JP2004285883A - ポンプ装置 - Google Patents

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Yasunari Kabasawa
康成 椛澤
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

【課題】高速に駆動することができるとともに製造コストが嵩まない小型なポンプ装置を提供すること。
【解決手段】ハウジング5の円筒部2が、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7によって閉塞されている。二つのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7は、それぞれの振動板6a,7aが互いに向き合って、振動板6a,7aとの間にポンプ室2aが形成されている。ポンプ室2aには吸入口3a及び排出口4aが通じている。吸入口3aには、ダックビル型逆止弁8が嵌め込まれており、排出口4aにはダックビル型逆止弁9が嵌め込まれている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流れの向き及び流量を制御するポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、バイモルフ型圧電素子を用いたポンプ装置について記載されている。具体的には、ポンプ室(2)の上下に二つのポンプ駆動用バイモルフ型圧電素子(3)を取り付け、吸入口及び吐出口のそれぞれに流体制御弁用バイモルフ型圧電素子(10)で構成された流体制御弁(5)を取り付けている。流体制御弁(5)及びポンプ駆動用バイモルフ型圧電素子(3)は、コントローラ(6)によって制御されるようになっている。
【0003】
コントローラ(6)が二つの流体制御弁用バイモルフ型圧電素子(10)に電圧を印加して、二つのポンプ駆動用バイモルフ型圧電素子(3)が共にたわんでポンプ室(2)の内容積が増大する時には、コントローラ(6)が吸入口の流体制御弁(5)を開状態にするとともに排出口の流体制御弁(5)を閉状態にする。これにより、吸入口からポンプ室(2)内に流体が流入する。逆に、コントローラ(6)が二つの流体制御弁用バイモルフ型圧電素子(10)に逆電圧を印加して、二つのポンプ駆動用バイモルフ型圧電素子(3)が共にたわんでポンプ室(2)の内容積が減少する時には、コントローラ(6)が吸入口の流体制御弁(5)を閉状態にするとともに排出口の流体制御弁(5)を開状態にする。これにより、ポンプ室(2)から排出口へ流体が流出する。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−263763号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載されたポンプ装置では、ポンプ室(2)を膨張・収縮させるために二つのバイモルフ型圧電素子(3)を用い、加えて二つの流体制御弁用バイモルフ型圧電素子(10)を用いているため、ポンプ装置全体として大型になってしまう。
また、コントローラ(6)でこれら異なる二種の圧電素子(3)、(10)を同期させて制御することが難しい上、ポンプ装置の製造コストが嵩み、部品点数が増してしまう。
また、流体制御弁(5)が閉状態の場合には、圧電素子(10)が膨張して吸入口、排出口を完全に閉塞した状態となり、流体制御弁(5)が開状態の場合には、圧電素子(10)が収縮して吸入口、排出口の一部を閉塞した状態となる。従って、流体制御弁(5)が開状態の場合でも、圧電素子(10)に流体抵抗が大きく付与されていまい、チャタリングが生じてしまう。更には、チャタリングが生じてしまうため、ポンプ装置を短い周期で高速に駆動することは難しい。
【0006】
そこで、本発明の目的は、高速に駆動することができるとともに製造コストが嵩まない小型なポンプ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明のポンプ装置は、例えば図1〜図2に示すように、
二つのユニモルフ型圧電アクチュエータ(例えば、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6、7)の振動板(例えば、振動板6a,7a)を互いに向かい合わせてこれら二枚の振動板の間にポンプ室(例えば、ポンプ室2a)が形成され、前記ポンプ室外から前記ポンプ室内に通じる吸入口(例えば、吸入口3a)及び排出口(例えば、排出口4a)が形成されており、前記ポンプ室外から前記ポンプ室内に向かった向きにのみ流体を流入させる第一逆止弁(例えば、第一逆止弁8)が前記吸入口に設けられ、前記ポンプ室内から前記ポンプ室外に向かった向きにのみ流体を流出させる第二逆止弁(例えば、第二逆止弁9)が前記排出口に設けられていることを特徴とする。
なお、ここでの流体とは、液体、気体に加えて、粉末といった流動性のあるものをいう。
【0008】
請求項1に記載の発明では、第一逆止弁が前記ポンプ室外から前記ポンプ室内に向かった向きにのみ流体を流入させるとともに第二逆止弁が前記ポンプ室内から前記ポンプ室外に向かった向きにのみ流体を流出させるから、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータによってポンプ室の内容積が増大すれば、流体が吸入口からポンプ室内に流入する。一方、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータによってポンプ室の内容積が減少すれば、流体がポンプ室から排出口へ流出する。
【0009】
第一逆止弁及び第二逆止弁はともに二つのユニモルフ型圧電アクチュエータでの動作にしたがって機械的に動作されるので、本発明のポンプ装置に用いる圧電アクチュエータの数を抑え、ポンプ装置の製造コストを抑えることができ、さらにポンプ装置を動作させる駆動回路の構成を簡素化することができる。
【0010】
また、ユニモルフ型圧電アクチュエータを向かい合わせたことでポンプ室が形成されているから、従来のようにバイモルフ型圧電アクチュエータを向かい合わせたものと比較しても小型のポンプ装置を提供することができる。つまり、一つのバイモルフ型圧電アクチュエータは電極板の両面にそれぞれ圧電セラミックが形成され、それぞれの圧電セラミック上に電極が形成された積層構造となっているのに対し、一つのユニモルフ型圧電アクチュエータは圧電セラミックが単層なので、ポンプ装置をより小型化することができ、特にユニモルフ型圧電アクチュエータを動作するための信号が印加される電極の一方を振動板とすることによってより小型化することができる。
【0011】
また、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータそれぞれの振動板が向き合ってポンプ室に面しているので、例えば、ユニモルフ型圧電アクチュエータの圧電セラミックや圧電セラミックに信号を供給する少なくとも一つの電極を、振動板のポンプ室側の面と反対側の面に設けることでポンプ室内の流体が電極やそれらに繋がった配線に触れないから、圧電セラミックや電極、配線に防水加工をせずとも、水のような電気の流れる流体であっても本発明のポンプ装置で送ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポンプ装置において、
前記第一逆止弁は先端が前記ポンプ室側に向いたダックビル弁であることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明では、第一逆止弁は、先端がポンプ室側に向いたダックビル弁であるため、流体の流れを許容する場合に流体の流れる方向に対してほぼ垂直となる方向に開く。従って、第一逆止弁に作用する流体抵抗を非常に小さくすることができ、第一逆止弁にチャタリングが生じない。
また、第一逆止弁に作用する流体抵抗が非常に小さいため、第一逆止弁の開閉動作がポンプ室の膨張・収縮運動に遅れない。そのため、本発明のポンプ装置は、短い周期で高速に駆動することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポンプ装置において、
前記第二逆止弁は先端が前記ポンプ室の反対側に向いたダックビル弁であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明では、第二逆止弁は、流体の流れを許容する場合に流体の流れる方向に対してほぼ垂直となる方向に開く。従って、第二逆止弁に作用する流体抵抗を非常に小さくすることができ、第二逆止弁にチャタリングが生じない。
また、第二逆止弁に作用する流体抵抗が非常に小さいから、第二逆止弁の開閉動作がポンプ室の膨張・収縮運動に遅れないので、ポンプ装置を短い周期で高速に駆動することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記二つのユニモルフ型圧電アクチュエータは、共に同期して前記ポンプ室の容積を増大するようにたわむことと、共に同期して前記ポンプ室の容積を減少するようにたわむことを繰り返すように設けられたことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明では、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータが互いにポンプ室の容積を増大する動作と減少する動作を同期して繰り返すため、ポンプ室の膨張時と収縮時との差が大きい。従って、より大流量で流体を送ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
図1は、本発明が適用されたポンプ装置1を示した斜視図であり、図2は、このポンプ装置1の断面図である。
【0019】
図1、図2に示すように、ポンプ装置1は、円筒部2を有するとともにその円筒部2の側面に吸入ニップル部3及び排出ニップル部4を有したハウジング5と、ハウジング5の円筒部2を閉塞するように設けられた互いに同構成、同寸、同形状のユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7と、吸入ニップル部3内に嵌め込まれた第一逆止弁8と、排出ニップル部4内に嵌め込まれた第二逆止弁9と、を具備する。
【0020】
ユニモルフ型圧電アクチュエータ6は、シム材であり絶縁性及び可撓性を有する振動板6aの上に、第一薄膜電極6b、厚み方向に分極された圧電セラミック6c、第二薄膜電極6dの順に積層した積層構造となっている。ユニモルフ型圧電アクチュエータ7も、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6と同様に、振動板7aの上に第一薄膜電極7b、厚み方向に分極された圧電セラミック7c、第二薄膜電極7dの順に積層した積層構造となっている。ここで、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7の何れでも、第一薄膜電極6b,7b及び第二薄膜電極6d,7dは圧電セラミック6c,7c及び振動板6a,7aに比較して薄い。
【0021】
圧電セラミック6c,7cそれぞれの分極の向きは、振動板6a,7a側が正となる向きであっても良いし、振動板6a,7a側が負となる向きであっても良い。また、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6の圧電セラミック6cの分極の向きは、ユニモルフ型圧電アクチュエータ7の圧電セラミック7cの分極の向きと同じであっても良いし、反対であっても良い。
【0022】
何れのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7でも、圧電セラミック6c,7c上に成膜された第二薄膜電極6d,7dにはリード線10がそれぞれ接続されており、振動板6a,7aとの間に形成された第一薄膜電極6b,7bにはリード線11がそれぞれ接続されている。ユニモルフ型圧電アクチュエータ6のリード線10は、リード線11及び振動板6aと電気的に絶縁されており、ユニモルフ型圧電アクチュエータ7のリード線10は、リード線11及び振動板7aと電気的に絶縁されている。そして、何れのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7でも、リード線10,11は図示しない駆動回路に接続されており、駆動回路によって第一薄膜電極6bと第二薄膜電極6dとの間に交流電圧が印加されるとともに第一薄膜電極7bと第二薄膜電極7dとの間に交流電圧が印加されるようになっている。
【0023】
ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7は、それぞれの振動板6a,7aが円筒部2の内面側で互いに向き合うように円筒部2に嵌め込まれており、それぞれ円筒部2の外側に第二薄膜電極6d、7dが位置している。振動板6a,7a、圧電セラミック6c,7c、第二薄膜電極6d,7dそれぞれの厚み方向がいずれも円筒部2の中心軸の方向に対して平行となっている。円筒部2及びユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7の振動板6a,7aによって包囲された内部空間がポンプ室2aとされており、振動板6a,7aの形状の変位に応じて適宜容積が変わるように設定されている。
【0024】
ハウジング5の円筒部2の側面には、吸入ニップル部3及び排出ニップル部4が突出するように設けられている。吸入ニップル部3には、ポンプ室2aまで貫通した吸入口3aが形成されており、排出ニップル部4には、ポンプ室2aまで貫通した排出口4aが形成されている。
【0025】
第一逆止弁8は、図3に示すように可撓性・弾性を有する材料でダックビル状(アヒルのくちばし形状)に形成されており、ダックビル弁である。ここで、図3は第一逆止弁8を三方向から見て示した三面図であり、図3(a)は図2と同一方向に見た場合の第一逆止弁8の側面図であり、図3(b)は第一逆止弁8の正面図であり、図3(c)は第一逆止弁8の上面図である。
【0026】
詳細に説明すると、第一逆止弁8の外面8aは、先端8cにいくにつれて厚さTが薄くなるようにテーパ状に形成されている。第一逆止弁8の内側には開口部が形成されており、その内面8bは先端8cにいくにつれて厚み方向の開口部の長さhが小さくなるようにテーパ状に形成されている。第一逆止弁8を正面視して、第一逆止弁8の先端8cには、厚み方向に垂直な方向に長尺な線状の亀裂8dが形成されており、この亀裂8dは第一逆止弁8の外側から内側まで通じている。この第一逆止弁8では、第一逆止弁8が自然状態である場合又は第一逆止弁8の外面8aの圧力が内面8bの圧力以上となる場合、亀裂8dが閉じるようになっており、これにより、第一逆止弁8は外部から内側へ流体が流動することを阻止するようになっている。一方、第一逆止弁8の外面8aの圧力が内面8bの圧力より小さい場合、第一逆止弁8が弾性変形して亀裂8dが開くようになっており、これにより、第一逆止弁8は内側から亀裂8dを通じて外側へ流体が流動することを許容するようになっている。従って、第一逆止弁8は、内部の開口部から亀裂8dを通じて外部に向かった向きにのみ流体を流すものである。
【0027】
第二逆止弁9は、第一逆止弁8と同じ材料で同じ形状に形成されたダックビル弁であり、第一逆止弁8の外面8aには第二逆止弁9の外面9a、第一逆止弁8の内面8bには第二逆止弁9の内面9b、第一逆止弁8の先端8cには第二逆止弁9の先端9c、第一逆止弁8の亀裂8dには第二逆止弁の亀裂9dが対応しているので、詳細な説明は省略する。
【0028】
以上の構成された第一逆止弁8は吸入ニップル部3の吸入口3aに嵌め込まれており、第一逆止弁8の先端8cがポンプ室2aに向き、第一逆止弁8の開口部がポンプ室2aの反対側に向いて開放している。第二逆止弁9は排出ニップル部4の排出口4aに嵌め込まれており、第二逆止弁9の開口部がポンプ室2aに向いており、第二逆止弁9の先端9cがポンプ室2aの反対側を向いて開放している。
【0029】
次に、ポンプ装置1の動作について説明する。
駆動回路がユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7に所定周期の交流電圧を印加する。ここで、振動板6a,7aに印加される信号及び第二薄膜電極6d,7dに印加される信号は同期しており、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6がポンプ室2aの容積を減少する方向に伸縮すると、ユニモルフ型圧電アクチュエータ7もポンプ室2aの容積を減少する方向に伸縮し、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6がポンプ室2aの容積を増大する方向に伸縮すると、ユニモルフ型圧電アクチュエータ7もポンプ室2aの容積を増大する方向に伸縮する。
【0030】
例えば、圧電セラミック6c,7cの分極の方向がそれぞれ第二薄膜電極6d,7dから振動板6a,7aに向いている場合、振動板6a,7aを相対的に高電位、第二薄膜電極6d,7dを相対的に低電位となるような信号をユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7それぞれに印加されることによって、それぞれのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7の圧電セラミック6c,7cは、第二薄膜電極6d,7d側が伸び、振動板6a,7aが縮む。これにより、図4に示すようにユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7が共にポンプ室2aの容積が増大する方向にたわむ。一方、振動板6a,7aを相対的に低電位、第二薄膜電極6d,7dを相対的に高電位となるような信号をユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7それぞれに印加されることによって、それぞれのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7の圧電セラミック6c,7cは、第二薄膜電極6d,7d側が縮み、振動板6a,7aが伸びる。これにより、図4に示すようにユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7が共にポンプ室2aの容積が減少する方向にたわむ。
【0031】
ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7が共に図4に示すようにたわんだ場合、ポンプ室2a内の圧力がポンプ室2a外の圧力より低くなって、ポンプ室2aの内容積が大きくなる。これにより、吸入ニップル部3では第一逆止弁8の亀裂8dが開き、第一逆止弁8は開状態となって流体が吸入口3aから第一逆止弁8の亀裂8dを通じてポンプ室2a内に流入することを許容する。一方、排出ニップル部4では第二逆止弁9の亀裂9dが閉じ、第二逆止弁9は閉状態となって流体がポンプ室2a内から外部に流出することを阻止する。ここで、第一逆止弁8の亀裂8dが流体の流線に対して垂直となるように開くので、第一逆止弁8に作用する流体抵抗が非常に低く、チャタリングが発生しにくい。
【0032】
ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7が共に図5に示すようにたわんだ場合、ポンプ室2a内の圧力がポンプ室2a外の圧力より高くなって、ポンプ室2aの内容積が小さくなる。これにより、吸入ニップル部3では第一逆止弁8の亀裂8dが閉じ、第一逆止弁8は閉状態となって流体が吸入口3aからポンプ室2a内に流入することを阻止する。一方、排出ニップル部4では第二逆止弁9の亀裂9dが開いて、第二逆止弁9は開状態となって流体がポンプ室2a内から第二逆止弁9の亀裂9dを通じて外部へ流出することを許容する。ここで、第二逆止弁9の亀裂9dが流体の流線に対してほぼ垂直となるように開くので、第二逆止弁9に付与される流体抵抗が非常に低く、チャタリングが発生しにくい。
【0033】
以上のように、ポンプ装置1は、図4のようなユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7のたわみと図5のようなユニモルフ圧電アクチュエータ6,7のたわみとの繰り返しにより、吸入口3aからポンプ室2aに流体を吸入することとポンプ室2aから排出口4aに流体を排出することを繰り返し、流体の流れの向きと流量を制御する。ここで、駆動回路が印加する交流電圧の単位時間当たりの振動数を制御することによって、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7の振動数が制御され、駆動回路が交流電圧の大きさを制御することによってユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7のたわみの大きさが制御され、これにより流体の流量が制御される。また、同構成、同寸、同形状の圧電アクチュエータ6,7を用いることによりその動作を容易に同期することができる。そして、第一逆止弁8及び第二逆止弁9が電気的信号によって弁として機能するものではなく、内外の圧力の変位で自動的に開閉するので、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7に同期して動作させる信号を第一逆止弁8及び第二逆止弁9に送信する必要がない。したがって、ポンプ装置1は、圧電アクチュエータ6,7のみを同期するように動作すれば、第一逆止弁8及び第二逆止弁9もそれに同期して機械的に動作するので、駆動回路の構成を簡素化できる。
【0034】
以上のようなポンプ装置1は、インクジェットプリンタ、液体燃料型燃料電池、医療用機器、分析用機器、その他液体、気体、粉末といった流動性のあるものを送る機構を有する装置に用いることができる。
【0035】
例えば、ポンプ装置1を図6に示すような燃料改質型の小型燃料電池システム50に用いることができる。この小型燃料電池システム50は、化学燃料と水を混合した液体の燃料51を貯留した燃料タンク52と、燃料タンク52を着脱自在とするように設けられた発電モジュール53と、を備える。発電モジュール53は、気化器56と、水蒸気改質反応器57と、水性シフト反応器58と、選択酸化反応器59と、燃料電池60と、を備える。
燃料タンク52が発電モジュール53に装着されると、発電モジュール53の下面に設けられた管54が、燃料タンク52の頭頂部に設けられた流出口55に挿入され、燃料タンク52内の燃料51が毛細管現象によって管54まで満たされる。管54内には上記ポンプ装置1が配設されているが、ポンプ装置1の吸入ニップル部3は下方の燃料タンク52側になり、ポンプ装置1の排出ニップル部4は上方の気化器56側になっている。管54まで満たされた燃料51は、ポンプ装置1によって燃料タンク52から気化器56に送られる。そして、燃料51は気化器56で気化し、気化器56で気化した混合気は水蒸気改質反応器57で水素ガスと二酸化炭素に改質され、更に水性シフト反応器58及び選択酸化反応器59によって混合気に微量に含んだ一酸化炭素が二酸化炭素に無毒化され、最終的に燃料電池60に水素が送られる。燃料電池60では水素と酸素が水に電気化学反応する際に電気エネルギーが生じ、電気エネルギーが外部電気器機に供給される。
【0036】
以上のように、本実施形態のポンプ装置1には、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7以外の圧電アクチュエータを用いていない。従って、四つの圧電アクチュエータを用いた従来のポンプ装置と比較しても、ポンプ装置1の製造コスト・部品点数の削減を図ることができる。また、従来のように四つの圧電アクチュエータを同期させて駆動する場合よりも、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7を同期させて駆動することの方が容易であり、駆動回路を簡単な構成とすることができる。
【0037】
また、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7がバイモルフ型圧電アクチュエータよりも薄型であるから、従来のようなバイモルフ型圧電アクチュエータを用いたポンプ装置と比較しても、このポンプ装置1は小型である。
【0038】
また、二つのユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7それぞれの振動板6a,7aが向き合っているから、二枚の振動板6a,7aがポンプ室2aに面しており、第一薄膜電極6b,7b及び第二薄膜電極6d,7dがポンプ室2aの外側にある。従って、ポンプ室2a内の流体が第一薄膜電極6b,7b及び第二薄膜電極6d,7d並びにそれらに接続されたリード線10,11に触れないから、どのような流体であってもユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7に流体に対する防護加工をせずとも、このポンプ装置1で送ることができる。
【0039】
また、第一逆止弁8及び第二逆止弁9がダックビル弁であり、それぞれの先端8c,9cが流体の流れる方向に向いているから、それぞれの亀裂8d,9dは流体の流れる方向に対してほぼ垂直な方向に開口する。従って、第一逆止弁8及び第二逆止弁9がそれぞれ開状態となって流体が流れても、第一逆止弁8、第二逆止弁9に作用する流体抵抗は非常に小さい。従って、第一逆止弁8、第二逆止弁9にチャタリングが生じず、ポンプ装置1が静かに動作する。
【0040】
また、第一逆止弁8、第二逆止弁9に作用する流体抵抗が非常に小さいから、第一逆止弁8、第二逆止弁9の開閉動作がポンプ室2aの膨張・収縮運動に遅れないので、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7を短い周期で駆動することができ、結果としてポンプ装置1を高速で駆動することができる。
【0041】
また、ユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7が同期して駆動されるため、図4に示すようにユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7がたわんだ時のポンプ室2aの内容積と、図5に示すようにユニモルフ型圧電アクチュエータ6,7がたわんだ時のポンプ室2aの内容積との差は、非常に大きい。従って、ポンプ装置1で送ることのできる流量が大きい。
【0042】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、第一逆止弁8及び第二逆止弁9ともにダックビル弁としたが、どちらか一方がダックビル弁であっても良いし、どちらもダックビル弁でなくても良い。ダックビル弁以外の逆止弁としては、(1)ばね式の逆止弁、(2)リフト式の逆止弁、(3)スイング式の逆止弁、(4)ダイヤフラム式の逆止弁が挙げられるが、ポンプ装置1の小型化・チャタリング防止の観点から第一逆止弁8及び第二逆止弁9ともに同じ形状・同じ材質からなるダックビル弁であることが望ましい。
また、圧電アクチュエータ6,7に第一薄膜電極6b,7bを設けずに、その代わりに振動板6a,7aが導電性を有して電極を兼ねても良い。振動板6a,7aが電極を兼ねれば圧電アクチュエータ6,7が薄いので、ポンプ装置1を更に小型化することができる。この場合、振動板6a,7aのポンプ室2aに面した面に絶縁膜をコーティングすると良い。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、第一逆止弁及び第二逆止弁はともに二つのユニモルフ型圧電アクチュエータでの動作にしたがって機械的に動作されるので、本発明のポンプ装置に用いる圧電アクチュエータの数を抑え、ポンプ装置の製造コストを抑えることができ、さらにポンプ装置を動作させる駆動回路の構成を簡素化できる。
また、ユニモルフ型圧電アクチュエータを向かい合わせたことでポンプ室が形成されているから、従来のようにバイモルフ型圧電アクチュエータを向かい合わせたものと比較しても小型のポンプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたポンプ装置を示した斜視図である。
【図2】図1に示されたポンプ装置を破断して示した断面図である。
【図3】図1に示されたポンプ装置に用いられる逆止弁を示した三面図である。
【図4】ポンプ室が膨張した状態のポンプ装置を示した断面図である。
【図5】ポンプ室が収縮した状態のポンプ装置を示した断面図である。
【図6】図1に示されたポンプ装置を用いた燃料改質型燃料電池システムを一部破断して示した斜視図である。
【符号の説明】
1 ポンプ装置
2a ポンプ室
3a 吸入口
3b 排出口
6、7 ユニモルフ型圧電アクチュエータ
6a、7a 振動板
6b、7b 第一薄膜電極
6c、7c 圧電セラミック
6c、7d 第二薄膜電極
8 第一逆止弁
8c 第一逆止弁の先端
9 第二逆止弁
9c 第二逆止弁の先端

Claims (4)

  1. 二つのユニモルフ型圧電アクチュエータの振動板を互いに向かい合わせてこれら二枚の振動板の間にポンプ室が形成され、前記ポンプ室外から前記ポンプ室内に通じる吸入口及び排出口が形成されており、前記ポンプ室外から前記ポンプ室内に向かった向きにのみ流体を流入させる第一逆止弁が前記吸入口に設けられ、前記ポンプ室内から前記ポンプ室外に向かった向きにのみ流体を流出させる第二逆止弁が前記排出口に設けられていることを特徴とするポンプ装置。
  2. 前記第一逆止弁は先端が前記ポンプ室側に向いたダックビル弁であることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記第二逆止弁は先端が前記ポンプ室の反対側に向いたダックビル弁であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプ装置。
  4. 前記二つのユニモルフ型圧電アクチュエータは、共に同期して前記ポンプ室の容積を増大するようにたわむことと、共に同期して前記ポンプ室の容積を減少するようにたわむことを繰り返すように設けられたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のポンプ装置。
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