JP2004269861A - プリプレグ、繊維強化複合材料および繊維強化複合材料製管状体 - Google Patents

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Takeshi Ito
壮史 伊藤
Shunsaku Noda
俊作 野田
Etsuko Tanigaki
えつ子 谷垣
Hiroyuki Takiyama
浩之 瀧山
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Abstract

【課題】
本発明は、プリプレグを硬化して得られた成形物が耐衝撃性に優れるプリプレグを提供せんとするものである。
【解決手段】
強化繊維とマトリックス樹脂からなり、130℃で2時間硬化して得られる樹脂硬化物のシャルピー衝撃試験による最大荷重Pmax(N)とストランド引張弾性率Y(GPa)が式(1)および(2)をみたすプリプレグである。
Pmax≧−1.04×Y+1650・・・・式(1)
200≦Y≦700・・・・式(2)
さらに、強化繊維とマトリックス樹脂からなり、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料の最大荷重前シャルピー衝撃値A(kJ/m2)と強化繊維の引張弾性率Y(GPa)が式(3)および(4)をみたすプリプレグである。
A≧−0.12×Y+85・・・・式(3)
200≦Y≦700・・・・式(4)
【選択図】なし

Description

本発明は、スポーツ用途、航空宇宙用途、一般産業用途において、高度の衝撃強度特性を発揮する繊維強化複合材料および繊維強化複合材料製管状体に関する。また、かかる繊維強化複合材料および繊維強化複合材料製管状体を得るためのプリプレグに関する。
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料を製造するに当たっては、各種の方式が適用されるが、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸されたシート状中間基材であるプリプレグを用いる方法が繁用される。この方法ではプリプレグを複数枚積層し、加熱して硬化させることによって繊維強化複合材料である成形体とする。
かかる繊維強化複合材料は、軽量であり、かつ力学特性に優れるために、スポーツ用途をはじめ、航空宇宙用途、一般産業用途に広く用いられている。特にスポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニスやバトミントン等のラケット、ホッケー等のスティック等が主要な用途として挙げられる。
スポーツ用途では、力学特性を高める観点から、強化繊維として炭素繊維、マトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂とからなるプリプレグを中間基材とする繊維強化複合材料が主として用いられる。中でも、ゴルフシャフト、釣り竿等は、軽量化が強く要求される用途であるが、軽量化の前に材料の力学特性を高めることが必要となる。
スポーツ用途では、短時間で大きな負荷がかかることが多く、力学特性の中でも特に衝撃強度が重要となる。
かかる目的のために、例えば炭素繊維強化管状体のゴルフシャフトの最内層及び/または層間や最外層に有機系重合体からなるフィルムを配する方法や、複合材料管状体の軸方向に配された補強繊維と樹脂の外層に、特定厚みのガラス繊維を含む層を積層することが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらの方法はフィルムやガラス繊維層を積層するため、軽量化の点で不利であり、また繊維強化複合材料を作製する際の作業性が悪化するという課題がある。
またマトリックス樹脂に全エポキシ樹脂中、2官能エポキシ樹脂を70重量%以上含み、またゴム相を含みエポキシ樹脂に実質不溶な微粒子と硬化剤を含むエポキシ樹脂を用いることで硬化物のガラス転移温度と、モードI破壊ひずみエネルギー開放率GICを特定範囲としたり(例えば特許文献4参照)、マトリックス樹脂組成物に特定のエポキシ樹脂とゴム変性エポキシ樹脂を用い、マトリックス樹脂粘度と硬化物のGICを特定の範囲とすることで繊維強化複合材料の力学特性を高めることが提案されてきた(例えば特許文献5参照)。
しかしながら、ゴム成分を添加する場合には、樹脂調製の作業性が悪化したり、樹脂硬化物の弾性率が低下する等の課題があり、また、例えばゴルフシャフトの折損率低減といった観点から、力学特性の向上、とりわけ耐衝撃性の更なる向上が求められている。
特開平03−168167号公報(第4頁) 特開平03−168168号公報(第4頁) 特開平10−329247号公報(第2頁) 特開平09−085844号公報(第2頁) 特開2001−139662号公報(第6頁)
本発明は、上記課題に鑑み耐衝撃性に優れた炭素繊維強化複合材料を得ることができるプリプレグを提供せんとするものである。
さらに詳しくは、本発明は、耐衝撃性に優れながら、軽量化されたゴルフクラブ用シャフト等の管状体が得られるプリプレグ、及び該プリプレグから得られる繊維強化複合材料を提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を有する。即ち、強化繊維とマトリックス樹脂からなり、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料のシャルピー衝撃試験による最大荷重Pmax(N)と強化繊維のストランド引張弾性率Y(GPa)が式(1)および(2)をみたすプリプレグである。
Pmax≧−1.04×Y+1650・・・・式(1)
200≦Y≦700・・・・式(2)
または強化繊維とマトリックス樹脂からなり、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料の最大荷重前シャルピー衝撃値A(kJ/m2)と強化繊維の引張弾性率Y(GPa)が式(3)および(4)をみたすプリプレグである。
A≧−0.12×Y+85・・・・式(3)
200≦Y≦700・・・・式(4)
または、前記プリプレグを硬化せしめてなる繊維強化複合材料であり、更にはかかる繊維強化複合材料を含む管状体である。
本発明によれば、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性、及びマトリックス樹脂の引張伸度と曲げ弾性率に優れた樹脂組成物が得られる。この樹脂組成物と炭素繊維とから良質なプリプレグを作製することができ、本発明のプリプレグを積層して成形することにより、衝撃強度特性に優れた繊維強化複合材料を製造することができる。
本発明による繊維強化複合材料は、スポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニス、バトミントン、スカッシュ等のラケット用途、ホッケー等のスティック用途、スキーポール用途等に好適に用いられる。また、航空宇宙用途では、主翼、尾翼、フロアビーム等の航空機一次構造材用途、フラップ、エルロン、カウル、フェアリング、内装材等の二次構造材用途、ロケットモーターケース、人工衛星構造材用途等に好適に用いられる。さらに一般産業用途では、自動車、船舶、鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製紙用ローラ、屋根材、ケーブル、補強筋、補修補強材料等の土木・建築材料用途等に好適に用いられる。特に本発明の繊維強化複合材料を含む管状体は耐衝撃性に優れる。
本発明者らは、前記課題について鋭意検討し、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料のシャルピー衝撃試験による最大荷重Pmax(N)と強化繊維の弾性率が特定の関係を有するプリプレグを見いだすに至った。またかかるプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料を構成要素とする管状体が強化衝撃特性に優れたものであることを見出すに至り本発明に到達した。
本発明のプリプレグは、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料のシャルピー衝撃試験による最大荷重Pmax(N)と強化繊維の引張弾性率Y(GPa)が特定の範囲とすると、得られる成形体において耐衝撃性を高めることができる。すなわち次式(1)および(2)をみたす必要があり、次式(1)’および(2)’を満たせば好ましい。
Pmax≧−1.04×Y+1650・・・・式(1)
200≦Y≦700・・・・式(2)
Pmax≧−1.04×Y+1700・・・・式(1)’
200≦Y≦700・・・・式(2)’
一般的に炭素繊維の弾性率が高いほど、最大荷重Pmaxが低下するが、最大荷重Pmaxが−1.04×Y+1650よりも小さくなると、成形物の耐衝撃強度が大きく低下、例えばゴルフシャフトの折損率が増大するなどの不具合が生じる。
またシャルピー衝撃試験による最大荷重前シャルピー衝撃値A(kJ/m2)と強化繊維の引張弾性率Y(GPa)が特定の範囲とすると、得られる成形物において大きなエネルギーを吸収することができる。すなわち最大荷重前シャルピー衝撃値A(kJ/m2)と強化繊維の引張弾性率Y(GPa)が式(3)および(4)をみたす必要があり、式(3)’および(4)’を満たせば好ましい。
A≧−0.12×Y+85・・・・式(3)
200≦Y≦700・・・・式(4)
A≧−0.12×Y+90・・・・式(3)’
200≦Y≦700・・・・式(4)’
炭素繊維の弾性率が高いほど、繊維強化複合材料の伸度が低下し、吸収エネルギーが低下するが、最大荷重前シャルピー衝撃値Aが−0.12×Y+85よりも小さくなると、成形物のエネルギー吸収性が大幅に低下し、例えばゴルフシャフトの折損率が増大するなどの不具合が生じる。
ここでシャルピー衝撃試験とは支点間距離を40mmとする以外はJIS K7077に準拠して測定する試験である。試験対象となるプリプレグを繊維方向が一方向になるように重ね合わせ、130℃で2時間硬化して得られた繊維強化複合材料を試験片とし、かかる試験片は厚さ3±0.2mm、長さ、80±1mm、幅10±0.2mmとするものである。最大荷重Pmax(N)とは、試験片が1回の衝撃によって破断するのにかかる最大荷重であり、最大荷重前シャルピー衝撃値A(kJ/m2)とは、最大荷重Pmaxに到達するまでに吸収されるエネルギーを荷重負荷面の断面積によって除した値である。これらは、以下のように求めることができる。すなわち、繊維軸方向と垂直な方向からハンマーによりフラットワイズに衝撃を与え、衝撃波形を検出、FFT解析処理することにより、変位対荷重を算出し、得られた変位対荷重曲線より最大荷重Pmax(N)を求める。また、最大荷重点までの変位対荷重曲線に囲まれた面積を荷重負荷面の断面積により除した値を最大荷重前シャルピー衝撃値Aとする。ここでハンマーの振り上げ角度は135°、ハンマー秤量は300kg・cmとするものである。かかる測定に用いる装置としては、例えば米倉製作所製300CS計装化シャルピー衝撃試験機などを用いることができる。
また本発明でいうところの強化繊維の引張弾性率Y(GPa)とは繊維束(ストランド)の引張弾性率でありJIS R7601に従い求めることができる。
また本発明におけるプリプレグは強化繊維含有量が55〜85重量%であることが望ましい。55重量%よりも低くなると荷重を負担する強化繊維量が減少し、衝撃強度が低下する場合がある。また85重量%よりも高くなると相対的に伸度の高い樹脂含有率が減少し、エネルギー吸収性が低下し、繊維強化複合材料の耐耐疲労性が低下し、ゴルフシャフト等において折損率が増大する場合がある。より好ましくは60〜80重量%、さらに好ましくは65〜75重量%である。かかる繊維含有量はプリプレグをメチルエチルケトン、塩化メチレンなどの有機溶剤中において樹脂組成物を溶解、強化繊維を取り出して洗浄、乾燥することにより強化繊維重量を求め、プリプレグの重量で除することにより求められる。
本発明において、エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤を含むものである。また、本発明では、エポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物、即ち、2官能以上のエポキシ樹脂を意味する。具体的には、ポリオールから得られるグリシジルエーテル、分子内に活性水素を複数個有するアミンより得られるグリシジルアミン、ポリカルボン酸より得られるグリシジルエステル、グリシジル基を有するエポキシ樹脂、分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸化して得られるポリエポキシド等が挙げられる。
本発明においては、分子内に2個のエポキシ基を有する2官能エポキシ樹脂を使用するのが好ましい。2官能エポキシ樹脂は、架橋密度を低くし架橋点間の距離を大きくすることにより、樹脂硬化物の引張伸度が高められる。2官能エポキシ樹脂は全エポキシ樹脂100重量%に対して、70〜100重量%、好ましくは80〜100重量%配合するのが良い。70重量%より少ないと架橋密度が高くなり、樹脂硬化物の引張伸度が低下し、例えばゴルフシャフト等といった繊維強化複合材料製管状体の強度が低下する場合がある。
架橋点間の距離を大きくするためには、2つのエポキシ基の間隔の大きい2官能エポキシ樹脂を使用するのが有利であり、この意味でエポキシ当量が450以上の高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びエポキシ当量が450以上の高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の高分子量2官能エポキシ樹脂が好ましく使用される。
また本発明においては、脂環式の炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂を使用するのが好ましい。脂環式の炭化水素骨格はその疎水性官能基によって、プリプレグに含まれるエポキシ樹脂組成物の吸湿性を下げ、硬化させたときに、エポキシ樹脂組成物中の水分が揮発することによってできるボイドを抑制し、樹脂硬化物の強度低下を抑制することができる。前記脂環式の炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂は、数平均分子量が250〜500であることが好ましい。数平均分子量が250より小さいとエポキシ樹脂組成物の吸湿性を下げる効果が低下し、十分なボイド抑制効果が得られない場合がある。数平均分子量が500より大きいと他のエポキシ樹脂との相溶性が低下し、硬化物としたときに強度が均一とならない場合がある。またエポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100重量%中、脂環式の炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂が10〜30重量%含まれることが好ましい。10重量%より少ないと、エポキシ樹脂組成物の吸湿性を下げる効果が低下し、十分なボイド抑制効果が得られない場合がある。30重量%より多いと、架橋密度が高くなり、樹脂硬化物の引張伸度が低下する場合がある。
また、かかる脂環式炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂は、単環であっても多環であってもよいが、多環脂環式炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂が好ましい。単環の脂環式炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂としては、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。一方、多環脂環式炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂としては、ノルボルナン骨格を有するエポキシ樹脂を挙げることができる。ノルボルナン骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えばジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を挙げることができる。
本発明において、エポキシ樹脂組成物には、硬化剤として、4,4’−ジアミノジフェニルメタンのような活性水素を有するアミン、ジメチルアニリンのような活性水素を有しない第三アミン、ジシアンジアミドのようなカルボン酸無水物、ポリカルボン酸ヒドラジド、ノボラック樹脂等のポリフェノール化合物、ルイス酸錯体、芳香族スルホニウム塩等を使用することができる。
これらの硬化剤には、硬化活性を高めるために適当な硬化助剤を組合わせ使用することができる。好ましい例としては、ジシアンジアミドに、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)のような尿素誘導体を硬化助剤として組合わせる例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に第三アミンを硬化助剤として組合わせる例等が挙げられる。
本発明において、エポキシ樹脂組成物には、改質剤として、高分子化合物、有機粒子、無機粒子、その他成分を配合することができる。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物に配合する高分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂を配合することにより、樹脂を含浸する際の粘度制御、プリプレグの取り扱い性、及び接着性向上等の効果が高められる。
ここで使用する熱可塑性樹脂は、接着性向上のために、相乗作用が期待できる水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が特に好ましい。水素結合性の官能基の具体例としては、アルコール性水酸基、アミド結合、スルホニル基等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂組成物に適度な粘弾性を与え、得られる複合材料に良好な物性を得るために、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜20重量部配合するのが良く、好ましくは、2〜10重量部配合するのが良い。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物に配合する有機粒子としては、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子等が好ましく使用される。これらの粒子はマトリックス樹脂の靭性向上、複合材料の耐衝撃性向上の効果を有する。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、上記したような組成により、その樹脂硬化物は、高い衝撃強度を発現するようになる。
本発明において、強化繊維には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが用いられる。これらの繊維を2種以上混合しても構わない。より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るために、特に炭素繊維の使用が好ましい。具体的には、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系等の各種の従来公知の方法で製造される炭素繊維が使用できる。中でも、高強度の炭素繊維が容易に得られるアクリル系の炭素繊維が好ましく使用される。
さらに軽量なゴルフシャフト、釣竿などのスポーツ用品を製造するためには、少量の材料で十分な製品の剛性を発現させうるように、弾性率の高い炭素繊維をプリプレグに用いることが好ましい。このような炭素繊維の引張弾性率は200〜700GPa、好ましくは300〜600GPaであるのが良い。
本発明のプリプレグは、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料の0度層間剪断強度が80MPa以上であることが好ましい。より好ましくは90MPa以上であり、さらに好ましくは100MPa以上である。0度層間剪断強度が80MPa以上とすることでプリプレグよりなる層間でマイクロクラックや剥離が起こりづらくなり、曲げ強度などの静的な力学特性ばかりでなく、動的な力学特性である耐衝撃性がより向上する場合がある。また、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料の90度引張強度は60MPa以上であるのが好ましい。より好ましくは70MPa以上であり、さらに好ましくは80MPa以上であり、特に好ましくは90MPa以上である。より好ましくは35MPa以上である。90度引張強度が30MPa未満であると繊維、樹脂間にマイクロクラックや剥離が生じ、曲げ強度などの静的な力学特性ばかりでなく、動的な力学特性である耐衝撃性が低下する場合がある。ここで、0度層間剪断強度は90MPa、90度引張強度は60MPa、それぞれあれば本発明の効果を奏するに当たり十分であることが多い。
本発明のプリプレグを得る方法としては前記エポキシ樹脂組成物を加熱して低粘度化することにより、強化繊維に含浸させるホットメルト法等を挙げることができる。ホットメルト法では、加熱により低粘度化したマトリックス樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させるか、又はマトリックス樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製した後、強化繊維の両側又は片側から該フィルムを重ね、加熱加圧することにより樹脂を含浸させプリプレグが得られる。このホットメルト法は、プリプレグ中に溶媒が残留することがないため好ましい。 尚、本発明のプリプレグとは強化繊維を一方向に引き揃えた一方向プリプレグをいう。
本発明繊維強化複合材料は、前記プリプレグを硬化せしめて得ることができる。プリプレグを成形・硬化する方法としては特に限定されず、従来公知の方法も用いることができる。具体的には、特にゴルフシャフト、釣り竿、ラケット等のスポーツ用部材の製造に適した方法として、プリプレグを積層し、積層物に圧力を付与しながら樹脂を加熱し、硬化させて成形する方法等により製造できる。
熱及び圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等があり、特にスポーツ用品に関しては、ラッピングテープ法、内圧成形法が好ましく適用される。ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを巻いて、管状体を成形する方法である。具体的には、マンドレルにプリプレグを巻き付け、プリプレグの固定及び圧力付与のために、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピングテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を加熱し、硬化させた後、芯金を抜き去って管状体とする方法である。
本発明の繊維強化複合材料製管状体は、前記繊維強化複合材料を含むものである。かかる繊維強化複合材料を含むことにより、好ましくは曲げ強度が2000Nを越える管状体を作製することもできる。また本発明の繊維強化複合材料製管状体は、その全体厚みTが1〜5mmとすることで例えばゴルフシャフト用途等に好適であり、0.1〜2mmとすることで例えば釣竿用途などに好適である。また、本発明の繊維強化複合材料製管状体は、管状体の全体厚みTに対して、管状体内側表面からT/2〜Tの範囲に前記繊維強化複合材料を含み、かかる繊維強化複合材料中の強化繊維方向が管状体軸方向に対し−5°〜+5°の角度を有することが好ましい。管状体の全体厚みTに対して、少なくとも管状体内側表面からT/2〜Tの範囲、すなわち管状体の外層に前記繊維強化複合材料を含むことにより、管状体に加わる曲げの衝撃応力を受け持つ前記繊維強化複合材料の寄与がより大きくなるため、管状体の耐衝撃性を効果的に向上することができる。また、前記繊維強化複合材料の繊維方向を管状体軸方向に対し−5゜〜+5°の範囲、すなわち実質的に強化繊維方向が管状体軸方向に引き揃えられた層を有することにより、管状体に適度な剛性をもたせつつ、耐衝撃性をより効果的に向上することができる。
また前記強化繊維方向が管状体軸方向に対し−5°〜+5°の範囲である繊維強化複合材料層の厚みが、管状体全体厚みTの10〜70%を占めることが好ましい。かかる層が、管状体全体厚みTの10%より少ないと、耐衝撃性向上の効果が十分に得られないことがある。70%より多いと、管状体軸方向の強度は高くなるものの、周方向の強度が低下し、管状体の耐衝撃性が低下することがある。
本発明の管状体は、上記強化繊維方向が管状体軸方向に対して−5°〜+5°の角度を有する層以外の層が含まれていてもよく、例えば強化繊維方向が管状体軸方向に対して±25°〜±60°、好ましくは±30°〜±55°の角度を有する、いわゆるバイアス層を設けてもよいし、また、管状体主軸に対し強化繊維方向が互いに軸対称をなす、2層構造のバイアス層を備えていても良い。かかる角度を有する層を設けると、ねじり強度向上という点で好ましく、ゴルフシャフトなどに好適に用いることができる。また、本発明の繊維強化複合材料製管状体は周方向を強化する層、例えば強化繊維方向が管状体軸方向に対して±80°〜90°である層、より好ましくは±85°〜90°である層を設けてもよい。かかる層を設けることは周方向の剛性向上という点で好ましい。このようなバイアス層や周方向層は前記、本発明のプリプレグを硬化させた繊維強化複合材料であっても、異なってもよいが、かかる層も本発明のプリプレグを硬化させた繊維強化複合材料であることが耐衝撃性という点で好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。実施例中のプリプレグ製造に用いた炭素繊維のストランド引張強度、引張弾性率の測定、樹脂硬化物の物性測定、プリプレグの作製、繊維強化複合材料製管状体の作製、繊維強化複合材料製管状体の物性測定、一方向複合材料の作製、一方向複合材料の物性測定は次の方法で行った。尚、物性測定はすべて温度23℃、相対湿度50%の環境で行った。
(1)炭素繊維のストランド引張強度、引張弾性率の測定
束状の炭素繊維に下記組成の樹脂を含浸させ、130℃で35分間硬化させた後、樹脂含浸ストランド法(JIS R7601)に基づいて引張試験を行った。
*樹脂組成
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレート(ERL−4221、ユニオンカーバイド社製)
100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ株式会社製) 3重量部
・アセトン(和光純薬工業株式会社製) 4重量部
(2)プリプレグの作製
エポキシ樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて離型紙上に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に整列させた炭素繊維に、この樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂を含浸せしめ、一方向プリプレグを作製した。
(3)一方向繊維強化複合材料の作製
上記(2)項に示す方法で作製した一方向プリプレグを、強化繊維の方向が同一になるよう所定枚数積層し、オートクレーブを用いて温度130℃、圧力290Paで2時間、加熱加圧して硬化させ、一方向繊維強化複合材料を作製した。
(4)一方向繊維強化複合材料の物性の測定
A.90度引張強度
ASTM D3039に従い、90度引張強度を測定した。試験数はn=5とし平均値を90度引張強度とした。尚、試験機としては引張試験機インストロン1185を用いた。試験片は上記方法により、プリプレグを積層し作製した一方向繊維強化複合材料を用い、サイズは下記の通りとした。
厚み:2±0.2mm
幅:25.4±0.5mm
長さ:38.1±1.0mm
B.0度層間剪断強度(ILSS)
ASTM D2344に従い、3点曲げ試験を行い、0度層間剪断強度を測定した。試験数はn=5とし平均値を0度層間剪断強度とした。尚、試験機としては引張試験機インストロン1125を用いた。試験片は前記方法によりプリプレグを積層し作製した一方向繊維強化複合材料を用い、サイズは下記の通りとした。
厚み:2±0.2mm
幅:6.4±0.5mm
長さ:12±1.0mm
また、測定条件は下記の通りとした。
スパン間距離:上部6.35mm、下部3.18mm
クロスヘッド移動速度:1.30mm/min
C.シャルピー衝撃破壊強度
支点間距離を40mmとしたこと以外はJIS K7077記載の方法に従いシャルピー衝撃破壊試験を行った。ハンマー振り上げ角135°、秤量300kg・cmで繊維軸方向と垂直な方向からフラットワイズに衝撃を与え、衝撃波形を検出し、FFT解析処理することにより、変位対荷重を算出した。得られた変位対荷重曲線より最大荷重と、最大荷重点までの変位対荷重曲線に囲まれた面積を荷重負荷面の断面積おいて除した値を最大荷重前シャルピー衝撃値として測定した。測定数はn=6とし、平均値をそれぞれ最大荷重および最大荷重前シャルピー衝撃値とした。本実施例ではシャルピー衝撃試験機として米倉製作所製 300CS計装化シャルピー衝撃試験機を使用した。尚、試験片(ノッチ無し)は前記方法により得られた一方向繊維強化複合材料を用い、サイズは以下の通りとした。
厚み:3±2mm
幅:10±2mm
長さ:80±2mm
(5)繊維強化複合材料製管状体の作製
下記(a)〜(c)の手順により、管状体軸方向に対して[±45゜2/0゜3]の積層構成を有する繊維強化複合材料製管状体を作製した。マンドレルには先端外径6.5mm、テーパ6.0/1000、長さ1100mmのステンレス製丸棒を使用した。ステンレス製丸棒には予め離型処理を施した。
(a)所定の一方向プリプレグを強化繊維の方向が台形の高さ方向に対して1枚は45°に、もう1枚は−45°になるように高さ1000mm、上底41mm、下底79mmの台形に切り出した(±45°材)。かかる2枚の台形のプリプレグを繊維方向が互いに交差するように、マンドレル半周分に対応する幅だけずらして貼り合わせた。貼り合わせたプリプレグを離型処理したマンドレルに、プリプレグの高さ方向とマンドレルの軸方向が一致するように巻き付けた。その上に、所定の一方向プリプレグを強化繊維の方向が台形の高さ方向に一致するように高さ1000mmの台形に切り出したもの(0°材)をプリプレグの高さ方向とマンドレルの軸方向が一致するように巻き付けた。尚、上底と下底の長さはかかる0°材の積層数に合わせて適宜決定した。
(b)ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ(ポリプロピレン)、PT30H)を巻きつけ、硬化用の炉の中で130℃、2時間加熱し成形した。
(c)成形後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテープを除去して繊維強化複合材料製管状体を得た。
(6)繊維強化複合材料製管状体の耐疲労性測定
繊維強化複合材料製管状体の耐疲労性の指標として、繰り返し衝撃試験を行った。上記方法により得られた繊維強化複合材料管状体に重量180gのヘッドを付け、ゴルフクラブを作製しこれを試験対象とした。ヘッドのほぼ中央に、ボールスピード50m/秒の条件で、重量50gのボールを繰り返し100回当て繰り返し衝撃試験を行った。試験数はn=40とし、繰り返し衝撃試験後、破壊せずに残ったシャフト本数を確認した。かかる繰り返し衝撃試験にはBIRD MACHINE & FAB.社製BMF Golf Ball Cannonを使用した。
以下、実施例、比較例について説明する。実施例、比較例中に記載の部数はすべて重量部を表す。実施例、比較例の結果は表1〜6に纏めて示した。
(実施例1)
強化繊維として、前記(1)の方法に従い測定した引張強度、引張弾性率の値が、引張強度4500MPa、引張弾性率400GPaのアクリル系炭素繊維を使用した。
前記炭素繊維と、表1に示すようなエポキシ樹脂組成物を用いて前記(2)の方法に従い、強化繊維目付が100g/m2、強化繊維含有率Wfが76重量%の一方向プリプレグを作製し、さらに前記(3)の方法に従い、これらを積層、硬化して一方向複合材料を作製し、前記(4)の方法に従い、各種強度物性を測定した。エポキシ樹脂の組成、及び炭素繊維、一方向繊維強化複合材料、の物性測定結果を表1に示す。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。また、90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例2)
表1に示す通り、強化繊維を引張強度5000MPa、引張弾性率230GPaのアクリル系炭素繊維に変更した以外は実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を作製した。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表1に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。また、90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例3)
表1に示す通り、強化繊維を引張強度4000MPa、引張弾性率550GPaのアクリル系炭素繊維に変更した以外は実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表1に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。
(実施例4)
表1に示す通り、繊維含有率を50重量%に変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表1に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。また、90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例5)
表1に示す通り、繊維含有率を65重量%に変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表1に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。また、90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例6)
表1に示す通り、繊維含有率を80重量%に変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表1に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度は実施例1や5と比較してやや低下する傾向にあったが、繊維含有量が高いため単位長さあたりの重量は軽量化された。
(実施例7)
表1に示す通り、繊維含有率を80重量%に変更した以外は、実施例2と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表1に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度は実施例2と比較してやや低下する傾向にあったが、繊維含有量が高いため、単位長さ当たりの重量は軽量化された。
(実施例8)
表1に示す通り、繊維含有率を85重量%に変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表1に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度は実施例2と比較してやや低下する傾向にあった。
(実施例9)
表2に示す通り、樹脂組成からフェノールノボラック型エポキシ樹脂を除いた以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表2に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例10)
表2に示す通り、樹脂組成を変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表2に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例11)
表2に示す通り、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合比率を増やした以外は、実施例10と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表2に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度は実施例10と比較してやや低下する傾向にあった。
(実施例12)
表2に示す通り、樹脂組成を変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表2に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度は実施例1と比較してやや低下する傾向にあった。
(実施例13)
表2に示す通り、樹脂組成を変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表2に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度は実施例1と比較してやや低下する傾向にあった。
(実施例14)
表2に示す通り、樹脂組成を変更し、EPICLON HP7200L(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂,大日本インキ化学工業(株)製,平均分子量458,エポキシ価248)を使用した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表2に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例15)
表2に示す通り、樹脂組成を変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表2に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例16)
表3に示す通り、樹脂組成を変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表3に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(実施例17)
表3に示す通り、EPICLON HP7200LをEPICLON HP7200H(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂,大日本インキ化学工業(株)製,平均分子量666,エポキシ価248)に変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表3に示す結果となった。本実施例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たすものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度も高い値を示した。
(比較例1)
表3に示す通り、樹脂組成を変更した以外は、実施例1と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例1と同様に各特性値を測定したところ表3に示す結果となった。本比較例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たさないものであった。90度引張強度および0度層間剪断強度は実施例1と比較してやや低下する傾向にあった。
(比較例2)表3に示す通り、樹脂組成を変更した以外は、実施例4と同様にプリプレグおよび一方向繊維強化複合材料を得た。実施例4と同様に各特性値を測定したところ表3に示す結果となった。本比較例のプリプレグから得られる一方向繊維強化複合材料は式(1)および式(3)を満たさないものであった。
(実施例18)
±45°材として実施例1で得られたプリプレグを、0°材として実施例1で得られたプリプレグを用いて前記(5)に記載の方法で[±45゜2/0゜3]の積層構成を有する繊維強化複合材料製管状体を作製した。尚、0°材は3層分に相当するように上底を64mm、下底を122mmに切り出した台形のプリプレグを使用した。本実施例の管状体は、管状体の全体厚みTに対して、管状体内側表面から0.57T〜Tの範囲に実施例1のプリプレグからなる0°材を含むものであった。得られた管状体を用いて前記(6)記載の方法により繰り返し衝撃試験を行ったところ、シャフトの破壊率は0(%)であった。結果を表4にまとめて示す。
(実施例19)
±45°材として実施例2で得られたプリプレグを、0°材として実施例2で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例20)
±45°材として実施例3で得られたプリプレグを、0°材として実施例3で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例21)
±45°材として実施例4で得られたプリプレグを、0°材として実施例4で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例22)
±45°材として実施例5で得られたプリプレグを、0°材として実施例5で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例23)
±45°材として実施例6で得られたプリプレグを、0°材として実施例6で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例24)
±45°材として実施例7で得られたプリプレグを、0°材として実施例7で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例25)
±45°材として実施例8で得られたプリプレグを、0°材として実施例8で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例26)
±45°材として実施例9で得られたプリプレグを、0°材として実施例9で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表5に示す。
(実施例27)
±45°材として実施例10で得られたプリプレグを、0°材として実施例10で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表5に示す。
(実施例28)
±45°材として実施例11で得られたプリプレグを、0°材として実施例11で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表5に示す。
(実施例29)
±45°材として実施例12で得られたプリプレグを、0°材として実施例12で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表5に示す。
(実施例30)
±45°材として実施例13で得られたプリプレグを、0°材として実施例13で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表5に示す。
(実施例31)
±45°材として実施例14で得られたプリプレグを、0°材として実施例14で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表6に示す。
(実施例32)
±45°材として実施例15で得られたプリプレグを、0°材として実施例15で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表6に示す。
(実施例33)
±45°材として実施例16で得られたプリプレグを、0°材として実施例16で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表6に示す。
(実施例34)
±45°材として実施例17で得られたプリプレグを、0°材として実施例17で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例18と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。結果を表6に示す。
(実施例35)
±45°材として比較例1で得られたプリプレグを用い、その外側に0°材として比較例1で得られたプリプレグを1層、更に外側に実施例1で得られたプリプレグを2層用い、積層構成を[±45゜2/0゜1/0゜2]に変更した以外は前記(5)に示した方法でシャフトを成形した。尚、0°材は比較例1で得られたプリプレグを1層分に相当するように上底26mm、下底45mmの台形に切り出したもの、および実施例1で得られたプリプレグを外層2層分に相当するように上底52mm、下底90mmの台形に切り出したものを用い実施例1で得られたプリプレグが最外層になるように巻き付けた。本実施例の管状体は、管状体の全体厚みTに対して、管状体内側表面から0.71T〜Tの範囲に実施例1のプリプレグからなる0°材を含むものであった。かかるシャフトについて繰り返し衝撃試験を行った。結果を表7に示す。
(実施例36)
±45°材として比較例1で得られたプリプレグを用い、その外側に0°材として比較例1で得られたプリプレグを2層、更に外側に0°材として実施例1で得られたプリプレグを外層に1層用い、積層構成を[±45゜2/0゜2/0゜1]に変更した以外は実施例27と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。本実施例の管状体は、管状体の全体厚みTに対して、管状体内側表面から0.86T〜Tの範囲に実施例1のプリプレグからなる0°材を含むものであった。結果を表7に示す。
(比較例3)
±45°材および0°材として比較例1で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例1と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。シャフトの折損率は4%であり、実施例18〜36に比べて悪い結果となった。結果を表7に示す。
(比較例4)
±45°材および0°材として比較例2で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例1と同様の方法でシャフトを成形し、繰り返し衝撃試験を行った。シャフトの折損率は4%であり、実施例18〜36に比べて悪い結果となった。結果を表7に示す。
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Claims (14)

  1. 強化繊維とマトリックス樹脂からなり、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料のシャルピー衝撃試験による最大荷重Pmax(N)と強化繊維のストランド引張弾性率Y(GPa)が式(1)および(2)をみたすプリプレグ。
    Pmax≧−1.04×Y+1650・・・・式(1)
    200≦Y≦700・・・・式(2)
  2. 強化繊維とマトリックス樹脂からなり、130℃で2時間硬化して得られる繊維強化複合材料の最大荷重前シャルピー衝撃値A(kJ/m2)と強化繊維の引張弾性率Y(GPa)が式(3)および(4)をみたすプリプレグ。
    A≧−0.12×Y+85・・・・式(3)
    200≦Y≦700・・・・式(4)
  3. 強化繊維含有量が55〜85重量%である請求項1または2記載のプリプレグ。
  4. 前記強化繊維が炭素繊維である請求項1〜3いずれか記載のプリプレグ。
  5. 前記マトリックス樹脂がエポキシ樹脂組成物である請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ。
  6. 前記エポキシ樹脂組成物が2官能のエポキシ樹脂を含んでなり、該2官能エポキシ樹脂が、該エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量%に対して、70重量%以上である請求項5に記載のプリプレグ。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物が脂環式の炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂を含む請求項5または6に記載のプリプレグ。
  8. 前記脂環式の炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂が数平均分子量250〜500である請求項7記載のプリプレグ。
  9. 全エポキシ樹脂100重量%中、前記脂環式の炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂が10〜30重量%含まれる、請求項7または8記載のプリプレグ。
  10. 前記脂環式の炭化水素骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂がノルボルナン骨格を有する請求項7〜9のいずれかに記載のプリプレグ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のプリプレグが硬化されてなる繊維強化複合材料。
  12. 請求項11記載の繊維強化複合材料を含む繊維強化複合材料製管状体。
  13. 管状体の全体厚みTに対して、管状体内側表面からT/2〜Tの範囲に前記繊維強化複合材料を含み、かかる繊維強化複合材料中の強化繊維方向が管状体軸方向に対し−5°〜+5°の角度を有する請求項12記載の繊維強化複合材料製管状体。
  14. 前記強化繊維方向が管状体軸方向に対し−5°〜+5°の角度を有する繊維強化複合材料層が管状体全体厚みTの10〜70%を占める請求項12または13記載の繊維強化複合材料製管状体。
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