JP2004283574A - 液体容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 液体容器(1B)を構成する保温性のある内容器(12)内の閉空間(12b)を、蓋構造(141)の閉鎖により気密閉鎖可能に構成する。閉空間内を不活性ガス雰囲気として貯留液体と大気との接触を遮断する。内容器と連通する注出バルブ(168)の開放時に、供給された不活性ガスの圧力により貯留された液体を排出可能に構成する。大気との遮断により液体の酸化劣化が有効に防止される。
【選択図】 図13
Description
請求項1記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項1の液体容器」という)は、外容器と、当該外容器内に収容された保温性のある内容器と、当該内容器の上部開口を開閉自在に気密閉鎖して当該内容器内に閉空間を形成可能な蓋構造と、当該内容器の閉空間に所定圧力の不活性ガスを供給するためのガス供給手段と、当該内容器の閉空間と外部とを連通可能とするバルブ構造と、当該内容器内に貯留された液体を当該閉空間を介して当該外容器外へ案内するための汲上パイプと、当該汲上パイプに設けた注出バルブと、を備えている。このような構成によって、当該注出バルブの開放時に、供給された不活性ガスの圧力により貯留された液体を排出可能に構成してあることを特徴とする。内容器の保温性は、その容器自体が有する保温性と、加熱装置や冷却装置によって保たれる保温性の双方を含む概念である。「蓋構造」は、単一又は複数の部材によって構成可能であり、内容器の開口を直接的又は間接的に閉鎖可能なすべての部材のことをいう。バルブ構造の開閉は、自動であっても手動であってもよい。また、バルブ構造は、閉空間内の圧力が所定値を超えたときに、内部の気体を逃がすためのパージバルブとしての機能を持ち合わせたものであってもよい。
請求項2記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項2の液体容器」という)は、請求項1の液体容器であって、前記蓋構造が、前記閉空間内の圧力が所定値以上となったときに自動パージするパージバルブを備えていることを特徴する。
請求項3記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項3の液体容器」という)は、請求項1又は2の液体容器であって、前記蓋構造が、供給された不活性ガスを加圧するための加圧構造を備えていることを特徴とする。加圧構造を設けるのは、供給される不活性ガスの圧力のみで液体の抜き取りのために充分な場合と、抜き取りには充分でないのため充分な圧力まで高める場合と、の何れの場合であってもよい。
請求項4記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項4の液体容器」という)は、請求項3の液体容器であって、前記加圧構造が、天板と底板との間にベローズを備え、当該底板に形成した開口を介してエアーポンプと前記閉空間とを連通可能に構成してあることを特徴とする。天板とベローズ及び底板とベローズは、それぞれを、たとえば、合成樹脂によって一体成形すれば簡単に製造することができるが、これ以外の方法により製造することもできる。さらに、天板又は底板は、必ずしも一枚板である必要はなく、適宜変形が可能である。
請求項5記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項5の液体容器」という)は、請求項3又は4の液体容器であって、前記注出バルブが、前記加圧構造による不活性ガスの加圧によって自動復帰可能に自動開放する逆止バルブにより構成してあることを特徴とする。加圧は連続的なものであってもよいし、断続的或いは波状的その他のものであってもよい。
請求項6記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項6の液体容器」という)は、請求項3乃至5の何れかの液体容器であって、前記ガス供給手段が、前記閉空間へ不活性ガスを送るガス通路とガス供給源とを含み、当該ガス通路には、ガス用逆止バルブを設けてあることを特徴とする。
請求項7記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項7の液体容器」という)は、請求項1乃至6何れかの液体容器であって、前記ガス供給手段が、不活性ガスの圧力を調整するためのレギュレータを設けてあることを特徴とする。
請求項8記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項8の液体容器」という)は、請求項1又は2の液体容器であって、前記閉空間内の不活性ガスの圧力が、0.001乃至0.1MPa、より好ましくは、0.003MPa以下に設定してあることを特徴とする。不活性ガスの圧力は大気圧よりも高ければ足り、この範囲に圧力を限定する趣旨ではないが、液体の円滑な抜き取りのためには、上記範囲に設定することが好ましい。
請求項9記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項9の液体装置」という)は、請求項1乃至8何れかの液体容器であって、前記蓋構造が、前記閉空間内に液体を注入するための注入逆止バルブを含むことを特徴とする。
図1及び2に基づいて説明する。液体容器1は、家庭用又は業務用のポット(魔法瓶)と略同じ外観に形成してあり、外観を構成する外容器2と、外容器2内に収容された保温性のある内容器12と、内容器12の上部開口12aを開閉自在に気密閉鎖して内容器12内に閉空間12bを形成可能な蓋構造7と、外容器2の上部と蓋構造7との間に配した肩部材8と、内容器12内に貯留された液体を閉空間12bを介して外容器2外へ案内するための汲上パイプ(汲上管)21と、汲上パイプ21に設けた第1バルブ構造(液体注出用逆止弁)80と、から概ね構成してある。外容器2は、スチールや合成樹脂を加工することによって製造することができ、内容器12は、保温性(恒温性)を保持するために真空二重ガラス瓶によって構成してある。内容器12には、これにヒーター(図示を省略)等を設けて保温させるようにしてもよい。
図1乃至5に示すように、蓋構造7は、蝶番27を介して肩部材8に取り付けてあり、これによって、蓋構造7は、内容器12の上部開口12aを開閉可能になっている。蓋構造7の肩部材8へのロックは、両者間に構成したロック構造(図示を省略)により行われる。蓋構造7は、椀を逆さにしたような形状のカバー板7aを備え、カバー板7aが囲む空間内にエアーポンプ(加圧構造)4を受け入れている。カバー板7aは、合成樹脂製であって、その一部が前述した注水管カバー9と一体化している。エアーポンプ4は、ベローズ5とその上下にあるポンプ天板51及びポンプ底板52とを、それぞれ接着させることにより形成してある。ポンプ天板51の略中央には、後述するバルブ構造60を取り付けるための弁取付穴56を形成してある。弁取付穴56の周囲は、これを屈曲部51aを介して弁取付穴56内に折り下げてある。折り下げた部分を、本明細書では、折り下げ部51bと呼ぶことにする。ポンプ底板52の略中央には、エアーポンプ4の内外を連通させるための開口58を貫通形成してある。エアーポンプ4は、これを、合成樹脂により一体に成形してもよい。
エアーポンプ4の上部には、エアーポンプ4を作動させるときに押圧するポンプ押板6を配してある。ポンプ押板6は、円形の天板6jと、天板6jの周縁から垂下する側壁6kと、からなる短尺円筒形に形成してあり、その内部にエアーポンプ4のポンプ天板51の一部を収納可能に構成してある。天板6jにはガス逃し穴6dを貫通形成してあり、天板6jの裏側、すなわち、ポンプ天板51側には、内容器12aの閉空間12bと外部とを連通するためのバルブ構造60の一部となるバルブ構造本体6aを設けてある。本実施形態におけるバルブ構造60は、ポンプ底板の開口58と、バルブ構造本体6aと、ガス逃がし穴6dと、により構成してある。バルブ構造本体6aについては、後述する。図3及び4に示すように、側壁6kの外周面には、互いに対向する所定幅の突条6g,6gを設けてある。図3に示すように、各突条6gの上端面は、天板6jの上面より僅かに低く、すなわち、側壁6kの外周面との間に段部が形成されるように設定してある。なお、図4に示す符号6fは、ポンプ押板6を回動操作するための操作つまみを示している。操作つまみ6fは、天板6jに指先が入る程度の凹部を2箇所形成し、それらの凹部間に挟まれた部分を摘めるようにしてなるものである。
図1乃至4に示すように、カバー板7aとポンプ天板51との間には、操作ロック蓋53を配してある。操作ロック蓋53は、上から見た形状が略ドーナッツ状に形成してあり、カバー板7aとポンプ天板51との間に挟持された状態でポンプ押板6の周りを回動可能に構成してある。操作ロック蓋53の回動は、その上面から突き出すロックノブ54を、回動方向に操作することにより行う。ロックノブ54はカバー板7aを貫通する長溝7dを介してカバー板7aの外部に突き出している。操作ロック蓋53は、図3が示すように、断面形状が逆L字状の筒壁部55と、筒壁部55の下端からポンプ天板51に沿ってポンプ押板6方向に突き出る水平突縁55aを備えている。水平突縁55aは、所定幅を操作ロック蓋53の回動方向(図3の紙面厚み方向)に有しており、図3における向かって左側にある水平突縁55aは突条6gの紙面厚み方向手前に位置し、同じく右側の水平突縁55aは突条6gの紙面厚み方向裏側に位置する。したがって、図3における状態のときの突条6g,6gは何れも水平突縁55a,55aと接触する位置にない。このため、水平突縁55a,55aに邪魔されることなくポンプ押板6を押し下げることができる。本実施形態におけるポンプ押板6の押し下げ可能位置は、図4において位置符号Paと逃し穴6dとが一致する位置にポンプ押板6が位置するときに設定してあるが、ポンプ押板6を時計回りに回動させて位置符号Pbと逃し穴6dを一致させたときは、次項で述べるように設定してある。
図4に示すように、回動により位置符号Pbと逃し穴6dとを一致させると、その回動に伴い突条6g,6gと細長溝7g,7gとが位置的に一致して開口縁70aの規制から外れる。このとき、ポンプ押板6とガイド壁70との間に形成した押上構造によってポンプ押板6が上昇する。本実施形態では、ポンプ押板6の突条6g,6gとガイド壁70との間に形成した螺旋構造が、この押上構造として機能する。具体的には、ガイド壁70から突き出る螺旋突条70d,70dと螺旋突条70d,70dに対応して突条6g,6gに形成した螺旋溝6p,6pとがネジ結合可能に構成してある(螺旋突条と螺旋溝は、上記と逆の位置関係にあってもよい)。図3の向かって左側にある螺旋突条70d及び螺旋溝6pは、紙面手前から裏に向かって上方向に延び、同じく右側の螺旋突条70d及び螺旋溝6pは紙面裏側から手前に向かって上方向に延びている。したがって、図3に示すポンプ押板6を時計方向(紙面手前から裏方向)に回動させれば、ポンプ押板6を上昇させることができる。この上昇に伴い突条6g,6gは、細長溝7g,7g(図4参照)から抜けて開口縁70aの規制から外れることになる。なお、細長溝7g,7gが、螺旋構造により斜め方向に上昇する突条6g,6gを通過可能な寸法に形成してあることは言うまでもない。ポンプ押板6の上昇にともない、バルブ構造60の主要構成要素であるバルブ構造本体6aが作動する。
図3に基づいて説明する。バルブ構造本体6aは、ポンプ天板51にある弁取付穴56に取付可能な形状に形成してある。すなわち、バルブ構造本体6aは、ポンプ押板6の天板6jの下面中央から垂下する円筒部6bと、円筒部6bの外側にスライド可能に嵌め込み可能なスライド円筒体65とから概ね構成してある。円筒部6bは、天板6jの裏面からポンプ天板51の弁取付穴56を貫通する位置まで届く長さに形成してあり、弁取付穴56の内径に対して図3に示すような外径に形成してある。円筒部6bは、液体注出時(位置符号Paと逃し穴6dとを一致させた位置)において天板6jの上面より下の位置にまで届く縦スリット6u,6uを備え、縦スリット6u,6uの下端に段部6w,6wを備えている。円筒部6bの中には、復帰スプリング6cを配してある。
図3に基づいて説明する。図3において実線で示すバルブ構造60は、上述したようにエアーポンプ4の内外を気密閉鎖している。ここで、ポンプ押板6を時計方向(紙面手前から裏方向)に回動すると、螺旋突条70d,70dと螺旋溝6p,6pとの間のネジ作用によってポンプ押板6が押し上げられる。この押上によって円筒部6bが上昇するが、この上昇により円筒部6bの段部6w,6wが鍔状フランジ61の突片61a,61aに当接し、さらなる上昇によりスライド円筒体65を引き上げてガスケット64をポンプ天板51の屈曲部51aから引き離す。この引き離しによりガスケット64と屈曲部51aとの間に通路が形成され、この通路とスリット62sとが連通して全体としてエアーポンプ4の内外が連通する(図5参照)。すなわち、エアーポンプ4の内部は、ポンプ底板52の開口58を介して内容器12の閉空間12bと、エアーポンプ4の外部はポンプ押板6の逃し穴6dを介して外部と、それぞれ連通しているので、バルブ構造60の開放が閉空間12bと外部とを連通させること、すなわち、パージ通路を形成することになる。他方、バルブ構造60の閉鎖は、ポンプ押板6を反時計方向(図3の紙面裏から手前方向)に回動させ、螺旋突条70d,70dと螺旋溝6p,6pとの間のネジ作用を開放の場合と逆方向に作用させてポンプ押板6とともにスライド円筒体65を下降させることによって行うことができる。
図1及び2に基づいて説明する。逆T字型の弁操作体82は、第1バルブ構造80の開閉を決定するための部材である。第1バルブ構造80の開閉を司るのは弁球81であって、この弁球81は横棒82aと連動することは、既に説明した。弁操作体82は、この横棒82aを構成要素の一つとする。すなわち、弁操作体82は、この横棒82aと横棒82aからほぼ垂直に起立する垂直杆82bと、から概ね構成してあり、垂直杆82bは、肩部材8のスライド支持路80cと連通して起立する起立支持路80pによって支持され、その上部はポンプ底板52を貫通する通し穴52aを抜けてエアーポンプ4の側方にまで延びている。起立支持路80pは、垂直杆82bを横棒82aのスライドに合わせた横方向(図1の左右方向)の移動を許容可能に構成してある。通し穴52aも、この横方向の移動を許容する。エアーポンプ4の側方に位置する垂直杆82b上部には、ロック蓋53との間にカム構造59を構成してある。カム構造59は、垂直杆82b側に形成したテーパー面(図1の紙面裏側に位置する)と、ロック蓋53側に形成したテーパー面(図1の垂直杆82bに隠れて見えない)との係合により、弁操作体82を図1に示す状態、すなわち、弁球81がシール材81sに押し付けられた状態(注出不能な状態)に強制保持するためのものである。前述したように、ロック蓋53は、ロックノブ54の操作により水平方向に回動可能に構成してあるが(図4参照)、このロックノブ54がロック状態にあるときに、上記した注出不能な状態となる。逆に、ロックノブ54を時計回り方向に回動してロック解除状態にしたときは、図1に示す状態においてロック蓋53のテーパー面が垂直杆82bのテーパー面から紙面裏面から離れる方向に移動してカム構造59の係合が解除される。ロックが解除されれば、垂直杆82bの移動、すなわち、横棒82aを介した弁球81の移動が可能になる。すなわち、注出可能となる。
図1に示すように、内容器12は、内容器受板13の中心部から起立する内容器受筒壁14により下方から支持されている。内容器受板13と液体容器1の底部材3との間には空間部Sを形成してあり、この空間部S内には、不活性ガスである窒素ガスを封入したガスボンベ15を配してある。ガスボンベ15の上方には、内容器受板13の下面に取り付けたレギュレータ16を配してある。ガスボンベ15とレギュレータ16とは、給入接続部17を介して接続してあり、給入接続部17には、元圧力開閉弁(図示を省略)内蔵させてある。給入接続部17には、弁杆19を介して元圧弁ノブ18を、細管33を介して元圧力計32を、それぞれ接続してある。レギュレータ16には、さらに、チューブ状の連通管31を接続してあり、連通管31の上端は第2バルブ構造90に接続してあり、ガスボンベ15から第2バルブ構造90へ不活性ガスを供給可能に構成してある。以上述べた各部材が結合して、本実施形態におけるガス供給手段を構成する。
図6及び7に基づいて説明する。上述した本実施形態におけるガスボンベ15は、カートリッジタイプとして交換可能に構成することが好ましい。具体的な構造としては、たとえば、外容器2の底部に回動可能に篏着されたロックリング11と、ガスボンベ15をセットした底部材3とから構成される構造を好適に用いることができる。底部材3の外周壁には、ロックフィンガ3a及びキー3bが突設してあり、このキー3bは、外容器2の底部に形成したキー溝2bに篏着(嵌め込み)可能に形成してある。また、前記ロックリング11の内周壁には、底部材3のロックフィンガ3aと係合するロックフィンガ11aが突設してある。
図1乃至5を参照しながら説明する。ここでは、コーヒーを貯留液体とする。まず、蓋構造7のロック(図示を省略)を解除して蓋構造7を外容器2に対して開放する(図2参照)。開放によって閉空間12bも開放され、内容器12の上部開口12aが露出する。ここで、予め抽出してあるコーヒーを内容器12内に注ぎ入れる。注入が完了したら蓋構造7を閉鎖してロックを行う。このとき、内容器12内の閉空間12bには、コーヒーと大気とが混在している。次は、大気と不活性ガスとの置換作業を行う。まず、ポンプ押板6を時計周りに回動させて位置符号Pbと逃し穴6dとを一致させると(図4参照)、その回動に伴う押上構造の作用によってポンプ押板6が上昇する。ポンプ押板6の上昇により、バルブ構造60が開放して閉空間12bと外部とが、エアーポンプ4の内部を介して連通状態になる。ここで、給入接続部17を操作してガスボンベ15から連通管31を介して第2バルブ構造90に不活性ガスを供給する。不活性ガスの供給は、ポンプ押板6の回動操作の前から始めてもよい。
図8及び9に基づいて説明する。上述した本実施形態と第1変形例との間で異なるのは、前者が有していたエアーポンプを後者が有していない点、及び、前者の注出バルブが自動開閉するのに対し後者の注出バルブは使用者の操作に係る点、である。このため、以下の説明においては、この2点に関連する部分を中心に行い、両者共通する部分についての説明は図1乃至7で使用した符号と同じ符号を図8及び9に使用するにとめ可能な範囲において省略する。後述する第2変形例についても、適用図面が異なるだけで同じ扱いとする。
バルブ構造60´は、本実施形態に係るバルブ構造60と同様に、パージ機能と安全弁としての機能とを兼ね備えている。バルブ構造60´は、天板41を貫通する取付穴41hに嵌め込んであり、全体として糸巻きに類似した形状を有している。バルブ構造60´は、円筒体60´aの上下に、それぞれ上フランジ部60´c及び下フランジ部60´bを有し、円筒体60´aの内部にはスプリング60´sを配してある。スプリング60´sは、頂部に位置する可動板60´dを介して突起63を下方から出没自在に支持している。上フランジ部60´cは、環状パッキン60´pを介して取付穴41hの周縁と上から係合してバルブ構造60´全体を、天板41に支持させる機能を有している。符号63aは、突起63の自立を補助するためのブリッジ部材を示している。ブリッジ部材63aは、突起63の出没を許容する。図8に示すように、カバー板7aの底面から垂下する円筒状の周壁7bを備えており、蓋構造7の閉鎖時に、この周壁7bは突起63の先端と当接してこれを押圧可能に構成してある。図9に示すように、周壁7bによる押圧は、蓋構造7の開放によって解除されるようになっている。
天板41の上に形成した中蓋プラグ(注入逆止バルブ)43は、蓋構造7の閉鎖に影響がない高さに設定してあり、中蓋プラグ43の使用は、図9に示すように、蓋構造7を開放して行うようにしてある。中蓋プラグ43は、中蓋40を取り外すことなく、すなわち、閉空間12bを開放することなく内容器12内にコーヒー(液体)を注入可能とするためのプラグである。中蓋プラグ43は、天板41の上面から起立円筒体43aと、円筒体43aを縦方向に貫通する中空部43bと、中空部43bの下部を閉鎖する穴付底部43cと、中空部43bの上部を閉鎖する穴付パッキン43dと、中空部43b内で底部43cの上に載置したスプリング43eと、スプリング43eによって下方から付勢させた逆止弁45と、から構成してある。円筒体43aは、これを天板41と一体に構成するのが製造を簡易なものとする上で好ましいが、別体に構成することもできる。逆止弁45の先端は、スプリング43eによって常に穴付パッキン43dに弾発的に押し付けられており、これによって、中空部43bが開放可能に気密閉鎖されるようになっている。円筒体43aの上部外周には、環状の受入溝43fを形成してある。底部43cは、その一部が天板41の下面より突き出すように形成してあり、その突き出し部分に給液管44を接続してある。
嵌合する際に、突起95kは、図9の拡大図が示すように、逆止弁45に当接する。この当接によって逆止弁45を押し入れて穴付パッキン43dの穴を開放する一方、スプリング43eの付勢力により逆止弁95jも僅かに押し戻されて閉鎖パッキン95fの穴を開放する。この時点で給液パイプ96が注液継手95と中蓋プラグ43を介して閉空間12bと連通する。すなわち、コーヒーを注入可能(給液可能)な状態になる。コーヒーの注入は、図外の不活性ガス供給装置が供給する不活性ガスの圧力を用いて行うことが好ましい。不活性ガスによる注入は、不活性ガスに押されたコーヒーが給液パイプ96内を移動することになるが、不活性ガスであれば、コーヒーとともに、又は、コーヒーの後に注入されても閉空間12b内の不活性ガス雰囲気を害することにならないからである。
注出バルブ100は、穴付シール材101と、穴付シール材101押し付け可能な弁球102と、弁球102を開閉方向に移動させるための弁球移動路103と、弁球移動路103に固定した棒状の弁操作体104と、弁操作体104を気密移動可能に支持する支持部105と、弁球102を常に閉鎖方向に付勢するために弁球移動路103内に配したスプリング106と、を備えている。弁操作体104は、カム構造107を介して操作レバー108の回動操作により、弁球102とともに開閉方向に移動可能に構成してある。すなわち、スプリング106の付勢力により弁球102は常に穴付シール材101に押し付けられて注出バルブ100は閉鎖状態にあるが、操作レバー108を回動操作するとカム構造107の働きにより弁操作体104が開放方向(図8の右から左方向)に引き寄せられ、これに伴って弁球102も同方向に引き寄せられて穴付シール材101との間の気密性が解除される。すなわち、注出バルブ100が開放状態になる。なお、スプリング106の付勢力が、閉空間12bに供給される不活性ガスの圧力より大きく設定してあることは言うまでもない。小さいとすると、注出バルブ100を閉鎖状態に保つことができなくなってしまうからである。
図10乃至14に基づいて説明する。本実施形態の第2変形例に係る液体容器1Bは、基本的に前述した第1変形例に係る液体容器1Aと同じ動作原理により液体の貯留・注出を行えるように構成してある。液体容器1Bが液体容器1Aと大きく異なるのは、不活性ガスの供給構造及びパージ弁の構造である。後者で採用した加圧による不活性ガスの逆流を阻止するための第2バルブ構造を前者では省略してレギュレータにその役割を担わせた点と、後者ではパージ機能と安全弁機能を併用していたバルブ構造を前者では各々独立したバルブによって構成した点である。以下においては、この異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態と共通する部材については、前述したように必要な範囲についてのみ説明を行う。
図10乃至13に基づいて説明する。不活性ガスの供給構造(ガス供給手段)171は、不活性ガスを貯留するためのガスタンク172と、ガスタンク172のガス圧を減じるためのレギュレータ176と、により概ね構成してあり、レギュレータ176の出力側が供給パイプ167を介して供給バルブ161に接続してある。レギュレータ176は、圧力調整用のハンドル178を備えており、ハンドル178は、カバー部材146の外部から操作できるようになっている。供給パイプ167内のガス圧は、デジタル圧力計177によって監視可能に構成してある。デジタル圧力計177の表示部は、カバー部材146に設けた窓部147から外部に臨ませてあり、カバー部材146を閉鎖状態で圧力の読み取りを行えるように構成してある。ガスタンク172の内圧は圧力計173により監視可能に構成してあり、バルブ174を介してガスタンク172内に外部(たとえば、不活性ガス発生装置)から不活性ガスを充填可能に構成してある。充填可能とすることにより、ガスタンク172の取り替えが不要となるしガスタンク172を何度も使用できるので経済的である。符号175は、ガスタンク172とレギュレータ176との間に配した不活性ガス放出用のバルブを示している。レギュレータ176やデジタル圧力計177等は、取付部材179を介して外容器2にねじ固定してある。
図15乃至17に基づいて説明する。第2変形例に係る液体容器1Bを用いて、貯留コーヒーの経時変化についての実験を行った。実験項目及び分析機器は、図15の図表が示す通りである。実験対象となるコーヒーは、次の手順で入手した。まず、コーヒー粉から所定量の湯によりコーヒーを2回抽出し、抽出したコーヒーを混合した。混合したコーヒーの半分を液体容器1Bへ、残りの半分を液体容器1Bと同等の液体容器C(図示を省略)へ、それぞれ蓋構造を開放して注ぎ入れた。その後、直ちに液体容器1Bの内部に不活性ガス(窒素ガス)を供給し(圧力0.002MPa)、供給と同時に排気バルブ162を約90秒間開放して閉空間12b内を不活性ガス雰囲気とした(図13参照)。液体容器Cの内部は大気のままとした。実験結果は、図16の図表が示す通りである。図16の図表における変化率は、抽出後の経過時間(図表の縦軸)が0(ゼロ)分のときの測定値を1としたときの経時毎(60分、180分、480分)の測定値割合を示している。なお、以下の説明では、液体容器1Bに貯留したコーヒーを「コーヒー1B」と、液体容器Cに貯留したコーヒーを「コーヒーC」と、それぞれ呼ぶことにする。
2 外容器
2b キー溝
3 底部材
3a,11a ロックフィンガ
3b キー
4 エアーポンプ
5 ベローズ
6 ポンプ押板
7 蓋構造
8 肩部材
9 注出管カバー
10 給液部
10a シール材
11 ロックリング
12 内容器
12a 上部開口
12b 閉空間
13 内容器受板
14 内容器受筒壁
15 ガスボンベ(ガス供給源)
16 レギュレータ
17 給入接続部
18 元圧弁ノブ
19 弁杆
21 汲上パイプ(汲上管)
22 注出管
27 蝶番
31 連通管
32 元圧力計
33 細管
40 中蓋
43 中蓋プラグ
44 給液管
45 逆止弁
51 ポンプ天板
52 ポンプ底板
53 操作ロック蓋
54 ロックノブ
55 筒壁
56 弁取付穴
57 ポンプ内圧計
58 開口
59 カム構造
60,60´ バルブ構造
70 ガイド壁
80 第1バルブ構造
81 弁球
82 逆T字型操作体
90 第2バルブ構造
91 弁球
95 注液継手
96 給液パイプ
100 注出バルブ
102 弁球
104 弁操作体
107 カム構造
108 操作レバー
141 蓋構造
143 蓋構造本体
144 キャップ部
146 カバー部材
147 窓部
148 ヒンジ
151 肩部材
153 中蓋
161 供給バルブ
162 排気バルブ
163 パージバルブ
164 給液バルブ
166 給液管
167 供給パイプ
168 注出バルブ
171 不活性ガス供給構造
172 ガスタンク
173 圧力計
174,175 バルブ
176 レギュレータ
177 デジタル圧力計
178 ハンドル
179 取付部材
S 空間部
Claims (9)
- 外容器と、
当該外容器内に収容された保温性のある内容器と、
当該内容器の上部開口を開閉自在に気密閉鎖して当該内容器内に閉空間を形成可能な蓋構造と、
当該内容器の閉空間に所定圧力の不活性ガスを供給するためのガス供給手段と、
当該内容器の閉空間と外部とを連通可能とするバルブ構造と、
当該内容器内に貯留された液体を当該閉空間を介して当該外容器外へ案内するための汲上パイプと、
当該汲上パイプに設けた注出バルブと、を備え、
当該注出バルブの開放時に、供給された不活性ガスの圧力により貯留された液体を排出可能に構成してある
ことを特徴とする液体容器。 - 前記蓋構造が、前記閉空間内の圧力が所定値以上となったときに自動パージするパージバルブを備えている
ことを特徴とする請求項1記載の液体容器。 - 前記蓋構造が、供給された不活性ガスを加圧するための加圧構造を備えている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器。 - 前記加圧構造が、天板と底板との間にベローズを備え、
当該底板に形成した開口を介してエアーポンプと前記閉空間とを連通可能に構成してある
ことを特徴とする請求項3記載の液体容器。 - 前記注出バルブが、前記加圧構造による不活性ガスの加圧によって自動復帰可能に自動開放する逆止バルブにより構成してある
ことを特徴とする請求項3又は4記載の液体容器。 - 前記ガス供給手段が、前記閉空間へ不活性ガスを送るガス通路とガス供給源とを含み、当該ガス通路には、ガス用逆止バルブを設けてある
ことを特徴とする請求項3乃至5何れか記載の液体容器。 - 前記ガス供給手段が、不活性ガスの圧力を調整するためのレギュレータを設けてある
ことを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の液体容器。 - 前記閉空間内の不活性ガスの圧力が、0.001乃至0.1MPaに設定してある
ことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器。 - 前記蓋構造が、前記閉空間内に液体を注入するための注入逆止バルブを含む
ことを特徴とする請求項1乃至8何れか記載の液体容器。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2074917A1 (en) * | 2007-12-28 | 2009-07-01 | Sataco Co., LTD. | Coffee machine |
KR101190168B1 (ko) | 2012-04-23 | 2012-10-12 | 리브가 푸드시스템 주식회사 | 차 제조장치 |
KR20120121915A (ko) * | 2010-02-12 | 2012-11-06 | 큐릭, 인코포레이티드 | 가열 탱크로의 자동화된 물 전달을 통한 음료 제조용 장치 및 방법 |
-
2004
- 2004-03-05 JP JP2004061651A patent/JP2004283574A/ja active Pending
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KR101976851B1 (ko) | 2010-02-12 | 2019-05-09 | 큐리그 그린 마운틴, 인크. | 가열 탱크로의 자동화된 물 전달을 통한 음료 제조용 장치 및 방법 |
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