JP2004276270A - 液体噴射装置 - Google Patents

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雅昭 宮本
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Abstract

【課題】液体噴射ヘッドのノズルの選択的なクリーニング動作を、簡単な構成で行う。
【解決手段】プリンタは記録ヘッド21を備え、その下面30には複数のノズル列が形成されている。さらに、プリンタは、キャップ部材35を備え、キャップ部材35は、第1〜第3の仕切板41〜43を備える。各仕切板41〜43の上端には、第1〜第3の溝55a〜55cが凹設されている。クリーニング動作時にはキャップ部材35が上昇され、各溝55a〜55cが記録ヘッド21の下面30に当接される。そして、各溝55a〜55cのうち、少なくとも1つが複数のノズル列のいずれかに当接している場合には、当接されたノズル列が封止される。この状態で、キャップ部材35と連通する吸引チューブ37を介して、吸引ポンプ39にて吸引を行うと、溝55a〜55cに覆われていないノズルのみからインクが吸引され、吸引チューブ37を介して廃液タンク25に排出される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行う、インクジェット式記録装置が知られていた。そして、このようなインクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズル開口からインクの溶媒が蒸発することによってインク粘度が上昇し、ノズルに目詰まりが生じたり、ノズル開口へ塵埃が付着したりすることがあった。また、カートリッジの交換等に伴ってノズル内に気泡が混入することもあり、これらの現象によって、印刷が良好に行われなくなる可能性があった。
【0003】
そこで、これらの現象を回復させるために、従来から、記録ヘッドのノズルからインクを吸い出すことによって、記録ヘッドのノズルにおける目詰まりや塵埃の付着、気泡の混入等を解消する、いわゆる、クリーニング動作を行うことが知られていた。
【0004】
詳しくは、このクリーニング動作は、インクジェット式記録装置に設けられているクリーニング機構を使用して行われるようになっており、クリーニング機構は、キャップと、同キャップに連通するインク排出路と、同インク排出路の途中に設けられたポンプとを備えていた。そして、記録ヘッドのノズルをキャップで覆ってから、ポンプを駆動させることによって、インク排出路を介してキャップ内の圧力を減少させるようになっていた。その結果、記録ヘッドのノズルから、インクが吸い出され、ノズルにおける目詰まり等が解消されるようになっていた。
【0005】
一方、このようなインクジェット式記録装置においては、カラー印刷を可能とするために、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった、複数色のインクを使用することが知られていた。そして、複数色のインクを使用する場合には、色の数に対応した複数のノズル列が前記記録ヘッドに設けられるようになっていた。従って、このように、複数色のインクを使用するインクジェット式記録装置において、上記のクリーニング動作を行う場合には、記録ヘッドに設けられている複数のノズル列全てをキャップによって覆い、全てのノズル列から同時にインクを吸引することが考えられた。
【0006】
ところが、この方法では、もともと目詰まりの生じていなかったノズル列からも、インクが吸引されることとなり、不必要なインクまで消費されてしまうという問題があった。従って、このような問題を解決するために、クリーニングの必要なノズル列に対応するインクのみを選択的に吸引するクリーニング機構について、既に提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
詳しくは、この特許文献1のクリーニング機構は、キャップが、複数の部屋に分割されるようになっていた。そして、この複数の部屋とポンプとの間には、各部屋に対応した複数のインク排出路が設けられるようになっていた。さらに、各インク排出路上には、それぞれバルブが設けられるようになっていた。そして、クリーニング動作時には、ノズル列の目詰まり等の状況に応じて、各バルブの開閉を調整するようになっていた。その結果、キャップを構成する複数の部屋のうち、バルブが開状態となっている部屋のみが減圧され、インクが吸引されるようになっていた。
【0008】
従って、以上により、目詰まり等の回復が必要なノズル列のみから、インクが吸引されるようになり、インクの浪費が防がれるようになっていた。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−225715号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなクリーンニング機構は、インク排出路やバルブを複数設ける必要があり、装置が複雑化してしまうという問題点を有していた。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、液体噴射ヘッドのノズルの選択的なクリーニング動作を、簡単な構成で行うことのできる液体噴射装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズル形成面に複数のノズルが形成され、同ノズルを介してターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、同液体噴射ヘッドの前記ノズルを覆うことが可能なキャップと、前記キャップの内部を外部に連通させる流路と、前記流路途中に設けられ、前記流路を介して前記キャップの前記内部の流体を前記外部に移送する吸引手段とを備え、前記キャップが前記ノズルを覆った状態で、前記吸引手段を駆動させることにより、前記キャップの前記内部の圧力を減少させ、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから前記液体を排出させるクリーニング動作を行うことが可能な液体噴射装置において、前記キャップに、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルを覆うときに、前記液体噴射ヘッドの前記複数のノズルのうちの一部分を塞ぎ、前記液体を排出不能に封止する封止手段を備えた。
【0013】
従って、本発明によれば、キャップによってノズルを覆ったときに、液体噴射ヘッドの複数のノズルのうち、その一部分が、封止手段によって液体が排出不能に封止されるようになる。従って、クリーニング動作を行っても、一部分のノズルから、液体が排出されないようにすることができる。その結果、クリーニングの必要のないノズルについては、封止手段によって封止することで、液体が無駄に排出されないようにすることができ、選択的なクリーニングを行うことができる。そして、このような選択的なクリーニングを行うために、バルブ等の複雑な部品を設けるようにはしていないので、簡単な装置で選択的なクリーニングを行うことができる。
【0014】
この液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドは、複数種類の前記液体を噴射することが可能であり、前記封止手段は、前記複数のノズルを、噴射する前記液体の種類毎に封止する手段である。
【0015】
これによれば、クリーニング動作時において、特定の種類の液体のみが記録ヘッドのノズルから排出されないようにすることができ、液体の種類毎の選択的なクリーニングを行うことができる。その結果、液体の浪費をよりきめ細やかに防止することができる。
【0016】
この液体噴射装置において、前記複数のノズルは、前記液体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に、噴射する前記液体の種類毎に列状に並ぶことによって複数のノズル列を形成し、前記複数のノズル列は、お互いに平行となるようにして所定方向に並ぶようにして設けられ、前記封止手段は、前記複数のノズル列のうち、少なくとも1つの前記ノズル列を封止可能な形状で前記キャップに設けられ、前記キャップは、前記液体噴射ヘッドに対して、前記所定方向における相対位置が変化した状態で前記ノズル形成面に当接することが可能である。
【0017】
これによれば、キャップと液体噴射ヘッドとの所定方向における相対位置を変化させることにより、封止手段によって、そのときの相対位置に応じて、異なるノズル列を封止することが可能となる。従って、選択クリーニングの制御が容易となる。さらに、1つの封止手段を、各ノズル列毎の封止に兼用することができ、装置を簡素化させることができる。
【0018】
この液体噴射装置において、前記所定方向は、前記液体噴射ヘッドの主走査方向である。
これによれば、液体噴射ヘッドを主走査方向に動かすことによって、キャップと液体噴射ヘッドとの相対位置を変化させることができる。従って、液体噴射ヘッドとキャップとの相対位置を変化させるために、液体噴射ヘッドやキャップ等を動かすための新たな移動手段等を設ける必要がなく、装置を簡素化することができる。
【0019】
この液体噴射装置において、前記キャップは、開口部を備えた箱体と前記ノズル列に対して平行に位置するとともに、前記箱体を、前記複数のノズル列のうちの少なくとも1つを覆うことが可能な複数の部屋に区画する仕切板とを備え、前記封止手段は、前記仕切板であり、前記仕切板は、前記箱体の前記開口部が前記ノズル形成面に当接しているときに、前記ノズル形成面に当接し、当接した位置に設けられている前記ノズル列を封止する。
【0020】
これによれば、封止手段を、キャップの部屋を区画する仕切板と兼用することができ、装置を簡素化させることができる。
この液体噴射装置において、前記仕切板は、前記ノズル形成面に当接する部分が、可撓性材料によって形成されている。
【0021】
これによれば、仕切板によってノズル列を封止するときの密着性が向上し、ノズル列の封止をより確実に行うことができる。その結果、選択的なクリーニング動作をより確実に行うことができる。
【0022】
この液体噴射装置において、前記仕切板は、複数設けられ、隣り合う前記仕切板とのピッチは、少なくともその1つが、前記複数のノズル列のピッチと異なる。
【0023】
これによれば、仕切板のピッチのうち、少なくとも1つは、ノズル列のピッチと一致しないようになっているので、キャップをノズル形成面に当接させたときに、複数のノズル列のうちの1つが、仕切板によって封止されていても、他のノズル列を仕切板によって封止されないようにすることができる。そして、この状態で、吸引手段によってキャップ内を吸引することで、仕切板によって封止されていないノズル列からのみ、液体を排出させることができ、選択的なクリーニングを簡単な構造で行うことができる。
【0024】
また、キャップと液体噴射ヘッドとの相対位置を様々に変化させることで、仕切板によって封止されるノズル列の組み合わせを様々に変化させることが可能となる。その結果、様々な組み合わせの選択的なクリーニングを行うことが可能となり、簡単な構造で、きめ細やかな選択的なクリーニングを行うことができる。
【0025】
この液体噴射装置において、前記仕切板は、前記複数の部屋をお互いに連通可能とする連通孔が形成されている。
これによれば、各部屋が連通状態となっているので、クリーニング時には、少なくとも、いずれか1つの部屋に接続されている流路を介して吸引手段にて吸引を行うことによって、全ての部屋の内部を減圧させることができる。従って、吸引手段や、流路等を各部屋毎に設ける必要がなくなり、装置をより簡素化させることができる。
【0026】
この液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドは、前記所定方向における、前記ノズル列から前記ノズル形成面の縁までの長さが、前記箱体の長さよりも大きい。
【0027】
これによれば、キャップにてノズル列を覆うときには、必ず、箱体の開口部が、全て液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接するようになるので、クリーニング動作時におけるキャップ内の密閉性を高く保つことができ、より効果的なクリーニング動作を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図15に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置としてのプリンタ11は、フレーム12、ガイド部材14、キャリッジ15、インクカートリッジ20、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド21、プラテン23、外部としての廃液タンク25、ヘッドクリーニング機構27を備える。
【0029】
フレーム12は、プリンタ11の装置全体を覆うものである。ガイド部材14は、このフレーム12の長手方向に沿って架設されている。また、キャリッジ15は、ガイド部材14に対して移動可能に挿通支持されている。そして、キャリッジ15は、タイミングベルト28を介してキャリッジモータ29に接続されており、キャリッジモータ29の駆動により、ガイド部材14に沿う方向、すなわち、所定方向としての主走査方向Xに沿って、往復移動されるようになっている。
【0030】
インクカートリッジ20は、前記キャリッジ15の上部に搭載されており、4個のインクカートリッジ20k,20c,20m,20yを備える。そして、これら、インクカートリッジ20k,20c,20m,20yには、それぞれ、液体としての、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが収容されている。
【0031】
記録ヘッド21は、前記キャリッジ15の下部に搭載されている。すなわち、記録ヘッド21の主走査方向Xにおける位置は、キャリッジモータ29の駆動を制御することにより決定されるようになっている。そして、図2に示すように、記録ヘッド21は、そのノズル形成面としての下面30に4つのノズル列31k,31c,31m,31yが形成されている。これらのノズル列31k,31c,31m,31yは、それぞれ、複数のノズル32k,32c,32m,32yを、副走査方向Yに沿って並べることにより構成されている。
【0032】
そして、これら、ノズル32k,32c,32m,32yは、ぞれぞれ、前記インクカートリッジ20k,20c,20m,20yに対して接続されている。従って、記録ヘッド21において圧電素子(図示しない)が駆動されることによって、インクカートリッジ20k,20c,20m,20yからノズル32k,32c,32m,32yへと各色のインクがそれぞれ供給され、インク滴が吐出される。すなわち、各ノズル32k,32c,32m,32yからは、それぞれ、インクカートリッジ20k,20c,20m,20yに収容されていたブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクに対応する各インク滴が各色毎に吐出されるようになっている。
【0033】
なお、本実施形態においては、隣り合う各ノズル列31k,31c,31m,31yのピッチとしての間隔Aは、全て等しい長さLとなっており、ノズル列31k,31c,31m,31yは、記録ヘッド21において、等間隔に並んで設けられている。
【0034】
図1に示すように、プラテン23は、ターゲットとしての紙Pを支持する支持台である。そして、プラテン23は、前記フレーム12に対して、ガイド部材14と平行となるようにして架設されており、記録ヘッド21と対向している。そして、このプラテン23上に、図示しない紙送り機構によって、副走査方向Yに沿って紙Pが給送されると、紙Pは、前記記録ヘッド21に対向するようになる。
【0035】
なお、この状態で、印刷データに基づいて前記圧電素子を駆動させながら、前記キャリッジモータ29の駆動を制御することによって、キャリッジ15上の記録ヘッド21から紙Pの任意の部分に対してインク滴が吐出され、紙P上に印刷が行われるようになっている。
【0036】
図1に示すように、廃液タンク25は、前記プラテン23を下方に投影したときに、その投影した部分全体を包含することが可能となるような位置に設けられている。そして、図3に示すように、廃液タンク25は、上面が開口する箱形に形成されており、その内部には、多孔質素材による廃液吸収材33が、積層されるようにして複数備えられている。
【0037】
図1及び図3に示すように、ヘッドクリーニング機構27は、プリンタ11の右側端部、すなわち、非印刷領域(ホームポジション)に設けられている。そして、ヘッドクリーニング機構27は、キャップとしてのキャップ部材35と、同キャップ部材35に接続されている流路としての吸引チューブ37と、同吸引チューブ37の途中に設けられている吸引手段としての吸引ポンプ39とを備える。
【0038】
図3及び図4に示すように、キャップ部材35は、主走査方向Xと平行に設けられた側壁35a、35bと、副走査方向Yと平行に設けられている側壁35c,35dと、底面35eとを備え、上側に開口部が備えられた箱体となっている。そして、キャップ部材35には、副走査方向Yと平行になるようにして、封止手段としての第1の仕切板41、第2の仕切板42、第3の仕切板43が設けられている。従って、キャップ部材35には、側壁35a〜35dと、3つの第1〜第3の仕切板41〜43によって、第1の部屋46、第2の部屋47、第3の部屋48、第4の部屋49が区画形成されている。
【0039】
そして、図4に示すように、本実施形態においては、キャップ部材35の左側内壁面35lから第1の仕切板41の中央部分までの間隔C1は、長さ5L/4となっている。また、第1の仕切板41の中央部分から、第2の仕切板42の中央部分までの間隔D1は、長さLとなっている。さらに、第2の仕切板42の中央部分から第3の仕切板43の中央部分までの間隔E1は、長さ3L/4となっている。さらに又、第3の仕切板43の中央部分から、キャップ部材35の右側内壁面35rまでの間隔F1は、長さLとなっている。
【0040】
そして、第1〜第3の仕切板41〜43には、それぞれ、主走査方向Xと平行な方向に貫通する連通孔としての第1の貫通孔51、第2の貫通孔52、第3の貫通孔53が形成されており、第1〜第4の部屋46〜49は、これら第1〜第3の貫通孔51〜53を介して連通された状態となっている。
【0041】
また、図3及び図4に示すように、キャップ部材35には、各側壁35a〜35dの上端、及び、各仕切板41〜43の上端を縁取るようにして、可撓性材料としてのエラストマーによる密着部55が形成されている。そして、この密着部55のうち、第1〜第3の仕切板41〜43の上端に形成されている部分には、副走査方向Yと平行となる第1の溝55a、第2の溝55b、第3の溝55cが凹設されている。そして、これら第1〜第3の溝55a〜55cは、それぞれを、記録ヘッド21に形成されている各ノズル列31k,31c,31m,31yに対して密着させたときに、各ノズル列31k,31c,31m,31yを封止可能な大きさとなるように形成されている。
【0042】
さらに、キャップ部材35には、第2の部屋47の底面47aに、導出孔57が貫通形成されており、図3に示すように、キャップ部材35の底面35eからは、この導出孔57を囲むようにして円筒部59が突設されている。
【0043】
そして、以上のように構成されたキャップ部材35は、図示しない公知の昇降手段により上下動可能に前記フレーム12に取着されている。そして、図1に示すように、キャップ部材35は、その副走査方向Yにおける位置が、前記記録ヘッド21と重なるような位置に設けられており、図3に示すように、キャリッジ15がホームポジションに移動した状態で、上昇することによって、キャリッジ15の記録ヘッド21の下面30に密着するようになっている。
【0044】
そして、本実施形態においては、記録ヘッド21とキャップ部材35とは、その主走査方向Xにおける相対位置X1を、様々な大きさに変化させた状態で、密着することが可能となっている。なお、相対位置X1とは、キャップ部材35の左側内壁面35lと、記録ヘッド21のノズル32yとの間隔のことである。
【0045】
従って、図5に示すように、キャップ部材35の左側内壁面35lと、記録ヘッド21のノズル32yとの主走査方向Xにおける位置が重なっている場合には、記録ヘッド21とキャップ部材35とが、相対位置X1が「0」の状態で密着していることとなる。また、図6に示すように、記録ヘッド21が図5に示す位置から、紙Pから離間する方向に向かって「L/2」移動したときにおいては、記録ヘッド21とキャップ部材35とが、相対位置X1が「L/2」の状態で密着していることとなる。
【0046】
なお、本実施形態においては、キャップ部材35は、その主走査方向Xにおける位置が変化不能となるようにしてフレーム12に取着されている。従って、記録ヘッド21とキャップ部材35との前記相対位置X1は、キャリッジモータ29(図1参照)の駆動制御に基づいて、キャリッジ15の主走査方向Xの位置を変化させることによって、決定されるようになっている。
【0047】
図3に示すように、吸引チューブ37は、シリコンゴム等の可撓性材料によって形成され、一端が前記キャップ部材35の円筒部59に外嵌されている。従って、吸引チューブ37は、キャップ部材35の導出孔57を介して、各部屋46〜49と連通状態となっている。また、吸引チューブ37は、その他端が前記廃液タンク25内に位置している。従って、キャップ部材35の各部屋46〜49と、廃液タンク25とは、吸引チューブ37を介して連通状態となっている。
【0048】
吸引ポンプ39は、フレーム12(図1参照)に固定されている。そして、前記吸引チューブ37の外側方向への移動を円弧状に規制するポンプフレーム61と、図示しない紙送りモータ等によって回動するポンプホイル62と、このポンプホイル62に形成された一対のローラ支持溝62a,62bに沿って移動するローラ63a,63bとを備える。また、ポンプフレーム61とポンプホイル62との間の空間には、前記吸引チューブ37が重なり部を含んだ状態で配置されている。
【0049】
そして、このような吸引ポンプ39においては、ポンプホイル62が正方向(図3の矢印R方向)に回転させると、各ローラ63a,63bがローラ支持溝62a,62bのホイル外周部側に移動し、吸引チューブ37を矢印方向に順次押し潰しながら回転する。これにより、吸引ポンプ39より上流側の吸引チューブ37の内部の流体が減圧されるようになっている。そして、その結果、吸引チューブ37の上流側に位置するキャップ部材35の各部屋46〜49の内部の流体も減圧されるようになっている。
【0050】
また、ポンプホイル62を逆方向(図3の矢印Rの反対方向)に回転させると、各ローラ63a,63bがローラ支持溝62a,62bのホイル内周部側に移動する。これにより、ローラ63a,63bが吸引チューブ37に少しだけ接するレリース状態を保たれる。その結果、吸引ポンプ39の内部の圧力は、吸引ポンプ39の全体にわたって均一となる。また、ローラ63a,63bと吸引チューブ37との貼り付きなどが防がれるようになる。
【0051】
次に、以上のように構成されたプリンタ11において、ノズル付近における粘度が上昇したインクや、ノズルに付着した塵埃や、カートリッジ交換等によって発生した気泡等を外部に排出する、いわゆるクリーニング動作を行う場合の作用について説明する。
【0052】
まず、ユーザーにより、プリンタ11の図示しないスイッチが操作されたり、インクカートリッジ20の交換が行われたりすると、キャリッジモータ29が駆動され、キャリッジ15が主走査方向Xに沿って移動する。そして、キャリッジ15は、キャップ部材35と記録ヘッド21との前記相対位置X1が、所定の大きさとなる位置まで移動される。
【0053】
そして、相対位置X1が所定の大きさとなる位置までキャリッジ15が移動されると、図示しない昇降機構によって、キャップ部材35が上昇し、キャップ部材35の上端に設けられている密着部55と記録ヘッド21とが密着する。続いて、この状態で、紙送りモータ等が駆動され、吸引ポンプ39のポンプホイル62が正方向(図2の矢印R方向)に回転する。すると、キャップ部材35の各部屋46〜49内における圧力が減少する。
【0054】
この結果、そのときの相対位置X1に応じて、記録ヘッド21の各ノズル列31k,31c,31m,31yの少なくともいずれか1つからインクや気泡等が吸引され、吸引されたインクや気泡等が、各部屋46〜49から吸引チューブ37を介して廃液タンク25に排出される。そして、廃液タンク25に排出されたインクや気泡等は、前記廃液吸収材33にて吸収保持される。以上により、記録ヘッド21の各ノズル列31k,31c,31m,31yにおける粘度の上昇したインクや塵埃、気泡等が廃液タンク25に排出され、いわゆる、クリーニング動作が行われるようになる。
【0055】
なお、図6は、上記のクリーニング動作時において、前記相対位置X1が「L/2」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、この図6に示すように、相対位置X1が「L/2」となっている場合には、イエローインクを噴射させるノズル32yが、キャップ部材35の第1の部屋46によって覆われた状態となっており、その他のノズル32k,32c,32mについては、キャップ部材35に覆われていない状態となっている。従って、この場合には、ノズル列31yのみから、第1の部屋46を介してイエローインクや気泡等が吸引され、ノズル列31yにおける目詰まり等が回復される。
【0056】
一方、図7は、相対位置X1が「5L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図7に示すように、相対位置X1が「5L/4」となっている場合には、マゼンタインクを噴射させるノズル32mが、キャップ部材35の第1の部屋46によって覆われた状態となる。また、ノズル32yが、キャップ部材35の第1の溝55aによって封止される。さらに、その他のノズル32k,32cについては、キャップ部材35に覆われていない状態となっている。従って、この場合には、ノズル列31mのみから、第1の部屋46を介してマゼンタインクや気泡等が吸引され、ノズル列31mにおける目詰まり等が回復される。
【0057】
図8は、相対位置X1が「7L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図8に示すように、相対位置X1が「7L/4」となっている場合には、ノズル32mが、キャップ部材35の第1の部屋46によって覆われた状態となるとともに、ノズル32yが、第2の部屋47によって覆われた状態となる。また、その他のノズル32k,32cについては、キャップ部材35に覆われていない状態となっている。従って、この場合には、ノズル列31m,31yのみから、第1及び第2の部屋46,47を介してマゼンタインク及びイエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31m,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0058】
図9は、相対位置X1が「9L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図9に示すように、相対位置X1が「9L/4」となっている場合には、シアンインクを噴射させるノズル32cが、キャップ部材35の第1の部屋46によって覆われた状態となる。また、ノズル32mとノズル32yとが、キャップ部材35の第1の溝55a及び第第2の溝55bとによって封止された状態となる。そして、ノズル32kについては、キャップ部材35に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31cのみから、第1の部屋46を介して、シアンインクや気泡等が吸引され、ノズル列31cにおける目詰まり等が回復される。
【0059】
図10は、相対位置X1が「11L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図10に示すように、相対位置X1が「11L/4」となっている場合には、ノズル32c,32m,32yが、それぞれ、キャップ部材35の第1〜第3の部屋46,47,48によって覆われた状態となる。また、ノズル32kについては、キャップ部材35に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31c,31m,31yから、第1〜第3の部屋46,47,48を介して、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31c,31m,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0060】
図11は、相対位置X1が「13L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図11に示すように、相対位置X1が「13L/4」となっている場合には、ノズル32kがキャップ部材35の第1の部屋46によって覆われた状態となる。また、ノズル32m,32yが、キャップ部材35の第1及び第2の溝55a,55bとによって封止された状態となる。そして、ノズル32yは、キャップ部材35の第4の部屋49に覆われた状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k及びノズル列31yから、第1の部屋46及び第4の部屋49を介して、ブラックインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0061】
図12は、相対位置X1が「15L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図12に示すように、相対位置X1が「15L/4」となっている場合には、ノズル32k,32c,32m,32yがそれぞれ、キャップ部材35の第1〜第4の部屋46,47,48,49によって覆われた状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31c,31m,31yから、第1〜第4の部屋46,47,48,49を介して、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31c,31m,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0062】
図13は、相対位置X1が「19L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図13に示すように、相対位置X1が「19L/4」となっている場合には、ノズル32k,32c,32mがキャップ部材35の第2〜第4の部屋47,48,49によって覆われた状態となる。また、ノズル32yが、キャップ部材35に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31c,31mから、第2〜第4の部屋47,48,49を介して、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31c,31mにおける目詰まり等が回復される。
【0063】
図14は、相対位置X1が「23L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図14に示すように、相対位置X1が「23L/4」となっている場合には、ノズル32k,32cがキャップ部材35の第3及び第4の部屋48,49によって覆われた状態となる。また、ノズル32m,32yが、キャップ部材35に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31cから、第3及び第4の部屋48,49を介して、ブラックインク、シアンインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31cにおける目詰まり等が回復される。
【0064】
図15は、相対位置X1が「13L/2」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材35との位置関係を示している。そして、図15に示すように、相対位置X1が「13L/2」となっている場合には、ノズル32kのみがキャップ部材35の第4の部屋49によって覆われた状態となる。また、その他のノズル32c,32m,32yが、キャップ部材35に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31kのみから、第4の部屋49を介して、ブラックインクや気泡等が吸引され、ノズル列31kにおける目詰まり等が回復される。
【0065】
従って、本実施形態においては、以上のように、クリーニング動作を行う場合に、記録ヘッド21とキャップ部材35との相対位置X1を変化させることにより、クリーニングの必要なノズル列のみからインクや気泡等を選択的に吸引することができるようになっている。その結果、目詰まり等の生じていないノズル列から不必要なインクを消費することを防ぐことができ、インクの浪費を減少させることができるようになっている。
【0066】
なお、本実施形態においては、図2に示すように、ノズル列31kから記録ヘッド21の縁としての左端21aまで、及び、ノズル列31yから記録ヘッド21の縁としての右端21bまでのそれぞれの間隔B1は、等しい長さとなっている。そして、その長さは、前記キャップ部材35の主走査方向Xにおける全長よりも大きな長さとなっている。
【0067】
従って、上記図6〜図15に示す、いずれの場合においても、キャップ部材35は、その上端に形成されている密着部55が、記録ヘッド21からはみ出さないようになっている。その結果、密着部55は、常に、その全体が、記録ヘッド21の下面30に密着するようになっている。従って、クリーニング動作時においては、キャップ部材35内の密閉性が高く保たれるようになっており、記録ヘッド21から、良好にインクや気泡等を吸引することができるようになっている。
【0068】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、クリーニング動作を行うときには、キャップ部材35を上昇させ、記録ヘッド21の下面30に当接させるようにし、キャップ部材35に設けられている第1〜第3の仕切板41,42,43が記録ヘッド21の下面30に当接されるようにした。そして、第1〜第3の仕切板41,42,43の少なくとも1つが、記録ヘッド21のノズル列31k,31c,31m,31yのいずれかに当接している場合には、当接されたノズル列が、各仕切板41,42,43に形成された第1〜第3の溝55a,55b,55cによって封止されるようにした。
【0069】
従って、クリーニング動作時においては、クリーニングの必要のないノズルは、仕切板41〜43のいずれかを当接させることで、選択的に封止しておくことが可能となり、インクが無駄に排出されないようにすることができる。その結果、インクのノズル毎の選択的なクリーニング動作を行うことが可能となる。しかも、このような選択的なクリーニング動作を行うために、バルブ等の複雑な部品を設けるようにはしていないので、簡単な装置で選択的なクリーニングを行うことができる。
【0070】
(2)上記第1の実施形態では、記録ヘッド21の下面30に形成されるノズル32k,32c,32m,32yによって、それぞれ、各色毎のノズル列31k,31c,31m,31yが形成されるようになっていた。そして、キャップ部材35の第1〜第3の仕切板41〜43に形成された第1〜第3の溝55a,55b,55cは、各ノズル列31k,31c,31m,31yの1つ分を封止できるような形状に形成されるようにした。従って、クリーニング動作時において、第1〜第3の溝55a,55b,55cによって、ノズル列31k,31m,31yのいずれかを封止することができ、特定の色のインクのみをノズルから排出されないようにすることができる。その結果、インクの色毎の選択的なクリーニングを行うことができ、インクの浪費をよりきめ細やかに防止することができる。
【0071】
(3)上記第1の実施形態においては、記録ヘッド21に形成されている各ノズル列31k,31c,31m,31yは、全て同形状となるようにした。従って、キャップ部材35の第1〜第3の溝55a,55b,55cを、ノズル列31k,31c,31m,31yのいずれをも封止することが可能なものとすることができる。その結果、各ノズル列31k,31c,31m,31yに専用の溝を設ける必要がないので、装置を簡素化させることができる。
【0072】
(4)上記第1の実施形態においては、キャップ部材35と記録ヘッド21との相対位置X1を変化させた状態で、両者を当接させることで、そのときの相対位置X1に応じて、封止するノズル列31k,31c,31m,31yの組み合わせを様々に変化させることが可能となるようにした。従って、選択クリーニングの制御が、キャップ部材35と記録ヘッド21との相対位置X1を変化させるのみで済むため、制御が容易となる。
【0073】
(5)上記第1の実施形態においては、ノズル列31k,31c,31m,31yは、記録ヘッド21において、お互いが平行となるようにして、また、主走査方向Xに沿って順に並ぶようにして設けられるようにした。そして、キャップ部材35は、前記主走査方向Xにおける相対位置X1が様々に変化した状態で、記録ヘッド21に対して当接することにより、選択的なクリーニングを行うことができるようにした。
【0074】
従って、記録ヘッド21を主走査方向Xに動かすことによって、相対位置X1を変化させることができるようになるので、記録ヘッド21を主走査方向Xに動かすためのキャリッジモータ29等を使用することによって、相対位置X1を変化させることができるようになる。その結果、相対位置X1を変化させるために、記録ヘッド21やキャップ部材35等を移動させるための新たな移動手段等を設ける必要がないので、装置を簡素化させることができる。
【0075】
(6)上記第1の実施形態では、キャップ部材35の第1〜第3の仕切板41,42,43を、キャップ部材35の内部に第1〜第4の部屋46,47,48,49を形成するための手段として使用されるようにした。さらに、第1〜第3の仕切板41,42,43を、クリーニング時において、ノズル列31k,31c,31m,31yに当接することにより、インクを排出不能とさせる手段としても使用されるようにした。従って、第1〜第3の仕切板41,42,43を、2つの目的のために兼用することができ、装置を簡素化させることができる。
【0076】
(7)上記第1の実施形態では、キャップ部材35の第1〜第3の溝55a,55b,55cは、エラストマーによって形成されるようにした。従って、第1〜第3の溝55a,55b,55cによってノズル列31k,31c,31m,31yを封止するときの密着性が向上し、封止をより確実に行うことができる。その結果、選択的なクリーニング動作をより確実に行うことができる。
【0077】
(8)上記第1の実施形態では、キャップ部材35の各仕切板41,42,43の間隔C1,E1は、記録ヘッド21のノズル列31k,31c,31m,31yの間隔Aと一致しない長さを有するようにした。従って、キャップ部材35と記録ヘッド21とを当接させたときに、あるノズル列が封止されていても、他のノズル列は封止されないようにすることができる。そして、この状態で、吸引ポンプ39によってキャップ部材35の内部を減圧させることで、封止されていないノズル列からのみ、インクを排出させることができ、選択的なクリーニング動作を簡単な構造で行うことができる。
【0078】
また、キャップ部材35と記録ヘッド21との相対位置X1を様々に変化させることで、封止されるノズル列の組み合わせを様々に変化させることが可能となる。その結果、様々な組み合わせの選択的なクリーニング動作を行うことが可能となり、簡単な構造で、きめ細やかな選択的なクリーニング動作を行うことができる。
【0079】
(9)上記第1の実施形態では、第1〜第3の仕切板41,42,43には、第1〜第4の部屋46,47,48,49をそれぞれ連通可能とする、第1〜第3の貫通孔51,52,53を設けるようにした。これによれば、キャップ部材35の各部屋46,47,48,49は、全て連通状態となっているので、クリーニング時には、1つの部屋47のみから吸引チューブ37を介して吸引ポンプ39にて吸引を行うことによって、全ての部屋46,47,48,49の内部を減圧させることができる。従って、各部屋毎に、吸引チューブ37や吸引ポンプ39等を設ける必要がなくなり、装置をより簡素化させることができる。
【0080】
(10)上記第1の実施形態では、ノズル列31kから記録ヘッド21の左端21aまで、及び、ノズル列31yから記録ヘッド21の右端21bまでのそれぞれの間隔B1は、等しい長さとし、その長さは、前記キャップ部材35の主走査方向Xにおける全長よりも大きな長さとなるようにした。従って、クリーニング時において、キャップ部材35は、その上端に形成されている密着部55が、記録ヘッド21からはみ出さないようにすることができる。その結果、密着部55は、常に、その全体が、記録ヘッド21の下面30に密着するようになる。従って、クリーニング動作時においては、キャップ部材35内の密閉性が高く保たれるようになっており、記録ヘッド21から、良好にインクや気泡等を吸引することができる。
【0081】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図16〜図29に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の記録ヘッド21と、キャップ部材35の構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分については第1の実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0082】
図16に示すように、本実施形態におけるキャップとしてのキャップ部材71は、主走査方向Xと平行に設けられた側壁71a,71bと、副走査方向Yと平行に設けられている側壁71c,71dと、底面71eを備え、上側に開口部が備えられた箱体となっている。そして、キャップ部材71には、副走査方向Yと平行になるようにして、封止手段としての第4の仕切板73、第5の仕切板74、第6の仕切板75が設けられている。従って、キャップ部材71には、側壁71a〜71dと、3つの第4〜第6の仕切板71〜74によって、第5の部屋76、第6の部屋77、第7の部屋78、第8の部屋79が区画形成されている。
【0083】
そして、キャップ部材71の左側内壁面71lから第4の仕切板73の中央部分までの間隔C2は、長さ3L/2となっている。また、第4の仕切板73の中央部分から、第5の仕切板74の中央部分までの間隔D2は、長さLになっている。さらに、第5の仕切板74の中央部分から第6の仕切板75の中央部分までの間隔E2は、長さ3L/4となっている。さらに又、第6の仕切板75の中央部分から、キャップ部材71の右側内壁面71rまでの間隔F2は、長さ5L/4なっている。
【0084】
そして、第4〜第6の仕切板73〜75には、それぞれ、主走査方向Xと平行な方向に貫通する連通孔としての第4の貫通孔81、第5の貫通孔82、第6の貫通孔83が形成されており、第5〜第8の部屋76〜79は、これら第4〜第6の貫通孔81〜83を介して連通された状態となっている。
【0085】
また、キャップ部材71には、各側壁71a〜71dの上端、及び、各仕切板73〜75の上端を縁取るようにして、エラストマーによる密着部85が形成されている。そして、この密着部85のうち、第4〜第6の仕切板73〜75の上端に形成されている部分には、副走査方向Yと平行となる第4の溝85a、第5の溝85b、第6の溝85cが凹設されている。そして、これら第4〜第6の溝85a〜85cは、それぞれを、記録ヘッド21に形成されている各ノズル列31k,31c,31m,31yに対して密着させたときに、各ノズル列31k,31c,31m,31yを封止可能な大きさとなるように形成されている。
【0086】
さらに、キャップ部材71には、第6の部屋77の底面77aに、第1の実施形態と同様の導出孔57が貫通形成されており、キャップ部材71の底面71eからは、この導出孔57を囲むようにして、第1の実施形態と同様の円筒部が突設されている。
【0087】
また、図17に示すように、本実施形態においては、記録ヘッド21の隣り合うノズル列31k,31c,31m,31yの間隔Aは、第1の実施形態と同様にして、長さLとなっている。
【0088】
そして、本実施形態においては、上記のように構成された記録ヘッド21とキャップ部材71とが、その主走査方向Xにおける相対位置X2を、様々な大きさに変化させた状態で、密着させることとが可能となっている。なお、相対位置X2とは、キャップ部材71の左側内壁面71lと、記録ヘッド21のノズル32yとの間隔のことである。
【0089】
従って、図17に示すように、キャップ部材71の左側内壁面71lと、記録ヘッド21のノズル32yとの主走査方向Xにおける位置が重なっている場合には、記録ヘッド21とキャップ部材71とが、相対位置X1が「0」の状態で密着していることとなる。また、図18に示すように、記録ヘッド21が図17に示す位置から、紙Pから離間する方向に向かって「L/2」移動したときにおいては、記録ヘッド21とキャップ部材71とが、相対位置X2が「L/2」の状態で密着していることとなる。
【0090】
なお、本実施形態においても、キャップ部材71は、その主走査方向Xにおける位置が変化不能となるようにしてフレーム12に取着されている。従って、記録ヘッド21とキャップ部材71との相対位置X2は、キャリッジモータ29(図1参照)の駆動制御に基づいて、キャリッジ15の主走査方向Xの位置を変化させることによって、決定されるようになっている。
【0091】
次に、以上のように構成された第2の実施形態におけるプリンタ11において、クリーニング動作を行う場合の作用について説明する。
本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様にして、ユーザーによりプリンタ11の図示しないスイッチが操作されたり、インクカートリッジ20の交換が行われたりすることによって、キャップ部材71と記録ヘッド21とが相対位置X2が所定の大きさとなるようにして、密着する。そして、密着した状態で、吸引ポンプ39が駆動され、キャップ部材71と各部屋76〜79内における圧力が減少される。そして、相対位置X2の大きさに応じて、記録ヘッド21の各ノズル列31k,31c,31m,31yの少なくともいずれか1つから、インクや気泡等が吸引され、廃液タンク25に排出される。
【0092】
以上により、記録ヘッド21の各ノズル列31k,31c,31m,31yにおける粘度の上昇したインクや塵埃、気泡等が廃液タンク25に排出され、いわゆる、クリーニング動作が行われるようになる。
【0093】
なお、図18は、上記のクリーニング動作時において、前記相対位置X2が「L/2」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、この図18に示すように、相対位置X2が「L/2」となっている場合には、イエローインクを噴射させるノズル32yが、キャップ部材71の第5の部屋76によって覆われた状態となっており、その他のノズル32k,32c,32mについては、キャップ部材71に覆われていない状態となっている。従って、この場合には、ノズル列31yのみから、第5の部屋76を介してイエローインクや気泡等が吸引され、ノズル列31yにおける目詰まり等が回復される。
【0094】
一方、図19は、相対位置X2が「5L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図19に示すように、相対位置X2が「5L/4」となっている場合には、マゼンタインクを噴射させるノズル32mと、イエローインクを噴射させるノズル32yとが、キャップ部材71の第5の部屋76によって覆われた状態となる。さらに、その他のノズル32k,32cについては、キャップ部材71に覆われていない状態となっている。従って、この場合には、ノズル列31m,31yから、第5の部屋76を介してマゼンタインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31m,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0095】
図20は、相対位置X2が「3L/2」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図20に示すように、相対位置X2が「3L/2」となっている場合には、ノズル32mが、キャップ部材71の第5の部屋76によって覆われた状態となるとともに、ノズル32yが、第4の溝85aによって封止された状態となる。また、その他のノズル32k,32cについては、キャップ部材71に覆われていない状態となっている。従って、この場合には、ノズル列31mのみから、第5の部屋76を介してマゼンタインク及び気泡等が吸引され、ノズル列31mにおける目詰まり等が回復される。
【0096】
図21は、相対位置X2が「11L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図21に示すように、相対位置X2が「11L/4」となっている場合には、ノズル32c,32m,32yが、それぞれ、キャップ部材71の第5〜第7の部屋76,77,78によって覆われた状態となる。また、ノズル32kについては、キャップ部材71に覆われていない状態となっている。従って、この場合には、ノズル列31c,31m,31yから、第5〜第7の部屋76,77,78を介してシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31c,31m,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0097】
図22は、相対位置X2が「7L/2」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図22に示すように、相対位置X2が「7L/2」となっている場合には、ノズル32kが、キャップ部材71の第5の部屋76によって覆われた状態となる。また、ノズル32c,32mについては、キャップ部材71の第4及び第5の溝85a,85bによって封止された状態となる。さらに、ノズル32yについては、キャップ部材71の第8の部屋79に覆われた状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31yから、第5及び第8の部屋76,79を介して、ブラックインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k、31yにおける目詰まり等が回復される。
【0098】
図23は、相対位置X2が「15L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図23に示すように、相対位置X2が「15L/4」となっている場合には、ノズル32k,32c,32m,32yが、それぞれ、キャップ部材71の第5〜第8の部屋76,77,78,79によって覆われた状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31c,31m,31yから、第5〜第8の部屋76,77,78,79を介して、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31c,31m,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0099】
図24は、相対位置X2が「17L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図24に示すように、相対位置X2が「17L/4」となっている場合には、ノズル32k,32cがキャップ部材71の第5及び第6の部屋76,77によって覆われた状態となる。また、ノズル32mが、キャップ部材71の第6の溝85cによって封止された状態となる。さらに、ノズル32yは、キャップ部材71の第8の部屋79に覆われた状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31c,31yから、第5の部屋76及び第6の部屋77、第8の部屋79を介して、ブラックインク、シアンインク、イエローインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31c,31yにおける目詰まり等が回復される。
【0100】
図25は、相対位置X2が「19L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図25に示すように、相対位置X2が「19L/4」となっている場合には、ノズル32k,32c,32mがそれぞれ、キャップ部材71の第6〜第8の部屋77,78,79によって覆われた状態となる。また、ノズル32yについては、キャップ部材71によって覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31c,31mから、第6〜第8の部屋77,78,79を介して、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31c,31mにおける目詰まり等が回復される。
【0101】
図26は、相対位置X2が「21L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図26に示すように、相対位置X2が「21L/4」となっている場合には、ノズル32kがキャップ部材71の第6の部屋77に覆われた状態となる。また、ノズル32cが、キャップ部材71の第6の溝85cによって封止された状態となる。そして、ノズル32mは、キャップ部材71の第8の部屋79に覆われた状態となる。さらに、ノズル32yは、キャップ部材71に覆われない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31mから、第6及び第8の部屋77,79を介して、ブラックインク、マゼンタインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31mにおける目詰まり等が回復される。
【0102】
図27は、相対位置X2が「23L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図27に示すように、相対位置X2が「23L/4」となっている場合には、ノズル32k,32cがキャップ部材71の第7及び第8の部屋78,79によって覆われた状態となる。また、ノズル32m,32yが、キャップ部材71に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31k,31cから、第7及び第8の部屋78,79を介して、ブラックインク、シアンインク、気泡等が吸引され、ノズル列31k,31cにおける目詰まり等が回復される。
【0103】
図28は、相対位置X2が「25L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図28に示すように、相対位置X2が「25L/4」となっている場合には、ノズル32kが、キャップ部材71の第6の溝85cによって封止された状態となる。そして、ノズル32cがキャップ部材71の第8の部屋79によって覆われた状態となる。また、その他のノズル32m,32yが、キャップ部材71に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31cのみから、第8の部屋79を介して、シアンインクや気泡等が吸引され、ノズル列31cにおける目詰まり等が回復される。
【0104】
図29は、相対位置X2が「27L/4」の場合における、記録ヘッド21とキャップ部材71との位置関係を示している。そして、図29に示すように、相対位置X2が「27L/4」となっている場合には、ノズル32kのみが、キャップ部材71の第8の部屋79によって覆われた状態となる。また、その他のノズル32c,32m,32yが、キャップ部材71に覆われていない状態となる。従って、この場合には、ノズル列31kのみから、第8の部屋79を介して、ブラックインクや気泡等が吸引され、ノズル列31kにおける目詰まり等が回復される。
【0105】
従って、本実施形態においては、以上のように、クリーニング動作を行う場合に、記録ヘッド21とキャップ部材71との相対位置X2を変化させることにより、クリーニングの必要なノズル列のみからインクや気泡等を選択的に吸引することができるようになっている。その結果、目詰まり等の生じていないノズル列から不必要なインクを消費することを防ぐことができ、インクの浪費を減少させることができるようになっている。
【0106】
なお、本実施形態においては、ノズル列31kから記録ヘッド21の左端21aまで、及びノズル列31yから記録ヘッド21の右端21bまでのそれぞれの間隔B2は、等しい長さとなっており、その長さは、前記キャップ部材71の主走査方向Xにおける全長よりも大きな長さとなっている。
【0107】
従って、上記図18〜図29に示す、いずれの場合においても、キャップ部材71は、その上端に形成されている密着部85が、記録ヘッド21からはみ出さないようになっている。その結果、密着部85は、常に、その全体が、記録ヘッド21の下面30に密着するようになっている。従って、クリーニング動作時においては、キャップ部材71内の密閉性が高く保たれるようになっており、記録ヘッド21から、良好にインクや気泡等を吸引することができるようになっている。
【0108】
上記第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(7),(9),(10)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(11)上記第2の実施形態では、キャップ部材71の各仕切板73,74,75の間隔C2,E2,F2は、記録ヘッド21のノズル列31k,31c,31m,31yの間隔Aと一致しない長さを有するようにした。従って、キャップ部材71と記録ヘッド21とを当接させたときに、あるノズル列が封止されていても、他のノズル列は封止されないようにすることができる。そして、この状態で、吸引ポンプ39によってキャップ部材71の内部を減圧させることで、封止されていないノズル列からのみ、インクを排出させることができ、選択的なクリーニング動作を簡単な構造で行うことができる。
【0109】
また、キャップ部材71と記録ヘッド21との相対位置X2を様々に変化させることで、封止されるノズル列の組み合わせを様々に変化させることが可能となる。その結果、様々な組み合わせの選択的なクリーニング動作を行うことが可能となり、簡単な構造で、きめ細やかな選択的なクリーニング動作を行うことができる。
【0110】
なお、上記第1及び第2の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態では、キャップ部材35,71の第1〜第6の溝55a〜55c,85a〜85cは、インクの色毎に分けられたノズル列31k,31c,31m,31yのうちの1つずつを封止することが可能な形状に形成されるようにした。これを、ノズル列31k,31c,31m,31yのうちの2つ以上を同時に封止可能な形状に形成するようにしてもよい。さらに、ノズル列31k,31c,31m,31y毎ではなく、所定数のノズル毎に封止可能な形状に形成されていてもよい。
【0111】
・上記第1及び第2の実施形態では、記録ヘッド21には、複数のノズル32k,32c,32m,32yを、その噴射するインクの種類毎にグループ化し、列状に並べることによって、各インクの種類毎にノズル列31k,31c,31m,31yが形成されるようにした。これを、ノズルのグループを、列状ではなく、その他の形状となるように並べるようにしてもよい。そして、このような場合には、キャップ部材35,71に形成される溝55a〜55c,85a〜85cの形状を、その他の形状のノズルのグループを封止可能な形状に変更するようにしてもよい。
【0112】
・上記第1及び第2の実施形態では、記録ヘッド21とキャップ部材35,71との相対位置X1,X2は、記録ヘッド21をキャリッジモータ29の駆動によって主走査方向Xに移動させることによって、変化させるようにした。これを、キャップ部材35,71を主走査方向Xに移動させることによって、相対位置X1,X2を変化させるようにしてもよい。
【0113】
・上記第1及び第2の実施形態では、記録ヘッド21とキャップ部材35,71との相対位置X1,X2は、所定方向としての主走査方向Xに沿った方向となるようにした。これを、相対位置X1,X2が、所定方向としてのその他の方向に沿ったものとなるようにしてもよい。そして、このような場合には、記録ヘッド21あるいはキャップ部材35,71とを、その他の方向に沿って、その相対位置X1,X2が変化可能となる移動手段等を設けるようにしてもよい。
【0114】
・上記第1及び第2の実施形態では、封止手段として、部屋46〜49,76〜79を形成するための仕切板41〜43,73〜75によってノズル列31k,31c,31m,31yを封止するようにした。これを、キャップ部材35,71に、仕切板41〜43,73〜75以外の封止手段を設けて、この封止手段によってノズル列31k,31c,31m,31yを封止するようにしてもよい。例えば、その他の封止手段としては、キャップ部材35,71に設けられているリブ等でもよい。
【0115】
・上記第1及び第2の実施形態では、密着部55,85が、可撓性材料としてのエラストマーによって形成されるようにしたが、その他の可撓性材料によって形成されるようにしてもよい。さらに、密着部55,85を、可撓性材料以外の材料によって形成するようにしてもよい。
【0116】
・上記第1及び第2の実施形態では、キャップ部材35,71の仕切板41〜43,73〜75の間隔C1,E1,C2,E2,F2が、それぞれ、記録ヘッド21のノズル列31k,31c,31m,31yの間隔Aと一致しない長さとなるようにした。また、それ以外の間隔D1,F1,D2が、間隔Aと一致する長さとなるようにした。これを、少なくとも、間隔C1,D1,E1,F1のうちいずれか1つ、また、間隔C2,D2,E2,F2のうちいずれか1つが、間隔Aと一致しないようになるのであれば、各間隔C1,D1,E1,F1,C2,D2,E2,F2の長さをその他の長さとするようにしてもよい。
【0117】
また、ノズル列31k,31c,31m,31yの間隔Aを不揃いとし、仕切板41〜43,73〜75の間隔C1,D1,E1,F1,C2,D2,E2,F2を、等しい間隔とするようにしてもよい。
【0118】
・上記第1及び第2の実施形態では、第1〜第6の仕切板41〜43,73〜75に、第1〜第6の貫通孔51〜53,81〜83を設けるようにした。これを設けないようにしてもよい。そして、この場合には、キャップ部材35,71の各部屋46〜49,76〜79それぞれに対して、導出孔と吸引チューブを設けるようにしてもよい。そして、吸引ポンプは、各部屋毎に設けられた複数の吸引チューブを介して、各部屋46〜49,76〜79を同時に吸引可能なものとするようにしてもよい。
【0119】
・上記第1及び第2の実施形態では、ノズル列31kから記録ヘッド21の左端21aまで、及び、ノズル列31yから記録ヘッド21の右端21bまでのそれぞれの間隔B1,B2は、等しい長さとした。これを、間隔B1,B2を、それぞれ、等しい長さとしないようにしてもよい。また、間隔B1,B2の長さは、前記キャップ部材35,71の主走査方向Xにおける全長よりも大きな長さとなるようにした。これを、間隔B1,B2を、前記キャップ部材35,71の主走査方向Xにおける全長と同じ、もしくは、短い長さとなるようにしてもよい。
【0120】
・上記第1及び第2の実施形態では、液体噴射装置として、プリンタ11(ファックス、コピア等の印刷装置を含む)を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、他の液体を噴射する液体噴射装置として、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における、プリンタの斜視図。
【図2】同じく、記録ヘッドの底面図。
【図3】同じく、ヘッドクリーニング機構の概念図。
【図4】同じく、キャップ部材の平面図。
【図5】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との概念図。
【図6】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図7】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図8】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図9】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図10】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図11】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図12】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図13】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図14】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図15】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図16】第2の実施形態におけるキャップ部材の平面図。
【図17】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との概念図。
【図18】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図19】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図20】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図21】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図22】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図23】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図24】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図25】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図26】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図27】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図28】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【図29】同じく、記録ヘッドとキャップ部材との作用を示す図。
【符号の説明】
A…ノズル列のピッチとしての間隔、C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2…仕切板のピッチとしての間隔、P…ターゲットとしての紙、X…所定方向としての主走査方向、X1,X2…相対位置、11…液体噴射装置としてのプリンタ、21…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、21a…縁としての左端、21b…縁としての右端、25…外部としての廃液タンク、30…ノズル形成面としての下面、31k,31c,31m,31y…ノズル列、32k,32c,32m,32y…ノズル、35,71…キャップとしてのキャップ部材71a,35b,35c,35d…箱体を構成する側壁、35e…箱体を構成する底面、37…流路としての吸引チューブ、39…吸引手段としての吸引ポンプ、41,42,43…封止手段としての第1〜第3の仕切板、46,47,48,49…第1〜第4の部屋、51,52,53…連通孔としての第1〜第3の貫通孔、71a,71b,71c,71d…箱体を構成する側壁、71e…箱体を構成する底面、73,74,75…封止手段としての第4〜第6の仕切板、76,77,78,79…第5〜第8の部屋、81,82,83…連通孔としての第4〜第6の連通孔。

Claims (9)

  1. ノズル形成面に複数のノズルが形成され、同ノズルを介してターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    同液体噴射ヘッドの前記ノズルを覆うことが可能なキャップと、
    前記キャップの内部を外部に連通させる流路と、
    前記流路途中に設けられ、前記流路を介して前記キャップの前記内部の流体を前記外部に移送する吸引手段と
    を備え、
    前記キャップが前記ノズルを覆った状態で、前記吸引手段を駆動させることにより、前記キャップの前記内部の圧力を減少させ、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから前記液体を排出させるクリーニング動作を行うことが可能な液体噴射装置において、
    前記キャップに、
    前記液体噴射ヘッドの前記ノズルを覆うときに、前記液体噴射ヘッドの前記複数のノズルのうちの一部分を塞ぎ、前記液体を排出不能に封止する封止手段を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドは、複数種類の前記液体を噴射することが可能であり、
    前記封止手段は、前記複数のノズルを、噴射する前記液体の種類毎に封止する手段であることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項2に記載の液体噴射装置において、
    前記複数のノズルは、前記液体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に、噴射する前記液体の種類毎に列状に並ぶことによって複数のノズル列を形成し、
    前記複数のノズル列は、お互いに平行となるようにして所定方向に並ぶようにして設けられ、
    前記封止手段は、前記複数のノズル列のうち、少なくとも1つの前記ノズル列を封止可能な形状で前記キャップに設けられ、
    前記キャップは、前記液体噴射ヘッドに対して、前記所定方向における相対位置が変化した状態で前記ノズル形成面に当接することが可能であることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項3に記載の液体噴射装置において、
    前記所定方向は、前記液体噴射ヘッドの主走査方向であることを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項3又は4に記載の液体噴射装置において、
    前記キャップは、
    開口部を備えた箱体と
    前記ノズル列に対して平行に位置するとともに、前記箱体を、前記複数のノズル列のうちの少なくとも1つを覆うことが可能な複数の部屋に区画する仕切板とを備え、
    前記封止手段は、前記仕切板であり、
    前記仕切板は、前記箱体の前記開口部が前記ノズル形成面に当接しているときに、前記ノズル形成面に当接し、当接した位置に設けられている前記ノズル列を封止することを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項5に記載の液体噴射装置において、
    前記仕切板は、前記ノズル形成面に当接する部分が、可撓性材料によって形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項5又は6に記載の液体噴射装置において、
    前記仕切板は、複数設けられ、隣り合う前記仕切板とのピッチは、少なくともその1つが、前記複数のノズル列のピッチと異なることを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、
    前記仕切板は、前記複数の部屋をお互いに連通可能とする連通孔が形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  9. 請求項5〜8のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドは、前記所定方向における、前記ノズル列から前記ノズル形成面の縁までの長さが、前記箱体の長さよりも大きいことを特徴とする液体噴射装置。
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