JP2004270861A - 圧力容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ライナを分割式とした場合に、圧力容器を大型化せずに分割部分のシール性を確保できる圧力容器を提供する。
【解決手段】水素タンク11は中空状のライナ12と、ライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13とを備え、内部の収容室14に水素吸蔵用ユニット15が収容されている。ライナ12は両端が分割されて、筒状の本体部16と、本体部16の開口部16a,16bを覆う蓋部17,18とを備えている。開口部16a,16bは断面が円形で、その口径が水素吸蔵用ユニット15を挿入可能な大きさに形成されている。蓋部17,18は開口部16a,16bに嵌挿される凸部22と、フランジ部23とを備え、凸部22の周面と開口部16a,16bの周面との間にシール部材24が介装されている。開口部16a,16bと対応するライナ12の外面に周方向に沿って設けられた環状の溝28に、開口部16a,16bの拡がり防止用の環状の補強部29が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力容器に係り、詳しくは中空状のライナと、ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、内部に組立品が収容されている圧力容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化を抑制する意識が高まってきており、特に車両から排出される二酸化炭素の低減を目的として燃料電池電気自動車や水素自動車等の開発が盛んである。これら自動車では水素と酸素とを電気化学的に反応させて電力を起こし、その電気をモータに供給して駆動力を発生させている。この種の水素供給源としては水素タンクが用いられ、水素タンクには高い圧力で水素が充填されている。
【0003】
図6は、特許文献1に開示された水素タンクの断面図である。水素タンク51は中空状(樽状)をなすライナ52を有し、ライナ52は気密性を確保可能な材質(例えば高密度ポリエチレン等)からなる。ライナ52の前端及び後端には熱伝導が良好なアルミニウム等を材質としたトップボス53とエンドボス54とが各々固着されている。トップボス53及びエンドボス54は一部分が外部に露出した状態で組み付けられ、タンク内部の発熱及び吸熱をタンク外部に導く働きをする。
【0004】
ライナ52の外周面全域にはシェル55が被覆され、シェル55は耐圧性を確保可能な材質、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics :繊維強化樹脂)からなる。ライナ52の内部には複数のフィン56とフィン56を支持する軸材57とからなるフィンアセンブリ58が収容され、軸材57の各端部がトップボス53及びエンドボス54に各々固着されている。フィンアセンブリ58は熱伝導が良好なアルミニウム等を材質とし、タンク内部の発熱及び吸熱をトップボス53及びエンドボス54を介してタンク外部に放出している。
【0005】
ところで、フィンアセンブリ58等の内容物を収容したライナを一体型のアルミニウム製のライナで製造する場合、この種のライナはフィンアセンブリ58との接合部分を真空ろう付けしてスピニング加工することによって製造される。しかし、スピニング加工により製造するとライナに熱が加わるので、強度が下がり割れ易くなることから、例えば500度程度でライナを再熱処理する必要がある。しかし、再熱処理を行うと、ろう付け部分が剥がれたり、局所的に配置されたシールの材質がもたない問題が生じるので、内容物を組み込む場合にはライナを分割式にせざるをえない現状がある。
【0006】
図7は分割式のライナ52を用いた水素タンク51の一部(端部)を模式的に示す部分断面図である。ライナ52はドーム部において分割され、略筒状の本体部59と本体部59の開口部を覆う蓋部60とを備えている。本体部59と蓋部60との間のシール構造として、本体部59と蓋部60との接合面のうちライナ52の軸方向に延びるシール面61にOリング62が配置された軸シールが設けられる。ライナ52の外側はシェル(図示せず)で覆われている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−181295号公報(明細書の段落[0030]〜[0039]、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内部が高圧の水素タンク51ではガス圧によりライナ52が外側に膨らむ作用が生じる。このため、図7に示す軸シールの場合、内部のガス圧によって本体部59が径方向外側に膨らんだ状態(二点鎖線で示す状態)となり、Oリング62のシール代がなくなってガスリークが発生する問題がある。
【0009】
薄肉回転対称体形状の圧力容器の主応力方向は軸方向及び径方向で、シェル55を構成する繊維強化樹脂においては繊維を主応力方向に配列するのが最適な繊維配列である。そして、軸方向と径方向との力の割合は径方向2に対して軸方向1である。従って、強化繊維は軸方向と平行な方向と、周方向に配列するのが最も効率がよい。しかし、軸方向と平行な方向に配列するのは難しいため、従来、圧力容器のドーム部に対してはインプレーン巻(平面巻)又はヘリカル巻が行われ、円筒部(胴部)に対してはインプレーン巻又はヘリカル巻とフープ巻の組合せで繊維が配列されて圧力容器が製造されている。これは、ドーム部においてはフープ巻を重ねて行うことが難しいため、ヘリカル巻により径方向の力を担うようにしている。ところが、フープ巻に比較してヘリカル巻では径方向への力に対抗する強度が小さいため、前記の膨張を抑制してガスリークを防止するためにはヘリカル巻層を厚くする必要があり、圧力容器が大型化するという問題がある。
【0010】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、ライナを分割式とした場合に、圧力容器を大型化せずに分割部分のシール性を確保できる圧力容器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、前記ライナの内部に組立品が収容されている圧力容器である。そして、少なくとも前記ライナの一端側が、前記組立品を挿入可能な開口部と、その開口部を覆う蓋部とに分割されている。前記蓋部は前記開口部に嵌挿される凸部と、前記凸部より大径のフランジ部とを備え、前記凸部の周面と前記開口部の周面との間にシール部材が介装されている。また、前記開口部と対応するライナの外面又は、前記フランジ部に対向する部分に周方向に沿って設けられた環状の凹部又は切り欠き部に前記開口部の拡がり防止用の環状の補強部が設けられている。
【0012】
ライナの内部が高圧になったとき、ライナの開口部が外側に向かって膨張しようとする。このとき、その膨張をライナ外面を覆う繊維強化樹脂層のみで抑制するには、繊維強化樹脂層を厚くする必要がある。しかし、この発明では、開口部と対応するライナの外面又は、前記フランジ部に対向する部分に設けられた補強部の存在により、開口部の膨張が抑制される。その結果、ライナの内部と外部とをシールするシール部材が介装されている部分の隙間が拡がるのが抑制されてシール部材によるシール代が確保され、圧力容器のシール性が確保される。従って、ライナの内部に組立品を収容するためにライナを分割式として開口部を広くした構成としても、例えばスピニング加工によって製造する場合と比較して簡単な構成で組立品をライナ内部に収容可能となり、かつ圧力容器を大型化せずに分割部分のシール性を確保できる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記凹部又は切り欠き部は径方向に開放された形状に形成された溝であり、前記補強部は環状に巻かれた繊維束を強化繊維とした繊維強化樹脂で構成されている。この発明では、補強部はフープ巻層を開口部と対応する部分において増やしたのと同等の効果が得られる。また、ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層をフィラメントワインディングにより形成するのに先だって、同じフィラメントワインディング装置を使用して溝内に樹脂含浸繊維束を巻き付けることにより、補強部を形成することが可能になる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記補強部が前記凹部又は切り欠き部にライナの軸方向から嵌合された構造である。請求項2に記載の発明では、補強部を収容する凹部又は切り欠き部は、径方向に開放された形状のため、溝の底面の径と同じ内径を有する環状の補強部を設けるには、樹脂含浸繊維束を巻き付けた後に硬化させるか、繊維束を巻き付けた後、樹脂を充填して硬化させるか、金属線を巻き付ける必要がある。即ち、補強部をワンタッチで組み付けることはできず、繊維束あるいは線材の巻き付け作業が必要となる。しかし、この発明では、予め形成された環状の補強部を、ライナの軸方向からワンタッチで組み付けることができる。また、補強部として線材を巻いて形成されたものに限らず、所定の断面形状の金属リングも使用できる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記補強部は前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層の強化繊維束より高強度の繊維束が強化繊維として使用された繊維強化樹脂で構成されている。この発明では、補強部を構成する繊維束が、ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層の強化繊維束と同じ強度の場合に比較して、繊維束の巻数を少なくしても同じ強度が得られ、開口部の膨張を抑制するのに必要な繊維束の量を少なくできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を圧力容器としての水素貯蔵タンク(以下、単に水素タンクと称す)に具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。図1は、水素タンクの模式断面図、図2はその部分拡大図である。
【0017】
図1に示すように、水素タンク11は、細長い中空状のライナ12と、ライナ12の外面の略全域を覆う繊維強化樹脂層13とを備え、ライナ12の内部の収容室14に熱交換機能を有する組立品としての水素吸蔵用ユニット15が収容されている。
【0018】
繊維強化樹脂層13は、この実施の形態では炭素繊維を強化繊維としたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)で構成され、水素タンク11の耐圧性(機械的強度)を確保している。繊維強化樹脂層13は、樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等)が含浸された炭素繊維束を、ヘリカル巻層及びフープ巻層を有するようにライナ12に巻き付け、樹脂を熱硬化することによって形成されている。
【0019】
ライナ12は例えばアルミニウム合金を材質とし、水素タンク11の気密性を確保している。ライナ12は両端が分割式となっており、略筒状の本体部16と、本体部16の一端側の開口部16aを覆う蓋部17と、本体部16の他端側の開口部16bを覆う蓋部18とを備えている。開口部16aは断面が円形で、その口径が水素吸蔵用ユニット15が通過可能、即ち水素吸蔵用ユニット15を挿入可能な大きさに形成されている。
【0020】
水素吸蔵用ユニット15は、水素タンク11の軸方向(図1の左右方向)に延び、先端側で折り返されたパイプからなる熱媒管19を備えている。熱媒管19には略円板状のフィン20が軸方向に等間隔に複数固着されている。フィン20の間には粉末状の水素吸蔵合金(MH粉末)がフィン20と接触する状態で収容されている。水素吸蔵合金は水素タンク11内の水素の充填量を多くする機能があり、大気中に比べて数百〜1000倍の水素充填を可能にする。フィン20の径方向端部には全てのフィン20を覆う状態で、水素吸蔵合金の通過を阻止し水素を透過可能なフィルタ15a(破線で図示)が設けられている。水素吸蔵用ユニット15はその外周面と、ライナ12の内周面との間に空間が存在するように外径が設定されている。そして、収容室14に高圧状態で水素が充填されている。収容室14を高圧にするのは、水素吸蔵用ユニット15が占める以外の部分における水素の充填量を多くするためであり、例えば収容室14内の圧力を25MPaとした場合には、収容室14内が大気圧の場合と比較して約250倍の水素が充填可能となる。
【0021】
一端側の蓋部17には熱媒管19の各端部が連通される通路17a,17bが形成されている。通路17a,17bは図示しない熱媒供給部に管路を介して連通され、熱媒管19には熱媒供給部から熱媒としての水(冷水又は加熱水)が流れる。この実施の形態では通路17aが上流側、通路17bが下流側となっている。従って、熱媒管19から加熱水が供給されると水素吸蔵用ユニット15を構成する水素吸蔵合金が加熱され、熱媒管19から冷水が供給されると水素吸蔵合金が冷却される。
【0022】
他端側の蓋部18には、その中心部に収容室14と外部とを連通する通気路18aがライナ12の軸線に沿って延びるように形成され、通気路18aの端部にはバルブ21が取り付けられている。このバルブ21のポート切り換えによって水素タンク11の使用状態が水素放出状態と水素充填状態とに切換可能となっている。水素放出状態とは、水素タンク11内の水素がバルブ21を介して外部へ放出可能かつ外部から水素タンク11内への水素の供給が不能な状態を意味する。また、水素充填状態とは、水素タンク11内の水素をバルブ21を介して外部へ放出不能、かつ外部から水素タンク11内への水素の供給が可能な状態を意味する。
【0023】
図1及び図2に示すように、蓋部17は開口部16aに嵌挿される凸部22と、凸部22より大径のフランジ部23とを備えている。凸部22は円柱状に形成され、その周面と、開口部16aの周面との間にシール部材24が介装されている。シール部材24としてOリングが使用され、シール部材24は凸部22の周面に形成された環状の収容溝22aに収容されている。シール部材24は一部が収容溝22aから突出した状態で収容溝22a内に収容され、収容溝22aの底面と、開口部16aの周面とによって押圧されて変形された状態で、本体部16と蓋部17との間、即ちライナ12の分割部分のシール性(気密性)を確保している。
【0024】
なお、凸部22の収容室14側端面には凹部22bが形成され、水素吸蔵用ユニット15は基端が凹部22bに嵌合され、先端側が開口部16bによって支持された状態で収容室14に収容されている。
【0025】
蓋部17のフランジ部23にはボルト25を挿通するための挿通孔26が複数形成され、本体部16には挿通孔26と対応する位置に雌ねじ部27が複数形成されている。蓋部17はボルト25をフランジ部23の挿通孔26に挿通した状態で、ボルト25の雄ねじ部を雌ねじ部27に螺着することによって本体部16に固定されている。
【0026】
開口部16aと対応するライナ12の外面には、環状の凹部としての溝28が周方向に沿って設けられている。溝28は本体部16の径方向に開放された状態に形成されている。溝28は雌ねじ部27の形成位置より径方向において外側に形成されている。溝28内には開口部16aの拡がり防止用の環状の補強部29が設けられている。補強部29は環状に巻かれた繊維束を強化繊維とした繊維強化樹脂で構成されている。補強部29はライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13の強化繊維束と同じ繊維束が強化繊維として使用された繊維強化樹脂で構成されている。溝28の深さ及び幅は、水素タンク11の内圧が最高の状態において、開口部16aの膨張(拡がり)を、シール部材24のシール代が確保される範囲内に抑制することができる繊維強化樹脂を収容可能な値に設定されている。
【0027】
蓋部18も蓋部17と基本的に同じに形成されている。但し、凸部22に形成された凹部22bは、水素吸蔵用ユニット15の先端を係合しない状態で収容可能な大きさに形成されている点が異なっている。そして、開口部16bと対応するライナ12の外面にも、開口部16a側と同様に環状の溝28が設けられ、溝28内には開口部16bの拡がり防止用の環状の補強部29が設けられている。溝28の深さ及び幅は、水素タンク11の内圧が最高の状態において、開口部16bの膨張(拡がり)を、シール部材24のシール代が確保される範囲内に抑制することができる繊維強化樹脂を収容可能な値に設定されている。
【0028】
次に前記のように構成された水素タンク11の製造方法を説明する。水素タンク11を製造する際は、先ず、蓋部17に水素吸蔵用ユニット15を組み付け、その蓋部17を本体部16の一端側の開口部16aを塞ぐようにボルト25により組み付ける。次に蓋部18を他端側の開口部16bを塞ぐようにボルト25により組み付けて、内部に水素吸蔵用ユニット15が収容された状態のライナ12を準備する。このライナをフィラメントワインディング装置にセットして、先ず両溝28の部分に樹脂含浸繊維束を予め設定された量、巻き付ける。この巻付け量は溝28内に収容可能な量である。溝28内に巻き付けられた樹脂含浸繊維束は後の加熱硬化により、補強部29を構成する。
【0029】
両溝28への樹脂含浸繊維束の巻き付け終了後、引き続きフィラメントワインディング装置により、フィラメントワインディングを行い、ライナ12の外面に樹脂含浸繊維束をヘリカル巻層及びフープ巻層が所定層数形成されるまで巻き付ける。フープ巻層は主にライナ12の筒状部(胴部)に形成される。次に、樹脂含浸繊維束が巻き付けられたライナ12をフィラメントワインディング装置から取り外し、加熱炉に入れて、樹脂を加熱硬化させる。次にバリ等の除去を行った後、蓋部18側にバルブ21を組み付けることにより、水素タンク11が完成する。
【0030】
次に、前記のように構成された水素タンク11の作用を、燃料電池搭載電気自動車に使用する場合を例に説明する。
バルブ21が水素放出状態に保持された状態において燃料極で水素ガスが使用されると、バルブ21を介して水素タンク11から水素ガスが放出されて燃料極に供給される。水素タンク11内から水素ガスが放出されると、水素吸蔵合金の水素吸蔵・放出反応が放出側へ移動して水素吸蔵合金から水素ガスが放出される。水素の放出は吸熱反応であるので、水素の放出に必要な熱が熱媒により供給されないと、水素吸蔵合金は自身の顕熱を消費して水素を放出するためその温度が低下する。水素吸蔵合金の温度が低下すると水素放出の反応速度が低下する。しかし、水素放出時には通路17a,17bを介して熱媒管19に加熱水が流れ、この加熱水によって熱媒管19及びフィン20を介して水素吸蔵合金の温度降下が抑制され、水素放出の反応が円滑に進行する。水素吸蔵合金から放出された水素はバルブ21を経て水素タンク11の外部へ放出され、燃料極へと供給される。
【0031】
水素が放出された水素タンク11に再び水素ガスを充填、即ち水素吸蔵合金に水素ガスを吸蔵させる場合は、バルブ21を水素充填状態に切り換えてバルブ21から水素タンク11に水素ガスを供給する。水素タンク11内に供給された水素ガスは、水素吸蔵合金と反応して水素化物となって水素吸蔵合金に吸蔵される。水素の吸蔵反応は発熱反応であるので、水素の吸蔵反応で発生した熱を除去しないと吸蔵反応が円滑に進行しない。しかし、水素ガスを充填する際は、通路17a,17bを介して熱媒管19に冷水が流れ、この冷水によって熱媒管19及びフィン20を介して水素吸蔵合金の温度上昇が抑制され、水素ガスの吸蔵が効率よく行われる。
【0032】
水素タンク11内の圧力が外部の圧力より高い場合には、ライナ12の内面にライナ12を膨張させる圧力が加わる。そして、水素ガスの充填あるいは再充填直後においては水素タンク11の内圧が高く、本体部16には開口部16a,16bの径を拡げるように、即ち開口部16a,16bを膨張させるように力が作用する。この力に繊維強化樹脂層13のみで対抗しようとしても、繊維強化樹脂層13の開口部16a,16bと対応する部分にはフープ巻層が少ないため、膨張を抑制することは難しい。その結果、蓋部17,18の凸部22周面と、開口部16a,16b周面との隙間が拡がり、シール部材24によるシール代が確保できなくなって水素ガスがリークする。しかし、開口部16a,16bと対応する位置に補強部29が存在することにより、開口部16a,16bの膨張が抑制され、蓋部17,18の凸部22周面と、開口部16a,16b周面との間に介在されたシール部材24のシール代が確保され、収容室14の気密性が確保される。
【0033】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 水素タンク11のライナ12の一端側が、組立品(水素吸蔵用ユニット15)を挿入可能な開口部16aと、開口部16aを覆う蓋部17とに分割され、蓋部17の凸部22の周面と開口部16aの周面との間にシール部材24が介装されている。そして、開口部16aと対応するライナ12の外面に開口部16aの拡がり防止用の環状の補強部29が設けられている。ライナ12の他端側もほぼ同様に構成されている。従って、ライナ12の内部が高圧状態になっても、開口部16a,16bの膨張が補強部29により抑制され、ライナ12の内部と外部とをシールするシール部材24のシール代が確保され、水素タンク11のシール性が確保される。その結果、ライナ12の内部に水素吸蔵用ユニット15を収容するためにライナ12を分割式として開口部16aを広くしても、スピニング加工によって製造する場合と比較して簡単に水素吸蔵用ユニット15をライナ12内部に収容可能となり、かつ水素タンク11を大型化せずにシール性を確保できる。
【0034】
(2) 補強部29がライナ12の外面に設けられた環状の凹部(溝28)内に設けられている。従って、補強部29はライナ12のドーム部から突出せず、補強部29を設けても繊維強化樹脂層13を構成する繊維束の配列に悪影響を与えることがなく、繊維強化樹脂層13の強度が低下することはない。
【0035】
(3) 溝28は径方向に開放された形状に形成され、補強部29は環状に巻かれた繊維束を強化繊維とした繊維強化樹脂で構成されている。従って、補強部29を設けることにより、フープ巻層を開口部16a,16bと対応する部分において増やしたのと同等の効果が得られる。また、ライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13をフィラメントワインディングにより形成するのに先だって、同じフィラメントワインディング装置を使用して溝28内に樹脂含浸繊維束を巻き付けることにより、補強部29を形成することが可能になる。
【0036】
(4) 補強部29はライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13の強化繊維束と同じ繊維束が強化繊維として使用された繊維強化樹脂で構成されている。従って、組立品(水素吸蔵用ユニット15)が収容されたライナ12の外面に繊維強化樹脂層13を形成する樹脂含浸繊維束をフィラメントワインディング装置で巻き付ける際、繊維強化樹脂層13の巻付けに先立って同じ樹脂含浸繊維束を溝28に巻き付けることにより形成できる。その結果、繊維強化樹脂層13の強化繊維束と別の繊維束を強化繊維として使用する場合に比較して、補強部29の形成が簡単になる。
【0037】
(5) 水素吸蔵用ユニット15は基端側がライナ12の一端側に設けられた蓋部17に嵌合固定され、先端側がライナ12の他端側の開口部16bに係合された状態で支持されている。従って、水素タンク11が振動しても収容室14内で水素吸蔵用ユニット15がライナ12に対して振動したり位置ずれし難くなる。
【0038】
(6) ライナ12の両端部が開口部16a,16bと蓋部17,18とに分割されている。一端側のみを開口部16aと蓋部17とに分割した構成では、ライナ12の他端側に水素吸蔵用ユニット15の先端を支持する支持部の加工を、一端側に形成された開口部16aから挿入された切削工具で行う必要があり、作業性が悪い。しかし、ライナ12の両端部に開口部16a,16bを設けることにより、本体部16の端部の加工作業が行い易くなる。
【0039】
(7) 水素タンク11は水素吸蔵用ユニット15を内蔵しているので、水素吸蔵合金を使用せずに単に水素ガスを加圧状態で貯蔵する場合に比較して、収容室14が同じ容積及び圧力において、より多くの水素を水素タンク11内に貯蔵できる。
【0040】
(第2実施の形態)
次に第2の実施の形態を図3に従って説明する。この実施の形態では、補強部29をライナ12の軸方向から嵌合可能に構成されている点が第1の実施の形態と大きく異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。図3は水素タンク11の一端側の模式部分断面図である。
【0041】
図3に示すように、本体部16の端面16cには、環状の凹部としての溝30が周方向に沿って形成されている。溝30は雌ねじ部27の形成位置より径方向において外側に形成されている。溝30内には補強部29が設けられている。補強部29は剛性がライナ12の材料より高い材料で形成され、この実施の形態ではステンレス鋼が使用されている。補強部29はステンレス鋼の板材をプレス加工で打ち抜いて形成されている。補強部29の厚さ及び断面積は、水素タンク11の内圧が最高の状態において、補強部29が開口部16aの膨張(拡がり)を、シール部材24のシール代が確保される範囲内に抑制することができる強度を有する値に設定されている。溝30の深さ及び幅は前記補強部29を収容可能な値に設定されている。補強部29は内周面が溝30に嵌合する状態で溝30に収容されている。溝30は蓋部17のフランジ部23により覆われている。
【0042】
本体部16の蓋部18と対応する側の端部にも蓋部17側と同様に溝30が形成され、溝30内には補強部29が、内周面が溝30に嵌合する状態で収容されている。
【0043】
この水素タンク11を製造する場合は、蓋部17,18を本体部16に固定する前に、補強部29を溝30に収容する。そして、水素吸蔵用ユニット15を内部に収容したライナ12に、フィラメントワインディング装置により樹脂含浸繊維束を巻き付けた後、加熱炉で樹脂を硬化させて繊維強化樹脂層13を形成し、その後、バルブ21を組み付ける。
【0044】
第1の実施の形態のように、ライナ12の径方向に開放された形状の溝28内に補強部29を設ける場合は、樹脂含浸繊維束を巻き付けた後に硬化させるか、繊維束を巻き付けた後、樹脂を充填して硬化させるか、金属線を巻き付けて補強部29を形成する必要がある。即ち、線材の巻き付け作業が必要となる。従って、補強部29をワンタッチでライナ12に組み付けることはできない。しかし、この実施の形態では補強部29をライナ12の軸方向からワンタッチで組み付けることができる。
【0045】
また、この実施の形態の水素タンク11においても、ライナ12の内部が高圧状態になっても、開口部16a,16bの膨張が補強部29により抑制される。この実施の形態では第1の実施の形態の(1),(2),(5)〜(7)と同様な効果を有する他に、次の効果を有する。
【0046】
(8) 補強部29が凹部(溝30)にライナ12の軸方向から嵌合された構造である。従って、第1の実施の形態のようにライナ12の径方向に開放された形状の溝28を設けた場合と異なり、補強部29を溝30にワンタッチで組み付けることが可能になる。
【0047】
(9) 補強部29は金属板をプレス加工で打ち抜いて形成されているため、補強繊維として繊維束を環状に巻いた繊維強化樹脂製のものに比較して、製造が簡単である。
【0048】
(10) 補強部29の材質としてステンレス鋼が使用されているため、ライナ12をアルミニウム合金製とした場合、銅や鋼等の他の金属で補強部29を形成した場合と異なり、防錆処理が不要となる。
【0049】
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第1の実施の形態において、補強部29をライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13の強化繊維束より高強度の繊維束が強化繊維として使用された繊維強化樹脂で構成する。この場合、補強部29を構成する繊維束が、ライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13の強化繊維束と同じ強度の場合に比較して、繊維束の巻数を少なくしても同じ強度が得られ、開口部16a,16bの膨張を抑制するのに必要な繊維束の量を少なくできる。従って、蓋部17,18と開口部16a,16bとを連結するボルト25を螺着させる雌ねじ部27を形成するスペースを確保し易くなる。
【0050】
○ 溝28の形状は両側壁面がライナ12の軸方向と直交する方向に延び、底面が軸方向と平行に延び、深さの値が幅の値より大きな形状に限らず、例えば、深さの値が幅の値より小さな形状や、底面が溝28の開放端と平行な形状や、V溝状やU溝状であってもよい。
【0051】
○ 溝28内全体に補強部29を構成する樹脂含浸繊維束が充填されている必要はなく、樹脂含浸繊維束が溝28の底部側に充填されるとともに溝28の開放側に空間が設けられたり、樹脂が充填された構成としてもよい。
【0052】
○ 補強部29は、繊維強化樹脂層13を形成する直前にフィラメントワインディング装置で巻き付けて形成する方法に限らず、予め補強部29が溝28内に形成された本体部16を製造して、保管しておいてもよい。特に、補強部29を構成する繊維束と、繊維強化樹脂層13を構成する繊維束とが異なる場合は、予め補強部29を形成しておくのが好ましい。
【0053】
○ 溝28内に収容される補強部29は繊維強化樹脂製に限らない。例えば、金属の線材を巻き付けて補強部29を形成してもよい。金属の線材の両端を互いに連結して、巻付け状態が弛み難くするのが好ましい。
【0054】
○ 補強部29を繊維強化樹脂層13の形成に先立ってフィラメントワインディング装置で巻き付ける場合、図4(a)に示すように、溝28の一方の側壁を蓋部17のフランジ部23で構成してもよい。この場合、本体部16の形状が同じで大きさも同じであっても、溝28の幅を大きくとることができる。
【0055】
○ 第2の実施の形態において、補強部29を溝30に収容する代わりに、図4(b)に示すように、本体部16の端部に切り欠き部としての切り欠き31を設け、切り欠き31の部分に補強部29を収容してもよい。この場合、補強部29の外周面の形状はドーム部の曲面に沿った曲面と成るように形成するのが好ましい。このような形状とすることにより、切り欠き31を設けても、繊維強化樹脂層13を構成する樹脂含浸繊維束がドーム部の曲面に沿った状態に確実に配列される。
【0056】
○ 第2の実施の形態又は前記実施の形態のように、補強部29がライナ12の軸方向から溝30又は切り欠き31に嵌合された構造において、補強部29はステンレス鋼に限らず、ステンレス鋼以外の金属製としてもよい。また、金属製に限らず、繊維強化樹脂製、MMC(Metal Matrix Composite:金属基複合材)製としてもよい。アルミニウム合金をマトリックスとし、炭化ケイ素を強化材としたMMCを使用すれば、アルミニウム合金と同程度の重さで剛性が鋳鉄以上となる。
【0057】
○ ライナ12は両側が分割式であることに限定されない。例えば、図5に示すようにライナ12の一端側を分割式とし、他端側は一体型としてもよい。ライナ12の他端側には、その中心部に収容室14と外部とを連通する通気路32がライナ12の軸線に沿って延びるように形成され、通気路32の端部にはバルブ21(図示せず)が取り付けられる。この場合、ライナ12の製造が簡単になるとともに、ライナ12を組み立てるときにボルト25を螺着する組付行程が少なくなり、組付作業が楽になる。
【0058】
○ 水素タンク11の水素ガスの通路を、熱媒管19が固定される側の蓋部17に設けてもよい。この場合、ライナ12の他端側に水素ガスの通路を設ける必要がなく、ライナ12の製造がより簡単になる。
【0059】
○ 水素吸蔵用ユニット15は両端部においてライナ12に支持された構成に限らず、基端側において片持ち状態で支持された構成であってもよい。
○ 開口部16a,16bの周面と、蓋部17,18の凸部22の周面との間に介装されるシール部材24の個数は1つに限らず、複数個でもよい。
【0060】
○ シール部材24を凸部22の収容溝22aに収容する構成に代えて、収容溝を開口部16a,16bの周面に形成してもよい。
○ シール部材24を収容する溝を凸部22又は開口部16a,16bの周面に形成する代わりに、開口部16a,16bの蓋部17,18側端部周縁に面取り部又は切り欠きを設ける。そして、前記面取り部又は切り欠きと、蓋部17,18のフランジ部23の端面と、凸部22の基端周面とで囲まれる空間にシール部材24を配置してもよい。この場合も開口部16a,16bによってシール部材24が押圧されることにより、開口部16a,16bと蓋部17,17とのシール性が確保される。
【0061】
○ 熱媒管19はU字状ではなく複数回屈曲された形状でもよい。また、熱媒管がライナ12を貫通し、一端側から熱媒が供給され、他端側から排出される構成としてもよい。
【0062】
○ 繊維強化樹脂の強化繊維は炭素繊維に限らず、ガラス繊維や炭化ケイ素系セラミック繊維やアラミド繊維等の一般に高弾性・高強度といわれるその他の繊維を強化繊維として使用してもよい。
【0063】
○ ライナ12の材質はアルミニウム合金に限らず、気密性を確保可能でアルミニウムと同程度の比重の金属や、金属に限らずポリアミド、高密度ポリエチレン等の合成樹脂であってもよい。
【0064】
○ シール部材24はOリングに限らず、シール位置に嵌合されない状態における断面形状が円形に限らず、他の形状のものを使用してもよい。また、シール部材24の材質はゴムに限らず、金属シール等の他の部材を使用してもよい。
【0065】
○ 蓋部17,18の凸部22は、ライナ12の軸方向に延びる円柱状に限らず、例えば、先端側に向かって縮径となる円錐台状であってもよい。この場合、開口部16a,16bも同様な形状となる。
【0066】
○ 水素タンク11は熱交換機能を有する組立品として水素吸蔵用ユニット15を内蔵する構成に限らず、例えば特許文献1に記載された水素タンクのように、水素吸蔵合金を内蔵せずに水素を加圧状態で貯蔵(充填)し、内部に充填された水素との熱の授受を行う熱交換フィン組立体を内臓してもよい。熱交換フィン組立体の構成は特許文献1に記載された構成に限らず、例えば、前記実施の形態の水素吸蔵用ユニット15のように熱媒管19に複数のフィン20が設けられた構成としてもよい。また、組立品として水素吸蔵合金を保持する機能は有するが、熱媒を流す機能を備えていない保持部材を水素タンク11内に収容してもよい。
【0067】
○ 水素タンク11は燃料電池電気自動車や水素自動車に水素源として搭載されて使用するものに限らず、例えば、家庭用電源の燃料電池の水素源として使用される水素タンクとして使用してもよい。
【0068】
○ 圧力容器として水素を貯蔵する水素タンクに限らず、例えば窒素、圧縮天然ガス等の他のガスを貯蔵する圧力容器に適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
【0069】
(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記ライナは両側が開口部と蓋部とに分割されている。
(2) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記ライナは一端が開口部と蓋部とに分割されている。
【0070】
(3) 請求項3に記載の発明において、前記ライナはアルミニウム又はアルミニウム合金製で、前記補強部はステンレス製のリングである。
(4) 中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、前記ライナの内部に熱交換機能を有する組立品が収容され、少なくとも前記ライナの一端側が、前記組立品を挿入可能な開口部と、その開口部を覆う蓋部とに分割された圧力容器の製造方法であって、
前記組立品を前記ライナの内部に収容して、前記蓋部に形成された凸部の周面と、前記開口部周面との隙間にシール部材を介装した状態で蓋部を組み付け、前記開口部と対応するライナの外周面に設けられた環状の凹部に樹脂含浸繊維束を巻き付けた後、前記ライナの外面にフィラメントワインディングにより樹脂含浸繊維束を巻き付け、その後、樹脂硬化を行うことにより繊維強化樹脂層をライナの外面に形成する圧力容器の製造方法。
【0071】
(5) 請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)〜(4)のいずれか一項に記載の発明において、前記組立品はガス吸蔵用ユニットである。
(6) 前記技術的思想(5)に記載の発明において、前記ガス吸蔵用ユニットは水素吸蔵合金が充填された水素吸蔵用ユニットである。
【0072】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、ライナを分割式とした場合に、圧力容器を大型化せずに分割部分のシール性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の水素タンクの模式断面図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】第2の実施の形態の水素タンクの模式部分断面図。
【図4】(a),(b)はそれぞれ別の実施の形態の水素タンクの部分断面図。
【図5】別の実施の形態の水素タンクの模式断面図。
【図6】従来の水素タンクの模式断面図。
【図7】軸シールとしたときの接合部分の模式部分断面図。
【符号の説明】
11…圧力容器としての水素タンク、12…ライナ、13…繊維強化樹脂層、15…水素吸蔵用ユニット、16a,16b…開口部、17,18…蓋部、22…凸部、22b…凹部、23…フランジ部、24…シール部材、28,30…凹部としての溝、29…補強部、31…切り欠き部としての切り欠き。

Claims (4)

  1. 中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備え、前記ライナの内部に組立品が収容されている圧力容器であって、
    少なくとも前記ライナの一端側が、前記組立品を挿入可能な開口部と、その開口部を覆う蓋部とに分割され、前記蓋部は前記開口部に嵌挿される凸部と、前記凸部より大径のフランジ部とを備え、前記凸部の周面と前記開口部の周面との間にシール部材が介装され、前記開口部と対応するライナの外面又は、前記フランジ部に対向する部分に周方向に沿って設けられた環状の凹部又は切り欠き部に前記開口部の拡がり防止用の環状の補強部が設けられている圧力容器。
  2. 前記凹部又は切り欠き部は径方向に開放された状態に形成された溝であり、前記補強部は環状に巻かれた繊維束を強化繊維とした繊維強化樹脂で構成されている請求項1に記載の圧力容器。
  3. 前記補強部が前記凹部又は切り欠き部にライナの軸方向から嵌合された構造である請求項1に記載の圧力容器。
  4. 前記補強部は前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層の強化繊維束より高強度の繊維束が強化繊維として使用された繊維強化樹脂で構成されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧力容器。
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