JP2004270001A - 低温靭性に優れた耐摩耗鋼およびその製造方法 - Google Patents

低温靭性に優れた耐摩耗鋼およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面硬度を低下させることなく耐摩耗性を安定的に有し、さらに低温靭性にも優れた耐摩耗鋼およびその製造方法を提供する。
【解決手段】C:0.23〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Nb:0.005〜0.03%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.0003〜0.002%を含有し、さらにCu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜1.0%、V:0.005〜0.1%のうちの1種または2種以上を含有し、成分指標値Ha=C×(1+3×Mn)×(1+0.5×Cu)×(1+2×Ni)×(1+3×Cr)×(1+2×Mo)×(1+V)×(1+300×B)の値が2.5以上であり、残部がFeおよび不可避不純物からなり、粒径15μm以下の焼入れままのマルテンサイトを90%以上含有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械、運搬機器等に用いられる耐摩耗鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設現場、土木工事現場、鉱山等で使用される例えば、パワーショベル、ブルドーザー、ホッパー、バケット等の産業機械、運搬機器等およびこれらの部品には、それらの寿命を確保するために耐摩耗性に優れた鋼が用いられる。鋼の耐摩耗性を向上させるためには、鋼の表面を焼入れ組織にして表面硬度を高くする必要がある。
【0003】
一般に、鋼中のC含有量を増加させることで鋼の焼入れ硬さは確保することができるが、一方で硬度が増すと材質が脆くなって低温靭性が劣化するという問題が生ずる。マイナス20℃以下の低温域での作業に用いることを考えると、鋼は耐摩耗性が良くても低温靭性が低ければ、脆性破壊(遅れ破壊)を生じて作業に重大な支障を与える。このため、耐摩耗性を有するとともに低温靭性にも優れる耐摩耗鋼が望まれてきた。
【0004】
このような要求に対して、いくつかの方法が検討されてきている。例えば、特許文献1、特許文献2、または特許文献3では、CrやMoなどの合金元素を多量に添加することで耐磨耗鋼板の靭性を向上させる技術が開示されている。これらの技術においてCrは焼入れ性を向上させる目的で、またMoは焼入れ性を向上させると同時に粒界強度を改善する目的で添加されている。
【0005】
また、特許文献4では耐磨耗鋼板の製造プロセスを改良した技術として、熱間圧延工程でオースフォームを利用し、旧オーステナイト(γ)粒を展伸させて鋼板の靭性を改善する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−41535号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平2−179842号公報
【0008】
【特許文献3】
特開昭61−166954号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2002−20837号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1、特許文献2、または特許文献3のように、鋼に合金元素を多量に添加することにより粒界強度を強化して靭性を向上させる場合、合金元素添加コストが大きくなるという問題がある。
【0011】
また、特許文献4のように熱間圧延工程でオースフォームを利用する場合、鋼を安定に製造するためには別途工夫が必要であり、実製造上必ずしも容易なプロセスとは言えない。
【0012】
このように従来技術では、安価に製造することができ、さらに作り込みが容易で、良好な遅れ破壊特性を有し低温靭性に優れた耐摩耗鋼を提供することは困難である。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、表面硬度を低下させることなく耐摩耗性を安定的に有し、さらに低温靭性にも優れた耐摩耗鋼およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低温靭性に優れた耐摩耗鋼を提供すべく鋭意検討を重ねた結果、次のような知見を得た。すなわち、成分指標値Haを所定の値に調整し、鋼片を1200℃〜1250℃の温度範囲に加熱することが、再加熱焼入れ後の鋼板の耐磨耗性を確保し、さらに靭性を改善する上で有効である。本発明はこの知見に基づいてなされたものである。
【0015】
本発明の低温靭性に優れた耐磨耗鋼板は、質量%で、C:0.23〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Nb:0.005〜0.03%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.0003〜0.002%を含有し、さらに質量%で、Cu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜1.0%、V:0.005〜0.1%からなる群より選択される1種または2種以上を含有し、式(1)で規定される成分指標値Haが2.5以上であり、前記式(1)中のC,Mn,Cu,Ni,Cr,Mo,V,Bは鋼中に含まれる各元素の質量%での含有量であり、Cuが含まれない場合にはCu=0、Niが含まれない場合にはNi=0、Crが含まれない場合にはCr=0、Moが含まれない場合にはMo=0、Vが含まれない場合にはV=0とし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、粒径15μm以下の焼入れままのマルテンサイトを90%以上含有することを特徴とする。
Figure 2004270001
本発明の低温靭性に優れた耐磨耗鋼板の製造方法は、質量%で、C:0.23〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Nb:0.005〜0.03%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.0003〜0.002%を含有し、さらに質量%で、Cu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜1.0%、V:0.005〜0.1%からなる群より選択される1種または2種以上を含有し、式(1)で規定される成分指標値Haが2.5以上であり、前記式(1)中のC,Mn,Cu,Ni,Cr,Mo,V,Bは鋼中に含まれる各元素の質量%での含有量であり、Cuが含まれない場合にはCu=0、Niが含まれない場合にはNi=0、Crが含まれない場合にはCr=0、Moが含まれない場合にはMo=0、Vが含まれない場合にはV=0とし、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼片を、1200℃〜1250℃の温度範囲に加熱し、板厚が5mm〜50mmの範囲になるまで熱間圧延を行い、その後850℃〜950℃の温度範囲に再加熱し、焼入れることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の化学成分および製造方法の限定理由について述べる。
【0017】
(1)C:0.23〜0.35質量%
Cは鋼の硬度を高め、耐磨耗性を向上させるために重要な元素である。C含有量が0.23質量%未満では十分な硬度が得られず、一方、0.35質量%を超えて添加すると、溶接性、靭性および加工性を劣化させる。このため、C含有量は0.23〜0.35質量%の範囲に規定する。
【0018】
(2)Si:0.05〜1.0質量%
Siは脱酸元素として有効な元素であり、また、固溶強化に対しても有効な元素である。Si含有量が0.05質量%未満では脱酸効果が十分に得られず、一方、1.0質量%を超えて添加すると、延靭性が低下する、介在物が増加するといった問題が生ずる。このため、Si含有量は0.05〜1.0質量%の範囲に規定する。
【0019】
(3)Mn:0.1〜2.0質量%
Mnは焼入れ性確保の観点から有効な元素である。Mn含有量が0.1質量%未満ではその効果が十分に得られず、一方、2.0質量%を超えて添加すると溶接性が劣化する。このため、Mn含有量は0.1〜2.0質量%の範囲に規定する。
【0020】
(4)P:0.020質量%以下
Pは鋼中に多量に含まれると靭性の劣化を招くが、その含有量が0.020質量%以下であれば問題にならない。このため、P含有量の上限を0.020質量%とする。
【0021】
(5)S:0.005質量%以下
Sは鋼中に多量に含まれるとMnSとして析出し、これが介在物として高強度鋼の破壊発生起点となり靭性の劣化を招く。しかし、その含有量が0.005質量%以下であれば問題にならない。このため、S含有量の上限を0.005質量%とする。
【0022】
(6)Nb:0.005〜0.03質量%
Nbは再加熱焼入れ時に析出物として存在し、粒径を微細化する効果を有し、結果的に靭性の向上に役立つ元素である。Nb含有量が0.005質量%未満ではこの効果を発揮することができず、一方、0.03質量%を超えて添加すると溶接性が劣化する。このため、Nb含有量は0.005〜0.03質量%の範囲に規定する。また、微細化効果を有効に得るためには、Nb含有量を0.012〜0.03質量%の範囲とすることが望ましい。
【0023】
(7)Ti:0.005〜0.1質量%
Tiは靭性に有害な固溶NをTiNとして固定することにより靭性を向上させるとともに、焼入れ性の向上に有効な固溶Bを確保する効果を有する。Ti含有量が0.005質量%未満ではこの効果を発揮することができず、一方、0.1質量%を超えて添加すると靭性が劣化する。このため、Ti含有量は0.005〜0.1質量%の範囲に規定する。また、よりコストを低減するためには、Ti含有量を0.005〜0.03質量%の範囲とすることが望ましい。
【0024】
(8)B:0.0003〜0.002質量%
Bは微量添加で焼入れ性を高める元素である。B含有量が0.0003質量%未満ではこの効果を発揮することができず、一方、0.002質量%を超えて添加すると靭性が劣化する。このため、B含有量は0.0003〜0.002質量%の範囲に規定する。また、耐磨耗鋼板に一般的に実施されるCO溶接などの低入熱溶接部における低温割れを抑制する観点から、B含有量を0.0003〜0.0015質量%の範囲とすることが望ましい。
【0025】
本発明では、強度、低温靭性および耐磨耗性等をさらに向上する目的で、以下に示すCu、Ni、Cr、MoおよびVのうちの1種または2種以上を含有する。
【0026】
(9)Cu:0.03〜2.0質量%
Cuは焼入れ性を高める元素である。Cu含有量が0.03質量%未満ではこの効果を十分に発揮することができず、一方、2.0質量%を超えて添加すると熱間加工性が低下するとともに、コストも上昇する。このためCuを添加する場合には、その含有量を0.03〜2.0質量%の範囲に規定する。また、よりコストを低減するためにはCu含有量を0.03〜0.5質量%の範囲とすることが望ましい。
【0027】
(10)Ni:0.03〜2.0質量%
Niは焼入れ性を高めるとともに、低温靭性を向上させる元素である。Ni含有量が、0.03質量%未満ではこの効果を十分に発揮することができず、一方、2.0質量%を超えて添加するとコストが上昇する。このためNiを添加する場合には、その含有量を0.03〜2.0質量%の範囲に規定する。また、よりコストを低減するためにはNi含有量を0.03〜0.5質量%の範囲とすることが望ましい。
【0028】
(11)Cr:0.03〜2.0質量%
Crは焼入れ性を高める元素である。Cr含有量が0.03質量%未満ではこの効果を十分に発揮することができず、一方、2.0質量%を超えて添加すると、溶接性が劣化するとともに、コストが上昇する。このためCrを添加する場合には、その含有量を0.03〜2.0質量%の範囲に規定する。
【0029】
(12)Mo:0.03〜1.0質量%
Moは焼入れ性を高める元素である。Mo含有量が0.03質量%未満ではこの効果を十分に発揮することができず、一方、1.0質量%を超えて添加すると、溶接性が劣化するとともに、コストが上昇する。このためMoを添加する場合には、その含有量を0.03〜1.0質量%の範囲に規定する。
【0030】
(13)V:0.05〜0.1質量%
Vは析出強化に有効な元素であり、鋼の硬度を上昇させ、耐磨耗性を向上させる効果を有する。V含有量が、0.05質量%未満ではこの効果を十分に発揮することができず、一方、0.1質量%を超えて添加すると溶接性が劣化する。このためVを添加する場合には、V含有量を0.05〜0.1質量%の範囲に規定する。
【0031】
(14)成分指標値Ha:2.5以上
成分指標値Haは下式(1)で規定され、焼入れ後の組織と関係があり、鋼の硬度、すなわち耐磨耗性に大きな影響を与える。
【0032】
Figure 2004270001
ここで、式(1)中、C,Mn,Cu,Ni,Cr,Mo,V,Bは鋼中に含まれる各元素の質量%での含有量であり、Cuが含まれない場合にはCu=0、Niが含まれない場合にはNi=0、Crが含まれない場合にはCr=0、Moが含まれない場合にはMo=0、Vが含まれない場合にはV=0とする。
【0033】
成分指標値Haが2.5未満であると、組織が完全な焼入れ組織とならない恐れがあり、また、表面の組織が完全な焼入れ組織となっていても、表層から板厚中心部にかけて完全な焼入れ組織とならず、硬さが低下する。さらに、成分指標値Haが2.5未満の場合には、板厚中央部付近のマルテンサイト分率が低下し、靭性が極端に劣化する。従って、成分指標値Haを2.5以上と規定する。なお、成分指標値Haが12.0を超えると溶接性が劣化するため、成分指標値Haは12.0以下とすることが好ましい。
【0034】
(15)組織:粒径15μm以下のマルテンサイトが90%以上
鋼組織において、焼入れままのマルテンサイトの分率が90%未満であると、十分な靭性が得られない。また、マルテンサイトが90%以上含まれていたとしても、マルテンサイト粒径が15μmを超えて粗大であれば、やはり靭性が劣化する。従って、粒径15μm以下の焼入れままのマルテンサイトを90%以上含有するものとする。なお、マルテンサイト分率を100%にすることは実際の製造では困難であり、表2に示すように98%程度が上限である。
【0035】
(16)加熱温度:1200〜1250℃
鋼片(スラブ)の加熱温度は、再加熱時のオーステナイト粒径と相関性を有する。鋼片加熱温度を1200℃以上とすることにより、再加熱時のオーステナイト粒径、すなわち焼入れ後のマルテンサイト粒径を15μm以下にまで微細化することができ、その結果、靭性を改善することができる。しかし、1250℃を超えて鋼片を加熱すると、鋼板の表面に疵が発生する。従って、鋼片加熱温度は1200〜1250℃の範囲とする。
【0036】
(17)板厚:5〜50mm
耐磨耗鋼板の板厚が5mm未満では、熱間圧延での製造が困難となり、生産性が低下する。一方、板厚が50mmを超えると、板厚中央部付近の冷却速度が低下し、完全な焼入れ組織とならずに硬さが低下して耐磨耗性が劣化する。従って、板厚は5〜50mmの範囲とする。
【0037】
(18)再加熱焼入れ温度:850〜950℃
再加熱焼入れ温度が850℃未満では、微細なオーステナイトへの変態が完全には終了せず、そのまま焼入れたとしても不完全な焼入れ組織となり、硬さが低下して耐磨耗性が劣化する。一方、再加熱焼入れ温度が950℃を超えると、再加熱時のオーステナイト粒径が粗大化し、その結果、焼入れままのマルテンサイト粒径が粗大化するために靭性が劣化する。従って、再加熱焼入れ温度は850〜950℃の範囲とする。
【0038】
【実施例】
<実施例1〜8、比較例1〜22>
種々の化学成分を有する供試鋼片A〜Fを用いて鋼板を製造した。用いた供試鋼片の化学成分(質量%)を表1に示す。100mmの厚さを有する供試鋼片を加熱し、板厚12mmまたは50mmまで熱間圧延を行い室温まで放冷した後に、再加熱し焼入れて実施例1〜8および比較例1〜22の鋼板を得た。このときの製造条件としてスラブ加熱温度(℃)および再加熱焼入れ温度(℃)を表2に示し、また鋼板の板厚(mm)も表2に併記する。
【0039】
得られた鋼板について、組織観察を実施しマルテンサイトの分率と粒径を以下のように測定した。
【0040】
すなわち、マルテンサイト分率は、板厚中央部(1/2t)付近より採取した薄膜状のサンプルを透過型電子顕微鏡により、2万倍の倍率で20視野観察し、セメンタイトの析出していない領域の面積を測定し、その測定面積の全体に対する割合に基づいて、マルテンサイト分率として求めた。また、粒径は板厚中央部(1/2t)付近を光学顕微鏡により200倍の倍率で10視野観察し、その平均粒径を測定することにより求めた。この結果を表2に併記する。
【0041】
また、得られた鋼板の耐磨耗性および低温靭性を調べた。耐磨耗性の特性値として、表面硬度(HB)をJIS規格のZ2243に準拠して、鋼板表面のランダムに選んだ5点で測定し、その結果の平均値を算出した。低温靭性(vTs)の特性値として、破面遷移温度(℃)をJIS規格のZ2242に準拠してシャルピー衝撃試験を行うことにより測定した。これらの結果を表2に併せて示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004270001
【0043】
【表2】
Figure 2004270001
【0044】
表2に示すように、供試鋼片として本発明の範囲内の化学成分を有する鋼種A〜Dを用い、本発明に従う製造条件で製造した実施例1〜8の鋼板は、板厚が12mmおよび50mmのいずれであっても、耐摩耗鋼として有効なHB450以上の高硬度を有し、耐磨耗性が優れているとともに、シャルピー衝撃試験における破面遷移温度が−20℃以下と低く、良好な低温靭性を有していた。
【0045】
これに対して、供試鋼片の化学成分は本発明範囲内であるものの、スラブ加熱温度が1200℃を下回って低かった比較例1、2、4、5、7、8、10、11の鋼板は、結果として得られたマルテンサイト粒径が15μmを超えて粗大となり、靭性が劣化していた。
【0046】
供試鋼片の化学成分は本発明範囲内であるものの、再加熱焼入れ温度が950℃を超えて高かった比較例3、6、9、12の鋼板は、結果として得られたマルテンサイト粒径が15μmを超えて粗大となり、靭性が劣化していた。
【0047】
Bを含有せず、Ha値が2.5を下回る鋼種Eを供試鋼片として用い、スラブ加熱温度が1200℃を下回って低かった比較例13、14の鋼板は、結果としてマルテンサイト分率が90%を下回り、マルテンサイト粒径が15μmを超えていたため、靭性が劣化していた。
【0048】
製造条件は本発明範囲内であるものの、Bを含有せず、Ha値が2.5を下回る鋼種Eを用いた比較例15、16の鋼板は、板厚12mm、50mmともに、結果としてマルテンサイト分率が90%を下回り、靭性が劣化していた。
【0049】
Bを含有せず、Ha値が2.5を下回る鋼種Eを用い、再加熱焼入れ温度が950℃を超えて高かった比較例17の鋼板は、結果としてマルテンサイト分率が90%を下回り、マルテンサイト粒径が15μmを超えて粗大となり、靭性が劣化していた。
【0050】
Nbを含有しない鋼種Fを供試鋼片として用い、スラブ加熱温度が1200℃下回って低かった比較例18、19の鋼板は、結果として得られたマルテンサイト粒径が15μmを上回って粗大となり、靭性が劣化していた。
【0051】
製造条件は本発明範囲内であるものの、Nbを含有しない鋼種Fを用いた比較例20、21の鋼板は、板厚12mm、50mmともに、結果としてマルテンサイト粒径が15μmを超えて粗大となり、靭性が劣化していた。
【0052】
Nbを含有しない鋼種Fを用い、再加熱焼入れ温度が950℃を超えて高かった比較例22の鋼板は、結果としてマルテンサイト粒径が15μmを超えて粗大となり、靭性が劣化していた。
【0053】
<実施例9〜13、比較例23〜29>
種々の化学成分を有する供試鋼片G〜Rを用いて鋼板を製造した。用いた供試鋼片の化学成分(質量%)を表3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 2004270001
【0055】
100mmの厚さを有する供試鋼片Gを1200℃まで加熱し、板厚20mmまで熱間圧延を行い、室温まで放冷した後に、900℃まで再加熱し焼入れを行って実施例9の鋼板を得た。同様に供試鋼片H、I、J、Kを用いてそれぞれ順に実施例10、11、12、13の鋼板を製造し、供試鋼片L、M、N、O、P、Q、Rを用いてそれぞれ順に比較例23、24、25、26、27、28、29の鋼板を製造した。
【0056】
得られた鋼板について、実施例1〜8および比較例1〜22の鋼板と同様にマルテンサイト分率(%)を測定し、低温靭性の特性値として破面遷移温度(℃)を調べた。
【0057】
これらの結果から、供試鋼片の成分指標値Haと得られた鋼板のマルテンサイト分率との関係を図1の(a)に示し、供試鋼片の成分指標値Haと得られた鋼板の低温靭性(破面遷移温度)との関係を図1の(b)に示す。図1中、(a)は横軸が成分指標値Haを示し、縦軸がマルテンサイト分率(%)を示し、(b)は横軸が成分指標値Haを示し、縦軸が低温靭性(℃)を示す。また、図1の(a)、(b)ともに点線より右側は、成分指標値Haが2.5以上で本発明範囲内である供試鋼を用いた実施例9〜13の鋼板の結果を示す領域、点線より左側は、成分指標値Haが2.5未満と本発明の範囲から外れる供試鋼を用いた比較例23〜29の鋼板の結果を示す領域である。
【0058】
図1の(a)より、Ha値が2.5以上の本発明範囲内の領域ではマルテンサイト分率が90%以上となり、良好な鋼組織が得られた。このときHa値が大きければ大きいほど、マルテンサイト分率は増大していた。図1の(b)より、Ha値が2.5以上の本発明範囲内の領域では、低温靭性はマイナス40℃を下回って優れた値を示していた。また、低温靭性もHa値が大きいほど良好となる傾向があった。
【0059】
一方、図1の(a)より、Ha値が2.5未満と本発明範囲から外れる領域では、本発明範囲内の領域に比べてマルテンサイト分率が低く鋼組織が劣化していた。またHa値が小さいほどマルテンサイト分率が低下していた。図1の(b)より、Ha値が2.5未満と本発明範囲から外れる領域では、マルテンサイト分率の低下により低温靭性がマイナス10℃を上回って極端に劣化していた。また、Ha値が小さいほど低温靭性が劣化する傾向にあった。
【0060】
<実施例14、実施例15、比較例30〜33>
次に、鋼種Kを用いて、スラブ加熱温度を1000℃、1050℃、1100℃、1150℃と変えてそれぞれ順に比較例30、31、32、33の鋼板を製造し、スラブ加熱温度を1200℃、1250℃と変えてそれぞれ順に実施例14、15の鋼板を製造した。スラブ加熱温度を変えた以外は、実施例9〜13および比較例23〜29と同様の製造条件とした。
【0061】
得られた鋼板について、実施例1〜8および比較例1〜22の鋼板と同様にマルテンサイト粒径(μm)を測定し、低温靭性の特性値として破面遷移温度(℃)を調べた。
【0062】
これらの結果から、スラブ加熱温度と得られた鋼板のマルテンサイト粒径(旧γ粒径)との関係を図2の(a)に示し、および、スラブ加熱温度と得られた鋼板の低温靭性(破面遷移温度)との関係を図2の(b)に示す。図2中、(a)は横軸がスラブ加熱温度(℃)を示し、縦軸がマルテンサイト粒径(μm)を示し、(b)は横軸がスラブ加熱温度(℃)を示し、縦軸が低温靭性(℃)を示す。また、図2の(a)、(b)ともに点線より右側は、スラブ加熱温度が1200℃以上で本発明範囲内である製造条件で製造した実施例14および15の鋼板の結果を示す領域、点線より左側は、スラブ加熱温度が1200℃未満と本発明の範囲から外れる製造条件で製造した比較例30〜33の鋼板の結果を示す領域である。
【0063】
図2の(a)より、スラブ加熱温度が1200℃以上の本発明範囲内の領域では、マルテンサイト粒径が15μm以下となり、良好な鋼組織が得られた。図2の(b)より、スラブ加熱温度が1200℃以上の本発明範囲内の領域では、低温靭性もマイナス40℃を下回って優れた値を示した。
【0064】
一方、図2の(a)より、スラブ加熱温度が1200℃未満と本発明範囲から外れる領域では、本発明範囲内の領域に比べてマルテンサイト粒径が極端に粗大化していた。また、図2の(b)より、スラブ加熱温度が1200℃未満と本発明範囲から外れる領域では、マルテンサイトの粗大化により低温靭性も本発明範囲内の領域に比べて大きく劣化していた。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、表面硬度を低下させることなく耐摩耗性を安定的に有し、さらに低温靭性にも優れる耐摩耗鋼を容易に、かつ廉価に製造することができ、工業的に非常に有意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は成分指標値Haとマルテンサイト分率との関係を示すグラフ図、(b)は成分指標値Haと低温靭性との関係を示すグラフ図。
【図2】(a)はスラブ加熱温度とマルテンサイト粒径との関係を示すグラフ図、(b)はスラブ加熱温度と低温靭性との関係を示すグラフ図。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.23〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Nb:0.005〜0.03%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.0003〜0.002%を含有し、さらに質量%で、Cu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜1.0%、V:0.005〜0.1%からなる群より選択される1種または2種以上を含有し、式(1)で規定される成分指標値Haが2.5以上であり、前記式(1)中のC,Mn,Cu,Ni,Cr,Mo,V,Bは鋼中に含まれる各元素の質量%での含有量であり、Cuが含まれない場合にはCu=0、Niが含まれない場合にはNi=0、Crが含まれない場合にはCr=0、Moが含まれない場合にはMo=0、Vが含まれない場合にはV=0とし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、粒径15μm以下の焼入れままのマルテンサイトを90%以上含有することを特徴とする低温靭性に優れた耐磨耗鋼板。
    Figure 2004270001
  2. 質量%で、C:0.23〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Nb:0.005〜0.03%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.0003〜0.002%を含有し、さらに質量%で、Cu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜1.0%、V:0.005〜0.1%からなる群より選択される1種または2種以上を含有し、式(1)で規定される成分指標値Haが2.5以上であり、前記式(1)中のC,Mn,Cu,Ni,Cr,Mo,V,Bは鋼中に含まれる各元素の質量%での含有量であり、Cuが含まれない場合にはCu=0、Niが含まれない場合にはNi=0、Crが含まれない場合にはCr=0、Moが含まれない場合にはMo=0、Vが含まれない場合にはV=0とし、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼片を、1200℃〜1250℃の温度範囲に加熱し、板厚が5mm〜50mmの範囲になるまで熱間圧延を行い、その後850℃〜950℃の温度範囲に再加熱し、焼入れることを特徴とする低温靭性に優れた耐磨耗鋼板の製造方法。
    Figure 2004270001
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