JP2004277384A - 外用剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、高い粘度を有しながら、製剤の安全性及び使用性に優れ、さらには酸性条件下、塩存在下、高温条件下における粘度の安定性にも優れた外用剤組成物を提供することにある。
【解決手段】構成モノマーとして下記一般式(1)で示されるモノマー(A)と、下記一般式(2)で示されるモノマー(B)とを含有し、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である共重合体高分子、を含有することを特徴とする外用剤組成物。
【化1】
(式中、R1は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは水素、又は1価の金属原子を表す。)
【化2】
(式中、R2は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
【選択図】 なし
【解決手段】構成モノマーとして下記一般式(1)で示されるモノマー(A)と、下記一般式(2)で示されるモノマー(B)とを含有し、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である共重合体高分子、を含有することを特徴とする外用剤組成物。
【化1】
(式中、R1は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは水素、又は1価の金属原子を表す。)
【化2】
(式中、R2は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外用剤組成物、特に配合される増粘剤高分子の増粘性及び使用感触の向上、酸性条件下、塩存在下、高温条件下における増粘安定性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧品や医薬品等の分野においては、製品の剤型を保持するために種々の増粘ゲル化剤が用いられている。例えば、有機化合物としては多糖類、カゼイン等の天然高分子、ポリオキシエチレン、アクリル酸ポリマー等の合成高分子等が、また、無機化合物としてはモンモリロナイトをはじめとする各種粘土鉱物等が、それぞれの目的や効果に応じて適宜選択、使用されている。
【0003】
これらの中でも、特にアクリル酸系ポリマーは、比較的安価で、高い増粘性を有することが知られている。このため、アクリル酸系ポリマーは、化粧品の分野で増粘剤として好適に使用されており、例えば、乳液、クリーム等の乳化化粧料、頭髪化粧料に配合されている。
【0004】
しかしながら、高い粘度を得ようとして、これらの増粘剤を化粧料中に大量に配合すると、製剤の安全性及び使用性の点が問題となるため、少量の配合で系をゲル化させる必要があり、このために、ゲル化能の更なる向上が要求されていた。
また、アクリル酸系ポリマーは、酸性条件下や、塩の存在下で粘度が低下してしまうため、酸性成分や塩との共配合が難しく配合処方が制限されるという問題があった。さらに、アクリル酸系ポリマーは、高温条件下における粘度の安定性が悪いという問題もあり、このような条件下での増粘安定性も要求されていた。
【0005】
これに対して、近年、合成高分子の分野では、構成モノマーの種類や組成割合を変化させることによって、優れた機能を有する共重合体を開発することを目的とした研究が盛んに行われており、アクリル酸系ポリマーにおいても、種々の機能性共重合体が現在までに提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−149848号公報
【特許文献2】
特開平9−157130号公報
【特許文献3】
特開平11−152302号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような増粘性、増粘安定性の点において、当該技術分野の要求を十分に満たすような増粘剤高分子は、これまでに得られておいなかった。このため、従来の増粘剤を配合した外用剤組成物においては、高い粘度と、製剤の安全性及び使用性、さらには酸性条件下、塩存在下、高温条件下における粘度の安定性とを全て兼ね備えたものは得られていなかった。
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み行われたものであり、その目的は、高い粘度を有しながら、製剤の安全性及び使用性に優れ、さらには酸性条件下、塩存在下、高温条件下における粘度の安定性にも優れた外用剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達するために、本発明者らが鋭意研究を行った結果、アクリル酸系モノマー又はその金属塩と、オキシアルキレン基及びアルキル基を有するアクリル酸系モノマーとを特定の割合で共重合させた高分子が、優れた増粘作用を示すとともに、pH、塩、温度に対しての増粘安定性が高いことを見出した。そして、この共重合体を増粘剤主成分として外用剤に配合することによって、高い粘度を有しながらも製剤の安全性及び使用性に優れ、さらに粘度の安定性にも優れた外用剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明にかかる外用剤組成物は、構成モノマーとして下記一般式(1)で示されるモノマー(A)と、下記一般式(2)で示されるモノマー(B)とを含有し、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である共重合体高分子、を含有することを特徴とする。
【化3】
(式中、R1は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは水素、又は1価の金属原子を表す。)
【化4】
(式中、R2は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
【0010】
また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がメチル基又はエチル基であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のnが2であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がメチル基であり、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=95:5〜70:30であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がエチル基であり、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=95:5〜80:20であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子が構成モノマーとして架橋剤モノマー(C)を構成モノマー総量の1.0モル%以下含有していることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子を0.2〜20質量%含有することが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳述する。
最初に、本発明の外用剤組成物に配合される共重合体高分子について説明する。
前記一般式(1)に示されるモノマー(A)は、アクリル酸、又はメタクリル酸のようなアルキル置換アクリル酸、又はその金属塩である。一般式(1)において、アクリル酸α炭素の置換基であるR1は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、アルキル基である場合には直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、特に好ましくは水素、メチル基である。また、一般式(1)において、Mは水素、又は1価の金属原子を意味し、このようなものであれば特に限定されるものではないが、1価の金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられ、特にナトリウムであることが好ましい。
【0012】
本発明に用いられるモノマー(A)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等が挙げられる。
また、モノマー(A)として、Mが水素であるアクリル酸又はメタクリル酸等を用いて、本発明の共重合体を重合した後に、希水酸化ナトリウム溶液等を用いて、当該共重合体のモノマー(A)のMをナトリウム等の金属塩の形に置換することも可能である。
なお、本発明の共重合体高分子においては、前記モノマー(A)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
【0013】
前記一般式(2)に示されるモノマー(B)は、アクリル酸、又はメタクリル酸のようなアルキル置換アクリル酸において、オキシアルキレン基とアルキル基とを有する化合物である。一般式(2)において、アクリル酸α炭素の置換基を表すR2は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、アルキル基である場合には直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、特に好ましくは水素、又はメチル基である。また、一般式(2)において、オキシアルキレン部位のアルキレン基を表すR3は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、この中でもエチレン基であることが特に好ましい。また、一般式(2)において、末端アルキル基を表すR4は炭素数1〜4のアルキル基であり、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。R4が炭素数5以上のアルキル基である場合には、十分な増粘性を得ることができない場合がある。R4はメチル基、又はエチル基であることが特に好ましい。また、一般式(2)において、オキシアルキレン基の繰り返し単位数を表すnは1〜3の整数である。nが4以上である場合には、十分な増粘性を得ることができない場合がある。nは2であることが特に好ましい。
【0014】
本発明に用いられるモノマー(B)としては、例えば、アクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル、アクリル酸ジエチレングリコールエチルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールエチルエーテル、アクリル酸ジエチレングリコールプロピルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールプロピルエーテル、アクリル酸ジエチレングリコールブチルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールブチルエーテル等が挙げられる。
なお、本発明の共重合体高分子においては、前記モノマー(B)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
【0015】
また、本発明の共重合体は、上記モノマー(A)とモノマー(B)とを有しており、モノマー(A)のカルボキシルアニオンに基づく電荷反発、モノマー(B)のオキシアルキレン基に基づく親水性、及び末端アルキル基に基づく疎水性のそれぞれのバランスによって、分散媒中で様々な形態の集合組織体を形成し得るため、モノマー(A)とモノマー(B)とをある特定の割合で用いた場合にのみ、特に高い増粘性を示すものである。
本発明の共重合体においては、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である。モノマー(B)の割合が、モノマー(A)、(B)の総量に対して1モル%未満であるか、又は30モル%を超える場合には、十分な増粘効果を発揮することができない。また、より好適には、本発明の共重合体においてR4がメチル基である場合に、(A):(B)=95:5〜70:30であり、R4がエチル基である場合に、(A):(B)=95:5〜80:20である。
【0016】
本発明の共重合体は上記モノマーを公知の重合方法を用いて重合することにより得ることができ、例えば、均一溶液重合法、不均一溶液重合法、乳化重合法、逆相乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、沈殿重合法等を用いることができる。例えば、均一溶液重合法の場合には、各モノマーを求めるモノマー組成にて溶媒に溶解し、窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤を添加して加熱撹拌することにより本発明の共重合体を得ることができる。また、ポリアクリル酸に官能基を付加させるポストモディフィケーションによって、本発明の共重合体を得ることもできる。
【0017】
重合の際に用いられる溶媒としては、モノマーを溶解又は懸濁し得るものであって、水を含まない有機溶媒であればいかなる溶媒でも用いることが可能であり、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、流動パラフィンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化物系溶媒などの他、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等が挙げられる。これら溶媒は2種以上混合して用いてもよい。通常、用いる重合開始剤の開始温度よりも沸点が高い溶媒を選択することが好適である。
【0018】
重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、例えば、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等のアゾ系化合物の他、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系重合開始剤が挙げられる。なお、これらの重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常70℃程度とすればよい。
【0019】
重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。比較的高分子量のポリマーを得たい場合には、1日程度反応させることが望ましい。反応時間が短すぎると未反応のモノマーが残存し、分子量も比較的小さくなることがある。本発明の共重合体の平均分子量は特に制限されず、オリゴマー以上の重合度を有していれば目的とする効果を発揮し得るが、特に平均分子量10万〜300万程度であることが好ましい。
【0020】
また、本発明の共重合体高分子において、前記モノマー(A)、(B)以外の構成モノマーとして、架橋剤モノマー(C)を構成モノマー総量の1.0モル%以下含有することができる。モノマー(A)、(B)に加えて、さらに架橋剤モノマー(C)を含有することによって、より少量の配合で、優れた増粘効果を発揮することが可能となる。しかしながら、架橋剤モノマー(C)を構成モノマー総量の1.0モル%を超えて含有すると、増粘安定性に劣る傾向にあるため、架橋剤モノマー(C)の含有量は、構成モノマー総量の1.0モル%以下である必要がある。本発明に用いられる架橋剤モノマー(C)としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタノイル、テトラエチレングリコールジアクリラート、トリアリルアミン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0021】
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記(A)〜(C)以外のモノマーを構成モノマーとして含有することもできる。含有量は、構成モノマー総量の50モル%以下の範囲であればよく、例えば、0.0001〜10モル%程度含有することができる。このようなモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、エチルアクリルアミド、エチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ε―カプロラクタム、ビニルアルコール、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、無水マレイン酸、N,N´−ジメチルアミノエチルメタクリル酸、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート等が挙げられる。
【0022】
以上のようにして得られる本発明の共重合体は、イオン性のカルボキシル基を有するモノマー(A)と、親水性のオキシアルキレン基、及び疎水性の末端アルキル基を有するモノマー(B)とを有しており、このそれぞれのモノマーを特定の割合で用いることにより、優れた増粘性を示し、さらに酸性条件下、塩の存在下、高温条件下においても、安定した増粘性を発揮することができるものである。
【0023】
一般的なアクリル酸系ポリマーは、水性溶媒中、弱酸性の条件下では、主にカルボキシル基同士の水素結合によって三次元ネットワーク構造を形成しているが、強酸性、あるいは高温条件下では、カルボキシル基の解離が抑えられることによりネットワーク構造が崩壊し、粘性の低下を招いてしまうものと考えられる。他方、中性あるいは塩基性条件下では、解離したカルボキシレートアニオンの電荷反発によりポリマー鎖が広がることによって高い粘性を示しているが、塩が共存する場合には、静電遮蔽が起こりポリマー鎖が収縮してしまうために、粘性が低下すると考えられる。
これに対して、本発明の共重合体は前記モノマー(B)において、上記のような外環境の影響を受けにくい親水性のオキシアルキレン基、疎水性の末端アルキル基を有しており、これらがネットワーク構造の形成に寄与しているために、酸性条件下、塩存在下、高温条件下においても、安定した増粘性を発揮することができる。
【0024】
本発明にかかる外用剤組成物は、以上説明した共重合体高分子を含有することを特徴とするものである。
前記共重合体高分子は増粘性に優れており、少量の配合によって高い粘度とすることができるため、これを配合した本発明の外用剤組成物は、高い粘度を有しながらも、製剤の安全性、使用性に優れている。また、前記共重合体高分子は、酸性条件下、塩存在下、高温条件下においても、安定した増粘性を発揮することができるものであるため、製剤中に酸や塩を共に配合する場合、さらには製剤が高温条件下に置かれるような場合においても、製剤中の粘度を安定に保つことができる。また、前記共重合体を配合した本発明の外用剤組成物は、増粘剤として従来の増粘剤高分子を同程度配合した場合と比較して、べたつき等の使用感触に優れているものである。
【0025】
本発明にかかる外用剤組成物においては、前記共重合体高分子の配合量は特に制限されるものではなく、使用目的に合わせ適宜配合量を調整して用いることができるが、前記共重合体高分子を組成物総量に対して0.2〜20質量%配合することが好適である。配合量が0.2質量%より少ない場合には添加効果が認められない場合があり、一方で20質量%より多い場合には、粘度が高くなりすぎて製造時に取り扱いにくくなり作業効率が低下する場合があり、さらに組成物が著しいべたつきを生じてしまう可能性がある。
【0026】
また、本発明にかかる外用剤組成物においては、必須成分である前記共重合体高分子の他に、通常化粧料や医薬品に用いられる成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。このような配合成分としては、例えば、二酸化チタン、マイカ、タルク等の粉末成分、アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、シア脂、モクロウ、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の天然油脂;ミツロウ、ラノリン、キャンデリラロウ、カルナバロウ等のロウ類;流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、イソパラフィンワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロール等の高級アルコール;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ポリシロキサン等のシリコーン系油分;イソステアリン酸プロピル、イソノナン酸イソノニル、コハク酸ジオクチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル油分等の油性成分、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−7N−アセチルアントラニレート等のアントラニル系紫外線吸収剤、ブチルメトキシベンゾイルメタン等のベンゾイル系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、ジパラメトキシケイヒ酸−モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のケイヒ酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート等のサリシレート系紫外線吸収剤、2,4,6−トリアニリノ−P−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェニル−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサン等の保湿剤、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコール、モンモリロナイト、ラポナイト等の増粘剤、エタノール、1,3−ブチレングリコール等の有機溶剤、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等の酸化防止剤、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ヘキサクロロフェン、フェノキシエタノール等の抗菌防腐剤、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸及びこれらの塩等のアミノ酸類、アシルサルコシン酸(ラウロイルサルコシンナトリウム等)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンB15等のビタミンB及びその誘導体、ビタミンD類、ビタミンH類、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等)、パントテニルエーテル、トラネキサム酸、セファランチン等の薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ等の水又は有機溶媒抽出物等の天然エキス、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエステル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪族エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等の非イオン性界面活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸トリエタノールアミン、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸ヒドロキシプロピルベタイン等の両性界面活性剤等の海面活性剤、色素、香料、精製水等が挙げられる。
【0027】
本発明にかかる外用剤組成物の使用用途は、必須成分である前記共重合体高分子を含有する外用剤であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ローション、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、クレンジングフォーム、シャンプー、ヘアリンス、リップクリーム、ヘアスプレー、ムース、日焼け止めまたは日焼け用クリーム、アイライナー、マスカラ、毛髪または爪の手入れ、クリーム、ボディーメーキャップ製剤等、種々の製品に応用することが可能である。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず最初に、本発明の外用剤組成物に配合される共重合体の合成方法について説明する。
合成例1 アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル共重合体
【化5】
【0029】
1.メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテルモノマー
ジエチレングリコールメチルエーテル27g(0.22mol)、トリエチルアミン14g(0.14mol)をベンゼン50mlに氷冷下にて溶解した。これに、メタクリル酸クロライド12g(0.11mol)を加え、Ar雰囲気中、室温で一昼夜攪拌した。トリエチルアミン・塩酸塩を濾過により除去した後、ベンゼン溶液を0.1MNaCO3にて洗浄した。ベンゼンを揮発により除去した後、メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテルと、未反応のジエチレングリコールメチルエーテルとの混合物21gを得た(純度85%)。得られた混合物を減圧蒸留を行うことにより、目的とするメタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル10gを得た(収率48%)。
【0030】
2.アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル共重合体
モノマーAとして、アクリル酸1.3g(0.018mol)、モノマーBとして、前記メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル0.38g(0.002mol)を用い、それぞれをベンゼン20ml中に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.008gを加え、60℃で重合反応を行った。Ar雰囲気中、20時間加熱攪拌した後、乳白光(オパール)状コロイド溶液を得た。混合液を大過剰ジエチルエーテル中に加え、メタノールから大過剰ジエチルエーテルへの再沈殿による精製を2回繰り返し行い、その後、希NaOH溶液に溶解した。この溶液を1週間純水に対して透析した後、凍結乾燥により、目的とする共重合体1.7gを得た。
【0031】
上記1により得られたモノマーの1H−NMRスペクトルデータ(溶媒CDCl3)を図1に、上記2により得られた共重合体の1H−NMRスペクトルデータ(溶媒D2O)を図2に示す。図2において、検出されたピークの化学シフトから、1〜2ppm付近にアクリル酸主骨格のメチレン又はメチンプロトン、3.5〜4.5ppm付近にオキシエチレン基のメチレンプロトン、3.5ppm付近に末端メチル基のプロトンが確認され、このことから目的とする共重合体の生成が確認された。また、本発明においては、他の共重合体についても同様にして共重合体の生成を確認した。
【0032】
本発明者らは、以上に示した合成方法に準じ、各種共重合体を合成し、その評価を行った。
まず最初に本発明者らは、アクリル酸系共重合体の構造と、粘度との相関について検討するため、各種アクリル酸共重合体を製造し、その相対粘度の測定を行った。製造した共重合体の組成と粘度測定結果とを併せて表1、図3に示す。なお、共重合体のモノマー組成割合は、モノマーA:モノマーB=90:10とした。
【0033】
また、粘度の測定方法は以下の通りである。
〈粘度測定方法〉
コーンプレート式応力制御レオメータ:DynAlyser100(RheoLogica社製)により粘度の測定を行った。なお、特に断りのない限り、共重合体1.0質量%水溶液を用い、pH=10、NaCl0.1M共存下、25℃の条件で測定を行った。また、コーンの半径は40mm、コーンとプレートとの角度は4°とした。
なお、相対粘度η/η0におけるη0は、溶媒(水又はエタノール)の粘度とした。
【0034】
【表1】
表1、図3より、アクリル酸ナトリウムモノマーと、ジエチレングリコール及び末端アルキル基を有するメタクリル酸モノマーとの共重合体である共重合体2,3,4が、他のものと比べて特に高い増粘性を示すことが明らかとなった。そこで本発明者らは、この共重合体の構造について更に検討を進めることとした。
【0035】
末端アルキル基R 4 の決定
本発明者らは、モノマーBの末端アルキル基R4と増粘性との相関について検討するため、末端アルキル基を各種変化させたモノマーを用い、各種モノマー組成割合の共重合体を製造し、その粘性の評価を行った。製造した各種共重合体の組成及びその分子量を表2、粘度測定結果を表2、図4に示す。なお、表2にはずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。また、分子量測定方法は、以下の通りである。
【0036】
〈分子量測定方法〉
GPC:GPC900 JASCO V500(日本分光株式会社製)、カラム:Shodex Asahipak GF−7MHQ(昭和電工株式会社製)を用い、0.1MNaNO3−水/アセトニトリル(80/20)混合溶液を溶離液として、分子量測定を行った。
【0037】
【表2】
表2、図4より、R4がメチル基である共重合体3、8〜10が最も高い増粘性を示し、R4の炭素数が大きくなるほど粘度が低くなる傾向にあることが明らかとなった。また、R4がヘキシル基である共重合体18〜20では、モノマーBを持たない共重合体7(ポリアクリル酸ナトリウム)と同様に、増粘性をほとんど示していない。以上のことから、本発明の共重合体では、モノマーBの末端アルキル基R4が炭素数1〜4のアルキル基である必要があり、特にR4がメチル基、又はエチル基であることが好ましい。
【0038】
オキシアルキレン基繰り返し単位数nの決定
つづいて本発明者らは、モノマーBのオキシアルキレン基の繰り返し単位数nと増粘性との相関について検討するため、nを各種変化させたモノマーを用い、各種モノマー組成割合の共重合体を製造し、その粘性の評価を行った。製造した各種共重合体の組成を表3に、粘度測定結果を表3、図5に示す。なお、粘度測定結果としては、ずり速度10−3s−1のときのみかけの粘度を示す。
【0039】
【表3】
表3、図5より、nが1〜3である共重合体では高い増粘性を示すことが認められた。これに対して、オキシアルキレン基を持たない共重合体1、21では、増粘性をほとんど示していないことから、モノマーBはオキシアルキレン基を有している必要がある。一方で、本発明者らが更なる検討を行った結果、オキシアルキレン基の繰り返し単位数nが長すぎると増粘性に劣る傾向にあるため、本発明の共重合体ではnが1〜3である必要がある。また、モノマーBの組成割合が20モル%以上になると、n=1の場合では白濁を生じてしまう場合があり、n=3の場合では増粘性の低下を生じてしまう可能性があるため、nが2であることが最も好ましい。
【0040】
モノマーA、Bの組成割合
つづいて本発明者らは、前記表2に示した各種共重合体の粘度測定結果について、モノマーの組成割合と増粘性との相関についての検討を行った。ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度と各モノマーの組成割合との関係を図6に示す。
図6より、本発明の共重合体は、モノマーBの含有量がある特定の割合で粘性の極大値を示し、これより多すぎても少なすぎても粘性に劣ることが明らかである。本発明の共重合体が好適に粘性を発揮し得るのは、モノマーBの組成割合が1〜30モル%の範囲であり、このため、本発明の共重合体では、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である必要がある。また、より好適には、R4がメチル基の場合に(A):(B)=95:5〜70:30、R4がエチル基の場合に(A):(B)=95:5〜80:20である。
【0041】
共重合体濃度
本発明者らは、本発明の共重合体を増粘剤として用いた場合の、共重合体濃度と粘度との関係について検討を行うため、前記共重合体3を用いて各種濃度の共重合体水溶液を調製し、その粘性の評価を行った。各種濃度の共重合体水溶液の粘度測定結果を表4、及び図7に示す。なお、表4、及び図7(b)には、ずり速度0.1s−1のときの粘度を示す。
【表4】
表4、図7より、本発明の共重合体は、0.2質量%程度の配合から粘度の向上が見られ始め、1.0質量%程度の配合では顕著な増粘効果が見られることが明らかとなった。また、上記試験結果には示さなかったが、架橋剤モノマーとしてメチレンビスアクリルアミドを配合した共重合体においては、さらに低い濃度から顕著な増粘効果が認められた。
【0042】
溶媒の影響
つづいて本発明者らは、本発明の共重合体を増粘剤として用いた場合の、溶媒の種類と粘度との関係について検討を行うため、前記共重合体3を用い、溶媒として水/エタノール、及びエタノールを用いた共重合体溶液を調製し、その粘性の評価を行った。各種溶液の粘度測定結果を表5、及び図8に示す。
【表5】
表5、図8より、本発明の共重合体においては、溶媒が水の場合には特に優れた増粘効果が得られているのに対して、溶媒としてエタノールを含有する場合には、水の場合と比較して増粘効果に劣ることが示された。しかしながら、共重合体を10.0質量%程度配合した場合、エタノール溶媒中においても比較的高い増粘効果が得られることが明らかとなった。
【0043】
pHの影響
また本発明者らは、本発明の共重合体の増粘性に対するpHの影響について検討を行うため、前記共重合体3を用い、各種pH条件下での粘性の評価を行った。各pHでの粘度測定結果を表6、及び図9に示す。なお、表6、及び図9(b)には、ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。
【表6】
従来のアクリル酸系ポリマーにおいては、pHが小さくなるにつれ粘度が低下し、pH5以下では著しく粘性が低減していたのに対して、表6、図9より、本発明の共重合体においては、pHにより受ける影響が比較的小さく、酸性条件下においても増粘性を発揮することができることが明らかとなった。
【0044】
塩の影響
つづいて本発明者らは、本発明の共重合体の増粘性に対する塩の影響について検討を行うため、前記共重合体3を用い、各種塩濃度条件下での粘性の評価を行った。各塩濃度条件での粘度測定結果を表7、及び図10に示す。なお、表7、及び図10(b)には、ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。
【表7】
従来のアクリル酸系ポリマーにおいては、塩濃度0.1%程度で粘度が著しく低下し、0.5%程度ではほとんど粘性を示さなかったのに対して、表7、図10より、本発明の共重合体においては、NaCl添加量により受ける影響が小さく、高い塩濃度条件下においても増粘性を発揮することができることが明らかとなった。
【0045】
温度の影響
つづいて本発明者らは、本発明の共重合体の増粘性に対する温度の影響について検討を行うため、前記共重合体3を用い、各種温度条件下での粘性の評価を行った。各温度条件での測定結果を表8、及び図11に示す。なお、表8、及び図11(b)には、ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。
【表8】
従来のアクリル酸系ポリマーにおいては、温度上昇により粘度が低下し、40℃以上では著しく粘性が低減していたのに対して、表8、図11より、本発明の共重合体においては、温度変化により受ける影響が比較的小さく、高温条件下においても増粘性を発揮することができることが明らかとなった。
【0046】
本発明の共重合体の他の合成例を以下に示す。
合成例2 アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル(20)/メチレンビスアクリルアミド共重合体
モノマーAとして、アクリル酸1.16g(0.016mol)、モノマーBとして、前記メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル0.75g(0.004mol)、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミドを0.031g(0.0002mol)を用いて、それぞれをベンゼン20ml中に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.008gを加え、60℃で重合反応を行った。Ar雰囲気中、20時間加熱攪拌した後、乳白光(オパール)状コロイド溶液を得た。混合液を大過剰ジエチルエーテル中に加え、メタノールから大過剰ジエチルエーテルへの再沈殿による精製を2回繰り返し行い、その後、希NaOH溶液に溶解した。この溶液を1週間純水に対して透析した後、凍結乾燥により、目的とする共重合体1.8gを得た。
【0047】
本発明にかかる外用剤組成物は、以上に説明した共重合体高分子を含有することを特徴とするものである。以下に、本発明にかかる外用剤組成物の好適な実施例を示す。なお、配合量はすべて質量%で表す。
(製法) 脂肪酸、エモリエント剤、保湿剤、防腐剤を加熱溶解し70℃に保つ。予めアルカリを溶解してあった精製水を、攪拌している油相中に添加した。添加後はしばらく70℃に保ち中和反応を終了させた。次に融解した界面活性剤、キレート剤、増粘剤を添加し、攪拌混合、脱気、濾過の後冷却を行った。
【0048】
(製法) 精製水の一部を取りキレート剤を溶解し、これに増粘剤を混合、攪拌し粘調液を調製した。精製水の残部に保湿剤、緩衝剤を加え室温下で溶解し、これに前述の粘調液を加え均一な水溶液を得た。エタノールに防腐剤、界面活性剤、香料を加えアルコール溶液とし、これを前述の水溶液に添加混合して可溶化を行った。
【0049】
(製法) 精製水に保湿剤を加え、70℃に加熱した。油分に界面活性剤、防腐剤を加え70℃に加熱した。これを先の水相に加え予備乳化を行った。ここに増粘剤とエタノールを加え攪拌、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却を行った。
【0050】
(製法) 精製水に保湿剤、アルカリ、増粘剤を加えて70℃に加温した。油分を加熱溶解後、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香料を加え70℃に加温した。これを先の水相に添加し、予備乳化を行った。ホモミキサーにより乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却を行った。
【0051】
(製法) 精製水に増粘剤、水溶性高分子を均一に溶解させた後、PEG1500、キレート剤を添加した。ジプロピレングリコールに界面活性剤を加え、50℃で加熱溶解し、これに防腐剤、香料を加えた。先に調製した水相を攪拌しながら徐々に添加した。最後にアルカリ水溶液を添加し、中和のために十分に攪拌した。
【0052】
(製法) 精製水に保湿剤、緩衝剤、増粘剤、美白剤、乳化剤を室温にて溶解した。エタノールに油分、エモリエント剤、香料、防腐剤を溶解後、前述の水相に可溶化した。
【0053】
(製法) 精製水に緩衝剤、保湿剤を70℃に加熱した。ここに増粘剤、皮膜剤を添加し、攪拌しながら溶解した。エタノールに香料、防腐剤、界面活性剤を添加、溶解後、前述の水相に添加し可溶化した。
【0054】
(製法) 水系の増粘剤であるベントナイトを分散したプロピレングリコールを精製水に加え、70℃でホモミキサー処理した後、残りの水相成分を添加し十分に攪拌した。これに十分混合粉砕された粉体部を攪拌しながら添加し、70℃までホモミキサー処理した。次に70−80℃で加熱溶解された油相を徐々に添加し70℃でホモミキサー処理した。これを攪拌しながら冷却し、45℃で香料を加え、室温まで冷却した。最後に脱気し、容器に充填した。
【0055】
本発明者らは、上記実施例1〜8に示した各種外用剤組成物を用い、本発明にかかる外用剤組成物の使用性についての検討を行うため、下記に示す内容の官能試験を行った。なお、各実施例の処方において、本発明の共重合体に代えて既存のカルボキシビニルポリマー(シンタレンK、シグマ社)を同量配合したものを調製し、それぞれの比較例として試験に用いた。官能試験の結果を表9に示す。
【0056】
官能試験
専門パネル10名により、調製した試料を実際に使用し、「べたつきのなさ」について評価を行った。
◎:10名中8名以上が良好と回答した。
○:10名中6〜8名が良好と回答した。
△:10名中4〜6名が良好と回答した。
×:10名中4名未満が良好と回答した。
【0057】
【表9】
表9より、本発明の共重合体を配合した実施例1〜8の外用剤組成物は、増粘剤として従来のアクリル酸系ポリマーを同程度配合した比較例1〜8の組成物と比べて、べたつきが少なく、使用感触にも優れていることが明らかとなった。
【0058】
以下に、本発明にかかる外用剤組成物の他の実施例を示す。
(製法) 二酸化チタン、赤色201号、赤色202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。赤色223号をヒマシ油に溶解する(染料部)。精製水、グリセリン、プロピレングリコール、会合性増粘剤を80℃で均一に溶解する(水相)。他の成分を混合し、加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。その後、水相を加えホモミキサーで乳化分散後、型に流し込み急冷し、スティック状にした。
【0059】
(製法) 増粘剤をイオン交換水に加熱溶解し、ポリマーエマルジョンに添加した。さらに、アジピン酸ジイソブチル、カービトールを徐添し、その他の成分を添加、均一に分散した後、脱気した。
【0060】
(製法) 油相と水相部をそれぞれ70℃に加熱し溶解した。水相に油相を加え、ホモジナイザーを用いて乳化し、熱交換器を用い冷却した。
【0061】
(製法) 共重合体を保湿剤と一部の精製水で分散する。他の成分を精製水残部に溶解し、攪拌しながら添加した。
【0062】
(製法) 炭化水素・シリコーン油・防腐剤を加熱溶解し、80℃に調整する。(▲1▼)増粘剤・保湿剤・アルコール・油脂・キレート剤・皮膜剤を精製水に加熱溶解させ、80℃に調整したものを、▲1▼と混合し、ホモジナイザーを用いて乳化した。冷却を行い30℃にした後アルカリを加えて均一になるまで混ぜた。
【0063】
(製法) 油相部と水相部をそれぞれ70℃に加熱し溶解させた。油相部は二酸化チタンの分散を十分に行い、ホモジナイザー処理を行いながら水相部に添加した。乳化物は熱交換機を用いて冷却した。
【0064】
(製法) 粉体部をブレンダーで混合後、粉砕機で処理した。水相部及び油相部を各々70℃で加熱溶解した。粉体部を水相部に加え混合した後、油相部を加え、ホモミキサーにより分散した。室温になるまで攪拌して冷却した。
【0065】
(製法) 油相・水相を攪拌溶解し、ろ過を行なった。
【0066】
【発明の効果】
本発明にかかる外用剤組成物に配合される共重合体高分子は、優れた増粘性を有するとともに、さらに酸性条件下、塩存在下、高温条件下における高い増粘安定性を有しており、これを増粘剤として配合した本発明の外用剤組成物は、少量の増粘剤の配合で高い粘度を得ることができるために製剤の安全性及び使用性に優れ、また、製剤中に酸や塩を共に配合した場合、さらに製剤が高温条件下に置かれたような場合においても粘度を安定に保つことができ、さらには従来の増粘剤を配合した場合と比べて使用感触に優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成例1により得られたモノマーの1H−NMRスペクトルである。
【図2】本発明の合成例1により得られた共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図3】各種アクリル酸系共重合体の相対粘度の測定結果である。
【図4】本発明の共重合体において、末端アルキル基R4を各種変化させた共重合体における粘度−ずり速度プロットである((a)R4=CH3,(b)R4=C2H5,(c)R4=C4H9,(d)R4=C6H13,(e)ポリアクリル酸Na)。
【図5】本発明の共重合体において、オキシアルキレン基繰り返し単位数nを各種変化させた共重合体における粘度−モノマーB組成割合プロットである((a)n=0,(b)n=1,(c)n=2,(d)n=3)。
【図6】本発明の各種共重合体における粘度−モノマーB組成割合プロットである。
【図7】本発明の共重合体3において、共重合体濃度を各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−共重合体濃度プロットである。
【図8】本発明の共重合体3において、溶媒(組成)を各種変化させた共重合体溶液の相対粘度の測定結果である。
【図9】本発明の共重合体3において、pHを各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−pHプロットである。
【図10】本発明の共重合体3において、NaCl濃度を各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−NaCl濃度プロットである。
【図11】本発明の共重合体3において、温度を各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−温度プロットである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、外用剤組成物、特に配合される増粘剤高分子の増粘性及び使用感触の向上、酸性条件下、塩存在下、高温条件下における増粘安定性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧品や医薬品等の分野においては、製品の剤型を保持するために種々の増粘ゲル化剤が用いられている。例えば、有機化合物としては多糖類、カゼイン等の天然高分子、ポリオキシエチレン、アクリル酸ポリマー等の合成高分子等が、また、無機化合物としてはモンモリロナイトをはじめとする各種粘土鉱物等が、それぞれの目的や効果に応じて適宜選択、使用されている。
【0003】
これらの中でも、特にアクリル酸系ポリマーは、比較的安価で、高い増粘性を有することが知られている。このため、アクリル酸系ポリマーは、化粧品の分野で増粘剤として好適に使用されており、例えば、乳液、クリーム等の乳化化粧料、頭髪化粧料に配合されている。
【0004】
しかしながら、高い粘度を得ようとして、これらの増粘剤を化粧料中に大量に配合すると、製剤の安全性及び使用性の点が問題となるため、少量の配合で系をゲル化させる必要があり、このために、ゲル化能の更なる向上が要求されていた。
また、アクリル酸系ポリマーは、酸性条件下や、塩の存在下で粘度が低下してしまうため、酸性成分や塩との共配合が難しく配合処方が制限されるという問題があった。さらに、アクリル酸系ポリマーは、高温条件下における粘度の安定性が悪いという問題もあり、このような条件下での増粘安定性も要求されていた。
【0005】
これに対して、近年、合成高分子の分野では、構成モノマーの種類や組成割合を変化させることによって、優れた機能を有する共重合体を開発することを目的とした研究が盛んに行われており、アクリル酸系ポリマーにおいても、種々の機能性共重合体が現在までに提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−149848号公報
【特許文献2】
特開平9−157130号公報
【特許文献3】
特開平11−152302号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような増粘性、増粘安定性の点において、当該技術分野の要求を十分に満たすような増粘剤高分子は、これまでに得られておいなかった。このため、従来の増粘剤を配合した外用剤組成物においては、高い粘度と、製剤の安全性及び使用性、さらには酸性条件下、塩存在下、高温条件下における粘度の安定性とを全て兼ね備えたものは得られていなかった。
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み行われたものであり、その目的は、高い粘度を有しながら、製剤の安全性及び使用性に優れ、さらには酸性条件下、塩存在下、高温条件下における粘度の安定性にも優れた外用剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達するために、本発明者らが鋭意研究を行った結果、アクリル酸系モノマー又はその金属塩と、オキシアルキレン基及びアルキル基を有するアクリル酸系モノマーとを特定の割合で共重合させた高分子が、優れた増粘作用を示すとともに、pH、塩、温度に対しての増粘安定性が高いことを見出した。そして、この共重合体を増粘剤主成分として外用剤に配合することによって、高い粘度を有しながらも製剤の安全性及び使用性に優れ、さらに粘度の安定性にも優れた外用剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明にかかる外用剤組成物は、構成モノマーとして下記一般式(1)で示されるモノマー(A)と、下記一般式(2)で示されるモノマー(B)とを含有し、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である共重合体高分子、を含有することを特徴とする。
【化3】
(式中、R1は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは水素、又は1価の金属原子を表す。)
【化4】
(式中、R2は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
【0010】
また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がメチル基又はエチル基であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のnが2であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がメチル基であり、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=95:5〜70:30であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がエチル基であり、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=95:5〜80:20であることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子が構成モノマーとして架橋剤モノマー(C)を構成モノマー総量の1.0モル%以下含有していることが好適である。また、前記外用剤組成物において、該共重合体高分子を0.2〜20質量%含有することが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳述する。
最初に、本発明の外用剤組成物に配合される共重合体高分子について説明する。
前記一般式(1)に示されるモノマー(A)は、アクリル酸、又はメタクリル酸のようなアルキル置換アクリル酸、又はその金属塩である。一般式(1)において、アクリル酸α炭素の置換基であるR1は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、アルキル基である場合には直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、特に好ましくは水素、メチル基である。また、一般式(1)において、Mは水素、又は1価の金属原子を意味し、このようなものであれば特に限定されるものではないが、1価の金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられ、特にナトリウムであることが好ましい。
【0012】
本発明に用いられるモノマー(A)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等が挙げられる。
また、モノマー(A)として、Mが水素であるアクリル酸又はメタクリル酸等を用いて、本発明の共重合体を重合した後に、希水酸化ナトリウム溶液等を用いて、当該共重合体のモノマー(A)のMをナトリウム等の金属塩の形に置換することも可能である。
なお、本発明の共重合体高分子においては、前記モノマー(A)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
【0013】
前記一般式(2)に示されるモノマー(B)は、アクリル酸、又はメタクリル酸のようなアルキル置換アクリル酸において、オキシアルキレン基とアルキル基とを有する化合物である。一般式(2)において、アクリル酸α炭素の置換基を表すR2は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、アルキル基である場合には直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、特に好ましくは水素、又はメチル基である。また、一般式(2)において、オキシアルキレン部位のアルキレン基を表すR3は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、この中でもエチレン基であることが特に好ましい。また、一般式(2)において、末端アルキル基を表すR4は炭素数1〜4のアルキル基であり、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。R4が炭素数5以上のアルキル基である場合には、十分な増粘性を得ることができない場合がある。R4はメチル基、又はエチル基であることが特に好ましい。また、一般式(2)において、オキシアルキレン基の繰り返し単位数を表すnは1〜3の整数である。nが4以上である場合には、十分な増粘性を得ることができない場合がある。nは2であることが特に好ましい。
【0014】
本発明に用いられるモノマー(B)としては、例えば、アクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル、アクリル酸ジエチレングリコールエチルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールエチルエーテル、アクリル酸ジエチレングリコールプロピルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールプロピルエーテル、アクリル酸ジエチレングリコールブチルエーテル、メタクリル酸ジエチレングリコールブチルエーテル等が挙げられる。
なお、本発明の共重合体高分子においては、前記モノマー(B)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
【0015】
また、本発明の共重合体は、上記モノマー(A)とモノマー(B)とを有しており、モノマー(A)のカルボキシルアニオンに基づく電荷反発、モノマー(B)のオキシアルキレン基に基づく親水性、及び末端アルキル基に基づく疎水性のそれぞれのバランスによって、分散媒中で様々な形態の集合組織体を形成し得るため、モノマー(A)とモノマー(B)とをある特定の割合で用いた場合にのみ、特に高い増粘性を示すものである。
本発明の共重合体においては、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である。モノマー(B)の割合が、モノマー(A)、(B)の総量に対して1モル%未満であるか、又は30モル%を超える場合には、十分な増粘効果を発揮することができない。また、より好適には、本発明の共重合体においてR4がメチル基である場合に、(A):(B)=95:5〜70:30であり、R4がエチル基である場合に、(A):(B)=95:5〜80:20である。
【0016】
本発明の共重合体は上記モノマーを公知の重合方法を用いて重合することにより得ることができ、例えば、均一溶液重合法、不均一溶液重合法、乳化重合法、逆相乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、沈殿重合法等を用いることができる。例えば、均一溶液重合法の場合には、各モノマーを求めるモノマー組成にて溶媒に溶解し、窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤を添加して加熱撹拌することにより本発明の共重合体を得ることができる。また、ポリアクリル酸に官能基を付加させるポストモディフィケーションによって、本発明の共重合体を得ることもできる。
【0017】
重合の際に用いられる溶媒としては、モノマーを溶解又は懸濁し得るものであって、水を含まない有機溶媒であればいかなる溶媒でも用いることが可能であり、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、流動パラフィンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化物系溶媒などの他、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等が挙げられる。これら溶媒は2種以上混合して用いてもよい。通常、用いる重合開始剤の開始温度よりも沸点が高い溶媒を選択することが好適である。
【0018】
重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、例えば、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等のアゾ系化合物の他、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系重合開始剤が挙げられる。なお、これらの重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常70℃程度とすればよい。
【0019】
重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。比較的高分子量のポリマーを得たい場合には、1日程度反応させることが望ましい。反応時間が短すぎると未反応のモノマーが残存し、分子量も比較的小さくなることがある。本発明の共重合体の平均分子量は特に制限されず、オリゴマー以上の重合度を有していれば目的とする効果を発揮し得るが、特に平均分子量10万〜300万程度であることが好ましい。
【0020】
また、本発明の共重合体高分子において、前記モノマー(A)、(B)以外の構成モノマーとして、架橋剤モノマー(C)を構成モノマー総量の1.0モル%以下含有することができる。モノマー(A)、(B)に加えて、さらに架橋剤モノマー(C)を含有することによって、より少量の配合で、優れた増粘効果を発揮することが可能となる。しかしながら、架橋剤モノマー(C)を構成モノマー総量の1.0モル%を超えて含有すると、増粘安定性に劣る傾向にあるため、架橋剤モノマー(C)の含有量は、構成モノマー総量の1.0モル%以下である必要がある。本発明に用いられる架橋剤モノマー(C)としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタノイル、テトラエチレングリコールジアクリラート、トリアリルアミン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0021】
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記(A)〜(C)以外のモノマーを構成モノマーとして含有することもできる。含有量は、構成モノマー総量の50モル%以下の範囲であればよく、例えば、0.0001〜10モル%程度含有することができる。このようなモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、エチルアクリルアミド、エチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ε―カプロラクタム、ビニルアルコール、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、無水マレイン酸、N,N´−ジメチルアミノエチルメタクリル酸、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート等が挙げられる。
【0022】
以上のようにして得られる本発明の共重合体は、イオン性のカルボキシル基を有するモノマー(A)と、親水性のオキシアルキレン基、及び疎水性の末端アルキル基を有するモノマー(B)とを有しており、このそれぞれのモノマーを特定の割合で用いることにより、優れた増粘性を示し、さらに酸性条件下、塩の存在下、高温条件下においても、安定した増粘性を発揮することができるものである。
【0023】
一般的なアクリル酸系ポリマーは、水性溶媒中、弱酸性の条件下では、主にカルボキシル基同士の水素結合によって三次元ネットワーク構造を形成しているが、強酸性、あるいは高温条件下では、カルボキシル基の解離が抑えられることによりネットワーク構造が崩壊し、粘性の低下を招いてしまうものと考えられる。他方、中性あるいは塩基性条件下では、解離したカルボキシレートアニオンの電荷反発によりポリマー鎖が広がることによって高い粘性を示しているが、塩が共存する場合には、静電遮蔽が起こりポリマー鎖が収縮してしまうために、粘性が低下すると考えられる。
これに対して、本発明の共重合体は前記モノマー(B)において、上記のような外環境の影響を受けにくい親水性のオキシアルキレン基、疎水性の末端アルキル基を有しており、これらがネットワーク構造の形成に寄与しているために、酸性条件下、塩存在下、高温条件下においても、安定した増粘性を発揮することができる。
【0024】
本発明にかかる外用剤組成物は、以上説明した共重合体高分子を含有することを特徴とするものである。
前記共重合体高分子は増粘性に優れており、少量の配合によって高い粘度とすることができるため、これを配合した本発明の外用剤組成物は、高い粘度を有しながらも、製剤の安全性、使用性に優れている。また、前記共重合体高分子は、酸性条件下、塩存在下、高温条件下においても、安定した増粘性を発揮することができるものであるため、製剤中に酸や塩を共に配合する場合、さらには製剤が高温条件下に置かれるような場合においても、製剤中の粘度を安定に保つことができる。また、前記共重合体を配合した本発明の外用剤組成物は、増粘剤として従来の増粘剤高分子を同程度配合した場合と比較して、べたつき等の使用感触に優れているものである。
【0025】
本発明にかかる外用剤組成物においては、前記共重合体高分子の配合量は特に制限されるものではなく、使用目的に合わせ適宜配合量を調整して用いることができるが、前記共重合体高分子を組成物総量に対して0.2〜20質量%配合することが好適である。配合量が0.2質量%より少ない場合には添加効果が認められない場合があり、一方で20質量%より多い場合には、粘度が高くなりすぎて製造時に取り扱いにくくなり作業効率が低下する場合があり、さらに組成物が著しいべたつきを生じてしまう可能性がある。
【0026】
また、本発明にかかる外用剤組成物においては、必須成分である前記共重合体高分子の他に、通常化粧料や医薬品に用いられる成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。このような配合成分としては、例えば、二酸化チタン、マイカ、タルク等の粉末成分、アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、シア脂、モクロウ、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の天然油脂;ミツロウ、ラノリン、キャンデリラロウ、カルナバロウ等のロウ類;流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、イソパラフィンワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロール等の高級アルコール;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ポリシロキサン等のシリコーン系油分;イソステアリン酸プロピル、イソノナン酸イソノニル、コハク酸ジオクチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル油分等の油性成分、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−7N−アセチルアントラニレート等のアントラニル系紫外線吸収剤、ブチルメトキシベンゾイルメタン等のベンゾイル系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、ジパラメトキシケイヒ酸−モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のケイヒ酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート等のサリシレート系紫外線吸収剤、2,4,6−トリアニリノ−P−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェニル−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサン等の保湿剤、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコール、モンモリロナイト、ラポナイト等の増粘剤、エタノール、1,3−ブチレングリコール等の有機溶剤、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等の酸化防止剤、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ヘキサクロロフェン、フェノキシエタノール等の抗菌防腐剤、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸及びこれらの塩等のアミノ酸類、アシルサルコシン酸(ラウロイルサルコシンナトリウム等)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンB15等のビタミンB及びその誘導体、ビタミンD類、ビタミンH類、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等)、パントテニルエーテル、トラネキサム酸、セファランチン等の薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ等の水又は有機溶媒抽出物等の天然エキス、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエステル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪族エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等の非イオン性界面活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸トリエタノールアミン、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸ヒドロキシプロピルベタイン等の両性界面活性剤等の海面活性剤、色素、香料、精製水等が挙げられる。
【0027】
本発明にかかる外用剤組成物の使用用途は、必須成分である前記共重合体高分子を含有する外用剤であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ローション、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、クレンジングフォーム、シャンプー、ヘアリンス、リップクリーム、ヘアスプレー、ムース、日焼け止めまたは日焼け用クリーム、アイライナー、マスカラ、毛髪または爪の手入れ、クリーム、ボディーメーキャップ製剤等、種々の製品に応用することが可能である。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず最初に、本発明の外用剤組成物に配合される共重合体の合成方法について説明する。
合成例1 アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル共重合体
【化5】
【0029】
1.メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテルモノマー
ジエチレングリコールメチルエーテル27g(0.22mol)、トリエチルアミン14g(0.14mol)をベンゼン50mlに氷冷下にて溶解した。これに、メタクリル酸クロライド12g(0.11mol)を加え、Ar雰囲気中、室温で一昼夜攪拌した。トリエチルアミン・塩酸塩を濾過により除去した後、ベンゼン溶液を0.1MNaCO3にて洗浄した。ベンゼンを揮発により除去した後、メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテルと、未反応のジエチレングリコールメチルエーテルとの混合物21gを得た(純度85%)。得られた混合物を減圧蒸留を行うことにより、目的とするメタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル10gを得た(収率48%)。
【0030】
2.アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル共重合体
モノマーAとして、アクリル酸1.3g(0.018mol)、モノマーBとして、前記メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル0.38g(0.002mol)を用い、それぞれをベンゼン20ml中に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.008gを加え、60℃で重合反応を行った。Ar雰囲気中、20時間加熱攪拌した後、乳白光(オパール)状コロイド溶液を得た。混合液を大過剰ジエチルエーテル中に加え、メタノールから大過剰ジエチルエーテルへの再沈殿による精製を2回繰り返し行い、その後、希NaOH溶液に溶解した。この溶液を1週間純水に対して透析した後、凍結乾燥により、目的とする共重合体1.7gを得た。
【0031】
上記1により得られたモノマーの1H−NMRスペクトルデータ(溶媒CDCl3)を図1に、上記2により得られた共重合体の1H−NMRスペクトルデータ(溶媒D2O)を図2に示す。図2において、検出されたピークの化学シフトから、1〜2ppm付近にアクリル酸主骨格のメチレン又はメチンプロトン、3.5〜4.5ppm付近にオキシエチレン基のメチレンプロトン、3.5ppm付近に末端メチル基のプロトンが確認され、このことから目的とする共重合体の生成が確認された。また、本発明においては、他の共重合体についても同様にして共重合体の生成を確認した。
【0032】
本発明者らは、以上に示した合成方法に準じ、各種共重合体を合成し、その評価を行った。
まず最初に本発明者らは、アクリル酸系共重合体の構造と、粘度との相関について検討するため、各種アクリル酸共重合体を製造し、その相対粘度の測定を行った。製造した共重合体の組成と粘度測定結果とを併せて表1、図3に示す。なお、共重合体のモノマー組成割合は、モノマーA:モノマーB=90:10とした。
【0033】
また、粘度の測定方法は以下の通りである。
〈粘度測定方法〉
コーンプレート式応力制御レオメータ:DynAlyser100(RheoLogica社製)により粘度の測定を行った。なお、特に断りのない限り、共重合体1.0質量%水溶液を用い、pH=10、NaCl0.1M共存下、25℃の条件で測定を行った。また、コーンの半径は40mm、コーンとプレートとの角度は4°とした。
なお、相対粘度η/η0におけるη0は、溶媒(水又はエタノール)の粘度とした。
【0034】
【表1】
表1、図3より、アクリル酸ナトリウムモノマーと、ジエチレングリコール及び末端アルキル基を有するメタクリル酸モノマーとの共重合体である共重合体2,3,4が、他のものと比べて特に高い増粘性を示すことが明らかとなった。そこで本発明者らは、この共重合体の構造について更に検討を進めることとした。
【0035】
末端アルキル基R 4 の決定
本発明者らは、モノマーBの末端アルキル基R4と増粘性との相関について検討するため、末端アルキル基を各種変化させたモノマーを用い、各種モノマー組成割合の共重合体を製造し、その粘性の評価を行った。製造した各種共重合体の組成及びその分子量を表2、粘度測定結果を表2、図4に示す。なお、表2にはずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。また、分子量測定方法は、以下の通りである。
【0036】
〈分子量測定方法〉
GPC:GPC900 JASCO V500(日本分光株式会社製)、カラム:Shodex Asahipak GF−7MHQ(昭和電工株式会社製)を用い、0.1MNaNO3−水/アセトニトリル(80/20)混合溶液を溶離液として、分子量測定を行った。
【0037】
【表2】
表2、図4より、R4がメチル基である共重合体3、8〜10が最も高い増粘性を示し、R4の炭素数が大きくなるほど粘度が低くなる傾向にあることが明らかとなった。また、R4がヘキシル基である共重合体18〜20では、モノマーBを持たない共重合体7(ポリアクリル酸ナトリウム)と同様に、増粘性をほとんど示していない。以上のことから、本発明の共重合体では、モノマーBの末端アルキル基R4が炭素数1〜4のアルキル基である必要があり、特にR4がメチル基、又はエチル基であることが好ましい。
【0038】
オキシアルキレン基繰り返し単位数nの決定
つづいて本発明者らは、モノマーBのオキシアルキレン基の繰り返し単位数nと増粘性との相関について検討するため、nを各種変化させたモノマーを用い、各種モノマー組成割合の共重合体を製造し、その粘性の評価を行った。製造した各種共重合体の組成を表3に、粘度測定結果を表3、図5に示す。なお、粘度測定結果としては、ずり速度10−3s−1のときのみかけの粘度を示す。
【0039】
【表3】
表3、図5より、nが1〜3である共重合体では高い増粘性を示すことが認められた。これに対して、オキシアルキレン基を持たない共重合体1、21では、増粘性をほとんど示していないことから、モノマーBはオキシアルキレン基を有している必要がある。一方で、本発明者らが更なる検討を行った結果、オキシアルキレン基の繰り返し単位数nが長すぎると増粘性に劣る傾向にあるため、本発明の共重合体ではnが1〜3である必要がある。また、モノマーBの組成割合が20モル%以上になると、n=1の場合では白濁を生じてしまう場合があり、n=3の場合では増粘性の低下を生じてしまう可能性があるため、nが2であることが最も好ましい。
【0040】
モノマーA、Bの組成割合
つづいて本発明者らは、前記表2に示した各種共重合体の粘度測定結果について、モノマーの組成割合と増粘性との相関についての検討を行った。ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度と各モノマーの組成割合との関係を図6に示す。
図6より、本発明の共重合体は、モノマーBの含有量がある特定の割合で粘性の極大値を示し、これより多すぎても少なすぎても粘性に劣ることが明らかである。本発明の共重合体が好適に粘性を発揮し得るのは、モノマーBの組成割合が1〜30モル%の範囲であり、このため、本発明の共重合体では、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=99:1〜70:30である必要がある。また、より好適には、R4がメチル基の場合に(A):(B)=95:5〜70:30、R4がエチル基の場合に(A):(B)=95:5〜80:20である。
【0041】
共重合体濃度
本発明者らは、本発明の共重合体を増粘剤として用いた場合の、共重合体濃度と粘度との関係について検討を行うため、前記共重合体3を用いて各種濃度の共重合体水溶液を調製し、その粘性の評価を行った。各種濃度の共重合体水溶液の粘度測定結果を表4、及び図7に示す。なお、表4、及び図7(b)には、ずり速度0.1s−1のときの粘度を示す。
【表4】
表4、図7より、本発明の共重合体は、0.2質量%程度の配合から粘度の向上が見られ始め、1.0質量%程度の配合では顕著な増粘効果が見られることが明らかとなった。また、上記試験結果には示さなかったが、架橋剤モノマーとしてメチレンビスアクリルアミドを配合した共重合体においては、さらに低い濃度から顕著な増粘効果が認められた。
【0042】
溶媒の影響
つづいて本発明者らは、本発明の共重合体を増粘剤として用いた場合の、溶媒の種類と粘度との関係について検討を行うため、前記共重合体3を用い、溶媒として水/エタノール、及びエタノールを用いた共重合体溶液を調製し、その粘性の評価を行った。各種溶液の粘度測定結果を表5、及び図8に示す。
【表5】
表5、図8より、本発明の共重合体においては、溶媒が水の場合には特に優れた増粘効果が得られているのに対して、溶媒としてエタノールを含有する場合には、水の場合と比較して増粘効果に劣ることが示された。しかしながら、共重合体を10.0質量%程度配合した場合、エタノール溶媒中においても比較的高い増粘効果が得られることが明らかとなった。
【0043】
pHの影響
また本発明者らは、本発明の共重合体の増粘性に対するpHの影響について検討を行うため、前記共重合体3を用い、各種pH条件下での粘性の評価を行った。各pHでの粘度測定結果を表6、及び図9に示す。なお、表6、及び図9(b)には、ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。
【表6】
従来のアクリル酸系ポリマーにおいては、pHが小さくなるにつれ粘度が低下し、pH5以下では著しく粘性が低減していたのに対して、表6、図9より、本発明の共重合体においては、pHにより受ける影響が比較的小さく、酸性条件下においても増粘性を発揮することができることが明らかとなった。
【0044】
塩の影響
つづいて本発明者らは、本発明の共重合体の増粘性に対する塩の影響について検討を行うため、前記共重合体3を用い、各種塩濃度条件下での粘性の評価を行った。各塩濃度条件での粘度測定結果を表7、及び図10に示す。なお、表7、及び図10(b)には、ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。
【表7】
従来のアクリル酸系ポリマーにおいては、塩濃度0.1%程度で粘度が著しく低下し、0.5%程度ではほとんど粘性を示さなかったのに対して、表7、図10より、本発明の共重合体においては、NaCl添加量により受ける影響が小さく、高い塩濃度条件下においても増粘性を発揮することができることが明らかとなった。
【0045】
温度の影響
つづいて本発明者らは、本発明の共重合体の増粘性に対する温度の影響について検討を行うため、前記共重合体3を用い、各種温度条件下での粘性の評価を行った。各温度条件での測定結果を表8、及び図11に示す。なお、表8、及び図11(b)には、ずり速度0.1s−1のときのみかけの粘度を示す。
【表8】
従来のアクリル酸系ポリマーにおいては、温度上昇により粘度が低下し、40℃以上では著しく粘性が低減していたのに対して、表8、図11より、本発明の共重合体においては、温度変化により受ける影響が比較的小さく、高温条件下においても増粘性を発揮することができることが明らかとなった。
【0046】
本発明の共重合体の他の合成例を以下に示す。
合成例2 アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル(20)/メチレンビスアクリルアミド共重合体
モノマーAとして、アクリル酸1.16g(0.016mol)、モノマーBとして、前記メタクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル0.75g(0.004mol)、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミドを0.031g(0.0002mol)を用いて、それぞれをベンゼン20ml中に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.008gを加え、60℃で重合反応を行った。Ar雰囲気中、20時間加熱攪拌した後、乳白光(オパール)状コロイド溶液を得た。混合液を大過剰ジエチルエーテル中に加え、メタノールから大過剰ジエチルエーテルへの再沈殿による精製を2回繰り返し行い、その後、希NaOH溶液に溶解した。この溶液を1週間純水に対して透析した後、凍結乾燥により、目的とする共重合体1.8gを得た。
【0047】
本発明にかかる外用剤組成物は、以上に説明した共重合体高分子を含有することを特徴とするものである。以下に、本発明にかかる外用剤組成物の好適な実施例を示す。なお、配合量はすべて質量%で表す。
(製法) 脂肪酸、エモリエント剤、保湿剤、防腐剤を加熱溶解し70℃に保つ。予めアルカリを溶解してあった精製水を、攪拌している油相中に添加した。添加後はしばらく70℃に保ち中和反応を終了させた。次に融解した界面活性剤、キレート剤、増粘剤を添加し、攪拌混合、脱気、濾過の後冷却を行った。
【0048】
(製法) 精製水の一部を取りキレート剤を溶解し、これに増粘剤を混合、攪拌し粘調液を調製した。精製水の残部に保湿剤、緩衝剤を加え室温下で溶解し、これに前述の粘調液を加え均一な水溶液を得た。エタノールに防腐剤、界面活性剤、香料を加えアルコール溶液とし、これを前述の水溶液に添加混合して可溶化を行った。
【0049】
(製法) 精製水に保湿剤を加え、70℃に加熱した。油分に界面活性剤、防腐剤を加え70℃に加熱した。これを先の水相に加え予備乳化を行った。ここに増粘剤とエタノールを加え攪拌、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却を行った。
【0050】
(製法) 精製水に保湿剤、アルカリ、増粘剤を加えて70℃に加温した。油分を加熱溶解後、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香料を加え70℃に加温した。これを先の水相に添加し、予備乳化を行った。ホモミキサーにより乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却を行った。
【0051】
(製法) 精製水に増粘剤、水溶性高分子を均一に溶解させた後、PEG1500、キレート剤を添加した。ジプロピレングリコールに界面活性剤を加え、50℃で加熱溶解し、これに防腐剤、香料を加えた。先に調製した水相を攪拌しながら徐々に添加した。最後にアルカリ水溶液を添加し、中和のために十分に攪拌した。
【0052】
(製法) 精製水に保湿剤、緩衝剤、増粘剤、美白剤、乳化剤を室温にて溶解した。エタノールに油分、エモリエント剤、香料、防腐剤を溶解後、前述の水相に可溶化した。
【0053】
(製法) 精製水に緩衝剤、保湿剤を70℃に加熱した。ここに増粘剤、皮膜剤を添加し、攪拌しながら溶解した。エタノールに香料、防腐剤、界面活性剤を添加、溶解後、前述の水相に添加し可溶化した。
【0054】
(製法) 水系の増粘剤であるベントナイトを分散したプロピレングリコールを精製水に加え、70℃でホモミキサー処理した後、残りの水相成分を添加し十分に攪拌した。これに十分混合粉砕された粉体部を攪拌しながら添加し、70℃までホモミキサー処理した。次に70−80℃で加熱溶解された油相を徐々に添加し70℃でホモミキサー処理した。これを攪拌しながら冷却し、45℃で香料を加え、室温まで冷却した。最後に脱気し、容器に充填した。
【0055】
本発明者らは、上記実施例1〜8に示した各種外用剤組成物を用い、本発明にかかる外用剤組成物の使用性についての検討を行うため、下記に示す内容の官能試験を行った。なお、各実施例の処方において、本発明の共重合体に代えて既存のカルボキシビニルポリマー(シンタレンK、シグマ社)を同量配合したものを調製し、それぞれの比較例として試験に用いた。官能試験の結果を表9に示す。
【0056】
官能試験
専門パネル10名により、調製した試料を実際に使用し、「べたつきのなさ」について評価を行った。
◎:10名中8名以上が良好と回答した。
○:10名中6〜8名が良好と回答した。
△:10名中4〜6名が良好と回答した。
×:10名中4名未満が良好と回答した。
【0057】
【表9】
表9より、本発明の共重合体を配合した実施例1〜8の外用剤組成物は、増粘剤として従来のアクリル酸系ポリマーを同程度配合した比較例1〜8の組成物と比べて、べたつきが少なく、使用感触にも優れていることが明らかとなった。
【0058】
以下に、本発明にかかる外用剤組成物の他の実施例を示す。
(製法) 二酸化チタン、赤色201号、赤色202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。赤色223号をヒマシ油に溶解する(染料部)。精製水、グリセリン、プロピレングリコール、会合性増粘剤を80℃で均一に溶解する(水相)。他の成分を混合し、加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。その後、水相を加えホモミキサーで乳化分散後、型に流し込み急冷し、スティック状にした。
【0059】
(製法) 増粘剤をイオン交換水に加熱溶解し、ポリマーエマルジョンに添加した。さらに、アジピン酸ジイソブチル、カービトールを徐添し、その他の成分を添加、均一に分散した後、脱気した。
【0060】
(製法) 油相と水相部をそれぞれ70℃に加熱し溶解した。水相に油相を加え、ホモジナイザーを用いて乳化し、熱交換器を用い冷却した。
【0061】
(製法) 共重合体を保湿剤と一部の精製水で分散する。他の成分を精製水残部に溶解し、攪拌しながら添加した。
【0062】
(製法) 炭化水素・シリコーン油・防腐剤を加熱溶解し、80℃に調整する。(▲1▼)増粘剤・保湿剤・アルコール・油脂・キレート剤・皮膜剤を精製水に加熱溶解させ、80℃に調整したものを、▲1▼と混合し、ホモジナイザーを用いて乳化した。冷却を行い30℃にした後アルカリを加えて均一になるまで混ぜた。
【0063】
(製法) 油相部と水相部をそれぞれ70℃に加熱し溶解させた。油相部は二酸化チタンの分散を十分に行い、ホモジナイザー処理を行いながら水相部に添加した。乳化物は熱交換機を用いて冷却した。
【0064】
(製法) 粉体部をブレンダーで混合後、粉砕機で処理した。水相部及び油相部を各々70℃で加熱溶解した。粉体部を水相部に加え混合した後、油相部を加え、ホモミキサーにより分散した。室温になるまで攪拌して冷却した。
【0065】
(製法) 油相・水相を攪拌溶解し、ろ過を行なった。
【0066】
【発明の効果】
本発明にかかる外用剤組成物に配合される共重合体高分子は、優れた増粘性を有するとともに、さらに酸性条件下、塩存在下、高温条件下における高い増粘安定性を有しており、これを増粘剤として配合した本発明の外用剤組成物は、少量の増粘剤の配合で高い粘度を得ることができるために製剤の安全性及び使用性に優れ、また、製剤中に酸や塩を共に配合した場合、さらに製剤が高温条件下に置かれたような場合においても粘度を安定に保つことができ、さらには従来の増粘剤を配合した場合と比べて使用感触に優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成例1により得られたモノマーの1H−NMRスペクトルである。
【図2】本発明の合成例1により得られた共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図3】各種アクリル酸系共重合体の相対粘度の測定結果である。
【図4】本発明の共重合体において、末端アルキル基R4を各種変化させた共重合体における粘度−ずり速度プロットである((a)R4=CH3,(b)R4=C2H5,(c)R4=C4H9,(d)R4=C6H13,(e)ポリアクリル酸Na)。
【図5】本発明の共重合体において、オキシアルキレン基繰り返し単位数nを各種変化させた共重合体における粘度−モノマーB組成割合プロットである((a)n=0,(b)n=1,(c)n=2,(d)n=3)。
【図6】本発明の各種共重合体における粘度−モノマーB組成割合プロットである。
【図7】本発明の共重合体3において、共重合体濃度を各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−共重合体濃度プロットである。
【図8】本発明の共重合体3において、溶媒(組成)を各種変化させた共重合体溶液の相対粘度の測定結果である。
【図9】本発明の共重合体3において、pHを各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−pHプロットである。
【図10】本発明の共重合体3において、NaCl濃度を各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−NaCl濃度プロットである。
【図11】本発明の共重合体3において、温度を各種変化させた条件での(a)粘度−ずり速度プロット、(b)ずり速度0.1s−1での粘度−温度プロットである。
Claims (7)
- 請求項1に記載の外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がメチル基又はエチル基であることを特徴とする外用剤組成物。
- 請求項1又は2に記載の外用剤組成物において、該共重合体高分子のnが2であることを特徴とする外用剤組成物。
- 請求項2又は3に記載の外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がメチル基であり、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=95:5〜70:30であることを特徴とする外用剤組成物。
- 請求項2又は3に記載の外用剤組成物において、該共重合体高分子のR4がエチル基であり、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=95:5〜80:20であることを特徴とする外用剤組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載の外用剤組成物において、該共重合体高分子が構成モノマーとして架橋剤モノマー(C)を構成モノマー総量の1.0モル%以下含有していることを特徴とする外用剤組成物。
- 請求項1から6のいずれかに記載の外用剤組成物において、該共重合体高分子を0.2〜20質量%含有することを特徴とする外用剤組成物。
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