JP2004283574A - 液体容器 - Google Patents

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Eiji Yoshida
英治 吉田
Yusuke Yoshida
勇介 吉田
Kagenori Nagao
景紀 長尾
Tomomi Kudo
智実 工藤
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Abstract

【課題】 貯留した液体の酸化劣化を効果的に抑制するとともに、貯留液体を少量づつ排出した際にも、その抑制効果を持続することのできる液体容器を提供する。
【解決手段】 液体容器(1B)を構成する保温性のある内容器(12)内の閉空間(12b)を、蓋構造(141)の閉鎖により気密閉鎖可能に構成する。閉空間内を不活性ガス雰囲気として貯留液体と大気との接触を遮断する。内容器と連通する注出バルブ(168)の開放時に、供給された不活性ガスの圧力により貯留された液体を排出可能に構成する。大気との遮断により液体の酸化劣化が有効に防止される。
【選択図】 図13

Description

この発明は、コーヒーや紅茶等の各種飲料用液体や、飲料用液体以外の液体を貯留するための液体容器であって、特に、酸化による貯留液体の品質劣化(酸化劣化)を抑制可能とする液体容器に関するものである。
貯留した飲料用液体を貯留しておくための液体容器として、家庭用の押し型ポットがある(特許文献1参照)。この種の液体容器は、コーヒーや茶類を抽出するための湯を貯めておくためのものが一般的であるが、湯の代わりにコーヒーや紅茶等を貯めるために使用されることもある。
特開平7−163471号公報参照(図1参照)
しかしながら、従来の液体容器内に、たとえば90度前後のコーヒーを貯留しておくと、時間の経過とともに、そのコーヒーの色が変わったり味が悪くなったりしてしまう。これは、主として、液体容器内の空気(酸素)が反応して、コーヒーを劣化(酸化)させてしまうからであって、問題とされていた。紅茶その他の飲料等についても、コーヒーの場合と同じ問題が生じる。さらに、高温の場合だけでなく、清涼飲料水等の液体を低温貯留しておく場合にも、同じく劣化の問題が指摘されている。
本発明は、上記の問題を解決することを目的とする。すなわち、液体容器内に貯留した液体の酸化劣化を効果的に抑制するとともに、貯留液体を少量づつ排出した際にも、その抑制効果を持続することのできる液体容器を提供することが、本発明の目的である。
上記目的を達成するために発明者は、まず、液体容器内を大気と遮断した閉空間として構成し、その上で、この閉空間内の大気(空気)を不活性ガスに置換可能に構成した。これによって、大気と貯留液体との接触を断つことができるので、酸化劣化を効果的に抑制することができた。その詳しい構成については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項記載の発明を説明するに当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項記載の発明にも適用されるものとする。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項1の液体容器」という)は、外容器と、当該外容器内に収容された保温性のある内容器と、当該内容器の上部開口を開閉自在に気密閉鎖して当該内容器内に閉空間を形成可能な蓋構造と、当該内容器の閉空間に所定圧力の不活性ガスを供給するためのガス供給手段と、当該内容器の閉空間と外部とを連通可能とするバルブ構造と、当該内容器内に貯留された液体を当該閉空間を介して当該外容器外へ案内するための汲上パイプと、当該汲上パイプに設けた注出バルブと、を備えている。このような構成によって、当該注出バルブの開放時に、供給された不活性ガスの圧力により貯留された液体を排出可能に構成してあることを特徴とする。内容器の保温性は、その容器自体が有する保温性と、加熱装置や冷却装置によって保たれる保温性の双方を含む概念である。「蓋構造」は、単一又は複数の部材によって構成可能であり、内容器の開口を直接的又は間接的に閉鎖可能なすべての部材のことをいう。バルブ構造の開閉は、自動であっても手動であってもよい。また、バルブ構造は、閉空間内の圧力が所定値を超えたときに、内部の気体を逃がすためのパージバルブとしての機能を持ち合わせたものであってもよい。
請求項1の液体容器によれば、蓋構造を開放して内容器内に液体を入れた後に蓋構造を閉鎖する。この時点で、内容器内に大気が封入された閉空間が形成される。バルブ構造を開放すると、一時的に内容器内外が連通するが、このとき、ガス供給手段によって閉空間内に不活性ガスを供給する。不活性ガスを供給することによって、閉空間内の大気が徐々にバルブ構造を抜けて外部に流出する。閉空間内が不活性ガス雰囲気(不活性ガスによる大気の希釈)となったところで、バルブ構造を閉鎖すれば、内容器内の液体と大気との接触が遮断され、液体の劣化が将来に渡って有効に抑制される。他方、閉空間内は不活性ガスによって所定圧力(大気圧より高い圧力)に保たれる。注出バルブを開放すると、液面を介して不活性ガスの圧力を受けていた貯留液体が、不活性ガスの圧力によって汲上パイプの中に押し上げられる。押し上げられた液体は、そのまま汲上パイプに案内されながら閉空間を抜け、注出バルブから外部へ抜き取られる(注出される)。液体の抜き取りは、注出バルブの閉鎖により終了する。閉空間内には不活性ガスが連続供給され、液体が抜き取られた容積に該当する分が補充される。これで閉空間内は所定圧力に保たれる。上記手順で注出バルブの開閉を再度行えば、貯留液体が残っている限り何回でも液体の抜き取りを行うことができる。再度の抜き取りの際も、抜き取られた分に見合う不活性ガスが供給され、閉空間内の圧力は一定に保たれる。液体の抜き取りに際して大気が閉空間内に進入することはない。貯留液体は、内容器の保温性により保温され、また、不活性ガスの働きにより劣化が抑制される。請求項1の液体容器は、内容器内に入れた液体を、入れたときの温度と品質を可及的に変化させることなく長時間に渡って保存することができる。さらに、長時間の保存ができることによって、できないとすれば品質低下を理由に液体を廃棄しなければならないであろうことを行わなくて済むため、廃棄による経済的損失を防止することができる。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項2の液体容器」という)は、請求項1の液体容器であって、前記蓋構造が、前記閉空間内の圧力が所定値以上となったときに自動パージするパージバルブを備えていることを特徴する。
請求項2の液体容器によれば、請求項1の液体容器の作用効果に加え、何らかの理由により閉空間内の圧力が所定値以上に高まった場合に、閉空間内の気体を自動パージして圧力を所定値以下に戻すことができる。すなわち、閉空間内の圧力が所定値以上に高まると、たとえば、液体抜き取りの際に抜き取ろうとする液体が急激に噴出して撒き散らされる等の不都合が考えられるが、所定値以下に抑えておくことによってそのような不都合を未然に防止することができる。安全性をより高めることにも貢献する。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項3の液体容器」という)は、請求項1又は2の液体容器であって、前記蓋構造が、供給された不活性ガスを加圧するための加圧構造を備えていることを特徴とする。加圧構造を設けるのは、供給される不活性ガスの圧力のみで液体の抜き取りのために充分な場合と、抜き取りには充分でないのため充分な圧力まで高める場合と、の何れの場合であってもよい。
請求項3の液体容器によれば、請求項1又は2の液体容器の作用効果に加え、加圧構造の加圧により供給された不活性ガスの圧力を高めることができる。供給される不活性ガスの圧力のみで液体の抜き取りのために充分な場合の加圧構造は圧力を高めてより円滑な抜き取りを行うことを可能とするし、抜き取りには充分でないのため充分な圧力まで高める場合の加圧構造は加圧によって抜き取りができるようにする。
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項4の液体容器」という)は、請求項3の液体容器であって、前記加圧構造が、天板と底板との間にベローズを備え、当該底板に形成した開口を介してエアーポンプと前記閉空間とを連通可能に構成してあることを特徴とする。天板とベローズ及び底板とベローズは、それぞれを、たとえば、合成樹脂によって一体成形すれば簡単に製造することができるが、これ以外の方法により製造することもできる。さらに、天板又は底板は、必ずしも一枚板である必要はなく、適宜変形が可能である。
請求項4の液体容器によれば、請求項3の液体容器の作用効果に加え、天板を直接的に又は間接的に押し下げることによりベローズが縮んで天板と底板間の距離が短くなる。すなわち、エアーポンプ内の体積が縮小する。この縮小によってエアーポンプ内にあった不活性ガスが開口を介して閉空間に押し出され、その分、閉空間内の不活性ガス圧力が高まる。すなわち、不活性ガスが加圧され、この圧力が液体の円滑な抜き取りを実現させる。単純な構造ではあるが、エアーポンプによれば不活性ガスの加圧を効率よく行うことができる。
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項5の液体容器」という)は、請求項3又は4の液体容器であって、前記注出バルブが、前記加圧構造による不活性ガスの加圧によって自動復帰可能に自動開放する逆止バルブにより構成してあることを特徴とする。加圧は連続的なものであってもよいし、断続的或いは波状的その他のものであってもよい。
請求項5の液体容器によれば、請求項3又は4の液体容器の作用効果に加え、加圧構造による加圧が行われたときに、これに対応して注出バルブが開放して液体の抜き取りを許容する。加圧が停止したとき、又は、一旦加圧した圧力が液体抜き取りにより所定値以下まで低下したとき、注出バルブは閉鎖状態に自動復帰して液体の抜き取りを阻止する。注出バルブは逆止バルブであるため、液体の抜き取りは許容するが、抜き取りと逆方向に流入しようとする大気は阻止する。
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項6の液体容器」という)は、請求項3乃至5の何れかの液体容器であって、前記ガス供給手段が、前記閉空間へ不活性ガスを送るガス通路とガス供給源とを含み、当該ガス通路には、ガス用逆止バルブを設けてあることを特徴とする。
請求項6の液体容器によれば、請求項3乃至5何れかの液体容器の作用効果に加え、加圧手段の加圧によって閉空間内の不活性ガスの圧力が高まることになるが、この高まった圧力によって不活性ガスがガス通路を逆流することを防止する。したがって、加圧手段を持たない液体容器は、加圧による逆流がないのでガス用逆止バルブを必ずしも備えていなくてよい。不活性ガスの逆流は、ガス供給源から供給される不活性ガスの圧力の高さが逆流しようとする不活性ガスの圧力より高い、等の理由により生じない場合もあり得るが、ガス用逆止バルブを設けることによりガス供給源に余分な負担を掛けないで済む。よって、たとえば、ガス供給源の構造を簡略化したり、ガス供給能力の低いものを採用したりすることが可能になる。
(請求項7記載の発明の特徴)
請求項7記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項7の液体容器」という)は、請求項1乃至6何れかの液体容器であって、前記ガス供給手段が、不活性ガスの圧力を調整するためのレギュレータを設けてあることを特徴とする。
請求項7の液体容器によれば、請求項1乃至6何れかの液体容器の作用効果に加え、レギュレータを設けることによって、不活性ガスの圧力調整やこれに伴う供給量の調整を的確かつ円滑に行うことができる。不活性ガスの的確かつ円滑な供給は、閉空間内の不活性ガスの圧力を安定化させる。この結果、貯留液体の安定した保存と円滑な抜き取りが促進される。
(請求項8記載の発明の特徴)
請求項8記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項8の液体容器」という)は、請求項1又は2の液体容器であって、前記閉空間内の不活性ガスの圧力が、0.001乃至0.1MPa、より好ましくは、0.003MPa以下に設定してあることを特徴とする。不活性ガスの圧力は大気圧よりも高ければ足り、この範囲に圧力を限定する趣旨ではないが、液体の円滑な抜き取りのためには、上記範囲に設定することが好ましい。
請求項8の液体容器によれば、閉空間内の不活性ガスの圧力が、0.001乃至0.1MPa設定してあることにより、請求項1又は2の液体容器の作用効果が円滑に生じる。すなわち、貯留液体を押し上げるためには供給される不活性ガスの圧力は大気圧よりも高いことが必要であるが、その圧力が0.001MPa未満であると圧力が弱すぎるため液体の抜き取りに時間がかかりすぎるので円滑とは言えないし、0.1MPaを超えると圧力が高すぎるため注出バルブから出るときの液体が撒き散らされる場合があるため円滑とは言えないからである。ただ、抜き取りが円滑であるかどうかは、抜き取ろうとする液体の性質(含有物の種類、粘度の違い)や、汲上パイプの直径及び注出バルブの形状等によって異なるものであることは言うまでもない。
(請求項9記載の発明の特徴)
請求項9記載の発明に係る液体容器(以下、適宜「請求項9の液体装置」という)は、請求項1乃至8何れかの液体容器であって、前記蓋構造が、前記閉空間内に液体を注入するための注入逆止バルブを含むことを特徴とする。
請求項9の液体容器によれば、請求項1乃至8何れかの液体容器の作用効果に加え、注入逆止バルブを介して液体を内容器内に注入することができるので、蓋構造の開閉を必ずしも行う必要がなくなる。蓋構造の開放は内容器の内部を洗浄等するために便利であり開放により液体注入が可能ではあるが、注入逆止バルブを介した液体注入のほうが蓋構造の開放を伴う注入よりも便利な場合がある。さらに、蓋構造の開閉を伴う注入の場合はその開放により内容器内に大気が進入してしまうためバルブ構造を再度開放する等の大気抜き取り作業が必要となるが、注入逆止バルブを介して大気を侵入させないように液体注入を行うことによって大気抜き取り作業を行わずに液体の保存や注出を行うことができる。空になった内容器内に液体を注入する場合だけでなく、液体が残っている内容器内に液体を補充する場合に、大気抜き取りの手間が省けてたいへん便利である。なお、注入逆止バルブは注入のみ可能に構成してあるので、閉空間内の不活性ガスが外部へ流出することはない。
本発明に係る液体容器によれば、貯留した液体の酸化劣化を効果的に抑制するとともに、貯留液体を少量づつ排出した際にも、その抑制効果を持続することができる。
以下、各図を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、適宜「本実施形態」という)について説明する。図1は、本実施形態に係る液体容器の縦断面図である。図2及び3は、液体容器の部分拡大図である。図4は、液体容器の平面図である。図5は、液体容器のエアー抜き状態を示す縦断面図である。図6は、液体容器の縦断面の部分拡大図及び底面図である。図7は、底部材の縦断面図である。図8及び9は、第1変形例に係る液体容器の縦断面図である。図10は、液体容器の正面図である。図11は、液体容器の平面図である。図12は、不活性ガスの流れを示す配管図である。図13及び14は、第2変形例に係る液体容器の縦断面図である。図15は、貯留液体の貯留コーヒーの経時変化を分析するための分析器の一覧を示す図表である。図16は、分析結果を示す図表である。図17は、官能評価の結果を示すチャートである。
(液体容器の概略構成)
図1及び2に基づいて説明する。液体容器1は、家庭用又は業務用のポット(魔法瓶)と略同じ外観に形成してあり、外観を構成する外容器2と、外容器2内に収容された保温性のある内容器12と、内容器12の上部開口12aを開閉自在に気密閉鎖して内容器12内に閉空間12bを形成可能な蓋構造7と、外容器2の上部と蓋構造7との間に配した肩部材8と、内容器12内に貯留された液体を閉空間12bを介して外容器2外へ案内するための汲上パイプ(汲上管)21と、汲上パイプ21に設けた第1バルブ構造(液体注出用逆止弁)80と、から概ね構成してある。外容器2は、スチールや合成樹脂を加工することによって製造することができ、内容器12は、保温性(恒温性)を保持するために真空二重ガラス瓶によって構成してある。内容器12には、これにヒーター(図示を省略)等を設けて保温させるようにしてもよい。
肩部材8は、一体成形した合成樹脂によりなるものであり、全体として概ね漏斗(ジョウロ)形状に形成してあり、その下部は、後述する第1バルブ構造80及び第2バルブ構造90として機能するように構成してある。具体的に述べると、肩部材8は、平坦状の上面8aと中心に向かって下り傾斜する内面8bとを有し、加えて、内面8bから内容器12の上部開口12aに向かって急傾斜する給液面8cを併せて備えている。さらに、肩部材8は、後述する注水管22をカバーするために前方(図1の向かって左方向)に突出する注水管カバー9を備えている。給液面8cには、汲上パイプ21を気密保持状態で通過させるための液体注出口8dと、不活性ガス(窒素ガス)を供給するためのガス給出口8eを形成してある。汲上パイプ21は、内容器12の底部近傍まで垂下させてあり、その上部は、注水管カバー9に向かって水平方向に屈曲している。汲上パイプ21の屈曲した水平部分が、液体注出口8dを気密保持しながら通過する部分となる。液体注出口8dとガス供給口8eとは、内容器12の上部開口12aを挟んで互いに対向する位置に配してある。給液面8cの下部には、内容器12の上端部を容器内外から挟むように被覆可能な給液部10を設けてある。給液部10と内容器12の上端部との間にはシール材10aを介在させ両者間の気密性保持を図ってある。
第1バルブ構造80は、汲上パイプ21から外部への液体注出は許すが、その逆方向の大気の侵入は許さない液体注出用逆止弁として構成してある。すなわち、第1バルブ構造80は、図1の左から右方向に直線的に連通する連絡路80a、弁球移動路80b、スライド支持路80c及びコイル収納室80dを備えており、これら空間の縦断面の形状は何れも円形である。連絡路80aは汲上パイプ21の終端と直接連通する部分であり、これに続く弁球移動路80bの内径は連通路80aの内径よりも大きく設定してある。この内径差による連絡路80aと弁球移動路80bとの間の段部にシール部材80sを配してあり、シール部材80sには、液体が通過可能な通過穴(図示を省略)を形成してある。他方、スライド支持路80cの内径は弁球移動路80bの内径よりも小さく設定してあり、したがって、両者間にも段部が存在する。弁球移動路80bは、その中を弁球81が、移動路の長さ方向に移動可能に構成してあり、弁球81の直径は連絡路80aの内径又はスライド支持路80cの内径の何れよりも大きく設定してある。したがって、弁球81の移動は、連絡路80aとの間のシール部材80sと、スライド支持路80cとの間に限定される。弁球81は、略完全球形の、たとえば、金属や合成樹脂により構成することができる。弁球81には、スライド支持路80cにより気密にスライド可能に支持される操作体82(後述)の横棒82aの一端を固定してあり、弁操作体82の移動によって弁球81が移動するように構成してある。横棒82aの他端は、コイル収納室80d内にあるコイルバネ80fに固定してあり、コイルバネ80fは、横棒82aを閉鎖方向(図1の左から右方向)に付勢し、これに伴って弁球81をシール部材80sに押し付けるように構成してある。弁球81がシール部材80sに押し付けられることにより、シール部材80sの通過穴(図示を省略)が常時閉鎖されることになる。シール部材80sの通過穴を開放するには、コイルバネ80fの付勢力に抗しながら弁球81を開放方向(図1の右から左方向)に移動させる必要があるが、それは、液体の注出時に可能となる。この点については、後述する。なお、弁球移動路80bは、その底部を貫通する落下穴80hを介して注水管22に連通している。すなわち、弁球81が、開放方向に移動することによって、汲上パイプ21の中をシール部材80sの通過穴を抜けて弁球移動路80bと連通させ、さらに、落下穴80hを介して注水管22の中に連通させることになる。
第2バルブ構造90は、連通管31から内容器12の閉空間12bへの不活性ガスの注入は許すが、その逆方向のガス侵入は許さない不活性ガス注入用逆止弁として構成してある。すなわち、第2バルブ構造90は、前述したガス供給口8eと連通するガス供給路90aと、ガス供給路90aの内径より大きな内径の弁球移動路90bと、弁球移動路90bの内径より小さな内径の連絡路90cを備えている。弁球移動路90bは、その縦断面の形状を円形に形成してあり、その中には弁球91が移動路の長さ方向に自由移動可能に収容させてある。弁球移動路90bと連絡路90cとの間の段部には、通過穴(図示を省略)を有するシール材90sを配してあり、弁球91の押圧接触を受けて通過穴を閉鎖可能に構成してある。弁球91は、連通管31から連絡路90cを介して供給される不活性ガスの圧力によってシール部材90sと密着しないようになっており、後述するエアーポンプ4によって加圧された不活性ガスがガス供給路90aから弁球移動路90b内に吹きこまれたときにその加圧された圧力(供給される圧力より大きい)によってシール部材90sに押し付けられるようになっている。弁球91が押し付けられると、シール部材90sの通過穴が閉鎖され、加圧された不活性ガスが連通管31内へ逆流することを防止するようになっている。
(蓋構造の具体的構造)
図1乃至5に示すように、蓋構造7は、蝶番27を介して肩部材8に取り付けてあり、これによって、蓋構造7は、内容器12の上部開口12aを開閉可能になっている。蓋構造7の肩部材8へのロックは、両者間に構成したロック構造(図示を省略)により行われる。蓋構造7は、椀を逆さにしたような形状のカバー板7aを備え、カバー板7aが囲む空間内にエアーポンプ(加圧構造)4を受け入れている。カバー板7aは、合成樹脂製であって、その一部が前述した注水管カバー9と一体化している。エアーポンプ4は、ベローズ5とその上下にあるポンプ天板51及びポンプ底板52とを、それぞれ接着させることにより形成してある。ポンプ天板51の略中央には、後述するバルブ構造60を取り付けるための弁取付穴56を形成してある。弁取付穴56の周囲は、これを屈曲部51aを介して弁取付穴56内に折り下げてある。折り下げた部分を、本明細書では、折り下げ部51bと呼ぶことにする。ポンプ底板52の略中央には、エアーポンプ4の内外を連通させるための開口58を貫通形成してある。エアーポンプ4は、これを、合成樹脂により一体に成形してもよい。
(ポンプ押板の構造)
エアーポンプ4の上部には、エアーポンプ4を作動させるときに押圧するポンプ押板6を配してある。ポンプ押板6は、円形の天板6jと、天板6jの周縁から垂下する側壁6kと、からなる短尺円筒形に形成してあり、その内部にエアーポンプ4のポンプ天板51の一部を収納可能に構成してある。天板6jにはガス逃し穴6dを貫通形成してあり、天板6jの裏側、すなわち、ポンプ天板51側には、内容器12aの閉空間12bと外部とを連通するためのバルブ構造60の一部となるバルブ構造本体6aを設けてある。本実施形態におけるバルブ構造60は、ポンプ底板の開口58と、バルブ構造本体6aと、ガス逃がし穴6dと、により構成してある。バルブ構造本体6aについては、後述する。図3及び4に示すように、側壁6kの外周面には、互いに対向する所定幅の突条6g,6gを設けてある。図3に示すように、各突条6gの上端面は、天板6jの上面より僅かに低く、すなわち、側壁6kの外周面との間に段部が形成されるように設定してある。なお、図4に示す符号6fは、ポンプ押板6を回動操作するための操作つまみを示している。操作つまみ6fは、天板6jに指先が入る程度の凹部を2箇所形成し、それらの凹部間に挟まれた部分を摘めるようにしてなるものである。
図3及び4に示すように、蓋構造7の外観を形成するカバー板7a略中央部には、ポンプ押板6を受け入れるための円形開口7hを形成してあり、この円形開口7hの周縁には、互いに対向する細長溝7g,7gを切欠形成してある。細長溝7g,7gは、突条6g,6gを通過可能とするために突条6g,6gよりも僅かに大きな相似形に形成してある。他方、図3及び4に示すように、カバー板7aの円形開口7hの周縁には、その上端から収納したポンプ押板6方向に突き出す環状の開口縁70aと、同じく上端から垂下する円筒状のガイド壁70と、を形成してある。図3が示すように、開口縁70aの突き出し寸法は、突条6gの厚み寸法より僅かに大きく設定してあり、これによって、ガイド壁70とポンプ押板6の側壁6kとの間に突条6gが収容され、その際に突条6gの上端面と開口縁70aの下端面とが係合してポンプ押板6の浮き上がりを阻止可能に構成してある。さらに、図3及び4が示すように、ポンプ押板6が、カバー板7a(ガイド壁70)に対して水平方向(図3では紙面垂直方向)に回動可能に構成してある。したがって、ポンプ押板6の円形開口7hへの収納は、カバー板7aの細長溝7g,7gにポンプ押板6の突条6g,6gを合わせ、後者を前者に通過させた後にポンプ押板6を所定角度回動させることによって行うことができる。回動後は、上述したように突条6g,6gが開口縁70aによって上から押えられてポンプ押板6の浮き上がりが阻止されることになる。なお、符号6eは、ポンプ内圧計57の表示部を、ポンプ押板6の外部から見えるようにするための透視窓を示している。ポンプ内圧計57は、エアーポンプ4の内圧を観察するための内圧計である。
(操作ロック蓋の構造)
図1乃至4に示すように、カバー板7aとポンプ天板51との間には、操作ロック蓋53を配してある。操作ロック蓋53は、上から見た形状が略ドーナッツ状に形成してあり、カバー板7aとポンプ天板51との間に挟持された状態でポンプ押板6の周りを回動可能に構成してある。操作ロック蓋53の回動は、その上面から突き出すロックノブ54を、回動方向に操作することにより行う。ロックノブ54はカバー板7aを貫通する長溝7dを介してカバー板7aの外部に突き出している。操作ロック蓋53は、図3が示すように、断面形状が逆L字状の筒壁部55と、筒壁部55の下端からポンプ天板51に沿ってポンプ押板6方向に突き出る水平突縁55aを備えている。水平突縁55aは、所定幅を操作ロック蓋53の回動方向(図3の紙面厚み方向)に有しており、図3における向かって左側にある水平突縁55aは突条6gの紙面厚み方向手前に位置し、同じく右側の水平突縁55aは突条6gの紙面厚み方向裏側に位置する。したがって、図3における状態のときの突条6g,6gは何れも水平突縁55a,55aと接触する位置にない。このため、水平突縁55a,55aに邪魔されることなくポンプ押板6を押し下げることができる。本実施形態におけるポンプ押板6の押し下げ可能位置は、図4において位置符号Paと逃し穴6dとが一致する位置にポンプ押板6が位置するときに設定してあるが、ポンプ押板6を時計回りに回動させて位置符号Pbと逃し穴6dを一致させたときは、次項で述べるように設定してある。
(ポンプ押板の上下動)
図4に示すように、回動により位置符号Pbと逃し穴6dとを一致させると、その回動に伴い突条6g,6gと細長溝7g,7gとが位置的に一致して開口縁70aの規制から外れる。このとき、ポンプ押板6とガイド壁70との間に形成した押上構造によってポンプ押板6が上昇する。本実施形態では、ポンプ押板6の突条6g,6gとガイド壁70との間に形成した螺旋構造が、この押上構造として機能する。具体的には、ガイド壁70から突き出る螺旋突条70d,70dと螺旋突条70d,70dに対応して突条6g,6gに形成した螺旋溝6p,6pとがネジ結合可能に構成してある(螺旋突条と螺旋溝は、上記と逆の位置関係にあってもよい)。図3の向かって左側にある螺旋突条70d及び螺旋溝6pは、紙面手前から裏に向かって上方向に延び、同じく右側の螺旋突条70d及び螺旋溝6pは紙面裏側から手前に向かって上方向に延びている。したがって、図3に示すポンプ押板6を時計方向(紙面手前から裏方向)に回動させれば、ポンプ押板6を上昇させることができる。この上昇に伴い突条6g,6gは、細長溝7g,7g(図4参照)から抜けて開口縁70aの規制から外れることになる。なお、細長溝7g,7gが、螺旋構造により斜め方向に上昇する突条6g,6gを通過可能な寸法に形成してあることは言うまでもない。ポンプ押板6の上昇にともない、バルブ構造60の主要構成要素であるバルブ構造本体6aが作動する。
(バルブ構造の構成)
図3に基づいて説明する。バルブ構造本体6aは、ポンプ天板51にある弁取付穴56に取付可能な形状に形成してある。すなわち、バルブ構造本体6aは、ポンプ押板6の天板6jの下面中央から垂下する円筒部6bと、円筒部6bの外側にスライド可能に嵌め込み可能なスライド円筒体65とから概ね構成してある。円筒部6bは、天板6jの裏面からポンプ天板51の弁取付穴56を貫通する位置まで届く長さに形成してあり、弁取付穴56の内径に対して図3に示すような外径に形成してある。円筒部6bは、液体注出時(位置符号Paと逃し穴6dとを一致させた位置)において天板6jの上面より下の位置にまで届く縦スリット6u,6uを備え、縦スリット6u,6uの下端に段部6w,6wを備えている。円筒部6bの中には、復帰スプリング6cを配してある。
スライド円筒体65は、円筒部6bの外周面と摺動可能な内周面と、ポンプ天板51の折り下げ部51b下端と摺動可能な外周面と、を有し、さらに、その上端に鍔状フランジ61を、その下端に鍔状の嵌め込み突部62を、さらに、縦方向にスリット62s,62sを、それぞれ有している。鍔状フランジ61は、縦スリット6u,6uに侵入可能な突片61a,61aを備え、鍔状フランジ61の下面には、環状のガスケット64を固定してある。ガスケット64は、鍔状フランジ61とポンプ天板51の屈曲部51aとの間に位置することになり、復帰スプリング6cによってスライド円筒体65が図3の下方向(閉鎖方向)に付勢されることによって両者間、すなわち、エアーポンプ4の内外が気密閉鎖されるように構成してある。嵌め込み突部62は、折り下げ部51bの下端と当接可能に構成してあり、これによって、スライド円筒体65の上方への抜けが防止される。
(バルブ構造の開閉)
図3に基づいて説明する。図3において実線で示すバルブ構造60は、上述したようにエアーポンプ4の内外を気密閉鎖している。ここで、ポンプ押板6を時計方向(紙面手前から裏方向)に回動すると、螺旋突条70d,70dと螺旋溝6p,6pとの間のネジ作用によってポンプ押板6が押し上げられる。この押上によって円筒部6bが上昇するが、この上昇により円筒部6bの段部6w,6wが鍔状フランジ61の突片61a,61aに当接し、さらなる上昇によりスライド円筒体65を引き上げてガスケット64をポンプ天板51の屈曲部51aから引き離す。この引き離しによりガスケット64と屈曲部51aとの間に通路が形成され、この通路とスリット62sとが連通して全体としてエアーポンプ4の内外が連通する(図5参照)。すなわち、エアーポンプ4の内部は、ポンプ底板52の開口58を介して内容器12の閉空間12bと、エアーポンプ4の外部はポンプ押板6の逃し穴6dを介して外部と、それぞれ連通しているので、バルブ構造60の開放が閉空間12bと外部とを連通させること、すなわち、パージ通路を形成することになる。他方、バルブ構造60の閉鎖は、ポンプ押板6を反時計方向(図3の紙面裏から手前方向)に回動させ、螺旋突条70d,70dと螺旋溝6p,6pとの間のネジ作用を開放の場合と逆方向に作用させてポンプ押板6とともにスライド円筒体65を下降させることによって行うことができる。
ポンプ押板6を上下動させるための機構は、上述した機構以外の機構を適宜採用することができる。たとえば、操作ロック蓋53の操作とポンプ押板6との間に上下動のためのカム機構(図示を省略)を構成したり、ロックノブ54自体を押し下げることによって操作ロック蓋53及びポンプ天板51を介してエアーポンプ4のベローズ5を若干撓ませられるように構成し、その撓みによりパージ通路が開放可能に構成したりする方法がある。
(逆T字型弁操作体の構造)
図1及び2に基づいて説明する。逆T字型の弁操作体82は、第1バルブ構造80の開閉を決定するための部材である。第1バルブ構造80の開閉を司るのは弁球81であって、この弁球81は横棒82aと連動することは、既に説明した。弁操作体82は、この横棒82aを構成要素の一つとする。すなわち、弁操作体82は、この横棒82aと横棒82aからほぼ垂直に起立する垂直杆82bと、から概ね構成してあり、垂直杆82bは、肩部材8のスライド支持路80cと連通して起立する起立支持路80pによって支持され、その上部はポンプ底板52を貫通する通し穴52aを抜けてエアーポンプ4の側方にまで延びている。起立支持路80pは、垂直杆82bを横棒82aのスライドに合わせた横方向(図1の左右方向)の移動を許容可能に構成してある。通し穴52aも、この横方向の移動を許容する。エアーポンプ4の側方に位置する垂直杆82b上部には、ロック蓋53との間にカム構造59を構成してある。カム構造59は、垂直杆82b側に形成したテーパー面(図1の紙面裏側に位置する)と、ロック蓋53側に形成したテーパー面(図1の垂直杆82bに隠れて見えない)との係合により、弁操作体82を図1に示す状態、すなわち、弁球81がシール材81sに押し付けられた状態(注出不能な状態)に強制保持するためのものである。前述したように、ロック蓋53は、ロックノブ54の操作により水平方向に回動可能に構成してあるが(図4参照)、このロックノブ54がロック状態にあるときに、上記した注出不能な状態となる。逆に、ロックノブ54を時計回り方向に回動してロック解除状態にしたときは、図1に示す状態においてロック蓋53のテーパー面が垂直杆82bのテーパー面から紙面裏面から離れる方向に移動してカム構造59の係合が解除される。ロックが解除されれば、垂直杆82bの移動、すなわち、横棒82aを介した弁球81の移動が可能になる。すなわち、注出可能となる。
なお、ロックノブ54がロック状態にあるときは、図3に示す状態のロック蓋53の水平突縁55a,55aが突条6g,6gの下に張り出して、ポンプ押板6の押し下げを阻止するように構成してある。つまり、第1バルブ構造80のロックとポンプ押板6のロックとを、同時に行えるように構成することによって、液体容器1が転倒したときであっても容易に液体が流れ出ないようにするとともに、不用意にポンプ押板6を押し下げようとしても押し下げられないようにしてある。
(不活性ガスの供給構造)
図1に示すように、内容器12は、内容器受板13の中心部から起立する内容器受筒壁14により下方から支持されている。内容器受板13と液体容器1の底部材3との間には空間部Sを形成してあり、この空間部S内には、不活性ガスである窒素ガスを封入したガスボンベ15を配してある。ガスボンベ15の上方には、内容器受板13の下面に取り付けたレギュレータ16を配してある。ガスボンベ15とレギュレータ16とは、給入接続部17を介して接続してあり、給入接続部17には、元圧力開閉弁(図示を省略)内蔵させてある。給入接続部17には、弁杆19を介して元圧弁ノブ18を、細管33を介して元圧力計32を、それぞれ接続してある。レギュレータ16には、さらに、チューブ状の連通管31を接続してあり、連通管31の上端は第2バルブ構造90に接続してあり、ガスボンベ15から第2バルブ構造90へ不活性ガスを供給可能に構成してある。以上述べた各部材が結合して、本実施形態におけるガス供給手段を構成する。
なお、本実施形態において使用する「窒素ガス」とは、不活性ガスとして窒素を主成分とするガスを意味するものとする。この窒素ガスは、コーヒー等に対し、不活性であるため液体容器に貯留されて空気と置換された後は、コーヒー等は空気(大気)との接触を遮断するので、将来に渡って新鮮な風味と味等の劣化の効果的抑制を期待することができる。不活性ガスには、窒素ガスの他、炭酸ガス、窒素ガスと炭酸ガスとの混合気体、その他のガスが使用可能であると考えられる。例えば、炭酸飲料の場合には、不活性ガスとして炭酸ガスを使用すれば、炭酸飲料の酸化や劣化防止のほか、炭酸成分の消失も防止可能となろう。さらに、対象となる液体として、コーヒーの他、たとえば、アルコール類、炭酸入り飲料、栄養剤、乳製品、果肉入り果汁等の液体飲料がある。
(不活性ガス供給源の構造)
図6及び7に基づいて説明する。上述した本実施形態におけるガスボンベ15は、カートリッジタイプとして交換可能に構成することが好ましい。具体的な構造としては、たとえば、外容器2の底部に回動可能に篏着されたロックリング11と、ガスボンベ15をセットした底部材3とから構成される構造を好適に用いることができる。底部材3の外周壁には、ロックフィンガ3a及びキー3bが突設してあり、このキー3bは、外容器2の底部に形成したキー溝2bに篏着(嵌め込み)可能に形成してある。また、前記ロックリング11の内周壁には、底部材3のロックフィンガ3aと係合するロックフィンガ11aが突設してある。
ガスボンベ15は、ガスボンベ15をセットした底部材3のキー3bを底部のキー溝2bに嵌め入れて回動しないように外容器2の底部に装着し、さらに、底部材3の周壁をロックリング11の回動によりロックすることにより装着可能に構成してある。ロックリング11によるロックは、ロックリング11が有するロックフィンガ11aと底部材3が有するロックフィンガ3aとの係合により行われる。なお、交換可能なガスボンベ15に代えて、ガスボンベを底部材3上に固定可能に構成し、固定したガスボンベに適宜配設したニップル等のガス供給弁(図示を省略)を介して外部から不活性ガスを補充可能に構成してもよい。
(液体容器の使用方法)
図1乃至5を参照しながら説明する。ここでは、コーヒーを貯留液体とする。まず、蓋構造7のロック(図示を省略)を解除して蓋構造7を外容器2に対して開放する(図2参照)。開放によって閉空間12bも開放され、内容器12の上部開口12aが露出する。ここで、予め抽出してあるコーヒーを内容器12内に注ぎ入れる。注入が完了したら蓋構造7を閉鎖してロックを行う。このとき、内容器12内の閉空間12bには、コーヒーと大気とが混在している。次は、大気と不活性ガスとの置換作業を行う。まず、ポンプ押板6を時計周りに回動させて位置符号Pbと逃し穴6dとを一致させると(図4参照)、その回動に伴う押上構造の作用によってポンプ押板6が上昇する。ポンプ押板6の上昇により、バルブ構造60が開放して閉空間12bと外部とが、エアーポンプ4の内部を介して連通状態になる。ここで、給入接続部17を操作してガスボンベ15から連通管31を介して第2バルブ構造90に不活性ガスを供給する。不活性ガスの供給は、ポンプ押板6の回動操作の前から始めてもよい。
第2バルブ構造90に供給された不活性ガスは、所定圧力をもって弁球91を開放方向に移動させつつ閉空間12b内に流入する。不活性ガスの流入により閉空間12b内の圧力が高まり、ポンプ底板52の開口58を抜けてエアーポンプ4内へ、さらに、バルブ構造60を介してエアーポンプ4外へ、さらに、天板6jの逃し穴6dを介して外部へ閉空間12b内にあったガス(大気、不活性ガス)が外部へ流出する。不活性ガスの流入当初は大気濃度に比べて不活性ガスの濃度が低いが、不活性ガスの流入と内部ガスの流出を続けるうちにこの比率が徐々に希釈化してついには逆転又は置換する。ある程度の時間の経過により、閉空間12b内の大気と略不活性ガスとの置換を完了する。不活性ガス雰囲気となったところで、ポンプ押板6を、今度は反時計周り方向に回動して位置符号Paと逃し穴6dとを一致させると(図4参照)と、回動に伴ってポンプ押板6が下降してバルブ構造60も閉鎖される。
バルブ構造60の閉鎖によってエアーポンプ4内及び閉空間12b内が不活性ガス雰囲気になり、コーヒーと大気との接触が遮断された状態となる。この状態にあっても、不活性ガスは供給可能な状態にあり、所定圧力に達するまで供給されつづける。ここで、何らかの理由により閉空間12b内の圧力が所定圧力を超えると、その圧力がバルブ構造60のスライド円筒体65を押し上げて開放させ不活性ガスを自動的に逃せるようになっている。すなわち、バルブ構造60は、大気を不活性ガスとを置換するときのパージ弁としての機能とともに、閉空間12b(エアーポンプ4の内部)内の圧力が所定値を超えたときにその圧力を適正値まで戻すための安全弁としての機能を備えている。なお、閉空間12b内の圧力適正値の設定は、バルブ構造60が有する復帰スプリング6cの付勢力の選択により行うことができる。不活性ガスの圧力が、何らかの理由(たとえば、コーヒーから発生する蒸気圧)により設定した適正値を超えた場合は、バルブ構造60が自動開放して圧力の調整を行う。
次は、コーヒーの注出である。コーヒーの注出は、図4に示すロックノブ54を時計回り方向に回動して第1バルブ構造80を開放可能な状態にして、ポンプ押板6を押し下げることにより行う。ポンプ押板6が押し下げられると、それに伴ってエアーポンプ4のベローズ5が縮められ、これによって、エアーポンプ4内にあった不活性ガスが開口58を介して閉空間12b内に流入する。縮められたベローズ5は、押し下げ力がなくなれば自然に伸展して元に戻る。不活性ガスの流入によって閉空間12b内の不活性ガスが加圧されて上昇する。加圧された不活性ガスは、コーヒーの液面を押圧して汲上パイプ21内にコーヒーを押し上げる。押し上げられたコーヒーは、第1バルブ構造80の弁球81をコイルバネ80fの付勢力に逆らいながら開放方向に移動させてその中を抜け注出管22から外部へ注出される。コーヒーの注出により下がる閉空間12b内の圧力は、ガスボンベ15から継続的に供給される不活性ガスによって補填されほぼ所定値に保たれる。ポンプ押板6を複数回押し下げれば、その度にコーヒーの注出及び不活性ガスの供給が行われる。
(本実施形態の第1変形例)
図8及び9に基づいて説明する。上述した本実施形態と第1変形例との間で異なるのは、前者が有していたエアーポンプを後者が有していない点、及び、前者の注出バルブが自動開閉するのに対し後者の注出バルブは使用者の操作に係る点、である。このため、以下の説明においては、この2点に関連する部分を中心に行い、両者共通する部分についての説明は図1乃至7で使用した符号と同じ符号を図8及び9に使用するにとめ可能な範囲において省略する。後述する第2変形例についても、適用図面が異なるだけで同じ扱いとする。
図8及び9に示す液体容器1Aは、肩部材8を有している。肩部材8は、閉空間12bに連通する開口を中央部に有し、この開口は中蓋40によって気密閉鎖させてある。中蓋40は、周縁より薄手の天板41と、天板41の下面から垂下する円筒状の内壁42と、を備えている。内壁42は、その外周部に形成した雄ネジ部を肩部材8の雌ネジ部にねじ込み可能に構成してあり、このねじ込みと、両者間に配したパッキン40pとによって中蓋40を肩部材8に気密装着可能に構成してある。天板41には、バルブ構造60´及び中蓋プラグ(中蓋継手、注入逆止バルブ)43を設けてある。
(バルブ構造の構成)
バルブ構造60´は、本実施形態に係るバルブ構造60と同様に、パージ機能と安全弁としての機能とを兼ね備えている。バルブ構造60´は、天板41を貫通する取付穴41hに嵌め込んであり、全体として糸巻きに類似した形状を有している。バルブ構造60´は、円筒体60´aの上下に、それぞれ上フランジ部60´c及び下フランジ部60´bを有し、円筒体60´aの内部にはスプリング60´sを配してある。スプリング60´sは、頂部に位置する可動板60´dを介して突起63を下方から出没自在に支持している。上フランジ部60´cは、環状パッキン60´pを介して取付穴41hの周縁と上から係合してバルブ構造60´全体を、天板41に支持させる機能を有している。符号63aは、突起63の自立を補助するためのブリッジ部材を示している。ブリッジ部材63aは、突起63の出没を許容する。図8に示すように、カバー板7aの底面から垂下する円筒状の周壁7bを備えており、蓋構造7の閉鎖時に、この周壁7bは突起63の先端と当接してこれを押圧可能に構成してある。図9に示すように、周壁7bによる押圧は、蓋構造7の開放によって解除されるようになっている。
周壁7bの押圧を受けているときのバルブ構造60´は天板41に押し付けられているため、環状パッキン60´pと取付穴41hの周縁41eとの間は気密が保たれているが、閉空間12bの圧力が何らかの理由により所定値以上となった場合に、その圧力が下フランジ部60´bに作用してバルブ構造60´を押し上げようとする。この押し上げる力がスプリング60´sの付勢力を上回ると、スプリング60´sの付勢力に逆らいながらバルブ構造60´を押し上げる。この押上によって、環状パッキン60´pと取付穴41hの周縁41eとの間の気密が解除され、内部のガスが逃げられるように構成してある。したがって、スプリング60´sの付勢力の選択が、適正圧力の値を決定することになる。他方、図9に示すように、蓋構造7を開放して突起63に対する押圧を解除した場合であっても、バルブ構造60´は、その自重により環状パッキン60´pと取付穴41hの周縁との間の気密を直ちに解除することにはならないが、押圧力がない分だけ簡単に開放しやすくなる。すなわち、バルブ構造60´は、蓋構造7を閉鎖したときには安全弁として、同じく開放したときには大気と不活性ガスとを置換するためのガス抜き弁(パージ弁)として、それぞれ機能するように構成してある。不活性ガスの置換方法は、本実施形態の説明で示した通りであるが、液体容器1Aを使用するときは、コーヒーを入れる前に内容器12の閉空間12b内を不活性ガス雰囲気にしておくことが好ましい。バルブ構造60´を介して内容器12内の大気を抜きつつコーヒーを入れ、それから不活性ガスを供給する手順も可能ではあるが、先に不活性ガス雰囲気とするほうが注入したコーヒーが大気と接触する機会がより少なくなるので、劣化防止のために好ましいからである。なお、閉空間12b内の圧力は、内圧計57´により監視可能に構成してある。
(中蓋プラグの構成)
天板41の上に形成した中蓋プラグ(注入逆止バルブ)43は、蓋構造7の閉鎖に影響がない高さに設定してあり、中蓋プラグ43の使用は、図9に示すように、蓋構造7を開放して行うようにしてある。中蓋プラグ43は、中蓋40を取り外すことなく、すなわち、閉空間12bを開放することなく内容器12内にコーヒー(液体)を注入可能とするためのプラグである。中蓋プラグ43は、天板41の上面から起立円筒体43aと、円筒体43aを縦方向に貫通する中空部43bと、中空部43bの下部を閉鎖する穴付底部43cと、中空部43bの上部を閉鎖する穴付パッキン43dと、中空部43b内で底部43cの上に載置したスプリング43eと、スプリング43eによって下方から付勢させた逆止弁45と、から構成してある。円筒体43aは、これを天板41と一体に構成するのが製造を簡易なものとする上で好ましいが、別体に構成することもできる。逆止弁45の先端は、スプリング43eによって常に穴付パッキン43dに弾発的に押し付けられており、これによって、中空部43bが開放可能に気密閉鎖されるようになっている。円筒体43aの上部外周には、環状の受入溝43fを形成してある。底部43cは、その一部が天板41の下面より突き出すように形成してあり、その突き出し部分に給液管44を接続してある。
給液管44の下端は所定の液体貯留面まで垂下させてある。貯留面まで垂下させたのは、中蓋プラグ43からコーヒーを注入する場合、内容器12内に貯留されるコーヒーの貯留面が給液管44の下端に達すると、給液管44の開口を注入されたコーヒーが閉塞してそれ以上の注入を阻止するので、これによりコーヒー注入を自動的に停止させるようにするためである。すなわち、所定量のコーヒーを自動供給可能とするための機能を給液管44に備えさせたものである。したがって、この自動的に液体の供給が停止される内容器12の液面、つまり内容器12内へ貯留する液体の所要量については、給液管44の長さを適宜選択することにより、決定することができる。
符号95は、給液パイプ96の先端に取り付けた逆止弁付の注液継手を示している。注液継手95は、中蓋プラグ43の円筒体43aの外径よりも僅かに大きな外径を備えた円柱状の部材であり、中蓋プラグ43と連結可能に構成してある。注液継手95は、継手本体95aと、継手本体95aの連結端(図9における下端)に円筒体43aの先端を受入可能(図9の拡大図参照)に形成した受入凹部95bと、受入凹部95bの入口付近にあり受入溝43fと嵌合可能な環状突片95cと、継手本体95aを貫通して受入凹部95bと連通する中空路95eと、受入凹部95b内の中空路95e側に配した穴付の受けパッキン95dと、中空路95e内の受入凹部95b側に配した穴付の閉鎖パッキン95fと、中空路95eの入口を閉鎖する穴付蓋体95gと、中空路95e内に配したスプリング95hと、スプリング95hによって閉鎖パッキン95f方向に付勢される逆止弁95jと、逆止弁95jから突き出る突起95kと、から構成してある。逆止弁95jは、スプリング95hの付勢力によって常に閉鎖パッキン95fに押しつけられており、これによって、受入凹部95bと中空路95eとの間の連通が気密遮断されるようになっている。逆止弁95jの突起95kは、その先端が閉鎖パッキン95fの穴と受けパッキン95dの穴とを貫通して受入凹部95bに位置している。穴付蓋体95gは、その一部が継手本体95aより突き出しており、この突き出し部分に給液パイプ96を接続してある。
ここで、注液継手95を中蓋プラグ43に連結すると、継手本体95aの上部が受入凹部95bに受け入れられ、このとき、前者の上端が受けパッキン95dに当接するとともに環状突片95cが受入溝43fに離脱可能に嵌合する。
嵌合する際に、突起95kは、図9の拡大図が示すように、逆止弁45に当接する。この当接によって逆止弁45を押し入れて穴付パッキン43dの穴を開放する一方、スプリング43eの付勢力により逆止弁95jも僅かに押し戻されて閉鎖パッキン95fの穴を開放する。この時点で給液パイプ96が注液継手95と中蓋プラグ43を介して閉空間12bと連通する。すなわち、コーヒーを注入可能(給液可能)な状態になる。コーヒーの注入は、図外の不活性ガス供給装置が供給する不活性ガスの圧力を用いて行うことが好ましい。不活性ガスによる注入は、不活性ガスに押されたコーヒーが給液パイプ96内を移動することになるが、不活性ガスであれば、コーヒーとともに、又は、コーヒーの後に注入されても閉空間12b内の不活性ガス雰囲気を害することにならないからである。
液体容器1Aによれば、中蓋プラグ43を介してコーヒー注入ができるので、中蓋プラグ43を使用する限り、内容器12等の内部を洗浄等する場合を除いて蓋構造7を開放する必要がない。このことは、第1に、空の内容器12内をまず不活性ガス雰囲気にしておいてからコーヒー注入を行うことを可能とする。そして、第2に、貯留したコーヒーが注出により再び空になったりコーヒー貯留量が少なくなった内容器12の中に、不活性ガス雰囲気を保ったままコーヒーの注入を可能とする。前者の場合は、蓋構造7を開放してコーヒーを注入する場合に比べてよりコーヒーと大気との接触の機会をより少なくすることができ、後者の場合は、洗浄等するまでの間繰り返してコーヒー補充を行うような場合に不活性ガス置換を逐次行わなくても済むようにすることができる。後述する液体容器1Bについても、同じである。
(注出バルブの構成)
注出バルブ100は、穴付シール材101と、穴付シール材101押し付け可能な弁球102と、弁球102を開閉方向に移動させるための弁球移動路103と、弁球移動路103に固定した棒状の弁操作体104と、弁操作体104を気密移動可能に支持する支持部105と、弁球102を常に閉鎖方向に付勢するために弁球移動路103内に配したスプリング106と、を備えている。弁操作体104は、カム構造107を介して操作レバー108の回動操作により、弁球102とともに開閉方向に移動可能に構成してある。すなわち、スプリング106の付勢力により弁球102は常に穴付シール材101に押し付けられて注出バルブ100は閉鎖状態にあるが、操作レバー108を回動操作するとカム構造107の働きにより弁操作体104が開放方向(図8の右から左方向)に引き寄せられ、これに伴って弁球102も同方向に引き寄せられて穴付シール材101との間の気密性が解除される。すなわち、注出バルブ100が開放状態になる。なお、スプリング106の付勢力が、閉空間12bに供給される不活性ガスの圧力より大きく設定してあることは言うまでもない。小さいとすると、注出バルブ100を閉鎖状態に保つことができなくなってしまうからである。
連通管31から閉空間12bに供給される不活性ガスには、液面を押圧してコーヒーを汲上パイプ21内に押し上げるに充分な圧力(たとえば、0.001〜0.1MPa)を与えてある。このため、内容器12からコーヒーを注出しようとするときは、単に操作レバー108を操作して注出バルブ100を開放するだけでコーヒー注出ができる。すなわち、注出バルブ100の開放により、不活性ガスによって押し上げられてきたコーヒーが、注出バルブ100を抜けて注出管22から外部へ注出される。したがって、本実施形態に係る液体容器1を使用する場合のようなポンプ押板の操作を必要としないので、その分、操作が楽になる。液体容器1Aによれば、前述した液体容器1と同様に、内容器12内に貯留するコーヒーと大気との接触を遮断できるので、コーヒーの劣化を将来に渡って有効に抑制することができる。さらに、液体容器1Aによれば、内容器12に対して、コーヒーを注入したり、補充したりする場合、いちいちコーヒーの貯留量を気にしながら行う必要がなくなる。気にしていなくても、一定量注入したところで自動的に供給が遮断されるからである。
(本実施形態の第2変形例)
図10乃至14に基づいて説明する。本実施形態の第2変形例に係る液体容器1Bは、基本的に前述した第1変形例に係る液体容器1Aと同じ動作原理により液体の貯留・注出を行えるように構成してある。液体容器1Bが液体容器1Aと大きく異なるのは、不活性ガスの供給構造及びパージ弁の構造である。後者で採用した加圧による不活性ガスの逆流を阻止するための第2バルブ構造を前者では省略してレギュレータにその役割を担わせた点と、後者ではパージ機能と安全弁機能を併用していたバルブ構造を前者では各々独立したバルブによって構成した点である。以下においては、この異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態と共通する部材については、前述したように必要な範囲についてのみ説明を行う。
図10乃至14に示す液体容器1Bの外容器2の上部には、蓋構造141を開閉自在に取り付けてある。蓋構造141は、外容器2にヒンジ結合した蓋構造本体143及び蓋構造本体143の頂部に設けた開閉自在のキャップ部144を備えている。外容器2には肩部材151を設けてあり、肩部材151には、内容器12の閉空間12bに連通する開口を中央部に形成してある。蓋構造本体143内には、中蓋153及びパッキン152を設けてあり、蓋構造141を閉鎖したときにパッキン152が肩部材151と中蓋153とに密着して中蓋153が閉空間12bを気密閉鎖可能に構成してある。蓋構造141は、蓋構造本体143と外容器2との間に構成したロック構造(図示を省略)によって、両者がしっかりとロックされるように構成してある。キャップ部144には、エアー抜き用の長孔144h,・・を貫通させてある。符号146は、着脱可能なヒンジ148を介して外容器2の背面に取り付けられたカバー部材を示している。カバー部材146は、後述する不活性ガスの供給構造をカバーするための部材であって、たとえば図13において想像線で示すように開放すると、不活性ガスの供給構造を露出させられるように構成してある。
中蓋153には、供給バルブ161と、排気バルブ162と、パージバルブ163及び給液バルブ164という中蓋153の内外を連通する4個のバルブを設けてある。前2者が手動で作動するバルブであり、後2者が自動作動するバルブである。供給バルブ161は、供給パイプ167を介して供給される不活性ガスを閉空間12b内に供給するためのバルブである。排気バルブ162は、不活性ガスの供給とともに開放して、閉空間12b内にある大気を排気するためのバルブである。排気バルブ162が、第2変形例に係る大気を抜くためのバルブ構造を構成する。パージバルブ163は、閉空間12b内の圧力が所定値以上となったときに自動開放して閉空間12b内の圧力を所定値以内に保つ機能を有している。パージバルブ163は、不活性ガスの供給源の構造、閉空間12bを囲む部材又は構造の強度、パージバルブ163以外のパージ手段の設置等に適当な考慮を施すことにより、これを省略することもできる。供給バルブ161は、第1変形例に係る中蓋プラグ43(図8参照)と同じ構造及び機能を有している。
給液バルブ164の閉空間12b側には給液管166を取り付けてある。給液管166は、前述した給液管44(図8参照)と同じ機能を有している。供給パイプ167は、蓋構造141の開閉に追随できるように、その一部又は全部をフレキシブル(可撓性)に構成してあり、かつ、充分な長さの遊びを設けてある。したがって、供給パイプ167は、蓋構造141が閉鎖状態のときは弛み、開放状態のときに延びることが可能になる。符号168は、注出管22に設けた注出バルブを示しており、注出管22は汲上パイプ21と直結させてある。すなわち、不活性ガスを供給した状態で注出バルブ168を開放したときに、不活性ガスの圧力を受けたコーヒーが汲上パイプ21内に押し上げられ、注出管22を通って外部に注出されるようになっている。
内容器12へのコーヒー注入は蓋構造141を開放して内容器12へ直接行うこともできるが、給液バルブ164を介して行えば蓋構造141の開閉を不要とする点で前述した液体容器1Aの利点と共通する。さらに、蓋構造141の開閉を伴う注入の場合はその開放により内容器12の閉空間12b内に大気が進入してしまうため排気バルブ162を再度開放する等の大気抜き取り作業が必要となるが、給液バルブ164を介して大気を侵入させないようにコーヒーの注入を行うことによって大気抜き取り作業を行わずにコーヒーの保存や注出を行うことができる。空になった内容器12内にコーヒーを注入する場合だけでなく、コーヒーが残っている内容器12内にコーヒーを補充する場合に、大気抜き取りの手間が省けてたいへん便利である。
(不活性ガス供給構造)
図10乃至13に基づいて説明する。不活性ガスの供給構造(ガス供給手段)171は、不活性ガスを貯留するためのガスタンク172と、ガスタンク172のガス圧を減じるためのレギュレータ176と、により概ね構成してあり、レギュレータ176の出力側が供給パイプ167を介して供給バルブ161に接続してある。レギュレータ176は、圧力調整用のハンドル178を備えており、ハンドル178は、カバー部材146の外部から操作できるようになっている。供給パイプ167内のガス圧は、デジタル圧力計177によって監視可能に構成してある。デジタル圧力計177の表示部は、カバー部材146に設けた窓部147から外部に臨ませてあり、カバー部材146を閉鎖状態で圧力の読み取りを行えるように構成してある。ガスタンク172の内圧は圧力計173により監視可能に構成してあり、バルブ174を介してガスタンク172内に外部(たとえば、不活性ガス発生装置)から不活性ガスを充填可能に構成してある。充填可能とすることにより、ガスタンク172の取り替えが不要となるしガスタンク172を何度も使用できるので経済的である。符号175は、ガスタンク172とレギュレータ176との間に配した不活性ガス放出用のバルブを示している。レギュレータ176やデジタル圧力計177等は、取付部材179を介して外容器2にねじ固定してある。
閉空間12b内に供給される不活性ガスの圧力は、発明者が行った実験によれば、0.001乃至0.1MPa、より好ましくは、0.003MPa以下に設定した場合に好結果を得ることができた。すなわち、貯留コーヒーを押し上げるためには供給される不活性ガスの圧力は大気圧よりも高いことが必要であるが、その圧力が0.001MPa未満であると圧力が弱すぎるため液体の抜き取りに時間がかかりすぎるので円滑とは言えないし、0.1MPaを超えると圧力が高すぎるため注出バルブから出るときの液体が撒き散らされる場合があるため円滑とは言えないからである。ただ、抜き取りが円滑であるかどうかは、抜き取ろうとする液体の性質(含有物の種類、粘度の違い)や、汲上パイプの直径及び注出バルブの形状等によって異なるものであることは言うまでもない。
(貯留コーヒーの経時変化)
図15乃至17に基づいて説明する。第2変形例に係る液体容器1Bを用いて、貯留コーヒーの経時変化についての実験を行った。実験項目及び分析機器は、図15の図表が示す通りである。実験対象となるコーヒーは、次の手順で入手した。まず、コーヒー粉から所定量の湯によりコーヒーを2回抽出し、抽出したコーヒーを混合した。混合したコーヒーの半分を液体容器1Bへ、残りの半分を液体容器1Bと同等の液体容器C(図示を省略)へ、それぞれ蓋構造を開放して注ぎ入れた。その後、直ちに液体容器1Bの内部に不活性ガス(窒素ガス)を供給し(圧力0.002MPa)、供給と同時に排気バルブ162を約90秒間開放して閉空間12b内を不活性ガス雰囲気とした(図13参照)。液体容器Cの内部は大気のままとした。実験結果は、図16の図表が示す通りである。図16の図表における変化率は、抽出後の経過時間(図表の縦軸)が0(ゼロ)分のときの測定値を1としたときの経時毎(60分、180分、480分)の測定値割合を示している。なお、以下の説明では、液体容器1Bに貯留したコーヒーを「コーヒー1B」と、液体容器Cに貯留したコーヒーを「コーヒーC」と、それぞれ呼ぶことにする。
上記実験結果から、次のことが分かった。すなわち、Brix(固形分)の変化は、コーヒーC及びコーヒー1Bの何れにおいてもほとんどなかった。pH(水素イオン活量指数)については、経時的な劣化と共に低下していったが、コーヒーCの方がコーヒー1Bよりも低下速度が速かった。酸度については、コーヒーC及びコーヒー1Bの何れにおいても経時的に上昇したが、前者の方が上昇の割合が高かった。濁度(OD720、光学密度720nm)についても、コーヒーC及びコーヒー1Bの何れにおいても経時的に上昇したが、両者間における上昇割合の差が各分析項目の中で最も顕著に表れた。コーヒー1Bは時間が経過しても抽出後と略同じ液色であり濁度にほとんど変化が見られなかったが、コーヒーCについては時間の経過とともに黒ずんだ色となった。
官能評価の結果は、図17のチャートに示す通りである。官能評価は、経時毎に注出したコーヒーを試飲し、香り・苦味・酸味・コク(ボディ)・後味の5項目を各々5段階評価する方法で行った。評価基準は、抽出後0(ゼロ)分を基準とし、経時したコーヒー(コーヒーC、コーヒー1B)と官能毎に新しく0(ゼロ)分後として注した新たなコーヒー(コーヒーD)とを比較して点数化した。点数4を基準値(抽出後0分のコーヒーDの味)として、数字が高いほど良く低いほど悪い、という点数法とした。チャートでは、線分に囲まれた面積が大きいほど劣化が少ないことを示している。すなわち、抽出後60分経過後においてはコーヒーCとコーヒー1Bとの間にほとんど差は見られなかった。しかし、180分経過後となると、コーヒー1Bにはほとんど劣化が見られなかったのに対し、コーヒーCにはかなりの劣化が見られた。このとき、コーヒー1Bの風味・液色は、ともにコーヒーDと大差なかった。480分経過後は、コーヒーC及びコーヒー1Bの何れにも劣化が見られたが、前者の劣化度合いは後者のそれより大きく、前者は黒ずみ後者は赤みをそれぞれ帯びていた。上記の官能評価及び各種の分析値を照合することによって、液体容器1Bによれば、長時間に渡ってコーヒー1Bの風味を維持可能であることが分かった。したがって、たとえば、事務所や家庭においてはもとより、各種レストランや鉄道車両等のコーヒー販売において、早朝に抽出したコーヒーを貯留しておき小分け注出する場合に、少なくとも夕方までは抽出当時の風味とほぼ変わらないコーヒーを提供することができる。
本実施形態に係る液体容器の縦断面図である。 液体容器の部分拡大図である。 液体容器の部分拡大図である。 液体容器の平面図である。 液体容器のエアー抜き状態を示す縦断面図である。 液体容器の縦断面の部分拡大図及び底面図である。 底部材の縦断面図である。 第1変形例に係る液体容器の縦断面図である。 第1変形例に係る液体容器の縦断面図である。 液体容器の正面図である。 液体容器の平面図である。 不活性ガスの流れを示す配管図である。 第2変形例に係る液体容器の縦断面図である。 第2変形例に係る液体容器の縦断面図である。 貯留液体の貯留コーヒーの経時変化を分析するための分析器の一覧を示す図表である。 分析結果を示す図表である。 官能評価の結果を示すチャートである。
符号の説明
1,1A,1B 液体容器
2 外容器
2b キー溝
3 底部材
3a,11a ロックフィンガ
3b キー
4 エアーポンプ
5 ベローズ
6 ポンプ押板
7 蓋構造
8 肩部材
9 注出管カバー
10 給液部
10a シール材
11 ロックリング
12 内容器
12a 上部開口
12b 閉空間
13 内容器受板
14 内容器受筒壁
15 ガスボンベ(ガス供給源)
16 レギュレータ
17 給入接続部
18 元圧弁ノブ
19 弁杆
21 汲上パイプ(汲上管)
22 注出管
27 蝶番
31 連通管
32 元圧力計
33 細管
40 中蓋
43 中蓋プラグ
44 給液管
45 逆止弁
51 ポンプ天板
52 ポンプ底板
53 操作ロック蓋
54 ロックノブ
55 筒壁
56 弁取付穴
57 ポンプ内圧計
58 開口
59 カム構造
60,60´ バルブ構造
70 ガイド壁
80 第1バルブ構造
81 弁球
82 逆T字型操作体
90 第2バルブ構造
91 弁球
95 注液継手
96 給液パイプ
100 注出バルブ
102 弁球
104 弁操作体
107 カム構造
108 操作レバー
141 蓋構造
143 蓋構造本体
144 キャップ部
146 カバー部材
147 窓部
148 ヒンジ
151 肩部材
153 中蓋
161 供給バルブ
162 排気バルブ
163 パージバルブ
164 給液バルブ
166 給液管
167 供給パイプ
168 注出バルブ
171 不活性ガス供給構造
172 ガスタンク
173 圧力計
174,175 バルブ
176 レギュレータ
177 デジタル圧力計
178 ハンドル
179 取付部材
S 空間部

Claims (9)

  1. 外容器と、
    当該外容器内に収容された保温性のある内容器と、
    当該内容器の上部開口を開閉自在に気密閉鎖して当該内容器内に閉空間を形成可能な蓋構造と、
    当該内容器の閉空間に所定圧力の不活性ガスを供給するためのガス供給手段と、
    当該内容器の閉空間と外部とを連通可能とするバルブ構造と、
    当該内容器内に貯留された液体を当該閉空間を介して当該外容器外へ案内するための汲上パイプと、
    当該汲上パイプに設けた注出バルブと、を備え、
    当該注出バルブの開放時に、供給された不活性ガスの圧力により貯留された液体を排出可能に構成してある
    ことを特徴とする液体容器。
  2. 前記蓋構造が、前記閉空間内の圧力が所定値以上となったときに自動パージするパージバルブを備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の液体容器。
  3. 前記蓋構造が、供給された不活性ガスを加圧するための加圧構造を備えている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器。
  4. 前記加圧構造が、天板と底板との間にベローズを備え、
    当該底板に形成した開口を介してエアーポンプと前記閉空間とを連通可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項3記載の液体容器。
  5. 前記注出バルブが、前記加圧構造による不活性ガスの加圧によって自動復帰可能に自動開放する逆止バルブにより構成してある
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の液体容器。
  6. 前記ガス供給手段が、前記閉空間へ不活性ガスを送るガス通路とガス供給源とを含み、当該ガス通路には、ガス用逆止バルブを設けてある
    ことを特徴とする請求項3乃至5何れか記載の液体容器。
  7. 前記ガス供給手段が、不活性ガスの圧力を調整するためのレギュレータを設けてある
    ことを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の液体容器。
  8. 前記閉空間内の不活性ガスの圧力が、0.001乃至0.1MPaに設定してある
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器。
  9. 前記蓋構造が、前記閉空間内に液体を注入するための注入逆止バルブを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至8何れか記載の液体容器。
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