JP2004271937A - ズームレンズ、これを用いたカメラおよび携帯情報端末 - Google Patents
ズームレンズ、これを用いたカメラおよび携帯情報端末 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】十分に広画角、高変倍率で、第1レンズ群の径が小型かつ高性能で、300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズ、これを用いたカメラ、携帯端末を得る。
【解決手段】物体側より順に、負の第1レンズ群G1、正の第2レンズ群G2、負の第3レンズ群G3、正の第4レンズ群G4、正の第5レンズ群G5を有する。第3レンズ群G3の物体側に一体に移動する絞りSを有している。第1レンズ群G1は物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1、両凸レンズL2、負レンズL3からなる。第1レンズ群G1のレンズL1の屈折率、アッベ数をN1、ν1、第1レンズ群G1のレンズL2の屈折率、アッベ数をN2、ν2としたとき、1.74<N1<1.95、1.80<N2<1.95、ν1−ν2>20の条件を満足する。
【選択図】 図1
【解決手段】物体側より順に、負の第1レンズ群G1、正の第2レンズ群G2、負の第3レンズ群G3、正の第4レンズ群G4、正の第5レンズ群G5を有する。第3レンズ群G3の物体側に一体に移動する絞りSを有している。第1レンズ群G1は物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1、両凸レンズL2、負レンズL3からなる。第1レンズ群G1のレンズL1の屈折率、アッベ数をN1、ν1、第1レンズ群G1のレンズL2の屈折率、アッベ数をN2、ν2としたとき、1.74<N1<1.95、1.80<N2<1.95、ν1−ν2>20の条件を満足する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結像光学系として用いることができるズームレンズ、これを用いたカメラおよび携帯情報端末に関するもので、例えば、デジタルカメラ、銀塩フイルム式カメラ、ビデオカメラなど各種カメラの撮影用光学系として、また、カメラ機能部を有する携帯電話その他の携帯情報端末における上記カメラ機能部の撮影用光学系として用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラの市場は非常に大きなものとなっており、ユーザのデジタルカメラに対する要望も多岐にわたっている。高画質化、小型化の要望は言うまでもなく、撮影レンズの広画角化の要望も大きい。高画角化に関しては、撮影レンズとして用いるズームレンズの短焦点端の半画角は38度以上であることが望まれている。一方、撮影レンズの高変倍化への要望も非常に大きく、その場合、撮影レンズとして用いるズームレンズの変倍比は4倍以上であることが望まれている。
【0003】
デジタルカメラ用ズームレンズの形式には多くのものが考えられるが、広画角化に適したタイプとして、最も物体側に配置された第1レンズ群が負の焦点距離を持つ、いわゆる負先行型のズームレンズがある。具体的には負・正・負・正の焦点距離を持つレンズがこの順に配置された4群構成のズームレンズがある(例えば、特許文献1参照)。また、上記4群構成のレンズの像側に正レンズ群を加えた負・正・負・正・正の5群構成のズームなどがある(例えば、特許文献2、図5参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−287167号公報
【特許文献2】特開2000−305017号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されている「高変倍ズームレンズ」は、負・正・負・正のレンズ群をこの順に配置した4群構成のズームレンズであり、各レンズ群の焦点距離を適切に設定することにより、半画角は40°以上にすることを可能にするとともに、変倍比も5倍を実現している。しかし、レンズ枚数が14枚と多いために十分に小型であるとはいえない。
【0006】
特許文献2に記載されている5群構成の「ズームレンズ」は、負・正・負・正・正のレンズ群をこの順に配置したズームレンズであり、変倍に際して少なくとも第2レンズ群と第3レンズ群と第4レンズ群を物体側に移動させるとともに、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が大きくなり、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔は小さくなるようにすることで、広画角化と高変倍化を両立させている。しかし、レンズ枚数が多く、十分に小型であるとはいえない。
【0007】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、第1の目的は、十分に広画角でありかつ高変倍率でありながら、第1レンズ群の径が小型でかつ高性能であり、例えば300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを提供することにある。
本発明の第2の目的は、十分に高性能でありながら、全長をより小型化することができるズームレンズを提供することにある。
本発明の第3の目的は、より簡素な構造で性能劣化の少ないズームレンズを提供することにある。
本発明の第4の目的は、主として倍率色収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することにある。
本発明の第5の目的は、主として球面収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することにある。
本発明の第6の目的は、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した、小型、広画角で高画質のカメラを提供することにある。
本発明の第7の目的は、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した、小型、広画角で高画質の携帯情報端末を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
図1ないし図6は、本発明にかかるズームレンズの実施例を示す。各実施例にかかるズームレンズはともに、物体側より順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群G1、正の焦点距離を持つ第2レンズ群G2、負の焦点距離を持つ第3レンズ群G3、正の焦点距離を持つ第4レンズ群G4、そして正の焦点距離を持つ第5レンズ群G5を有してなる。第3レンズ群G3の物体側に第3レンズ群G3と一体に移動する絞りSを有している。図1ないし図6に示す各レンズの配置は短焦点端での配置を示しており、矢印は、各レンズ群の短焦点端から長焦点端への移動軌跡を示している。短焦点端から長焦点端への変倍に際して、第1レンズ群G1は像面側に凸の軌跡を描くように、他のレンズ群は像側から物体側にほぼ直線的に移動して各レンズ群の空気間隔を変化させることによって、焦点距離を連続的に変化させるように構成されている。さらに、各請求項記載のズームレンズ、これを用いたカメラおよび携帯情報端末はそれぞれ以下の特徴を持つものである。
【0009】
請求項1に記載のズームレンズは、第1レンズ群G1は物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1、両凸レンズL2、負レンズL3からなることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のズームレンズは、請求項1に記載のズームレンズにおいて、N1およびν1がそれぞれ第1レンズ群G1の負メニスカスレンズL1の屈折率およびアッベ数を表し、N2およびν2がそれぞれ第1レンズ群G1の両凸レンズL2の屈折率およびアッベ数を表すとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
1.74<N1<1.95
1.80<N2<1.95
ν1−ν2>20
【0011】
請求項3記載のズームレンズは、請求項1から請求項2に記載のズームレンズにおいて、少なくとも第1レンズ群G1の両凸レンズL2とその像側の負レンズL3が接合されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のズームレンズは、請求項3に記載のズームレンズにおいて、Rcおよびfwがそれぞれ第1レンズ群G1の接合面の曲率半径および、広角端での焦点距離を表すとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
6<|Rc|/fw<21
【0013】
請求項5記載のズームレンズは、請求項1から請求項4のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1に、像側面が非球面である負レンズを少なくとも一枚有することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載のズームレンズは、請求項1から請求項5のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第5レンズ群G5を少なくとも一面が非球面である一枚の正レンズから構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載のズームレンズは、請求項6に記載のズームレンズにおいて、Ng5およびνg5がそれぞれ第5レンズ群L5の正レンズの屈折率およびアッベ数を表すとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
1.75<Ng5<1.90
20<νg5<30
【0016】
請求項8に記載のズームレンズは、請求項1から7のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第3レンズ群G3の最も物体側の面が非球面であることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載のカメラは、請求項1から請求項8のいずれかに記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の携帯情報端末装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載のズームレンズを、カメラ機能部を備えた携帯情報端末装置の撮影用光学系として有することを特徴とする。
【0019】
35mmサイズのフイルムを用いる銀塩カメラに換算した焦点距離が、例えば28mmというような広画角から、その4倍以上の焦点距離まで連続して変化させることができる高変倍ズームレンズには、物体側より順に数えて第1レンズ群が負の焦点距離を持ついわゆる負先行型が適している。第1レンズ群が高画角で受け入れて、これを後のレンズ群につなぐことができるからである。この高画角、高倍率を可能にした負先行型ズームレンズには、物体側から順に負・正・負・正のレンズ群からなる4群ズームレンズ、あるいはこの4群の像側に正レンズ群を加えた負・正・負・正・正のレンズ群からなる5群ズームレンズが適している。
これら負レンズ群が先行するズームレンズ構成では、第1レンズ群の径を比較的小さくすることできるが、半画角が40°近くまで広くなると、さらなる工夫が必要となってくる。
【0020】
本発明にかかるズームレンズにおいては、第1レンズ群の小径化を達成するために、第1レンズ群を、物体側に凸面を向けた負メニスカスの第1レンズと両凸の第2レンズと負の第3レンズの3枚のレンズで構成した。このように構成すると、図29に示すように、軸外の下光線は、像面から追跡したときに、第1レンズ群G1の負の第3レンズL3によって一度は外側に広がるものの、両凸の第2レンズL2によって内側に曲げられ、それから第1レンズL1によって再び外側に広げられる。本発明においては、負のレンズと正のレンズを交互に配置しているので、前玉すなわち物体側から数えて第1番目のレンズL1の径が大きくなることを防ぐことができる。第1レンズ群の構成は負メニスカスレンズと両凸レンズの2枚とすることも考えられるが、2枚のレンズだけでは広角端での像性能が劣化する難点がある。
また、本発明にかかるズームレンズにおいては、負・正・負・正・正の5群ズームレンズとすることで、像面位置の補正の自由度を増したため、十分な性能を維持しながら、レンズ枚数を9〜10枚と低減することが可能となった。
【0021】
本発明のズームレンズにおいて、全長をより小型化するには、以下の条件式を満足するのが望ましい。
1.74<N1<1.95
1.80<N2<1.95
ν1−ν2>20
ただし、N1およびν1はそれぞれ第1レンズ群の負メニスカスレンズの屈折率およびアッベ数を、N2およびν2がそれぞれ第1レンズ群の両凸レンズの屈折率およびアッベ数を表す。N1、N2が1.74以下になると各レンズのパワーが不足して全長が増大するし、N1、N2が1.95以上になると、そのような硝材は高価であるため、急激なコストアップの要因となる。また、ν1−ν2の値が20以下になると軸外において倍率色収差の補正能力が不足し、性能が低下する。さらに望ましくは以下の条件式を満足するのがよい。
1.74<N1<1.85
1.80<N2<1.85
【0022】
本発明のズームレンズにおいて、レンズの組み付け誤差による性能劣化を減少させるためには、少なくとも第1レンズ群G1の両凸レンズL2とその像側に配置される負レンズL3とを接合するとよい。両凸レンズL2の像側面と負レンズL3の物体側面は互いに打ち消しあう方向の収差が大きく発生している。これら2つのレンズの相対的な偏心による像性能の劣化は特に短焦点側で大きくなる。しかし、これら2つのレンズを接合することで、上記のように収差が打ち消され、像性能の劣化を防止することができる。その際、さらに高性能なズームレンズを得るためには以下の条件式を満足するのがよい。
6<|Rc|/fw<21
ただし、Rcおよびfwはそれぞれ第1レンズ群G1の接合面の曲率半径および、広角端での焦点距離を表す。|Rc|/fwが「6」以下になると接合面のパワーが大きくなりすぎて収差のバランスが取りにくくなり、「21」以上になると、パワーが小さくなりすぎて十分な収差補正能力を得られなくなり、ともに良好な収差補正が難しくなる。さらに望ましくは以下の条件式を満たすのがよい。
8<|RC|/fw<12
【0023】
本発明のズームレンズにおいて、倍率色収差をさらに良好に補正するためには、第1レンズ群G1の負レンズL3の像側面における少なくとも1面を非球面とするのがよい。これら負レンズの像側面は強い凹面すなわち半径の小さい凹面であり、特に短焦点側の軸外光線の収差補正に効果的である。
【0024】
本発明にかかるズームレンズにおいて、さらなる全長の小型化を図るには、第5レンズ群G5を、少なくとも非球面を一面有する正の単レンズL10によって構成するのがよい。非球面を用いることで、第5レンズ群G5の単レンズ化による収差補正能力の低下を最小限に押さえることが可能となる。その際、さらなる小型化を図るには、以下の条件式を満足するのがよい。
1.75<NG5<1.90
20<νg5<30
ただし、NG5およびνg5はそれぞれ第5レンズ群G5の正レンズL10の屈折率およびアッベ数を表す。Ng5が1.75以下、νg5が30以上になるとレンズのパワーが不足して全長が増大する。Ng5が1.90以上、νg5が20以下になると、収差補正上有利ではあるが、硝材が高価になるため、不必要なコストアップを招く。さらに望ましくは以下の条件式を満たすのがよい。
1.80<Ng5<1.85
【0025】
本発明にかかるズームレンズを、さらに簡素で高性能なものとするためには、少なくとも第3レンズ群G3の最も物体側のレンズにおける物体側面を非球面とすることが望ましい。第3レンズ群G3の最も物体側の面は絞りの近傍であり、マージナル光線が十分な高さを有している上、光線高さのズーミングによる変化が少ないため、ここに非球面を設けることによって、結像性能の基本となる球面収差をより良好に補正することが可能となる。
【0026】
以下に、本発明にかかるズームレンズの具体的な数値実施例を示す。各実施例にかかるズームレンズの収差は十分に補正されており、300万画素〜500万画素の受光素子に対応すること、換言すれば、300万画素〜500万画素の高密度受光素子を使用してもその性能を発揮させることが可能となっている。よって、本発明のようにズームレンズを構成することで、十分な小型化を達成しながら良好な像性能の確保を達成することができる。
【0027】
実施例における記号の意味は以下の通りである。
f :全系の焦点距離
F :Fナンバ
ω :半画角
R :曲率半径
D :面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
A12:12次の非球面係数
A14:14次の非球面係数
A16:16次の非球面係数
A18:18次の非球面係数
【0028】
ただし、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、以下の式で定義される。
図1ないし図6に示す各実施例において、第5レンズ群G5の正レンズL10の後ろ側すなわち像面側に配置されている光学部材は、レンズ作用のない平板状のフィルター類である。また、レンズ同士の張り合わせ面は、一方側のレンズ面で代表して示されている。
【0029】
実施例1
図1は、本発明にかかるズームレンズの第1の実施例を示す。第1レンズ群G1は、前述の3枚のレンズL1,L2,L3からなる。第2レンズ群G2は、負メニスカスの第4レンズL4とこれに貼り合わせられた凸の第5レンズL5と、凸の第6レンズL6からなる。第3レンズ群G3は、凹レンズからなる単独の第7レンズL7からなる。第4レンズ群G4は、凸の第8レンズL8と凹メニスカスの第9レンズL9からなる。第5レンズ群G5は、凸の第10レンズL10と、平板からなる各種フィルターからなる。実施例5までは、以上説明したレンズの配置と変わりがなく、数値が異なる。実施例1の各レンズの数値は以下のとおりである。
f=5.95〜28.13,F=2.60〜4.61、ω=39.24〜9.49
非球面;第2面
【0030】
可変間隔
条件式数値
実施例1の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図7、図8、図9に示す。図7は短焦点端における収差曲線図、図8は中間焦点距離における収差曲線図、図9は長焦点端における収差曲線図である。球面収差を示している図中の破線は正弦条件を示す。非点収差を示す図中の実線はサジタルを、破線はメリディオナルを示している。以下、実施例2から実施例6までの収差曲線においても同様である。
【0031】
実施例2
図2は実施例2にかかるズームレンズを示す。実施例2の数値は次のとおりである。
非球面;第2面
【0032】
可変間隔
条件式数値
実施例2の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図10、図11、図12に示す。図10は短焦点端における収差曲線図、図11は中間焦点距離における収差曲線図、図12は長焦点端における収差曲線図である。
【0033】
実施例3
図3は実施例3にかかるズームレンズを示す。実施例3の数値は次のとおりである。
非球面;第5面
【0034】
可変間隔
条件式数値
実施例3の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図13、図14、図15に示す。図13は短焦点端における収差曲線図、図14は中間焦点距離における収差曲線図、図15は長焦点端における収差曲線図である。
【0035】
実施例4
図4は実施例4にかかるズームレンズを示す。実施例4の数値は次のとおりである。
f=5.95〜28.13,F=2.36〜4.76,
ω=39.27〜9.42
【0036】
可変間隔
条件式数値
実施例4の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図16、図17、図18に示す。図16は短焦点端における収差曲線図、図17は中間焦点距離における収差曲線図、図18は長焦点端における収差曲線図である。
【0037】
実施例5
図5は実施例5にかかるズームレンズを示す。実施例5の数値は次のとおりである。
【0038】
可変間隔
条件式数値
実施例5の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図19、図20、図21に示す。図19は短焦点端における収差曲線図、図20は中間焦点距離における収差曲線図、図21は長焦点端における収差曲線図である。
【0039】
実施例6
図6は実施例6にかかるズームレンズを示す。実施例6は、実施例1から5にかかるズームレンズと異なり、第3レンズ群G3の構成を、凹の第7レンズL7と、メニスカスの第8レンズL8の2枚構成にして、第3レンズ群G3としては負の焦点距離を持つようにしたものである。第4レンズ群G4、第5レンズ群G5は、実施例1から5にかかるズームレンズの第4、第5レンズ群G4,G6の構成とほぼ同じで、第4レンズ群G4は、2枚のレンズL9、L10からなり、第5レンズ群G5は1枚のレンズL11とフィルター類からなる。
実施例6の数値は次のとおりである。
【0040】
可変間隔
条件式数値
実施例6の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図22、図23、図24に示す。図22は短焦点端における収差曲線図、図23は中間焦点距離における収差曲線図、図24は長焦点端における収差曲線図である。
【0041】
これまで説明してきた本発明にかかるズームレンズは、デジタルカメラ、銀塩フイルムカメラ、ビデオカメラ、等々のカメラ、または、カメラ機能つき携帯電話、PDAなどの携帯情報端末装置などに適用可能である。図25乃至図27は、本発明にかかるズームレンズが組み込まれたデジタルカメラの実施例の外観を示す。図示の実施例は撮影レンズ10として前述の各実施例にかかるズームレンズが用いられていて、この撮影レンズ10は沈胴式になっている。図25は撮影レンズ10をカメラのボディ内に沈胴させた状態を、図6は撮影レンズ10をカメラのボディから突出させて撮影可能な状態を示している。図27は、カメラの裏側から見た図である。
【0042】
図25乃至図27において、カメラは、撮影レンズ10とボディ内に配置された受光素子としてのエリアセンサ、例えばCCD(チャージ・カップルド・デバイス:電荷結合素子)を有していて、撮影レンズ10によって形成される撮影対象物の画像情報を受光素子上で読み取り電気信号に変換するように構成されている。この撮影レンズ10は、前記実施例1から実施例6にかかるズームレンズのうちのいずれかを用いる。図25乃至図27において、符号12はファインダを、14はシャッタボタンを、16は電源スイッチを、18はストロボ発光器を、20は液晶パネルからなるモニタを、22は操作ボタンを、24はズーム操作レバーをそれぞれ示している。カメラボディの一側部には、カードスロット26が設けられている。カードスロット26には、記録媒体としてのメモリーカードまたは通信カードを装填することができる。メモリーカードを装填すれば、このメモリーカードに撮影画像情報を保存することができる。通信カードを装填すれば、カメラと外部機器、例えばパソコンとの間で情報のやり取りを行うことができる。
【0043】
図24は、カメラに内蔵されている信号処理系等の例を示す。図24において、例えばCCDからなる受光素子36に、撮影レンズ10によって被写体像が結像されることによって、受光素子36から被写体像に対応した画像情報信号が出力され、この出力信号は、中央演算装置30の制御を受ける信号処理装置38によって処理され、デジタル情報に変換される。信号処理装置38によってデジタル化された画像情報信号は、中央演算装置30の制御を受ける画像処理装置40において所定の画像処理を受けた後、半導体メモリ34に記録される。液晶モニタ20には、中央演算装置30の制御によって撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ34に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ34に記録した画像は前述の通信カード等を使用して外部へ送信することも可能である。
【0044】
撮影レンズ10は、カメラの携帯時には図25に示すように沈胴状態にあり、ユーザが電源スイッチ16を操作して電源を入れると、図26に示すように撮影レンズ10の鏡胴が繰り出される。このとき、鏡胴の内部でズームレンズの各レンズ群は例えば短焦点端の配置となっており、ズームレバー24を操作することで各レンズ群の配置が変化し、長焦点端への変倍を行うことができる。このとき、ファインダ12も撮影レンズ10の画角の変化に連動して変倍する。
【0045】
シャッタボタン14の半押しによりフォーカシングがなされる。請求項1〜請求項8に記載のズームレンズにおいて、フォーカシングは第5レンズ群G5の光軸方向への移動、もしくは、受光素子36の光軸方向への移動によって行うことができる。シャッタボタン14をさらに押し込むと撮影がなされ、その後は既述の処理がなされる。
【0046】
半導体メモリ34に記録した画像情報信号によって液晶モニタに画像を表示し、あるいは、カード等を使用して画像情報信号を外部へ送信する際は、操作ボタン22を使用して行う。半導体メモリ34および通信カード等は、それぞれ専用または汎用の前記スロット26に挿入して使用される。
【0047】
前記実施例1から実施例6に示すような本発明にかかるズームレンズは、カメラ付き携帯電話の撮影用光学系として適用することができ、また、カメラ機能部を有する携帯情報端末、例えば、個人向け携帯型情報通信機器(PDA)の撮影用光学系として適用することができる。こうすることよって、300万画素〜500万画素クラスの受光素子を使用した、高画質で小型のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、例えば、300万〜500万画素というような画素数の多い撮像素子に対応した解像力を有する高性能のズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、第1レンズ群の径が小型で広画角かつ高画質のカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、全長をより小型化したズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、全長もより短く、高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0050】
請求項3ないし請求項4に記載の発明によれば、より簡素な構成で性能劣化の少ないズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より性能の安定した小型のカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0051】
請求項5に記載の発明によれば、主として倍率色収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0052】
請求項6ないし請求項7記載の発明によれば、高性能でありながら、十分に小型なズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より小型で高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0053】
請求項8記載の発明によれば、主として球面収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0054】
請求項9記載の発明によれば、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素というような画素数の多い撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用することにより、小型かつ広画角で高画質の、携帯性に優れたカメラを提供することができる。
【0055】
請求項10記載の発明によれば、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素というような画素数の多い撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用することにより、小型かつ広画角で高画質の、携帯性に優れた携帯情報端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図2】実施例2のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図3】実施例3のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図4】実施例4のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図5】実施例5のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図6】実施例6のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図7】実施例1のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図8】実施例1のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図9】値実施例1のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図10】実施例2のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図11】値実施例2のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図12】実施例2のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図13】実施例3のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図14】実施例3のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図15】実施例3のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図16】実施例4のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図17】実施例4のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図18】実施例4のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図19】実施例5のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図20】実施例5のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図21】実施例5のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図22】実施例6のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図23】実施例6のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図24】実施例6のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図25】本発明にかかるカメラの一実施形態を斜め前方から示す外観斜視図である。
【図26】上記実施形態の異なる作動態様を斜め前方から示す外観斜視図である。
【図27】本発明にかかるカメラの一実施形態を斜め後ろから示す外観斜視図である。
【図28】本発明にかかるカメラ内部の信号処理系統の例を示すブロック図である。
【図29】本発明における第1レンズ群レンズ部分を拡大して光束が通る様子とともに示す光学配置図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
10 撮影レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、結像光学系として用いることができるズームレンズ、これを用いたカメラおよび携帯情報端末に関するもので、例えば、デジタルカメラ、銀塩フイルム式カメラ、ビデオカメラなど各種カメラの撮影用光学系として、また、カメラ機能部を有する携帯電話その他の携帯情報端末における上記カメラ機能部の撮影用光学系として用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラの市場は非常に大きなものとなっており、ユーザのデジタルカメラに対する要望も多岐にわたっている。高画質化、小型化の要望は言うまでもなく、撮影レンズの広画角化の要望も大きい。高画角化に関しては、撮影レンズとして用いるズームレンズの短焦点端の半画角は38度以上であることが望まれている。一方、撮影レンズの高変倍化への要望も非常に大きく、その場合、撮影レンズとして用いるズームレンズの変倍比は4倍以上であることが望まれている。
【0003】
デジタルカメラ用ズームレンズの形式には多くのものが考えられるが、広画角化に適したタイプとして、最も物体側に配置された第1レンズ群が負の焦点距離を持つ、いわゆる負先行型のズームレンズがある。具体的には負・正・負・正の焦点距離を持つレンズがこの順に配置された4群構成のズームレンズがある(例えば、特許文献1参照)。また、上記4群構成のレンズの像側に正レンズ群を加えた負・正・負・正・正の5群構成のズームなどがある(例えば、特許文献2、図5参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−287167号公報
【特許文献2】特開2000−305017号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されている「高変倍ズームレンズ」は、負・正・負・正のレンズ群をこの順に配置した4群構成のズームレンズであり、各レンズ群の焦点距離を適切に設定することにより、半画角は40°以上にすることを可能にするとともに、変倍比も5倍を実現している。しかし、レンズ枚数が14枚と多いために十分に小型であるとはいえない。
【0006】
特許文献2に記載されている5群構成の「ズームレンズ」は、負・正・負・正・正のレンズ群をこの順に配置したズームレンズであり、変倍に際して少なくとも第2レンズ群と第3レンズ群と第4レンズ群を物体側に移動させるとともに、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が大きくなり、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔は小さくなるようにすることで、広画角化と高変倍化を両立させている。しかし、レンズ枚数が多く、十分に小型であるとはいえない。
【0007】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、第1の目的は、十分に広画角でありかつ高変倍率でありながら、第1レンズ群の径が小型でかつ高性能であり、例えば300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを提供することにある。
本発明の第2の目的は、十分に高性能でありながら、全長をより小型化することができるズームレンズを提供することにある。
本発明の第3の目的は、より簡素な構造で性能劣化の少ないズームレンズを提供することにある。
本発明の第4の目的は、主として倍率色収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することにある。
本発明の第5の目的は、主として球面収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することにある。
本発明の第6の目的は、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した、小型、広画角で高画質のカメラを提供することにある。
本発明の第7の目的は、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した、小型、広画角で高画質の携帯情報端末を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
図1ないし図6は、本発明にかかるズームレンズの実施例を示す。各実施例にかかるズームレンズはともに、物体側より順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群G1、正の焦点距離を持つ第2レンズ群G2、負の焦点距離を持つ第3レンズ群G3、正の焦点距離を持つ第4レンズ群G4、そして正の焦点距離を持つ第5レンズ群G5を有してなる。第3レンズ群G3の物体側に第3レンズ群G3と一体に移動する絞りSを有している。図1ないし図6に示す各レンズの配置は短焦点端での配置を示しており、矢印は、各レンズ群の短焦点端から長焦点端への移動軌跡を示している。短焦点端から長焦点端への変倍に際して、第1レンズ群G1は像面側に凸の軌跡を描くように、他のレンズ群は像側から物体側にほぼ直線的に移動して各レンズ群の空気間隔を変化させることによって、焦点距離を連続的に変化させるように構成されている。さらに、各請求項記載のズームレンズ、これを用いたカメラおよび携帯情報端末はそれぞれ以下の特徴を持つものである。
【0009】
請求項1に記載のズームレンズは、第1レンズ群G1は物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1、両凸レンズL2、負レンズL3からなることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のズームレンズは、請求項1に記載のズームレンズにおいて、N1およびν1がそれぞれ第1レンズ群G1の負メニスカスレンズL1の屈折率およびアッベ数を表し、N2およびν2がそれぞれ第1レンズ群G1の両凸レンズL2の屈折率およびアッベ数を表すとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
1.74<N1<1.95
1.80<N2<1.95
ν1−ν2>20
【0011】
請求項3記載のズームレンズは、請求項1から請求項2に記載のズームレンズにおいて、少なくとも第1レンズ群G1の両凸レンズL2とその像側の負レンズL3が接合されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のズームレンズは、請求項3に記載のズームレンズにおいて、Rcおよびfwがそれぞれ第1レンズ群G1の接合面の曲率半径および、広角端での焦点距離を表すとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
6<|Rc|/fw<21
【0013】
請求項5記載のズームレンズは、請求項1から請求項4のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1に、像側面が非球面である負レンズを少なくとも一枚有することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載のズームレンズは、請求項1から請求項5のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第5レンズ群G5を少なくとも一面が非球面である一枚の正レンズから構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載のズームレンズは、請求項6に記載のズームレンズにおいて、Ng5およびνg5がそれぞれ第5レンズ群L5の正レンズの屈折率およびアッベ数を表すとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
1.75<Ng5<1.90
20<νg5<30
【0016】
請求項8に記載のズームレンズは、請求項1から7のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第3レンズ群G3の最も物体側の面が非球面であることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載のカメラは、請求項1から請求項8のいずれかに記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の携帯情報端末装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載のズームレンズを、カメラ機能部を備えた携帯情報端末装置の撮影用光学系として有することを特徴とする。
【0019】
35mmサイズのフイルムを用いる銀塩カメラに換算した焦点距離が、例えば28mmというような広画角から、その4倍以上の焦点距離まで連続して変化させることができる高変倍ズームレンズには、物体側より順に数えて第1レンズ群が負の焦点距離を持ついわゆる負先行型が適している。第1レンズ群が高画角で受け入れて、これを後のレンズ群につなぐことができるからである。この高画角、高倍率を可能にした負先行型ズームレンズには、物体側から順に負・正・負・正のレンズ群からなる4群ズームレンズ、あるいはこの4群の像側に正レンズ群を加えた負・正・負・正・正のレンズ群からなる5群ズームレンズが適している。
これら負レンズ群が先行するズームレンズ構成では、第1レンズ群の径を比較的小さくすることできるが、半画角が40°近くまで広くなると、さらなる工夫が必要となってくる。
【0020】
本発明にかかるズームレンズにおいては、第1レンズ群の小径化を達成するために、第1レンズ群を、物体側に凸面を向けた負メニスカスの第1レンズと両凸の第2レンズと負の第3レンズの3枚のレンズで構成した。このように構成すると、図29に示すように、軸外の下光線は、像面から追跡したときに、第1レンズ群G1の負の第3レンズL3によって一度は外側に広がるものの、両凸の第2レンズL2によって内側に曲げられ、それから第1レンズL1によって再び外側に広げられる。本発明においては、負のレンズと正のレンズを交互に配置しているので、前玉すなわち物体側から数えて第1番目のレンズL1の径が大きくなることを防ぐことができる。第1レンズ群の構成は負メニスカスレンズと両凸レンズの2枚とすることも考えられるが、2枚のレンズだけでは広角端での像性能が劣化する難点がある。
また、本発明にかかるズームレンズにおいては、負・正・負・正・正の5群ズームレンズとすることで、像面位置の補正の自由度を増したため、十分な性能を維持しながら、レンズ枚数を9〜10枚と低減することが可能となった。
【0021】
本発明のズームレンズにおいて、全長をより小型化するには、以下の条件式を満足するのが望ましい。
1.74<N1<1.95
1.80<N2<1.95
ν1−ν2>20
ただし、N1およびν1はそれぞれ第1レンズ群の負メニスカスレンズの屈折率およびアッベ数を、N2およびν2がそれぞれ第1レンズ群の両凸レンズの屈折率およびアッベ数を表す。N1、N2が1.74以下になると各レンズのパワーが不足して全長が増大するし、N1、N2が1.95以上になると、そのような硝材は高価であるため、急激なコストアップの要因となる。また、ν1−ν2の値が20以下になると軸外において倍率色収差の補正能力が不足し、性能が低下する。さらに望ましくは以下の条件式を満足するのがよい。
1.74<N1<1.85
1.80<N2<1.85
【0022】
本発明のズームレンズにおいて、レンズの組み付け誤差による性能劣化を減少させるためには、少なくとも第1レンズ群G1の両凸レンズL2とその像側に配置される負レンズL3とを接合するとよい。両凸レンズL2の像側面と負レンズL3の物体側面は互いに打ち消しあう方向の収差が大きく発生している。これら2つのレンズの相対的な偏心による像性能の劣化は特に短焦点側で大きくなる。しかし、これら2つのレンズを接合することで、上記のように収差が打ち消され、像性能の劣化を防止することができる。その際、さらに高性能なズームレンズを得るためには以下の条件式を満足するのがよい。
6<|Rc|/fw<21
ただし、Rcおよびfwはそれぞれ第1レンズ群G1の接合面の曲率半径および、広角端での焦点距離を表す。|Rc|/fwが「6」以下になると接合面のパワーが大きくなりすぎて収差のバランスが取りにくくなり、「21」以上になると、パワーが小さくなりすぎて十分な収差補正能力を得られなくなり、ともに良好な収差補正が難しくなる。さらに望ましくは以下の条件式を満たすのがよい。
8<|RC|/fw<12
【0023】
本発明のズームレンズにおいて、倍率色収差をさらに良好に補正するためには、第1レンズ群G1の負レンズL3の像側面における少なくとも1面を非球面とするのがよい。これら負レンズの像側面は強い凹面すなわち半径の小さい凹面であり、特に短焦点側の軸外光線の収差補正に効果的である。
【0024】
本発明にかかるズームレンズにおいて、さらなる全長の小型化を図るには、第5レンズ群G5を、少なくとも非球面を一面有する正の単レンズL10によって構成するのがよい。非球面を用いることで、第5レンズ群G5の単レンズ化による収差補正能力の低下を最小限に押さえることが可能となる。その際、さらなる小型化を図るには、以下の条件式を満足するのがよい。
1.75<NG5<1.90
20<νg5<30
ただし、NG5およびνg5はそれぞれ第5レンズ群G5の正レンズL10の屈折率およびアッベ数を表す。Ng5が1.75以下、νg5が30以上になるとレンズのパワーが不足して全長が増大する。Ng5が1.90以上、νg5が20以下になると、収差補正上有利ではあるが、硝材が高価になるため、不必要なコストアップを招く。さらに望ましくは以下の条件式を満たすのがよい。
1.80<Ng5<1.85
【0025】
本発明にかかるズームレンズを、さらに簡素で高性能なものとするためには、少なくとも第3レンズ群G3の最も物体側のレンズにおける物体側面を非球面とすることが望ましい。第3レンズ群G3の最も物体側の面は絞りの近傍であり、マージナル光線が十分な高さを有している上、光線高さのズーミングによる変化が少ないため、ここに非球面を設けることによって、結像性能の基本となる球面収差をより良好に補正することが可能となる。
【0026】
以下に、本発明にかかるズームレンズの具体的な数値実施例を示す。各実施例にかかるズームレンズの収差は十分に補正されており、300万画素〜500万画素の受光素子に対応すること、換言すれば、300万画素〜500万画素の高密度受光素子を使用してもその性能を発揮させることが可能となっている。よって、本発明のようにズームレンズを構成することで、十分な小型化を達成しながら良好な像性能の確保を達成することができる。
【0027】
実施例における記号の意味は以下の通りである。
f :全系の焦点距離
F :Fナンバ
ω :半画角
R :曲率半径
D :面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
A12:12次の非球面係数
A14:14次の非球面係数
A16:16次の非球面係数
A18:18次の非球面係数
【0028】
ただし、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、以下の式で定義される。
図1ないし図6に示す各実施例において、第5レンズ群G5の正レンズL10の後ろ側すなわち像面側に配置されている光学部材は、レンズ作用のない平板状のフィルター類である。また、レンズ同士の張り合わせ面は、一方側のレンズ面で代表して示されている。
【0029】
実施例1
図1は、本発明にかかるズームレンズの第1の実施例を示す。第1レンズ群G1は、前述の3枚のレンズL1,L2,L3からなる。第2レンズ群G2は、負メニスカスの第4レンズL4とこれに貼り合わせられた凸の第5レンズL5と、凸の第6レンズL6からなる。第3レンズ群G3は、凹レンズからなる単独の第7レンズL7からなる。第4レンズ群G4は、凸の第8レンズL8と凹メニスカスの第9レンズL9からなる。第5レンズ群G5は、凸の第10レンズL10と、平板からなる各種フィルターからなる。実施例5までは、以上説明したレンズの配置と変わりがなく、数値が異なる。実施例1の各レンズの数値は以下のとおりである。
f=5.95〜28.13,F=2.60〜4.61、ω=39.24〜9.49
非球面;第2面
【0030】
可変間隔
条件式数値
実施例1の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図7、図8、図9に示す。図7は短焦点端における収差曲線図、図8は中間焦点距離における収差曲線図、図9は長焦点端における収差曲線図である。球面収差を示している図中の破線は正弦条件を示す。非点収差を示す図中の実線はサジタルを、破線はメリディオナルを示している。以下、実施例2から実施例6までの収差曲線においても同様である。
【0031】
実施例2
図2は実施例2にかかるズームレンズを示す。実施例2の数値は次のとおりである。
非球面;第2面
【0032】
可変間隔
条件式数値
実施例2の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図10、図11、図12に示す。図10は短焦点端における収差曲線図、図11は中間焦点距離における収差曲線図、図12は長焦点端における収差曲線図である。
【0033】
実施例3
図3は実施例3にかかるズームレンズを示す。実施例3の数値は次のとおりである。
非球面;第5面
【0034】
可変間隔
条件式数値
実施例3の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図13、図14、図15に示す。図13は短焦点端における収差曲線図、図14は中間焦点距離における収差曲線図、図15は長焦点端における収差曲線図である。
【0035】
実施例4
図4は実施例4にかかるズームレンズを示す。実施例4の数値は次のとおりである。
f=5.95〜28.13,F=2.36〜4.76,
ω=39.27〜9.42
【0036】
可変間隔
条件式数値
実施例4の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図16、図17、図18に示す。図16は短焦点端における収差曲線図、図17は中間焦点距離における収差曲線図、図18は長焦点端における収差曲線図である。
【0037】
実施例5
図5は実施例5にかかるズームレンズを示す。実施例5の数値は次のとおりである。
【0038】
可変間隔
条件式数値
実施例5の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図19、図20、図21に示す。図19は短焦点端における収差曲線図、図20は中間焦点距離における収差曲線図、図21は長焦点端における収差曲線図である。
【0039】
実施例6
図6は実施例6にかかるズームレンズを示す。実施例6は、実施例1から5にかかるズームレンズと異なり、第3レンズ群G3の構成を、凹の第7レンズL7と、メニスカスの第8レンズL8の2枚構成にして、第3レンズ群G3としては負の焦点距離を持つようにしたものである。第4レンズ群G4、第5レンズ群G5は、実施例1から5にかかるズームレンズの第4、第5レンズ群G4,G6の構成とほぼ同じで、第4レンズ群G4は、2枚のレンズL9、L10からなり、第5レンズ群G5は1枚のレンズL11とフィルター類からなる。
実施例6の数値は次のとおりである。
【0040】
可変間隔
条件式数値
実施例6の各種収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の曲線を図22、図23、図24に示す。図22は短焦点端における収差曲線図、図23は中間焦点距離における収差曲線図、図24は長焦点端における収差曲線図である。
【0041】
これまで説明してきた本発明にかかるズームレンズは、デジタルカメラ、銀塩フイルムカメラ、ビデオカメラ、等々のカメラ、または、カメラ機能つき携帯電話、PDAなどの携帯情報端末装置などに適用可能である。図25乃至図27は、本発明にかかるズームレンズが組み込まれたデジタルカメラの実施例の外観を示す。図示の実施例は撮影レンズ10として前述の各実施例にかかるズームレンズが用いられていて、この撮影レンズ10は沈胴式になっている。図25は撮影レンズ10をカメラのボディ内に沈胴させた状態を、図6は撮影レンズ10をカメラのボディから突出させて撮影可能な状態を示している。図27は、カメラの裏側から見た図である。
【0042】
図25乃至図27において、カメラは、撮影レンズ10とボディ内に配置された受光素子としてのエリアセンサ、例えばCCD(チャージ・カップルド・デバイス:電荷結合素子)を有していて、撮影レンズ10によって形成される撮影対象物の画像情報を受光素子上で読み取り電気信号に変換するように構成されている。この撮影レンズ10は、前記実施例1から実施例6にかかるズームレンズのうちのいずれかを用いる。図25乃至図27において、符号12はファインダを、14はシャッタボタンを、16は電源スイッチを、18はストロボ発光器を、20は液晶パネルからなるモニタを、22は操作ボタンを、24はズーム操作レバーをそれぞれ示している。カメラボディの一側部には、カードスロット26が設けられている。カードスロット26には、記録媒体としてのメモリーカードまたは通信カードを装填することができる。メモリーカードを装填すれば、このメモリーカードに撮影画像情報を保存することができる。通信カードを装填すれば、カメラと外部機器、例えばパソコンとの間で情報のやり取りを行うことができる。
【0043】
図24は、カメラに内蔵されている信号処理系等の例を示す。図24において、例えばCCDからなる受光素子36に、撮影レンズ10によって被写体像が結像されることによって、受光素子36から被写体像に対応した画像情報信号が出力され、この出力信号は、中央演算装置30の制御を受ける信号処理装置38によって処理され、デジタル情報に変換される。信号処理装置38によってデジタル化された画像情報信号は、中央演算装置30の制御を受ける画像処理装置40において所定の画像処理を受けた後、半導体メモリ34に記録される。液晶モニタ20には、中央演算装置30の制御によって撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ34に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ34に記録した画像は前述の通信カード等を使用して外部へ送信することも可能である。
【0044】
撮影レンズ10は、カメラの携帯時には図25に示すように沈胴状態にあり、ユーザが電源スイッチ16を操作して電源を入れると、図26に示すように撮影レンズ10の鏡胴が繰り出される。このとき、鏡胴の内部でズームレンズの各レンズ群は例えば短焦点端の配置となっており、ズームレバー24を操作することで各レンズ群の配置が変化し、長焦点端への変倍を行うことができる。このとき、ファインダ12も撮影レンズ10の画角の変化に連動して変倍する。
【0045】
シャッタボタン14の半押しによりフォーカシングがなされる。請求項1〜請求項8に記載のズームレンズにおいて、フォーカシングは第5レンズ群G5の光軸方向への移動、もしくは、受光素子36の光軸方向への移動によって行うことができる。シャッタボタン14をさらに押し込むと撮影がなされ、その後は既述の処理がなされる。
【0046】
半導体メモリ34に記録した画像情報信号によって液晶モニタに画像を表示し、あるいは、カード等を使用して画像情報信号を外部へ送信する際は、操作ボタン22を使用して行う。半導体メモリ34および通信カード等は、それぞれ専用または汎用の前記スロット26に挿入して使用される。
【0047】
前記実施例1から実施例6に示すような本発明にかかるズームレンズは、カメラ付き携帯電話の撮影用光学系として適用することができ、また、カメラ機能部を有する携帯情報端末、例えば、個人向け携帯型情報通信機器(PDA)の撮影用光学系として適用することができる。こうすることよって、300万画素〜500万画素クラスの受光素子を使用した、高画質で小型のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、例えば、300万〜500万画素というような画素数の多い撮像素子に対応した解像力を有する高性能のズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、第1レンズ群の径が小型で広画角かつ高画質のカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、全長をより小型化したズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、全長もより短く、高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0050】
請求項3ないし請求項4に記載の発明によれば、より簡素な構成で性能劣化の少ないズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より性能の安定した小型のカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0051】
請求項5に記載の発明によれば、主として倍率色収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0052】
請求項6ないし請求項7記載の発明によれば、高性能でありながら、十分に小型なズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より小型で高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0053】
請求項8記載の発明によれば、主として球面収差をさらに良好に補正した、より高性能なズームレンズを提供することができる。このズームレンズをカメラや携帯情報端末に適用することによって、より高画質なカメラおよび携帯情報端末を実現することができる。
【0054】
請求項9記載の発明によれば、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素というような画素数の多い撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用することにより、小型かつ広画角で高画質の、携帯性に優れたカメラを提供することができる。
【0055】
請求項10記載の発明によれば、十分に小型、広画角でありながら高性能であり、例えば300万〜500万画素というような画素数の多い撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用することにより、小型かつ広画角で高画質の、携帯性に優れた携帯情報端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図2】実施例2のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図3】実施例3のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図4】実施例4のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図5】実施例5のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図6】実施例6のズームレンズの構成を示す光学配置図である。
【図7】実施例1のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図8】実施例1のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図9】値実施例1のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図10】実施例2のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図11】値実施例2のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図12】実施例2のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図13】実施例3のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図14】実施例3のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図15】実施例3のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図16】実施例4のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図17】実施例4のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図18】実施例4のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図19】実施例5のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図20】実施例5のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図21】実施例5のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図22】実施例6のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図23】実施例6のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。
【図24】実施例6のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図25】本発明にかかるカメラの一実施形態を斜め前方から示す外観斜視図である。
【図26】上記実施形態の異なる作動態様を斜め前方から示す外観斜視図である。
【図27】本発明にかかるカメラの一実施形態を斜め後ろから示す外観斜視図である。
【図28】本発明にかかるカメラ内部の信号処理系統の例を示すブロック図である。
【図29】本発明における第1レンズ群レンズ部分を拡大して光束が通る様子とともに示す光学配置図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
10 撮影レンズ
Claims (10)
- 物体側より順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群、そして正の焦点距離を持つ第5レンズ群を有するとともに、
第3レンズ群の物体側に第3レンズ群と一体に移動する絞りを有しており、
短焦点端から長焦点端への変倍に際して、第1レンズ群は像面側に凸の軌跡を描いて移動し、他のレンズ群は像側から物体側に移動して各レンズ群の空気間隔を変化させるズームレンズにおいて、
第1レンズ群は物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスの第1レンズ、両凸の第2レンズ、負の第3レンズからなることを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1に記載のズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
1.74<N1<1.95
1.74<N2<1.95
ν1−ν2>20
ただし、N1およびν1はそれぞれ第1レンズ群の第1レンズの屈折率およびアッベ数を、N2およびν2はそれぞれ第1レンズ群の第2レンズの屈折率およびアッベ数を表す。 - 請求項1から2のいずれかに記載のズームレンズにおいて、少なくとも第1レンズ群の第2レンズと第3レンズが接合されていることを特徴とするズームレンズ。
- 請求項3に記載のズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
6<|Rc|/fw<21
ただし、Rcおよびfwはそれぞれ第1レンズ群の接合面の曲率半径および広角端での焦点距離を表す。 - 請求項1から4のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第1レンズ群に像側の面が非球面である負レンズを少なくとも一枚有することを特徴とするズームレンズ。
- 請求項1から5のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第5レンズ群は少なくとも一面が非球面である一枚の正レンズから構成されていることを特徴とするズームレンズ。
- 請求項6に記載のズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
1.75<Ng5<1.90
20<νg5<30
ただし、Ng5およびνg5はそれぞれ第5レンズ群の正レンズの屈折率およびアッベ数を表す。 - 請求項1から7のいずれかに記載のズームレンズにおいて、第3レンズ群の最も物体側の面が非球面であることを特徴とするズームレンズ。
- 請求項1から8のいずれかに記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することを特徴とするカメラ。
- 請求項1から8のいずれかに記載のズームレンズを、カメラ機能部の撮影用光学系として有することを特徴とする携帯情報端末。
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