JP2004285228A - チューイング性を持った製菓基材 - Google Patents

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裕 斎藤
Shuji Nagaoka
修史 長岡
Takaharu Yoshida
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Yuichi Maeda
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Abstract

【構成】構成脂肪酸の総炭素数が56以上であって、かつ炭素数20以上の飽和脂肪酸が1〜2分子、炭素数18の飽和脂肪酸が0〜1分子、炭素数18以上で且つ二重結合を2以上含む多価不飽和脂肪酸が1分子から成る、2飽和−1多価不飽和トリグリセリドを、油脂中に20%以上含むことを特徴とするチューイング性付与剤。
【効果】チューインガムのもつ噛み心地を可食素材で実現し、他の菓子類にも応用、新しいカテゴリーを提供することができる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野(技術分野)】
本発明は、チューイング性が付与された新規な食感を持つ菓子類に関する。
【0002】
【従来の技術】
噛み心地を楽しむ菓子類の代表例はチューインガムであるが、そのチューイング性はポリ酢酸ビニル等の合成高分子を含むガムベースにより実現されている。チューイング性、つまりチュ−インガムのもつ噛み心地は非常に親しまれ、菓子分野で確固たる地位を築いているにもかかわらず、可食性でないことから、他の菓子分野には利用されていないのが現状である。
【0003】
可食性ガムベースとしては、例えば特開平8−023888号公報において、小麦グルテンやそれより分画されたグリアジンなどの動植物性蛋白質を、蛋白質転移酵素で架橋結合させ、チューインガム様の食感を得るとしているが、蛋白質が主体のガムベースは、風味および物性的に従来のガムベースとは異なるものである。
【0004】
チューインガム以外に噛み心地を楽しむ菓子としてはグミが挙げられる。グミの食感はゼラチンによるところが大きいが、噛み始めこそチューイング性に近い食感だが、噛み進んで水分含量が増すにつれ噛み切れて小さくなり、チューイング性の特徴である再集合性は失われ、噛み心地を楽しめるのは噛み始めの食感に限られる。
【0005】
グミ同様、ゼラチンを配合している菓子にチューイングキャンディと呼ばれるカテゴリーがあるが、噛み始めから弾力性に乏しく、また口中で急速に溶け出し、食感としてはチューイング性には程遠いものである。
【0006】
一方、特開平5−211841号公報では、可塑性油脂の特性を生かし、それを含むチョコレートで固化後の成形性を改良する記載があるが、この場合、チョコレートとして体温で融解してしまうため、口中でチュ−イング性、噛み心地を感じることは困難である。
【0007】
また、特公平4−071120号公報には、可塑性油脂の製造法及び被覆材としての用途が記載されているが、チューイング性付与剤としての用途は記載が無い。
【特許文献1】特開平8−023888号公報
【特許文献2】特開平5−211841号公報
【特許文献3】特公平4−071120号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、チューインガムのもつ噛み心地を可食素材で実現し、また他の菓子類にも応用することで、新しいカテゴリーを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ある特定の構造をもつトリグリセリドを主体とする油脂を用いることで、それにより幾つかの菓子類においてチューイング性が付与され、また、蛋白質、天然樹脂を加えることでこの特性が更に高まることを見出し、この発明に到達した。
【0010】
すなわちこの発明は、構成脂肪酸の総炭素数が56以上であって、かつ炭素数20以上の飽和脂肪酸が1〜2分子、炭素数18の飽和脂肪酸が0〜1分子、炭素数18以上で且つ二重結合を2以上含む不飽和脂肪酸が1分子から成る、2飽和−1多価不飽和トリグリセリドを、油脂中に20%以上、好ましくは40%以上含むことを特徴とするチューイング性付与剤、さらにこのトリグリセリドが、1,3位に飽和脂肪酸、2位に多価不飽和脂肪酸をもつトリグリセリドであり、これらチューイング性付与剤を含んでなるチューイング性食品である。さらに、これらチューイング性付与剤に蛋白質および/または天然樹脂を含み、その蛋白質に低分子乳化剤を配合することを特徴とするチューイング性食品である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の油脂の製造方法は、特に限定されるものではないが、次の製造方法を例として挙げることが出来る。多価不飽和脂肪酸源としてはリノール酸を多く含む油脂、例えばサフラワー油、ひまわり油、コーン油、菜種油、大豆油等を用い、炭素数20以上の飽和脂肪酸源としては、極度硬化したハイエルシン菜種油、魚油、ホホバ油等をそのまま、或いは特定の脂肪酸を蒸留濃縮して利用出来る。これらの油脂を公知の方法にてエステル交換し、さらに分別処理により本発明の有効成分を高めることが出来る。
【0012】
特にエステル交換については、1,3位に選択性を持つリパーゼを作用させることで1,3位飽和−2位多価不飽和トリグリセリドを効率よく得ることができ、1,3位飽和−2位多価不飽和トリグリセリドの異性体である1,2位飽和−3位多価不飽和トリグリセリドに対して融点の上昇、チュ−イング性の更なる向上が図れ、チューイング性付与剤としての機能をより高めることが出来る。
【0013】
チューイング性付与剤の油脂中のトリグリセリド組成は、炭素数20以上の飽和脂肪酸、炭素数18以上で且つ二重結合を2以上含む不飽和脂肪酸から成る、2飽和−1多価不飽和トリグリセリドを20%以上含有する必要がある。2飽和−1多価不飽和トリグリセリドが20%未満であると、チューイング性、つまりチュ−インガムとしての食感、弾力性が得られなくなる。
【0014】
また、2飽和−1多価不飽和トリグリセリドの構成脂肪酸である、飽和脂肪酸の炭素数が20未満の場合、融点が体温以下となり、口中で融解してしまいチューイング性が発揮されなくなるため、炭素数20以上の飽和脂肪酸が少なくとも1つは必要である。また、炭素数20以上の飽和脂肪酸を用いても、多価不飽和脂肪酸がトリグリセリド分子中に2つあると(1飽和−2多価不飽和トリグリセリド)、更に融点が低下し、口中で融解して、チューイング性が発揮出来ず、不飽和脂肪酸の二重結合が1個以下(2飽和−1モノ不飽和トリグリセリド)の場合もチュ−イング性を得ることが出来ない。チュ−イング性を充分に発揮されるためには、これら2飽和−1多価不飽和トリグリセリドを、油脂中に40%以上含有させることが望ましい。
【0015】
チューイング性付与剤油脂としては、本発明の特定なトリグリセリドを有する油脂を融解の上そのまま用いてもよいが、その物性を損なわない範囲において、他の油脂と混合してもよい。併用しうる油脂は、食用油脂であれば特に制限はなく、菜種油、大豆油、米ぬか油、サフラワー油、パーム油、パーム核油、コーン油、綿実油、やし油、カカオバター等の植物性油脂類、ラード、魚油、鯨油、乳脂、豚脂、牛脂等の動物性油脂類のいずれかも使用することができ、また、これらをエステル交換、水素添加処理したものも用いることが出来る。
【0016】
チューイング性をより高める手段として、咀嚼性を付与する蛋白質、および/または天然樹脂を併用する方法もある。併用しうる蛋白質は、チューイング性付与剤としての物性を損なわない範囲において特に制限はなく、グルテン、グルテニン、グリアジン、ツェイン、大豆蛋白質等の植物性蛋白質、ゼラチン、コラーゲン、卵白、カゼイン等の動物性蛋白質のいずれかも使用することができ、特にエタノールに可溶なツェインまたはグリアジンが好ましい。なおそれらの配合量については、チューイング性付与剤としての物性を損なわない範囲において特に制限はないが、油脂に対して1〜50%が好ましい。天然樹脂を併用する場合は、ダンマル樹脂、シェラック等を用いることができる。それらの配合量については、チューイング性付与剤としての物性を損なわない範囲において特に制限はないが、油脂に対して5〜40%が好ましい。
【0017】
また、それら動植物性蛋白質に低分子乳化剤を併用する方法もある。併用しうる低分子乳化剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられるが、特にモノグリセリン脂肪酸エステルまたはショ糖脂肪酸エステルが有効である。ショ糖脂肪酸エステルについてはHLB値4以上13以下、特に7以上10以下のものが好ましく、モノグリセリン脂肪酸エステルについては、主要構成脂肪酸が炭素数6以上12以下好ましくは炭素数8以上10以下の飽和脂肪酸であり、HLB値は5以上8以下のものが好ましい。なおそれらの配合量については、チューイング性付与剤としての物性を損なわない範囲において特に制限はないが、好ましくは重量配合比において動植物性蛋白質1に対して油脂は0.2〜20、好ましくは1〜4、乳化剤は0.4〜20、好ましくは2〜4が適している。
【0018】
ソフトキャンディー、キャラメル等高油分の菓子において、使用する油脂を本発明の油脂に置き換えることで、チューインガムに類似した噛み心地となる。
【0019】
高油分菓子の代表例としてソフトキャンディー、キャラメルを挙げているが、本発明はそれらに限定されるものではなく、ハードキャンディ、アイスクリーム、チョコレート、ケーキ、焼き菓子、マシュマロ、饅頭、ヌガー等へ利用した場合も大きな効果が期待される。
【0020】
また、本発明品をチューインガムベースとして用いることも出来る。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により説明する。なお、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
油脂の合成
合成例1
ベヘン酸エチル(ステアリン酸3.7%、アラキン酸7.0%、ベヘン酸87.5%、その他1.8%)700gと、サフラワー油(パルミチン酸6.7%、ステアリン酸2.1%、オレイン酸12.2%、リノール酸78.4%、リノレン酸0.5%)300gを混合し、脱色及び脱水を行った。次に1,3位特異性を有するリパーゼを用いてエステル交換を行った。次に蒸留を行って脂肪酸を除去させた後、残存油を精製し、目的の油脂を得た。
【0023】
合成例2
上記合成例1の蒸留後、残存油をヘキサン分別(油分含量15%、晶析5℃60分)して高融点画分を採取、合成例1と同様の条件で精製を行い、目的の油脂を得た。
【0024】
合成例3
上記合成例1でリパーゼの代わりに、その混合油脂に対し0.1%のソジウムメチラートを触媒とし、エステル交換(80℃30分間)を行った。次に合成例1と同様の条件で精製し、目的の油脂を得た。
【0025】
合成例4
上記合成例3でエステル交換後、ヘキサン分別(油分含量15%、晶析10℃60分)で高融点画分を除去した。次にろ過液(高融点画分以外)を−5℃まで冷却し、析出した画分(中融点画分)を採取、合成例1と同様の条件で精製を行い、目的の油脂を得た。
【0026】
合成例5
極度硬化した菜種油(パルミチン酸2.4%、ステアリン酸40.2%、アラキン酸7.9%、ベヘン酸47.4%、その他2.0%)500gと、サフラワー油(パルミチン酸6.7%、ステアリン酸2.1%、オレイン酸12.2%、リノール酸78.4%、リノレン酸0.5%)500gを混合し、上記合成例3と同様の条件でエステル交換(80℃30分間)を行った。次にヘキサン分別(油分含量15%、晶析−5℃60分)で高融点画分を除去した。次にろ過液(高融点画分以外)を−15℃まで冷却し、析出した画分(中融点画分)を採取、合成例1と同様の条件で精製を行い、目的の油脂を得た。
【0027】
合成例6
炭素数20以上の飽和脂肪酸、炭素数18で且つ二重結合を1つ含む不飽和脂肪酸から成る、2長鎖飽和−1不飽和トリグリセリドを主成分とする油脂も調製した。ベヘン酸エチル700gと、高オレイン酸ひまわり油300gを混合し、上記合成例1で蒸留後、残存油をヘキサン分別(油分含量15%、晶析5℃60分)して高融点画分を採取、精製を行い、目的の油脂を得た。
【0028】
合成例7
炭素数18以下の飽和脂肪酸、炭素数18で且つ二重結合を2つ含む不飽和脂肪酸から成る、2長鎖飽和−1不飽和トリグリセリドを主成分とする可塑性油脂も調製した。ステアリン酸エチル700gとサフラワー油300gを混合し、合成例1と同様の条件で脱色、脱水、リパーゼを用いてのエステル交換、蒸留、精製の各処理を行い、比較用の可塑性油脂を得た。なお、合成例1〜7で得られた油脂の各分析値を表1に示す。表1中のトリグリセリド含量は高速液体クロマトグラフィー、及び表2中の脂肪酸組成はガスクロマトグラフィーにより、それぞれ測定した。
【0029】
Figure 2004285228
【0030】
Figure 2004285228
【0031】
実施例1
ソフトキャンディーの調製を行った。水あめ47.6重量%、砂糖35.9重量%、水5.3重量%を混合し、110℃で1時間煮詰めた。これに本発明の油脂(合成例1)7.2重量%と乳化剤(P−1020、第一工業製薬(株))0.3重量%をあらかじめ混合したものを加え、120℃で2時間煮詰めた。次に90℃まで冷却し、30%ゼラチン溶液4.8重量%、50%クエン酸1.4重量%と香料を適量加え、ニーダーにて混ぜ合わせ(60℃30分)、ソフトキャンディーを作成した。
【0032】
実施例2
実施例1において使用する油脂を合成例2で得たものを用い、実施例1と同様にソフトキャンディーを作成した。
【0033】
実施例3
実施例1において使用する油脂を合成例3で得たものを用い、実施例1と同様にソフトキャンディーを作成した。
【0034】
実施例4
実施例1において使用する油脂を合成例4で得たものを用い、実施例1と同様にソフトキャンディーを作成した。
【0035】
実施例5
実施例1において使用する油脂を合成例5で得たものを用い、実施例1と同様にソフトキャンディーを作成した。
【0036】
比較例1
実施例1において使用する油脂を合成例6で得たものを用い、実施例1と同様にソフトキャンディーを作成した。
【0037】
比較例2
実施例1において使用する油脂を合成例7で得たものを用い、実施例1と同様にソフトキャンディーを作成した。
【0038】
比較例3
実施例1において使用する油脂に菜種油を用い、実施例1と同様の方法で通常のソフトキャンディーを作成した。
【0039】
実施例1〜5および比較例1〜3で得られたソフトキャンディーについて、チューイング性および口中での持続時間を評価した。その結果を表3に示す。
【0040】
Figure 2004285228
【0041】
表3の結果から明らかなように、実施例のソフトキャンディーは噛み出しから持続してチューイング性を持っており、かつ口中での持続時間が通常のソフトキャンディー(比較例3)に比べ長かった。なお、実施例3のものは噛み心地がやや硬めで、口中での持続時間は長いものの、口溶けは劣った。対し、比較例1のものはチューイング性を持たず、比較例2のものは噛み出しこそ実施例同様チューイング性を持っていたが、口中での持続時間は通常のソフトキャンディー(比較例3)と変わらないものであった。
【0042】
実施例6
キャラメルの調製を行った。65℃の状態で、練乳35重量%に小麦蛋白分解物(SK−5、千葉製粉(株))0.9重量%とソヤファイブ−S−LA200(不二製油(株))0.1重量%を加えた後、本発明の油脂(合成例1)14重量%を加えた。これに、水あめ35重量%、砂糖15重量%を110℃で30分煮詰めたものを加え、さらに120℃で30分煮詰めた。次にニーダーにて混ぜ合わせ(110℃30分)、キャラメルを作成した。
【0043】
実施例7
実施例6において使用する油脂を合成例2で得たものを用い、実施例6と同様にキャラメルを作成した。
【0044】
実施例8
実施例6において使用する油脂を合成例3で得たものを用い、実施例6と同様にキャラメルを作成した。
【0045】
実施例9
実施例6において使用する油脂を合成例4で得たものを用い、実施例6と同様にキャラメルを作成した。
【0046】
実施例10
実施例6において使用する油脂を合成例5で得たものを用い、実施例6と同様にキャラメルを作成した。
【0047】
比較例4
実施例6において使用する油脂を合成例6で得たものを用い、実施例6と同様にキャラメルを作成した。
【0048】
比較例5
実施例6において使用する油脂を合成例7で得たものを用い、実施例6と同様にキャラメルを作成した。
【0049】
比較例6
実施例6において使用する油脂に菜種油を用い、実施例6と同様の方法で通常のキャラメルを作成した。
【0050】
実施例6〜10および比較例4〜6で得られたキャラメルについて、チューイング性および口中での持続時間を評価した。その結果を表4に示す。
【0051】
Figure 2004285228
【0052】
表4の結果から明らかなように、実施例のキャラメルは噛み出しから持続してチューイング性を持っており、かつ口中での持続時間が通常のキャラメル(比較例6)に比べ長かった。なお、実施例8のものは噛み心地がやや硬めで、口中での持続時間は長いものの、口溶けは劣った。対し、比較例4のものはチューイング性を持たず、比較例5のものは噛み出しこそ実施例同様チューイング性を持っていたが、口中での持続時間は通常のキャラメル(比較例6)と変わらないものであった。
【0053】
実施例11
チューインガムの調製を行った。本発明の油脂(合成例2)30重量%、砂糖52重量%、ぶどう糖5重量%、水飴10重量%、グリセリン2重量%、香料1重量%をチューインガム混合機に投入、均質混合を行ない、チューインガムを作成した。
【0054】
実施例12
チューインガムの調製を行った。
(ガムベースの調製)
とうもろこし蛋白(ツェイン、和光純薬(株))14重量%を、ショ糖脂肪酸エステル系乳化剤(DKエステルF−70、第一工業製薬(株))38重量%に80℃下で溶融させ、次に本発明の油脂(合成例2)48重量%と同じく80℃下で溶融させ、ガムベースを作成した。
(チューインガムの調製)
上記のガムベース22重量%、砂糖60重量%、ぶどう糖5重量%、水飴10重量%、グリセリン2重量%、香料1重量%をチューインガム混合機に投入、均質混合を行ない、チューインガムを作成した。
【0055】
実施例13
チューインガムの調製を行った。上記実施例12で、ショ糖脂肪酸エステル系乳化剤の代わりにモノグリセリン脂肪酸エステル(ポエムM−100、理研ビタミン(株))を用い、ガムベースを作成した。次に上記実施例12と同様の条件で、チューインガムを作成した。
【0056】
実施例14
チューインガムの調製を行った。上記実施例12で、とうもろこし蛋白(ツェイン)の代わりにグリアジン(アサマ化成(株))を用い、ガムベースを作成した。次に上記実施例12と同様の条件で、チューインガムを作成した。
【0057】
実施例15
チューインガムの調製を行った。ダンマル樹脂(南川化成(株))20重量%と本発明の油脂(合成例2)80重量%を130℃下で溶融させ、ガムベースを作成した。次に上記実施例12と同様の条件で、チューインガムを作成した。
【0058】
実施例16
チューインガムの調製を行った。上記実施例12で、ガムベースの調製はとうもろこし蛋白(ツェイン、和光純薬(株))12重量%を、ショ糖脂肪酸エステル系乳化剤(DKエステルF−70、第一工業製薬(株))35重量%に80℃下で溶融させ、これと、ダンマル樹脂(南川化成(株))13重量%と本発明の油脂(合成例2)40重量%を130℃下で溶融させたものを、80℃で溶融させ、ガムベースを作成した。次に、実施例12と同様の条件でチューインガムを作成した。
【0059】
比較例7
実施例12において使用する油脂を合成例6で得たものを用い、実施例12と同様にチューインガムを作成した。
【0060】
比較例8
実施例12において使用する油脂を合成例7で得たものを用い、実施例12と同様にチューインガムを作成した。
【0061】
実施例11〜16および比較例7〜8で得られたチューインガムについて、チューイング性を評価した。その結果を表5に示す。
【0062】
Figure 2004285228
【0063】
これらのチューインガムを試食したところ、実施例11のものは従来のチューインガムと遜色無い噛み心地、味覚を有しており、特に実施例12、13、14、15および16のものはより弾力を増していた。対し、比較例7のものはチューイング性を持たず硬めの噛み心地だった。比較例8のものはチューイング性を持たずかなり柔らかい食感であり、噛み進むにつれてその柔らかさが消失し、最終的には紙を噛む様な全く噛み応えの無い食感となった。
【0064】
【発明の効果】
本発明により、チューインガムのもつ噛み心地を可食素材で実現し、他の菓子類にも応用、新しいカテゴリーを提供することができる。

Claims (9)

  1. 構成脂肪酸の総炭素数が56以上であって、かつ炭素数20以上の飽和脂肪酸が1〜2分子、炭素数18の飽和脂肪酸が0〜1分子、炭素数18以上で且つ二重結合を2以上含む多価不飽和脂肪酸が1分子から成る、2飽和−1多価不飽和トリグリセリドを、油脂中に20%以上含むことを特徴とするチューイング性付与剤。
  2. 2飽和−1多価不飽和トリグリセリドを、油脂中に40%以上含むことを特徴とする請求項1記載のチューイング性付与剤。
  3. 2飽和−1多価不飽和トリグリセリドが、1,3位に飽和脂肪酸、2位に多価不飽和脂肪酸をもつトリグリセリドである請求項1乃至2記載のチューイング性付与剤。
  4. 構成脂肪酸の総炭素数が56以上であって、かつ炭素数20以上の飽和脂肪酸が1〜2分子、炭素数18の飽和脂肪酸が0〜1分子、炭素数18以上で且つ二重結合を2以上含む多価不飽和脂肪酸が1分子から成る、2飽和−1多価不飽和トリグリセリドを、油脂中に20%以上含むチューイング性付与剤を含有することを特徴とするチュ−イング性食品。
  5. チューイング性付与剤に、蛋白質および/または天然樹脂を含むことを特徴とする請求項4記載のチューイング性食品。
  6. 蛋白質がツェインまたはグリアジンである、請求項5記載のチューイング性食品。
  7. 蛋白質に低分子乳化剤を配合することを特徴とする請求項5乃至6記載のチューイング性食品。
  8. 低分子乳化剤がショ糖脂肪酸エステル、またはモノグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項7記載のチューイング性食品。
  9. 天然樹脂がダンマル樹脂である、請求項5記載のチューイング性食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009514539A (ja) * 2005-11-07 2009-04-09 シラル・ベルヒウム・ナムローゼ・フェンノートシャップ チューイング菓子とその製造方法
CN112165865A (zh) * 2018-05-25 2021-01-01 罗蒂株式会社 含有掺合明胶以外的蛋白质以及油脂的软糖的口香糖

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