JP2004268466A - 密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層/変性ポリプロピレン含有溶着層/金属箔層/接着剤層/耐熱性ポリマー層からなる積層構造を有することを特徴とする密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム箔のような金属箔層を挟んで耐衝撃性でヒートシール性の結晶性ポリプロピレン層からなる内層と耐熱性ポリエステル等の耐熱性ポリマーからなる外層とを一体的に積層接合して形成されている密封殺菌包装袋(体)用の積層フィルム又はシートとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レトルト処理用の袋体としては、遮光性に優れたアルミニウム箔を中間層とし、その内外面に耐熱性ポリマー層とヒートシール性を有するポリマー層を積層した積層シートが使用されており、例えば、そのヒートシール性ポリマー層を内層として袋状にヒートシールし、袋内に調理済食品類を充填収納した後、脱気密封し、さらに、レトルトと呼ばれる高温殺菌装置内で加熱殺菌処理をして長期保存可能な食品包装袋とされている。
【0003】
上記の包装体を製造するための積層シートの場合、層間の接合、特に最内層のヒートシール性ポリマー層の接着方法には制約があり、ウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤等の熱硬化性接着剤を用いると、熱硬化後においてもなお残存する未縮合の単量体がヒートシール性ポリマー層を通して収納食品中に移行して食品の風味を損ねることがあるため好ましくないことから、アルミニウム箔等への溶融接着性に優れた変性ポリプロピレンのような溶着性ポリマーによる接着方式が採用されるようになっている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、そのような従来の溶着性変性ポリプロピレンを使用して層間接合をした積層体の場合は、熱硬化性接着剤を使用して層間接合をした積層体に比べて密封殺菌包装体となった場合の耐衝撃性、耐引裂性に劣り、製造された密封殺菌包装体がJAS規格にある落袋テストで面破袋、エッジ切れ、ピンホール破袋といったトラブルを起こすことがあった。
【0005】
一方、カルボキシル基含有ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンを介して結晶性ポリプロピレンフィルム層と金属箔層とを積層し、次いで該結晶性ポリプロピレンの融点以上に加熱して一旦溶融した後、シェアを与えない状態にて冷却結晶化するという方法を採用することにより、落袋時に生じるエッジ切れ、ピンホール破袋といったトラブルを起こすことのない密封殺菌包装袋を製造することができる積層体を製造することも提案されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。しかし、この非特許文献1等では、結晶性ポリプロピレンの結晶型については言及されていない。
【0006】
【特許文献1】
特公昭63−8901号公報
【特許文献2】
特公昭55−8011号公報
【非特許文献1】
「ポリプロピレンハンドブック」「(株)工業調査会 1998年5月発行」
【非特許文献2】
Robert Zannetti 「Di Macromolek ulare Chemie 」128 1269
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献の方法で製造される積層体によって形成されている密封殺菌用包装体の中には、食品用包装体に要求される耐衝撃性、耐熱性、耐引裂性等を満足するものも多い。
本発明は、包装体内層側に収納食品の風味を損ねる恐れのある熱硬化性接着剤を使用しておらず、JAS規格に基づく落袋テストにおいて面破袋、エッジ切れ、ピンホール破袋を発生することがない、さらに優れた特性を備えた食品密封殺菌包装体用のフィルム又は積層シートを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、食品密封殺菌包装体用の積層フィルム又はシートの最内層を構成する層としてα晶とスメクチック晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層を有する食品密封殺菌包装体用の金属箔層含有積層体フィルム又はシートとその製造方法を提供するものであり、以下の各発明を包含する。
【0009】
(1)スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層/変性ポリプロピレン含有溶着層/金属箔層/接着剤層/耐熱性ポリマー層からなる積層構造を有することを特徴とする密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【0010】
(2)前記変性ポリプロピレン含有溶着層は、金属箔層側に溶着性変性ポリプロピレン層が位置している溶着性変性ポリプロピレンと溶着性ポリオレフィンとの共押出しラミネート層、溶着性変性ポリプロピレン単層押出しラミネート層によって形成されていることを特徴とする(1)項記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【0011】
(3)前記溶着性ポリオレフィンが溶着性変性ポリプロピレン以外の溶着性ポリプロピレンであることを特徴とする(2)項記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【0012】
(4)前記スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層のα晶混合率は7〜50重量%の範囲であることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【0013】
(5)前記金属箔層はアルミニウム箔であることを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【0014】
(6)前記金属箔と耐熱性ポリマー層間の接着剤層がウレタン系接着剤層であることを特徴とする(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【0015】
(7)前記耐熱性ポリマー層が、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、延伸又は未延伸のポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、エンジニアリングポリマーフィルムから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
【0016】
(8)金属箔と予めフィルム又はシート状に加工した結晶性ポリプロピレン層の間に、溶着性変性ポリプロピレン層が金属箔側に位置するように溶着性変性ポリプロピレン含有層を共押出しで積層するか、あるいは金属箔側から溶着性変性ポリプロピレン層が金属箔側に位置するように溶着性変性ポリプロピレン含有層と結晶性ポリプロピレン層を共押出し又は順次押出して得られる積層体を金属箔面が熱ロールと接触するように熱ロールに送って溶着性変性ポリプロピレン含有層及び結晶性ポリプロピレン層を完全溶融し、熱ロールを出た積層体における変性ポリプロピレン含有層及び結晶性ポリプロピレン層の溶融状態を一定期間保持した後、積層体を冷却ロールに送り、室温付近の温度まで急冷してα晶混合率が7〜50重量%であるスメクチック晶とα晶の混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層を有する積層体を形成し、次いで、冷却ロールを出た積層体の金属箔面に接着剤層を介して耐熱性ポリマー層を積層することを特徴とする密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
【0017】
(9)前記溶着性変性ポリプロピレン含有層は、金属箔層側に溶着性変性ポリプロピレン層が位置している溶着性変性ポリプロピレンと溶着性ポリオレフィンとの共押出しラミネート層又は溶着性変性ポリプロピレン単層押出しラミネート層ラミネート層であることを特徴とする(8)項記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
【0018】
(10)前記溶着性ポリが溶着性変性ポリプロピレン以外の溶着性ポリプロピレンであることを特徴とする(9)項記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
【0019】
(11)前記スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層のα晶混合率は7〜50質量%の範囲であることを特徴とする(8)〜(10)項のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
【0020】
(12)前記金属箔層はアルミニウム箔であることを特徴とする(8)〜(11)項のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
【0021】
(13)前記金属箔面に耐熱性ポリマー層を積層接着するための接着剤がウレタン系接着剤であることを特徴とする(8)〜(12)項ののいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートは、金属箔層を挟んで包装体とした場合の最内層に、変性ポリプロピレン溶着層を介してα晶とスメクチック晶との混晶体からなるヒートシール性の結晶性ポリプロピレン層を有し、最外層に接着剤層を介して耐熱性ポリマー層を有することを特徴とする、スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層/変性ポリプロピレン溶融接着剤層/金属箔層/接着剤層/耐熱性ポリマー層からなる積層フィルム又はシートである。
【0023】
ヒートシール性の結晶性ポリプロピレンとしては、本発明にしたがって、所定比率のα晶とスメクチック晶の混晶体を形成することができるポリプロピレンであれば、特に制限はない。例えば、特許文献1又は特許文献2等に記載された方法等によって製造されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜40g/10分(ASTM−D−1238による値)、好ましくは5g/10分以下で、720cm−1と731cm−1の吸光度比、A720/A731が0.5以上であり、エチレン成分を3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の割合で含有する、融点158℃〜165℃のポリマー等が使用できる。
【0024】
また、結晶性ポリプロピレンフィルムとしては、通常のフィルム成形方法、すなわちT型ダイス、円形ダイスによる押出成形方法、カレンダーロールによる成形方法によって製造されたものを使用することができる。
【0025】
ポリプロピレンの結晶化に関しては、〔「ポリプロピレンハンドブック〕(株)工業調査会 1998年5月発行〕のポリプロピレンの結晶化についての総説に次のような記載がある。
「ポリプロピレンのメソフィーズ型(スメクチック晶)は温度が高いほど不安定であり、メソフィーズ型がα型(α晶)に転移するのは65℃から120℃で起こる。このことはDSC走査の発熱量の測定から明らかである。さらにこの発熱と共に結晶化度が増加すること、この転移は固相転移であることが示されている。興味深いのは、メソフィーズ型を同じ温度で加熱を続けてもα型への転移する結晶化度は限界値があることを示していることである。逆に冷却するとα型からメソフィーズ型へと反対の現象が起こる。メソフィーズ型の生成量はポリプロピレンを融解(融液)し、結晶型を解消した後、これを急冷することで制御できる。冷却速度が速くなればメソフィーズ型が連続的に増加し、これに対応してα晶が減少する。冷却速度が80℃/秒を超えるとメソフィーズ型となる。」
【0026】
上記の記述等を参考に、本発明者らは、以下の検証を行った。
<粉末X線回折によるα晶の定量方法の検証>
〔「ポリプロピレンハンドブック」(株)工業調査会発行〕の第3章には、前記したように、スメクチック晶とα晶との関係について記述があり、スメクチック晶からα晶への結晶化が進行することによる結晶化度はNMR等の分析で測定できること、結晶化度はX線回折で求められることが開示されている。
【0027】
Roberto Zannettiらは、アニーリング時間と温度におけるスメクチックポリプロピレン中の結晶構造の変化について報告している(Die Mackromolekulare Chemie 128(1969)137−142(Nr.3181)〕。この中でスメクチック晶を示すポリプロピレンを70℃から160℃まで加熱したとき、温度上昇に比例しα晶が生成する様子を測定している。そして、ある温度での加熱を継続してもα晶の生成量は限界値を超えないことも示している。
【0028】
その時得られた粉末X線回折図を図に示している。加熱しない状態でのスメクチック晶を示すポリプロピレンは、2θ=15.0及び21.5で比較的なだらかな2つのピークを有すること及びポリプロレンの融点を超える160℃に加熱した場合にはスメクチック晶は消滅し、代りにα晶が出現することを示している。α晶は2θ=14.0,17.5,18.5,21.0及び22.0の5つのピークが現われる。例えば、70℃に加熱した時、スメクチック晶とα晶の混晶となっており、一部のピークが重なりショルダーピークとなっていた。波高に基づいてα晶の混合値の精度を上げるには、ショルダーピークで測定することは避ける方が良い。
【0029】
本発明者らは、α晶を示すピークのうち、スメクチック晶のピークに影響を受けにくいピークとして2θ=17.0及び18.5に注目した。これらの2つの2θ=17.0及び18.5における波高(mm)を縦軸に加熱温度を横軸にプロットすると添付の図面における図1が得られた。最小二乗法による解析は加熱温度と波高(α晶の生成量)の間には比例関係があり、しかも、その関係は一次式で示されることを示唆していた。このことは、X線回折法で得られた2θ、17.0及び18.5における波高からα晶の定量が可能であることを示唆している。
【0030】
これらの検証結果を基に、本発明者らはさらに研究を重ねた結果、前記したようなα晶とスメクチック晶が特定比率で存在する混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層が密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの包装体最内層を形成するヒートシール性層として優れた耐衝撃性、耐引裂性を合せ有することを見出し、本発明を完成させたものである。
【0031】
本発明の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートにおいて、結晶性ポリプロピレン層と金属箔の間の溶着層を形成する溶融接着性ポリプロピレン含有層に使用される溶融接着性のポリオレフィンとしては、通常、溶融接着性ポリオレフィンとして使用されているポリプロピレンや低密度ポリエチレン等が使用できるが、一緒に使用される変性ポリプロピレン層との関係では、溶融接着性ポリプロピレンが好ましい。
【0032】
また、溶融接着性の変性ポリプロピレンとしては、アルミニウム箔に対する接着性が改善されている変性ポリプロピレンが使用される。そのような変性ポリプロピレンとしては、例えば、特公昭63−8901号公報に記載されている積層体の製造方法において使用されているカルボキシル基含有ポリプロピレン及び金属化合物を配合したカルボキシル基含有ポリプロピレン等が挙げられる。
【0033】
変性ポリプロピレン層と積層されて溶着層を形成するポリオレフィン層としては、変性ポリプロピレンとの相溶性が良いことから、溶融接着性ポリプロピレン層が適しているが、これに限定されるものではなく、その他の溶融接着性のポリオレフィン層の使用が可能である。
【0034】
変性ポリプロピレン溶着層を、溶融接着性変性ポリプロピレンと他の溶融接着性オレフィンとを含有する共押出しラミネート層より形成する場合には、溶融接着性変性ポリプロピレン層が金属箔層側に位置するように配置されることが望ましい。
【0035】
金属箔層とスメクチック晶及びα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層とを接着している溶着層は、包装体内の食品等に悪影響を与えることがなく、かつ接着強度にも優れていることから、変性ポリプロピレンからなる溶着層であることが特に好ましい。
【0036】
金属箔としては、可撓性のある包装体用の積層フィルム又はシートに採用される金属箔であれば特に制限はないが、本発明の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートが食品用である場合は、特にアルミニウム箔が好ましい。
【0037】
積層体の最外層を構成する耐熱性ポリマー層としては、通常、密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート用として使用されているものであれば特に制限はなく、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、延伸又は未延伸のポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、エンジニアリングポリマーフィルム等が使用できるが、耐熱性に優れている点で、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0038】
積層体の最外層を構成するポリエステル層と金属箔とを接着するための接着剤としては、通常の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの外層側を構成する層を金属箔層に接着するために使用される接着剤が使用される。本発明の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート用としては、エポキシ系接着剤やポリウレタン系接着剤が使用できるが、耐熱性が良好であることからポリウレタン系接着剤が特に好ましい。
【0039】
本発明の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造は、以下の3工程によって行われる。
まず、結晶性ポリプロピレンフィルムの巻きロールからポリプロピレンフィルムを巻出し、同時に金属箔(例えばアルミニウム箔)の巻きロールから金属箔を巻出し、該ポリプロピレンフィルムと金属箔との間に、押出しダイより溶融変性ポリプロピレンを押出すか、又は共押出ダイより金属箔側に溶融変性ポリプロピレン膜を、また結晶性ポリプロピレンフィルム側に通常の溶融接着用ポリオレフィン膜を共押出するか、あるいは金属箔側から溶着性変性ポリプロピレン膜が金属箔側に位置するように溶着性変性ポリプロピレン含有層と結晶性ポリプロピレン層を共押出し又は順次押出して得られる積層体を圧着ローラー間に通し、結晶性ポリプロピレンフィルム/変性ポリプロピレン含有接着剤層/金属箔からなる積層フィルム又はシートを形成する。
【0040】
次いで、該積層フィルム又はシートを熱ローラーに送って金属箔側から加熱して結晶性ポリプロピレンフィルム層及び変性ポリプロピレン含有接着剤層の各層を溶融し、該溶融状態を一定期間保持した後、冷却ロールに送って冷却速度80℃/秒以上で該結晶性ポリプロピレン層の温度が70℃〜0℃、特に30℃以下となるように急冷して溶融層全体を固化させる。
【0041】
形成された結晶化ポリプロピレン層/変性ポリプロピレン含有溶着層/金属箔層からなる層構成の積層フィルム又はシートの金属箔層側に、例えば、ウレタン系接着剤等を塗布し、前記結晶化ポリプロピレン層/変性ポリプロピレン含有溶着層の溶融温度以下の温度で乾燥した後、該接着剤層にポリマーフィルム、例えばポリエステルフィルム巻取から巻きだした合成樹脂フィルムを積層し、加熱圧着して、結晶化ポリプロピレン層/変性ポリオレフィン含有溶着層/アルミニウム箔層/接着剤層/耐熱性ポリマー層からなる層構成の本発明の積層フィルム又はシートを得る。
【0042】
上記溶着性の変性ポリオレフィン単独層又は溶着性ポリオレフィンと溶着性変性ポリプロピレンとの複合層による結晶性ポリプロピレンフィルムと金属箔、特にアルミニウム箔との接着は、結晶性ポリプロピレンフィルムとアルミニウム箔との間に溶着性の変性ポリプロピン層を単一層として押出しするか、又は溶着性変性ポリプロピレン層と溶着性ポリオレフィン層とを別々にフィルム状に溶融押出して圧着するサンドイッチラミネーションによって行うことができる。
【0043】
本発明の製造方法において、上記サンドイッチラミネーションによって形成された結晶性ポリプロピレンフィルム層/溶着性変性ポリプロピレン含有層/アルミニウム箔層からなる積層フィルム又はシートは、次いで、該積層シートの金属箔側から加熱されるように積層シートを熱ロールに接触させて結晶性ポリプロピレン層と、溶着性変性ポリプロピレン含有層とを加熱溶融させ、該溶融状態を、好ましくは0.8秒以上保持した後、急冷される。
【0044】
熱ロールによる結晶性ポリプロピレン層と、溶着性変性ポリプロピレン含有層の加熱は、結晶性ポリプロピレン層と前記溶着性層が共に溶融する温度、通常、165℃以上、好ましくは200℃〜300℃で行われるが、この場合、結晶性ポリプロピレン層の溶融状態を、冷却ロールまでの間、少なくとも一定期間、好ましくは0.6秒〜0.9秒の間保持することが好ましい。溶融状態の保持時間が短すぎたり、また、溶融状態に達しないと形成される変性ポリプロピレン接着剤層と金属箔層との接着が不十分となり、最終的に形成される積層フィルム又はシートで製造された包装体に前記エッジ切れやピンホール破袋、デラミによる浮き(層間剥離)が生起することがある。
【0045】
次いで、積層フィルム又はシートは、急冷されて結晶性ポリプロピレン層の結晶化と該結晶ポリプロピレン層と金属箔層、特にアルミニウム箔層との間に強固な溶着層が形成される。この場合、冷却速度80℃/秒以上1000℃/秒以下、好ましくは80℃/秒以上500℃/秒以下で、ポリプロピレン溶融層の温度を70℃〜0℃、好ましくは40℃〜10℃に急冷し、結晶化させることが好ましい。
冷却速度が遅くなるに伴って、結晶化ポリプロピレン層中のα型結晶が多くなり、目的とするスメクチック型結晶の割合が少なくなって耐衝撃性が低下するため、最終的に形成される積層体で製造された包装体にエッジ切れやピンホール破体が発生する原因となる。そして、スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層のα晶の混合率は7〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲である。
【0046】
急冷処理されて結晶化ポリプロピレン層が形成され、前記変性ポリプロピレン含有溶着層によって金属箔層に強固に接着されている積層体は、次いで、その金属箔層側にグラビアコーター等の塗布手段によりウレタン系接着剤等の接着剤が塗布され乾燥された後、該接着剤層にポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、延伸又は未延伸ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、エンジニアリングポリマーフィルムのような耐熱性のポリマーフィルムが重ね合わされ、加熱圧着ロールに通されて接着される。この耐熱性ポリマーフィルムの接着時の加熱は、前記結晶化ポリプロピレン層が再び溶融することのないような温度であるべきである。
以上の多段工程を経て本発明の耐衝撃性、耐熱性の積層フィルム又はシートが完成する。
【0047】
本願発明の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートはレトルト用袋としてだけに止まらず、レトルト容器として蓋材及び/又は容器に用いることができる。この容器はトレー又はボトル等である。袋体として、平パウチ、スタンディングパウチ、ピロー体、ガゼット体等が挙げられる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例にしたがって本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、各物質名は以下のように略記する。
ポリエチレンテレフタレート=PET
変性ポリプロピレン=変性PP
ポリプロピレン=PP
無延伸ポリプロピレン=CPP
【0049】
<各種測定方法>
フィルムの表面温度:
加熱処理及び冷却処理したフィルムの表面温度は非接触式温度計〔タスコジャパン(株)製THI−300〕により測定した。
ラミネート強度:
引張り試験機テンシロンRTF〔(株)オリエンテック製〕を用い、20℃−65%RHの環境下、T型剥離法でサンプル幅15mm、引張り速度300mm/minにて測定した。積層フィルムのAl箔層と変性PP層との間のラミネート強度を測定し、同種試験品を5つ用意し、繰り返し回数n=5で行った。
【0050】
樹脂の融点:
DSC装置〔セイコウインスツルメンツ(株)製DSC200〕にて測定した。
粉末X線回折:
X線測定はフィリップ社製のX線回折装置 X’Pert Systemを用いた。被測定用ラミネートフィルムは、その組成のPET樹脂層及びアルミニウム層によるX線回折ピークへの妨害を除くため、これらの層を前もって除去してから測定した。除去方法は積層フィルムを6N塩酸水溶液に室温で数日間漬けアルミニウム層を溶解し、PET層を分離し、変性PP/PP/CPPの構成にし、CPP面を粉末X線測定した。
【0051】
<α晶含有量の測定>
<検量線用試料の調製>
α晶100重量%のCPPフィルムの作成:
ヒートシールテスター〔テスター産業(株)製TP−701−B型〕を使用してシール温度をフィルムの上下面230℃、シール時間2秒、シール圧力0.5kg/cm2の条件にてCPPフィルム〔昭和電工(株)製アロマーUT−21〕両面をPETフィルムで覆い、PET12μm/CPP60μm/PET12μmに積層してシール幅20mm、長さ200mmでシールし、室温で自然放冷させた。充分に冷却後擬似接着しているPET層を静かに剥がし、α晶100重量%の厚さ60μmのCPPフィルム(CPPフィルムαと略す)得た。
【0052】
スメクチック晶100重量%のCPPフィルムの作成:
ヒートシールテスター〔テスター産業(株)製TP−701−B型〕を使用してシール温度をフィルムの上下面230℃、シール時間2秒、シール圧力0.5kg/cm2の条件にてCPPフィルム〔昭和電工(株)製アロマーUT−21〕両面をPETフィルムで覆い、PET12μm/CPP60μm/PET12μmに積層してシール幅20mm、長さ200mmでシールした直後、CPPが溶融状態で15℃の冷水に1分間浸漬し、スメクチック晶100重量%の厚さ60μmのCPPフィルム(CPPフィルムSと略す。)を得た。
【0053】
<検量線の作成>
α晶100重量%のCPPフィルム(CPPフィルムαという)を粉末X線回折をし、2θ=17.0及び18.5における波高値を読み取った。
α晶200重量%のCPPフィルムとして、CPPフィルムαを2枚重ね合わせ密着させたものについて、同様に2θ=17.0及び18.5における波高値を読み取った。これらのフィルムを上下逆転させた後、再度粉末X線回折をした。
α晶0重量%のCPPフィルム(CPPフィルムSという)についても、上記方法と同じく単独と2枚重ね合わせて測定した。2θ=17.0及び18.5における波高値は得られなかった。
【0054】
α晶50重量%のCPPフィルムとして、厚さ60μmのCPPフィルムαと厚さ60μmのCPPフィルムSとを合わせ、これを粉末X線回折した。次に2枚のフィルムの上下を逆さまにして再度粉末X線回折した。同様に2θ=17.0及び18.5における波高値をそれぞれ読み取った。この場合フィルム2枚の厚さ120μmのフィルム中にα晶の含有量は50重量%となる。粉末X線回折図の2θ=17.0及び18.5の波高値を縦軸、α晶含有量を横軸にして検量線を作成したところ、これら4種のフィルムの間は直線関係で示された。2θ=17.0及び18.5における波高をそれぞれ波高をy、α晶混合率(重量%)をxとすると前者はy=0.59x(1)、後者はy=0.245x(2)となった。これを図2に示した。
【0055】
この結果、同一フィルムの厚さで比較する限り、フィルム中に存在するα晶の定量が可能であると言える。なお、得られた粉末X線回折図はノイズを伴うのでphilips社のsmoothing化ソフト[X“Pert”Software for XRD analysis]を用い、smoothingレベル2で処理した。波高は2θ=17.0及び18.5におけるピークの各々左右両脇の最も下がるベースライン間を接線で結びこれと2θ値におけるY軸と平行線との交点を決め、この交点からの2θ値における波高の高さをX線回折装置にセットされたカウント数/秒で求めた。試料フィルムの分析に当たってはそのフィルムの厚さと同一の厚さの試験片を作成し、測定の都度同一条件でX線回折することが望ましい。
【0056】
<α晶の混合率の計算>
実施例で得られた2θの波高値を、それぞれ前記式(1)又は式(2)に代入してα混合率x(重量%)を得た。
【0057】
<落下試験による破袋率の測定>
中味を充填し、PET層/アルミニウム箔層/変性PP/PP/CPPで構成される積層フィルムを用いて製造された密封平パウチの被試験品1000袋を、−5℃、24時間放置後120cmの高さより、JIS Z 0217の落下姿勢に準拠し、パウチを横倒した状態で及びパウチ立てて底を下にした状態でそのまま落して落下試験を試験区毎に1000袋づつ実施した。破袋及びアルミニウム箔と変性PP層との間の層間剥離の発生数を全測定数で除して破袋率(%)を求めた。破袋率5%以下を総合評価「適格」とした。
【0058】
実施例1
<積層フィルム−1の製造>
住友重機械工業(株)製の押出しラミネート機を用い、7μm厚のアルミニウム箔と60μm厚のCPPフィルム〔昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製アロマーUT−21 融点162℃〕の間にアルミニウム箔面に近い方から順に変性PP層〔日本ポリオレフィン(株)製アドテックスER353LA:厚さ3μm、融点150℃)(変性PPと略す)とPP層(厚さ12μm、融点145℃)(PPと略す)を共押出し、積層した。この積層フィルムロールを熱ロールと冷却ロールを設置したドライラミネーターの繰り出しロールとして、熱ロールにアルミニウム箔面が当たるようにセットした。熱処理設定温度の熱ロールの表面温度は190℃、冷却ロールの表面温度は20℃であった。また、グラビアコーター部でのウレタン接着剤〔東洋モートン(株)製AD502〕のアルミニウム箔面への塗布量が乾燥重量で4g/m2となるように調整した。乾燥機内の乾燥風温度と乾燥風量はウレタン接着剤の溶媒が充分に蒸発するようにした。但し、乾燥風温度の設定値は100℃以下であり、該CPP、変性PP、PPの融点よりも低い。
【0059】
さらに、アルミニウム箔面上に貼り合わせるために、第二繰り出しに12μm厚のPETフィルムロールをセットした。上記条件にてドライラミネーターを100m/minの速度で走らせた。変性PP層とPP層及びCPP層は熱ロール接触後30mmで完全に溶融し、熱ロールから流れ方向に600mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は153℃、冷却ロールより流れ方向に400mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は29℃であった。得られた積層フィルム−1の構成はPET層12μm/接着剤層/アルミニウム箔層7μm/変性PP層3μm/PP層12μm/CPP層60μmであった。ラミネート強度は、繰り返し回数n=5で平均値は縦の流れ方向は10.1N/15mm、横方向は15.8N/15mmであった。
【0060】
実施例2
<積層フィルム−2>
住友重機械工業(株)製の押出しラミネート機を用い、7μm厚のアルミニウム箔と60μm厚のCPPフィルム〔昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製アロマーUT−21〕の間にアルミニウム箔面に近い方から順に変性PP〔日本ポリオレフィン(株)製アドテックスER353LA:厚さ3μm、融点150℃〕とPP(厚さ12μm、融点160℃)を共押出し、ラミネートした。このラミネートしたフィルムロールを熱ロールと冷却ロールを設置したドライラミネーターの繰り出しロールとして、熱ロールにアルミニウム箔面が当たるようにセットした。熱処理設定温度の熱ロールの表面温度は200℃、冷却ロールの表面温度は20℃であった。また、グラビアコーター部でのウレタン接着剤〔東洋モートン(株)製AD502〕のアルミニウム箔面への塗布量が乾燥重量で4g/m2となるように調整した。乾燥機内の乾燥風温度と乾燥風量はウレタン接着剤の溶媒が充分に蒸発するようにした。但し、乾燥風温度の設定値は100℃以下であり、該CPP、変性PP、PPの融点よりも低い。
【0061】
さらに、アルミニウム箔面上に貼り合わせるために、第二繰り出しに12μm厚のPETフィルムロールをセットした。上記条件にてドライラミネーターを90m/minの速度で走らせた。変性PP層とPP層及びCPP層は熱ロール接触後30mmで完全に溶融し、熱ロールから流れ方向に600mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は185℃、冷却ロールより流れ方向に400mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は30℃であった。得られた積層フィルム−2の構成はPET層12μm/接着剤層/アルミニウム箔層7μm/変性PP層3μm/PP層12μm/CPP層60μmであった。ラミネート強度は、繰り返し回数n=5で平均値は縦の流れ方向は10.8N/15mm、横方向は16.5N/15mmであった。
【0062】
実施例3
<積層フィルム−3の製造>
住友重機械工業(株)製の押出しラミネート機を用い、7μm厚のアルミニウム箔と60μm厚のCPPフィルム〔昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製アロマーUT−21 融点162℃〕の間に、アルミニウム箔面に近い方から順に変性PP〔日本ポリオレフィン(株)製アドテックスER353LA:厚さ3μm、融点150℃〕とPP〔厚さ12μm、融点160℃〕を共押出し、ラミネートした。このラミネートしたフィルムロールを熱ロールと冷却ロールを設置したドライラミネーターの繰り出しロールとして熱ロールにアルミニウム箔面が当たるようにセットした。熱処理設定温度の熱ロールの表面温度は210℃、冷却ロールの表面温度は20℃であった。また、グラビアコーター部でのウレタン接着剤〔東洋モートン(株)製 AD502〕のアルミニウム箔面への塗布量が乾燥重量で4g/m2となるように調整した。乾燥機内の乾燥風温度と乾燥風量はウレタン接着剤の溶媒が充分に蒸発するようにした。但し、乾燥風温度の設定値は100℃以下であり、該CPP、変性PP、PPの融点よりも低い。
【0063】
さらに、アルミニウム箔面上に貼り合わせるために、第二繰り出しに12μm厚のPETフィルムロールをセットした。上記条件にてドライラミネーターを90m/minの速度で走らせた。変性PP層とPP層及びCPP層は熱ロール接触後30mmで完全に溶融し、熱ロールから流れ方向に600mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は167℃、の冷却ロールより流れ方向に400mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は29℃であった。得られた積層フィルム−3の構成はPET層12μm/接着剤層/アルミニウム箔層7μm/変性PP層3μm/PP層12μm/CPP層60μmであった。ラミネート強度は、繰り返し回数n=5で平均値は縦の流れ方向は8.5N/15mm、横方向は10.5N/15mmであった.
【0064】
実施例4
<積層フィルム−4の製造>
CPPフィルムに昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製のアロマーUT−21の代わりに昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製のアロマーUを用いる以外、熱処理設定温度及び熱ロール並びに冷却ロール後方の包材温度条件も含め実施例2に準拠した。ラミネート強度は、繰り返し回数n=5で平均値は縦の流れ方向は11.4N/15mm、横方向は17.1N/15mmであった。
【0065】
比較例1
<積層フィルム−5の製造>
住友重機械工業(株)製の押出しラミネート機を用い、7μm厚のアルミニウム箔と60μm厚のCPPフィルム〔昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製アロマーUT−21 融点162℃〕の間に、アルミニウム箔面に近い方から順に変性PP〔日本ポリオレフィン(株)製アドテックスER353LA:厚さ3μm、融点150℃〕とPP〔厚さ12μm、融点160℃〕を共押出し、ラミネートした。このラミネートしたフィルムロールを熱ロールと冷却ロールを設置したドライラミネーターの繰り出しロールとして、熱ロールにアルミニウム箔面が当たるようにセットした。熱処理設定温度の熱ロールの表面温度は230℃、冷却ロールの表面温度は20℃であった。又グラビアコーター部でのウレタン接着剤〔東洋モートン(株)製AD502〕のアルミニウム箔面への塗布量が乾燥重量で4g/m2となるように調整した。乾燥機内の乾燥風温度と乾燥風量はウレタン接着剤の溶媒が充分に蒸発するようにした。但し、乾燥風温度の設定値は100℃以下であり、該CPP、変性PP、PPの融点よりも低い。
【0066】
さらに、アルミニウム箔面上に貼り合わせるために、第二繰り出しに12μm厚のPETフィルムロールをセットした。上記条件にてドライラミネーターを100m/minの速度で走らせた。熱ロールは加熱しなかった。熱ロールから流れ方向に600mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は室温の190℃、冷却ロールより流れ方向に400mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は25℃であった。得られた積層フィルム−4の構成は、PET層12μm/接着剤層/アルミニウム箔層7μm/変性PP層3μm/PP層12μm/CPP層60μmであった。ラミネート強度は、繰り返し回数n=5で平均値は縦の流れ方向は15.8N/15mm、横方向は15.2N/15mmであった。
【0067】
比較例2
<積層フィルム−6の製造>
住友重機械工業(株)の製押出しラミネート機を用い、7μm厚のアルミニウム箔と60μm厚のCPPフィルム〔昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製アロマーUT−21 融点162℃〕の間に、アルミニウム箔面に近い方から順に変性PP〔日本ポリオレフィン(株)製アドテックスER353LA:厚さ3μm、融点150℃〕とPP(厚さ12μm、融点160℃)を共押出し、ラミネートした。このラミネートしたフィルムロールを熱ロールと冷却ロールを設置したドライラミネーターの繰り出しロールとして、熱ロールにアルミニウム箔面が当たるようにセットした。熱処理設定温度の熱ロールの表面温度は220℃、冷却ロールの表面温度は38℃であった。また、グラビアコーター部でのウレタン接着剤〔東洋モートン(株)製AD502〕のアルミニウム箔面への塗布量が乾燥重量で4g/m2となるように調整した。乾燥機内の乾燥風温度と乾燥風量はウレタン接着剤の溶媒が充分に蒸発するようにした。但し、乾燥風温度の設定値は100℃以下であり、該CPP、変性PP、PPの融点よりも低い。
【0068】
さらに、アルミニウム箔面上に貼り合わせるために、第二繰り出しに12μm厚のPETフィルムロールをセットした。上記条件にてドライラミネーターを100m/minの速度で走らせた。熱ロールは加熱しなかった。熱ロールから流れ方向に600mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は室温の183℃、冷却ロールより流れ方向に400mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は56℃であった。得られた積層フィルム−4の構成はPET層12μm/接着剤層/アルミニウム箔層7μm/変性PP層3μm/PP層12μm/CPP層60μmであった。ラミネート強度は、繰り返し回数n=5で平均値は縦の流れ方向は15.7N/15mm、横方向は13.3N/15mmであった。
【0069】
比較例3
<積層フィルム−7の製造>
住友重機械工業(株)製の押出しラミネート機を用い、7μm厚のアルミニウム箔と60μm厚のCPPフィルム〔昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製アロマーUT−21 融点162℃〕の間に、アルミニウム箔面に近い方から順に変性PP〔日本ポリオレフィン(株)製アドテックスER353LA:厚さ3μm、融点150℃〕とPP〔厚さ12μm、融点160℃〕を共押出し、ラミネートした。このラミネートしたフィルムロールを熱ロールと冷却ロールを設置したドライラミネーターの繰り出しロールとして熱ロールにアルミニウム箔面が当たるようにセットした。熱ロールの表面温度は230℃、冷却ロールの表面温度は45℃であった。また、グラビアコーター部でのウレタン接着剤〔東洋モートン(株)製AD502〕のアルミニウム箔面への塗布量が乾燥重量で4g/m2となるように調整した。乾燥機内の乾燥風温度と乾燥風量はウレタン接着剤の溶媒が充分に蒸発するようにした。但し、乾燥風温度の設定値は100℃以下であり、該CPP、変性PP、PPの融点よりも低い。
【0070】
さらに、アルミニウム箔面上に貼り合わせるために、第二繰り出しに12μm厚のPETフィルムロールをセットした。上記条件にてドライラミネーターを90m/minの速度で走らせた。変性PP層とPP層及びCPP層は熱ロール接触後30mmで完全に溶融し、熱ロールから流れ方向に600mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は185℃、冷却ロールより流れ方向に400mmはなれた位置でのCPP層の表面温度は63℃であった。得られた積層フィルム−6の構成はPET層12μm/接着剤層/アルミニウム箔層7μm/変性PP層3μm/PP層12μm/CPP層60μmであった。ラミネート強度は、繰り返し回数n=5で平均値は縦の流れ方向は12.2N/15mm、横方向は15.4N/15mmであった。
【0071】
実施例5
実施例1〜3で得た積層フィルム−1〜積層フィルム−3の粉末X線回折図を図3〜図5に示した。スメクチック晶とα晶の混晶であることが分かる。この粉末X線回折図の2θ=17.0の波高値mmを前記式(1)に代入しα晶の含有率を得た。同様に2θ=18.5における波高値mmを前記式(2)に代入しα晶の含有率をそれぞれ得た。粉末X線回折図より波高及びα晶含有率を求めた結果を表1に示した。
【0072】
比較例4
比較例1及び3で得た積層フィルム−5及び積層フィルム−7の粉末X線回折図を図6及び図7に示した。この粉末X線回折図の2θ=17.0における波高mmと2θ=18.5における波高を作図により求めた。この波高値を前記式(1)または前記式(2)に代入しα晶混合率を求めた。その結果を表1に示した。
【0073】
実施例6
<酢豚入り平パウチの製造>
実施例1〜4で得た、PET層/Al層/変性PP/PP/CPPで構成されるパウチ用積層フィルムを2枚、CPP層が向かい合うようにして三方をヒートシールし、120mm×160mmの上辺開放の平パウチを作成した。この中に酢豚の元〔味の素(株)製Cook do酢豚用〕140gを充填した後、上辺をヒートシールし、密封平パウチを得た。これを温度130℃で8分レトルト処理した。同様にレトルト処理した密封平パウチを試験区ごとに1000袋づつ製造した。これらを破袋落下試験した。結果を表1に示した。
この結果、破袋率5%を下回った積層フィルム−1ないし4で製造された平パウチが適格となり、これらの積層フィルムのPP層はスメクチック晶とα晶との混合物であり、その時のα晶混合率は実測値で15ないし37重量%の範囲であった。
【0074】
比較例6
<酢豚入り平パウチの製造>
比較例1〜3で得た、PET層/Al層/変性PP/PP/CPPで構成されるパウチ用積層フィルムを2枚、CPP層が向かい合うようにして三方をヒートシールし、120mm×160mmの上辺開放の平パウチを作成した。この中に酢豚の元〔味の素(株)製Cook do酢豚用〕140gを充填した後、上辺をヒートシールし、密封平パウチを得た。これを温度130℃で8分レトルト処理した。同様にレトルト処理た密封平パウチを試験区ごとに1000袋づつ製造した。これらを破袋落下試験した。結果を表1に示した。
この結果、破袋率5%を上回った積層フィルム−5、−6及び−7で製造された平パウチが不適格となり、これらの積層フィルムのPP層はスメクチック晶とα晶との混合物かα晶であり、その時のα晶混合率は実測値で3重量%以下、又は65重量%以上であった。
【0075】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】スメクチック晶を示すポリプロピレンの加熱により生成したα晶の加熱温度依存性を示す図。
【図2】検量線を示す図。
【図3】実施例1で得た積層フィルム−1の粉末X線回折図。
【図4】実施例3で得た積層フィルム−2の粉末X線回折図。
【図5】実施例4で得た積層フィルム−3の粉末X線回折図。
【図6】比較例1で得た積層フィルム−5の粉末X線回折図。
【図7】比較例3で得た積層フィルム−7の粉末X線回折図。
Claims (13)
- スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層/変性ポリプロピレン含有溶着層/金属箔層/接着剤層/耐熱性ポリマー層からなる積層構造を有することを特徴とする密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
- 前記変性ポリプロピレン含有溶着層は、金属箔層側に溶着性変性ポリプロピレン層が位置している溶着性変性ポリプロピレンと溶着性ポリオレフィンとの共押出しラミネート層、溶着性変性ポリプロピレン単層押出しラミネート層によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
- 前記溶着性ポリオレフィンが溶着性変性ポリプロピレン以外の溶着性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項2記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
- 前記スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層のα晶混合率は7〜50重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
- 前記金属箔層はアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
- 前記金属箔と耐熱性ポリマー層間の接着剤層がウレタン系接着剤層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
- 前記耐熱性ポリマー層が、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、延伸又は未延伸のポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、エンジニアリングポリマーフィルムから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシート。
- 金属箔と予めフィルム又はシート状に加工した結晶性ポリプロピレン層の間に、溶着性変性ポリプロピレン層が金属箔側に位置するように溶着性変性ポリプロピレン含有層を共押出しで積層するか、あるいは金属箔側から溶着性変性ポリプロピレン層が金属箔側に位置するように溶着性変性ポリプロピレン含有層と結晶性ポリプロピレン層を共押出し又は順次押出して得られる積層体を金属箔面が熱ロールと接触するように熱ロールに送って溶着性変性ポリプロピレン含有層及び結晶性ポリプロピレン層を完全溶融し、熱ロールを出た積層体における変性ポリプロピレン含有層及び結晶性ポリプロピレン層の溶融状態を一定期間保持した後、積層体を冷却ロールに送り、室温付近の温度まで急冷してα晶混合率が7〜50重量%であるスメクチック晶とα晶の混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層を有する積層体を形成し、次いで、冷却ロールを出た積層体の金属箔面に接着剤層を介して耐熱性ポリマー層を積層することを特徴とする密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
- 前記溶着性変性ポリプロピレン含有層は、金属箔層側に溶着性変性ポリプロピレン層が位置している溶着性変性ポリプロピレンと溶着性ポリオレフィンとの共押出しラミネート層又は溶着性変性ポリプロピレン単層押出しラミネート層ラミネート層であることを特徴とする請求項8記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
- 前記溶着性ポリオレフィンが溶着性変性ポリプロピレン以外の溶着性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項9記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
- 前記スメクチック晶とα晶との混晶体からなる結晶性ポリプロピレン層のα晶混合率は7〜50重量%の範囲であることを特徴とする請求項9又は10に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
- 前記金属箔層はアルミニウム箔であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
- 前記金属箔面に耐熱性ポリマー層を積層接着するための接着剤がウレタン系接着剤であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の密封殺菌包装体用積層フィルム又はシートの製造方法。
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