JP2004271983A - 警報音定位装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常発生場所を容易に、かつ、確実にユーザに知らせることができる警報音定位装置を提供する。
【解決手段】CPUブロック1は、インターフェイス2およびインターフェイス4から異常発生を示すセンサ番号または周辺機器番号(報知イベント)が出力されたか否かを常時チェックする。そして、報知イベントを検出した時は、ストレージブロック12からそのセンサ番号または周辺機器番号に対応するフィルタ係数を読み出し、仮想音像処理ブロック7に設定する。音源ブロック6は警報音信号Kを生成し、仮想音像処理ブロック7へ出力する。出力された警報音信号Kはブロック7のFIRフィルタを通してスピーカ9、10へ供給される。ここで、FIRフィルタのフィルタ係数は、予め、異常が発生したセンサまたは周辺機器の位置に音像が定位されるように設定されており、したがって、ユーザには、異常発生個所から「ピー」という音が聞こえてくる。
【選択図】 図1
【解決手段】CPUブロック1は、インターフェイス2およびインターフェイス4から異常発生を示すセンサ番号または周辺機器番号(報知イベント)が出力されたか否かを常時チェックする。そして、報知イベントを検出した時は、ストレージブロック12からそのセンサ番号または周辺機器番号に対応するフィルタ係数を読み出し、仮想音像処理ブロック7に設定する。音源ブロック6は警報音信号Kを生成し、仮想音像処理ブロック7へ出力する。出力された警報音信号Kはブロック7のFIRフィルタを通してスピーカ9、10へ供給される。ここで、FIRフィルタのフィルタ係数は、予め、異常が発生したセンサまたは周辺機器の位置に音像が定位されるように設定されており、したがって、ユーザには、異常発生個所から「ピー」という音が聞こえてくる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車内や室内等の空間において部品や電気機器の異常発生をユーザに警報音によって報知する警報音定位装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車において異常が発生した場合、運転手に警報音によって報知し、あるいは、フロントダッシュボードの表示器に簡単なイラストによって表示するようになっている。しかしながら、単なる警報音の場合、異常発生の場所を特定するのが難しく、また、警報音の音色を変えても、常に聞く音ではないので、異常箇所と警報音の関係を記憶しておくのが難しい問題があった。一方、表示器による表示は目視確認が必要であり、運転中は危険な場合があるという問題があった。
【0003】
また、室内の電気機器に異常が発生した場合、それぞれの機器が有する警報音発生手段によって報知するか、または、LED、LCD等の表示器によって異常発生を報知するようになっている。しかしながら、それぞれの機器に独立して警報音発生手段を設けるのは無駄が多く、また、表示器による表示だけでは、異常発生に気が付かない場合が生じる。
なお、特許文献1には、車両外の障害物を検知した時、その障害物の方向に警報音の音像を生成する技術が開示されている。しかし、車両の各機器の警報音や報知音を音像定位する技術は記載されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−126948号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は、異常発生場所を容易に、かつ、確実に知らせることができる警報音定位装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、一定の空間内に配設された機器、部材における異常の発生を知らせる信号を出力する信号出力手段と、前記信号出力手段からの信号を受け、警報音信号を発生する警報音信号発生手段と、前記警報音信号発生手段から出力された警報音信号に所定の音像定位処理を行う音像定位手段と、前記音像定位手段から出力された信号を発音して前記空間内の所定の位置に音像定位させる発音手段とを具備することを特徴とする警報音定位装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の警報音定位装置において、前記信号出力手段は前記機器、部材の異常を検出するセンサからの信号を出力することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の警報音定位装置において、前記信号出力手段は、前記機器内部に設けられ、該機器の異常を検出する異常検出手段からの信号を出力することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記音像定位手段はフィルタ方式の音像定位装置であることを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記音像定位手段は波面制御方式の音像定位装置であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記一定の空間は自動車内であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記一定の空間は室内であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施の形態による警報音定位装置の構成を示すブロック図である。この図において、符号1はCPUブロックであり、CPU(中央処理装置)、CPUのプログラムを記憶したROM(リードオンリメモリ)およびデータ一時記憶用のRAM(ランダムアクセスメモリ)から構成され、バスラインBUに接続されている。符号S1〜Snは異常発生を検出するためのセンサであり、異常発生を検出した時、検出信号をセンサインターフェイス2へ出力する。センサインターフェイス2はセンサS1〜Snの検出信号を受け、その検出信号を出力したセンサを特定するセンサ番号をバスラインBUを介してCPUブロック1へ出力する。
【0010】
P1〜Pmは周辺機器であり、ネットワーク3を介してネットワークインターフェイス4に接続され、ネットワークインターフェイス4がバスラインBUに接続されている。これらの周辺機器P1〜Pmは、異常が発生すると、異常発生を示す信号および自己の機器を特定するための機器番号をネットワーク3を介してインターフェイス4へ出力する。インターフェイス4はその機器番号をバスラインBUを介してCPUブロック1へ出力する。
【0011】
ここで、この警報音定位装置が自動車内に設置される場合は、センサS1〜Snが、エンジンの不具合を検出するエンジンセンサ、ラジエターのオーバーヒートを検出するラジエターセンサ、タイヤ空気圧の低下を検出するタイヤセンサ、ドア、トランクの開状態を検出するドアセンサ、トランクセンサ等であり、周辺機器P1〜Pmが、エアバック(運転席、助手席、側面)、カーナビゲーション、空調機等である。
【0012】
また、警報音定位装置が室内に設置される場合は、センサS1〜Snが、ドアの開状態を検出するドアセンサ、室内温度の異常上昇を検出する温度センサ等であり、周辺機器P1〜Pmが、エアコン、オーディオ装置、冷蔵庫、炊飯器、プリンタ等である。
【0013】
図1の符号6は音源ブロックであり、CPUブロック1からの指示を受け、例えば「ピー」という警報音を発生するためのディジタル警報音信号Kを出力する。7は仮想音像処理ブロックであり、近接配置された2個のスピーカを使用した音像定位技術によって警報音の音像定位を行う。この仮想音像処理ブロック7はフィルタ方式の音像定位装置であり、図2に示すように、FIRフィルタ7a、7bと、インターフェイス7cとから構成される。この場合、インターフェイス7cはCPUブロック1からバスラインBUを介して供給されるフィルタ係数をFIRフィルタ7a、7bに設定する。そして、音源ブロック6から出力された警報音信号KがFIRフィルタ7a、7bを通過した後、D/A変換器(図示略)によってアナログ信号に変換され、ユーザUSの前方に設置されたスピーカ9、10へ供給される。スピーカ9、10が図1に示す発音装置11を構成している。
【0014】
図1の符号12はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成されたストレージブロックであり、予め、各センサS1〜Snおよび各周辺機器P1〜Pmの各々に対応して、上述したFIRフィルタ7a、7bのフィルタ係数が記憶されている。
【0015】
次に、上述した警報音定位装置の動作を図3に示すフローチャートを参照して説明する。
CPUブロック1のCPUは、センサインターフェイス2およびネットワークインターフェイス4から異常発生を示すセンサ番号または周辺機器番号(報知イベント)が出力されたか否かを常時チェックする(ステップS1)。そして、報知イベントを検出した時は、そのセンサ番号または周辺機器番号に基づいて異常発生個所を検知し(ステップS2)、ストレージブロック12からそのセンサ番号または周辺機器番号に対応するフィルタ係数を読み出し、仮想音像処理ブロック7へ出力する(ステップS3)。仮想音像処理ブロック7のインターフェイス7cは、そのフィルタ係数をFIRフィルタ7a、7bに設定する。
【0016】
次に、CPUは、音源ブロック6へ警報音信号発生を指示する。音源ブロック6はその指示を受け、警報音信号Kを生成し、仮想音像処理ブロック7へ出力する。出力された警報音信号KはFIRフィルタ7a、7bを通してスピーカ9、10へ供給され、これにより、「ピー」という警報音がスピーカ9、10から発生する。この後、CPUの処理はスタートへ戻る(ステップS5)。
【0017】
ここで、FIRフィルタ7a、7bのフィルタ係数は、予め、異常が発生したセンサまたは周辺機器の位置に音像が定位されるように設定されており、したがって、ユーザUSには、異常発生個所から「ピー」という音が発生するように聞こえる。さらに詳述すると、例えば、この警報音定位装置が自動車内に設置されている場合、ストレージブロック12には、予め、例えばエンジンセンサに対応してエンジン位置に音像を定位させるためのフィルタ係数が記憶される。したがって、エンジンに異常が発生し、エンジンセンサから異常検出信号が出力されると、上記の処理によってエンジンの近傍から警報音が発生するように聞こえる。なお、上述した音像定位の技術は周知技術であり、例えば、特表2000−506691号公報等にも詳しく記載されている。
【0018】
なお、上記実施形態においては、ユーザの前方に2個のスピーカ9、10を設けているが、図4に示すように、ユーザ(運転手)USの後方にも2個のスピーカ15、16を設けると共に、対応してFIRフィルタを2個設ければ、ユーザUSの後方にも音像定位をすることが可能となる。例えば、トランクがきちんと閉まっていないことを警報する場合等においては後方のスピーカ15、16が有効となる。
【0019】
また、上述した実施形態においては、フィルタ係数をストレージブロック12に記憶させたが、これに代えて、各センサS1〜Snおよび周辺機器P1〜Pmの警報音定位装置7に対する相対位置情報を記憶させてもよい。この場合、仮想音像処理ブロック内に予め相対位置情報に対応するフィルタ係数を記憶し、CPUは相対位置情報を仮想音像処理ブロック7へ出力するようにする。
【0020】
また、音源ブロック6に予め複数の警報音信号を記憶させておき、CPUが異常発生時に異常発生個所を音源ブロック6へ通知し、音源ブロック6が異常発生個所に対応した音色の警報音信号を出力するようにしてもよい。また、この場合、音色の変更ではなく、発音方法、音程等を変更してもよい。さらに、警報音としては、「ピー」などの単純な発振音だけでなく、音声によるアナウンスなどにしてもよい。
また、上述した警報音定位装置はユーザの位置または頭部の方向が変わると効果が薄れ、したがって、自動車に用いて好適である。しかし、室内のように、ユーザ位置が変わる場合は、ユーザの位置にかかわらず音像を定位させることができる波面制御方式による音像定位装置を用いるのが好ましい。
【0021】
波面制御方式による音像定位装置は、2次元アレイの各スピーカの信号に独立に遅延を与えて音波のタイミングをコントロールすることにより、空間の一点に局所的に音圧の高い点を合成したり、音像の位置を連続的に移動させたりするものである。図5は音像定位装置の概略構成であり、図6は音像定位を図に表したものであり、図7は実際の使用状態を示す図である。図5において、符号101は入力信号であり、発生させたい警報音等が入力される。102はディストリビュータであり、音像定位させるために適切な信号を形成して、スピーカアレイ105の各スピーカ104へ出力する。103は各スピーカに対応するアンプである。
【0022】
入力信号101がディストリビュータ102に入力されると、ディストリビュータ102では、各スピーカ104の個数分の信号を複製し、それぞれに対する適切な遅延量を計算して、その遅延量で遅延させてアンプ103へ出力する。アンプ103で増幅された信号はスピーカ104で発音される。
図6において、点Pは音の焦点であり、破線Fは音の波面を表わしている。また、8個のスピーカ104a〜104hが図のように配置されている(図5の2次元アレイを縦に見ている)。スピーカ104aを基準として、各スピーカ104b〜104hの信号を、各スピーカ104b〜104hの後ろの点線の長さ分だけ遅延させて発生させる。これにより、破線Fで示される音の波面が形成され、点Pに音の強度が集中する。聴取者は点Pから音が発生するように聞こえる。
上述の波面制御方式による音像定位装置を前述のフィルタ方式の音像定位装置に置き換えることで、室内でユーザの位置が変わっても比較的正確に音像を定位させることができる警報音定位装置を実現できる。
図7は波面制御方式による音像定位装置を用いた警報音定位装置の実際の使用状態を示す図である。本図の場合、エアコンの異常発生の報知イベントを受け、エアコンの位置に報知音を音像定位させるための信号を形成し、スピーカアレイ105より出力している。聴取者は室内のどこにいてもエアコンの位置から報知音が発生するように聞こえる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、自動車内や室内において何らかの異常が発生した時、異常発生場所を容易に、かつ、確実にユーザに知らせることができ、また、ユーザが異常発生個所を直感的に知ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による警報音定位装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における仮想音像定位ブロック7の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】同実施形態の動作を説明するための説明図である。
【図5】仮想音像定位装置7の他の構成例を示すブロック図である。
【図6】図5に示す仮想音像定位装置の動作を説明するための説明図である。
【図7】図5に示す仮想音像定位装置の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…CPUブロック、6…音源ブロック、7…仮想音像処理ブロック、7a、7b…FIRフィルタ、9、10、15、16、104…スピーカ、S1〜Sn…センサ、P1〜Pm…周辺機器。
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車内や室内等の空間において部品や電気機器の異常発生をユーザに警報音によって報知する警報音定位装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車において異常が発生した場合、運転手に警報音によって報知し、あるいは、フロントダッシュボードの表示器に簡単なイラストによって表示するようになっている。しかしながら、単なる警報音の場合、異常発生の場所を特定するのが難しく、また、警報音の音色を変えても、常に聞く音ではないので、異常箇所と警報音の関係を記憶しておくのが難しい問題があった。一方、表示器による表示は目視確認が必要であり、運転中は危険な場合があるという問題があった。
【0003】
また、室内の電気機器に異常が発生した場合、それぞれの機器が有する警報音発生手段によって報知するか、または、LED、LCD等の表示器によって異常発生を報知するようになっている。しかしながら、それぞれの機器に独立して警報音発生手段を設けるのは無駄が多く、また、表示器による表示だけでは、異常発生に気が付かない場合が生じる。
なお、特許文献1には、車両外の障害物を検知した時、その障害物の方向に警報音の音像を生成する技術が開示されている。しかし、車両の各機器の警報音や報知音を音像定位する技術は記載されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−126948号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は、異常発生場所を容易に、かつ、確実に知らせることができる警報音定位装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、一定の空間内に配設された機器、部材における異常の発生を知らせる信号を出力する信号出力手段と、前記信号出力手段からの信号を受け、警報音信号を発生する警報音信号発生手段と、前記警報音信号発生手段から出力された警報音信号に所定の音像定位処理を行う音像定位手段と、前記音像定位手段から出力された信号を発音して前記空間内の所定の位置に音像定位させる発音手段とを具備することを特徴とする警報音定位装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の警報音定位装置において、前記信号出力手段は前記機器、部材の異常を検出するセンサからの信号を出力することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の警報音定位装置において、前記信号出力手段は、前記機器内部に設けられ、該機器の異常を検出する異常検出手段からの信号を出力することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記音像定位手段はフィルタ方式の音像定位装置であることを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記音像定位手段は波面制御方式の音像定位装置であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記一定の空間は自動車内であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の警報音定位装置において、前記一定の空間は室内であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施の形態による警報音定位装置の構成を示すブロック図である。この図において、符号1はCPUブロックであり、CPU(中央処理装置)、CPUのプログラムを記憶したROM(リードオンリメモリ)およびデータ一時記憶用のRAM(ランダムアクセスメモリ)から構成され、バスラインBUに接続されている。符号S1〜Snは異常発生を検出するためのセンサであり、異常発生を検出した時、検出信号をセンサインターフェイス2へ出力する。センサインターフェイス2はセンサS1〜Snの検出信号を受け、その検出信号を出力したセンサを特定するセンサ番号をバスラインBUを介してCPUブロック1へ出力する。
【0010】
P1〜Pmは周辺機器であり、ネットワーク3を介してネットワークインターフェイス4に接続され、ネットワークインターフェイス4がバスラインBUに接続されている。これらの周辺機器P1〜Pmは、異常が発生すると、異常発生を示す信号および自己の機器を特定するための機器番号をネットワーク3を介してインターフェイス4へ出力する。インターフェイス4はその機器番号をバスラインBUを介してCPUブロック1へ出力する。
【0011】
ここで、この警報音定位装置が自動車内に設置される場合は、センサS1〜Snが、エンジンの不具合を検出するエンジンセンサ、ラジエターのオーバーヒートを検出するラジエターセンサ、タイヤ空気圧の低下を検出するタイヤセンサ、ドア、トランクの開状態を検出するドアセンサ、トランクセンサ等であり、周辺機器P1〜Pmが、エアバック(運転席、助手席、側面)、カーナビゲーション、空調機等である。
【0012】
また、警報音定位装置が室内に設置される場合は、センサS1〜Snが、ドアの開状態を検出するドアセンサ、室内温度の異常上昇を検出する温度センサ等であり、周辺機器P1〜Pmが、エアコン、オーディオ装置、冷蔵庫、炊飯器、プリンタ等である。
【0013】
図1の符号6は音源ブロックであり、CPUブロック1からの指示を受け、例えば「ピー」という警報音を発生するためのディジタル警報音信号Kを出力する。7は仮想音像処理ブロックであり、近接配置された2個のスピーカを使用した音像定位技術によって警報音の音像定位を行う。この仮想音像処理ブロック7はフィルタ方式の音像定位装置であり、図2に示すように、FIRフィルタ7a、7bと、インターフェイス7cとから構成される。この場合、インターフェイス7cはCPUブロック1からバスラインBUを介して供給されるフィルタ係数をFIRフィルタ7a、7bに設定する。そして、音源ブロック6から出力された警報音信号KがFIRフィルタ7a、7bを通過した後、D/A変換器(図示略)によってアナログ信号に変換され、ユーザUSの前方に設置されたスピーカ9、10へ供給される。スピーカ9、10が図1に示す発音装置11を構成している。
【0014】
図1の符号12はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成されたストレージブロックであり、予め、各センサS1〜Snおよび各周辺機器P1〜Pmの各々に対応して、上述したFIRフィルタ7a、7bのフィルタ係数が記憶されている。
【0015】
次に、上述した警報音定位装置の動作を図3に示すフローチャートを参照して説明する。
CPUブロック1のCPUは、センサインターフェイス2およびネットワークインターフェイス4から異常発生を示すセンサ番号または周辺機器番号(報知イベント)が出力されたか否かを常時チェックする(ステップS1)。そして、報知イベントを検出した時は、そのセンサ番号または周辺機器番号に基づいて異常発生個所を検知し(ステップS2)、ストレージブロック12からそのセンサ番号または周辺機器番号に対応するフィルタ係数を読み出し、仮想音像処理ブロック7へ出力する(ステップS3)。仮想音像処理ブロック7のインターフェイス7cは、そのフィルタ係数をFIRフィルタ7a、7bに設定する。
【0016】
次に、CPUは、音源ブロック6へ警報音信号発生を指示する。音源ブロック6はその指示を受け、警報音信号Kを生成し、仮想音像処理ブロック7へ出力する。出力された警報音信号KはFIRフィルタ7a、7bを通してスピーカ9、10へ供給され、これにより、「ピー」という警報音がスピーカ9、10から発生する。この後、CPUの処理はスタートへ戻る(ステップS5)。
【0017】
ここで、FIRフィルタ7a、7bのフィルタ係数は、予め、異常が発生したセンサまたは周辺機器の位置に音像が定位されるように設定されており、したがって、ユーザUSには、異常発生個所から「ピー」という音が発生するように聞こえる。さらに詳述すると、例えば、この警報音定位装置が自動車内に設置されている場合、ストレージブロック12には、予め、例えばエンジンセンサに対応してエンジン位置に音像を定位させるためのフィルタ係数が記憶される。したがって、エンジンに異常が発生し、エンジンセンサから異常検出信号が出力されると、上記の処理によってエンジンの近傍から警報音が発生するように聞こえる。なお、上述した音像定位の技術は周知技術であり、例えば、特表2000−506691号公報等にも詳しく記載されている。
【0018】
なお、上記実施形態においては、ユーザの前方に2個のスピーカ9、10を設けているが、図4に示すように、ユーザ(運転手)USの後方にも2個のスピーカ15、16を設けると共に、対応してFIRフィルタを2個設ければ、ユーザUSの後方にも音像定位をすることが可能となる。例えば、トランクがきちんと閉まっていないことを警報する場合等においては後方のスピーカ15、16が有効となる。
【0019】
また、上述した実施形態においては、フィルタ係数をストレージブロック12に記憶させたが、これに代えて、各センサS1〜Snおよび周辺機器P1〜Pmの警報音定位装置7に対する相対位置情報を記憶させてもよい。この場合、仮想音像処理ブロック内に予め相対位置情報に対応するフィルタ係数を記憶し、CPUは相対位置情報を仮想音像処理ブロック7へ出力するようにする。
【0020】
また、音源ブロック6に予め複数の警報音信号を記憶させておき、CPUが異常発生時に異常発生個所を音源ブロック6へ通知し、音源ブロック6が異常発生個所に対応した音色の警報音信号を出力するようにしてもよい。また、この場合、音色の変更ではなく、発音方法、音程等を変更してもよい。さらに、警報音としては、「ピー」などの単純な発振音だけでなく、音声によるアナウンスなどにしてもよい。
また、上述した警報音定位装置はユーザの位置または頭部の方向が変わると効果が薄れ、したがって、自動車に用いて好適である。しかし、室内のように、ユーザ位置が変わる場合は、ユーザの位置にかかわらず音像を定位させることができる波面制御方式による音像定位装置を用いるのが好ましい。
【0021】
波面制御方式による音像定位装置は、2次元アレイの各スピーカの信号に独立に遅延を与えて音波のタイミングをコントロールすることにより、空間の一点に局所的に音圧の高い点を合成したり、音像の位置を連続的に移動させたりするものである。図5は音像定位装置の概略構成であり、図6は音像定位を図に表したものであり、図7は実際の使用状態を示す図である。図5において、符号101は入力信号であり、発生させたい警報音等が入力される。102はディストリビュータであり、音像定位させるために適切な信号を形成して、スピーカアレイ105の各スピーカ104へ出力する。103は各スピーカに対応するアンプである。
【0022】
入力信号101がディストリビュータ102に入力されると、ディストリビュータ102では、各スピーカ104の個数分の信号を複製し、それぞれに対する適切な遅延量を計算して、その遅延量で遅延させてアンプ103へ出力する。アンプ103で増幅された信号はスピーカ104で発音される。
図6において、点Pは音の焦点であり、破線Fは音の波面を表わしている。また、8個のスピーカ104a〜104hが図のように配置されている(図5の2次元アレイを縦に見ている)。スピーカ104aを基準として、各スピーカ104b〜104hの信号を、各スピーカ104b〜104hの後ろの点線の長さ分だけ遅延させて発生させる。これにより、破線Fで示される音の波面が形成され、点Pに音の強度が集中する。聴取者は点Pから音が発生するように聞こえる。
上述の波面制御方式による音像定位装置を前述のフィルタ方式の音像定位装置に置き換えることで、室内でユーザの位置が変わっても比較的正確に音像を定位させることができる警報音定位装置を実現できる。
図7は波面制御方式による音像定位装置を用いた警報音定位装置の実際の使用状態を示す図である。本図の場合、エアコンの異常発生の報知イベントを受け、エアコンの位置に報知音を音像定位させるための信号を形成し、スピーカアレイ105より出力している。聴取者は室内のどこにいてもエアコンの位置から報知音が発生するように聞こえる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、自動車内や室内において何らかの異常が発生した時、異常発生場所を容易に、かつ、確実にユーザに知らせることができ、また、ユーザが異常発生個所を直感的に知ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による警報音定位装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における仮想音像定位ブロック7の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】同実施形態の動作を説明するための説明図である。
【図5】仮想音像定位装置7の他の構成例を示すブロック図である。
【図6】図5に示す仮想音像定位装置の動作を説明するための説明図である。
【図7】図5に示す仮想音像定位装置の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…CPUブロック、6…音源ブロック、7…仮想音像処理ブロック、7a、7b…FIRフィルタ、9、10、15、16、104…スピーカ、S1〜Sn…センサ、P1〜Pm…周辺機器。
Claims (7)
- 一定の空間内に配設された機器、部材における異常の発生を知らせる信号を出力する信号出力手段と、
前記信号出力手段からの信号を受け、警報音信号を発生する警報音信号発生手段と、
前記警報音信号発生手段から出力された警報音信号に所定の音像定位処理を行う音像定位手段と、
前記音像定位手段から出力された信号を発音して前記空間内の所定の位置に音像定位させる発音手段と、
を具備することを特徴とする警報音定位装置。 - 前記信号出力手段は前記機器、部材の異常を検出するセンサからの信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の警報音定位装置。
- 前記信号出力手段は、前記機器内部に設けられ、該機器の異常を検出する異常検出手段からの信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の警報音定位装置。
- 前記音像定位手段はフィルタ方式の音像定位装置であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の警報音定位装置。
- 前記音像定位手段は波面制御方式の音像定位装置であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の警報音定位装置。
- 前記一定の空間は自動車内であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の警報音定位装置。
- 前記一定の空間は室内であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の警報音定位装置。
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