JP2004276101A - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置ずれ補正を精度良く行い高精度なレーザ加工を実現させるためのレーザ加工方法、及びレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ光がレーザヘッド42内に設けられたガルバノスキャナ49,52及びfθレンズ55を介して加工対象物56に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工方法において、前記照射位置を撮影する撮像装置43と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出段階と、前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出段階と、前記オフセット距離補正値算出段階及び前記fθレンズ補正値算出段階における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正段階とを有する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工方法及びレーザ加工装置に係り、特に、位置ずれ補正作業を精度良く行い高精度なレーザ加工を実現させるためのレーザ加工方法、及びレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光を加工対象物上の所望する加工地点へ高速な加工を実現する方法として、ガルバノスキャナとfθレンズを用いてレーザ加工を行う加工方法が用いられている。
【0003】
ここで、図1に従来のガルバノスキャナとfθレンズの一例を示す。
【0004】
図1は、一対のガルバノスキャナを用いてレーザビームをX軸方向、Y軸方向に振らせることで加工速度の向上を図ったレーザ加工装置のレーザヘッド部と加工付近を示した図である。
【0005】
図1において、レーザヘッド(ガルバノヘッド)10には、第1のガルバノスキャナ11と、第2のガルバノスキャナ14と、fθレンズ17とを有するよう構成されている。また、第1のガルバノスキャナ11には、ガルバノ駆動系12にスキャンミラー13が設置されており、また、第2のガルバノスキャナ14には、ガルバノ駆動系15にスキャンミラー16が設置されている。
【0006】
レーザ発振器から出力されたレーザ光は、レーザ加工装置に設置されるレーザヘッド10にある第1,第2のガルバノスキャナ11,14によりX方向、Y方向に振らせることができる。第1,第2のガルバノスキャナ11,14によりX方向、Y方向に振られることで斜めになったレーザ光は、fθレンズ17により加工対象物18の加工領域19に対して垂直に照射されることができる。これにより、高精度で加工速度を向上させたレーザ加工を実現することができる。
【0007】
また、図1で示したガルバノスキャナ、及びfθレンズを用いたレーザ加工装置においては、所望する位置に対して高精度にレーザを照射して加工を行うために、様々な補正方式が従来技術として存在している。
【0008】
例えば、レーザ加工におけるレーザ光の照射軸と加工された加工対象物の加工地点を撮像する撮像装置の光軸との誤差における補正を行うカメラオフセット距離補正がある(例えば、特許文献1参照。)。また、fθレンズの歪み補正を行うものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
上述の特許文献に記載の発明では、レーザ加工を行う実際の加工対象物の前にテスト用の加工対象物に対して補正処理を1度行った後、実際の加工対象物に対して加工を行うものである。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−309593号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平10―301052号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した補正方法は、ガルバノスキャナの位置決め誤差、X−Y軸ステージの位置決め誤差、ビームゆらぎ等の位置精度悪化の何れかの影響を受け、正確な補正値を算出できなかった。
【0013】
また、最近では、レーザ加工の加工位置精度は、ミクロン単位の正確さが要求されており、それと同時に加工速度についても要求は高まっている。それらを両立させるためには、カルバノスキャナ、制御部、ステージ等、レーザ加工装置の各構成要素の性能を向上させることが望ましいが、それでは、開発に多大なコストと時間を要してしまうため、現状の装置構成で実現できることが好ましい。
【0014】
更に、レーザ加工装置においては、数時間、継続的に作業した場合、スキャナ等の光学系における温度ドリフト特性や周囲の環境の変化等によって時間と共にずれが生じ、要求される精度を維持できなくなるという問題が存在する。
【0015】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、位置ずれ補正作業を精度良く行うことにより、加工位置精度を向上させ、高精度なレーザ加工を実現させるためのレーザ加工方法、及びレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0017】
請求項1に記載された発明は、レーザ光がレーザヘッド内に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工方法において、前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出段階と、前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出段階と、前記オフセット距離補正値算出段階及び前記fθレンズ補正値算出段階における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正段階とを有することを特徴とする。
【0018】
請求項1記載の発明によれば、オフセット距離補正値算出段階とfθレンズ補正値算出段階とを複数回実行し、その補正値の内容から最適な補正値を選択することで、位置ずれ補正を高精度に行うことができる。これにより、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。
【0019】
請求項2に記載された発明は、前記補正段階は、前記オフセット距離補正値算出段階及び前記fθレンズ補正値算出段階における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、補正値を容易に取得することができ、また、補正段階で効率的に最適な補正値を得ることができる。これにより、高精度で効率的なレーザ加工を行うことができる。
【0021】
請求項3に記載された発明は、レーザ光が複数のレーザヘッドの夫々に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工方法において、前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出段階と、前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出段階と、前記複数のレーザヘッドからのレーザ光の光軸間距離を補正するための補正値を算出する光軸間距離補正値算出段階とを有し、前記オフセット距離補正値算出段階、前記fθレンズ補正値算出段階、及び前記光軸間距離補正値算出段階における補正値の算出は、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正段階とを有することを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、複数のレーザヘッドを用いてレーザ加工を行う場合においても高精度な位置ずれ補正を行い、加工精度を向上させることができる。例えば、ツインガルバノと呼ばれる相対的に動作を行う2軸ガルバノによるレーザ加工において、オフセット距離補正値算出段階と、fθレンズ補正値算出段階と、光軸間距離補正値算出段階とを複数回実行し、その補正値の内容から最適な補正値を選択することで、位置ずれ補正を高精度に行うことができる。これにより、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。
【0023】
請求項4に記載された発明は、前記補正段階は、前記補正値の算出を、予め設定された回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、補正値を容易に取得することができ、また、補正段階で効率的に最適な補正値を得ることができる。これにより、高精度で効率的なレーザ加工を行うことができる。
【0025】
請求項5に記載された発明は、レーザ光がレーザヘッド内に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工装置において、前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出部と、前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出部と、前記オフセット距離補正値算出部及び前記fθレンズ補正値算出部における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正部とを有することを特徴とする。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、オフセット距離補正値算出とfθレンズ補正値算出とを複数回実行し、その補正値の内容から最適な補正値を選択することで、位置ずれ補正を高精度に行うことができる。これにより、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。
【0027】
請求項6に記載された発明は、前記補正部は、前記オフセット距離補正値算出部及び前記fθレンズ補正値算出部における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、補正値を容易に取得することができ、また、補正段階で効率的に最適な補正値を得ることができる。これにより、高精度で効率的なレーザ加工を行うことができる。
【0029】
請求項7に記載された発明は、レーザ光が複数のレーザヘッドの夫々に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工装置において、前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出部と、前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出部と、前記複数のレーザヘッドからのレーザ光の光軸間距離を補正するための補正値を算出する光軸間距離補正値算出部とを有し、前記オフセット距離補正値算出部、前記fθレンズ補正値算出部、及び前記光軸間距離補正値算出部における補正値の算出は、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正部を有することを特徴とする。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、複数のレーザヘッドを用いてレーザ加工を行う場合においても高精度な位置ずれ補正を行い、加工精度を向上させることができる。例えば、ツインガルバノと呼ばれる相対的に動作を行う2軸ガルバノによるレーザ加工において、オフセット距離補正値算出段階と、fθレンズ補正値算出段階と、光軸間距離補正値算出段階とを複数回実行し、その補正値の内容から最適な補正値を選択することで、位置ずれ補正を高精度に行うことができる。これにより、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。
【0031】
請求項8に記載された発明は、前記補正部は、前記補正値の算出を、予め設定された回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする。
【0032】
請求項8記載の発明によれば、補正値を容易に取得することができ、また、補正段階で効率的に最適な補正値を得ることができる。これにより、高精度で効率的なレーザ加工を行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明は、レーザ加工における位置ずれ補正処理を一度だけでなく、複数回実行し、各補正処理で算出された補正値に基づいて、最適な補正値を選出することにより高精度な位置決め補正を行い、加工精度の向上させることを主眼とする。なお、最適な補正値の算出方法は、まず、レーザ光を実際に照射した照射位置を撮像装置で撮影して画像処理にて得られる実測値と、予め設定された加工の目標となる点との誤差(座標差)を、算出しその結果から補正値を求める。次に、複数回実行した補正値の中で最小値を選出したり、更には、複数回実行する内の所定の回数以降の補正値から選出する場合や、複数実行した補正処理のうち加工する基準点からの誤差が最小となったときに算出して、それを最終補正値とする等多様に選択することができる。
【0034】
更に、補正値の選出の際、補正処理を複数回実行して得られる全ての補正値の平均値を算出し、その平均値を補正値とすることにより効率的で高精度な補正値を選出することができる。なお、平均値の算出については、全ての補正値を用いる方法だけでなく、例えば、所定の範囲内に含まれる補正値を用いて平均値を算出する方法を用いることもできる。
【0035】
ここで、本発明の内容を更に詳細に説明すれば、カメラオフセット距離の補正、fθレンズ歪みの補正において、その各々の補正処理を複数回実行しその平均値を補正値として補正処理を行う。なお、以下に説明する実施の形態については複数回実行した全ての値に基づく補正値の選出の方法について説明する。
【0036】
更に、補正処理の平均化処理により、補正作業を精度良く行い、加工位置精度を向上させることができる。また、この方式は自動運転が可能で、行って時間間隔若しくは、一定温度の変化がある場合に、補正処理を実施することにより、ガバノスキャナ等の持つ温度ドリフト効果による位置精度悪化をより正確に補正することが可能となる。ここで、各補正方法について図を用いて説明する。
【0037】
(カメラオフセット距離補正)
図2は、カメラオフセット距離補正を説明するための図である。
【0038】
図2は、レーザヘッド20の側壁に、撮像装置であるCCDカメラ21が設置されているレーザ加工装置の加工付近を示している。また、ステージ22上には加工対象物18が固定設置されており、ステージ22はX方向、Y方向への移動が可能である。また、レーザヘッド20内には、図1で示したレーザヘッド10と同様の構成であり、動作内容も同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0039】
カメラオフセット距離補正方法については、まず、加工対象物18の加工領域19の中心(以下、ガルバノ原点という)にレーザ光の照射を行い、照射により得られる加工地点をCCDカメラ21の撮影領域の中心に位置付けられるようステージ22を移動して、CCDカメラ21より撮影された画像に基づいて、画像処理にて位置検出しCCDカメラ21と加工地点との相対位置を算出し、実際にレーザ光にて加工された加工地点からCCDカメラ21の撮影領域の中心までの距離と、予め設定されたレーザヘッド20から照射されるレーザ光の光軸からCCDカメラ21の撮影領域の中心までの距離との誤差を算出して、誤差の補正するための補正値を決定する。
【0040】
なお、本発明では、上述の補正処理を予め設定された回数(N回(N:1以上))実施し、夫々に得られた誤差の平均値を算出し、その平均値に基づいて補正値と求め補正を行う。この作業では、ステージ22の位置決め精度、レーザヘッド20の位置決め精度、ビームのゆらぎ、及びCCDカメラ21の画像処理精度等が精度悪化要因として悪影響を及ぼすが、カメラオフセット距離補正作業を複数回実施し、その平均値を補正値として採用することで、精度悪化要素の影響を少なくすることができ、高精度なレーザ加工を実現することができる。
【0041】
(fθレンズの歪み補正)
図3は、fθレンズの歪み補正を説明するための図である。図3におけるレーザヘッド20及びCCDカメラ21は、図2の同様の構成であるため、ここでの説明は省略する。
【0042】
上述の特許文献1で示しているようにfθレンズには、ピンクッション歪みとリニアリティ歪みとからなる合成歪みが存在する。その歪みを補正するために、まずレーザヘッド20内に設けられたガルバノミラー13,16を用いてステージ22に固定された加工対象物18の加工領域19内に対してマトリクス状に加工を行い、全ての加工地点をカメラ下に位置決めし、画像処理にて位置検出を行い、所望するマトリクス形状に加工が行われるよう誤差を補正するための補正値を決定する。補正はマトリクス各点について予め設定された回数(N回(N:1以上))実施し、各回数分の検出位置座標を記憶しておき、それらを加算してNで除算することで平均値を算出し算出された値を補正値とする。この作業では、ステージ22の位置決め精度、レーザヘッド20の位置決め精度、レーザビームのゆらぎ、画像処理精度等が精度悪化の要因として悪影響を及ぼすが、このカメラオフセット距離補正作業を複数回実施し、その平均値を補正値として採用することで精度悪化要素の影響を少なくすることができる。ここで、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0043】
(第1の実施の形態)
図4は、本発明におけるレーザ加工装置の第1の実施の形態である。図4のレーザ加工装置40は、レーザ発振器41と、レーザヘッド42と、CCDカメラ43と、画像処理部44と、補正値算出部45と、補正部46と、ステージ47と、制御部48とを有するよう構成されている。また、レーザヘッド42内には、第1のガルバノスキャナ49と、第2のガルバノスキャナ52と、fθレンズ55とを有するよう構成され、第1のガルバノスキャナ49には、ガルバノ駆動系50にスキャンミラー51が設置されており、また、第2のガルバノスキャナ52には、ガルバノ駆動系53にスキャンミラー54が設置されている。また、レーザ光としては、YAGレーザやその高調波レーザ、エキシマレーザ等を使用することができる。
【0044】
また、制御部48は、レーザ発振器41からのレーザ光の出射タイミングと、ガルバノ駆動系50,53の駆動タイミングと、ステージ47の移動タイミングと、fθレンズ55の位置移動と、CCDカメラ43の位置移動とを制御している。
【0045】
レーザ発振器41から出力されたパルス状のレーザ光は、レーザ加工装置40のレーザヘッド42内に設けられた第1,第2のガルバノスキャナ49,52によりX方向、Y方向に振らせることができる。第1,第2のガルバノスキャナ49、52によりX方向、Y方向に振られることで斜めになったレーザ光は、fθレンズ55によりステージ47に固定されている加工対象物55に対して垂直に照射することができる。また、加工後はCCDカメラ43にて加工地点の撮影を行い、画像処理部44にて画像処理を行い加工地点の誤差を算出し、補正値算出部45にて、複数回行われる補正作業から平均値を算出し、補正部46が算出された値に基づいて補正値を選定し制御部48へ出力する。
【0046】
制御部48は、補正部46より得られる補正値に基づいて、第1、第2のガルバノスキャナ49,52、fθレンズ55、及びCCDカメラ43の補正を行う。
【0047】
ここで、第1の実施の形態における補正処理の流れをフローチャートを用いて説明する。図5は、第1の実施の形態における補正処理の流れを示す一例のフローチャートである。図5では、上述したカメラオフセットの補正を行った後に、fθレンズの歪み補正を行っている。まず、制御部48は、レーザヘッド42を所定の位置に位置決めし、レーザ発振器41に対してレーザ光を照射するよう制御信号を出力し、レーザ発振器41は、制御部48からの制御信号に基づいてレーザ光を出射してガルバノ原点にレーザ光を照射して加工を行う(S01)。
【0048】
次に、上述したカメラオフセット補正処理を行い、補正値Aを算出する(S02)。図4に基づいて更に詳細に説明すれば、S01にて加工された加工対象物56の加工地点がCCDカメラ43の下に位置付けられるように制御部48がステージ47を移動させ、位置決め完了後CCDカメラ43にて加工地点の撮影を行い画像処理部44に画像を出力する。画像処理部44では、基準となる加工点と実際の加工点との誤差の算出を行い補正値算出部45へ出力し、補正値算出部45が入力されたオフセット誤差データから補正値Aを決定し補正値データの蓄積を行う(S03)。また、蓄積された補正値データは、本発明における補正処理が終了後又は一定時間間隔をおいて消去される。
【0049】
ここで、補正値算出部45では、カメラオフセット補正の回数を予め設定しておき、補正回数と設定回数(第1の設定回数(N回))以上であるかを判断し(S04)、設定回数以上でない場合は(S04において、NO)、設定回数NになるまでS01からのカメラオフセット補正処理を行い、補正値A、A、・・・を算出して、補正値算出部45にて蓄積しておく。また、補正回数が設定回数以上である場合は(S03において、YES)、S05〜S08の手順によりfθレンズ歪み補正を行う。
【0050】
fθレンズの歪み補正の概要については上述したが、ここではレーザ加工装置40に対応させて詳細に説明する。まず、制御部48は、ステージ47上の加工対象物56に対して基準となるマトリクス状の加工地点に加工できるようレーザヘッド42及びステージ47を移動させ位置決めさせる。次に、制御部48は、レーザ発振器41にレーザ光を照射するよう制御信号を出力し、レーザ発振器41は、入力された制御信号に基づいてレーザ光を照射する。
【0051】
一方、制御部48は、レーザ発振器41からのレーザ光の出射条件、出射タイミング、及びガルバノ駆動系49,52の駆動タイミングを制御し、基準となる加工位置にマトリクス状に加工を行う(S05)。次に、S05により得られる加工結果に基づいて、fθレンズ歪み補正値の算出を行う(S06)。詳細には、CCDカメラ43にてマトリクス状に加工された各点の位置を撮影し、その画像を画像処理部44に出力する。画像処理部44では、各点の基準となる加工地点からの誤差を算出し、補正値算出部45へ出力する。補正値算出部45では、入力されたfθレンズ55の歪み誤差データから補正値Bを算出して補正値データの蓄積を行う(S07)。また、蓄積された補正値データは、本発明における補正処理が終了後又は一定時間間隔をおいて消去される。
【0052】
ここで、補正値算出部45では、fθレンズ歪み補正の回数を予め設定しておき、補正回数と設定回数(第2の設定回数(N回))以上であるかを判断し(S08)、設定回数以上でない場合は(S08において、NO)、設定回数N以上になるまでS05からのfθレンズ歪み補正処理を行い、補正値B、B、・・・を算出して、補正値算出部45にて一時蓄積しておく。また、補正回数が設定回数以上である場合は(S08において、YES)、上述のステップで算出し蓄積されている補正値A、Bを補正部46に出力する。補正部46は補正値算出部45により得られて補正値の平均値を算出して、その結果を実際の補正値として制御部48へ出力する(S09)。
【0053】
制御部48は、S09により得られる補正値に基づいて、第1,第2のガルバノスキャナ49,52、fθレンズ55、及びCCDカメラ43の補正を行う。これにより、補正作業を精度良く行い、加工位置精度を向上させることができる。なお、オフセット距離の補正値算出と、fθレンズの歪み補正の算出は補正値算出部45にて行っている。
【0054】
また、本発明における補正方法を一定時間間隔おき、もしくは、レーザヘッドの側面に温度センサを有し、一定の温度変化おきに補正を実施することでスキャナ等の持つ温度ドリフト効果による位置精度の悪化を防止することができ、加工精度を向上させることができる。
【0055】
また、上述のレーザ加工装置については、レーザヘッドを1個有する構成としたが、複数のレーザヘッドを備えたレーザ加工装置においても、本発明の内容を適用させることができる。例えば、一対(2個)のレーザヘッドを有する場合は、レーザヘッド間の位置ずれを補正するため、各レーザヘッドから照射されるレーザ光の光軸間距離について、予め設定された値と実際に計測した値との誤差を算出し補正値を得ることができる。また、上述の光軸間距離補正処理も複数回実施し、その補正値を平均化して位置ずれ補正の補正値を算出する処理を付加させることにより、一対のレーザヘッドを有するレーザ加工装置においても、高精度な加工を行うことができる。なお、以下の説明では、1対のレーザヘッドを有するレーザ加工装置の構成について説明するが、本発明においてはこの限りではない。ここで、上述の光軸間距離補正について図を用いて説明する。
【0056】
(光軸間距離補正)
図6は、一対のレーザヘッドの光軸間距離補正を説明するための図である。図6においては、一対のレーザヘッド(第1のレーザヘッド61、第2のレーザヘッド62)を有し、レーザヘッド61,62の各々には、CCDカメラ63,64が設けられている。レーザ光はレーザヘッドに入力される前に、半透過ミラー65にてレーザ光を同等の強度を持つ2つのレーザ光に分離し、更に、レーザ光を全反射する全反射ミラー66にて、レーザヘッド62に入力されるよう構成されている。
【0057】
カメラ間距離補正方法は、例えば、ステージ67上に固定された加工対象物68のある1点にレーザ光を照射し加工を行った加工地点、又は予め設定された基準となる点(基準点)を2軸ガルバノの一方のレーザヘッド(図6において、レーザヘッド61)に設けられたCCDカメラ63で撮影領域の中心にくるように位置決めし、その後ステージ65を移動させ、もう一方のレーザヘッド(図6において、レーザヘッド62)のCCDカメラ64の撮影領域の中心に加工された加工地点、もしくは基準マークがくるよう位置決めしたときのレーザヘッド61に設けられたCCDカメラ63の位置を計測し、画像処理にてCCDカメラ63からの2つの画像データからカメラ間距離を算出する。CCDカメラ63,64は、レーザヘッド61,62に夫々固定設置されているため、光軸間の実際の距離も同時に計測することができる。このカメラ間距離から予め設定されたレーザヘッド間距離との誤差を算出し補正値を決定する。
【0058】
なお、この補正は、所定の回数(N回(N:1以上))実施し、各回にて得られる距離の平均値を補正値とする。この作業では、ステージの位置決め精度、画像処理精度等が精度悪化要因として悪影響を及ぼすが、このカメラ間距離補正作業を複数回実施し、その平均値を補正値として採用することで精度悪化要素の影響を少なくことができ、加工精度を向上させることができる。
【0059】
次に、上述の光軸間距離補正処理を有するレーザ加工装置を本発明における第2の実施の形態として、図を用いて説明する。
【0060】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明におけるレーザ加工装置の第2の実施の形態を示す図である。図7のレーザ加工装置70は、レーザ発振器71と、半透過ミラー72と、全反射ミラー73と、第1のレーザヘッド74と、第2のレーザヘッド75と、第1のCCDカメラ76と、第2のCCDカメラ77と、ステージ78と、画像処理部79と、補正値算出部80と、補正部81と、制御部82とを有するよう構成されている。
更に、第1のレーザヘッド74には、X−Y軸方向に対してスキャニングを可能にする一対のガルバノスキャナ83と、fθレンズ84とを有し、第2のレーザヘッド75には一対のガルバノスキャナ85と、fθレンズ86とを有するよう構成されている。
【0061】
ここで、第1,第2のレーザヘッド74,75は、制御部82にて夫々が異なる動作を行うことができ、また相対的な動作を行うこともできる。制御部82からの制御信号によりレーザ発振器71から照射されたレーザ光は、半透過ミラー72により、同等の強度となる2つのレーザ光に分離され、一方のレーザ光は、レーザヘッド74に、もう一方のレーザ光は、全反射ミラー73にて全反射されてレーザヘッド75に入力される。
【0062】
第1,第2のレーザヘッド74,75に入力されたレーザ光は、夫々に設けられた一対のガルバノスキャナ83,85によりX方向、Y方向に振らせることができ、一対のガルバノスキャナ83,85により斜めになった夫々のレーザ光は、fθレンズ84,86によりステージ78に固定されている加工対象物87に対して垂直に照射することができる。また、加工後は夫々のCCDカメラ(第一のCCDカメラ76,第2のCCDカメラ77)にて加工地点の撮影を行い、画像処理部79に出力する。画像処理部79は、CCDカメラ76,77から夫々入力された画像に基づいて画像処理を行い、加工地点の誤差を算出し補正値算出部80にて複数回行われる補正作業から平均値を算出して補正部81に出力し、補正部81は補正値算出部80より算出された値に基づいて補正値を決定し制御部81へ出力する。
【0063】
なお、第2の実施の形態では、上述したカメラオフセット距離補正、fθレンズ歪み補正、及びカメラ間距離補正を夫々の所定の回数分実施し、その平均値を算出して補正値を決定する。
【0064】
制御部81は、補正値算出部80より得られる補正値に基づいて、第1、第2のレーザヘッド74,75、一対のガルバノスキャナ83,85、fθレンズ84,86、CCDカメラ76,77、及びステージ78に対して位置ずれ補正を行う。
【0065】
ここで、第2の実施の形態における補正処理の流れをフローチャートを用いて説明する。なお、フローチャートによる補正処理の内容は、図7におけるレーザ加工装置70を用いて場合の補正処理の内容を示す。図8は、第2の実施の形態における補正処理の流れを示す一例のフローチャートである。図8では、上述したカメラオフセットの補正を行った後に、fθレンズの歪み補正を行い、更に、図6で示したレーザヘッド74,75に夫々設置されたCCDカメラ間距離を測定することで光軸間距離補正を行う。
【0066】
まず、制御部82は、夫々のレーザヘッド74,75を所定の位置に位置決めし、レーザ発振器71に対してレーザ光を照射するよう制御信号を出力し、レーザ発振器71は、制御部82からの制御信号に基づいてレーザ光を出射して夫々のガルバノ原点に対してレーザ光を照射して加工を行う(S11)。次に、上述したカメラオフセット補正処理を行い、レーザヘッド74,75の夫々の補正値A1−1、A1−2を算出する(S12)。更に詳細に説明すれば、S11にて加工された加工対象物87の加工地点が夫々のCCDカメラ76,77の下に位置付けられるように制御部81がステージ78を移動させ、位置決め完了後CCDカメラ76,77にて夫々に対応した加工地点の撮影を行い画像処理部79に画像を出力する。画像処理部79では、基準となる加工点と実際の加工点との誤差の算出を行い補正値算出部80へ出力する。補正値算出部80は、入力されたオフセット誤差データから補正値A1−1、A1−2を決定し補正値データの蓄積を行う(S13)。なお、補正値算出部80にて蓄積された補正値データは、本発明における補正処理が終了後又は一定時間間隔をおいて消去される。
【0067】
ここで、補正値算出部80では、カメラオフセット補正の回数を予め設定しておき、補正回数と設定回数(第1の設定回数(N回))以上であるかを判断し(S14)、設定回数以上でない場合は(S14において、NO)、設定回数N以上になるまでS11からのカメラオフセット補正処理を行い、夫々の補正値A2−1,A2−2、A3−1,A3−2、・・・を算出して、補正値算出部80に出力し、補正値算出部80にて蓄積しておく。また、補正回数が設定回数以上である場合は(S13において、YES)、上述のステップで算出し蓄積されている補正値Aを補正部81に出力する。補正部81は、補正値算出部80より得られる補正値Aについて平均値を算出して、その結果を実際の補正値として制御部82へ出力する(S15)。
【0068】
次に、S16〜S20の手順によりfθレンズ歪み補正を行う。fθレンズ歪み補正の概要については上述したが、ここではレーザ加工装置70に対応させて詳細に説明する。まず、制御部82は、ステージ78上の加工対象物87に対して基準となるマトリクス状の加工地点に加工できるよう第1,第2のレーザヘッド74,75及びステージ78を移動させる。次に、制御部81は、レーザ発振器71にレーザ光を照射するよう制御信号を出力し、レーザ発振器71は入力された制御信号に基づいてレーザ光を照射する。
【0069】
一方、制御部82は、レーザ発振器71からのレーザ光の出射条件、出射タイミング、及び一対のガルバノスキャナ83,85のガルバノ駆動系の駆動タイミングを制御し、基準となる加工位置にマトリクス状に加工を行う(S16)。次に、S16により得られる加工結果に基づいて、夫々のfθレンズ84,86の歪み補正値の算出を行う(S17)。詳細には、第1,第2のレーザヘッド74,75に設けられたCCDカメラ76,77にてマトリクス状に加工された各点の位置を撮影し、その画像を画像処理部79に出力する。画像処理部79では、各点の基準となる加工地点からの誤差を算出し補正値算出部80へ出力する。補正値算出部80では、入力されるfθレンズ84,86による誤差から夫々の補正値B1−1,B1−2を算出する。算出された補正値は補正値算出部80で蓄積される(S18)。なお、蓄積された補正値データは、本発明における補正処理が終了後又は一定時間間隔をおいて消去される。
【0070】
ここで、補正値算出部80では、fθレンズ歪み補正の回数を予め設定しておき、補正回数と設定回数(第2の設定回数(N回))以上であるかを判断し(S19)、設定回数以上でない場合は(S19において、NO)、設定回数N以上になるまでS16からのfθレンズ歪み補正処理を行い、補正値B2−1,B2−2、B3−1,B3−2、・・・を算出して、補正値算出部80に出力し、補正値算出部45にて蓄積しておく。
【0071】
また、補正回数が設定回数以上である場合は(S19において、YES)、上述のステップS16〜S19で算出し蓄積されている補正値Bを補正部81に出力する。補正部81は、補正値算出部80より得られる補正値Bについて平均値を算出して、その結果を実際の補正値として制御部82へ出力する(S20)。
【0072】
次に、第1、第2のレーザヘッド74,75からのレーザ光の光軸間距離補正をレーザヘッド74,75に夫々設置されたCCDカメラ76,77を用いて行う。
【0073】
まず、ステージ78上に固定された加工対象物87の基準となる点(基準点)を第1,第2のレーザヘッド74,75の一方のレーザヘッド(図7において、レーザヘッド74)に設けられたCCDカメラ76の撮影領域の中心にくるようにステージ78を移動させてCCDカメラ76で撮影し、その後ステージ78を移動させ、もう一方のレーザヘッド(図7において、レーザヘッド75)のCCDカメラ77の撮影領域の中心に基準点がくるよう位置決めする。この状態でレーザヘッド74に設置されているCCDカメラ76で撮影領域を撮影し、画像処理部79へ出力する。
【0074】
画像処理部79は、撮影した画像の中心の座標と先程撮影した画像データの中心座標とを計測することによりCCDカメラ間の距離を計測する(S21)。CCDカメラ76,77は夫々レーザヘッド74,75に設置されているため、CCDカメラ間の距離が同時にレーザヘッドから照射されるレーザ光の光軸間距離となる。したがって、画像処理部79は、S21にて得られるCCDカメラ間の距離と、予め設定されているCCDカメラ間の距離とを比較して誤差を算出し、補正算出部80へ出力する。補正算出部80は、第1,第2のレーザヘッド74,75の誤差を補正するための補正値Cを算出する(S22)。算出された補正値は補正値算出部80で蓄積される(S23)。なお、誤差はステージ78のXY軸の位置を基準としてそれとの座標差にて求める。また、蓄積された補正値データは、本発明における補正処理が終了後又は一定時間間隔をおいて消去される。
【0075】
次に、補正値算出部80では、光軸間距離補正の回数を予め設定しておき、補正回数と設定回数(第3の設定回数(N回))以上であるかを判断し(S24)、設定回数以上でない場合は(S24において、NO)、設定回数N以上になるまでS21からのカメラ間距離補正処理を行い、補正値C、C、・・・を算出して、補正値算出部80にて一時蓄積しておく。また、補正回数が設定回数以上である場合は(S24において、YES)、上述のステップで算出し蓄積されている補正値Cを補正部81に出力する。補正部81は、補正値算出部80より得られる補正値Cについて平均値を算出して、その結果を実際の補正値として制御部82へ出力する(S25)。
【0076】
制御部82は、S15,S20,S25により得られる補正値A,B,Cに基づいて、S15,S20,S25の夫々のステップで第1,第2のレーザヘッド74,75、一対のガルバノスキャナ83,85、fθレンズ84,86、CCDカメラ76,77、及びステージ78に対して位置ずれ補正を行う。これにより、複数のレーザヘッドを有するレーザ加工装置においても位置ずれ補正を精度良く行い、加工位置精度を向上させることができる。また、本発明における補正方法を一定時間間隔おき、もしくは、レーザヘッドの側面に温度センサを有し、一定の温度変化おきに補正を実施することでスキャナ等の持つ温度ドリフト効果による位置精度の悪化を防止することができ、加工精度を向上させることができる。
【0077】
上述したように本発明によれば、位置ずれ補正を精度良く行い、加工位置精度を向上させることができる。
【0078】
また、オフセット距離補正値算出段階とfθレンズ補正値算出段階とを複数回実行し、その補正値の内容から最適な補正値を選択することで、位置ずれ補正を高精度に行うことができる。これにより、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。更に、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることにより、補正値を容易に取得することができ、また、補正段階で効率的に最適な補正値を得ることができる。
【0079】
更に、ツインガルバノと呼ばれる相対的に動作を行う2軸ガルバノによるレーザ加工において、オフセット距離補正値算出段階と、fθレンズ補正値算出段階と、光軸間距離補正値算出段階とを複数回実行し、その補正値の内容から最適な補正値を選択することで、位置ずれ補正を高精度に行うことができる。これにより、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。また、補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることにより補正値を容易に取得することができ、また、補正段階で効率的に最適な補正値を得ることができる。
【0080】
また、本発明における補正方法を一定時間間隔おき、もしくは、レーザヘッドの側面に温度センサを有し、一定の温度変化おきに補正を実施することでスキャナ等の持つ温度ドリフト効果による位置精度の悪化を防止することができ、加工精度を向上させることができる。
【0081】
また、加工対象物としては、ポリイミドシート、ステンレス等、レーザ光による穴あけ、溶接、切断等が加工なものであればよく、本発明は、プリント基板や電子部品等、精細で正確な加工が必要なもので利用することができる。
【0082】
なお、本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求した本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変形例や実施例が考えられる。
【0083】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、位置ずれ補正を精度良く行い、加工位置精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のガルバノスキャナとfθレンズの一例を示す。
【図2】カメラオフセット距離補正を説明するための図である。
【図3】fθレンズの歪み補正を説明するための図である。
【図4】本発明におけるレーザ加工装置の第1の実施の形態である。
【図5】第1の実施の形態における補正処理の流れを示す一例のフローチャートである。
【図6】一対のレーザヘッドの光軸間距離補正を説明するための図である。
【図7】本発明におけるレーザ加工装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における補正処理の流れを示す一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10,20,42 レーザヘッド
11,49 第1のガルバノスキャナ
12,15,50,53 ガルバノ駆動系
13,16,51,54 スキャンミラー
14,52 第2のガルバノスキャナ
17,55,84,86 fθレンズ
18,56,68,87 加工対象物
19 加工領域
21,43,63,64 CCDカメラ
22,47,67,78 ステージ
40,70 レーザ加工装置
41,71 レーザ発振器
44,79 画像処理部
45,80 補正値算出部
46,81 補正部
48,82 制御部
61,74 第1のレーザヘッド
62,75 第2のレーザヘッド
65,72 半透過ミラー
66,73 全反射ミラー
76 第1のCCDカメラ
77 第2のCCDカメラ
83,85 一対のガルバノスキャナ

Claims (8)

  1. レーザ光がレーザヘッド内に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工方法において、
    前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出段階と、
    前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出段階と、
    前記オフセット距離補正値算出段階及び前記fθレンズ補正値算出段階における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正段階とを有することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記補正段階は、
    前記オフセット距離補正値算出段階及び前記fθレンズ補正値算出段階における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. レーザ光が複数のレーザヘッドの夫々に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工方法において、
    前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出段階と、
    前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出段階と、
    前記複数のレーザヘッドからのレーザ光の光軸間距離を補正するための補正値を算出する光軸間距離補正値算出段階とを有し、
    前記オフセット距離補正値算出段階、前記fθレンズ補正値算出段階、及び前記光軸間距離補正値算出段階における補正値の算出は、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正段階を有することを特徴とするレーザ加工方法。
  4. 前記補正段階は、
    前記補正値の算出を、予め設定された回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工方法。
  5. レーザ光がレーザヘッド内に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工装置において、
    前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出部と、
    前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出部と、
    前記オフセット距離補正値算出部及び前記fθレンズ補正値算出部における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正部とを有することを特徴とするレーザ加工装置。
  6. 前記補正部は、
    前記オフセット距離補正値算出部及び前記fθレンズ補正値算出部における補正値の算出を、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする請求項5に記載のレーザ加工装置。
  7. レーザ光が複数のレーザヘッドの夫々に設けられたガルバノスキャナ及びfθレンズを介して加工対象物に照射される照射位置の位置ずれ補正を行うレーザ加工装置において、
    前記照射位置を撮影する撮像装置と前記レーザヘッドとのオフセット距離を補正するための補正値を算出するオフセット距離補正値算出部と、
    前記fθレンズの歪みを補正するための補正値を算出するfθレンズ補正値算出部と、
    前記複数のレーザヘッドからのレーザ光の光軸間距離を補正するための補正値を算出する光軸間距離補正値算出部とを有し、
    前記オフセット距離補正値算出部、前記fθレンズ補正値算出部、及び前記光軸間距離補正値算出部における補正値の算出は、予め設定された夫々の回数行い、回数毎に得られた補正値に基づいて位置ずれ補正の補正値を決定する補正部を有することを特徴とするレーザ加工装置。
  8. 前記補正部は、
    前記補正値の算出を、予め設定された回数行い、回数毎に得られた補正値の平均値を位置ずれ補正の補正値とすることを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工装置。
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