1カシメローラの縮径部の外周面69aが、軸線10bに対して平行に形成されている場合について述べたが、これに限定されない。例えば、図2の101の1点破線で示されるように、縮径部69が底部73から先端側に向かって徐々に縮径していくものであってもよい。これによると、金属ケースの開口端部74は、端縁部75が外周面69aの形状に倣って内側上方へ向くように折り曲げられる。この状態であっても、その後の仕上げ工程を良好に行うことができる。
【0045】
また、第1、第2カシメローラがそれぞれ2本ずつ配設されたカシメ機について説明したが、これに限定されずそれぞれが3本以上配設されても良い。例えば図5に示したように3本設けてもよい。図5は、カシメヘッド80における、第1カシメローラ10或いは第2カシメローラ30と、ローラ支持部52の位置を示す上視図である。3本のカシメローラ10(30)は、金属ケース12の開口端部74を、その周方向に等間隔あけて同時に押圧するよう配置されている。
これによると、内容部材25の傾きや位置の移動をより良好に防ぐことができ、さらに効率良くカシメ加工することができる。
また、第1、第2カシメローラのうち、両方が1本ずつでも、どちらかが1本で他方を複数本にしても良い。例えば、開口端部を内容部材に当接させる第2カシメローラを複数本設け、第1カシメローラを1本にしてもよい。内容部材の傾きや位置の移動に対して影響の大きい第2カシメローラを複数設けると、効果的である。
【0046】
さらに、ターンテーブルによって移動する固定装置と、第1、第2カシメローラがそれぞれ配設される第1、第2カシメ装置を有するカシメ機について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、平行に並べて配設された第1、第2カシメ装置と、これに対して直線的に往復移動する固定装置とを有するカシメ機であっても好適である。
さらにカシメ装置においては、第1カシメローラと第2カシメローラの両方を具備し、両者が交互に下降してカシメ加工を行うものであっても良い。
【0047】
また、第1、第2の2種類のカシメローラを用いたカシメ機について説明したが、第2カシメローラのみを複数本配設する構成であってもよい。つまり、従来技術で述べたような一種類のカシメローラを複数設け、この複数のカシメローラが同時に被カシメ部材の開口端部を押圧する構成であっても良い。これによると、内容部材を傾かせたり、その位置を片側に偏らせることがなくなる。従って、被カシメ部材と内容部材との干渉による内容部材の歪みの発生を防止して、確実に内容部材を固定することができる。このようなカシメ機は簡単な装置であり、高い精度を要しない被カシメ部材やカシメ加工しやすい被カシメ部材を、素早くカシメ加工する際に好適である。
【0048】
また、カシメヘッド80と固定装置によって固定された金属ケース12は、両者のうち一方を他方に対して相対動させると共に、相対回転可能にさせれば良い。従って、前述の実施形態では、カシメヘッド80が固定装置に固定された金属ケースの軸線と回転軸を一致させて回転するものを挙げたが、カシメヘッド80を固定し、固定装置側を回転可能に設けても良い。さらに、前述の実施形態ではカシメヘッド80を、固定された金属ケースに対して接離移動可能に設けたが、固定装置側が移動するものであってもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によると、有底の筒状被カシメ部材に収納される内容部材に歪みを発生させることなく良好なカシメ部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカシメ機のカシメ工程を示した断面図である。
【図2】第1カシメローラと第2カシメローラの形状の違いを示す断面図である。
【図3】カシメ装置の構成を示す概略図である。
【図4】ECM用カシメ機の概略を説明する模式図である。
【図5】カシメローラの他の配置方法を示す上視図である。
【図6】ECMの構造を示す断面図である。
【図7】従来のカシメ装置の構造を示す概略図である。
【図8】従来のカシメ装置のカシメ動作を示す説明図である。
【符号の説明】
10 第1カシメローラ
12 金属ケース
23 カシメ部
25 内容部材
30 第2カシメローラ
32 コレットチャック
44 第1カシメ装置
45 第2カシメ装置
46 カシメ装置
74 開口端部
75 端縁部
Claims (5)
- 有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ機において、
前記カシメローラは同一形状で複数設けられ、該複数のカシメローラが被カシメ部材の開口端部を、該開口端部の周方向に所定間隔をあけて同時に押圧することを特徴とするカシメ機。 - 有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ機において、
前記カシメローラとして、
前記被カシメ部材の開口端部全周を転動しながら押圧し、端縁部からカシメ部に必要な距離で曲折部を設けて該開口端部全周を内側に折る第1カシメローラと、
該第1カシメローラによって全周にわたって内側に折られた前記開口端部を転動しながら押圧し、前記端縁部を前記内容部材に当接させると共に、前記曲折部から前記端縁部の間でカールさせる第2カシメローラとを備えることを特徴とするカシメ機。 - 前記第1カシメローラは複数設けられ、同時に被カシメ部材の開口端部を押圧することを特徴とする請求項2記載のカシメ機。
- 前記第2カシメローラは複数設けられ、同時に被カシメ部材の開口端部を押圧することを特徴とする請求項2または3記載のカシメ機。
- 有底円筒状に形成され内容部材が収納された被カシメ部材の開口端部に沿ってカシメローラが転動して押圧することにより、前記内容部材が前記被カシメ部材内で固定されるよう前記開口端部の全周がカールされたカシメ部を形成するカシメ方法において、
複数の第1カシメローラが同時に転動しながら前記被カシメ部材の開口端部全周を押圧し、端縁部からカシメ部に必要な距離で曲折部を設けて該開口端部全周を内側に折る予備工程と、
該予備工程後の被カシメ部材の前記開口端部全周を、複数の第2カシメローラが同時に転動しながら押圧し、前記端縁部を前記内容部材に当接させると共に、前記曲折部から前記端縁部の間でカールさせる仕上げ工程とを有することを特徴とするカシメ方法。
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