JP2004286139A - 緩衝器 - Google Patents

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Kiichi Fukuda
貴一 福田
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Abstract

【課題】緩衝器の耐久性を劣化させることなく、緩衝器の伸び切り時の衝撃音の発生を防止することである。
【解決手段】緩衝器の伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材50が、少なくとも2つ以上のコイルスプリング2,4を備え、それぞれのコイルスプリング2,4のバネ定数が異なるように設定されてなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にピストンロッドの最大伸び切り時の衝撃を緩衝するために使用されるリバウンド部材を備えた緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ピストンロッドの最大伸び切り時の衝撃を緩衝するクッション部材を備えた緩衝器にあっては、シリンダ端部を封止しピストンロッドを軸支する伸び切り規制部材たるロッドガイドとピストンロッドの中間部に設けたストッパ部材との間に両端にホルダを有するコイルスプリングを備えたリバウンド部材を介装したものが知られている。また、このリバウンド部材とストッパ部材との間にはクッションラバーを配在させており、この緩衝器にあっては、伸び切り時には、ロッドガイドがリバウンド部材に当接して、コイルスプリングが圧縮せしめられるだけでなく、クッションラバーも圧縮変形して、緩衝器の伸び切り時の衝撃を緩和するとしている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−193782号公報(段落番号0022から段落番号0025まで,図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような緩衝器にあっては、以下のような不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
【0005】
すなわち、従来の緩衝器を実際に車両に適用した場合、車両におけるロール制御のためには、このクッションラバーの硬度を高く設定する方がよいが、そうすると、緩衝器の伸び切り時の衝撃緩和が不十分となってしまい、ロッドガイドにリバウンド部材が当接したときに衝撃音が発生してしまい、この衝撃音は、車両の乗員にとって不快となる。
【0006】
この衝撃音を解消するためには、クッションラバーの硬度を低く設定すればよいが、これでは、クッションラバーの耐久性が低下してしまい、結果的に緩衝器の耐久性が劣化することとなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は上記の弊害を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器の耐久性を劣化させることなく、緩衝器の伸び切り時の衝撃音の発生を防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を解決するために、本発明の第1の課題解決手段は、シリンダと、シリンダにピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダに設けた伸び切り規制部材とピストンロッドに設けたストッパ部材との間に介装される伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備えた緩衝器において、リバウンド部材が、少なくとも2つ以上のコイルスプリングを備え、それぞれのコイルスプリングのバネ定数が異なるように設定されてなることを特徴とする。
【0009】
上記構成により、2つのコイルスプリングが圧縮変形可能時には、一方のコイルスプリングおよび他方のコイルスプリングの合成されたバネ定数は、他方のコイルスプリングのみが圧縮変形可能時のバネ定数に比較して小さくなるので、2つのコイルスプリングが圧縮変形可能時、すなわち、リバウンド部材と伸び切り規制部材が当接してからしばらくの間は、リバウンド部材のバネ定数は低く抑えられるので、緩衝器の伸び切り時の衝撃を緩和することができ、緩衝器が衝撃音を発生することが防止できる。
【0010】
また、コイルスプリングのみを使用しているのでクッションラバーを使用した従来の緩衝器に比較して、その耐久性の点で優れており、結果的に緩衝器の耐久性が向上する。
【0011】
さらに、一方のコイルスプリリングの線材同士が密着して他方のコイルスプリングのみが圧縮変形する場面では、2つのコイルスプリングが圧縮変形可能時に比較してバネ定数が大きくなるので、充分に車両におけるロールを抑制する事ができる。
【0012】
したがって、緩衝器が伸長する際のピストンロッドがシリンダに対する移動量が少ない場合には、一方のコイルスプリングと他方のコイルスプリングとが圧縮変形するので、リバウンド部材のバネ定数は低く抑えられ車両における乗り心地を向上でき、上記移動量が大きなときには車両におけるロールを抑制して車両の姿勢制御が可能となるのである。
【0013】
また、第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段において、それぞれのコイルスプリングを中間ホルダで連結するとともに、その両端側に配置されるコイルスプリングの中間ホルダに連結されていない端部側にそれぞれ端部ホルダを連結したことを特徴とする。
【0014】
上述のように、ホルダで連結されているので、異なるバネ係数のコイルスプリングを簡易に連結できるとともに、既存の1つのみのコイルスプリング利用したリバウンド部材を備えた緩衝器に中間ホルダを適用してバネ定数の異なるコイルスプリングを追加することが可能となる。したがって、既存の緩衝器にも安価にこのリバウンド部材を適用することが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における緩衝器は、図1に示すように、外筒11内に同心に挿入されたシリンダ10と、シリンダ10に摺動自在に挿入されたピストンPと、シリンダ10端部に設けた伸び切り規制部材たるロッドガイド7と、ロッドガイド7に挿入されるとともに、ピストンPを介してシリンダ10に移動自在に挿入されたピストンロッド15と、ピストンロッド15の図1中下端側であってピストンPより上方に設けたストッパ部材6と、ストッパ部材6と上記ロッドガイド7との間に介装されたリバウンド部材50とで構成されている。
【0016】
以下、詳細に説明すると、外筒11の上端部内周には、ロッドガイド7が嵌合されており、その下端部内周にはベースバルブのバルブボディ31が嵌合されている。そして、外筒11の図1中下端部はキャップCで封止され、その図1中上端部は、オイルリップが溶着されたシール部材Sで封止され、外筒11内が液密状態に保たれている。
【0017】
また、シリンダ10は、外筒11に対し同芯となるように上記ロッドガイド7とキャップCに当接するバルブボディ31に挟持されながら外筒11内に挿入いる。そして、ロッドガイド7の図1中上端は、上記シール部材Sに当接しており、外筒11の図1中上方開口端をかしめることおよびキャップCが外筒11の図1中下端内周に溶接されることによって、ちょうどシール部材S、ロッドガイド7、シリンダ10およびバルブボディ31が外筒11のかしめられた部分(付示せず)とキャップCとで挟持され、これら部材が外筒11に対し固定されている。そして、この外筒11とシリンダ10との間の隙間でリザーバRを形成している。
【0018】
さらに、ロッドガイド7には、ブッシュ40を介して、ピストンロッド15が摺動自在に挿入されており、このピストンロッド15の図1中下端側には、ピストンPと肉厚の薄い円筒状のストッパ部材6が嵌合している。
【0019】
ピストンPは、シリンダ10内にピストンリング(図示せず)を介して摺動自在に挿入されており、このピストンPによりシリンダ10内がロッド側室R1およびピストン側室R2とに区画されている。ピストンPには、上記ロッド側室R1とピストン側室R2とを連通する流路20,21が設けられており、流路20の図1中下方には流路20を閉じるリーフバルブ23が、流路21の図1中上方には流路21を閉じるリーフバルブ22がそれぞれ設けられており、これらリーフバルブ22,23、ピストンPおよびストッパ部材6はピストンナットNでピストンロッド15の図1中下端に螺合することにより、ピストンナットNとピストンロッド15の段部15aに挟持されて固定されている。
【0020】
そして、シリンダ10の図1中下端に設けられたベースバルブは、バルブボディ31と、センタロッド30と、ナット35と、リーフバルブ32,33とで構成されている。バルブボディ31には、ピストン側室R2とキャップC内とを連通する流路36,37が設けられるとともに、このキャップC内と上記リザーバとを連通する切欠38,38が設けられており、上記流路36の図1中上方には流路36を閉じるリーフバルブ32が、流路37の図1中下方には流路37を閉じるリーフバルブ33がそれぞれ設けられており、このリーフバルブ32,33は、リーフバルブ32,33およびバルブボディ31を上下に貫くセンタロッド30とナット35に挟持されることにより、バルブボディ31に固定されている。
【0021】
さらに、シリンダ10内には、作動油等の作動液体Oが充填されるとともに、リザーバRにも気体室Gの存在下に作動液体Oが充填されている。
【0022】
つづいて、図2に基づいてストッパ部材6とロッドガイド7との間に介装されるリバウンド部材50について説明する。このリバウンド部材50は、2つのコイルスプリング2,4を備え、一方のコイルスプリング2の一端側たる図2中上端側に端部ホルダたるホルダ1を連結し、他方のコイルスプリング4の一端側たる図2中下端側に端部ホルダたるホルダ5を連結し、一方のコイルスプリング2の他端側たる図2中下端側と他方のコイルスプリング4の他端側たる図2中上端側とを中間ホルダたるホルダ3で連結してある。また、本実施の形態では、一方のコイルスプリング2のバネ定数は他方のコイルスプリング4のバネ定数より低く設定されている。なお、本実施の形態では、一方のコイルスプリング2の線材の径を他方のコイルスプリング4の線材径より小さく設定してバネ定数を低くしているが、バネ定数を低くするにはコイルスプリングの巻数変更等の他の方法によってもよいことは無論である。
【0023】
また、端部ホルダたるホルダ1は、円筒状のホルダ本体1aと、本体1aから垂設され、外径が本体1aより小径の嵌合部1bと、嵌合部1bから図2中下方に延設されたコイルスプリング2を嵌合部1bに圧入しやすいようにテーパを設けたガイド1cとで構成され、その内周にはピストンロッド15の外周に摺接する摺接部1dが設けられている。
【0024】
そして、端部ホルダたるホルダ5も上述のホルダ1と略同様に、円筒状のホルダ本体5aと、本体5aから垂設され、外径が本体5aより小径の嵌合部5bと、嵌合部5bから図2中上方に延設されたコイルスプリング4を嵌合部5bに圧入しやすいようにテーパを設けたガイド5cとを備えているが、本体5aの内周には、ピストンロッド15の外周に嵌合できるように突起部5dが複数等間隔に設けられている。
【0025】
さらに、中間ホルダたるホルダ3は、円筒状のホルダ本体3aと、本体1aの上下端から垂設され、外径が本体3aより小径の嵌合部3b,3dと、嵌合部3bから図2中上方に延設されたコイルスプリング2を嵌合部3bに圧入しやすいようにテーパを設けたガイド3cと、嵌合部3dから図2中下方に延設されたコイルスプリング4を嵌合部3dに圧入しやすいようにテーパを設けたガイド3eとで構成され、その内周にはピストンロッド15の外周に摺接する摺接部3fが設けられている。
【0026】
そして、このように構成された各ホルダ1,3,5にそれぞれ上述のようにコイルスプリング2,4が連結されるが、コイルスプリング2,4のそれぞれの両端部には座巻部分(付示せず)が設けられており、この座巻部分(付示せず)をそれぞれ嵌合部1b,3b,3d,5bに圧入して連結される。
【0027】
なお、各ホルダ1,5,3は、その嵌合部1b,5b,3b,3dをコイルスプリング2,4の座巻部分(付示せず)に圧入するため、ある程度の強度を有する材質で形成されれば良いが、後述するように緩衝器のロッドガイド7と干渉するので、金属製とすると、ロッドガイド7を傷つけたり、ピストンロッド15と干渉してピストンロッドを傷つけたりする場合があるので、フッ化エチレン等の樹脂製とするのが好ましい。そうすることによって、ピストンロッド15の外周に傷つき、この傷ついた部分がピストンロッド15のシリンダ10に対し移動することに伴いシール部材のオイルリップをかじったり摩耗させたりすることによるシール性の劣化を防止することが可能である。
【0028】
また、コイルスプリング2,4は、そのコイルスプリングが使用される条件により、線材の材質、径等を選定すればよい。ただし、コイルスプリング2,4の座巻部部分の内径は、上記の嵌合部1b,5b,3b,3dが圧入されることから、これら嵌合部1b,5b,3b,3dの外径に応じて、決定される。
【0029】
なお、図示したところでは、各ホルダ1,3,5の本体1a,3a,5aの外径は、コイルスプリング4の外形より小径となっているが、本体1a,3a,5aの外径を、2つのコイルスプリング2,4の外形より大きくしておけば、各ホルダ1,3,5の本体1a,3a,5aの外周面を軸方向に延長してつくられる円筒面と本体1a,3a,5aの内周面を軸方向に延長してつくられる円筒面と間の空間にコイルスプリング2,4が存在することとなるので、この空間内ではコイルスプリング2,4とシリンダ10およびピストンロッド15と干渉することが防止されるので、この場合にはシリンダ10およびピストンロッド15の損傷を防止することができ、シール性の劣化や緩衝器の減衰特性が当初設定と異なってしまうという緩衝器の機能の劣化を回避することができる。
【0030】
そして、このように構成されたリバウンド部材50は、ストッパ部材6にホルダ5が当接するようにピストンロッド15に嵌合される。このとき、ホルダ1,3は、その摺接部1d,3fを介してピストンロッド15の外周に摺接しピストンロッド15に対し摺動することはできるが、ホルダ5の突起部5dがピストンロッド15の外周に嵌合されるので、リバウンド部材50がピストンロッド15に対して上下方向に移動することはない。すなわち、ホルダ5のみがピストンロッド15に対して固定されている状態で、リバウンド部材がピストンロッド15に嵌合されていることとなる。したがって、ピストンロッド15がシリンダ10に対し図1中上下に移動したことに伴い、リバウンド部材50がピストンロッド15に対し上下に移動することが規制され、リバウンド部材50がロッドガイド7やストッパ部材6と干渉して緩衝器が異音を発生することが防止されるとともに、ピストンロッド15に対しリバウンド部材50が移動しないので、このリバウンド部材50が圧縮変形されるときに発生するピストンロッド15の位置依存の減衰力により緩衝器の減衰特性が変化することが防止され、結果的に緩衝器の機能の維持発揮が可能となる。
【0031】
また、ホルダで連結されているので、異なるバネ係数のコイルスプリングを簡易に連結できるとともに、既存の1つのみのコイルスプリング利用したリバウンド部材を備えた緩衝器に中間ホルダを適用してバネ定数の異なるコイルスプリングを追加することが可能となる。したがって、既存の緩衝器にも安価にこのリバウンド部材を適用することが可能である。
【0032】
さて、本実施の形態の緩衝器は、上述のように構成されるが、その作用について説明する。この緩衝器が収縮する、すなわち、ピストンロッド15がシリンダ10に対し図1中下方に移動すると、ピストン側室R2内の作動液体OがピストンPの流路21を通過してロッド側室R1内に流入し、また、ピストンロッド15がシリンダ10内に侵入する体積分の作動液体Oがピストン側室R2からベースバルブの流路37を通過してリザーバR内に流入する。このとき、この緩衝器は、作動液体Oが流路21および流路37にそれぞれ設けられたリーフバルブ22,33を押し開く時に生じる圧力損失により減衰力を発生する。それとは反対に、この緩衝器が伸長する、すなわち、ピストンロッド15がシリンダ10に対し図1中上方に移動すると、ロッド側室R1内の作動液体OがピストンPの流路20を通過してピストン側室R2内に流入し、ピストンロッド15がシリンダ10内から退出する体積分の作動液体OがリザーバRからベースバルブの流路36を通過してピストン側室R2内に流入する。このとき、この緩衝器は、作動液体Oが流路20および流路36にそれぞれ設けられたリーフバルブ23,32を押し開く時に生じる圧力損失により減衰力を発生する。
【0033】
そして、ピストンロッド15が図1中上方に移動し、緩衝器が伸び切り時近傍となると、ピストンロッド15に嵌合されているリバウンド部材50のホルダ1の図1中上端部がロッドガイド7の図1中下端に当接するようになる。すると、リバウンド部材50の2つのコイルスプリング2,4は同時に圧縮され撓み始めるが、一方のコイルスプリング2のバネ定数は他方のコイルスプリング4のバネ定数より小さく設定されているので、単位長さ当りの圧縮変形量は一方のコイルスプリング2のほうが大きくなる。さらに、ピストンロッド15がシリンダ10に対し図1中上方に移動すると、一方のコイルスプリング2の隣接する線材同士が密着してそれ以上圧縮変形できないようになり、他方のコイルスプリング4のみが圧縮されるようになる。すると、この2つのコイルスプリング2,4が圧縮変形可能時には、一方のコイルスプリング2および他方のコイルスプリング4の合成されたバネ定数は、コイルスプリング4のみが圧縮変形可能時のバネ定数に比較して小さくなるので、2つのコイルスプリング2,4が圧縮変形可能時、すなわち、ホルダ1とロッドガイド7が当接してからしばらくの間は、リバウンド部材のバネ定数は低く抑えられるので、緩衝器の伸び切り時の衝撃を緩和することができ、緩衝器が衝撃音を発生することが防止できる。また、本発明では、コイルスプリングのみを使用しているのでクッションラバーを使用した従来の緩衝器に比較して、その耐久性の点で優れており、結果的に緩衝器の耐久性が向上する。ちなみに、ホルダ1のロッドガイド7に当接する側の端面を粗面仕上げにするか、端面に凹凸を設けておけば、ホルダ1の端面でも圧縮変形が期待できると同時に作動液体がこの端面とロッドガイドの端面との間に取り残されることがないので、この場合には、より一層衝撃音の発生を回避することが可能である。
【0034】
さらに、一方のコイルスプリリング2の線材同士が密着してコイルスプリング4のみが圧縮変形する場面では、2つのコイルスプリング2,4が圧縮変形可能時に比較してバネ定数が大きくなるので、充分に車両におけるロールを抑制する事ができる。
【0035】
したがって、ピストンロッド15がシリンダ10に対し図1中上方への移動する時の移動量が少ない場合には、一方のコイルスプリング2と他方のコイルスプリング4とが圧縮変形するので、リバウンド部材50のバネ定数は低く抑えられ車両における乗り心地を向上でき、上記移動量が大きなときには車両におけるロールを抑制して車両の姿勢制御が可能となるのである。
【0036】
なお、本実施の形態においては、緩衝器を、上記の構成により、いわゆる複筒式の緩衝器として説明しているが、本発明が単筒式やその他の緩衝器に具現化されるとしてもよいことは無論である。
【0037】
さらに、本実施の形態では、伸び切り規制部材をロッドガイドとしているが他に別途部材を設けて伸び切り規制部材としてもよく、ストッパ部材についても、これをピストンにその役割を果たさせてもよい。また、リバウンド部材50は、ピストンロッド15側に嵌合しているが、たとえば、ホルダ1をロッドガイド7もしくは別途に設けた伸び切り規制部材に当接させながらシリンダ10側にスナップリング等で固定し、緩衝器の伸長時にホルダ5の下端をピストンロッド15のストッパ部材6に当接させるとしてもよい。この場合、リバウンド部材50をピストンロッド15に固定する必要はないのでホルダ5の突起部5dは不要である。
【0038】
ちなみに、本実施の形態においては、一方のコイルスプリング2を図1中上方に配置し他方のコイルスプリング4を下方に配置するとしているが、この配置を逆にしても、上述した作用を呈するので、本発明の効果は失われない。
【0039】
さらに、図示したところでは、2つのバネ定数の異なるコイルスプリングを利用したリバウンド部材としているが、2つ以上のバネ定数の異なるコイルスプリングを中間ホルダで連結してもよい。ちなみに、この場合の作用は、上述の2つのコイルスプリングを使用したリバウンド部材を備えた緩衝器とほぼ同様であるが、少々説明すると、複数のコイルスプリング全てが圧縮変形可能時のバネ定数は、それぞれのコイルスプリングの合成されたバネ定数となるが、緩衝器の伸長に従い徐々に圧縮変形不能となるコイルスプリングが出現して、その出現数の応じて複数のコイルスプリングの合成されたバネ定数は徐々に高くなる。すなわち、複数のコイルスプリング全てが圧縮変形可能時のバネ定数は、圧縮変形不能となるコイルスプリングが出現したときのバネ定数に比較して小さくなるので、複数のコイルスプリング全てが圧縮変形可能時、すなわち、リバウンド部材と伸び切り規制部材が当接してからしばらくの間は、リバウンド部材のバネ定数は低く抑えられるので、緩衝器の伸び切り時の衝撃を緩和することができ、緩衝器が衝撃音を発生することが防止できる。また、緩衝器の伸長に伴い複数のコイルスプリリングの線材同士が徐々に密着して複数のコイルスプリングの合成されたバネ定数を高めるので、充分に車両におけるロールを抑制する事ができる。さらに、この場合には、リバウンド部材の複数のコイルスプリングが圧縮変形していくに従い、多段階にバネ定数が徐々に高まっていくようにできるので、伸び切り時に緩衝器が発生する減衰力が急激に高まることを防止でき、一層車両における乗り心地が向上する。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、複数のコイルスプリング全てが圧縮変形可能時のバネ定数は、それぞれのコイルスプリングの合成されたバネ定数となるが、緩衝器の伸長に従い徐々に圧縮変形不能となるコイルスプリングが出現して、その出現数の応じて複数のコイルスプリングの合成されたバネ定数は徐々に高くなる。すなわち、複数のコイルスプリング全てが圧縮変形可能時のバネ定数は、圧縮変形不能となるコイルスプリングが出現したときのバネ定数に比較して小さくなるので、複数のコイルスプリング全てが圧縮変形可能時、すなわち、リバウンド部材と伸び切り規制部材が当接してからしばらくの間は、リバウンド部材のバネ定数は低く抑えられるので、緩衝器の伸び切り時の衝撃を緩和することができ、緩衝器が衝撃音を発生することが防止できる。
【0041】
また、コイルスプリングのみを使用しているのでクッションラバーを使用した従来の緩衝器に比較して、その耐久性の点で優れており、結果的に緩衝器の耐久性が向上する。
【0042】
さらに、緩衝器の伸長に伴い複数のコイルスプリリングの線材同士が徐々に密着して複数のコイルスプリングの合成されたバネ定数を高めるので、充分に車両におけるロールを抑制する事ができる。
【0043】
したがって、緩衝器が伸長する際のピストンロッドがシリンダに対する移動量が少ない場合には、複数のコイルスプリングの全てもしくはそのほとんどが圧縮変形するので、リバウンド部材のバネ定数は低く抑えられ車両における乗り心地を向上でき、上記移動量が大きなときは徐々に複数のコイルスプリングの合成されたバネ定数を高めて、車両におけるロールを抑制して車両の姿勢制御が可能となるのである。
【0044】
請求項2の発明によれば、中間ホルダで連結されているので、異なるバネ係数のコイルスプリングを簡易に連結できるとともに、既存の1つのみのコイルスプリング利用したリバウンド部材を備えた緩衝器に中間ホルダを適用してバネ定数の異なるコイルスプリングを追加することが可能となる。したがって、既存の緩衝器にも安価にこのリバウンド部材を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緩衝器の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるリバウンド部材の拡大断面図である。
【符号の説明】
1,5 端部ホルダ
2 一方のコイルスプリング
3 中間ホルダ
4 他方のコイルスプリング
6 ストッパ部材
7 伸び切り規制部材たるロッドガイド
10 シリンダ
15 ピストンロッド
50 リバウンド部材
P ピストン

Claims (2)

  1. シリンダと、シリンダにピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダに設けた伸び切り規制部材とピストンロッドに設けたストッパ部材との間に介装される伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備えた緩衝器において、リバウンド部材が、少なくとも2つ以上のコイルスプリングを備え、それぞれのコイルスプリングのバネ定数が異なるように設定されてなることを特徴とする緩衝器。
  2. それぞれのコイルスプリングを中間ホルダで連結するとともに、その両端側に配置されるコイルスプリングの中間ホルダに連結されていない端部側にそれぞれ端部ホルダを連結したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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