JP2004267930A - 濃縮装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に伝熱管10が配設されて、該伝熱管10内の濃縮対象液体がボイラー11からの高圧蒸気との間で熱交換し得るようになされた第1熱交換器2と、前記伝熱管10から導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離する気液分離器3と、該気液分離器3によって分離された濃縮液を回収する回収タンク4とを備え、前記気液分離器3に、分離された水蒸気を吐出する水蒸気吐出口12が設けられ、前記伝熱管10の下端と前記回収タンク4とが連通接続された構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばカニエキス液の濃縮装置として好適に用いられる濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶質が溶解された水溶液の濃縮を行う濃縮装置としては、この濃縮対象の液体を加熱装置で加温した後、この加温状態の液体を、真空ポンプによって真空吸引または減圧吸引されている濃縮塔の内部空間の上部位置に供給し、この濃縮塔内を液滴状態で落下していく過程で水分を蒸発せしめることによって濃縮を行うようにした装置が公知である(特許文献1、2参照)。このような蒸発濃縮装置においては、濃縮塔の内部空間が真空ポンプによって真空または減圧状態に維持されていることが極めて重要であり、これによって液体中からの水分の蒸発化が可能となるものである。このような濃縮装置は、濃縮塔内に放たれた加温液滴から水分が瞬間的に気化(蒸発)することから、「フラッシュ式濃縮装置」と呼称されることもある。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−701号公報(段落0002)
【0004】
【特許文献2】
特開平5−111601号公報(請求項1、0005、0008)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の濃縮装置では、濃縮塔内を真空または減圧状態に維持するために真空ポンプ等の真空設備が必要となることから、装置が大型化してしまうと共に設備コストも非常に高くなるという問題があった。
【0006】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、真空設備を要せずして液体を濃縮することができて装置の小型化及び設備コストの低減が可能になる濃縮装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の第1発明、第2発明によって達成される。
【0008】
即ち、第1発明に係る濃縮装置は、内部に伝熱管が配設されて、該伝熱管内の濃縮対象液体がボイラーからの高圧蒸気との間で熱交換し得るようになされた第1熱交換器と、前記伝熱管の上端に連通接続され、該伝熱管から導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離する気液分離器と、前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクとを備え、前記気液分離器に、分離された水蒸気を吐出する水蒸気吐出口が設けられ、前記伝熱管の下端と前記回収タンクとが連通接続されていることを特徴とする。
【0009】
また、第2発明に係る濃縮装置は、内部に伝熱管が配設されて、該伝熱管内の濃縮対象液体がボイラーからの高圧蒸気との間で熱交換し得るようになされた第1熱交換器と、前記伝熱管の上端に連通接続され、該伝熱管から導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離する気液分離器と、前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクと、濃縮対象液体を貯留する貯留タンクと、前記気液分離器によって分離された水蒸気を導入することによって、貯留タンク内から供給されてくる濃縮対象液体を予熱する第2熱交換器とを備え、前記貯留タンクと前記回収タンクとが連通接続され、前記貯留タンクと前記第2熱交換器とが連通接続されると共に、前記伝熱管の下端と前記回収タンクとが連通接続されていることを特徴とする。
【0010】
上記いずれの発明も、第1熱交換器の伝熱管内で発生した濃縮対象液体の蒸気は、気液分離器内に導入され、ここで水蒸気と濃縮液に分離される、即ち蒸気中の一部が水蒸気として水蒸気吐出口から吐出される一方、水分(水蒸気)除去後の残りの蒸気が液化して濃縮液となって気液分離器の底部に残る。この発明の濃縮装置では、濃縮対象液体を蒸気の状態(気化状態)にして気液分離器内に導入する構成が採用されているから、真空吸引を行わなくても水蒸気と濃縮液に分離することが可能となる。このように真空設備を設けることなく比較的簡単な設備で液体を濃縮することができるから、濃縮装置の小型化を図ることができるし、設備コストも大幅に低減することができる。気液分離器の底部に滞留した濃縮液をさらに第1熱交換器に供給して前記同様の操作を1ないし複数回繰り返すようにすれば、さらに高濃度に濃縮することができる。
【0011】
また、第2発明では、第2熱交換器が設けられており、この第2熱交換器では気液分離器で分離された水蒸気の熱を有効利用して濃縮対象液体の予熱が行われるので、省エネルギー化を図ることができて、一層低コストで濃縮を行うことができる利点がある。
【0012】
上記いずれの発明においても、気液分離器は、その内部に、導入される発生蒸気の流れを遮る態様で1ないし複数枚の邪魔板が設けられた構成であるのが好ましい。気液分離器内に導入された発生蒸気は、その流れを遮る邪魔板に接触することによって、蒸気中の一部が水蒸気として分離される一方、水分(水蒸気)除去後の残りの蒸気が邪魔板に付着して液化されて濃縮液となり、この濃縮液が集まって気液分離器の底部に滞留する。このように容器内部に邪魔板を設けた構成とするだけで濃縮対象液体を水蒸気と濃縮液に分離することができるから、一層の省スペース化を図り得ると共に設備コストもさらに低減できる。
【0013】
中でも、特に好ましいのは、気液分離器内に複数枚の邪魔板が設けられて、導入される発生蒸気が気液分離器の内部空間を蛇行状に移動するものとなされ、この移動過程において導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離するものとなされた構成である。この構成を採用すれば、より高濃度に濃縮することが可能となる。
【0014】
更に、回収タンクは、タンク内の液面レベルが一定に保たれるようになされた開放回収タンクからなり、この開放回収タンク内の液面レベルと第1熱交換器の伝熱管内の液面レベルとが一致するようになされているのが好ましい。伝熱管の下端と回収タンクとが連通接続されているから、該伝熱管内での蒸気の発生に伴って液体が消費されると回収タンクより液体が補充される。この際、回収タンクが開放状態となされているから、回収タンク内の液面レベルと第1熱交換器の伝熱管内の液面レベルとが一致する状態に保持される。この時、回収タンクにおいて液面レベルが一定に保たれるようになされているから、伝熱管内における液面レベルが常に所望位置に保持される。液面が揺動することのない回収タンク側の液面レベルを制御することによって伝熱管内の液面レベルを制御するものであるから、極めて精度高く伝熱管内の液面レベルを制御することができ、ひいては伝熱管内における蒸気発生を安定して行わせることができるので、気液分離器内での水蒸気と濃縮液の分離を安定して行わせることができて生産管理が容易化され高品質の濃縮液を得ることができる。また、本構成によれば、伝熱管内の液面レベルを一定に制御するための特段の装置群を設ける必要がないから、装置の小型化を十分に図り得る。
【0015】
この発明に係るカニエキス液濃縮装置は、上記いずれかの構成の濃縮装置を備えていることを特徴とする。この装置によれば、高品質でかつ高濃度に濃縮されたカニエキス液を低コストで効率良く製造できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の濃縮装置の一実施形態を図示例とともに説明する。この濃縮装置(1)を示す図1において、(2)は第1熱交換器、(3)は気液分離器、(4)は回収タンク、(5)は貯留タンク、(6)は第2熱交換器である。
【0017】
前記貯留タンク(5)には濃縮対象液体が貯留される。この貯留タンク(5)の下部位置と、ボールタップ装置(40)とはポンプ(14)を管途中に備えた供給管(25)により連通接続されている。この供給管(25)の途中位置から第3送流管(26)が分岐しており、該第3送流管(26)の先端は第2熱交換器(6)に連通接続されている。
【0018】
前記回収タンク(4)は上面が開放されている。なお、この明細書において、「開放」の語は、本実施形態のように外見上明らかに開放されていることが認められる状態のみを意味するものではなく、例えば隙間や孔等を設けることによって外側の大気と連通状態となされて回収タンク(4)の内圧と外側の大気圧とが等しくなり得る状態にあることを意味するものである。
【0019】
前記回収タンク(4)の上部位置にはボールタップ装置(40)が付設されている。即ち、回収タンク(4)の内周面の上縁部にはボールタップ本体(41)が取り付けられると共に、該ボールタップ本体(41)より延出されたアーム(42)が回収タンク(2)内の内部空間の上部位置に突出されて揺動可能な状態に支持される一方、該アーム(42)先端に水より比重の小さい浮玉(43)が接合固定されている。このボールタップ装置(40)は、浮玉(43)が所定高さにある場合には、ボールタップ本体(41)内にあるバルブを閉じて供給管(25)からの濃縮対象液体の回収タンク(4)内への供給を停止させる一方、所定高さより低い位置にある場合にはバルブを開いて浮玉(43)の位置が所定高さに復帰するまで濃縮対象液体を回収タンク(4)内へ供給する装置である。而して、回収タンク(4)内に満たされた液体の液面レベル(液位)(n)が低下すると、これに伴って浮玉(43)の位置(高さ)も所定高さより低くなるから、直ちに浮玉(43)の位置が所定高さに復帰するまで回収タンク(4)内に濃縮対象液体の供給が行われる。このような機構によって、回収タンク(4)内の液面レベル(n)が常に一定位置に保たれるようになされている。
【0020】
第1熱交換器(2)は、円筒形状の外殻体の内部に、その軸線方向に沿って複数本(例えば数十本)の伝熱管(10)…が相互に所定間隔を隔てて平行状に配置されてなるものである。これら伝熱管(10)…同士の間の空間(以下、「熱媒体通過空間」という)(15)に熱媒体が導入されることによって、伝熱管(10)…内の液体との間で熱交換が行われる。前記伝熱管(10)…の上端は、いずれも第1熱交換器(2)上部の蒸気貯留室(16)に連通接続され、該蒸気貯留室(16)は第1送流管(22)を介して気液分離器(3)と連通接続されている。一方、前記伝熱管(10)…の下端は、いずれも第1熱交換器(4)下部の液体貯留室(17)に連通接続され、該液体貯留室(17)は、逆止弁(37)を管途中に備えた連通管(21)を介して前記開放回収タンク(4)の底面に連通接続されている。従って、回収タンク(4)内の液体は、連通管(21)、液体貯留室(17)を順に通過して伝熱管(10)…内に供給され、ここで伝熱管(10)…を介して熱媒体通過空間(15)内の高圧蒸気との間で熱交換がなされて蒸気化され、該蒸気(水及び媒質が含まれる)は蒸気貯留室(16)を通過して第1送流管(22)に導入される。
【0021】
前記第1熱交換器(2)の側壁の上縁部には円形状の熱媒体送入口(18)が設けられ、該熱媒体送入口(18)を介して第1熱交換器(2)内の熱媒体通過空間(15)と熱媒体送流管(20)とが連通状態となされている。また、前記第1熱交換器(2)の側壁の下縁部には円形状の熱媒体排出口(19)が設けられ、該熱媒体排出口(19)を介して第1熱交換器(2)内の熱媒体通過空間(15)と熱媒体排出管(28)とが連通状態となされている。而して、ボイラー(11)より供給される高圧蒸気は、熱媒体送流管(20)、熱媒体送入口(18)を順に通過して、前記熱媒体通過空間(15)内に進入し、ここで伝熱管(10)…を介して伝熱管(10)…内の液体との間で熱交換を行い、該液体を蒸気化せしめる。熱交換を終えた高圧蒸気は、熱媒体排出口(19)、熱媒体排出管(28)を順に通過して外に排水として排出される。
【0022】
前記熱媒体送流管(20)には圧力計(32)が取り付けられて、該熱媒体送流管(20)内における蒸気圧力を常時モニターし得るようになされている。また、熱媒体送流管(20)には運転操作の自動化を図るための電磁弁(31)が取り付けられている。
【0023】
前記第1熱交換器(2)の頂部には温度センサー(33)が取り付けられて、そのセンサー部(33a)が前記蒸気貯留室(16)に配置される一方、この温度センサー(33)からの信号に呼応して導入蒸気量を制御できるようになされた流量制御弁(30)が熱媒体送流管(20)に取り付けられている。これにより、発生蒸気の温度を逐一モニターし、これに応じて高圧蒸気の導入流量を調整するようになされている。
【0024】
前記気液分離器(3)の天壁には水蒸気吐出口(12)が設けられ、この水蒸気吐出口(12)に第2送流管(23)の一端が連通接続されると共に、該第2送流管(23)の他端は第2熱交換器(6)の側壁の上縁部に連通接続されている。また、気液分離器(3)の側壁の下縁部には前記第1送流管(22)が連通接続されている。更に、この気液分離器(3)の底壁には回収管(24)の一端が連通接続され、該回収管(24)の他端は回収タンク(4)の側壁の上縁部に連通接続されている。
【0025】
前記気液分離器(3)の内部空間には、図1に示すように、複数枚の邪魔板(13)…が相互に所定間隔を有しつつ該気液分離室(3)の天壁に対して平行状に突設されている。この邪魔板(13)…は、それぞれ気液分離室(3)の四側壁のうちの一側壁とは接合されずに残りの三側壁と接合されてなるものであるが、この邪魔板(13)…の接合されない部分が、図1に示すように、邪魔板(13)…の1つ置きに交互に対向位置に配置されるようになされているから、前記第1送流管(22)から気液分離器(3)内に導入された蒸気は、その流れを邪魔板(13)…に遮られて気液分離器(3)の内部空間を蛇行する態様で移動するものとなされる。そして、この移動過程において、導入された蒸気は数回その移動方向を反転させることとなるが、この際に蒸気は気液分離器(3)の側壁や邪魔板(13)…と衝突し、これによって蒸気中に含まれる水分の一部が水蒸気となって前記水蒸気吐出口(12)を介して第2送流管(23)内に吐出される一方、水分(水蒸気)除去後の残りの蒸気が液化して濃縮液となって気液分離器(3)の底部に滞留する。この滞留した濃縮液は、回収管(24)を通って回収タンク(4)内に送られる。
【0026】
第2熱交換器(6)の内部空間には、複数本の伝熱管(50)…が配置されており、該伝熱管(50)…の上端は前記第4送流管(27)の一端に連通接続され、該第4送流管(27)の他端は前記貯留タンク(5)内の上部位置で開口するものとなされている。伝熱管(50)…の下端は第3送流管(26)に連通接続されている。また、第2熱交換器(6)の側壁の上縁部には前記第2送流管(23)が取り付けられて、該第2送流管(23)と熱媒体通過空間(60)とが連通されている。更に、第2熱交換器(6)の側壁の下縁部には排出管(51)が取り付けられて、該排出管(51)と熱媒体通過空間(60)とが連通されている。而して、前記気液分離器(3)で分離された水蒸気は、第2送流管(23)を通過して熱媒体通過空間(60)内に進入し、ここで伝熱管(50)…内の濃縮対象液体(貯留タンク(5)から第3送流管(26)を介して送流されてきた液体)との間で熱交換を行い、濃縮対象液体の予熱を行った後、排水管(51)を通過して外部に排出される。一方、予熱された濃縮対象液体は、伝熱管(50)…内を上昇して第4送流管(27)内に進入し、ここを通過して貯留タンク(5)内に戻される。このような第2熱交換器(6)を設けることによって、濃縮のために気液分離器(3)で分離せしめた水蒸気を、更に貯留タンク(5)内の濃縮対象液体の予熱に有効利用できるので、省エネルギー化を図れるという利点がある。
【0027】
而して、前記貯留タンク(5)内に濃縮対象液体(例えばカニエキス液等)を供給し、ポンプ(14)を駆動させると、回収タンク(4)及び第1熱交換器(2)に液体が供給されていき、回収タンク(4)内の液面レベル(n)が所定高さになったところで供給が停止する。この時、第1熱交換器(2)の伝熱管(10)…内の液面レベル(m)は回収タンク(4)内の液面レベル(n)と一致した状態となる。一方、ボイラー(11)より高圧蒸気を熱媒体送流管(20)、熱媒体送入口(18)を介して第1熱交換器(2)内の熱媒体通過空間(15)内に導入すると、伝熱管(10)…を介して伝熱管(10)…内の液体との間で熱交換が行われて該液体が蒸気(気体状態)となって蒸気貯留室(16)を上昇して第1送流管(22)に進入する。このような液体の蒸気化により伝熱管(10)…内の液体が消費されると、連通管(21)を介して回収タンク(4)より液体が補充される。この時、回収タンク(4)が開放状態となされているから、回収タンク(4)内の液面レベル(n)と第1熱交換器(2)の伝熱管(10)…内の液面レベル(m)とが一致する状態に保持される。ここで、回収タンク(4)内の液面レベル(n)がボールタップ装置(40)により予め所定位置に保たれるようになされているから、伝熱管(10)内における液面レベル(m)が常に所望の一定位置に保持されるものとなる。このように伝熱管(10)内の液面レベル(m)を装置(1)の運転状態において常に一定位置に保持せしめることができるので、伝熱管(10)…内における蒸気発生を安定して行わせることができ、これにより気液分離器(3)での水蒸気と濃縮液の分離を安定して行わせることができる。
【0028】
前記第1熱交換器(2)の伝熱管(10)…内で発生した濃縮対象液体の蒸気は、第1送流管(22)を通過して気液分離器(3)内に進入し、その内部空間を蛇行状に移動する過程で水蒸気と濃縮液に分離される。分離された水蒸気は、気液分離器(3)内を上昇して水蒸気吐出口(12)、第2送流管(23)を通過して、第2熱交換器(6)の熱媒体通過空間(60)に進入し、ここを通過する間に伝熱管(50)…内の濃縮対象液体を予熱し、しかる後に排水管(51)から外部に排出される。一方、気液分離器(3)内の底部に滞留した濃縮液は、回収管(24)を通過して回収タンク(4)内に戻される。この濃縮液はさらに第1熱交換器(2)に供給されたのち気液分離器(3)でさらに濃縮されて回収タンク(4)内に戻される。このような操作が繰り返されることによって、高濃度に濃縮された液体を得ることができる。なお、このような濃縮操作が進行するのに伴って回収タンク(4)内の液量が低下すると前記ボールタップ装置(40)の作用によって順次貯留タンク(5)から新たな濃縮対象液体が回収タンク(4)に供給されていくから、回収タンク(4)内の液面レベルは常に一定位置(n)に保持される。このような過程を経ることで、貯留タンク(5)内に注入された濃縮対象液体は、高濃度に濃縮されて回収タンク(4)内に回収される。
【0029】
この発明の濃縮装置(1)は、カニエキス液(例えばカニを熱湯でボイルした際に出るカニエキス液)の濃縮装置として特に好適であるが、このような用途に特に限定されるものではなく、その他の液体の濃縮にも用いられる。
【0030】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0031】
<実施例1>
図1に示す構成の濃縮装置(1)を用いて、カニを熱湯でボイルした際に出たカニエキス液の濃縮を行った。即ち、カニエキス液(原液)を貯留タンク(5)に充填して濃縮装置を稼働させた。そして貯留タンク(5)内の液量が減少すれば順次カニエキス液(原液)を補充供給しながら、5時間連続運転することによって回収タンク(4)内にカニエキス濃縮液を得た。貯留タンク(5)に供給したカニエキス液(原液)の量は合計で7000kgであり、これに対して得られたカニエキス濃縮液は140kgであるから、この濃縮操作によって50倍に濃縮された濃縮液を得ることができた。なお、このようなカニエキス濃縮液は、例えばカニ風味食品の製造等に用いられる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1、2の発明によれば、第1熱交換器の伝熱管内で発生した濃縮対象液体の蒸気は、気液分離器内に導入され、ここで水蒸気と濃縮液に分離される、即ち蒸気中の水分の一部が水蒸気として水蒸気吐出口から吐出される一方、水分(水蒸気)除去後の残りの蒸気が液化して濃縮液となって気液分離器の底部に残る。このように真空設備を設けることなく比較的簡単な設備で液体を濃縮することができるから、濃縮装置の小型化を図ることができるし、設備コストも大幅に低減することができる。気液分離器の底部に滞留した濃縮液をさらに第1熱交換器に供給して前記同様の操作を繰り返すようにすれば、さらに高濃度に濃縮することができる。
【0033】
更に、請求項2の発明では、第2熱交換器内において、気液分離器で分離された水蒸気の熱を有効利用して濃縮対象液体の予熱を行うことができるので、省エネルギー化を図ることができ、一層低コストで濃縮を行うことができる。
【0034】
請求項3、4の発明によれば、上記効果に加えて、容器内部に邪魔板を設けた構成とするだけで濃縮対象液体を水蒸気と濃縮液に分離することができるから、一層の省スペース化を図り得ると共に設備コストもさらに低減できる。更に、請求項4の発明では、より高濃度に濃縮できる利点がある。
【0035】
請求項5の発明によれば、上記効果に加えて、液面が揺動することのない回収タンク側の液面レベルを制御することによって伝熱管内の液面レベルを制御するので、極めて精度高く伝熱管内の液面レベルを制御することができ、ひいては伝熱管内における蒸気発生を安定して行わせることができる。これにより、気液分離器内での水蒸気と濃縮液の分離を安定して行わせることができて生産管理が容易になるので高品質の濃縮液が得られる。また、伝熱管内の液面レベルを一定に制御するための特段の装置群を設ける必要がないので、装置の小型化を十分に図り得る。
【0036】
請求項6の発明によれば、高品質でかつ高濃度に濃縮されたカニエキス液を低コストで効率良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る濃縮装置を示す構成概略図である。
【符号の説明】
1…濃縮装置
2…第1熱交換器
3…気液分離器
4…回収タンク
5…貯留タンク
6…第2熱交換器
10…伝熱管
11…ボイラー
12…水蒸気吐出口
13…邪魔板
Claims (6)
- 内部に伝熱管が配設されて、該伝熱管内の濃縮対象液体がボイラーからの高圧蒸気との間で熱交換し得るようになされた第1熱交換器と、
前記伝熱管の上端に連通接続され、該伝熱管から導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離する気液分離器と、
前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクとを備え、
前記気液分離器に、分離された水蒸気を吐出する水蒸気吐出口が設けられ、
前記伝熱管の下端と前記回収タンクとが連通接続されていることを特徴とする濃縮装置。 - 内部に伝熱管が配設されて、該伝熱管内の濃縮対象液体がボイラーからの高圧蒸気との間で熱交換し得るようになされた第1熱交換器と、
前記伝熱管の上端に連通接続され、該伝熱管から導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離する気液分離器と、
前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクと、
濃縮対象液体を貯留する貯留タンクと、
前記気液分離器によって分離された水蒸気を導入することによって、貯留タンク内から供給されてくる濃縮対象液体を予熱する第2熱交換器とを備え、
前記貯留タンクと前記回収タンクとが連通接続され、前記貯留タンクと前記第2熱交換器とが連通接続されると共に、前記伝熱管の下端と前記回収タンクとが連通接続されていることを特徴とする濃縮装置。 - 前記気液分離器内に、導入される発生蒸気の流れを遮る態様で1ないし複数枚の邪魔板が設けられて、導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離するものとなされている請求項1または2に記載の濃縮装置。
- 前記気液分離器内に複数枚の邪魔板が設けられて、導入される発生蒸気が気液分離器の内部空間を蛇行状に移動するものとなされ、この移動過程において導入される発生蒸気を水蒸気と濃縮液に分離するものとなされている請求項1または2に記載の濃縮装置。
- 前記回収タンクは、タンク内の液面レベルが一定に保たれるようになされた開放回収タンクからなり、この開放回収タンク内の液面レベルと第1熱交換器の伝熱管内の液面レベルとが一致するようになされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の濃縮装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の濃縮装置を備えていることを特徴とするカニエキス液濃縮装置。
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Cited By (10)
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