JP2004286080A - 電動機の軸受用潤滑油の封止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸4とハウジング3との間にオイルシール5からハウジング3の端面に向かって漏れる潤滑油2の流路9が形成され、ハウジング3に、油供給孔6とこの油供給孔6から供給された潤滑油2を抜き取るための油抜孔7とを設け、ハウジング3の端面とオイルシール5との間に、漏れる潤滑油2を流路9側から外方に排出するためのハウジング3を貫通する排出孔11を設け、軸1に、流路9を遮断するとともに、ハウジング3と対向面を有し、この対向面で隙間を形成し、この隙間における潤滑油2の表面張力により潤滑油2を封止する封止隙間10を形成する遮断部材12を取付ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータ等の電動機の軸受に用いられる潤滑油を封止する軸受用潤滑油の封止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータ等の電動機の主軸は、使用時に高速回転する。従って、このような主軸は、ハウジング内に転がり軸受等の軸受で回転自在に支持すると共に、軸受内部に、十分な潤滑油を供給する必要がある。
【0003】
軸受内部に潤滑油を供給する潤滑装置として、ハウジング内にグリース等の潤滑油を蓄える保油空間と、保油空間から軸受内部に連通するノズル孔とを設け、保油空間に圧力を加えることによって、間欠的あるいは連続的に適量の潤滑油を軸受内部に供給するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−161922号公報(第3頁−第5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、長時間使用している間に、供給される潤滑油(グリース)の低粘度のベースオイルが遊離して、ハウジング側と主軸側との摺動部における隙間から漏れだし、主軸端に設けられたプーリや他の部品に対して悪影響を及ぼすという問題がある。
【0006】
また、摺動部にOリング等のシール部材を用いた場合、摩耗あるいは劣化のために定期的に交換する必要があり、メンテナンス作業が煩雑になるという問題がある。
【0007】
さらに、長期間の使用によって劣化した潤滑油が内部に溜り、劣化した潤滑油を除去するために軸受の解体、組立の作業が必要になるという問題がある。
【0008】
この発明は上記のような問題を解決するものであり、潤滑油の劣化を防ぐことができるとともに、機械的な接触・摺動による封止構造を用いることなく、軸方向への潤滑油の漏れを封止することができる電動機用軸受の潤滑油の封止構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電動機の軸受用潤滑油の封止構造は、ハウジングと、上記ハウジングに軸受を介して支持され、上記ハウジング内で回転する軸と、上記軸受に潤滑油を供給する油供給孔と、上記軸方向における上記潤滑油の漏れを封止するオイルシールとを備えた電動機における軸受用潤滑油の封止構造において、
上記軸と上記ハウジングとの間に上記オイルシールから上記ハウジングの軸方向端面に向かって、上記潤滑油が流れる流路が形成され、
上記ハウジングに、上記油供給孔と上記油供給孔から供給された潤滑油を抜き取るための油抜孔とを設け、
上記ハウジングの軸方向端面と上記オイルシールとの間に、上記流路を流れる潤滑油を上記流路側から上記ハウジングの外方に排出するための排出孔を上記ハウジングに設け、
上記軸に、上記ハウジングの軸方向端面と対向面を有し、上記対向面で隙間を形成し、上記隙間における上記潤滑油の表面張力により上記潤滑油を封止する封止隙間を形成することによって、上記流路を流れる上記潤滑油を遮断する遮断部材を取付けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【0011】
同図に示したように、軸受1の軸方向端部に、オイルシール5が設けられている。オイルシール5はハウジング3に固定され、先端側が回転する軸4と摺動するように設けられ、軸4の中心軸方向における軸受1からの潤滑油の漏れを抑制する。
【0012】
オイルシール5としては、リップシール、メカニカルシールを用いることができ、また、シールが内包された密閉型の玉軸受1を用いてもよい。
【0013】
軸受1を保持するハウジング3には、潤滑油を軸受1に供給するための油供給孔6と、定期的に劣化した潤滑油を排出するための油抜孔7とを設け、油供給孔6及び油抜孔7それぞれに蓋8を設けており、軸受1の組立体を分解することなく潤滑油を交換できるようにしている。
【0014】
潤滑油の交換は、油抜孔7の蓋8を外して古い潤滑油を油抜孔7から排出し、次に、新しい潤滑油を油供給孔6から供給する。また、粘度が高いグリースを交換する場合は、蓋8を外して、油供給孔6からグリースを押し込み、古いグリースが油抜孔7から押し出されて新しいグリースが油抜孔7から排出されるまでグリースを油供給孔6から押し込む。また、油抜孔7から吸引して古い潤滑油を排出して、新しい潤滑油を油供給孔6から供給することによって、簡便に潤滑油を交換することも可能である。
【0015】
長期の使用によって、オイルシール5の性能が劣化した場合には、オイルシール5から漏れた潤滑油2が軸4の軸端に向かう流路9に沿って流れる。
【0016】
この発明では、軸4に遮蔽部材12を取り付け、遮蔽部材12で潤滑油2の流路9を遮断し、遮蔽部材12の端面とハウジング3の端面とで、軸4の中心軸方向からαの角度をなす封止隙間10を形成するとともに、ハウジング3にはオイルシール5と封止隙間10との間に、ハウジング3の外方に貫通する排出孔11を設けている。
【0017】
オイルシール5から漏れた潤滑油2は大部分が排出孔11を通って、排出孔11の外側に接続された図示していないチューブから、所定の貯留部に排出される。また、潤滑油2の一部は排出孔11から排出されず、流路9に残った潤滑油2は、その表面張力によって封止隙間10を通過せずに流路9内端部に溜まる。
【0018】
図2は、潤滑油の表面張力の作用を説明するための断面図である。同図に示したように、流路9における軸4とハウジング3との間の半径方向の隙間の寸法をH(流路9内に保持され得る潤滑油の高さ)、封止隙間10の隙間の寸法をh、潤滑油2の表面張力をγ、潤滑油2の密度をρ、潤滑油2と遮蔽部材12との接触角をθとすると、流路9内に保持できる潤滑油2の高さHは下記式(1)で表される。なお、下記式(1)でgは重力加速度である。
【0019】
(2γ・cosθ)/(ρ・g・h)…(1)
【0020】
したがって、流路9の軸4とハウジング3との間の半径方向の隙間の寸法を上記式(1)で求められる値よりも小さくしておけば、潤滑油が流路9に充満しても、封止隙間10から漏れでることはなく、潤滑油2は排出孔11から外部に排出される。
【0021】
なお、図1では、排出孔11を1箇所設けた場合を示しているが、円周方向に複数個設けてもよい。また、ハウジング3の端面で封止隙間10を構成しているが、ハウジング3の端面に別部材を取り付けて、封止隙間10を構成してもよい。
【0022】
以上のように、この発明ではハウジング3に軸受1へ潤滑油を供給する油供給孔6と潤滑油を排出する油抜孔7とを設けたので、定期的に劣化した潤滑油を油抜孔7から排出し、油供給孔6から新しい潤滑油を軸受1へ供給することによって、軸受1の組立体を分解することなく潤滑油を交換でき、メンテナンスコストを低減することができる。
【0023】
また、軸4に遮蔽部材12を取り付け、遮蔽部材12でオイルシール5から漏れでた潤滑油2の流路9を遮断し、遮蔽部材12の端面とハウジング3の端面とで、潤滑油2の表面張力によって潤滑油を封止する封止隙間10を形成するとともに、ハウジング3にはオイルシール5と封止隙間10との間に、ハウジング3の外方に貫通する排出孔11を形成したので、回転側(遮蔽部材12)と固定側(ハウジング3)との間を非接触で封止でき、機械的な損耗をなくした信頼性の高いものとすることができるとともに、オイルシール5から漏れでた潤滑油2を排出孔11から所定の場所へ排出することができる。
【0024】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0025】
図3に示したように、この実施の形態では排出孔11の潤滑油2が流入する流路9側に溝13を形成している。
【0026】
オイルシール5から漏れでた潤滑油2は、一時的に溝13に保持され、溜まった潤滑油2は自重によって排出孔11から外部へ排出される。したがって、流路9の端部に設けた封止隙間10に到達する潤滑油2の量を少なくすることができ、潤滑油の封止に対する信頼性が高くなる。
【0027】
実施の形態3.
図4及び図5は、この発明の実施の形態3における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0028】
上記実施の形態1及び2では、横置型の電動機における潤滑油の封止構造について述べたが、縦置型の電動機においても同様の潤滑油の封止構造を適用することができる。
【0029】
図4に示したように、縦置型の電動機の場合、実施の形態1と同様の封止隙間10を設けるとともに、排出孔11を軸4の中心軸方向に対して傾斜させることによって、封止隙間10で潤滑油2の漏れを防ぐとともに、潤滑油2を排出孔11からハウジング3の外方へ排出することができる。
【0030】
図4に示した、流路9の排出孔11から封止隙間10までの距離Hは、上記式(1)により求められる。この距離Hを上記式(1)で求めた値よりも小さくしておくことにより、封止隙間10により潤滑油を封止することができる。
【0031】
また、図5に示したように、排出孔11の内周、流路9側に溝13を設けることによって、オイルシール5から漏れでた潤滑油2を、一時的に溝13に保持し、流路9の端部に設けた封止隙間10に到達する潤滑油2の量を少なくすることができ、潤滑油の封止に対する信頼性の高い封止構造が得られる。
【0032】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4における潤滑油の封止構造を示す断面図、図7は潤滑油の表面張力の作用を説明する断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0033】
粘度が小さい潤滑油を使用する必要が生じる場合には、潤滑油の表面張力が減少するため、上記式(1)により求められるハウジング3と軸4との間の半径方向の隙間Hを小さくする必要が生じ、電動機の組立性が悪くなることがある。
【0034】
このような場合には、図6に示したように、遮蔽部材12に、垂直面と直角な面を有する段付部12aを設けることによって、隙間Hを大きくすることができる。
【0035】
図7に示したように、遮蔽部材12に段付部12aを設けた場合(b)には、段付部がない場合(a)に比べて、潤滑油2の接触角θが段付部12aの角度(図7では90゜)分だけ大きくなるので、段付部12aがない場合よりも隙間Hを大きくすることができ、組立の作業性を向上することができる。
【0036】
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0037】
上記実施の形態4では、段付部12aを遮蔽部材12の垂直面と直角な面を有するようにしたが、図8に示したように、段付部12aを遮蔽部材12の垂直面と鋭角な面を有するようにすることによって、潤滑油2の接触角θを更に大きくすることができる。この場合、封止孔10におけるハウジング3の流路9面における潤滑油2の接触角が小さいと、小さい方の接触角が潤滑油2の封止を左右することになるので、封止孔10におけるハウジング3の流路9面も端面(垂直面)となす角が同程度の鋭角を有するように溝3aを形成する必要がある。
【0038】
実施の形態6.
図9は、この発明の実施の形態6における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0039】
上記実施の形態1では、軸が回転する電動機における潤滑油の封止構造について述べたが、軸が固定され、ハウジングが回転する場合においても同様の潤滑油の封止構造を適用することができる。
【0040】
この実施の形態においては、図9に示したように、実施の形態1と同様の封止隙間10を設けるとともに、遮蔽部材12に排出孔11を設けることによって、封止隙間10で潤滑油2を封止するとともに、潤滑油2を排出孔11から所定の貯留部に排出することができる。
【0041】
また、ハウジング3の端面に軸受1へ潤滑油を供給する油供給孔6と潤滑油を排出する油抜孔7とを設け、定期的に劣化した潤滑油を油抜孔7から排出し、油供給孔6から新しい潤滑油を軸受1へ供給することによって、軸受1の組立体を分解することなく潤滑油を交換でき、メンテナンスコストを低減することができる。
【0042】
なお、流路9における軸4とハウジング3との間の半径方向の隙間の寸法は、上記式(1)で求められる値より小さくすることによって、封止隙間10で潤滑油2を封止することができる。
【0043】
実施の形態7.
図10は、この発明の実施の形態7における潤滑油の封止構造を示す断面図、図11はこの実施の形態における一効果を説明する断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0044】
上記実施の形態1において、使用する潤滑油の粘度が小さく、電動機の運転状態や使用環境によって高温になり、さらに、潤滑油の粘度、表面張力が小さくなる場合には、上記式(1)で求められる隙間Hを小さくする必要が生じる。
【0045】
このような場合、図10に示したように、遮蔽部材12とハウジング3とで構成される封止隙間10の対向面に撥油処理部14を設けておくことによって、隙間Hを大きくすることができ、軸受1等の組立性が向上する。
【0046】
撥油処理法としては、フッ素系の樹脂を塗布、または焼き付ける。フッ素系の樹脂としては、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、PFE(パーフロロプロピルビニルエーテル、FEP(6−フッ化プロピレン共重合体)、CF3系ポリマー等がある。
【0047】
この撥油処理によって、撥油処理部14における潤滑油2の接触角θを通常の鉄を用いた場合より4倍以上大きくすることができる。
【0048】
この実施の形態によれば、撥油処理部14を封止隙間の対向面に設けることによって、軸4とハウジング3との間の半径方向隙間Hを大きくでき、軸受1等の組立作業性を向上することができる。
【0049】
また、図11に示したように、封止隙間10に塵埃15が侵入した場合、(a)に示したように毛細管現象によって塵埃15を通して潤滑油2が漏れることがあるが、撥油処理部14を設けることによって、塵埃15を通して潤滑油2が広がる力よりも表面張力の方が大きくなるために漏れることがなくなる。
【0050】
実施の形態8.
図12は、この発明の実施の形態7における潤滑油の封止構造を示す断面図、図13は、潤滑油の表面張力の作用を説明するための断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0051】
上記実施の形態1において、流路9の壁面に潤滑油2が長期間にわたって付着し、非常に高温な環境で電動機が運転または放置された場合等の状態では、潤滑油2が気化して流路9内を浮遊し、気化した潤滑油2が封止隙間10を通過することが想定される。
【0052】
このような場合、図12に示したように、流路9の壁面に親油処理部16を設けておくことにより、親油処理部16で流れ易くなり潤滑油2が長期間、流路9の壁面に留まることなく排出孔11に導かれるので、潤滑油2が気化して封止隙間10を通過することがなくなる。
【0053】
親油処理部22は、TiO2膜を成膜し、この膜を紫外線で励起するなどの方法で得ることができる。
【0054】
また、図13(a)に示したように、親油処理部16における潤滑油2の接触角をθ1、撥油処理部14の接触角をθ2とすると、親油処理部16に続いて撥油処理部14を設けた場合(図13(b))の接触角はθ2−θ1になる。親油処理部16がない部分における潤滑油2の接触角をθ1´とするとθ1<θ1´であるので、接触角θ2−θ1>θ2−θ1´になり、親油処理部16を設けることによって撥油処理部14における潤滑油2の接触角が大きくできることがわかる。
【0055】
【発明の効果】
この発明に係る軸受用潤滑油の封止構造によれば、ハウジングと、上記ハウジングに軸受を介して支持され、上記ハウジング内で回転する軸と、上記軸受に潤滑油を供給する油供給孔と、上記軸方向における上記潤滑油の漏れを封止するオイルシールとを備えた電動機における軸受用潤滑油の封止構造において、
上記軸と上記ハウジングとの間に上記オイルシールから上記ハウジングの軸方向端面に向かって、上記潤滑油が流れる流路が形成され、
上記ハウジングに、上記油供給孔と上記油供給孔から供給された潤滑油を抜き取るための油抜孔とを設け、
上記ハウジングの軸方向端面と上記オイルシールとの間に、上記流路を流れる潤滑油を上記流路側から上記ハウジングの外方に排出するための排出孔を上記ハウジングに設け、
上記軸に、上記ハウジングの軸方向端面と対向面を有し、上記対向面で隙間を形成し、上記隙間における上記潤滑油の表面張力により上記潤滑油を封止する封止隙間を形成することによって、上記流路を流れる上記潤滑油を遮断する遮断部材を取付けたものであるので、軸受の組立体を分解することなく潤滑油を交換でき、メンテナンスコストを低減することができ、かつ、遮蔽部材とハウジングとの間を非接触で封止し、シール部材を不要にし、機械的な損耗をなくした信頼性の高いものとすることができるとともに、オイルシールから漏れでた潤滑油を排出孔から所定の場所へ排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1における潤滑油の表面張力の作用を説明するための断面図である。
【図3】この発明の実施の形態2における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態3における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態4における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態4における潤滑油の表面張力の作用を説明するための断面図である。
【図8】この発明の実施の形態5における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態6における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態7における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図11】この発明の実施の形態7における撥油処理部の作用を説明するための断面図である。
【図12】この発明の実施の形態8における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態8における潤滑油の表面張力の作用を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 軸受、2 潤滑油、3 ハウジング、3a,13 溝、4 軸、
5 オイルシール、6 油供給孔、7 油抜孔、8 蓋、9 流路、
10 封止隙間、11 排出孔、12 遮蔽部材、12a 段付部、
14 撥油処理部、15 塵埃、16 親油処理部。
Claims (10)
- ハウジングと、上記ハウジングに軸受を介して支持され、上記ハウジング内で回転する軸と、上記軸受に潤滑油を供給する油供給孔と、上記軸方向における上記潤滑油の漏れを封止するオイルシールとを備えた電動機における軸受用潤滑油の封止構造において、
上記軸と上記ハウジングとの間に上記オイルシールから上記ハウジングの軸方向端面に向かって、上記潤滑油が流れる流路が形成され、
上記ハウジングに、上記油供給孔と上記油供給孔から供給された潤滑油を抜き取るための油抜孔とを設け、
上記ハウジングの軸方向端面と上記オイルシールとの間に、上記流路を流れる潤滑油を上記流路側から上記ハウジングの外方に排出するための排出孔を上記ハウジングに設け、
上記軸に、上記ハウジングの軸方向端面と対向面を有し、上記対向面で隙間を形成し、上記隙間における上記潤滑油の表面張力により上記潤滑油を封止する封止隙間を形成することによって、上記流路を流れる上記潤滑油を遮断する遮断部材を取付けたことを特徴とする電動機の軸受用潤滑油の封止構造。 - 軸と、上記軸に軸受を介して支持され、上記軸を中心軸として回転するハウジングと、上記軸受に潤滑油を供給する油供給孔と、上記軸方向における上記潤滑油の漏れを封止するオイルシールとを備えた電動機における軸受用潤滑油の封止構造において、
上記軸と上記ハウジングとの間に上記オイルシールから上記ハウジングの端面に向かって上記潤滑油が流れる流路が形成され、
上記ハウジングに、上記油供給孔とこの油供給孔から供給された潤滑油を抜き取るための油抜孔とを設け、
上記軸に、上記ハウジングの端面と対向面を有し、上記対向面で隙間を形成し、上記隙間における上記潤滑油の表面張力により上記潤滑油を封止する封止隙間を形成することにより上記流路を流れる上記潤滑油を遮断する遮断部材を取付け、
上記遮断部材に、上記流路を流れる潤滑油を流路側から外方に排出するための排出孔を設けたことを特徴とする電動機の軸受用潤滑油の封止構造。 - 上記電動機が横置型であり、上記潤滑油の表面張力をγ、上記封止隙間における上記潤滑油の接触角をθ、上記潤滑油の密度をρ、上記封止隙間の対向面間距離をh、重力加速度をgとしたとき、上記流路における上記軸と上記ハウジングとの間の距離Hを、(2γ・cosθ)/(ρ・g・h)よりも小さくしたことを特徴とする請求項1または2記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
- 上記電動機が縦置型であり、上記潤滑油の表面張力をγ、上記封止隙間における上記潤滑油の接触角をθ、上記潤滑油の密度をρ、上記封止隙間の対向面間距離をh、重力加速度をgとしたとき、上記封止隙間から上記排出孔までの距離Hを、(2γ・cosθ)/(ρ・g・h)よりも小さくしたことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
- 上記排出孔の流路側に溝を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
- 上記封止隙間における上記ハウジング及び遮断部材の対向面に撥油処理部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
- 上記流路の上記ハウジング及び遮断部材に、上記撥油処理部につながる親油処理部が形成されていることを特徴とする請求項6記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
- 上記封止隙間は、上記軸の中心軸方向から傾いていることを特徴とする請求項1または2記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
- 上記遮断部材は、上記軸の径方向の面と、この径方向の面から中心軸方向に向かって上記封止隙間の端部にいたる面とを有することを特徴とする請求項1または2記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
- 上記径方向の面と上記中心軸方向に向かって上記封止隙間の端部にいたる面とのなす角度が鋭角であることを特徴とする請求項9記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
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