JP2004283451A - アイマスク - Google Patents
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Abstract
【課題】凹状収容部によって装着時に空間部分が形成され、目やその周囲を圧迫しないので、目を開閉することができ、長時間使用してもリラックス感が得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させるための好適な温度を十分な効果が得られる時間持続することができ、繰り返し使用が可能で経済性、携帯性に優れたアイマスクを提供することを目的とする。
【解決手段】断熱性を有する目隠し部と、前記目隠し部の一面側の外周に突設されて目の周囲を覆う断熱性の凸条縁部と、前記目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】断熱性を有する目隠し部と、前記目隠し部の一面側の外周に突設されて目の周囲を覆う断熱性の凸条縁部と、前記目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周囲から光が侵入するのを防ぎ目の周辺を軽く押さえてマッサージ効果によるリラックス感が得られ、目の周辺を冷やしたり温めたりすることにより、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させるためのアイマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディスプレイ装置の普及から視覚情報の重要性が高まっている上、冷暖房等の完備により、年間を通じて湿度の低い環境での生活が定着している。このような生活環境の変化による目の病気や眼精疲労を感じる人の数は増えている。
特に企業でのパソコン等の長時間の使用によって、眼精疲労を訴えるケースが増加しており、疲労の緩和・予防のための治療の需要が高まっている。
さらに、最近、多くの人に利用されているコンタクトレンズは、涙に浮かぶ状態で角膜上に装着して用いられる。このため、特に涙の分泌量が少ない人にとっては、目が乾燥するとコンタクトレンズが角膜を傷つけるおそれがあり、目の乾燥は、単なる眼精疲労にとどまらない問題の原因となっている。
目の疲れを癒す手段として冷たい水を含んだおしぼりを目の周辺に当てることや、眼精疲労や視力低下の要因とされる毛様体筋等の硬直、血行不良を改善する目的で熱めの蒸しタオルを目の周辺に当てることが行われている。蒸しタオルによる温熱療法では、眼瞼を温めることによって、皮膚表面から熱が徐々に皮膚の内部を伝わり、固形化されたマイボーム腺の分泌物を溶かし、涙液層を正常な状態に保ってドライアイを改善することもできる。
しかし、これら冷たい水を含んだおしぼりや蒸しタオルを目の周辺に当てても、その適温はごく短時間で失われ、効果を感じる時間は3〜4分間程度と短かった。
【0003】
目の周辺を冷やす作用、又は温める作用を有するものとして、市販品には高分子ポリマーなどを原料とする保冷材を軟質プラスチック袋に封入した温度保持材製アイマスクや、高分子ポリマーなどの冷温兼用材を軟質プラスチックに封入して形成した温度保持材をポリエステル布地製の袋体に収容して使用するアイマスクがある。
また、(特許文献1)には、「軟性の合成樹脂の目に当たる部分の内部にフリーザーで冷やしても凍らずに冷たさが持続する液体を注入し、その内側の瞼に直接当たる部分にクッションの役割をするガーゼを設けた冷却式アイマスク」が開示されている。
(特許文献2)には、「低電圧の電池で発熱する柔軟性のある絶縁被覆したワイヤーヒーターをリング状にして2眼用及び1眼用の芯のあるアイマスクに組み込み、眼瞼に密着させることができ、且つ、電池を電源とした携帯用の電池温熱式アイマスク」が開示されている。
(特許文献3)には、「化学エネルギーを利用した水蒸気発生部を有し、目及び目の周囲に適用される目用水蒸気発生体」が開示されている。
(特許文献4)には、「軟質シートあるいはファブリック等のアイマスク本体に、セラミックスシートを接着剤等接着性能を持つもので目のツボ8カ所にあたるように本体に張り付けた遠赤外線生育光線アイマスク」が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−36625号
【特許文献2】
特開2000−225141号
【特許文献3】
特開2000−5209号
【特許文献4】
特開平11−76290号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)市販の温度保持材を用いたアイマスクでは、温度保持材を封入した軟質プラスチックを直接、又は間接的に目の周囲に接触させることによって冷やすか温めるもので、冷やしたおしぼりや蒸しタオルによる方法よりも、簡便に使用できる点が改善されているが、温度保持材を封入した軟質プラスチックが熱を伝え易く、周囲の熱の影響を受けて、適温持続時間が短く、効果が不充分であるという課題を有していた。何度も冷やしたり、温めたりすれば、通算して適温の所望時間を得ることはできるが、作業が煩雑であり、心理的にもリラックスできないという課題を有していた。また、人間の目は眼球部分が周辺より幾分膨らんでいるのに対して、形状的な考慮がなされておらず、装着時に眼球部分を圧迫してしまい、長時間の使用には向かないという課題を有していた。更に、市販品のアイマスクにおいて、温度保持材の量を増量することにより、適温の持続時間は長くなるが、装着した際に更に目に圧迫感を感じ、携帯するには重くなり過ぎて実用性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献1)では、「軟性の合成樹脂の目に当たる部分の内部にフリーザーで冷やしても凍らずに冷たさが持続する液体を注入し、その内側の瞼に直接当たる部分にクッションの役割をするガーゼを設けているので、温度保持材を注入された合成樹脂が直接皮膚に触れないが、液体層が薄いので体温や室温で温まり適温持続時間が短く、効果が不充分であるという課題を有していた。
(3)(特許文献2)では、「ワイヤーヒーターをリング状にしてアイマスクに組み込んでいるので、適温を維持することができるが、電源として乾電池が必要なので、携帯性、経済性に欠けるという課題を有していた。また、ワイヤーヒーターを眼瞼に密着させて使用し、圧迫刺激を与えるので、長時間の使用には不向きであるという課題を有していた。
(4)(特許文献3)では、電気ヒーターあるいは超音波を利用して水蒸気を発生させる場合に比して、簡便に目及び目の周囲に水蒸気を供給することができるが、加熱部では反応させる反応物同士を仕切壁で分離しており、水蒸気を発生させるときにその仕切壁を破り、反応を進行させるものなので、使い捨てであり経済性に欠けるという課題を有していた。
(5)(特許文献4)では、「軟質シートあるいはファブリック等のアイマスク本体に、セラミックスシートを接着剤等接着性能を持つもので目のツボ8カ所にあたるように本体に張り付けたもので、装着している間に徐々に温かくなるものであるが、温かさを感じるようになるまでに時間を要し、実用性に欠けるという課題を有していた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、凹状収容部やその周囲の凸条縁部によって装着時に空間部分が形成され、目やその周囲を圧迫しないので、目を開閉することができ、長時間使用してもリラックス感が得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させるための好適な温度を十分な効果が得られる時間持続することができ、繰り返し使用が可能で経済性、携帯性に優れたアイマスクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のアイマスクは、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のアイマスクは、断熱性を有する目隠し部と、前記目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う柔軟性でかつ断熱性の凸条縁部と、前記目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部と、を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)断熱性を有する目隠し部と、目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う柔軟性でかつ断熱性の凸条縁部を有するので、瞼と目隠し部との間に空間を形成することができ、空間内の温度が略一定に保たれると共に、装着中に眼球を圧迫することがなく、光が遮られた中で目を開閉することができ、リラックスすることができる。
(2)目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、装着することにより、目の周辺を軽く押さえマッサージ効果が期待できる。
(3)目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部に装着用バンドを配設することにより、容易に装着、取外しを行って携帯することができる。
【0008】
ここで、目隠し部及び目隠し部の外周に突設された凸条縁部は、ゴム、発泡合成ゴム、発泡合成樹脂など柔軟性でかつ断熱性を有する素材で成形される。合成ゴムとしてはクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム等があり、合成樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ユリア樹脂、架橋ポリエチレン等がある。
目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、その空間部分に冷たい水や温かいお湯を含ませた布や、市販の保冷材や保温材などを収容することによって、目の周辺を冷やしたり、温めたりすることもできる。
目隠し部の厚さは約3mm〜15mmが好ましい。目隠し部の厚さが約3mmより薄くなるにつれ断熱効果が不充分となり、強度が弱くなって破れ易くなる傾向があり好ましくなく、15mmより厚くなるにつれて嵩張って携帯しづらくなる傾向があり好ましくない。また、凸条縁部の幅は約5mm〜15mmが好ましい。凸条縁部の幅が約5mmより狭くなるにつれて装着時に周辺部に隙間ができ易くなり、強度が弱くなって破れたり潰れたりし易くなる傾向があり好ましくなく、15mmより広くなるにつれて嵩張り携帯しづらく、装着時に目の周辺を圧迫する傾向が強くなるので好ましくない。更に、凸条縁部の厚さは約5mm〜40mmが好ましい。凸条縁部の厚さが約5mmより薄くなるにつれて目隠し部と目との間の空間部分が浅くなり、保冷材や保温材などを収容して装着した場合に、目の周辺を圧迫するおそれが生じ好ましくなく、40mmより厚くなるにつれて重量が増して装着時に圧迫感を感じるようになると共に、嵩張って携帯性が悪くなる傾向があり好ましくない。
バンド取付部に配設する装着用バンドには、ゴムなどの伸縮性のある素材を用いることが好ましい。これにより、容易にアイマスクを着脱できると共に、顔面にフィットさせることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアイマスクであって、前記目隠し部と前記凸条縁部とで形成された凹状収容部に収容される(a)吸水性を有する抱水体、及び/又は、(b)保冷材、保温材、保冷保温兼用材の内いずれか1以上の温度保持材と、を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有し、凹状収容部が外気と遮断されるので、凹状収容部に収容する抱水体に予め冷水又は温水を含ませておくことにより、アイマスクの装着時に目の周辺を冷やしたり、温めたりする好適温度の持続時間を長くすることができ、リラックス感を得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる。
(2)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有することにより、抱水体に冷水を含ませて用いるか、温度保持材を冷やして使用した場合、凹状収容部内が冷えて抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても冷却効果が得られ、また、軽く触れるようにしても、適度な冷たさがよく伝わり、温度上昇も抑えられて好適な温度を10分以上持続することができる。
(3)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有するので、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、凹状収容部の空間に充満し、温熱効果を高めると共に、目の乾きを改善することができる。
(4)抱水体は軽量で携帯し易く、手軽に冷蔵庫で冷やしたりポットのお湯などによって温めたりすることができ、繰り返し使用が可能で、外出先などでも簡単に使用することができる。
(5)抱水体の代わりに温度保持材を用いた場合は、水やお湯がない場所でも使用することができ、更にアイマスクの使用範囲を広げることができる。
(6)抱水体と温度保持材を併用した場合は、好適な温度をより長い時間持続させることができ、アイマスクの使用効果を高めることができる。
【0010】
ここで、抱水体には布、脱脂綿、スポンジ、綿状パルプ、高分子吸水材やレーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリル等を材料とした繊維の織物や編物からなるシート状のものや、綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリル等を材料として、スパンボンド法、ニードルパンチ法、メルトブロー法、水流交絡法等で製造される不織布からなるシート等が用いられる。なお、これらの繊維は単独で使用しても良く、混合したものでも良い。
これにより、所要温度の水分を適量含ませて手軽に使用することができ、汚損、紛失した場合にも簡単に入手して交換することができる。また、抱水体は抱水率が高く肌触りのよいものが望ましい。抱水率が高いことにより、好適温度の持続時間を長くすることができ、肌触りがよいことにより、心地よい使用感をえることができる。
また、保冷材には、水溶性ジェルが好適に用いられる。水溶性ジェルとしては、水分を吸収できるものであれば任意の物質を使用でき、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、澱粉、またはこれらの水溶性高分子を無機塩もしくは有機系架橋剤で架橋したものなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
これらの水溶性ジェルを用いることにより、約10℃〜15℃の温度を約10〜20分間持続することができる。これにより、目の周辺を冷やして、心地よい清涼感が得られ、目の疲れを癒すことができる。温度が10℃より低くなるにつれ、長時間触れると冷た過ぎて、不快に感じるようになり、温度が15℃より高くなるにつれ、清涼感が得られず好ましくない。
保温材としては、ゲル状熱媒体が好適に用いられる。ゲル状熱媒体としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等が好適に使用される。これらの保温材は電子レンジなどで温めて使用する。
これらのゲル状熱媒体を用いることにより、約40℃〜52℃の温度を約10〜20分間持続することができる。これにより、目の周辺を温めて、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる。温度が40℃より低くなるにつれ、十分な効果を得ることができず、温度が52℃より高くなるにつれ、熱過ぎて不快感を感じ、長時間使用することができなくなって好ましくない。
尚、温度保持材はポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等で形成された袋体に上に挙げた水溶性ジェルやゲル状熱媒体を注入して作製される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアイマスクであって、前記抱水体が、自重約3g〜60g、好ましくは約5g〜30gで前記凹状収容部の内側形状に合わせて形成されている構成を有している。
この構成により、請求項2に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる。
(2)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、抱水体を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる。
(3)周囲を断熱性の素材で囲繞されているので、抱水体の自重を約3g〜60g、好ましくは約5g〜30gとすることにより、冷却又は温熱効果に十分な水分を保持して好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、必要により直接瞼などに触れないようにして、濡れたり不快感を与えたりするのを防止できる。
【0012】
ここで、抱水体の自重が約5gより軽いと十分な水分を保持することができず冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、自重が30gより重くなるにつれて嵩張ってアイマスクに収容した際に瞼などを圧迫して、不快感を感じるようになり好ましくない。尚、抱水体の厚みはアイマスクの凸条縁部の厚さよりも薄く形成される。アイマスクの装着時に抱水体が直接瞼などに触れないようにして濡れるのを防止したり、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることもできるので、圧迫感や不快感を与えることがない。
また、抱水体に含ませる水分は約30g〜80gが好ましい。抱水体に含ませる水分が30gより少なくなるにつれ、冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、水分が80gより多くなるにつれて抱水体が水分を保持できなくなる傾向があり好ましくない。
抱水体の自重を約5g〜30gとし、抱水体に含ませる水分を約30g〜80gとすることにより、好適な温度を約10分間持続することができる。より好ましくは抱水体の自重を約10g〜30gとすることにより、好適な温度の持続時間が安定し、十分な水分量で冷却又は温熱効果をえることができる。
また、抱水体は軽量で折り曲げることもできるので、アイマスクと共に持ち運びが容易で携帯性に優れる。更に、絞ることによって水切りをして軽量化でき、乾燥も容易で繰り返し使用しても衛生的である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のアイマスクであって、前記温度保持材が、前記凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体と、前記袋状収容体に注入された約15g〜100gの温度保持剤と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項2に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材の凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる。
(2)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる。
(3)袋状収容体に温度保持剤を約15g〜100g注入することにより、冷却又は温熱効果をえるのに好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、直接瞼などに強く触れないようにし、圧迫感、不快感を与えるのを防止できる。
【0014】
ここで、温度保持剤の量が15gより少なくなるにつれ、適温を保持できる時間が短くなって冷却や温熱による十分な効果が得られなくなる傾向があり、温度保持剤の量が100gより大きくなるにつれ、嵩張って凹状収容部に収容した際に目の周辺を圧迫することがあり、携帯しづらくなる傾向があり好ましくない。
温度保持剤を収容する袋状収容体のシート(フィルム)の材質としては、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等が好ましい。柔軟かつ熱伝導性のよい材質で作られた袋状収容体を使用することにより、取り扱いや携帯性が向上し、に封入して形成することが好ましい。
尚、温度保持材の厚味はアイマスクの凸条縁部の厚さよりも薄く形成される。アイマスクの装着時に温度保持材を瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、直接瞼などに強く触れないようにし、圧迫感や不快感を与えることがない。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の内いずれか1項に記載のアイマスクであって、前記抱水体又は前記温度保持材の一面に通気性を有する保護体を備えている構成を有している。
この構成により、請求項2乃至4の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抱水体又は温度保持材の一面に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分や温度保持材が目の周辺に直接触れないので、冷え過ぎや温め過ぎを防止できると共に、抱水体や温度保持材の温度が適温から外れた時の不快感を低減することができる。
(2)保護体が通気性を有することにより、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、遮断されることなく凹状収容部の空間に充満するので、直接、抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても温熱効果を得ることができ、目を開けることにより、ドライアイなどの目の乾きを改善することもできる。
(3)抱水体又は温度保持材の一面に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分が目の周辺に直接触れないので、化粧をした女性など顔が濡れるのを避けたい人でも、簡便に使用することができる。
【0016】
ここで、通気性を有する保護体としては、疎水性材料などで形成したガーゼなどやメッシュ地及びポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、アクリル、ポリアミド等の疎水性不織布などが好適である。保護体を疎水性とした場合、シート状に形成したものを抱水体と重ね合わせたり、袋体を形成して内部に抱水体を収納するようにすることにより、抱水体に含まれる水分で目の周辺が濡れないようにすることができる。
【0017】
請求項6に記載のアイマスクは、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載のアイマスクであって、前記凸条縁部が軟質性発泡樹脂又は軟質性発泡合成ゴムで形成されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)凸条縁部が軟質性発泡樹脂又は軟質性発泡合成ゴムで形成されているので、顔面にフィットして、装着時の違和感や圧迫感がなく、長時間使用してもリラックス感を維持することができる。
(2)凸条縁部が軟質性発泡樹脂又は軟質性発泡合成ゴムで形成されているので、骨格などの個人差の影響を吸収でき、汎用性を向上できる。
ここで、凸条縁部を形成する軟質性発泡樹脂としては、独立気泡性のものが好適に用いられる。これにより、断熱性に優れアイマスクの好適温度の持続時間を長くして、冷却又は温熱による効果を高めることができる。また、吸水が防止され速乾性があるので衛生的にも優れる。
発泡樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどがある。発泡合成ゴムとしてはブタジエンスチレンゴム、ブタジエンアクリルニトリルゴム、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソブチレンイソプレンゴム、ウレタンゴム等が利用できる。
なお、凸条縁部は目隠し部と一体に形成してもよいし、別々に形成したものを接着などによって接合してもよい。一体に形成した場合、アイマスク全体が軽く柔軟性を持つので、装着時のフィット感が増し、取り扱いが容易で折り畳むなどして持ち運ぶことができ、携帯性に優れる。
【0018】
請求項7に記載のアイマスクは、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載のアイマスクであって、前記凸条縁部が前記凸条縁部の端部側面から前記凹状収容部の内側に延設され前記凸条縁部の内周に突設された保持用突起を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)凸条縁部の内周に突設された保持用突起を有することにより、抱水体や温度保持材を凹状収容部内に保持し、抱水体や温度保持材の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体や温度保持材が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる。
ここで、保持用突起の断面形状としては、略三角形状、略抱形状、略半円形状などが挙げられる。特に、断面形状を略半円形状とした場合、抱水体や温度保持材の収容、取外し作業がスムーズに行えると共に、アイマスク装着時に保持用突起が目の周辺に接触した時の違和感などがなく、フィットさせることができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるアイマスクを示す全体斜視図であり、図2は本発明の実施の形態1における抱水体を示す全体斜視図である。
図1中、1はアイマスク、2aは断熱性を有する目隠し部、2bは目隠し部2aの外周に突設して配設され目の周囲を覆う軟質性発泡樹脂製で柔軟性でかつ断熱性を有する凸条縁部、3は目隠し部2aと凸条縁部2bとで形成され装着時に目の周囲を外気から遮断する凹状収容部、4は目隠し部2aに延設され穿設されたバンド取付部、5はゴム製バンドである。
図2中、6は凹状収容部3とほぼ同形状に形成された脱脂綿6aを布地6bの間に挟んで構成した抱水体である。
図1において、目隠し部2aの厚さは約3mm〜15mm、凸条縁部2bの幅は約5mm〜15mm、厚さは約5mm〜40mmであり、凹状収容部3の面積は約60cm2〜150cm2に形成した。
図2において、抱水体6は自重が約5g〜30gであり、これに約30g〜80gの水分を含ませて使用した。これにより、アイマスク1は軽量で容易に携帯することができ、凹状収容部3に抱水体6を収容して装着しても眼球部分を圧迫することがなく、長時間使用することができる。
また、抱水体の自重が5gより軽いと十分な水分を保持することができず冷却又は温熱効果が低下し易く、自重が30gより重くなるにつれて嵩張ってアイマスクに収容した際に瞼などを圧迫して、不快感を感じることが分かった。更に、抱水体に含ませる水分が30gより少なくなるにつれ、冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、水分が80gより多くなるにつれて抱水体が水分を保持できなくなる傾向があることも分かった。
目隠し部の厚さが約3mmより薄くなるにつれ断熱効果が不充分となり、強度が弱くなって破れ易くなる傾向があり好ましくなく、15mmより厚くなるにつれて嵩張って携帯しづらくなる傾向があることがわかった。また、凸条縁部の幅が約5mmより狭くなるにつれて装着時に周辺部に隙間ができ易くなり、強度が弱くなって破れたり潰れたりし易くなる傾向があり、15mmより広くなるにつれて嵩張るようになり、装着時に目の周辺を圧迫する傾向が強くなるので好ましくないことがわかった。更に、凸条縁部の厚さが約5mmより薄くなるにつれて凹状収容部3が浅くなり、抱水体や温度保持材を収容して装着した場合に、目の周辺を圧迫するおそれが生じ好ましくなく、40mmより厚くなるにつれて装着時に圧迫感を感じるようになると共に、嵩張って携帯性が悪くなる傾向があることがわかった。
【0020】
以上のように構成された本発明の実施の形態1におけるアイマスクについて、その使用方法を説明する。
図2の抱水体6に水を含ませて冷蔵庫などで冷やすか、直接、冷水又は温水を含ませ、図1のアイマスク1の凹状収容部3に収容し、凸条縁部2bが目の周辺に当たるように装着し、ゴム製バンド5を後頭部に引っ掛けるように固定して使用する。
目の周辺を冷やしたい場合の初期温度は10℃前後が好ましく、目の周辺を温めたい場合の初期温度は52℃前後が望ましい。これにより、冷やしたい場合の好適温度である約10℃〜15℃、温めたい場合の好適温度である約40℃〜52℃をそれぞれ約10分間持続することができる。
【0021】
以上のように本発明の実施の形態1におけるアイマスクは構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)断熱性を有する目隠し部と、目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う断熱性の凸条縁部を有するので、瞼と目隠し部との間に空間を形成することができ、空間内の温度が略一定に保たれると共に、装着中に眼球を圧迫することがなく、光が遮られた中で目を開閉することができ、リラックスすることができる。
(2)目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、装着することにより、目の周辺を軽く押さえマッサージ効果が期待できる。
(3)目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部に装着用バンドを配設することにより、容易に装着、取外しを行って携帯することができる。
(4)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有し、凹状収容部が外気と遮断されるので、凹状収容部に収容する抱水体に予め冷水又は温水を含ませておくことにより、アイマスクの装着時に目の周辺を冷やしたり、温めたりする好適温度の持続時間を長くすることができ、リラックス感を得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる。
(5)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有することにより、抱水体に冷水を含ませて用いるか、温度保持材を冷やして使用した場合、凹状収容部内が冷えて抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても冷却効果が得られ、また、軽く触れるようにしても、適度な冷たさがよく伝わり、温度上昇も抑えられて好適な温度を10分以上持続することができる。
(6)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有するので、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、凹状収容部の空間に充満し、温熱効果を高めると共に、目の乾きを改善することができる。
(7)抱水体は軽量で携帯し易く、手軽に冷蔵庫で冷やしたりポットのお湯などによって温めたりすることができ、繰り返し使用が可能で、外出先などでも簡単に使用することができる。
(8)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに強く触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる。
(9)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、抱水体を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる。
(10)周囲を断熱性の素材で囲繞されているので、抱水体の自重を約5g〜30gとすることにより、冷却又は温熱効果に十分な水分を保持して好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、必要により直接瞼などに触れないようにして、濡れたり不快感を与えたりするのを防止できる。
(11)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、顔面にフィットして、装着時の違和感がなく、リラックス感をえることができる
(12)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、骨格などの個人差の影響が吸収でき、汎用性を向上できる。
【0022】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2におけるアイマスクについて、以下図面を用いて説明する。
図3は本発明の実施の形態2におけるアイマスクの要部断面側面図である。
図3中、11はアイマスク、12aは軟質性の発泡合成ゴムで形成され断熱性を有する目隠し部、12bは目隠し部12aの外周から延設されて目の周囲を覆う軟質性の発泡合成ゴム製の凸条縁部、12cは凸条縁部12bの端部から目隠し部12a側へ延設されて凸条縁部12bの内周に突設された保持用突起、13は目隠し部12aと凸条縁部12bとで形成され装着時に外周を遮断する凹状収容部、16は凹状収容部13の内側形状とほぼ同形状に形成された布製の抱水体、17は温度保持材、18は袋状に形成されて抱水体16及び温度保持材17を収容する通気性を有する保護体である。
図3において、実施の形態2が実施の形態1と異なっているのは、保持用突起12cを有する凸条縁部12bが目隠し部12aと軟質性の発泡合成ゴムにより一体的に形成され、温度保持剤17と保護体18を有している点である。
保持用突起12cを有することにより、抱水体16及び温度保持材17を凹状収容部13内に保持し、抱水体16及び温度保持材17の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体16及び温度保持材17が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる。
温度保持材17は、高分子ポリマーに多価アルコールなどを加えた温度保持剤をポリオレフィン系の軟質シートなど柔軟かつ熱伝導性のよい材質で作られた袋状収容体に封入して形成している。形状は、抱水体16と同様に凹状収容部13の内側形状とほぼ同形状に形成している。温度保持剤の量は約15g〜100gが好ましい。温度保持剤の量が15gより少なくなるにつれ、適温を保持できる時間が短くなって冷却や温熱による十分な効果が得られなくなる傾向があり、温度保持剤の量が100gより大きくなるにつれ、嵩張って凹状収容部に収容した際に目の周辺を圧迫し易くなり、携帯しづらくなる傾向があり好ましくない。
【0023】
温度保持材17は直接、凹状収容部13に収納して、単独で使用することもできるが、抱水体16と併用することにより、温度保持材17からの熱が抱水体16に伝導し、より長い時間、好適な温度を持続することができる。
温度保持材17と併用する場合の抱水体16の自重は約3g〜20gが好ましい。抱水体の自重が3gより軽いと十分な水分を保持することができず冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、自重が20gより重くなるにつれて嵩張ってアイマスクに収容した際に直接瞼などに触れて不快感を感じるようになり好ましくない。
また、抱水体に含ませる水分は約10g〜60gが好ましい。抱水体に含ませる水分が10gより少なくなるにつれ、冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、水分が60gより多くなるにつれて抱水体が水分を保持できなくなる傾向があり好ましくない。尚、抱水体の素材としては、スポンジ、綿状パルプ、高分子吸水材などを用いてもよい。
更に、抱水体16及び温度保持材17が袋状に形成されて通気性を有する保護体18に収納されているので、抱水体16に含まれる水分が直接で目の周辺に触れるのを防ぎ、冷え過ぎや温め過ぎを防止できる。保護体18には、ポリエステルやポリオレフィン系などの合成繊維や疎水性不織布などが好適に使用できる。
【0024】
以上のように本発明の実施の形態2におけるアイマスクは構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抱水体と温度保持材を併用することにより、好適な温度をより長い時間持続することができ、アイマスクの使用効果を高めることができる。
(2)抱水体及び温度保持材を通気性を有する保護体に収容することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分や温度保持材が目の周辺に直接触れないので、冷え過ぎや温め過ぎを防止できると共に、抱水体や温度保持材の温度が適温から外れた時の不快感を低減することができる。
(3)保護体が通気性を有することにより、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、遮断されることなく凹状収容部の空間に充満するので、直接、抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても温熱効果を得ることができ、目を開けることにより、ドライアイなどの目の乾きを改善することもできる。
(4)抱水体及び温度保持材を通気性を有する保護体に収容することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分が目の周辺に直接触れないので、化粧をした女性など顔が濡れるのを避けたい人でも、簡便に使用することができる。
(5)保持用突起を有することにより、抱水体や温度保持材を凹状収容部内に保持し、抱水体や温度保持材の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体や温度保持材が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる。
(6)軟質性の発泡合成ゴムにより凸条縁部と目隠し部を一体に形成しているので、アイマスク全体が軽く柔軟性を持ち、装着時のフィット感が増し、取り扱いが容易で折り畳むなどして持ち運ぶことができ、携帯性に優れる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
表1に本発明のアイマスクを使用して目の周辺を冷やした場合の好適温度(10℃〜15℃)の持続時間の測定結果を示す。
ネル布地と脱脂綿を重ねて自重約10g〜30gの抱水体を形成し、この抱水体に水分を含ませた後に軽く絞り、含まれる水分を約30g〜80gとして、冷蔵庫で約10℃に冷やしたものを本発明のアイマスクの凹状収容部に収容し装着した。
比較例として、従来使用されているおしぼり及び市販品1(小林製薬製、商品名:やわらかアイマスク)での測定を行った。
おしぼりは30gのタオルに60gの水分を含ませた後、冷蔵庫で約10℃に冷やしてから目の周辺に当てた。
市販品1は、約80gの保冷剤を軟質プラスチック袋に封入したアイマスクであり、冷蔵庫で約10℃に冷やしてから目の周辺に当てた。
尚、実験は室温20℃で行った。
【表1】
従来のおしぼりによる方法や市販品1では約4分しか好適温度が持続しなかったのに対し、本発明のアイマスクでは10分以上持続できることが分かった。
【0026】
(実施例2)
表2に本発明のアイマスクを使用して目の周辺を温めた場合の好適温度(40℃〜52℃)の持続時間の測定結果を示す。
ネル布地と脱脂綿を重ねて自重約10g〜30gの抱水体を形成し、この抱水体にお湯を含ませた後に軽く絞り、含まれる水分を約30g〜80gとして、目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めたものを本発明のアイマスクの凹状収容部に収容し装着した。
また、約60gの温度保持剤が封入されている温度保持材と、自重が約10gで水分を約30g含む抱水体とを目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めたものを重ね、ポリエステル製のメッシュ状保護体に入れて、本発明のアイマスクの凹状収容部に収容し装着した。
比較例として、従来使用されているおしぼり及び市販品2(ケンユー製、商品名:アイケアマスク)での測定を行った。
おしぼりはタオルをお湯につけて目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めて使用した。自重が40gのタオルに100gの水分を含ませた場合と、自重が70gのタオルに150gの水分を含ませた場合につき測定を行った。
市販品2は、約30gの温度保持剤を軟質プラスチック袋に封入した温度保持材をポリエステル製の袋に収容するアイマスクであり、目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めて使用した。更に、市販品2と同様の温度保持剤の量を約60g、120g、200gに増やして軟質プラスチック袋に封入した場合の測定も行った。
尚、実験は室温20℃で行った。
【表2】
本発明のアイマスクでは10分以上好適温度が持続できたのに対し、従来のおしぼりによる方法や通常の市販品2では約3分〜5分しか持続できないことが分かった。
また、市販品2と同様の温度保持剤の量を増やした場合、通常の4倍に増やしても好適温度の持続時間は約7〜8分にしかならず、10分持続するためには通常の7倍近い量が必要であり、装着の際に目に圧迫感を感じることが分かった。尚、この装着の際に目に圧迫感を感じる問題は、市販品1(温度保持剤約80g)、市販品2(温度保持剤約30g)のいずれにも有するもので、温度保持剤が封入された軟質プラスチック袋が膨らむため、目の周辺を圧迫してしまうというその構造に起因するものであった。
【0027】
(実施例3)
本発明のアイマスクを使用して目の周辺を温めることを1日1回実施し、同時に変動する距離に応じた視角を有する視標を視認する視力トレーニングを1日1回5〜10分間、4ヶ月間述べ60回続けたところ、59歳の被験者の両眼視による遠見視力が0.6から1.0に回復し、近見視力は0.2から0.4に回復した。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明のアイマスクによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)断熱性を有する目隠し部と、目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う断熱性の凸条縁部を有するので、瞼と目隠し部との間に空間を形成することができ、空間内の温度が略一定に保たれると共に、装着中に眼球を圧迫することがなく、光が遮られた中で目を開閉することができ、リラックスすることができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、装着することにより、目の周辺を軽く押さえマッサージ効果が期待できる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部に装着用バンドを配設することにより、容易に装着、取外しを行って携帯することができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有し、凹状収容部が外気と遮断されるので、凹状収容部に収容する抱水体に予め冷水又は温水を含ませておくことにより、アイマスクの装着時に目の周辺を冷やしたり、温めたりする好適温度の持続時間を長くすることができ、リラックス感を得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる機能性、汎用性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有することにより、抱水体に冷水を含ませて用いるか、温度保持材を冷やして使用した場合、凹状収容部内が冷えて抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても冷却効果が得られ、また、軽く触れるようにしても、適度な冷たさがよく伝わり、温度上昇も抑えられて好適な温度を10分以上持続することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有するので、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、目隠し部と凸条縁部とで形成された凹状収容部の空間に充満し、温熱効果を高めると共に、目の乾きを改善することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(4)抱水体は軽量で携帯し易く、手軽に冷蔵庫で冷やしたりポットのお湯などによって温めたりすることができ、繰り返し使用が可能で、外出先などでも簡単に使用することができる取り扱い性、携帯性、経済性に優れたアイマスクを提供することができる。
(5)抱水体の代わりに温度保持材を用いた場合は、水やお湯がない場所でも使用することができ、更にアイマスクの使用範囲を広げることができる汎用性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
(6)抱水体と温度保持材を併用した場合は、好適な温度をより長い時間持続することができ、アイマスクの使用効果を高めることができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる機能性、携帯性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、抱水体を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)周囲を断熱性の素材で囲繞されているので、抱水体の自重を約3g〜60g、好ましくは約5g〜30gとすることにより、冷却又は温熱効果に十分な水分を保持して好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、必要により直接瞼などに触れないようにして、濡れたり不快感を与えたりするのを防止できる機能性、信頼性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材の凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる機能性、携帯性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)袋状収容体に温度保持剤を約30g〜100g注入することにより、冷却又は温熱効果をえるのに好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、直接瞼などに強く触れないようにし、圧迫感、不快感を与えるのを防止できる機能性、信頼性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2乃至4の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)抱水体又は温度保持材の目隠し部と対向する側に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分や温度保持材が目の周辺に直接触れないので、冷え過ぎや温め過ぎを防止できると共に、抱水体や温度保持材の温度が適温から外れた時の不快感を低減することができる機能性、信頼性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)保護体が通気性を有することにより、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、遮断されることなく凹状収容部の空間に充満するので、直接、抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても温熱効果を得ることができ、目を開けることにより、ドライアイなどの目の乾きを改善することもできる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)抱水体又は温度保持材の目隠し部と対向する側に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分が目の周辺に直接触れないので、化粧をした女性など顔が濡れるのを避けたい人でも、簡便に使用することができる機能性、取り扱い性、汎用性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、顔面にフィットして、装着時の違和感がなく、リラックス感をえることができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、骨格などの個人差の影響が吸収できる機能性、汎用性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0034】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)凸条縁部の内周に突設された保持用突起を有することにより、抱水体や温度保持材を凹状収容部内に保持し、抱水体や温度保持材が倒れ込むのを防ぐと共に、抱水体や温度保持材の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体や温度保持材が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアイマスクを示す全体斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における抱水体を示す全体斜視図
【図3】本発明の実施の形態2におけるアイマスクの要部断面側面図
【符号の説明】
1、11 アイマスク
2a、12a 目隠し部
2b、12b 凸条縁部
3、13 凹状収容部
4 バンド取付部
5 ゴム製バンド
6、16 抱水体
6a 脱脂綿
6b 布地
12c 保持用突起
17 温度保持材
18 保護体
【発明の属する技術分野】
本発明は、周囲から光が侵入するのを防ぎ目の周辺を軽く押さえてマッサージ効果によるリラックス感が得られ、目の周辺を冷やしたり温めたりすることにより、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させるためのアイマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディスプレイ装置の普及から視覚情報の重要性が高まっている上、冷暖房等の完備により、年間を通じて湿度の低い環境での生活が定着している。このような生活環境の変化による目の病気や眼精疲労を感じる人の数は増えている。
特に企業でのパソコン等の長時間の使用によって、眼精疲労を訴えるケースが増加しており、疲労の緩和・予防のための治療の需要が高まっている。
さらに、最近、多くの人に利用されているコンタクトレンズは、涙に浮かぶ状態で角膜上に装着して用いられる。このため、特に涙の分泌量が少ない人にとっては、目が乾燥するとコンタクトレンズが角膜を傷つけるおそれがあり、目の乾燥は、単なる眼精疲労にとどまらない問題の原因となっている。
目の疲れを癒す手段として冷たい水を含んだおしぼりを目の周辺に当てることや、眼精疲労や視力低下の要因とされる毛様体筋等の硬直、血行不良を改善する目的で熱めの蒸しタオルを目の周辺に当てることが行われている。蒸しタオルによる温熱療法では、眼瞼を温めることによって、皮膚表面から熱が徐々に皮膚の内部を伝わり、固形化されたマイボーム腺の分泌物を溶かし、涙液層を正常な状態に保ってドライアイを改善することもできる。
しかし、これら冷たい水を含んだおしぼりや蒸しタオルを目の周辺に当てても、その適温はごく短時間で失われ、効果を感じる時間は3〜4分間程度と短かった。
【0003】
目の周辺を冷やす作用、又は温める作用を有するものとして、市販品には高分子ポリマーなどを原料とする保冷材を軟質プラスチック袋に封入した温度保持材製アイマスクや、高分子ポリマーなどの冷温兼用材を軟質プラスチックに封入して形成した温度保持材をポリエステル布地製の袋体に収容して使用するアイマスクがある。
また、(特許文献1)には、「軟性の合成樹脂の目に当たる部分の内部にフリーザーで冷やしても凍らずに冷たさが持続する液体を注入し、その内側の瞼に直接当たる部分にクッションの役割をするガーゼを設けた冷却式アイマスク」が開示されている。
(特許文献2)には、「低電圧の電池で発熱する柔軟性のある絶縁被覆したワイヤーヒーターをリング状にして2眼用及び1眼用の芯のあるアイマスクに組み込み、眼瞼に密着させることができ、且つ、電池を電源とした携帯用の電池温熱式アイマスク」が開示されている。
(特許文献3)には、「化学エネルギーを利用した水蒸気発生部を有し、目及び目の周囲に適用される目用水蒸気発生体」が開示されている。
(特許文献4)には、「軟質シートあるいはファブリック等のアイマスク本体に、セラミックスシートを接着剤等接着性能を持つもので目のツボ8カ所にあたるように本体に張り付けた遠赤外線生育光線アイマスク」が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−36625号
【特許文献2】
特開2000−225141号
【特許文献3】
特開2000−5209号
【特許文献4】
特開平11−76290号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)市販の温度保持材を用いたアイマスクでは、温度保持材を封入した軟質プラスチックを直接、又は間接的に目の周囲に接触させることによって冷やすか温めるもので、冷やしたおしぼりや蒸しタオルによる方法よりも、簡便に使用できる点が改善されているが、温度保持材を封入した軟質プラスチックが熱を伝え易く、周囲の熱の影響を受けて、適温持続時間が短く、効果が不充分であるという課題を有していた。何度も冷やしたり、温めたりすれば、通算して適温の所望時間を得ることはできるが、作業が煩雑であり、心理的にもリラックスできないという課題を有していた。また、人間の目は眼球部分が周辺より幾分膨らんでいるのに対して、形状的な考慮がなされておらず、装着時に眼球部分を圧迫してしまい、長時間の使用には向かないという課題を有していた。更に、市販品のアイマスクにおいて、温度保持材の量を増量することにより、適温の持続時間は長くなるが、装着した際に更に目に圧迫感を感じ、携帯するには重くなり過ぎて実用性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献1)では、「軟性の合成樹脂の目に当たる部分の内部にフリーザーで冷やしても凍らずに冷たさが持続する液体を注入し、その内側の瞼に直接当たる部分にクッションの役割をするガーゼを設けているので、温度保持材を注入された合成樹脂が直接皮膚に触れないが、液体層が薄いので体温や室温で温まり適温持続時間が短く、効果が不充分であるという課題を有していた。
(3)(特許文献2)では、「ワイヤーヒーターをリング状にしてアイマスクに組み込んでいるので、適温を維持することができるが、電源として乾電池が必要なので、携帯性、経済性に欠けるという課題を有していた。また、ワイヤーヒーターを眼瞼に密着させて使用し、圧迫刺激を与えるので、長時間の使用には不向きであるという課題を有していた。
(4)(特許文献3)では、電気ヒーターあるいは超音波を利用して水蒸気を発生させる場合に比して、簡便に目及び目の周囲に水蒸気を供給することができるが、加熱部では反応させる反応物同士を仕切壁で分離しており、水蒸気を発生させるときにその仕切壁を破り、反応を進行させるものなので、使い捨てであり経済性に欠けるという課題を有していた。
(5)(特許文献4)では、「軟質シートあるいはファブリック等のアイマスク本体に、セラミックスシートを接着剤等接着性能を持つもので目のツボ8カ所にあたるように本体に張り付けたもので、装着している間に徐々に温かくなるものであるが、温かさを感じるようになるまでに時間を要し、実用性に欠けるという課題を有していた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、凹状収容部やその周囲の凸条縁部によって装着時に空間部分が形成され、目やその周囲を圧迫しないので、目を開閉することができ、長時間使用してもリラックス感が得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させるための好適な温度を十分な効果が得られる時間持続することができ、繰り返し使用が可能で経済性、携帯性に優れたアイマスクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のアイマスクは、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のアイマスクは、断熱性を有する目隠し部と、前記目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う柔軟性でかつ断熱性の凸条縁部と、前記目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部と、を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)断熱性を有する目隠し部と、目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う柔軟性でかつ断熱性の凸条縁部を有するので、瞼と目隠し部との間に空間を形成することができ、空間内の温度が略一定に保たれると共に、装着中に眼球を圧迫することがなく、光が遮られた中で目を開閉することができ、リラックスすることができる。
(2)目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、装着することにより、目の周辺を軽く押さえマッサージ効果が期待できる。
(3)目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部に装着用バンドを配設することにより、容易に装着、取外しを行って携帯することができる。
【0008】
ここで、目隠し部及び目隠し部の外周に突設された凸条縁部は、ゴム、発泡合成ゴム、発泡合成樹脂など柔軟性でかつ断熱性を有する素材で成形される。合成ゴムとしてはクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム等があり、合成樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ユリア樹脂、架橋ポリエチレン等がある。
目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、その空間部分に冷たい水や温かいお湯を含ませた布や、市販の保冷材や保温材などを収容することによって、目の周辺を冷やしたり、温めたりすることもできる。
目隠し部の厚さは約3mm〜15mmが好ましい。目隠し部の厚さが約3mmより薄くなるにつれ断熱効果が不充分となり、強度が弱くなって破れ易くなる傾向があり好ましくなく、15mmより厚くなるにつれて嵩張って携帯しづらくなる傾向があり好ましくない。また、凸条縁部の幅は約5mm〜15mmが好ましい。凸条縁部の幅が約5mmより狭くなるにつれて装着時に周辺部に隙間ができ易くなり、強度が弱くなって破れたり潰れたりし易くなる傾向があり好ましくなく、15mmより広くなるにつれて嵩張り携帯しづらく、装着時に目の周辺を圧迫する傾向が強くなるので好ましくない。更に、凸条縁部の厚さは約5mm〜40mmが好ましい。凸条縁部の厚さが約5mmより薄くなるにつれて目隠し部と目との間の空間部分が浅くなり、保冷材や保温材などを収容して装着した場合に、目の周辺を圧迫するおそれが生じ好ましくなく、40mmより厚くなるにつれて重量が増して装着時に圧迫感を感じるようになると共に、嵩張って携帯性が悪くなる傾向があり好ましくない。
バンド取付部に配設する装着用バンドには、ゴムなどの伸縮性のある素材を用いることが好ましい。これにより、容易にアイマスクを着脱できると共に、顔面にフィットさせることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアイマスクであって、前記目隠し部と前記凸条縁部とで形成された凹状収容部に収容される(a)吸水性を有する抱水体、及び/又は、(b)保冷材、保温材、保冷保温兼用材の内いずれか1以上の温度保持材と、を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有し、凹状収容部が外気と遮断されるので、凹状収容部に収容する抱水体に予め冷水又は温水を含ませておくことにより、アイマスクの装着時に目の周辺を冷やしたり、温めたりする好適温度の持続時間を長くすることができ、リラックス感を得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる。
(2)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有することにより、抱水体に冷水を含ませて用いるか、温度保持材を冷やして使用した場合、凹状収容部内が冷えて抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても冷却効果が得られ、また、軽く触れるようにしても、適度な冷たさがよく伝わり、温度上昇も抑えられて好適な温度を10分以上持続することができる。
(3)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有するので、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、凹状収容部の空間に充満し、温熱効果を高めると共に、目の乾きを改善することができる。
(4)抱水体は軽量で携帯し易く、手軽に冷蔵庫で冷やしたりポットのお湯などによって温めたりすることができ、繰り返し使用が可能で、外出先などでも簡単に使用することができる。
(5)抱水体の代わりに温度保持材を用いた場合は、水やお湯がない場所でも使用することができ、更にアイマスクの使用範囲を広げることができる。
(6)抱水体と温度保持材を併用した場合は、好適な温度をより長い時間持続させることができ、アイマスクの使用効果を高めることができる。
【0010】
ここで、抱水体には布、脱脂綿、スポンジ、綿状パルプ、高分子吸水材やレーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリル等を材料とした繊維の織物や編物からなるシート状のものや、綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリル等を材料として、スパンボンド法、ニードルパンチ法、メルトブロー法、水流交絡法等で製造される不織布からなるシート等が用いられる。なお、これらの繊維は単独で使用しても良く、混合したものでも良い。
これにより、所要温度の水分を適量含ませて手軽に使用することができ、汚損、紛失した場合にも簡単に入手して交換することができる。また、抱水体は抱水率が高く肌触りのよいものが望ましい。抱水率が高いことにより、好適温度の持続時間を長くすることができ、肌触りがよいことにより、心地よい使用感をえることができる。
また、保冷材には、水溶性ジェルが好適に用いられる。水溶性ジェルとしては、水分を吸収できるものであれば任意の物質を使用でき、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、澱粉、またはこれらの水溶性高分子を無機塩もしくは有機系架橋剤で架橋したものなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
これらの水溶性ジェルを用いることにより、約10℃〜15℃の温度を約10〜20分間持続することができる。これにより、目の周辺を冷やして、心地よい清涼感が得られ、目の疲れを癒すことができる。温度が10℃より低くなるにつれ、長時間触れると冷た過ぎて、不快に感じるようになり、温度が15℃より高くなるにつれ、清涼感が得られず好ましくない。
保温材としては、ゲル状熱媒体が好適に用いられる。ゲル状熱媒体としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等が好適に使用される。これらの保温材は電子レンジなどで温めて使用する。
これらのゲル状熱媒体を用いることにより、約40℃〜52℃の温度を約10〜20分間持続することができる。これにより、目の周辺を温めて、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる。温度が40℃より低くなるにつれ、十分な効果を得ることができず、温度が52℃より高くなるにつれ、熱過ぎて不快感を感じ、長時間使用することができなくなって好ましくない。
尚、温度保持材はポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等で形成された袋体に上に挙げた水溶性ジェルやゲル状熱媒体を注入して作製される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアイマスクであって、前記抱水体が、自重約3g〜60g、好ましくは約5g〜30gで前記凹状収容部の内側形状に合わせて形成されている構成を有している。
この構成により、請求項2に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる。
(2)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、抱水体を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる。
(3)周囲を断熱性の素材で囲繞されているので、抱水体の自重を約3g〜60g、好ましくは約5g〜30gとすることにより、冷却又は温熱効果に十分な水分を保持して好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、必要により直接瞼などに触れないようにして、濡れたり不快感を与えたりするのを防止できる。
【0012】
ここで、抱水体の自重が約5gより軽いと十分な水分を保持することができず冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、自重が30gより重くなるにつれて嵩張ってアイマスクに収容した際に瞼などを圧迫して、不快感を感じるようになり好ましくない。尚、抱水体の厚みはアイマスクの凸条縁部の厚さよりも薄く形成される。アイマスクの装着時に抱水体が直接瞼などに触れないようにして濡れるのを防止したり、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることもできるので、圧迫感や不快感を与えることがない。
また、抱水体に含ませる水分は約30g〜80gが好ましい。抱水体に含ませる水分が30gより少なくなるにつれ、冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、水分が80gより多くなるにつれて抱水体が水分を保持できなくなる傾向があり好ましくない。
抱水体の自重を約5g〜30gとし、抱水体に含ませる水分を約30g〜80gとすることにより、好適な温度を約10分間持続することができる。より好ましくは抱水体の自重を約10g〜30gとすることにより、好適な温度の持続時間が安定し、十分な水分量で冷却又は温熱効果をえることができる。
また、抱水体は軽量で折り曲げることもできるので、アイマスクと共に持ち運びが容易で携帯性に優れる。更に、絞ることによって水切りをして軽量化でき、乾燥も容易で繰り返し使用しても衛生的である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のアイマスクであって、前記温度保持材が、前記凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体と、前記袋状収容体に注入された約15g〜100gの温度保持剤と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項2に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材の凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる。
(2)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる。
(3)袋状収容体に温度保持剤を約15g〜100g注入することにより、冷却又は温熱効果をえるのに好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、直接瞼などに強く触れないようにし、圧迫感、不快感を与えるのを防止できる。
【0014】
ここで、温度保持剤の量が15gより少なくなるにつれ、適温を保持できる時間が短くなって冷却や温熱による十分な効果が得られなくなる傾向があり、温度保持剤の量が100gより大きくなるにつれ、嵩張って凹状収容部に収容した際に目の周辺を圧迫することがあり、携帯しづらくなる傾向があり好ましくない。
温度保持剤を収容する袋状収容体のシート(フィルム)の材質としては、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等が好ましい。柔軟かつ熱伝導性のよい材質で作られた袋状収容体を使用することにより、取り扱いや携帯性が向上し、に封入して形成することが好ましい。
尚、温度保持材の厚味はアイマスクの凸条縁部の厚さよりも薄く形成される。アイマスクの装着時に温度保持材を瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、直接瞼などに強く触れないようにし、圧迫感や不快感を与えることがない。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の内いずれか1項に記載のアイマスクであって、前記抱水体又は前記温度保持材の一面に通気性を有する保護体を備えている構成を有している。
この構成により、請求項2乃至4の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抱水体又は温度保持材の一面に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分や温度保持材が目の周辺に直接触れないので、冷え過ぎや温め過ぎを防止できると共に、抱水体や温度保持材の温度が適温から外れた時の不快感を低減することができる。
(2)保護体が通気性を有することにより、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、遮断されることなく凹状収容部の空間に充満するので、直接、抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても温熱効果を得ることができ、目を開けることにより、ドライアイなどの目の乾きを改善することもできる。
(3)抱水体又は温度保持材の一面に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分が目の周辺に直接触れないので、化粧をした女性など顔が濡れるのを避けたい人でも、簡便に使用することができる。
【0016】
ここで、通気性を有する保護体としては、疎水性材料などで形成したガーゼなどやメッシュ地及びポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、アクリル、ポリアミド等の疎水性不織布などが好適である。保護体を疎水性とした場合、シート状に形成したものを抱水体と重ね合わせたり、袋体を形成して内部に抱水体を収納するようにすることにより、抱水体に含まれる水分で目の周辺が濡れないようにすることができる。
【0017】
請求項6に記載のアイマスクは、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載のアイマスクであって、前記凸条縁部が軟質性発泡樹脂又は軟質性発泡合成ゴムで形成されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)凸条縁部が軟質性発泡樹脂又は軟質性発泡合成ゴムで形成されているので、顔面にフィットして、装着時の違和感や圧迫感がなく、長時間使用してもリラックス感を維持することができる。
(2)凸条縁部が軟質性発泡樹脂又は軟質性発泡合成ゴムで形成されているので、骨格などの個人差の影響を吸収でき、汎用性を向上できる。
ここで、凸条縁部を形成する軟質性発泡樹脂としては、独立気泡性のものが好適に用いられる。これにより、断熱性に優れアイマスクの好適温度の持続時間を長くして、冷却又は温熱による効果を高めることができる。また、吸水が防止され速乾性があるので衛生的にも優れる。
発泡樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどがある。発泡合成ゴムとしてはブタジエンスチレンゴム、ブタジエンアクリルニトリルゴム、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソブチレンイソプレンゴム、ウレタンゴム等が利用できる。
なお、凸条縁部は目隠し部と一体に形成してもよいし、別々に形成したものを接着などによって接合してもよい。一体に形成した場合、アイマスク全体が軽く柔軟性を持つので、装着時のフィット感が増し、取り扱いが容易で折り畳むなどして持ち運ぶことができ、携帯性に優れる。
【0018】
請求項7に記載のアイマスクは、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載のアイマスクであって、前記凸条縁部が前記凸条縁部の端部側面から前記凹状収容部の内側に延設され前記凸条縁部の内周に突設された保持用突起を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)凸条縁部の内周に突設された保持用突起を有することにより、抱水体や温度保持材を凹状収容部内に保持し、抱水体や温度保持材の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体や温度保持材が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる。
ここで、保持用突起の断面形状としては、略三角形状、略抱形状、略半円形状などが挙げられる。特に、断面形状を略半円形状とした場合、抱水体や温度保持材の収容、取外し作業がスムーズに行えると共に、アイマスク装着時に保持用突起が目の周辺に接触した時の違和感などがなく、フィットさせることができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるアイマスクを示す全体斜視図であり、図2は本発明の実施の形態1における抱水体を示す全体斜視図である。
図1中、1はアイマスク、2aは断熱性を有する目隠し部、2bは目隠し部2aの外周に突設して配設され目の周囲を覆う軟質性発泡樹脂製で柔軟性でかつ断熱性を有する凸条縁部、3は目隠し部2aと凸条縁部2bとで形成され装着時に目の周囲を外気から遮断する凹状収容部、4は目隠し部2aに延設され穿設されたバンド取付部、5はゴム製バンドである。
図2中、6は凹状収容部3とほぼ同形状に形成された脱脂綿6aを布地6bの間に挟んで構成した抱水体である。
図1において、目隠し部2aの厚さは約3mm〜15mm、凸条縁部2bの幅は約5mm〜15mm、厚さは約5mm〜40mmであり、凹状収容部3の面積は約60cm2〜150cm2に形成した。
図2において、抱水体6は自重が約5g〜30gであり、これに約30g〜80gの水分を含ませて使用した。これにより、アイマスク1は軽量で容易に携帯することができ、凹状収容部3に抱水体6を収容して装着しても眼球部分を圧迫することがなく、長時間使用することができる。
また、抱水体の自重が5gより軽いと十分な水分を保持することができず冷却又は温熱効果が低下し易く、自重が30gより重くなるにつれて嵩張ってアイマスクに収容した際に瞼などを圧迫して、不快感を感じることが分かった。更に、抱水体に含ませる水分が30gより少なくなるにつれ、冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、水分が80gより多くなるにつれて抱水体が水分を保持できなくなる傾向があることも分かった。
目隠し部の厚さが約3mmより薄くなるにつれ断熱効果が不充分となり、強度が弱くなって破れ易くなる傾向があり好ましくなく、15mmより厚くなるにつれて嵩張って携帯しづらくなる傾向があることがわかった。また、凸条縁部の幅が約5mmより狭くなるにつれて装着時に周辺部に隙間ができ易くなり、強度が弱くなって破れたり潰れたりし易くなる傾向があり、15mmより広くなるにつれて嵩張るようになり、装着時に目の周辺を圧迫する傾向が強くなるので好ましくないことがわかった。更に、凸条縁部の厚さが約5mmより薄くなるにつれて凹状収容部3が浅くなり、抱水体や温度保持材を収容して装着した場合に、目の周辺を圧迫するおそれが生じ好ましくなく、40mmより厚くなるにつれて装着時に圧迫感を感じるようになると共に、嵩張って携帯性が悪くなる傾向があることがわかった。
【0020】
以上のように構成された本発明の実施の形態1におけるアイマスクについて、その使用方法を説明する。
図2の抱水体6に水を含ませて冷蔵庫などで冷やすか、直接、冷水又は温水を含ませ、図1のアイマスク1の凹状収容部3に収容し、凸条縁部2bが目の周辺に当たるように装着し、ゴム製バンド5を後頭部に引っ掛けるように固定して使用する。
目の周辺を冷やしたい場合の初期温度は10℃前後が好ましく、目の周辺を温めたい場合の初期温度は52℃前後が望ましい。これにより、冷やしたい場合の好適温度である約10℃〜15℃、温めたい場合の好適温度である約40℃〜52℃をそれぞれ約10分間持続することができる。
【0021】
以上のように本発明の実施の形態1におけるアイマスクは構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)断熱性を有する目隠し部と、目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う断熱性の凸条縁部を有するので、瞼と目隠し部との間に空間を形成することができ、空間内の温度が略一定に保たれると共に、装着中に眼球を圧迫することがなく、光が遮られた中で目を開閉することができ、リラックスすることができる。
(2)目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、装着することにより、目の周辺を軽く押さえマッサージ効果が期待できる。
(3)目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部に装着用バンドを配設することにより、容易に装着、取外しを行って携帯することができる。
(4)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有し、凹状収容部が外気と遮断されるので、凹状収容部に収容する抱水体に予め冷水又は温水を含ませておくことにより、アイマスクの装着時に目の周辺を冷やしたり、温めたりする好適温度の持続時間を長くすることができ、リラックス感を得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる。
(5)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有することにより、抱水体に冷水を含ませて用いるか、温度保持材を冷やして使用した場合、凹状収容部内が冷えて抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても冷却効果が得られ、また、軽く触れるようにしても、適度な冷たさがよく伝わり、温度上昇も抑えられて好適な温度を10分以上持続することができる。
(6)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有するので、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、凹状収容部の空間に充満し、温熱効果を高めると共に、目の乾きを改善することができる。
(7)抱水体は軽量で携帯し易く、手軽に冷蔵庫で冷やしたりポットのお湯などによって温めたりすることができ、繰り返し使用が可能で、外出先などでも簡単に使用することができる。
(8)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに強く触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる。
(9)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、抱水体を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる。
(10)周囲を断熱性の素材で囲繞されているので、抱水体の自重を約5g〜30gとすることにより、冷却又は温熱効果に十分な水分を保持して好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、必要により直接瞼などに触れないようにして、濡れたり不快感を与えたりするのを防止できる。
(11)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、顔面にフィットして、装着時の違和感がなく、リラックス感をえることができる
(12)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、骨格などの個人差の影響が吸収でき、汎用性を向上できる。
【0022】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2におけるアイマスクについて、以下図面を用いて説明する。
図3は本発明の実施の形態2におけるアイマスクの要部断面側面図である。
図3中、11はアイマスク、12aは軟質性の発泡合成ゴムで形成され断熱性を有する目隠し部、12bは目隠し部12aの外周から延設されて目の周囲を覆う軟質性の発泡合成ゴム製の凸条縁部、12cは凸条縁部12bの端部から目隠し部12a側へ延設されて凸条縁部12bの内周に突設された保持用突起、13は目隠し部12aと凸条縁部12bとで形成され装着時に外周を遮断する凹状収容部、16は凹状収容部13の内側形状とほぼ同形状に形成された布製の抱水体、17は温度保持材、18は袋状に形成されて抱水体16及び温度保持材17を収容する通気性を有する保護体である。
図3において、実施の形態2が実施の形態1と異なっているのは、保持用突起12cを有する凸条縁部12bが目隠し部12aと軟質性の発泡合成ゴムにより一体的に形成され、温度保持剤17と保護体18を有している点である。
保持用突起12cを有することにより、抱水体16及び温度保持材17を凹状収容部13内に保持し、抱水体16及び温度保持材17の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体16及び温度保持材17が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる。
温度保持材17は、高分子ポリマーに多価アルコールなどを加えた温度保持剤をポリオレフィン系の軟質シートなど柔軟かつ熱伝導性のよい材質で作られた袋状収容体に封入して形成している。形状は、抱水体16と同様に凹状収容部13の内側形状とほぼ同形状に形成している。温度保持剤の量は約15g〜100gが好ましい。温度保持剤の量が15gより少なくなるにつれ、適温を保持できる時間が短くなって冷却や温熱による十分な効果が得られなくなる傾向があり、温度保持剤の量が100gより大きくなるにつれ、嵩張って凹状収容部に収容した際に目の周辺を圧迫し易くなり、携帯しづらくなる傾向があり好ましくない。
【0023】
温度保持材17は直接、凹状収容部13に収納して、単独で使用することもできるが、抱水体16と併用することにより、温度保持材17からの熱が抱水体16に伝導し、より長い時間、好適な温度を持続することができる。
温度保持材17と併用する場合の抱水体16の自重は約3g〜20gが好ましい。抱水体の自重が3gより軽いと十分な水分を保持することができず冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、自重が20gより重くなるにつれて嵩張ってアイマスクに収容した際に直接瞼などに触れて不快感を感じるようになり好ましくない。
また、抱水体に含ませる水分は約10g〜60gが好ましい。抱水体に含ませる水分が10gより少なくなるにつれ、冷却又は温熱効果が低下する傾向があり、水分が60gより多くなるにつれて抱水体が水分を保持できなくなる傾向があり好ましくない。尚、抱水体の素材としては、スポンジ、綿状パルプ、高分子吸水材などを用いてもよい。
更に、抱水体16及び温度保持材17が袋状に形成されて通気性を有する保護体18に収納されているので、抱水体16に含まれる水分が直接で目の周辺に触れるのを防ぎ、冷え過ぎや温め過ぎを防止できる。保護体18には、ポリエステルやポリオレフィン系などの合成繊維や疎水性不織布などが好適に使用できる。
【0024】
以上のように本発明の実施の形態2におけるアイマスクは構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抱水体と温度保持材を併用することにより、好適な温度をより長い時間持続することができ、アイマスクの使用効果を高めることができる。
(2)抱水体及び温度保持材を通気性を有する保護体に収容することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分や温度保持材が目の周辺に直接触れないので、冷え過ぎや温め過ぎを防止できると共に、抱水体や温度保持材の温度が適温から外れた時の不快感を低減することができる。
(3)保護体が通気性を有することにより、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、遮断されることなく凹状収容部の空間に充満するので、直接、抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても温熱効果を得ることができ、目を開けることにより、ドライアイなどの目の乾きを改善することもできる。
(4)抱水体及び温度保持材を通気性を有する保護体に収容することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分が目の周辺に直接触れないので、化粧をした女性など顔が濡れるのを避けたい人でも、簡便に使用することができる。
(5)保持用突起を有することにより、抱水体や温度保持材を凹状収容部内に保持し、抱水体や温度保持材の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体や温度保持材が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる。
(6)軟質性の発泡合成ゴムにより凸条縁部と目隠し部を一体に形成しているので、アイマスク全体が軽く柔軟性を持ち、装着時のフィット感が増し、取り扱いが容易で折り畳むなどして持ち運ぶことができ、携帯性に優れる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
表1に本発明のアイマスクを使用して目の周辺を冷やした場合の好適温度(10℃〜15℃)の持続時間の測定結果を示す。
ネル布地と脱脂綿を重ねて自重約10g〜30gの抱水体を形成し、この抱水体に水分を含ませた後に軽く絞り、含まれる水分を約30g〜80gとして、冷蔵庫で約10℃に冷やしたものを本発明のアイマスクの凹状収容部に収容し装着した。
比較例として、従来使用されているおしぼり及び市販品1(小林製薬製、商品名:やわらかアイマスク)での測定を行った。
おしぼりは30gのタオルに60gの水分を含ませた後、冷蔵庫で約10℃に冷やしてから目の周辺に当てた。
市販品1は、約80gの保冷剤を軟質プラスチック袋に封入したアイマスクであり、冷蔵庫で約10℃に冷やしてから目の周辺に当てた。
尚、実験は室温20℃で行った。
【表1】
従来のおしぼりによる方法や市販品1では約4分しか好適温度が持続しなかったのに対し、本発明のアイマスクでは10分以上持続できることが分かった。
【0026】
(実施例2)
表2に本発明のアイマスクを使用して目の周辺を温めた場合の好適温度(40℃〜52℃)の持続時間の測定結果を示す。
ネル布地と脱脂綿を重ねて自重約10g〜30gの抱水体を形成し、この抱水体にお湯を含ませた後に軽く絞り、含まれる水分を約30g〜80gとして、目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めたものを本発明のアイマスクの凹状収容部に収容し装着した。
また、約60gの温度保持剤が封入されている温度保持材と、自重が約10gで水分を約30g含む抱水体とを目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めたものを重ね、ポリエステル製のメッシュ状保護体に入れて、本発明のアイマスクの凹状収容部に収容し装着した。
比較例として、従来使用されているおしぼり及び市販品2(ケンユー製、商品名:アイケアマスク)での測定を行った。
おしぼりはタオルをお湯につけて目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めて使用した。自重が40gのタオルに100gの水分を含ませた場合と、自重が70gのタオルに150gの水分を含ませた場合につき測定を行った。
市販品2は、約30gの温度保持剤を軟質プラスチック袋に封入した温度保持材をポリエステル製の袋に収容するアイマスクであり、目の周辺に当てた直後の表面温度が約52℃になるように温めて使用した。更に、市販品2と同様の温度保持剤の量を約60g、120g、200gに増やして軟質プラスチック袋に封入した場合の測定も行った。
尚、実験は室温20℃で行った。
【表2】
本発明のアイマスクでは10分以上好適温度が持続できたのに対し、従来のおしぼりによる方法や通常の市販品2では約3分〜5分しか持続できないことが分かった。
また、市販品2と同様の温度保持剤の量を増やした場合、通常の4倍に増やしても好適温度の持続時間は約7〜8分にしかならず、10分持続するためには通常の7倍近い量が必要であり、装着の際に目に圧迫感を感じることが分かった。尚、この装着の際に目に圧迫感を感じる問題は、市販品1(温度保持剤約80g)、市販品2(温度保持剤約30g)のいずれにも有するもので、温度保持剤が封入された軟質プラスチック袋が膨らむため、目の周辺を圧迫してしまうというその構造に起因するものであった。
【0027】
(実施例3)
本発明のアイマスクを使用して目の周辺を温めることを1日1回実施し、同時に変動する距離に応じた視角を有する視標を視認する視力トレーニングを1日1回5〜10分間、4ヶ月間述べ60回続けたところ、59歳の被験者の両眼視による遠見視力が0.6から1.0に回復し、近見視力は0.2から0.4に回復した。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明のアイマスクによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)断熱性を有する目隠し部と、目隠し部の外周に突設されて目の周囲を覆う断熱性の凸条縁部を有するので、瞼と目隠し部との間に空間を形成することができ、空間内の温度が略一定に保たれると共に、装着中に眼球を圧迫することがなく、光が遮られた中で目を開閉することができ、リラックスすることができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)目隠し部の外周に目の周囲を覆う凸条縁部が突設されているので、装着することにより、目の周辺を軽く押さえマッサージ効果が期待できる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部に装着用バンドを配設することにより、容易に装着、取外しを行って携帯することができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有し、凹状収容部が外気と遮断されるので、凹状収容部に収容する抱水体に予め冷水又は温水を含ませておくことにより、アイマスクの装着時に目の周辺を冷やしたり、温めたりする好適温度の持続時間を長くすることができ、リラックス感を得られ、目の疲れや眼精疲労を緩和、改善し、ピント調節機能を回復又は向上させることができる機能性、汎用性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有することにより、抱水体に冷水を含ませて用いるか、温度保持材を冷やして使用した場合、凹状収容部内が冷えて抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても冷却効果が得られ、また、軽く触れるようにしても、適度な冷たさがよく伝わり、温度上昇も抑えられて好適な温度を10分以上持続することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)目隠し部と凸条縁部が断熱性を有するので、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、目隠し部と凸条縁部とで形成された凹状収容部の空間に充満し、温熱効果を高めると共に、目の乾きを改善することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(4)抱水体は軽量で携帯し易く、手軽に冷蔵庫で冷やしたりポットのお湯などによって温めたりすることができ、繰り返し使用が可能で、外出先などでも簡単に使用することができる取り扱い性、携帯性、経済性に優れたアイマスクを提供することができる。
(5)抱水体の代わりに温度保持材を用いた場合は、水やお湯がない場所でも使用することができ、更にアイマスクの使用範囲を広げることができる汎用性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
(6)抱水体と温度保持材を併用した場合は、好適な温度をより長い時間持続することができ、アイマスクの使用効果を高めることができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる機能性、携帯性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)抱水体が凹状収容部の内側形状に合わせて形成されているので、抱水体を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)周囲を断熱性の素材で囲繞されているので、抱水体の自重を約3g〜60g、好ましくは約5g〜30gとすることにより、冷却又は温熱効果に十分な水分を保持して好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、必要により直接瞼などに触れないようにして、濡れたり不快感を与えたりするのを防止できる機能性、信頼性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材の凹状収容部への収容が容易で嵩張らず、凹状収容部からはみ出すことがなく、瞼などに直接触れることを防ぎ、使用性を向上させることができる機能性、携帯性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)温度保持剤が凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体に収容されているので、温度保持材を断熱性を有する凸条縁部と密接して保持し、吸熱や放熱を抑えて冷却又は温熱に好適な時間を約10分〜15分間、維持することができる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)袋状収容体に温度保持剤を約30g〜100g注入することにより、冷却又は温熱効果をえるのに好適な温度を約10分〜15分間、維持することができると共に、アイマスクに収容した際に嵩張らず、凸条縁部の厚さを適宜選択することによって、瞼やその周辺に軽く触れさせて効果を上げることができ、直接瞼などに強く触れないようにし、圧迫感、不快感を与えるのを防止できる機能性、信頼性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2乃至4の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)抱水体又は温度保持材の目隠し部と対向する側に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分や温度保持材が目の周辺に直接触れないので、冷え過ぎや温め過ぎを防止できると共に、抱水体や温度保持材の温度が適温から外れた時の不快感を低減することができる機能性、信頼性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)保護体が通気性を有することにより、抱水体に温水を含ませて使用した場合、抱水体から発散された水蒸気が、遮断されることなく凹状収容部の空間に充満するので、直接、抱水体や温度保持材が目の周辺に触れなくても温熱効果を得ることができ、目を開けることにより、ドライアイなどの目の乾きを改善することもできる機能性に優れたアイマスクを提供することができる。
(3)抱水体又は温度保持材の目隠し部と対向する側に通気性を有する保護体を有することにより、布地や脱脂綿等の抱水体に含まれた水分が目の周辺に直接触れないので、化粧をした女性など顔が濡れるのを避けたい人でも、簡便に使用することができる機能性、取り扱い性、汎用性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、顔面にフィットして、装着時の違和感がなく、リラックス感をえることができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
(2)凸条縁部が軟質性発泡樹脂で形成されているので、骨格などの個人差の影響が吸収できる機能性、汎用性に優れたアイマスクを提供することができる。
【0034】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)凸条縁部の内周に突設された保持用突起を有することにより、抱水体や温度保持材を凹状収容部内に保持し、抱水体や温度保持材が倒れ込むのを防ぐと共に、抱水体や温度保持材の表面と瞼との間に空間を形成し、より確実に抱水体や温度保持材が目の周辺などに密着して圧迫するのを防ぐことができる機能性、取り扱い性に優れたアイマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアイマスクを示す全体斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における抱水体を示す全体斜視図
【図3】本発明の実施の形態2におけるアイマスクの要部断面側面図
【符号の説明】
1、11 アイマスク
2a、12a 目隠し部
2b、12b 凸条縁部
3、13 凹状収容部
4 バンド取付部
5 ゴム製バンド
6、16 抱水体
6a 脱脂綿
6b 布地
12c 保持用突起
17 温度保持材
18 保護体
Claims (7)
- 断熱性を有する目隠し部と、前記目隠し部の一面側の外周に突設されて目の周囲を覆う柔軟性でかつ断熱性の凸条縁部と、前記目隠し部の両端部に延設又は配設されたバンド取付部と、を有することを特徴とするアイマスク。
- 前記目隠し部と前記凸条縁部とで形成された凹状収容部に収容される(a)吸水性を有する抱水体、及び/又は、(b)保冷材、保温材、保冷保温兼用材の内いずれか1以上の温度保持材と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のアイマスク。
- 前記抱水体が、自重約3g〜60g、好ましくは約5g〜30gで前記凹状収容部の内側形状に合わせて形成されていることを特徴とする請求項2に記載のアイマスク。
- 前記温度保持材が、前記凹状収容部の内側形状に合わせて形成された袋状収容体と、前記袋状収容体に注入された約15g〜100gの温度保持剤と、を有することを特徴とする請求項2に記載のアイマスク。
- 前記抱水体又は前記温度保持材の一面に通気性を有する保護体を備えていることを特徴とする請求項2乃至4の内いずれか1項に記載のアイマスク。
- 前記凸条縁部が軟質性発泡樹脂又は軟質性発泡合成ゴムで形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載のアイマスク。
- 前記凸条縁部が前記凸条縁部の端部側面から前記凹状収容部の内側に延設され前記凸条縁部の内周に突設された保持用突起を有することを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載のアイマスク。
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